説明

梁と柱との接合構造および接合部材

【課題】 異なる高さの梁を柱に接合する場合において、柱内部にダイアフラム等の部材を接合することなく、簡易な構造で柱の外部のみで作業が可能な梁と柱との接合構造を提供する。
【解決手段】 梁接合部材9は、底面側が柱接合面14となり、一方の側面が梁設置面16となる。すなわち、柱接合面14と梁設置面16とは略垂直に形成される。柱接合面14は、柱の表面と接合される部位である。柱接合面14には、凹部15が形成される。凹部15の深さは、梁接合部材9の本体厚みの半分以上の深さであることが望ましい。また、柱接合面14には、幅方向に渡って切欠き部11が形成される。切欠き部11は、ダイアフラムとの干渉を避けるものである。切欠き部11の近傍において、凹部15には幅方向に必要に応じてリブ17が設けられる。リブ17は、梁接合部材の変形を防止して梁接合部材を補強するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管柱に対して、異なる高さの梁を接合するための梁と柱との接合構造等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼管柱を用いた構造物において、H形鋼からなる梁を接合する場合がある。柱と梁とを接合する場合には、接合部において、梁からの応力を柱に効率良く伝達させるために、梁のフランジ部の高さに応じた通しダイアフラムが設けられる。通しダイアフラムは、柱と柱の間に溶接等で接合される板状部材である。通常、梁のフランジ部は、通しダイアフラムの側面で突きあわされて溶接される。
【0003】
しかし、柱に接合される梁のサイズ(高さ)が全ての方向で同じではない場合がある。例えば、一方向の梁のみ、高さが低い梁を接合する場合がある。このような場合には、当該梁の上下のフランジ部の内、少なくとも一方は他の梁が接合される通しダイアフラムと接合することができない。
【0004】
したがって、このような高さの異なる梁を接合するためには柱内部に内ダイアフラムを接合する等の必要がある。
【0005】
また、このような高さの異なる梁を接合するための柱梁接合構造として、角形断面管と、該角形断面管の並行する2辺を支持する十字プレートと、該角形断面管の角部を挟む2辺を支持する斜めプレートとが鋳造により一体的に成形され、且つ外周面の少なくとも梁が取り付けられる範囲が平坦に形成された柱梁接合金物の端部が角形断面管からなる柱に溶接接合され、H形鋼からなる梁が前記柱梁接合金物の外周面にノンスカラップ溶接により接合される柱梁接合構造がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−329613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、柱内部に内ダイアフラムを設ける作業は、溶接量が多く、作業性が悪いという問題がある。また、特許文献1に記載の構造では、柱梁接合部を一体成型する必要があり、金物の質量が大きくなるとともに高価なものとなる。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、異なる高さの梁を柱に接合する場合において、柱内部にダイアフラム等の部材を接合することなく、簡易な構造で柱の外部のみで作業が可能な梁と柱との接合構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、第1の発明は、梁と柱との接合構造であって、柱と接合される柱接合面と、前記柱接合面と略垂直な面である梁設置面とを有し、前記柱接合面には、ダイアフラムとの干渉を防止するための切欠き部が本体の幅方向に渡って形成される接合部材を用い、柱に形成される一対のダイアフラムと、上下の前記ダイアフラムにそれぞれのフランジ部が接合される第1の梁と、前記第1の梁と高さが異なり、前記第1の梁とは異なる方向に前記柱と接合される第2の梁と、を具備し、前記切欠き部において干渉を防止した前記ダイアフラムの延長部と前記接合部材との交差部における前記接合部材の厚みが前記柱の厚みよりも大きくなるように設定され、前記第2の梁の一方のフランジ部は一方の前記ダイアフラムと接合され、前記第2の梁の他方のフランジ部と他方の前記ダイアフラムとの間の前記柱の外面側に前記接合部材の前記柱接合面が接合され、前記接合部材を介して、前記第2の梁の他方のフランジ部と他方の前記ダイアフラムとの間の応力伝達が行われることを特徴とする梁と柱との接合構造である。
【0010】
前記柱接合面側に凹部が設けられ、前記凹部の深さは、前記接合部材の全厚の半分以上の深さであり、かつ、前記切欠き部において干渉を防止した前記ダイアフラムの延長部と前記接合部材との交差部における前記接合部材の厚みが前記柱の厚みよりも大きくなるように設定される事が望ましい。前記第2の梁の他方のフランジ面の下面が、前記接合部材の前記梁設置面と接触することが望ましい。前記凹部には、幅方向にリブが形成されてもよい。
【0011】
第1の発明によれば、柱に接合される接合面側に凹部が形成され、凹部の深さが本体の厚みの半分以上であるため過剰な強度を有さずに軽量化を達成することができる。例えば、梁が柱から離れる方向に力が付与された際には、柱が引張力を負担し、接合部材が圧縮力を負担する。この際、接合部材に付与される圧縮力は、接合部材の厚みの中心から外方側が受け持つこととなる。
【0012】
すなわち、前述した梁からの力の向きに対しては、接合部材の厚みの中心から内方側は圧縮力を負担せず、また、引張力は柱が受け持つため、この部位に過剰な強度は不要である。したがって、この部位に凹部を形成することで、高い強度と軽量化を両立することができる。
【0013】
また、接合部材がダイアフラムと柱の外面に溶接され、梁のフランジ部の下面と接合部材の梁設置面とが接触すれば、梁からの応力を確実に柱に伝達することができる。
【0014】
また、凹部において、幅方向にリブが形成されれば、梁から柱に力が付与された際における接合部材の変形等を防止することができる。
【0015】
第2の発明は、梁と柱との接合部材であって、柱と接合される柱接合面と、前記柱接合面と略垂直な面である梁設置面と、前記柱接合面の幅方向に渡って形成される、ダイアフラムとの干渉を防止するための切欠き部と、を具備し、前記柱接合面には、前記接合部材の厚みの半分以上の深さの凹部が形成されることを特徴とする接合部材である。
【0016】
第2の発明によれば、サイズの異なる梁と柱との接合部に使用することができ、梁から柱への応力を効率よく伝達することができるとともに、軽量な梁接合部材を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、異なる高さの梁を柱に接合する場合において、柱内部にダイアフラム等の部材を接合することなく、簡易な構造で柱の外部のみで作業が可能な梁と柱との接合構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】柱と梁の接合構造1を示す斜視図。
【図2】梁接合部材9を示す斜視図であり、(a)は上面斜視図、(b)は底面斜視図。
【図3】柱と梁の接合構造1を示す立面図であり、図1のA−A線断面図。
【図4】(a)は柱と梁の接合構造1を示す立面図であり、図1のB−B線断面図、(b)は(a)のC−C線断面図。
【図5】梁接合部材21を示す斜視図であり、(a)は上面斜視図、(b)は底面斜視図。
【図6】柱と梁の接合構造20を示す立面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態にかかる柱と梁の接合構造1について説明する。図1は、柱と梁の接合構造1を示す斜視図である。柱と梁の接合構造1は、柱5に複数の梁7a、7bが接合された構造である。
【0020】
柱5は中空の角形鋼管であり、梁7a、7bはH形鋼である。梁7aと梁7bとは、梁の高さが異なる。なお、図1の例では、梁7aが柱5の三方向に形成され、梁7bが一方向に形成される例を示すが、本発明ではこれに限られず、梁7bを複数方向に設けてもよい。
【0021】
柱5には、一対のダイアフラム3a、3bが接合される。なお、ダイアフラム3a、3bは、柱5の外方に突出する通しダイアフラムである。ダイアフラム3a、3bは、柱5に所定の間隔をあけて上下に設けられる。
【0022】
梁7aの上下のフランジ部の端部は、それぞれダイアフラム3a、3bと溶接によって接合される。すなわち、ダイアフラム3a、3bの設置間隔は梁7aのフランジ部間隔と一致する。したがって、梁7aからの応力を柱に確実に伝達することができる。
【0023】
梁7bの上方のフランジ部8aの端部は、上方のダイアフラム3aと溶接によって接合される。梁7bは梁7aよりも高さが低いため、梁7bの下方のフランジ部8bとダイアフラム3bとの間には隙間が生じる。
【0024】
本発明では、ダイアフラム3bと梁7bのフランジ部8bとの間に梁接合部材9が接合される。すなわち、梁接合部材9を介して梁7bのフランジ部8bとダイアフラム3bとが接合される。したがって、梁7bからの応力を柱に確実に伝達することができる。
【0025】
図2は、梁接合部材9示す斜視図であり、図2(a)は上面斜視図、図2(b)は底面斜視図である。梁接合部材9は、底面側が柱接合面14となり、一方の側面が梁設置面16となる。すなわち、柱接合面14と梁設置面16とは略垂直に形成される。
【0026】
柱接合面14は、柱の表面と接合される部位である。柱接合面14には、凹部15が形成される。凹部15の深さは、梁接合部材9の本体厚みの半分以上の深さであることが望ましい。
【0027】
また、柱接合面14には、幅方向に渡って切欠き部11が形成される。切欠き部11は、ダイアフラムとの干渉を避けるものである。切欠き部11の近傍において、凹部15には、必要に応じて幅方向にリブ17が設けられる。リブ17の端面は、柱接合面14と同一面となってもよく、または、リブ17の高さが、凹部15の深さよりも低くてもよい。リブ17は、梁接合部材の変形を防止して梁接合部材を補強するものである。
【0028】
梁接合部材9の両側面の柱接合面との縁部には、テーパ部13が設けられる。テーパ部13は、梁接合部材9と柱5との溶接代を示すものである。溶接代が小さすぎると、溶接強度を確保することができず、また、溶接代が大きすぎると、梁接合部材等の歪が大きくなるとともに、過剰なコストを要するためである。したがって、適切な溶接代を示すためのテーパ部13が形成される。
【0029】
梁接合部材9は、切欠き部11において、最も厚みが厚く、両端に向かって厚みが徐々に薄くなるように形成される。なお、梁接合部材9の形状は、図示した例に限られず、凹部15の形状や梁接合部材9の外形などは、前述した構成を有する限り、適宜設定される。
【0030】
図3は、柱と梁の接合構造1を示す図であり、図1のA−A線断面図である。また、同様に図4(a)は、図1のB−B線断面図である。
【0031】
図3に示すように、梁接合部材9は、上面(梁設置面16)が梁7bのフランジ部8bの下面と接触するように柱5に接合される。すなわち、梁接合部材9は、通しダイアフラムであるダイアフラム3bの突出部上面と梁7b下面との間を埋めるように固定される。
【0032】
前述の通り、梁接合部材9のダイアフラム3bとの接合部に対応する部位は、切欠き部11が形成される。このため、梁接合部材9とダイアフラム3bとが干渉することがない。梁接合部材9の下端は、ダイアフラム3bよりも下方に位置する。すなわち、梁接合部材9は、ダイアフラム3bをまたいで柱5の外周面と接合される。
【0033】
梁接合部材9と柱5とは、前述したテーパ部において、溶接部19によって接合される。なお、梁7bのフランジ部8bの下面と梁設置面16との接触面は、必ずしも溶接する必要はない。
【0034】
また、図3において、梁7bの上方のフランジ部8aとダイアフラム3aの接触部とを溶接し、梁7bのウェブ部およびフランジ部8bの端部と柱5の外周面との接触部とを溶接し、梁接合部材9と柱5およびダイアフラム3bとの接触部を溶接してもよいが、梁接合部材9は、柱5の外周面と溶接されれば良く、梁接合部材9とダイアフラム3bとは、必ずしも溶接する必要はない。この場合には、切欠き部11を大きくし、梁接合部材9とダイアフラム3bとの間には隙間が形成されてもよい。
【0035】
なお、梁接合部材9が接合されるダイアフラム3bの延長部(梁接合部材9を鉛直方向の柱に接合した際に、これと直交する方向の延長部)と梁接合部材9との交差部における梁接合部材9の厚み(当該部位における凹部15の底部における厚み)をTとすると、Tは、柱5の厚みtよりも大きくなるように設定される。すなわち、凹部15の深さは、梁接合部材9の本体全厚の半分以上の深さであり、かつ、Tがtよりも大きくなるように設定される。
【0036】
このように、ダイアフラム3bと梁7bとの間に梁接合部材9を設けることで、梁7bからの下方に向かう応力や、ダイアフラム3aとの接合部を起点としたモーメント等を確実に柱5に伝達することができる。
【0037】
図4(b)は、図4(a)のC−C線断面図である。前述の通り、梁接合部材9は、テーパ部13で柱5と溶接される。この状態で、梁から柱に力が加わった場合には、梁接合部材9にも力が付与される。
【0038】
例えば、図3において、梁7bが柱5cから離れる方向(図中右方向)に力が付与されるとする。この場合、柱5および梁接合部材9の厚み方向の中心(図中D)よりも内方側(図中E)には引張方向の力が付与される。また、梁接合部材9の厚み方向の中心(図中D)よりも外方側(図中F)には、圧縮力が付与される。
【0039】
この場合には、引張力は柱5が受け持つことができるため、梁接合部材9の中心Dよりも内方側Eにおいては、過剰な強度は不要である。一方、梁接合部材9の中心Dよりも外方側Fにおいては、梁接合部材9のみで圧縮力を受け持つため、高い強度が必要である。
【0040】
本発明に係る梁接合部材9は、この高い強度が要求される部位(F)を厚肉とし、強度を要さない部位(E)においては、肉を薄くするために凹部15が形成される。すなわち、柱5に接合された状態で、柱5の接合面から遠い部位の肉厚を厚くすることで、効率的に補強を行うとともに、凹部15によって、軽量化を達成することができる。特に、柱から遠い部位の肉厚を厚くすることで補強した柱の面外方向の耐力を向上させることができる。
【0041】
なお、梁接合部材9は、梁7bの下部に設置する必要はなく、上部に設けてもよい。この場合には、図2、図3の上下が反転した状態で、梁7bと梁接合部材9とを接合すればよい。この場合には、梁接合部材9の底板と梁7bとの接触面とは溶接等で接合する必要がある。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態によれば、高さの異なる梁7bを柱5に接合する場合において、柱5の内部に内ダイアフラムを設けることを必要とせず、また、特殊な接合金物を柱の一部に接合する必要がない。このため、梁と柱との接合作業性に優れる。
【0043】
また、梁接合部材9は、一般の鋼材を用いることができるため、安価である。また、通しダイアフラムの突出部上面(または下面)と梁7b下面(または上面)との鉛直方向の空間を梁接合部材で確実に埋めて、柱5と梁7bとが接合されるため、梁7bからの鉛直方向の力やモーメントを確実に梁接合部材が受けることができる。したがって、簡易な構造で確実に梁7bからの応力を柱5に伝達することができる。
【0044】
また、柱接合面側に凹部15が形成されるため、軽量であり、また、特に強度が必要な部位の肉厚が厚いため、効率的に補強を行うことができる。
【0045】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0046】
例えば、テーパ部13は、必ずしもテーパ形状である必要はなく、溶接代を視認可能であれば、段部やけがき線等であってもよい。
【0047】
また、前述の実施形態では、柱接合面に凹部を形成したが、凹部は必ずしも必要ではない。図5は、凹部を有さない梁接合部材21を示す斜視図であり、図5(a)は上面斜視図、図5(b)は底面斜視図である。梁接合部材21は、底面側が柱接合面24となり、一方の側面が梁設置面26となる。すなわち、柱接合面24と梁設置面26とは略垂直に形成される。柱接合面24は、柱の表面と接合される部位である。柱接合面24には、幅方向に渡って切欠き部12が形成される。切欠き部12は、ダイアフラムとの干渉を避けるものである。
【0048】
梁接合部材21の両側面の柱接合面24との縁部近傍には、必要に応じて、けがき線23が設けられる。けがき線23は、梁接合部材21と柱5との溶接範囲を特定するためのものであり、テーパ部13と同様の機能を奏する。
【0049】
図6は、柱と梁の接合構造20を示す図である。図6に示すように、梁接合部材21は、上面(梁設置面26)が梁7bのフランジ部8bの下面と接触するように柱5に接合される。すなわち、梁接合部材21は、通しダイアフラムであるダイアフラム3bの突出部上面と梁7b下面との間を埋めるように固定される。
【0050】
前述の通り、梁接合部材21のダイアフラム3bとの接合部に対応する部位は、切欠き部12が形成される。このため、梁接合部材21とダイアフラム3bとが干渉することがない。梁接合部材21の下端は、ダイアフラム3bよりも下方に位置する。すなわち、梁接合部材21は、ダイアフラム3bをまたいで柱5の外周面と接合される。
【0051】
また、図6において、梁7bの上方のフランジ部8aとダイアフラム3aの接触部とを溶接し、梁7bのウェブ部およびフランジ部8bの端部と柱5の外周面との接触部とを溶接し、梁接合部材21と柱5およびダイアフラム3bとの接触部を溶接してもよいが、梁接合部材21は、柱5の外周面と溶接されれば良く、梁接合部材21とダイアフラム3bとは、必ずしも溶接する必要はない。この場合には、切欠き部12を大きくし、梁接合部材21とダイアフラム3bとの間には隙間が形成されてもよい。
【0052】
なお、梁接合部材21が接合されるダイアフラム3bの延長部(梁接合部材21を鉛直方向の柱に接合した際に、これと直交する方向の延長部)と梁接合部材21との交差部における梁接合部材21の厚みをTとすると、Tは、柱5の厚みtよりも大きくなるように設定される。
【0053】
このように、凹部を有さない梁接合部材21を用いても、梁接合部材9と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0054】
1、20………柱と梁の接合構造
3a、3b………ダイアフラム
5………柱
7a、7b………梁
8a、8b………フランジ部
9、21………梁接合部材
11、12………切欠き部
13………テーパ部
14、24………柱接合面
15………凹部
16、26………梁設置面
17………リブ
19………溶接部
23………けがき線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁と柱との接合構造であって、
柱と接合される柱接合面と、前記柱接合面と略垂直な面である梁設置面とを有し、前記柱接合面には、ダイアフラムとの干渉を防止するための切欠き部が本体の幅方向に渡って形成される接合部材を用い、
柱に形成される一対のダイアフラムと、
上下の前記ダイアフラムにそれぞれのフランジ部が接合される第1の梁と、
前記第1の梁と高さが異なり、前記第1の梁とは異なる方向に前記柱と接合される第2の梁と、を具備し、
前記切欠き部において干渉を防止した前記ダイアフラムの延長部と前記接合部材との交差部における前記接合部材の厚みが前記柱の厚みよりも大きくなるように設定され、
前記第2の梁の一方のフランジ部は一方の前記ダイアフラムと接合され、前記第2の梁の他方のフランジ部と他方の前記ダイアフラムとの間の前記柱の外面側に前記接合部材の前記柱接合面が接合され、前記接合部材を介して、前記第2の梁の他方のフランジ部と他方の前記ダイアフラムとの間の応力伝達が行われることを特徴とする梁と柱との接合構造。
【請求項2】
前記柱接合面側に凹部が設けられ、前記凹部の深さは、前記接合部材の全厚の半分以上の深さであり、かつ、前記切欠き部において干渉を防止した前記ダイアフラムの延長部と前記接合部材との交差部における前記接合部材の厚みが前記柱の厚みよりも大きくなるように設定されることを特徴とする請求項1記載の梁と柱との接合構造。
【請求項3】
前記凹部には、幅方向にリブが形成されることを特徴とする請求項2記載の梁と柱との接合構造。
【請求項4】
前記第2の梁の他方のフランジ面の下面が、前記接合部材の前記梁設置面と接触することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の梁と柱との接合構造。
【請求項5】
梁と柱との接合部材であって、
柱と接合される柱接合面と、
前記柱接合面と略垂直な面である梁設置面と、
前記柱接合面の幅方向に渡って形成される、ダイアフラムとの干渉を防止するための切欠き部と、を具備し、
前記柱接合面には、前記接合部材の厚みの半分以上の深さの凹部が形成されることを特徴とする接合部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−60752(P2013−60752A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200382(P2011−200382)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000233239)日立機材株式会社 (225)
【Fターム(参考)】