棒状食品用包装材
【課題】棒状食品が本体の略中央に位置し、包装時や開封時にあまり手間のかからない棒状食品用包装材を提供すること。
【解決手段】この発明の棒状食品用包装材は、外フィルム部1と内フィルム部との間にシート状食品3を収容し棒状食品4に巻き付けるようにした本体5と、本体5の両端5a,5b間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品4の両端部を覆うようにした袖部6を有する棒状食品用包装材であって、本体5は開封時に一端5a側と他端5b側に分離されるようにしており、袖部6は、本体5の上辺と下辺の縁部にそれぞれ設けられる上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bからなり、上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bは、それぞれ分離される本体5のいずれか一方の側に接着されたものとしている。
【解決手段】この発明の棒状食品用包装材は、外フィルム部1と内フィルム部との間にシート状食品3を収容し棒状食品4に巻き付けるようにした本体5と、本体5の両端5a,5b間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品4の両端部を覆うようにした袖部6を有する棒状食品用包装材であって、本体5は開封時に一端5a側と他端5b側に分離されるようにしており、袖部6は、本体5の上辺と下辺の縁部にそれぞれ設けられる上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bからなり、上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bは、それぞれ分離される本体5のいずれか一方の側に接着されたものとしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、巻き寿司等の棒状食品を包装するのに使用する棒状食品用包装材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の巻き寿司等の棒状食品を包装するのに使用する棒状食品用包装材としては、特許文献1に記載のような、外フィルム1の長辺側の外縁に一対の内フィルム2,3の一辺を接合し、外フィルム1の幅方向の略中央で前記内フィルム2,3の対向辺どうしを重ね合わせ、さらに外フィルム1と内フィルム2,3との間にシート状食品3を挟み、さらに一方の内フィルム3に、帯状フィルム4を取り付けて長手方向両端に袖部4a,4bを形成したものがある。
【0003】
この棒状食品用包装材を使用して棒状食品6を包装するには、特許文献1の図3に示されているように、右端側に設けられた帯状フィルム4の上に棒状食品6を載せ、その両端を帯状フィルム4の袖部4a,4bで覆ってから、棒状食品6の外周を巻いて覆う。そして、巻き終わりの端部を巻き止め用シールで止める。
【0004】
また、この棒状食品用包装材は、開封操作片1aが外フィルム1の略中央に形成されており、包装された棒状食品6を食べるときは、まず開封操作片1aを引いて、外フィルム1を長手方向に引き裂き、次に、裏側の巻き止めシールを剥がして、右側の部分の外フィルム1を開く。開いた外フィルム1を引っ張ると、図5に示されているようにシート状食品5の一方が露出する。次に、棒状に形成した棒状食品6を左方向に転がして露出したシート状食品3の上に移動させ、シート状食品5を巻いていくと、棒状食品6が完成するようになっている。
【0005】
この特許文献1の棒状食品用包装材では、袖部4a,4bを設けるために帯状フィルム4が右端側の一方の内フィルム3を横断するように設けられている。前記帯状フィルム4が中央ではなく右端側の一方の内フィルム3に設けられているのは、開封時に内フィルム2,3を分離できるようにするためである。
【0006】
そのため、棒状食品6が右端側に位置して包装されるので、包装時には包装材の左端側を棒状食品6に巻くために大きな動作が必要になり、また、開封時には棒状食品6を左方向に転がしてシート状食品5の上に移動させる必要があり、手間がかかるものであった。
【特許文献1】特開平10−45160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明は、棒状食品が本体の略中央に位置し、包装時や開封時にあまり手間のかからない棒状食品用包装材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の棒状食品用包装材は、外フィルム部1と内フィルム部2との間にシート状食品3を収容し棒状食品4に巻き付けるようにした本体5と、本体5の両端5a,5b間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品4の両端部を覆うようにした袖部6を有する棒状食品用包装材であって、本体5は開封時に一端5a側と他端5b側に分離されるようにしており、袖部6は、本体5の上辺と下辺の縁部にそれぞれ設けられる上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bからなり、上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bは、それぞれ分離される本体5のいずれか一方の側に接着されたものとしている。
【0009】
内フィルム部2は、互いの対向辺どうしを重ね合わせて設けられた一端側片2aと他端側片2bからなり、上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bは、それぞれ内フィルム部2の一端側片2aと他端側片2bのいずれか一方の側に接着されたものとすることができる。
【0010】
また、この発明の棒状食品用包装材は、外フィルム部1と内フィルム部2との間にシート状食品3を収容し棒状食品4に巻き付けるようにした本体5と、本体5の両端5a,5b間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品4の両端部を覆うようにした袖部6を有する棒状食品用包装材であって、開封時に本体5が一端5a側と他端5b側に分離されるようにしており、袖部6は、本体5に交差するようにして設けられた帯フィルム14の両端部であり、帯フィルム14は、分離される外フィルム部1のいずれかに接着されたものとすることができる。
【0011】
さらに、棒状食品4に巻き付けた本体5の巻き終わりの端部を、外フィルム部1に設けた引き裂き部12の上ないしその付近に重ねてラベル13を貼り付けて止めるようにしており、引き裂き部12を引き裂くとラベル13も引き裂かれ、外フィルム部1が一端5a側と他端5b側に分離されるようにしたものとすることができる。
【0012】
また、本体5の巻き終わりの端部付近の部分15が、容易に引き裂くことができるものであり、前記部分15が外フィルム部1に設けた引き裂き部12の上に重なるようにして棒状食品4に巻き付けた場合に、前記部分15が、引き裂き部12とともに引き裂かれるようにしたものとすることもできる。
【発明の効果】
【0013】
この発明の棒状食品用包装材は、上述のような構成を有しており、棒状食品4の両端部を覆う袖部6が本体5の両端5a,5b間の略中央において、分離される本体5の一端5a側又は他端5b側のいずれか一方の側に接着されて設けられており、開封時に本体5が一端5a側と他端5b側に分離可能であるとともに、棒状食品4が本体5の略中央に位置するので、包装時や開封時にあまり手間がかからないようになっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。
【0015】
〔実施形態1〕
図1はこの発明の実施形態1の棒状食品用包装材の外側の平面図、図2はこの棒状食品用包装材の内側の平面図、図3はこの棒状食品用包装材に棒状食品を載せた状態の斜視図、図4はこの棒状食品用包装材で棒状食品4を包装した状態の斜視図、図5はこの棒状食品用包装材の巻き終わりの端部を切り取った後に外フィルム部1の引き裂き部12を引き裂いている様子を示す斜視図、図6はこの棒状食品用包装材を開いて棒状食品4が露出した状態を示す斜視図、図7はこの棒状食品用包装材の一端5a側部分を取り去る様子を示す斜視図、図8はこの棒状食品用包装材の他端5b側部分を取り去る様子を示す斜視図である。
【0016】
この棒状食品用包装材は、外フィルム部1と内フィルム部2との間にシート状食品3を収容し棒状食品4に巻き付けるようにした本体5と、本体5の両端5a,5b間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品4の両端部を覆うようにした袖部6を有する棒状食品用包装材であって、本体5は開封時に一端5a側と他端5b側に分離されるようにしており、袖部6は、本体5の上辺と下辺の縁部にそれぞれ設けられる上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bからなり、上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bは、それぞれ分離される本体5のいずれか一方の側に接着されているものとしている。
【0017】
外フィルム部1と内フィルム部2は、1枚の略矩形のフィルムを左右の2箇所で折り曲げて形成されている。折り曲げてできた左右縁部はヒートシールされており、この左右縁
部と上辺側と下辺側のヒートシール部分(図1、2中のクロスハッチで示した部分)に囲まれた部分がシート状食品3の収容部となっている。なお、外フィルム部1と内フィルム部2を、それぞれ別のフィルムで形成して、互いに接着して本体5を構成してもよい。
【0018】
本体5の他端5b(図1中の右端)にはその外側に切り取り部7が設けられている。切り取り部7には、図1中の縦方向(短辺に平行な方向)にカットテープ8が配設され、その左側に切り込み9が形成されている。
【0019】
外フィルム部1は、縦方向に引き裂かれるものとしている。外フィルム部1には、本体5の両端5a,5b間(図1中の左端〜右端間)の略中央に、縦方向に開封用テープ(カットテープ)10を配設している。また、上辺側と下辺側には、開封用テープ10の両側に縦方向の一対の切れ込みを設けることにより開封操作片11を形成し、この開封用テープ10と開封操作片11によって切り取られる部分を引き裂き部12としている。
【0020】
内フィルム部2は、一対の一端側片2aと他端側片2bからなり、本体5の両端5a,5b間の略略中央で一端側片2aと他端側片2bの対向辺どうしが重ね合わされている。
【0021】
袖部6を構成する上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bは、同じ大きさの矩形のフィルムであり、それぞれ分離される本体5のいずれか一方の側にヒートシール等により接着されている。この実施形態では、図2において、上辺側フィルム部6aはその下端部の中央より右側の部分Aが一端側片2aに接着され、下辺側フィルム部6bはその上端部の中央より右側の部分Aが一端側片2aに接着されている。これらの接着は、前記上辺側と下辺側のヒートシール部分と重なるようにすることができる。
【0022】
なお、上辺、下辺という用語は、この棒状食品用包装材を図1、図2のように本体5の両端5a,5bが左右に位置するようにした場合の、本体5の左右方向に延びる上下の2辺を意味している。
【0023】
外フィルム部1と内フィルム部2との間に挟まれたシート状食品3は、通常は板海苔であるが、その他にも例えばゼラチンでシート状に形成された鰹節や昆布等とすることができる。棒状食品4は棒状の巻き寿司のにぎり飯とすることができる。
【0024】
この棒状食品用包装材を使用して棒状食品4を包装するには、図3に示したように、本体5の略中央において棒状食品4を内フィルム部2の上に載せ、その両端部を袖部6で覆ってから、その外周を本体5で覆う。棒状食品4は本体5の略中央に位置するので、棒状食品4の左右各側に延びる本体5の一端5a側と他端5b側の長さはほぼ同じであり、一方だけが長くなることがない。そのため、両側から同時に小さな動作で棒状食品4を覆うことができる。
【0025】
そして、巻き終わりの端部(本体5の他端5b、切り取り部7)が、本体5の一端5a側の外フィルム部1の上に重なった状態で、巻き終わりの端部の外フィルム部1と一端5a側の外フィルム部1との間にまたがるように、ラベル13を貼り付けて固定する。ラベル13は、その表面に商品名や価格、バーコード等を記載したもので、裏面には接着剤が塗布されている。ラベル13は、前記切り取り部7に重なるようにしている。
【0026】
すると、図4に示した状態となり、この状態で百貨店の食品売り場、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の店舗で販売することができる。なお、外フィルム部1を比較的厚みのあるものとすることにより、この棒状食品用包装材で包装した食品を立てた状態にして陳列することが可能で、陳列スペースを有効に利用することができる。
【0027】
この棒状食品用包装材は、巻き止めをラベル13によって行うため、特許文献1に記載のような従来の棒状食品用包装材のように巻き止め用のシールを別途用意して外フィルム部1に貼り付ける作業が不要である。また、ラベル13は比較的幅があり、外フィルム部1の端部をしっかりと安定した状態で止めることができる。
【0028】
この棒状食品用包装材で包装された食品を食べるときは、次の順序で行う。まず、図4に示した状態で掌の上に乗せ、前記切り取り部7をカットテープ8により引き裂いて切り取る。すると、図5に示したようにラベル13が分断され、巻き止めが解かれた状態となる。
【0029】
さらに開封操作片11を引いて開封テープ10により外フィルムの引き裂き部12を引き裂いて切り取り、本体5と袖部6を開いて図6に示したように棒状食品4が露出した状態にする。この状態において、本体5は外フィルム部1も内フィルム部2も一端側、他端側に分離された状態となっている。
【0030】
開封操作片11は、ラベル13が外フィルム部1に貼り付いた状態のまま引くことができるので、食品の購入者は、いったんラベル13を剥がしとる必要はなく、開封作業をスムーズに行うことができる。また、棒状食品4は、本体5の略中央に位置するため、一端5a側または他端5b側のいずれかの方向に転がしてシート状食品3の上に移動させる必要はない。
【0031】
次に、図7に示したように本体5の一端5a側部分を摘んで引っ張って取り去る。袖部6の上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bは本体5の一端5a側部分に接着されているため、一端5a側部分とともに取り去さられる。そして、露出したシート状食品3の一端側部分を棒状食品4に巻き、さらに、図8に示したように他端5b側部分を摘んで引っ張って取り去り、そして、露出したシート状食品3の他端側部分を棒状食品4に巻くことにより巻き寿司が完成する。
【0032】
棒状食品4は、内フィルムの一端側片2aと他端側片2bの重なり部分上に位置しており、他に障害となるものもないため、前記他端5b側部分と一端5a側部分はどちらを先に引っ張ってもスムーズに取り去ることができる。
【0033】
なお、特許文献1に記載のような従来の食品包装材では、袖部を設けるために帯状フィルムが内フィルムを横断するように設けられているが、帯状フィルムの内フィルムに重なった部分は袖部を構成しない本来不要な部分であり、材料に無駄が生じていた。また、開封時には、前記帯状フィルムは引き裂かれないため、棒状食品を帯状フィルム上から一部露出したシート状食品の上に移動させてから食品にシート状食品を巻く必要があった。
【0034】
これに対し、この実施形態の食品包装材では、内フィルム部2を横断する長尺な帯状フィルムは不要であるため、材料の無駄が少なく、また、前述の通り、棒状食品4を移動させることなく、前記他端5b側部分と一端5a側部分を取り去るだけで、シート状食品3を棒状食品4に巻き付けられる状態になる。
【0035】
この実施形態では、外フィルム部1の引き裂き部12に開封用テープ10を配設したものとしているが、外フィルム部1として引裂方向性を有するフィルムを使用し、開封用テープ10を配設していないものとすることもできる。さらに、本発明は上記実施形態に限定されず、形状、素材等、適宜構成を変更して実施することが可能である。
【0036】
〔実施形態2〕
図9は、この発明の実施形態2の棒状食品用包装材外側の平面図である。この棒状食品用包装材は、袖部6を外フィルムに接着した帯フィルム14の両端部としている。袖部6以外の構成は、前記前記実施形態1と同様とすることができる。
【0037】
具体的には、外フィルム部1と内フィルム部2との間にシート状食品3を収容し棒状食品4に巻き付けるようにした本体5と、本体5の両端5a,5b間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品4の両端部を覆うようにした袖部6を有する棒状食品用包装材であって、本体5は開封時に一端5a側と他端5b側に分離されるようにしており、袖部6は、本体5に交差するようにして設けられた帯フィルム14の両端部であり、帯フィルム14は、分離される外フィルム部1のいずれか一方の側に接着されたものとしている。
【0038】
この実施形態では、帯フィルム14は、本体5の引き裂き部12より少し一端5a側寄りの上辺と下辺付近の部分Aで、外フィルム部1に接着されている。
【0039】
この棒状食品用包装材は、前記実施形態1と同様に棒状食品4を包装し、開封することができる。なお、外フィルム部1の引き裂き部12及び開封操作片11の上に帯フィルム14が重なっているが、開封時には、帯フィルム14をめくって、開封操作片11を引いて外フィルムの引き裂き部12を引き裂くことができる。また、外フィルム部1の引き裂き部12及び開封操作片11を帯フィルム14と重ならない位置に設けてもよい。
【0040】
〔実施形態3〕
図10はこの発明の実施形態3の棒状食品用包装材の外側の平面図、図11はこの棒状食品用包装材の内側の平面図、図12この棒状食品用包装材で棒状食品4を包装した状態の斜視図、図13はこの棒状食品用包装材の外フィルム部1の引き裂き部12を引き裂いた状態を示す斜視図である。
【0041】
この棒状食品用包装材は、前記実施形態1、2のような開封時における本体5の切り取り部7の切り取り作業の必要をなくしたもので、切り取り部7は設けられておらず、外フィルム部1の引き裂き部12を引き裂くだけで、本体5の巻き止めが解かれるとともに本体5が分離された状態にすることができるようにしたものである。
【0042】
具体的には、棒状食品4に巻き付けた本体5の巻き終わりの端部(本体5の他端5b)を、外フィルム部1に設けた引き裂き部12の上ないしその付近に重ねてラベル13を貼り付けて止めるようにしており、引き裂き部12を引き裂くとラベル13も引き裂かれ、巻き止めが解かれるとともに外フィルム部1が一端5a側と他端5b側に分離されるようにしている。その他の基本的な構成は前記実施形態1、2と同様とすることができる。
【0043】
また、この実施形態では、外フィルムの他端5b付近の部分15をテーパー状としており、このテーパー状部分15の端部を本体5の巻き終わりの端部としている。この巻き終わりの端部は、ラベル13と同じ程度の幅に形成されたものとし、この巻き終わりの端部の外フィルム部1と一端5a側の外フィルム部1との間にまたがるように、ラベル13を貼り付けて固定するようにしている。
【0044】
ラベル13は、巻き終わりの端部に合わせて貼り付ければよいので、縦方向に関して中央の位置に容易かつ正確に貼り付けることができる。また、巻き終わりの端部付近がテーパー状であるため、巻き終わりの端部が引き裂き部12の上に重なっていても、開封操作片11は隠れることがなく、スムーズに引き裂き部12を引き裂くことができる。
【0045】
〔実施形態4〕
前述の実施形態3の棒状食品用包装材は、外フィルムの他端5b付近の部分15が、外フィルム部1に設けた引き裂き部12の上に大きく重ならないよう、棒状食品4の径を考慮して、本体5の両端5a,5b間の長さが設定されている。しかし、この棒状食品用包装材を、より径の小さい棒状食品4に巻き付けると、他端5b付近の部分15が、外フィルム部1に設けた引き裂き部12の上に重なる場合があり、この場合、引き裂き部12を引き裂くときに、前記他端5b付近の部分15が障害になり、うまく開封できないという問題が生じる。
【0046】
そこで、この実施形態4では、本体5の巻き終わりの端部付近の部分15が、容易に引き裂くことができるものであり、前記部分15が引き裂き部12に重なるようにして棒状食品4に巻き付けた場合に、前記部分15が、引き裂き部12とともに引き裂かれるようにした構成とすることにより、この問題を解決している。
【0047】
具体的には、図14に示したように、本体5の他端5b付近の部分15の上辺側と下辺側に切れ込み16を設けたものとした。この部分15は、外フィルム部1と一体に形成されたものであり、上下方向の長さは本体5の上辺と下辺間の長さよりも短く、左右方向の長さは、太めの棒状食品4に巻きつけたときには、本体5の他端5bが、外フィルム部1に設けた引き裂き部12付近に位置し、本体5の他端5b付近の部分15が引き裂き部12に重ならず、細めの棒状食品4に巻きつけたときには、前記部分15が引き裂き部12の上に重なるように設定されている。
【0048】
そして、前記部分15の上辺と下辺に、2mm程度の間隔で、深さ2mm程度の切れ込み16を形成している。また、ラベル13は、上下方向の長さが前記部分15と略同一であるとともに、その上辺と下辺に、前記部分15と同様の切れ込み17が形成されたものとすることにより、前記部分15とともに容易に引き裂くことができるようにしている。
【0049】
図15は、この実施形態4の棒状食品用包装材を、細めの棒状食品4に巻き付ける様子を示した図である。ラベル13は、その上辺と下辺が前記部分15の上辺と下辺に部分的又は全体的に重なるようにして貼り付けられる。前記部分15の切れ込み16とラベル13の切れ込み17は、同じ位置になることが望ましいが、ずれていてもよい。
【0050】
図15に示したように、前記部分15とラベル13は、引き裂き部12の上に大きく重なるが、切れ込み16、17により、引き裂き部12を引き裂いていくと、引き裂き部12とともに容易に引き裂くことができ、障害にならない。したがって、太さの異なる棒状食品4にも対応することができる。
【0051】
なお、前記部分15の形状や大きさは図示したものに限定されず、切れ込み16、17についても、大きさや間隔を適宜変更することができ、前記部分15とラベル13の上辺、下辺のいずれか片側のみに形成することもできる。また、切れ込みの代わりに、ミシン目を形成するなどして、前記部分15やラベル13を容易に引き裂けるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材の外側の平面図である。
【図2】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材の内側の平面図である。
【図3】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材に棒状食品を載せた状態の斜視図である。
【図4】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材で棒状食品を包装した状態の斜視図である。
【図5】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材の巻き終わりの端部を切り取った後に外フィルム部の引き裂き部を引き裂いている様子を示す斜視図である。
【図6】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材を開いて棒状食品が露出した状態を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材の一端側部分を取り去る様子を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材の他端側部分を取り去る様子を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施形態2の棒状食品用包装材の外側の平面図である。
【図10】この発明の実施形態3の棒状食品用包装材の外側の平面図である。
【図11】この発明の実施形態3の棒状食品用包装材の内側の平面図である。
【図12】この発明の実施形態3の棒状食品用包装材で棒状食品を包装した状態の斜視図である。
【図13】この発明の実施形態3の棒状食品用包装材の外フィルム部の引き裂き部を引き裂いた状態を示す斜視図である。
【図14】この発明の実施形態4の棒状食品用包装材の外側の平面図である。
【図15】この発明の実施形態4の棒状食品用包装材で棒状食品を包装する様子の説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1 外フィルム部
2 内フィルム部
2a 一端側片
2b 他端側片
3 シート状食品
4 棒状食品
5 本体
6 袖部
6a 上辺側フィルム部
6b 下辺側フィルム部
12 引き裂き部
14 帯フィルム
13 ラベル
15 巻き終わりの端部付近の部分
【技術分野】
【0001】
この発明は、巻き寿司等の棒状食品を包装するのに使用する棒状食品用包装材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の巻き寿司等の棒状食品を包装するのに使用する棒状食品用包装材としては、特許文献1に記載のような、外フィルム1の長辺側の外縁に一対の内フィルム2,3の一辺を接合し、外フィルム1の幅方向の略中央で前記内フィルム2,3の対向辺どうしを重ね合わせ、さらに外フィルム1と内フィルム2,3との間にシート状食品3を挟み、さらに一方の内フィルム3に、帯状フィルム4を取り付けて長手方向両端に袖部4a,4bを形成したものがある。
【0003】
この棒状食品用包装材を使用して棒状食品6を包装するには、特許文献1の図3に示されているように、右端側に設けられた帯状フィルム4の上に棒状食品6を載せ、その両端を帯状フィルム4の袖部4a,4bで覆ってから、棒状食品6の外周を巻いて覆う。そして、巻き終わりの端部を巻き止め用シールで止める。
【0004】
また、この棒状食品用包装材は、開封操作片1aが外フィルム1の略中央に形成されており、包装された棒状食品6を食べるときは、まず開封操作片1aを引いて、外フィルム1を長手方向に引き裂き、次に、裏側の巻き止めシールを剥がして、右側の部分の外フィルム1を開く。開いた外フィルム1を引っ張ると、図5に示されているようにシート状食品5の一方が露出する。次に、棒状に形成した棒状食品6を左方向に転がして露出したシート状食品3の上に移動させ、シート状食品5を巻いていくと、棒状食品6が完成するようになっている。
【0005】
この特許文献1の棒状食品用包装材では、袖部4a,4bを設けるために帯状フィルム4が右端側の一方の内フィルム3を横断するように設けられている。前記帯状フィルム4が中央ではなく右端側の一方の内フィルム3に設けられているのは、開封時に内フィルム2,3を分離できるようにするためである。
【0006】
そのため、棒状食品6が右端側に位置して包装されるので、包装時には包装材の左端側を棒状食品6に巻くために大きな動作が必要になり、また、開封時には棒状食品6を左方向に転がしてシート状食品5の上に移動させる必要があり、手間がかかるものであった。
【特許文献1】特開平10−45160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明は、棒状食品が本体の略中央に位置し、包装時や開封時にあまり手間のかからない棒状食品用包装材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の棒状食品用包装材は、外フィルム部1と内フィルム部2との間にシート状食品3を収容し棒状食品4に巻き付けるようにした本体5と、本体5の両端5a,5b間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品4の両端部を覆うようにした袖部6を有する棒状食品用包装材であって、本体5は開封時に一端5a側と他端5b側に分離されるようにしており、袖部6は、本体5の上辺と下辺の縁部にそれぞれ設けられる上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bからなり、上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bは、それぞれ分離される本体5のいずれか一方の側に接着されたものとしている。
【0009】
内フィルム部2は、互いの対向辺どうしを重ね合わせて設けられた一端側片2aと他端側片2bからなり、上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bは、それぞれ内フィルム部2の一端側片2aと他端側片2bのいずれか一方の側に接着されたものとすることができる。
【0010】
また、この発明の棒状食品用包装材は、外フィルム部1と内フィルム部2との間にシート状食品3を収容し棒状食品4に巻き付けるようにした本体5と、本体5の両端5a,5b間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品4の両端部を覆うようにした袖部6を有する棒状食品用包装材であって、開封時に本体5が一端5a側と他端5b側に分離されるようにしており、袖部6は、本体5に交差するようにして設けられた帯フィルム14の両端部であり、帯フィルム14は、分離される外フィルム部1のいずれかに接着されたものとすることができる。
【0011】
さらに、棒状食品4に巻き付けた本体5の巻き終わりの端部を、外フィルム部1に設けた引き裂き部12の上ないしその付近に重ねてラベル13を貼り付けて止めるようにしており、引き裂き部12を引き裂くとラベル13も引き裂かれ、外フィルム部1が一端5a側と他端5b側に分離されるようにしたものとすることができる。
【0012】
また、本体5の巻き終わりの端部付近の部分15が、容易に引き裂くことができるものであり、前記部分15が外フィルム部1に設けた引き裂き部12の上に重なるようにして棒状食品4に巻き付けた場合に、前記部分15が、引き裂き部12とともに引き裂かれるようにしたものとすることもできる。
【発明の効果】
【0013】
この発明の棒状食品用包装材は、上述のような構成を有しており、棒状食品4の両端部を覆う袖部6が本体5の両端5a,5b間の略中央において、分離される本体5の一端5a側又は他端5b側のいずれか一方の側に接着されて設けられており、開封時に本体5が一端5a側と他端5b側に分離可能であるとともに、棒状食品4が本体5の略中央に位置するので、包装時や開封時にあまり手間がかからないようになっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。
【0015】
〔実施形態1〕
図1はこの発明の実施形態1の棒状食品用包装材の外側の平面図、図2はこの棒状食品用包装材の内側の平面図、図3はこの棒状食品用包装材に棒状食品を載せた状態の斜視図、図4はこの棒状食品用包装材で棒状食品4を包装した状態の斜視図、図5はこの棒状食品用包装材の巻き終わりの端部を切り取った後に外フィルム部1の引き裂き部12を引き裂いている様子を示す斜視図、図6はこの棒状食品用包装材を開いて棒状食品4が露出した状態を示す斜視図、図7はこの棒状食品用包装材の一端5a側部分を取り去る様子を示す斜視図、図8はこの棒状食品用包装材の他端5b側部分を取り去る様子を示す斜視図である。
【0016】
この棒状食品用包装材は、外フィルム部1と内フィルム部2との間にシート状食品3を収容し棒状食品4に巻き付けるようにした本体5と、本体5の両端5a,5b間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品4の両端部を覆うようにした袖部6を有する棒状食品用包装材であって、本体5は開封時に一端5a側と他端5b側に分離されるようにしており、袖部6は、本体5の上辺と下辺の縁部にそれぞれ設けられる上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bからなり、上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bは、それぞれ分離される本体5のいずれか一方の側に接着されているものとしている。
【0017】
外フィルム部1と内フィルム部2は、1枚の略矩形のフィルムを左右の2箇所で折り曲げて形成されている。折り曲げてできた左右縁部はヒートシールされており、この左右縁
部と上辺側と下辺側のヒートシール部分(図1、2中のクロスハッチで示した部分)に囲まれた部分がシート状食品3の収容部となっている。なお、外フィルム部1と内フィルム部2を、それぞれ別のフィルムで形成して、互いに接着して本体5を構成してもよい。
【0018】
本体5の他端5b(図1中の右端)にはその外側に切り取り部7が設けられている。切り取り部7には、図1中の縦方向(短辺に平行な方向)にカットテープ8が配設され、その左側に切り込み9が形成されている。
【0019】
外フィルム部1は、縦方向に引き裂かれるものとしている。外フィルム部1には、本体5の両端5a,5b間(図1中の左端〜右端間)の略中央に、縦方向に開封用テープ(カットテープ)10を配設している。また、上辺側と下辺側には、開封用テープ10の両側に縦方向の一対の切れ込みを設けることにより開封操作片11を形成し、この開封用テープ10と開封操作片11によって切り取られる部分を引き裂き部12としている。
【0020】
内フィルム部2は、一対の一端側片2aと他端側片2bからなり、本体5の両端5a,5b間の略略中央で一端側片2aと他端側片2bの対向辺どうしが重ね合わされている。
【0021】
袖部6を構成する上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bは、同じ大きさの矩形のフィルムであり、それぞれ分離される本体5のいずれか一方の側にヒートシール等により接着されている。この実施形態では、図2において、上辺側フィルム部6aはその下端部の中央より右側の部分Aが一端側片2aに接着され、下辺側フィルム部6bはその上端部の中央より右側の部分Aが一端側片2aに接着されている。これらの接着は、前記上辺側と下辺側のヒートシール部分と重なるようにすることができる。
【0022】
なお、上辺、下辺という用語は、この棒状食品用包装材を図1、図2のように本体5の両端5a,5bが左右に位置するようにした場合の、本体5の左右方向に延びる上下の2辺を意味している。
【0023】
外フィルム部1と内フィルム部2との間に挟まれたシート状食品3は、通常は板海苔であるが、その他にも例えばゼラチンでシート状に形成された鰹節や昆布等とすることができる。棒状食品4は棒状の巻き寿司のにぎり飯とすることができる。
【0024】
この棒状食品用包装材を使用して棒状食品4を包装するには、図3に示したように、本体5の略中央において棒状食品4を内フィルム部2の上に載せ、その両端部を袖部6で覆ってから、その外周を本体5で覆う。棒状食品4は本体5の略中央に位置するので、棒状食品4の左右各側に延びる本体5の一端5a側と他端5b側の長さはほぼ同じであり、一方だけが長くなることがない。そのため、両側から同時に小さな動作で棒状食品4を覆うことができる。
【0025】
そして、巻き終わりの端部(本体5の他端5b、切り取り部7)が、本体5の一端5a側の外フィルム部1の上に重なった状態で、巻き終わりの端部の外フィルム部1と一端5a側の外フィルム部1との間にまたがるように、ラベル13を貼り付けて固定する。ラベル13は、その表面に商品名や価格、バーコード等を記載したもので、裏面には接着剤が塗布されている。ラベル13は、前記切り取り部7に重なるようにしている。
【0026】
すると、図4に示した状態となり、この状態で百貨店の食品売り場、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の店舗で販売することができる。なお、外フィルム部1を比較的厚みのあるものとすることにより、この棒状食品用包装材で包装した食品を立てた状態にして陳列することが可能で、陳列スペースを有効に利用することができる。
【0027】
この棒状食品用包装材は、巻き止めをラベル13によって行うため、特許文献1に記載のような従来の棒状食品用包装材のように巻き止め用のシールを別途用意して外フィルム部1に貼り付ける作業が不要である。また、ラベル13は比較的幅があり、外フィルム部1の端部をしっかりと安定した状態で止めることができる。
【0028】
この棒状食品用包装材で包装された食品を食べるときは、次の順序で行う。まず、図4に示した状態で掌の上に乗せ、前記切り取り部7をカットテープ8により引き裂いて切り取る。すると、図5に示したようにラベル13が分断され、巻き止めが解かれた状態となる。
【0029】
さらに開封操作片11を引いて開封テープ10により外フィルムの引き裂き部12を引き裂いて切り取り、本体5と袖部6を開いて図6に示したように棒状食品4が露出した状態にする。この状態において、本体5は外フィルム部1も内フィルム部2も一端側、他端側に分離された状態となっている。
【0030】
開封操作片11は、ラベル13が外フィルム部1に貼り付いた状態のまま引くことができるので、食品の購入者は、いったんラベル13を剥がしとる必要はなく、開封作業をスムーズに行うことができる。また、棒状食品4は、本体5の略中央に位置するため、一端5a側または他端5b側のいずれかの方向に転がしてシート状食品3の上に移動させる必要はない。
【0031】
次に、図7に示したように本体5の一端5a側部分を摘んで引っ張って取り去る。袖部6の上辺側フィルム部6aと下辺側フィルム部6bは本体5の一端5a側部分に接着されているため、一端5a側部分とともに取り去さられる。そして、露出したシート状食品3の一端側部分を棒状食品4に巻き、さらに、図8に示したように他端5b側部分を摘んで引っ張って取り去り、そして、露出したシート状食品3の他端側部分を棒状食品4に巻くことにより巻き寿司が完成する。
【0032】
棒状食品4は、内フィルムの一端側片2aと他端側片2bの重なり部分上に位置しており、他に障害となるものもないため、前記他端5b側部分と一端5a側部分はどちらを先に引っ張ってもスムーズに取り去ることができる。
【0033】
なお、特許文献1に記載のような従来の食品包装材では、袖部を設けるために帯状フィルムが内フィルムを横断するように設けられているが、帯状フィルムの内フィルムに重なった部分は袖部を構成しない本来不要な部分であり、材料に無駄が生じていた。また、開封時には、前記帯状フィルムは引き裂かれないため、棒状食品を帯状フィルム上から一部露出したシート状食品の上に移動させてから食品にシート状食品を巻く必要があった。
【0034】
これに対し、この実施形態の食品包装材では、内フィルム部2を横断する長尺な帯状フィルムは不要であるため、材料の無駄が少なく、また、前述の通り、棒状食品4を移動させることなく、前記他端5b側部分と一端5a側部分を取り去るだけで、シート状食品3を棒状食品4に巻き付けられる状態になる。
【0035】
この実施形態では、外フィルム部1の引き裂き部12に開封用テープ10を配設したものとしているが、外フィルム部1として引裂方向性を有するフィルムを使用し、開封用テープ10を配設していないものとすることもできる。さらに、本発明は上記実施形態に限定されず、形状、素材等、適宜構成を変更して実施することが可能である。
【0036】
〔実施形態2〕
図9は、この発明の実施形態2の棒状食品用包装材外側の平面図である。この棒状食品用包装材は、袖部6を外フィルムに接着した帯フィルム14の両端部としている。袖部6以外の構成は、前記前記実施形態1と同様とすることができる。
【0037】
具体的には、外フィルム部1と内フィルム部2との間にシート状食品3を収容し棒状食品4に巻き付けるようにした本体5と、本体5の両端5a,5b間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品4の両端部を覆うようにした袖部6を有する棒状食品用包装材であって、本体5は開封時に一端5a側と他端5b側に分離されるようにしており、袖部6は、本体5に交差するようにして設けられた帯フィルム14の両端部であり、帯フィルム14は、分離される外フィルム部1のいずれか一方の側に接着されたものとしている。
【0038】
この実施形態では、帯フィルム14は、本体5の引き裂き部12より少し一端5a側寄りの上辺と下辺付近の部分Aで、外フィルム部1に接着されている。
【0039】
この棒状食品用包装材は、前記実施形態1と同様に棒状食品4を包装し、開封することができる。なお、外フィルム部1の引き裂き部12及び開封操作片11の上に帯フィルム14が重なっているが、開封時には、帯フィルム14をめくって、開封操作片11を引いて外フィルムの引き裂き部12を引き裂くことができる。また、外フィルム部1の引き裂き部12及び開封操作片11を帯フィルム14と重ならない位置に設けてもよい。
【0040】
〔実施形態3〕
図10はこの発明の実施形態3の棒状食品用包装材の外側の平面図、図11はこの棒状食品用包装材の内側の平面図、図12この棒状食品用包装材で棒状食品4を包装した状態の斜視図、図13はこの棒状食品用包装材の外フィルム部1の引き裂き部12を引き裂いた状態を示す斜視図である。
【0041】
この棒状食品用包装材は、前記実施形態1、2のような開封時における本体5の切り取り部7の切り取り作業の必要をなくしたもので、切り取り部7は設けられておらず、外フィルム部1の引き裂き部12を引き裂くだけで、本体5の巻き止めが解かれるとともに本体5が分離された状態にすることができるようにしたものである。
【0042】
具体的には、棒状食品4に巻き付けた本体5の巻き終わりの端部(本体5の他端5b)を、外フィルム部1に設けた引き裂き部12の上ないしその付近に重ねてラベル13を貼り付けて止めるようにしており、引き裂き部12を引き裂くとラベル13も引き裂かれ、巻き止めが解かれるとともに外フィルム部1が一端5a側と他端5b側に分離されるようにしている。その他の基本的な構成は前記実施形態1、2と同様とすることができる。
【0043】
また、この実施形態では、外フィルムの他端5b付近の部分15をテーパー状としており、このテーパー状部分15の端部を本体5の巻き終わりの端部としている。この巻き終わりの端部は、ラベル13と同じ程度の幅に形成されたものとし、この巻き終わりの端部の外フィルム部1と一端5a側の外フィルム部1との間にまたがるように、ラベル13を貼り付けて固定するようにしている。
【0044】
ラベル13は、巻き終わりの端部に合わせて貼り付ければよいので、縦方向に関して中央の位置に容易かつ正確に貼り付けることができる。また、巻き終わりの端部付近がテーパー状であるため、巻き終わりの端部が引き裂き部12の上に重なっていても、開封操作片11は隠れることがなく、スムーズに引き裂き部12を引き裂くことができる。
【0045】
〔実施形態4〕
前述の実施形態3の棒状食品用包装材は、外フィルムの他端5b付近の部分15が、外フィルム部1に設けた引き裂き部12の上に大きく重ならないよう、棒状食品4の径を考慮して、本体5の両端5a,5b間の長さが設定されている。しかし、この棒状食品用包装材を、より径の小さい棒状食品4に巻き付けると、他端5b付近の部分15が、外フィルム部1に設けた引き裂き部12の上に重なる場合があり、この場合、引き裂き部12を引き裂くときに、前記他端5b付近の部分15が障害になり、うまく開封できないという問題が生じる。
【0046】
そこで、この実施形態4では、本体5の巻き終わりの端部付近の部分15が、容易に引き裂くことができるものであり、前記部分15が引き裂き部12に重なるようにして棒状食品4に巻き付けた場合に、前記部分15が、引き裂き部12とともに引き裂かれるようにした構成とすることにより、この問題を解決している。
【0047】
具体的には、図14に示したように、本体5の他端5b付近の部分15の上辺側と下辺側に切れ込み16を設けたものとした。この部分15は、外フィルム部1と一体に形成されたものであり、上下方向の長さは本体5の上辺と下辺間の長さよりも短く、左右方向の長さは、太めの棒状食品4に巻きつけたときには、本体5の他端5bが、外フィルム部1に設けた引き裂き部12付近に位置し、本体5の他端5b付近の部分15が引き裂き部12に重ならず、細めの棒状食品4に巻きつけたときには、前記部分15が引き裂き部12の上に重なるように設定されている。
【0048】
そして、前記部分15の上辺と下辺に、2mm程度の間隔で、深さ2mm程度の切れ込み16を形成している。また、ラベル13は、上下方向の長さが前記部分15と略同一であるとともに、その上辺と下辺に、前記部分15と同様の切れ込み17が形成されたものとすることにより、前記部分15とともに容易に引き裂くことができるようにしている。
【0049】
図15は、この実施形態4の棒状食品用包装材を、細めの棒状食品4に巻き付ける様子を示した図である。ラベル13は、その上辺と下辺が前記部分15の上辺と下辺に部分的又は全体的に重なるようにして貼り付けられる。前記部分15の切れ込み16とラベル13の切れ込み17は、同じ位置になることが望ましいが、ずれていてもよい。
【0050】
図15に示したように、前記部分15とラベル13は、引き裂き部12の上に大きく重なるが、切れ込み16、17により、引き裂き部12を引き裂いていくと、引き裂き部12とともに容易に引き裂くことができ、障害にならない。したがって、太さの異なる棒状食品4にも対応することができる。
【0051】
なお、前記部分15の形状や大きさは図示したものに限定されず、切れ込み16、17についても、大きさや間隔を適宜変更することができ、前記部分15とラベル13の上辺、下辺のいずれか片側のみに形成することもできる。また、切れ込みの代わりに、ミシン目を形成するなどして、前記部分15やラベル13を容易に引き裂けるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材の外側の平面図である。
【図2】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材の内側の平面図である。
【図3】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材に棒状食品を載せた状態の斜視図である。
【図4】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材で棒状食品を包装した状態の斜視図である。
【図5】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材の巻き終わりの端部を切り取った後に外フィルム部の引き裂き部を引き裂いている様子を示す斜視図である。
【図6】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材を開いて棒状食品が露出した状態を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材の一端側部分を取り去る様子を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施形態1の棒状食品用包装材の他端側部分を取り去る様子を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施形態2の棒状食品用包装材の外側の平面図である。
【図10】この発明の実施形態3の棒状食品用包装材の外側の平面図である。
【図11】この発明の実施形態3の棒状食品用包装材の内側の平面図である。
【図12】この発明の実施形態3の棒状食品用包装材で棒状食品を包装した状態の斜視図である。
【図13】この発明の実施形態3の棒状食品用包装材の外フィルム部の引き裂き部を引き裂いた状態を示す斜視図である。
【図14】この発明の実施形態4の棒状食品用包装材の外側の平面図である。
【図15】この発明の実施形態4の棒状食品用包装材で棒状食品を包装する様子の説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1 外フィルム部
2 内フィルム部
2a 一端側片
2b 他端側片
3 シート状食品
4 棒状食品
5 本体
6 袖部
6a 上辺側フィルム部
6b 下辺側フィルム部
12 引き裂き部
14 帯フィルム
13 ラベル
15 巻き終わりの端部付近の部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外フィルム部(1)と内フィルム部(2)との間にシート状食品(3)を収容し棒状食品(4)に巻き付けるようにした本体(5)と、本体(5)の両端(5a)(5b)間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品(4)の両端部を覆うようにした袖部(6)を有する棒状食品用包装材であって、本体(5)は開封時に一端(5a)側と他端(5b)側に分離されるようにしており、袖部(6)は、本体(5)の上辺と下辺の縁部にそれぞれ設けられる上辺側フィルム部(6a)と下辺側フィルム部(6b)からなり、上辺側フィルム部(6a)と下辺側フィルム部(6b)は、それぞれ分離される本体(5)のいずれか一方の側に接着されていることを特徴とする棒状食品用包装材。
【請求項2】
内フィルム部(2)は、互いの対向辺どうしを重ね合わせて設けられた一端側片(2a)と他端側片(2b)からなり、上辺側フィルム部(6a)と下辺側フィルム部(6b)は、それぞれ内フィルム部(2)の一端側片(2a)と他端側片(2b)のいずれかに接着されている請求項1記載の棒状食品用包装材。
【請求項3】
外フィルム部(1)と内フィルム部(2)との間にシート状食品(3)を収容し棒状食品(4)に巻き付けるようにした本体(5)と、本体(5)の両端(5a)(5b)間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品(4)の両端部を覆うようにした袖部(6)を有する棒状食品用包装材であって、本体(5)は開封時に一端(5a)側と他端(5b)側に分離されるようにしており、袖部(6)は、本体(5)に交差するようにして設けられた帯フィルム(14)の両端部であり、帯フィルム(14)は、分離される外フィルム部(1)のいずれか一方の側に接着されていることを特徴とする棒状食品用包装材。
【請求項4】
棒状食品(4)に巻き付けた本体(5)の巻き終わりの端部を、外フィルム部(1)に設けた引き裂き部(12)の上ないしその付近に重ねてラベル(13)を貼り付けて止めるようにしており、引き裂き部(12)を引き裂くとラベル(13)も引き裂かれ、外フィルム部(1)が一端(5a)側と他端(5b)側に分離されるようにしている請求項1、2又は3記載の棒状食品用包装材。
【請求項5】
本体(5)の巻き終わりの端部付近の部分(15)が、容易に引き裂くことができるものであり、前記部分(15)が外フィルム部(1)に設けた引き裂き部(12)の上に重なるようにして棒状食品(4)に巻き付けた場合に、前記部分(15)が、引き裂き部(12)とともに引き裂かれるようにしている請求項1、2、3又は4記載の棒状食品用包装材。
【請求項1】
外フィルム部(1)と内フィルム部(2)との間にシート状食品(3)を収容し棒状食品(4)に巻き付けるようにした本体(5)と、本体(5)の両端(5a)(5b)間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品(4)の両端部を覆うようにした袖部(6)を有する棒状食品用包装材であって、本体(5)は開封時に一端(5a)側と他端(5b)側に分離されるようにしており、袖部(6)は、本体(5)の上辺と下辺の縁部にそれぞれ設けられる上辺側フィルム部(6a)と下辺側フィルム部(6b)からなり、上辺側フィルム部(6a)と下辺側フィルム部(6b)は、それぞれ分離される本体(5)のいずれか一方の側に接着されていることを特徴とする棒状食品用包装材。
【請求項2】
内フィルム部(2)は、互いの対向辺どうしを重ね合わせて設けられた一端側片(2a)と他端側片(2b)からなり、上辺側フィルム部(6a)と下辺側フィルム部(6b)は、それぞれ内フィルム部(2)の一端側片(2a)と他端側片(2b)のいずれかに接着されている請求項1記載の棒状食品用包装材。
【請求項3】
外フィルム部(1)と内フィルム部(2)との間にシート状食品(3)を収容し棒状食品(4)に巻き付けるようにした本体(5)と、本体(5)の両端(5a)(5b)間の略中央に外方に突出するように設けられ、棒状食品(4)の両端部を覆うようにした袖部(6)を有する棒状食品用包装材であって、本体(5)は開封時に一端(5a)側と他端(5b)側に分離されるようにしており、袖部(6)は、本体(5)に交差するようにして設けられた帯フィルム(14)の両端部であり、帯フィルム(14)は、分離される外フィルム部(1)のいずれか一方の側に接着されていることを特徴とする棒状食品用包装材。
【請求項4】
棒状食品(4)に巻き付けた本体(5)の巻き終わりの端部を、外フィルム部(1)に設けた引き裂き部(12)の上ないしその付近に重ねてラベル(13)を貼り付けて止めるようにしており、引き裂き部(12)を引き裂くとラベル(13)も引き裂かれ、外フィルム部(1)が一端(5a)側と他端(5b)側に分離されるようにしている請求項1、2又は3記載の棒状食品用包装材。
【請求項5】
本体(5)の巻き終わりの端部付近の部分(15)が、容易に引き裂くことができるものであり、前記部分(15)が外フィルム部(1)に設けた引き裂き部(12)の上に重なるようにして棒状食品(4)に巻き付けた場合に、前記部分(15)が、引き裂き部(12)とともに引き裂かれるようにしている請求項1、2、3又は4記載の棒状食品用包装材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−290459(P2006−290459A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67101(P2006−67101)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(506200740)株式会社阪急フーズ (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(506200740)株式会社阪急フーズ (2)
【Fターム(参考)】
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