説明

楽曲再生装置

【課題】 楽曲を再生し、再生する楽曲の紹介音声を出力する楽曲再生装置が、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることを目的とする。
【解決手段】 楽曲再生機能を有するカーナビゲーション装置が、再生する楽曲が切り替わる毎に(ステップ210)、楽曲の再生順序の形式を特定し(ステップ220)、さらにタイトルの長さ、副題の有無、バージョンの有無、アーティスト名、発売日、トラック番号、録音日、過去の再生回数等の、これから再生する楽曲の情報を特定し(ステップ230)、さらに現在の自車両の走行環境を特定する(ステップ240)。そして、このような特定した情報に基づいて、楽曲紹介用の定型句を選択し(ステップ250)、選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する(ステップ260、270)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲を再生し、再生する楽曲の紹介音声を出力する楽曲再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車載のカーナビゲーション装置、カーオーディオ装置、家庭用のオーディオ装置等の、CD、MD、DVD、HDDといった楽曲記憶メディアに記憶された楽曲を再生する装置がある。これら楽曲再生装置の中には、それらの楽曲の再生を開始する際に、まるでラジオのアナウンサーが喋っているかのように、その曲の紹介を音声として出力する機能を備えているものがある(例えば特許文献1参照)。そのような機能としては、例えば、「続いて、アーティストAの楽曲αです。どうぞ!」のように、「続いて」「の」「です。どうぞ!」といった定型句を用いて楽曲紹介を行うものがある。
【0003】
このような音声による楽曲紹介機能は、特に車載用の楽曲再生装置において有益である。それは、車載用の楽曲再生装置において、車両の運転時等、楽曲再生装置の表示画面を注視できない場合があるからである。また、携帯可能なポータブルの楽曲再生装置においても、充分な大きさの表示装置を有していない場合があるので、このような音声による楽曲紹介機能が有益である。
【特許文献1】特開平9−152878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の音声による曲紹介は、「アーティスト名」「アルバム名」「曲名」「楽曲ジャンル」に基いたものでしかなく、例えば、同じ曲を紹介すると、同じフレーズでの曲紹介しかできないため、面白みにかける。実際のラジオ放送では、アナウンサーがもう少し気の利いたフレーズでバラエティ豊かな楽曲の紹介をしてくれる。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、楽曲を再生し、再生する楽曲の紹介音声を出力する楽曲再生装置が、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、楽曲の再生順序の形式を判別する判別手段と、前記判別手段の判別した楽曲の再生順序の形式に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置である。
【0007】
このように、楽曲再生装置が、楽曲の再生順序の形式を判別し、判別した楽曲の再生順序の形式に基いて、記憶媒体に記憶された定型句を選び出し、その定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力するので、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、楽曲の再生履歴および楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、再生する楽曲についての前記記憶媒体に記憶された再生履歴に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置である。
【0009】
このように、楽曲再生装置が、再生する楽曲の再生履歴に基いて、記憶媒体に記憶された定型句を選び出し、その定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力するので、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、自車両の走行環境を判別する判別手段と、前記判別手段の判別した自車両の走行環境に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた車載用楽曲再生装置である。
【0011】
このように、車載用の楽曲再生装置が、自車両の走行環境を判別し、判別した走行環境に基いて、記憶媒体に記憶された定型句を選び出し、その定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力するので、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、再生する楽曲の正式名称の長さと所定の長さ基準との比較に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置である。
【0013】
このように、楽曲再生装置が、再生する楽曲の正式名称の長さと所定の長さ基準との比較に基いて、記憶媒体に記憶された定型句を選び出し、その定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力するので、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、再生する楽曲の副題情報に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置である。
【0015】
このように、楽曲再生装置が、再生する楽曲の副題情報に基いて、記憶媒体に記憶された定型句を選び出し、その定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力するので、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、再生する楽曲のバージョン情報に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置である。
【0017】
このように、楽曲再生装置が、再生する楽曲のバージョン情報に基いて、記憶媒体に記憶された定型句を選び出し、その定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力するので、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることができる。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、再生する楽曲の演奏アーティスト名の読みが複数あることに基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置である。
【0019】
このように、楽曲再生装置が、再生する楽曲の演奏アーティスト名の読みが複数あることに基いて、記憶媒体に記憶された定型句を選び出し、その定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力するので、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることができる。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、再生する楽曲データの発売日情報に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置である。
【0021】
このように、楽曲再生装置が、再生する楽曲データの発売日情報に基いて、記憶媒体に記憶された定型句を選び出し、その定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力するので、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることができる。
【0022】
また、請求項9に記載の発明は、楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、再生する楽曲のアルバム中のトラック番号に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置である。
【0023】
このように、楽曲再生装置が、再生する楽曲のアルバム中のトラック番号に基いて、記憶媒体に記憶された定型句を選び出し、その定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力するので、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることができる。
【0024】
また、請求項10に記載の発明は、楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、再生する楽曲データの録音時情報に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置である。
【0025】
このように、楽曲再生装置が、再生する楽曲の録音時情報に基いて、記憶媒体に記憶された定型句を選び出し、その定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力するので、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることができる。
【0026】
また、請求項11に記載の発明は、楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、現在時刻に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた車載用楽曲再生装置。
【0027】
このように、楽曲再生装置が、現在時刻に基いて記憶媒体に記憶された定型句を選び出し、その定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力するので、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることができる。
【0028】
また、請求項12に記載の発明は、楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、楽曲紹介のための定型句を選択するための複数の選択基準のそれぞれの条件が満たされるか否かを決定するための情報を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した情報に基づいて、条件が満たされた選択基準のうち、ランダムに選んだ1つに対応する、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた車載用楽曲再生装置である。
【0029】
このように、楽曲再生装置が、楽曲紹介のための定型句を選択するための複数の選択基準のそれぞれの条件が満たされるか否かを決定するための情報を特定し、この特定した情報に基づいて、前記条件が満たされた選択基準のうち、ランダムに選んだ1つに対応する定型句を選び出し、その定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力するので、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることができる。
【0030】
また、請求項13に記載の発明は、楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、楽曲紹介のための定型句を選択するための、優先度が付与された複数の選択基準のそれぞれの条件が満たされるか否かを決定するための情報を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した情報に基づいて、前記条件が満たされた選択基準のうち、前記優先度に基づいて選んだ1つに対応する、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた車載用楽曲再生装置である。
【0031】
このように、楽曲再生装置が、楽曲紹介のための定型句を選択するための複数の優先度付きの選択基準のそれぞれの条件が満たされるか否かを決定するための情報を特定し、この特定した情報に基づいて、前記条件が満たされた選択基準のうち、当該優先度に基づいて選んだ1つに対応する定型句を選び出し、その定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力するので、従来よりも多様な楽曲紹介を行えるようにすることができる。
【0032】
また、請求項14に記載の発明は、請求項1ないし13に記載の車載用楽曲再生装置において、前記出力手段が出力する前記紹介音声に対応した文字を視覚表示する文字表示手段を備えたことを特徴とする。
【0033】
このようになっていることで、TVのバラエティ番組で多用されるような発言の強調表示による面白味を、楽曲紹介に加味することができる。
【0034】
また、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の車載用楽曲再生装置において、前記紹介音声に対応した文字は、紹介音声の内容を簡略化した文字列であることを特徴とする。
【0035】
このようになっていることで、聞く作業と比較して面倒な読む作業を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る楽曲再生機能付きのカーナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す。
【0037】
カーナビゲーション装置1は、位置検出器11、操作スイッチ群12、表示装置13、CD(コンパクトディスク)ドライブ14、DVD(デジタルバーサタイルディスク)ドライブ15、MD(ミニディスク)ドライブ16、オーディオアンプ17、スピーカ18、外部記憶媒体19、制御回路20、FM・AMチューナ21、およびTVチューナ22を有している。
【0038】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基いた現在位置を特定するための情報を制御回路20に出力する。
【0039】
操作スイッチ群12は、カーナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、表示装置13の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基いた信号を制御回路18に出力する。
【0040】
表示装置13は、制御回路20から出力された映像信号に基いた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図、再生楽曲のタイトル、タッチパネルのどこをタッチすればどのような機能(例えば楽曲の再生、停止、再生速度変更等)が実現されるかを示すボタン表示等がある。
【0041】
CDドライブ14、DVDドライブ15、MDドライブ16は、制御回路20からの制御に基いて、楽曲データ、曲順データが記録された取り外し可能な記憶媒体からそれらデータを読み出して制御回路20に出力する。
【0042】
楽曲データとは、CD−DA規格によって規定された音楽データフォーマット、MP3フォーマット等によってデータ化された楽曲のデータをいう。
【0043】
曲順データとは、例えばCD中のTOCデータの様に、記憶媒体に記憶された楽曲データの数、および楽曲の当該記憶媒体への収録順位と当該楽曲の演奏時間との対応情報(すなわち先頭から何番目の楽曲がどれくらいの演奏時間となっているかの情報)をいう。
【0044】
なお、CDドライブ14が読み出し対象とする記憶媒体はCD−ROM、CD−R等であり、DVDドライブ15が読み出し対象とする記憶媒体はDVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAM等であり、MDドライブ16が読み出し対象とする記憶媒体はMDである。
【0045】
オーディオアンプ17は、制御回路20から出力された音声信号を増幅してスピーカ18に出力する。
【0046】
FM・AMチューナ21は、制御回路20の制御に基いて、FMラジオ、AMラジオ放送局からの楽曲等の放送音を受信し、その音の信号を制御回路20に出力する。
【0047】
TVチューナ22は、制御回路20の制御に基いて、TV放送局からの映像・音を受信し、それを映像信号および音信号として制御回路20に出力する。
【0048】
外部記憶媒体19は、HDD(ハードディスクドライブ)、大容量メモリカード等の、数百メガバイト以上の容量を持つ大容量不揮発性記憶媒体から成り、制御回路20の制御に基いてデータの読み出し、書き込みの制御を行う。
【0049】
この外部記憶媒体19には、制御回路20が読み出して実行するための各種プログラムのほか、地図表示のための地図データ31、楽曲データ32、楽曲情報データベース(図中では楽曲情報DBと記す)33、定型句音声データ34、再生履歴データ35、プレイリストデータ36等が記憶されている。
【0050】
楽曲データ32は、制御回路20の制御によって表示装置13、CDドライブ14、MDドライブ16、FM・AMチューナ21、TVチューナ22を介してそれぞれCD、DVD、MD、ラジオ放送、テレビ放送から録音した複数の楽曲のデータである。なお、録音したデータとは、元のデータを移動したデータ、複製したデータ、および元のデータにMP3(Mpeg1Audio Layer3)等の圧縮形式を用いたデータ圧縮を施したデータをいう。なお、この楽曲データ32中の楽曲データのそれぞれは、楽曲情報データベース33中の1楽曲エントリおよび1アルバムエントリと対応づけられている。
【0051】
楽曲情報データベース33は、楽曲ごとの楽曲エントリを複数(例えば20万曲分)有するデータである。各楽曲エントリは、楽曲タイトル、当該楽曲の演奏時間、当該楽曲の演奏(歌唱も含む。以下同じ。)アーティスト名称、当該楽曲の演奏アーティスト名称の読み、当該楽曲(または当該楽曲を収録したアルバム)の発売日、当該楽曲のアルバム中のトラック番号(すなわち収録順番)、当該楽曲を外部記憶媒体19に録音した日付である録音日、過去に制御回路20によって当該楽曲が再生された回数、現時点で最後に当該楽曲が制御回路20によって再生された日時等の情報を有している。
【0052】
また楽曲情報データベース33は、アルバム毎にアルバムエントリを有しており、1つのアルバムエントリは、アルバム名称、当該アルバムの演奏アーティスト、当該アルバムの収録楽曲タイトルリスト、当該アルバムの収録楽曲順序、当該アルバムの収録楽曲のそれぞれの演奏時間等の情報を有している。なお、アーティスト名称の読みが2つ以上ある場合は、それら複数の読みが、所定のデリミタ(例えば文字列|)で区切られた形で記憶されている。そして、先頭の部分が正式な読みとなり、2番目以降の読みが略称、ニックネームとしての読みとなっている。
【0053】
定型句音声データ34は、音声による楽曲紹介のための各種定型句を表す、WAV、MP3等、所定の音声フォーマットで記録された音声データである。
【0054】
再生履歴データ35は、過去に制御回路20が再生した楽曲のタイトルと再生時刻が再生順に記録されている。
【0055】
プレイリストデータ36は、ユーザによって指定された特定の楽曲の順序つきリストが複数種類記憶されている。例えばマイベスト楽曲リスト、行楽に向かう時のための明るい曲調の楽曲リスト、落ち着きたいときの穏やかな楽曲リスト等である。
【0056】
制御回路20は、図示しないRAM、ROM、CPUを有している。このCPUは、ROMおよび外部記憶媒体19から読み出したカーナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際には上記ROM、RAM、外部記憶媒体19から情報を読み出し、RAM、外部記憶媒体19に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、操作スイッチ群12、表示装置13、CDドライブ14、DVDドライブ15、MDドライブ16、オーディオアンプ17、外部記憶媒体19、FM・AMチューナ21、TVチューナ22と信号の授受を行う。
【0057】
制御回路20のCPUの具体的な処理としては、位置検出器11からの信号に基いて、車両の現在位置を特定する現在位置特定処理、操作スイッチ群12からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの走行経路を算出する経路検索処理、外部記憶媒体19から地図データ31を読み出し、算出された走行経路やメモリ地点等を地図データ31と共に表示装置13に表示させる地図等表示処理がある。
【0058】
また、制御回路20のCPUは、ユーザの操作スイッチ群12の所定の操作に基いて、CDドライブ14、DVDドライブ15、MDドライブ16、FM・AMチューナ21、TVチューナ22を介して楽曲を外部記憶媒体19の楽曲データ32に録音し、さらにそれを楽曲情報データベース33の楽曲エントリの1つおよびアルバムエントリの1つと関連付ける。
【0059】
具体的には、制御回路20のCPUは、CDドライブ14、DVDドライブ15、MDドライブ16を制御して、このCDドライブ14に装着されたCD等から楽曲データ、曲順データを読み出す。そして、曲順データ中の楽曲の収録順序と演奏時間との対応と合致するアルバムエントリを1つ選び出し、そのアルバムエントリと読み出した楽曲データ中の各楽曲とを関連づける。そして、そのアルバムエントリの楽曲リストの各楽曲に相当する楽曲エントリと、読み出した楽曲データ中の楽曲とを1対1で関連づける。この1対1の対応付けは、当該アルバムエントリの楽曲の順序情報に従って、読み出した楽曲の先頭から順に対応づけることで実現される。
【0060】
また、FM・AMチューナ21、TVチューナ22からの音データを外部記憶媒体19に録音する場合は、ユーザの操作スイッチ群12を用いた、楽曲の切れ目のタイミング指定、および楽曲と関連づける楽曲エントリ、アルバムエントリの選択の操作に基いて、楽曲の録音、およびその楽曲の楽曲エントリ、アルバムエントリとの関連づけが実現される。
【0061】
また、制御回路20のCPUは、このようにして録音したデータに関連づけられた楽曲エントリに、この楽曲の外部記憶媒体19への録音が行われた日時の情報を追加する。
【0062】
また、制御回路20のCPUは、ユーザの操作スイッチ群12の所定の操作に基いて、外部記憶媒体19の楽曲データ32を再生する。すなわち、楽曲データ32に基いた音信号をオーディオアンプ17に出力する。
【0063】
楽曲データ32中のある楽曲を再生する際、CPUは、楽曲情報データベース33中の再生楽曲に関連するエントリ中の再生回数の項目の値を1回分増加させ、また、最後の演奏日時を現在日時に変更する。さらにCPUは、再生履歴データ35の先頭に再生楽曲のタイトルと現在日時の情報を追加する。
【0064】
また、CPUは、ユーザが表示装置13を用いて選択した再生モードの規定する規則に従った順序で楽曲を再生する。再生モードとしては、通常モード、1曲リピートモード、アルバムリピートモード、アーティストリピートモード、ランダム再生モード、プレイリスト再生モード、履歴順再生モード、再生回数順再生モードがある。
【0065】
通常モードは、1つのアルバムの最初から最後までトラック順に楽曲を再生するモードである。
【0066】
1曲リピートモードは、1つの楽曲を繰り返し再生するモードである。
【0067】
アルバムリピートモードは、1つのアルバムの最初から最後までの楽曲についてのトラック順再生を繰り返すモードである。
【0068】
アーティストリピートモードは、1つのアーティストの演奏する複数のアルバムの楽曲のアルバム順トラック順再生を繰り返すモードである。
【0069】
ランダム再生モードは、疑似乱数列に基いて順次選ばれた楽曲を再生するモードである。
【0070】
プレイリスト再生モードは、外部記憶媒体19のプレイリストデータ36に記憶されたプレイリストの1つの順序に従って順次楽曲を再生するモードである。なお、CPUは、ユーザによるプレイリストの作成、編集のための操作スイッチ群12を用いた操作に基いて、プレイリストデータ36中のプレイリストの追加、変更を行う。
【0071】
履歴順再生モードは、再生履歴データ35中の再生日時が新しい楽曲から順に再生するモードである。
【0072】
再生回数順再生モードは、過去の再生回数の多い楽曲データから順に再生を行うモードである。再生回数は、楽曲データ32の各エントリ中の再生回数の情報に基いて特定することができる。
【0073】
また、制御回路20のCPUは、再生する楽曲の切り替わり時には、以下詳述する各種条件に基いて、外部記憶媒体19の定型句音声データ34に記憶された定型句を選び出し、この選び出した定型句を用いて再生する楽曲の紹介音声をオーディオアンプ17に出力する楽曲紹介機能を有する。
【0074】
この楽曲紹介機能のためにCPUが外部記憶媒体19から読み出して実行するプログラム200のフローチャートを図2に示す。CPUは、楽曲の再生が開始してから終了するまで、常にこのプログラム200を実行する。
【0075】
まずステップ210では、現在、再生が次の楽曲に切り替わるタイミングであるか否かを判定する。切り替わるタイミングである場合、続いてステップ215の処理を実行し、切り替わるタイミングでない場合、再びステップ210の処理を繰り返す。
【0076】
ステップ215では、現在の再生を一時停止させる。これによって、次の楽曲は再生待ちの状態となる。
【0077】
続いてステップ220では、現在の再生モードが、通常モード、1曲リピートモード、アルバムリピートモード、アーティストリピートモード、ランダム再生モード、プレイリスト再生モード、履歴順再生モード、および再生回数順再生モードのうちのいずれであるかを特定する。
【0078】
続いてステップ230では、楽曲紹介の定型句の選択の基準として利用するための楽曲情報の特定を行う。具体的には、楽曲情報データベース33から、これから再生する楽曲のエントリを読み出す。
【0079】
続いてステップ240では、楽曲紹介の定型句の選択の基準として利用するための自車両の走行環境の特定を行う。具体的には、位置検出器11から現在位置情報を取得し、また、位置検出器11のGPS受信機等から現在時刻情報を取得する。そして、現在時刻が朝(例えば午前4時〜正午)、昼(例えば正午〜午後4時)、夕方(例えば午後4時〜午後7時)、夜(例えば午後7時〜午前4時)、深夜(例えば午前0時〜午前4時)のカテゴリのそれぞれに該当するか否かを特定する。また、現在位置情報および外部記憶媒体19の地図データに基づいて、現在走行中の場所が海岸沿いである(すなわち海岸から所定の距離内にある場所である)か否か、場所が山の中であるか否か、大都市内(例えば政令指定都市内)であるか否かを特定し、また、現在位置情報および外部記憶媒体19の地図データに基づいて、現在走行中の道路が高速道路であるか否か、都市高速道路であるか否か、一般道であるか否かを特定する。
【0080】
続いてステップ250では、ステップ230〜250で特定した情報に基づいて、次の楽曲の紹介に用いる定型句の選択を行う。
【0081】
図3〜図5に、具体的な定型句の選択基準を表で示す。図3は、再生モードに基く定型句選択基準を示すものであり、図4は、楽曲の情報に基く定型句選択基準を示すものであり、図5は、車両の走行環境に基く定型句選択基準を示すものである。
【0082】
これら表中の最上行以外の各行が、それぞれ1つの選択基準に対応している。そして、各行の左側の欄内の条件がその選択基準が満たされるための条件を示し、右側の欄がその選択基準の条件が満たされたときに用いられる楽曲紹介フレーズを示している。そして、楽曲紹介フレーズ中の鍵括弧以外の部分が、外部記憶媒体19の定型句音声データ34に記憶されている定型句となっている。また、鍵括弧内の文言は、タイトル、アーティスト名称読み、トラック番号等、楽曲情報等に含まれた楽曲毎に異なる句である。例えば、図3〜図5においては「○○○○○○」、「・・・・・・」、「****************」は楽曲の名称を示し、「◇◇◇」は楽曲の副題を示し、「XXXXXX」はアルバム名を示し、「□□□□□□」は演奏アーティスト名称の正式な読みを示し、「△△△」は演奏アーティスト名称の別の読みを示している。
【0083】
例えば、図3の3行目の選択基準によれば、再生モードが1曲リピートモードの場合、楽曲タイトルに続けるための“を繰り返し聞いてください”または、“お気に入りのようですね。繰り返し聞いてください”という定型句を定型句音声データ34から選び出す。なお、この2種類の定型句のいずれを選択するかについては、疑似乱数列を用いてランダムに選択してもよいし、いずれか一方のみを常に選択してもよい。
【0084】
また例えば、図3の7行目の選択基準によれば、再生モードがプレイリスト再生の場合、プレイリスト名称と楽曲タイトルとの間に挟むための“から”という定型句、および楽曲タイトルに続けるための“です”という定型句との組を選択する。なお、CPUは、プレイリストの名称は、プレイリストデータ36から読み出すようになっている。
【0085】
また例えば、図3の9行目の選択基準によれば、再生モードが再生回数順再生の場合、再生回数が最も多い楽曲から順にランクを付け、例えば1位の楽曲の再生の場合、楽曲タイトルの前に付けるための“1位にランクインは”という定型句を、2位の楽曲の再生の場合、楽曲タイトルの前に付けるための“続いて、2位にランクインは”という定型句を選び出す。すなわち、ランキング形式の定型句を順位に基づいて選択する。
【0086】
また例えば、図4の2行目の選択基準によれば、これから再生する楽曲のタイトルが長い場合、楽曲タイトルの前に付けるための“正式名がこんなに長いんです”という定型句を選び出す。なお、タイトルが長いとは、当該楽曲に関連づけられた楽曲情報データベース33のエントリ中の楽曲タイトルの文字列が所定の長さ(例えば10文字)以上の場合をいう。
【0087】
また例えば、図4の3行目の選択基準によれば、これから再生する楽曲に副題がついている場合、楽曲タイトルと副題との間に挟むための“次の曲は”という定型句、および副題に続けるための“なんて副題がついています”という定型句の組を選び出す。なお、楽曲に副題がついているとは、当該楽曲に関連づけられた楽曲情報データベース33のエントリ中の楽曲タイトルの文字列が括弧のペア()を有している場合をいう。そして、CPUは、その括弧のペアに挟まれた部分が副題であると認識する。
【0088】
また例えば、図4の4行目の選択基準によれば、これから再生する楽曲にバージョンがついている場合、バージョンの前に付けるための“次の曲は”という定型句、およびバージョンとタイトルとの間に挟むための“で聞いてもらいましょう”という定型句の組、または、タイトルとバージョンとの間に挟むための“を”および、バージョンの後に続けるための“でどうぞ”という定型句の組を選び出す。なお、楽曲にバージョンがついているとは、当該楽曲に関連づけられた楽曲情報データベース33のエントリ中の楽曲タイトルの文字列が括弧のペア()を有しており、さらのその括弧のペアに挟まれた文字列に“バージョン”という文字列が含まれている場合をいう。そして、CPUは、その括弧のペアに挟まれた部分が楽曲のバージョンであると認識する。
【0089】
また例えば、図4の5行目の選択基準によれば、これから再生する楽曲の演奏アーティスト名称の読みが2つ以上ある場合、別の読みと正式な読みとの間に挟むための“こと”という定型句、および正式な読みとタイトルとの間に挟むための“のこのナンバー”という定型句の組を選び出す。
【0090】
また例えば、図4の6行目の選択基準によれば、これから再生する楽曲の発売日が新しい場合、タイトルの前に付けるための“最近の曲からお送りしましょう”という定型句を選び出す。なお、楽曲の発売日が新しいとは、当該楽曲に関連づけられた楽曲情報データベース33のエントリ中の発売日が現在より所定期間(例えば1年)以内である場合をいう。
【0091】
また例えば、図4の7行目の選択基準によれば、これから再生する楽曲の発売日が古い場合、タイトルの前に付けるための“なつかしいこの曲をお送りしましょう”という定型句、または、発売年代とタイトルの間に挟むための“年代の名曲です。”という定型句、
を選び出す。なお、楽曲の発売日が古いとは、当該楽曲に関連づけられた楽曲情報データベース33のエントリ中の発売日が現在より所定期間(例えば10年)以上前である場合をいう。そして、CPUは、楽曲情報データベース33の発売日の年表示の1年代部分をゼロにした年を発売年代とする。
【0092】
また例えば、図4の10行目の選択基準によれば、これから再生する楽曲の録音日が古い場合、タイトルの前に付けるための“かなり昔に録音した曲をお送りします”という定型句、または、録音後経過年とタイトルとの間に挟むための“年前に録音した曲です”という定型句を選び出す。なお、楽曲の録音日が古いとは、当該楽曲に関連づけられた楽曲情報データベース33のエントリ中の録音日時が現在より所定期間(例えば1年)以上離れている場合をいう。
【0093】
また例えば、図4の11行目の選択基準によれば、これから再生する楽曲の録音日が新しい場合、録音日とタイトルの間に挟むための“録音したての曲をお送りします”という定型句を選び出す。なお、楽曲の録音日が新しいとは、当該楽曲に関連づけられた楽曲情報データベース33のエントリ中の録音日時が現在より所定期間(例えば1ヶ月)以内である場合をいう。
【0094】
また例えば、図4の12行目の選択基準によれば、これから再生する楽曲の録音日が新しい場合、録音日とタイトルの間に挟むための“録音したての曲をお送りします”という定型句を選び出す。なお、楽曲の録音日が新しいとは、当該楽曲に関連づけられた楽曲情報データベース33のエントリ中の録音日時が現在より所定期間(例えば1ヶ月)以内である場合をいう。
【0095】
なお、これから再生する楽曲について、上記した各種選択基準のうち複数の選択基準についての条件が満たされる場合、それらのうちの1つを優先させて、その優先させた選択基準に対応した定型句を選び出す。どの1つを優先させるかの基準は、疑似乱数列に基づいたランダムなものであってもよいし、あらかじめ各選択基準に優先度の値を付与しておき、上記複数の選択基準のうち最も優先度の値が高いものを優先させるという基準であってもよい。
【0096】
ステップ250に続いて、ステップ260では、出力フレーズを作成する。すなわち、ステップ250で選択した定型句を、これから再生する楽曲のタイトル、アーティスト名等の上記した情報と組み合わせ、その結果として、図3〜図5に示した構成に従ったフレーズの楽曲紹介音声データを作成する。なお、定型句以外についての音声データは、テキストデータから周知の音声合成技術を用いて生成すればよい。
【0097】
続いてステップ270で、ステップ260にて作成した楽曲紹介音声データをオーディオアンプ17に出力する。これによって、スピーカ18から、楽曲紹介音声がユーザに聞こえるように流れる。
【0098】
そして、この出力が終了すると、続いてステップ280で、一時停止していた再生を再開する。
【0099】
続いて、ステップ210の処理に戻る。
【0100】
以上のようなプログラム200を制御回路20のCPUが実行することで、カーナビゲーション装置1は、再生する楽曲が切り替わる毎に(ステップ210参照)、楽曲の再生順序の形式(すなわち再生モード)を特定し(ステップ220参照)、さらにタイトルの長さ、副題の有無、バージョンの有無、アーティスト名、発売日、トラック番号、録音日、過去の再生回数等の、これから再生する楽曲の情報を特定し(ステップ230参照)、さらに現在の自車両の走行環境を特定する(ステップ240参照)。
【0101】
そして、このような特定した情報に基づいて、外部記憶媒体19から当該楽曲紹介用の定型句を選択し(ステップ250参照)、選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する(ステップ260、270参照)。したがって、カーナビゲーション装置1は、多様な楽曲紹介を行うことができる。
【0102】
なお、上記した実施形態において、カーナビゲーション装置1が楽曲再生装置に相当する。ただし、楽曲再生装置は、必ずしも車両に搭載されている必要はなく、例えば、ユーザが持ち運ぶポータブルな楽曲再生装置であってもよいし、家庭内に固定された楽曲再生装置であってもよい。
【0103】
また、制御回路20のCPUが、プログラム200のステップ220、230および240を実行することで、判別手段として機能する。
【0104】
また、制御回路20のCPUが、プログラム200のステップ250を実行することで、選出手段として機能する。
【0105】
また、制御回路20のCPUが、プログラム200のステップ260および270を実行することで、出力手段として機能する。
【0106】
なお、上記した実施形態においては、カーナビゲーション装置1が記憶する外部記憶媒体19の定型句音声データ34に記憶する定型句は音声データであるが、必ずしもこのようになっている必要はなく、例えば、記憶される定型句は文字列データであってもよい。この場合、制御回路20のCPUは、文字列に基づいて音声を合成する機能を有していればよい。
【0107】
また、上記した実施形態において、車両用ナビゲーション装置1は、音声による楽曲紹介と併せて文字による視覚的な楽曲紹介を行うようになっていてもよい。この文字の表示は、制御回路19が、プログラム200のステップ260を実行するタイミングに、出力する音声データに対応する文字列データ表示装置13に出力することで実現できる。
【0108】
出力する音声データに対応する文字列としては、その出力する音声データと同じ内容の文字列であってもよいし、出力する音声データの要点を短縮、簡略化した文字列であってもよい。表示文字列が短縮、簡略化されていれば、聞く作業と比較して面倒な読む作業が低減される。
【0109】
出力する音声データと同じ内容の文字列を表示させる場合は、音声出力のために読み出した定型句にと同じ内容の文字列を読み出し、この文字列に、定型句以外の音声データが音声合成される元となったテキストデータを組み合わせた紹介フレーズを、表示装置13に出力する。なお、定型句と同じ内容の文字列データは、予め定型句音声データ34に含まれているものとする。
【0110】
出力する音声データを簡略、短縮化する場合は、上記のように組み合わせた文字列データから、所定の規則に従って文字列を削除、追加し、その結果の文字列を表示装置13に出力する。なお、所定の規則は、上記した実施形態に示した、定型句の選択基準としての再生モード、楽曲の情報、車両の走行環境毎に予め決められ、外部記憶媒体19に保存されているものとする。所定の規則とは、例えば、冗長な文言の削除、語尾を体言止めにする変更等がある。
【0111】
また、文字列の視覚表示による楽曲紹介は、音声による楽曲紹介を行うときには常に行うようになっていてもよいし、特定の場合にのみ行うようになっていてもよい。文字列の視覚表示による楽曲紹介を行うか否かは、上記した定型句の選択基準毎に予め決められていてもよい。
【0112】
図6に、文字列の視覚表示による楽曲紹介を行う場合に該当する定型句の選択基準、およびその場合の表示文字列例を表形式で示す。この表の各行の選択基準は、上からそれぞれ、図3の6行目、図3の9行目、図4の3行目、図4の4行目、図4の5行目、図4の6行目および図4の7行目の選択基準に相当する。
【0113】
図7に、文字列による楽曲紹介が表示された表示装置13の表示画面の一例を示す。図7中の中央下部40に、当該文字列がテロップ表示されている。このテロップ表示は、桃ともとの楽曲再生画面の上に重ねるような形式で表される。これによって、文字列がより強調される。
【0114】
このように、楽曲案内の際、音声表示に加え文字による視覚表示を行うことで、TVのバラエティ番組で多用されるような発言の強調表示による面白味を、楽曲紹介に加味することができる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】カーナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す図である。
【図2】制御回路20のCPUが楽曲紹介のために実行するプログラムのフローチャートである。
【図3】再生モードに基く定型句選択基準を示す図表である。
【図4】楽曲の情報に基く定型句選択基準を示す図表である。
【図5】車両の走行環境に基く定型句選択基準を示す図表である。
【図6】紹介音声と共に画面に文字を表示する場合と、その場合における表示文字例を示す図表である。
【図7】表示装置13の表示面上にテロップ表示された文字列40を示す図である。
【符号の説明】
【0116】
1…カーナビゲーション装置、11…位置検出器、12…操作スイッチ群、
13…表示装置、14…CDドライブ、15…DVDドライブ、16…MDドライブ、
17…オーディオアンプ、18…スピーカ、19…外部記憶媒体、20…制御回路、
21…FM・AMチューナ、22…TVチューナ、31…地図データ、
32…楽曲データ、33…楽曲情報データベース、34…定型句音声データ、
35…再生履歴データ、36…プレイリストデータ、40…案内文字列、
200…プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、
楽曲の再生順序の形式を判別する判別手段と、
前記判別手段の判別した楽曲の再生順序の形式に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、
前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置。
【請求項2】
楽曲の再生履歴および楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、
再生する楽曲についての前記記憶媒体に記憶された再生履歴に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、
前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置。
【請求項3】
楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、
自車両の走行環境を判別する判別手段と、
前記判別手段の判別した自車両の走行環境に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、
前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた車載用楽曲再生装置。
【請求項4】
楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、
再生する楽曲の正式名称の長さと所定の長さ基準との比較に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、
前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置。
【請求項5】
楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、
再生する楽曲の副題情報に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、
前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置。
【請求項6】
楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、
再生する楽曲のバージョン情報に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、
前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置。
【請求項7】
楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、
再生する楽曲の演奏アーティスト名の読みが複数あることに基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、
前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置。
【請求項8】
楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、
再生する楽曲データの発売日情報に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、
前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置。
【請求項9】
楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、
再生する楽曲のアルバム中のトラック番号に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、
前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置。
【請求項10】
楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、
再生する楽曲データの録音時情報に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、
前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた楽曲再生装置。
【請求項11】
楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、
現在時刻に基いて、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、
前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた車載用楽曲再生装置。
【請求項12】
楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、
楽曲紹介のための定型句を選択するための複数の選択基準のそれぞれの条件が満たされるか否かを決定するための情報を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した情報に基づいて、条件が満たされた選択基準のうち、ランダムに選んだ1つに対応する、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、
前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた車載用楽曲再生装置。
【請求項13】
楽曲紹介のための複数種類の定型句を記憶する記憶媒体と、
楽曲紹介のための定型句を選択するための、優先度が付与された複数の選択基準のそれぞれの条件が満たされるか否かを決定するための情報を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した情報に基づいて、前記条件が満たされた選択基準のうち、前記優先度に基づいて選んだ1つに対応する、前記記憶媒体に記憶された定型句を選び出す選出手段と、
前記選出手段が選出した定型句を用いて、再生する楽曲の紹介音声を出力する出力手段と、を備えた車載用楽曲再生装置。
【請求項14】
前記出力手段が出力する前記紹介音声に対応した文字を視覚表示する文字表示手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1つに記載の車載用楽曲再生装置。
【請求項15】
前記紹介音声に対応した文字は、紹介音声の内容を簡略化した文字列であることを特徴とする請求項14に記載の車載用楽曲再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−23372(P2006−23372A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199329(P2004−199329)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】