説明

案内レール内でのガラス板の摺動可能な保持のための装置

【課題】 案内レール内でのガラス板の摺動可能な保持のための装置に関し、保持レールの磨耗に起因する修理を低コストとする装置を提供すること。
【解決手段】 溶融接着剤充填部(7)が取付けられ少なくとも一のロック要素(10,11)を備える少なくとも一の固定部材(2)を有する案内レール内でのガラス板(1)の摺動可能な保持のための装置において、各々のロック要素(10,11)と係合可能な長状の保持レール(3)を有する。各々のロック要素(10,11)は、各々の固定部材(2)が保持レール(3)としっかりと連結される調整位置と、保持レール(3)との係合が解除されガラス板(1)が保持レール(3)から取外し可能である解除位置との間で移動可能である。これによって、ガラス板(1)は保持レール(3)から取外し可能に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は案内(摺動)レール内でのガラス板の摺動可能な保持のための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば案内レール内で摺動可能な車両のサイドガラスあるいは後部ガラスのような公知のガラス板の摺動可能な保持のための装置においては、ガラス板は案内レール内で摺動可能に受承された保持レールに接着されている。これによって高い安定性が達成されるとしても、保持レールが磨耗した際、ガラス板を交換しなければならないという不利な点が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、磨耗に起因する修理の際コストの低い、案内レール内でのガラス板の摺動可能な保持のための装置を提供することを、その課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1に記載される特徴事項を有する案内レール内でのガラス板の摺動可能な保持のための装置によって解決される。
【発明の効果】
【0005】
本発明による装置では、ガラス板がそれに接着された少なくとも一の固定部で保持レールから離脱可能に連結されるということによって、保持レールの磨耗の際、当該または各々のロック要素をフリー状態へ移行させた後で、ガラス板を磨耗した保持レールから取外し、案内レールに組込む新しい保持レールに再び連結する。これによって、保持レールだけを交換すればよく、一方ガラス板は再度利用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の目的に適う更なる展開形態は、従属請求項の対象である。
【0007】
ここで本発明を添付の図でもって好ましい実施例を詳述するが、そこから目的に沿った別の構成態様や利点が生じる。
【実施例】
【0008】
図1は、ほぼガラス板1の厚さに形成された材料厚さを有し、ガラス板の角(コーナ)領域でその縁に沿って各々硬質で弾性のあるプラスティックから製造される平坦な発明に係る装置の一実施例における固定部材2が接着された長方形のガラス板1を斜視図で示す。図1に係る実施例は、周りを(全周で)取囲まれ長手方向に延びる収容溝4を有する金属製または硬いプラスティック製の長手の保持レール3を備える。
【0009】
収容溝4の長さは、固定部材2が配置されるガラス板1の縁の長さに相当する。収容溝4には、固定部材2に対応して配置され長手方向でそして直交方向で固定部材2に対応した寸法を有する収容切欠部(窪み)5が備えられる。
【0010】
図2は図1に係る実施例の固定部材2を斜視図で示す。本質的に直方体に成形された固定部材2は平坦部に溶融接着剤から成る溶融接着剤充填部7を収容する周縁を備える(接着剤)充填部窪み6を備え、溶融接着剤充填部7は全周で充填窪み6から一定間隔を有する。充填窪み6および溶融接着剤充填部7の容積は、溶融後に溶融接着剤充填部7が固定部材2のガラス板1との接着のため充填窪み6を充満するように、しかし溶融接着剤充填部7の材料が充填窪み6の縁からはみ出ないように相互に調整される。
【0011】
さらに図2からは、どの固定部材2も互いに対峙した位置にある短い方の縁側に、固定部材2の略半分の高さで延び張出した側方肩部8,9を有する。側方肩部8,9に対峙した位置にある長い縁側には各々端部を有するロック装置として、弾性の可撓性のあるばね舌部10,11が成形される。これらのばね舌部は、側方肩部8,9の方向外側へ延びて斜めに突出し図2に示されるリラックスした(外力が作用しない)部材の位置において側方肩部8,9の横側の前面端を越えて突出する。
【0012】
図3は図1に係る実施例を、ガラス板1がこれに取付けられた固定部材2とともに保持レール3へ挿入される状態における長手方向での断面で示す。この状態においてばね舌部10,11の自由端部はいずれもばね作用によって、挿入側で側方肩部8,9の横側の前面端間の間隔に相当した寸法で構成される収容切欠部5へ挿入された後で、収容切欠部5に形成される後方係止角部12,13を背後で係合する(スナップ係合、hintergreifen)ということが、図3から読み取れる。この再びリラックスしたロック位置で固定部材2はガラス板1を保持レール3に確保し、側方肩部8,9の横側の前面端は該当する収容切欠部5の各々に対応して設置された壁部に当接し、それによってばね舌部10,11の除負荷の下に固定部材2へ作用する摺動力(保持レール方向力)を引受ける(に抵抗作用する)。
【0013】
図3において更には保持レール3を有する固定部材2の取付けの解決策のための目的に合ったロック解除工具14が開示される。ロック解除工具14はばね舌部10,11の間隔に相応した間隔で、ばね舌部10,11の領域で開口部を通して収容切欠部5へ挿入可能である棒状に突出した楔状突起15,16を備え、ばね舌部10,11はこれによってばね舌部10,11の接続のため側方肩部8,9の延長方向に位置する舌部解除作動部(Zungenfreimachungen)17,18内で、後方係止角部12,13との背後での係合が解除されそれでもって固定部材2がガラス板1とともに再び収容切欠部5から取出し可能である解除位置を占有するために移動可能である。
【0014】
更には、実施例に関する固定要素2とともに他の構成物体がガラス板1とともに取出されるように連結することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図において、
【図1】ガラス板および、各々ガラス板の角領域において縁部に沿って接着される二台の固定部材とガラス板を保持レール挿入する前にガラス板および固定部材の収容のため形成された保持レールとを備える発明に係る装置の一実施例の斜視図、
【図2】図1に関する実施例の固定部材の斜視図、および
【図3】図1に係る実施例の、ガラス板がそれに取付けられた固定部材でもって保持レール3へ挿入される状態における長手方向での断面であり、更に保持レールを有する固定部材の取付けの解決策のための目的に合ったロック解除装置が開示される。
【符号の説明】
【0016】
1 ガラス板
2 固定部材
3 保持レール
4 収容溝
5 収容切欠部(窪み)
6 (溶融接着剤)充填窪み
7 溶融接着剤充填部
8、9 側方肩部
10、11 ばね舌部
12、13 後方係止角部
14 ロック解除装置
15、16 楔状突起
17、18 舌部解除作動部(スペース)(Zungenfreimachungen)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融接着剤充填部(7)が取付けられ少なくとも一のロック要素(10,11)を備える少なくとも一の固定部材(2)と、当該または各々のロック要素(10,11)と係合可能な長い保持レール(3)とを有する、案内レール内でのガラス板(1)の摺動可能な保持のための装置であって、
当該または各々のロック要素(10,11)は、当該または各々の固定部材(2)が保持レール(3)としっかり連結されるロック位置と、保持レール(3)との係合が解除されガラス板(1)が保持レール(3)から取外し可能である解除位置との間で移動可能である装置。
【請求項2】
保持レール(3)はガラス板を全周で取囲むように寸法構成された長手方向に延びる収容溝(4)を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
当該または各々の固定部材(2)を取囲んで収容するために構成された収容切欠部(5)は収容溝(4)に接続されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
当該または各々の固定部材(2)は、相互に対峙した側に配置されて張出す側方肩部(8,9)を備え、
該側方肩部(8,9)は、収容切欠部(5)へ挿入された固定部材(2)の配置においてそれに対向する収容切欠部(5)の側縁壁に当接することを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
各固定部材(2)はロック要素として少なくとも一の横側へ突出し可撓性のあるばね舌部(10,11)を有すること、および当該または各々の収容切欠部(5)は当該あるいは各ばね舌部(10,11)のために、該当するばね舌部(10,11)の自由端がロック位置に置いて後方係止角部(12,13)を備えることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
ばね舌部(10,11)を指向する側方肩部(8,9)の側に奥行きがばね舌部(10,11)の厚さより大きいばね舌部解除作動部(スペース)(17,18)が備えられること、および
当該または各々の収容切欠部(5)は当該または各々のばね舌部(10,11)の領域に、解除工具(14)を収容切欠部(5)へ挿入する際保持レール(3)に対向する側からばね舌部(10,11)を自由解除位置へ移行可能とする開口部を備えることを特徴とする請求項5に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−525220(P2009−525220A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552711(P2008−552711)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/000409
【国際公開番号】WO2007/090509
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(507046288)アー ライモント エ カンパニュイ (71)
【Fターム(参考)】