説明

検出装置及び検出プログラム

【課題】処理結果に重複や漏れが発生することを防止すること。
【解決手段】検出装置は、画像表示装置の撮像画像を取得する。また、検出装置は、取得した撮像画像から、該撮像画像から検出する点欠陥又は線欠陥の種別ごとに異なる検出条件を用いて種別ごとに欠陥画素候補を検出する。そして、検出装置は、種別ごとに検出された欠陥画素候補間で、所定の閾値よりも小さい点欠陥候補や所定の閾値よりも小さい線欠陥候補を、前記種別ごとの候補間で移動する。そして、検出装置は、移動後の前記種別ごとの欠陥画素候補から、点欠陥又は線欠陥を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置及び検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像表示装置の表示領域にある各画素のうち、欠陥画素を検出する検出装置がある。欠陥画素には、消灯指示により消灯しない画素である明欠陥(明点)や、点灯指示により点灯しない画素である暗欠陥(暗点)がある。例えば、明欠陥を検出する場合には、検出装置は、画像表示装置を全表示領域にわたって消灯させ、画像表示装置の画像を撮像する。そして、検出装置は、撮像した撮像画像から消灯しない箇所を検出することで、明欠陥を検出する。
【0003】
また、例えば、暗欠陥を検出する場合には、検出装置は、画像表示装置の全表示領域にわたって赤色(R、Red)を点灯させ、画像表示装置の画像を撮像する。そして、検出装置は、撮像した撮像画像から点灯しない箇所を検出することで、赤色についての暗欠陥を検出する。また、検出装置は、同様に、緑色(G、Green)や青色(B、Blue)についても暗欠陥を検出する。
【0004】
また、複数の欠陥画素が直線状に分布した欠陥画素の領域は、「線欠陥」と称される。また、1つ又は少数の欠陥画素が点状に分布した欠陥画素の領域は、「点欠陥」と称される。なお、縦横個別に得たエッジ画像を分割し、領域ごとにプロファイル処理し、統計的に線欠陥候補を抽出する手法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−172559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、線欠陥を検出するための線欠陥検出処理と、点欠陥を検出するための点欠陥検出処理とを別個に実行する別個手法が考えられる。具体的には、別個手法では、線欠陥を検出する場合には、線欠陥を検出するのに適した検出条件を用いて欠陥画素候補を検出し、検出した欠陥画素候補から線欠陥を決定する。また、別個手法では、点欠陥を検出する場合には、別途、点欠陥を検出するのに適した検出条件を用いて欠陥画素候補を検出し、検出した欠陥画素候補から点欠陥を決定する。
【0007】
しかしながら、線欠陥検出処理と点欠陥検出処理とを別個に実行すると、処理結果に重複や漏れが発生するという課題があった。別個手法では、線欠陥検出処理と点欠陥検出処理とが、それぞれ異なる検出条件を用いる。このため、同一の欠陥画素に対応する欠陥画素候補であっても、線欠陥検出処理によって検出された欠陥画素候補のサイズと、点欠陥検出処理によって検出された欠陥画素候補のサイズとが異なる場合があった。この結果、処理結果に重複や漏れが発生する。
【0008】
例えば、撮像画像内に欠陥画素領域「X」がある場合を例に、図18を用いて更に説明する、なお、図18は、検出結果に重複が発生する場合について説明するための図である。なお、図18の「701」は、撮像画像の一例である。図18の「702a〜702c」は、それぞれ異なる検出条件を用いて検出された欠陥画素候補を示す。また、図18の「703a〜703c」は、決定された点欠陥や線欠陥を示す。
【0009】
この場合、図18の(1)に示すように、点欠陥検出処理は、欠陥画素領域「X」を、点欠陥のサイズに該当するとして、点欠陥として決定することがある。また、図18の(2)に示すように、線欠陥検出処理は、欠陥画素領域「X」を、線欠陥のサイズに該当するとして、線欠陥として決定することがある。この結果、処理結果に重複が発生する。
【0010】
また、例えば、撮像画像内に欠陥画素領域「Y」がある場合を例に用いて、更に説明する。この場合、線欠陥検出処理は、欠陥画素領域「Y」を、線欠陥のサイズに該当しないとして、つまり、点欠陥のサイズに該当するとして、線欠陥として決定しないことがある。また、点欠陥検出処理は、欠陥画素領域「Y」を、点欠陥のサイズに該当しないとして、つまり、線欠陥のサイズに該当するとして、点欠陥として決定しないことがある。この結果、処理結果に漏れが発生する。
【0011】
開示の技術は、上述に鑑みてなされたものであって、処理結果に重複や漏れが発生することを防止可能な検出装置及び検出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
開示の検出装置は、一つの態様において、画像表示装置の撮像画像を取得する取得部を備える。また、検出装置は、前記取得部によって取得された撮像画像から、該撮像画像から検出する点欠陥又は線欠陥の種別ごとに異なる検出条件を用いて種別ごとに欠陥画素候補を検出する検出部を備える。また、検出装置は、前記検出部によって種別ごとに検出された欠陥画素候補間で、所定の閾値よりも小さい点欠陥候補及び/又は所定の閾値よりも小さい線欠陥候補を、前記種別ごとの候補間で移動する移動部を備える。また、検出装置は、前記移動部による移動後の前記種別ごとの欠陥画素候補から、点欠陥又は線欠陥を決定する決定部を備える。
【発明の効果】
【0013】
開示の検出装置の一つの態様によれば、処理結果に重複や漏れが発生することを防止可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施例1に係る検出装置の構成の一例について説明するためのブロック図である。
【図2】図2は、実施例2に係る検出装置の構成の一例について説明するためのブロック図である。
【図3】図3は、実施例2に係る検出装置の配置の一例について説明するための図である。
【図4】図4は、実施例2における点欠陥候補の一例について説明するための図である。
【図5】図5は、実施例2における横欠陥候補の一例について説明するための図である。
【図6】図6は、実施例2における縦欠陥候補の一例について説明するための図である。
【図7】図7は、欠陥画素候補がずれる場合について説明するための図である。
【図8】図8は、ロバートフィルタを用いた場合に得られる検出結果の一例について説明するための図である。
【図9−1】図9−1は、ソーベルフィルタを用いた場合に得られる検出結果の一例について説明するための図である。
【図9−2】図9−2は、ソーベルフィルタを用いた場合に得られる検出結果の一例について説明するための図である。
【図10】図10は、ラプラシアンフィルタを用いた場合に得られる検出結果の一例について説明するための図である。
【図11】図11は、実施例2における分配処理部と決定部とによる処理について説明するための図である。
【図12】図12は、実施例2に係る検出装置による処理の流れの一例について説明するためのフローチャートである。
【図13】図13は、第一の欠陥候補を分配する処理の流れの一例について説明するためのフローチャートである。
【図14】図14は、第二の欠陥候補を再分配する処理の流れの一例について説明するためのフローチャートである。
【図15】図15は、実施例3における分配処理部と決定部とによる処理について説明するための図である。
【図16】図16は、実施例3に係る検出装置による処理の流れの一例について説明するためのフローチャートである。
【図17】図17は、実施例2に係る検出プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。
【図18】図18は、検出結果に重複が発生する場合について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、開示の検出装置及び検出プログラムの実施例について図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施例により開示の発明が限定されるものではない。また、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0016】
図1を用いて、実施例1に係る検出装置100の構成の一例について説明する。図1は、実施例1に係る検出装置の構成の一例について説明するためのブロック図である。検出装置100は、図1に示す例では、取得部101と、検出部102と、移動部103と、決定部104とを有する。
【0017】
取得部101は、画像表示装置の撮像画像を取得する。また、検出部102は、取得部101によって取得された撮像画像から、撮像画像から検出する点欠陥や線欠陥の種別ごとに異なる検出条件を用いて、種別ごとに欠陥画素候補を検出する。
【0018】
また、移動部103は、検出部102によって種別ごとに検出された欠陥画素候補間で、第一の閾値よりも小さい点欠陥候補や第一の閾値よりも小さい線欠陥候補を、前記種別ごとの候補間で移動する。そして、決定部104は、移動部103による移動後の前記種別ごとの欠陥画素候補から、点欠陥又は線欠陥を決定する。
【0019】
ここで、同一の欠陥画素に対応する欠陥画素候補であっても、検出条件ごとに異なる検出結果が得られる場合がある。例えば、線欠陥を検出するのに適した検出条件を用いた際に検出される欠陥画素候補と、点欠陥を検出するのに適した検出条件を用いた際に検出される欠陥画素候補とが異なる場合がある。この結果、検出条件ごとに独立して欠陥画素を決定すると、処理結果に重複や漏れが発生する。
【0020】
このことを踏まえ、実施例1に係る検出装置100は、異なる検出条件を用いて得られた検出結果間で欠陥画素候補を移動することで、移動先の検出結果において、同一の欠陥画素に対応する欠陥画素候補を統合する。この結果、同一の欠陥画素に対応する欠陥画素候補を統合した上で点欠陥や線欠陥を決定でき、処理結果に重複や漏れが発生することを防止可能である。
【実施例2】
【0021】
[検出装置の構成]
次に、実施例2に係る検出装置300について説明する。まず、図2を用いて、実施例2に係る検出装置300の構成の一例について説明する。図2は、実施例2に係る検出装置の構成の一例について説明するためのブロック図である。図2に示す例では、検出装置300は、画像表示装置200と接続され、カメラ301と制御部400とを有する。
【0022】
画像表示装置200は、検出装置300と接続される。画像表示装置200は、単色あるいは複数色を用いて静止画や動画を表示する。例えば、画像表示装置200は、ディスプレイやモニタ、テレビジョンなどの装置が該当する。また、画像表示装置200は、静止画や動画を表示する表示領域を有する。すなわち、画像表示装置200は、表示領域の画素各々が出力する色を制御することで、静止画や動画を表示する。
【0023】
ここで、表示領域の画素は、「x」軸(例えば、水平方向)と「y」軸(例えば、垂直方向)とに沿って配列することで、表示領域を形成する。以下では、説明の便宜上、画素が配列した2つの方向のうち、一方を「横」を称し、他方を「縦」と称する。具体的には、表示領域の「x」軸(例えば、水平方向)を「横」と称し、「y」軸(例えば、垂直方向)を「縦」と称する。
【0024】
画像表示装置200は、複数の原色を用いて様々な色を再現する。以下では、画像表示装置200が、複数の原色として、RGB(赤(Red)、緑(Green)、青(Blue))を用いる場合を例に説明する。すなわち、画像表示装置200が、赤色と緑色と青色との3つの原色を混ぜることで幅広い色を再現する場合を例に説明する。
【0025】
なお、以下では、複数の原色としてRGBを用いる場合を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、RGBに他の色を加えた4つ以上の原色を用いても良く、あるいは、RGB以外の色の組み合わせを用いても良い。また、例えば、検出装置300を利用する者が設定した任意の色を用いても良い。
【0026】
画像表示装置200は、検出装置300の点灯指示部401からテストパターンを受信すると、受信したテストパターンに基づいて表示領域を点灯する。なお、画像表示装置200が受信するテストパターンの詳細については、ここでは説明を省略し、点灯指示部401について説明する際に併せて説明する。また、画像表示装置200は、後述するように、表示領域の画像がカメラ301によって撮像される。
【0027】
検出装置300の各部について説明する。カメラ301は、制御部400と接続される。カメラ301は、画像表示装置200がテストパターンを表示すると、画像表示装置200の表示領域を撮像する。例えば、カメラ301は、異なるテストパターンが表示されるごとに表示領域を撮像する。そして、カメラ301は、撮像した撮像画像を制御部400の撮像画像取得部402に送信する。なお、以下では、カメラ301がモノクロの画像を撮像する場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、カラーの画像を撮像しても良い。
【0028】
また、後述するように、制御部400は、カメラ301によって撮像された撮像画像を用いて、画像表示装置200の表示領域にある各画素のうち欠陥画素を検出する。このため、カメラ301は、表示領域の画素各々を区別可能な画像を撮像可能なものを用いる。
【0029】
ここで、撮像画像には、画像表示装置200の表示領域だけでなく、画像表示装置200の表示領域以外の部分も含まれる場合もある。以下では、説明の便宜上、特に言及しない限り、撮像画像には表示領域以外の部分が含まれないものとして説明する。すなわち、以下では、撮像画像と記載した場合には、表示領域の撮像画像を示すものとして説明する。
【0030】
制御部400は、画像表示装置200及びカメラ301と接続される。制御部400は、各種の制御手順などを規定したプログラムを記憶するための内部メモリを有し、種々の取得処理を制御する。制御部400は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、又は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。制御部400は、図2に示す例では、点灯指示部401と、撮像画像取得部402と、点欠陥候補検出部403と、線欠陥候補検出部404と、分配処理部405と決定部406とを有する。
【0031】
ここで、図3を用いて、画像表示装置200と、カメラ301と、制御部400との配置の一例について簡単に説明する。図3は、実施例2に係る検出装置の配置の一例について説明するための図である。図3に示すように、制御部400は、画像表示装置200と接続され、後述するように、テストパターンを画像表示装置200に送信する。画像表示装置200は、テストパターンを受信すると、受信したテストパターンを表示領域にて表示する。また、カメラ301は、画像表示装置200の表示領域に向かって撮像面となるレンズを向けており、テストパターンを表示した表示領域の画像を撮像する。
【0032】
図2の説明に戻る。点灯指示により点灯しない画素である暗欠陥(暗点)を検出装置300が検出する場合には、点灯指示部401は、画像表示装置200が色を表示する際に用いる原色ごとに、全表示領域にわたって原色を点灯させるテストパターンを画像表示装置200に送信する。例えば、点灯指示部401は、全表示領域にわたって赤色を点灯させるテストパターンを送信し、全表示領域にわたって緑色を点灯させるテストパターンを送信し、全表示領域にわたって青色を点灯させるテストパターンを送信する。
【0033】
なお、この結果、画像表示装置200は、点灯指示部401から受信したテストパターンに基づいて表示領域を点灯する。例えば、画像表示装置200は、全表示領域にわたって赤色を点灯させるテストパターンに基づいて、全表示領域にわたって赤色を点灯する。また、同様に、画像表示装置200は、全表示領域にわたって緑色を点灯し、全表示領域にわたって青色を点灯する。
【0034】
また、その際、カメラ301は、画像表示装置200が色を表示する際に用いる原色ごとに、全表示領域にわたって原色を点灯した画像表示装置200の画像を撮像する。例えば、カメラ301は、全表示領域にわたって赤色を点灯させるテストパターンに基づいて点灯した表示領域の画像を撮像し、全表示領域にわたって緑色を点灯させるテストパターンに基づいて点灯した表示領域の画像を撮像する。また、カメラ301は、全表示領域にわたって青色を点灯させるテストパターンに基づいて点灯した表示領域の画像を撮像する。
【0035】
また、消灯指示により消灯しない画素である明欠陥(明点)を検出装置300が検出する場合には、点灯指示部401は、全表示領域にわたって消灯させるテストパターンを画像表示装置200に送信する。なお、この結果、画像表示装置200は、点灯指示部401から受信したテストパターンに基づいて表示領域を消灯し、カメラ301が、画像表示装置200の画像を撮像する。
【0036】
撮像画像取得部402は、カメラ301によって撮像された撮像画像を取得する。例えば、カメラ301によって画像が撮像されるごとに、撮像画像をカメラ301から取得する。
【0037】
撮像画像取得部402が取得した撮像画像について、更に説明する。撮像画像は、テストパターンに基づいて点灯あるいは消灯した表示領域の画像である。ここで、表示領域に欠陥画素がある場合には、欠陥画素に対応する撮像画像の部分が示す画素値と、欠陥画素以外に対応する撮像画像の部分が示す画素値とが、異なる。なお、画素値とは、例えば、輝度や彩度、色相、明度などを示す。
【0038】
例えば、全表示領域にわたって原色を点灯させるテストパターンを送信した場合を例に説明する。この場合、明欠陥以外に対応する部分(正常な部分)の輝度は「0」になり、明欠陥に対応する部分の輝度は「0」より高い値になる。また、例えば、全表示領域にわたって消灯させるテストパターンを送信した場合を例に説明する。この場合、暗欠陥に対応する部分の輝度は、暗欠陥以外に対応する部分(正常な部分)の輝度と比較して、低い値になる。
【0039】
図2の説明に戻る。点欠陥候補検出部403や線欠陥候補検出部404は、撮像画像から、それぞれ異なる検出条件を用いて欠陥画素候補を検出する。具体的には、点欠陥候補検出部403や線欠陥候補検出部404は、欠陥画素が示す画素値と正常な画素が示す画素値とが異なることを用いて、欠陥画素候補を検出する。
【0040】
欠陥画素を検出する処理について更に説明する。欠陥画素と正常な画素との境界では、画素値の変化が大きくなる。このため、画素値の変化が大きくなる箇所を検出することで、欠陥画素を検出できる。画素値の変化が大きくなる箇所を検出する手法としては、例えば、画素値の変化に対して微分演算を行う手法や、周囲にある画素の画素値との差分について差分演算を用いる手法がある。なお、画素値の変化が大きくなる箇所をデジタル画像から検出する場合には、差分演算が用いられる。
【0041】
例えば、点欠陥候補検出部403や線欠陥候補検出部404は、周囲にある画素の画素値の重み付けテーブル(オペレータ)を用いて、周囲画素との差分を画素ごとに算出することで、欠陥画素候補を検出する。また、単純に差分処理を行うと、画像に含まれる雑音成分にも反応してしまうことを踏まえ、雑音の低減とノイズの除去との両方の働きを持つフィルタが用いられる。
【0042】
以下では、点欠陥候補検出部403と線欠陥候補検出部404とについて、更に詳細に説明する。点欠陥候補検出部403は、点欠陥を検出するのに適した検出条件を用いて、撮像画像から欠陥画素候補を検出する。ここで、点欠陥候補検出部403によって検出された欠陥画素候補が、点欠陥候補である。例えば、点欠陥候補検出部403は、ラプラシアンフィルタ(Laplacian Filter)を用いて欠陥画素候補を検出する。
【0043】
なお、以下では、点欠陥候補検出部403は、ラプラシアンフィルタを用いて点欠陥候補を検出する場合を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、他のフィルタを用いても良い。例えば、ソーベルフィルタ(Sobel Filter)を用いても良い。
【0044】
図4を用いて、点欠陥候補検出部403によって検出された点欠陥候補の一例について説明する。図4は、実施例2における点欠陥候補の一例について説明するための図である。図4の(1)は、撮像画像の一例を示し、図4の(2)は、図4の(1)に示す撮像画像から検出された点欠陥候補の一例を示す。図4の(2)に示す例では、点欠陥候補には、点欠陥に対応する欠陥画素候補と、線欠陥に対応する欠陥画素候補とが含まれる。
【0045】
線欠陥候補検出部404は、撮像画像取得部402によって取得された撮像画像から、線欠陥を検出するのに適した検出条件を用いて欠陥画素を検出する。ここで、線欠陥候補検出部404によって検出された欠陥画素候補が、線欠陥候補である。具体的には、線欠陥候補検出部404は、検出条件として、横欠陥を検出するのに適した条件を用いて、撮像画像から横欠陥候補を検出する。また、線欠陥候補検出部404は、縦欠陥を検出するのに適した条件を用いて、撮像画像から縦欠陥候補を検出する。なお、「横欠陥」は、横方向に欠陥画素が分布した線欠陥であり、「縦欠陥」は、縦方向に欠陥画素が分布した線欠陥である。
【0046】
例えば、線欠陥候補検出部404は、横欠陥を検出するのに適したソーベルフィルタを用いて欠陥画素候補を検出する。また、線欠陥候補検出部404は、縦欠陥を検出するのに適したソーベルフィルタを用いて欠陥画素候補を検出する。
【0047】
図5を用いて、線欠陥候補検出部404によって検出された横欠陥候補の一例について説明する。図5は、実施例2における横欠陥候補の一例について説明するための図である。図5の(1)は、撮像画像の一例を示し、図5の(2)は、図5の(1)に示す撮像画像から検出された横欠陥候補の一例を示す。
【0048】
図5の(2)に示す例では、線欠陥候補検出部404が、縦方向に隣接した画素と輝度差がある箇所を検出することで、横欠陥画素候補を検出した場合を例に示した。この場合、図5の(2)に示すように、横欠陥候補には、点欠陥に対応する欠陥画素候補と、縦欠陥の端に対応する欠陥画素候補と、横欠陥に対応する欠陥画素候補とが含まれる。
【0049】
また、図6を用いて、線欠陥候補検出部404によって検出された縦欠陥候補の一例について説明する。図6は、実施例2における縦欠陥候補の一例について説明するための図である。図6の(1)は、撮像画像の一例を示し、図6の(2)は、図6の(1)に示す撮像画像から検出された縦欠陥候補の一例を示す。
【0050】
図6の(2)に示す例では、線欠陥候補検出部404が、横方向に隣接した画素と輝度差がある箇所を検出することで、縦欠陥画素候補を検出した場合を例に示した。この場合、図6の(2)に示すように、縦欠陥候補には、点欠陥に対応する欠陥画素候補と、横欠陥の端に対応する欠陥画素候補と、縦欠陥に対応する欠陥画素候補とが含まれる。
【0051】
ここで、図5に示すように、横欠陥候補として、縦欠陥の端に対応する欠陥画素候補と、横欠陥に対応する欠陥画素候補とが含まれる理由について説明する。上述のように、線欠陥候補検出部404は、横欠陥候補を検出する場合には、縦方向に隣接した画素と輝度差がある箇所を検出する。ここで、縦欠陥を形成する欠陥画素のうち、縦方向に隣接した画素と輝度差がある箇所は、上の端にある欠陥画素と、下の端にある欠陥画素とである。この結果、線欠陥候補検出部404は、横欠陥候補として、縦欠陥の端に対応する欠陥画素候補を検出する。また、横欠陥を形成する欠陥画素のうち、縦方向に隣接した画素と輝度差がある箇所は、横欠陥画素を形成する画素すべてである。この結果、線欠陥候補検出部404は、横欠陥候補として、横欠陥に対応する欠陥画素候補を検出する。
【0052】
なお、図6に示すように、縦欠陥候補として、横欠陥の端に対応する欠陥画素候補と、縦欠陥に対応する欠陥画素候補とが含まれる理由は、横欠陥候補について説明した理由と同様である。
【0053】
ここで、同一の欠陥画素に対応する欠陥画素候補であっても、点欠陥候補検出部403によって検出される欠陥画素候補と、線欠陥候補検出部404によって検出される欠陥画素候補とがずれる場合について説明する。言い換えると、異なる検出条件を用いて種別ごとに欠陥画素候補を検出すると、種別ごとの欠陥画素候補は完全に一致せず、ずれが発生する点について説明する。
【0054】
例えば、検索条件として、「ロバートフィルタ(Roberts Filter)」や「ソーベルフィルタ」、「ラプラシアンフィルタ」を用いる場合を例に説明する。以下では、図7に示す撮像画像に対して検出処理を行った場合を例に説明する。図7は、欠陥画素候補がずれる場合について説明するための図である。また、図7に示すように、「3×3」のフィルタを用いた場合を例に説明する。以下では、各フィルタについて簡単に説明した上で、実際に検出結果にずれが発生したことを示す。
【0055】
「ロバートフィルタ」について説明する。「ロバートフィルタ」は、空間1次微分を計算し、輪郭を検出する。「ロバートフィルタ」のオペレータは、下記の数1や数2のようになる。なお、数1や数2は、記載する形式を変更したものである。検出装置300は、数1や数2を用いた場合には、斜め方向に隣接した画素と差分がある箇所を検出することで、エッジを検出する。
【0056】
(数1) f=[0 0 0; 0 1 0; 0 0 −1]
【0057】
【数2】

【0058】
「ソーベルフィルタ」について説明する。「ソーベルフィルタ」は、空間1次微分を計算し、輪郭を検出する。「ソーベルフィルタ」のオペレータは、下記の数3や数4、あるいは、下記の数5や数6のようになる。なお、数3や数4、あるいは、数5や数6は、記載する形式を変更したものである。検出装置300は、数3や数4を用いた場合には、横方向に隣接した画素と差分がある箇所を検出することで、縦方向に分布した欠陥画素のエッジを検出する。また、検出装置300は、数5や数6を用いた場合には、隣接した画素と差分がある箇所を検出することで、横方向に分布した欠陥画素のエッジを検出する。
【0059】
(数3) f=[−1 0 1; −2 0 2; −1 0 1]
【0060】
【数4】

【0061】
(数5) f=[1 2 1; 0 0 0; −1 −2 −1]
【0062】
【数6】

【0063】
「ラプラシアンフィルタ」について説明する。「ラプラシアンフィルタ」は、空間2次微分を計算し、輪郭を検出する。「ラプラシアンフィルタ」のオペレータは、下記の数7や数8のようになる。なお、数7や数8は、記載する形式を変更したものである。
【0064】
(数7) f=[0 −1 0;−1 4 −1;0 −1 0]
【0065】
【数8】

【0066】
ここで、図8〜図10を用いて、上述の各種フィルタを用いた場合に得られる検出結果の一例を示す。図8は、ロバートフィルタを用いた場合に得られる検出結果の一例について説明するための図である。図9−1と図9−2とは、ソーベルフィルタを用いた場合に得られる検出結果の一例について説明するための図である。図10は、ラプラシアンフィルタを用いた場合に得られる検出結果の一例について説明するための図である。図8〜図10では、白抜きの部分がエッジを示す。つまり、図8〜図10の白抜きの部分が、欠陥画素候補に対応する。ここで、図8〜図10を比べるとわかるように、検出結果各々は、完全に一致するわけではなく、ずれが発生していることがわかる。例えば、図7における点欠陥に対応する欠陥画素候補の大きさが異なっており、また、例えば、図7における線欠陥に対応する欠陥画素候補の長さが異なっている。
【0067】
図2の説明に戻り、分配処理部405について説明する。以下では、分配処理部405による分配処理と、分配処理部405による再分配処理とについて、順に説明する。まず、分配処理部405による分配処理について説明する。分配処理部405は、線欠陥候補検出部404によって検出された線欠陥候補のうち第一の閾値よりも小さい第一の欠陥候補を抽出し、点欠陥候補検出部403によって検出された点欠陥候補に分配する。具体的には、分配処理部405は、横欠陥候補から第一の欠陥候補を点欠陥候補に分配し、縦欠陥候補から第一の欠陥候補を点欠陥候補に分配する。ここで、第一の欠陥画素候補は、例えば、短い線欠陥に対応する欠陥画素候補や、点欠陥に対応する欠陥画素候補が該当する。
【0068】
「第一の閾値」について更に説明する。上述のように、検出条件が異なる場合、検出結果には「ずれ」が発生する。言い換えると、同一の欠陥画素に対応する欠陥画素候補であったとしても、検出条件ごとに大きさが異なる場合がある。この結果、線欠陥には、検出条件によっては線欠陥や点欠陥として決定されたり決定されなかったりする長さの欠陥画素「A」と、検出条件に関係なく線欠陥として決定される長さの欠陥画素「B」とがあると考えられる。「第一の閾値」は、線欠陥候補のうち、欠陥画素「B」に対応する欠陥画素候補以外の欠陥画素候補を識別するための閾値である。つまり、「第一の閾値」は、線欠陥候補から、欠陥画素「A」に対応する欠陥画候補と、線欠陥の端点や点欠陥に対応する欠陥画素候補とを識別するための閾値である。
【0069】
すなわち、分配処理部405は、横欠陥候補や縦欠陥候補に含まれる欠陥画素候補のうち、線欠陥であることが明らかな欠陥画素候補についてはそのまま残す。一方、分配処理部405は、横欠陥候補や縦欠陥候補に含まれる欠陥画素候補のうち、線欠陥であることが明らかな欠陥画素候補以外の欠陥画素候補については、点欠陥候補に分配する。
【0070】
例えば、第一の閾値として、「4画素」を用いる場合を例に更に説明する。すなわち、線欠陥候補のうち「4画素」より大きい欠陥画素候補は、線欠陥「B」に対応する場合を例に説明する。また、線欠陥候補のうち「4画素」より大きい欠陥画素候補以外の欠陥画素候補は、欠陥画素「A」や点欠陥に対応する場合を例に説明する。
【0071】
この場合、分配処理部405は、線欠陥候補から、「4画素」よりも小さい線状の欠陥画素候補や点状の欠陥画素候補を抽出し、点欠陥候補に分配する。この結果、分配後の線欠陥候補には、分配前の線欠陥候補のうち、線欠陥「B」に対応する欠陥画素候補のみが含まれる。また、分配後の点欠陥候補には、分配前の線欠陥候補のうち、欠陥画素「A」に対応する欠陥画素候補や、線欠陥の端点や点欠陥に対応する欠陥画素候補が追加される。
【0072】
また、分配後の点欠陥候補には、分配前の点欠陥候補が残ったままである。ここで、分配後の点欠陥候補では、線欠陥候補から分配された欠陥画素候補と、分配前の点欠陥候補とが、区別されない。つまり、分配後の点欠陥候補は、分配前の点欠陥候補と、線欠陥候補から分配された欠陥画素候補とを統合したものである。言い換えると、分配後の点欠陥候補は、分配前の点欠陥候補と、線欠陥候補から分配された欠陥画素候補とを重ねたものが該当する。
【0073】
この結果、分配後の点欠陥候補においては、欠陥画素「A」に対応する欠陥画素候補については、重ねられることで1つに統合される。また、横欠陥の端点に対応する欠陥画素候補は、横欠陥に対応する欠陥画素候補の一部になり、縦欠陥の端点に対応する欠陥画素候補は、縦欠陥に対応する欠陥画素候補の一部になる。
【0074】
なお、以下では、第一の閾値として「4画素」を用いる場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、「2画素」や「3画素」、あるいは、「5画素」以上の値など、検出装置300を利用する利用者が任意の値に設定して良い。また、第一の閾値として直線状に分布した欠陥画素の「長さ」を用いる場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、「面積」を用いても良い。
【0075】
[分配処理部による再分配処理]
分配処理部405は、第二の閾値よりも大きい第二の欠陥候補を分配後の点欠陥候補から抽出し、分配後の線欠陥候補に再分配する。具体的には、分配処理部405は、第二の欠陥候補のうち、横方向に欠陥画素候補が分布したものを分配後の横欠陥候補に再分配する。また、分配処理部405は、第二の欠陥候補のうち、縦方向に欠陥画素候補が分布したものを分配後の縦欠陥候補に再分配する。
【0076】
「第二の閾値」について更に説明する。「第二の閾値」は、線欠陥か点欠陥かを区別するための閾値であり、利用者によって任意の値が設定される。例えば、「3画素」よりも多くの欠陥画素が直線状に分布した場合に、利用者が「線欠陥」と判断する場合を例に説明する。この場合、第二の閾値は「3画素」になる。
【0077】
すなわち、分配処理部405は、分配後の点欠陥候補に含まれる線欠陥を、分配後の線欠陥候補に再分配する。上述のように、線欠陥候補から点欠陥候補に第一の欠陥候補が分配されており、分配後の線欠陥候補には、線欠陥か明らかではない短い線欠陥は含まれていない。このことを踏まえ、分配処理部405は、分配後の点欠陥候補から第二の欠陥候補(線欠陥)を抽出し、分配後の線欠陥候補に再分配する。つまり、分配処理部405は、漏れや重複が起きる可能性のある欠陥画素候補については、点欠陥候補に一旦集約した上で、集約後の点欠陥候補を用いて線欠陥か否かを判定する。そして、集約後の点欠陥候補を用いた判定結果において、線欠陥と判定した欠陥画素候補について、線欠陥候補に再分配する。
【0078】
例えば、第二の閾値として、「3画素」を用いる場合を例に更に説明する。この場合、分配処理部405は、点欠陥候補から、「3画素」よりも大きい第二の欠陥候補を抽出し、線欠陥候補に再分配する。この結果、再分配後の点欠陥候補には、分配後再分配前の点欠陥候補のうち、第二の欠陥候補以外の欠陥画素候補が残る。つまり、分配後再分配前の点欠陥候補には、点欠陥が残る。また、再分配後の線欠陥候補には、分配後再分配前の点欠陥候補に含まれていた線欠陥が追加される。
【0079】
なお、分配後再分配前の線欠陥候補には、線欠陥「B」に対応する欠陥画素候補が残っている。このため、分配処理部405は、第二の欠陥候補のうち、分配後再分配前の線欠陥候補にないものを選択的に再分配しても良い。この場合、分配処理部405は、再分配後に、再分配後の点欠陥候補から、残りの第二の欠陥候補を削除する。なお、分配処理部405による詳細な処理の一例については、図11や図14〜図16を用いて後述するため、ここでは説明を省略する。
【0080】
図2の説明に戻る。決定部406は、再分配後の点欠陥候補を「点欠陥」として決定する。また、決定部406は、再分配後の線欠陥候補を「線欠陥」として決定する。
【0081】
ここで、図11を用いて、分配処理部405と決定部406とによる処理について更に説明する。図11は、実施例2における分配処理部と決定部とによる処理について説明するための図である。また、図11では、分配処理部405が、上述のように、再分配の際に、選択的に再分配し、残りの第二の欠陥候補を点欠陥候補から削除する場合を例に説明する。
【0082】
ここで、図11の「501」は、撮像画像の一例であり、図11の「502a〜502c」は、点欠陥候補検出部403や線欠陥候補検出部404によって検出された欠陥画素候補である。また、図11の「503a〜503c」は、分配後の欠陥画素候補である。図11の「504a〜504c」は、再分配後の欠陥画素候補である。また、図11の「505b」は、削除後の点欠陥候補である。また、図11の「502a、503a、504a」は、横欠陥候補であり、図11の「502b、503b、504b、505b」は、点欠陥候補であり、図11の「502c、503c、504c」は、縦欠陥候補である。なお、図11では説明の為、撮像画像を用いて説明しているが、本実施例はこれに限るものではない。例えば、検出された各欠陥画素候補に、それぞれ一意に識別するための情報を対応付けて記憶領域に記憶し、該記憶領域上で、各欠陥画素候補の識別情報をいずれの種類の結果に属するものかを更新することで、同様の機能を実現しても構わない。
【0083】
図11の(i)や(ii)に示すように、分配処理部405は、横欠陥候補「502a」として検出した候補箇所のうち第一の欠陥候補を、横欠陥候補から削除するとともに点欠陥候補「502b」に追加し、縦欠陥候補「502c」として検出した候補箇所のうち第一の欠陥候補を、縦欠陥候補から削除するとともに点欠陥候補「502b」に追加する。この結果、(3)分配後の横欠陥候補「503a」には、長い横欠陥に対応する欠陥画素候補が残り、分配後の縦欠陥候補「503c」には、長い縦欠陥に対応する欠陥画素候補が残る。また、この結果、前記追加(分配)後の点欠陥候補「503b」には、追加(分配)前の点欠陥候補「502b」と、横欠陥候補「502a」や縦欠陥候補「502c」に含まれていた第一の欠陥候補とが含まれる。
【0084】
そして、図11の(iii)や(iv)に示すように、分配処理部405は、追加後の点欠陥候補「503b」の第二の欠陥候補のうち、(3)分配後の横欠陥候補「503a」や縦欠陥候補「503c」で線欠陥候補にない欠陥候補を、点欠陥候補「503b」から削除し、横欠陥候補「503a」または縦欠陥候補「503c」へ追加する。この結果、(4)再分配後の横欠陥候補「504a」には、(3)分配後の横欠陥候補「503a」に含まれる欠陥候補と、欠陥候補「503b」の第二の欠陥候補のうち横方向に欠陥画素候補が分布したものがあれば、該横方向に欠陥画素候補が分布した欠陥候補とが含まれることになる。また、(4)再分配後の縦欠陥候補「504c」には、(3)分配後の縦欠陥候補「503c」に含まれる欠陥候補と、欠陥候補「503b」の第二の欠陥候補のうち縦方向に欠陥画素候補が分布したものがあれば、該縦方向に欠陥画素候補が分布した欠陥候補とが含まれることになる。
【0085】
そして、図11の(v)に示すように、分配処理部405は、(4)再分配後の点欠陥候補「504b」から、残った第二の欠陥候補を削除する。この結果、削除後の点欠陥候補「505b」には、(3)分配後の点欠陥候補「503b」のうち、第二の欠陥候補以外の欠陥画素候補が残る。
【0086】
そして、決定部406は、(4)再分配後の横欠陥候補「504a」に含まれる欠陥画素候補が横欠陥であると決定し、再分配後の縦欠陥候補「504c」に含まれる欠陥画素候補が縦欠陥であると決定する。また、決定部406は、(5)削除後の点欠陥候補「505b」に含まれる欠陥画素候補が点欠陥であると決定する。
【0087】
また、決定部406は、線欠陥や点欠陥を決定すると、決定した線欠陥や点欠陥の位置や個数を出力する。例えば、決定部406は、検出装置300を利用する利用者に出力する。例えば、決定部406は、線欠陥が「2」個検出された旨や、検出された線欠陥の位置を出力する。
【0088】
なお、検出装置300は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)端末、移動体通信端末又はPDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理装置を利用して実現しても良い。例えば、PDAなどの情報処理装置に、図2に示した点灯指示部401と、撮像画像取得部402と、点欠陥候補検出部403と、線欠陥候補検出部404と、分配処理部405と、決定部406との各機能を搭載することによって実現しても良い。
【0089】
[実施例2に係る検出装置による処理]
次に、図12を用いて、実施例2に係る検出装置300による処理の流れの一例について説明する。図12は、実施例2に係る検出装置による処理の流れの一例について説明するためのフローチャートである。
【0090】
図12に示すように、検査が開始されると(ステップS101肯定)、点灯指示部401は、テストパターンを送信する(ステップS102)。そして、カメラ301は、画像表示装置200がテストパターンを表示すると、画像表示装置200の表示領域を撮像する(ステップS103)。
【0091】
そして、点欠陥候補検出部403は、点欠陥を検出するのに適した検出条件を用いて、撮像画像から点欠陥候補を検出する(ステップS104)。例えば、点欠陥候補検出部403は、ラプラシアンフィルタを用いて欠陥画素候補を検出する。
【0092】
また、線欠陥候補検出部404は、横欠陥を検出するのに適した条件を用いて、撮像画像から横欠陥候補を検出し(ステップS105)、縦欠陥を検出するのに適した条件を用いて、撮像画像から縦欠陥候補を検出する(ステップS106)。例えば、線欠陥候補検出部404は、ソーベルフィルタを用いて欠陥画素候補を検出する。
【0093】
そして、分配処理部405は、横欠陥候補から点欠陥候補に第一の欠陥候補を分配し(ステップS107)、縦欠陥候補から点欠陥候補に第一の欠陥候補を分配する(ステップS108)。すなわち、分配処理部405は、横欠陥候補や縦欠陥候補に含まれる欠陥画素候補のうち、線欠陥であることが明らかな欠陥画素候補についてはそのまま残す。一方、分配処理部405は、横欠陥候補や縦欠陥候補に含まれる欠陥画素候補のうち、線欠陥であることが明らかな欠陥画素候補以外の欠陥画素候補については、点欠陥候補に分配する。
【0094】
そして、分配処理部405は、分配後の点欠陥候補から分配後の線欠陥候補に、第二の欠陥候補を再分配する(ステップS109)。具体的には、分配処理部405は、第二の欠陥候補のうち、横方向に欠陥画素候補が分布したものを分配後の横欠陥候補に再分配する。また、分配処理部405は、第二の欠陥候補のうち、縦方向に欠陥画素候補が分布したものを分配後の縦欠陥候補に再分配する。
【0095】
すなわち、分配処理部405は、漏れや重複が起きる可能性のある欠陥画素候補については、点欠陥候補に一旦集約した上で(上述のステップS107及びS108)、集約後の点欠陥候補を用いて線欠陥か点欠陥かを判定する。そして、集約後の点欠陥候補を用いた判定結果に基づいて、線欠陥については線欠陥候補に再分配し(上述のステップS109)、点欠陥についてはそのまま残す。
【0096】
そして、決定部406は、再分配後の点欠陥候補を「点欠陥」として決定し、再分配後の線欠陥候補を「線欠陥」として決定する(ステップS110)。
【0097】
なお、上述の処理手順は、上述の順番に限定されるものではなく、処理内容を矛盾させない範囲で適宜変更しても良い。例えば、上述のステップS104〜S106との順番を利用者が任意に変更しても良く、並行して実行しても良い。また、例えば、上述のステップS107とS108との順番を逆にしても良い。
【0098】
[実施例2における分配処理部による分配処理]
図13を用いて、線欠陥候補から点欠陥候補に第一の欠陥候補を分配する処理の流れの一例について説明する。図13は、第一の欠陥候補を分配する処理の流れの一例について説明するためのフローチャートである。なお、図13を用いて説明する処理は、図12におけるステップS107やステップS108に対応する。以下では、横欠陥候補から点欠陥候補に第一の欠陥候補を分配する場合を例に説明する。
【0099】
図13に示すように、分配処理部405は、横欠陥候補について、横方向についての主軸限定処理を行う(ステップS201)。つまり、分配処理部405は、横欠陥候補から、横方向に欠陥画素候補が分布していない欠陥画素候補を除外する。言い換えると、分配処理部405は、縦方向や斜め方向に欠陥画素候補が分布しているものがあれば除外する。例えば、分配処理部405は、横方向を「x」軸、縦方向を「y」軸とした場合に、「x」軸を中心として「±10℃」以内に欠陥画素候補が分布しているもの以外を除外する。
【0100】
主軸限定処理について更に説明する。例えば、撮像画像にノイズが含まれている場合には、縦欠陥候補に、「斜め」方向に分布した欠陥画素候補が含まれる場合がある。この場合、主軸限定処理を実行することによって、「斜め」方向に分布した欠陥画素候補を除外することができる。
【0101】
そして、分配処理部405は、横欠陥候補のうち、第一の閾値より小さい欠陥画素候補を抽出することで、第一の欠陥候補を抽出する(ステップS202)。例えば、分配処理部405は、「4画素」よりも小さい線状の欠陥画素候補や点状の欠陥画素候補を抽出する。
【0102】
そして、分配処理部405は、第一の欠陥候補を点欠陥候補に分配する(ステップS203)。また、この際、分配処理部405は、分配前の横欠陥候補から第一の欠陥候補を削除した上で、分配後の横欠陥候補とする。また、分配処理部405は、横欠陥候補からの第一の欠陥候補と、分配前の点欠陥候補とを統合する。
【0103】
なお、縦欠陥候補から点欠陥候補に第一の欠陥候補を分配する場合には、分配処理部405は、上述のステップS201において、「y」軸を中心として「±10℃」以内に欠陥画素が分布しているもの以外を除外する。
【0104】
なお、上述の処理手順は、上述の順番に限定されるものではなく、処理内容を矛盾させない範囲で適宜変更しても良い。例えば、上述のステップS201と〜S202との順番を逆にしても良い。また、上述の主軸限定処理では、「±10℃」以内に欠陥画素候補が分布しているもの以外を除外する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、「±10℃」より幅が広くても狭くても良く、利用者が任意の値を設定して良い。
【0105】
[実施例2における分配処理部による再分配処理]
次に、図14を用いて、分配後の点欠陥候補から分配後の線欠陥候補に第二の欠陥候補を再分配する処理の流れの一例について説明する。図14は、第二の欠陥候補を再分配する処理の流れの一例について説明するためのフローチャートである。なお、図14を用いて説明する処理は、図12におけるステップS109に対応する。
【0106】
図14に示すように、分配処理部405は、分配後の点欠陥候補について、横方向についての主軸限定処理を行う(ステップS301)。つまり、分配処理部405は、分配後の点欠陥候補から、横方向に欠陥画素候補が分布していない欠陥画素候補を除外する。
【0107】
そして、分配処理部405は、横方向についての主軸限定処理により得られた欠陥画素候補のうち、第二の閾値より大きい欠陥画素候補を抽出することで、第二の欠陥候補を抽出する(ステップS302)。例えば、分配処理部405は、「3画素」よりも大きい欠陥画素候補を抽出する。
【0108】
そして、分配処理部405は、ステップS302にて抽出した第二の欠陥候補を横欠陥候補に再分配する(ステップS303)。この際、分配処理部405は、点欠陥候補からの第二の欠陥候補と、分配後の横欠陥候補とを統合し、再分配後の横欠陥候補とする。
【0109】
また、分配処理部405は、分配後の点欠陥候補について、縦方向についての主軸限定処理を行う(ステップS304)。つまり、分配処理部405は、分配後の点欠陥候補から、縦方向に欠陥画素候補が分布していない欠陥画素候補を除外する。
【0110】
そして、分配処理部405は、縦方向についての主軸限定処理により得られた欠陥画素候補のうち、第二の閾値より大きい欠陥画素候補を抽出することで、第二の欠陥候補を抽出する(ステップS305)。例えば、分配処理部405は、「3画素」よりも大きい欠陥画素候補を抽出する。
【0111】
そして、分配処理部405は、ステップS305にて抽出した第二の欠陥候補を縦欠陥候補に再分配する(ステップS306)。この際、分配処理部405は、点欠陥候補からの第二の欠陥候補と、分配後の縦欠陥候補とを統合し、再分配後の縦欠陥候補とする。また、分配処理部405は、分配後再分配前の点欠陥候補から、ステップS303やステップS305にて再分配した第二の欠陥候補を削除する。
【0112】
なお、上述の処理手順は、上述の順番に限定されるものではなく、処理内容を矛盾させない範囲で適宜変更しても良い。例えば、上述のステップS304〜S306を、ステップS301〜S303の前に実行しても良く、上述のステップS301とS302との順番を逆にしても良く、上述のステップS304とS305との順番を逆にしても良い。
【0113】
[実施例2の効果]
上述のように、実施例2によれば、検出装置300は、画像表示装置200の撮像画像を取得する。そして、取得した撮像画像から点欠陥候補を検出し、取得した撮像画像から線欠陥候補を検出する。そして、検出装置300は、検出した線欠陥候補のうち第一の閾値よりも小さい第一の欠陥候補を抽出し、第一の検出部によって検出された点欠陥候補に分配する。そして、検出装置300は、分配後の点欠陥候補のうち第二の閾値よりも大きい第二の欠陥候補を抽出し、分配後の線欠陥候補に再分配する。そして、検出装置300は、再分配後の点欠陥候補を点欠陥として決定し、再分配後の線欠陥候補を線欠陥として決定する。この結果、処理結果に重複や漏れが発生することを防止可能である。
【0114】
例えば、処理結果に重複や漏れの発生を防止する手法としては、線欠陥を検出する処理や点欠陥を検出する処理にて用いられる閾値を適切な値に設定する手法が考えられる。しかしながら、光学的なゆがみの影響で、検出結果において欠陥画素候補の大きさが同一であっても、表示領域上では同じサイズの欠陥画素とは限らず、重複や漏れをなくすような閾値を定めることが困難である。これに対して、本発明によれば、同一の欠陥画素に対応する欠陥画素候補を統合することで、処理結果に重複や漏れが発生することを防止可能である。
【実施例3】
【0115】
さて、これまで、実施例2として、点欠陥候補と線欠陥候補とを検出する手法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、点欠陥候補を検出しなくても良い。具体的には、実施例2では、点欠陥候補と縦欠陥候補と横欠陥候補とを用いて実行する手法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、縦欠陥候補と横欠陥候補とを用いて実行しても良い。
【0116】
そこで、以下では、実施例3として、縦欠陥候補と横欠陥候補とを用いて実行する手法について説明する。なお、以下では、実施例2に係る検出装置と同様の点については、簡単に説明し、又は、説明を省略する。
【0117】
具体的には、実施例3に係る検出装置では、分配処理部405は、縦欠陥候補から第一の欠陥候補を抽出し、横欠陥候補に分配する。そして、分配処理部405は、分配後の横欠陥候補から第一の欠陥候補を抽出し、分配後の縦欠陥候補に再分配する。そして、決定部406は、再分配後の縦欠陥候補のうち、第二の欠陥候補を縦欠陥として決定し、第二の欠陥候補以外の欠陥画素候補を点欠陥として決定する。また、決定部406は、再分配後の横欠陥候補を横欠陥として決定する。
【0118】
図15を用いて、実施例3における分配処理部405と決定部406とによる処理について更に説明する。図15は、実施例3における分配処理部と決定部とによる処理について説明するための図である。
【0119】
ここで、図15の「601」は、撮像画像の一例である。図15の「602a、602c」は、線欠陥候補検出部404によって検出された欠陥画素候補である。図15の「603a、603c」は、分配後の欠陥画素候補である。図15の「604a、604c」は、再分配後の欠陥画素候補である。また、図15の「605bや605c」については、後述するため、ここでは説明を省略する。
【0120】
図15の(i)に示すように、分配処理部405は、縦欠陥候補「602c」から第一の欠陥候補を横欠陥候補「602a」に分配する。この結果、分配後の横欠陥候補「603a」には、横欠陥候補「602a」と、縦欠陥候補「602c」に含まれていた第一の欠陥候補とが含まれる。また、分配後の縦欠陥候補「603c」には、長い縦欠陥に対応する欠陥画素候補が残る。
【0121】
ここで、分配後の横欠陥候補「603a」には、分配前の横欠陥候補「602a」が残ったままである。すなわち、分配後の横欠陥候補「603a」は、分配前の横欠陥候補「602a」と、分配前の縦欠陥候補「602c」から分配された欠陥画素候補とを統合したものである。言い換えると、分配後の横欠陥候補「603a」は、分配前の横欠陥候補「602a」と、分配前の縦欠陥候補「602c」から分配された欠陥画素候補とを重ねたものが該当する。この結果、縦欠陥候補に含まれる欠陥画素候補のうち、欠陥画素「A」に対応する欠陥画素候補については、重ねられることで1つに統合される。また、横欠陥の端点に対応する欠陥画素候補は、横欠陥に対応する欠陥画素候補の一部になる。
【0122】
そして、図15の(ii)に示すように、分配処理部405は、分配後の横欠陥候補「603a」から縦欠陥候補「603c」に、第一の欠陥候補を再分配する。この結果、再分配後の横欠陥候補「604a」には、長い横欠陥に対応する欠陥画素候補が残る。また、再分配後の縦欠陥候補「604c」には、長い縦欠陥に対応する欠陥画素候補と、分配後の横欠陥候補「603a」に含まれていた第一の欠陥候補とが含まれる。
【0123】
ここで、再分配後の縦欠陥候補「604c」には、再分配前の縦欠陥候補「603c」が残ったままである。すなわち、再分配後の縦欠陥候補「604c」は、再分配前の縦欠陥候補「603c」と、再分配前の横欠陥候補「603a」から再分配された欠陥画素候補とを統合したものである。言い換えると、再分配後の縦欠陥候補「604c」は、再分配前の縦欠陥候補「603c」と、再分配前の横欠陥候補「603a」から再分配された欠陥画素候補とを重ねたものが該当する。この結果、横欠陥候補に含まれる欠陥画素候補のうち、欠陥画素「A」に対応する欠陥画素候補については、重ねられることで1つに統合される。また、縦欠陥の端点に対応する欠陥画素候補は、縦欠陥に対応する欠陥画素候補の一部になる。
【0124】
ここで、図15の(ii)において再分配される第一の欠陥候補には、図15の(i)にて分配された第一の欠陥候補のうち、横欠陥の端部に対応する欠陥候補画素は含まれない。これは、上述のように、横欠陥の端部に対応する欠陥候補画素は、横欠陥に対応する横欠陥候補「602a」の欠陥画素候補に統合されたからである。
【0125】
そして、決定部406は、再分配後の横欠陥候補「604a」に含まれる欠陥画素候補を横欠陥として決定する。また、決定部406は、図15の(iii)に示すように、再分配後の縦欠陥候補「604c」に含まれる第二の欠陥候補を「縦欠陥」として決定する。また、決定部406は、図15の(iv)に示すように、第二の欠陥候補以外の欠陥画素候補を「点欠陥」として決定する。
【0126】
[実施例3に係る検出装置による処理]
図16を用いて、実施例3に係る検出装置による処理の流れの一例について説明する。図16は、実施例3に係る検出装置による処理の流れの一例について説明するためのフローチャートである。
【0127】
図16に示すように、検査が開始されると(ステップS401肯定)、点灯指示部401は、テストパターンを送信する(ステップS402)。カメラ301は、画像表示装置200がテストパターンを表示すると、画像表示装置200の表示領域を撮像する(ステップS403)。
【0128】
そして、線欠陥候補検出部404は、横欠陥を検出するのに適した条件を用いて、撮像画像から横欠陥候補を検出し(ステップS404)、縦欠陥を検出するのに適した条件を用いて、撮像画像から縦欠陥候補を検出する(ステップS405)。
【0129】
そして、分配処理部405は、縦欠陥候補から横欠陥候補に第一の欠陥候補を分配する(ステップS406)。すなわち、分配処理部405は、縦欠陥候補に含まれる欠陥画素候補のうち、線欠陥であることが明らかな欠陥画素候補についてはそのまま残す。一方、分配処理部405は、縦欠陥候補に含まれる欠陥画素候補のうち、線欠陥であることが明らかな欠陥画素候補以外の欠陥画素候補については、横欠陥候補に分配する。
【0130】
そして、分配処理部405は、横欠陥候補から縦欠陥候補に第一の欠陥候補を再分配する(ステップS407)。すなわち、分配処理部405は、分配後の横欠陥候補に含まれる欠陥画素候補のうち、線欠陥であることが明らかな欠陥画素候補についてはそのまま残す。一方、分配処理部405は、分配後の横欠陥候補に含まれる欠陥画素候補のうち、線欠陥であることが明らかな欠陥画素候補以外の欠陥画素候補については、縦欠陥候補に再分配する。
【0131】
そして、決定部406は、点欠陥や横欠陥、縦欠陥を決定する(ステップS408)。具体的には、決定部406は、決定部406は、再分配後の縦欠陥候補のうち、第二の欠陥候補を縦欠陥として決定し、第二の欠陥候補以外の欠陥画素候補を点欠陥として決定する。また、決定部406は、再分配後の横欠陥候補を横欠陥として決定する。
【0132】
すなわち、分配処理部405は、漏れや重複が起きる可能性のある欠陥画素候補について、縦欠陥候補に一旦集約した上で(上述のステップS406及びS407)、集約後の縦欠陥候補から縦欠陥と点欠陥とを決定する。
【0133】
なお、上述の処理手順は、上述の順番に限定されるものではなく、処理内容を矛盾させない範囲で適宜変更しても良い。例えば、上述のステップS404とS405との順番を逆にしても良い。
【0134】
また、上述の処理手順は、縦欠陥候補から第一の欠陥候補を横欠陥候補に分配し、その後、分配後の横欠陥候補から第一の欠陥候補を縦欠陥候補に再分配する手法について説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、横欠陥候補から第一の欠陥候補を縦欠陥候補に分配し、その後、分配後の縦欠陥候補から第一の欠陥候補を横欠陥候補に再分配しても良い。
【0135】
[実施例3の効果]
上述のように、実施例3に係る検出装置では、分配処理部405は、縦欠陥候補から第一の欠陥候補を抽出し、横欠陥候補に分配する。そして、分配処理部405は、分配後の横欠陥候補から第一の欠陥候補を抽出し、分配後の縦欠陥候補に再分配する。そして、決定部406は、再分配後の縦欠陥候補のうち、第二の欠陥候補を縦欠陥として決定し、第二の欠陥候補以外の欠陥画素候補を点欠陥として決定する。また、決定部406は、再分配後の横欠陥候補を横欠陥として決定する。この結果、処理結果に重複や漏れが発生することを防止可能である。
【実施例4】
【0136】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述の実施例以外にも、その他の実施例にて実施されても良い。そこで、以下では、その他の実施例について説明する。
【0137】
[カメラ]
例えば、上述の実施例では、検出装置がカメラを有する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、検出装置とカメラ301とを別装置としても良い。この場合、検出装置は、画像表示装置200の表示領域の撮像画像を取得できれば良い。例えば、利用者によって撮像画像が検出装置に入力されても良く、検出装置とは別装置のカメラから有線又は無線ネットワークを介して取得しても良い。
【0138】
[システム構成]
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。例えば、上述の実施例では、カメラ301が自動的に画像を撮像する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、検出装置300を利用する利用者が手動にて撮像しても良い。
【0139】
この他、上述文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(図1〜図17)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0140】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、カメラ301を検出装置300の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしても良い。また、点欠陥候補検出部403と線欠陥候補検出部404とを別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク経由で接続されて協働することで、上述の検出装置300の機能を実現するようにしても良い。
【0141】
[コンピュータ]
また、上述の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図17を用いて、上述の実施例と同様の機能を有する検出プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。なお、図17は、実施例2に係る検出プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。
【0142】
図17に示すように、実施例2におけるコンピュータ3000は、操作部3001、マイク3002、スピーカ3003、ディスプレイ3004、通信部3006、CPU3010、ROM3011、RAM(Random Access Memory)3013をバス3009などで接続して構成されている。
【0143】
ROM3011には、上述の実施例2で示した点灯指示部401と、撮像画像取得部402と、点欠陥候補検出部403と、線欠陥候補検出部404と、分配処理部405と、決定部406と同様の機能を発揮する制御プログラム、つまり、図17に示すように、点灯指示プログラム3011aと、撮像画像取得プログラム3011bと、点欠陥候補検出プログラム3011cと、線欠陥候補検出プログラム3011dと、分配処理プログラム3011eと、決定プログラム3011fとが予め記憶されている。なお、これらのプログラム3011a〜3011fについては、図2に示した検出装置300の各構成要素と同様、適宜統合又は分離しても良い。
【0144】
そして、CPU3010が、これらのプログラム3011a〜3011fをROM3011から読み出して実行することにより、図17に示すように、各プログラム3011a〜3011fについては、点灯指示プロセス3010aと、撮像画像取得プロセス3010bと、点欠陥候補検出プロセス3010cと、線欠陥候補検出プロセス3010dと、分配処理プロセス3010eと、決定プロセス3010fとして機能するようになる。なお、各プロセス3010a〜3010fは、図2に示した、点灯指示部401と、撮像画像取得部402と、点欠陥候補検出部403と、線欠陥候補検出部404と、分配処理部405と、決定部406とにそれぞれ対応する。
【0145】
そして、CPU3010は、RAM3013に格納された横欠陥候補データ3013aと、縦欠陥候補データ3013bと、点欠陥候補データ3013cとを用いて、検出プログラムを実行する。
【0146】
[その他]
なお、本実施例で説明した検出プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、検出プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【符号の説明】
【0147】
100 検出装置
101 取得部
102 検出部
103 移動部
104 決定部
200 画像表示装置
300 検出装置
301 カメラ
400 制御部
401 点灯指示部
402 撮像画像取得部
403 点欠陥候補検出部
404 線欠陥候補検出部
405 分配処理部
406 決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示装置の撮像画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された撮像画像から、該撮像画像から検出する点欠陥又は線欠陥の種別ごとに異なる検出条件を用いて種別ごとに欠陥画素候補を検出する検出部と、
前記検出部によって種別ごとに検出された欠陥画素候補間で、所定の閾値よりも小さい点欠陥候補及び/又は所定の閾値よりも小さい線欠陥候補を、前記種別ごとの候補間で移動する移動部と、
前記移動部による移動後の前記種別ごとの欠陥画素候補から、点欠陥又は線欠陥を決定する決定部と
を備えたことを特徴とする検出装置。
【請求項2】
画像表示装置の撮像画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された撮像画像から点欠陥候補を検出する第一の検出部と、
前記取得部によって取得された撮像画像から線欠陥候補を検出する第二の検出部と、
前記第二の検出部によって検出された線欠陥候補から第一の閾値よりも小さい第一の欠陥候補を削除するとともに、前記第一の検出部によって検出された点欠陥候補に追加する第一の分配部と、
前記第一の分配部による処理後の点欠陥候補から第二の閾値よりも大きい第二の欠陥候補を抽出し、前記第一の分配部による処理後の線欠陥候補に追加する再分配部と、
前記再分配部による処理後の点欠陥候補を点欠陥として決定する第一の決定部と、
前記再分配部による処理後の線欠陥候補を線欠陥として決定する第二の決定部と
を備えたことを特徴とする検出装置。
【請求項3】
画像表示装置の撮像画像を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された撮像画像から横欠陥候補を検出する第一の検出部と、
前記取得部によって取得された撮像画像から縦欠陥候補を検出する第二の検出部と、
前記第二の検出部によって検出された縦欠陥候補から第一の閾値よりも小さい第一の欠陥候補を削除するとともに、前記第一の検出部によって検出された横欠陥候補に追加する第一の分配部と、
前記第一の分配部による処理後の横欠陥候補から第一の閾値よりも小さい第一の欠陥候補を抽出し、前記第一の分配部による処理後の縦欠陥候補に追加する再分配部と、
前記再分配部による処理後の縦欠陥候補のうち、第二の閾値よりも大きい第二の欠陥候補を縦欠陥として決定し、該第二の欠陥候補以外を点欠陥として決定する第三の決定部と、
前記再分配部による処理後の横欠陥候補を横欠陥として決定する第四の決定部と
を備えたことを特徴とする検出装置。
【請求項4】
画像表示装置の撮像画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得された撮像画像から、該撮像画像から検出する点欠陥又は線欠陥の種別ごとに異なる検出条件を用いて種別ごとに欠陥画素候補を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによって種別ごとに検出された欠陥画素候補間で、所定の閾値よりも小さい点欠陥候補及び/又は所定の閾値よりも小さい線欠陥候補を前記種別ごとの候補間で移動する移動ステップと、
前記移動ステップによる移動後の前記種別ごとの欠陥画素候補から、点欠陥又は線欠陥を決定する決定ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする検出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−53116(P2011−53116A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203041(P2009−203041)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】