説明

植物源由来のヒト皮脂模倣物質およびその製造方法

ヒト皮脂模倣物質およびヒト皮脂模倣物質の製造方法を提供する。1つの例示的実施形態では、ヒト皮脂模倣物質は、パルミトレイン酸を含む精製植物油と精製ホホバ油とのエステル交換により得られるワックスエステル、フィトステロール、およびフィトスクワレンを含む。ヒト皮脂模倣物質の製造方法は、精製マカダミア油と精製ホホバ油とを混合する工程、精製マカダミア油と精製ホホバ油とをエステル交換する工程、エステル交換工程の後にフィトステロールを添加する工程、およびエステル交換工程の後にフィトスクワレンを添加する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、米国仮特許出願第61/254909号(2009年10月26日出願)および米国仮特許出願第61/363564号(2010年7月12日出願)の利益を主張する、米国非仮(Non-Provisional)特許出願第12/911,150号(2010年10月25日出願)の利益を主張し、これらは全て参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、一般に、パーソナルケア組成物およびその製造方法に関し、より詳細には、植物源由来のヒト皮脂模倣物質(mimetics)およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトの皮脂は、実質的に皮膚表面全体(手のひらおよび足裏を除く)に見られるが主に頭皮、顔、胸部、および背中に見られる皮脂腺によって分泌される。皮脂は、表皮構造の形成および表皮透過性バリアの維持、皮膚表面への抗酸化物質の輸送、微生物コロニー形成からの皮膚の保護、体臭の発生、およびフェロモンの産生に関与する。
【0004】
分泌時、ヒトの皮脂はトリグリセリド、ワックスエステル、ステロールエステル、コレステロール、コレステロールエステル、およびスクワレンの複雑な混合物である。皮脂が分泌されると、主にトリグリセリドとワックスエステルからなっているが、これらは共生微生物によってジグリセリド、モノグリセリド、および構成成分である遊離脂肪酸に分解される。ヒトの皮脂の脂肪酸鎖長は非常に様々であるが、ステアリン酸(炭素数18で二重結合を有していない(以下、C18:0と表す))、オレイン酸(C18:1、9番目の炭素に二重結合を1個有する(以下、C18:1Δ9と表す))、リノール酸(C18:2Δ9Δ12)、パルミチン酸(C16:0)、およびサピエン酸(16:1Δ6)の場合のように、主に炭素数16および18である。
【0005】
ヒトの皮脂が失われる原因は、入浴、天候条件、化学製品、および栄養不良などの様々な環境要因、ならびに遺伝的性質であると思われる。例えば、アフリカ系アメリカ人の頭皮には生来の皮脂欠乏が認められる。皮脂が失われると、皮膚に痒み、フケ、皺、およびオムツかぶれ等が生じることがある。さらに、毛髪を保湿するのに十分な量の皮脂がないと毛髪が脆くなり、乾燥することもある。皮脂の欠乏によって起こる柔軟性の回復を目的とした様々な製品が存在するが、これらの製品の多くは、合成成分、または動物由来の成分を含有し、ヒトの皮脂の構造および組成を模倣していない。この点に関して、これらの製品はヒトの皮脂ほど容易に皮膚に吸収されない。さらに、これらの製品は、貯蔵寿命が短い不安定な成分から製造されることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、ヒト皮脂模倣物質を提供することが望ましい。さらに、植物源から製造されるヒト皮脂模倣物質を提供することが望ましい。また、ヒト皮脂模倣物質の製造方法を提供することも望ましい。さらに、以下の発明の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を、添付の図面および発明の背景と併せて考慮することにより、本発明の他の望ましい特徴および特性が明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ヒト皮脂模倣物質およびヒト皮脂模倣物質の製造方法を提供する。1つの例示的実施形態では、ヒト皮脂模倣物質は、パルミトレイン酸を含む精製植物油と精製ホホバ油とのエステル交換により得られるワックスエステル、フィトステロール、およびフィトスクワレンを含む。
【0008】
別の例示的実施形態では、ヒト皮脂模倣物質の製造方法は、精製マカダミア油(macadamia oil)と精製ホホバ油とを混合する工程、精製マカダミア油と精製ホホバ油とをエステル交換する工程、エステル交換工程の後にフィトステロールを添加する工程、およびエステル交換工程の後にフィトスクワレンを添加する工程を含む。
【0009】
別の例示的実施形態では、ヒト皮脂模倣物質は、植物源由来の二重結合を1個有する炭素数16の脂肪酸を含むワックスエステル、フィトステロール、およびフィトスクワレンを含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明は、本来、例示の目的で記載するに過ぎず、本発明または本出願および本発明の使用を限定することを目的とするものではない。さらに、前述の発明の背景または以下の詳細な説明に記載されるいかなる理論にも拘束されることを目的とするものではない。
【0011】
本明細書で企図する様々な実施形態は、ヒトの皮脂を模倣する組成物に関する。ヒトの皮脂の概略組成は、以下(単位:重量%(wt.%))を含む(Pierre Agache,"Sebaceous Physiology,"Measuring The Skin, Springer-Verlog, 2004, pp.271-280から引用)。
【0012】
スクワレン 12重量%
ワックスエステル 26重量%
グリセリドおよび遊離脂肪酸 57.5重量%
ステロール(遊離型およびエステル型) 4.5重量%
本明細書で企図するヒト皮脂模倣物質は植物をベースとし、即ち、模倣物質の成分は植物源から物理的にまたは化学的に得られる。この点に関して、模倣物質は、フィトスクワレン、フィトステロール、模倣物質のトリグリセリド源であるマカダミア油などの精製植物油、および模倣物質のワックスエステル源である精製ホホバ油から得られるため、植物由来のヒト皮脂類似体である。本明細書で使用する場合、「精製油」という用語は、苛性剤(caustic agents)を使用し、洗浄、遠心分離して、遊離脂肪酸、炭水化物、金属、およびタンパク質などの望ましくない成分が除去された粗製の油を意味する。一実施形態では、ヒト皮脂模倣物質は、全模倣物質の約5重量%〜約20重量%の量のフィトスクワレン、全模倣物質の約20重量%〜約35重量%の量の精製ホホバ油、全模倣物質の約45重量%〜約65重量%の量の精製マカダミア油、および全模倣物質の約0.5重量%〜約10重量%の量のフィトステロールから得られる。好ましい実施形態では、ヒト皮脂模倣物質は、全模倣物質の約11重量%〜約15重量%の量のフィトスクワレン、全模倣物質の約29重量%〜約33重量%の量の精製ホホバ油、全模倣物質の約51重量%〜約55重量%の量の精製マカダミア油、および全模倣物質の約1重量%〜約5重量%の量のフィトステロールから得られる。より好ましい実施形態では、ヒト皮脂模倣物質は、次の組成物(単位:重量%)から得られる。
【0013】
フィトスクワレン 12.9重量%
精製ホホバ油 30.8重量%
精製マカダミア油 53.2重量%
フィトステロール 3.1重量%
ヒトの皮脂は、脂肪酸の中でも、パルミチン酸(16:0)、サピエン酸(16:1Δ6)、およびオレイン酸(C18:1Δ9)を特に高濃度で含有する。同じように、本明細書で企図するヒト皮脂模倣物質も、マカダミア油自体がパルミチン酸約8.8重量%とオレイン酸約58重量%を含むため、高濃度のパルミチン酸とオレイン酸を含む。一実施形態では、ヒト皮脂模倣物質はパルミチン酸を約1重量%〜約10重量%、好ましい実施形態ではパルミチン酸を約3重量%〜約7重量%、より好ましい実施形態ではパルミチン酸を約4.8重量%含む。別の実施形態では、ヒト皮脂模倣物質はオレイン酸を約25重量%〜約35重量%、好ましい実施形態ではオレイン酸を約30重量%〜約34重量%、より好ましい実施形態ではオレイン酸を約31.6重量%含む。
【0014】
しかし、サピエン酸は哺乳類の中でも特有のものである。サピエン酸の類似体であるパルミトレイン酸(16:1Δ9)はサピエン酸の代替品である。パルミトレイン酸は植物界ではかなり稀少であるが、マカダミア油は、現在市販されている油の中でパルミトレイン酸含有量が最も高く、パルミトレイン酸を約16〜22%含有する。従って、本発明らは、ヒト皮脂模倣物質の精製マカダミア油と精製ホホバ油とをエステル交換することにより、パルミトレイン酸を含むワックスエステルが得られることを見出した。マカダミア油が好ましいが、他の種子油はパルミトレイン酸を10%より多く含有し、精製ホホバ油とエステル交換して、パルミトレイン酸を含むワックスエステルを生成してもよい。これらの種の属としては、ヤハズカズラ(Thunbergia)、ノウゼンカズラ(Doxantha)、チリアヤメ(Alophia)、ハルシャギク(Roureopsis)、テロペア(Telopea)、およびトウワタ(Asclepias)が含まれる。
【0015】
一実施形態では、ヒト皮脂模倣物質は、全模倣組成物の約5重量%〜約15重量%の量のパルミトレイン酸を含む。好ましい実施形態では、ヒト皮脂模倣物質は、全模倣組成物の約8〜約12重量%の量のパルミトレイン酸を含み、より好ましい実施形態では、ヒト皮脂模倣物質は、全模倣組成物の約9.7重量%の量のパルミトレイン酸を含む。最も好ましい実施形態では、ヒト皮脂模倣物質は、次の脂肪酸および脂肪アルコール(単位:重量%)を含む。
【表1】

【0016】

別の例示的実施形態では、本明細書で企図するヒト皮脂模倣物質は、他の機能性添加剤、即ち、特定の機能を果たすように添加される成分を含む。例えば、ヒト皮脂模倣物質はトコフェロールを含んでもよい。一実施形態では、ヒト皮脂模倣物質は、70%トコフェロールを約100ppm〜約2000ppm、好ましくは約1430ppm含む。ヒト皮脂模倣物質は、香料、色素、顔料、防腐剤、酸化防止剤、および保湿剤等を含んでもよい。別の例として、ヒト皮脂模倣物質は、International Flora Technologies,Ltd.(Chandler,Arizona)から入手可能なFLORAESTERS 20(FE-20)などの皮膚軟化剤(emollients)または増粘剤を含んでもよい。FLORAESTERS 20を使用して、模倣物質の粘度および/またはバルク融点/滴点を上昇させる、ヒトの皮脂のワックスエステル特性により似るように複製する等してもよい。
【0017】
あるいは、またはさらに、ヒト皮脂模倣物質をヘアケアローション、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアジェル、ヘアオイル、ヘアカラー、ヘアリラクサー、ハンドローション、顔用ローション、アイクリーム、洗顔石鹸、ボディーローションおよびクリーム、ボディスクラブ、シェービングジェル、ヘアリムーバー、および清拭用ワイプ(sanitary wipe)などの様々なパーソナルケア製品の成分として使用してもよい。それらの組成は、ヒトの皮脂の組成に非常に類似しているため、ヒト皮脂模倣物質はヒトの皮膚の自然治癒および修復機構を促進し、細胞のターンオーバー(turnover)や局所血液循環を速め、それによって皺、眼の下のくま、および加齢による染みといった外観を減少し得る。ヒト皮脂模倣物質は、また、自然治癒により頭皮の刺激を低減し、皮膚の水和を改善し得る。ヒト皮脂模倣物質は、ヒトに適用する以外にも使用することができ、動物に使用したり、果物や野菜を新鮮に保つために使用することができる。
【0018】
本明細書で企図するヒト皮脂模倣物質は、その安定性のため、失われたヒトの皮脂の代替品として特に適している。油安定性は、American Oil Chemists' Society's Official Method Cd 12b-92に準拠して110℃で測定される。一実施形態では、本明細書で企図するヒト皮脂模倣物質の油安定性指数は、110℃で50時間より大きい。この点に関して、模倣物質は耐酸化性がかなり高く、パーソナルケア製品として、およびパーソナルケア製品において望ましい貯蔵寿命を有する。
【0019】
1つの例示的実施形態により、ヒト皮脂模倣物質の製造方法は、精製マカダミア油と精製ホホバ油とを混合する工程、精製マカダミア油と精製ホホバ油とをエステル交換して、二重結合を1個有する炭素数16の脂肪酸を含むワックスエステルを生成する工程、フィトステロールを添加する工程、およびフィトスクワレンを添加する工程を含む。エステル交換工程の前および/またはエステル交換工程の後に、精製マカダミア油及び精製ホホバ油にフィトステロールを添加することができる。次いで、得られるヒト皮脂模倣物質を漂白および/または脱臭することができる。
【0020】
1つの例示的実施形態では、精製マカダミア油53.2グラム(g)、精製ホホバ油30.8g、およびフィトステロール2.1gの混合物を混合し、減圧下で撹拌しながら90℃に加熱する。約0.5時間後、混合物にナトリウムメトキシド0.84gを添加し、温度を130℃に上昇させ、その温度で約2時間〜約2.5時間維持する。その後、混合物を90℃に冷却し、クエン酸0.84gを0.5時間撹拌しながら添加する。その後、混合物を濾過する。濾液にフィトステロール1gおよびフィトスクワレン12.9gを添加し、それを均質になるまで混合し、模倣物質を得る。1重量%の漂白土(bleaching earth)(Clarion 470漂白粘土、American Colloid Company(Arlington Heights,Ill)から入手可能)を模倣物質に添加した後、それを減圧下で撹拌しながら95℃に加熱し、15〜30分間維持してもよい。混合物を濾過する。臭気および他の揮発性物質を除去するため、模倣物質に水蒸気を注入しながら、模倣物質を高減圧下で200〜220℃に加熱してもよい。その温度を約2時間維持した後、減圧状態のまま冷却する。好ましい実施形態では、模倣物質にトコフェロール(70%)を1430ppm添加し、混合する。この時、他の任意の添加剤を添加してもよい。
【実施例】
【0021】
以下は、前述のように製造されるヒト皮脂模倣物質を含むパーソナルケア製品の例示的実施形態であり、各成分はパーソナルケア製品の重量/重量%で記載する。実施例は、説明の目的で記載するに過ぎず、決してヒト皮脂模倣物質の様々な実施形態を限定することを意味するものではない。
【0022】
実施例1は、保湿機能、光沢付与機能、保持機能、および切れ毛防止(anti-breaking)機能を含む複数の機能を提供するヘアコンディショニングローションである。
【0023】
実施例1
【表2】

【0024】

実施例1のヘアコンディショニングローションは、撹拌しながら水を45℃に加熱し、中速でプロペラ撹拌しながらポリクオタニウム37を添加することにより、製造される。透明なゲルが生成するまで溶液を混合する。ゲルに相Aの残りの成分を記載の順に添加する。相Bの成分を45℃で加え合わせる。次いで、相Aの成分に相Bの成分の混合物を高速でプロペラ撹拌しながら添加する。相AおよびBの成分を60℃に加熱し、中速でプロペラ撹拌しながら相Cの成分を添加する。相Dの全成分を60℃で混合し、中速でプロペラ撹拌しながら相ABC混合物に添加する。得られる配合物を氷水浴で急冷する。次いで、相Eの香料を添加する。
【0025】
実施例2は、保湿機能、光沢付与機能、保持機能、および切れ毛防止機能を含む複数の機能を提供する別のヘアコンディショニングローションである。
【0026】
実施例2
【表3】

【0027】

実施例2のヘアコンディショニングローションは、実施例1について前述したのと同じ方法を使用して製造する。
【0028】
従って、ヒト皮脂模倣物質およびその製造方法を提供した。ヒト皮脂模倣物質は、フィトスクワレン、フィトステロール、精製ホホバ油、およびパルミトレイン酸を含むマカダミア油などの精製植物油から生成される。ヒトの皮脂は、その脂肪酸の中でも、パルミチン酸(16:0)、サピエン酸(16:1Δ6)、およびオレイン酸(C18:1Δ9)を特に高濃度で含有する。同じように、本明細書で企図するヒト皮脂模倣物質も高濃度のパルミチン酸とオレイン酸を含む。一実施形態では、ヒト皮脂模倣物質はパルミチン酸を約1重量%〜約10重量%、およびオレイン酸を約25重量%〜約35重量%含む。しかし、サピエン酸は哺乳類の中でも特有のものであり、自然界では稀にしか見られない。本発明らは、ヒト皮脂模倣物質の精製マカダミア油と精製ホホバ油とをエステル交換することにより、サピエン酸の代替品であるパルミトレイン酸を含むワックスエステルが得られることを見出した。一実施形態では、ヒト皮脂模倣物質は、全模倣組成物の約5重量%〜約15重量%の量のパルミトレイン酸を含む。
【0029】
前述の発明の詳細な説明で少なくとも1つの例示的実施形態を示したが、数多くの変更態様が存在することを理解すべきである。また、1つまたは複数の例示的実施形態は例に過ぎず、本発明の範囲、用途、または構成を限定することを目的とするものではないことも理解すべきである。むしろ、前述の詳細な説明は、本発明の例示的実施形態を実施するのに好都合なロードマップを当業者に示すものである。添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、例示的実施形態に記載の要素の機能および配置に様々な変更をなしてもよいことを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製ホホバ油と、パルミトレイン酸を含む精製植物油と、のエステル交換により得られるワックスエステル、
フィトステロール、および
フィトスクワレン、
を含む、ヒト皮脂模倣物質。
【請求項2】
前記パルミトレイン酸を含む精製植物油が、パルミトレイン酸を10重量%より多く含む、請求項1に記載のヒト皮脂模倣物質。
【請求項3】
前記精製植物油が、精製マカダミア油である、請求項1に記載のヒト皮脂模倣物質。
【請求項4】
さらにパルミチン酸を約1重量%〜約10重量%含む、請求項1に記載のヒト皮脂模倣物質。
【請求項5】
さらにパルミチン酸を約3重量%〜約7重量%含む、請求項4に記載のヒト皮脂模倣物質。
【請求項6】
さらにオレイン酸を約25重量%〜約35重量%含む、請求項1に記載のヒト皮脂模倣物質。
【請求項7】
さらにオレイン酸を約30重量%〜約34重量%含む、請求項6に記載のヒト皮脂模倣物質。
【請求項8】
さらにパルミトレイン酸を約5重量%〜約15重量%含む、請求項1に記載のヒト皮脂模倣物質。
【請求項9】
さらにパルミトレイン酸を約8重量%〜約12重量%含む、請求項8に記載のヒト皮脂模倣物質。
【請求項10】
油安定性指数が110℃で50時間より大きい、請求項1に記載のヒト皮脂模倣物質。
【請求項11】
さらに機能性添加剤を含む、請求項1に記載のヒト皮脂模倣物質。
【請求項12】
前記ヒト皮脂模倣物質が、ヒトまたは動物の皮膚または毛髪のケアに適合するパーソナルケア製品の成分である、請求項1に記載のヒト皮脂模倣物質。
【請求項13】
ヒト皮脂模倣物質の製造方法であって、
精製マカダミア油と精製ホホバ油を混合する工程、
前記精製マカダミア油と前記精製ホホバ油をエステル交換する工程、
前記エステル交換工程の後にフィトステロールを添加する工程、および
前記エステル交換工程の後にフィトスクワレンを添加する工程、
を含む方法。
【請求項14】
前記混合工程が、前記ヒト皮脂模倣物質の約45重量%〜約65重量%の量の精製マカダミア油を前記精製ホホバ油と混合することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記混合工程が、前記ヒト皮脂模倣物質の約51重量%〜約55重量%の量の精製マカダミア油を前記精製ホホバ油と混合することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記混合工程が、前記ヒト皮脂模倣物質の約20重量%〜約35重量%の量の精製ホホバ油を前記精製マカダミア油と混合することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記混合工程が、前記ヒト皮脂模倣物質の約29重量%〜約33重量%の量の精製ホホバ油を前記精製マカダミア油と混合することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記フィトステロールを添加する工程が、前記ヒト皮脂模倣物質の約0.5重量%〜約10重量%の量の前記フィトステロールを添加することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記フィトステロールを添加する工程が、前記ヒト皮脂模倣物質の約1重量%〜約5重量%の量の前記フィトステロールを添加することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記フィトスクワレンを添加する工程が、前記ヒト皮脂模倣物質の約5重量%〜約20重量%の量の前記フィトスクワレンを添加することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記フィトスクワレンを添加する工程が、前記ヒト皮脂模倣物質の約11重量%〜約15重量%の量の前記フィトスクワレンを添加することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記エステル交換工程の後にトコフェロールを添加する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記エステル交換工程の後に機能性添加剤を添加する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
前記エステル交換工程の前に、前記精製マカダミア油、前記精製ホホバ油、または前記精製マカダミア油と前記精製ホホバ油との混合物に追加のフィトステロールを添加する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
前記フィトスクワレンを添加する工程および前記フィトステロールを添加する工程の後、前記ヒト皮脂模倣物質を漂白する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項26】
前記フィトスクワレンを添加する工程および前記フィトステロールを添加する工程の後、前記ヒト皮脂模倣物質を脱臭する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項27】
植物源由来の二重結合を1個有する炭素数16の脂肪酸を含むワックスエステル、
フィトステロール、および
フィトスクワレン、
を含む、ヒト皮脂模倣物質。
【請求項28】
前記脂肪酸がパルミトレイン酸を含む、請求項27に記載のヒト皮脂模倣物質。

【公表番号】特表2013−508419(P2013−508419A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535450(P2012−535450)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/054028
【国際公開番号】WO2011/056535
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(500176311)インターナショナル フローラ テクノロジーズ,リミテッド (15)
【Fターム(参考)】