説明

検査装置および検査方法

【課題】車両のシリンダボア等の筒状内壁面を検査する際に、被検査対象の表面欠陥を確実に検出することができる検査装置を提供することを課題とする。
【解決手段】検査装置1は、シリンダボア4等の筒状内壁面を検査する際、支持体6に取り付けられたラインセンサカメラ2により撮像された画像に基づき筒状内壁面の欠陥候補を選出し、選出された欠陥候補から、渦流センサ10による筒状内壁面の磁束の変化を用いて欠陥の有無を判定するため、筒状内壁面の残留洗浄液や埃の有無にかかわらず、筒状内壁面の巣穴等を確実に検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のシリンダボア等の筒状内壁面を検査する検査装置および検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の検査装置としては、被検査シリンダの内壁を洗浄後、洗浄されたシリンダ内壁をミラーで反射させてCCDリニアイメージセンサにより撮像し、撮像した画像を用いて欠陥を検査するもの(特許文献1参照)が提案されている。
この装置では、被検査シリンダの内壁面に、その法線が斜めに傾いた方向から照射し、同様に斜めに傾いた方向からCCDリニアイメージセンサにより検出することにより、凹凸状の欠陥部を影として検出でき、巣穴等による欠陥部を感度良く検出することができるものとしている。
【特許文献1】特開2005−121450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、こうした検査装置では、シリンダ内壁表面を洗浄後に洗浄液や埃等が巣穴等に詰まった状態であると、巣穴等を影として検出することができない場合が生じる。また、シリンダ内壁表面を洗浄後に埃等が付着したり洗浄痕が付いたりすると、これを欠陥部として検出してしまう場合が生じるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで本発明の検査装置およびその方法は、被検査対象の表面欠陥を確実に検出することを目的の一つとする。また、検査時間の短縮を目的の一つとする。さらに、製造不良を減少させることを目的の一つとし、その請求項1は、被検査対象としての筒状体の内壁表面の欠陥を検出する検査装置であって、前記内壁表面の画像を撮像する撮像手段と、該撮像手段により撮像された画像に基づき前記内壁表面の欠陥候補を選出する選出手段と、該選出手段により選出された前記欠陥候補から磁束の変化を用いて欠陥の有無を判定する判定手段と、前記選出手段により前記欠陥候補が選出された場合にのみ、前記判定手段を駆動するよう制御する駆動制御手段とを備えることである。
【0005】
また請求項2は、前記駆動制御手段は、前記選出手段により前記欠陥候補が選出され次第、前記判定手段を駆動するよう制御する手段であることである。
【0006】
また請求項3は、前記撮像手段は、前記内壁表面を照射する照射手段と、該照射手段により照射された前記内壁表面を、前記筒状体の軸心方向に反射する反射手段と、該反射手段により反射された前記内壁表面の撮影を行う撮影手段と、前記照射手段と前記反射手段と前記撮影手段とを支持する支持手段とを有し、前記判定手段は、前記欠陥候補の表面性状を磁束の変化を用いて検出する検出部が、前記支持手段における前記反射手段の反射領域外の位置に配置されてなることである。
【0007】
また請求項4は、前記検出部は、前記反射手段の反射面とは反対側に対応した位置に配置されてなることである。
【0008】
また請求項5は、前記検出部は、渦流センサであることである。
【0009】
また請求項6は、前記撮影手段は、ラインセンサカメラであり、前記撮像手段は、前記支持手段を前記筒状体内で一回転させることで、該筒状体全周の前記内壁表面の画像を撮像する手段であることである。
【0010】
また請求項7は、前記選出手段は、前記筒状体全周の前記内壁表面の画像から前記欠陥候補を選出する手段であり、前記判定手段は、該欠陥候補の全てについて欠陥の有無を判定する手段であることである。
【0011】
また請求項8は、前記照射手段は、前記反射手段を挟んで前記軸心方向に第1照射手段と第2照射手段とが2列に配置されてなることである。
【0012】
また請求項9は、前記撮像手段は、前記第1照射手段のみにより照射された前記内壁表面を第1画像として撮像するとともに、前記第2照射手段のみにより照射された前記内壁表面を第2画像として撮像する手段であり、前記選出手段は、前記第1画像と前記第2画像とに基づき前記欠陥候補を選出する手段であることである。
【0013】
また請求項10は、前記照射手段は、赤外線光であることである。
【0014】
また請求項11は、被検査対象としての筒状体の内壁表面の欠陥を検出する検査方法であって、(a)前記内壁表面の画像を撮像し、(b)撮像した画像に基づき前記内壁表面の欠陥候補を選出し、(c)該欠陥候補が選出された場合のみ該欠陥候補から磁束の変化を用いて欠陥の有無を判定する検査方法である。
【0015】
また請求項12は、前記ステップ(c)は、前記欠陥候補が選出され次第、該欠陥候補の欠陥の有無を判定するステップであることである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の検査装置は、被検査対象としての筒状体の内壁表面の欠陥を検出する検査装置であって、前記内壁表面の画像を撮像する撮像手段と、該撮像手段により撮像された画像に基づき前記内壁表面の欠陥候補を選出する選出手段と、該選出手段により選出された前記欠陥候補から磁束の変化を用いて欠陥の有無を判定する判定手段と、前記選出手段により前記欠陥候補が選出された場合にのみ、前記判定手段を駆動するよう制御する駆動制御手段とを備えることにより、撮像手段により撮像された画像に基づき被検査対象としての筒状体の内壁表面の欠陥候補を選出し、選出された欠陥候補から磁束の変化を用いて欠陥の有無を判定するから、残留洗浄液や洗浄痕や埃の有無に拘らず被検査対象の表面欠陥、特に巣穴を確実に検出することができる。しかも、欠陥候補が選出された場合にだけ判定手段を駆動するから、検査時間の短縮を図ることができる。
【0017】
また、前記駆動制御手段は、前記選出手段により前記欠陥候補が選出され次第、前記判定手段を駆動するよう制御する手段であることにより、欠陥候補が選出される都度、欠陥の有無を判定するから、検査時間の短縮を図ることができる。
【0018】
また、前記撮像手段は、前記内壁表面を照射する照射手段と、該照射手段により照射された前記内壁表面を、前記筒状体の軸心方向に反射する反射手段と、該反射手段により反射された前記内壁表面の撮影を行う撮影手段と、前記照射手段と前記反射手段と前記撮影手段とを支持する支持手段とを有し、前記判定手段は、前記欠陥候補の表面性状を磁束の変化を用いて検出する検出部が、前記支持手段における前記反射手段の反射領域外の位置に配置されてなることにより、検出部が反射手段による内壁表面の反射作用に影響することがない。こうした検出部を支持手段における反射手段の反射領域外の位置に配置する態様の検査装置において、前記検出部は、前記反射手段の反射面とは反対側に対応した位置に配置されてなるものとすることができる。こうすれば、撮影手段により撮影された画像に欠陥候補があった場合に、支持手段を回転するだけで、この欠陥候補の表面性状を検出できるから、短時間で欠陥候補から欠陥の有無を判定することができ、この結果、検査時間の短縮を図ることができる。しかも、反射手段の反対側のスペースを有効活用できるから、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0019】
また、前記検出部は、渦流センサであることにより、被検査対象としての筒状体が非磁性体であっても、磁束の変化を用いて表面性状を検出することができる。
【0020】
また、前記撮影手段は、ラインセンサカメラであり、前記撮像手段は、前記支持手段を前記筒状体内で一回転させることで、該筒状体全周の前記内壁表面の画像を撮像する手段であることにより、支持手段を筒状体内で一回転させるだけで照射手段による色むらや歪みがない画像を得ることができる。
【0021】
また、前記選出手段は、前記筒状体全周の前記内壁表面の画像から前記欠陥候補を選出する手段であり、前記判定手段は、該欠陥候補の全てについて欠陥の有無を判定する手段であることにより、筒状体における欠陥分布データを蓄積することができる。即ち、複数の被検査対象を検査することで欠陥発生位置や欠陥サイズ,欠陥の種類等の分布をデータとして蓄積することができ、製造へのフィードバックを行うことができる。この結果、欠陥対策を行うことができ、製造不良を減少することができる。
【0022】
また、前記照射手段は、前記反射手段を挟んで前記軸心方向に第1照射手段と第2照射手段とが2列に配置されてなることにより、第1照射手段と第2照射手段との両方により、反射手段の両側から確実に照射することができ、撮影手段による撮影を良好に行うことができる。
【0023】
また、前記撮像手段は、前記第1照射手段のみにより照射された前記内壁表面を第1画像として撮像するとともに、前記第2照射手段のみにより照射された前記内壁表面を第2画像として撮像する手段であり、前記選出手段は、前記第1画像と前記第2画像との合成画像に基づき前記欠陥候補を選出する手段であることにより、照射による影の影響を有効に使って差像を得ることができるから、第1照射手段と第2照射手段との両方を同時に照射して得られた画像に比して欠陥候補をより正確に選出することができる。この結果、欠陥の有無の判定対象を減少することができ、検査時間の短縮が図れる。
【0024】
また、前記照射手段は、赤外線光であることにより、より正確に欠陥の選出および判定を行うことができる。
【0025】
また、被検査対象としての筒状体の内壁表面の欠陥を検出する検査方法であって、(a)前記内壁表面の画像を撮像し、(b)撮像した画像に基づき前記内壁表面の欠陥候補を選出し、(c)該欠陥候補が選出された場合のみ該欠陥候補から磁束の変化を用いて欠陥の有無を判定する検査方法により、撮像手段により撮像された画像に基づき被検査対象としての筒状体の内壁表面の欠陥候補を選出し、選出された欠陥候補から磁束の変化を用いて欠陥の有無を判定するから、残留洗浄液や埃の有無に拘らず被検査対象の表面欠陥、特に巣穴を確実に検出することができる。しかも、欠陥候補が選出された場合にだけ判定手段を駆動するから、検査時間の短縮を図ることができる。
【0026】
また、前記ステップ(c)は、前記欠陥候補が選出され次第、該欠陥候補の欠陥の有無を判定するステップである検査方法により、欠陥候補が選出される都度、欠陥の有無を判定するから、検査時間の短縮を図ることができる。
【実施例1】
【0027】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、アルミ製シリンダブロックのボアの鋳巣を検査するための検査装置1の構成を示した正面図であり、図2は、図1の平面図である。
図1,図2に示すように、検査装置1は、ローラーコンベヤ3等で搬送されてきた検査対象のシリンダブロックのボア4の内壁面の画像を、順次撮像するラインセンサカメラ2を備えている。
【0028】
図1に示すように、ブラケット5に取り付けられているラインセンサカメラ2を上部に支持した支持体6は円筒型に形成されており、支持体6の下部には鏡筒部7が設けられている。この鏡筒部7には、ボア4の内壁表面を白色LED照明で照射する照明部8が設けられているとともに、照明部8により照射されたボア4の内壁表面を当該ボア4の軸心方向に反射するミラー9が当該軸心に対して45度の傾斜角度で取り付けられており、ミラー9で反射されたボア4の内壁表面の状態はラインセンサカメラ2で撮像され、その撮像データは後述の検査制御部のコンピュータメモリに記録される。
【0029】
また、上記ミラー9の反射面とは反対側に対応した位置に渦流センサ10が配設されている。この渦流センサ10は、ボア4の内壁表面の磁束の変化を検出する複数のコイルが並列されたアレイコイル10a(図5参照)で構成されている。
尚、支持体6に取り付けられた上記ラインセンサカメラ2と照明部8とミラー9と渦流センサ10は、X軸サーボモータ11、Y軸サーボモータ12、Z軸サーボモータ13と、図示していないボールネジとの機械的な構成とにより、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に支持体6と一体的に移動可能になっているとともに、θモータ14により支持体6と一体的に360度回転可能になっている。このように、X軸サーボモータ11、Y軸サーボモータ12、Z軸サーボモータ13の駆動により、支持体6の鏡筒部7がボア4の内部に位置決めされ、さらにθモータ14の駆動により1回または複数回、回転されると、ラインセンサカメラ2によるボア4の内壁表面の撮像が行われる。
【0030】
また、上記照明部8は、上記ミラー9を挟んでボア4の軸心方向に第1照射部と第2照射部とが2列に配置されており、第1照射部と第2照射部との両方により、ミラー9の両側からボア4の内壁表面を白色LED照明で照射することができる。また、第1照射部のみにより照射されたボア内壁表面を撮像することができるとともに、第2照射部のみにより照射されたボア内壁表面を撮像することができる。
【0031】
尚、上記のように検査装置1を構成するラインセンサカメラ2、支持体6、照明部8、渦流センサ10、X軸サーボモータ11、Y軸サーボモータ12、Z軸サーボモータ13、およびθモータ14は、図示していない検査制御部のコンピュータプログラムにより制御される。
【0032】
前記検査制御部のコンピュータは、また、ラインセンサカメラ2で撮像された画像に基づいてボア4の内壁表面の欠陥の有無を検査するメインルーチンとしての検査処理プログラムや、検査処理プログラムのサブルーチンとしての検査順位決定処理プログラム,渦流センサ検出処理プログラムおよび渦流センサ検出処理プログラムのサブルーチンとしての欠陥判定処理プログラムなどを格納している。尚、検査処理、検査順位決定処理、渦流センサ検出処理および欠陥判定処理については、後で、図3、図4、図5、および図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0033】
尚、検査装置1は、ボア4の軸心とラインセンサカメラ2の回転中心とを合わせるための芯出し機能を有している。この機能は、鏡筒部7にレーザーポインタを固定し、レーザー光をボア4の内壁に当て、ボア4の内部をラインセンサカメラ2で撮影する。この際、ラインセンサカメラ2を360度回転させ、そのずれ具合を画像にとる。そのあと、変芯具合を画像にて判断し、変芯していれば、X軸サーボモータ11、Y軸サーボモータ12を駆動させて芯出しを行う。尚、変芯していれば、レーザー光の軌跡はサイン波形のような画像になる。このような芯出し機能により、ボア4の軸心とラインセンサカメラ2の回転中心とを合わせたあと、検査装置1によるボア4の内壁表面の欠陥検査が可能となる。
【0034】
図3は、検査制御部のコンピュータによる検査処理の一例を示したフローチャートである。
X軸サーボモータ11、Y軸サーボモータ12、Z軸サーボモータ13の駆動により支持体6の鏡筒部7がボア4の内部に位置決めされ、さらにθモータ14の駆動により回転されると、ラインセンサカメラ2によるボア4の内壁表面の撮像が行われる。この処理は、ラインセンサカメラ2がボア4の内部を一回転してボア4の内壁表面全面の撮影が終了したときに実行される。
【0035】
検査処理が実行されると、ステップS1において、ラインセンサカメラ2で撮影した画像をデジタル化し、フィルター処理を施したものが検査制御部のコンピュータメモリに格納されているため、その画像信号を入力する。尚、このフィルター処理は、検出画像を2次元フーリエ変換して周波数面での画像を生成し、この周波数面上で欠陥でない成分、例えば、シリンダボア内壁に潤滑などの目的でホーニング加工が施されている場合に形成されるクロスハッチの網目状の線の成分に相当する場所のデータをマスクしたうえ、この周波数面での画像を2次元逆フーリエ変換によって画像に戻す周知の画像処理で行う。
【0036】
ステップS2において、フィルター処理が施された画像を2値化する。即ち、明るい部分は白、暗い部分は黒とする。この際、巣穴と思われる部分は黒色で現れる。
【0037】
ステップ3において欠陥候補選出をする。欠陥候補の選出に際しては、2値化画像における黒色部分と、予めコンピュータメモリに格納した比較値とを比較することにより行う。即ち、2値化画像において黒色の面積や長さ(縦横比,重心間距離,対角線長さ等)等を比較値のそれらの値と比較して比較値以上であれば欠陥候補として選出する。
【0038】
ステップS4において、欠陥候補が有るか否かを判断する。欠陥が無いと判断した場合は、ステップS14において、欠陥が無い旨、即ち、良品である旨を図示しない表示装置に表示し、本処理を終了する。一方、欠陥が有ると判断した場合は、ステップS5に示すように、欠陥候補データをコンピュータメモリの記憶エリアに格納する。ここで、欠陥候補データとしては、実施例では、2値化画像における黒色ピクセルの面積や長さ(縦横比,重心間距離,対角線長さ等)等を欠陥候補の位置座標と関連付けして格納するものとした。
【0039】
次に、ステップS6において、格納された欠陥候補データの検査順位を決定する検査順位決定処理を実行する。図4は、検査順位決定処理の一例を示すフローチャートである。以下、図3の検査処理の説明を一旦中断して図4の検査順位決定処理について説明する。検査順位決定処理が実行されると、まず、ステップS6−1において、欠陥候補データの読み込みを行うとともに、ステップS6−2で読み込んだ欠陥候補データの検査順位付けを行う。検査順位付けは、実施例では、評価項目、例えば、2値化画像における黒色の面積や長さ(縦横比,重心間距離,対角線長さ等)等の重み付けを予め設定して、これをコンピュータメモリに記憶しておき、欠陥候補データが与えられるとコンピュータメモリに記憶された各評価項目の重み付けと欠陥候補データとしての黒色ピクセルの数とを乗じたスコアを求め、そのトータルスコアの大きさにより決定するものとした。
【0040】
そして、ステップS6−3において、コンピュータメモリに格納した欠陥候補データ(ステップS5)を検査順に並びかえ、本処理を終了する。
【0041】
図3の検査処理に戻って、図4の検査順位処理の実行に伴って欠陥候補データの並び替えが終了すると、ステップS7において、上記欠陥候補が本当の欠陥であるか否かの判定を行うための渦流センサ検出処理を実行する。図5は、渦流センサ検出処理の一例を示すフローチャートである。再び図3の検査処理の説明を一旦中断して図5の渦流センサ検出処理について説明する。
【0042】
渦流センサ検出処理が実行されると、検査制御部のコンピュータは、ステップS7−1において、検査順位n番目の欠陥候補座標を読み込み、ステップS7−2において、渦流センサ10を読み込んだ欠陥候補座標へ移動する処理を実行する。なお、渦流センサ検出処理が始めて実行される際には、検査順位nには値1が設定されている。また、渦流センサ10の移動はZ軸サーボモータ13およびθモータ14を駆動制御することにより行われる。
【0043】
渦流センサ10を読み込んだ欠陥候補座標へ移動すると、ステップS7−3において、渦流センサ10を構成するアレイコイル10a(図6参照)のそれぞれから電圧値を測定し、ステップS7−4において、欠陥判定処理を実行して、本処理を終了する。
【0044】
図6は、欠陥判定処理の一例を示すフローチャートである。欠陥判定処理が実行されると、検査制御部のコンピュータは、ステップS7−4−1において、各アレイコイル10aの電圧値を読み込み、ステップS7−4−2において、シリンダボア内壁に凹部があるか否かを判断する。凹部があるか否かの判断は、図6に示すように、隣り合う各アレイコイル10aの電圧値の差分値をとることにより行うことができる。このように、隣り合う各アレイコイル10aの電圧値の差分値をとることにより、アレイコイル10aと欠陥との間の距離変動分を除外することができ、欠陥検出精度が向上する。
【0045】
ステップS7−4−2において、シリンダボア内壁に凹部が有ると判断されたときには、ステップS7−4−3において、この凹部が欠陥であるか否かの判定を行い、本処理を終了する。ここで、欠陥であるか否かの判定は、実施例では、欠陥としての凹部における電圧値の差分値を予め求めて欠陥値としてコンピュータメモリに記憶しておき、隣り合う各アレイコイル10aの電圧値の差分値が与えられると、欠陥値と比較して欠陥値以上であれば欠陥有りと判定し、欠陥値より小さければ欠陥無しと判定するものとした。
【0046】
図3の検査処理に戻って、図5の渦流センサ検出処理の実行に伴ってステップS7−4の処理で欠陥が有ると判定されると(ステップS8)、欠陥候補データを欠陥データとしてコンピュータメモリの記憶エリアに格納し(ステップS9)、欠陥が有る旨を図示しない表示装置に表示して(ステップS10)、本処理を終了する。即ち、本実施例では、欠陥が有ると判定された時点で検査を終了するものであり、これにより、検査時間の短縮を図ることができる。
【0047】
一方、欠陥が無いと判定されたときには(ステップS8)、検査順位nを値1だけインクリメントし(ステップS11)、検査順位nが欠陥候補データ数n*に値1を加えた値以上であるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、欠陥候補データ数n*は、コンピュータメモリに格納した欠陥候補データの全数として設定されるものである。
【0048】
検査順位nが欠陥候補データ数n*に値1を加えた値以上であれば、検査順位nを値1に設定するとともに(ステップS13)、欠陥候補データの全部が欠陥ではないものとして欠陥がない旨、即ち、良品である旨を図示しない表示装置に表示して(ステップS14)、本処理を終了する。
一方、検査順位nが欠陥候補データ数n*に値1を加えた値より小さければ、ステップS7に戻って、欠陥が見つかるまで、あるいは、検査順位nが欠陥候補データ数n*に値1を加えた値以上となるまで、ステップS7の処理を繰り返し行う。
【0049】
以上説明した実施例1の検査装置1によれば、ラインセンサカメラ2により撮影された画像に基づき欠陥候補を選出し、渦流センサ10により選出した欠陥候補が本当に欠陥であるか否かを判定するから、残留洗浄液や洗浄痕や埃等の有無に拘わらずシリンダボア内壁の表面欠陥、特に巣穴を確実に検出することができる。しかも、欠陥候補が選出された場合にだけ渦流センサ10による判定を行うから、検査時間の短縮を図ることができる。また、渦流センサ10により欠陥があると判定された時点で検査を終了するから、検査時間をより短縮することができる。
【0050】
さらに、渦流センサ10をミラー9の反射面とは反対側に対応した位置に配置するものとしたから、ミラー9の反射面の裏側のスペースを有効に活用できて、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【実施例2】
【0051】
次に、本発明の第2の実施例としての同期装置1Aについて説明する。第2実施例の検査装置1Aは、検査処理を実行するタイミングをラインセンサカメラ2によりボア4の内壁表面の撮影を開始したときに変えた点を除いて第1実施例の検査装置1と同一の構成をしている。このため、第2実施例の同期装置1Aの構成の図示とその詳細な説明は、重複を避けるため省略する。
【0052】
図7は、実施例2の検査装置1Aの検査制御部のコンピュータにより実行される検査処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、ラインセンサカメラ2による撮影が開始されたときに実行される。検査処理におけるステップS20〜ステップ28までは、実施例1の検査処理におけるステップS1〜ステップS5までと同様であるため、その詳細については省略する。
【0053】
検査処理が実行されると、ラインセンサカメラ2で撮影した画像を信号として入力し(ステップS20)、入力した画像信号を2値化する処理を実行する(ステップS22)。そして、2値化された画像信号から欠陥候補を選出し(ステップS24)、欠陥候補の有無を判定する(ステップS26)。欠陥候補が有ると判定されると、欠陥候補データをコンピュータメモリの記憶エリアに格納するとともに(ステップS28)、渦流センサ検出処理を実行する(ステップS30)。一方、欠陥候補が無いと判定されると、ラインセンサカメラ2によるボア4の内壁表面全面の撮影が終了したか否かを判定する(ステップS38)。この判定は、ラインセンサカメラ2がボア4内を1回転したか否かにより行うことができる。ラインセンサカメラ2によるボア4の内壁表面全面の撮影が終了したと判定されたときには、ボア4の内壁表面には欠陥が無いとして、欠陥がない旨、即ち、良品である旨を図示しない表示装置に表示して(ステップS40)、本処理を終了する。ラインセンサカメラ2によるボア4の内壁表面全面の撮影が終了していないときには、ステップS20に戻って、欠陥候補が見つかるまで、あるいは、ボア4の内壁表面全面の撮影が終了するまで、ステップS20〜ステップS26の処理を繰り返し実行する。
【0054】
図8は、実施例2の検査装置1Aの検査制御部のコンピュータにより実行される渦流センサ検出処理の一例を示すフローチャートである。渦流センサ検出処理が実行されると、欠陥候補の座標を読み込み(ステップS30−1)、読み込んだ座標に渦流センサ10を移動するとともに(ステップS30−2)、各アレイコイル10aからの電圧値を測定して(ステップS30−3)、欠陥判定処理を実行する(ステップS30−4)。欠陥判定処理については、図6に示す実施例1の欠陥判定処理と同様の処理であるため、ここでは説明を省略する。
【0055】
図7の検査処理に戻って、こうして渦流センサ検出処理の実行に伴ってステップ30−4で欠陥が有ると判定されると(ステップS32)、欠陥候補データを欠陥データとしてコンピュータメモリの記憶エリアに格納し(ステップS34)、欠陥が有る旨を図示しない表示装置に表示して(ステップS36)、本処理を終了する。
【0056】
一方、欠陥が無いと判定されたときには(ステップS32)、ステップS20に戻って、欠陥候補が見つかるまで、あるいは、ボア4の内壁表面全面の撮影が終了するまで、本処理を繰り返し実行する。
【0057】
以上説明した実施例2の検査装置1Aによれば、ラインセンサカメラ2により撮影が開始されると、撮影される画像に基づき欠陥候補を選出し、渦流センサ10により選出した欠陥候補が本当に欠陥であるか否かを判定する。即ち、欠陥候補が選出される都度、欠陥候補が欠陥であるか否かを判定するから、検査時間の短縮を図ることができる。もとより、残留洗浄液や洗浄痕や埃等の有無に拘わらずシリンダボア内壁の表面欠陥、特に巣穴を確実に検出することができる。しかも、欠陥候補が選出された場合にだけ渦流センサ10による判定を行うから、より検査時間の短縮を図ることができる。さらに、渦流センサ10により欠陥があると判定された時点で検査を終了するから、検査時間をさらに短縮することができる。
【実施例3】
【0058】
次に、本発明の第3の実施例としての同期装置1Bについて説明する。第3実施例の検査装置1Bは、すべての欠陥候補について欠陥であるか否かの判定を行う点を除いて、第1実施例の検査装置1と同一の構成をしている。このため、第3実施例の同期装置1Bの構成の図示とその詳細な説明は、重複を避けるため省略する。
【0059】
図9は、実施例3の検査装置1Bの検査制御部のコンピュータにより実行される検査処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、ラインセンサカメラ2がボア4の内部を一回転してボア4の内壁表面全面の撮影が終了したときに実行される。ここで、検査処理におけるステップS100〜ステップ112までの処理は、図3の実施例1の検査処理におけるステップS1〜ステップS7までと同様であるため、その詳細については省略する。
【0060】
検査処理が実行されると、ラインセンサカメラ2で撮影した画像を信号として入力し(ステップS100)、入力した画像信号を2値化する処理を実行する(ステップS102)。そして、2値化された画像信号から欠陥候補を選出し(ステップS104)、欠陥候補の有無を判定する(ステップS106)。欠陥候補が有ると判定されると、欠陥候補データをコンピュータメモリの記憶エリアに格納すると共に(ステップS108)、格納された欠陥候補データの検査順位を決定する処理を実行し(ステップS110)、渦流センサ10により欠陥候補が本当に欠陥であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS112)。一方、欠陥候補が無いと判定されると、欠陥が無い旨、即ち、良品である旨を図示しない表示装置に表示し(ステップS132)、本処理を終了する。なお、検査順位決定処理や渦流センサ検出処理,欠陥判定処理については、図3,図4および図5の検査順位決定処理や渦流センサ検出処理,欠陥判定処理と同様の処理内容である。
【0061】
こうして渦流センサ検出処理で欠陥が有ると判定されると(ステップS114)、欠陥候補データを欠陥データとしてコンピュータメモリの記憶エリアに格納し(ステップS116)、検査順位nを値1だけインクリメントするとともに(ステップS118)、検査順位nが欠陥候補データ数n*に値1を加えた値以上であるか否かを判定する(ステップS120)。検査順位nが欠陥候補データ数n*に値1を加えた値以上であるときには、検査順位nの値を値1に設定するとともに(ステップS122)、欠陥が有る旨を図示しない表示装置に表示して(ステップS124)、本処理を終了する。即ち、本実施例では、欠陥候補のすべてについて欠陥の有無を判定するから、ボア4を複数個検査した場合のボア4の内壁表面における欠陥発生位置や欠陥サイズ,欠陥の種類等の欠陥分布データを蓄積することができる。この結果、製造へのフィードバックを行って欠陥対策を行うことができ、製造不良の減少を図ることができる。
【0062】
一方、渦流センサ検出処理で欠陥が無いと判定されると(ステップS114)、検査順位nを値1だけインクリメントし(ステップS126)、検査順位nが欠陥候補データ数n*に値1を加えた値以上であるか否かを判定し(ステップS128)、検査順位nが欠陥候補データ数n*に値1を加えた値以上であれば、検査順位nを値1に設定すると共に(ステップS130)、欠陥候補データの全部が欠陥ではないものとして欠陥がない旨、即ち、良品である旨を図示しない表示装置に表示して(ステップS132)、本処理を終了する。
【0063】
なお、ステップS120やステップS128において、検査順位nが欠陥候補データ数n*に値1を加えた値より小さければ、ステップS112に戻って、検査順位nが欠陥候補データ数n*に値1を加えた値以上となるまで、ステップS112以降の処理を繰り返し行う。
【0064】
以上説明した実施例3の検査装置1Bによれば、ラインセンサカメラ2により撮影された画像に基づき欠陥候補を選出し、選出した欠陥候補すべてについて渦流センサ10により欠陥の有無を判定するから、ボア4を複数個検査した場合のボア4の内壁表面における欠陥発生位置や欠陥サイズ,欠陥の種類等の欠陥分布データを蓄積することができる。この結果、製造へのフィードバックを行って欠陥対策を行うことができ、製造不良の減少を図ることができる。
【0065】
また、残留洗浄液や洗浄痕や埃等の有無に拘わらずシリンダボア内壁の表面欠陥、特に巣穴を確実に検出することができる。しかも、欠陥候補が選出された場合にだけ渦流センサ10による判定を行うから、検査時間の短縮を図ることができる。さらに、渦流センサ10により欠陥があると判定された時点で検査を終了するから、検査時間をより短縮することができる。
【0066】
実施例3の検査装置1Bでは、選出した欠陥候補を検査順位に並べ替える処理を行うものとしたが、検査順位決定処理は行わなくても良い。即ち、欠陥候補を選出した順、即ち、コンピュータメモリの記憶エリアに格納した順に渦流センサ検出処理を行うものとしても良い。
【0067】
各実施例の検査装置1,1A,1Bでは、渦流センサ10をミラー9の反射面とは反対側に対応した位置に配置するものとしたが、ミラー9の反射面による反射領域外であれば如何なる位置に配置するものとしても良い。例えば、ミラー9に隣接した位置に配置するものとすれば、欠陥候補座標に渦流センサ10を移動する際の支持体6の回転角が小さいものとなり、より検査時間を短縮できるものとなる。
【0068】
各実施例の検査装置1,1A,1Bでは、撮影手段としてラインセンサカメラ2を用いるものとしたが、エリアカメラを用いるものとしても構わない。この場合、撮影画像の照明が均一な特定部分を抽出し、抽出した画像をラインセンサカメラ2を用いるときと同様、つなぎ合わせるものとすれば良い。
【0069】
各実施例の検査装置1,1A,1Bでは、照明部8は、第1照射部と第2照射部とから構成されているものとしたが、照射部は1箇所だけであっても構わないし、3箇所以上あるものしても構わない。
【0070】
各実施例の検査装置1,1A,1Bでは、第1照射部と第2照射部との両方によりボア4の内壁表面を照射して撮影した画像を用いるものとしたが、第1照射部あるいは第2照射部だけによりボア4の内壁表面を照射して撮影した画像を用いるものとしても構わないし、第1照射部と第2照射部との両方によりボア4の内壁表面を照射して撮影した画像と第1照射部あるいは第2照射部だけによりボア4の内壁表面を照射して撮影した画像とを用いるものとしても構わない。第1照射部あるいは第2照射部だけによりボア4の内壁表面を照射して撮影した画像を用いる場合には、第1照射部によりボア4の内壁表面を照射して撮影した画像と、第2照射部によりボア4の内壁表面を照射して撮影した画像とを比較した比較画像を用いるものとすることもできる。また、第1照射部と第2照射部との両方によりボア4の内壁表面を照射して撮影した画像と、第1照射部あるいは第2照射部だけによりボア4の内壁表面を照射して撮影した画像とを用いる場合には、第1照射部と第2照射部との両方によりボア4の内壁表面を照射して撮影した画像を合成した合成画像と、第1照射部と第2照射部との両方によりボア4の内壁表面を照射して撮影した画像とを比較するものとすれば良い。
【0071】
各実施例の検査装置1,1A,1Bでは、照明部8として白色LED照明を用いるものとしたが、ラインセンサカメラ2の感度域の波長をもつ光源であれば如何なる可視光あるいは非可視光を用いるものとしても構わない。非可視光として紫外光を用いれば、細かい傷等を検査する際に効果的であり、赤外光を用いれば、洗浄液等が溜まった巣穴等であっても巣穴として正確に検出することができる。
【0072】
各実施例の検査装置1,1A,1Bでは、ラインセンサカメラ2をボア4の内部で1回転することでボア4の内壁表面の全面の画像を撮影できるものとしたが、ボア4の軸方向長さがラインセンサカメラ2の撮影できる領域以上であったり、同一画素数でボア4の内壁表面の画像をより正確に撮影するためにラインセンサカメラ2の軸方向長さを減縮したりして、ラインセンサカメラ2をボア4の内部で1回転してもボア4の内壁表面の全面の画像を物理的に撮影できない場合では、ラインセンサカメラ2を1回転するごとに軸方向に移動、即ち、支持体6の鏡筒部7をZ軸サーボモータ13によりZ軸方向に移動することでボア4の内壁表面の全面の画像を撮影するものとすれば良い。
【0073】
各実施例の検査装置1,1A,1Bでは、渦流センサ10を用いるものとしたが、鉄製シリンダブロックのボアの鋳巣を検査する場合や、鉄製ライナーをアルミ製シリンダブロックに鋳込んだボアの鋳巣を検査する場合等においては、ホール素子や磁気抵抗素子(MR素子),磁気インピーダンス素子(MI素子)等の磁束強度を検出可能な検出手段を用いるものとしても良い。こうすれば、正確にかつ高速にボア4の内壁表面の欠陥の有無を判定することができる。
【0074】
各実施例の検査装置1,1A,1Bでは、エンジンに用いられるシリンダブロックのボアを被検査対象としたが、これに限らず、円筒形状の内壁表面を有するものであれば如何なる被検査対象であっても構わない。
【0075】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】検査装置の正面図である。
【図2】検査装置の平面図である。
【図3】検査処理の一例を示したフローチャートである。
【図4】検査順位決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】渦流センサ検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】欠陥判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】実施例2の検査処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施例2の渦流センサ検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施例3の検査処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
1 検査装置
2 ラインセンサカメラ
4 シリンダブロックボア
6 支持体
7 鏡筒部
8 照明部
9 ミラー
10 渦流センサ
11 X軸サーボモータ
12 Y軸サーボモータ
13 Z軸サーボモータ
14 θモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査対象としての筒状体の内壁表面の欠陥を検出する検査装置であって、
前記内壁表面の画像を撮像する撮像手段と、
該撮像手段により撮像された画像に基づき前記内壁表面の欠陥候補を選出する選出手段と、
該選出手段により選出された前記欠陥候補から磁束の変化を用いて欠陥の有無を判定する判定手段と、
前記選出手段により前記欠陥候補が選出された場合にのみ、前記判定手段を駆動するよう制御する駆動制御手段と、
を備える検査装置。
【請求項2】
前記駆動制御手段は、前記選出手段により前記欠陥候補が選出され次第、前記判定手段を駆動するよう制御する手段である請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記撮像手段は、前記内壁表面を照射する照射手段と、該照射手段により照射された前記内壁表面を、前記筒状体の軸心方向に反射する反射手段と、該反射手段により反射された前記内壁表面の撮影を行う撮影手段と、前記照射手段と前記反射手段と前記撮影手段とを支持する支持手段とを有し、
前記判定手段は、前記欠陥候補の表面性状を磁束の変化を用いて検出する検出部が、前記支持手段における前記反射手段の反射領域外の位置に配置されてなる請求項1または請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記反射手段の反射面とは反対側に対応した位置に配置されてなる請求項3記載の検査装置。
【請求項5】
前記検出部は、渦流センサである請求項3または請求項4に記載の検査装置。
【請求項6】
前記撮影手段は、ラインセンサカメラであり、
前記撮像手段は、前記支持手段を前記筒状体内で一回転させることで、該筒状体全周の前記内壁表面の画像を撮像する手段である請求項3乃至請求項5の何れかに記載の検査装置。
【請求項7】
前記選出手段は、前記筒状体全周の前記内壁表面の画像から前記欠陥候補を選出する手段であり、
前記判定手段は、該欠陥候補の全てについて欠陥の有無を判定する手段である請求項6に記載の検査装置。
【請求項8】
前記照射手段は、前記反射手段を挟んで前記軸心方向に第1照射手段と第2照射手段とが2列に配置されてなる請求項3乃至請求項7の何れかに記載の検査装置。
【請求項9】
前記撮像手段は、前記第1照射手段のみにより照射された前記内壁表面を第1画像として撮像するとともに、前記第2照射手段のみにより照射された前記内壁表面を第2画像として撮像する手段であり、
前記選出手段は、前記第1画像と前記第2画像とに基づき前記欠陥候補を選出する手段である請求項8に記載の検査装置。
【請求項10】
前記照射手段は、赤外線光である請求項1乃至請求項9の何れかに記載の検査装置。
【請求項11】
被検査対象としての筒状体の内壁表面の欠陥を検出する検査方法であって、
(a)前記内壁表面の画像を撮像し、
(b)撮像した画像に基づき前記内壁表面の欠陥候補を選出し、
(c)該欠陥候補が選出された場合のみ該欠陥候補から磁束の変化を用いて欠陥の有無を判定する検査方法。
【請求項12】
前記ステップ(c)は、前記欠陥候補が選出され次第、該欠陥候補の欠陥の有無を判定するステップである請求項11に記載の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−178384(P2007−178384A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−379954(P2005−379954)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(390009896)愛知機械工業株式会社 (190)
【出願人】(599009019)株式会社マグネグラフ (8)
【Fターム(参考)】