梱包部材、梱包部材を用いる装置の梱包方法及び梱包部材を用いる装置の固定方法
【課題】画像形成装置を梱包するときに使用される梱包効率の高い梱包部材であって、設置後は装置に付属する付属品等を安定して収納する。
【解決手段】梱包部材100は、空気導入排出部103を側面に備え、この空気導入排出部103から空気を導入すると膨張部101が膨らみ、付属品を収納する中空部102が形成される。中空部102に付属品が収納された梱包部材100は、画像形成装置を梱包するときには、膨張部101の空気による弾性力に抗して外箱と画像形成装置との間の空間に挟み込まれて固定され、画像形成装置が設置された後においては、弾性力に抗して床面又は壁面と画像形成装置との間の空間に挟み込まれて固定される。
【解決手段】梱包部材100は、空気導入排出部103を側面に備え、この空気導入排出部103から空気を導入すると膨張部101が膨らみ、付属品を収納する中空部102が形成される。中空部102に付属品が収納された梱包部材100は、画像形成装置を梱包するときには、膨張部101の空気による弾性力に抗して外箱と画像形成装置との間の空間に挟み込まれて固定され、画像形成装置が設置された後においては、弾性力に抗して床面又は壁面と画像形成装置との間の空間に挟み込まれて固定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機等のOA機器を運搬するときに使用する梱包部材であって、運搬が終わった後にOA機器の付属品等を好適に収納できる梱包部材に関する。本発明は、このような梱包部材を用いる装置の梱包方法及び梱包部材を用いる装置の固定方法にも関係がある。
【背景技術】
【0002】
OA機器の1つとして、トナー像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ機又はこれらのうち2以上を組み合わせた複合機が広く用いられている。このような画像形成装置では、通常、露光プロセスにて感光体のような像担持体上に静電潜像を形成し、現像プロセスにて該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、転写プロセスにて該可視トナー像を記録紙等の記録媒体に転写し、或いは一旦中間転写ベルト等の中間転写体に1次転写し該中間転写体から記録媒体に2次転写し、定着プロセスにてこのように記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させることができる。
【0003】
このような複合機のような大型の装置、例えば体積が1立方メートル程度の大きさの装置の多くは、相当の重量となる場合が多い。このため、このような装置には、作業者により設置場所まで運搬されるときに容易に動かせるように、キャスターを備えていることがある。設置場所まで運搬するときは、このキャスターによって大型の装置を容易に動かせることができ、設置場所まで運搬した後は、キャスターに設けられたロック機構によってキャスターを回転防止状態にすることにより、装置が設置場所から移動しないようにすることができる。上述した複合機のような装置は、底面が略四角形となっており、それぞれの角付近にキャスターが取り付けられており、複合機全体を4つのキャスターで支持するような構成となっていることが一般的である。
【0004】
ところで、このようなキャスターを備えた複合機のような大型の画像形成装置は、装置の設置面である床面とキャスターの接触部分だけで装置を支持するので、摩擦が小さくなっている。そのため、地震等による揺れによって、キャスターがロックされているにも関わらず、装置が床面を滑走して移動する可能性がある。この時、床面に突起物等があると、キャスターがその突起物に突き当たり、装置が転倒してしまう。このような複合機の不用意な移動及び転倒を防止するために、装置とは別体の移動防止部材が用いられることがある。例えば、特開2005−306127号公報(特許文献1)は、大型のキャスターを備えた装置であって、梱包部材を兼ねたストッパ部材を備えた装置を開示する。
【0005】
この特許文献1に開示された装置は、キャスターを備えた画像形成装置であって、画像形成装置の底面に床面と面接触する平面部を有するストッパ部材を装着したことを特徴とする。また、このストッパ部材は、発泡樹脂であることを特徴とし、梱包部材を転用したものである。
【0006】
このようにすると、画像形成装置の底面にストッパ部材を装着しており、ストッパ部材の底部は平面部を有しており、床面と面接触する。そのため、摩擦力が増大するので、画像形成装置の滑走と転倒を防止することが可能となる。また、ストッパ部材が発泡樹脂によって形成されていることで、装着が容易になる。さらに、ストッパ部材が梱包部材を転用したものであるので、梱包資材を有効的に利用することができて、コストダウンに寄与する。
【0007】
【特許文献1】特開2005−306127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示されたストッパ部材は、発泡樹脂を使用し、装置をダンボール箱等に梱包するときの梱包部材として使用している。具体的には、ストッパ部材は、画像形成装置と外箱との間に配置され、ストッパ部材の一部分が画像形成装置の角に当接するように配置され、ストッパ部材の他の部分が外箱内面に当接している。
【0009】
しかしながら、梱包部材として上述したように使用されるので、梱包部材が当接する画像形成装置の外観形状が異なると、梱包部材(ストッパ部材)の形状を異なるものにしなければならない。梱包部材(ストッパ部材)が発泡樹脂であるとはいえ、その形状を大きく自由に変化させることはできない。このため、様々な外観形状が存在する画像形成装置等のOA機種の多くに対応させるためには、多くの種類の梱包部材(ストッパ部材でもあり発泡樹脂製)の設計しなければならないことになる。このため、梱包資材のコストダウンを実現しづらい。
【0010】
一方、このような画像形成装置(複合機を含む)には、多数のマニュアル(書籍)及びトナーボトル等の付属品が複合機に同梱されて運搬される。このような付属品は、梱包箱の中に複合機とともに梱包されるので、付属品の梱包スペースが必要になる(すなわち梱包効率が悪い)。
【0011】
さらに、このような付属品は、画像形成装置の使用時においても収納スペースを別途設けなければならない。例えば、画像形成装置の前面に扉を設けてその中にこのような付属品が収納されることがある。このように付属品を収納する場合に、付属品の収納スペースが必要になることに加えて、大きな衝撃(地震等)を画像形成装置が受けた場合に、前扉が開いて、付属品が画像形成装置外に飛び出すことも考えられる。
【0012】
そこで本発明は、複合機等の装置を梱包するときに使用される、複雑な外観形状に対応でき、安価で梱包効率の高い梱包部材であって、装置の設置後は装置に付属する付属品等を安定して収納できる、梱包部材を提供することを課題とする。
【0013】
また、本発明は、複合機等の装置を梱包するときに使用される、複雑な外観形状に対応でき、安価で梱包効率の高い梱包部材であって、設置後は装置に付属する付属品等を安定して収納できる、梱包部材を用いた装置の梱包方法及び梱包部材を用いた装置の固定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するため本発明は以下に示す梱包部材を提供する。
装置を梱包するときに使用される梱包部材であって、
前記装置に同梱する物品を収納する収納部と、
前記収納部の周囲に設けられ、弾性力を発現する弾性部とを含む梱包部材。
【0015】
この梱包部材の収納部には、梱包される装置に同梱される物品(例えば付属品)が収納できるので、同梱物のための梱包スペースを別途設ける必要がない。収納部の周囲には、弾性力を発現する弾性部が設けられているので、この弾性部により発現する弾性力に抗して装置と梱包箱との間の空間に、同梱される物品が収納された梱包部材が挟み込まれて固定される。このため、外観形状が複雑な装置であっても梱包箱の中で弾性部により固定される、梱包効率の高い、安価な梱包部材を提供できる。また、装置の設置後は、この弾性部により発現する弾性力に抗して装置と床面又は壁面との間の空間に、同梱されてきた物品が収納された梱包部材が挟み込まれて固定される。このため、装置に同梱されてきた物品を収納する収納スペースを装置に設ける必要がない。さらに、装置と床面又は壁面との間の空間にほこりが入り込むことを抑制できる。さらに、装置が床面又は壁面に対して固定されるので、地震時に大きな衝撃が装置に加わっても、装置が不用意に移動することを抑制できる。
【0016】
なお、前記弾性部は、空気を導入することにより膨張する袋体により形成されるように構成できる。すなわち、袋体に空気を導入すると袋体が膨張して弾性力を発現する。袋体に空気を導入するという簡単な方法で、弾性部を形成できる。
【0017】
また、前記弾性部は、屈曲状態において元の形状に戻ろうとする復元力が蓄えられる板状体により形成されるように構成できる。例えばダンボール板を折り曲げて(波型に加工した中芯の方向に直角な方向に折り曲げて)、弾性力を発現することができる。梱包材料を用いた簡単な方法で、弾性部を形成できる。
【0018】
また、上述した課題を解決するため本発明は上述した梱包部材を用いた装置の梱包方法を提供する。
外箱で前記装置を覆うステップと、
前記梱包部材の前記収納部に物品を収納するステップと、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と前記外箱との間の空間に挟み込んで固定するステップとを含む。
【0019】
収納部の周囲には、弾性力を発現する弾性部が設けられているので、この弾性部により発現する弾性力に抗して装置と外箱との間の空間に、同梱される物品が収納された梱包部材が挟み込まれて固定される。このため、外観形状が複雑な装置であっても梱包箱の中で弾性部により固定される、梱包効率の高い、安価な梱包部材を提供できる。
【0020】
また、本発明は以下のような装置の固定方法を提供できる。
前記梱包部材の前記収納部に物品を収納するステップと、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と前記装置に対向する壁面との間の空間に挟み込んで固定するステップとを含む。
【0021】
例えば装置の設置後は、この弾性部により発現する弾性力に抗して装置と壁面との間の空間に、同梱されてきた物品が収納された梱包部材が挟み込まれて固定される。このため、装置に同梱されてきた物品を収納する収納スペースを装置に設ける必要がない。さらに、装置と壁面との間の空間にほこりが入り込むことを抑制できる。さらに、装置が壁面に対して固定されるので、地震時に大きな衝撃が装置に加わっても、装置が不用意に移動することを抑制できる。
【0022】
また、本発明は以下のような装置の固定方法を提供できる。
前記梱包部材の前記収納部に物品を収納するステップと、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と前記装置を設置する床面との間の空間に挟み込んで固定するステップとを含む。
【0023】
例えば装置の設置後は、この弾性部により発現する弾性力に抗して装置と床面との間の空間に、同梱されてきた物品が収納された梱包部材が挟み込まれて固定される。このため、装置に同梱されてきた物品を収納する収納スペースを装置に設ける必要がない。さらに、装置と床面との間の空間にほこりが入り込むことを抑制できる。さらに、装置が床面に対して固定されるので、地震時に大きな衝撃が装置に加わっても、装置が不用意に移動することを抑制できる。
【0024】
なお、前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記装置と前記装置を設置する床面との間の空間に挟み込んで固定するステップは、直方体形状の箱と前記梱包部材とを重ねて、これらを前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と床面との間の空間に挟み込んで固定するステップを含むように構成できる。
【0025】
弾性部により発現する弾性力に抗して装置と床面との間の空間に、梱包部材及び直方体形状の箱(例えばダンボール箱)が挟み込まれて固定される。このため、梱包部材の収納部のみならず直方体形状の箱に付属品等を収納できる。また、装置と床面との間の空間の大きさに対応させたダンボール箱を使用することにより、装置と床面との間の空間が(梱包部材の弾性部よりも)大きくなっても、同じ梱包部材を用いて、装置と床面との間の空間を梱包部材及び直方体形状の箱を挟み込むことができる。
【0026】
なお、前記物品は、前記装置の付属品とすることができる。
【0027】
なお、前記装置は、画像形成装置とすることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によると、複合機等の装置を梱包するときに使用される、複雑な外観形状に対応でき、安価で梱包効率の高い梱包部材であって、設置後は装置に付属する付属品等を安定して収納できる、梱包部材を提供することができる。
【0029】
また、本発明によると、複合機等の装置を梱包するときに使用される、複雑な外観形状に対応でき、安価で梱包効率の高い梱包部材であって、設置後は装置に付属する付属品等を安定して収納できる、梱包部材を用いた装置の梱包方法及び梱包部材を用いた装置の固定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。以下の説明では、本実施の形態に係る梱包部材が使用されるOA機器は、その一例として画像形成装置であるとする。
【0031】
<第1の実施の形態>
以下に、本発明の第1の実施の形態に係る梱包部材について説明する。この梱包部材の説明にあたり、この梱包部材を用いて梱包されたり、設置後はこの梱包部材を用いて付属品等が安定して収納されたりする画像形成装置について説明する。
[画像形成装置の全体構造]
図1は、画像形成装置Aの正面図であって、図2はその画像形成装置Aの側面図である。図1及び図2に示す画像形成装置Aは、画像読取装置Sを備えた複写機であるが、ファクシミリ機の機能及びコンピュータ等から供給される画像情報に応じてプリントするプリンタ機能も併せ持つ複合機と言えるものである。以下においては、記録媒体は記録紙として説明する。
【0032】
図1の画像形成装置Aは、画像形成を行なう画像形成部B及びその下の記録紙収容カセットC1〜C4を有する記録紙カセット部CSを含んでいる。画像読取装置Sは画像形成を行なう画像形成部Bの上方に位置している。画像読取装置Sには原稿自動搬送装置ADF及び操作パネルPAが搭載されている。
【0033】
原稿自動搬送装置ADFは開閉可能で、画像読取装置Sの原稿載置台であるガラス板g1上に配置される原稿を覆うカバーを兼ねている。操作パネルPAには、複写画像形成やファクシミリ送信等の指示を行なうスタートキー、画像形成枚数等を設定するテンキー等のキー群Ke等のほか、液晶表示部Dも搭載されている。液晶表示部Dは、ユーザによるキー操作を反映表示したり、ユーザへの指示メニューを表示したり、画像形成を行なう画像形成部B等からの情報を表示したりすること等に用いられる。
【0034】
画像読取装置Sは、原稿台ガラスg1上に静止配置される原稿の画像を光学的に読み取ることができるほか、原稿自動搬送装置ADFにてその原稿載置トレイa1から搬送され、原稿排出トレイa2へ排出され、その途中で画像読取装置Sの原稿流し撮り用ガラス板g2に沿って移動する原稿の画像を光学的に読み取ることもできる。
【0035】
画像読取装置Sで読み取られた画像のデータは画像形成を行なう画像形成部Bへ送られ、そこでの画像形成に供されるか、或いはファクシミリ送信に供される。図示省略のコンピュータ等から送信されてくる画像データは、画像形成部Bへ送られ、そこでの画像形成に供される.
【0036】
画像形成部Bは、電子写真方式により記録紙上にトナー画像を形成するものである。本実施の形態に係る画像形成装置Aにおける画像形成部Bは、イエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kを中間転写ベルト4に沿って配列し、各画像形成部により形成されるトナー像を中間転写ベルト4に1次転写し、中間転写ベルト4上に重ねて1次転写された多重トナー像をいずれかのカセットから供給される記録紙Pに2次転写し、定着装置7で定着させてカラー画像を得ることができる、所謂タンデム型のフルカラータイプである。トナー画像が定着された記録紙Pは排出トレイTに排出される。
【0037】
画像形成部Bは、モノクロ画像を形成することもできるし、いずれか2つ又は3つの画像形成部を用いて画像形成することもできる。なお、画像形成装置Aは、4サイクル型カラータイプであっても、そもそもモノクロタイプであっても構わない。
【0038】
画像形成部Bには、上述の通り、中間転写ベルト4を有しており、この中間転写ベルト4は、駆動ローラ31とこれに対向するローラ32に巻き掛けられ、駆動ローラ31がベルト駆動部により駆動されることで図中反時計方向(図中矢印方向)に回転することができる。
【0039】
ローラ32上の中間転写ベルト4に当接して、中間転写ベルト4上の2次転写残トナー等を清掃するクリーナが臨んでいる。駆動ローラ31上の中間転写ベルト4に当接して、2次転写ローラ5が臨んでいる。
【0040】
2次転写ローラ5は、中間転写ベルト4との間にニップ部を形成し、中間転写ベルト4の回転に従動して、或いは、このニップ部に送り込まれる記録紙Pの移動に従動して回転する。2次転写ローラ5には、2次転写バイアス電源から2次転写バイアスを印加することができる。
【0041】
2次転写ローラ5の下方には、タイミングローラ6が配置されており、さらにその下方に、既述の記録紙収容カセット群がある。2次転写ローラ5の上方には既述の定着装置7が配置されている。
【0042】
中間転写ベルト4を巻き掛けた駆動ローラ31及びローラ32の間には、中間転写ベルト4に沿って、ローラ32から駆動ローラ31に向けて、既述のイエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kが、この順序で配置されている。
【0043】
Y、M、C、Kの各画像形成部は、ドラム型の感光体11を備えており、この感光体11の周囲に、帯電器、画像露光装置、現像器、1次転写ローラ2、感光体11上の1次転写残トナー等を除去清掃するクリーニング装置等がこの順序で配置されている。
【0044】
各画像形成部においては、感光体11、帯電器、現像器及びクリーニング装置を含むプロセスカートリッジが形成されている。すなわち、イエロー画像形成部Yを形成するためのイエロープロセスカートリッジYC、マゼンタ画像形成部Mを形成するためのマゼンタプロセスカートリッジMC、シアン画像形成部Cを形成するためのシアンプロセス、カートリッジCC、ブラック画像形成部Kを形成するためのブラックプロセスカートリッジKCである。各プロセスカートリッジは複写機本体(画像形成部Bの本体)に対し着脱可能である。
【0045】
1次転写ローラ2は、中間転写ベルト4を間にして感光体11に対向しており、中間転写ベルト4の走行に従動回転する。1次転写ローラ2には、感光体11上に形成されるトナー像を中間転写ベルト4へ1次転写するための1次転写バイアスを1次転写バイアス電源から印加できる。
【0046】
露光装置は、画像読取装置Sや図示省略のパーソナルコンピュータ等から提供される画像情報に応じて、レーザービームを用いて感光体11に画像露光を施す。各画像形成部における感光体11は、ここでは負帯電性の有機感光体であり、図示省略の感光体駆動モータにて回転駆動される。各画像形成部における帯電器には、図示省略の帯電電源から所定のタイミングで帯電電圧を印加できる。
【0047】
各画像形成部における現像器は、本実施の形態においては、負帯電性トナーを採用するもので、感光体11上に形成される静電潜像を、図示省略の現像バイアス電源から現像バイアス電圧が印加される現像ローラで反転現像することができる。
【0048】
画像形成部Bでは、上述の通り、Y、M、C、Kの画像形成部のうち1又は2以上を用いて画像を形成することができる。
【0049】
画像形成部Y、M、C及びKのすべてを用いてフルカラー画像を形成する場合を例にとると、先ず、イエロー画像形成部Yにおいてイエロートナー像を形成し、これを中間転写ベルト4に1次転写する。すなわち、イエロー画像形成部Yにおいて、感光体11が所定方向に回転駆動され、帯電器にて表面が一様に所定電位に帯電せしめられた感光体11の帯電域に画像露光装置からイエロー画像用の画像露光が施され、感光体11上にイエロー用静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロートナーを有する現像器の現像バイアスが印加された現像ローラにて現像されて可視イエロートナー像となり、この可視イエロートナー像が1次転写ローラ2にて中間転写ベルト4上に1次転写される。このとき、1次転写ローラ2には図示省略の電源装置から1次転写バイアス電圧が印加される。
【0050】
同様にして、マゼンタ画像形成部Mにおいて可視マゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト4に転写され、シアン画像形成部Cにおいて可視シアントナー像が形成されて中間転写ベルト4に転写され、ブラック画像形成部Kにおいて可視ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト4に転写される。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの可視トナー像は、これらが中間転写ベルト4上に重ねて転写されるタイミングで形成される。中間転写ベルト4上に形成された多重トナー像は、中間転写ベルト4の回動により2次転写ローラ5へ向け移動する。
【0051】
一方、記録紙Pがいずれかの記録紙収容カセットから図示省略の記録紙供給ローラにて引き出され、タイミングローラ6へ供給され、待機している。タイミングローラ6のところで待機する記録紙Pは、中間転写ベルト4にて送られてくる多重トナー像に合わせて中間転写ベルト4と2次転写ローラ5とのニップ部へ供給されるようにタイミングローラ6が記録紙Pを搬送開始することにより、このニップ部へ送り込まれ、図示省略の電源から2次転写バイアスが印加された2次転写ローラ5にて多重トナー像が記録紙P上に2次転写される。
【0052】
その後、記録紙Pは定着装置7に通され、そこで多重トナー像が加熱加圧下に記録紙Pに定着され、トレイTへ排出される。中間転写ベルト4上に残留する2次転写残トナー等は、クリーナにより除去清掃され、各画像形成部において感光体11上に残留する1次転写残トナー等はクリーニング装置の感光体11に接触するクリーニングブレードにより除去清掃される。以上のようにして画像形成される。
【0053】
このような構造及び動作を行なう画像形成装置Aの重量は、100kg〜400kg程度と重いものである。このため、画像形成装置Aには、その移動のために、キャスターCAを備える。キャスターCAは、画像形成装置Aの底面に4つ設けられている。画像形成装置Aの底面部は略四角形となっており、キャスターCAは、底面の4つある角近辺にそれぞれ1つずつ取り付けられている。このキャスターCAは、車輪と、その車輪を受ける軸受けと、軸受けの支持部材と、車輪が床面で360度回転自在(前方、後方、右側方及び左側方)に動けるように、支持部材を保持する回転部とから構成される。さらに、キャスターCAには車輪が回転しないように固定するレバーがあり、設置場所へ画像形成装置Aを移動する場合には、そのレバーを車輪の固定が解除される位置へ移動させる。設置場所への画像形成装置Aの移動が完了した場合には、そのレバーを車輪が固定される位置へ移動させる。このようにすることにより、画像形成装置Aが不用意に床面を移動することを抑制できる。キャスターCAの高さとは、画像形成装置A(キャスターCAがついていない状態)の下面から床上面までの距離をいうものとする。
【0054】
[梱包部材の構造]
上述した画像形成装置Aに好適に用いられる、本実施の形態に係る梱包部材100について説明する。図3は、本実施の形態に係る梱包部材を示す斜視図である。
【0055】
図3に示すように、この梱包部材100は、例えばポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)製の中空四角柱の形状を備える。梱包部材100は、空気導入排出部103を側面に備え、この空気導入排出部103から空気を導入すると膨張部101が膨らみ、図3のような形状となる。空気導入排出部103から空気を排出すると膨張部101が縮んで、図3のような立体形状から平面形状になる。このように形成された梱包部材100は、膨張部101の内側に中空部102を備える(中空部102の周囲に弾性力を発現する膨張部102を備える)。この中空部102の底面には、底面部材があっても構わないし、なくても構わない。また、図3においては、空気導入排出部103が側面に1箇所のみある例を示しているが、これに限定されるものではない。
【0056】
図3に示すように、この中空部102には、マニュアルM又は/及びトナーボトルTB等の画像形成装置Aの付属品が収納される。画像形成装置Aの付属品は、機種等によりその内容が異なり体積も異なるが、空気導入排出部103から導入する空気量を変化させることにより、膨張部101の高さ(体積)を変化させることができるので、画像形成装置Aの付属品の体積に合わせて導入する空気量を調整することも可能である。
【0057】
図4に本実施の形態の梱包部材100の変形例である梱包部材110の斜視図を示す。図3に示した梱包部材100は膨張部101の上面から見た形状が中空四角形状であったが、図4に示す梱包部材110は膨張部111の上面から見た形状が中空円形状である。
【0058】
この梱包部材110も梱包部材100と同じく、例えばポリ塩化ビニル製であって、中空円柱の形状(ドーナツ形状)を備える。梱包部材110は、空気導入排出部113を側面に備え、この空気導入排出部113から空気を導入すると膨張部111が膨らみ、図4のような形状となる。空気導入排出部113から空気を排出すると膨張部111が縮んで、図4のような立体形状から平面形状になる。また、梱包部材110も、膨張部111の内側に中空部112を備える(中空部112の周囲に弾性力を発現する膨張部111を備える)。この中空部112の底面には、底面部材があっても構わないし、なくても構わない。また、図4においては、空気導入排出部103が側面に1箇所のみある例を示しているが、これに限定されるものではない。
【0059】
図4に示すように、この中空部112にも、マニュアルM又は/及びトナーボトルTB等の画像形成装置Aの付属品が収納される。この梱包部材110も梱包部材100と同様に、空気導入排出部113から導入する空気量を変化させることにより、膨張部111の高さ(体積)を変化させることができるので、画像形成装置Aの付属品の体積に合わせて導入する空気量を調整することも可能である。
【0060】
[梱包部材の使用形態]
図5に、図3に示した梱包部材100又は図4に示した梱包部材110を用いた画像形成装置Aの梱包状態を示す正面図である。以下においては、図3に示した梱包部材100についての説明も図4に示した梱包部材110についての説明も同じであるので、図3に示した梱包部材100を用いて説明する。
【0061】
画像形成装置Aは、JIS(日本工業規格:Japanese Industrial Standards)で規定されるパレット300(輸送や物流などに使う荷物を載せる台になるすのこ)に載置されて梱包され、フォークリフトを用いて保管されたり搬送されたりする。このため、このパレット300は、フォークリフトの爪が入るように150mm程度の高さがある。図5に示すように、画像形成装置Aは、パレット300の上に載置された平板301の上に置かれて梱包される。パレット300の面積よりも断面積の小さい外箱302が、パレット300に載置された画像形成装置Aを覆うように被せられて、その外箱302の上に上蓋303が被せられて画像形成装置Aが梱包される。なお、外箱302は、上蓋303と一体物であっても構わない。
【0062】
画像形成装置Aは、図1及び図2を用いて説明したように、様々な機能を実現するために、複雑な形状を備える。例えば、画像形成装置Aは、画像読取装置SとトレイTとの間に空間を備える。さらに、画像形成装置Aは複雑な外観形状を備え外箱302は直方体形状であるので、画像形成装置Aと外箱302との間に様々な形状の空間が生じる。
【0063】
本実施の形態に係る梱包部材100は、空気導入排出部103から空気が導入されて膨張部101が図3に示すように膨らみ、中空部102に画像形成装置Aの付属品が収納された状態で、図5に示す位置に設置される。例えば、付属品を中空部102に収納した梱包部材100が、画像読取装置SとトレイTとの間の空間又は/及び画像形成装置Aと外箱302との間の空間に挟み込んで固定されることにより設置される。
【0064】
このとき、空間の形状は様々な形状であるが、梱包部材100は、導入する空気量を調整することにより形状を変化させることも可能である。例えば、本実施の形態に係る梱包部材100には同じ空気量を導入させているものに限定されず、図5に示すように高さ(図5における横方向の長さ)を異ならせて膨らませた梱包部材100を用いて、空間の大きさに合わせて梱包部材100を設置しても構わない。さらに、膨張部101は、内部に空気を導入させたものであるので、その形状が容易に変化させることができる。例えば操作パネルPAの近傍には導入する空気を少なめに調整して形状を変化させた梱包部材100であって、操作パネルPAの外観形状に沿って、梱包部材100が挟み込まれて固定されている。
【0065】
図6に梱包部材100を用いた画像形成装置Aの設置状態を示す正面図を、図7に梱包部材100を用いた画像形成装置の設置状態を示す側面図をそれぞれ示す。
【0066】
本実施の形態に係る梱包部材100は、空気導入排出部103から空気が導入されて膨張部101が図3に示すように膨らみ、中空部102に画像形成装置Aの付属品が収納された状態で、図6又は図7に示す位置に設置される。例えば、付属品を中空部102に収納した梱包部材100が、画像形成装置Aと床面との間の空間又は/及び画像形成装置Aと壁面との間の空間に、挟み込んで固定されることにより設置される。
【0067】
図6又は図7に示すように、梱包部材100が、画像形成装置Aと床面との間の空間に設置すると、付属品を好適に収納できる。すなわち、地震等で画像形成装置Aに大きな衝撃が加わっても、付属品を収納した梱包部材100は、床面と画像形成装置Aの下面とで挟み込まれていたり、壁面と画像形成装置Aの裏面とで挟み込まれていたりするので、梱包部材100自体がこの設置された状態から飛び出すようなことがない。このため、付属品が飛び出すような事態を抑制できる。
【0068】
さらに、梱包部材100を画像形成装置Aと床面との間の空間に設置すると、上述のように好適に付属品を収納できるだけではなく、画像形成装置Aと床面との間の空間にほこりが入り込むことを抑制できる。例えば図6及び図7に示すように、画像形成装置Aの4隅のキャスターCA間を梱包部材100で塞いでしまうと、この空間にほこりが入り込むことを抑制できる。なお、梱包部材100を画像形成装置Aと壁面との間の空間に設置すると、画像形成装置Aと壁面との間の空間にほこりが入り込むことを抑制できる。
【0069】
さらに、図6又は図7に示すように、梱包部材100を、画像形成装置Aと床面との間の空間に設置したり画像形成装置Aと壁面との間の空間に設置したりすると、付属品を好適に収納でき、かつ、画像形成装置Aと床面との間の空間又は画像形成装置Aと壁面との間の空間にほこりが入り込むことを抑制できることに加えて、画像形成装置Aの不用意な移動を抑制することができる場合がある。これは、床面と画像形成装置Aの下面とで挟み込まれていたり、壁面と画像形成装置Aの裏面とで挟み込まれていたりするので、膨張部101が床面又は壁面と当接している。このため、画像形成装置Aの(静止)摩擦力が梱包部材100を介して発生するので、地震等で画像形成装置Aに大きな衝撃が加わっても、この(静止)摩擦力で画像形成装置Aが移動することを抑制できる。なお、このように、画像形成装置Aの不用意な移動を抑制するためには、梱包部材100の膨張部101を形成する素材の摩擦係数及びこの梱包部材100が当接する画像形成装置Aの筺体表面の摩擦係数が高いことが好ましい。
【0070】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包部材によると、この梱包部材は中空形状の空気膨張体で形成されており、その中空部に画像形成装置の付属品を収納できるので、梱包時に付属品の梱包スペースが不要となり梱包効率が上昇するとともに、設置後に付属品の収納スペースが不要となる。また、梱包時には画像形成装置自体が備える空間(画像読取装置とトレイとの間)又は/及び画像形成装置と外箱との空間に挟み込んで固定されるので、画像形成装置を強固に固定することができる。さらに、設置後においては、床面と画像形成装置と間の空間又は/及び壁面と画像形成装置と間の空間に挟み込んで固定されることにより、ほこりが入り込むことを抑制できたり、画像形成装置の不用意な移動を抑制できたりする。
【0071】
<第2の実施の形態>
以下に、本発明の第2の実施の形態に係る梱包部材の使用形態について、図を参照して説明する。なお、上述の第1の実施の形態と同じ構造についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、対象となる画像形成装置は同じであって、梱包時の梱包形態も同じである。本実施の形態における梱包部材は上述の第1の実施の形態と同じ梱包部材であって、本実施の形態は、その梱包部材100を用いて実現する、画像形成装置Aを設置した後の使用形態に特徴がある。
【0072】
図8は画像形成装置Aを設置した後の梱包部材100の使用形態を示す斜視図である。図8に示すように、この梱包部材100の上下に1個ずつのダンボール箱200が積載される。なお、後述するようにダンボール箱は1個でも構わないし、ダンボール箱の素材は特に限定されない。また、ダンボール箱の代わりに発泡性樹脂等であっても構わない。
【0073】
2つのダンボール箱200のそれぞれには、マニュアルMが収納される。なお、ダンボール箱200にトナーボトルTB又はマニュアルM及びトナーボトルTB以外の付属品を収納しても構わない。梱包部材100の中空部102には上述の第1の実施の形態と同じく、マニュアルM又は/及びトナーボトルTB等の画像形成装置Aの付属品が収納される。
【0074】
マニュアルMが収納されたダンボール箱200に、中空部102にマニュアルM又は/及びトナーボトルTB等の画像形成装置Aの付属品が収納された梱包部材100が積載されて、さらにマニュアルMが収納されたダンボール箱200が積載される。このように積載された部材が、図9に示すように、画像形成装置Aと床面との間の空間に、挟み込んで固定されることにより設置される。このようにすると、梱包部材100の中空部102に収納できない付属品をダンボール箱に収納することができ、かつ、画像形成装置Aと床面との空間又は/及び画像形成装置Aと壁面との空間にほこりが入り込むことを抑制できたり、画像形成装置Aの地震時の不用意な移動を抑制できたりする。
【0075】
図10は、大きさの異なるダンボール箱を梱包部材100の上下に載置した例である。なお、図10においては、1つの梱包部材100の上下のダンボール箱の大きさが同じであるが、異なっていていても構わない。このようにすると、大きさの異なる付属品を好適にダンボール箱に収納できる。
【0076】
図11は、1個のダンボール箱を梱包部材100の上に載置した例である。このようにしても、キャスターCAの高さが異なった場合に少なくとも1個のダンボール箱で高さを調整できるので、様々な大きさ(図11における高さ)の梱包部材100を準備する必要がなくなる。
【0077】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包部材の使用態様によると、様々な大きさの付属品に容易に対応できるとともに、様々な大きさのキャスターにも容易に対応することができる。
【0078】
<第3の実施の形態>
以下に、本発明の第3の実施の形態に係る梱包部材について、図を参照して説明する。なお、上述の第1の実施の形態と同じ構造についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、対象となる画像形成装置は同じである。上述の第1の実施の形態に係る梱包部材の膨張部は空気を導入することにより弾性力を発現させていたが、本実施の形態に係る梱包部材は空気以外の弾性材を用いる点が特徴である。
【0079】
図12に本実施の形態に係る梱包部材の使用形態の斜視図を、図13に梱包部材の使用形態の正面図をそれぞれ示す。図12及び図13に示すように、本実施の形態に係る梱包部材の使用形態は、2個のダンボール箱201(1個でもよい)の上下に、断面積が大きいダンボール箱202を載置して、ダンボール箱201とダンボール箱202の断面積の違いにより形成される段差部204に弾性部材203を、図12の矢示の方向に差し込んだものである。
【0080】
ここで、弾性部材203は、例えば厚手の長方形のダンボール板を、元に戻ろうとする力が強い方向(例えば波型に加工した中芯の方向に直角な方向)に折り曲げたものである。このため、段差部204に差し込まれた弾性部材203は、図13の矢示で示す方向の弾性力を発現する。このように形成された4段積みダンボール箱(2個の弾性部材203を含む)を画像形成装置Aと床面との間の空間に挟み込んで固定することにより設置する。このとき、前述の実施の形態の空気による膨張に代えて弾性部材203による弾性により、画像形成装置Aと床面との間の空間に挟み込まれる。
【0081】
なお、弾性部材203の数は2個に限定されるものではなく、図12の点線で示すように、さらに多くても構わない。また、弾性部材203の素材はダンボールに限定されるものではない。ダンボール箱201及びダンボール箱202を、画像形成装置Aと床面との間の空間に挟み込むだけの弾性力を発現できるものであれば構わない。
【0082】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包部材によると、付属品等を収納した複数のダンボール箱が積載されてその側部に弾性部材が設けられて、床面と画像形成装置との間の空間に挟み込んで固定される。このため、画像形成装置の設置後に付属品の収納スペースが不要となる。また、床面と画像形成装置との間の空間に、ほこりが入り込むことを抑制できたり、画像形成装置の不用意な移動を抑制できたりする。
【0083】
なお、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、膨張部に空気を導入したり膨張部から空気を排出したりする空気導入排出部を備えていたが、膨張部には最初から一定量の空気が導入されて、空気が漏れないように封しされているものであっても構わない。さらに、第3の実施の形態に係る梱包部材又は第1の実施の形態に係る梱包部材と第3の実施の形態に係る梱包部材との組み合わせを、第2の実施の形態に係る梱包部材の使用形態に適用しても構わない。
【0084】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上述した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る梱包部材が使用される画像形成装置の構造の概要を示す正面図である。
【図2】図1の画像形成装置の側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る梱包部材(その1)を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る梱包部材(その2)を示す斜視図である。
【図5】図3又は図4に示す梱包部材を用いた画像形成装置の梱包状態を示す正面図である。
【図6】図3又は図4に示す梱包部材を用いた画像形成装置の設置状態を示す正面図である。
【図7】図3又は図4に示す梱包部材を用いた画像形成装置の設置状態を示す側面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る梱包部材の使用形態を示す斜視図である。
【図9】図8の使用形態を用いた画像形成装置の設置状態を示す図(その1)である。
【図10】図8の使用形態を用いた画像形成装置の設置状態を示す図(その2)である。
【図11】図8の使用形態を用いた画像形成装置の設置状態を示す図(その3)である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る梱包部材を示す斜視図である。
【図13】図12に示す梱包部材の正面図である。
【符号の説明】
【0086】
A 画像形成装置
B 画像形成部
D 液晶表示部
S 画像読取装置
CA キャスター
CS 記録紙カセット部
PA 操作パネル
2 1次転写ローラ
4 中間転写ベルト
5 2次転写ローラ
6 タイミングローラ
7 定着装置
11 感光体
31 駆動ローラ
32 ローラ
100、110 梱包部材
200 ダンボール箱
300 パレット
302 外箱
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機等のOA機器を運搬するときに使用する梱包部材であって、運搬が終わった後にOA機器の付属品等を好適に収納できる梱包部材に関する。本発明は、このような梱包部材を用いる装置の梱包方法及び梱包部材を用いる装置の固定方法にも関係がある。
【背景技術】
【0002】
OA機器の1つとして、トナー像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ機又はこれらのうち2以上を組み合わせた複合機が広く用いられている。このような画像形成装置では、通常、露光プロセスにて感光体のような像担持体上に静電潜像を形成し、現像プロセスにて該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、転写プロセスにて該可視トナー像を記録紙等の記録媒体に転写し、或いは一旦中間転写ベルト等の中間転写体に1次転写し該中間転写体から記録媒体に2次転写し、定着プロセスにてこのように記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させることができる。
【0003】
このような複合機のような大型の装置、例えば体積が1立方メートル程度の大きさの装置の多くは、相当の重量となる場合が多い。このため、このような装置には、作業者により設置場所まで運搬されるときに容易に動かせるように、キャスターを備えていることがある。設置場所まで運搬するときは、このキャスターによって大型の装置を容易に動かせることができ、設置場所まで運搬した後は、キャスターに設けられたロック機構によってキャスターを回転防止状態にすることにより、装置が設置場所から移動しないようにすることができる。上述した複合機のような装置は、底面が略四角形となっており、それぞれの角付近にキャスターが取り付けられており、複合機全体を4つのキャスターで支持するような構成となっていることが一般的である。
【0004】
ところで、このようなキャスターを備えた複合機のような大型の画像形成装置は、装置の設置面である床面とキャスターの接触部分だけで装置を支持するので、摩擦が小さくなっている。そのため、地震等による揺れによって、キャスターがロックされているにも関わらず、装置が床面を滑走して移動する可能性がある。この時、床面に突起物等があると、キャスターがその突起物に突き当たり、装置が転倒してしまう。このような複合機の不用意な移動及び転倒を防止するために、装置とは別体の移動防止部材が用いられることがある。例えば、特開2005−306127号公報(特許文献1)は、大型のキャスターを備えた装置であって、梱包部材を兼ねたストッパ部材を備えた装置を開示する。
【0005】
この特許文献1に開示された装置は、キャスターを備えた画像形成装置であって、画像形成装置の底面に床面と面接触する平面部を有するストッパ部材を装着したことを特徴とする。また、このストッパ部材は、発泡樹脂であることを特徴とし、梱包部材を転用したものである。
【0006】
このようにすると、画像形成装置の底面にストッパ部材を装着しており、ストッパ部材の底部は平面部を有しており、床面と面接触する。そのため、摩擦力が増大するので、画像形成装置の滑走と転倒を防止することが可能となる。また、ストッパ部材が発泡樹脂によって形成されていることで、装着が容易になる。さらに、ストッパ部材が梱包部材を転用したものであるので、梱包資材を有効的に利用することができて、コストダウンに寄与する。
【0007】
【特許文献1】特開2005−306127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示されたストッパ部材は、発泡樹脂を使用し、装置をダンボール箱等に梱包するときの梱包部材として使用している。具体的には、ストッパ部材は、画像形成装置と外箱との間に配置され、ストッパ部材の一部分が画像形成装置の角に当接するように配置され、ストッパ部材の他の部分が外箱内面に当接している。
【0009】
しかしながら、梱包部材として上述したように使用されるので、梱包部材が当接する画像形成装置の外観形状が異なると、梱包部材(ストッパ部材)の形状を異なるものにしなければならない。梱包部材(ストッパ部材)が発泡樹脂であるとはいえ、その形状を大きく自由に変化させることはできない。このため、様々な外観形状が存在する画像形成装置等のOA機種の多くに対応させるためには、多くの種類の梱包部材(ストッパ部材でもあり発泡樹脂製)の設計しなければならないことになる。このため、梱包資材のコストダウンを実現しづらい。
【0010】
一方、このような画像形成装置(複合機を含む)には、多数のマニュアル(書籍)及びトナーボトル等の付属品が複合機に同梱されて運搬される。このような付属品は、梱包箱の中に複合機とともに梱包されるので、付属品の梱包スペースが必要になる(すなわち梱包効率が悪い)。
【0011】
さらに、このような付属品は、画像形成装置の使用時においても収納スペースを別途設けなければならない。例えば、画像形成装置の前面に扉を設けてその中にこのような付属品が収納されることがある。このように付属品を収納する場合に、付属品の収納スペースが必要になることに加えて、大きな衝撃(地震等)を画像形成装置が受けた場合に、前扉が開いて、付属品が画像形成装置外に飛び出すことも考えられる。
【0012】
そこで本発明は、複合機等の装置を梱包するときに使用される、複雑な外観形状に対応でき、安価で梱包効率の高い梱包部材であって、装置の設置後は装置に付属する付属品等を安定して収納できる、梱包部材を提供することを課題とする。
【0013】
また、本発明は、複合機等の装置を梱包するときに使用される、複雑な外観形状に対応でき、安価で梱包効率の高い梱包部材であって、設置後は装置に付属する付属品等を安定して収納できる、梱包部材を用いた装置の梱包方法及び梱包部材を用いた装置の固定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するため本発明は以下に示す梱包部材を提供する。
装置を梱包するときに使用される梱包部材であって、
前記装置に同梱する物品を収納する収納部と、
前記収納部の周囲に設けられ、弾性力を発現する弾性部とを含む梱包部材。
【0015】
この梱包部材の収納部には、梱包される装置に同梱される物品(例えば付属品)が収納できるので、同梱物のための梱包スペースを別途設ける必要がない。収納部の周囲には、弾性力を発現する弾性部が設けられているので、この弾性部により発現する弾性力に抗して装置と梱包箱との間の空間に、同梱される物品が収納された梱包部材が挟み込まれて固定される。このため、外観形状が複雑な装置であっても梱包箱の中で弾性部により固定される、梱包効率の高い、安価な梱包部材を提供できる。また、装置の設置後は、この弾性部により発現する弾性力に抗して装置と床面又は壁面との間の空間に、同梱されてきた物品が収納された梱包部材が挟み込まれて固定される。このため、装置に同梱されてきた物品を収納する収納スペースを装置に設ける必要がない。さらに、装置と床面又は壁面との間の空間にほこりが入り込むことを抑制できる。さらに、装置が床面又は壁面に対して固定されるので、地震時に大きな衝撃が装置に加わっても、装置が不用意に移動することを抑制できる。
【0016】
なお、前記弾性部は、空気を導入することにより膨張する袋体により形成されるように構成できる。すなわち、袋体に空気を導入すると袋体が膨張して弾性力を発現する。袋体に空気を導入するという簡単な方法で、弾性部を形成できる。
【0017】
また、前記弾性部は、屈曲状態において元の形状に戻ろうとする復元力が蓄えられる板状体により形成されるように構成できる。例えばダンボール板を折り曲げて(波型に加工した中芯の方向に直角な方向に折り曲げて)、弾性力を発現することができる。梱包材料を用いた簡単な方法で、弾性部を形成できる。
【0018】
また、上述した課題を解決するため本発明は上述した梱包部材を用いた装置の梱包方法を提供する。
外箱で前記装置を覆うステップと、
前記梱包部材の前記収納部に物品を収納するステップと、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と前記外箱との間の空間に挟み込んで固定するステップとを含む。
【0019】
収納部の周囲には、弾性力を発現する弾性部が設けられているので、この弾性部により発現する弾性力に抗して装置と外箱との間の空間に、同梱される物品が収納された梱包部材が挟み込まれて固定される。このため、外観形状が複雑な装置であっても梱包箱の中で弾性部により固定される、梱包効率の高い、安価な梱包部材を提供できる。
【0020】
また、本発明は以下のような装置の固定方法を提供できる。
前記梱包部材の前記収納部に物品を収納するステップと、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と前記装置に対向する壁面との間の空間に挟み込んで固定するステップとを含む。
【0021】
例えば装置の設置後は、この弾性部により発現する弾性力に抗して装置と壁面との間の空間に、同梱されてきた物品が収納された梱包部材が挟み込まれて固定される。このため、装置に同梱されてきた物品を収納する収納スペースを装置に設ける必要がない。さらに、装置と壁面との間の空間にほこりが入り込むことを抑制できる。さらに、装置が壁面に対して固定されるので、地震時に大きな衝撃が装置に加わっても、装置が不用意に移動することを抑制できる。
【0022】
また、本発明は以下のような装置の固定方法を提供できる。
前記梱包部材の前記収納部に物品を収納するステップと、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と前記装置を設置する床面との間の空間に挟み込んで固定するステップとを含む。
【0023】
例えば装置の設置後は、この弾性部により発現する弾性力に抗して装置と床面との間の空間に、同梱されてきた物品が収納された梱包部材が挟み込まれて固定される。このため、装置に同梱されてきた物品を収納する収納スペースを装置に設ける必要がない。さらに、装置と床面との間の空間にほこりが入り込むことを抑制できる。さらに、装置が床面に対して固定されるので、地震時に大きな衝撃が装置に加わっても、装置が不用意に移動することを抑制できる。
【0024】
なお、前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記装置と前記装置を設置する床面との間の空間に挟み込んで固定するステップは、直方体形状の箱と前記梱包部材とを重ねて、これらを前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と床面との間の空間に挟み込んで固定するステップを含むように構成できる。
【0025】
弾性部により発現する弾性力に抗して装置と床面との間の空間に、梱包部材及び直方体形状の箱(例えばダンボール箱)が挟み込まれて固定される。このため、梱包部材の収納部のみならず直方体形状の箱に付属品等を収納できる。また、装置と床面との間の空間の大きさに対応させたダンボール箱を使用することにより、装置と床面との間の空間が(梱包部材の弾性部よりも)大きくなっても、同じ梱包部材を用いて、装置と床面との間の空間を梱包部材及び直方体形状の箱を挟み込むことができる。
【0026】
なお、前記物品は、前記装置の付属品とすることができる。
【0027】
なお、前記装置は、画像形成装置とすることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によると、複合機等の装置を梱包するときに使用される、複雑な外観形状に対応でき、安価で梱包効率の高い梱包部材であって、設置後は装置に付属する付属品等を安定して収納できる、梱包部材を提供することができる。
【0029】
また、本発明によると、複合機等の装置を梱包するときに使用される、複雑な外観形状に対応でき、安価で梱包効率の高い梱包部材であって、設置後は装置に付属する付属品等を安定して収納できる、梱包部材を用いた装置の梱包方法及び梱包部材を用いた装置の固定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。以下の説明では、本実施の形態に係る梱包部材が使用されるOA機器は、その一例として画像形成装置であるとする。
【0031】
<第1の実施の形態>
以下に、本発明の第1の実施の形態に係る梱包部材について説明する。この梱包部材の説明にあたり、この梱包部材を用いて梱包されたり、設置後はこの梱包部材を用いて付属品等が安定して収納されたりする画像形成装置について説明する。
[画像形成装置の全体構造]
図1は、画像形成装置Aの正面図であって、図2はその画像形成装置Aの側面図である。図1及び図2に示す画像形成装置Aは、画像読取装置Sを備えた複写機であるが、ファクシミリ機の機能及びコンピュータ等から供給される画像情報に応じてプリントするプリンタ機能も併せ持つ複合機と言えるものである。以下においては、記録媒体は記録紙として説明する。
【0032】
図1の画像形成装置Aは、画像形成を行なう画像形成部B及びその下の記録紙収容カセットC1〜C4を有する記録紙カセット部CSを含んでいる。画像読取装置Sは画像形成を行なう画像形成部Bの上方に位置している。画像読取装置Sには原稿自動搬送装置ADF及び操作パネルPAが搭載されている。
【0033】
原稿自動搬送装置ADFは開閉可能で、画像読取装置Sの原稿載置台であるガラス板g1上に配置される原稿を覆うカバーを兼ねている。操作パネルPAには、複写画像形成やファクシミリ送信等の指示を行なうスタートキー、画像形成枚数等を設定するテンキー等のキー群Ke等のほか、液晶表示部Dも搭載されている。液晶表示部Dは、ユーザによるキー操作を反映表示したり、ユーザへの指示メニューを表示したり、画像形成を行なう画像形成部B等からの情報を表示したりすること等に用いられる。
【0034】
画像読取装置Sは、原稿台ガラスg1上に静止配置される原稿の画像を光学的に読み取ることができるほか、原稿自動搬送装置ADFにてその原稿載置トレイa1から搬送され、原稿排出トレイa2へ排出され、その途中で画像読取装置Sの原稿流し撮り用ガラス板g2に沿って移動する原稿の画像を光学的に読み取ることもできる。
【0035】
画像読取装置Sで読み取られた画像のデータは画像形成を行なう画像形成部Bへ送られ、そこでの画像形成に供されるか、或いはファクシミリ送信に供される。図示省略のコンピュータ等から送信されてくる画像データは、画像形成部Bへ送られ、そこでの画像形成に供される.
【0036】
画像形成部Bは、電子写真方式により記録紙上にトナー画像を形成するものである。本実施の形態に係る画像形成装置Aにおける画像形成部Bは、イエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kを中間転写ベルト4に沿って配列し、各画像形成部により形成されるトナー像を中間転写ベルト4に1次転写し、中間転写ベルト4上に重ねて1次転写された多重トナー像をいずれかのカセットから供給される記録紙Pに2次転写し、定着装置7で定着させてカラー画像を得ることができる、所謂タンデム型のフルカラータイプである。トナー画像が定着された記録紙Pは排出トレイTに排出される。
【0037】
画像形成部Bは、モノクロ画像を形成することもできるし、いずれか2つ又は3つの画像形成部を用いて画像形成することもできる。なお、画像形成装置Aは、4サイクル型カラータイプであっても、そもそもモノクロタイプであっても構わない。
【0038】
画像形成部Bには、上述の通り、中間転写ベルト4を有しており、この中間転写ベルト4は、駆動ローラ31とこれに対向するローラ32に巻き掛けられ、駆動ローラ31がベルト駆動部により駆動されることで図中反時計方向(図中矢印方向)に回転することができる。
【0039】
ローラ32上の中間転写ベルト4に当接して、中間転写ベルト4上の2次転写残トナー等を清掃するクリーナが臨んでいる。駆動ローラ31上の中間転写ベルト4に当接して、2次転写ローラ5が臨んでいる。
【0040】
2次転写ローラ5は、中間転写ベルト4との間にニップ部を形成し、中間転写ベルト4の回転に従動して、或いは、このニップ部に送り込まれる記録紙Pの移動に従動して回転する。2次転写ローラ5には、2次転写バイアス電源から2次転写バイアスを印加することができる。
【0041】
2次転写ローラ5の下方には、タイミングローラ6が配置されており、さらにその下方に、既述の記録紙収容カセット群がある。2次転写ローラ5の上方には既述の定着装置7が配置されている。
【0042】
中間転写ベルト4を巻き掛けた駆動ローラ31及びローラ32の間には、中間転写ベルト4に沿って、ローラ32から駆動ローラ31に向けて、既述のイエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kが、この順序で配置されている。
【0043】
Y、M、C、Kの各画像形成部は、ドラム型の感光体11を備えており、この感光体11の周囲に、帯電器、画像露光装置、現像器、1次転写ローラ2、感光体11上の1次転写残トナー等を除去清掃するクリーニング装置等がこの順序で配置されている。
【0044】
各画像形成部においては、感光体11、帯電器、現像器及びクリーニング装置を含むプロセスカートリッジが形成されている。すなわち、イエロー画像形成部Yを形成するためのイエロープロセスカートリッジYC、マゼンタ画像形成部Mを形成するためのマゼンタプロセスカートリッジMC、シアン画像形成部Cを形成するためのシアンプロセス、カートリッジCC、ブラック画像形成部Kを形成するためのブラックプロセスカートリッジKCである。各プロセスカートリッジは複写機本体(画像形成部Bの本体)に対し着脱可能である。
【0045】
1次転写ローラ2は、中間転写ベルト4を間にして感光体11に対向しており、中間転写ベルト4の走行に従動回転する。1次転写ローラ2には、感光体11上に形成されるトナー像を中間転写ベルト4へ1次転写するための1次転写バイアスを1次転写バイアス電源から印加できる。
【0046】
露光装置は、画像読取装置Sや図示省略のパーソナルコンピュータ等から提供される画像情報に応じて、レーザービームを用いて感光体11に画像露光を施す。各画像形成部における感光体11は、ここでは負帯電性の有機感光体であり、図示省略の感光体駆動モータにて回転駆動される。各画像形成部における帯電器には、図示省略の帯電電源から所定のタイミングで帯電電圧を印加できる。
【0047】
各画像形成部における現像器は、本実施の形態においては、負帯電性トナーを採用するもので、感光体11上に形成される静電潜像を、図示省略の現像バイアス電源から現像バイアス電圧が印加される現像ローラで反転現像することができる。
【0048】
画像形成部Bでは、上述の通り、Y、M、C、Kの画像形成部のうち1又は2以上を用いて画像を形成することができる。
【0049】
画像形成部Y、M、C及びKのすべてを用いてフルカラー画像を形成する場合を例にとると、先ず、イエロー画像形成部Yにおいてイエロートナー像を形成し、これを中間転写ベルト4に1次転写する。すなわち、イエロー画像形成部Yにおいて、感光体11が所定方向に回転駆動され、帯電器にて表面が一様に所定電位に帯電せしめられた感光体11の帯電域に画像露光装置からイエロー画像用の画像露光が施され、感光体11上にイエロー用静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロートナーを有する現像器の現像バイアスが印加された現像ローラにて現像されて可視イエロートナー像となり、この可視イエロートナー像が1次転写ローラ2にて中間転写ベルト4上に1次転写される。このとき、1次転写ローラ2には図示省略の電源装置から1次転写バイアス電圧が印加される。
【0050】
同様にして、マゼンタ画像形成部Mにおいて可視マゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト4に転写され、シアン画像形成部Cにおいて可視シアントナー像が形成されて中間転写ベルト4に転写され、ブラック画像形成部Kにおいて可視ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト4に転写される。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの可視トナー像は、これらが中間転写ベルト4上に重ねて転写されるタイミングで形成される。中間転写ベルト4上に形成された多重トナー像は、中間転写ベルト4の回動により2次転写ローラ5へ向け移動する。
【0051】
一方、記録紙Pがいずれかの記録紙収容カセットから図示省略の記録紙供給ローラにて引き出され、タイミングローラ6へ供給され、待機している。タイミングローラ6のところで待機する記録紙Pは、中間転写ベルト4にて送られてくる多重トナー像に合わせて中間転写ベルト4と2次転写ローラ5とのニップ部へ供給されるようにタイミングローラ6が記録紙Pを搬送開始することにより、このニップ部へ送り込まれ、図示省略の電源から2次転写バイアスが印加された2次転写ローラ5にて多重トナー像が記録紙P上に2次転写される。
【0052】
その後、記録紙Pは定着装置7に通され、そこで多重トナー像が加熱加圧下に記録紙Pに定着され、トレイTへ排出される。中間転写ベルト4上に残留する2次転写残トナー等は、クリーナにより除去清掃され、各画像形成部において感光体11上に残留する1次転写残トナー等はクリーニング装置の感光体11に接触するクリーニングブレードにより除去清掃される。以上のようにして画像形成される。
【0053】
このような構造及び動作を行なう画像形成装置Aの重量は、100kg〜400kg程度と重いものである。このため、画像形成装置Aには、その移動のために、キャスターCAを備える。キャスターCAは、画像形成装置Aの底面に4つ設けられている。画像形成装置Aの底面部は略四角形となっており、キャスターCAは、底面の4つある角近辺にそれぞれ1つずつ取り付けられている。このキャスターCAは、車輪と、その車輪を受ける軸受けと、軸受けの支持部材と、車輪が床面で360度回転自在(前方、後方、右側方及び左側方)に動けるように、支持部材を保持する回転部とから構成される。さらに、キャスターCAには車輪が回転しないように固定するレバーがあり、設置場所へ画像形成装置Aを移動する場合には、そのレバーを車輪の固定が解除される位置へ移動させる。設置場所への画像形成装置Aの移動が完了した場合には、そのレバーを車輪が固定される位置へ移動させる。このようにすることにより、画像形成装置Aが不用意に床面を移動することを抑制できる。キャスターCAの高さとは、画像形成装置A(キャスターCAがついていない状態)の下面から床上面までの距離をいうものとする。
【0054】
[梱包部材の構造]
上述した画像形成装置Aに好適に用いられる、本実施の形態に係る梱包部材100について説明する。図3は、本実施の形態に係る梱包部材を示す斜視図である。
【0055】
図3に示すように、この梱包部材100は、例えばポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)製の中空四角柱の形状を備える。梱包部材100は、空気導入排出部103を側面に備え、この空気導入排出部103から空気を導入すると膨張部101が膨らみ、図3のような形状となる。空気導入排出部103から空気を排出すると膨張部101が縮んで、図3のような立体形状から平面形状になる。このように形成された梱包部材100は、膨張部101の内側に中空部102を備える(中空部102の周囲に弾性力を発現する膨張部102を備える)。この中空部102の底面には、底面部材があっても構わないし、なくても構わない。また、図3においては、空気導入排出部103が側面に1箇所のみある例を示しているが、これに限定されるものではない。
【0056】
図3に示すように、この中空部102には、マニュアルM又は/及びトナーボトルTB等の画像形成装置Aの付属品が収納される。画像形成装置Aの付属品は、機種等によりその内容が異なり体積も異なるが、空気導入排出部103から導入する空気量を変化させることにより、膨張部101の高さ(体積)を変化させることができるので、画像形成装置Aの付属品の体積に合わせて導入する空気量を調整することも可能である。
【0057】
図4に本実施の形態の梱包部材100の変形例である梱包部材110の斜視図を示す。図3に示した梱包部材100は膨張部101の上面から見た形状が中空四角形状であったが、図4に示す梱包部材110は膨張部111の上面から見た形状が中空円形状である。
【0058】
この梱包部材110も梱包部材100と同じく、例えばポリ塩化ビニル製であって、中空円柱の形状(ドーナツ形状)を備える。梱包部材110は、空気導入排出部113を側面に備え、この空気導入排出部113から空気を導入すると膨張部111が膨らみ、図4のような形状となる。空気導入排出部113から空気を排出すると膨張部111が縮んで、図4のような立体形状から平面形状になる。また、梱包部材110も、膨張部111の内側に中空部112を備える(中空部112の周囲に弾性力を発現する膨張部111を備える)。この中空部112の底面には、底面部材があっても構わないし、なくても構わない。また、図4においては、空気導入排出部103が側面に1箇所のみある例を示しているが、これに限定されるものではない。
【0059】
図4に示すように、この中空部112にも、マニュアルM又は/及びトナーボトルTB等の画像形成装置Aの付属品が収納される。この梱包部材110も梱包部材100と同様に、空気導入排出部113から導入する空気量を変化させることにより、膨張部111の高さ(体積)を変化させることができるので、画像形成装置Aの付属品の体積に合わせて導入する空気量を調整することも可能である。
【0060】
[梱包部材の使用形態]
図5に、図3に示した梱包部材100又は図4に示した梱包部材110を用いた画像形成装置Aの梱包状態を示す正面図である。以下においては、図3に示した梱包部材100についての説明も図4に示した梱包部材110についての説明も同じであるので、図3に示した梱包部材100を用いて説明する。
【0061】
画像形成装置Aは、JIS(日本工業規格:Japanese Industrial Standards)で規定されるパレット300(輸送や物流などに使う荷物を載せる台になるすのこ)に載置されて梱包され、フォークリフトを用いて保管されたり搬送されたりする。このため、このパレット300は、フォークリフトの爪が入るように150mm程度の高さがある。図5に示すように、画像形成装置Aは、パレット300の上に載置された平板301の上に置かれて梱包される。パレット300の面積よりも断面積の小さい外箱302が、パレット300に載置された画像形成装置Aを覆うように被せられて、その外箱302の上に上蓋303が被せられて画像形成装置Aが梱包される。なお、外箱302は、上蓋303と一体物であっても構わない。
【0062】
画像形成装置Aは、図1及び図2を用いて説明したように、様々な機能を実現するために、複雑な形状を備える。例えば、画像形成装置Aは、画像読取装置SとトレイTとの間に空間を備える。さらに、画像形成装置Aは複雑な外観形状を備え外箱302は直方体形状であるので、画像形成装置Aと外箱302との間に様々な形状の空間が生じる。
【0063】
本実施の形態に係る梱包部材100は、空気導入排出部103から空気が導入されて膨張部101が図3に示すように膨らみ、中空部102に画像形成装置Aの付属品が収納された状態で、図5に示す位置に設置される。例えば、付属品を中空部102に収納した梱包部材100が、画像読取装置SとトレイTとの間の空間又は/及び画像形成装置Aと外箱302との間の空間に挟み込んで固定されることにより設置される。
【0064】
このとき、空間の形状は様々な形状であるが、梱包部材100は、導入する空気量を調整することにより形状を変化させることも可能である。例えば、本実施の形態に係る梱包部材100には同じ空気量を導入させているものに限定されず、図5に示すように高さ(図5における横方向の長さ)を異ならせて膨らませた梱包部材100を用いて、空間の大きさに合わせて梱包部材100を設置しても構わない。さらに、膨張部101は、内部に空気を導入させたものであるので、その形状が容易に変化させることができる。例えば操作パネルPAの近傍には導入する空気を少なめに調整して形状を変化させた梱包部材100であって、操作パネルPAの外観形状に沿って、梱包部材100が挟み込まれて固定されている。
【0065】
図6に梱包部材100を用いた画像形成装置Aの設置状態を示す正面図を、図7に梱包部材100を用いた画像形成装置の設置状態を示す側面図をそれぞれ示す。
【0066】
本実施の形態に係る梱包部材100は、空気導入排出部103から空気が導入されて膨張部101が図3に示すように膨らみ、中空部102に画像形成装置Aの付属品が収納された状態で、図6又は図7に示す位置に設置される。例えば、付属品を中空部102に収納した梱包部材100が、画像形成装置Aと床面との間の空間又は/及び画像形成装置Aと壁面との間の空間に、挟み込んで固定されることにより設置される。
【0067】
図6又は図7に示すように、梱包部材100が、画像形成装置Aと床面との間の空間に設置すると、付属品を好適に収納できる。すなわち、地震等で画像形成装置Aに大きな衝撃が加わっても、付属品を収納した梱包部材100は、床面と画像形成装置Aの下面とで挟み込まれていたり、壁面と画像形成装置Aの裏面とで挟み込まれていたりするので、梱包部材100自体がこの設置された状態から飛び出すようなことがない。このため、付属品が飛び出すような事態を抑制できる。
【0068】
さらに、梱包部材100を画像形成装置Aと床面との間の空間に設置すると、上述のように好適に付属品を収納できるだけではなく、画像形成装置Aと床面との間の空間にほこりが入り込むことを抑制できる。例えば図6及び図7に示すように、画像形成装置Aの4隅のキャスターCA間を梱包部材100で塞いでしまうと、この空間にほこりが入り込むことを抑制できる。なお、梱包部材100を画像形成装置Aと壁面との間の空間に設置すると、画像形成装置Aと壁面との間の空間にほこりが入り込むことを抑制できる。
【0069】
さらに、図6又は図7に示すように、梱包部材100を、画像形成装置Aと床面との間の空間に設置したり画像形成装置Aと壁面との間の空間に設置したりすると、付属品を好適に収納でき、かつ、画像形成装置Aと床面との間の空間又は画像形成装置Aと壁面との間の空間にほこりが入り込むことを抑制できることに加えて、画像形成装置Aの不用意な移動を抑制することができる場合がある。これは、床面と画像形成装置Aの下面とで挟み込まれていたり、壁面と画像形成装置Aの裏面とで挟み込まれていたりするので、膨張部101が床面又は壁面と当接している。このため、画像形成装置Aの(静止)摩擦力が梱包部材100を介して発生するので、地震等で画像形成装置Aに大きな衝撃が加わっても、この(静止)摩擦力で画像形成装置Aが移動することを抑制できる。なお、このように、画像形成装置Aの不用意な移動を抑制するためには、梱包部材100の膨張部101を形成する素材の摩擦係数及びこの梱包部材100が当接する画像形成装置Aの筺体表面の摩擦係数が高いことが好ましい。
【0070】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包部材によると、この梱包部材は中空形状の空気膨張体で形成されており、その中空部に画像形成装置の付属品を収納できるので、梱包時に付属品の梱包スペースが不要となり梱包効率が上昇するとともに、設置後に付属品の収納スペースが不要となる。また、梱包時には画像形成装置自体が備える空間(画像読取装置とトレイとの間)又は/及び画像形成装置と外箱との空間に挟み込んで固定されるので、画像形成装置を強固に固定することができる。さらに、設置後においては、床面と画像形成装置と間の空間又は/及び壁面と画像形成装置と間の空間に挟み込んで固定されることにより、ほこりが入り込むことを抑制できたり、画像形成装置の不用意な移動を抑制できたりする。
【0071】
<第2の実施の形態>
以下に、本発明の第2の実施の形態に係る梱包部材の使用形態について、図を参照して説明する。なお、上述の第1の実施の形態と同じ構造についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、対象となる画像形成装置は同じであって、梱包時の梱包形態も同じである。本実施の形態における梱包部材は上述の第1の実施の形態と同じ梱包部材であって、本実施の形態は、その梱包部材100を用いて実現する、画像形成装置Aを設置した後の使用形態に特徴がある。
【0072】
図8は画像形成装置Aを設置した後の梱包部材100の使用形態を示す斜視図である。図8に示すように、この梱包部材100の上下に1個ずつのダンボール箱200が積載される。なお、後述するようにダンボール箱は1個でも構わないし、ダンボール箱の素材は特に限定されない。また、ダンボール箱の代わりに発泡性樹脂等であっても構わない。
【0073】
2つのダンボール箱200のそれぞれには、マニュアルMが収納される。なお、ダンボール箱200にトナーボトルTB又はマニュアルM及びトナーボトルTB以外の付属品を収納しても構わない。梱包部材100の中空部102には上述の第1の実施の形態と同じく、マニュアルM又は/及びトナーボトルTB等の画像形成装置Aの付属品が収納される。
【0074】
マニュアルMが収納されたダンボール箱200に、中空部102にマニュアルM又は/及びトナーボトルTB等の画像形成装置Aの付属品が収納された梱包部材100が積載されて、さらにマニュアルMが収納されたダンボール箱200が積載される。このように積載された部材が、図9に示すように、画像形成装置Aと床面との間の空間に、挟み込んで固定されることにより設置される。このようにすると、梱包部材100の中空部102に収納できない付属品をダンボール箱に収納することができ、かつ、画像形成装置Aと床面との空間又は/及び画像形成装置Aと壁面との空間にほこりが入り込むことを抑制できたり、画像形成装置Aの地震時の不用意な移動を抑制できたりする。
【0075】
図10は、大きさの異なるダンボール箱を梱包部材100の上下に載置した例である。なお、図10においては、1つの梱包部材100の上下のダンボール箱の大きさが同じであるが、異なっていていても構わない。このようにすると、大きさの異なる付属品を好適にダンボール箱に収納できる。
【0076】
図11は、1個のダンボール箱を梱包部材100の上に載置した例である。このようにしても、キャスターCAの高さが異なった場合に少なくとも1個のダンボール箱で高さを調整できるので、様々な大きさ(図11における高さ)の梱包部材100を準備する必要がなくなる。
【0077】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包部材の使用態様によると、様々な大きさの付属品に容易に対応できるとともに、様々な大きさのキャスターにも容易に対応することができる。
【0078】
<第3の実施の形態>
以下に、本発明の第3の実施の形態に係る梱包部材について、図を参照して説明する。なお、上述の第1の実施の形態と同じ構造についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、対象となる画像形成装置は同じである。上述の第1の実施の形態に係る梱包部材の膨張部は空気を導入することにより弾性力を発現させていたが、本実施の形態に係る梱包部材は空気以外の弾性材を用いる点が特徴である。
【0079】
図12に本実施の形態に係る梱包部材の使用形態の斜視図を、図13に梱包部材の使用形態の正面図をそれぞれ示す。図12及び図13に示すように、本実施の形態に係る梱包部材の使用形態は、2個のダンボール箱201(1個でもよい)の上下に、断面積が大きいダンボール箱202を載置して、ダンボール箱201とダンボール箱202の断面積の違いにより形成される段差部204に弾性部材203を、図12の矢示の方向に差し込んだものである。
【0080】
ここで、弾性部材203は、例えば厚手の長方形のダンボール板を、元に戻ろうとする力が強い方向(例えば波型に加工した中芯の方向に直角な方向)に折り曲げたものである。このため、段差部204に差し込まれた弾性部材203は、図13の矢示で示す方向の弾性力を発現する。このように形成された4段積みダンボール箱(2個の弾性部材203を含む)を画像形成装置Aと床面との間の空間に挟み込んで固定することにより設置する。このとき、前述の実施の形態の空気による膨張に代えて弾性部材203による弾性により、画像形成装置Aと床面との間の空間に挟み込まれる。
【0081】
なお、弾性部材203の数は2個に限定されるものではなく、図12の点線で示すように、さらに多くても構わない。また、弾性部材203の素材はダンボールに限定されるものではない。ダンボール箱201及びダンボール箱202を、画像形成装置Aと床面との間の空間に挟み込むだけの弾性力を発現できるものであれば構わない。
【0082】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包部材によると、付属品等を収納した複数のダンボール箱が積載されてその側部に弾性部材が設けられて、床面と画像形成装置との間の空間に挟み込んで固定される。このため、画像形成装置の設置後に付属品の収納スペースが不要となる。また、床面と画像形成装置との間の空間に、ほこりが入り込むことを抑制できたり、画像形成装置の不用意な移動を抑制できたりする。
【0083】
なお、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、膨張部に空気を導入したり膨張部から空気を排出したりする空気導入排出部を備えていたが、膨張部には最初から一定量の空気が導入されて、空気が漏れないように封しされているものであっても構わない。さらに、第3の実施の形態に係る梱包部材又は第1の実施の形態に係る梱包部材と第3の実施の形態に係る梱包部材との組み合わせを、第2の実施の形態に係る梱包部材の使用形態に適用しても構わない。
【0084】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上述した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る梱包部材が使用される画像形成装置の構造の概要を示す正面図である。
【図2】図1の画像形成装置の側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る梱包部材(その1)を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る梱包部材(その2)を示す斜視図である。
【図5】図3又は図4に示す梱包部材を用いた画像形成装置の梱包状態を示す正面図である。
【図6】図3又は図4に示す梱包部材を用いた画像形成装置の設置状態を示す正面図である。
【図7】図3又は図4に示す梱包部材を用いた画像形成装置の設置状態を示す側面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る梱包部材の使用形態を示す斜視図である。
【図9】図8の使用形態を用いた画像形成装置の設置状態を示す図(その1)である。
【図10】図8の使用形態を用いた画像形成装置の設置状態を示す図(その2)である。
【図11】図8の使用形態を用いた画像形成装置の設置状態を示す図(その3)である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る梱包部材を示す斜視図である。
【図13】図12に示す梱包部材の正面図である。
【符号の説明】
【0086】
A 画像形成装置
B 画像形成部
D 液晶表示部
S 画像読取装置
CA キャスター
CS 記録紙カセット部
PA 操作パネル
2 1次転写ローラ
4 中間転写ベルト
5 2次転写ローラ
6 タイミングローラ
7 定着装置
11 感光体
31 駆動ローラ
32 ローラ
100、110 梱包部材
200 ダンボール箱
300 パレット
302 外箱
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置を梱包するときに使用される梱包部材であって、
前記装置に同梱する物品を収納する収納部と、
前記収納部の周囲に設けられ、弾性力を発現する弾性部とを含むことを特徴とする梱包部材。
【請求項2】
前記弾性部は、空気を導入することにより膨張する袋体により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の梱包部材。
【請求項3】
前記弾性部は、屈曲状態において元の形状に戻ろうとする復元力が蓄えられる板状体により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の梱包部材。
【請求項4】
前記物品は、前記装置の付属品であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の梱包部材。
【請求項5】
前記装置は、画像形成装置である請求項1から請求項5のいずれかに記載の梱包部材。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の梱包部材を用いる装置の梱包方法であって、
外箱で前記装置を覆うステップと、
前記梱包部材の前記収納部に物品を収納するステップと、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と前記外箱との間の空間に挟み込んで固定するステップとを含むことを特徴とする装置の梱包方法。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の梱包部材を用いる装置の固定方法であって、
前記梱包部材の前記収納部に物品を収納するステップと、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と前記装置に対向する壁面との間の空間に挟み込んで固定するステップとを含むことを特徴とする装置の固定方法。
【請求項8】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の梱包部材を用いる装置の固定方法であって、
前記梱包部材の前記収納部に物品を収納するステップと、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と前記装置を設置する床面との間の空間に挟み込んで固定するステップとを含むことを特徴とする装置の固定方法。
【請求項9】
請求項8に記載の固定方法であって、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記装置と前記装置を設置する床面との間の空間に挟み込んで固定するステップは、
直方体形状の箱と前記梱包部材とを重ねて、これらを前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と床面との間の空間に挟み込んで固定するステップを含むことを特徴とする装置の固定方法。
【請求項1】
装置を梱包するときに使用される梱包部材であって、
前記装置に同梱する物品を収納する収納部と、
前記収納部の周囲に設けられ、弾性力を発現する弾性部とを含むことを特徴とする梱包部材。
【請求項2】
前記弾性部は、空気を導入することにより膨張する袋体により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の梱包部材。
【請求項3】
前記弾性部は、屈曲状態において元の形状に戻ろうとする復元力が蓄えられる板状体により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の梱包部材。
【請求項4】
前記物品は、前記装置の付属品であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の梱包部材。
【請求項5】
前記装置は、画像形成装置である請求項1から請求項5のいずれかに記載の梱包部材。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の梱包部材を用いる装置の梱包方法であって、
外箱で前記装置を覆うステップと、
前記梱包部材の前記収納部に物品を収納するステップと、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と前記外箱との間の空間に挟み込んで固定するステップとを含むことを特徴とする装置の梱包方法。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の梱包部材を用いる装置の固定方法であって、
前記梱包部材の前記収納部に物品を収納するステップと、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と前記装置に対向する壁面との間の空間に挟み込んで固定するステップとを含むことを特徴とする装置の固定方法。
【請求項8】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の梱包部材を用いる装置の固定方法であって、
前記梱包部材の前記収納部に物品を収納するステップと、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と前記装置を設置する床面との間の空間に挟み込んで固定するステップとを含むことを特徴とする装置の固定方法。
【請求項9】
請求項8に記載の固定方法であって、
前記収納部に物品が収納された前記梱包部材を、前記装置と前記装置を設置する床面との間の空間に挟み込んで固定するステップは、
直方体形状の箱と前記梱包部材とを重ねて、これらを前記弾性部により発現する弾性力に抗して前記装置と床面との間の空間に挟み込んで固定するステップを含むことを特徴とする装置の固定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−52763(P2010−52763A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219545(P2008−219545)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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