説明

椅子

【課題】高齢者や身体弱者等の座った状態からの立上りを補助するための構造が簡単であり、扱いやすい椅子を提供する。
【解決手段】座部7と背部8とを有する椅子本体9と、基台6と、基台6に対して椅子本体9を昇降案内するための四節リンク機構10と、椅子本体9を昇降させる伸縮アクチュエータ70と、を備える。また、四節リンク機構10は、枢支4点のうち1点14の位置を、手動変換手段60にて切換自在に構成されている。また、平行四節リンク状態と変節リンク状態に切換えて、変節リンク状態では、椅子本体9の上昇に伴って椅子本体9を前傾姿勢に傾動させるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の椅子は、床面に載置される基台と、この基台の後方部位から立設されたレール部材付きの大型の鉛直枠と、から成る固定基枠を備え、この固定基枠の大型の鉛直枠のレール部材に沿って、昇降自在に座部と背部とを有する椅子本体が設けられている(特許文献1参照)。
また、従来の椅子では、モータとスクリューシャフト・ナット機構によって椅子本体が昇降駆動されていた。そして、従来の椅子は、座部が水平状のままで上昇することは当然としても、筋力の弱い高齢者や身体弱者等の立上り動作を補助するため、上昇に伴って前傾姿勢となるように、複雑なベルト及び複数の滑車から成る切換え手段を備えていた。
【特許文献1】特開平7−67920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1のような従来の椅子の場合、大型の鉛直枠を必要とし、かつ、ベルトと滑車から成る切換え手段の構造が複雑であって、サイズが大きなものであった。また、重量も重く、持ち運びが不便であった。
そこで、本発明は、高齢者や身体弱者等の座った状態からの立上りを補助するための構造が簡単であり、扱いやすい椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明に係る椅子は、座部と背部とを有する椅子本体と、基台と、該基台に対して該椅子本体を昇降案内するための四節リンク機構と、該椅子本体を昇降させる伸縮アクチュエータと、を備え、上記四節リンク機構は、枢支4点のうち1点の位置を、手動変換手段にて切換自在に構成され、平行四節リンク状態と変節リンク状態に切換えて、該変節リンク状態では、上記椅子本体の上昇に伴って該椅子本体を前傾姿勢に傾動させるように構成したものである。
【0005】
また、上記四節リンク機構は、左右一対の上リンク及び下リンクと、上記基台の左右に立設されると共に該上リンク及び該下リンクの一端部を支持するリンク支持部と、を有し、上記手動変換手段は、各上記リンク支持部に形成された縦長孔と、各該リンク支持部に枢結される切換アーム部材と、該縦長孔内に上下動自在に配設されるピンと、を有し、上記下リンクの上記一端部と、上記切換アーム部材の一端部とは、上記ピンにて枢結され、かつ、該ピンの軸心点を、位置が切換え自在な上記1点とした。
また、上記手動変換手段は、各上記リンク支持部に形成されたコの字状のガイド溝と、各該リンク支持部の該ガイド溝に通されると共に端部が上記切換アーム部材に枢結される横長門形の切換杆と、を有する。
【0006】
また、上記手動変換手段は、上記切換杆を上記コの字状のガイド溝の端部側に弾発付勢する弾発部材を有する。
また、一対の上記切換アーム部材の上記他端部同士は、補強把持棒にて連結されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係る椅子は、平行四節リンク状態では、使用者の所望の高さ位置まで椅子本体を上昇(若しくは下降)させて、テーブルを使用しての食事やテレビ観覧等を容易に行うことができる。
また、変節リンク状態では、椅子本体を、上昇するのに伴って前傾姿勢に傾動させることにより、筋力の弱い高齢者や身体弱者等の立上り動作を補助することができる。
特に、従来の椅子と比較して、大型の鉛直枠(基枠)を省略でき、かつ、昇降案内・駆動する機構を巧妙に活用して、高齢者や身体弱者等の立上りを補助するための構造の著しい簡略を図っている。また、重量も軽くでき、持ち運びしやすいものにできる。さらに、大型の鉛直枠(基枠)が存在しないので、壁面に十分接近させて使用でき、省スペース性に優れる。
【0008】
また、四節リンク機構を平行四節リンク状態若しくは変節リンク状態に切換えるための構造が簡単である。
また、切換杆をコの字状のガイド溝の端部に移動させるだけで、確実に切換えを行うことができる。また、手動切換えの際の把持領域が大きく、切換え操作を容易に行うことができ、高齢者や身体弱者等の身体が不自由な人でも操作しやすい。
また、弾発部材の引っ張り力により、切換杆を、コの字状ガイド溝の端部に確実に係止させることができ、誤作動を防ぐことができる。
また、補強把持棒によって、一対の切換アーム部材の他端部を確実に所定間隔に保持できると共に、切換アーム部材を確実に一体状に揺動させ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
図1〜図3に於て、本発明の実施の一形態に係る椅子は、座部7と背部8とを有する椅子本体9と、基台6と、基台6に対して椅子本体9を昇降案内するための四節リンク機構10と、椅子本体9を昇降させる単数個の伸縮アクチュエータ70と、を備えている。
【0010】
基台6は、左右一対の側杆部45,45と側杆部45同士を連結する前後杆部43,43とを有して平面視略矩形状に形成され、4隅の下面には、床面Gと接する脚部材が取付けられている。
また、基台6の左右の側杆部45,45には、四節リンク機構10の後端部を支持するリンク支持部39,39が立設されている。また、基台6の後部の左右略中央部には、伸縮アクチュエータ70の後端部72を枢支する枢支部46(図2では図示省略)が配設されている。
アクチュエータ70は、その先端部71が前方上傾方向へ向きつつ揺動自在となるように、枢支部46に枢支されている。
【0011】
椅子本体9は、下部に、リンク収納部50を有しており、このリンク収納部50の上側に座部7と背部8を設けるようにしている。
リンク収納部50は、下方開口状であり、椅子本体9が最下位置にある基本状態に於て、四節リンク機構10全体を内部に収納するようになっている。
リンク収納部50は、左右一対の側壁部51,51を有し、リンク収納部50は、側壁部51,51の間隔寸法が基台6の側杆部45,45の間隔寸法と略等しくなるように設定されると共に、基本状態に於て側杆部45,45の上面45a,45a側に載置されるようになっている。各側壁部51の形状は、前後方向に細長略矩形状であり、かつ、各側壁部51の上縁部が、前方向へ僅かに上傾状である。これにより、椅子本体9の座部7が側壁部51,51の上縁部に載置され、かつ、基本状態では、座部7が僅かに前方上傾状となる。座部7が前方上傾状であることにより、座った人が滑り落ちにくくなると共に、座り心地も良好となっている。
また、リンク収納部50は、側壁部51,51の内面の前側上端部同士を連結する横杆部53を、有している。伸縮アクチュエータ70の先端部71は、この横杆部53に枢着されている。
【0012】
ここで、四節リンク機構10は、枢支4点のうち1点14の位置を、手動変換手段60にて切換自在に構成されている。この四節リンク機構10は、平行四節リンク状態と変節リンク状態に切換えられるようになっている。そして、変節リンク状態では、椅子本体9の上昇に伴って椅子本体9を前傾姿勢に傾動させるように構成されている。
【0013】
より具体的に説明すると、四節リンク機構10は、左右一対の上リンク11及び下リンク12と、上リンク11及び下リンク12の一端部(後端部)11b,12bを支持する上記リンク支持部39,39と、を有している。
上リンク11・下リンク12の他端部(前端部)11a,12aは、リンク収納部50の各側壁部51の内面の前寄り位置に、上下離間した位置で、ピン部材により枢着されている。
各リンク支持部39は、基台6の側杆部45の上面45aの後部に立設されてリンクの後端を支持する支持部材40と、支持部材40の上部に後方突出状に固設される板片62と、を有している。
【0014】
各支持部材40は、小間隔をもって側杆部45の上面45aに立設された左右一対の略矩形状鉛直壁部41,41を、有し、鉛直壁部41,41の前寄りの下部には、縦長孔42,42が形成されている。
また、鉛直壁部41,41の上縁部は、帯板状の上壁部36にて連結され、後縁部が帯板状の後壁部37にて連結されている。また、後壁部37には、切換アーム部材61の挿通用開口部38が切欠形成されている。
そして、鉛直壁部41,41間で縦長孔42の上方位置には、上リンク11の一端部11bがピン(ボルト)で枢支されている。また、鉛直壁部41,41間であって縦長孔42,42に対応する位置には、下リンク12の一端部12bが配設されている。
【0015】
手動変換手段60について説明すると、この手動変換手段60は、各リンク支持部39の支持部材40に形成された上記縦長孔42と、各リンク支持部39に枢結される切換アーム部材61と、縦長孔42内に上下動自在に配設されるピン48と、を有している。また、手動変換手段60は、各リンク支持部39の板片62に打抜き形成されたコの字状のガイド溝63と、端部が切換アーム部材61の他端部(後端部)61bに枢結される横長門形の切換杆64と、を有している。(なお、図示省略したが、切換杆64の端部を、切換アーム部材61の上記一端部61a側に枢結しても良い。)
切換アーム部材61は、略帯板状であり、鉛直壁部41に枢結部材(ピン)47で揺動自在に枢結されると共に他端部61bが鉛直壁部41から後方へ突出している。
ピン48は、下リンク12の一端部(後端部)12bと、切換アーム部材61の一端部(前端部)61aとを枢結している。そして、このピン48の軸心点を、位置が切換え自在な1点14としている。つまり、下リンク12の一端部12bと切換アーム部材61の一端部61aは、ピン48により、縦長孔42,42に沿って移動自在となっている。
切換杆64は、各リンク支持部39の板片62のガイド溝63に通された後で端部が直角状に折曲げられさらに直角状に折曲げられて切換アーム部材61の他端部61bと枢結されている。
【0016】
また、手動変換手段60は、切換杆64をコの字状のガイド溝63の端部側に弾発付勢する弾発部材67を有している。この弾発部材67は、切換杆64と板片62とを連結する縮みバネであり、弾発部材67の引っ張り力により、切換杆64が、板片62のコの字状ガイド溝63の上側、下側の端部に押しつけられるようになっている。
また、一対の切換アーム部材61,61の他端部61b同士は、補強把持棒65にて連結されている。
【0017】
上述した構成により、切換杆64を板片62,62のガイド溝63,63内の下側へ係止させた状態では、切換アーム部材61は前方上傾状となり、ピン48が縦長孔42の上方位置となる。この場合、上下リンク11,12が、平行四節リンク状態となる(図1,図3の実線の状態参照)。
一方、切換杆64をガイド溝63の上側へ移動させて係止させると、切換アーム部材61がピン47廻りに揺動して、切換アーム部材61は前方下傾状となり、ピン48が縦長孔42の下方位置となる。そして、上下リンク11,12が、非平行状となって変節リンク状態となる(図3の二点鎖線の状態,図5参照)。
【0018】
次に、図1,図3,図4,図5を参照して、本発明の椅子の使用方法・作用について説明する。
まず、図1に於て、椅子本体9は最下位置にある基本状態である。
また、手動切換手段60に於ては、切換杆64が切換用板片62のガイド溝63の下側端部に係止されて、四節リンク機構10が、平行四節リンク状態となっている。
この状態から図示省略のリモコンを操作して、伸縮アクチュエータ70を伸長作動させると、基台6上から椅子本体9が押し上げられる。この際、四節リンク機構10の上下リンク11,12により、椅子本体9は略鉛直方向に上昇する。
そして、図4に示すように、椅子本体9が一定の高さまで上昇すると、伸縮アクチュエータ70に内蔵されたリミッタ機能によりアクチュエータ70の伸長作動が自動的にストップして、椅子本体9の上昇がストップする。このとき、四節リンク機構10が平行四節リンク状態なので、上昇した椅子本体9の座部7は、略水平状(若しくは僅かに前方上傾状)である。
そして、反対に、伸縮アクチュエータ70を短縮作動すれば、椅子本体9が略鉛直方向に下降する。そして、図1のように、椅子本体9のリンク収納部50が基台6上に下降したら、伸縮アクチュエータ70の作動を止めて、基本姿勢状態で使用できる。
このように、椅子本体9は、略鉛直方向に昇降するので、背部8が後方に突出状となることがなく、椅子は、壁に接近させて使用可能なゼロウォールタイプである。
【0019】
次に、椅子本体9を上昇させる前に、手動変換手段60の切換杆64を、図3の矢印A方向に切換えれば、切換えアーム部材61が図3の矢印B方向に揺動し、切換えアーム部材61がが前方下傾状となる。そして、四節リンク機構10が変節リンク状態に切換わる(図3の二点鎖線で示した状態)。そして、伸縮アクチュエータ70を伸長作動させると、椅子本体9は次第に前傾状に変化し、図5に示すような前傾状態になる。即ち、座部7が前方下傾状になると共に背部8が前方上傾状になる。
【0020】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、本実施形態では、四節リンク機構10の下リンク12の一端部(後端部)12bの位置を切換えることにより、平行四節リンク状態と変節リンク状態に切換え自在に構成したが、本発明はこれに限らず、四節リンク機構の上リンクの一端部の位置を切換えることにより、平行四節リンク状態と変節リンク状態に切換え自在に構成してもよい。また、椅子本体9に於て、背部8を後方へ所望角度だけ傾動自在な機構を付加するも自由である。
【0021】
以上のように、本発明に係る椅子は、座部7と背部8とを有する椅子本体9と、基台6と、基台6に対して椅子本体9を昇降案内するための四節リンク機構10と、椅子本体9を昇降させる伸縮アクチュエータ70と、を備え、四節リンク機構10は、枢支4点のうち1点14の位置を、手動変換手段60にて切換自在に構成され、平行四節リンク状態と変節リンク状態に切換えて、変節リンク状態では、椅子本体9の上昇に伴って椅子本体9を前傾姿勢に傾動させるように構成したので、(単数個の)伸縮アクチュエータ70の作動にて、平行四節リンク状態では、椅子本体9を略鉛直方向に昇降させることができる。そして、使用者の所望の高さ位置まで椅子本体9を上昇(若しくは下降)させて、テーブルを使用しての食事やテレビ観覧等を容易に行うことができる。
【0022】
また、(単数個の)伸縮アクチュエータ70の作動にて、変節リンク状態では、椅子本体9を単に昇降させるだけでなく前傾姿勢に傾動させることができる。そして、椅子本体9を、上昇するのに伴って前傾姿勢に傾動させることにより、筋力の弱い高齢者や身体弱者等の立上り動作を補助することができる。
また、平行四節リンク状態と変節リンク状態に切換自在な四節リンク機構10によって、ベルト及び複数の滑車から成る切換え手段にて座部を前傾させていた従来の椅子と比較して、大型の鉛直枠(基枠)を省略でき、かつ、昇降案内・駆動する機構を巧妙に活用して、高齢者や身体弱者等の立上りを補助するための構造の著しい簡略を図っている。また、重量も軽くでき、持ち運びしやすいものにできる。さらに、大型の鉛直枠(基枠)が存在しないので壁面に十分接近できて省スペース性に優れる。かつ、椅子本体9の後方に、従来のような鉛直枠(基枠)が存在しないので、座部7に対して背部8を後方へ傾動させる機構を付加することが可能となる。
【0023】
また、四節リンク機構10は、左右一対の上リンク11及び下リンク12と、基台6の左右に立設されると共に上リンク11及び下リンク12の一端部(後端部)11b,12bを支持するリンク支持部39,39と、を有し、手動変換手段60は、各リンク支持部39に形成された縦長孔42と、各リンク支持部39に枢結される切換アーム部材61と、縦長孔42内に上下動自在に配設されるピン48と、を有し、下リンク12の一端部(後端部)12bと、切換アーム部材61の一端部(前端部)61aとは、ピン48にて枢結され、かつ、ピン48の軸心点を、位置が切換え自在な1点14としたので、切換アーム部材61を揺動させると四節リンク機構10の枢支4点のうちの1点14の位置を容易に切換えることができ、四節リンク機構10を平行四節リンク状態若しくは変節リンク状態に切換えるための構造が簡単である。しかも、1点14の位置を安定してかつ確実に切換えることができる。
【0024】
また、手動変換手段60は、各リンク支持部39に形成されたコの字状のガイド溝63と、各リンク支持部39のガイド溝63に通されると共に端部が切換アーム部材61に枢結される横長門形の切換杆64と、を有するので、切換杆64をコの字状のガイド溝63の(上下の)端部に移動させるだけで、確実に切換えを行うことができる。また、基台6の左右に立設されたリンク支持部39,39間に切換杆64が配設されることとなるので、手動切換えの際の把持領域が大きく、切換え操作を容易に行うことができる。また、高齢者や身体弱者等の身体が不自由な人でも操作しやすい。
【0025】
また、手動変換手段60は、切換杆64をコの字状のガイド溝63の端部側に弾発付勢する弾発部材67を有するので、弾発部材67の引っ張り力により、切換杆64を、コの字状ガイド溝63の(上下の)端部に確実に係止させることができ、誤作動を防ぐことができる。
【0026】
また、一対の切換アーム部材61,61の他端部61b同士は、補強把持棒65にて連結されているので、切換杆64を上下に移動させる(切換える)際に、補強把持棒65によって、一対の切換アーム部材61,61の他端部61b,61bを確実に所定間隔に保持できると共に、切換アーム部材61,61を確実に一体状に揺動させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る椅子の実施の一形態を示す一部断面側面図である。
【図2】要部斜視図である。
【図3】説明用要部側面図である。
【図4】平行四節リンク状態を示す側面図である。
【図5】変節リンク状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0028】
6 基台
7 座部
8 背部
9 椅子本体
10 四節リンク機構
11 上リンク
11b 一端部
12 下リンク
12b 一端部
14 1点
39 リンク支持部
42 縦長孔
48 ピン
60 手動変換手段
61 切換アーム部材
61a 一端部
61b 他端部
63 ガイド溝
64 切換杆
65 補強把持棒
67 弾発部材
70 伸縮アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部(7)と背部(8)とを有する椅子本体(9)と、基台(6)と、該基台(6)に対して該椅子本体(9)を昇降案内するための四節リンク機構(10)と、該椅子本体(9)を昇降させる伸縮アクチュエータ(70)と、を備え、
上記四節リンク機構(10)は、枢支4点のうち1点(14)の位置を、手動変換手段(60)にて切換自在に構成され、平行四節リンク状態と変節リンク状態に切換えて、該変節リンク状態では、上記椅子本体(9)の上昇に伴って該椅子本体(9)を前傾姿勢に傾動させるように構成したことを特徴とする椅子。
【請求項2】
上記四節リンク機構(10)は、左右一対の上リンク(11)及び下リンク(12)と、上記基台(6)の左右に立設されると共に該上リンク(11)及び該下リンク(12)の一端部(11b)(12b)を支持するリンク支持部(39)(39)と、を有し、
上記手動変換手段(60)は、各上記リンク支持部(39)に形成された縦長孔(42)と、各該リンク支持部(39)に枢結される切換アーム部材(61)と、該縦長孔(42)内に上下動自在に配設されるピン(48)と、を有し、上記下リンク(12)の上記一端部(12b)と、上記切換アーム部材(61)の一端部(61a)とは、上記ピン(48)にて枢結され、かつ、該ピン(48)の軸心点を、位置が切換え自在な上記1点(14)とした請求項1記載の椅子。
【請求項3】
上記手動変換手段(60)は、各上記リンク支持部(39)に形成されたコの字状のガイド溝(63)と、各該リンク支持部(39)の該ガイド溝(63)に通されると共に端部が上記切換アーム部材(61)に枢結される横長門形の切換杆(64)と、を有する請求項2記載の椅子。
【請求項4】
上記手動変換手段(60)は、上記切換杆(64)を上記コの字状のガイド溝(63)の端部側に弾発付勢する弾発部材(67)を有する請求項3記載の椅子。
【請求項5】
一対の上記切換アーム部材(61)(61)の上記他端部(61b)同士は、補強把持棒(65) にて連結されている請求項3又は4記載の椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−159843(P2007−159843A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−360478(P2005−360478)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(000130293)株式会社コムラ製作所 (14)
【Fターム(参考)】