説明

構造物の骨組の一部をなす骨組部材に取り付けられる管状体

【課題】骨組部材に取り付けられる管状体の一部を構成する、開放された端部を有する管状の部材の内面の結露及び腐食を招くことなく、前記部材の前記端部が風を受けたときに該端部から音が発生することを防止すること。
【解決手段】骨組部材に取り付けられる管状体は、第1方向に間隔を置かれた2つの第1縁部分及び前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置かれた2つの第2縁部分を有する、開放された端部を有する管状の第1部材と、一端部が各第1縁部分から間隔を置いて前記第2縁部分に固定され、他端部が前記骨組部材に結合される第2部材と、該第2部材と前記第1縁部分との間に前記第2方向に対して垂直に配置され、前記端部から前記第1部材の軸線方向に突出する第3部材であって前記端部が前記第2方向の風を受けたとき、一方の第2縁部分から他方の第2縁部分への空気の流れを妨げる第3部材とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の骨組の一部をなす骨組部材に取り付けられる管状体に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄塔のような構造物の骨組の一部をなす、柱のような骨組部材に管状体が取り付けられる。管状体は斜材や水平材として使用される。図16に示すように、管状体100には、開放された端部102を有する管状の第1部材104と、一端部106が第1部材104の端部102に取り付けられた、該端部から第1部材104の軸線方向外方へ伸びる第2部材108とを含むものがある。前記骨組部材(図示せず)にガセットプレート110が固定されており、第2部材108の他端部112は前記構造物(図示せず)の構築時にガセットプレート110を介して前記骨組部材に結合される。
【0003】
第1部材104の端部102は、第1方向(図16における奥行き方向)に間隔を置かれた2つの第1縁部分(図示せず)及び該第1縁部分の間に前記第1方向と直交する第2方向(図16における左右方向)に間隔を置いて設けられた2つの第2縁部分114を有し、第2部材108の一端部106は、第1部材104の端部102の各第1縁部分から間隔を置かれ、第2縁部分114に固定されている。第2部材108の一端部106と第1部材104の端部102の前記第1縁部分との間に隙間が存在する。
【0004】
前記構造物が前記鉄塔である場合、管状体100は、屋外に配置され、風を受ける。第1部材104の端部102が前記第2方向の風を受けたとき、端部102の一方の第2縁部分114から他方の第2縁部分114へ流れた空気116が該他方の第2縁部分に当たって第1部材104の中へ入ること及び該第1部材の中から空気が出ることが周期的に繰り返され、第1部材104の中の空気の圧力が周期的に変化し、該空気が共鳴する。これにより、第1部材104の端部102から音が発生し、騒音問題が生じる。
【0005】
管状体100には、第2部材108の一端部106と第1部材104の端部102の前記第1縁部分との間に充填されたシーリング材(図示せず)を含むものがある(特許文献1参照)。前記シーリング材は、第2部材108の一端部106と第1部材104の端部102の前記第1縁部分との間の前記隙間を塞ぎ、端部102が風を受けたときに空気が端部102から第1部材104の中へ入ることを阻止する。これにより前記音の発生を防ぐことができる。しかし、前記シーリング材が前記隙間を塞ぐため、第1部材104の内面が結露しやすく、腐食しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−265710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、構造物の骨組の一部をなす骨組部材に取り付けられる管状体の一部を構成する、開放された端部を有する管状の部材の内面の結露及び腐食を招くことなく、前記部材の前記端部が風を受けたときに該端部から音が発生することを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記第2部材と前記第1部材の前記端部の前記第1縁部分との間に前記第2方向に対して垂直に配置され、前記端部から前記第1部材の軸線方向に突出する第3部材により、前記第1部材の前記端部が前記第2方向の風を受けたときに前記端部の一方の第2縁部分から他方の第2縁部分への空気の流れが妨げられるようにし、前記一方の第2縁部分から前記他方の第2縁部分へ流れた空気が該他方の第2縁部分に当たって前記第1部材の中へ入ること及び該第1部材の中から空気が出ることが周期的に繰り返されることがないようにする。これにより、前記第2部材の前記一端部と前記第1部材の前記端部の前記第1縁部分との間の前記隙間を塞ぐことなく前記第1部材の中の空気が共鳴することを防止し、前記第1部材の内面の結露及び腐食を招くことなく前記第1部材の前記端部から音が発生することを防止する。
【0009】
本発明に係る、屋外に配置され、構造物の骨組の一部をなす骨組部材に取り付けられる管状体は、第1方向に間隔を置かれた2つの第1縁部分及び該第1縁部分の間に前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置いて設けられた2つの第2縁部分を有する、開放された端部を有する管状の第1部材と、一端部が前記第1部材の前記端部の各第1縁部分から間隔を置いて前記第2縁部分に固定された、前記端部から前記第1部材の軸線方向外方へ伸びる第2部材であって他端部が前記構造物の構築時に前記骨組部材に結合される第2部材と、該第2部材と前記第1部材の前記端部の前記第1縁部分との間に前記第2方向に対して垂直に配置され、前記第2部材と前記第1縁部分とに固定された、前記端部から前記軸線方向に突出する第3部材であって前記第1部材の前記端部が前記第2方向の風を受けたとき、前記端部の一方の第2縁部分から他方の第2縁部分への空気の流れを妨げる第3部材とを含む。
【0010】
前記第2部材と前記第1部材の前記端部の前記第1縁部分との間に、前記第2方向に対して垂直な、前記端部から前記軸線方向に突出する前記第3部材が配置されているため、前記第1部材の前記端部が前記第2方向の風を受けたとき、前記端部の一方の第2縁部分から他方の第2縁部分に向けての空気の流れは、前記第3部材に当たって逆流し、乱れる。このように前記第3部材は前記空気の流れを妨げる。これにより、前記一方の第2縁部分から前記他方の第2縁部分へ流れた空気が該他方の第2縁部分に当たって前記第1部材の中へ入ること及び該第1部材の中から空気が出ることが周期的に繰り返されることはなく、この周期的な繰り返しにより前記第1部材の中の空気の圧力が周期的に変化して該空気が共鳴することはない。このため、前記第1部材の前記端部から音が発生することを防止することができる。
【0011】
また、前記第3部材により、前記第1部材の前記端部が前記第2方向の風を受けたときに前記端部の一方の第2縁部分から他方の第2縁部分に向けての空気の流れが妨げられるため、前記第2部材の前記一端部と前記第1部材の前記端部の前記第1縁部分との間の隙間を塞ぐことなく前記空気の共鳴を防ぐことができる。このため、前記第1部材の内面を結露させ、腐食させやすくすることなく、前記音の発生を防止することができる。
【0012】
前記管状体は、前記第1部材の前記端部の各第2縁部分に設けられた、前記第1部材の軸線方向外方へ開放されたスリットを有し、前記第2部材の前記一端部は前記スリットに受け入れられている。前記第2部材は、前記第1部材の軸線方向外方へ開放されたU字形の断面形状を有するものとすることができ、また、前記第1方向に対して垂直な板とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、前記第2部材と前記第1部材の前記端部の前記第1縁部分との間に、前記第2方向に対して垂直な、前記端部から前記第1部材の軸線方向に突出する前記第3部材が配置されているため、前記第1部材の前記端部が前記第2方向の風を受けたとき、前記端部の一方の第2縁部分から他方の第2縁部分に向けての空気の流れは、前記第3部材に当たって逆流し、乱れる。これにより、前記一方の第2縁部分から前記他方の第2縁部分へ流れた空気が該他方の第2縁部分に当たって前記第1部材の中へ入ること及び該第1部材の中から空気が出ることが周期的に繰り返されることはなく、この周期的な繰り返しにより前記第1部材の中の空気の圧力が周期的に変化して該空気が共鳴することはない。このため、前記第2部材の前記一端部と前記第1部材の前記端部の前記第1縁部分との間の隙間を塞ぐことなく前記空気の共鳴を防ぐことができ、前記第1部材の内面の結露及び腐食を招くことなく前記第1部材の前記端部から音が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る管状体が、構造物の骨組の一部をなす骨組部材に取り付けられていることを示す図。
【図2】本発明に係る管状体の正面図。
【図3】図2の線3における管状体の平面図。
【図4】図2の線4における管状体の側面図。
【図5】骨組部材に取り付けられた状態における、本発明に係る管状体の平面図。
【図6】第1部材の端部が第2方向の風を受けている状態における、本発明に係る管状体の縦断面図。
【図7】本発明の他の実施例に係る管状体の正面図。
【図8】第1部材の端部が風を受けているときに第1部材の端部から発生する音を測定していることを示す図。
【図9】第1部材の端部から発生する音の測定に用いる試験体の斜視図。
【図10】図8の線10における、ケース1についての音の測定のために風洞の中に配置された試験体の平面図。
【図11】ケース1についての音の測定結果を示す図。
【図12】ケース2についての音の測定のために風洞の中に配置された試験体の平面図。
【図13】ケース2についての音の測定結果を示す図。
【図14】ケース3についての音の測定のために風洞の中に配置された試験体の平面図。
【図15】ケース3についての音の測定結果を示す図。
【図16】第1部材の端部が第2方向の風を受けている状態における、従来の管状体の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、構造物の骨組の一部をなす骨組部材10に管状体12が取り付けられる。前記構造物は鉄塔であり、骨組部材10は柱である。管状体12は、屋外に配置され、斜材として使用される。管状体12は、骨組部材10に取り付けられた状態で前記構造物の骨組の他の一部をなす。
【0016】
管状体12は、開放された端部14を有する管状の第1部材16と、一端部18が第1部材16の端部14に取り付けられた、該端部から第1部材16の軸線方向外方へ伸びる第2部材20とを含む。骨組部材10にガセットプレート22が固定されており、第2部材20の他端部24は前記構造物の構築時にガセットプレート22を介して骨組部材10に結合される。
【0017】
図2ないし4に示すように、第1部材16の端部14は、第1方向(図2における奥行き方向)に間隔を置かれた2つの第1縁部分26と、該第1縁部分の間に前記第1方向と直交する第2方向(図2における上下方向)に間隔を置いて設けられた2つの第2縁部分28とを有する。第1部材16の断面形状は円形であり、第1部材16の内径は、例えば、50mmないし200mmである。第2部材20の一端部18は、第1部材16の端部14の各第1縁部分26から間隔を置かれ、第2縁部分28に固定されている。
【0018】
管状体12は、図3に示したように、第1部材16の端部14の各第2縁部分28に設けられた、第1部材16の軸線方向外方(図3における左方)へ開放されたスリット30を有し、第2部材20の一端部18はスリット30に受け入れられている。第2部材20は、第1部材16の軸線方向外方へ開放されたU字形の断面形状を有する。第2部材20は、折り曲げられた板状である。第2部材20は、該第2部材の他端部24に間隔を置いて設けられた、それぞれが他端部24をその厚さ方向(図3における上下方向)に貫く複数の貫通穴32を有する。
【0019】
図5に示すように、ガセットプレート22は、間隔を置かれた複数の貫通穴34を有し、第2部材20の他端部24がガセットプレート22を介して骨組部材10に結合されるとき、第2部材20の他端部24は、該他端部の各貫通穴32がガセットプレート22の貫通穴34と整列されるようにガセットプレート22を受け入れ、該ガセットプレートに固定される。この固定は、頭部が第2部材20の他端部24の厚さ方向における他端部24の一方の側に配置され、軸部が他端部24の貫通穴32とガセットプレート22の貫通穴34とを貫くボルト36と、他端部24の他方の側においてボルト36の前記軸部に螺合されたナット38とによる。
【0020】
ガセットプレート22への第2部材20の他端部24の固定は、ボルト36とナット38とによる図5に示した例に代え、第2部材20の他端部24をガセットプレート22に溶接することによるものでもよい。第2部材20の他端部24は、ガセットプレート22を介して骨組部材10に結合される図5に示した例に代え、ガセットプレート22を介さずに、直接、骨組部材10に結合されてもよい。
【0021】
管状体12は、第2部材20と第1部材16の端部14の第1縁部分26との間に前記第2方向に対して垂直に配置され、第2部材20と第1部材16の端部14の第1縁部分26とに固定された、端部14から第1部材16の軸線方向に突出する第3部材40を含む。第1部材16の端部14からの第3部材40の突出長さ42(図2)は、例えば、10mmないし20mmである。
【0022】
図6に示すように、第1部材16の端部14が前記第2方向の風を受けたとき、端部14の一方の第2縁部分28から他方の第2縁部分28に向けての空気の流れ44は、第3部材40に当たって逆流し、乱れる。このようにして第3部材40は一方の第2縁部分28から他方の第2縁部分28への空気の流れ44を妨げる。これにより、一方の第2縁部分28から他方の第2縁部分28へ流れた空気が該他方の第2縁部分に当たって第1部材16の中へ入ること及び該第1部材の中から空気が出ることが周期的に繰り返されることはなく、この周期的な繰り返しにより第1部材16の中の空気の圧力が周期的に変化して該空気が共鳴することはない。このため、第1部材16の端部14から音が発生することを防止することができる。
【0023】
また、第2部材20と第1部材16の端部14の第1縁部分26との間に前記第2方向に対して垂直に配置された、端部14から第1部材16の軸線方向に突出する第3部材40により第1部材16の端部14の一方の第2縁部分28から他方の第2縁部分28への空気の流れ44が妨げられるため、第2部材20の一端部18と第1部材16の端部14の第1縁部分26との間の隙間を塞ぐことなく前記空気の共鳴を防ぐことができ、第1部材16の内面の結露及び腐食を招くことなく前記音の発生を防止することができる。
【0024】
第2部材20は、前記U字形の断面形状を有する図3に示した例に代え、図7に示すように、前記第1方向に対して垂直な板でもよい。第2部材20の一端部18がスリット30に受け入れられている図7に示した例に代え、第1部材16の端部14の各第2縁部分28にスリット30が設けられておらず、第2部材20の一端部18がスリット30に受け入れられていなくてもよい。
【0025】
第1部材16、第2部材20及び第3部材40のそれぞれは、図1に示した例では、鋼製であるが、これに代え、アルミニウムのような他の金属からなるものでもよいし、プラスチックのような金属以外の材料からなるものでもよい。管状体12は、斜材として使用される図1に示した例に代え、水平材として使用されてもよいし、垂直材として使用されてもよい。骨組部材10は、柱である図1に示した例に代え、梁でもよいし、梁以外の水平材、柱以外の垂直材又は斜材でもよい。前記構造物は、鉄塔である図1に示した例に代え、駅、工場等でもよい。
【0026】
図8に示すように、風洞46の中へ風54を送る送風機(図示せず)と、風洞46の中に配置された試験体52と、該試験体の近傍に配置された音検出器50とを用いて、試験体52が風を受けているときに発生する音を測定した。前記音の測定は、前記送風機から試験体52へ風速11m/sの風54を送りつつ、音検出器50を用いて音を検出することによる。前記音の測定は、条件が異なるケース1ないし3について行った。
【0027】
ケース1では、試験体52は、図9に示すように、開放された端部14を有する管状の第1部材16からなり、第2部材20と第3部材40とを含まない。第1部材16の内径は約76mmであり、第1部材16の長さは約1000mmである。第1部材16の端部14は、第1方向に間隔を置かれた2つの第1縁部分26及び該第1縁部分の間に前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置いて設けられた2つの第2縁部分28を有する。図10に示すように、前記送風機から試験体52へ風54を送るとき、第1部材16の端部14が前記第2方向の風を受けるようにする。
【0028】
第1部材16の端部14が前記風を受けているとき、端部14から音が発生した。図11に示すように、前記音の周波数は162Hzであり、前記音のA特性音圧レベルは、約62dBであり、比較的高い。この結果から、第1部材16の端部14が前記風を受けているとき、端部14の一方の第2縁部分28から他方の第2縁部分28へ流れた空気が該他方の第2縁部分に当たって第1部材16の中へ入ること及び該第1部材の中から空気が出ることが周期的に繰り返され、第1部材16の中の空気の圧力が周期的に変化し、該空気が共鳴したことがわかる。なお、215、300、600、654、900、1095Hzのそれぞれの周波数を有する音のA特性音圧レベルが比較的高いが、これらの音は、暗騒音であり、前記送風機から発生した音のような、第1部材16の端部14から発生した音以外の音である。
【0029】
ケース2では、試験体52は、図9に示したように、第1方向に間隔を置かれた2つの第1縁部分26及び該第1縁部分の間に前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置いて設けられた2つの第2縁部分28を有する、開放された端部14を有する管状の第1部材16と、該第1部材の端部14の各第1縁部分26から間隔を置いて第2縁部分28に固定され、端部14から第1部材16の軸線方向外方へ伸びる第2部材20と、該第2部材と第1部材16の端部14の第1縁部分26との間に前記第2方向に対して垂直に配置され、第2部材20と第1部材16の端部14の第1縁部分26とに固定された、端部14から第1部材16の軸線方向に突出する第3部材40とを含む。第1部材16の内径は約76mmであり、第1部材16の長さは約1000mmであり、第1部材16の端部14からの第3部材40の突出長さは約10mmである。図12に示すように、前記送風機から試験体52へ風54を送るとき、第1部材16の端部14が前記第2方向の風を受けるようにする。
【0030】
第1部材16の端部14が前記風を受けているとき、端部14から音が発生しなかった。図13に示すように、162Hzの周波数を有する音のA特性音圧レベルは、約51dBであり、非常に低い。この結果から、第1部材16の端部14が前記風を受けているときに第1部材16の端部14の一方の第2縁部分28から他方の第2縁部分28に向けての空気の流れ44が第3部材40により妨げられ、一方の第2縁部分28から他方の第2縁部分28へ流れた空気が該他方の第2縁部分に当たって第1部材16の中へ入ること及び該第1部材の中から空気が出ることが周期的に繰り返されることはなく、第1部材16の中の空気が共鳴しなかったことがわかる。
【0031】
ケース3では、試験体52は、ケース2で用いた試験体52と同一である。図14に示すように、前記送風機から試験体52へ風54を送るとき、第1部材16の端部14が、前記第2方向に対して45度の角度をなす方向の風を受けるようにする。この場合においても、第1部材16の端部14が前記風を受けているとき、端部14から音が発生しなかった。図15に示すように、162Hzの周波数を有する音のA特性音圧レベルは、約46dBであり、非常に低い。この結果から、第1部材16の端部14の一方の第2縁部分28から他方の第2縁部分28に向けての空気の流れ44が第3部材40により妨げられ、一方の第2縁部分28から他方の第2縁部分28へ流れた空気が該他方の第2縁部分に当たって第1部材16の中へ入ること及び該第1部材の中から空気が出ることが周期的に繰り返されることはなく、第1部材16の中の空気が共鳴しなかったことがわかる。
【符号の説明】
【0032】
10 骨組部材
12 管状体
14 端部
16 第1部材
18 一端部
20 第2部材
24 他端部
26 第1縁部分
28 第2縁部分
30 スリット
40 第3部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外に配置され、構造物の骨組の一部をなす骨組部材に取り付けられる管状体であって、
第1方向に間隔を置かれた2つの第1縁部分及び該第1縁部分の間に前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置いて設けられた2つの第2縁部分を有する、開放された端部を有する管状の第1部材と、
一端部が前記第1部材の前記端部の各第1縁部分から間隔を置いて前記第2縁部分に固定された、前記端部から前記第1部材の軸線方向外方へ伸びる第2部材であって他端部が前記構造物の構築時に前記骨組部材に結合される第2部材と、
前記第2部材と前記第1部材の前記端部の前記第1縁部分との間に前記第2方向に対して垂直に配置され、前記第2部材と前記第1縁部分とに固定された、前記端部から前記軸線方向に突出する第3部材であって前記第1部材の前記端部が前記第2方向の風を受けたとき、前記端部の一方の第2縁部分から他方の第2縁部分への空気の流れを妨げる第3部材とを含む、管状体。
【請求項2】
前記第1部材の前記端部の各第2縁部分に設けられた、前記第1部材の軸線方向外方へ開放されたスリットを有し、
前記第2部材の前記一端部は前記スリットに受け入れられている、請求項1に記載の管状体。
【請求項3】
前記第2部材は、前記第1部材の軸線方向外方へ開放されたU字形の断面形状を有する、請求項1又は2に記載の管状体。
【請求項4】
前記第2部材は、前記第1方向に対して垂直な板である、請求項1又は2に記載の管状体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−153416(P2011−153416A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14105(P2010−14105)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【Fターム(参考)】