椅子型マッサージ機
【課題】施療エアバッグを用い、バリエーションに富んだ効果的なマッサージを施すことのできる椅子型マッサージ機を提供する。
【解決手段】被施療者の腰掛ける座部12と、該座部後端に配備された背凭れ部14と、座部前端に配備された脚部16とを具えた椅子型マッサージ機において、座部12、背凭れ部14又は脚部16の少なくとも1つには、施療エアバッグ20,22,24,26を左右2列、前後2列ずつ合計4つ並べて配置し、全ての施療エアバッグに跨るように左右方向又は前後方向に指圧部材28を配備し、1又は複数の施療エアバッグを膨張させることで、指圧部材の位置を変えつつマッサージするようにした。
【解決手段】被施療者の腰掛ける座部12と、該座部後端に配備された背凭れ部14と、座部前端に配備された脚部16とを具えた椅子型マッサージ機において、座部12、背凭れ部14又は脚部16の少なくとも1つには、施療エアバッグ20,22,24,26を左右2列、前後2列ずつ合計4つ並べて配置し、全ての施療エアバッグに跨るように左右方向又は前後方向に指圧部材28を配備し、1又は複数の施療エアバッグを膨張させることで、指圧部材の位置を変えつつマッサージするようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施療エアバッグを用いてバリエーションに富んだマッサージを施すことのできる椅子型マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被施療者の腰掛ける座部に対して揺動可能に支持された背凭れ部の左右に夫々施療エアバッグを配置し、該施療エアバッグによって被施療者の背中をマッサージする椅子型マッサージ機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−272165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
施療エアバッグを膨張、収縮させることで、被施療者の患部に押圧マッサージを施すことができるが、施療エアバッグの膨張、収縮のみではマッサージが単調となる。
また、施療エアバッグに施療指を突設したものもあるが、施療エアバッグの膨張により、施療指は直線方向の突出しかしないため、マッサージが単調となる。
【0005】
本発明の目的は、施療エアバッグを用い、バリエーションに富んだ効果的なマッサージを施すことのできる椅子型マッサージ機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の椅子型マッサージ機は、
被施療者の腰掛ける座部と、該座部後端に配備された背凭れ部と、座部前端に配備された脚部とを具えた椅子型マッサージ機において、
座部、背凭れ部又は脚部の少なくとも1つには、施療エアバッグを左右2列、前後2列ずつ合計4つ並べて配置し、全ての施療エアバッグに跨るように左右方向又は前後方向に指圧部材を配備し、1又は複数の施療エアバッグを膨張させることで、指圧部材の位置を変えつつマッサージするようにした。
【0007】
上記椅子型マッサージ機によれば、施療エアバッグ上に配備された指圧部材は、1又は複数の施療エアバッグを膨張させることにより、前後、左右に転動したり、上方に揺動する。
指圧部材を前後及び/又は左右に転動させることで、指圧部材は、被施療者の患部にさすりマッサージや回転方向のさすりマッサージを施すことができ、上方に揺動させることで、叩きの如きマッサージを施すことができる。
各施療エアバッグの膨張パターンを組み合わせることで、種々のマッサージを施すことができ、施療効果の高いマッサージを提供できる。
【0008】
被施療者の腰掛ける座部と、該座部後端に配備された背凭れ部と、座部前端に配備された脚部とを具えた椅子型マッサージ機において、
座部、背凭れ部又は脚部の少なくとも1つには、左右方向に長い施療エアバッグを配置し、該施療エアバッグの上に複数の棒状の指圧部材を配備した。
【0009】
上記椅子型マッサージ機によれば、棒状の指圧部材を施療エアバッグに複数配置したことで、施療エアバッグを膨張させると、棒状指圧部材が施療エアバッグ上を移動して、棒状指圧部材どうしの間隔が広がる。これにより、被施療者の患部に部分伸ばしの如きマッサージが施され、効果の高いマッサージを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の椅子型マッサージ機(10)の一例を示す斜視図である。
椅子型マッサージ機(10)は、台座フレーム(11)の上部に形成され、被施療者の腰掛ける座部(12)と、該座部(12)の後端に揺動可能に支持された背凭れ部(14)、座部(12)の両側に形成された肘掛け部(13)(13)、座部(12)の前端に揺動可能に支持された脚部(16)とを具える。
肘掛け部(13)には、マッサージ機(10)を操作し、また、マッサージ機(10)の種々の表示を行なう操作器(18)が配備されている。
以下、<実施例1>〜<実施例4>について説明するが、座部(12)、背凭れ部(14)、脚部(16)は布カバーで覆われており、以下説明するエアバッグ、指圧部材、施療指等は隠れていて外観上見えない。
【0011】
<実施例1>
本実施例は、複数の施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)上に跨って指圧部材(28)を配備し、施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)の膨張、収縮を制御することにより、指圧部材(28)を前後、左右に転動させたり、被施療者の患部に向けて突出させる等位置を変えることで、指圧部材(28)によりマッサージを施すものである。
【0012】
施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)は、座部(12)、背凭れ部(14)、又は、脚部(16)の何れか1又は複数に配備することができる。図1では、施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)を脚部(16)に設けている。
施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)は、図1乃至図4に示すように、左右2列、前後2列ずつの合計4つ並べて配置され、各施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)は、図示省略するエアポンプに夫々電磁バルブを介して接続され、夫々独立して膨張、収縮の制御が可能となっている。
【0013】
施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)上には、図1乃至図4に示すように、左右又は前後の列間に全ての施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)に跨るように指圧部材(28)が配備されている。指圧部材(28)は、プラスチック、ウレタン等の樹脂から作製することができ、図に示すような円柱形状や、楕円柱状を例示することができ、指圧部材(28)の表面には、指圧効果を高めるために凹凸を形成することもできる。
指圧部材(28)は、左右両端に弾性部材、例えば、ゴムやバネ(図示せず)を取り付けて、脚部(16)に支持することで、転動や揺動が可能となっている。
【0014】
例えば、右側(椅子型マッサージ機(10)を正面から見て)の施療エアバッグ(20)(24)を同時に膨張させると、図5に示すように、指圧部材(28)は、右側が上方に揺動して突出する。逆に、図6に示すように、左側の施療エアバッグ(22)(26)を同時に膨張させると、指圧部材(28)は、左側が上方に揺動して突出する。この動作を繰り返すことで、被施療者の脚のふくらはぎに叩きの如きマッサージを施すことができる。
これらを背凭れ部(14)や座部(12)に配置した場合には、肩、背中、腰、臀部に叩きの如きマッサージを施すことができる。
【0015】
また、上側の施療バッグ(20)(22)を同時に膨張させると、図7に示すように、指圧部材(28)は、下向きに転動する。逆に、図8に示すように、下側の施療エアバッグ(24)(26)を同時に膨張させると、指圧部材(28)は、上向きに転動する。この動作を繰り返すことで、被施療者の脚のふくらはぎにローリングマッサージの如きさすりマッサージを施すことができる。
これらを背凭れ部(14)や座部(12)に配置した場合には、肩、背中、腰、臀部にローリングマッサージのごときさすりマッサージを施すことができる。
【0016】
さらに、図9及び図10に示すように、対角する施療エアバッグ(20)(26)、又は、施療エアバッグ(22)(24)を同時に膨張させることで、指圧部材を回転方向(矢印で示す)に捻ることができ、被施療者の脚のふくらはぎに回転方向のさすりマッサージを施すことができる。なお、図9及び図10では、膨張している施療エアバッグを実線で表している。
【0017】
<第2実施例>
本実施例は、左右方向に長い施療エアバッグ(30)(32)上に、複数の棒状の指圧部材(34)(34)を配備し、施療エアバッグ(30)(32)の膨張、収縮を制御して、棒状指圧部材(34)の位置を施療エアバッグ(30)(32)上で移動させることで、被施療者の患部を伸ばしマッサージするものである。
【0018】
施療エアバッグ(30)(32)は、座部(12)、背凭れ部(14)、又は、脚部(16)の何れか1又は複数に配備することができる。図11では、施療エアバッグ(30)(32)を脚部(16)に設けている。
施療エアバッグ(30)(32)は、図11及び図12に示すように、前後(図では上下)に並べて配置し、各施療エアバッグ(30)(32)は、図示省略するエアポンプに夫々電磁バルブを介して接続され、夫々独立して膨張、収縮の制御が可能となっている。
【0019】
施療エアバッグ(30)(32)上には、図12に示すように、施療エアバッグ(30)(32)の長手方向に沿って複数の棒状の指圧部材(34)(34)が配備されている。棒状指圧部材(34)(34)は、プラスチック、ウレタン等の樹脂から作製することができ、図に示すような円柱形状や、楕円柱状を例示することができ、棒状指圧部材(34)(34)の表面には、指圧効果を高めるために凹凸を形成することもできる。
棒状指圧部材(34)(34)は、図12に示すように、複数に区画された伸縮性の収納袋(36)に夫々挿入されており、棒状指圧部材(34)(34)のバラツキ等を防止している。
【0020】
上記において、上側の施療エアバッグ(30)を膨張させると、図13に示すように、上側施療エアバッグ(30)上の棒状指圧部材(34)(34)の間隔が広くなりつつ、施療エアバッグ(30)上を移動する。これにより、被施療者のふくらはぎが部分的に伸ばされ、さするようなマッサージが施される。下側の施療エアバッグ(32)を膨張させると、下側施療エアバッグ(32)上の棒状指圧部材(34)(34)の間隔が広がって、同様のさするような伸ばしマッサージが施される。
これらを背凭れ部(14)や座部(12)に配置した場合には、肩、背中、腰、臀部にさするような伸ばしマッサージを施すことができる。
【0021】
なお、施療エアバッグ(30)(32)の個数、方向は上記に限定されるものではなく、図11の施療エアバッグ(30)(32)とは直交する方向、即ち、前後方向に並べてもよい。即ち、請求項2でいう「左右方向に長い施療エアバッグ」とは、前後(配置によっては上下となる)方向に長い施療エアバッグも含んでいる。
【0022】
<実施例3>
本実施例は、施療エアバッグ(40)の膨張、収縮によって出没する施療指(42)(42)(42)(42)を配備し、施療指(42)(42)(42)(42)によって、被施療者の患部をマッサージするようにしたものである。
【0023】
図14及び図15に示す実施例は、背凭れ部(14)に施療エアバッグ(40)を配置し、該施療エアバッグ(40)上に板状部材(44)を載置している。板状部材(44)には、複数の施療指(42)(42)(42)(42)が配備されており、施療指(42)(42)(42)(42)は、夫々バネ(46)(46)(46)(46)を介して、板状部材(44)に連繋されている。
なお、バネ(46)に代えて、ウレタン、ゴム等の弾性部材を用いることも勿論可能である。
【0024】
バネ(46)(46)(46)(46)は、各施療指(42)(42)(42)(42)による押圧強さを変えるために、バネ定数の異なるものを用いることが望ましい。
【0025】
上記において、施療エアバッグ(40)を膨張させると、施療指(42)(42)(42)(42)が患部(被施療者の腰)に当たる。このとき、各施療指(42)(42)(42)(42)のバネ(46)(46)(46)(46)は、バネ定数が異なる結果、バネ定数の強いバネに支持された施療指が最も強く患部を押圧し、バネ定数の弱いバネに支持された施療指との間で押圧力に差を設けることができる。これによって、複数の施療指によりバネ定数の大きなものから順に押圧力が加わるため、さすったようなマッサージを実現することができる。
例えば、図14において、施療指(42)(42)(42)(42)を夫々施療指A、B、C、Dとし、施療指A〜Dを支持するバネ(46)(46)(46)(46)について、施療指Aを支持するバネ(46)のバネ定数を最も大きくし、次いでB、C、Dの順にバネ定数が小さくなるようにしておくと、施療エアバッグ(40)を膨張させたときに、施療指A、B、C、Dの順にさするようなマッサージ(丁度手の平で回転させるようなマッサージ)を実現できる。
【0026】
また、図16に示すように、施療指(42)(42)の内側と外側をバネ(47)(48)を介して夫々板状部材(44)に連繋する構成としてもよい。
この場合、内側のバネ(47)と外側のバネ(48)は、バネ定数が異なるものを用いることが望ましく、より望ましくは、内側のバネ(47)のバネ定数を、外側のバネ(48)のバネ定数よりも大きくする。
施療エアバッグ(40)を膨張させると、施療指(42)(42)が患部に当たる。このとき、バネ(47)(48)のバネ定数が異なるため、真っ直ぐに患部を押圧せず、図17に示すように、バネ定数の小さいバネ側に傾きながら患部を押圧する。外側のバネ(48)のバネ定数を小さくした場合、身体の中心側から外側に患部を引き伸ばすようなさすりマッサージを施すことができ、マッサージ効果を飛躍的に高めることができる。
なお、バネ(47)(48)に代えて、ウレタン、ゴム等の弾性部材を用いることも勿論可能である。
実施例3では、施療指(42)を背凭れ部(14)に配備した例を示しているが、施療指(42)は、座部(12)や脚部(16)に配備してもよい。
【0027】
図18は、上記したさすりマッサージの異なる実施例である。
図18の実施例では、板状部材(44)に直接施療指(42)を配備し、板状部材(44)を背凭れ部(14)に対して、施療エアバッグ(40)とバネ(49)により支持したものである。施療エアバッグ(40)は、内側に配備され、バネ(49)は外側に配備されている。
上記において、施療エアバッグ(40)を膨張させると、図19に示すように、板状部材(44)が外側に傾くため、施療指(42)は、身体の中心側から外側に患部を引き伸ばすようなさすりマッサージを施すことができる。
なお、バネ(49)に代えて、ウレタン、ゴム等の弾性部材を用いることも勿論可能である。
【0028】
<第4実施例>
本実施例では、椅子型マッサージ機(10)の脚部(16)に、複数の施療エアバッグ(50)(52)(54)を一部が重なるように並べて配置し、施療エアバッグ(50)(52)(54)を順次膨張させることで、被施療者の患部に施療エアバッグ(50)(52)(54)によるさすりの如きマッサージを施すものである。
【0029】
図20及び図21に示すように、椅子型マッサージ機(10)の脚部(16)には、複数の施療エアバッグ(50)(52)(54)が配備される。施療エアバッグ(50)(52)(54)は、図21に示すように、一部が重なるように配置され、施療エアバッグ(50)(52)(54)どうしは、エアポンプ(図示せず)に接続された配管(55)と、枝管(56)(56)(56)を介して接続されている。
配管(55)には、枝管(56)(56)(56)間に夫々バルブ(57)(57)が配備されており、該バルブ(57)(57)は、上流側の施療エアバッグ(50)(52)(54)が膨張した状態で開放する強さの弁板が設けられている。配管(55)の最も下流側には、排気用の電磁バルブ(58)が配備されている。
【0030】
施療エアバッグ(50)(52)(54)として、図20では、被施療者の患部に対して、心臓から遠い側の施療エアバッグ(50)が小さく(図22)、心臓に近い側の施療エアバッグ(54)が大きい(図23)ものを用いている。これは、施療エアバッグ(50)(52)(54)が膨張したときに当たる患部の幅(足首側とふくらはぎ側)に合わせたものであり、施療エアバッグ(50)(52)(54)の大きさを変えたことで、施療エアバッグ(50)(52)(54)の膨張、収縮に掛かる応答時間を短くすることができる。
【0031】
上記施療エアバッグ(50)(52)(54)について、排気用電磁バルブ(58)を閉じた状態エアポンプから圧縮空気を送給すると、図24に示すように、上流側の施療エアバッグ(50)が膨張し、被施療者の患部に押圧マッサージを施す。上流側の施療エアバッグ(50)が膨張すると、該施療エアバッグ(50)の下流側にあるバルブ(57)が開放して、隣接する下流側の施療エアバッグ(52)が膨張を開始する。
【0032】
施療エアバッグ(50)(52)(54)は、一部が重なるように配備されているから、膨張した施療エアバッグ(50)は、隣接する下流側の施療エアバッグ(52)が膨張すると、患部側に押し出され、患部を強く押圧する。同時に、下流側の施療エアバッグ(52)により押圧マッサージが施されるため、上記動作が全ての施療エアバッグ(50)(52)(54)に対して順次行なわれると、被施療者の患部には、さすりの如きマッサージが施される。
【0033】
図25に示すように、施療エアバッグ(50)(52)(54)は、全て同じ幅のものを用いることもできる。
【0034】
また、枝管(56)(56)間にバルブを配備せずに、図26に示すように、各施療エアバッグ(50)(52)(54)の上面に、施療エアバッグ(50)(52)(54)の膨張の抵抗となる付勢板(59)(59)(59)を夫々配置することで、施療エアバッグ(50)(52)(54)の膨張の順序を調整することもできる。
【0035】
付勢板(59)(59)(59)は、施療エアバッグ(50)(52)(54)毎に、屈曲抵抗が異なる弾性板を用いることができる。付勢板(59)(59)(59)は、最初に膨張させる施療エアバッグに屈曲抵抗の小さいものを用い、順次屈曲抵抗の大きいものを配備すると、施療エアバッグ(50)(52)(54)の膨張の順序を任意に制御できる。
圧縮空気は、配管(55)から枝管(56)(56)(56)を通じて施療エアバッグ(50)(52)(54)に流入するが、このとき、付勢板(59)(59)(59)の屈曲抵抗を変えたことで、屈曲抵抗の小さい付勢板(59)に付勢されている施療エアバッグ(50)が最初に膨張し、順次、屈曲抵抗の小さい付勢板(59)に付勢されている施療エアバッグ(52)が膨張していく。
付勢板(59)(59)(59)の屈曲抵抗は、被施療者の心臓から遠い位置にある施療エアバッグ(50)ほど小さくすることが望ましく、これにより、上記と同様のマッサージ効果を得ることができる。
なお、付属板(59)(59)(59)の屈曲抵抗は、材質や大きさ(長さ、幅、厚さ)を変えることで適宜調整可能である。
【0036】
これらを背凭れ部(14)や座部(12)に配置した場合には、肩、背中、腰、臀部に叩きの如きさすりマッサージを施すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、施療エアバッグを用い、バリエーションに富んだ効果的なマッサージを施すことのできる椅子型マッサージ機として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施例を示す椅子型マッサージ機の斜視図である。
【図2】第1実施例の施療エアバッグ及び指圧部材の正面図である。
【図3】第1実施例の施療エアバッグ及び指圧部材の平面図である。
【図4】第1実施例の施療エアバッグ及び指圧部材の側面図である。
【図5】右側の施療エアバッグを膨張させた状態を示す平面図である。
【図6】左側の施療エアバッグを膨張させた状態を示す平面図である。
【図7】上側の施療エアバッグを膨張させた状態を示す側面図である。
【図8】下側の施療エアバッグを膨張させた状態を示す側面図である。
【図9】対角する施療エアバッグを膨張させた状態を示す平面図である。
【図10】図9とは異なる対角する施療エアバッグを膨張させた状態を示す平面図である。
【図11】本発明の第2実施例を示す椅子型マッサージ機の斜視図である。
【図12】第2実施例の施療エアバッグ及び棒状指圧部材の側面図である。
【図13】上側の施療エアバッグを膨張させた状態を示す側面図である。
【図14】本発明の第3実施例を示す椅子型マッサージ機の斜視図である。
【図15】第3実施例の施療エアバッグ及び施療指を示す平面図である。
【図16】バネ定数の異なるバネにより施療指を連繋した施療エアバッグの平面図である。
【図17】図16において、施療エアバッグを膨張させた状態を示す平面図である。
【図18】施療エアバッグとバネにより支持した施療指の平面図である。
【図19】図18において、施療エアバッグを膨張させた状態を示す平面図である。
【図20】本発明の第4実施例を示す椅子型マッサージ機の斜視図である。
【図21】第4実施例の椅子型マッサージ機の施療エアバッグの側面図であって、ホースの一部を断面して示している。 第4実施例の施療エアバッグの配列を示す側面図である。
【図22】最も下側の施療エアバッグの正面図である。
【図23】最も上側の施療エアバッグの正面図である。
【図24】最も下側の施療エアバッグを膨張させた状態を示す側面図であって、ホースの一部を断面して示している。
【図25】第4実施例の異なる実施例を示す椅子型マッサージ機の斜視図である。
【図26】第4実施例のさらに異なる実施例を示す施療エアバッグの側面図である。
【符号の説明】
【0039】
(10) 椅子型マッサージ機
(12) 座部
(14) 背凭れ部
(16) 脚部
(20) 施療エアバッグ
(22) 施療エアバッグ
(24) 施療エアバッグ
(26) 施療エアバッグ
(28) 指圧部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、施療エアバッグを用いてバリエーションに富んだマッサージを施すことのできる椅子型マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被施療者の腰掛ける座部に対して揺動可能に支持された背凭れ部の左右に夫々施療エアバッグを配置し、該施療エアバッグによって被施療者の背中をマッサージする椅子型マッサージ機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−272165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
施療エアバッグを膨張、収縮させることで、被施療者の患部に押圧マッサージを施すことができるが、施療エアバッグの膨張、収縮のみではマッサージが単調となる。
また、施療エアバッグに施療指を突設したものもあるが、施療エアバッグの膨張により、施療指は直線方向の突出しかしないため、マッサージが単調となる。
【0005】
本発明の目的は、施療エアバッグを用い、バリエーションに富んだ効果的なマッサージを施すことのできる椅子型マッサージ機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の椅子型マッサージ機は、
被施療者の腰掛ける座部と、該座部後端に配備された背凭れ部と、座部前端に配備された脚部とを具えた椅子型マッサージ機において、
座部、背凭れ部又は脚部の少なくとも1つには、施療エアバッグを左右2列、前後2列ずつ合計4つ並べて配置し、全ての施療エアバッグに跨るように左右方向又は前後方向に指圧部材を配備し、1又は複数の施療エアバッグを膨張させることで、指圧部材の位置を変えつつマッサージするようにした。
【0007】
上記椅子型マッサージ機によれば、施療エアバッグ上に配備された指圧部材は、1又は複数の施療エアバッグを膨張させることにより、前後、左右に転動したり、上方に揺動する。
指圧部材を前後及び/又は左右に転動させることで、指圧部材は、被施療者の患部にさすりマッサージや回転方向のさすりマッサージを施すことができ、上方に揺動させることで、叩きの如きマッサージを施すことができる。
各施療エアバッグの膨張パターンを組み合わせることで、種々のマッサージを施すことができ、施療効果の高いマッサージを提供できる。
【0008】
被施療者の腰掛ける座部と、該座部後端に配備された背凭れ部と、座部前端に配備された脚部とを具えた椅子型マッサージ機において、
座部、背凭れ部又は脚部の少なくとも1つには、左右方向に長い施療エアバッグを配置し、該施療エアバッグの上に複数の棒状の指圧部材を配備した。
【0009】
上記椅子型マッサージ機によれば、棒状の指圧部材を施療エアバッグに複数配置したことで、施療エアバッグを膨張させると、棒状指圧部材が施療エアバッグ上を移動して、棒状指圧部材どうしの間隔が広がる。これにより、被施療者の患部に部分伸ばしの如きマッサージが施され、効果の高いマッサージを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の椅子型マッサージ機(10)の一例を示す斜視図である。
椅子型マッサージ機(10)は、台座フレーム(11)の上部に形成され、被施療者の腰掛ける座部(12)と、該座部(12)の後端に揺動可能に支持された背凭れ部(14)、座部(12)の両側に形成された肘掛け部(13)(13)、座部(12)の前端に揺動可能に支持された脚部(16)とを具える。
肘掛け部(13)には、マッサージ機(10)を操作し、また、マッサージ機(10)の種々の表示を行なう操作器(18)が配備されている。
以下、<実施例1>〜<実施例4>について説明するが、座部(12)、背凭れ部(14)、脚部(16)は布カバーで覆われており、以下説明するエアバッグ、指圧部材、施療指等は隠れていて外観上見えない。
【0011】
<実施例1>
本実施例は、複数の施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)上に跨って指圧部材(28)を配備し、施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)の膨張、収縮を制御することにより、指圧部材(28)を前後、左右に転動させたり、被施療者の患部に向けて突出させる等位置を変えることで、指圧部材(28)によりマッサージを施すものである。
【0012】
施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)は、座部(12)、背凭れ部(14)、又は、脚部(16)の何れか1又は複数に配備することができる。図1では、施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)を脚部(16)に設けている。
施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)は、図1乃至図4に示すように、左右2列、前後2列ずつの合計4つ並べて配置され、各施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)は、図示省略するエアポンプに夫々電磁バルブを介して接続され、夫々独立して膨張、収縮の制御が可能となっている。
【0013】
施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)上には、図1乃至図4に示すように、左右又は前後の列間に全ての施療エアバッグ(20)(22)(24)(26)に跨るように指圧部材(28)が配備されている。指圧部材(28)は、プラスチック、ウレタン等の樹脂から作製することができ、図に示すような円柱形状や、楕円柱状を例示することができ、指圧部材(28)の表面には、指圧効果を高めるために凹凸を形成することもできる。
指圧部材(28)は、左右両端に弾性部材、例えば、ゴムやバネ(図示せず)を取り付けて、脚部(16)に支持することで、転動や揺動が可能となっている。
【0014】
例えば、右側(椅子型マッサージ機(10)を正面から見て)の施療エアバッグ(20)(24)を同時に膨張させると、図5に示すように、指圧部材(28)は、右側が上方に揺動して突出する。逆に、図6に示すように、左側の施療エアバッグ(22)(26)を同時に膨張させると、指圧部材(28)は、左側が上方に揺動して突出する。この動作を繰り返すことで、被施療者の脚のふくらはぎに叩きの如きマッサージを施すことができる。
これらを背凭れ部(14)や座部(12)に配置した場合には、肩、背中、腰、臀部に叩きの如きマッサージを施すことができる。
【0015】
また、上側の施療バッグ(20)(22)を同時に膨張させると、図7に示すように、指圧部材(28)は、下向きに転動する。逆に、図8に示すように、下側の施療エアバッグ(24)(26)を同時に膨張させると、指圧部材(28)は、上向きに転動する。この動作を繰り返すことで、被施療者の脚のふくらはぎにローリングマッサージの如きさすりマッサージを施すことができる。
これらを背凭れ部(14)や座部(12)に配置した場合には、肩、背中、腰、臀部にローリングマッサージのごときさすりマッサージを施すことができる。
【0016】
さらに、図9及び図10に示すように、対角する施療エアバッグ(20)(26)、又は、施療エアバッグ(22)(24)を同時に膨張させることで、指圧部材を回転方向(矢印で示す)に捻ることができ、被施療者の脚のふくらはぎに回転方向のさすりマッサージを施すことができる。なお、図9及び図10では、膨張している施療エアバッグを実線で表している。
【0017】
<第2実施例>
本実施例は、左右方向に長い施療エアバッグ(30)(32)上に、複数の棒状の指圧部材(34)(34)を配備し、施療エアバッグ(30)(32)の膨張、収縮を制御して、棒状指圧部材(34)の位置を施療エアバッグ(30)(32)上で移動させることで、被施療者の患部を伸ばしマッサージするものである。
【0018】
施療エアバッグ(30)(32)は、座部(12)、背凭れ部(14)、又は、脚部(16)の何れか1又は複数に配備することができる。図11では、施療エアバッグ(30)(32)を脚部(16)に設けている。
施療エアバッグ(30)(32)は、図11及び図12に示すように、前後(図では上下)に並べて配置し、各施療エアバッグ(30)(32)は、図示省略するエアポンプに夫々電磁バルブを介して接続され、夫々独立して膨張、収縮の制御が可能となっている。
【0019】
施療エアバッグ(30)(32)上には、図12に示すように、施療エアバッグ(30)(32)の長手方向に沿って複数の棒状の指圧部材(34)(34)が配備されている。棒状指圧部材(34)(34)は、プラスチック、ウレタン等の樹脂から作製することができ、図に示すような円柱形状や、楕円柱状を例示することができ、棒状指圧部材(34)(34)の表面には、指圧効果を高めるために凹凸を形成することもできる。
棒状指圧部材(34)(34)は、図12に示すように、複数に区画された伸縮性の収納袋(36)に夫々挿入されており、棒状指圧部材(34)(34)のバラツキ等を防止している。
【0020】
上記において、上側の施療エアバッグ(30)を膨張させると、図13に示すように、上側施療エアバッグ(30)上の棒状指圧部材(34)(34)の間隔が広くなりつつ、施療エアバッグ(30)上を移動する。これにより、被施療者のふくらはぎが部分的に伸ばされ、さするようなマッサージが施される。下側の施療エアバッグ(32)を膨張させると、下側施療エアバッグ(32)上の棒状指圧部材(34)(34)の間隔が広がって、同様のさするような伸ばしマッサージが施される。
これらを背凭れ部(14)や座部(12)に配置した場合には、肩、背中、腰、臀部にさするような伸ばしマッサージを施すことができる。
【0021】
なお、施療エアバッグ(30)(32)の個数、方向は上記に限定されるものではなく、図11の施療エアバッグ(30)(32)とは直交する方向、即ち、前後方向に並べてもよい。即ち、請求項2でいう「左右方向に長い施療エアバッグ」とは、前後(配置によっては上下となる)方向に長い施療エアバッグも含んでいる。
【0022】
<実施例3>
本実施例は、施療エアバッグ(40)の膨張、収縮によって出没する施療指(42)(42)(42)(42)を配備し、施療指(42)(42)(42)(42)によって、被施療者の患部をマッサージするようにしたものである。
【0023】
図14及び図15に示す実施例は、背凭れ部(14)に施療エアバッグ(40)を配置し、該施療エアバッグ(40)上に板状部材(44)を載置している。板状部材(44)には、複数の施療指(42)(42)(42)(42)が配備されており、施療指(42)(42)(42)(42)は、夫々バネ(46)(46)(46)(46)を介して、板状部材(44)に連繋されている。
なお、バネ(46)に代えて、ウレタン、ゴム等の弾性部材を用いることも勿論可能である。
【0024】
バネ(46)(46)(46)(46)は、各施療指(42)(42)(42)(42)による押圧強さを変えるために、バネ定数の異なるものを用いることが望ましい。
【0025】
上記において、施療エアバッグ(40)を膨張させると、施療指(42)(42)(42)(42)が患部(被施療者の腰)に当たる。このとき、各施療指(42)(42)(42)(42)のバネ(46)(46)(46)(46)は、バネ定数が異なる結果、バネ定数の強いバネに支持された施療指が最も強く患部を押圧し、バネ定数の弱いバネに支持された施療指との間で押圧力に差を設けることができる。これによって、複数の施療指によりバネ定数の大きなものから順に押圧力が加わるため、さすったようなマッサージを実現することができる。
例えば、図14において、施療指(42)(42)(42)(42)を夫々施療指A、B、C、Dとし、施療指A〜Dを支持するバネ(46)(46)(46)(46)について、施療指Aを支持するバネ(46)のバネ定数を最も大きくし、次いでB、C、Dの順にバネ定数が小さくなるようにしておくと、施療エアバッグ(40)を膨張させたときに、施療指A、B、C、Dの順にさするようなマッサージ(丁度手の平で回転させるようなマッサージ)を実現できる。
【0026】
また、図16に示すように、施療指(42)(42)の内側と外側をバネ(47)(48)を介して夫々板状部材(44)に連繋する構成としてもよい。
この場合、内側のバネ(47)と外側のバネ(48)は、バネ定数が異なるものを用いることが望ましく、より望ましくは、内側のバネ(47)のバネ定数を、外側のバネ(48)のバネ定数よりも大きくする。
施療エアバッグ(40)を膨張させると、施療指(42)(42)が患部に当たる。このとき、バネ(47)(48)のバネ定数が異なるため、真っ直ぐに患部を押圧せず、図17に示すように、バネ定数の小さいバネ側に傾きながら患部を押圧する。外側のバネ(48)のバネ定数を小さくした場合、身体の中心側から外側に患部を引き伸ばすようなさすりマッサージを施すことができ、マッサージ効果を飛躍的に高めることができる。
なお、バネ(47)(48)に代えて、ウレタン、ゴム等の弾性部材を用いることも勿論可能である。
実施例3では、施療指(42)を背凭れ部(14)に配備した例を示しているが、施療指(42)は、座部(12)や脚部(16)に配備してもよい。
【0027】
図18は、上記したさすりマッサージの異なる実施例である。
図18の実施例では、板状部材(44)に直接施療指(42)を配備し、板状部材(44)を背凭れ部(14)に対して、施療エアバッグ(40)とバネ(49)により支持したものである。施療エアバッグ(40)は、内側に配備され、バネ(49)は外側に配備されている。
上記において、施療エアバッグ(40)を膨張させると、図19に示すように、板状部材(44)が外側に傾くため、施療指(42)は、身体の中心側から外側に患部を引き伸ばすようなさすりマッサージを施すことができる。
なお、バネ(49)に代えて、ウレタン、ゴム等の弾性部材を用いることも勿論可能である。
【0028】
<第4実施例>
本実施例では、椅子型マッサージ機(10)の脚部(16)に、複数の施療エアバッグ(50)(52)(54)を一部が重なるように並べて配置し、施療エアバッグ(50)(52)(54)を順次膨張させることで、被施療者の患部に施療エアバッグ(50)(52)(54)によるさすりの如きマッサージを施すものである。
【0029】
図20及び図21に示すように、椅子型マッサージ機(10)の脚部(16)には、複数の施療エアバッグ(50)(52)(54)が配備される。施療エアバッグ(50)(52)(54)は、図21に示すように、一部が重なるように配置され、施療エアバッグ(50)(52)(54)どうしは、エアポンプ(図示せず)に接続された配管(55)と、枝管(56)(56)(56)を介して接続されている。
配管(55)には、枝管(56)(56)(56)間に夫々バルブ(57)(57)が配備されており、該バルブ(57)(57)は、上流側の施療エアバッグ(50)(52)(54)が膨張した状態で開放する強さの弁板が設けられている。配管(55)の最も下流側には、排気用の電磁バルブ(58)が配備されている。
【0030】
施療エアバッグ(50)(52)(54)として、図20では、被施療者の患部に対して、心臓から遠い側の施療エアバッグ(50)が小さく(図22)、心臓に近い側の施療エアバッグ(54)が大きい(図23)ものを用いている。これは、施療エアバッグ(50)(52)(54)が膨張したときに当たる患部の幅(足首側とふくらはぎ側)に合わせたものであり、施療エアバッグ(50)(52)(54)の大きさを変えたことで、施療エアバッグ(50)(52)(54)の膨張、収縮に掛かる応答時間を短くすることができる。
【0031】
上記施療エアバッグ(50)(52)(54)について、排気用電磁バルブ(58)を閉じた状態エアポンプから圧縮空気を送給すると、図24に示すように、上流側の施療エアバッグ(50)が膨張し、被施療者の患部に押圧マッサージを施す。上流側の施療エアバッグ(50)が膨張すると、該施療エアバッグ(50)の下流側にあるバルブ(57)が開放して、隣接する下流側の施療エアバッグ(52)が膨張を開始する。
【0032】
施療エアバッグ(50)(52)(54)は、一部が重なるように配備されているから、膨張した施療エアバッグ(50)は、隣接する下流側の施療エアバッグ(52)が膨張すると、患部側に押し出され、患部を強く押圧する。同時に、下流側の施療エアバッグ(52)により押圧マッサージが施されるため、上記動作が全ての施療エアバッグ(50)(52)(54)に対して順次行なわれると、被施療者の患部には、さすりの如きマッサージが施される。
【0033】
図25に示すように、施療エアバッグ(50)(52)(54)は、全て同じ幅のものを用いることもできる。
【0034】
また、枝管(56)(56)間にバルブを配備せずに、図26に示すように、各施療エアバッグ(50)(52)(54)の上面に、施療エアバッグ(50)(52)(54)の膨張の抵抗となる付勢板(59)(59)(59)を夫々配置することで、施療エアバッグ(50)(52)(54)の膨張の順序を調整することもできる。
【0035】
付勢板(59)(59)(59)は、施療エアバッグ(50)(52)(54)毎に、屈曲抵抗が異なる弾性板を用いることができる。付勢板(59)(59)(59)は、最初に膨張させる施療エアバッグに屈曲抵抗の小さいものを用い、順次屈曲抵抗の大きいものを配備すると、施療エアバッグ(50)(52)(54)の膨張の順序を任意に制御できる。
圧縮空気は、配管(55)から枝管(56)(56)(56)を通じて施療エアバッグ(50)(52)(54)に流入するが、このとき、付勢板(59)(59)(59)の屈曲抵抗を変えたことで、屈曲抵抗の小さい付勢板(59)に付勢されている施療エアバッグ(50)が最初に膨張し、順次、屈曲抵抗の小さい付勢板(59)に付勢されている施療エアバッグ(52)が膨張していく。
付勢板(59)(59)(59)の屈曲抵抗は、被施療者の心臓から遠い位置にある施療エアバッグ(50)ほど小さくすることが望ましく、これにより、上記と同様のマッサージ効果を得ることができる。
なお、付属板(59)(59)(59)の屈曲抵抗は、材質や大きさ(長さ、幅、厚さ)を変えることで適宜調整可能である。
【0036】
これらを背凭れ部(14)や座部(12)に配置した場合には、肩、背中、腰、臀部に叩きの如きさすりマッサージを施すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、施療エアバッグを用い、バリエーションに富んだ効果的なマッサージを施すことのできる椅子型マッサージ機として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施例を示す椅子型マッサージ機の斜視図である。
【図2】第1実施例の施療エアバッグ及び指圧部材の正面図である。
【図3】第1実施例の施療エアバッグ及び指圧部材の平面図である。
【図4】第1実施例の施療エアバッグ及び指圧部材の側面図である。
【図5】右側の施療エアバッグを膨張させた状態を示す平面図である。
【図6】左側の施療エアバッグを膨張させた状態を示す平面図である。
【図7】上側の施療エアバッグを膨張させた状態を示す側面図である。
【図8】下側の施療エアバッグを膨張させた状態を示す側面図である。
【図9】対角する施療エアバッグを膨張させた状態を示す平面図である。
【図10】図9とは異なる対角する施療エアバッグを膨張させた状態を示す平面図である。
【図11】本発明の第2実施例を示す椅子型マッサージ機の斜視図である。
【図12】第2実施例の施療エアバッグ及び棒状指圧部材の側面図である。
【図13】上側の施療エアバッグを膨張させた状態を示す側面図である。
【図14】本発明の第3実施例を示す椅子型マッサージ機の斜視図である。
【図15】第3実施例の施療エアバッグ及び施療指を示す平面図である。
【図16】バネ定数の異なるバネにより施療指を連繋した施療エアバッグの平面図である。
【図17】図16において、施療エアバッグを膨張させた状態を示す平面図である。
【図18】施療エアバッグとバネにより支持した施療指の平面図である。
【図19】図18において、施療エアバッグを膨張させた状態を示す平面図である。
【図20】本発明の第4実施例を示す椅子型マッサージ機の斜視図である。
【図21】第4実施例の椅子型マッサージ機の施療エアバッグの側面図であって、ホースの一部を断面して示している。 第4実施例の施療エアバッグの配列を示す側面図である。
【図22】最も下側の施療エアバッグの正面図である。
【図23】最も上側の施療エアバッグの正面図である。
【図24】最も下側の施療エアバッグを膨張させた状態を示す側面図であって、ホースの一部を断面して示している。
【図25】第4実施例の異なる実施例を示す椅子型マッサージ機の斜視図である。
【図26】第4実施例のさらに異なる実施例を示す施療エアバッグの側面図である。
【符号の説明】
【0039】
(10) 椅子型マッサージ機
(12) 座部
(14) 背凭れ部
(16) 脚部
(20) 施療エアバッグ
(22) 施療エアバッグ
(24) 施療エアバッグ
(26) 施療エアバッグ
(28) 指圧部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の腰掛ける座部と、該座部後端に配備された背凭れ部と、座部前端に配備された脚部とを具えた椅子型マッサージ機において、
座部、背凭れ部又は脚部の少なくとも1つには、施療エアバッグを左右2列、前後2列ずつ合計4つ並べて配置し、全ての施療エアバッグに跨るように左右方向又は前後方向に指圧部材を配備し、1又は複数の施療エアバッグを膨張させることで、指圧部材の位置を変えつつマッサージするようにしたことを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項2】
被施療者の腰掛ける座部と、該座部後端に配備された背凭れ部と、座部前端に配備された脚部とを具えた椅子型マッサージ機において、
座部、背凭れ部又は脚部の少なくとも1つには、左右方向に長い施療エアバッグを配置し、該施療エアバッグの上に複数の棒状の指圧部材を配備したことを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項3】
施療エアバッグは、前後方向に複数並べて配置される請求項2に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項4】
被施療者の腰掛ける座部と、該座部後端に配備された背凭れ部とを具えた椅子型マッサージ機において、
背凭れ部には、左右方向に長い施療エアバッグを配置し、該施療エアバッグには、板状部材が配備され、該板状部材には、中心に対して左右に離間した位置に夫々1又は複数の施療指を配置したことを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項5】
施療指は、バネを介して板状部材に連繋されている請求項4に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項6】
各施療指は、バネ定数の異なるバネにより板状部材に連繋されている請求項5に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項7】
施療指は、夫々内側と外側に配備されたバネを介して板状部材に連繋されている請求項4に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項8】
内側のバネは、外側のバネに比してバネ定数が大きい請求項7に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項9】
被施療者の腰掛ける座部と、該座部後端に配備された背凭れ部とを具えた椅子型マッサージ機において、
背凭れ部には、左右の夫々施療エアバッグを具え、各施療エアバッグの外側には、バネが立設されており、該バネには、内側に向けて延び、施療エアバッグに被さるように板状部材が連繋され、該板状部材の上面には、施療指が突設されていることを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項1】
被施療者の腰掛ける座部と、該座部後端に配備された背凭れ部と、座部前端に配備された脚部とを具えた椅子型マッサージ機において、
座部、背凭れ部又は脚部の少なくとも1つには、施療エアバッグを左右2列、前後2列ずつ合計4つ並べて配置し、全ての施療エアバッグに跨るように左右方向又は前後方向に指圧部材を配備し、1又は複数の施療エアバッグを膨張させることで、指圧部材の位置を変えつつマッサージするようにしたことを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項2】
被施療者の腰掛ける座部と、該座部後端に配備された背凭れ部と、座部前端に配備された脚部とを具えた椅子型マッサージ機において、
座部、背凭れ部又は脚部の少なくとも1つには、左右方向に長い施療エアバッグを配置し、該施療エアバッグの上に複数の棒状の指圧部材を配備したことを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項3】
施療エアバッグは、前後方向に複数並べて配置される請求項2に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項4】
被施療者の腰掛ける座部と、該座部後端に配備された背凭れ部とを具えた椅子型マッサージ機において、
背凭れ部には、左右方向に長い施療エアバッグを配置し、該施療エアバッグには、板状部材が配備され、該板状部材には、中心に対して左右に離間した位置に夫々1又は複数の施療指を配置したことを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項5】
施療指は、バネを介して板状部材に連繋されている請求項4に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項6】
各施療指は、バネ定数の異なるバネにより板状部材に連繋されている請求項5に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項7】
施療指は、夫々内側と外側に配備されたバネを介して板状部材に連繋されている請求項4に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項8】
内側のバネは、外側のバネに比してバネ定数が大きい請求項7に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項9】
被施療者の腰掛ける座部と、該座部後端に配備された背凭れ部とを具えた椅子型マッサージ機において、
背凭れ部には、左右の夫々施療エアバッグを具え、各施療エアバッグの外側には、バネが立設されており、該バネには、内側に向けて延び、施療エアバッグに被さるように板状部材が連繋され、該板状部材の上面には、施療指が突設されていることを特徴とする椅子型マッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2008−237817(P2008−237817A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−86506(P2007−86506)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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