説明

構内交換機及びその作動方法

【課題】オフィス内またはネットワーク上に設置された構内交換機及びその作動方法を提供する。
【解決手段】構内交換機20は、利用者側移動端末11の移動速度と位置情報を位置情報記憶部205と、発信者側通信端末30からの発呼に対する構内交換機の動作を自動設定するための設定条件として、利用者側移動端末の位置情報と移動速度、日時の情報、及び発信者側通信端末の発信者番号を条件要素とし、条件要素の組合せに優先順位を設けて、対応する設定動作を定義した設定条件テーブルを格納する設定条件記憶部206と、発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、位置情報記憶部に格納される位置情報と、設定条件記憶部に格納される設定条件テーブルの設定条件を優先順位にしたがって比較し、合致する設定条件に対応する設定動作で、発信者側通信端末からの発呼に対する動作を判断して自動設定する設定条件判断部2053とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス内またはネットワーク上に設置された構内交換機(「PBX(Private Branch exchange)」とも称される)に関し、特に、着信や転送等の自動設定機能付きの構内交換機及びその作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PBXの設定を自動化するシステムについては、PBXに付属する装置(例えば、通信端末)の状態(動作しているか否か、利用者がログオンしているか否かなど)を基に、この装置が動作していなければ転送設定し、この装置が動作していれば転送解除等を行うことを実現する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、特許文献1の技術は、通信端末などの装置の利用者による明示的な電源オンオフやログイン等の操作に基づいて、PBXの動作決定を行う技術であるために、当該利用者の状況を自動で判断することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−302680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のごとく、特許文献1の技術では、通信端末などの装置の利用者による明示的な電源オンオフやログイン等の操作に基づいて、PBXの動作決定を行う技術であるために、当該利用者の状況を自動で判断することができない。
【0006】
一方、通信端末などの装置の利用者による明示的な電源オンオフやログイン等の操作だけでなく、利用者の現在位置や予定位置(緯度、経度)、利用者が移動中の場合の移動速度、利用者が通話制限等の設定を行う発信者番号の情報などの利用者の現在状況や予定状況に応じて自動的にPBXを設定し、発呼に対する応答動作(着信、転送、自動応答、留守電等)を適応的に行うことが要望されている。
【0007】
そこで、本発明の目的は、オフィス内またはネットワーク上に設置された、着信や転送等の自動設定機能付き構内交換機及びその作動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の自動設定機能付き構内交換機は、オフィス内またはネットワーク上に設置された構内交換機であって、利用者側移動端末の位置を表す情報を基に算出した当該利用者側移動端末に関する移動速度の情報と、当該利用者側移動端末の位置を表す情報を位置情報として格納する位置情報記憶部と、発信者側通信端末からの発呼に対する当該構内交換機の動作を自動設定するための設定条件として、当該利用者側移動端末の当該位置情報、当該移動速度、当該発呼に対する応答を行う日時の情報、及び当該発信者側通信端末の発信者番号を条件要素とし、該条件要素の組合せに優先順位を設けて対応する設定動作を定義した設定条件テーブルを格納する設定条件記憶部と、当該発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、前記位置情報記憶部に格納される位置情報と、前記設定条件記憶部に格納される設定条件テーブルの設定条件を当該優先順位にしたがって比較し、合致する設定条件に対応する設定動作で当該発信者側通信端末からの発呼に対する動作を判断して自動設定する設定条件判断部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の構内交換機において、当該発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、前記利用者側移動端末から前記利用者側移動端末の位置を表す情報を取得するとともに、当該利用者側移動端末に関する移動速度を算出して、前記位置情報記憶部に格納するプレゼンス情報生成部をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の構内交換機において、前記位置情報は、前記利用者側移動端末の位置を表す緯度及び経度の情報と、前記移動速度の情報と、当該位置情報を前記位置情報記憶部に格納する際の日時の情報とを含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の構内交換機において、当該発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、当該利用者側移動端末の利用者に関するスケジュール情報を取得して、予定される日時の情報と、該日時の情報に対応する当該位置情報を決定し、前記設定条件テーブルにおける条件要素を自動更新するスケジュール情報取得部をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の構内交換機において、前記条件要素の組合せについて優先順位を設けて対応するように定義された設定動作は、着信、音声自動応答、転送、留守番電話、及び着信拒否のうちの少なくとも1つ以上を含むことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の構内交換機の作動方法は、オフィス内またはネットワーク上に設置された構内交換機の作動方法であって、該構内交換機は、制御部を備え、前記制御部の処理は、発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、利用者側移動端末の位置を表す情報を取得して、該情報を基に当該利用者側移動端末に関する移動速度を算出し、位置情報として位置情報記憶部に格納するステップと、当該発信者側通信端末からの発呼に対する当該構内交換機の動作を自動設定するための設定条件として、当該利用者側移動端末の当該位置情報、当該移動速度、当該発呼に対する応答を行う日時の情報、及び当該発信者側通信端末の発信者番号を条件要素とし、該条件要素の組合せに優先順位を設けて対応する設定動作を定義した設定条件テーブルを設定条件記憶部に予め格納するステップと、当該発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、前記位置情報記憶部に格納される位置情報と、前記設定条件記憶部に格納される設定条件テーブルの設定条件を当該優先順位にしたがって比較し、合致する設定条件に対応する設定動作で当該発信者側通信端末からの発呼に対する動作を判断して自動設定するステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の構内交換機の作動方法において、前記制御部の処理は、当該発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、前記利用者側移動端末から前記利用者側移動端末の位置を表す情報を取得するとともに、当該利用者側移動端末に関する移動速度を算出して、前記位置情報記憶部に格納するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の構内交換機の作動方法において、前記位置情報は、前記利用者側移動端末の位置を表す緯度及び経度の情報と、前記移動速度の情報と、当該位置情報を前記位置情報記憶部に格納する際の日時の情報とを含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の構内交換機の作動方法において、前記制御部の処理は、当該発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、当該利用者側移動端末の利用者に関するスケジュール情報を取得して、予定される日時の情報と、該日時の情報に対応する当該位置情報を決定し、前記設定条件テーブルにおける条件要素を自動更新するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の構内交換機の作動方法において、前記条件要素の組合せについて優先順位を設けて対応するように定義された設定動作は、着信、音声自動応答、転送、留守番電話、及び着信拒否のうちの少なくとも1つ以上を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、利用者の現在位置や予定位置(緯度、経度)、利用者が移動中の場合の移動速度、利用者が設定する現在日時や予定日時、利用者が通話制限等の設定を行う発信者番号の情報などの利用者の現在状況や予定状況に応じて自動的にPBXを設定し、発呼に対するPBXの動作(着信、転送、自動応答、留守電等)を適応的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による自動設定機能付き構内交換機を備える構内交換システムの概略図である。
【図2】本発明による第1実施形態の自動設定機能付き構内交換機のブロック図である。
【図3】本発明による第1実施形態の自動設定機能付き構内交換機の動作フロー図である。
【図4】本発明による第2実施形態の自動設定機能付き構内交換機のブロック図である。
【図5】本発明による第2実施形態の自動設定機能付き構内交換機の動作フロー図である。
【図6】本発明による第1及び第2実施形態の自動設定機能付き構内交換機で用いる位置情報テーブルの例を示す図である。
【図7】本発明による第1及び第2実施形態の自動設定機能付き構内交換機で用いるスケジュールテーブルの例を示す図である。
【図8】本発明による第1及び第2実施形態の自動設定機能付き構内交換機で用いる設定条件テーブルの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明による各実施形態の自動設定機能付き構内交換機を説明する。まず、本発明による第1実施形態の自動設定機能付き構内交換機を説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本発明による自動設定機能付き構内交換機を備える構内交換システムの概略図である。本発明による自動設定機能付き構内交換機20は、オフィス内またはネットワーク上に設置され、利用者Uは、利用者側移動端末11を操作して、自動設定機能付き構内交換機20経由で外部と通信したり、外部からの発信者Cが利用する発信者側通信端末30からの発信に対して応答したりする動作設定を行うことができる装置である。利用者側移動端末11は、利用者Uが通常携帯することになるGPS機能付きの通信端末であれば如何なるものでもよい。スケジュール登録端末12は、利用者Uが通常利用するスケジューラアプリケーションを搭載した端末であり、自動設定機能付き構内交換機20は、スケジュール登録端末12でスケジュール記憶部121に予め登録されているスケジュール情報を自動的に取得するべくネットワークを通じて接続される。
【0022】
図2は、本発明による第1実施形態の自動設定機能付き構内交換機のブロック図である。構内交換機20は、利用者側通信端末11から、利用者の現在位置(緯度、経度)の情報を取得するための通信に用いる通信IF201と、スケジュール登録端末12から、利用者の現在位置や予定位置(緯度、経度)、利用者が移動中の場合の移動速度、利用者に関する現在日時や予定日時、利用者が通話制限等の設定を行う発信者番号の情報などの利用者の現在状況や予定状況に応じた設定動作(着信、転送、自動応答、留守電等)を予め登録するための通信に用いる通信IF202と、制御部203と、交換部204と、位置情報記憶部205と、設定条件記憶部206と、電話番号記憶部207とを備える。
【0023】
制御部203は、プレゼンス情報生成部2030と、設定条件生成部2040と、応答制御部2050とを備える。プレゼンス情報生成部2030は、移動端末位置情報取得部2031と、移動端末移動速度算出部2032と、位置情報生成部2033と、スケジュール情報取得部2034とを有する。応答制御部2050は、発呼受信部2051と、発信者番号照合部2052と、設定条件判断部2053と、動作指示部2054とを有する。
【0024】
尚、本発明に係る制御部203の各機能を説明するが、自動設定機能付き構内交換機が備える他の機能を排除することを意図したものではないことに留意する。自動設定機能付き構内交換機20は、コンピュータとして構成することができ、制御部203の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、当該コンピュータの所定の記憶部(図示せず)に格納しておき、当該コンピュータの中央演算処理装置(CPU)によってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。
【0025】
移動端末位置情報取得部2031は、発呼を受け付けた後の設定条件判断部2053からの指示に応じて、利用者側移動端末11から、移動端末位置情報(経度、緯度)を所定の時間間隔を空けて2回以上取得して移動端末移動速度算出部2032に送出する。
【0026】
移動端末移動速度算出部2032は、2回以上取得した移動端末位置情報(経度、緯度)から、当該利用者側移動端末11を所持する利用者Uの移動速度を算出し、当該2回以上取得した移動端末位置情報のうちの最新の位置(経度、緯度)及びその記録する日時の情報と、当該移動速度の情報を位置情報生成部2033に送出する。
【0027】
位置情報生成部2033は、移動端末位置情報の最新の位置(経度、緯度)及びその記録する日時の情報と当該移動速度の情報を、位置情報テーブルとして位置情報記憶部205に格納する。尚、位置情報テーブルは、移動端末位置情報の最新の位置(経度、緯度)及びその記録する日時の情報を逐次更新するように格納すればよいが、取得履歴を残したい場合などでは、図6に示すように、最新の情報が最上位にくるように所定数分、順次格納すれば利便性が高くなる。
【0028】
スケジュール情報取得部2034は、定期的(例えば1分ごと)に、スケジュール登録端末12から、利用者Uが通常利用するスケジューラアプリケーションのスケジュール内容(図7に示す予定日時・予定時刻・場所(経度、緯度)の情報)を取得して、設定条件生成部2040に送出する。
【0029】
設定条件生成部2040は、予め定めた優先順位で、利用者の現在位置や予定位置(緯度、経度)、利用者が移動中の場合の移動速度、利用者が設定する現在日時や予定日時、利用者が通話制限等の設定を行う発信者番号の情報などの利用者の現在状況や予定状況に応じた設定動作(着信、転送、自動応答、留守電等)を定義する設定条件テーブルについて、スケジュール情報取得部2034から定期的(例えば1分ごと)に取得した内容を基に更新し、設定条件記憶部206に格納する。尚、利用者Uは、スケジュール登録端末12のスケジューラアプリケーションを操作して、予め定めた設定条件テーブル(図8参照)を登録しているものとし、この事前登録のために設定条件生成部2040を機能させるように構成することもできる。
【0030】
発呼受信部2051は、交換部204から、発信者側通信端末30からの発信についての問い合わせを発呼として受信し、当該発呼に係る発信者番号を発信者番号照合部2052に送出する。
【0031】
発信者番号照合部2052は、当該発呼に係る発信者番号と、予め電話番号記憶部207に登録済み(例えば、スケジュール登録端末12により登録)の発信者番号と照合し、合致していなければ着信非応答の旨を動作指示部2054経由で交換部204に指示し、登録済みの発信者番号と合致している場合に、当該発呼に係る発信者番号を設定条件判断部2053に送出する。尚、着信者番号が予め電話番号記憶部207に登録済みである場合に、着信に対する応答の判断を行う前に、発信者番号と着信者番号の双方の照合を行うように構成するのが好適である。
【0032】
設定条件判断部2053は、当該発信者からの発呼を契機として、移動端末位置情報取得部2031に指示を与えて利用者側移動端末11から利用者の状態を示すプレゼンス情報として、利用者の現在位置及び利用者が移動中の場合の移動速度を含む位置情報を位置情報テーブルとして位置情報記憶部205に記憶させ、続いて、位置情報記憶部205に記憶した位置情報テーブルにおける最新の移動端末位置情報を基に、設定条件記憶部206に格納されている設定条件テーブルを参照して予め定めた優先順位で合致する設定条件を探索して発呼に対する応答動作を決定し、決定した応答動作の情報を動作指示部2054に送出する。
【0033】
動作指示部2054は、設定条件判断部2053によって決定した応答動作の指示を交換部204に指示する。これにより、交換部204は、当該発信者からの発呼を契機として、着信、転送、自動応答、留守電等の動作を実行する。尚、転送の場合には、動作指示部2054は、電話番号記憶部207に予め登録した転送先番号を参照するように構成すればよい。
【0034】
位置情報記憶部205では、利用者の現在位置、移動速度、位置情報を記録又は更新する日時の情報を要素として保持する(図6参照)。また、設定条件記憶部206では、構内交換機20を自動設定する条件として、利用者の位置情報、移動速度、発信者番号、応答する日時を条件要素に持ち、条件項目ごとに対応する動作設定が記録され、さらに、条件項目には設定優先度が設定される。条件項目は設定優先度順に上からソートされており、現在の利用者の状態と最初に合致した条件項目が、一番優先度が高いと判断し、当該条件項目で指定された動作を構内交換機20へ自動設定する。
【0035】
図3は、本発明による第1実施形態の自動設定機能付き構内交換機の動作フロー図である。先ず、利用者Uは、スケジュール登録端末12を操作して、設定条件の情報を構内交換機20に設定することにより、構内交換機20は、設定条件の情報を記述した設定条件テーブルを生成して設定条件記憶部206に格納しておく(S1,S2)。
【0036】
まず、構内交換機20は、発信者Cが利用する発信者側通信端末30から利用者Uが利用する利用者側移動端末11に向けての発信を交換部204で受け付けると(S3)、交換部204は、応答制御部2050に対して当該発呼に対する動作設定の問い合わせを行う(S4)。尚、当該利用者Uが交換部204に対して直接、動作設定する構成も考えられ、このような場合は、交換部204は当該直接的な設定に従い動作するものとし、特に直接設定がない場合に、応答制御部2050に対して当該発呼に対する動作設定の問い合わせを行うように構成することができる。
【0037】
次に、構内交換機20の応答制御部2050は、当該発呼に係る発信者番号と、予め電話番号記憶部207に登録済みの発信者番号と照合し(S5)、合致していなければ着信非応答の旨を交換部204に指示し、登録済みの発信者番号と合致している場合に、移動端末位置情報の取得をプレゼンス情報生成部2030に指示する(S6)。
【0038】
次に、構内交換機20のプレゼンス情報生成部2030は、利用者側移動端末11から移動端末位置情報を取得して、当該利用者側移動端末11の移動速度を算出し(S7)、位置情報テーブルを生成して位置情報記憶部205に格納する(S8)。
【0039】
次に、構内交換機20の応答制御部2050は、位置情報記憶部205に格納される最新の位置情報を基に、設定条件記憶部206に格納されている設定条件テーブルを参照して指定される優先順位で合致する設定条件を判別し(S9)、発呼に対する応答動作を決定し、決定した応答動作について交換部204に指示する(S10)。尚、構内交換機20の応答制御部2050は、設定条件テーブルを参照して合致した設定条件が無いときは着信動作を指示するものとする。
【0040】
つまり、構内交換機20の応答制御部2050は、位置情報記憶部205から取得した位置情報、及び、交換部204から取得した発信者番号の情報を基に、設定条件記憶部206に格納される設定条件テーブルの条件要素を比較し、合致した条件要素があれば当該条件に定められた設定動作を交換部204へと指示する。このため、設定動作の指示を受け取った交換部204は、利用者側移動端末11の位置に対して適応的に、且つ自動的に設定動作を実行する。
【0041】
さらに、構内交換機20のプレゼンス情報生成部2030は、移動端末位置情報の取得とは別に、スケジュール登録端末12のスケジュール記憶部121に格納される当該発呼に係る日時に対応する予定日時の利用者スケジュール(日時とスケジュールタイトル)の情報を取得し、タイトルに地名が入っている場合はその地名を予め用意した変換テーブル(図示せず)を参照して緯度経度の情報に変換して保持し、これらの移動端末位置情報及び利用者スケジュールの情報を基に、設定条件記憶部206に格納されている設定条件テーブルを参照して指定される優先順位で合致する設定条件をPBX自動設定条件として判断するように構成することもできる。尚、設定条件テーブルを用いて位置情報の合致判断を行うときは、緯度経度の適用誤差を予め規定した「範囲の情報」を設けておくのが好適である(図8参照)。
【0042】
これにより、利用者の現在位置や予定位置(緯度、経度)、利用者が移動中の場合の移動速度、利用者が設定する現在日時や予定日時、利用者が通話制限等の設定を行う発信者番号の情報などの利用者の現在状況や予定状況に応じて自動的にPBXを設定し、発呼に対するPBXの動作(着信、転送、自動応答、留守電等)を適応的に行うことが可能となる。
【0043】
上記の第1実施形態は、発信者からの発信を交換部204が受け取ることを契機として動作する例を説明したが、定期的に設定条件判断部2053が位置情報記憶部205から取得した位置情報と設定条件記憶部206から得られる設定条件の情報を比較し、その結果として得られた設定動作で発信者番号の照合を付加した態様で交換部204を動作させるよう、動作設定の情報を定期的に登録しておき、交換部204は、発信者Cが利用する発信者側通信端末30からの発信を受けた際に、交換部204自身で発信者番号を照合し、合致した場合は定期的に登録した設定動作で動作し、合致しない場合は着信動作をとる実施形態も考えられ、以下、第2実施形態として詳細に説明する。尚、同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
【0044】
(第2実施形態)
第2実施形態においても、図1に示す構内交換システムで利用することができる。図4は、本発明による第2実施形態の自動設定機能付き構内交換機のブロック図である。構内交換機20は、利用者側通信端末11から、利用者の現在位置(緯度、経度)の情報を取得するための通信に用いる通信IF201と、スケジュール登録端末12から、利用者の現在位置や予定位置(緯度、経度)、利用者が移動中の場合の移動速度、利用者に関する現在日時や予定日時、利用者が通話制限等の設定を行う発信者番号の情報などの利用者の現在状況や予定状況に応じた設定動作(着信、転送、自動応答、留守電等)を予め登録するための通信に用いる通信IF202と、制御部203と、交換部204と、位置情報記憶部205と、設定条件記憶部206と、電話番号記憶部207と、動作設定記憶部208とを備える。
【0045】
制御部203は、プレゼンス情報生成部2030と、設定条件生成部2040と、設定条件判断部2060とを備える。プレゼンス情報生成部2030は、移動端末位置情報取得部2031と、移動端末移動速度算出部2032と、位置情報生成部2033と、スケジュール情報取得部2034とを有する。
【0046】
交換部204は、発信者番号照合部2041と、動作制御部2042とを備える。
【0047】
尚、本発明に係る制御部203の各機能を説明するが、自動設定機能付き構内交換機が備える他の機能を排除することを意図したものではないことに留意する。自動設定機能付き構内交換機は、コンピュータとして構成することができ、制御部203の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、当該コンピュータの所定の記憶部(図示せず)に格納しておき、当該コンピュータの中央演算処理装置(CPU)によってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。
【0048】
尚、第2実施形態は、第1実施形態と比較するに、発呼に対する問い合わせに応じて逐次制御する応答制御部2050を有していない代わりに、定期的(例えば、1分ごとに)に、取得した位置情報と事前登録した設定条件とを判断して決定した動作設定を動作設定記憶部208に記憶する設定条件判断部2060が設けられている点と、交換部204自身が、発信者番号の照合を行う発信者番号照合部2041と、照合済みの発信者番号に対応する設定動作を動作設定記憶部208の設定条件テーブルから読み込んで、利用者の現在状況や予定状況に応じた設定動作(着信、転送、自動応答、留守電等)を行うよう制御する動作制御部2042とを備える点で相違する。
【0049】
移動端末位置情報取得部2031は、定期的に(例えば1分ごとに)、利用者側移動端末11から、移動端末位置情報(経度、緯度)を所定の時間間隔を空けて2回以上取得して移動端末移動速度算出部2032に送出する。
【0050】
移動端末移動速度算出部2032は、2回以上取得した移動端末位置情報(経度、緯度)から、当該移動端末を所持する利用者Uの移動速度を算出し、当該2回以上取得した移動端末位置情報のうちの最新の位置(経度、緯度)及び日時の情報と、当該移動速度の情報を位置情報生成部2033に送出する。
【0051】
位置情報生成部2033は、移動端末位置情報の最新の位置(経度、緯度)及びその記録する日時の情報と当該移動速度の情報を、位置情報テーブルとして位置情報記憶部205に格納する。尚、位置情報テーブルは、移動端末位置情報の最新の位置(経度、緯度)及びその記録する日時の情報と当該移動速度の情報について、取得した位置情報を逐次更新するように格納すればよいが、取得履歴を残したい場合などでは、図6に示すように、最新の情報が最上位にくるように順次格納すれば利便性が高くなる。
【0052】
スケジュール情報取得部2034は、定期的(例えば1分ごと)に、スケジュール登録端末12から、利用者Uが通常利用するスケジューラアプリケーションのスケジュール内容(図7に示す予定日時・予定時刻・場所(経度、緯度)の情報)を取得して、設定条件生成部2040に送出する。ここで、場所の情報は、経度及び緯度に変換できる情報であればよく、スケジュール情報取得部2034が、場所の情報を取得して経度及び緯度の情報に変換した後、設定条件生成部2040に送出するように構成することができる。
【0053】
設定条件生成部2040は、予め定めた優先順位で、利用者の現在位置や予定位置(緯度、経度)、利用者が移動中の場合の移動速度、利用者が設定する現在日時や予定日時、利用者が通話制限等の設定を行う発信者番号の情報などの利用者の現在状況や予定状況に応じた設定動作(着信、転送、自動応答、留守電等)を設定条件として予め定めた条件要素の内容を、スケジュール情報取得部2034から定期的(例えば1分ごと)に取得した内容を基に更新し、設定条件テーブルとして、設定条件記憶部206に格納する。尚、利用者Uは、スケジュール登録端末12のスケジューラアプリケーションを操作して、予め定めた設定条件テーブル(図8参照)を登録しているものとする。
【0054】
設定条件判断部2060は、定期的(例えば、1分単位)に取得して位置情報記憶部205に格納された位置情報と、設定条件記憶部206に格納された設定条件を比較して決定した動作設定を逐次更新して動作設定記憶部208に記憶する。
【0055】
発信者番号照合部2041は、当該発呼に係る発信者番号と、予め電話番号記憶部207に登録済み(例えば、スケジュール登録端末12により登録)の発信者番号と照合し、合致していなければ着信非応答の旨を動作指示部2042経由で交換部204を制御し、登録済みの発信者番号と合致している場合に、その旨を動作指示部2042に送出し、動作指示部2042に対して動作設定記憶部208に記憶した動作設定に応じた動作を行わせる。
【0056】
動作指示部2054は、設定条件判断部2053によって決定した応答動作の指示を交換部204に指示することにより、交換部204は、当該発信者からの発呼に対して、発呼の都度、位置情報を取得したり設定条件を判断したりすることなく、着信、転送、自動応答、留守電等の動作を実行する。
【0057】
これにより、交換部204自身が、発信者番号照合部2041により発信者番号の照合を行ない、動作制御部2042により照合済みの発信者番号に対応する設定動作を動作設定記憶部208から読み込んで、利用者の現在状況や予定状況に応じた設定動作(着信、転送、自動応答、留守電等)を行うよう制御することができる。
【0058】
図5は、本発明による第2実施形態の自動設定機能付き構内交換機の動作フロー図である。先ず、利用者Uは、スケジュール登録端末12を操作して、設定条件の情報を構内交換機20に設定することにより、構内交換機20は、設定条件の情報を記述した設定条件テーブルを生成して設定条件記憶部206に格納しておく(S21,S22)。
【0059】
さらに、構内交換機20は、利用者側移動端末11から移動端末位置情報を定期的(例えば、1分単位)に取得し(S23)、当該利用者側移動端末11の移動速度を算出し(S24)、位置情報テーブルを生成して位置情報記憶部205に格納する(S25)。
【0060】
ここで、構内交換機20の設定条件判断部2060は、定期的(例えば、1分単位)に取得して位置情報記憶部205に格納された位置情報と、設定条件記憶部206に格納された設定条件を比較して決定した動作設定を逐次更新して動作設定記憶部208に記憶する。
【0061】
例えば、構内交換機20の設定条件判断部2060は、位置情報記憶部205に格納される最新の位置情報を基に、設定条件記憶部206に格納されている設定条件テーブルを参照して指定される優先順位で合致する設定条件をPBX自動設定条件として判断し、発呼に対する応答動作を決定し、決定した応答動作を発信者番号に対応付けて動作設定記憶部204に格納する。尚、構内交換機20の設定条件判断部2060は、設定条件テーブルを参照して合致した条件が無いときは着信動作を指示するものとする。
【0062】
構内交換機20の交換部204は、発信者Cが利用する発信者側通信端末30から利用者Uが利用する利用者側移動端末11に向けての発信がある場合(S26)、交換部204は、当該発呼に係る発信者番号と、予め電話番号記憶部207に登録済みの発信者番号と照合し(S27)、合致していなければ着信非応答の動作を行い、登録済みの発信者番号と合致している場合に、動作設定記憶部208に格納される動作設定に従う動作を行う(S28)。尚、当該利用者Uが交換部204に対して直接、動作設定する構成も考えられ、このような場合は、交換部204は当該直接的な設定に従い動作するものとし、特に直接設定がない場合に、動作設定記憶部208に格納される動作設定に従う動作を行うように構成することができる。
【0063】
また、構内交換機20は、構内交換機20のプレゼンス情報生成部2030は、移動端末位置情報の取得とは別に、スケジュール登録端末12のスケジュール記憶部121に格納される当該発呼に係る日時に対応する予定日時の利用者スケジュール(日時とスケジュールタイトル)の情報を取得し、タイトルに地名が入っている場合はその地名を予め用意した変換テーブルを参照して緯度経度の情報に変換して保持し、これらの移動端末位置情報及び利用者スケジュールの情報を基に、設定条件記憶部206に格納されている設定条件テーブルを参照して指定される優先順位で合致する設定条件をPBX自動設定条件として判断するように構成することもできる。
【0064】
上述した第1実施形態及び第2実施形態のいずれの設定動作においても、利用者側移動端末11に対して設定動作が実施または更新された旨を通知することができる。第1実施形態の着信契機で問い合わせを行う態様の場合、構内交換機20は、利用者に着信があった旨、及び、これから動作する設定内容を通知するように構成することもできる。
【0065】
さらに、第1実施形態及び第2実施形態のいずれの設定動作においても、一定時間内に利用者が通話を選択すれば設定動作は行われず着信動作となり、利用者が何も操作をしなければ設定動作に従い構内交換機20が動作するように構成することもでき、さらに、設定動作実行後、利用者側移動端末11に対して動作結果の通知を例えばメールで通知することも可能である。例えば、第2実施形態のように、動作設定を予め保持する場合、動作設定内容が更新されるたびに、利用者側移動端末11に対して動作設定内容が変更された旨を例えばメールで通知するように構成することができる。
【0066】
したがって、包括的には、本発明に係る構内交換機20は、利用者側移動端末11の位置を表す情報を基に算出した当該利用者側移動端末11に関する移動速度の情報と、当該利用者側移動端末11の位置を表す情報を位置情報(図6参照)として格納する位置情報記憶部205と、発信者側通信端末30からの発呼に対する当該構内交換機20の動作を自動設定するための設定条件として、当該利用者側移動端末11の当該位置情報、当該移動速度、当該発呼に対する応答を行う日時の情報、及び当該発信者側通信端末の発信者番号を条件要素とし、該条件要素の組合せに優先順位を設けて対応する設定動作を定義した設定条件テーブル(図8参照)を格納する設定条件記憶部206と、当該発信者側通信端末30からの発呼時、又は、定期的に、位置情報記憶部205に格納される位置情報と、設定条件記憶部206に格納される設定条件テーブルの設定条件を当該優先順位にしたがって比較し、合致する設定条件に対応する設定動作で当該発信者側通信端末30からの発呼に対する動作を判断して自動設定する設定条件判断部2053,2060とを備える。ここで、設定条件テーブルの事前登録に関して、上述の実施形態では説明の便宜のためにスケジュール登録端末12を経由して登録する例を説明したが、利用者側移動端末11を経由して登録するように構成してもよい。
【0067】
プレゼンス情報生成部2030は、当該発信者側通信端末30からの発呼時、又は、定期的に、利用者側移動端末11から前記利用者側移動端末11の位置を表す情報を取得するとともに、当該利用者側移動端末11に関する移動速度を算出して、位置情報記憶部205に格納する。
【0068】
図6に示すように、位置情報は、利用者側移動端末11の位置を表す緯度及び経度の情報と、移動速度の情報と、当該位置情報を位置情報記憶部205に格納する際の日時の情報とを含む。これにより、設定条件テーブルにおける日時情報に合致する日時の緯度及び経度の情報及び移動速度の情報の判別が容易になる。
【0069】
また、スケジュール情報取得部2034は、例えば、図7に示すように、当該発信者側通信端末30からの発呼時、又は、定期的に、利用者側移動端末11の利用者に関するスケジュール情報を取得して、予定される日時の情報と、該日時の情報に対応する当該位置情報を決定し、設定条件テーブルにおける条件要素を自動更新する。ここで、スケジュール情報の取得に関して、上述の実施形態ではスケジュール登録端末12を経由して、スケジュール情報を予め格納したスケジュール記憶部121内の情報を取得して抽出する例を説明したが、利用者側移動端末11がスケジュール情報を保持していてもよい。
【0070】
また、図8に示すように、条件要素の組合せについて優先順位を設けて対応するように定義された設定動作は、着信、音声自動応答、転送、留守番電話、及び着信拒否のうちの少なくとも1つ以上を含む。例えば、移動速度の算出及び比較によって、当該利用者が新幹線に乗っているのか否か(260km/h以上)、固定位置、徒歩又は電車に乗っているのか否か(10km/h以下)等、利用者のプレゼンスの推定に役立つ。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明によれば、利用者の現在位置や予定位置(緯度、経度)、利用者が移動中の場合の移動速度、利用者が設定する現在日時や予定日時、利用者が通話制限等の設定を行う発信者番号の情報などの利用者の現在状況や予定状況に応じて自動的にPBXを設定し、発呼に対するPBXの動作(着信、転送、自動応答、留守電等)を適応的に行うことが可能となるので、オフィス内またはネットワーク上に設置された構内交換機に有用である。
【符号の説明】
【0072】
11 利用者側通信端末
12 スケジュール登録端末
20 自動設定機能付き構内交換機
30 発信者側通信端末
201,202 通信IF
203 制御部
204 交換部
205 位置情報記憶部
206 設定条件記憶部
207 電話番号記憶部
208 動作設定記憶部
2030 プレゼンス情報生成部
2031 移動端末位置情報取得部
2032 移動端末移動速度算出部
2033 位置情報生成部
2034 スケジュール情報取得部
2040 設定条件生成部
2041 発信者番号照合部
2042 動作制御部
2050 応答制御部
2051 発呼受信部
2052 発信者番号照合部
2053 設定条件判断部
2054 動作指示部
2060 設定条件判断部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オフィス内またはネットワーク上に設置された構内交換機であって、
利用者側移動端末の位置を表す情報を基に算出した当該利用者側移動端末に関する移動速度の情報と、当該利用者側移動端末の位置を表す情報を位置情報として格納する位置情報記憶部と、
発信者側通信端末からの発呼に対する当該構内交換機の動作を自動設定するための設定条件として、当該利用者側移動端末の当該位置情報、当該移動速度、当該発呼に対する応答を行う日時の情報、及び当該発信者側通信端末の発信者番号を条件要素とし、該条件要素の組合せに優先順位を設けて対応する設定動作を定義した設定条件テーブルを格納する設定条件記憶部と、
当該発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、前記位置情報記憶部に格納される位置情報と、前記設定条件記憶部に格納される設定条件テーブルの設定条件を当該優先順位にしたがって比較し、合致する設定条件に対応する設定動作で当該発信者側通信端末からの発呼に対する動作を判断して自動設定する設定条件判断部と、
を備えることを特徴とする、構内交換機。
【請求項2】
当該発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、前記利用者側移動端末から前記利用者側移動端末の位置を表す情報を取得するとともに、当該利用者側移動端末に関する移動速度を算出して、前記位置情報記憶部に格納するプレゼンス情報生成部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の構内交換機。
【請求項3】
前記位置情報は、前記利用者側移動端末の位置を表す緯度及び経度の情報と、前記移動速度の情報と、当該位置情報を前記位置情報記憶部に格納する際の日時の情報とを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の構内交換機。
【請求項4】
当該発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、当該利用者側移動端末の利用者に関するスケジュール情報を取得して、予定される日時の情報と、該日時の情報に対応する当該位置情報を決定し、前記設定条件テーブルにおける条件要素を自動更新するスケジュール情報取得部をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の構内交換機。
【請求項5】
前記条件要素の組合せについて優先順位を設けて対応するように定義された設定動作は、着信、音声自動応答、転送、留守番電話、及び着信拒否のうちの少なくとも1つ以上を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の構内交換機。
【請求項6】
オフィス内またはネットワーク上に設置された構内交換機の作動方法であって、該構内交換機は、制御部を備え、
前記制御部の処理は、
発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、利用者側移動端末の位置を表す情報を取得して、該情報を基に当該利用者側移動端末に関する移動速度を算出し、位置情報として位置情報記憶部に格納するステップと、
当該発信者側通信端末からの発呼に対する当該構内交換機の動作を自動設定するための設定条件として、当該利用者側移動端末の当該位置情報、当該移動速度、当該発呼に対する応答を行う日時の情報、及び当該発信者側通信端末の発信者番号を条件要素とし、該条件要素の組合せに優先順位を設けて対応する設定動作を定義した設定条件テーブルを設定条件記憶部に予め格納するステップと、
当該発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、前記位置情報記憶部に格納される位置情報と、前記設定条件記憶部に格納される設定条件テーブルの設定条件を当該優先順位にしたがって比較し、合致する設定条件に対応する設定動作で当該発信者側通信端末からの発呼に対する動作を判断して自動設定するステップと、
を含むことを特徴とする、構内交換機の作動方法。
【請求項7】
前記制御部の処理は、当該発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、前記利用者側移動端末から前記利用者側移動端末の位置を表す情報を取得するとともに、当該利用者側移動端末に関する移動速度を算出して、前記位置情報記憶部に格納するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の構内交換機の作動方法。
【請求項8】
前記位置情報は、前記利用者側移動端末の位置を表す緯度及び経度の情報と、前記移動速度の情報と、当該位置情報を前記位置情報記憶部に格納する際の日時の情報とを含むことを特徴とする、請求項6又は7に記載の構内交換機の作動方法。
【請求項9】
前記制御部の処理は、当該発信者側通信端末からの発呼時、又は、定期的に、当該利用者側移動端末の利用者に関するスケジュール情報を取得して、予定される日時の情報と、該日時の情報に対応する当該位置情報を決定し、前記設定条件テーブルにおける条件要素を自動更新するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の構内交換機の作動方法。
【請求項10】
前記条件要素の組合せについて優先順位を設けて対応するように定義された設定動作は、着信、音声自動応答、転送、留守番電話、及び着信拒否のうちの少なくとも1つ以上を含むことを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一項に記載の構内交換機の作動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−151635(P2012−151635A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8572(P2011−8572)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】