説明

梱包箱及び積載方法

【課題】脚部を一体的に備えている状態のパネル状の電気機器を、その内部に無駄な空間を発生させることなく梱包することができる梱包箱及び積載方法を提供する。
【解決手段】梱包箱11は、液晶表示パネル40を収容するパネル収容箱21と、液晶表示パネル40の下端部に一体的に備えられており、液晶表示パネル40の厚みよりも長い奥行きを有するスタンド41を収容するスタンド収容箱31とからなり、側面視が倒立T字状である。パネル収容箱21の奥行きが、スタンド収容箱31の奥行きよりも短いため、梱包箱11の内部に含まれる無駄な空間は最小限である。積載作業者は、例えば、一の梱包箱11のパネル収容箱21の後壁、天壁、及びスタンド収容箱31の天壁に、天地逆転させた他の梱包箱11のパネル収容箱21の前壁、スタンド収容箱31の天壁、及びパネル収容箱21の天壁を接触させることによって、梱包箱11,11を効率よく積載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚部一体型電気装置を梱包するための梱包箱、及び複数個の梱包箱を輸送車又は倉庫の棚等に積載する積載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば液晶表示パネルのような電気機器は、縦長さ及び横幅に比べて厚みが薄い。このようなパネル状の電気機器を安定して床上又は机上等に載置すべく、電気機器に脚部が取り付けられることがある。脚部は、少なくとも床上又は机上等に直接的に接触する部分の前後方向(即ち電気機器の厚み方向)の長さが、電気機器の厚みよりも長い。従って、脚部が取り付けられている状態の電気機器は、側面視が、例えば倒立T字状の形状を有する。
本明細書では、電気機器と脚部とを一体的に備えているものを脚部一体型電気装置という。また、以下では、電気機器の厚み方向を、単に厚み方向という。
【0003】
従来、電気機器を輸送又は収納等するためには、脚部一体型電気装置を梱包する場合と、別体の電気機器及び脚部を梱包する場合とがある。また、脚部を、電気機器が梱包されている梱包箱に同梱するときと、異なる梱包箱を用いて梱包するときとがある。
【0004】
しかしながら、脚部を取り外した状態で電気機器が梱包してある場合、脚部が同梱されているか否かに関わらず、例えば使用者が電気機器を使用するとき、又は販売者が電気機器を店先で展示するとき等に、電気機器と脚部とを梱包箱から夫々取り出し、更に、電気機器に脚部を取り付ける必要がある。即ち、使用者又は販売者等が、電気機器及び脚部を梱包箱から取り出す作業のみならず、これらの組立作業をも強いられるため、使用者又は販売者等の負担が大きい。
従って、使用者又は販売者等の負担を軽減するためには、脚部一体型電気装置が梱包されていることが望ましい。
【0005】
ところで、物品を梱包するための一般的な梱包箱は、直方体形状又は立方体形状等の単純な形状を有している。
しかしながら、単純な形状の梱包箱を用いて、複雑な形状の物品を梱包する場合、梱包箱の内部に無駄な空間が生じ易い。この空間には、例えば発泡スチロール製の緩衝体が配置されるため、緩衝体の使用量が増加する分、梱包費用が高騰する。また、夫々が無駄な空間を内包している複数個の梱包箱を所要の場所に積載する場合には、無駄な空間が合計される分だけ、複数個の梱包箱をコンパクトに輸送又は収納することができなくなる。この結果、梱包箱の輸送効率又は収納効率等が低下する、という不都合が生じる。
【0006】
そこで、梱包すべき物品の形状に応じた複雑な形状を有する梱包箱が提案されている(特許文献1〜3参照)。
特許文献1に記載されている梱包箱は、水平断面形状が、矩形状ではなく、後端部中央が後方に突出する形状(例えば凸字状)を有している。このような梱包箱は、本体部が後方に突出する形状(例えば平面視の形状が半円形状)を有しているテレビジョン受像機を梱包する場合に好適である。
特許文献2に記載されている梱包箱は、水平断面形状が五角形状を有している。このような梱包箱は、その後側が細く絞られた形状を有しているテレビジョン受像機を梱包する場合に好適である。
【0007】
特許文献1,2に記載されている梱包箱は、テレビジョン受像機の底部を梱包するためのトレイ状の底箱と、テレビジョン受像機の底部より上側の部分を梱包するための有底筒状の本体箱とを備える。このような梱包箱は、底箱の開口側と本体箱の開口側とが対向した状態で、底箱と本体箱とが連結されてなる。また、底箱及び本体箱夫々は、例えば1枚の段ボール板を折り曲げることによって形成される。
【0008】
特許文献3に記載されている梱包箱は、天壁と底壁とが平面視で互いに前後逆向きの三角形状をなし、前壁と後壁とが正面視で互いに上下逆向きの三角形状をなし、左右両側壁夫々が矩形状をなしている。このような梱包箱は、自転車のような二輪車を梱包する場合に好適である。また、このような梱包箱は、例えば1枚の段ボール板を折り曲げることによって形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−211646号公報
【特許文献2】特開2003−54538号公報
【特許文献3】特開2005−153969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
脚部一体型電気装置は、例えば側面視が倒立T字状の複雑な形状である。従って、脚部一体型電気装置は、側面視が倒立T字状の複雑な形状を有する梱包箱を用いて梱包することが望ましい。
ところが、特許文献1〜3には、脚部一体型電気装置を梱包するのに適した梱包箱は開示されていない。
ただし、特許文献1,2を参照すれば、水平断面形状が夫々T字状の底箱と本体箱とを準備し、脚部一体型電気装置を90°側転させた状態で梱包することが考えられるかもしれない。
【0011】
しかしながら、このような底箱及び本体箱は、夫々が脚部一体型電気装置の形状に応じた複雑な形状を有するため、各1枚の段ボール板を折り曲げることによって形成することは容易ではない。
ところで、脚部一体型電気装置の形状は複雑であるが、パネル状の電気機器の形状は、単純である。
【0012】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、パネル状の電気機器を収容する機器収容部と、その厚み方向の最大長さLSが電気機器の最大厚みDPよりも長い脚部を収容する脚部収容部とを連結する構成とすることにより、その内部に無駄な空間を最小限しか発生させることなく脚部一体型電気装置を梱包することができる梱包箱及び積載方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る梱包箱は、パネル状の電気機器と、該電気機器を支持する脚部とを一体的に備え、該脚部の前記電気機器の厚み方向の最大長さLSが、前記電気機器の最大厚みDPよりも長い脚部一体型電気装置を梱包するために、前記電気機器を収容する機器収容部と、前記脚部を収容する脚部収容部とを備える梱包箱であって、前記機器収容部は、筒状の周壁、及び天壁を有し、前記周壁によって底側開口が形成され、前記厚み方向の最大長さがLPであり、前記脚部収容部は、筒状の周壁、底壁、及び天壁を有し、前記底壁の前記厚み方向の最大長さLBがLPよりも長く、前記天壁と前記周壁の周方向の一部とによって天側開口を形成すべく、前記天壁の前記厚み方向の最大長さLCがLBよりも短く形成され、前記機器収容部及び脚部収容部は、前記底側開口及び天側開口が連通されるように連結してあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る梱包箱は、前記機器収容部及び脚部収容部は、夫々が1枚の板状部材を折り曲げることによって形成されており、前記脚部収容部となすべき板状部材は、前記脚部収容部の天壁となすべき部分に連続する部分を有し、前記脚部収容部は、前記連続する部分を折り曲げてなり、その下端部が前記底壁に接触することによって前記天壁を支持する支持壁を更に有することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る梱包箱は、前記脚部収容部は、前記脚部を保持すべく、その上面に前記脚部が嵌合する保持穴が形成されている緩衝体を、前記上面が前記脚部収容部の天壁に接触する状態で収容しており、前記脚部が嵌合している保持穴には、前記上面と同じ高さまで緩衝材が配置されていることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る梱包箱は、前記機器収容部及び脚部収容部夫々は、四角筒状に形成されている4枚の周壁を有し、前記脚部収容部の天壁は、前記脚部収容部の対面する2枚の周壁に連なる2枚の天壁片からなり、該2枚の天壁片の前記厚み方向の長さを合計した前記最大長さLCが、前記最大長さLBよりも短いことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る積載方法は、本発明の梱包箱を複数個、所要の場所に積載する積載方法であって、一の前記梱包箱の機器収容部の周壁の一部、及び脚部収容部の天壁に、天地逆転させた他の前記梱包箱の機器収容部の周壁の一部、及び前記機器収容部の天壁を接触させることによって、一の前記梱包箱に他の前記梱包箱を載置することを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、梱包箱は、筒状の周壁、及び天壁を有する機器収容部と、筒状の周壁、底壁、及び天壁を有する脚部収容部とを連結することによって、構成されている。
機器収容部は、パネル状の電気機器を収容する。
機器収容部には脚部を収容する必要がない。このため、機器収容部の形状は、電気機器の形状に応じた単純な形状であればよく、また、機器収容部の寸法は、少なくとも電気機器を収容するために必要十分な寸法を有していればよい。
機器収容部は底壁を有していない。従って、機器収容部には、機器収容部の周壁によって、底側開口が形成されている。
【0019】
脚部収容部は、電気機器を支持する脚部を収容する。ただし、脚部の厚み方向(即ち電気機器の厚み方向)の最大長さLSは、電気機器の最大厚みDPよりも長い。
このために、脚部収容部の寸法は、脚部を収容するために十分な寸法を有している必要がある。具体的には、脚部収容部は、自身の底壁の厚み方向の最大長さLBが、機器収容部の厚み方向の最大長さLPよりも長い。
脚部収容部には、天側開口が形成されている。
【0020】
そして、脚部一体型電気装置を梱包すべく、機器収容部の底側開口と、脚部収容部の天側開口とが連通されるように、機器収容部と脚部収容部とが連結される。
機器収容部と脚部収容部とは、厚み方向の長さが異なる。このため、仮に、脚部収容部が天壁を有していない場合、機器収容部の周壁と脚部収容部の周壁との間の空隙を閉塞するための他部材が必要になる。しかしながら、本発明の梱包箱は、このような他部材を必要としない。何故ならば、脚部収容部が天壁を有するからである。
【0021】
ただし、脚部収容部の天壁は、脚部収容部の天側開口を完全に閉塞するものではない。何故ならば、脚部収容部の天側開口を完全に閉塞する天壁は、脚部一体型電気装置の梱包を阻害するからである。
具体的には、脚部収容部の天壁は、自身の厚み方向の最大長さLCが、脚部収容部の底壁の厚み方向の最大長さLBよりも短い。このため、脚部収容部の天側開口とは、脚部収容部の天壁と周壁の周方向の一部とによって形成されるものである。従って、脚部収容部の天壁が、機器収容部の周壁と脚部収容部の周壁との間の空隙を閉塞する。
【0022】
以上の結果、梱包箱は、側面視の形状が倒立T字状又はL字状等になる。このような梱包箱の内部には、側面視の形状が矩形状である梱包箱(以下、従来の単純な梱包箱という)を用いる場合に比べて、梱包箱と電気機器及び脚部との間の無駄な空間が最小限しか生じない。
【0023】
本発明の梱包箱を複数個、所要の場所に積載するために、作業者は、一の梱包箱に他の梱包箱を載置する。このとき、作業者は、一の梱包箱の機器収容部の周壁の一部、及び脚部収容部の天壁に、天地逆転させた他の梱包箱の機器収容部の周壁の一部、及び機器収容部の天壁を接触させる。この結果、一の梱包箱に関し、従来の単純な梱包箱を用いて脚部一体型電気装置を梱包した場合には無駄な空間であった部分に、他の梱包箱を配置することができる。つまり、複数個の梱包箱をコンパクトに積載することができる。
【0024】
本発明にあっては、梱包箱は、夫々が1枚の板状部材を折り曲げることによって形成されている機器収容部と脚部収容部とを連結することによって、構成されている。
脚部収容部となすべき板状部材は、脚部収容部の天壁となすべき部分に連続する部分を有する。
【0025】
このような板状部材を折り曲げることによって形成された脚部収容部は、筒状の周壁、底壁、及び天壁と、支持壁とを有する。支持壁は、天壁となすべき部分に連続する部分を折り曲げてなるものであり、支持壁の下端部が底壁に接触することによって、天壁を支持する。
複数個の梱包箱を積載する場合、下側の梱包箱の脚部収容部の天壁には、上側の梱包箱の機器収容部の天壁が接触する。このため、上側の梱包箱の重量が、下側の梱包箱の脚部収容部の天壁に印加される。
【0026】
このとき、天壁に印加された重量を支持壁で受け止めることができる。即ち、支持壁は、下側の梱包箱の脚部収容部の天壁の変形又は破損等を抑制することができる。
仮に、脚部収容部が支持壁を有していない場合、上側の梱包箱の重量によって、下側の梱包箱が変形又は破損等し、梱包箱の輸送又は保管等に支障を来たす虞がある。
【0027】
本発明にあっては、脚部収容部が、緩衝体を収容している。
緩衝体の上面には、保持穴が形成されている。緩衝体の保持穴に脚部が嵌合することによって、緩衝体は、脚部を保持する。
脚部が嵌合している保持穴には、保持穴の上面と同じ高さまで緩衝材が配置されている。
【0028】
緩衝体の上面は、脚部収容部の天壁に接触する。このため、複数個の梱包箱を積載する場合、下側の梱包箱の脚部収容部の天壁を介して、上側の梱包箱の重量が、下側の梱包箱の脚部収容部に収容されている緩衝体に印加される。
つまり、下側の梱包箱の脚部収容部の天壁は、下側の梱包箱の脚部収容部に収容されている緩衝体によって支持されるため、変形又は破損等が抑制される。
【0029】
ところが、脚部の形状及び/又は寸法等によっては、保持穴を閉塞するように脚部収容部の天壁が配されることがある。
このとき、下側の梱包箱の脚部収容部の天壁に印加された重量を、保持穴に配置されている緩衝材で受け止めることができる。即ち、緩衝材は、下側の梱包箱の脚部収容部の天壁の変形又は破損等を抑制することができる。
仮に、保持穴に緩衝材が全く配置されていないか、又は、上面と同じ高さまで配置されていない場合、下側の梱包箱の脚部収容部の天壁の保持穴を閉塞する部分が変形又は破損等し、梱包箱の輸送又は保管等に支障を来たす虞がある。
【0030】
本発明にあっては、梱包箱は、四角筒状に形成されている4枚の周壁、及び天壁を有する機器収容部と、四角筒状に形成されている4枚の周壁、底壁、及び天壁を有する脚部収容部とを連結することによって、構成されている。
脚部収容部の天壁は、脚部収容部の対面する2枚の周壁に連なる2枚の天壁片からなる。天壁の厚み方向の最大長さLCとは、2枚の天壁片の厚み方向の長さの合計であり、2枚の天壁片の厚み方向の長さの合計が、脚部収容部の底壁の厚み方向の最大長さLBよりも短い。
従って、脚部収容部の天側開口とは、2枚の天壁片と、この2枚の天壁片に連なる2枚の周壁とは異なる2枚の周壁の周方向の一部とによって形成されるものである。
【0031】
以上の結果、梱包箱は、側面視の形状が倒立T字状になる。
このような機器収容部及び脚部収容部夫々の形状は、有底四角筒状又は直方体状の単純な形状である。従って、機器収容部及び脚部収容部は、例えば各1枚の板状部材を折り曲げることによって、容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の梱包箱及び積載方法による場合、梱包箱を用いて、脚部一体型電気装置を梱包することができる。このため、梱包箱の使用者又は販売者等は、組み立て済みの電気機器及び脚部を梱包箱から取り出す作業を行なえばよく、組立作業を行なう必要はない。つまり、使用者又は販売者等の負担を軽減することができる。
また、梱包箱の内部には、無駄な空間が最小限しか存在しない。このため、緩衝体の使用量を最小限に減少させることができる。従って、梱包費用を低減させることができる。
【0033】
更に、機器収容部の形状は、単純なパネル状である電気機器の形状に応じた単純な形状であればよい。従って、機器収容部は、例えば1枚の板状部材を折り曲げることによって、容易に形成することができる。
更にまた、複数個の梱包箱をコンパクトに積載することができるため、複数個の梱包箱をコンパクトに輸送又は収納することができる。この結果、梱包箱の輸送効率又は収納効率等を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1に係る梱包箱の外観を模式的に示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る梱包箱の外観を模式的に示す右側面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る梱包箱の外観を模式的に示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る梱包箱が備えるパネル収容箱の外観を模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る梱包箱が備えるスタンド収容箱の外観を模式的に示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る梱包箱が収容する緩衝体の外観を模式的に示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る梱包箱が備えるスタンド収容箱が収容する緩衝体及び緩衝材の構成を示す側断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る梱包箱を用いて梱包すべきスタンドの構成及びスタンド収容箱の支持壁の配置を示す平面図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る梱包箱が備えるパネル収容箱の構成を示す展開図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る梱包箱が備えるスタンド収容箱の構成を示す展開図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る梱包箱が備えるスタンド収容箱の組み立て方を説明する側断面図である。
【図12】本発明の実施の形態1に係る梱包箱が備える連結部材がパネル収容箱及びスタンド収容箱を連結している状態の構成を示す水平断面図である。
【図13】本発明の実施の形態1に係る梱包箱が備える連結部材がパネル収容箱及びスタンド収容箱をまだ連結していない状態の構成を示す水平断面図である。
【図14】本発明の実施の形態1に係る梱包箱及び従来の梱包箱夫々の積載方法を説明する右側面図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る梱包箱の外観を模式的に示す右側面図である。
【図16】本発明の実施の形態2に係る梱包箱を用いて梱包すべきスタンドの構成及びスタンド収容箱の支持壁の配置を示す平面図である。
【図17】本発明の実施の形態2に係る梱包箱の積載方法を説明する右側面図である。
【図18】本発明の実施の形態3に係る梱包箱の外観を模式的に示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0036】
実施の形態 1.
図1、図2、及び図3は、本発明の実施の形態1に係る梱包箱11の外観を模式的に示す正面図、右側面図、及び斜視図である。ただし、梱包箱11の正面に向かって左側(又は右側)を、梱包箱11の左側(又は右側)という。
以下では、上下方向(又は左右方向)の長さを、縦長さ(又は横幅)という。また、前後方向の長さを、奥行きという。
図4及び図5は、梱包箱11が備えるパネル収容箱21及びスタンド収容箱31の外観を模式的に示す斜視図である。
【0037】
図6は、梱包箱11が収容する緩衝体91,931,932,941,942,95夫々の外観を模式的に示す斜視図である。図7は、スタンド収容箱31が収容する緩衝体91及び緩衝材90,90,…の構成を示す側断面図である。
図8は、梱包箱11を用いて梱包すべきスタンド41の構成及びスタンド収容箱31の支持壁81,81,82,82の配置を示す平面図である。
図9及び図10は、パネル収容箱21及びスタンド収容箱31の構成を示す展開図である。図9及び図10に示す破線は、谷折り位置を示し、図9に示す二点鎖線は、山折り位置を示す。
【0038】
図11は、スタンド収容箱31の組み立て方を説明する側断面図である。図11(a)は、図10におけるXI−XI線の断面図でもある。
図12は、梱包箱11が備える連結部材5がパネル収容箱21及びスタンド収容箱31を連結している状態の構成を示す水平断面図であり、図13は、連結部材5がパネル収容箱21及びスタンド収容箱31をまだ連結していない状態の構成を示す水平断面図である。図12及び図13以外では、連結部材5,5,…の図示を省略している。
【0039】
図14は、梱包箱11,11,…及び従来の梱包箱10,10,…夫々の積載方法を説明する右側面図である。
本実施の形態では、梱包箱11を用いて梱包すべき脚部一体型電気装置として、液晶表示装置4を例示し、脚部一体型電気装置が一体的に備える電気機器及び脚部として、液晶表示パネル40及びスタンド41を例示する。
【0040】
図1、図2、及び図6等に示すように、液晶表示パネル40は、縦長さ及び横幅に比べて、奥行き(即ち厚み)が薄いパネル状になしてあり、正面に表示面を有する。図2中には、液晶表示パネル40の最大厚みDPが記載されている。
スタンド41は、液晶表示パネル40を床上又は机上等に載置する場合に液晶表示パネル40を支持するものである。スタンド41は、図6〜図8に示すように、床上又は机上等に直接的に接触する脚部本体411、及び、脚部本体411と液晶表示パネル40とを連結して液晶表示パネル40を支持する連結支持部412からなる。図2中には、スタンド41の奥行きLS(即ちスタンド41の厚み方向の最大長さLS)が記載されている。
【0041】
本実施の形態における脚部本体411は、円盤状部分と、円盤状部分から右前方及び左前方、並びに右後方及び左後方夫々へ突出した延設部分とを有する。即ち、脚部本体411は平面視がX字状である。なお、これに限らず、脚部本体411は例えば平面視がU字状であってもよい。
連結支持部412は柱状をなしている。連結支持部412の上端側は、液晶表示パネル40の下端部分の左右方向中央部に連結され、連結支持部412の下端側は、脚部本体411の円盤状部分上面の中心位置に連結されている。なお、連結支持部412は柱状に限定されず、また、連結支持部412の上端側が液晶表示パネル40の背面に連結される構成でもよい。
【0042】
スタンド41の奥行きLS、即ち脚部本体411の最前端部から最後端部までの長さは、液晶表示パネル40の最大厚みDPよりも十分に長い。一方、スタンド41の最大の横幅、即ち脚部本体411の最左端部から最右端部までの長さは、液晶表示パネル40の横幅よりも十分に短い。また、スタンド41の最大の縦長さ、即ち脚部本体411の最下端部から連結支持部412の最上端部までの長さは、液晶表示パネル40の縦長さよりも十分に短い。
【0043】
本実施の形態においては、作業者は、液晶表示パネル40とスタンド41とを一体的に備えている液晶表示装置4を梱包する。仮に、作業者が、別体の液晶表示パネル40及びスタンド41を梱包すると、液晶表示装置4の使用者又は又は販売者等が、液晶表示装置4を得るために、液晶表示パネル40にスタンド41を取り付けなければならないからである。
【0044】
液晶表示装置4を梱包する従来の梱包箱10は、段ボール製であり、正面視が横長の長方形状をなし、側面視が図14(b)に示すような縦長の長方形状をなしている。梱包箱10は、いわゆるC式のカートンであり、液晶表示パネル40を収容するパネル収容箱101と、スタンド41を収容するスタンド収容箱102とを連結してなる。パネル収容箱101及びスタンド収容箱102夫々は有底筒状をなしている。
【0045】
梱包箱10の縦長さは、液晶表示装置4の縦長さに応じたものである。パネル収容箱101(又はスタンド収容箱102)の縦長さは、液晶表示パネル40(又はスタンド41)の縦長さに応じたものである。
また、梱包箱10、パネル収容箱101、及びスタンド収容箱102夫々の横幅は互いに等しく、液晶表示パネル40の横幅に応じたものである。
【0046】
更に、梱包箱10、パネル収容箱101、及びスタンド収容箱102夫々の奥行きは互いに等しく、スタンド41の最大の奥行きに応じたものである。
このため、パネル収容箱101の奥行きは、液晶表示パネル40の最大厚みDPよりも十分に長い。この結果、梱包箱10の内部における液晶表示パネル40の前方及び後方夫々に、無駄な空間が多く生じる。
この空間には、一般的に、発泡スチロール製の緩衝体が配置される。従って、緩衝体の使用量が増加する分、梱包費用が高騰する。
【0047】
また、図14(b)に示すように、5個の梱包箱10,10,…を、輸送車又は倉庫の棚等、所定の場所に積載する場合に、作業者は、一の梱包箱10の後壁と他の梱包箱10の前壁とを接触させた状態で梱包箱10,10,…を並置する。この結果、最前位置の梱包箱10の前壁から、最後位置の梱包箱10の後壁までの長さが、個々の梱包箱10の奥行きの5倍の長さを有する。従って、梱包箱10,10,…をコンパクトに輸送又は収納することができず、輸送効率又は収納効率等が低下する。
【0048】
一方、本発明の実施の形態における梱包箱11は、梱包箱10と同様に段ボール製であり、正面視が図1に示すような横長の長方形状をなしているが、梱包箱10とは異なり、側面視が図2及び図14(a)夫々に示すような縦長の逆T字状をなしている。梱包箱11は、液晶表示パネル40を収容するパネル収容箱21と、スタンド収容箱31とを用いてなり、パネル収容箱21は有底筒状をなし、スタンド収容箱31は直方体状をなしている。
梱包箱11の縦長さは、液晶表示装置4の縦長さに応じたものである。パネル収容箱21(又はスタンド収容箱31)の縦長さは、液晶表示パネル40(又はスタンド41)の縦長さに応じたものである。
【0049】
また、梱包箱11、パネル収容箱21、及びスタンド収容箱31夫々の横幅は互いに等しく、液晶表示パネル40の横幅に応じたものである。
このため、スタンド収容箱31の横幅は、スタンド41の最大の横幅よりも十分に長い。この結果として、梱包箱11の内部におけるスタンド41の左方及び右方夫々に生じた空間には、図6に示す緩衝体932,942の他、図1に示すように、液晶表示装置4の電源コード及び取り扱い説明書等の付属品44,44,…が収容される。
【0050】
パネル収容箱21及びスタンド収容箱31夫々の奥行きは異なる。具体的には、パネル収容箱21の奥行きLP(即ちパネル収容箱21の厚み方向の最大長さLP)は、液晶表示パネル40の最大厚みDPに応じたものであり、スタンド収容箱31の奥行きは、スタンド41の奥行きLSに応じたものである。スタンド収容箱31の奥行きとは、スタンド収容箱31の底壁76の奥行きLB(即ち底壁76の厚み方向の最大長さLB)に等しい。図2中には、パネル収容箱21の奥行きLP及び底壁76の奥行きLBが記載されている。
この結果、梱包箱11の内部における液晶表示パネル40の前方及び後方夫々には、無駄な空間が最小限しか生じない。
【0051】
ところで、輸送時の振動又は衝撃等に起因する損傷、破損、又は故障等から液晶表示装置4を保護するために、梱包箱11には、図6に示すような発泡スチロール製の緩衝体91,931,932,941,942,95が収容される。
緩衝体91,931,932,941,942,95は、梱包箱11の内部の無駄な空間を概ね充填するような形状及び寸法を有し、夫々には、液晶表示装置4の互いに異なる一部を保持する保持穴が形成されている。
【0052】
更に詳細には、緩衝体931,932(又は緩衝体941,942)に形成されている保持穴には、液晶表示パネル40の左側(又は右側)の上下端部が密着嵌合する。また、緩衝体95に形成されている保持穴には、液晶表示パネル40の左右中央上端部が密着嵌合する。
緩衝体931,932,941,942,95夫々の奥行きは、パネル収容箱21の内法の奥行きに等しい。
【0053】
緩衝体91の上面911に形成されている保持穴92(図6、図7、及び図8参照)には、スタンド41の脚部本体411が密着嵌合する。
緩衝体91の縦長さは、スタンド収容箱31の内法の縦長さに等しい。緩衝体91の奥行きは、スタンド収容箱31の内法の奥行きに等しい。緩衝体91の横幅は、スタンド41の最大の横幅よりも適長長く、後述する第2支持壁片812,812間の距離(又は後述する第2支持壁片822,822間の距離)に等しい。
【0054】
以下では、まず、パネル収容箱21について説明する。
パネル収容箱21は、図9に示すような1枚の段ボール製の板状部材210を折り曲げることによって形成されている。
図1〜図4に示すように、パネル収容箱21は、四角筒状に形成されている4枚の周壁、即ち前壁61、後壁62、左側壁63、及び右側壁64と、天壁65とを有する。左側壁63の後端部には、左側壁63と後壁62とを連結するための連結片632が設けられている(図9参照)。連結片632は、左側壁63の後端部に連なり、右側壁64側へ突出している。
【0055】
天壁65は、天壁片651,652からなる。天壁片651(又は天壁片652)は、前壁61(又は後壁62)の上端部に連なり、前壁61から後壁62側へ(又は後壁62から前壁61側へ)突出する。天壁片651,652夫々の奥行きは、パネル収容箱21の奥行きLPの半分の長さを有する。
また、左側壁63(又は右側壁64)の上端部に連なって、右側壁64(又は左側壁63)側に突出する天壁補助片653(又は天壁補助片654)が設けられている(図9参照)。天壁補助片653(又は天壁補助片654)の横幅は、天壁片651,652夫々の奥行きに等しい。
【0056】
パネル収容箱21の上端部(及び下端部)には、前壁61、後壁62、左側壁63、及び右側壁64によって、天側開口(及び底側開口67)が形成されている。パネル収容箱21の天側開口は、天壁片651,652を前後方向の両開きに開閉することによって、開放状態/閉塞状態を切り替えることが可能である。ただし、パネル収容箱21に液晶表示パネル40を収容した後は、天壁片651と天壁片652とが、例えばガムテープを用いて封止されるため、パネル収容箱21の天側開口は閉塞される。
【0057】
パネル収容箱21には、自身の底側開口67を閉塞する底壁は設けられていない。しかしながら、パネル収容箱21の下端部分が、スタンド収容箱31に収容されるため、格別の問題はない。
以下では、パネル収容箱21のスタンド収容箱31に収容される部分を、収容下部という。
【0058】
左側壁63(又は右側壁64)の収容下部には、パネル収容箱21とスタンド収容箱31とを連結する場合に連結部材5が挿通される挿通孔630(挿通孔640)が形成されている。
左側壁63(又は右側壁64)の上下方向中央部には、作業者又は使用者等が梱包箱11を持ち運ぶときに指を掛け置くための指掛孔631(指掛孔641)が形成されている。
【0059】
前壁61(又は後壁62)の左右方向中央下部に設けられている連結片661(又は連結片662)は、スタンド収容箱31の天壁片751(又は天壁片752)に連結されるものである。このような連結片661(又は連結片662)は、前壁61(又は後壁62)の下部に連なって、後壁62(又は前壁61)側の逆側へ突出している。連結片661(又は連結片662)の横幅は、緩衝体91の横幅に等しい。
連結片661(又は連結片662)には、パネル収容箱21とスタンド収容箱31とを連結する場合に連結部材5が挿通される挿通孔610(又は挿通孔620)が形成されている。
【0060】
次に、パネル収容箱21の組み立てについて説明する。
作業者は、まず、図9に示す板状部材210を準備する。
次に、作業者は、前壁61と左右両側壁63,64夫々との境界、後壁62と右側壁64との境界、及び左側壁63と連結片632との境界を夫々90°に谷折りし、例えば接着剤を用いて、連結片632と後壁62の左端部内面とを連結する。
【0061】
また、作業者は、前壁61(又は後壁62)と、天壁片651(又は天壁片652)との境界、及び、左側壁63(又は右側壁64)と、天壁補助片653(天壁補助片654)をの境界を夫々90°に谷折りし、天壁補助片653,654を天壁片651,652の下側に配置する。
【0062】
図9に示すように、板状部材210がまだ折り曲げられていない状態では、連結片661(又は連結片662)の左右両側に、前壁61(又は後壁62)の収容下部が配されている。作業者は、前壁61(又は後壁62)と、連結片661(又は連結片662)との境界を夫々90°に山折りする。このため、前壁61(又は後壁62)の収容下部は、緩衝体91の両側に配置される。即ち、前壁61(又は後壁62)の収容下部が、緩衝体91に無用に当接する虞はない。
以上のようにして、作業者は、板状部材210からパネル収容箱21を形成する。
【0063】
次に、スタンド収容箱31について説明する。
スタンド収容箱31は、図10に示すような1枚の段ボール製の板状部材310を折り曲げることによって形成されている。
図1〜図3、図5、及び図7に示すように、スタンド収容箱31は、四角筒状に形成されている4枚の周壁、即ち前壁71、後壁72、左側壁73、及び右側壁74と、天壁75と、底壁76と、支持壁81,81,82,82とを有する。
【0064】
底壁76は、前壁71、後壁72、左側壁73、及び右側壁74夫々の下端部に連なっている。従って、スタンド収容箱31には、底側開口は存在しない。
スタンド収容箱31の奥行きは、パネル収容箱21の奥行きLPよりも長い。換言すれば、スタンド収容箱31の底壁76の奥行きLBは、パネル収容箱21の奥行きLPよりも長い。
左側壁73(又は右側壁74)には、パネル収容箱21とスタンド収容箱31とを連結する場合に連結部材5が挿通される挿通孔730(又は挿通孔740)が形成されている。挿通孔730(又は挿通孔740)の形成位置は、パネル収容箱21の挿通孔630(挿通孔640)に対応する位置である。
【0065】
前壁71には、前壁71と左側壁73(又は右側壁74)と連結するための連結片713(又は連結片714)が設けられている(図10参照)。連結片713(又は連結片714)は、前壁71の左端部(又は右端部)に連なり、後壁72側へ突出している。連結片713及び連結片714夫々の上端部(又は下端部)は、天壁片751(又は底壁76)に接触している。
【0066】
一方、後壁72には、後壁72と左側壁73(又は右側壁74)と連結するための連結片723(又は連結片724)が設けられている(図10参照)。連結片723(又は連結片724)は、後壁72の左端部(又は右端部)に連なり、前壁71側へ突出している。連結片723及び連結片724夫々の上端部(又は下端部)は、天壁片752(又は底壁76)に接触している。
【0067】
連結片713及び連結片723(又は連結片714及び連結片724)夫々には、挿通孔730(又は挿通孔740)を閉塞しないよう、挿通孔730(又は挿通孔740)に重なる位置に切り欠き状の凹部が形成されている。
また、連結片713,723,714,724夫々には、支持壁81,81,82,82の後述する係合突起が係合する係合孔が形成されている。
【0068】
天壁75は、天壁片751,752からなる。天壁片751(又は天壁片752)は、前壁71(又は後壁72)の上端部に連なり、前壁71から後壁72側へ(又は後壁72から前壁71側へ)突出する。天壁75の奥行きLC(即ち天壁75の厚み方向の最大長さLC)は、天壁片751,752夫々の奥行きLC1 ,LC2 の合計である。図2中には、天壁片751,752夫々の奥行きLC1 ,LC2 が記載されている。
【0069】
天壁片751,752夫々の奥行きLC1 ,LC2 は、底壁76の奥行きLBの半分の長さよりも十分に短い。具体的には、天壁片751,752夫々の奥行きLC1 ,LC2 は、パネル収容箱21の奥行きLPの半分の長さを有する。つまり、奥行きLC1 ,LC2 は、天壁片651,652夫々の奥行きに等しい。
即ち、下記の式(1)が成立する。
LC1 +LC2 =LC=LP<LB…(1)
【0070】
このため、スタンド収容箱31の上端部には、天壁片751,752、並びに左側壁73及び右側壁74夫々の前後方向中央部によって、天側開口77が形成されている。天側開口77の奥行きは、パネル収容箱21の奥行きLPに等しい。
即ち、下記の式(2)が成立する。
LC1 +LP+LC2 =LC+LP=LB…(2)
【0071】
スタンド収容箱31は、天側開口77を閉塞可能な天壁を有していない。しかしながら、パネル収容箱21の収容下部がスタンド収容箱31に収容されることによって、天側開口77が閉塞されるため、格別の問題はない。
また、パネル収容箱21の収容下部がスタンド収容箱31に収容されることによって、パネル収容箱21の底側開口67と、スタンド収容箱31の天側開口77とが連通される。
天壁片751(又は天壁片752)には、パネル収容箱21とスタンド収容箱31とを連結する場合に連結部材5が挿通される挿通孔710(又は挿通孔720)が形成されている。挿通孔710(又は挿通孔720)の形成位置は、パネル収容箱21の挿通孔610(又は挿通孔620)に対応する位置である。
【0072】
図5、図8、及び図10に示すように、スタンド収容箱31は、4枚の支持壁81,81,82,82を底壁76の四隅近傍に有する。
2枚の支持壁81,81(又は支持壁82,82)は、夫々天壁片751(又は天壁片752)に連なる。天壁片751(又は天壁片752)に連なる各支持壁81(又は各支持壁82)は、第1支持壁片811(又は第1支持壁片821)と、第2支持壁片812(又は第2支持壁片822)とからなる。
【0073】
天壁片751(又は天壁片752)に連なる2枚の支持壁81,81(又は支持壁82,82)同士は左右対称形状である。天壁片751の左端部(又は右端部)近傍に連なる支持壁81と天壁片752の左端部(又は右端部)近傍に連なる支持壁82とは前後対称形状である。
以下では、底壁76の左前隅近傍に位置する支持壁81について詳述し、残る3枚の支持壁81,82,82に関する詳述は省略する。
【0074】
第1支持壁片811は、天壁片751の左側後端部に連なり、天壁片751から底壁76側へ突出している。第1支持壁片811の下端部は、底壁76に接触している。第1支持壁片811の左端部には、左側壁73側へ突出する係合突起が一体に突設されており、この係合突起は、連結片713に形成されている係合孔に係合している。
第2支持壁片812は、第1支持壁片811に連なり、第1支持壁片811の右端部から前壁71側へ突出している。第2支持壁片812の上端部(又は下端部)は、天壁片751(又は底壁76)に接触している。
従って、支持壁81は、平面視がL字状をなしている。
【0075】
このように、天壁片751は、前壁71、支持壁81,81、及び連結片713,714によって支持されている。
この結果、天壁片751に印加された重量は、前壁71、支持壁81,81、及び、連結片713,714によって受け止められる。
同様に、天壁片752に印加された重量は、後壁72、支持壁82,82、及び連結片723,724によって受け止められる。
【0076】
前後方向に対面する第1支持壁片811,821間の離隔距離は、パネル収容箱21の奥行きLPに等しい。
左右方向に対面する第2支持壁片812,812間(又は第2支持壁片822,822間)同士の離隔距離は、緩衝体91の横幅に等しい。
【0077】
前壁71と、支持壁81と、連結片713又は連結片714と、天壁片751と、底壁76とに囲繞された空間は、付属品44の収容場所として利用される。同様に、後壁72と、支持壁82と、連結片723又は連結片724と、天壁片752と、底壁76とに囲繞された空間は、付属品44の収容場所として利用される。
【0078】
スタンド収容箱31の組み立ては、液晶表示装置4の梱包時に同時的に行なわれる。
作業者は、パネル収容箱21と、液晶表示装置4と、緩衝体91,931,932,941,942,95と、図7に示す緩衝材90,90,…とを準備する。
【0079】
次に、作業者は、液晶表示装置4のスタンド41(更に詳細には脚部本体411)を、緩衝体91の保持穴92に嵌合させる(図6参照)。次いで、作業者は、脚部本体411が嵌合している保持穴92に、発泡スチロール製の緩衝材90,90,…を配置することによって、保持穴92内部の空隙を充填する。このとき、作業者は、緩衝材90,90,…によって充填された部分の上面と、緩衝体91の上面911とを一致させる。このために、各緩衝材90は、脚部本体411が嵌合している保持穴92内部の空隙の互いに異なる一部の形状に応じた外形を有する。
【0080】
また、作業者は、図10及び図11(a)に示す板状部材310を準備する。
次いで、作業者は、後壁72に関する組み立てを行なう。具体的には、作業者は、底壁76と後壁72との境界、後壁72と天壁片752との境界、天壁片752と第1支持壁片821,821との境界、及び、第1支持壁片821,821と第2支持壁片822,822との境界を夫々90°に谷折りする。この結果、板状部材310は、図11(b)に示すような状態になる。
【0081】
次に、作業者は、前壁71及び底壁76上に、液晶表示装置4を保持した状態の緩衝体91を載置し、緩衝体91を、図11(b)に示す白抜矢符方向へ摺動させることによって、第2支持壁片822,822間の空隙に挿入する。
【0082】
次いで、作業者は、前壁71に関する組み立てを行なう。具体的には、作業者は、底壁76と前壁71との境界、前壁71と天壁片751との境界、天壁片751と第1支持壁片811,811との境界、及び、第1支持壁片811,811と第2支持壁片812,812との境界を夫々90°に谷折りする。
このとき、作業者は、第2支持壁片812,812間の空隙に緩衝体91を配置される。すると、緩衝体91の下面は底壁76に全面的に接触し、緩衝体91の上面911と緩衝材90,90,…の上面とは、天壁75に接触する。この結果、板状部材310は、図11(c)に示すような状態になる。
【0083】
このように、天壁75は、緩衝材90,90,…、脚部本体411、及び緩衝体91によっても支持されている。この結果、天壁75に印加された重量は、緩衝材90,90,…、脚部本体411、及び緩衝体91によっても受け止められる。従って、重量を受け止めることによる前壁71、後壁72、支持壁81,81,82,82、及び連結片713,714,723,724の負担が軽減される。
以上のことから、天壁75に重量が印加されることによるスタンド収容箱31の歪曲又は破損等を抑制することができる。
【0084】
次に、作業者は、液晶表示パネル40に、緩衝体932,942を取り付ける(図6参照)。このとき、作業者は、緩衝体932(又は緩衝体942)を、左側壁73及び底壁76(又は右側壁74及び底壁76)上に載置し、右方向(又は左方向)へ摺動させることによって、緩衝体932(又は緩衝体942)の保持穴に、液晶表示パネル40の左下隅(又は右下隅)を嵌合させる。
次いで、作業者は、左側壁73及び右側壁74夫々に関する組み立てを行なう。右側壁74に関する組み立ては、左側壁73に関する組み立てと略同様であるため、以下では、左側壁73に関する組み立てを詳述し、右側壁74に関する組み立ての詳述は省略する。
【0085】
具体的には、作業者は、前壁71と連結片713との境界、後壁72と連結片723との境界、及び左側壁73と底壁76との境界を夫々90°に谷折りする。また、作業者は、連結片713,723を左側壁73の内側に配置し、連結片713,723の係合穴に、第1支持壁片811,821の係合突起を係合する。更に、作業者は、例えば接着剤を用いて、連結片713,723と左側壁73の前端部内面とを連結する。
以上のようにして、作業者は、板状部材310からスタンド収容箱31を形成する。このとき、スタンド収容箱31には、スタンド41が収容される。
【0086】
次に、作業者は、パネル収容箱21の底側開口67を通して、液晶表示パネル40の上側からパネル収容箱21を覆い被せ、パネル収容箱21の収容下部を、スタンド収容箱31の天側開口77を通して、スタンド収容箱31に収容させる。このとき、連結片661(又は連結片662)が天壁片751(又は天壁片752)に上側から接触して、挿通孔610(挿通孔620)と挿通孔710(挿通孔720)とが対応する。更に、左側壁73(又は右側壁74)が左側壁63(又は右側壁64)に外側から接触して、挿通孔730(又は挿通孔740)と挿通孔630(挿通孔640)とが対応する。これらの挿通孔を区別しない場合、以下では、符号を付けずに単に挿通孔という。
【0087】
作業者は、4個の連結部材5,5,…を、対応する挿通孔同士に対して用いることによって、連結片661及び天壁片751を連結し、連結片662及び天壁片752を連結し、左側壁63,73を連結し、右側壁64,74を連結する。この結果、パネル収容箱21とスタンド収容箱31とが連結される。これらの連結は同様の手順で行なわれるため、以下こでは、右側壁64,74の連結について詳述し、他の連結については詳述を省略する。
【0088】
連結部材5は合成樹脂製であり、図12及び図13に示すように、筒体51、鍔部52、及び揺動板53,54を一体的に備えている。
筒体51の外法は、挿通孔の内法に対応する。鍔部52は、筒体51の一端側の開口周縁に外向きに突設されている。連結部材5の鍔部52が設けられている側を、以下では連結部材5の基端側という。連結部材5の基端側の最大寸法は、挿通孔の開口寸法よりも大きい。
【0089】
揺動板53,54夫々の基端部は、筒体51の対向する内壁夫々に、回動可能に支持されている。揺動板53,54夫々の先端部は、筒体51の他端側の開口から筒体51の外部へ突出している。揺動板53,54の回動は、揺動板53,54夫々の先端部が筒体51の外部で互いに接離するような回動である。
図12に示すように、揺動板53,54夫々の先端部が互いに完全に離隔した場合、揺動板53,54夫々の先端部は、筒体51の他端側の開口周縁から外向きに突設される鍔部として機能する。従って、この場合には、連結部材5の先端側の最大寸法は、挿通孔の開口寸法よりも大きい。
【0090】
図13に示すように、揺動板53,54夫々の先端部が互いに接近している場合、揺動板53,54夫々の離隔距離が筒体51の内径よりも小さくなる。従って、この場合には、連結部材5の先端側の最大寸法は、挿通孔の開口寸法よりも小さい。
連接部材5は、揺動板53,54夫々の先端部が互いに接近した状態で準備される。この状態で、作業者は、連接部材5の先端側から、筒体51を、挿通孔740,640へこの順で挿入し、鍔部52を、右側壁74に係止させる(図13参照)。
【0091】
次いで、作業者は、揺動板53,54夫々の先端部が互いに離隔するように、揺動板53,54夫々を揺動させる。このとき、揺動板53,54夫々の先端が、右側壁64に係止する。
以上の結果、連結部材5が挿通孔640,740から脱離しなくなり、延いては、右側壁64,74が連結される。
なお、連結部材5の構成は、本実施の形態に開示したものに限定されない。
【0092】
パネル収容箱21とスタンド収容箱31とを連結した後、作業者は、パネル収容箱21の天壁65を開放し、パネル収容箱21の天側開口を通して、緩衝体931,941,95をパネル収容箱21内部へ挿入し、液晶表示パネル40を、緩衝体931,941,95夫々の保持穴に嵌合させる(図6参照)。
最後に、作業者はパネル収容箱21の天壁65を閉じて、天壁片651,652を封止する。以上の結果、パネル収容箱21には、液晶表示パネル40が収容され、延いては、梱包箱11を用いて液晶表示装置4が梱包される(図1〜図3参照)。
【0093】
次に、梱包箱11の積載手順について説明する。
以下では、図14(a)に示す前(図中の左)から1番目、2番目、及び3番目の梱包箱11,11,11を、第1、第2、及び第3の梱包箱11,11,11という。
5個の梱包箱11,11,…を、輸送車又は倉庫の棚等、所定の場所に積載する場合に、作業者は、第1の梱包箱11のパネル収容箱21の後壁62と第3の梱包箱11のパネル収容箱21の前壁61とを対面させ、第1の梱包箱11のスタンド収容箱31の後壁72と第3の梱包箱11のスタンド収容箱31の前壁71とを接触させた状態で、第1及び第3の梱包箱11,11を並置する。
【0094】
次いで、作業者は、第2の梱包箱11を天地逆転させ、第1の梱包箱11の後壁62と第3の梱包箱11の前壁61との間へ挿入する。
このとき、作業者は、第2の梱包箱11のパネル収容箱21の前壁61、天壁65の天壁片651、及びスタンド収容箱31の天壁75の天壁片751を、第1の梱包箱11のパネル収容箱21の後壁62、スタンド収容箱31の天壁75の天壁片752、及びパネル収容箱21の天壁65の天壁片652に接触させる。
【0095】
また、作業者は、第2の梱包箱11のパネル収容箱21の後壁62、天壁65の天壁片652、及びスタンド収容箱31の天壁75の天壁片752を、第3の梱包箱11のパネル収容箱21の前壁61、スタンド収容箱31の天壁75の天壁片751、及びパネル収容箱21の天壁65の天壁片651に接触させる。
以上の結果、天地逆転された第2の梱包箱11が、第1及び第3の梱包箱11,11上に安定して載置される。
【0096】
このような作業を繰り返すことによって、5個の梱包箱11,11,…を、輸送車又は倉庫の棚等、所定の場所に積載し終えた場合、最前位置の梱包箱11のスタンド収容箱31の前壁71から、最後位置の梱包箱11のスタンド収容箱31の後壁72までの長さは、個々の梱包箱11のスタンド収容箱31の奥行きの3倍の長さを有する。
つまり、5個の梱包箱10,10,…を積載した場合に比べて、5個の梱包箱11,11,…を積載した場合には、単純計算で前後方向に40%コンパクトに輸送又は収納することができる。即ち、輸送効率又は収納効率等を向上させることができる。
【0097】
以上のような梱包箱11は、梱包箱11から液晶表示装置4を取り出して、そのまま使用又は展示等することができるため、梱包箱11の使用者又は販売者の利便性が向上されている。
また、少なくとも緩衝体931,932,941,942,95夫々は、従来の梱包箱10に収容される緩衝体よりも奥行きが短い(即ち体積が小さい)。従って、緩衝体の使用量が減少する分、梱包費用を低減することができる。
【0098】
更に、パネル収容箱21及びスタンド収容箱31は、板状部材210,310を折り曲げることによって容易に形成することができ、梱包箱11は、パネル収容箱21及びスタンド収容箱31を連結することによって容易に形成することができる。このため、梱包作業の作業性が向上されている。
【0099】
実施の形態 2.
図15は、本発明の実施の形態2に係る梱包箱12の外観を模式的に示す右側面図であり、実施の形態1の図2に対応する。
梱包箱12はパネル収容箱22及びスタンド収容箱32を備えており、実施の形態1の梱包箱11と類似した構成である。また、本実施の形態における液晶表示装置4は、液晶表示パネル40と、実施の形態1のスタンド41とは異なる2個のスタンド42,42とを備える。
【0100】
図16は、梱包箱12を用いて梱包すべきスタンド42,42の構成及びスタンド収容箱32の支持壁81,81,81の配置を示す平面図であり、実施の形態1の図8に対応する。
図17は、梱包箱12,12,…の積載方法を説明する右側面図であり、実施の形態1の図14に対応する。
【0101】
実施の形態1の図2及び図14に示すように、梱包箱11は側面視が倒立T字状をなしている。いわば、梱包箱11のパネル収容箱21は、従来の梱包箱10のパネル収容箱101の前壁及び後壁を、収納すべき液晶表示パネル40の正面及び背面に接近させたような形状である。
梱包箱11の場合、付属品44,44,…を収納する空間は、スタンド収容箱31内部に存在する(図1参照)。パネル収容箱21の内部に、付属品44,44,…を収納する空間を設けることは困難である。
【0102】
一方、図15に示すように、本実施の形態の梱包箱12は側面視がL字状をなしている。いわば、梱包箱12のパネル収容箱22は、従来の梱包箱10のパネル収容箱101の前壁のみを、収納すべき液晶表示パネル40の正面に接近させたような形状である。
つまり、本実施の形態のスタンド収容箱32の奥行きは、実施の形態1のスタンド収容箱31の奥行きに等しいが、本実施の形態のパネル収容箱22の奥行きは、実施の形態1のパネル収容箱21の奥行きLPよりも長い。そして、パネル収容箱22及びスタンド収容箱32夫々の後壁の前後方向の位置は一致している。
【0103】
このため、梱包箱12においては、梱包箱12のスタンド収容箱32の内部のみならず、パネル収容箱22における液晶表示パネル40の背後にも、付属品44,44,…を収納する空間を設けることが容易である。つまり、梱包箱12は、梱包箱11よりも多くの付属品44,44,…を収納することができる。
【0104】
次に、梱包箱12の積載について説明する。
図17には、5個の梱包箱12,12,…が積載された状態を図示しているが、この状態は安定性を欠くため、現実的には6個の梱包箱12,12,…を積載する必要がある。或いは、図17に示す前(図中の左)から5番目の梱包箱12のパネル収容箱22の天壁の下側に、スペーサを配置する必要がある。
以下では、図17に示す前から1番目、2番目、及び3番目の梱包箱12を、第1、第2、及び第3の梱包箱12という。
【0105】
5個の梱包箱12,12,…を、輸送車又は倉庫の棚等、所定の場所に積載する場合に、作業者は、第1の梱包箱12のパネル収容箱22及びスタンド収容箱32夫々の前壁と第3の梱包箱12のパネル収容箱22及びスタンド収容箱32夫々の前壁とを対面させた状態で、第1及び第3の梱包箱12,12を適長離隔して並置する。
【0106】
次いで、作業者は、第2の梱包箱12を天地逆転させ、第1の梱包箱12のパネル収容箱22の前壁と第3の梱包箱12のパネル収容箱22の前壁との間へ挿入する。
このとき、作業者は、第2の梱包箱12のパネル収容箱22の後壁及び前壁を、第1及び第3の梱包箱12,12のパネル収容箱22,22夫々の前壁に接触させ、第2の梱包箱12のパネル収容箱22の天壁を、第1及び第3の梱包箱12,12夫々のスタンド収容箱32の天壁に接触させ、第2の梱包箱12のスタンド収容箱32の天壁を、第3の梱包箱12のパネル収容箱22の天壁に接触させる。
【0107】
以上の結果、天地逆転された第2の梱包箱12が、第1及び第3の梱包箱12,12上に安定して載置される。
このような作業を繰り返すことによって、5個の梱包箱12,12,…を、輸送車又は倉庫の棚等、所定の場所に積載し終えた場合、最前位置の梱包箱12のパネル収容箱22の後壁から、最後位置の梱包箱12のパネル収容箱22の後壁までの長さが、個々の梱包箱12のパネル収容箱22の奥行きの5倍の長さを有する。
つまり、5個の梱包箱10,10,…を積載した場合に比べて、5個の梱包箱12,12,…を積載した場合には、コンパクトに輸送又は収納することができる。即ち、輸送効率又は収納効率等を向上させることができる。
【0108】
ところで、図16に示すように、各スタンド42は、脚部本体421及び連結支持部422からなる。各脚部本体421は、前後方向に長い矩形状であり、各連結支持部422は、柱状をなしている。
連結支持部422,422夫々の上端側は、液晶表示パネル40の下端部分の左右方向中央部を中心に互いに左右対称位置に連結され、各連結支持部422の下端側は、脚部本体421上面の前後左右方向中央部分に連結されている。
【0109】
スタンド収容箱32には、2個のスタンド42,42に対応して2個の緩衝体96,96が収容される。各緩衝体96の上面961には、スタンド42の脚部本体421が密着嵌合する保持穴97が形成されている。
緩衝体96の縦長さは、スタンド収容箱32の内法の縦長さに等しい。緩衝体96の奥行きは、スタンド収容箱32の内法の奥行きに等しい。緩衝体96の横幅は、スタンド42の最大の横幅よりも適長長い。
【0110】
スタンド収容箱32は、実施の形態1のような支持壁82を有していない。何故ならば、スタンド収容箱32の後壁側には天壁(又は天壁片)が存在しないからである。
一方、スタンド収容箱32の前壁側には天壁が存在する。このため、スタンド収容箱32は、3個の支持壁81,81,81を有している。何故ならば、スタンド収容箱32の左側壁と左側の緩衝体96との間、2個の緩衝体96,96間、及び右側の緩衝体96とスタンド収容箱32の右側壁との間に、支持壁81が1枚ずつ配置されているからである。
【0111】
中央の支持壁81は、第1支持壁片811と、左右2個の第2支持壁片812,812とを有する。従って、中央の支持壁81は、平面視がコ字状をなしている。左右の支持壁81,81は、実施の形態1の支持壁81,81と同様に、平面視がL字状をなしている。
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
以上のような梱包箱12は、実施の形態1の梱包箱11と同様の効果を奏することができる。
【0112】
実施の形態 3.
図18は、本発明の実施の形態3に係る梱包箱13の外観を模式的に示す右側面図である。図18は、実施の形態1の図2及び実施の形態2の図15に対応する。
梱包箱13はパネル収容箱23及びスタンド収容箱33を備えており、実施の形態2の梱包箱12と略同様の構成である。また、本実施の形態における液晶表示装置4は、液晶表示パネル40と、実施の形態1,2のスタンド41,42とは異なるスタンド43とを備える。
【0113】
スタンド43は、脚部本体の後部が、脚部本体の前後方向中央部に出没可能に設けられている。このため、梱包箱13を用いて液晶表示装置4を梱包する場合には、スタンド43の最大の奥行きは、スタンド41,42の最大の奥行きよりも短くなる。
【0114】
本実施の形態の梱包箱13は、実施の形態2の梱包箱12と同様に、側面視がL字状をなしている。ただし、パネル収容箱23の奥行きは、実施の形態1のパネル収容箱21に等しく、スタンド収容箱33の奥行きは、実施の形態1,2のスタンド収容箱31,32夫々の奥行きよりも短い。
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0115】
以上のような梱包箱13は、実施の形態1,2の梱包箱11,12と同様の効果を奏することができる。
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。例えば、脚部一体型電気装置は、液晶表示装置4に限定されず、例えば、プラズマテレビジョン装置であってもよい。
【0116】
また、本発明の効果がある限りにおいて、梱包箱11〜13に、実施の形態1〜3に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
【符号の説明】
【0117】
11,12,13 梱包箱
21,22,23 パネル収容箱(機器収容部)
31,32,33 スタンド収容箱(脚部収容部)
210,310 板状部材
4 液晶表示装置(脚部一体型電気装置)
40 液晶表示パネル(電気機器)
41,42,43 スタンド(脚部)
61,71 前壁(周壁)
62,72 後壁(周壁)
63,73 左側壁(周壁)
64,74 右側壁(周壁)
65,75 天壁
67 底側開口
751,752 天壁片
76 底壁
77 天側開口
81,82 支持壁
90 緩衝材
91,96 緩衝体
911,961 上面
92,97 保持穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル状の電気機器と、該電気機器を支持する脚部とを一体的に備え、該脚部の前記電気機器の厚み方向の最大長さLSが、前記電気機器の最大厚みDPよりも長い脚部一体型電気装置を梱包するために、
前記電気機器を収容する機器収容部と、
前記脚部を収容する脚部収容部と
を備える梱包箱であって、
前記機器収容部は、
筒状の周壁、及び天壁を有し、
前記周壁によって底側開口が形成され、
前記厚み方向の最大長さがLPであり、
前記脚部収容部は、
筒状の周壁、底壁、及び天壁を有し、
前記底壁の前記厚み方向の最大長さLBがLPよりも長く、
前記天壁と前記周壁の周方向の一部とによって天側開口を形成すべく、前記天壁の前記厚み方向の最大長さLCがLBよりも短く形成され、
前記機器収容部及び脚部収容部は、
前記底側開口及び天側開口が連通されるように連結してあることを特徴とする梱包箱。
【請求項2】
前記機器収容部及び脚部収容部は、夫々が1枚の板状部材を折り曲げることによって形成されており、
前記脚部収容部となすべき板状部材は、前記脚部収容部の天壁となすべき部分に連続する部分を有し、
前記脚部収容部は、前記連続する部分を折り曲げてなり、その下端部が前記底壁に接触することによって前記天壁を支持する支持壁を更に有することを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。
【請求項3】
前記脚部収容部は、前記脚部を保持すべく、その上面に前記脚部が嵌合する保持穴が形成されている緩衝体を、前記上面が前記脚部収容部の天壁に接触する状態で収容しており、
前記脚部が嵌合している保持穴には、前記上面と同じ高さまで緩衝材が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の梱包箱。
【請求項4】
前記機器収容部及び脚部収容部夫々は、四角筒状に形成されている4枚の周壁を有し、
前記脚部収容部の天壁は、前記脚部収容部の対面する2枚の周壁に連なる2枚の天壁片からなり、該2枚の天壁片の前記厚み方向の長さを合計した前記最大長さLCが、前記最大長さLBよりも短いことを特徴とする請求項1から3の何れかひとつに記載の梱包箱。
【請求項5】
請求項1から4の何れかひとつに記載の梱包箱を複数個、所要の場所に積載する積載方法であって、
一の前記梱包箱の機器収容部の周壁の一部、及び脚部収容部の天壁に、天地逆転させた他の前記梱包箱の機器収容部の周壁の一部、及び前記機器収容部の天壁を接触させることによって、一の前記梱包箱に他の前記梱包箱を載置することを特徴とする積載方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−31891(P2011−31891A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176881(P2009−176881)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】