説明

植物繁殖材料を処理するための液体組成物

本発明は、少なくとも1種の殺真菌剤と少なくも1種の殺虫剤を含んで成る速乾燥性液体組成物を含む。さらに本発明は、塊茎を含む植物繁殖材料、特に切断された種子を害虫に対して処理するための方法、切断された種子におけるコルク質化を促進するための方法、切断された種子における液体殺虫剤の乾燥時間を短縮するための方法、及び切断された種子の皮面上に殺虫剤を選択的に添加するための方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物繁殖材料を処理して、有用作物への害虫の侵入を防除するための液体組成物及び方法に関する。より詳細には本発明は、植物繁殖材料に有効量の速乾燥性液体組成物を施用することを含んで成る、昆虫及び真菌に対して作物を保護するための方法に関する。さらに本発明は、前記液体組成物によって処理された植物繁殖材料及び切断された植物繁殖材料におけるコルク質化を促進するための方法に関する。また本発明は液体組成物によって処理された植物繁殖材料の乾燥時間を速めるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
種子処理は、多くのタイプの害虫を制御するために多種多様な作物において用いられる。種子処理は一般に土壌の病気及び昆虫を防除することによって、一律の木立の確立を確実するために用いられる。浸透的な種子処理は、伝統的な葉用殺真菌剤の散布スプレーまたはある特定の初期段階の空気伝染病及び昆虫用の殺虫剤の選択肢を提供し得る。
【0003】
多くの種子処理材料は、農場で使用するために利用され得る。いくつかはホッパーボックス(hopper-box)またはプランターボックス(planter-box)処理として公知であり、ここでは液体製剤または乾燥製剤が移送の貯蔵所または運搬車からプランターボックスへとオージェ(auger)を通過するように種子に施用される。これらの製剤は、植付け前のバルク種子権(bulk seed right)の上での種子処理に施用するために非常に便利な方法である。しかしながらいくらかの種子は、後の植付けのために処理されて貯蔵される。慣用的な乾燥処理は、一般に処理剤を種子に付着させるタルクまたはグラファイトと共に製剤化される。液体種子処理は、貯蔵の間の真菌の成長といった湿気に関連した問題の発達のせいであまり一般的ではない。良好な種子被覆率(Good seed coverage)は、任意の種子処理製剤からの最大限の利益に必要とされる。
【0004】
しかしながら種子処理を試みる際に完璧な種子被覆率を得ることは困難である。例えば乾燥製剤は、労働者に殺真菌性の活性成分及び殺虫剤の活性成分への許容できない暴露を供し得る。乾燥製剤の吸入の増加した危険性に加え、それはしばしば十分な種子被覆を得るために大量の乾燥製剤を使用することを必要とする。所定の液体製剤は、粒子径または粘性が一定に保たれないように、貯蔵の際に不均質になり得る。更なる問題点は、許容できない乾燥時間、種子処理装置中の材料の増量、低い種子流動性、不十分な種子被覆、及び活性成分の植付け前の種子からのダストオフ等を生じ得ることである。結果として取り扱いは困難となり、且つ種子処理の生物学的な有効性は減少する。
【0005】
これらの問題点は、特に所定のタイプの種子において顕著である。例えば全体でも切断されてでも植え付け可能な塊茎及び球根は、種子処理の間には特別な注意を要求する。ジャガイモ等の塊茎の場合、ジャガイモ苗木の切断部分は、ジャガイモ表面が曝されるので細菌感染及び真菌感染に対し特に損傷を受けやすい。ジャガイモの塊茎は、取り扱いの際に容易に皮が剥がれ、切れ目がつき、またへこみがつき、植物成長に影響を及ぼし得る種子損傷を引き起こす。この損傷の受け易さのために液体浸漬処理では創傷治癒またはコルク質化が阻害され得るので、一般に切断された種子には粉剤が好適である。さらに液体処理では、切断と植え付けの間の真菌の生育と細菌の拡散を防ぐのに十分な早さで乾燥しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当業界では乾燥が速く、且つ切断された種子及び他の損傷を受けやすい植物繁殖材料と共に使用するための特に効果的である代替的な新規の液体殺虫組成物の必要性が存在する。より詳細には、当業界では処理される植物繁殖材料の創傷治癒またはコルク質化を促進する新規の液体殺虫処理の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、塊茎を含む植物繁殖材料、特に切断された種子の害虫に対する処理及びコルク質化促進処理のための速乾燥性液体組成物を含む。より詳細には本発明は、少なくとも1種の殺真菌剤及び少なくとも1種の殺虫剤を含む速乾燥性液体製剤を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、植物繁殖材料を処理及び保護するための速乾燥性液体組成物に関する。一つの態様では本発明は、水、少なくとも1種の殺真菌剤、及び少なくとも1種の殺虫剤を乾燥剤、湿潤剤、分散剤、コルク質化剤、並びに任意に凍結防止剤及び溶剤の混合物との組合せにおいて含んで成る速乾燥性液体組成物に関する。当該速乾燥性液体組成物は、処理される植物繁殖材料に保護を供し、且つ施用の90分以内に乾燥する。また本発明は、種子を含む植物繁殖材料を処理するための方法に関し、速乾燥性液体組成物を施用することを含んで成る。
【0009】
さらに本発明は、有用作物中への害虫の侵入を防除するための方法に関し、種子を含む植物繁殖材料を、水、少なくとも1種の殺真菌剤、及び少なくとも1種の殺虫剤を乾燥剤、湿潤剤、分散剤、コルク質化剤、並びに任意に凍結防止剤及び溶剤の混合物との組合せにおいて含む殺虫有効量の速乾燥性液体組成物で処理することを含んで成る。
【0010】
また本発明は、種子を含む植物繁殖材料におけるコルク質化を増強するための方法に関し、当該繁殖材料を水、少なくとも1種の殺真菌剤、及び少なくとも1種の殺虫剤を乾燥剤、湿潤剤、分散剤、コルク質化剤、並びに任意に凍結防止剤及び溶剤の混合物との組合せにおいて含む有効量の速乾燥性液体組成物で処理することを含んで成る。
【0011】
さらに本発明は、液体殺虫剤によって処理される植物繁殖材料の乾燥時間を強化するための方法に関し、水、少なくとも1種の殺真菌剤、及び少なくとも1種の殺虫剤を乾燥剤、湿潤剤、分散剤、コルク質化剤、並びに任意に凍結防止剤及び溶剤の混合物との組合せにおいて含む速乾燥性液体組成物を施用することを含んで成る。
【0012】
また本発明は、水、少なくとも1種の殺真菌剤、及び少なくとも1種の殺虫剤を乾燥剤、湿潤剤、分散剤、コルク質化剤、並びに任意に凍結防止剤及び溶剤の混合物との組合せにおいて含んで成る速乾燥性液体組成物で処理される植物繁殖材料に関する。
【0013】
さらに本発明は切断された塊茎の皮面上に液体の殺虫剤を選択的に添加するための方法に関し、当該方法は水、少なくとも1種の殺真菌剤、及び少なくとも1種の殺虫剤を乾燥剤、湿潤剤、分散剤、コルク質化剤、並びに任意に凍結防止剤及び溶剤の混合物との組合せにおいて含む速乾燥性液体組成物で当該切断された塊茎を処理することを含んで成る。
【0014】
有用植物の種子処理において使用するための殺真菌剤及び殺虫剤は一般に公知であり、またそれらを製造するための方法は The Pesticide Manual [Twelfth Edition, Editor: C.D.S. Tomlin]に発表されている。例えば制限なく、種子処理に有用なチアメトキサム、ネオニコチノイドの浸透性殺虫剤は、エントリーナンバー792として発表されている。有用植物の種子処理において使用されるフルジオキソニル、フェニルピロール殺真菌剤は、エントリーナンバー368として発表されている。
【0015】
本発明は、少なくとも1種の殺真菌剤及び少なくとも1種の殺虫剤を含む液体製剤を含んで成る。当該製剤は速乾燥性であり、処理の90分未満で乾燥処理種子を提供する。より詳細には本発明の液体組成物は、水、少なくとも1種の殺真菌剤及び少なくとも1種の殺虫剤を含む有効量の活性成分、並びに以下の成分の混合物:
a.約0.05〜20重量%の少なくとも1種の湿潤剤;
b.約0.05〜10重量%の少なくとも1種の分散剤;
c.約0.05〜5重量%の少なくとも1種の乾燥剤;
d.約0.01〜20重量%の少なくとも1種のコルク質化剤;並びに任意に
e.約0〜20重量%の凍結防止剤及び任意に
f.約0〜20重量%の溶剤、を含んで成る。
【0016】
本発明の組成物において有用な殺真菌剤は、真菌性の害虫の防除または処理に有用な任意の作用物質を含む。かかる殺真菌剤は、所定の植物病原性真菌の制御において特に有用であり、且つ高い抗真菌活性及び比較的低い植物毒性を提供し得る。本発明に係る活性成分の混合物は、以下の限定的でない関連した植物病原性真菌の分類に有効である:子嚢菌(例えば、ベンチュリア(Venturia)、ポドスファエラ(Podosphaera)、エリシフェ(Erysiphe)、モニリニア(Monilinia)、マイコスファエレラ(Mycosphaerella)、ウンキヌラ(Uncinula)、レプトスファエリア(Leptosphaeria);担子菌(例えば、ヘミレイア(Hemileia)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、プシニア(Puccinia)属);不完全菌類(例えば、ボツリティス(Botrytis)、ソラニ(solani)(銀鱗片)を含むヘルミントスポリウム(Helminthosporium)、リンコスポリウム(Rhynchosporium)、フサリウム(Fusarium)、セプトリア(Septoria)、セルコスポラ(Cercospora)、アルテルナリア(Alternaria)、ピリキュラリア(Pyricularia)及び特にシュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides));卵菌綱(例えば、フィトフトラ(Phytophthora)、ペロノスポラ(Peronospora)、ブレミア(Bremia)、ピチウム(Pythium)、プラズモパラ(Plasmopara))。
【0017】
より詳細には、本発明の組成物において有用な殺真菌剤は、制限なくジアゾール、トリアゾール、フェニルピロール、ストロビルリン、カルボキサミド、カルボキサニリド、特にオルト-置換されたカルボキサニリド、カルバメート、アニリノピリミジン、フェノキシキノリン、ベンゾイミダゾール、浸透性殺真菌剤及びフェニルアミド殺真菌剤を含む。より詳細には、本発明は、浸透性型の殺真菌剤、ストロビルリン系殺真菌剤、及びフェニルピロール系殺真菌剤の使用を含む。さらにより詳細には、本発明は、フェニルピロール系殺真菌剤の使用を含む。
【0018】
本発明において有用であるジアゾール殺真菌剤は、 イミダゾール及びピラゾールを含む。有用であるジアゾール殺真菌剤の例は、制限なくイマザリル、オキスポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、及びトリフルミゾールを含む。かかるジアゾールの混合物も使用され得る。
【0019】
本発明における使用のために好適であるトリアゾール殺真菌剤の例は、制限なくアミトロール、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、クリンバゾール(climbazole)、クロトリマゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルオトリマゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール-cis、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアズブチル(triazbutil)、トリチコナゾール、及びl-(4-フルオロフェニル)-2-(lH-l,2,4-トリアゾール-l-イル)エタノンを含む。かかるトリアゾールの混合物も使用され得る。
【0020】
本発明において有用であるストロビルリン系殺真菌剤の例は、制限なくアゾキシストロビン、ジモキシストロビン、ファモキサドン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、及びトリフロキシストロビンを含む。ストロビルリン系殺真菌剤の混合物も使用され得る。
【0021】
本発明において有用であるフェニルピロール系殺真菌剤の例は、制限なくフルジオキソニル及びフェンピクロニルを含む。フェニルピロール系殺真菌剤の混合物も使用され得る。
【0022】
本発明において有用であるカルボキサミド系殺真菌剤の例は、制限なくボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、フラメトピル、メプロニル、オキシカルボキシン、マンジプロパミド、及びチフルザミドを含む。アミド及びカルボキサミド系殺真菌剤の混合物も使用され得る。
【0023】
カルボキサニリド系殺真菌剤の例は、特にオルト置換されたカルボキサニリド系殺真菌剤を含む。この分類における殺真菌剤は、制限なく3-ジフルオロメチル-1-メチル-lH-ピラゾール-4-カルボン酸(2-ビシクロプロピル-2-イル-フェニル)-アミド及びそれらの異性体;及び3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸[9-イソプロピル(isopropyp)-1,2,3,4-テトラヒドロ(tetrahaydro)-1,4-メタノ-ナフタレン-5-イル]-アミド、及びそれらの異性体を含む。カルボキサニリド系殺真菌剤の混合物も使用され得る。
【0024】
本発明において有用であるカルバメート系殺真菌剤の例は、制限なくプロパモカルブ(propamacarb)及びプロパモカルブ塩酸塩を含む。カルバメート系殺真菌剤の混合物も使用され得る。
【0025】
本発明において有用であるアニリノピリミジン系殺真菌剤の例は、制限なくシプロジニル(cyprodnil)、メパニピリム及びピリメタニルを含む。アニリノピリミジン系殺真菌剤の混合物も使用され得る。
【0026】
本発明において有用であるベンゾイミダゾール系殺真菌剤の例は、制限なくベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、及びチアベンダゾールを含む。ベンゾイミダゾール系殺真菌剤の混合物も使用され得る。
【0027】
本発明において有用である浸透性型の殺真菌剤の例は、制限なくメフェノキサム、メタラキシル-M、チオファネート-メチル、ベナラキシル、シモキサニル、シプロフラム、フララキシル、オフレース、オキサジキシル、ホセチル-アルミニウム、亜リン酸、及びその塩を含む。浸透性型の殺真菌剤の混合物も使用され得る。
【0028】
また殺真菌剤の混合物も意図される。例えば、制限なくベンゾイミダゾール、アニリノピリミジン-、カルバメート-、カルボキサニリド-、アミド-及びカルボキサミド-、フェニルピロール-、ストロビルリン-、またはトリアゾール-系殺真菌剤との組合せにある浸透性型の殺真菌剤の混合物が本発明により意図される。
【0029】
好適な殺真菌剤は、メタラキシル、フルジオキソニル、アゾキシストロビン、ミクロブタニル、及びジフェンコナゾールを含む。特に好適な殺真菌剤はフルジオキソニルを含む。
【0030】
本発明の速乾燥性液体組成物は、殺真菌有効量の殺真菌剤を含んで成る。より詳細には当該殺真菌剤は、組成物の合計の約1重量%〜約40重量%の量で存在する。好適には当該殺真菌剤は、約5重量%〜約30重量%の量;約5重量%〜約25重量%の量;約5重量%〜約20重量%の量;約5重量%〜約15重量%の量;約5重量%〜約10重量%の量で存在する。より好適には当該殺真菌剤は、約6重量%〜約8重量%の量で存在する。
【0031】
本発明の組成物において有用な殺虫剤は、害虫によって引き起こされる損傷を予防または処理するために有用な任意の作用物質を含む。本発明の組成物において有用な殺虫剤は、ネオニコチノイド、ピレスロイド、リン含有化合物、カルバメート等として分類されるものを含む。
【0032】
本発明において有用であるネオニコチノイド殺虫剤の例は、制限なくアセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、チアメトキサムを含む。好適なネオニコチノイド殺虫剤は、クロチアニジン、イミダクロプリド及びチアメトキサムを含む。ネオニコチノイド殺虫剤の混合物も意図される。特に好適なネオニコチノイド殺虫剤は、チアメトキサム及びイミダクロプリドを含む。
【0033】
本発明の組成物において有用なピレスロイド殺虫剤は、制限なくα-シペルメトリン、β-シフルトリン、β-シペルメトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、デルタメトリン、エムペントリン、エスフェンバレレート、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、γ-シハロトリン、イミプロトリン、λ-シハロトリン、メソスリン、メトフルトリン、ペルメトリン、フェノトリン、プラレトリン、レスメトリン、タウ-フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、θ-シペルメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、及びζ-シペルメトリンを含む。好適なピレスロイド殺虫剤は、テフルトリン及びλ シハロトリンを含む。またピレスロイド殺虫剤の混合物も意図される。
【0034】
本発明の組成物において有用なリン含有殺虫剤は、制限なくホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシムを含む。またリン含有殺虫剤の混合物も意図される。
【0035】
本発明の組成物において有用なカルバメート殺虫剤は、制限なくピリミカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、プロポキスル、トリメタカルブ、3,5-キシリルメチルカルバメート、及びキシリルカルブを含む。またカルバメート殺虫剤の混合物も意図される。
【0036】
また各分類の殺虫剤の混合物も意図される。例えば制限なく、カルバメート殺虫剤はピレスロイド、ネオニコチノイド、またはリン含有殺虫剤と混合されてよく;ピレスロイド殺虫剤はカルバメート、ネオニコチノイド、またはリン含有殺虫剤と混合されてよく;ネオニコチノイド殺虫剤はピレスロイド、リン含有、またはカルバメート殺虫剤と混合されてよく;リン含有殺虫剤はネオニコチノイド、カルバメート、またはピレスロイド殺虫剤と混合されてよい。
【0037】
殺虫剤は、本発明の速乾燥性組成物中で約5重量%〜約50重量%の範囲の量で存在する。好適には殺虫剤は、約20重量%〜約45重量%;約20重量%〜約40重量%;約20重量%〜約35重量%の範囲の量で存在する。より好適には殺虫剤は約25重量%〜約30重量%の範囲の量で存在する。
【0038】
本発明の速乾燥性組成物において有用な湿潤剤は、制限なく1種以上の陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性イオン性界面活性剤を含む。
【0039】
陰イオン性界面活性剤は、制限なく1種以上のアルコールサルフェート、アルコールエーテルサルフェート、アルキルアリールエーテルサルフェート、アルキルアリールスルホネート(アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルナフタレンスルホネート等)及びそれらの塩、アルキルスルホネート、ポリアルコキシ化アルキルアルコールまたはアルキルフェノールのモノ-またはジ-リン酸エステル、C12〜C15アルカノールまたはポリアルコキシ化C12〜C15アルカノールのモノ-またはジ-スルホコハク酸エステル、アルコールエーテルカルボキシレート、フェノールエーテルカルボキシレート、オキシブチレンまたはテトラヒドロフランの残基から成るエトキシ化ポリオキシアルキレングリコールの多塩基性酸エステル、スルホアルキルアミド及びそれらの塩(例えばN-メチル-N-オレオイルタウレートNa塩等)、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールカルボキシレート、ポリオキシアルキレンアルコールカルボキシレートアルキルポリグリコシド/アルケニル無水コハク酸縮合物、アルキルエステルサルフェート、ナフタレンスルホネート、ナフタレンホルムアルデヒド縮合物、アルキルスルホンアミド、スルホン化脂肪族ポリエステル、スチリルフェニルアルコキシレートの硫酸エステル、並びにスチリルフェニルアルコキシレートのスルホン酸エステル及びそれらの対応のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アンモニウム、アルキルアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、またはトリエタノールアンモニウム塩、リグニンスルホン酸の塩(例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、またはアンモニウム塩等)、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルサルフェート及びポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルホスフェート、及び硫酸化アルキルフェノールエトキシレート及びリン酸化アルキルフェノールエトキシレートを含む。好適な陰イオン性界面活性剤は、制限なくN-メチル-N-オレオイルタウレートNa塩;トリスチリルフェノールサルフェート;エトキシ化リグニンスルホネート;エトキシ化ノニルフェノールリン酸エステル;カルシウムアルキルベンゼンスルホネート;エトキシ化ノニルフェノールリン酸エステル;エトキシ化トリデシルアルコールリン酸エステル;リグノスルホン酸Na塩;及びナフタレンスルホン酸Na塩を含む。
【0040】
本発明の組成物中の湿潤剤として有用な非イオン性界面活性剤は、制限なく1種以上のポリアリールフェノールポリエトキシエーテル、ポリアルキルフェノールポリエトキシエーテル、飽和脂肪酸のポリグリコールエーテル誘導体、不飽和脂肪酸のポリグリコールエーテル誘導体、脂肪族アルコールのポリグリコールエーテル誘導体、脂環式アルコールのポリグリコールエーテル誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、アルコキシ化植物油、アルコキシ化アセチレンジオール、ポリアルコキシ化アルキルフェノール、脂肪酸アルコキシレート、ソルビタンアルコキシレート、ソルビトールエステル、C8〜C22アルキルまたはアルケニルポリグリコシド、ポリアルコキシスチリルアリールエーテル、アルキルアミンオキシド、ブロックコポリマーエーテル、ポリアルコキシ化脂肪族グリセリド、ポリアルキレングリコールエーテル、直鎖脂肪族ポリエステルまたは芳香族ポリエステル、有機シリコーン、ポリアリールフェノール、ソルビトールエステルアルコキシレート、並びにエチレングリコールのモノ-及びジエステル及びそれらの混合物を含む。好適な非イオン性界面活性剤は、1種以上のエトキシ化脂肪族アルコール;エトキシ化トリスチリルフェノール;エトキシ化ラウリルアルコール;エトキシ化ヒマシ油;エトキシ化ノニルフェノールを含む。
【0041】
本発明の組成物における湿潤剤として有用な両性イオン性界面活性剤は、制限なくC8〜C18脂肪酸及びC8〜C18脂肪族アミンポリアルコキシレートのアルカノールアミド、C10〜C18 アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ココナツアルキルジメチルアミノ酢酸、並びにC8〜C18脂肪族アミンポリアルコキシレートのリン酸エステルを含む。
【0042】
本発明の組成物において有用な分散剤、または乳化剤は、制限なくアルキレンオキシドランダム及びブロックコポリマー(EO-PO-EOとPO-EO-POブロックコポリマーの両方を含むエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(EO/POブロックコポリマー)等);エチレンオキシド-ブチレンオキシドランダム及びブロックコポリマー;エチレンオキシド-プロピレンオキシドランダム及びブロックコポリマーのC2-6アルキル付加化合物;エチレンオキシド-ブチレンオキシドランダム及びブロックコポリマーのC2-6アルキル付加化合物;ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンモノアルキルエーテル(メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、またはそれらの混合物等);酢酸ビニル/ビニルピロリドンコポリマー;アルキル化ビニルピロリドンコポリマー;ポリビニルピロリドン;及びポリプロピレングリコール及びポリエチレングリコールを含むポリアルキレングリコールを含む。好適な分散剤は、コポリマーブタノールPO/EO、並びに水及びプロピレングリコール中のアクリルグラフトコポリマーを含む。
【0043】
本発明の組成物において有用な乾燥剤は、制限なく1種以上の金属オキシド(二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、及びヒュームドシリカ等);及び酸化された、及び酸化されていないポリエチレンワックス、ポリエチレンコポリマーワックス、モンタンワックス、及びポリエーテルワックスを含むポリマーワックスを含む。好適な乾燥剤は、二酸化ケイ素及びポリエチレンワックスである。
【0044】
本発明の組成物において有用なコルク質化剤は、制限なく1種以上のデンプン、アルキルトリオール、アルキルジオール、フェノール系ポリマー、脂肪族ポリマー、カルボン酸、及びジカルボン酸を含む。特定のコルク質化剤は、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプン、プロパン-1,2,3-トリオール、及びオクタン酸を含む。
【0045】
当該組成物は、殺虫剤業界において公知な製剤化試薬をさらに含み得る。かかる製剤化試薬は、制限なく凍結防止剤(制限なくグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、モノプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1-メトキシ-2-プロパノール、シクロヘキサノール等)、緩衝剤(制限なく水酸化ナトリウム、リン酸等)、殺生物剤(制限なくl,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン等)、保存剤(制限なく安息好酸の誘導体、ソルビン酸、ホルムアルデヒド, メチルパラヒドロキシベンゾエート及びプロピルパラヒドロキシベンゾエートの組合せ等)、安定化剤(制限なく酸、好適にはドデシルベンゼンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、またはブチルヒドロキシルトルエン、ブチルヒドロキシルアニソールといった有機酸等)、増粘剤(制限なくヘテロポリサッカライド及びデンプン等)、顔料及び着色剤(制限なく染料、二酸化チタン等)、並びに消泡剤(制限なくシリコーンを基礎とするもの、特にポリジメチルシロキサン等)を含む。かかる添加剤は、商業的に入手でき、且つ当業界において公知である。
【0046】
液体殺真菌剤または殺虫剤が製剤中に組み入れられる場合、当該製剤は任意に溶剤を含み得る。当該溶剤は、水不溶性または軽度に水溶性のいずれかであり得る。水不溶性溶剤は、制限なく酢酸イソボルニル、オレイン酸メチル、芳香族性溶剤、及びそれらの混合物を含む。軽度に水溶性の溶剤は、制限なく2-ヘプタノン、アセトフェノン、アルコール、ケトン、及びそれらの混合物を含む。
【0047】
好適な速乾燥性液体製剤は、約20重量%〜約35重量%のチアメトキサム及び約5重量%〜約10重量%のフルジオキソニル、並びに以下の成分を含んで成る:
a. 約1〜5重量%の少なくとも1種の湿潤剤;
b. 約2〜8重量%の少なくとも1種の分散剤;
c. 約0.2〜5.0重量%の少なくとも1種の乾燥剤;
d. 約0.05〜8.0重量%の少なくとも1種のコルク質化剤;
e. 約12〜18重量%の少なくとも1種の凍結防止剤。
【0048】
より好適には本発明の速乾燥性液体製剤は、約25重量%〜約30重量%のチアメトキサム及び約6重量%〜約8重量%のフルジオキソニル、並びに以下の成分を含んで成る:
a. 約1〜5重量%の少なくとも1種の湿潤剤;
b. 約2〜8重量%の少なくとも1種の分散剤;
c. 約0.2〜3.0重量%の少なくとも1種の乾燥剤;
d. 約0.05〜8.0重量%の少なくとも1種のコルク質化剤;
e. 約12〜18重量%の少なくとも1種の凍結防止剤。
【0049】
本発明の組成物は、更なる活性化合物を含んでよく、及び/または更なる活性化合物と一緒にまたは更なる活性化合物と連続して施用され得る。これらの更なる化合物は、肥料または微量栄養素ドナー、或いは植物成長に影響を及ぼす他の調製品であり得る。またそれらは、選択的な除草剤、殺真菌剤、他の殺虫剤、細菌駆除剤、昆虫成長調節剤、植物成長調節剤、線虫駆除剤、軟体動物駆除剤、またはそれらの調製品のいくつかの混合物であってよい。
【0050】
本発明の液体組成物は、有用作物中への害虫の侵入を防除するための方法に有用であり、種子を含む植物繁殖材料を殺虫有効量の速乾燥性液体組成物で処理することを含んで成る。
【0051】
害虫は、制限なく真菌、細菌及び昆虫を含み得る。本発明の組成物は、ピチウム、チレチア(Tilletia)、ゲルラチア(Gerlachia)、セプトリア、ウスチラゴ、フサリウム、リゾクトニア、オオミセテス(Oomycetes)(フィトフトラ、プラズモパラ、シュードペロノスポラ、ブレミア等)を含む真菌病原菌による侵入を防除するために、並びにボツリティス種、ピレノホラ(Pyrenophora)、モニリニア、並びに子嚢菌、不完全菌類及び担子菌類の更なる代表種に対して使用され得る。
【0052】
本発明の組成物を施用することによって防除及び/または処理される細菌は、制限なくエルウィニア(Erwinia)、コルニバクテリウム(Cornybacterium)、エンテロバクター(Enterobacter)、ペクトバクテリウム(Pectobacterium)、パントエア(Pantoea)またはブレネリア(Brenneria)、アシネトバクター(Acinetobacter)、セラチア(Serratia)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、及びフラボバクテリウム(Flavobacterium)を含む。
【0053】
本発明の水性組成物は、栽培植物及びそれらの繁殖材料を保護するために製剤化される。本発明の組成物は、好都合には植物発育の初期段階で作物を損傷し得る真菌及び土壌に生息する昆虫に対して、種子処理施用するために製剤化される。例えば制限なく当該組成物は、以下を含む昆虫、及びダニ(Acarnia)目の代表をターゲットとするように調製され得る。
【0054】
鱗翅(Lepidoptera)目からは、例えばアクレリス(Acleris)種、アドキソフィエス(Adoxophyes)種、アエゲリア(Aegeria)種、アグロチス(Agrotis)種、アラバマ・アルギラセエ(Alabama argillaceae)種、アミロイス(Amylois)種、アンチカルシア・ジェムマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アーチップス(Archips)種、アージロタエニア(Argyrotaenia)種、アウトグラファ(Autographa)種、ブッセオラ・フスカ(Busseola fusca)、カドラ・カウテラ(Cadra cautella)、カーポジナ・ニッポネンシス(Carposina nipponensis)、チロ(Chilo)種、コリストノイラ(Choristoneura)種、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロクロシス(Cnaphalocrocis)種、クネファシア(Cnephasia)種、コキリス(Cochylis)種、コレオフォラ(Coleophora)種、クロシドロミア・ビノタリス(Crocidolomia binotalis)、クリプトフレビア・ロイコトレータ(Cryptophlebia leucotreta)、サイディア(Cydia)種、ディアトラエア(Diatraea)種、ディパロプシス・カスタネア(Diparopsis castanea)、エアリアス(Earias)種、エフェスチア(Ephestia)種、ユーコズマ(Eucosma)種、ユーポエシリア・アンビグエラ(Eupoecilia ambiguella)、ユープロクティス(Euproctis)種、ユーキソア(Euxoa)種、グラフォリタ(Grapholita)種、ヘドヤ・ヌビフェラナ(Hedya nubiferana)、ヘリオチス(Heliothis)種、ヘルラ・ウンダリス(Hellula undalis)、ハイファントリア・キュネア(Hyphantria cunea)、ケイフェリア・リコパーシセラ(Keiferia lycopersicella)、ロイコプテラ・サイテラ(Leucoptera scitella)、リトコレティス(Lithocollethis)種、ロベシア・ボトラーナ(Lobesia botrana)、リマントリア(Lymantria)種、リオネティア(Lyonetia)種、マラコソマ(Malacosoma)種、マメストラ・ブラッシサエ(Mamestra brassicae)、マンジュカ・セクスタ(Manduca sexta)、オペロフテラ(Operophtera)種、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パメネ(Pammene)種、パンデミス(Pandemis)種、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、ペクチノフォラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella)、ピエリス・ラーパエ(Pieris rapae)、ピエリス(Pieris)種、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プレイス(Prays)種、シルポファガ(Scirpophaga)種、セサミア(Sesamia)種、スパーガノジス(Sparganothis)種、スポドプテラ(Spodoptera)種、シナンセドン(Synanthedon)種、タウメトポエ(Thaumetopoea)種、トルトリクス(Tortrix)種、トリコプルシア・ニー(Trichoplusia ni)、及びイポノモイタ(Yponomeuta)種;
【0055】
鞘翅(Coleoptera)目からは、例えばアグリオテス(Agriotes)種、アントノムス(Anthonomus)種、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)、ケトクネマ・チビアリス(Chaetocnema tibialis)、コスモポリテス(Cosmopolites)種、クルクリオ(Curculio)種、デルメステス(Dermestes)種、ディアブロチカ(Diabrotica)種、エピラクナ(Epilachna)種、エレムヌス(Eremnus)種、レプチノターサ・デケムリネエータ(Leptinotarsa decemlineata)、リッソロプトルス(Lissorhoptrus)種、メロロンタ(Melolontha)種、オリケフィルス(Orycaephilus)種、オチオリンクス(Otiorhynchus)種、フリクチヌス(Phlyctinus)種、ポピリア(Popillia)種、プシリオデス(Psylliodes)種、リゾペルタ(Rhizopertha)種、スカラベイデ(Scarabeidae)、シトフィラス(Sitophilus)種、シトトロガ(Sitotroga)種、テネブリオ(Tenebrio)種、トリボリウム(Tribolium)種、及びトロゴデルマ(Trogoderma)種;
【0056】
直翅(Orthoptera)目からは、例えばブラッタ(Blatta)種、ブラテラ(Blattella)種、グリロタルパ(Gryllotalpa)種、ロイコファエア マデラエ(Leucophaea maderae)、ロカスタ(Locusta)種、エリプラネタ(eriplaneta)種、及びシストセルカ(Schistocerca)種;
【0057】
シロアリ(Isoptera)目からは、例えばレチクリテルメス(Reticulitermes)種;
【0058】
チャタテムシ(Psocoptera)目からは、例えばリポセリス(Liposcelis)種;
【0059】
シラミ(Anoplura)目からは、例えばヘマトピヌス(Haematopinus)種、リノグナツス(Linognathus)種、ペディクルス(Pediculus)種、ペンフィグス(Pemphigus)種、及びフィロキセラ(Phylloxera)種;
【0060】
食毛(Mallophaga)目からは、例えばダマリネア(Damalinea)種、及びトリコデスクテス(Trichodectes)種;
【0061】
総翅(Thysanoptera)目からは、例えばフランクリニエラ(Frankliniella)種、ヘルシノスリップス(Hercinothrips)種、タエニオスリップス(Taeniothrips)種、スリップス・パルミ(Thrips palmi)、スリップス・タバシ(Thrips tabaci)、及びシルトスリップス・アウランティ(cirtothrips aurantii);
【0062】
異翅(Heteroptera)目からは、例えばシメックス(Cimex)種、ジスタンチエラ セオブローマ(Distantiella theobroma)、ジスダーカス(Dysdercus)種、ユーチスタス(Euchistus)種、ユーリガスター(Eurygaster)種、レプトコリサ(Leptocorisa)種、ネザラ(Nezara)種、ピエスマ(Piesma)種、ロドニウス(Rhodnius)種、サールバーゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノファーラ(Scotinophara)種、及びトリアトーマ(Triatoma)種;
【0063】
同翅(Homoptera)目からは、例えばアロイロスリクス・フロコッサス(Aleurothrixus floccosus)、アレイローデス・ブラシカ(Aleyrodes brassicae)、アオニジエラ(Aonidiella)種、アフィジダエ(Aphididae)、アフィス(Aphis)種、アスピジオタス(Aspidiotus)種、ベミシア・タバシ(Bemisia tabaci)、セロプラスター(Ceroplaster)種、クリソムファラス・アオニジウム(Chrysomphalus aonidium)、クリソムファラス・ディクチオスパーミ(Chrysomphalus dictyospermi)、コッカス・ヘスペリダム(Coccus hesperidum)、エムポアスカ(Empoasca)種、エリオソマ・ラリゲルム(Eriosoma larigerum)、エリスロノイラ(Erythroneura)種、ガスカルディア(Gascardia)種、ラオデルファクス(Laodelphax)種、レカニウム・コルニ(Lecanium corni)、レピドサフエス(Lepidosaphes)種、マクロシフス(Macrosiphus)種、マイザス(Myzus)種、ネフォテティックス(Nephotettix)種、ニラパーバータ(Nilaparvata)種、パラトリア(Paratoria)種、ペムフィガス(Pemphigus)種、プラノコッカス(Planococcus)種、シューダウラキャプシス(Pseudaulacaspis)種、シュードコッカス(Pseudococcus)種、プシラ(Psylla)種、プルビナリア・エティオピカ(Pulvinaria aethiopica)、クアドラスピジオタス(Quadraspidiotus)種、ロパロシフム(Rhopalosiphum)種、サイッセチア(Saissetia)種、スカフォイデウス(Scaphoideus)種、スキザフィス(Schizaphis)種、シトビオン(Sitobion)種、トリアロイロデス・バポラリオラム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオーザ・エリトレアエ(Trioza erytreae)、及びウナスピス・シトリ(Unaspis citri);
【0064】
膜翅(Hymenoptera)目からは、例えばアクロミルメクス(Acromyrmex)、アッタ(Atta)種、セフス(Cephus)種、ジプリオン(Diprion)種、ジプリオニダエ(Diprionidae)、ジルピニア・ポリトーマ(Gilpinia polytoma)、ホプロキャンパ(Hoplocampa)種、ラシウス(Lasius)種、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ネオジプリオン(Neodiprion)種、ソレノプシス(Solenopsis)種、及びベスパ(Vespa)種;
【0065】
双翅(Diptera)目からは、例えばエデス(Aedes)種、アンセリゴーナ・ソッカータ(Antherigona soccata)、ビビオ・ホーチュラヌス(Bibio hortulanus)、カリホラ・エリスロセファラ(Calliphora erythrocephala)、セラチチス(Ceratitis)種、クリソミア(Chrysomyia)種、キューレックス(Culex)種、キュテレブラ(Cuterebra)種、ダカス(Dacus)種、ドロソフィラ・メラノガスター(Drosophila melanogaster)、ファニア(Fannia)種、ガストロフィラス(Gastrophilus)種、グロシナ(Glossina)種、ヒポデルマ(Hypoderma)種、ヒッポボスカ(Hyppobosca)種、リリオミザ(Liriomyza)種、ルシリア(Lucilia)種、メラナグロマイザ(Melanagromyza)種、ムスカ(Musca)種、オエストラス(Oestrus)種、オーセオリア(Orseolia)種、オスシネラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミイア・ヒオスシアミ(Pegomyia hyoscyami)、フォルビア(Phorbia)種、ラゴレチス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella)、シアラ(Sciara)種、ストモキシス(Stomoxys)種、タバヌス(Tabanus)種、タニア(Tannia)種、及びチプラ(Tipula)種;
【0066】
ノミ(Siphonaptera)目からは、例えばセラトフィラス(Ceratophyllus)種、及びキセノプシラ・ケオプシス(Xenopsylla cheopis);
【0067】
シミ(Thysanura)目からは、例えばレピスマ・サッカリーナ(Lepisma saccharina);及びアブラナ・ノミハムシ(フィロトレタ(Phyllotreta)種)、根ウジムシ(デリア(Delia)種)、キャベツ莢ゾウムシ(セウトリンカス(Ceutorhynchus)種)、及びアブラムシ。
【0068】
用語"植物繁殖材料"とは、切断物及び塊茎(例えばジャガイモ)等の植物界の植物材料の繁殖のために使用され得る植物の全ての生殖力のある部分を言及するために本明細書において使用される。例えば制限なく、種子(厳密な意味で)、根、果実、塊茎、球根、根茎、及び植物の部分に言及される。また発芽後または土壌から出芽後に移植される発芽植物及び若木にも言及される。これらの若木は、移植前に全体処理または部分処理によって、浸漬等によりコーティングされ得る。ある態様では、本発明の方法は、栽培植物の植物繁殖材料をコーティングするための特定の施用を有する。かかる植物は人によって栽培される植物、またはそれらの植物から採取された部分もしくは人によって使用される製品である。適切な栽培植物繁殖材料は、制限なく単子葉植物、双子葉植物、及び多子葉植物(裸子植物)から選定される種子を含む。
【0069】
詳細には植物繁殖材料は、種子及び切断物、並びに植物の他の生殖力のある部分を含む。この植物の他の生殖力のある部分とは、塊茎(制限なくジャガイモ、キクイモ、及びヤムイモ等)、球根 (制限なくタマネギ、ヒアシンス、海葱、アマリリス、ユキノハナ、チューリップ、ラッパズイセン、スイセン、ユリ、及びラン等)、根菜(制限なくニンジン、ビート、クワイ、クズウコン、キャッサバ、チャイニーズアーティチョーク、グローブアーティチョーク、セイヨウワサビ、パースニップ、ダイコン等)、木、潅木、及びバラを含む他の観賞植物を含む。
【0070】
本発明の液体組成物は、切断された種子及び繁殖材料中の害虫(真菌及び昆虫を含む)を防除するための方法において使用され得る。例えば制限なく、いくつかの植え付け領域では、植え付ける前に苗木のジャガイモを切断して、当該苗木の内部の果肉を適所(elements)に曝す。このように曝すことは、真菌、細菌、昆虫及び他の害虫による感染の危険性を増加させる。本発明の液体組成物は、これらの適所(elements)に対するバリアを提供して、苗木の汚染を予防することによって、植物繁殖材料の劣化を減少させる。
【0071】
本発明の速乾燥性液体組成物は、以下の限定的でない実施例によって例示される。
【実施例1】
【0072】
実施例1-製剤
【表1】

【0073】
Cowlesミキサーを備える適宜サイズ化された容器に水を加えて、撹拌を開始する。加熱前(50℃まで)にコポリマーブタノールPO/EOを加えて、均質になるまで撹拌する。アクリルグラフトコポリマーを加えて、均質になるまで撹拌する。フード下で、ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩を加えて、均質になるまで撹拌する。
【0074】
撹拌下にある当該混合物にポリジメチルシロキサン、プロピレングリコール、グリセリン、リン酸、デンプン、及び殺生物剤を加えて、均質になるまで撹拌する。
【0075】
フード下で、チアメトキサム及びフルジオキソニルを撹拌下にある当該水混合物に加える。製品が分離して微粒化される場合は、二酸化ケイ素をこの時点で、または製粉後のいずれかで付加してよい。15分〜30分間混合する。pHを確認して、必要ならば水酸化ナトリウム溶液で調整する(目標とするpHはニート混合物中で5.5〜6.5である)。高せん断ミキサー(Ross、SilversonまたはUltra Turaxタイプ)を使用して、95%の粒子が150ミクロン未満となるまで当該混合物を予め砕いておく。1〜2 mmのガラスまたはジルコニウムビーズを総容量の80〜85%の間で充填した水平型のミル(Dyno、またはPremierタイプ)を使用して、50%の粒子が1.5〜3.0ミクロンになるまで冷却系下で当該混合物を粉砕する(全工程の間、温度は35℃より高くすべきではない)。100メッシュのふるいを通して製品をろ過する。pHを確認して、必要ならばニートミルベースのpHが5.5〜6.5になるまでリン酸及び/または水酸化ナトリウム溶液で調整する。
【0076】
Cowlesミキサーを備える独立した容器に、水の中で2%のヘテロポリサッカライドゲルを調製する。使用前に当該ゲルを数時間かけて十分に膨らませる。当該ミルベースに最終ニート粘度が300〜500cPsに達するために必要な量のゲルを付加する。最終製品を50メッシュのふるいを通してろ過する。
【実施例2】
【0077】
実施例2-製剤
【表2】

【0078】
Cowlesミキサーを備える適宜サイズ化された容器に水を加えて、撹拌を開始する。加熱前(50℃まで)にコポリマーブタノールPO/EOを加えて、均質になるまで撹拌する。アクリルグラフトコポリマーを加えて、均質になるまで撹拌する。フード下で、リグノスルホン酸ナトリウム塩を加えて、均質になるまで撹拌する。
【0079】
撹拌下にある当該混合物にポリジメチルシロキサン、プロピレングリコール、グリセリン、リン酸、デンプン、及び殺生物剤を加えて、均質になるまで撹拌する。
【0080】
フード下で、チアメトキサム及びフルジオキソニルを撹拌下にある当該水混合物に加える。製品が分離して微粒化される場合は、ポリエチレンワックスをこの時点で、または製粉後のいずれかで付加してよい。15分〜30分間混合する。pHを確認して、必要ならば水酸化ナトリウム溶液で調整する(目標とするpHはニート混合物中で5.5〜6.5である)。高せん断ミキサー(Ross、SilversonまたはUltra Turaxタイプ)を使用して、95%の粒子が150ミクロン未満となるまで当該混合物を予め砕いておく。1〜2 mmのガラスまたはジルコニウムビーズを総容量の80〜85%の間で充填した水平型のミル(Dyno、またはPremierタイプ)を使用して、50%の粒子が1.5〜3.0ミクロンになるまで冷却系下で当該混合物を粉砕する(全工程の間、温度は35℃より高くすべきではない)。100メッシュのふるいを通して製品をろ過する。pHを確認して、必要ならばニートミルベースのpHが5.5〜6.5になるまでリン酸及び/または水酸化ナトリウム溶液で調整する。Cowlesミキサーを備える独立した容器に、水の中で2%のヘテロポリサッカライドゲルを調製する。使用前に当該ゲルを数時間かけて十分に膨らませる。当該ミルベースに最終ニート粘度が300〜500cPsに達するために必要な量のゲルを付加する。最終製品を50メッシュのふるいを通してろ過する。
【0081】
本発明の液体組成物は、他の植物繁殖材料のための液体処理剤と比べて速乾燥性である。本発明の組成物は、約30分〜200分の間で乾燥する。好適には本発明の液体組成物は、施用後約60分〜約180分の間で乾燥する。より好適には、本発明の液体組成物の施用後の乾燥時間は、約75分〜約90分である。
【0082】
以下の限定的でない実施例は、本発明の液体組成物の短縮された乾燥時間を実証する。
【実施例3】
【0083】
実施例3-乾燥時間
本発明の液体組成物の乾燥時間を現存する植物繁殖材料の液体処理剤と比較した。特に本発明の組成物を(a)フルジオキソニル(Maxim(商標) 4FS)の液体製剤及び(b)マンコゼブ(Maxim(商標) MZ)との組合せにあるフルジオキソニルの粉末製剤と比較した。
【0084】
約5 cm3のジャガイモ塊茎を本発明の液体組成物、及び当業界において公知のフルジオキソニル製剤(Maxim(商標) 4FS、及びMaxim(商標) MZ)で処理した。100kgの塊茎あたりの推奨施用量を使用して、且つ全ての処理に不変の総容量を調整して(0.5kgの塊茎あたり、0.626gのスラリー)、当該液体組成物を処理袋に入れて、切断されたジャガイモ塊茎を加えて、そして当該袋を約15秒間振った。その後当該塊茎を取り除き、周囲温度で乾燥させた。結果を以下に示す。
【0085】
【表3】

*粉塵処理として乾燥が施用された
**60分後にはすでに乾燥していたが、接触した時に製品は塊茎から剥がれ落ちた。
【0086】
以下の限定的でない実施例は、3種の異なるジャガイモ苗木の劣化の減少を実証した。
【実施例4】
【0087】
実施例4-真菌性劣化
上記の実施例1のA14382とラベルされた製剤を使用して異なる品種の切断されたジャガイモ苗木を処理して、フサリウム劣化に関し未処理のコントロール(UTC)、及びフルジオキソニルの液体製剤、Maxim(商標)4FS(Syngenta)を対照として試験した。それぞれの品種は、全て3種の処理を含んだ。
【0088】
それぞれの品種について、種は切断され、且つ7つの異なる処理日(7)で処理された。それらは、植え付け日(0日)、植え付け前の2、5、7、9、12、及び14日を含んだ。切断された後、当該種は最後の処置日を除き、50°F及び90%の相対湿度で、植え付け日まで黄麻袋に貯蔵された。ここでの種は切断され、処理され、そして同日に植え付けられた。
【0089】
全ての種は、フサリウム サムブキヌム(Fusarium sambucinum)分離株FID 71-6(ベンゾイミダゾール感受性)、F.サムブキヌス(F.sambucinum)分離株FID 212(ベンゾイミダゾール抵抗性)、及びF.ソラニ var. コエルレウム(F.solani var. coeruleum)分離株MR-6のスラリーと共に植え付け日に播種された。4.2 mlの水懸濁物が1.6×104 CFU/mlでそれぞれの処理のために48の種片に施用された。
【0090】
本明細書に報告されるデータは、植え付け前の7日または9日である。本明細書に集められたデータは、植物が掘り起こされ、且つ種片の劣化に関して評価されるところの初期の田畑評価を示す。種片の劣化は、フサリウム"乾燥"劣化、軟腐病、またはそれぞれの種片における2つの組合せのパーセンテージ、及びそれぞれの処理において劣化を有する全ての種片のパーセンテージにおいて評価した。
【0091】
ラセット・バーバンク(Russet Burbank)
破壊的サンプリング-"乾腐病"
【表4】

【0092】
破壊的サンプリング-"乾腐病"発生率(処理あたりの腐敗を有する種片の%)
【表5】

【0093】
破壊的サンプリング - 軟腐病
【表6】

【0094】
破壊的サンプリング - 軟腐病発生率(処理あたりの腐敗を有する種片の%)
【表7】

【0095】
ノルドンナ(Nordonna)
破壊的サンプリング - 乾腐病
【表8】

【0096】
破壊的サンプリング - 乾腐病発生率(処理あたりの腐敗を有する種片の%)
【表9】

【0097】
破壊的サンプリング - 軟腐病
【表10】

【0098】
破壊的サンプリング - 軟腐病発生率(処理あたりの腐敗を有する種片の%)
【表11】

【0099】
FL1833
破壊的サンプリング - 乾腐病
【表12】

【0100】
破壊的サンプリング - 乾腐病発生率 (処理あたりの腐敗を有する種片の%)
【表13】

【0101】
破壊的サンプリング - 軟腐病
【表14】

【0102】
破壊的サンプリング - 軟腐病発生率 (処理あたりの腐敗を有する種片の%)
【表15】

【0103】
切断された苗木は自然治癒、すなわちコルク質化の工程を行う。コルク質化の間、当該苗木の細胞壁はコルク質を分泌する。コルク質は生化学物質であり、環境要素と種の内側の果肉の間にコルク様のバリアを形成することによって切断領域を保護する。コルク質は、2つの明白に異なる生化学成分:ポリフェノール成分及びポリ脂肪族成分から構成される。一度、当該植物材料が、切断及び打撲を含む傷害を経験すると、当該植物の自己細胞はコルク質化を開始して、保護的、治癒的なコーティングを形成する。
【0104】
実施例4に示すように、本発明の速乾燥性製剤は、切断された塊茎の天然のコルク質化工程を促進し、自己保護コーティングを可能にして、切断、または他の外傷部位を保護して、外部の病原体と闘う。したがって本発明は、植物繁殖材料におけるコルク質化を促進するための方法をさらに提供し、当該方法は繁殖材料に本明細書において発表される有効量の液体組成物を施用することを含んで成る。
【実施例5】
【0105】
実施例-5コルク質化
コルク質化は、"コルク質化インデックス"と呼ばれる方法を用いて客観的に測定される。以下のプロトコールは、測定結果を得るために使用される。
【0106】
切断及び処理後の2、3、6、8及び13日で評価するために、それぞれの処理から8つの種片を採取する。
【0107】
それぞれの種片から2つの切断面の連結点の中心で約1×3×0.5 cmの長方形の組織ブロックを切断する。解剖用の顕微鏡下で、それぞれの長方形の組織ブロックから3つの連続する部分をおよそl mmの厚さで切断する。外側のほとんどの部分は捨てられ、他の2つの部分は顕微鏡スライド上に水の中で乗せられる。
【0108】
これらの部分は、白熱光及び紫外光の両方を用いて位相差顕微鏡で評価される。
【0109】
全ての測定は、.08mmに相当する10単位で、10O倍の倍率で取得された。
【0110】
評価は、細胞層の数、及びコルク質化した細胞の厚さ、切断表面に渡るコルク質発達の均質性、分裂組織領域(コルク形成層)の発生及び発達、並びにコルク形成層を形成する並層細胞分裂、治癒工程の最終段階の測定及び観察を含む。これらの測定は全て"コルク質化インデックス"を算出するために使用される。
【実施例6】
【0111】
実施例6-選択的添加
一般に、ジャガイモ塊茎及び/または切断された種の液体殺虫剤による処理の大多数が、種の皮面よりも種の切断面上への殺虫剤沈降をもたらす。かかる切断面に対する親和性は、殺虫剤の水に対する親和性に基づくものであると考えられている。塊茎または種の天然のコルク質化のおかげで、その切断面は、害虫に対してより良い保護を提供し、且つより多くの殺虫剤を必要としないと信じられている。むしろ殺虫作用は、芽が存在し発芽が起こる塊茎の皮面でより有用である。
【0112】
本発明の製剤は、塊茎の皮面上に選択的に殺虫剤を添加する性質を実証する。任意の特定の理論にとらわれることを望まないが、本発明の製剤中に存在するワックス及びシリカの非極性の性質は、皮面に対して親和性を有し、皮面により多くの活性成分の添加をもたらすと考えられる。かかる親和性は、以下の結果によって実証される。ここでは本発明の実施例2のチアメトキサム/フルジオキソニル製剤が、ワックスが存在しない実施例2と同一の製剤と比較されている。
【0113】
【表16】

【0114】
上記の表に示すように、塊茎の切断面上に存在するチアメトキサムの量はいずれの製剤でも本質的に同一であるが、チアメトキサムの皮面への選択性は、ワックス含有製剤でより特徴付けられる。さらに塊茎の皮面に存在するフルジオキソニルの量は、その切断面に存在する量よりも多い。
【実施例7】
【0115】
実施例6-昆虫防除
本明細書において発表した製剤の多様な害虫に対する防除を示すために比較試験を行った。
【0116】
ジャガイモ上のコロラドポテトビートル(Colorado Potato Beetle)の制御を測定する2つの試験では、実施例1の製剤は未処理の対照に対して改善された制御を示し、且つイミダクロプリドよりも軽度に良好な制御、または同等の制御を示した。
【0117】
【表17】

【0118】
ジャガイモサンプルあたりのモモアカアブラムシ(Green Peach Aphid)の数を検査する試験では、実施例1の製剤は、未処理の対照またはTops MZ Gaucho(商標)(Bayer Crop Science;イミダクロプリド製剤)よりもアブラムシ害虫の数においてより多くの減少を示した。結果はサンプルあたりのアブラムシとして測定された。
【0119】
【表18】

【実施例8】
【0120】
実施例7-改良された収穫高
本発明の製剤は、試験においてジャガイモ作物の改善された収穫高を示した。ワシントンとアイダホで行われた試験では、実施例1の製剤で処理されたジャガイモ種から得られた作物は、植物木立による測定では、未処理のコントロールよりもより良い収穫高を示し、且つTops MZ Gaucho(Bayer Crop Science)と比較した場合、より良好なまたは匹敵する収穫高を示した。
【0121】
【表19】

【0122】
本明細書において発表された発明は、当業界に存在する公知の問題を解決する。本発明の範囲から逸脱せずに上記の組成物及び方法について多様な改変が成せるように、本発表中に含まれる全ての事項が本発明の範囲を限定しない単に実例的であるとして理解されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物繁殖材料を処理するための液体組成物であって、水、少なくとも1種の殺真菌剤及び少なくとも1種の殺虫剤を含む有効量の活性成分、並びに以下の成分の混合物:
a. 約0.05〜20重量%の少なくとも1種の湿潤剤;
b. 約0.05〜10重量%の少なくとも1種の分散剤;
c. 約0.05〜5重量%の少なくとも1種の乾燥剤;
d. 約0.01〜20重量%の少なくとも1種のコルク質化剤;並びに任意に
e. 約0〜20重量%の凍結防止剤;及び任意に
f. 約0〜20重量%の溶剤
を含んで成り、
該植物繁殖材料への施用の90分以内に乾燥する液体組成物。
【請求項2】
前記殺真菌剤が、ジアゾール殺真菌剤、トリアゾール殺真菌剤、フェニルピロール殺真菌剤、ストロビルリン殺真菌剤、カルボキサミド殺真菌剤、カルバメート殺真菌剤、アニリノピリミジン殺真菌剤、フェノキシキノリン殺真菌剤、ベンゾイミダゾール殺真菌剤、浸透性殺真菌剤、及びフェニルアミド殺真菌剤から選定される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記殺真菌剤が、フルジオキソニル、ジフェンコナゾール、メフェノキサム、アゾキシストロビン、トリフロキシストロビン、プロピコナゾール、ミクロブタニル、キャプタン、チラム、カルボキシン、オキシカルボキシン、イマザリル、テブコナゾール、マンコゼブ、マネブ、ペンタクロロニトロベンゼン、ストレプトマイシン、チアベンダゾール、チオファネート-メチル、及びトリアジメノールから選定される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記殺真菌剤がフルジオキソニルである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記殺虫剤が、ネオニコチノイド、ピレスロイド、リン含有化合物、及びカルバメートから選定される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記殺虫剤がネオニコチノイド殺虫剤である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記ネオニコチノイド殺虫剤が、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、及びチアメトキサムから選定される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記殺虫剤がチアメトキサムである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記湿潤剤が、1種以上の陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両性イオン性界面活性剤から選定される、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記陰イオン性界面活性剤が、1種以上のアルコールサルフェート、アルコールエーテルサルフェート、アルキルアリールエーテルサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルナフタレンスルホネート等のアルキルアリールスルホネート並びにそれらの塩、アルキルスルホネート、ポリアルコキシ化アルキルアルコールまたはアルキルフェノールのモノ-またはジ-リン酸エステル、C12〜C15アルカノールまたはポリアルコキシ化C12〜C15アルカノールのモノ-またはジ-スルホコハク酸エステル、アルコールエーテルカルボキシレート、フェノールエーテルカルボキシレート、オキシブチレンまたはテトラヒドロフランの残基から成るエトキシ化ポリオキシアルキレングリコールの多塩基酸エステル、N-メチル−N-オレオイルタウレートNa塩等のスルホアルキルアミド及びそれらの塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールカルボキシレート、ポリオキシアルキレンアルコールカルボキシレートアルキルポリグリコシド/アルケニル無水コハク酸縮合物、アルキルエステルサルフェート、ナフタレンスルホネート、ナフタレンホルムアルデヒド縮合物、アルキルスルホンアミド、スルホン化脂肪族ポリエステル、スチリルフェニルアルコキシレートの硫酸エステル、及びスチリルフェニルアルコキシレートのスルホン酸エステル及びそれらの対応のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アンモニウム、アルキルアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、またはトリエタノールアンモニウム塩、リグニンスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩またはアンモニウム塩等のリグニンスルホン酸の塩、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルサルフェート及びポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルホスフェート、並びに硫酸化アルキルフェノールエトキシレート及びリン酸化アルキルフェノールエトキシレートから選定される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記陰イオン性界面活性剤が、1種以上のN-メチル-N-オレオイルタウレートNa塩;トリスチリルフェノールサルフェート;エトキシ化リグニンスルホネート;エトキシ化ノニルフェノールリン酸エステル;カルシウムアルキルベンゼンスルホネート;エトキシ化ノニルフェノールリン酸エステル;エトキシ化トリデシルアルコールリン酸エステル;リグノスルホン酸Na塩;及びナフタレンスルホン酸ナトリウム塩から選定される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記非イオン性界面活性剤が、1種以上のポリアリールフェノールポリエトキシエーテル、ポリアルキルフェノールポリエトキシエーテル、飽和脂肪酸のポリグリコールエーテル誘導体、不飽和脂肪酸のポリグリコールエーテル誘導体、脂肪族アルコールのポリグリコールエーテル誘導体、脂環式アルコールのポリグリコールエーテル誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、アルコキシ化植物油、アルコキシ化アセチレンジオール、ポリアルコキシ化アルキルフェノール、脂肪酸アルコキシレート、ソルビタンアルコキシレート、ソルビトールエステル、C8-C22アルキルまたはアルケニルポリグリコシド、ポリアルコキシスチリルアリールエーテル、アルキルアミンジオキシド、ブロックコポリマーエーテル、ポリアルコキシ化脂肪族グリセリド、ポリアルキレングリコールエーテル、直鎖脂肪族ポリエステルまたは芳香族ポリエステル、有機シリコーン、ポリアリールフェノール、ソルビトールエステルアルコキシレート、並びにエチレングリコールのモノエステル及びジエステル並びにそれらの混合物から選定される、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
前記非イオン性界面活性剤が、1種以上のエトキシ化脂肪族アルコール;エトキシ化トリスチリルフェノール;エトキシ化ラウリルアルコール;エトキシ化ヒマシ油;エトキシ化ノニルフェノールから選定される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記両性イオン性界面活性剤が、C8〜C18脂肪酸のアルカノールアミド及びC8〜C18脂肪族アミンポリアルコキシレートのアルカノールアミド、C10〜C18アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ココナツアルキルジメチルアミノ酢酸、及びC8~18脂肪族アミンポリアルコキシレートのリン酸エステルから選定される、請求項9に記載の組成物。
【請求項15】
前記分散剤(b)が、
bl) EO-PO-EOとPO-EO-POブロックコポリマーを共に含むエチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー(EO/PO ブロックコポリマー)等のアルキレンオキシドランダム及びブロックコポリマー;エチレンオキシド-ブチレンオキシドランダム及びブロックコポリマー、エチレンオキシド-プロピレンオキシドランダム及びブロックコポリマーのC2-6アルキル付加化合物、エチレンオキシド-ブチレンオキシドランダム及びブロックコポリマーのC2-6アルキル付加化合物、
b2) メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテルまたはそれらの混合物等のポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンモノアルキルエーテル;
b3) 酢酸ビニル/ビニルピロリドンコポリマー、
b4) アルキル化ビニルピロリドンコポリマー、
b5) ポリビニルピロリドン、及び
b6) ポリプロピレングリコール及びポリエチレングリコールを含むポリアルキレングリコール、から選定される、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記分散剤が、1種以上のコポリマーブタノールPO/EO、並びに水及びプロピレングリコール中のアクリルグラフトコポリマーである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記乾燥剤が、1種以上の無機酸化物またはポリマーワックスである、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記乾燥剤が、無機酸化物である、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記乾燥剤が、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム及びヒュームドシリカから選定される、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記乾燥剤が二酸化ケイ素である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記乾燥剤が、酸化ポリエチレンワックス及び酸化されていないポリエチレンワックス、ポリエチレンコポリマーワックス、モンタンワックス、及びポリエーテルワックスから選定されるポリマーワックスである、請求項17に記載の組成物。
【請求項22】
前記ポリマーワックスがポリエチレンワックスである、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記コルク質化剤が、1種以上のデンプン、アルキルトリオール、アルキルジオール、フェノール性ポリマー、脂肪族ポリマー、カルボン酸、及びジカルボン酸から選定される、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記コルク質化剤が、少なくとも1種のデンプン及びプロパン-1,2,3-トリオールから選定される、請求項23の記載の組成物。
【請求項25】
緩衝剤、殺生物剤、保存剤、増粘剤、顔料、及び消泡剤をさらに含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
水、チアメトキサム、フルジオキソニル、及び以下の成分:
a. 約1〜5重量%の少なくとも1種の湿潤剤;
b. 約2〜8重量%の少なくとも1種の分散剤;
c. 約0.2〜1.0重量%の少なくとも1種の乾燥剤;
d. 約3〜8重量%の少なくとも1種のコルク質化剤;及び任意に、
e. 約12〜18重量%の少なくとも1種の凍結防止剤、を含んで成る請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記湿潤剤がナフタレンスルホン酸,ナトリウム塩であり;前記分散剤が水とプロピレングリコール中のアクリルグラフトコポリマー及びコポリマーブタノールPO/EOであり;前記乾燥剤が二酸化ケイ素であり;前記コルク質化剤がプロパン-1,2,3-トリオール及びデンプンであり;前記凍結防止剤がプロピレングリコールである、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
水、チアメトキサム、フルジオキソニル、及び以下の成分:
a. 約1〜5重量%の少なくとも1種の湿潤剤;
b. 約2〜8重量%の少なくとも1種の分散剤;
c. 約0.2〜3.0重量%の乾燥剤;
d. 約3〜8重量%のコルク質化剤;及び任意に、
e. 約12〜18重量%の凍結防止剤、を含んで成る、請求項25に記載の組成物。
【請求項29】
前記湿潤剤がリグノスルホン酸,ナトリウム塩であり;前記分散剤が水及びプロピレングリコール中のアクリルグラフトコポリマー及びコポリマーブタノールPO/EOであり;前記乾燥剤がポリエチレンワックスであり;前記コルク質化剤がデンプン及びプロパン-1,2,3-トリオールであり;並びに前記凍結防止剤がプロピレングリコールである、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
有用作物における害虫の侵入を防除するための方法であって、有用作物の植物繁殖材料を殺虫有効量の請求項1に記載の組成物で処理することを含んで成る方法。
【請求項31】
前記植物繁殖材料が、種子、根、果実、塊茎、球根、根茎から選定される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記植物繁殖材料が塊茎であり、且つジャガイモ、キクイモ、及びヤムイモから選定される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ジャガイモが全体のジャガイモまたは切断されたジャガイモである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記植物繁殖材料が球根である、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記球根が、タマネギ、ヒアシンス、海葱、アマリリス、ユキノハナ、チューリップ、ラッパズイセン、スイセン、ユリ、及びランから選定される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
有用作物の植物繁殖材料を殺虫有効量の請求項27に記載の組成物で処理することを含んで成る、有用作物における害虫の侵入を防除するための方法。
【請求項37】
前記害虫が、真菌、細菌、及び昆虫から選定される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
有用作物の植物繁殖材料を殺虫有効量の請求項29に記載の組成物で処理することを含んで成る、有用作物における害虫の侵入を防除するための方法。
【請求項39】
前記害虫が、真菌、細菌、及び昆虫から選定される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
有効量の請求項1に記載の組成物で植物繁殖材料を処理することを含んで成る、該植物繁殖材料におけるコルク質化を促進するための方法。
【請求項41】
有効量の請求項27に記載の組成物で植物繁殖材料を処理することを含んで成る、該植物繁殖材料におけるコルク質化を促進するための方法。
【請求項42】
有効量の請求項29に記載の組成物で植物繁殖材料を処理することを含んで成る、該植物繁殖材料におけるコルク質化を促進するための方法。
【請求項43】
請求項1に記載の組成物で処理される植物繁殖材料。
【請求項44】
請求項27に記載の組成物で処理される植物繁殖材料。
【請求項45】
請求項29に記載の組成物で処理される植物繁殖材料。
【請求項46】
請求項1に記載の組成物で植物繁殖材料を処理することを含んで成る、該植物繁殖材料に施用される液体殺虫剤の乾燥時間を短縮するための方法。
【請求項47】
請求項27に記載の組成物で植物繁殖材料を処理することを含んで成る、該植物繁殖材料に施用される液体殺虫剤の乾燥時間を短縮するための方法。
【請求項48】
請求項29に記載の組成物で植物繁殖材料を処理することを含んで成る、該植物繁殖材料に施用される液体殺虫剤の乾燥時間を短縮するための方法。
【請求項49】
切断された塊茎に施用される液体殺虫剤を該塊茎の皮面に選択的に添加するための方法であって、請求項1に記載の組成物で該切断された塊茎を処理することを含んで成る方法。
【請求項50】
切断された塊茎に施用される液体殺虫剤を該塊茎の皮面に選択的に添加するための方法であって、請求項27に記載の組成物で該切断された塊茎を処理することを含んで成る方法。
【請求項51】
切断された塊茎に施用される液体殺虫剤を該塊茎の皮面に選択的に添加するための方法であって、請求項29に記載の組成物で該切断された塊茎を処理することを含んで成る方法。

【公表番号】特表2009−500333(P2009−500333A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519522(P2008−519522)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/025187
【国際公開番号】WO2007/005470
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】