説明

梱包箱

【課題】複数の部品が1つの箱に収容されている場合にも、ユーザが部品の設定手順を直感的に認識することができるような梱包箱を提供することを目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するため、梱包箱11は、複数の部品を梱包箱11の深さ方向に順に収容する入れ子状の多段の凹部を有する部品多段収容手段を中に備え、設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアル22を梱包箱の蓋の一部として備えている。それぞれの部品の収容箇所周辺に設けられた多段の凹部は、マニュアル22の設定手順のうち1の手順で使用する部品を取り出すと、次の手順で使用する部品及び当該部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する部位が見える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部品を梱包する梱包箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザに複数の部品をダンボール箱などに梱包して送付し、ユーザ自身に複数の部品を組み立てさせたり、部品の配線を行わせたりする場合がある。このような場合、ユーザはダンボール箱から部品類を取り出し、マニュアルを参考にして、マニュアルに指定された手順で組み立てたり、配線を行ったりする必要がある。
【0003】
このため、ユーザが手順を間違えないように、マニュアル提供者はマニュアルの配色や構成に工夫をしている。これまで、ユーザが手順を間違えないように、マニュアルではフォント、イラスト、写真等のビジュアル表現がどのように用いられているかを調査、類型化された例がある(例えば、非特許文献1参照。)。
【非特許文献1】「マニュアルにおける複合的ビジュアル手法」木原萌美、テクニカルコミュニケーションシンポジウム2006論文集、PP.15−19
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、複数の部品が1つの箱に同梱されている場合、マニュアルに記載されている部品の特定を間違え、指定の手順で部品を組み立てられない場合がある。例えば、パソコンをインターネットに接続するための通信機器類の入っている箱には、通信機器本体の他に、通信機器本体と外部機器とを接続するケーブル、通信機器を動作させる電源アダプタ、パソコンの設定をするためのCD、パソコンと通信機器本体とを接続する無線カード等多くの部品が同梱されている。
【0005】
パソコンをインターネットに接続するためには、まず通信機器本体を取り出し、通信機器本体と外部機器とを接続し、電源アダプタを通信機器に接続し、電源を投入し、CDをパソコンに挿入する。最後に、無線カードを取り出し、パソコンに無線カードを取り付ける。このような手順は、順番を守らないと、パソコンを正しくインターネットに接続することが出来ない。
【0006】
しかし、マニュアルを参照することなく、部品を先に取り出し、自己の判断した手順で設定を開始してしまうユーザが多い。また、マニュアルに従って設定するユーザであっても、必ずしも指定する手順に従って設定するとは限らない。このような場合に、パソコンを正しくインターネットに接続することが出来なくなる。例えば、手順を守らずにCDを先に挿入してしまうと、パソコンをインターネットに接続することができなくなってしまうという問題がある。このように、マニュアルをいくら丁寧に記載しても、複数の部品が1つの箱に同梱されている場合は、ユーザに手順を間違えることなく実行させることは困難である。
【0007】
そこで、複数の部品が1つの箱に梱包されている場合にも、ユーザが部品の設定手順を直感的に認識することができるような梱包箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る梱包箱は、部品の収容を設定手順に対応させた色彩等で区別することを特徴とする。色彩等で区別することにより、設定手順を直感的に認識することができる。
【0009】
具体的には、本発明は、複数の部品を梱包する梱包箱であって、設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアルを備え、前記部品の収容箇所周辺が、前記部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有することを特徴とする梱包箱である。
【0010】
本発明に係る梱包箱は、前記複数の部品を前記梱包箱の深さ方向に順に収容する入れ子状の多段の凹部を有する部品多段収容手段を前記梱包箱の中にさらに備え、前記多段の凹部は、前記設定手順のうち1の手順で使用する前記部品を取り出すと、次の手順で使用する前記部品及び当該部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する部位が見えることが好ましい。
【0011】
本発明に係る梱包箱は、前記複数の部品を同じ面上に収容する凹部を有する部品平面収容手段を前記梱包箱の中にさらに備え、前記部品平面収容手段は、前記部品の収容箇所周辺が前記部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有することが好ましい。
【0012】
本発明は、複数の部品を梱包する梱包箱であって、設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアルと、前記梱包箱に収容する前記複数の部品の間を仕切る仕切りと、を備え、前記仕切りは、前記部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有することを特徴とする梱包箱である。
【0013】
本発明に係る梱包箱は、前記仕切りは、前記梱包箱の深さ方向に段重ねで収容する前記複数の部品の間を仕切る多段仕切りであることが好ましい。
【0014】
本発明に係る梱包箱は、前記仕切りは、一部がくり抜かれ又は透明になっていることが好ましい。
【0015】
本発明に係る梱包箱は、前記仕切りは、前記梱包箱の同じ面上に収容する平面仕切りであって、前記平面仕切りの部品を収容する側の面が前記部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有することが好ましい。
【0016】
本発明は、複数の部品を梱包する梱包箱であって、設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアルと、前記梱包箱の内部で前記部品を包装する包装体と、を備え、前記包装体は、前記部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有することを特徴とする梱包箱である。
【0017】
本発明は、複数の部品を梱包する梱包箱であって、設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアルと、前記部品に添付する表示札と、を備え、前記表示札が、前記部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有することを特徴とする梱包箱である。
【0018】
本発明に係る梱包箱は、前記表示札は、前記部品を設定する際の操作すべき箇所に貼り付けられていることが好ましい。
【0019】
本発明に係る梱包箱は、前記設定手順に対応した色彩は、明度の高低の順番が前記設定手順の順番に対応していることが好ましい。
【0020】
本発明に係る梱包箱は、前記設定手順に対応した模様は、濃淡の順番が前記設定手順の順番に対応していることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数の部品が1つの箱に梱包されている場合にも、ユーザが部品の設定手順を直感的に認識することができるような梱包箱を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。
【0023】
(実施形態1)
本実施形態は、設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアルを備え、部品の収容箇所周辺が、部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する梱包箱の一例である。ステップ1からステップ3までの設定手順でそれぞれ1個づつの部品を使用する梱包箱の斜視図及びその梱包箱に添付されるマニュアルを図1に示す。部品A、部品B及び部品Cを梱包して、マニュアルを同梱した図1の梱包箱の断面図を図2に示す。
【0024】
図1及び図2において、梱包箱11は、部品A、部品B及び部品Cを梱包箱11の深さ方向に順に収容する入れ子状の多段の凹部を有する部品多段収容手段を中に備え、設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアル22を梱包箱の蓋の一部として備えている。それぞれの部品の収容箇所周辺に設けられた多段の凹部は、マニュアル22に記載されている設定手順のうち1の手順で使用する部品を取り出すと、次の手順で使用する部品及び当該部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する部位が見える。
【0025】
部品多段収容手段の材料としては、紙、木、プラスチック、金属、ビニール、発泡スチロール、ウレタン、ゴム、気泡緩衝材、陶磁器、ガラス、布等が例示できる。部品多段収容手段が有する入れ子状の多段の凹部とは、凹部の中にさらに凹部を有するものをいう。この凹部は、1つの部品を収容するものでも、複数の部品を収容するものでもよいし、設定手順に対応して1つの手順で使用等する複数の部品を収容するものでもよい。
【0026】
設定手順には、部品の組み立て、接続、使用や付け替え、ソフトウェアのインストール、装置の切換え等の装置の動作環境を整える手順、料理に使用する具材の調理手順、調剤に使用する化学薬品、医薬品の調合手順が例示できる。以下の実施形態でも同様である。
【0027】
梱包箱の材料としては、紙、木、プラスチック、金属、ビニール、発泡スチロール、ウレタン、ゴム、気泡緩衝材、陶磁器、ガラス、布等が例示できる。以下の実施形態でも同様である。
【0028】
マニュアル22には、図3に示すようにステップ1からステップ3までの設定手順が記載されている。マニュアル22に記載されている設定手順は、色彩、模様、光沢又は触感で区別され、部品多段収容手段の面はマニュアル22に記載されている設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する部位が見えるようになっている。
【0029】
模様は、線描きの図形ばかりでなく、物理的に面に入れられた彫りでもよいし、切抜きでもよい。光沢には、金属色のような反射の質ばかりでなく、木質等の質感も含む。触感には、例えば、ふわふわの素材やつるつるの素材を用いることによって区別できるようにしてもよい。以下の実施形態でも同様である。
【0030】
マニュアル22を取り出すと、梱包箱11には上から順に、部品A、部品B、部品Cが梱包されている。部品A、部品B及び部品Cの収容箇所周辺には、部品A、部品B及び部品Cを収容する部品多段収容手段が配置されている。部品Aが収容されている状態では、ステップ1の設定手順で使用する部品Aと共にマニュアル22に記載されているステップ1に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する部品多段収容手段の面10aが見える。もし、部品Aの高さが面10aの深さよりも低い場合、ユーザが部品Aを取り出す前の状態のときにも面10bの一部が見えてしまう。図1では面10aは、全てステップ2に対応する色になっているが、部品Aの高さが面10aの深さよりも低い場合は、面10bのうち部品Aの高さよりも高い部分は、ステップ1に対応する色彩、模様、光沢又は触感であるケースも考えられる。部品Aを取り出すと、部品多段収容手段の凹部には、ステップ2の設定手順で使用する部品Bと共にマニュアル22に記載されているステップ2に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する部品多段収容手段の面10b及び10cも見える。部品Bを取り出すと、部品多段収容手段の凹部には、ステップ3の設定手順で使用する部品Cと共にマニュアル22に記載されているステップ3に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する部品多段収容手段の面10d及び10eも見える。
【0031】
マニュアルは、梱包箱に同梱されていてもよいし、別梱でもよい。マニュアルの形態としては1枚紙や製本されたものばかりでなく、蓋の表面・裏面、収容箇所周辺への記載も含まれる。梱包箱の底面や側面にマニュアルが記載されていてもよい。また、梱包箱に収容される部品の組み立て、配線の手順に対応する色彩、模様、光沢又感触に対応付けられた部品の内容が記載されており、各部品が揃っているかだけでなく、設定手順のステップ数、設定手順毎に必要な部品を把握できるようになっていてもよい。以下の実施形態でも同様である。
【0032】
このように、複数の部品が1つの梱包箱に部品多段収容手段を利用して収容されている場合にも、部品の収容箇所周辺が、その部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有するため、ユーザが部品の設定手順を直感的に認識することの可能な梱包箱を提供することができる。
【0033】
(実施形態2)
本実施形態は、設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアルを備え、部品の収容箇所周辺が、部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する梱包箱の他の例である。部品を配置する凹部は、必ずしも梱包箱の深さ方向に階段状になっている必要はない。例えば、部品が同じ面上に収容される構成もあり得る。ステップ1からステップ3までの設定手順でそれぞれ1個づつの部品を使用する例の梱包箱の斜視図を図4に示す。図4は、複数の部品を同じ面上に収容する凹部を有する部品平面収容手段を梱包箱16の中に備え、部品平面収容手段が、部品の収容箇所周辺が部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する梱包箱である。
【0034】
部品平面収容手段の材料は紙、木、プラスチック、金属、ビニール、発泡スチロール、ウレタン、ゴム、気泡緩衝材、陶磁器、ガラス、布等が例示できる。部品平面収容手段の凹部は、1つの部品を収容するものでも、複数の部品を収容するものでもよいし、設定手順に対応して1つの手順で使用等する複数の部品を収容するものでもよい。
【0035】
このように、複数の部品が1つの梱包箱に部品平面収容手段を利用して収容されている場合には、部品の収容箇所周辺が、その部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有するため、ユーザが部品の設定手順を直感的に認識することの可能な梱包箱を提供することができる。
【0036】
(実施形態3)
部品が同じ面上に複数収容され、いずれかの部品を取り出すと、さらにその奥に同じステップで使用する部品が収容されている例もある。このような梱包箱の斜視図を図5に、複数の部品を収容し、設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアルを備えた梱包箱の断面図を図6に示す。
【0037】
図5、図6において、マニュアル23を取り出すと、設定手順のステップ1で使用する部品Aとマニュアル23に記載されているステップ1に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する面が見える。部品平面収容手段の凹部から部品Aを取り出しても、部品Bの収容箇所周辺を囲む部品平面収容手段の面はステップ1に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有するため、部品Bもステップ1で使用することが直感的に認識できる。部品平面収容手段の凹部から部品Bを取り出すと、部品平面収容手段の凹部に収容されているステップ2の設定手順で使用する部品Cと共にマニュアル23に記載されているステップ2に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する部品平面収容手段の面も見える。部品平面収容手段の凹部から部品Cを取り出すと、部品平面収容手段の凹部に収容されているステップ3の設定手順で使用する部品D及び部品Eと共にマニュアル23に記載されているステップ3に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する部品平面収容手段の面も見える。
【0038】
このように、複数の部品が1つの梱包箱に収容されている場合にも、部品の収容箇所周辺が、その部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有するため、ユーザが部品の設定手順を直感的に認識することの可能な梱包箱を提供することができる。
【0039】
(実施形態4)
部品を収容する際に、必ずしも部品の収容箇所周辺が部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する必要はない。例えば、部品に添付する表示札が、部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する梱包箱でもよい。マニュアルには色彩、模様、光沢又は触感で区別される設定手順が記載されており、設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する表示札が部品に添付されている。表示札にはシール、ラベル、タグ等が例示できる。
【0040】
これらの表示札は部品そのものに添付してもよいし、部品を包む袋や箱に添付してもよい。さらに、これらの表示札を、部品を設定する際の操作すべき箇所に貼り付けられていると操作箇所が鮮明になり、ユーザが誤りなく部品を操作することができる。操作すべき箇所には、ケーブル接続コネクタ、挿入箇所、結合箇所、取り外し箇所、付け替え箇所等が例示できる。
【0041】
このように、複数の部品が1つの梱包箱に収容されている場合にも、部品等に添付された表示札が、その部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有するため、ユーザが部品の設定手順を直感的に認識することの可能な梱包箱を提供することができる。さらに、ユーザが部品を梱包箱から取り出しても、部品に添付された表示札が、その部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有するため、ユーザが部品の設定手順を直感的に認識することの可能な梱包箱を提供することができる。
【0042】
(実施形態5)
ステップ1からステップ3までの設定手順でそれぞれ使用する複数の部品の間を仕切る仕切りを利用して、複数の部品を収容し、設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアルを備える梱包箱の一例の断面図を図7に、その梱包箱の分解図を図8に示す。
【0043】
図7及び図8において、梱包箱19は、部品A、部品B及び部品Cを梱包箱19の深さ方向に段重ねで収容して複数の部品の間を仕切る多段仕切り41、42及び43を中に備え、設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアル24を梱包箱の蓋の一部として備えている。
【0044】
複数の部品の間を仕切る多段仕切り41、42及び43はそれぞれ設定手順のステップ1からステップ3に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する。マニュアル24に記載されている設定手順のうち1の手順で使用する部品と多段仕切りを取り出すと、次の手順で使用する部品及び当該部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する多段仕切りが見える。例えば、マニュアル24を取り外すと、ステップ1に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する多段仕切り41及びステップ1で使用する部品Aが見える。部品Aと多段仕切り41を取り外すと、ステップ2に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する多段仕切り42及びステップ2で使用する部品Bが見える。部品Bと多段仕切り42を取り外すと、ステップ3に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する多段仕切り43及びステップ3で使用する部品Cが見える。
【0045】
多段仕切りは、部品を留めることが出来る大きさであることが必要で、部品を固定するために、多段仕切り41のように凹部が形成された構成でもよいし、多段仕切り42のように切れ込みが入っている構成でもよい。また、多段仕切り43のように、凹凸がない場合は、ゴムバンド31などで部品が動かないように固定できる構成でもよいが、その固定方法は限定しない。
【0046】
多段仕切りの材料としては、紙、木、プラスチック、金属、ビニール、発泡スチロール、ウレタン、ゴム、気泡緩衝材、陶磁器、ガラス、布等が例示できる。多段仕切りは、1つの部品を仕切るものでも、複数の部品を仕切るものでもよいし、設定手順に対応して1つの手順で使用等する複数の部品を仕切るものでもよい。
【0047】
多段仕切りは、一部がくり抜かれ又は透明になっていてもよい。図7、図8においてユーザが部品Aのみを取り出し、多段仕切り41が梱包箱19の中に残されると、その下の部品Bや多段仕切り42が見えない。ユーザは下段にも他の部品が収容されていることを認識しないまま、設定を中止してしまう虞がある。このようなとき、図9に示すように、多段仕切り48は、凹部の一部がくり抜かれているくり抜き49を有すると便利である。くり抜き49は透明膜又は半透明膜が張られていてもよい。また、ウレタンフィルムのような透明膜で部品を上下から挟み込むようにしてもよい。一部がくり抜かれ又は透明になっている多段仕切りを採用すると、下段が透けて見えるため、ユーザはまだ部品が収容されていることを認識することができる。
【0048】
このように、複数の部品が1つの梱包箱に収容されていても、梱包箱の上の方に収容する部品の大きさが、下の方に収容する部品よりも小さい場合は、図7、図8に示すような多段仕切りを配置することにより、上の方に収容された部品を取り出す前に、下の方に収容された部品とその周辺が見えてしまうことを防止することができる。また、多段仕切りが、その部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有するため、ユーザが部品の設定手順を直感的に認識することの可能な梱包箱を提供することができる。
【0049】
なお、図7、図8に示す梱包箱は、梱包箱の上の方に収容する部品の大きさが、下の方に収容する部品よりも小さい場合で説明したが、梱包箱の上の方に収容する部品の大きさが、下の方に収容する部品よりも大きい場合にも適用できることはいうまでもない。
【0050】
(実施形態6)
複数の部品を梱包箱の同じ面上に収容して複数の部品の間を仕切る平面仕切りを備えてもよい。設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアルも備え、平面仕切りの部品を収容する側の面が部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する。
【0051】
ステップ1からステップ2までの設定手順でそれぞれ使用する2個の部品の間を仕切る仕切りを利用して、複数の部品を収容する梱包箱の斜視図の一例を図10に示す。図10において、梱包箱17の内部には同じ面上に2つの部品を収容して、2つの部品の間を仕切る平面仕切り44を備えている。平面仕切り44の部品を収容する側の面は、部品を使用する設定手順のステップ1又はステップ2に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する。平面仕切り44だけでなく、収容する凹部の下面や周囲の面も部品を使用する設定手順のステップ1又はステップ2に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有すれば、一層効果的である。
【0052】
このように、複数の部品が1つの梱包箱に収容されている場合にも、平面仕切りの部品を収容する側の面がその部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有するため、ユーザが部品の設定手順を直感的に認識することの可能な梱包箱を提供することができる。
【0053】
(実施形態7)
各部品を使用する設定手順を示すのに、仕切りではなく、各部品を包装する包装体でもよい。包装体としての小箱を例に、ステップ1の設定手順で部品J、部品K及びステップ2の設定手順で部品Lを使用する梱包箱の断面図及びその梱包箱に添付されるマニュアルの一例を図11に示す。
【0054】
図11において、梱包箱18は、部品J及び部品Lをそれぞれ包装した小箱51、53を同一の面上に収容し、部品Jを包装した小箱52を梱包箱18の深い方にある段に収容し、設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアル29を梱包箱の蓋の一部として備えている。小箱51、52及び53は、当該部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する。
【0055】
図11の例では、部品J及び部品Kをステップ1で使用するため、ユーザに設定手順通りに実行させるには、その2つの部品を梱包箱の上部に配置し、部品Lはその下に配置することが望ましいが、部品の大きさと梱包効率の都合上、部品Lが部品Kの上に配置されている。この場合にも。小箱51と小箱52が同一ステップで使用する色彩等を有しているため、小箱51を取り出した後に、小箱52の包装する部品が小箱51の包装する部品と同じステップで使用する部品であることが直感的に認識できる。
【0056】
上部がくり抜かれた小箱の例を図12に示す。図12の小箱54は、上部の一部がくり抜かれたくり抜き55を有しているため、梱包箱に収容された又は取り出した際に、内部にどのような部品が入っているかを確認することができる。くり抜き55は透明膜又は半透明膜が張られていてもよい。また、ウレタンフィルムのような透明膜で部品を上下から挟み込むようにしてもよい。
【0057】
また、くり抜きに替えて、包装されている部品の絵や写真などが小箱の外装に描かれていてもよい。
【0058】
包装体は、小箱に限らず、部品を包装するものであれば袋、帯でもよい。包装体は、1つの部品を包装するものでも、複数の部品を包装するものでもよいし、設定手順に対応して1つの手順で使用等する複数の部品を包装するものでもよい。
【0059】
このように、複数の部品が包装体で包装されて1つの梱包箱に収容されている場合にも、部品を包装した包装体が、その部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有するため、ユーザが部品の設定手順を直感的に認識することの可能な梱包箱を提供することができる。さらに、ユーザが部品を梱包箱から取り出しても、部品を包装した包装体が、その部品を使用する設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有するため、部品の設定手順を直感的に認識することの可能な梱包箱を提供することができる。
【0060】
(実施形態8)
これまで説明した設定手順に対応した色彩は、明度の高低の順番が設定手順の順番に対応していてもよい。色彩の明度の高低の順番が設定手順の順番に対応していると、色彩を見ただけで設定手順の相対的順番を把握することができる。例えば、設定手順の順番に合わせて、明度が明るい色から暗い色へ又はその逆になっていることが例示できる。
【0061】
(実施形態9)
これまで説明した設定手順に対応した模様は、模様の濃淡の順番が設定手順の順番に対応していてもよい。模様の濃淡の順番が設定手順の順番に対応していると、模様を見ただけで設定手順の相対的順番を把握することができる。例えば、設定手順の順番に合わせて、模様が濃い色から淡い色へ又はその逆になっていることが例示できる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本実施形態に係る梱包箱は、組み立て、接続、使用、付け替え、ソフトウェアのインストール、装置の切換え等の装置の動作環境を整える部品の梱包、料理に使用する具材の梱包、調剤に使用する化学薬品、医薬品の梱包にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】梱包箱の斜視図及びその梱包箱に添付されるマニュアルの一例である。
【図2】部品を梱包して、マニュアルを同梱した梱包箱の断面図である。
【図3】設定手順が記載されているマニュアルの例である。
【図4】梱包箱の斜視図である。
【図5】梱包箱の斜視図である。
【図6】部品を梱包して、マニュアルを同梱した梱包箱の断面図である。
【図7】部品を梱包して、マニュアルを同梱した梱包箱の断面図である。
【図8】梱包箱の分解図である。
【図9】くり抜きを有する多段仕切りの斜視図である。
【図10】梱包箱の斜視図である。
【図11】部品を梱包して、マニュアルを同梱した梱包箱の断面図である。
【図12】上部がくり抜かれた小箱の斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
11、16、17、18、19 梱包箱
10a、10b、10c、10d、10e 面
22、23、24、29 マニュアル
31 ゴムバンド
41、42、43、48 多段仕切り
44 平面仕切り
49 くり抜き
51、52、53、54 小箱
55 くり抜き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品を梱包する梱包箱であって、
設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアルを備え、
前記部品の収容箇所周辺が、前記部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有することを特徴とする梱包箱。
【請求項2】
前記複数の部品を前記梱包箱の深さ方向に順に収容する入れ子状の多段の凹部を有する部品多段収容手段を前記梱包箱の中にさらに備え、
前記多段の凹部は、前記設定手順のうち1の手順で使用する前記部品を取り出すと、次の手順で使用する前記部品及び当該部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有する部位が見えることを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。
【請求項3】
前記複数の部品を同じ面上に収容する凹部を有する部品平面収容手段を前記梱包箱の中にさらに備え、
前記部品平面収容手段は、前記部品の収容箇所周辺が前記部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有することを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。
【請求項4】
複数の部品を梱包する梱包箱であって、
設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアルと、
前記梱包箱に収容する前記複数の部品の間を仕切る仕切りと、を備え、
前記仕切りは、前記部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有することを特徴とする梱包箱。
【請求項5】
前記仕切りは、前記梱包箱の深さ方向に段重ねで収容する前記複数の部品の間を仕切る多段仕切りであることを特徴とする請求項4に記載の梱包箱。
【請求項6】
前記仕切りは、一部がくり抜かれ又は透明になっていることを特徴とする請求項4又は5に記載の梱包箱。
【請求項7】
前記仕切りは、前記梱包箱の同じ面上に収容する平面仕切りであって、前記平面仕切りの部品を収容する側の面が前記部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有することを特徴とする請求項4に記載の梱包箱。
【請求項8】
複数の部品を梱包する梱包箱であって、
設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアルと、
前記梱包箱の内部で前記部品を包装する包装体と、を備え、
前記包装体は、前記部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有することを特徴とする梱包箱。
【請求項9】
複数の部品を梱包する梱包箱であって、
設定手順が色彩、模様、光沢又は触感で区別されるマニュアルと、
前記部品に添付する表示札と、を備え、
前記表示札が、前記部品を使用する前記設定手順に対応した色彩、模様、光沢又は触感を有することを特徴とする梱包箱。
【請求項10】
前記表示札は、前記部品を設定する際の操作すべき箇所に貼り付けられていることを特徴とする請求項9に記載の梱包箱。
【請求項11】
前記設定手順に対応した色彩は、明度の高低の順番が前記設定手順の順番に対応していることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の梱包箱。
【請求項12】
前記設定手順に対応した模様は、濃淡の順番が前記設定手順の順番に対応していることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の梱包箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−113827(P2009−113827A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286855(P2007−286855)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】