説明

梁などの間の締付け状アセンブリ用の鉱物繊維フェルト製絶縁材料要素

結合剤で結合された生体可溶性鉱物繊維製の鉱物繊維フェルトからなる、ロールの形に巻き上げられた絶縁材料シート。鉱物繊維の組成は、アルカリ/アルカリ土類比が1未満であることを特徴とし、繊維構造は、以下の特徴、すなわち4μm以下の平均繊維直径、8〜25kg/mの範囲の総密度、および4〜5.5重量%の範囲の結合剤部分によって決定される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明では、請求項1のプリアンブルによる絶縁材料要素について述べる。
【0002】
そのような「締付けフェルト」は、たとえばドイツ国特許第3612857号から知られており、特に絶縁のために垂直屋根の垂木の間で、長年にわたりうまく使用されている。この目的のために、その繊維が遠心バスケット法による内部遠心分離によって得られ、従来のガラスウールに対して増大された約6〜7重量%(乾燥、繊維質量に対する)の量の結合剤で結合された、ガラスウールフェルトが使用され、製作されたそのような絶縁材料のシートの公称厚さでの総密度が、10〜30kg/mとなる。輸送および保管のために、製作されたフェルトシートは、1:5の平均圧縮比でロールフェルトとして巻き上げられ、この状態で圧縮され、箔で包装される。建設現場では箔が切断され、ロールフェルトは、その内部膨張力の結果として、プレート状の特徴を有しある公称厚さである平面絶縁材料シートの形に広がる。この広げられた絶縁材料シートから、上記絶縁材料シートの長手方向に対して横断方向に予め見られる印線によって通常補助しながら、垂木領域部分の幅に対応するプレートを切り取ることができ、次いでそれを、製品および巻上げ方向に向かって横断方向で上記垂木領域に取り付けることができる(「ロールからのプレート」)。切断手順は、垂木領域への導入時にプレート区間が垂木に対して横方向に圧迫され、これが比較的高い膨張力で強化されて締付けフェルト内部に締付け力の形で生じ、接触している垂木領域における摩擦によって上記プレート区間の落下が防止されるように、いくらか余分の長さを含んで行われる。「締付けフェルト」という表現は、この締め付けられたアセンブリに由来する。任意で、絶縁材料シートに、ここでは絶縁材料プレートを垂木の間に挿入するための切断補助として働く印線を特徴とする、鉱質綿で形成され垂木の間で締め付けられた絶縁プレートを利用することもできる。
【0003】
垂木の間で、巻かれた絶縁材料シートから切り取られた絶縁材料プレートの対応する締付け作用を保証するために、垂木の間にそれを組み付けるときに対応する高い締付け力を有する、余分に切り出された絶縁材料プレートが必要とされる。この目的のために、こうした締付けフェルトは、高い剛度で構成され、これは、ガラスウールフェルトを約6〜7重量%の比較的高い結合剤含有量で製作することにより実現される。一方、この高い結合剤含有量により、それに対応する防火装填材料が多く組み込まれるが、これはここでもまた、防火技術上の理由という観点から不利である。
【0004】
そのような締付けフェルトは広く用いられるが、さらなる改善が望ましい。上記ロールフェルトシートはまた、広げた後にシートが、締付けフェルトプレートの組立てに必要とされる公称厚さを事実上実現することが保証されるように、ある余分な厚さで製造しなければならない。この場合、ロールは包装後すぐに広げられるのではなく、製造業者、店舗または消費者のところでの数週間または数カ月の保管期間後に広げられることに注意しなければならない。この期間中に、老化要因の結果として材料の内部膨張力が漸進的に減少し、そのため締付けフェルト用の絶縁材料シートは、広げられるときに、ロールが製作直後に広げられる場合に生じるようなその元の所望の厚さを回復しない。時間の経過と共に低減される可能性があるこの復元特性は、製作段階時に余分な厚さによって考慮される。この余分な厚さはまた、老化現象に加えて、巻上げ手順中の繊維の部分的な崩壊も、圧縮特性の結果として非常に重大であると考える。したがって、公称厚さ160mmの締付けフェルトは、数カ月後でも160mmの公称厚さへの復元が必ず生じることを保証するために、厚さ200mmでの製作を必要とする可能性がある。
【0005】
一方、いわゆるノズルブロウ法で、または他の遠心分離によって最終的にはカスケード遠心分離法で、岩綿が製作される、岩綿の締付けフェルトも知られている(ドイツ特許第199104167号)。このようにして得られるこの従来の岩綿繊維は、ビード部分、すなわち繊維質量の10〜30%の非繊維化材料部分を有する、比較的短いが太くしたがって比較的弾性が低い繊維からなる。ビードは、非繊維化材料であり、したがって粗い繊維要素である。この材料の総密度は、実質的に25kg/mを超え、従来の岩綿製のこうした締付けフェルトの、最終的に2〜3重量%の結合剤含有量は、ガラスウールの締付けフェルトに比べて相対的に少ない。しかし、総密度が高いため、絶対値の観点から見ると、結合剤の組込み量は、ガラスウールの締付けフェルトで生じる組込み量に匹敵する。弾性が比較的低減された結果として、従来の岩綿製のそのような締付けフェルトは、それらを輸送のためにロールフェルトの形に巻かなければならないことに関して、巻上げ状態となる前に、それらをより「弾性」にするために最終的に再加圧および減圧される。ただし、圧力を加えることによるそのような弾性化では、必ず繊維の破断が生じる。これが生じる結果として、また、続いて起こる、ロールを準備するための巻上げ工程中に繊維にかかる歪みにより、締付けフェルトプレートを形成するためのロールを広げる段階中の復元は、特に高い圧縮値で不十分であり、従来のガラスウールフェルトに比べて少ない。
【0006】
従来のガラスウールフェルトの比較的高い総密度に基づくと、約1:2.5を超える圧縮比は、その場合製品の機械的特性が大幅に損なわれるので、実行可能性がより低い。さらに、そのような圧縮関係では、ガラスウールの締付けフェルトに比べて、保管および輸送のための、より少ない空間の節約しか得ることができない。
【0007】
岩綿材料を用いて熱伝導度グループ035を達成するためには、約40〜45kg/mの総密度が必要とされるが、ガラスウール材料を用いると、同じ熱伝導度グループで20kg/mの総密度が実現される。同じ熱伝導抵抗を得るためには、従来の岩綿フェルトの締付けフェルトプレートは、従来のガラスウールフェルトプレートの少なくとも2倍の重さとなり、これは、岩綿フェルトの固有重量がより大きいことから、締付け条件に関して不利であると考えられる。
【0008】
鉱質綿の分類の下位グループであるガラスウールと岩綿の間の異なる特徴的な特徴は、組成のアルカリ/アルカリ土類質量比が、岩綿の場合1未満であり、ガラスウールの場合1を超えることである。一般的に、従来の岩綿は、CaOおよびMgO部分が20〜30重量%と多く、NaOおよびKO部分が約5重量%と比較的少ない。一般に、従来のガラスウールは、アルカリ土類組成が約10重量%であり、アルカリ組成が15重量%を超える。これらの数値は、特に非生体残留性、すなわち生体可溶性の組成に当てはまる。
【0009】
本発明の目的は、一般的な防火および締付け挙動、ならびに加工、特に触感の要求に悪影響を及ぼすことなく、当分野の現状による比較可能な鉱物繊維要素に対して梁の間の防火装填材料が少なくすなわち絶対的な結合剤含有量がより少ないことを特徴とする、屋根の垂木など梁の間で締め付けられるアセンブリ用の鉱物繊維要素、特に鉱物繊維プレートを、ロールから作り出すことであり、かつ同時に絶対的な観点から、巻き上げられる鉱質綿フェルトの製作時に必要とされる余分な厚さが低減されるべきである。
【0010】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴部分に含まれる特徴によって解決され、好ましいさらなる実施形態は、従属請求項に含まれる特徴によって特徴付けられる。
【0011】
本発明は、鉱物繊維のアルカリ/アルカリ土類質量比が1未満であり、絶縁要素の細い繊維構造は、平均幾何学繊維直径が4μm以下であり、総密度が8〜25kg/mの範囲であり、結合剤部分が絶縁材料要素の繊維質量に対して4%〜5.5重量%の範囲であるという因子によって決定されることによって特徴付けられる。選択されたアルカリ/アルカリ土類質量比が1未満であることに基づき、この繊維は、従来の岩綿繊維と同様の高い耐熱性を示す。細い繊維構造は基本的に、4μm以下の平均幾何学繊維直径を有する繊維が使用されるということにより使用される。そのような繊維構造はガラスウールでも実現することができるが、これは岩綿と比べて耐熱性がかなり低い。従来の岩綿繊維の平均幾何学直径の範囲は、通常4〜12μmを超え、そのため繊維が比較的粗く構成される。本発明による構成の結果として、従来の岩綿の場合と同じ総密度で、構造内の繊維の数がはるかに多く、したがって上記繊維の交差点の数が多い鉱物繊維構造が生じる。したがって、この構造の総密度をより低く調整することができ、締付けフェルトの所望の用途のための総密度は、本発明によれば8〜25kg/mとなる。また、絶縁要素は、十分な絶縁能力によって特徴付けられる。
【0012】
さらにまた、本発明による製品では、ガラスウールに比べて、すなわち4重量%〜5.5重量%までの範囲、好ましくは4.5重量%〜5重量%までの範囲で、有機結合剤の優先的な使用を減少させることができ、これに伴い、締付け挙動に悪影響を及ぼすことなく、適用される防火装填材料が減少する。最後に、繊維構造が細く、防火装填材料が減少する結果として、絶縁材料要素は、十分頑丈なものとなる。絶縁材料シートの場合、これは同時に、繊維を破損することなくロールに巻き上げることができる。そのため、ロールから切り取った孤立した鉱物繊維プレートは、梁すなわち垂木の間で締め付けて組み込むのに十分な剛度を有する。従来の岩綿に比べて繊維構造が細いため、絶縁効果に必要とされる空気部分が締付けフェルトの内部に生じ、それに対応して絶縁効果が増大する。絶縁材料シートおよび絶縁材料プレートはいずれも、締付け作用に許容可能な範囲で均一に形成される。すなわち、それらは断面を通じて同一の密度関係を示す。
【0013】
従来の岩綿に比べて、相対的な結合剤含有量が多いことから締付けフェルトの構造の剛度がより高くなるが、従来の岩綿の総密度がかなり大きいので、適用される絶対的な防火装填材料が基本的に減少する。同様にして、防火装填材料はまた、ガラスウール製の従来の締付けフェルトと比べても減少する。
【0014】
既に初めに概説したように、本発明による繊維は、アルカリ/アルカリ土類質量比が1未満である結果として耐熱性が高いことによって特徴付けられ、したがって、従来の岩綿の特性に相当する。ただし、より細い繊維構造、および比較的低い総密度に基づいて、本発明による構造の弾性挙動がはるかに高くなる。従来の岩綿に比べて、この絶縁材料シートは、巻上げステップの前に特別な処理、結果的に縮絨または柔軟化工程を必要とせず、そのため、従来の岩綿で必要とされる加圧および減圧ステップがもはや必要ではなくなる。鉱質綿フェルトは、巻上げ段階中に、1:3〜1:8、好ましくは1:4〜1:6の圧縮比でロールに圧縮されることが都合がよい。
【0015】
同様にして、本発明の締付けフェルトは、顕著な復元挙動によって特徴付けられ、そのため、必要とされる絶縁材料要素は有利には、従来の製品で生じるよりも比較的少ない余分な厚さで製作することができる。この復元挙動は、巻き上げられたロールフェルトをより長い時間保管した後も維持され、そのため絶縁材料シートは、使用時に、有利にはその公称厚さに再び復元される。これは、技術的な絶縁特徴に関しても重要である。絶縁材料シートという用語は広く考えられるべきであり、これは、さらなる機械加工すなわち縁部トリミング、切り取りなどのために硬化炉から出てくるときの、終わりのないシートを含み、したがって、正しい間隔位置でプレートに分割することができるロールコンバーチブル、すなわち巻かれた絶縁材料シートである。
【0016】
復元力が改善されたことにより所要の余分な厚さが低減することは結果として、既存の変更されない製品部位で有利な効果を有する。というのも、この特徴ではまた、製作されたフェルトの最大の全体厚さが公称厚さと余分の厚さからなるため、これまでは追加コストを投入しなければ製作することができなかった公称厚さを製作することが可能であるからである。
【0017】
さらに、所要の余分な厚さが低減される結果として、有利には、製品の操作上の安全性を向上させることができる。制限パラメータは、硬化炉によって技術的に予め決定される最小総密度であり、フリース中の不均一な現象の初期構成から、硬化工程中の熱空気の通過流束によって規定される。所要の余分な厚さがより少ない結果として、同一の繊維質量を適用すると、これは小さい体積で存在し、硬化炉内の総密度がより高くなり、すなわち、「安全距離」と呼ばれる余分な厚さの増加が低減される。こうして得られる「安全距離」を使用すると、それにより、製品の総密度をさらに最小化することが可能になり、これによりまた製品がより軽くなり、製品の疲労がより少なくなるように加工することができる(キーワード:より短い組立て時間)。
【0018】
さらに、従来の岩綿に比べて、本発明による製品の組立て時のその他の利点が明らかになる。屋根の垂木の間への組み付けるときに、繊維のほとんどが製品の大きい面と平行に位置合せされることにより、改善された復元が「横方向」に生じ、さらにこの方向で、巻上げ工程時に繊維が巻上げ芯に向かって径方向に配置され、実質的に巻上げ工程時に破損される繊維がない。したがって締付けフェルトは、結果的にその「厚さ」方向よりも、横方向で剛度がかなり大幅に高くなる。組立て時のこの横方向の締付け力は、本発明による製品の場合、時間の経過と共に顕著に減ることはなく、同様に老化の影響を受けた本発明による製品の弾性特性改善に明らかに寄与することができる。
【0019】
実際の用途による実施形態では、8〜14kg/m、好ましくは11〜14kg/m、特に約13kg/mの範囲の総密度で加工が行われ、そのような総密度では、ドイツ工業規格(DIN)18165による熱伝導度グループ040またはそれと同様のものに相当する熱伝導能力結果が得られる。DIN18165による熱伝導グループ035またはそれと同様のものに相当する熱伝導能力に調整することによって、18〜25kg/m、好ましくは19〜24kg/m、特に約23kg/mの総密度が要求されることになる。説明のためには、DIN規準の参照および試験要件は、それぞれ出願日の最新版の参照に準拠しなければならない。
【0020】
本発明の締付けフェルトを用いると、締付けフェルトが、追加の内部裏打ちなしで屋根の垂木など梁の間に組み込まれた、EN131501による少なくとも防火区分EI30の防火構造を達成することもできる。
【0021】
本発明の絶縁材料用の鉱物繊維は特に、遠心バスケット法による内部遠心分離によって、少なくとも1100℃の遠心バスケット温度で製作することができ、指示された範囲の細い繊維直径の繊維が得られる。遠心バスケット法による内部遠心分離で製作された鉱物綿繊維は、さらなる詳細に関して特に参照される、欧州特許第0551476号、欧州特許第0583792号、国際公開第94/04468号パンフレット、および米国特許第6,284,684号から知られている。
【0022】
繊維の細さをもたらす低減された平均幾何学直径は、繊維直径の度数分布によって決定される。度数分布は、顕微鏡を用いて綿サンプルに基づいて決定することができる。多数の繊維の直径が測定および適用され、左寄りの分布となる(図2、図3、および図4)。
【0023】
耐熱性の観点から、この場合絶縁要素は、DIN4102、Part17による1000℃以上の融点を特徴とすることが都合がよい。
【0024】
有利には、締付けフェルトは、締付けフェルトがその製造、加工、利用、および廃棄時に人体に悪影響を及ぼさないことを保証する、欧州ガイダンス97/69/EGおよび/またはドイツ危険物規定第4章22号の要件に対応する、生理学的環境中で可溶な鉱物繊維製である。
【0025】
続いて、表1に、本発明による締付けフェルトの鉱物繊維の好ましい組成を、範囲ごとに重量%で示す。
【表1】

【0026】
SiOの好ましいより小さい範囲は、39〜44%、特に40〜43%である。CaOの好ましいより小さい範囲は、9.5〜20%、特に10〜18%である。
【0027】
本発明による組成は、57〜75%、好ましくは60%を超え、および/または好ましくは72%未満の、網状組織形成要素であるSiOおよびAlの合計に対して、16〜27%、好ましくは17%を超え、および/または好ましくは25%未満の高いAl含有量と、比較的多いが10〜14.7%に、好ましくは10〜13.5%に限られるある量のアルカリ金属(ナトリウムおよびカリウム)酸化物(RO)と、少なくとも1%の酸化マグネシウムとの組合せに依存する。
【0028】
これらの組成は、非常に高い温度で著しく改善された挙動を示す。
【0029】
好ましくは、Alは、重量で17〜25%、好ましくは20〜25%、特に21〜24.5%、とりわけ約22〜23%または24%の量存在する。
【0030】
有利には、酸化マグネシウム含有量を特に少なくとも1.5%、特に2%、好ましくは2〜5%、および特に好ましくは2.5%または3%以上に調整することによって、良好な耐火性を得ることができる。高い酸化マグネシウム含有量は、粘度の低下に対抗ししたがって材料の燃焼を防ぐ、プラスの効果を有する。
【0031】
Alが少なくとも重量で22%の量存在する場合、酸化マグネシウムの量は、好ましくは少なくとも1%、有利には約1〜4%、好ましくは1〜2%、および特に1.2〜1.6%である。Alの含有量は、十分低い液体温度を維持するために、好ましくは25%に限定される。Al含有量がたとえば約17〜22%の低量で存在する場合、酸化マグネシウムの量は、好ましくは少なくとも2%、特に約2〜5%である。
【0032】
したがって本発明は、絶縁能力および圧縮に関するガラスウールの利点を、耐熱性に関する岩綿の利点と組合せ、格別に優れた防火性によって特徴付けられる。本発明の締付けフェルトには、絶縁効果に寄与しないビードが実質的になく、すなわちビードの割合が1%未満であるので、岩綿に比べて、締付け挿入技法に関して間接的な効果を有する基本的な重量の節約もまた重要である。これにより、締付けフェルトの締付け作用で保持されるべき特定の荷重は小さい。さらに、繊維構造がより細くビードがないことに基づいて、製品の触感が改善される。非繊維化構成要素であるビードがある場合、これは、より粗い繊維に加えて従来の岩綿の触感にかなり影響し、より高い粉塵生成挙動をもたらすことになりやすい。最後に、本発明の絶縁材料シートの弾性挙動に基づき、余分な厚さを比較的小さくして製作を行うことができる。
【0033】
続いて本発明を、図面に基づいて詳細に記述および説明する。
【0034】
図1に示す鉱物繊維からなる絶縁材料シート1は、部分的に広げてあり、広げられた前方終端区間を番号2で示す。図示の例で、絶縁材料シートは、13kg/mの総密度を特徴とする。平均幾何学繊維直径は、3.2μmであり、結合剤部分は、絶縁材料シートの質量に対して約4.5重量%である。図示の絶縁材料シートは、積層化されておらず、アルカリ/アルカリ土類比が1未満の鉱物繊維製である。あるいは、ここで特に参照する欧州特許第1223031号によれば、積層化されたものもまた可能である。
【0035】
ロールのハブ3から部分的に引き出される前方終端区間2から巻くことができるので、ハブの内側に配置された絶縁材料シートの表面には、絶縁材料シートの長手方向に対して横断方向に整列し上記絶縁材料シートの表面上に均一な相互距離dで配置された、分割印線5が設けられている。絶縁材料シート上に様々な形で配置することができるこれらの印線は、絶縁材料シートとは異なる色の、特に加熱印付けシリンダによって形成される視覚に作用する線によって形成される。これらの印線5は、切断を補助する働きをし、それにより絶縁材料シートを終端区間の所定の長さLで簡単に切断することができ、図1のナイフ8で示すように、絶縁材料シート1の側部境界6に向かって垂直に、前方境界7に対して平行に切断が行われる。ナイフは、垂木の間の締付けアセンブリ用鉱物繊維プレートとして適切な、たとえば2cmの余分な長さUを有する終端区間が作り出されるように、材料の端から端まで矢印方向9に導かれる。あるいは、それらが切断補助として働く限り、ピクトグラムおよび同様の手順で印を形成することもできる。
【0036】
図示の例では、絶縁材料シート1は、1:4.5の圧縮比でロールに巻き上げられている。絶縁材料区間の熱伝導能力は、総密度13kg/mで、熱伝導度グループ040に相当する。
【0037】
従来の、すなわち従来の岩綿製の絶縁材料シートおよび従来のガラスウール製の絶縁材料シート、ならびに本発明による絶縁材料シートの組成重量%は、図2に由来し、従来の岩綿および本発明による絶縁材料シートは、DIN4102、Part17による少なくとも1000℃の融点を特徴とする。
【表2】

【0038】
組成はまた、繊維が生体可溶性である、すなわち生理学的環境中で中和することができるということによって強調される。この組成の絶縁材料シートは、強力な復元力および対応する剛度によって強調される。当分野の現状に匹敵する余分な長さで、垂木の間で圧迫されたアセンブリにおいて十分高い復元力が実現され、これにより、より長い使用期間後も絶縁材料プレートの安全かつ強固な維持力が保証される。
【0039】
最後に、図2および図3は、本明細書で述べた従来の岩綿およびガラスウールの、絶縁材料シートの典型的な繊維柱状図を示し、図4は、本発明による絶縁材料シートのそのような繊維柱状図を示す。
【0040】
以下の表3の結果は、本発明による繊維の好ましい実施形態(IM綿と呼ばれる)を、実現された締付け作用に関して従来のガラスウール繊維および岩綿繊維と比較して示す。ここでGVは、燃焼による損失(したがって接着剤部分)を表し、WLGは、DIN18165による熱伝導度グループを表す。ここでは、締付け能力を決定するための内部試験規準によって測定を行った。ここでは、140〜160mmの公称密度を有する実施形態を比較した。測定に使用する装置は、固定された調整可能な垂木部分を含み、100mmから始まり1300mmまでの間で、700mmの間隔に調節することができる。締付けフェルトに対して10mm余分に測定された試験サンプルを、それぞれ試験する。測定装置を1200mmの締付け幅に設定し、試験サンプルは、1210mmの幅で垂木の間に締め付けた。フェルトが締め付けない場合、次に小さい幅を測定装置で使用し、試験サンプルを1110mmに切断する。試験サンプルを装置で締め付け、表3に示す締付け作用の指示数値がもたらされるまで、試験を続行した。
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】終端区間が広げられた鉱物繊維のロールを示す斜視図である。
【図2】従来の岩綿の典型的な繊維柱状図である。
【図3】従来のガラスウールの典型的な繊維柱状図である。
【図4】本発明による鉱質綿の典型的な繊維柱状図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱物繊維の絶縁材料要素であって、結合剤で結合され、生理学的環境中で可溶であり、絶縁材料プレートの形、または、ロールとして巻き上げられた、屋根の垂木など梁の間の絶縁プレートの締付けアセンブリ用に準備された絶縁材料プレートにシステムの一部として分割可能な絶縁材料シートの形であり、前記絶縁材料要素の前記鉱物繊維の組成は、1未満のアルカリ/アルカリ土類比を特徴とし、それらの繊維構造は、平均幾何学繊維直径が4μm以下であり、総密度が8〜25kg/mの範囲であり、前記絶縁材料要素の繊維質量に対する前記結合剤の部分が4%〜5.5重量%の範囲であることによって決定されることを特徴とする絶縁材料要素。
【請求項2】
前記結合剤が、有機結合剤であることを特徴とする、請求項1に記載の絶縁材料要素。
【請求項3】
前記結合剤が、前記絶縁材料シートの繊維質量に対して4.5〜5重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載の絶縁材料要素。
【請求項4】
その総密度が8〜14kg/m、好ましくは11〜14kg/m、特に約13kg/mの範囲であり、前記絶縁材料要素が、DIN18165による熱伝導度グループ040または同等のものに相当する熱伝導能力を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の絶縁材料要素。
【請求項5】
その総密度が、18〜25kg/m、好ましくは19〜24kg/m、特に23kg/mであり、前記絶縁材料要素が、DIN18165による熱伝導度グループ035に相当する熱伝導能力を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の絶縁材料要素。
【請求項6】
EN113501による少なくともEI30の耐火区分を有することを特徴とし、さらなる内側裏地なしで屋根の垂木など梁の間に組み付けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の絶縁材料要素。
【請求項7】
ロールの形に巻き上げられた前記鉱物繊維フェルトの前記巻上げ工程が、事前処理なしで、最終的に充填工程なしで実現されることことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の絶縁材料要素。
【請求項8】
前記鉱物繊維フェルトを巻き上げたロールが、1:3から1:8まで、好ましくは1:4から1:6までの圧縮比で圧縮されることを特徴とする、請求項7に記載の絶縁材料要素。
【請求項9】
前記区間上に、少なくとも1つのロール表面上に描かれた切断補助として印が付けられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の絶縁材料要素。
【請求項10】
前記絶縁材料要素の前記鉱物繊維が、生理学的環境中でのそれらの可溶性に関する限り、欧州ガイダンス97/69/EGの要件、および/または前記ドイツ危険物規制第4章22号の要件に対応するとみなされることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の絶縁材料要素。
【請求項11】
前記絶縁要素の前記鉱物繊維が、遠心バスケット法の内部遠心分離によって、少なくとも1100℃の遠心バスケット温度で製作されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の絶縁材料要素。
【請求項12】
DIN4102、Part17による、1000℃以上の融点を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の絶縁材料要素。
【請求項13】
鉱物繊維の化学組成が重量%で以下の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の絶縁材料要素。
【表1】

【請求項14】
前記絶縁材料要素の前記繊維構造は、それぞれビードがなく、すなわちビード部分が1%未満であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の絶縁材料要素。
【請求項15】
建造物の垂木、特に屋根の垂木の間で絶縁材料を締め付けるためのシステムであって、前記請求項のうち1つまたは複数の特徴を備える絶縁材料要素が、隣接する梁の間で締付けフェルトと位置合わせされそれによって締め付けられることを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−509257(P2007−509257A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530085(P2006−530085)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011063
【国際公開番号】WO2005/035896
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(399048489)サン−ゴバン・イソベール (4)
【Fターム(参考)】