説明

構造用接着剤に結合されたアセンブリ、並びにこれを作製するための方法及びアプリケータ

本発明は、構造用接着剤に結合されている少なくとも1つの基材を含む、アセンブリを提供し、構造用接着剤は、架橋性ポリマーを含む前駆体を硬化することによって得られ、構造用接着剤に結合された基材の表面領域は、少なくとも1つの金属を含み、この表面領域は液体活性剤で処理される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造用接着剤に結合されている金属表面領域をもった少なくとも1つの基材を含むアセンブリ、特に、構造用接着剤を狭持する少なくとも2つの基材を含むアセンブリに関する。本発明は更に、このようなアセンブリを作製するための方法及びアプリケータ装置に言及する。
【背景技術】
【0002】
上記及び下記において構造用接着剤という用語は、その前駆体が架橋性ポリマーを含む、接着剤を指す。架橋性基の特性によって、前駆体は、これを熱及び/又は化学線に曝露することによって、架橋構造用接着剤へと硬化可能であり得、又はこれは、環境湿度への曝露によって硬化可能であり得る。前駆体が熱及び/又は放射線硬化性である場合、前駆体は更に、有効量の硬化系を含む。硬化系は、熱活性化可能な化合物、及び放射線活性化可能な硬化剤を含む群から選択された1つ以上の化合物を含む。
【0003】
構造用接着剤は、一般的には、多くの表面への良好な接着特性、及び高い結合強度を呈する。したがってこれらは、従来の接合技術、例えば、溶接又は機械的締結具(例えば、ナット及びボルト、ネジ、リベットなど)の利用と、置き換えるか、又はこれらを補完するために使用されてきた。
【0004】
しかしながら、炭化水素含有物質、例えば、鉱油、加工助剤、例えば、深絞り剤、潤滑剤、例えば、乾燥潤滑剤、グリース、汚れなどで汚染されている金属表面への構造用接着剤の十分な接着を提供することは、困難であった。
【0005】
表面からの炭化水素含有物質の除去が、非常に困難であり得ることは、周知である。機械的プロセス、例えば、乾拭き、及び/又は加圧空気の使用は、炭化水素含有物質の薄い層を金属表面上に残す傾向がある。米国特許第6,849,589号に開示されるような液体洗浄組成物は、有効であり得るが、洗浄液が回収及び再利用されるか、又は廃棄されなくてはならないため、加工の観点から、より望ましくない場合がある。これに加えて、洗浄工程の後に、通常は乾燥時間が必要とされる。
【0006】
硬化性組成物のための、カプセル化された硬化系を開示するPCT国際公開特許WO第2006/028,806号は、油の付いた金属シート上のこのような組成物の接着強度が、脂溶性添加物、例えば、リモネン、ジペンテン、テルペン樹脂、又はテルペンチンの油脂を、硬化性組成物の重量に対して1〜10重量%の量で含むことによって改善され得ることについて言及している。しかしながら、構造用接着剤の前駆体への脂溶性添加物の添加は、硬化した構造用接着剤の、炭化水素を含有する汚れによって汚染されている金属表面への接着を、実際に妥当な、及び/又は望ましい程度まで改善する傾向にないことが見出された。脂溶性添加物の量を増加させると、全体的な接着特性は低減する傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、構造用接着剤に結合されている金属表面領域(この表面領域は炭化水素含有物質によって汚染されている場合がある)を有する、少なくとも1つの基材を含む、高い結合強度のアセンブリを提供することが、本発明の目的である。構造用接着剤を狭持する2つの基材を含み、少なくとも一方の基材が、構造用接着剤に結合された金属表面領域(これは、炭化水素含有物質によって汚染されている場合がある)を含む、高い結合強度のアセンブリを提供することが、本発明の別の目的である。このようなアセンブリが、高い平均剥離力及び凝集破壊機構を呈することが特に好ましい。任意に汚染された指定された金属表面領域を処理する工程を含む、このようなアセンブリの製造方法であって、環境にやさしく、費用効率が高く、車体製造の工業プロセスに組み込むことができる方法を提供することが、本発明の別の目的である。構造用接着剤の前駆体を、金属表面の表面処理の後の待ち時間をなくして、直接適用することができる、このようなアセンブリの製造プロセスを提供することが本発明の別の目的である。このようなプロセスを実行するために好適であり、特に、炭化水素含有物質によって汚染された金属表面の非接触処理を可能にする、アプリケータ装置を提供することが本発明の別の目的である。本発明の他の目的は、以下の詳述から、当業者によって容易に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、構造用接着剤に結合されている少なくとも1つの基材を含む、アセンブリに関し、構造用接着剤は、架橋性ポリマーを含む前駆体を硬化することによって得られ、構造用接着剤に結合された基材の表面領域は、少なくとも1つの金属を含み、この表面領域は液体活性剤で処理される。前駆体が熱及び/又は放射線硬化性である場合、これは有効量の熱及び/又は放射線活性化可能な、硬化系を含む。
【0009】
本発明は更に、構造用接着剤によって結合され、これを狭持する少なくとも2つの基材を含むアセンブリに言及する。本発明のアセンブリでは、構造用接着剤に結合される、基材の金属表面領域は、炭化水素含有物質で汚染されている場合がある。
【0010】
本発明は更に、構造用接着剤に結合される指定された表面領域をもった、曝露された表面を有する少なくとも1つの基材を含むアセンブリに関し、この表面領域は少なくとも1つの金属を含み、このアセンブリは、
(i)液体活性剤を基材の表面領域に適用する工程と、
(ii)架橋性ポリマー、及び有効量の硬化系を含む構造用接着剤の前駆体を、基材の処理された表面領域に適用する工程と、を含む方法である。
【0011】
構造用接着剤に結合される、基材の指定された金属表面領域は、炭化水素含有物質で汚染されている場合がある。アセンブリが1つの基材のみを含む場合、工程(ii)で適用される前駆体は、好ましくは硬化される。
【0012】
アセンブリが2つの基材を含む場合、このようなアセンブリは上記の工程(i)〜(ii)、及び追加的に、更なる、
(iii)任意に、構造用接着剤に結合される第2基材の表面を、液体活性剤で処理する工程と、
(iv)第2基材を前駆体に取り付ける工程と、
(v)前駆体を硬化する工程と、を含む方法。
【0013】
本発明は更に、構造用接着剤に結合される指定された表面領域をもった、曝露された表面を有する少なくとも1つの基材を含むアセンブリを準備する方法に関し、この表面領域は、少なくとも1つの金属を含み、この方法は、
(i)液体活性剤を基材の表面領域に連続的又は非連続的に適用する工程と、
(ii)構造用接着剤の前駆体を液体活性剤で処理された基材の表面領域に適用する工程と、を含む。
【0014】
本発明は更に、構造用接着剤によって結合されている2つの基材を含むアセンブリを準備する方法に関し、この方法は、上記の工程(i)及び(ii)、並びに追加的に、更に、
(iii)任意に、構造用接着剤に結合される第2基材の表面領域を液体活性剤で連続的に又は非連続的に処理する工程と、
(iv)第2基材を接着剤に取り付ける工程と、
(v)前駆体を硬化する工程と、を含む方法。
【0015】
本発明は更に、構造用接着剤に結合されている少なくとも1つの基材を含むアセンブリを提供するためのアプリケータ装置に関し、構造用接着剤は架橋性ポリマーを含む前駆体を硬化することによって得られ、構造用接着剤に結合された基材の表面領域は、少なくとも1つの金属を含み、表面領域は液体活性剤で連続的、又は非連続的に処理され、アプリケータ装置は少なくとも1つの基材の表面領域に対して移動可能であり、基材の指定された表面領域に、液体活性剤を連続的又は非連続的に適用するための第1適用ユニット、及び接着剤の前駆体を連続的又は非連続的に適用するための第2適用ユニットを含み、液体活性剤が、まず表面に適用されて、接着剤の前駆体が活性剤の上に適用されるように、第2適用ユニットが、アプリケータ装置の動きの方向に対して第1適用ユニットの後方に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】液体活性化組成物の液滴による、金属表面上の炭化水素含有物質層の部分の変位の略図。
【図2】本発明のアプリケータ装置の略図。
【図3】本発明の別のアプリケータ装置の略図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のアセンブリは、構造用接着剤に結合される指定された表面を有する少なくとも1つの基材を含み、このような指定された表面領域、又は結合領域は、1つ以上の金属を含む。基材は、1つ以上の金属のみから構成されている必要はなく、これはまた、ポリマー、木、コンクリート、ガラス、又は他の材料を含む基材であって、接着剤に結合される、このような基材の曝露された指定された表面領域が、金属シートによって被覆されるか、又は金属層でコーティングされてもよい。接着剤に面する基材の表面は、部分的にのみ金属表面であり、部分的に他の材料を含んでもよい。用語「金属」は、その最も広い意味において使用され、例えば、鉄、銅、アルミニウム、及び/又は亜鉛、あるいは合金、例えば、鋼、真鍮、又はジュラルミンを含む。この列挙は、単に例示であって、決して限定ではない。
【0018】
工業プロセスにおいて金属表面は、多くの場合、炭化水素を含有する加工剤、及び処理剤、例えば、鉱油、潤滑剤、グリース、乾燥潤滑剤、深絞り剤、腐食防止剤などで処理される。金属表面はラード及び植物油などの食料油脂を含む、広範な種類の他の油脂、又は油の付いた物質によって汚染されていることがある。これらの物質は、上記及び下記において炭化水素含有物質と総称される。
【0019】
炭化水素含有物質で汚染された金属表面と、このような表面に適用された構造用接着剤との間の結合は、汚染された金属表面が、接着剤の適用の前に、炭化水素含有物質を変位させることができる1つ以上の化合物を含む液体活性剤によって処理されると、改善され得ることが本発明者らによって見出された。
【0020】
金属表面上の炭化水素含有物質の層上の液体活性剤の変位効果は、図1a〜1dに概略的に例示されている。図1aでは、液体活性剤2の液滴が、それぞれ、金属表面1a上の炭化水素含有物質3の層に向って落下するか、又は静かに配置される。図1aの図式的表示は、高度に概略的であり、例えば、液体活性剤2の理想的な液滴、理想的に平滑な金属表面1a、及び均一な厚さを有する炭化水素含有物質3の連続的な表面フィルムを示している。この表示は、決して限定的ではなく、例示的であることを意図されている。炭化水素含有物質3を含む表面汚染物質は、連続的、又は非連続的なフィルムを形成することがあり、このようなフィルムの厚さ、又は幅に対して垂直な方向への延びは、金属表面上で大きく異なる場合がある。表面汚染物質は、炭化水素含有物質に加えて、他の汚染物質を含み得る。
【0021】
図1bにおいて、液剤2の液滴は、それぞれ、炭化水素含有物質3の層に衝突するか、静かに配置される。液体活性剤2が、表面1a上に存在する特定の炭化水素含有物質を変位させることができる場合、これは、図1cに概略的に示されるように、表面汚染物質を局部的に横に押しのける。炭化水素含有物質は、図1dに概略的に示されるように、衝突領域から、少なくとも部分的に除去され、液剤3の薄い残留物のフィルムが、このような衝突領域に取り残されることが想定される。
【0022】
図1a〜1dの図式的表示は高度に概略的であり、決して限定的ではなく、例示的であることが意図される。本発明者らは、このような理論に束縛されることを意図しないが、液体活性剤2は、金属表面1a上の特定の炭化水素含有物質3を変位させるために好適である場合、汚染された金属表面1aにそれぞれ、衝突するか、又は静かに配置されるとき、炭化水素含有物質3を少なくとも部分的に溶解させるか、及び/又はこれは、炭化水素含有物質3の層中に素早く拡散することが推測される。これは炭化水素含有物質の表面張力を局部的に低減させる結果を少なくとも部分的に生じ、したがって、液滴が分散することを可能にし(図1b及び図1cに概略的に示されるように)、これによって炭化水素含有物質及び液体活性剤2自体を衝突領域から外側に押す(図1d)ことが更に想定される。汚染された金属表面1a上の、特定の炭化水素含有物質3を変位させることのできる好適な液剤2の場合、炭化水素含有物質3のフィルムは、少なくとも部分的に破裂する。破裂する表面フィルムは、液体活性剤2を伴って運び、これは炭化水素含有物質を変位させる効果を更に伝播する。
【0023】
炭化水素含有物質を変位させることができる液体活性剤の1つ以上の液体化合物は、好ましくは、35mN/m未満、より好ましくは33.5mN/m未満、及び特に好ましくは32.5mN/m未満の表面張力を有することが、本発明者らによって見出された。液体活性剤は、より好ましくは、室温で液体であり、18〜35mN/m、より好ましくは19.5〜33.5mN/m、及び特に好ましくは20.0〜32.5mN/mの表面張力を有する、炭化水素含有物質を変位させることができる、1つ以上の化合物を含む。液体活性剤及びこれに含まれる構成成分の表面張力は、例えば、「Surface tension:Pendant Drop Shape Analysis」,F.K.Hansen,G.Rodsrun,J.Coll.& Inter.Sci.,141(1991),1〜12)に明記される、いわゆるペンダント液滴法(また、ペンダント液滴形状分析法とも称される)によって測定される。
【0024】
上記とは別に、炭化水素含有物質を変位させることができる、液体活性剤の1つ以上の化合物は、好ましくは、10cal0.5cm−3/2未満の溶解度パラメータを呈する。溶解度パラメータは、好ましくは、van Krevelen,D.W.,「Properties of Polymers:Their Correlation with Chemical Structure:Their Numerical Estimation and Prediction from Additive Group Contributions,4th Ed.,1990,Elsevier:Amsterdam,The Netherlands,pp.200〜225に開示される方法を使用して、ChemSW,Inc.,Fairfield,CA,U.S.A.から入手可能なMolecular Modeling Pro softwareで算出される。好ましくは、炭化水素含有物質を変位させることができる、1つ以上の化合物は、7.0〜11cal0.5cm−3/2、より好ましくは、7.2〜10.8cal0.5cm−3/2、特に好ましくは7.5〜10.0cal0.5cm−3/2の溶解度パラメータを有する。液体活性剤の溶解度パラメータが、7.0cal0.5cm−3/2未満である場合、これは炭化水素含有物質を溶解しないことがあり、液体活性剤の溶解度パラメータが11.0cal0.5cm−3/2を超える場合、これは同様に炭化水素含有物質を溶解しないことがある。
【0025】
より具体的には、炭化水素含有物質を変位させることができる液体活性剤の1つ以上の化合物は、好ましくは、10cal0.5cm−3/2未満の溶解度パラメータ、及びペンダント液滴法によって測定した際に35mN/m未満の表面張力を呈する。より好ましくは、このような化合物は、7〜11cal0.5cm−3/2、より好ましくは、7.25〜10.75cal0.5cm−3/2、及び特に好ましくは、7.5〜10.5cal0.5cm−3/2の溶解度パラメータ、ペンダント液滴法によって測定される際に18〜35mN/m、より好ましくは19.5〜34mN/m、特に好ましくは、20.0〜33.5mN/mの表面張力を呈する。
【0026】
液体活性剤は、好ましくは、炭化水素含有物質を変位させることができる1つ以上の化合物を含み、これが、特定の汚染された金属表面に関して、活性剤が炭化水素含有物質の表面張力よりも低い表面張力を有するように選択されることが、本発明者らによって更に見出された。鉱油などの、室温で液体である炭化水素含有物質の表面張力は、上記で言及したペンダント液適法によって決定され得る。乾燥潤滑剤などの、室温で固体である炭化水素含有物質の表面張力は、接触角法により、ASTM C813−90(1994)e1に従って決定することができる。
【0027】
特定の炭化水素含有物質について、液体活性剤は、好ましくは、金属表面上の炭化水素含有物質の表面張力が、液体活性剤の表面張力を、少なくとも2.5mN/m、より好ましくは少なくとも3.5mN/m、及び特に好ましくは4.0mN/m上回るように選択されることを、本発明者らは見出した。
【0028】
上記とは別の、金属表面上の特定の炭化水素含有物質を変位させることができる化合物は、下記の試験の節に記載される、炭化水素含有物質の変位の決定のための試験を適用することによって選択することができる。試験される化合物の特定の体積の液滴が、検討される炭化水素含有物質で汚染された、各表面上に静かに堆積される。金属表面上の炭化水素含有物質上の液滴の効果は、裸眼で観察される。炭化水素含有物質を変位させることができる液体活性剤化合物は、素早く拡散し、液滴の中央における拡散及び薄化の周辺に「波」を形成する傾向にある。素早く拡散する液滴を上方から観察すると、これは、多くの場合本質的に円形の形状を有さず、むしろ周辺に何らかのフィンガリングを呈する。本発明における液体活性剤化合物として好適な化合物は、好ましくは、炭化水素含有物質の変位の決定のための試験において評価した際に、20mmの広がりを有する点まで、75秒未満、より好ましくは60秒以下、更により好ましくは40秒以下、及び特に好ましくは20秒以下で拡散する傾向にあることを、本発明者らは見出した。このような化合物はまた、上記及び下記において、特定の汚染された表面に関して、炭化水素含有物質の変位を決定するための試験に合格する化合物と称される。これに対して、液体活性剤化合物として好適でない化合物は、拡散しないか、又はこのような炭化水素含有物質の変位を決定するための試験において評価した際に遥かに遅いか、及び/若しくは遥かに低い度合いで拡散する、厚いレンズを形成する。
【0029】
本発明者らは、本発明による金属表面上の炭化水素含有物質を変位させるために有用な化合物を選択するために、上記の基準を作成した。これらの基準に基づき、当業者は、容易に、かつ不必要な実験の努力なくして、好適な液体活性剤を決定及び最適化することができる。
【0030】
一般的に、有用な液体活性剤化合物は、脂肪族及び芳香族炭化水素、アルキルエステル、アルキルエーテル、アリールエステル、アリールエーテル、アルキルアルコール、グリコール、及びグリコールエーテルを含む、化合物の部類から選択されてよい。特に有用な液体活性剤化合物は、7〜11個の範囲の炭素数を有するn−アルコール、脂肪酸エステル、6〜16個の範囲の炭素数を有するn−アルカン、テルペン、例えば、リモネン、α−ピネン、i−ピネン、酸化テルペン、例えば、1,8−シネオール、酸化リモネン、酸化α−ピネン(ただし、酸化β−ピネンを除く)、1〜10個の炭素を有する分岐又は非分岐炭素鎖を有するグリンジルエーテル、例えば、2−エチルヘキシル(ethyhexyl)グリシジルエーテルを含む化合物の群から選択され得る。炭化水素含有物質を変位させることができる化合物は、表面張力の測定、溶解度パラメータの算出、及び/又は炭化水素含有物質の変位の決定のための試験の実施に基づいて先に記載された指針を適用することにより、これらのより広範な部類から選択される。
【0031】
本発明で有用な液体活性剤化合物は、n−ヘプタン、n−デカン、n−ドデカン、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、1,8−シネオール、酸化リモネン、酸化α−ピネン、1−オクタノール、n−デカノール、2−エチルヘキシルグリシデルエーテル、乳酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸メチル、マレイン酸ジブチル、アジピン酸ジブチル、1,2,3,4テトラヒドロナフタレン、及び3M Citrus Base Cleaner(3M Deutschland GmbH,(Neuss、Germany)から市販されている)を含む群から選択された、1つ以上の液体油変位剤を含むことが、特に見出された。
【0032】
本発明者らは、このような説明により、いかようにも束縛されることを意図しないが、観察される炭化水素含有物質の変位現象は更に、例えば、Marangoni,C.,「Uber die Ausbreitung der Tropfen einer Flussigkeit auf der Oberflache einer anderen」,Ann.Phys.,143(1871),337、Davis,S.H.,「Thermocapillary Instabilities」,Ann.Rev.Fluid Mech.,14(1987),403、及びFanton,X.,Cazabat,A.M.,「Spreading and Instabilities Induced by a Solutal Marangoni Effect」,Langmuir,14(1998),2554.に記載される、いわゆる、マランゴニ効果の観点から、更に理論的に説明され得ることが更に推測される。
【0033】
液体活性剤構成成分は好ましくは、室温で液体であり、炭化水素含有物質を変位することができる、1〜4つ、及びより好ましくは1〜3つの化合物を含む。液体活性剤構成成分は、例えば、腐食防止剤、紫外線蛍光剤添加物、及び接着促進剤などの、他の化合物を含むことができる。炭化水素含有物質を変位することができる1つ以上の化合物の量は、液体活性剤の質量に対して、好ましくは少なくとも90.0重量%、及びより好ましくは少なくとも95.0重量%である。
【0034】
腐食防止剤は、例えば流体に添加される場合、このような流体に曝露されたときに金属又は合金の腐食速度を低減させる化合物である。本発明において有用な腐食防止剤の例としては、Caイオン交換されたシリカゲルを含むシリカゲル、例えば、SHIELDEX AC5(Grace Davison,Columbia,MD/U.S.A)、合成非晶質シリカ、水酸化カルシウム混合物、又は腐食防止剤、例えば、Ciba Sarkosyl O(CIBA,GmbH,Germanyから入手可能)、N−アシルサルコシンが挙げられる。
【0035】
本発明において好適な紫外線蛍光添加物は、紫外腺スペクトルの光を吸収し、可視スペクトルの青色領域の光を放射する。蛍光増白剤としても周知のこのような化合物は、例えば、Uvitex OB、及びUvitex OB−One(CIBA)、又はHostalux(Clariant)、Hostalux KS、Hostalux KS1、及びHostalux KSBとして市販されている。
【0036】
接着促進剤は、表面コーティングと基材との間の結合強度を向上させるために基材に適用される。本発明において好適な接着促進剤の例としては、例えば、SILANE Z−6040(Dow−Corning,Seneffe,Belgium)、γ−グリシドキシプロピル−トリメトキシシランなどのシランが挙げられる。本明細書において有用な更なる接着促進剤は、不飽和部分が存在するビニル又はアリル基の一単位を有する、リン酸のモノエステル、ホスホン酸及びリン酸のモノ及びジエステルを有するリン含有化合物である。この基の好ましい接着促進剤は、2−ヒドロキシエチルメタクリレートホスフェート(HEMAホスフェート)である。
【0037】
液体活性剤構成成分は、腐食防止剤、紫外線蛍光添加物、及び接着促進剤を含む群から選択された、1つ以上の添加物を含んでもよい。液体活性剤構成成分が、これらの添加物の1つ以上を含む場合、これらは好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは、0.01〜8重量%、及びより好ましくは0.1〜5重量%の量で存在する。
【0038】
液体活性剤は、炭化水素含有物質の表面汚染物質を含む金属表面に、直接適用される。液体活性剤は、好ましくは、噴霧、スクリーン印刷、タンポン印刷、インクジェット印刷、又はカーテンコーティングなどの様々な技術を使用して、汚染された表面に適用することができる。特に好ましいのは、噴霧、インクジェット印刷、カーテンコーティングなどの、非接触適用技術である。
【0039】
液体活性剤は、下記の構造用接着剤に結合される、金属表面の領域から炭化水素含有物質の表面汚染物質を変位させるために十分な量で適用される。必要とされる量は、金属表面上の炭化水素含有物質の化学組成及び量によって変化し、図1a〜1dに関連して先に記載されたように、炭化水素含有物質における変位効果を観察することによって視覚的に決定することができる。したがって、金属表面上の炭化水素含有物質のフィルムが、それぞれ、大部分において、若しくは本質的に完全に変位された場合、及び/又は表面上に薄く湿ったフィルムを取り残して、指定された結合領域で破裂した場合、実際的な要件を通常満たす量の液体活性剤が適用されたのだということを、発明者らは見出した。薄く湿ったフィルムは、液体活性剤構成成分を大部分において含むことが見出された。例えば、車体製造において典型的な値である、約2〜4gm−2の量の潤滑油で汚染された金属表面には、好適な液体活性剤が、典型的に、5〜100gm−2、より好ましくは7.5〜60gm−2、及び特に好ましくは7.5〜40gm−2の量で適用されることが見出された。5gm−2未満の量での液体活性剤構成成分の使用は、典型的には、金属表面を汚染する炭化水素含有物質の十分な変位を生じない。液体活性剤構成成分の、100gm−2を超える超過量での適用は、主に、経済的配慮のために望ましくない。金属表面への構造用接着剤の結合強度に対する悪影響は、構造用接着剤の前駆体の適用時に、超過の液体活性剤が、指定された結合領域から横方向に押し出されるために、典型的には観察されない。
【0040】
本発明は、最も好ましくは、構造用接着剤に結合される、指定された金属表面領域(この指定された表面領域は炭化水素含有物質で汚染されている)を有する少なくとも1つの基材を含む、アセンブリと関連して使用される。液体活性剤のこのような金属表面領域への適用は、炭化水素含有物質の変位に影響し、汚染された表面領域が、液体活性剤で処理されていないアセンブリと比較して、非常に有利な特性及び高い平均剥離力を有する硬化したアセンブリを生じる。必要であれば、液体活性剤がまた、汚染していない指定された表面領域、又は指定された表面領域の部分にそれぞれ適用されてもよく、これは、例えば加工の観点から有利であり得る。汚染していない表面領域、又は部分への液体活性剤の適用は、生じるアセンブリの特性に悪影響を及ぼさない。これは本発明に可撓性及び汎用性を提供し、これは非常に有利である。
【0041】
本発明の構造用接着剤の前駆体は、架橋性ポリマー、並びに、これが熱及び/又は化学線によって硬化される場合は有効量の硬化構成成分を含む。
【0042】
架橋性構成成分は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノプラスト樹脂、シアネート樹脂、アルキド樹脂、アリル樹脂、シリコーン、アクリル樹脂、又はポリウレタン樹脂からなる群から選択された1つ以上のポリマーを含み得る。
【0043】
架橋性ポリマー構成成分は、好ましくは、1つ以上のエポキシ樹脂に基づく。用語「エポキシ樹脂」は、1分子当たり、少なくとも2つ以上、より好ましくは少なくとも2つのエポキシ官能基を含有する、単量体、二量体、オリゴマーの、又はポリマーのエポキシ材料のいずれかを意味するものとして、本明細書で使用される。このような化合物は、モノマーのエポキシ化合物及びポリマー型のエポキシドを包含し、脂肪族、脂環式、芳香族、又は複素環式であり得る。モノマー及びオリゴマーエポキシ化合物は、1分子当たり、好ましくは2つ以上、好ましくは1〜4つの重合可能なエポキシ基を有する。ポリマー型のエポキシド、又はエポキシ樹脂には、多くのペンダントエポキシ樹脂が存在し得る(例えば、グリシジルメタクリレートポリマーは、平均分子量当たり、数千個のペンダントエポキシ基を有する場合がある)。オリゴマーのエポキシド、及び特に、ポリマーエポキシ樹脂が好ましい。
【0044】
エポキシ含有物質の分子量は、例えば約100〜の分子量を有する低分子量のモノマー又はオリゴマー物質から、約50,000以上の分子量を有するポリマー樹脂まで変化することがあり、これらの主鎖及び置換基の性質において大きく変化することがある。例えば、主鎖は任意の種類であってよく、その置換基はオキシラン環と反応する、求核基又は求電子基(活性水素原子など)を有さない任意の種類であり得る。許容可能な置換基の例は、ハロゲン、エステル基、エーテル、スルホネート基、シロキサン基、カルボシラン基、ニトロ基、アミド基、ニトリル基、ホスフェート基などである。様々なエポキシ含有化合物の混合物がまた、エポキシ構成成分に使用され得る。エポキシ構成成分は、好ましくは、特定の要件に関連して、架橋された構造用接着剤の機械的特性を修正し、適合させるために、2つ以上のエポキシ樹脂の混合物を含む。
【0045】
使用され得るエポキシ樹脂の種類としては、例えば、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの反応生成物、フェノールとホルムアルデヒド(ノボラック樹脂)とエピクロヒドリンの反応生成物、過酸エポキシ、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、エピクロロヒドリンとp−アミノフェノールの反応生成物、エピクロロヒドリンとグリオキサールテトラフェノールの反応生成物などが挙げられる。
【0046】
本発明の構造用接着剤の前駆体において特に有用なエポキシドとしては、以下の一般式のグリシジルエーテルエポキシドが挙げられる。
【0047】
【化1】

【0048】
式中、
R’は、アルキル、アルキルエーテル、又はアリールであり、
nは、1より大きく、特に1〜4の範囲である。
【0049】
式(I)の好ましいグリシジルエーテルエポキシとしては、ビスフェノールA及びF、脂肪族又は脂環式ジオールのグリシジルエーテルが挙げられる。式(I)のグリシジルエーテルエポキシドは、好ましくは、約170〜約10,000、好ましくは約200〜約3,000g/モルの範囲の分子量を有する。
【0050】
式(I)の有用なグリシジルエーテルエポキシドとしては、末端エポキシ基(例えば、ポリオキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル)を有する、直鎖状ポリマーのエポキシドが挙げられる。二価フェノールを過剰なエピクロロヒドリンと反応させて準備されたものなどの芳香族グリシジルエーテルが更に好ましい。有用な二価フェノールの例としては、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、及びp,p’−ジヒドロキシジベンジル、p,p’−ジヒドロキシフェニルスルホン、p,p’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシフェニルスルホン、p,p’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−1,1−ジナフチルメタンを包含する多核フェノール、並びにジヒドロキシジフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルジメチルメタン、ジヒドロキシジフェニルエチルメチルメタン、ジヒドロキシジフェニルメチルプロピルメタン、ジヒドロキシジフェニルエチルフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルプロピレンフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルブチルフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルトリルエタン、ジヒドロキシジフェニルトリルメチルメタン、ジヒドロキシジフェニルジシクロヘキシルメタン、及びジヒドロキシジフェニルシクロヘキサンの2,2’、2,3’、2,4’、3,3’、3,4’、及び4,4’異性体類が挙げられる。
【0051】
本発明の構造用接着剤の前駆体に有用な市販の芳香族及び脂肪族エポキシドの例としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(例えば、Hexion Speciality Chemicals GmbH,Rosbach,GermanyからEPON828、EPON 1001、EPON 1310及びEPON 1510の商標名にて入手可能、Dow Chemical Co.からDER−331、DER−332、及びDER−334の商標名にて入手可能);ビスフェノールFのジグリシジルエーテル(例えば、Dainippon Ink and Chemicals,Inc.から入手可能なEPICLON 830)、ジグリシジルエポキシ官能性部を含有するシリコーン樹脂;難燃剤エポキシ樹脂、並びに難燃性エポキシ樹脂(例えば、Dow Chemical Co.から入手可能な臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂であるDER 580);1,4−ジメタノールシクロヘキシルジグリシジルエーテル及び1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルが挙げられる。ビスフェノールをベースにしたその他のエポキシ樹脂は、商標名D.E.N.、EPALLOY、及びEPILOXにて市販されている。
【0052】
本発明において有用な接着剤に基づく構造エポキシは、米国特許第6,486,256号、及びPCT国際公開特許WO第94/00527号において更に開示される。
【0053】
エポキシドを硬化するために好適な、熱活性化可能な硬化化合物としては、ポリカルボン酸無水物、ジシアンジアミド、一級又は二級アミン、アミンの錯体、例えば、三フッ化ホウ素又は三塩化物を有するエチルアミン及びトリメチルアミン、芳香族ポリアミン、例えば、ビス(p−アミノフェニル)メタン、並びにイミダゾール、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール及び2−フェニールイミダゾールが挙げられる。
【0054】
エポキシ樹脂を硬化するために、好ましい熱活性化可能な硬化剤としては、一級又は二級アミンが挙げられるが、一級アミンが好ましい。アミンは、脂肪族、脂環式、芳香族、又は1つ以上のアミノ部分を有する芳香族構造体であってもよい。好適な熱活性化可能なアミン硬化剤の例としては、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレン−ジアミンなどが挙げられる。好ましくは、硬化剤は、ポリプロピレンオキシド又はポリエチレンオキシドから誘導され得るようなポリエーテルアミンを含む、1つ以上のアミン部分を有するポリエーテルアミンである。
【0055】
潜在的に熱活性化可能な硬化構成成分を使用することもまた可能である。用語「潜在的」とは、硬化性構成成分が室温において本質的に非反応性であるが、エポキシ硬化反応の開始温度を一度超えると、急速に反応して硬化を生じることを意味する。硬化化合物の潜時は、好ましくは、溶剤効果に基づき、硬化化合物の活性は、例えば、結晶化度、溶解度、又はカプセル化によって調節することができる。エポキシ樹脂を硬化するために好適な結晶性硬化化合物は、例えば、Air Products(Manchester,U.K)から、Ancamine(商標)A2337XS、及びA2014Gとして市販されている。
【0056】
エポキシ樹脂のための、熱活性化可能な硬化性構成成分を使用する場合、より低い温度で、及び/又はより短い時間で構造性接着剤を架橋するために、1つ以上の促進剤を熱活性化可能な硬化性構成成分に加えることが有益であり得る。好ましい促進剤化合物としては、イミダゾール、イミダゾール塩、又はイミダゾリンが挙げられる。好ましいイミダゾール促進剤としては、例えば、2,4−ジアミノ−6−(21−メチル−イミダゾール(imidazoyl)−エチル−s−トリアジンイソシアヌレート、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、又はニッケル−イミダゾール−フタレートが挙げられる。
【0057】
好ましい促進剤の別の部類としては、芳香族三級アミン、例えば、Air Products Chemicals Europe B.Vから、ANCAMINE K54として市販されている、トリ−2,4,6−(ジメチルアミノメチル)フェノールが挙げられる。
【0058】
アクリル系構造用接着剤は、典型的に、1つ以上のオレフィン反応性モノマー、例えば、低級アルキル(メタ)アクリレート、及び−(メタ)アクリル酸、強化剤、並びに硬化系を含む。反応性ポリマー、例えば、不飽和ポリエステル、又はアクリルウレタン(acrylourethane)プレポリマー、又はアクリレートゴムは、モノマーと共重合され得る。エポキシ樹脂が任意に含まれて、改善された耐熱性を付与する。好適なアクリル構造用接着剤は、例えば、米国特許第6,180,199号、同第6,255,408号、及び米国特許出願公開第2004/229,990号に開示される。
【0059】
アクリル系構造用接着剤において有用な、好適な放射線活性化可能な硬化構成成分としては、カチオン性重合を生じるもの、例えば、メタロセン塩、及び芳香族オニウム塩が挙げられる。有用なメタロセン塩硬化性構成成分は、例えば、米国特許第5,089,536号、同第5,059,701号、及び欧州特許公報第0,109,851号に開示される。有用な市販のカチオン性光開始剤としては、FX−512、芳香族スルホニウム錯塩(3M Company)、UVI−6974、芳香族スルホニウム錯塩(Union Carbide Corp.)、及びIRGACURE 261、メタロセン錯塩(Ciba Specialty Chemicals)が挙げられる。
【0060】
アクリル構造用接着剤のための好適な硬化系はまた、米国特許出願公開第2004/229,990号の節[0059]〜[0068]に記載され、これらの節は参照により組み込まれる。
【0061】
架橋性ポリウレタンプレポリマーは、過剰な多官能性イソシアネートと、多官能性アルコール、例えば、ポリエーテル又はポリエステルポリオールを反応させること。ポリウレタンプレポリマーの準備において、アルコール構成成分のヒドロキシル基の、多官能性イソシアネートのイソシアネート基に対する割合が重要である。米国特許第5,128,423号に開示されるように、ヒドロキシル基に対する、より多量の過剰なイソシアネート基は、一般的に粘性の低減を生じる。
【0062】
架橋性ポリウレタンは、水分硬化性、又は熱硬化性の一部系として提供され得る。米国意匠特許第29 46 085号、同第25 42 500号、及び同第29 29 224号は、熱硬化性一部型ポリウレタン樹脂を開示し、これは、遊離イソシアネート基を、ブロック剤、例えば、フェノール、カプロラクタム、ケトオキシム、及びマロン酸エステルと反応させることである。米国意匠特許第30 19 356号は、潜在的な硬化剤、例えば、アルジミン、又はオキサゾリジンを含む、熱活性化可能なポリウレタン樹脂を開示する。好適なオキサゾリジンは、例えば、米国特許第5,128,423号に開示される。
【0063】
架橋性ポリウレタン樹脂はまた、二部系として提供することができ、これは、水分の手段ではなく、これを例えば、ジアミン、ジオール、又はアミノアルコールなどの硬化剤を含む第2構成成分と混合する手段により硬化される。
【0064】
架橋を生じるために放射線硬化系が使用される場合、このような硬化系は、合計で、構造用接着剤の前駆体の全質量に対し、好ましくは、0.001〜5重量%、及びより好ましくは、0.1〜2重量%となる。放射線硬化性硬化系は、好ましくは、1〜3つ、より好ましくは、1つの放射線硬化性硬化化合物を含む。
【0065】
架橋を生じるために熱活性可能な硬化系が使用される場合、このような系は、合計で、構造用接着剤の前駆体の全質量に対し、好ましくは、2〜50重量%、及びより好ましくは、3〜45%となる。熱活性化可能な硬化系は、好ましくは、1〜3つ、より好ましくは、熱活性化可能な硬化性構成成分を含む。構造用接着剤の前駆体は、補助剤、例えば、反応性希釈剤、顔料、及び充填剤を更に含み得る。
【0066】
反応性希釈剤を添加して、前駆体組成物の流れ特性を制御することもできる。好適な希釈剤は、少なくとも1つの反応性末端部分、及び好ましくは飽和又は不飽和の環状主鎖を有することができる。好ましい反応性末端部は、エーテル部分、例えば、特にグリシジルエーテルを含む。好適な希釈剤の例としては、レゾルシノールのジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテルが挙げられる。市販の反応性希釈剤は、例えば、Hexionからの「Reactive Diluent 107」又はAir Products and Chemical Inc,Allentown,PA,USAからのEpodil 757である。
【0067】
充填剤としては、促進剤、腐食防止剤、レオロジー制御剤、顔料、着色剤、酸化防止剤、難燃剤が挙げられ、組成物の重量又は費用を削減するか、粘性を調節するか、追加的な補強を提供するか、又は前駆体の他の特性を制御する。放射線硬化プロセス(1つ又は複数)の間に供給される放射線を吸収することができる充填剤などが、硬化プロセスに悪影響を及ぼさない量で使用されるべきである。充填剤としては、シリカゲル;Caシリケート;ホスフェート;モリブデン酸塩;ヒュームドシリカ;ベントナイト又はウォラストナイト、有機粘土などの粘土;アルミニウム三水和物類;中空ガラス微小球;中空高分子微小球及びカルシウムカーボネートを挙げることもできる。市販されている充填剤は、例えば、SILANE Z−6040(DOW−Corning,Seneffe,Belgium);γ−グリシドキシプロピル−トリメトキシシラン;SHIELDEX AC5(Grace Davison,Columbia,MD/USA)、合成非晶質シリカ、水酸化カルシウム混合物;CAB−O−SIL TS 720(Cabot GmbH,Hanau,Germany);ポリジメチルシロキサンポリマーで処理された疎水性ヒュームドシリカ;ガラスビーズ・クラスIV(250〜300マイクロメートル):Micro−billes de verre 180/300(CVP S.A.,France);ガラスバブルK37(3M Deutschland GmbH,Neuss,Germany):非晶質シリカ;MINS(登録商標)IL SF20(Minco Inc.,510 Midway,Tennessee,USA):非晶質、溶融シリカ;APYRAL24 ESF(Nabaltec GmbH,Schwandorf,Germany)、エポキシシラン官能化(2重量%)アルミニウム三水和物、TIONA 568である。
【0068】
このような接着剤の量は、構造用接着剤の質量に対して、0〜50重量%、より好ましくは0〜15重量%であってよい。放射線硬化プロセス(1つ又は複数)の間に供給される放射線を吸収することができる充填剤などが、利用される場合は放射線活性化硬化プロセスに悪影響を及ぼさない量で使用されるべきである。
【0069】
本発明において使用される構造用接着剤の前駆体は、一部型又は二部型組成物であってよい。二部型組成物の場合、前駆体の第一部分Aは架橋性ポリマー構成成分を含み、前駆体の別個の部分Bは、熱又は放射線硬化性硬化構成成分を含む。前駆体は、2つの部分を互いに混合することによって準備される。
【0070】
二部型前駆体、特に熱硬化性であるものは、例えば、より長い貯蔵寿命など、様々な利点を有する。混合は、好ましくは、即時使用に先立って実施される。まず構成成分を一緒に混合し、熱硬化に先立って室温で硬化させることが可能である。
【0071】
本発明のアセンブリは、構造用接着剤の前駆体が後に取り付けられる少なくとも1つの基材の金属表面の指定された領域(基材の指定された結合領域)を、好適に選択された液体活性剤構成成分で処理することである。液体活性剤構成成分は、例えば、上記の金属表面上の炭化水素含有物質の変位を生じるために十分な量での噴霧など、様々な技術によって、表面に適用され得る。
【0072】
構造用接着剤の前駆体は、金属表面上に存在する炭化水素含有物質の変位を生じる液体活性剤の適用の直後に、金属表面に適用され得ることが、発明者らによって見出された。例えば、構造用接着剤の前駆体の適用の前に結合領域を乾燥させることは、必要でないことが、本発明者らによって見出された。
【0073】
これは有利であり、以下の図2及び図3に概略的に示される、本発明のアセンブリを製造する、単純で連続的な工程を可能にする。
【0074】
液体活性剤で処理される指定された結合領域に、構造用接着剤の前駆体を適用するとき、活性剤の部分が横方向に押し出されることがある。本発明者らは、このような理論に束縛されることを意図しないが、液体活性剤での処理の後に指定された表面領域に存在する液体フィルム(このフィルムは大部分において液体活性剤を含む)は、前駆体の中に溶解及び/又は拡散することがあり、それによって、液体活性剤は、基材表面と構造用接着剤との間の界面領域において、構造用接着剤のバルクと比較して、より高い濃度で存在し得ることが推測される。
【0075】
アセンブリが1つの基材のみを含む場合、構造用接着剤の前駆体は、好ましくは後に、典型的には熱及び/又は化学線、例えば紫外線の適用により、水分硬化性前駆体の場合には、環境湿度への曝露により、硬化される。硬化性構造用接着剤は、例えば、封止層、又は保護層を提供してもよい。
【0076】
アセンブリが2つの基材を含む場合、第2の基材は構造用接着剤の前駆体に取り付けられて、接着剤で結合されたアセンブリを提供する。第2基材は、任意の種類であり、例えばポリマー、コンクリート、木、ガラス、又は金属基材から選択されてよく、ここで用語金属基材とは、先に記載されたように、広義において理解される。第2基材は、好ましくは金属基材であり、構造用接着剤に結合された指定された表面領域を含み、このような指定された表面領域、又は結合領域は1つ以上の金属を含む。第2基材の指定された結合領域は、必要により、上記のように、液体活性剤で、これを接着剤の前駆体に適用する前に処理されてもよい。
【0077】
構造用接着剤の前駆体が放射線硬化性である場合、硬化反応は、好ましくは、まず前駆体を照射することによって開始され、そしてその後第2基材が、部分的に硬化した前駆体に適用される。基材の一方が、例えば、ガラスであり、したがって紫外線透過性である場合、第2基材はまた、まず前駆体上へと組み立てられてもよく、硬化はまた、アセンブリをこのような基材を通じて紫外線によって照射することにより、後にもたらされてもよい。熱活性化可能な前駆体の場合、第2基材は、好ましくは、熱を適用して前駆体の硬化を開始する前に、前駆体に適用される。
【0078】
硬化反応の間、及び任意にまたその前に、基材と構造用接着剤との間の良好な結合の形成を確実にするために、好ましくは基材に圧力が適用される。適用される圧力は、好ましくは、0.01〜3N/mmである。硬化時間は、硬化条件及び構造用接着剤の化学的性質により変化するが、典型的には数秒〜数日である。
【0079】
必要であれば、第2基材が取り付けられるかどうかにかかわらず、構造用接着剤に更なる層が適用されてもよい。
【0080】
本発明の方法によって得られるアセンブリは、非常に有利な特性を呈する。これは、特に、少なくとも1つの基材が構造用接着剤の前駆体及び硬化した接着剤に、それぞれ結合される、指定された金属表面領域(これは結合前に炭化水素含有物質で汚染している)を含むアセンブリにおいては驚くべきことである。
【0081】
1つの基材を含むアセンブリは、構造用接着剤と基材の金属表面との間で強い結合を呈し、これらは、例えば、ともに平滑及び審美的に魅力的であり、傷付きにくい、機械的に非常に安定な封止及び保護層、又はコーティング層を提供する。
【0082】
前駆体及び硬化した接着剤によって結合された指定された金属表面領域をそれぞれ含む2つの基材を使用して得られるアセンブリは、それぞれ、好ましくは、150N/25mm超、好ましくは160N/2mm超、及び最も好ましくは180N/25mm超の、高いT−剥離強度を呈する。このようなアセンブリでは、硬化した接着剤は、好ましくは凝集破壊メカニズムと、好ましくは少なくとも20MPaの重複剪断強度値によって示される高い結合力とを示す。
【0083】
本発明のアセンブリに存在する硬化した接着剤は、好ましくは、動的くさび衝撃法(DWI)によって測定した際に、少なくとも13J、好ましくは少なくとも15J、より好ましくは少なくとも18J、最も好ましくは少なくとも20Jの高い破壊耐性を有する。
【0084】
硬化した接着剤は、更に、良好な、又は改善された耐老化性を有し得る。
【0085】
このような非常に有利な特性を有するアセンブリは、構造用接着剤の前駆体、及び硬化した接着剤に結合される指定された金属表面領域をもった少なくとも1つの基材を使用し、このような指定された結合領域が、結合の前に炭化水素含有物質で汚染している場合、先行技術では利用不可能であった。
【0086】
本発明のアセンブリは、したがって、例えば、潤滑剤、高性能鉱油、深絞り剤などによって処理された金属基材が結合される必要がある、自動車の車体の製造において、非常に望ましい。
【0087】
本発明のアセンブリは、図2のアプリケータ装置20を使用して有利に作製することができ、これは、基材1の金属表面1aに対して、液体活性剤を連続的に又は非連続的に適用するための第1適用ユニット5、及び構造用接着剤の前駆体4を連続的に又は非連続的に適用するための第2適用ユニット7を含む。アプリケータ装置20は、基材1の金属表面1aに対して、矢印の方向に移動可能である。金属表面1aは、炭化水素含有物質3の層で汚染されている。第2適用ユニット7は、アプリケータ装置20の動きの方向に対して、第1適用ユニット5の後方に配置されており、それによって液体活性剤組成物2が、構造用接着剤の前駆体4が押出ダイ8によって適用される前に、ノズル6を通じて炭化水素含有物質3の層上へと噴霧される。したがって、炭化水素含有物質はまず、上記の図1a〜1dに概略的に示されるメカニズムによって、結合領域から変位される。次に構造用接着剤の前駆体4が、典型的に、大部分において液体活性剤組成物2を含む薄いフィルムによって被覆された金属表面1aの、処理された湿った結合領域に適用される。
【0088】
図2の適用装置20は、必要であれば、1つ以上の更なる層を構造用接着剤の前駆体4の上に適用する、更なる適用ユニットを含んでもよい。図3のアプリケータ装置20は、更なる適用ユニット5aを含み、これは、アプリケータ装置20の動きの方向に対して、第2適用ユニット7の後方に配置されており、それによって液体活性剤2aがノズル6aを通じて、構造用接着剤の前駆体の層上へと噴霧される。特に、炭化水素含有物質3で汚染している場合のある第2の基材が、第2基材の結合表面のいかなる更なる前処理をも必要とすることなく、液体活性剤2aの曝露された表面に直接取り付けられ得ることが見出された。構造用接着剤を狭持する2つの基材を含む、硬化の際に得られる生じるアセンブリは、非常に有利な特性、及び特に、高い平均剥離力を呈することが見出された。図3のアプリケータは、例えば、車体の製造において使用される、自動工業製造プロセスに有利に組み込まれてもよい。
【0089】
本発明において有用なアプリケータの別の実施形態は、アプリケータ装置20の動きの方向に対して、第2接着剤アプリケータユニット7の後方に配置される硬化ユニットを含み、即時に前駆体4の硬化をもたらしてもよく、放射線硬化性前駆体4の場合、このような追加の硬化ユニットは、好ましくは、例えば照射ユニットを含む。このような配置は、1つの基材のみを含むアセンブリの製造において、特に有用である。
【0090】
図2及び図3に示されるプロセスは、単に例示であって、決して限定ではない。液体活性剤2、2a、及び構造用接着剤の前駆体4を提供する適用ユニット5、5a、7は、例えば、別個の未接続のユニットによる場合がある。
【0091】
以下の実施例及びデータは、更に、本発明を例示するが、いかなる形態においても本発明を限定するものではない。上記及び下記において、用語「液体」とは、特に記載のない限り、室温(20℃)での液体を意味する。
【実施例】
【0092】
用いられる材料:
【0093】
【表1】

【0094】
【表2】

【0095】
【表3】

【0096】
D.構造用接着剤の前駆体(Adh)
構造接着剤1(Adh1)の前駆体の準備:二部型エポキシ接着剤
接着剤1は、表1に示される成分を使用して、A部とB部を1/4の比率で混合することによって作製された。混合は、DAC 150 FVZ Speed mixer(Hauschild Engineering,Germany)を使用して、3000rpmで1分間行われた。
【0097】
A部の準備:
TDD(アミン系硬化剤)を80℃まで加熱した。温度が100℃を超えないように、Epikote 828の少量部分を添加した。Ancamine K54を添加し、混合物を更に5分間攪拌した。高速度ミキサー(DAC 150 FVZ Speedmixer,Hauschild Engineering,Germany)を使用して、23℃にて1分間3000rpmにて撹拌しながら充填剤(例えば、Apyral 24ESF)を添加した。
【0098】
B部の準備:
エポキシ樹脂(Epon 828)及び反応性希釈剤Epodil 757を23℃にて撹拌しながら混合した。コア/シェル型ポリマーParaloid EXL 2600を少しずつ15分間撹拌しながら添加した。更に30分間撹拌した後、混合物を80℃まで加熱し、90分間保持した。溶液を室温まで冷却した。アセトアセトキシポリマー・K−Flex MX B301及び充填剤(例えば、Shieldex AC45)を続いて添加し、各々を23℃で添加した後、高速度ミキサー(DAC 150 FVZ Speedmixer,Hauschild Engineering)にて、3000rpmにて1分間撹拌して均質化させた。
【0099】
【表4】

【0100】
構造用接着剤2(Adh2)の前駆体:3M(Neuss,Germany)から、商標名SCOTCH−WELD(商標)DP 609で市販されている、2成分ポリウレタン接着剤
構造用接着剤3(Adh3)の前駆体:Dow(Germany)から、商標名DOW BETAMATE 1025Vで市販されている、一部型エポキシ構造用接着剤
E.基材及びアセンブリ
1.基材(パネルとも称される)
以下の基材が試験パネルとして使用された:
−スチールパネル(St−1):亜鉛めっきのスチールパネル(DC 04 ZE 50/50)(Thyssen Krupp,Germanyから入手可能)、厚さ0.9mm
−スチールパネル(St−2):亜鉛めっき、リン酸スチールパネル(Thyssen Krupp,Germanyから入手可能なDC 04 ZEP75/75)、厚さ0.8mm
−アルミニウムパネル(Al−1):TiZr表面層を有するアルミニウム(Alcanから入手可能なAC 170 TiZr)、厚さ1.1mm
−アルミニウムパネル(Al−2):1mmの厚さを有し、1.5g/mの密度において、Multidraw Dry Lube E1(Zeller+Gmelin)でコーティングされた、アルミニウムAA 6010−Alodine 2010
−アルミニウムパネル(Al−3):1.5mmの厚さを有し、1g/mの密度において、Dry Lube Houghto Draw DF521/AWFでコーティングされたアルミニウム(Hydro Aluminium GmbH,Germanyから入手可能)
−アルミニウムパネル(Al−4):1.5mmの厚さを有し、1g/mの密度において、Dry Lube Anticorit PL3802−39SXでコーティングされたアルミニウム(Hydro Aluminium GmbH,Germanyから入手可能)
−アルミニウムパネル(Al−5):1.5mmの厚さを有し、1g/mの密度において、Dry Lube Quaker EU−SSB 00287でコーティングされたアルミニウム(Hydro Aluminium GmbH,Germanyから入手可能)
−アルミニウムパネル(Al−6):1.5mmの厚さを有し、1g/mの密度において、Dry Lube Raziol Drylube WA03Tでコーティングされたアルミニウム(Hydro Aluminium GmbH,Germanyから入手可能)
2.炭化水素含有物質の基材(パネル)への適用
上記の150mm×25mm基材を、1:1のn−ヘプタン及びメチル−エチルケトンに少なくとも1時間浸漬し、10分ごとに静かに震盪することによって清浄化した(受領したままで使用されたAl−2〜Al−6を除く)。続いて、基材をn−ヘプタンで満たしたティッシュで拭き、乾燥させた。
【0101】
各実施例において、与えられる、10μLの炭化水素含有物質を、マイクロピペットで、清浄化した基材に適用し、25mm×100mmの指定された表面領域を被覆するように分配した。この手続きにより、約3g/m〜3.6g/mの炭化水素含有物質を有する、パネル基材の汚染がもたらされた。パネルは、更なる使用の前に室温で少なくとも15時間保管された。
【0102】
3.硬化した構造用接着剤によって結合された2つの基材を含む、アセンブリの準備
液体活性剤を、上記のように準備して、又は受領したままで(Al−2〜Al−6)、固定スプレーノズル、及び200mm/秒でノズルの下を移動するコンベヤーベルトを備える噴霧装置(EFD Inc.East Providence U.S.A.から、Spray Nozzle 7815を備えるValveMate 7040,S.No.637407として市販されている)を使用して、汚染されたパネルに噴霧した。ノズルと基材との間の距離は、54mmであり、スプレーパターンの直径は12.5mmであった。噴霧ノズルは、特に指定のない限り、汚染されたパネルに、約0.3g/m(12g/mに相当する)、又は0.5g/m(20g/mに相当する)の液体活性剤濃度を生じるように調節された。
【0103】
同じ炭化水素含有物質で汚染された2つのパネルに液体活性剤を適用した後、構造用接着剤(各実施例において特定される)の前駆体が、静的ミキサーノズルを備えるオリジナルのScotchWeldカートリッジを使用してパネルの一方に適用され、2つのパネルが結合される(これは、3M(接着剤系の部分は3M Deutschland GmbHから、ScotchWeld(商標)DP−609として入手可能)又はMixPac Systems AG,Rotkreuz,Switzerlandから市販されている)。液体活性剤の適用と2つのパネルのアセンブリの形成との間の時間は、一般的に40〜60秒であった。接合後、アセンブリは、硬化中に動くことを防ぐように、6つのバネクリップで共に保持された。
【0104】
2つのスチールパネル(St−1)を含むアセンブリが、特に指定のない限り、室温で24時間硬化され、続いて175℃で30分間硬化された。
【0105】
2つのアルミニウムパネルAl−1を含むアセンブリが、特に指定のない限り、室温で24時間硬化され、続いて120℃で12分間硬化され、室温で30分間硬化され、最後に175℃で15分間硬化された。
【0106】
2つのアルミニウムパネルAl−2を含むアセンブリが、室温で24時間硬化され、続いて175℃で30分間硬化された。
【0107】
Al−3〜Al−6のいずれかそれぞれの2つのアルミニウムパネルを含むアセンブリが室温で24時間硬化され、続いて180℃で25分間硬化された。
【0108】
硬化の後、アセンブリは、T−剥離試験に晒される前に、室温で少なくとも1時間保管された。
【0109】
F.試験方法
1.炭化水素含有物質の変位の試験
炭化水素含有物質を基材から変位させるための液体活性剤の効率性を決定するために、液体活性剤の20μLの液滴がエッペンドルフピペットで、3g/mの表面密度で、各炭化水素含有物質で汚染されている金属基材上に直接配置された。汚染層を有する基材が、支持材上に水平方向に配置される。液滴を表面上に配置する際、ピペットは、汚染層に静かに触れている。試験は室温で行われた。液体活性剤の液滴が20mmの広がりを有する点まで拡散するために必要な時間が記録された(秒)。
【0110】
2.T−剥離試験/T−剥離強度の測定
硬化したアセンブリの接着強度は、100mm/分のクロスヘッド速度で動作する、Zwick/Roell Z050引張試験機(Zwick GmbH & Co.KG,Ulm,Germany)を使用し、DIN EN 1464に従って、T−剥離強度を測定することによって評価された。試験結果は、N/25mmにて報告されている。破壊モードは、「凝集」(硬化した構造用接着剤が分裂して接着剤残渣が両方のパネル上に見出される)として、又は「接着」(硬化した構造用接着剤が一方又は両方のパネルからきれいに除去される)として記録される。結果は、2つの測定値の平均である。
【0111】
実施例1〜11、比較例C−1〜C−3、及び参照例Ref−1
実施例1〜11では、硬化した構造用接着剤と結合されたアセンブリは、それぞれ油1〜6(実施例1〜6)、及び油1〜5(実施例7〜11)で汚染している、2つのスチールパネル(St−1)を使用して、上記の一般的な手順に従ってそれぞれ準備された。実施例1〜6では、接着剤1(Adh1)を使用して結合を作製する前に、活性剤1が0.3g/mの密度でパネル上に噴霧された。実施例7〜11では、接着剤1(Adh1)を使用して結合を作製する前に、活性剤12が0.5g/mの密度でパネル上に噴霧された。参照例Ref−1では、Adh1と結合されたアセンブリは、清浄なスチールパネルで作製された。比較例C−1では、硬化した構造用接着剤結合(Adh1)が、それぞれ油6で汚染された2つのスチールパネル(St−1)の間で、汚染されたスチールパネルに液体活性剤を最初に噴霧することなく、作製された。比較例C−2及びC−3では、アセンブリは、それぞれ油6で汚染している2つのスチールパネル(St−1)の間で、接着剤を適用する前にこのような基材に液体活性剤を噴霧することなく作製され、比較例C−2及びC−3で使用される構造用接着剤の前駆体は、しかしながら、接着剤1を含み、これには、活性剤1が5又は10重量%の量でそれぞれ加えられた。硬化の後、アセンブリは各場合において、上記の試験方法を使用して、そのT−剥離強度を試験される。試験結果が表2に記載される。
【0112】
【表5】

【0113】
実施例12〜21、及び参照例Ref−2
実施例12〜16では、それぞれ油1〜5によって汚染されている、TiZr表面を有する2つのアルミニウムパネル(Al−1)を使用して、上記の一般的手順に従ってそれぞれ準備された。実施例12〜16では、構造用接着剤1(Adh−1)の前駆体を適用する前に、活性剤1が0.3g/mの密度で各パネル上に噴霧された。実施例17〜21では、アセンブリは、それぞれAl−2〜Al−6のいずれかの2つのアルミニウムパネルを使用して、上記の同じ手順に従って準備された。実施例17〜21では、構造用接着剤1(Adh−1)の前駆体を適用する前に、活性剤12が0.5g/mの密度で各パネル上に噴霧された。参照例Ref−2では、アセンブリは、清浄なアルミニウムパネルAl−1で作製された。硬化の後、アセンブリは、上記の試験方法を使用して、そのT−剥離強度を評価された。試験結果が表3に記載される。
【0114】
【表6】

【0115】
実施例22〜34、比較例C−4、及び参照例Ref−3
実施例22〜34では、アセンブリは、それぞれ3g/mの密度で、油6で汚染された、2つの亜鉛めっきされたスチールパネル(St−1)を使用して、上記の一般的手順に従って準備された。表4に示される活性剤が、構造用接着剤(Adh−1)の前駆体の適用の前に、汚染されたパネル上に噴霧された。参照例Ref−3では、アセンブリは、清浄なスチールパネル(St−1)で作製された。比較例C−4では、アセンブリは、それぞれ油6で汚染されたスチールパネル(St−1)を使用して、スチールパネル上にいかなる活性剤も噴霧することなく、作製された。硬化の後、アセンブリは、上記の試験方法を使用して、そのT−剥離強度を評価された。試験結果は表4に記載される。
【0116】
【表7】

【0117】
実施例35〜37
実施例35〜37では、アセンブリは、それぞれ3.0g/mの密度で、油6で汚染された、亜鉛めっきされたリン酸スチールパネル(St−2)を使用して、上記の一般的手順に従って準備された。表5に示される活性剤が、構造用接着剤(Adh−1)の前駆体の適用の前に、汚染されたパネル上に噴霧された。参照例Ref−4では、アセンブリは、清浄な亜鉛めっきされたリン酸スチールパネル(St−2)で作製された。硬化の後、アセンブリは、上記の試験方法を使用して、そのT−剥離強度を評価された。試験結果が表5に記載される。
【0118】
【表8】

【0119】
実施例38〜44
実施例38〜44では、アセンブリは、表5に示されるように、2つのスチールパネル、又は2つのアルミニウムパネルを使用して、上記の一般的手順に従ってそれぞれ準備され、このパネルはそれぞれ、3g/mの濃度で、油6で汚染されていた。表5に示される異なる濃度の活性剤が、構造用接着剤(Adh−1)の前駆体の適用の前に、汚染されたパネル上に噴霧された。参照例Ref−5及びRef−6を参照すると、接着剤アセンブリは、2つの清浄なスチールパネル、又は清浄なアルミニウムパネルでそれぞれ作製された。硬化の後、アセンブリは、上記の試験方法を使用して、そのT−剥離強度を評価された。試験結果が表5に記載される。
【0120】
【表9】

【0121】
実施例45及び46
実施例45及び46では、アセンブリは、それぞれ3g/mの密度で、油6で汚染された、各場合において2つのスチールパネル(St−1)を使用して、上記の一般的手順に従って準備された。活性剤1又は3が、構造用接着剤2(Adh−2)の前駆体を適用する前に、24g/mの密度で噴霧された。比較例C−5では、アセンブリは、2つの汚染されたスチールパネル(St−1)を使用して、このようなパネルにいかなる活性剤も噴霧することなく作製され、パネルは、構造用接着剤2(Adh−2)の前駆体を使用して結合された。参照例Ref−7では、アセンブリは、2つの清浄なスチールパネル(St−1)、構造用接着剤2(Adh−2)の前駆体で作製された。パネルを室温で24時間硬化し、続いて65℃で120分間硬化した後、T−剥離強度が評価された。結果を表7に示す。
【0122】
【表10】

【0123】
実施例47及び48
実施例47及び48では、アセンブリは、それぞれ3g/mの密度で、油2で汚染された、2つのスチールパネル(St−1)を使用して、上記の一般的手順に従って準備された。活性剤1又は3は、それぞれ、構造用接着剤3(Adh−3)の前駆体の適用の前に、24g/mの濃度で、スチールパネルの指定された表面領域に噴霧された。比較例C−6では、アセンブリは、油2で汚染された2つのスチールパネル(St−1)を使用して、このようなパネルにいかなる活性剤も噴霧することなく作製され、パネルは、構造用接着剤3(Adh−3)の前駆体を使用して結合された。パネルを室温で24時間硬化し、続いて175℃で120分間硬化した後、T−剥離強度が評価された。結果を表8に示す。
【0124】
【表11】

【0125】
実施例49及び50
実施例49及び50では、アセンブリは、(それぞれ1.5g/mの密度で、油7で汚染された)2つのAl−2パネルを各場合において使用して、上記の一般的手順に従って準備された。活性剤1又は3は、それぞれ、構造用接着剤1(Adh−1)の前駆体の適用の前に、24g/mの濃度で、汚染されたAl−2上に噴霧された。参照例Ref−8では、アセンブリ(Adh 1)は、構造用接着剤1(Adh 1)の前駆体を使用して、2つの清浄なアルミニウムAA 6010−Alodine 2010パネル(汚染していない)の間に作製された。パネルを室温で24時間硬化し、続いて175℃で30分間硬化した後、T−剥離強度が評価された。結果を表9に示す。
【0126】
【表12】

【0127】
実施例51及び52
実施例51では、アセンブリは、それぞれ油6で汚染された、2つのスチールパネル(St−1)を使用し、上記の一般的な手順に従って作製された。活性剤1は、接着剤1を使用して結合を作製する前に、各汚染されたパネル上に噴霧された。実施例52では、それぞれが油6で汚染された、2つのスチールパネル(St−1)を含むアセンブリが、以下の手順を使用して作製された。第1工程において、活性剤1が、接着剤アセンブリを作製するための、一般的手続きに示された噴霧装置を使用して、第1の汚染されたスチールパネル上に噴霧された。噴霧ノズルは、特に指定のない限り、汚染されたパネルに、約0.3g/m(12g/mに相当する)の活性剤液体濃度を生じるように調節された。第2工程において、構造用接着剤1(Adh−1)の前駆体が、一般的手順に従って処理されたパネルに適用された。第3工程において、活性剤の別の層(0.3g/m、12g/mに相当する)が、接着剤の曝露された表面上に噴霧された。最後に、第2の汚染されたスチールパネルが取り付けられた。接合後、パネルは、硬化中に動くことを防ぐように、6つのバネクリップで共に保持された。実施例51及び52の、接合されたスチール試験パネルが、室温で24時間硬化され、続いて175℃で30分間硬化された。硬化の後、アセンブリは、上記の方法を使用して、そのT−剥離強度を試験される。試験結果が表10に記載される。
【0128】
【表13】

【0129】
実施例53及び54
実施例53及び54では、硬化した構造用接着剤で結合したアセンブリが、それぞれ油6で汚染された、2つのスチールパネル(St−1)を使用して、上記の一般的手順に従って準備された。実施例53では、2重量%のADD1が、活性剤3に加えられ、生じた混合物が16時間、室温で攪拌され、次に濾紙を通して注がれた。生じた濾液は、接着剤1(Adh 1)の前駆体を適用する前にスチールパネル上に噴霧された。実施例54では、0.1重量%のADD2が、活性剤3に加えられた。生じた混合物が16時間、室温で攪拌され、次に濾紙を通して注がれた。生じた濾液は、接着剤1(Adh 1)の前駆体を適用する前にスチールパネル上に噴霧された。
【0130】
参照例Ref−9では、接着剤1と結合されたアセンブリは、清浄なスチールパネル(St−1)、及び構造用接着剤1(Adh−1)の前駆体で作製された。実施例53及び54、並びに参照例Ref−9のアセンブリは両方とも、次に、14日間、70℃で追加的に調湿された。上記のように平均T−剥離強度を測定する前に、アセンブリを、室温で24時間冷却させた。
【0131】
試験結果が表11に記載される。
【0132】
【表14】

【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図1d】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造用接着剤に結合されている少なくとも1つの基材を含むアセンブリであって、前記構造用接着剤は、架橋性ポリマーを含む前駆体を硬化することによって得られ、前記構造用接着剤に結合された前記基材の表面領域は、少なくとも1つの金属を含み、前記表面領域は液体活性剤で処理される、アセンブリ。
【請求項2】
前記前駆体が、有効量の硬化系を更に含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
少なくとも2つの基材が前記構造用接着剤を狭持する、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記架橋性ポリマーが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノプラスト樹脂、シアネート樹脂、アルキド樹脂、アリル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン又はウレタン樹脂からなる群から選択された1つ以上のポリマーを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記硬化系が、熱活性化可能な硬化化合物、及び/又は放射線活性化可能な化合物を含む群から選択された、1つ以上の硬化剤を含む、請求項2〜4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記構造用接着剤に結合された前記基材の前記表面が、炭化水素含有物質で汚染されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記炭化水素含有物質が、鉱油、油脂、乾燥潤滑材、深絞り油、腐食防止剤、潤滑剤、及びワックスを含む群から選択された、1つ以上の化合物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記表面領域に適用される前記液体活性剤が、ペンダント液滴法に従って測定した際に、35mN/m未満の表面張力を有する、1つ以上の化合物を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記液体活性剤が、7〜11cal0.5cm−3/2の溶解度パラメータを有する、1つ以上の親油性化合物を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記液体活性剤が、特定の汚染された表面に関し、炭化水素含有物質の変位を決定するための試験に合格する、1つ以上の化合物を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記液体活性剤が、前記ペンダント液滴法に従って測定した際に、前記炭化水素含有物質の前記表面張力よりも低い表面張力を有する、1つ以上の化合物を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記炭化水素含有物資の前記表面張力と、前記活性剤の前記化合物の前記表面張力との間の差が、少なくとも2.5mN/mである、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記液体活性剤が、n−ヘプタン、n−デカン、n−ドデカン、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、1,8−シネオール、酸化リモネン、酸化α−ピネン、1−オクタノール、n−デカノール、2−エチルヘキシルグリシデルエーテル、乳酸ブチル、1,2,3,4テトラヒドロナフタレン、並びに脂肪酸エステル、好ましくは、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸メチル、マレイン酸ジブチル、及びアジピン酸ジブチルを含む群から選択される、1つ以上の化合物を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記液体活性剤が、好ましくは、腐食防止剤、紫外線蛍光剤、及び接着促進剤を含む群から選択される1つ以上の添加物を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
構造用接着剤に結合される指定された表面領域をもった、曝露された表面を有する少なくとも1つの基材を含むアセンブリを準備する方法であって、前記表面領域は少なくとも1つの金属を含み、前記方法は、
(i)液体活性剤を前記基材の前記表面領域に連続的に又は非連続的に適用する工程と、
(ii)前記構造用接着剤の前駆体を前記液体活性剤で処理された前記基材の前記表面領域に適用する工程とを含む、方法。
【請求項16】
前記前駆体が硬化される、請求項15に記載のアセンブリを準備する方法。
【請求項17】
構造用接着剤によって結合される、2つの基材を含むアセンブリを準備する方法であって、前記方法が、請求項15の工程(i)及び(ii)、並びに
(iii)任意に、前記構造用接着剤に結合される前記第2基材の前記表面領域を、液体活性剤で連続的に又は非連続的に処理する工程と、
(iv)前記第2基材を前記接着剤に取り付ける工程と、
(v)前記前駆体を硬化する工程と、を含む方法。
【請求項18】
前記液体活性剤が、処理される領域に対して、5〜100gm−2、好ましくは5〜60gm−2、及び特に好ましくは5〜40gm−2の量で適用される、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
構造用接着剤に結合されている、少なくとも1つの基材を含むアセンブリを提供するためのアプリケータ装置であって、前記構造用接着剤は、架橋性ポリマーを含む前駆体を硬化することによって得られ、前記構造用接着剤に結合された前記基材の表面領域は、少なくとも1つの金属を含み、前記表面領域は液体活性剤で連続的、又は非連続的に処理され、前記アプリケータ装置は、前記少なくとも1つの基材の前記表面領域に対して移動可能であり、前記基材の前記指定された表面領域に、前記液体活性剤を連続的に又は非連続的に適用するための第1適用ユニット、及び前記接着剤の前記前駆体を連続的に又は非連続的に適用するための第2適用ユニットを含み、前記液体活性剤が、まず前記表面に適用されて、前記接着剤の前記前駆体が前記活性剤の上に適用されるように、前記第2適用ユニットが、前記アプリケータ装置の動きの方向に対して、前記第1適用ユニットの後方に配置されている、アプリケータ装置。

【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−506638(P2011−506638A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536995(P2010−536995)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/084797
【国際公開番号】WO2009/076070
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】