説明

楽曲情報配信装置および楽曲情報配信方法

【課題】 携帯電話などを利用して、曲名が不明であっても、目的の楽曲に関するデータを利用者に対して配信できるようにする。
【解決手段】音声通話部101が、電話による音声通話を着信して応答し、音声変換部103が、応答して受話した音声による楽曲のメロディーを符号化して変換データとし、検索部104が、この変換データにマッチするメロディーデータを備えた楽曲情報をデータベース内より取り出し、送信部105が、取り出した楽曲情報を、応答した音声通話の送話元の電話番号に対応するメールアドレスに送信する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の楽曲情報のなかより所望の楽曲情報を取り出して提供する楽曲情報配信装置および楽曲情報配信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、インターネット上のWebサイトに用意された複数の楽曲のデータを、インターネットに接続した端末でダウンロードし、上記楽曲を上記端末で視聴したり、上記楽曲に関する情報を閲覧可能とするデジタルコンテンツの配信サービスがある。このような配信サービスを利用する場合、利用者は端末を操作し、キーワードによる検索や、カテゴリーによる検索で、Webサイトのサーバに用意されているデータベース内より、目的の楽曲情報を探し出すようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のような配信サービスを利用する場合、実際の店舗においてCDやレコードを購入する場合と異なり、目的の楽曲に関する情報が少ない場合、目的の楽曲情報を得ることが困難であるという問題があった。例えば、実際の店舗においては、うる覚えの記憶を頼りに店舗の店員の助けを借りて目的の楽曲を探すなどのことができるが、ネットワーク端末による配信サービスにおける検索では、曖昧検索を利用したとしても、楽曲に関する情報が不足している場合は、検索に限度があった。
【0004】本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、携帯電話などを利用して、曲名が不明であっても、目的の楽曲に関するデータを利用者に対して配信できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の楽曲情報配信装置は、曲のメロディーが符号化されたメロディーデータを備えた複数の楽曲情報からなるデータベースと、電話による音声通話を着信して応答する音声通話手段と、この音声受話手段が応答して受話した音声による楽曲のメロディーを入力する音声入力手段と、この音声入力手段が入力したメロディーを符号化して変換データとする音声変換手段と、この音声変換手段に符号化された変換データにマッチするメロディーデータを備えた楽曲情報をデータベース内より取り出す検索手段と、この検索手段が取り出した楽曲情報を、音声通話手段が応答した音声通話の送話元の電話番号に対応するメールアドレスに送信するデータ送信手段とを備えるものである。この発明によれば、音声通話で得られたメロディーによりデータベースが検索され、この検索結果が、データ通信で送信される。
【0006】上記発明において、音声通話手段が音声通話を着信すると、案内の音声を生成する音声案内生成手段を備え、音声入力手段は、音声案内生成手段が生成した案内の音声を音声通話手段が送話元に送話した後、音声による楽曲のメロディーを入力する。
【0007】本発明の他の形態における楽曲情報配信装置は、曲の歌詞が符号化された歌詞データを備えた複数の楽曲情報からなるデータベースと、電話による音声通話を着信して応答する音声通話手段と、この音声受話手段が応答して受話した音声による歌詞を入力する音声入力手段と、この音声入力手段が入力した歌詞をテキスト化して変換データとする音声変換手段と、この音声変換手段にテキスト化された変換データにマッチする歌詞データを備えた楽曲情報をデータベース内より取り出す検索手段と、この検索手段が取り出した楽曲情報を、音声通話手段が応答した音声通話の送話元の電話番号に対応するメールアドレスに送信するデータ送信手段とを備えたものである。この発明によれば、音声通話で得られた歌詞によりデータベースが検索され、この検索結果が、データ通信で送信される。
【0008】上記発明において、音声通話手段が音声通話を着信すると、案内の音声を生成する音声案内生成手段を備え、音声入力手段は、音声案内生成手段が生成した案内の音声を音声通話手段が送話元に送話した後、音声入力手段が音声による歌詞を入力する。
【0009】本発明の楽曲情報配信方法は、曲のメロディーが符号化されたメロディーデータを備えた複数の楽曲情報からなるデータベースを用意し、電話による音声通話を着信して応答し、応答して受話した音声による楽曲のメロディーを符号化して変換データとし、この変換データにマッチするメロディーデータを備えた楽曲情報をデータベース内より取り出し、この取り出した楽曲情報を、応答した音声通話の送話元の電話番号に対応するメールアドレスに送信するものである。この発明において、音声通話を着信すると、送話元に案内の音声を送話し、この案内の音声を送話した後、音声による楽曲のメロディーを符号化して変換データとするようにしてもよい。
【0010】本発明の他の形態における楽曲情報配信方法は、曲の歌詞がテキスト化された歌詞データを備えた複数の楽曲情報からなるデータベースを用意し、電話による音声通話を着信して応答し、応答して受話した音声による歌詞をテキスト化して変換データとし、この変換データにマッチする歌詞データを備えた楽曲情報をデータベース内より取り出し、この取り出した楽曲情報を、応答した音声通話の送話元の電話番号に対応するメールアドレスに送信するものである。この発明において、音声通話を着信すると、送話元に案内の音声を送話し、この案内の音声を送話した後、音声による歌詞をテキスト化して変換データとするようにしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本実施の形態における楽曲情報配信装置100の構成を示す構成図である。楽曲情報配信装置100は、まず、電話による音声通話を着信して応答する音声通話部101と、この音声通話部101が応答して受話した音声による楽曲のメロディーを入力する音声入力部102とを備えている。また、案内の音声を生成する音声案内生成手段101aを備え、音声通話部101は、音声案内生成手段101aにより生成された音声ガイダンスを送話することで、利用者にメロディーの発声を促すことなどを行う。
【0012】また、楽曲情報配信装置100は、音声入力部102が入力した音声による楽曲の旋律や歌曲(メロディー)を、所定の形態のデータに符号化する音声変換部103と、音声変換部103により符号化された変換データにより、複数の楽曲情報が用意されているデータベース104aを検索し、変換データにマッチするデータを備えた楽曲の情報をデータベース104aより取り出す検索部104とを備えている。加えて、楽曲情報配信装置100は、検索部104が取り出した楽曲の情報を、音声通話部101が応答した音声通話の送話元の電話番号に対応するメールアドレスに送信するデータ送信部105とを備えたものである。
【0013】楽曲情報配信装置100の音声通話部101は、図2に示すように、楽曲情報配信装置100が配置された地域の交換局201を介して電話網301に接続され、また、送信部105は、インターネット通信網401に接続されている。一方、携帯電話501は、無線で基地局601と接続し、基地局601に交換局202を介して接続する電話網301に接続している。
【0014】また、携帯電話501は、基地局601を介してインターネット通信網401にも接続しており、基地局601内のメールサーバ602により、インターネット通信網401を介した電子メールの交換が可能となっている。インターネット通信網401において、携帯電話501の利用者のメールアドレス宛に送信された電子メールは、一時メールサーバ602に格納され、携帯電話501に転送される。転送された電子メールは、携帯電話501の表示部502に表示され、利用者が内容を確認することができる状態となる。
【0015】つぎに、本実施の形態における楽曲情報配信装置による楽曲情報配信方法について、図3のフローチャートを用いて説明する。利用者が、携帯電話501より楽曲情報配信装置100に電話をかけると、音声通話部101が、この音声通話を着信し(ステップS1)、通話に応答する(ステップS2)。
【0016】通話に応答した音声通話部101は、まず、発信元の電話番号の照合を行い(ステップS3)、発信元の電話番号が認証されると(ステップS4)、音声案内生成手段101aが、曲による検索と歌詞による検索とのどちらかを選択させる内容の音声ガイダンスを生成し、音声通話部101が、この音声ガイダンスを発信元の携帯電話501の利用者に送話する。なお、ステップS4で認証がされないと、このサービスが受けられない旨の音声ガイダンスを音声案内生成手段101aが生成して音声通話部101が送話し(ステップS6)、通話を切断する(ステップS7)。
【0017】ステップS5の通達の結果、利用者が曲による検索を選択すると(ステップS8)、音声通話部101が受話した利用者の発声によるメロディーを、音声入力部102が録音する(ステップS10)。また、ステップS5の通達の結果、利用者が歌詞による検索を選択すると(ステップS9)、音声通話部101が受話した利用者の発声による歌詞を、音声入力部102が録音する(ステップS11)。ここで、利用者による選択の情報は、携帯電話501の所定のプッシュボタンを押すことで生成されるプッシュトーンにより通達される。なお、どちらも選択されなかった場合、音声通話部101は、音声案内生成手段101aが生成したこのサービスを終了する旨の音声ガイダンスを送話し(ステップS12)、通話を切断する(ステップS7)。
【0018】ステップS5の通達より曲による検索を選択した利用者は、うる覚えのメロディーを携帯電話501に発声し、これが、携帯電話501により送話される。送話されたメロディーは、音声通話部101で受話され、受話されたメロディーが音声入力部102で録音される。受話されたメロディーが録音されると(ステップS10)、音声通話部101は、音声案内生成手段101aが生成したメロディーが録音されて通話を終了する旨の音声ガイダンスを送話し、(ステップS13)、通話を切断する(ステップS14)。
【0019】音声通話部101が通話を切断すると(ステップS14)、音声変換部103が、音声入力部102で録音されたメロディーの音声を符号化して変換データとする(ステップS15)。音声変換部103により変換データが得られると、検索部104は、この変換データにマッチするメロディーデータを備えた楽曲情報を、データベース104a内より取り出す(ステップS16)。検索部104では、符号化されたメロディーのデータとデータベース104aの各楽曲情報の符号化メロディーとに間にマッチングをかけて、65%以上のマッチ率の楽曲情報を抽出する。
【0020】一方、ステップS5の通達より歌詞による検索を選択した利用者は、歌詞を携帯電話501に発声し、これが、携帯電話501により送話される。送話された歌詞は、音声通話部101で受話され、受話された歌詞が音声入力部102で録音される。受話された歌詞が録音されると(ステップS11)、音声通話部101は、音声案内生成手段101aが生成した歌詞が録音されて通話を終了する旨の音声ガイダンスを送話し(ステップS17)、通話を切断する(ステップS18)。
【0021】音声通話部101が通話を切断すると(ステップS18)、音声変換部103が、音声入力部102で録音された歌詞の音声を符号化することなどにより、音声をテキスト化する(ステップS19)。音声変換部103によりテキスト化された変換データが得られると、検索部104は、この変換データにマッチする歌詞データを備えた楽曲情報を、データベース104a内より取り出す(ステップS20)。
【0022】検索部104が楽曲情報をデータベース104aより取り出すと、送信部105は、取り出した楽曲情報を元に候補曲情報の電子メールを作成し(ステップS21)、曲情報の電子メールを携帯電話501の利用者が有する識別子を有するメールアドレスに送信する(ステップS22)。送信された電子メールは、インターネット通信網401を介して基地局601のメールサーバ602が受け取り、基地局601より携帯電話501に送信される。この結果、音声通話により、うる覚えのメロディーや歌詞を楽曲情報配信装置100に送話することで、携帯電話501に、例えば電子メールの状態で楽曲情報が配信されるようになる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、音声通話により得られたメロディーや歌詞により目的の楽曲を検索し、検索結果をデータで配信するようにしたので、利用者が曲名や歌詞などを完全に知っていなくても、目的の楽曲に関するデータを利用者に対して配信できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における楽曲情報配信装置の構成を示す構成図である。
【図2】 本発明の他の形態における楽曲情報配信装置が用いられるシステムの構成を示す構成図である。
【図3】 本発明の他の形態における楽曲情報配信方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100…楽曲情報配信装置、101…音声通話部、101a…音声案内生成手段、102…音声入力部、103…音声変換部、104…検索部、104a…データベース、105…送信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 曲のメロディーが符号化されたメロディーデータを備えた複数の楽曲情報からなるデータベースと、電話による音声通話を着信して応答する音声通話手段と、この音声受話手段が応答して受話した音声による楽曲のメロディーを入力する音声入力手段と、この音声入力手段が入力したメロディーを符号化して変換データとする音声変換手段と、この音声変換手段に符号化された変換データにマッチするメロディーデータを備えた楽曲情報を前記データベース内より取り出す検索手段と、この検索手段が取り出した楽曲情報を、前記音声通話手段が応答した音声通話の送話元の電話番号に対応するメールアドレスに送信するデータ送信手段とを備えたことを特徴とする楽曲情報配信装置。
【請求項2】 請求項1記載の楽曲情報配信装置において、前記音声通話手段が音声通話を着信すると、案内の音声を生成する音声案内生成手段を備え、前記音声入力手段は、前記音声案内生成手段が生成した案内の音声を前記音声通話手段が前記送話元に送話した後、前記音声による楽曲のメロディーを入力することを特徴とする楽曲情報配信装置。
【請求項3】 曲の歌詞が符号化された歌詞データを備えた複数の楽曲情報からなるデータベースと、電話による音声通話を着信して応答する音声通話手段と、この音声受話手段が応答して受話した音声による歌詞を入力する音声入力手段と、この音声入力手段が入力した歌詞をテキスト化して変換データとする音声変換手段と、この音声変換手段にテキスト化された変換データにマッチする歌詞データを備えた楽曲情報を前記データベース内より取り出す検索手段と、この検索手段が取り出した楽曲情報を、前記音声通話手段が応答した音声通話の送話元の電話番号に対応するメールアドレスに送信するデータ送信手段とを備えたことを特徴とする楽曲情報配信装置。
【請求項4】 請求項3記載の楽曲情報配信装置において、前記音声通話手段が音声通話を着信すると、案内の音声を生成する音声案内生成手段を備え、前記音声入力手段は、前記音声案内生成手段が生成した案内の音声を前記音声通話手段が前記送話元に送話した後、前記音声による歌詞を入力することを特徴とする楽曲情報配信装置。
【請求項5】 曲のメロディーが符号化されたメロディーデータを備えた複数の楽曲情報からなるデータベースを用意し、電話による音声通話を着信して応答し、応答して受話した音声による楽曲のメロディーを符号化して変換データとし、この変換データにマッチするメロディーデータを備えた楽曲情報を前記データベース内より取り出し、この取り出した楽曲情報を、前記応答した音声通話の送話元の電話番号に対応するメールアドレスに送信することを特徴とする楽曲情報配信方法。
【請求項6】 請求項3記載の楽曲情報配信方法において、音声通話を着信すると、前記送話元に案内の音声を送話し、この案内の音声を送話した後、前記音声による楽曲のメロディーを符号化して変換データとすることを特徴とする楽曲情報配信方法。
【請求項7】 曲の歌詞がテキスト化された歌詞データを備えた複数の楽曲情報からなるデータベースを用意し、電話による音声通話を着信して応答し、応答して受話した音声による歌詞をテキスト化して変換データとし、この変換データにマッチする歌詞データを備えた楽曲情報を前記データベース内より取り出し、この取り出した楽曲情報を、前記応答した音声通話の送話元の電話番号に対応するメールアドレスに送信することを特徴とする楽曲情報配信方法。
【請求項8】 請求項3記載の楽曲情報配信方法において、音声通話を着信すると、前記送話元に案内の音声を送話し、この案内の音声を送話した後、前記音声による歌詞をテキスト化して変換データとすることを特徴とする楽曲情報配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2003−84778(P2003−84778A)
【公開日】平成15年3月19日(2003.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−279458(P2001−279458)
【出願日】平成13年9月14日(2001.9.14)
【出願人】(000102739)エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 (265)
【出願人】(501362685)有限会社フリーワークス (1)
【Fターム(参考)】