説明

検知装置及びこれを備えた画像形成装置

【課題】シート間の間隔が小さくなっても、後続のシートの先端を正確に検知できる検知装置及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】検知部38は、用紙Pの進路上に設けられ、圧電素子40を含んでいる。進路変更部32は、用紙Pの進路を変更する。制御部30は、用紙Pの先端が衝突してきたことを圧電素子40が検知した場合には、進路変更部32に用紙の進路を変更させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知装置及びこれを備えた画像形成装置に関し、より特定的には、シートの先端を検知する検知装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、以下の理由により、複数のシートを連続して搬送する際に、シート間の隙間の大きさをできるだけ小さくすることが望ましい。より詳細には、画像形成装置において、シート間の隙間が通過している期間においても搬送ローラや転写ベルト等が回転する。そのため、シート間の隙間の大きさが相対的に大きい場合には、シート間の隙間の大きさが相対的に小さい場合に比べて、搬送ローラや転写ベルト等の走行距離が長くなり、搬送ローラや転写ベルト等が劣化し易い。更に、シート間の隙間の大きさが相対的に大きい場合には、シート間の隙間の大きさが相対的に小さい場合に比べて、生産性が低くなってしまう。よって、複数のシートを連続して搬送する際に、シート間の隙間の大きさをできるだけ小さくすることが望ましい。
【0003】
ところで、画像形成装置では、シートに画像を転写するタイミングを調整するために、搬送経路の所定位置において、シートの先端を検知する必要がある。シートの先端の検知は、例えば、図7に示す従来の検知装置200を用いて行われている。図7は、従来の検知装置200の構成図である。以下に、検知装置200について図7を参照しながら説明する。
【0004】
検知装置200は、図7に示すように、検知爪202及びセンサ204により構成されている。検知爪202は、図7に示すように、その上端を中心として回転可能に支持された爪である。センサ204は、図示しない発光部と受光部とを備えている。センサ204は、発光部と受光部との間が遮られていない状態において、ハイレベルの電圧を有する信号を出力し、発光部と受光部との間が遮られている状態において、ローレベルの電圧を有する信号を出力する素子である。
【0005】
検知爪202は、図7(b)に示すように、シートP1,P2が検知爪202の直下を通過している場合には、該シートP1,P2により押し上げられている。この場合、センサ204の発光部と受光部との間が、検知爪202により遮られ、センサ204は、ローレベルの信号を出力する。一方、検知爪202は、図7(a)に示すように、シートP1,P2が検知爪202の直下を通過していない場合(すなわち、シートP1,P2の隙間が通過している場合)には、自重により下方へと垂れ下がる。この場合、センサ204の発光部と受光部との間が、検知爪202により遮られなくなり、センサ204は、ハイレベルの信号を出力する。したがって、検知装置200では、画像形成装置の制御部が、信号がハイレベルからローレベルに切り替わることを検知することにより、シートP2の先端を検知することができる。
【0006】
しかしながら、前記検知装置200では、シートP1,P2間の隙間を小さくした場合において、制御部がシートP2の先端を検知できないおそれがある。より詳細には、図7(b)に示すように、シートP1,P2間の隙間が小さい場合には、該隙間が検知爪202の直下を通過するのにかかる時間が短くなる。そのため、検知爪202は、シートP1,P2間の隙間に落下する前に、用紙P2によって上側に押し戻される。その結果、センサ204から出力される信号がハイレベルのまま変化せず、シートP2の先端が検知されない。
【0007】
なお、シートの先端を検知する検知装置としては、例えば、特許文献1に記載の用紙エッジ部検出構造が知られている。しかしながら、該用紙エッジ検出構造では、センサと用紙との距離を一定に保って、用紙の波うちやカール等の影響を受けにくくしているに過ぎない。そのため、特許文献1には、シートP1,P2間の距離が小さくなった場合において、シートP2の先端をどのように検知するかについては、言及されていない。
【特許文献1】実開平5−86945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の目的は、シート間の間隔が小さくなっても、後続のシートの先端を正確に検知できる検知装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態に係る検知装置は、シートの進路上に設けられている検知手段と、前記シートの進路を変更する変更手段と、前記シートの先端が衝突してきたことを前記検知手段が検知した場合には、前記変更手段に該シートの進路を変更させる制御手段と、を備えていること、を特徴とする。
【0010】
本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、複数のシートを重ねた状態で格納するトレイと、前記トレイから1枚ずつ前記シートを取り出して搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送されてくるシートの先端を検知する前記検知装置と、を備えていること、を特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態に係る検知装置及び画像形成装置について説明する。
【0012】
(画像形成装置の構成)
以下に、本発明の一実施形態に係る検知装置を備えた画像形成装置について図面を参照しながら説明する。図1は、該画像形成装置1の全体構成を示した図である。
【0013】
画像形成装置1は、電子写真方式によるカラープリンタであって、いわゆるタンデム式で4色(Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:ブラック)の画像を合成するように構成したものである。該画像形成装置1は、画像データに基づいて、用紙(シート)Pに画像を形成する機能を有し、印刷部2、給紙部15、タイミングローラ20、定着装置22、排紙トレイ23及び検知装置26a〜26dを備えている。
【0014】
給紙部15は、用紙Pを一枚ずつ供給する役割を果たし、用紙トレイ16、給紙ローラ17及び捌きローラ18を含む。用紙トレイ16は、印刷前の状態の複数枚の用紙Pを重ねて格納する。給紙ローラ17及び捌きローラ18は、搬送手段を構成している。具体的には、給紙ローラ17は、用紙トレイ16に載置された用紙Pを一枚ずつ取り出す。捌きローラ18は、給紙ローラ17が取り出した用紙Pを一枚ずつ捌くと共に、捌いた一枚の用紙Pを搬送する。タイミングローラ20は、捌きローラ18により搬送されてきた用紙Pを印刷部2へと搬送する。
【0015】
印刷部2は、タイミングローラ20から搬送されてくる用紙Pにトナー画像を形成し、図1に示すように、作像部24Y,24M,24C,24K、1次転写ローラ8Y,8M,8C,8K、中間転写ベルト11、駆動ローラ12、従動ローラ13、2次転写ローラ14及びクリーニング装置21を含んでいる。また、作像部24Y,24M,24C,24Kは、感光体ドラム4Y,4M,4C,4K、帯電器5Y,5M,5C,5K、露光装置6Y,6M,6C,6K、現像装置7Y,7M,7C,7K及びクリーナー9Y,9M,9C,9Kを含んでいる。なお、以下では、感光体ドラム、帯電器、露光装置、現像装置、1次転写ローラ、クリーナー、及び、作像部のそれぞれを総称する場合には、単に、感光体ドラム4、帯電器5、露光装置6、現像装置7、1次転写ローラ8、クリーナー9、及び、作像部24と記載し、個別の感光体ドラム、帯電器、露光装置、現像装置、1次転写ローラ、クリーナー、及び、作像部を指す場合には、感光体ドラム4Y,4M,4C,4K、帯電器5Y,5M,5C,5K、露光装置6Y,6M,6C,6K、現像装置7Y,7M,7C,7K、1次転写ローラ8Y,8M,8C,8K、クリーナー9Y,9M,9C,9K、及び、作像部24Y,24M,24C,24Kと記載する。
【0016】
帯電器5は、感光体ドラム4の周面を帯電させる。露光装置6は、露光制御部(図1には図示せず)の制御により、レーザを照射する。これにより、感光体ドラム4の周面には静電潜像が形成される。すなわち、帯電器5及び露光装置6は、感光体ドラム4の周面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段としての役割を果たしている。
【0017】
現像装置7は、感光体ドラム4にトナーを付与して、該感光体ドラム4の周面にトナー画像を形成する現像手段としての役割を果たす。より詳細には、現像装置7は、トナーを収納しており、該トナーを撹拌等することにより負に帯電させる。そして、現像装置7は、現像ローラによりトナーを感光体ドラム4近傍まで搬送する。この際、負に帯電したトナーは、静電潜像による電界の影響を受けて、現像ローラから感光体ドラム4へと移動する。これにより、感光体ドラム4の周面にはトナー画像が形成される。
【0018】
中間転写ベルト11は、駆動ローラ12と従動ローラ13との間に張り渡されており、感光体ドラム4に形成されたトナー画像が1次転写される。1次転写ローラ8は、中間転写ベルト11の内周面に接するように配置されており、図示しない電圧印加部から1次転写電圧が印加されることにより、感光体ドラム4に形成されたトナー画像を中間転写ベルト11に1次転写する役割を果たす。クリーナー9は、1次転写後に感光体ドラム4の周面に残存したトナーを回収する役割を果たす。駆動ローラ12は、中間転写ベルト駆動部(図1には記載せず)により回転させられることにより、中間転写ベルト11を駆動させる。これにより、中間転写ベルト11は、トナー画像を2次転写ローラ14まで搬送する。
【0019】
2次転写ローラ14は、中間転写ベルト11と対向することによりニップ部Nを形成していると共に、中間転写ベルト11が搬送してきたトナー画像を、タイミングローラ20から搬送されニップ部Nを通過する用紙Pに2次転写する。クリーニング装置21は、用紙Pへのトナー画像の2次転写後に、中間転写ベルト11に残存したトナーを除去する。
【0020】
トナー画像が2次転写された用紙Pは、定着装置22に搬送される。定着装置22は、用紙Pに対して加熱処理及び加圧処理を施すことにより、トナー画像を用紙Pに定着させる。排紙トレイ23には、印刷済みの用紙Pが載置される。
【0021】
ところで、画像形成装置1では、捌きローラ18とタイミングローラ20との間に、用紙Pの先端を検知するための検知装置26a〜26dが設けられている。以下に、第1の実施形態ないし第4の実施形態に係る検知装置26a〜26dについて説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
以下に、図面を参照しながら、第1の実施形態に係る検知装置26aについて図面を参照しながら説明する。図2は、検知装置26aの構成を示した図である。図2では、用紙P1,P2が搬送されていく様子が示されている。また、図2では、理解の容易のために、図1の検知装置26aを時計回りに90度回転させて表記してある。
【0023】
検知装置26aは、図1及び図2に示すように、検知機構28a及び制御部30により構成されている。検知機構28aは、進路変更部32、検知部38及びガイドG1,G2により構成されている。ガイドG1は、捌きローラ18により搬送されてくる用紙Pを検知部38に導く。検知部38は、圧電素子40及び検知部材42により構成されており、用紙Pの進路上に設けられている。圧電素子40は、用紙Pの衝突に応じて波形が変動する検知信号(電気信号)を制御部30に出力する。具体的には、圧電素子40は、通常ではローレベルの検知信号を制御部30に出力しており、用紙Pが衝突してきた場合にはハイレベルの検知信号を制御部30に出力する。検知部材42は、棒状部材であり、その先端において圧電素子40を保持している。
【0024】
進路変更部32は、突き上げ部材34及びソレノイドクラッチ36により構成されている。そして、進路変更部32は、検知装置26a内において、用紙トレイ16内の複数枚の用紙Pが重ねられている方向の上方向に対応する方向(すなわち、図2の上方向)に、用紙Pを押し上げて、該用紙Pの進路を変更する。具体的には、突き上げ部材34は、棒状の部材である。ソレノイドクラッチ36は、駆動時には図2(c)に示すように突き上げ部材34を突出させ、非駆動時には図2(a)及び図2(b)に示すように突き上げ部材34を突出させない。
【0025】
制御部30は、用紙Pの先端が衝突してきたことを圧電素子40が検知した場合には、進路変更部32に用紙Pの進路を変更させる。具体的には、制御部30は、圧電素子40から出力されてくる検知信号がローレベルからハイレベルに切り替わった場合には、用紙Pの先端が圧電素子40により検知されたと判定し、ソレノイドクラッチ36を駆動する。これにより、図2(c)に示すように、用紙Pは、突き上げ部材34により押し上げられる。また、制御部30は、進路変更部32の動作の制御のほか、画像形成装置1全体の制御も行う。
【0026】
ガイドG2は、進路変更部32を通過した用紙P1,P2を図1のタイミングローラ20に導く。
【0027】
以上のように構成された検知装置26aの動作について、以下に図面を参照しながら説明する。図3は、用紙P1,P2が連続して搬送されてきた場合において、用紙P2の先端を検知するときに制御部30が行う動作を示したフローチャートである。
【0028】
図2(a)に示すように、用紙P1が先行して搬送され、用紙P2が用紙P1に続いて搬送されている。図2(a)において、用紙P1は、図1のタイミングローラ20により搬送され、用紙P2は、図1の捌きローラ18により搬送されている。このとき、制御部30は、用紙P2の先端を検知したか否かの判定を繰り返している(ステップS1)。より詳細には、制御部30は、圧電素子40から出力されてくる検知信号がローレベルからハイレベルに切り替わったか否かの判定を繰り返している。検知信号がローレベルからハイレベルに切り替わった場合には、制御部30は、圧電素子40が用紙P2の先端を検知したと判定する。そして、本処理はステップS2に進む。一方、検知信号がローレベルからハイレベルへと切り替わらない場合には、制御部30は、圧電素子40が用紙P2の先端を検知していないと判定する。そして、本処理はステップS1に戻る。
【0029】
用紙P2の先端が検知された場合には、制御部30は、ステップS1より所定時間が経過したか否かの判定を行う(ステップS2)。本処理では、用紙P2の先端が圧電素子40に衝突してから、図2(b)に示すように用紙P2が少し撓むまで、制御部30が動作を待機している。制御部30が待機している間において、用紙P2は圧電素子40に引っ掛かって停止し、用紙P1は搬送される。そのため、用紙P1,P2が重なることが防止される。所定時間が経過した場合には、本処理はステップS3に進む。所定時間が経過していない場合には、本処理はステップS2に戻る。
【0030】
所定時間が経過した場合には、制御部30は、進路変更部32を駆動する(ステップS3)。具体的には、制御部30は、ソレノイドクラッチ36に電流を流す。ソレノイドクラッチ36が、図2(c)に示すように、突き上げ部材34を上方に突き出す。これにより、用紙P2が上側に押し上げられ、用紙P2の進路が変更される。この後、用紙P1,P2は、捌きローラ18及びタイミングローラ20により搬送される。これにより、本処理は、1ループ分の処理を終了し、ステップS1に戻る。そして、用紙P2の後続の用紙P3の先端の検知が行われる。
【0031】
以上のように構成された検知装置26a及びこれを備えた画像形成装置1によれば、用紙P1,P2間の間隔が小さくなっても、用紙P2の先端を正確に検知できるようになる。より詳細には、圧電素子40は、図2に示すように、用紙P2の進路上に動かない状態で設けられている。そのため、捌きローラ18により搬送されてくる用紙P2の先端は、用紙P1,P2間の隙間が小さくても、必ず圧電素子40に衝突するようになる。よって、用紙P2の先端が圧電素子40によって確実に検知されるようになる。更に、検知装置26aでは、用紙P2の先端が検知された後に、用紙P2の進路が進路変更部32により変更されている。そのため、用紙P2は、圧電素子40によって先端の検知が行われた後、紙詰まりを起こすことなく、用紙P1に続いて搬送されるようになる。
【0032】
また、検知装置26aでは、以下に説明するように、用紙P1,P2が重なっていても、用紙P2の先端を検知することができる。より詳細には、用紙Pは、用紙トレイ16に重なった状態で格納されており、上に積み重ねられた用紙Pから順に搬送される。そのため、用紙P2は、用紙P1と重なっている場合には、図2の状態において用紙P1の下側に位置する。そこで、進路変更部32は、検知装置26a内において、用紙トレイ16内の複数の用紙Pが重ねられている方向の上方向に対応する方向(すなわち、図2の上方向)に、用紙P1を押し上げている。これにより、用紙P1が用紙P2の先端と圧電素子40との間を通過することがなくなり、用紙P1が用紙P2の先端が圧電素子40に衝突することを妨げなくなる。その結果、検知装置26aでは、用紙P1,P2が重なっていても、用紙P2の先端を検知することが可能となる。
【0033】
また、検知装置26aでは、図2に示すように、捌きローラ18により搬送されてくる用紙P2を検知部38に導くガイドG1が設けられている。そのため、用紙P2の先端がより確実に圧電素子40に衝突するようになる。その結果、検知装置26aでは、用紙P2の先端をより確実に検知することができるようになる。
【0034】
(第2の実施形態)
以下に、図面を参照しながら、第2の実施形態に係る検知装置について図面を参照しながら説明する。図4は、検知装置26bの構成を示した図である。図4では、理解の容易のために、図1の検知装置26bを時計回りに90度回転させて表記してある。
【0035】
検知装置26aと検知装置26bとの相違点は、弾性部材44の有無である。検知装置26bでは、用紙Pの進路に沿って変位可能に検知部材42を保持する弾性部材44が設けられている。これにより、用紙Pの先端が衝突した際に、用紙Pに加わる衝撃を緩和することが可能となる。その結果、用紙Pが折れ曲がることが抑制される。なお、検知装置26bのその他の構成は、検知装置26aのその他の構成と同じであるので、説明を省略する。
【0036】
(第3の実施形態)
以下に、図面を参照しながら、第3の実施形態に係る検知装置について図面を参照しながら説明する。図5は、検知装置26cの構成を示した図である。図5では、理解の容易のために、図1の検知装置26cを時計回りに90度回転させて表記してある。
【0037】
検知装置26aと検知装置26cとの相違点は、進路変更部32,32'の構成である。検知装置26cでは、進路変更部32'は、モータとファンにより構成されている。そして、進路変更部32'は、モータがファンを回転させることにより、図5の上方向に向かって風を発生させる。その結果、用紙Pは、図5の上方向に押し上げられるようになる。なお、検知装置26cのその他の構成は、検知装置26aのその他の構成と同じであるので、説明を省略する。
【0038】
(第4の実施形態)
以下に、図面を参照しながら、第4の実施形態に係る検知装置について図面を参照しながら説明する。図6は、検知装置26dの構成を示した図である。図6では、理解の容易のために、図1の検知装置26dを時計回りに90度回転させて表記してある。
【0039】
検知装置26aと検知装置26dとの相違点は、ガイドG1,G1'の構成である。検知装置26dでは、用紙Pは、図6の下方から上方へと搬送されてくる。そこで、用紙Pを湾曲させて、圧電素子40へと導くようにガイドG1'が設けられている。なお、検知装置26dのその他の構成は、検知装置26aのその他の構成と同じであるので、説明を省略する。
【0040】
なお、検知装置26a〜26dにおいて、進路変更部32,32'は、1つだけ設けられていてもよいし、複数設けられていてもよい。進路変更部32,32'が1つだけ設けられる場合には、用紙Pの進行方向に垂直な方向における用紙Pの中心の位置に進路変更部32,32'が設けられることが望ましい。また、進路変更部32,32'が複数設けられる場合には、用紙Pの進行方向に垂直な方向に進路変更部32,32'が等間隔に設けられることが望ましい。
【0041】
なお、検知装置26a〜26dにおいて、圧電素子40は、検知部材42の先端に取り付けられているが、該圧電素子40が取り付けられる位置はこれに限らない。例えば、圧電素子40は、検知部材42の後端側に取り付けられてもよい。この場合、用紙Pの先端は、検知部材42に衝突し、圧電素子40は、検知部材42を伝わってくる衝突時の衝撃を検知する。よって、圧電素子40には、用紙Pの先端が直接に接触することがなくなり、圧電素子40の長寿命化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】画像形成装置の全体構成を示した図である。
【図2】第1の実施形態に係る検知装置の構成を示した図である。
【図3】用紙P1,P2が連続して搬送されてきた場合において、用紙P2の先端を検知するときに制御部が行う動作を示したフローチャートである。
【図4】第2の実施形態に係る検知装置の構成を示した図である。
【図5】第3の実施形態に係る検知装置の構成を示した図である。
【図6】第4の実施形態に係る検知装置の構成を示した図である。
【図7】従来の検知装置の構成図である。
【符号の説明】
【0043】
G1,G1',G2 ガイド
P,P1,P2 用紙
1 画像形成装置
26a〜26d 検知装置
28a〜28d 検知機構
30 制御部
32,32' 進路変更部
34 突き上げ部材
36 ソレノイドクラッチ
38 検知部
40 圧電素子
42 検知部材
44 弾性部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの進路上に設けられている検知手段と、
前記シートの進路を変更する変更手段と、
前記シートの先端が衝突してきたことを前記検知手段が検知した場合には、前記変更手段に該シートの進路を変更させる制御手段と、
を備えていること、
を特徴とする検知装置。
【請求項2】
前記シートを前記検知手段に導くガイドを、
更に備えていること、
を特徴とする請求項1に記載の検知装置。
【請求項3】
前記検知手段は、
前記シートの先端の衝突に応じて変動する波形を有する電気信号を前記制御手段に出力する圧電素子と、
前記圧電素子を保持する検知部材と、
前記シートの進路に沿って変位可能に前記検知部材を支持する弾性体と、
含んでいること、
を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の検知装置。
【請求項4】
複数のシートを重ねた状態で格納するトレイと、
前記トレイから1枚ずつ前記シートを取り出して搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送されてくるシートの先端を検知する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の検知装置と、
を備えていること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記変更手段は、前記検知装置内において、前記トレイ内の前記複数のシートが重ねられている方向の上方向に対応する方向に、前記シートを押し上げること、
を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−132408(P2010−132408A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309866(P2008−309866)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】