説明

楽音制御装置

【課題】 位置や外部環境或いは外部から取り入れた情報を反映した楽音を発生する。
【解決手段】 楽音制御装置1が在圏するエリアが検出されると、その在圏エリアの位置に応じて異なる楽曲データが生成されて再生される。よって、利用者は、自らの位置が変化していくに伴って異なる内容の楽曲を聴くことができ、独特の面白さを体感することができる。そして、同じエリアに在圏する場合であっても、それ以前の過去の在圏エリアがどうであったかということに応じて楽曲の内容が変わり得るので、利用者を飽きさせることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置や外部環境の状態或いは外部から取り入れた情報を反映した楽音を発生するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、GPS(Global Positioning System)技術を用いて位置を測定すると、その位置に予め対応づけられている楽曲を再生したり、その位置に予め対応づけられていたラジオ放送の周波数にチューニングするといった技術が開示されている。また、特許文献2には、ユーザを取り巻く環境(例えば騒音や温度或いは湿度など)に応じて、再生している楽曲の音量や音質を変更する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平7−320193号公報
【特許文献2】特開2003−271197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載された技術では、予め定められた楽曲群の中から再生する楽曲を選択しているに過ぎないので、相当数の楽曲を事前に用意しておいたとしても、全く同じ楽曲が演奏されることがある。これでは、利用者が何度も利用しているうちに聞き飽きてしまい、面白みが無くなってしまうという問題がある。また、特許文献2に記載の技術では、再生中の楽曲の音量及び音質を変更するだけであるから、上記と同様に、利用者にとっての面白みがないことが懸念される。
【0004】
そこで、本願発明者らは、上記の従来技術のように予め完成された楽曲を幾つも用意しておいてそれを再生したり或いはその音量と音質を変更するのではなく、位置や外部環境の状態或いは外部から取り入れた情報に応じて楽曲そのものを作り上げていくような仕組みがあれば、利用者に楽曲を創造するという楽しみを与えることができると考えた。本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、位置や外部環境の状態或いは外部から取り入れた情報に応じて楽曲を作り、これを再生する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、位置を測定する測位手段と、楽曲データを生成するためのアルゴリズムと位置情報とをそれぞれ対応付けて記憶した記憶手段と、前記測位手段によって測定された位置を表す位置情報に対応するアルゴリズムを前記記憶手段から読み出し、読み出したアルゴリズムに従って楽曲データを生成する作曲手段と、生成された楽曲データに基づいて楽曲を再生する再生手段とを備える楽音制御装置を提供する。この楽音制御装置によれば、自身の位置に応じたアルゴリズムで楽曲データが生成され、楽曲として再生される。よって、位置に応じて異なる内容の楽曲が再生されることになるので、利用者に独特の面白さを体感させることができる。
【0006】
本発明の好ましい態様においては、前記記憶手段は、楽曲データを構成する複数の楽曲要素データを記憶するとともに、ある基準で区分された複数の位置エリアと、各々の位置エリアについて定められた前記楽曲要素データの複数とおりの組み合わせとをそれぞれ対応付けて記憶しており、前記作曲手段は、前記測位手段によって測定された位置が含まれる位置エリアを判定する判定手段と、判定された位置エリアに対応づけられて前記記憶手段に記憶されている複数とおりの前記楽曲要素データの組み合わせの中から、いずれかの組み合わせを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された組み合わせで、前記記憶手段に記憶された前記楽曲要素データを組み合わせて楽曲データを生成する生成手段とを有する。この楽音制御装置によれば、測定された位置が含まれる位置エリアが判定され、その位置エリアについて用意されている楽曲要素データの組み合わせのうち、いずれかが選択される。そして、選択された組み合わせで楽曲要素データが組み合わせられて楽曲データが生成され、楽曲として再生される。このように楽音制御装置の位置と選択された組み合わせとに応じてその都度異なる内容の楽曲が再生されることになるので、利用者に独特の面白さを体感させることができるとともに、飽きさせることもない。
【0007】
上記態様において、前記記憶手段は、前記エリアの時系列の変化の状態に対応づけて、前記楽曲要素データの複数とおりの組み合わせを記憶しており、前記選択手段は、前記判定手段によって判定された過去の位置エリアから現在の位置エリアに至るまでの時系列の変化の状態に対応する前記組み合わせを、前記記憶手段に記憶されている内容の中から選択するようにしてもよい。これにより、同じ位置エリアに居た場合であっても、それよりも過去に居た位置エリアがどこであったかということに応じて、楽曲データの内容が変わり得る。よって、利用者を飽きさせないという効果はより顕著になる。
【0008】
また、利用者が楽曲のジャンルを指定するための操作手段を備え、前記記憶手段は、前記楽曲要素データの組み合わせを楽曲のジャンル毎に記憶しており、前記選択手段は、前記操作手段において指定されたジャンルに属する前記組み合わせを、前記記憶手段に記憶されている内容の中から選択するようにしてもよい。これにより、利用者の好みに応じたジャンルの楽曲を再生することができる。
【0009】
また、本発明は、分散配置された固定物に設けられた記憶媒体から、楽曲データを生成するためのアルゴリズム又は楽曲データを生成する際に用いるパラメータを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信されたアルゴリズム又はパラメータを用いて、楽曲データを生成する作曲手段と、生成された楽曲データに基づいて楽曲を再生する再生手段とを備える楽音制御装置を提供する。この楽音制御装置によれば、固定物に設けられた記憶媒体からアルゴリズム又はパラメータを受信し、このアルゴリズムに従って、又は、予め用意されたアルゴリズムに従いつつこのパラメータを用いて、楽曲データを生成し、これを再生する。よって、楽音制御装置が固定物に近づいただけで作曲のアルゴリズム又はパラメータが変化し、それまでとは異なる内容の楽曲が再生されることになるので、利用者に独特の面白さを体感させることができる。
【0010】
また、本発明は、センサから出力される信号を解析し、自装置を取り巻く環境の状態を判定する判定手段と、楽曲データを構成する複数の楽曲要素データを記憶するとともに、前記環境の状態別に定められた前記楽曲要素データの組み合わせを、各々の状態に対応づけてそれぞれ1又は複数記憶した記憶手段と、判定された前記環境の状態に対応づけられて前記記憶手段に記憶されている1又は複数の前記楽曲要素データの組み合わせのうち、いずれかの組み合わせを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された組み合わせで、前記記憶手段に記憶された前記楽曲要素データを組み合わせて楽曲データを生成する作曲手段と、生成された楽曲データに基づいて楽曲を再生する再生手段とを備える楽音制御装置を提供する。この楽音制御装置によれば、センサから出力される信号に基づいて環境の状態が判定され、その状態に応じた楽曲要素データの組み合わせのうち、いずれかが選択される。そして、選択された組み合わせで楽曲要素データが組み合わせられて楽曲データが生成され、楽曲として再生される。このように環境の状態に応じた内容で、かつ、選択された組み合わせに応じてその都度異なる内容の楽曲が再生されることになるので、利用者に独特の面白さを体感させることができるとともに、飽きさせることもない。
【0011】
また、本発明は、コンピュータに、測位手段によって測定された位置を表す位置情報に対応するアルゴリズムを記憶手段から読み出し、読み出したアルゴリズムに従って楽曲データを生成する作曲機能と、生成された楽曲データに基づいて楽曲を再生する再生機能とを実現させるプログラムを提供する。このプログラムは、インターネットに代表されるネットワークを介して所定のサーバ装置からコンピュータに提供されるほか、これを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体としても提供され得る。この種の記録媒体としては、可搬型の磁気ディスクや光ディスクなどが挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(1)第1実施形態
(1−1)構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る楽音制御装置1の外観図である。
楽音制御装置1の本体10には、液晶ディスプレイなどの表示部11と、複数のスイッチを備えた操作部12と、複数のLED(Light Emitting Diode)13とが設けられている。また、本体10には、通信ケーブルを介してインナー型イヤーヘッドホン16(以下、イヤホンという)が接続されるほか、ループ状のストラップ17が設けられている。利用者は、このストラップ17を自身の首に掛け、イヤホン16を左右の耳穴に挿入した状態で楽音制御装置1を利用する。
【0013】
次に、図2は、楽音制御装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
楽音制御装置1は測位部14を備えている。この測位部14は、図示せぬ複数のGPS衛星によって発信されるGPS信号を受信し、そのGPS信号の発信時刻と受信時刻との差分に基づいて自身の位置を測定する。制御部100は、位置の変化を利用者自身が視覚的に理解できるように、LED13の点灯期間や点灯タイミングを制御する。例えば、位置の変化スピードが速い場合(つまり利用者が速く移動している場合)には、比較的短い周期でLED13を点滅させる一方、位置の変化スピードが遅い場合(つまり利用者が遅く移動している場合)には、より長い周期でLED13を点滅させるといった具合である。楽音発生部19は、音源や、効果付与回路及びA/D変換回路(いずれも図示略)を備えており、制御部100から供給されるMIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式の楽曲データに基づいて楽音信号を発生させ、これをイヤホン16に供給する。イヤホン16からはその楽音信号に応じた楽音が放音される。このようにして利用者は楽音制御装置1によって再生される楽曲を聴くことができる。
【0014】
制御部100は、コンピュータプログラムに記述されたアルゴリズムに従って、測位部14が測定した位置に応じた内容でMIDI形式の楽曲データを生成する。以下では、この楽曲データの生成(作曲)の仕組みについて説明する。
図3は、制御部100の構成を示すブロック図である。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、不揮発性記憶部103とを備えたマイクロコンピュータである。不揮発性記憶部103は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)や、バックアップ電源が確保されたSRAM(Static Random Access Memory)であり、CPU101によって実行される制御プログラム200や、そのプログラム実行時に使用される各種の情報を記憶している。不揮発性記憶部103に記憶されている情報には、エリア判定テーブル201と、作曲テーブル202と、ジャンル別テンプレート203と、楽曲要素ライブラリ204とが含まれている。以下、これらの情報の内容について具体的に説明する。
【0015】
エリア判定テーブル201は、CPU101が、測位部14によって測定された位置を含むエリアを判定するためのテーブルである。各々のエリアはそれぞれ決められた基準で区分されたものである。例えば「千代田区」、「港区」、「中央区」・・・といったように行政が決めた基準で区分されたものであってもよいし、利用者自身が指定した基準で区分されたものであってもよい。利用者自身が基準を決める場合の一例としては、例えば利用者の自宅や勤務先からの距離が10km未満のエリア、10km以上20km未満のエリア、20km以上30km未満のエリア・・・というような決め方がある。このため、本実施形態では、利用者が楽音制御装置1の操作部12を用いて、エリアの区分基準を自由に設定可能な構成としている。
【0016】
図4は、エリア判定テーブル201の一例を示している。この例では、緯度・経度が東経○○〜東経××及び北緯△△〜北緯□□によって表されるエリアに、エリア番号「AREA1」が付されている。よって、測位部14が測定した位置の緯度経度が上記の東経○○〜東経××及び北緯△△〜北緯□□の範囲に収まる場合には、楽音制御装置1(つまり利用者)はエリア番号「AREA1」によって示されるエリアに居ると判定される。以下の説明では、楽音制御装置1があるエリア内に居ることを「エリアに在圏する」と表現し、そのエリアのことを「在圏エリア」と呼ぶことにする。
【0017】
次に、楽曲要素ライブラリ204には、楽曲を構成する楽曲要素データが多数含まれている。楽曲要素データには、図3に示すように、フレーズループとパターンループという2種類のループ(繰り返し再生される一定期間の楽曲要素)が含まれている。フレーズループは、音階を表現可能な楽器(例えばピアノやベース)によって演奏される一定期間のメロディラインを表している。パターンループは、音階を表現しない楽器(例えばドラムなどの打楽器)による一定期間の発音タイミング(リズム)を表している。また、この楽曲要素ライブラリ204には、各種楽器の音色を規定する音の波形を表すディジタルデータも楽曲要素データとして記憶されている。CPU101は、判定されたエリアに応じてこれらのループや音色を適宜組み合わせ、さらに、このエリアに応じて音程、効果及び音量を決定することによって一定期間の楽曲データを生成し、これを繰り返し再生する。
【0018】
ジャンル別テンプレート203は、例えばロック、ダンス、ポップス・・・というように、楽曲のジャンル毎に用意されたテンプレートである。例えばあるジャンルのテンプレートには、図5に示すように、そのジャンルに合ったループの組み合わせを示すループパターンが1又は複数(図5では複数)が記述されている。さらにこのテンプレートには、音程、音色、効果(エフェクト)、音量を指定するパターンも1又は複数(図5では複数)記述されている。CPU101は、このようなジャンル別テンプレート203に記述された各種パターンの中から、作曲テーブル202によって指定されるパターンを選択する。図5では、斜線を施した各パターン、すなわち「ループパターンA」と、「音程のパターンC」と、「音色のパターンB」と、「効果のパターンA」と、「音量のパターンA」とが選択されている場合が示されている。
【0019】
次に、作曲テーブル202には、在圏エリアにおいて選択すべきループパターン、音程パターン、音色パターン、効果パターン及び音量パターンの組み合わせが記述されている。図6は、作曲テーブル202の一例を示す図である。図6の例では、エリア番号「AREA1」が付されたエリアに在圏している場合には、ループパターンAと、音程パターンCと、音色パターンBと、効果パターンAと、音量パターンAとを組み合わせて楽曲データを生成すべきであることが定められている。同様に、エリア番号「AREA2」、「AREA3」、「AREA4」、「AREA5」及び「AREA100(AREA1〜5以外のエリア)」の各々について、選択すべきループパターン、音程パターン、音色パターン、効果パターン、音量パターンの組み合わせが作曲テーブル202によって定められている。
【0020】
さらに本実施形態では、現在の在圏エリアが例えば「AREA2」のエリアであっても、それよりも過去に在圏していたエリアがどこであったかによって、作曲テーブル202の内容も異なるようになっている。例えば、在圏エリアが「AREA1」のエリアから「AREA2」のエリアに変化した場合と、在圏エリアが「AREA3」のエリアから「AREA2」のエリアに変化した場合とでは、それぞれ異なる内容の楽曲を生成するような作曲テーブルが用意されている。よって、図6においても、「AREA2」のエリアに対応する作曲テーブルとして、複数の作曲テーブル202a,202b,202c・・・が用意されているのである。
【0021】
さらに、本実施形態では、現在の在圏エリアと1つ前の過去の在圏エリアとの関係に加えて、2つ前の在圏エリアをも考慮した作曲テーブルが用意されている。2つ前の在圏エリアまで考慮すると、例えば「AREA2」→「AREA1」→「AREA2」とか、「AREA3」→「AREA1」→「AREA2」とか、「AREA4」→「AREA3」→「AREA2」といったように、相当数の組み合わせが存在することになる。
【0022】
このように、作曲テーブル202には、エリアの時系列の変化の状態に対応づけて、ループパターン、音程パターン、音色パターン、効果パターン及び音量パターンの組み合わせが複数とおり記述されている。そして、これらの複数とおりの組み合わせの中から、過去の在圏エリアから現在の在圏エリアに至るまでの時系列の変化の状態に対応する組み合わせが選択されて作曲に利用される。このような仕組みで作曲することにより、利用者の位置変化を反映した多様な楽曲を作ることができ、利用者に対して面白みを感じさせることが可能となる。
【0023】
(1−2)動作
次に、第1実施形態の動作について説明する。
図7は、制御プログラム200に記述されたCPU101の処理手順を示すフローチャートである。利用者が操作部12を用いて所定の操作を行い、楽曲の演奏を開始すべき旨の指示を与えると、CPU101は、不揮発性記憶部103に記憶された制御プログラム200を実行することによって図7に示す一連の処理を開始する。
【0024】
まず、CPU101は、利用者に楽曲のジャンルを選択させるためのメニュー画面を表示部11に表示させる(ステップS1)。楽曲のジャンルは階層的に構成されており、例えば図8に示すように、上位の階層ではロック、ダンス、ポップ、レゲエ、ラテン・・・といった大まかなジャンルに区分されている。そして、例えばロックというジャンルであれば、ハードロック、ブリティッシュロック、アメリカンロック・・というようにさらに下位の階層でジャンルが細分化されている。もちろん、ジャンルはこのような2階層に限らず、もっと多くの階層で構成されていてもよい。
【0025】
利用者が操作部12を操作して、所望する楽曲のジャンルを選択する。ここでは例えば、図8に示すように「アメリカンロック」が選択されたとすると、CPU101はこの選択操作を受け付け(ステップS2;Yes)、選択されたジャンル(アメリカンロック)に対応するジャンル別テンプレート203を不揮発性記憶部103から読み出す(ステップS3)。これによって、図8に示すように、多数のジャンル別テンプレートの中から、アメリカンロックに対応するジャンル別テンプレート203が抽出されることになる。
【0026】
次に、CPU101は、測位部14からの測位結果を取り込む(ステップS4)。そして、CPU101は、エリア判定テーブル201を参照して測位結果の緯度経度が含まれるエリアを判定する(ステップS5)。ここでは、CPU101が、図4に示したエリア判定テーブル201の内容に従って、在圏エリアをエリア番号「AREA1」のエリアと判定したとする。
【0027】
次に、CPU101は、在圏エリアに変化があったか否かを判定する(ステップS6)。図7に示す処理が開始されてから初めての判定では、必ず、CPU101は在圏エリアに変化があったと判定して(ステップS6;Yes)、次の処理に移行する。
【0028】
次に、CPU101は、ステップS5において判定したエリアに対応する作曲テーブル202を不揮発性記憶部103から読み出す。そして、CPU101は、読み出した作曲テーブル202と、ステップS3で読み出したジャンル別テンプレート203に基づいて楽曲データを生成する(ステップS7)。この例では、エリア番号「AREA1」のエリアに対応する作曲テーブル202と、アメリカンロックに対応するジャンル別テンプレート203とが用いられることになる。
【0029】
図9は、楽曲データを生成する様子の一例を具体的に説明するための図である。
CPU101は、アメリカンロックのジャンル別テンプレート203に含まれる各種パターンのうち、在圏エリア「AREA1」に対応する作曲テーブル(図6参照)によって指定されるループパターンAと、音程パターンCと、音色パターンBと、効果パターンAと、音量パターンAとを選択する。
【0030】
ループパターンAは、楽曲要素ライブラリ204に含まれる各種ループのうち、パート1として「パターンループc」を指定している。また、音程パターンCは、音程を指定していない。音色パターンBは、パート1(ここではパターンループc)の音色を「ドラム」に指定している。効果パターンAは、パート1(ここではパターンループc)にエコー(残響)を付与するように指定している。そして、音量パターンCは、パート1(パターンループc)の音量を大きくするよう指定している。CPU101は、これらのパターンによって指定された内容で一区切りの楽曲データを生成すると、その再生処理を開始する(図7のステップS8)。
【0031】
そして、CPU101は、楽曲の再生を開始した後、ステップS4の処理に戻って再びセンサ群から出力信号を取り込み、利用者の在圏エリアを判定する。CPU101は、在圏エリアが変化していないと判定している期間は(ステップS6;No)、そのまま楽曲を再生しつつ、ステップS4→ステップS5→ステップS6;No→ステップS4→ステップS5→・・・の処理を繰り返す。つまり、CPU101は、在圏エリアに変化がない限り、同一の楽曲データを繰り返し再生する。これによって、利用者に対して、連続して再生される楽曲を聴かせることができる。
【0032】
これに対し、在圏エリアが変化すると(ステップS6;Yes)、CPU101は、そのエリアに応じた作曲テーブル202を用いて新たな楽曲データを生成する(ステップS7)。そして、CPU101は、生成した楽曲データを今まで再生していた楽曲データに代えて再生する(ステップS8)。このように再生される楽曲の内容が変わることにより、利用者は、自身が在圏するエリアが変化したことを知ることができる。
【0033】
ここで、図10は、在圏エリアの時系列の変化と、この変化に応じて、作曲テーブル202の内容が遷移していく様子を説明する図である。図10に示すように、まず最初の「AREA1」のエリアでは、ループパターンAと、音程パターンCと、音色パターンBと、効果パターンAと、音量パターンAとを指定した作曲テーブルが作曲に利用される。ここでは例えば、比較的遅いテンポのドラムの楽音が残響効果を伴って響き渡るような楽曲が作られる。なお、残響を付与する場合には、楽音発生部19の効果付与回路が、各パートの楽音データに対し、CPU101から指示された係数でインパルス応答波形のサンプルデータを畳み込む。これによって、効果付与回路から出力される楽音データが表す楽音には、作曲テーブル202によって指定される大きさの残響効果が付与されることとなる。
【0034】
その後、在圏エリアのエリア番号が「AREA1」から「AREA2」に変化した場合を想定する。「AREA2」のエリアに在圏している場合、1つ前の過去の在圏エリアとの組み合わせを考慮すると、(AREA1→)AREA2、(AREA3→)AREA2、(AREA4→)AREA2、(AREA5→)AREA2、(AREA100→)AREA2というように、5とおりの組み合わせがある。よって、これら複数とおりについて予め用意されている作曲テーブルのうち、(AREA1→)AREA2、という在圏エリアの変化に対応する作曲テーブルがCPU101によって選択される。図10に示す例では、ループパターンCと、音程パターンCと、音色パターンAと、効果パターンCと、音量パターンBとを指定した作曲テーブルが利用されることになる。この作曲テーブルによって、例えばピアノの前奏メロディとドラムの伴奏パートとがやや早いテンポで進行していくような楽曲が作られる。
【0035】
具体的には、ループパターンCが、楽曲要素ライブラリ204に含まれる各種ループのうち、パート1として「フレーズループa」を指定し、パート2として「フレーズループb」を指定し、パート3として「パターンループd」を指定する。また、音程パターンCは、パート1(ここではフレーズループa)を「半音高く」するように指定している。音色パターンAは、パート1(ここではフレーズループa)の音色を「ピアノ」に指定し、パート2(ここではフレーズループb)の音色を「ベース」に指定し、パート3(ここではパターンループd)の音色をドラムに指定している。効果パターンCは、パート3(ここではフレーズループa)にエコー(残響)を付与するように指定している。そして、音量パターンBは、パート2(フレーズループb)の音量を大きくするよう指定している。CPU101は、これらのパターンによって指定された内容で一定期間の楽曲データを生成すると、その再生処理を開始する。
【0036】
その後、在圏エリアのエリア番号が再び「AREA1」に変化すると、(AREA1→AREA2→)AREA1、という2つ前と1つ前の過去からの在圏エリアの変化に対して用意されている作曲テーブルがCPU101によって選択される。図10に示す例では、ループパターンBと、音程パターンEと、音色パターンDと、効果パターンCと、音量パターンBとを指定した作曲テーブルが利用されることになる。この作曲テーブルによって、例えばベースのソロのみが進行するような楽曲データが作られる。
【0037】
このように、第1実施形態によれば、楽音制御装置1の在圏エリアが検出され、その在圏エリアの位置に応じて異なる楽曲データが生成されて再生されるようになっている。よって、利用者は、自らの位置が変化していくのに伴って異なる内容の楽曲を聴くことができ、独特の面白さを体感することができる。そして、同じエリアに在圏する場合であっても、それ以前の過去の在圏エリアがどうであったかということに応じて楽曲の内容が変わり得るので、利用者を飽きさせることがない。
【0038】
(2)第2実施形態
第2実施形態では、例えば電柱や標識などのように分散配置された多数の固定物に、RFIDタグのような記憶媒体を取り付けておき、楽音制御装置はこのRFIDタグから、楽曲データを生成するためのアルゴリズム(作曲テーブル)又は楽曲データを生成する際に用いるパラメータ(楽曲要素データ)を読みとり、これらのアルゴリズムやパラメータを用いて楽曲データを生成し再生する。
以下、この第2実施形態の詳細について説明する。
【0039】
図11は、第2実施形態に係る楽音制御装置1aの構成を示すブロック図である。
図11に示す楽音制御装置1aの構成が図2に示した楽音制御装置1と異なる点は、測位部14に代えてタグリーダ15を備えているところと、制御部100aの構成である。図12は、制御部100aの構成を示すブロック図である。図12に示すように、不揮発性記憶部103には、制御プログラム200aと作曲テーブル202と楽曲要素ライブラリ204とが記憶されているが、第1実施形態のようなエリア判定テーブル201やジャンル別テンプレート203は記憶されていない。これらの作曲テーブル202及び楽曲要素ライブラリ204は、タグリーダ15によって電柱等の固定物に取り付けられたRFIDタグから読みとられて、この不揮発性記憶部103に記憶されたものである。
【0040】
次に図13は、制御プログラム200aに記述された手順を示すフローチャートである。
楽音制御装置1aの電源が投入されると、CPU101は、前回利用した作曲テーブル202を選択し、不揮発性記憶部103から読み出す(ステップS11)。そして、CPU101は、読み出した作曲テーブル202に記述されているループパターン、音程パターン、音色パターン、効果パターン、音量パターンを楽曲要素ライブラリ204から読み出し、これらのパターンによって指定された内容で一区切りの楽曲データを生成する(ステップS12)。そして、CPU101は、生成した楽曲データに基づいて再生処理を開始する(ステップS13)。
【0041】
楽曲を再生中に利用者が移動して電柱等のRFIDタグに近づくと、楽音制御装置1aのタグリーダ15はそのRFIDタグから作曲テーブル及び楽曲要素データを受信する。CPU101は、作曲テーブル及び楽曲要素データを受信したことを検知すると(ステップS14;Yes)、この受信した作曲テーブル及び楽曲要素データがすでに不揮発性記憶部103に記憶されているか否かを判断する(ステップS15)。記憶されていれば(ステップS15;Yes)、CPU101は、その記憶している作曲テーブル202を選択する(ステップS16)。そして、CPU101は、読み出した作曲テーブル202に記述されているループパターン、音程パターン、音色パターン、効果パターン、音量パターンを楽曲要素ライブラリ204から読み出し、これらのパターンによって指定された内容で一区切りの楽曲データを生成する(ステップS12)。この後、CPU101は、生成した楽曲データに基づいて再生処理を開始する(ステップS13)。
【0042】
一方、ステップS15において、受信した作曲テーブル及び楽曲要素データが不揮発性記憶部103に記憶されていなければ(ステップS15;No)、CPU101は、受信した作曲テーブル202及び楽曲要素データを不揮発性記憶部103に記憶する(ステップS17)。次に、CPU101は、記憶した作曲テーブル202を選択し(ステップS18)、そのテーブルに記述されているループパターン、音程パターン、音色パターン、効果パターン、音量パターンを楽曲要素ライブラリ204から読み出し、これらのパターンによって指定された内容で一区切りの楽曲データを生成する(ステップS12)。そして、CPU101は、生成した楽曲データに基づいて再生処理を開始する(ステップS13)。
【0043】
このように第2実施形態では、楽音制御装置1aが、電柱等に設けられたRFIDタグから作曲テーブルおよび楽曲要素データを受信すると、この作曲テーブルと楽曲要素データを用いて楽曲データを生成し、これを再生する。よって、楽音制御装置1aが固定物に近づいただけで楽曲の内容が変化し、それまでとは異なる内容の楽曲が再生されることになるので、利用者に独特の面白さを体感させることができる。
【0044】
(3)第3実施形態
第3実施形態では、自装置を取り巻く環境の状態を判定し、その判定結果に応じた内容の楽曲データを生成し、再生する。以下、この第3実施形態の詳細について説明する。
図14は、第3実施形態に係る楽音制御装置1bの構成を示すブロック図である。この図14に示す楽音制御装置1bの構成が図2に示した楽音制御装置1と異なる点は、測位部14に代えて温度センサ1S、湿度センサ2S、光量センサ3Sおよび音量センサ4Sを備えているところと、制御部100bの構成及び動作である。制御部100bは、図15に示すように、図3のエリア判定テーブル201に代えて、温度センサ1S、湿度センサ2S、光量センサ3Sおよび音量センサ4Sからの出力信号に基づいて楽音制御装置1bを取り巻く環境の状態を判定する環境状態判定テーブル211を記憶している。また、作曲テーブル212は、各々の環境の状態に応じた内容となっている。
【0045】
図16は、制御部100bが記憶している制御プログラムに記述された手順を示すフローチャートである。図16において、利用者が操作部12を用いて所定の操作を行い、楽曲の演奏を開始すべき旨の指示を与えると、CPU101は、不揮発性記憶部103に記憶された制御プログラム200を実行することによって図16に示す一連の処理を開始する。まず、CPU101は、利用者に楽曲のジャンルを選択させるためのメニュー画面を表示部11に表示させる(ステップS21)。利用者が操作部12を操作して、所望する楽曲のジャンルを選択する。CPU101はこの選択操作を受け付け(ステップS22;Yes)、選択されたジャンルに対応するジャンル別テンプレート203を不揮発性記憶部103から読み出す(ステップS23)。
【0046】
次に、CPU101は、センサ群(温度センサ1S、湿度センサ2S、光量センサ3Sおよび音量センサ4S)からの出力信号を取り込む(ステップS24)。そして、CPU101は、取り込んだ出力信号を解析して検出値を得て、その検出値と環境状態判定テーブル211とを参照して環境の状態を判定する(ステップS25)。例えば、温度及び湿度が高いので不快な環境であるとか、温度が適当な値の範囲内にあり光量もほど良いので快適な環境であるとか、騒音が激しい、といった具合である。
【0047】
次に、CPU101は、環境状態に変化があったか否かを判定する(ステップS26)。なお、図16に示す処理が開始されてから初めての判定では、必ず、CPU101は環境状態に変化があったと判定して(ステップS26;Yes)、次の処理に移行する。次に、CPU101は、ステップS25において判定した環境状態に対応する作曲テーブル212を不揮発性記憶部103から読み出す。そして、CPU101は、読み出した作曲テーブル212と、ステップS23で読み出したジャンル別テンプレート203に基づいて楽曲データを生成する(ステップS27)。CPU101は一区切りの楽曲データを生成すると、その再生処理を開始する(ステップS28)。
【0048】
そして、CPU101は、楽曲の再生を開始した後、ステップS24の処理に戻って再びセンサ群から出力信号を取り込み、環境状態を判定する。CPU101は、環境状態が変化していないと判定している期間は(ステップS26;No)、そのまま楽曲を再生しつつ、ステップS24→ステップS25→ステップS26;No→ステップS24→ステップS25→・・・の処理を繰り返す。つまり、CPU101は、環境状態に変化がない限り、同一の楽曲データを繰り返し再生する。これによって、利用者に対して、連続して再生される楽曲を聴かせることができる。
【0049】
これに対し、環境状態が変化すると(ステップS26;Yes)、CPU101は、その環境状態に応じた作曲テーブル212を用いて新たな楽曲データを生成する(ステップS27)。この場合、第1実施形態と同様の原理で、1つ前或いは2つ前の環境状態をも考慮した作曲テーブルを用いて楽曲データを生成してもよい。そして、CPU101は、生成した楽曲データを今まで再生していた楽曲データに代えて再生する(ステップS28)。このように、再生される楽曲の内容が変わることにより、利用者は、自身を取り巻く環境が変化したことを知ることができる。
【0050】
このように、第3実施形態によれば、楽音制御装置1を取り巻く環境の状態が検出され、その状態に応じて異なる楽曲データが生成されて再生されるようになっている。よって、利用者は、周囲の環境が変化していくに伴って異なる内容の楽曲を聴くことができ、独特の面白さを体感することができる。
【0051】
(4)変形例
上述した第1〜第3実施形態は次のように変形してもよい。
第1及び第3実施形態では、現在の位置または環境状態に加えて、その2つ前と1つ前の過去の位置や環境状態をも考慮して作曲テーブルの内容を定めていた。しかし、これに限定されるわけではなく、現在の位置や環境状態だけについて作曲テーブルの内容を定めてもよいし、さらに3つ以上前の過去の位置や環境状態をも考慮して定めるようにしてもよい。
【0052】
第1〜第3実施形態においては、MIDI規格に準拠した楽曲データを用いたが、楽曲データの形式はこれに限られない。例えば、楽音の信号波形をサンプリングして得られた楽曲要素データを用いて楽曲データを生成してもよい。なお、楽曲要素ライブラリ204は、楽音制御装置1の不揮発性記憶部103に予め格納されたものである必要はなく、例えば、インターネットなどのネットワークを介して所定のサーバ装置から楽音制御装置1が受信したデータであってもよいし、光ディスクに代表される各種の記録媒体から楽音制御装置1に読み込まれたデータであってもよい。なお、楽曲の音色はピアノやドラムなどの楽器に限らず、例えば川の流れる音や動物の鳴き声といった自然音を用いてもよい。
【0053】
第1〜第3実施形態においては、利用者が操作部12を用いて入力した指示を楽曲データの内容に反映するようにしてもよい。例えば、利用者が指定した音色のパートを楽曲に追加したり或いは楽曲から削除したり、利用者の意図するような再生テンポに調整したり、といった具合である。
【0054】
制御プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して所定のサーバ装置から楽音制御装置1に提供されるものであってもよいし、何らかの記録媒体に格納された状態で提供されて楽音制御装置1にインストールされるものであってもよい。この種の記録媒体としては、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)に代表される各種の光ディスクのほか、可搬型の磁気ディスクなどが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1実施形態に係る楽音制御装置の外観を示す図である。
【図2】同楽音制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】同楽音制御装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】同楽音制御装置が記憶しているエリア判定テーブルの内容を表す図である。
【図5】同楽音制御装置が記憶しているジャンル別テンプレートの内容を表す図である。
【図6】同楽音制御装置が記憶している作曲テーブルの内容を表す図である。
【図7】同楽音制御装置の制御プログラムに記述された手順を示すフローチャートである。
【図8】同楽音制御装置において楽曲データが生成される仕組みを説明するための図である。
【図9】同楽音制御装置において楽曲データが生成される仕組みを説明するための図である。
【図10】在圏エリアの変化と、この変化に応じて、作曲に利用される作曲テーブルが遷移していく様子を説明する図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る楽音制御装置の構成を示すブロック図である。
【図12】同楽音制御装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図13】同楽音制御装置の制御プログラムに記述された手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第3実施形態に係る楽音制御装置の構成を示すブロック図である。
【図15】同楽音制御装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図16】同楽音制御装置の制御プログラムに記述された手順を示すフローチャートである
【符号の説明】
【0056】
1,1a,1b……楽音制御装置、10……本体、11……表示部、12……操作部、14……測位部、15……タグリーダ、16……イヤホン、19……楽音発生部、100,100a,100b……制御部、101……CPU、102……RAM、103……不揮発性記憶部、120……無線通信部、200……制御プログラム、201……エリア判定テーブル、202……作曲テーブル、203……ジャンル別テンプレート、204……楽曲要素ライブラリ、211・・・環境状態判定テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置を測定する測位手段と、
楽曲データを生成するためのアルゴリズムと位置情報とをそれぞれ対応付けて記憶した記憶手段と、
前記測位手段によって測定された位置を表す位置情報に対応するアルゴリズムを前記記憶手段から読み出し、読み出したアルゴリズムに従って楽曲データを生成する作曲手段と、
生成された楽曲データに基づいて楽曲を再生する再生手段と
を備える楽音制御装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、
楽曲データを構成する複数の楽曲要素データを記憶するとともに、ある基準で区分された複数の位置エリアと、各々の位置エリアについて定められた前記楽曲要素データの複数とおりの組み合わせとをそれぞれ対応付けて記憶しており、
前記作曲手段は、
前記測位手段によって測定された位置が含まれる位置エリアを判定する判定手段と、
判定された位置エリアに対応づけられて前記記憶手段に記憶されている複数とおりの前記楽曲要素データの組み合わせの中から、いずれかの組み合わせを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された組み合わせで、前記記憶手段に記憶された前記楽曲要素データを組み合わせて楽曲データを生成する生成手段とを有する請求項1記載の楽音制御装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記エリアの時系列の変化の状態に対応づけて、前記楽曲要素データの複数とおりの組み合わせを記憶しており、
前記選択手段は、前記判定手段によって判定された過去の位置エリアから現在の位置エリアに至るまでの時系列の変化の状態に対応する前記組み合わせを、前記記憶手段に記憶されている内容の中から選択する請求項2記載の楽音制御装置。
【請求項4】
利用者が楽曲のジャンルを指定するための操作手段を備え、
前記記憶手段は、前記楽曲要素データの組み合わせを楽曲のジャンル毎に記憶しており、
前記選択手段は、前記操作手段において指定されたジャンルに属する前記組み合わせを、前記記憶手段に記憶されている内容の中から選択する請求項2記載の楽音制御装置。
【請求項5】
分散配置された固定物に設けられた記憶媒体から、楽曲データを生成するためのアルゴリズム又は楽曲データを生成する際に用いるパラメータを受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信されたアルゴリズム又はパラメータを用いて、楽曲データを生成する作曲手段と、
生成された楽曲データに基づいて楽曲を再生する再生手段と
を備える楽音制御装置。
【請求項6】
センサから出力される信号を解析し、自装置を取り巻く環境の状態を判定する判定手段と、
楽曲データを構成する複数の楽曲要素データを記憶するとともに、前記環境の状態別に定められた前記楽曲要素データの組み合わせを、各々の状態に対応づけてそれぞれ複数記憶した記憶手段と、
判定された前記環境の状態に対応づけられて前記記憶手段に記憶されている複数の前記楽曲要素データの組み合わせのうち、いずれかの組み合わせを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された組み合わせで、前記記憶手段に記憶された前記楽曲要素データを組み合わせて楽曲データを生成する作曲手段と、
生成された楽曲データに基づいて楽曲を再生する再生手段と
を備える楽音制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−251054(P2006−251054A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−64140(P2005−64140)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】