説明

横シール装置

【課題】高速処理が要求される場合であっても、良好なシール結果を得られる横シール装置を提供する。
【解決手段】袋口が後方へ向く姿勢で包装袋30を搬送する搬送コンベヤ20の下流側に、可変速モータ54で駆動される排出コンベヤ22が接続される。搬送コンベヤ20の終端と排出コンベヤ22の始端との間で包装袋30の袋口を挟持して包装袋30の搬送方向下流側へ移動するシール体22の速度は、搬送コンベヤ20の搬送速度より低速に設定される。排出コンベヤ22は、包装袋30が搬送コンベヤ20から排出コンベヤ22に送り込まれるのに合わせて搬送コンベヤ20の搬送速度と同じ搬送速度となり、シール体24で包装袋30の袋口を挟持するのに合わせてシール体24が包装袋30の搬送方向下流側へ移動する移動速度と同じ搬送速度に設定されるよう可変速モータ54が駆動制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋状に形成されて内方に物品を収容した包装材の搬送方向と交差する方向にシールする横シール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品が内部に収容された包装材を所定方向へ搬送すると共に、該包装材の搬送路を挟んで上下に対向する一対のシール体で包装材を上下から挟持して包装材の搬送方向に移動させつつ加熱シールする横シール装置が知られている。このような横シール装置は、フィルム供給源から引き出したフィルムを製袋手段を経て筒状に成形した筒状フィルム内に物品を所定間隔で供給し、その筒状フィルムにおける各物品間を加熱シールすると共に切断することで袋詰包装体を得るようにした横型製袋充填機のエンドシール装置(例えば特許文献1参照)や、包装袋に物品を袋詰めした袋詰品の袋口を加熱シールすることで袋詰包装体を得るようにした袋シール装置(例えば特許文献2参照)として採用される。これら何れのタイプのシール装置においても、前記シール体は、物品を収容した包装材の搬送路を挟んで反対方向に旋回するよう構成されて、搬送過程において包装材を挟持した状態で包装材の搬送方向に向けて移動することにより該包装材に横シールを施し、その後一対のシール体が相互に離間移動するように構成されている。
【0003】
前述した特許文献1に開示された横型製袋充填機のエンドシール装置では、一対のシール体の上流側に配設された第1コンベヤの搬送速度は筒状フィルムの搬送速度と同じ速度に設定されると共に、該シール体の下流側に配設された第2コンベヤは、筒状フィルムの搬送速度(第1コンベヤの搬送速度)より高速に設定されるようになっている。従って、一対のシール体によりシール・切断されて得られるピロー包装体は、後続の未包装物品から確実に切り離されて排出される。
【0004】
また、前述した特許文献2に開示された袋シール装置では、物品が袋詰めされた袋詰品を袋口が後方に向く姿勢でシール位置へ向けて搬送する第1コンベヤが配設される一方で、一対のシール体の下流側には、袋詰包装体を搬送する第2コンベヤが配設されている。この第2コンベヤは、シール体で加熱シールされた袋詰包装体を第1コンベヤの搬送速度以上の速度で搬出するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−267203号公報
【特許文献2】特許第3612647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に開示の如きシール装置において筒状フィルムに供給された物品が所定の高さを有している場合には、一対のシール体の筒状フィルムの搬送方向に向けた移動速度は筒状フィルムの搬送速度より低速に設定されるのが一般的である。すなわち、シール体の直上流に位置する物品は筒状フィルムと同速で走行する第1コンベヤに載置されて移動するから、シール体で筒状フィルムを絞り込んで挟持した際に一対のシール体を筒状フィルムより低速でフィルムの搬送方向に移動することで、シール体との移動速度差により筒状フィルムに弛みが生じ、シール体で挟持された際に物品の高さ分絞り込まれた筒状フィルムはシール体によって引っ張られてしまうことはない。一方で、前記第2コンベヤは、筒状フィルムの搬送速度およびシール体のフィルム搬送方向への移動速度より高速に設定されている。従って、シール体より下流側の筒状フィルムは下流側への張力が作用して無理に引っ張られた状態となり、良好なシールをなし得ない問題が指摘される。また、フィルムの搬送速度より第2コンベヤの搬送速度の方が高速に設定されていることで、筒状フィルム内の物品が第1コンベヤから第2コンベヤに受け渡される際に物品の姿勢が乱れたり、位置ズレが発生したりする虞がある。これらの問題は、特に高速処理が要求される場合において顕著となる。更には、高速化に伴ってシール皺の発生率が高まり、特にシール時にガセットを施す際にフィルムの折込量や折込形状のバラツキが発生するのに加えて、良好なシール状態を維持することが困難となる。
【0007】
また、前記特許文献2に開示の如きシール装置において高速処理が要求される場合には、袋詰機の処理速度を高めるのに伴い上流側に配設された第1コンベヤによる包装袋の搬送速度を高めると共に、下流側の第2コンベヤは第1コンベヤより更に高速となる搬送速度に高めることになる。それに伴い、シール体の旋回速度を高速に設定する必要が生ずると共に、一対のシール体を第2コンベヤの搬送速度と同じ速度で下流側へ移動させることとなる。従って、袋詰品が高速搬送されるのに伴い袋詰品の第2コンベヤでの搬送位置にバラツキが発生し易く、シール体での袋口のシール位置ズレが起きてしまうといった問題も指摘される。更には、前述と同様に、高速化に伴ってシール皺の発生率が高まり、特にシール時に袋口にガセットを施す際に折込量や折込形状のバラツキが発生するのに加えて、良好なシール状態を維持することが困難となる。また、第1コンベヤおよび第2コンベヤの速度差により、第1コンベヤから第2コンベヤへの物品の受け渡し時に袋詰品の姿勢が乱れ、適正なシールが困難になるといった様々な問題が指摘される。
【0008】
そこで、本発明は、高速処理が要求される場合であっても、良好なシール結果を得られる横シール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る横シール装置は、
袋口が後方へ向く姿勢で開口し物品を収容した包装袋を受け入れて搬送すると共に、前記袋口を一対のシール体で挟持して包装袋の搬送方向へ移動しつつ該袋口に横シールを施し、得られた袋詰包装体を搬出するよう構成した横シール装置において、
袋詰機の押送体で押送される前記包装袋を受け入れ、該包装袋を前記押送体の押送速度に応じた速度で搬送する搬送コンベヤと、
該搬送コンベヤの下流側に前記シール体を挟んで配設され、前記袋詰包装体を搬出する排出コンベヤと、
該排出コンベヤを駆動する可変速モータとを備え、
前記シール体は、前記搬送コンベヤと排出コンベヤとの対向端部間で前記袋口を挟持して包装袋の搬送方向下流側へ移動するまでの所定期間の速度が、前記搬送コンベヤの搬送速度より低速に設定され、
前記包装袋が搬送コンベヤから排出コンベヤに送り込まれるのに合わせて前記排出コンベヤを前記搬送コンベヤの搬送速度と同じ搬送速度とし、前記シール体で前記袋口を挟持するのに合わせて排出コンベヤを減速すると共に該排出コンベヤを前記シール体が包装袋の搬送方向下流側へ移動する移動速度と同じ搬送速度に設定するよう前記可変速モータを駆動制御する構成としたことを特徴とする。
すなわち、物品を収容した包装袋が搬送コンベヤから排出コンベヤへ受け渡される際には、両コンベヤにおける包装袋の搬送速度が同じ速度となるから、包装袋の受け渡し時に包装袋と該袋内の収容物品との姿勢が乱れるのを防止できる。また、包装袋の袋口をシールする際には、シール体が包装袋の袋口を挟持してその搬送方向下流側へ移動する移動速度と同じ速度まで排出コンベヤが減速して包装袋を搬送する。ここで、包装袋の袋口を挟持してシール体がその搬送方向下流側へ移動する移動速度は、上流側の搬送コンベヤの搬送速度より低速となっているので、シール体が包装袋を挟持するまでの間に、包装袋が排出コンベヤにより搬送方向下流側へ先走りすることがなく、適正な位置でシールを施すことができる。またシール体の噛合時には、上流側の搬送コンベヤによる包装袋の搬送速度より低速の角速度で夫々のシール面が当接するよう設定されるので、噛合時の衝撃を低減してシール機構の各構成部品の損耗を抑えると共に、振動の発生を抑制し得る。更に、シール体で包装袋の袋口を挟持する前に包装袋の袋口を内側へ折り込んでガセット形成する場合においては、シール体が包装袋の袋口を両外から折り込むときに排出コンベヤは包装袋の搬送速度より低速になっていて包装袋を排出コンベヤにより搬送方向下流側へ引っ張らないので、フィルムの折込量や折込形状のバラツキを抑制でき、より効果的である。
【0010】
請求項2に係る横シール装置では、前記排出コンベヤの搬送速度は、包装袋内に収容された物品の長さの略半分が排出コンベヤに送り込まれるまでに前記包装袋を搬送する搬送速度まで減速するよう前記可変速モータを駆動制御することを特徴とする。
このように、包装袋に収容された物品の長さの略半分が送り込まれるまでに排出コンベヤを上流から送り込まれる物品の搬送速度と同じ速度まで減速することで、包装袋が無理に引っ張られるのが最も効果的に防止できる。
【0011】
請求項3に係る横シール装置では、搬送される包装袋を検出する検出センサを設け、該検出センサの検出信号に応じて、前記シール体および排出コンベヤの作動を制御するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る横シール装置によれば、高速で横シールする場合であっても物品が収容された包装袋のシール時に搬送されている包装袋が無理に引っ張られることがなく、シール皺の発生率が抑制された良好なシールをなし得ると共に、処理効率の向上を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】参考例に係る横型製袋充填機の横シール装置を示す概略側面図である。
【図2】参考例に係る横型製袋充填機の横シール装置の動作を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例に係る袋シール装置に適用した横シール装置を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る横シール装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、搬送方向下流側を前側と指称し、搬送方向上流側を後側と指称することもある。
【実施例】
【0015】
本発明に係る横シール装置を、物品を袋詰めする包装材としての包装袋の袋口をシールする袋シール装置に適用した実施例を説明する前に、横シール装置を横型製袋充填機に適用した参考例について、図1および図2を参照して説明する。横型製袋充填機は、図1に概略的に示すようにフィルム供給源から引き出された帯状フィルムを、筒状に成形する製袋手段12が配置されると共に、製袋手段12の下流側には筒状成形されたフィルムの長手方向の重合端縁部10aをシールする縦シール機構14が設けられている。この縦シール機構14には、サーボモータ等からなる可変速モータ50により回転駆動される一対の加熱ローラ16,16と一対の送りローラ17,17とが設けられており、前記筒状フィルム10の重合端縁部10aを挟持して連続的に縦シールしつつ、送りローラ17,17により筒状フィルム10を横シール装置へ向けて搬送するよう構成される。なお、製袋手段12で成形された筒状フィルム10内へ供給手段によって物品40が所定間隔毎に供給され、該包装材としての筒状フィルム10は、内部に所定間隔毎に収容された物品40と共に横シール装置に向けて搬送されるようになっている。
【0016】
前記横シール装置は、前記筒状フィルム10の搬送方向に沿うよう配設されて筒状フィルム10の搬送速度(第1速度V1)に応じてインバータ等の速度設定手段により所定速度で回転する変速モータ52で駆動される搬送コンベヤ20と、該搬送コンベヤ20の搬送方向下流側に配設され、物品40の搬送位置とシール体24,24の旋回動作位置とに応じて駆動制御可能なサーボモータ等からなる可変速モータ54で駆動される排出コンベヤ22と、両コンベヤ20,22が対向する端部間において筒状フィルム10を挟持して横シールを施す一対のシール体24,24とから構成される。すなわち、物品40を所定間隔毎に収容した筒状フィルム10は、搬送コンベヤ20を経て排出コンベヤ22に受け渡される。そして、両コンベヤ20,22が対向する端部間において、上下一対のシール体24,24が筒状フィルム10に供給された物品40,40間において筒状フィルム10を挟持して筒状フィルム10の搬送方向と交差する方向に横シールを施すと共に切断して、袋詰包装体としてのピロー包装体42を得ることができる。
【0017】
図2に示すように、前記一対のシール体24,24は、サーボモータ等の可変速モータ56によって旋回駆動されるものであって、相互に反対方向に向けて旋回し、筒状フィルム10から最も離間した位置から上流側に旋回するのに伴って相互に近接して筒状フィルム10を絞り込んで挟持することで加熱シールすると共に、該筒状フィルム10を挟持した状態で筒状フィルム10の搬送方向下流側に向けて所要距離だけ水平移動した後に、相互に離間しつつ再び上流側に向けて旋回する、所謂ボックスモーション動作を行なうよう構成される(図2に一対のシール体24,24の移動軌跡を一点鎖線で示す)。なお、シール体24,24で筒状フィルム10を挟持した際に、一方のシール体24に配設されたカッタが作動してシール部分で筒状フィルム10が切断されて、得られたピロー包装体42が排出コンベヤ22によって排出されるようになっている。実施例では、図2(a)に示すように、筒状フィルム10内の物品40が、長さ寸法の略半分まで排出コンベヤ22に送り込まれたときに、前記一対のシール体24,24が筒状フィルム10から最も離間する位置となるようシール体24,24の旋回動作タイミングが設定されている。なお、横型製袋充填機のシール装置の具体的な各部の構成は、前述した特許文献1、その他の公知の各種構成を採用すればよい。
【0018】
また、前記一対のシール体24,24が噛合して筒状フィルム10の搬送方向下流側へ水平移動する際、すなわち前記筒状フィルム10を挟持してシール体24,24が筒状フィルム10の搬送方向下流側に向けて移動する際の移動速度は、筒状フィルム10の搬送速度(第1速度V1)より低速となる所定の速度(第2速度V2)に設定される(図2(b)参照)。なお、筒状フィルム10より低速とする比率は物品高さとの関係を考慮して設定される。また、筒状フィルム10内に収容されている物品40の高さ寸法が大きく、前記一対のシール体24,24が筒状フィルム10を挟持するに際して筒状フィルム10の絞り量が多い場合には、シール体24,24による筒状フィルム10の挟持位置が搬送方向下流側の物品寄りに設定される。そして、一対のシール体24,24が筒状フィルム10を挟持した状態では、該一対のシール体24,24,24の直上流に位置する物品40が、シール体24,24の移動速度(第2速度V2)より高速となる筒状フィルム10の搬送速度(第1速度V1)で搬送されることにより、シール体24,24との速度差によって上流側の物品40が徐々にシール体24,24に近接して、シール体24,24を挟む前後の物品40,40間の中央にシール体24,24が位置する。その後にシール体24,24が筒状フィルム10の挟持を解放し、次の物品40,40間で筒状フィルム10を挟持すべく旋回する。これにより筒状フィルム10内に高さのある物品40が収容されている場合においても、物品40に近い位置でのシール体24,24による筒状フィルム10の挟持が許容され、各物品40の前後位置の近い位置に設定しただぶつきのない適正な包装長とした袋詰包装体42を得ることができる。
【0019】
なお、シール体24,24が筒状フィルム10を挟持してその搬送方向下流側へ移動する速度を搬送コンベヤ20の搬送速度より低速(第2速度V2)とする期間は、筒状フィルム10を挟持した時点以降の所定時間後から挟持を解放する時点以前の所定時間前までの所定期間となっていればよい。すなわち、シール体24,24の筒状フィルム10を挟持するタイミングに合わせた適時から筒状フィルム10の挟持を解放するタイミングに合わせた適時までとなっていればよい。また、一対のシール体24,24の1サイクル(参考例では一対のシール体24,24が噛合状態から旋回して次の噛合状態になる期間)の旋回速度は、筒状フィルム10を挟持して搬送方向下流側に移動するときの速度(第2速度V2)が前述のように筒状フィルム10の搬送速度(第1速度V1)以下の速度に設定され、残りの旋回動作範囲で包装速度との関係で1サイクル旋回を終えることができる速度でシール体24,24が旋回動作するよう前記可変速モータ56が駆動制御される。すなわち、シール体24,24が1サイクルする間に、シール体24,24の旋回速度を変速し得るよう設定されている。
【0020】
前記搬送コンベヤ20と排出コンベヤ22との夫々は、前記一対のシール体24,24が相互に近接移動する際に搬送コンベヤ20の搬送終端部と排出コンベヤ22の搬送始端部との対向端部間をシール体24,24の通過を許容し得るように相互に離間し、また一対のシール体24,24が相互に離間した際に前記各端部同士が近接するよう構成される。
【0021】
前記筒状フィルム10は、包装速度(単位時間当りの包装個数)と一包装するのに要するフィルム長さとによって定まるフィルム搬送速度である所定の搬送速度(第1速度V1)でその搬送方向下流側へ連続搬送されるよう前記送りローラ17,17を駆動する可変速モータ50が駆動制御される。そして、前記搬送コンベヤ20を駆動する前記変速モータ52が速度制御されて、搬送コンベヤ20の搬送速度が前記送りローラ17,17による筒状フィルム10の搬送速度(第1速度V1)と同じ速度に設定されて、筒状フィルム10を該筒状フィルム10内に収容された物品40と共に搬送方向下流側へ搬送する。
【0022】
また、前記排出コンベヤ22は、前記可変速モータ54を駆動制御することで、前記一対のシール体24,24の動作位置と筒状フィルム10内の物品40の搬送位置とに応じて搬送速度を変速し得るよう設定されている。具体的には、前記排出コンベヤ22は、前記筒状フィルム10内の物品40が搬送コンベヤ20から排出コンベヤ22へ送り込まれるタイミングに合わせて、前記筒状フィルム10の搬送速度と同速(第1速度V1)に設定されるよう前記可変速モータ54が駆動制御される(図2(a)参照)。ここで、前述した如く、筒状フィルム10の搬送速度と前記搬送コンベヤ20の搬送速度とは同じ速度(第1速度V1)に設定されるので、搬送コンベヤ20と排出コンベヤ22とは同じ搬送速度となるよう設定される。
【0023】
そして、前記一対のシール体24,24が筒状フィルム10を挟持するタイミングに合わせて、前記一対のシール体24,24の噛合時における筒状フィルム10の搬送方向下流側への移動速度(第2速度V2)と同じ速度まで徐々に減速するよう排出コンベヤ22の搬送速度が変速される。すなわち、筒状フィルム10内の物品40が前記搬送コンベヤ20から排出コンベヤ22に送り込まれるタイミングでは、一対のシール体24,24が相互に最も離間した旋回位置(図2(a)参照)となっており、この位置から一対のシール体24,24が筒状フィルム10を挟持するまでの間において、前記排出コンベヤ22の搬送速度が、筒状フィルム10の搬送速度(第1速度V1)と同じ速度からシール体24,24の噛合時における筒状フィルム10の搬送方向下流側に向けた移動速度(第2速度V2)と同じ速度になるまで徐々に減速する。従って、筒状フィルム10がシール体24,24によって絞り込まれて挟持されるまでに、排出コンベヤ22に載置されて搬送される搬送方向下流側の物品40と、搬送コンベヤ20に載置されて搬送される上流側の物品40との間に速度差が生じて、シール体24,24での筒状フィルム10の絞り込みに際して、筒状フィルム10に適度な張りを与えかつ排出コンベヤ22によって無理に搬送方向下流側に引っ張ることなく絞り込みが許容される。また、シール後において一対のシール体24,24が筒状フィルム10の挟持を解放するタイミングに合わせて、排出コンベヤ22が前記筒状フィルム10の搬送速度(第1速度V1)より高速に設定された速度(第3速度V3)まで加速しているように排出コンベヤ22の搬送速度が変速されるよう設定されている(図2(c)参照)。
【0024】
すなわち、排出コンベヤ22の搬送速度は、筒状フィルム10内の物品40の搬送位置と前記一対のシール体24,24の旋回動作位置とに応じて、筒状フィルム10の搬送速度(第1速度V1)と同じ速度から該速度より高速に設定された速度(第3速度V3)までの速度範囲で変速するよう可変速モータ54が制御される。なお、搬送コンベヤ20および排出コンベヤ22の搬送速度とは、該コンベヤ20,22自体の走行速度に限らず、包装材10,30に収容された物品40が移動する実質的な移動速度を含む。
【0025】
〔参考例の作用〕
次に前述した参考例に係る横型製袋充填機の横シール装置の作用につき説明する。
【0026】
製袋手段12により成形された筒状フィルム10は、長手方向の重合端縁部10aが前記加熱ローラ16,16により挟持されて縦シールが施され、その重合端縁部10aが送りローラ17,17に挟持されて、内部に収容した物品40と共に搬送方向下流側の前記搬送コンベヤ20に受け渡されて引続き下流側に搬送される。ここで、筒状フィルム10の搬送速度は、包装速度(単位時間当りの包装個数)と一包装するのに要するフィルム長さとによって定まる所定のフィルム搬送速度(第1速度V1)に設定され、それに従って前記送りローラ17,17で筒状フィルム10を挟持して搬送する搬送速度と前記搬送コンベヤ20の搬送速度とが同じ速度となるよう可変速モータ50と変速モータ52とが駆動制御される。
【0027】
前記一対のシール体24,24は、前記可変速モータ56により駆動されて、旋回運動により相互に近接して筒状フィルム10を絞り込んで挟持する。筒状フィルム10を挟持した一対のシール体24,24は、筒状フィルム10の搬送に伴ってその搬送方向下流側に水平移動し、これにより筒状フィルム10がフィルム搬送方向に隣り合う物品40,40の間において加熱シールされると共に切断される。
【0028】
ここで、筒状フィルム10内の物品40が搬送コンベヤ20から排出コンベヤ22に送り込まれる際には、該排出コンベヤ22の搬送速度は、筒状フィルム10の搬送速度(第1速度V1)と同じ速度に設定されて変速モータ52により駆動される搬送コンベヤ20の搬送速度と同じ速度となるよう可変速モータ54が駆動制御される。すなわち、筒状フィルム10内の物品40が排出コンベヤ22に送り込まれる際に筒状フィルム10と排出コンベヤ22の夫々の搬送速度との間に速度差がないから、受け渡し時における筒状フィルム10と物品40の姿勢の乱れや位置ずれが防止できる。
【0029】
また、前記一対のシール体24,24が筒状フィルム10を挟持して筒状フィルム10の搬送方向下流側に向けて移動する速度は、該シール体24,24より上流側に位置する筒状フィルム10(物品40)が前記搬送コンベヤ20や送りローラ17,17により搬送される搬送速度(第1速度V1)より低速となる速度(第2速度V2)に設定されるよう前記変速モータ52と可変速モータ56との夫々が駆動制御されると共に、前記一対のシール体24,24が筒状フィルム10を挟持するタイミングとなるシール体24,24の旋回動作位置に合わせて、排出コンベヤ22による物品40の搬送速度は、シール体24,24の筒状フィルム10の搬送方向下流側への移動速度(第2速度V2)と同じ速度となるよう前記可変速モータ54が徐々に駆動制御される。このため、一対のシール体24,24が筒状フィルム10を挟持してから筒状フィルム10の挟持を解放する旋回動作位置までの筒状フィルム10の搬送速度に対する排出コンベヤ22の搬送速度は、送りローラ17,17並びに搬送コンベヤ20で搬送される筒状フィルム10内の物品40の前進より遅くなり、シール体24,24の前後に隣接する物品40,40間での筒状フィルム10には一対のシール体24,24による絞り量に相当する弛みが生ずる。この弛み量は、上下のシール体24,24で筒状フィルム10を絞り込んで挟持する際に筒状フィルム10が排出コンベヤ22によって無理に引っ張られず、かつ弛んでしまうことのない程度に適度な張りを与えつつ熱シールすることができる値とすることができ、シール時におけるシール皺の発生を抑制して良好なシールを施すことが可能となる。また、シール体24,24が前記筒状フィルム10を挟持して加熱シールする前に筒状フィルム10を内側へ折り込んでガセット形成するものにあっては、フィルムの折込量や折込形状のバラツキを抑制でき、良好なガセットを形成し得る。更に、筒状フィルム10を挟持してエアを抜く処理を行なう場合においても、筒状フィルム10が搬送方向下流側に引っ張られることなく良好な処理が可能である。
【0030】
そして、前記シール体24,24で前記筒状フィルム10を挟持してシールする際に、前記排出コンベヤ22は、シール体24,24における筒状フィルム10の搬送方向下流側への移動速度(第2速度V2)と同じ速度で筒状フィルム10内の物品40を搬送する搬送速度に設定されるよう前記可変速モータ54が駆動制御される。これによりシール時においても搬送方向下流側へ無理な引張力が作用することなく安定したシールを行なうことができる。そして、シールが完了して前記一対のシール体24,24が筒状フィルム10の挟持を解放するタイミングに合わせて、前記排出コンベヤ22による物品40の搬送速度を筒状フィルム10の搬送速度(第1速度V1)より高速な速度(第3速度V3)に設定されるよう前記可変速モータ54が駆動制御されるから、該シール体24,24によるシール時に排出コンベヤ22による搬送速度を低下させたとしても、シールされて最終的に得られる袋詰包装体42は、その上流側物品40と確実に切り離された状態で搬出することができ、シール加工の加工効率低下を招来することはない。
【0031】
次に、本発明に係る横シール装置を、物品40を袋詰めする包装材としての包装袋30の袋口をシールする袋シール装置に適用した実施例について図3を参照して説明する。なお、前述した横型製袋充填機に適用した参考例に係る横シール装置と同一の機能を有する構成・部材には、同一の符号を付して説明する。なお、実施例に係る横シール装置には、例えば前述した特許文献2に記載の従来公知の構成が採用でき、詳細な説明は省略する。
【0032】
実施例に係る横シール装置の上流側には、後方に開口する包装袋30に、例えば複数のスライスパンを纏めた略矩形状を呈する食パン等の物品40を挿入して袋詰めする袋詰機が配置されている。そして、物品40が袋詰めされた包装袋30は、袋詰機の押送体32により押送されて搬送コンベヤ20に受け渡されるよう構成される。なお、以下の説明では、袋詰機において物品40が袋詰めされた包装袋30を袋詰品34と指称する。搬送コンベヤ20で受け取った袋詰品34は袋口が後方へ向く姿勢で該搬送コンベヤ20により搬送方向下流側に接続された排出コンベヤ22へ向けて搬送され、該搬送コンベヤ20から排出コンベヤ22に受け渡される過程において、前記一対のシール体24,24により袋口が熱シールされるよう構成される。なお、前記搬送コンベヤ20の上流には、搬送される袋詰品34を検出する検出センサ(図示せず)が設けられており、該検出センサからの袋詰品34の検出信号に応じて、前記上下一対のシール体24,24や排出コンベヤ22を駆動制御するよう構成される。すなわち、所定タイミング内に検出センサで袋詰品34の到来が検出されない場合には、シール体24,24並びに排出コンベヤ22の作動が一時的に停止し、次の袋詰品34が検出センサで検出されることで横シール装置の運転を再開するよう設定されている。
【0033】
実施例の横シール装置における搬送コンベヤ20と、一対のシール体24,24との夫々は、基本的には前述した参考例と同じ条件で駆動されるものである。すなわち、前記搬送コンベヤ20での袋詰品34の搬送速度は、前記袋詰機の押送体32による袋詰品34の搬送速度(第1速度V1)と同じ速度に設定されて変速モータ52が定速駆動制御される。また前記一対のシール体24,24は、前記搬送コンベヤ20と排出コンベヤ22との対向する端部間において、前記袋詰品34の袋口を挟持してその搬送方向下流側に水平移動した後に挟持を解放するまでの所定期間は前記搬送コンベヤ20の搬送速度(第1速度V1)より低速に設定された速度(第2速度V2)で搬送方向下流側へ水平移動するよう可変速モータ56が駆動制御される。なお、シール体24,24が袋口を挟持して袋詰品34の搬送方向下流側へ移動する速度を搬送コンベヤ20の搬送速度より低速(第2速度V2)とする期間は、参考例と同様にシール体24,24が袋口を挟持するタイミングに合わせた適時から袋口の挟持を解放するタイミングに合わせた適時までとなっていればよい。
【0034】
そして、前記排出コンベヤ22は、参考例とは異なる動作条件に設定されるものであって、前記一対のシール体24,24の旋回動作位置と袋詰品34における包装袋30内の物品40の搬送位置とに応じて搬送速度が駆動制御されるようサーボモータ等の駆動制御可能な可変速モータ54が駆動制御される。具体的には、前記排出コンベヤ22の搬送速度は、前記可変速モータ54が駆動制御されることにより前記袋詰品34が搬送コンベヤ20から排出コンベヤ22に送り込まれるタイミングに合わせて搬送コンベヤ20の搬送速度(第1速度V1)と同じ速度に設定され、また、前記一対のシール体24,24が袋詰品34の袋口を挟持するタイミングに合わせたシール体24,24の旋回動作位置との関係に基づき、前記搬送コンベヤ20の搬送速度(第1速度V1)より低速となる速度(第2速度V2)まで減速するよう設定される。また、排出コンベヤ22は、前記一対のシール体24,24が袋詰品34の袋口を挟持してその搬送方向下流側へ移動する際には、該シール体24,24の搬送方向下流側への移動速度(第2速度V2)と同じ速度に設定されて袋詰品34を搬送する。
【0035】
なお、前述した参考例と同様に、シール体24,24の前記の1サイクルの旋回速度は、袋詰品34の袋口を挟持して搬送方向下流側に移動するときの速度(第2速度V2)が前記搬送コンベヤ20による袋詰品34の搬送速度(第1速度V1)以下の速度に設定され、残りの旋回動作範囲で前記包装速度との関係で1サイクル旋回を終えることができる速度でシール体24,24が旋回動作するよう前記可変速モータ56が駆動制御される。すなわち、シール体24,24の1サイクル中において、シール体24,24の旋回速度を変速し得るよう設定されている。
【0036】
すなわち、排出コンベヤ22は、前記袋詰品34における包装袋30内の物品40の搬送位置とシール体24,24の旋回動作位置とに応じて、前記搬送コンベヤ20の搬送速度(第1速度V1)と同じ速度から前記シール体24,24が袋詰品34の袋口を挟持して袋詰品34の搬送方向下流側に移動する速度(第2速度V2)と同じ速度になるまでに滑らかに変速するよう設定される。
【0037】
そして、前述のように構成された実施例に係る横シール装置においては、袋詰機から搬送されてきた包装袋30内に収容された物品40が搬送コンベヤ20から排出コンベヤ22に送り込まれるタイミングに合わせて、該排出コンベヤ22による袋詰品34の搬送速度は搬送コンベヤ20による袋詰品34の搬送速度(第1速度V1)と同じ速度に設定されるから、排出コンベヤ22への乗り移り時における袋詰品34並びに袋内に収容された物品40の姿勢の乱れが防止され、前記一対のシール体24,24が適正な位置で袋詰品34の袋口を挟持して正確なシールが可能となる。
【0038】
また、前記一対のシール体24,24が袋詰品34の袋口を挟持するタイミングに合わせて、該シール体24,24が袋口を挟持して袋詰品34の搬送方向下流側へ移動する移動速度(第2速度V2)と同じ速度となるよう排出コンベヤ22による袋詰品34の搬送速度が変速される。ここで、このときのシール体24,24の搬送方向下流側への移動速度は、前記搬送コンベヤ20の搬送速度より低速(第2速度V2)に設定されるので、特許文献2に開示のシール装置に比しても低速で安定したシールをなし得る。また、前記一対のシール体24,24により袋詰品34の袋口のフィルムを挟持してシールする際には、排出コンベヤ22に載置されて搬送される袋詰品34がシール体24,24(第2速度V2)と同じ速度でその搬送方向下流側へ移動するので、袋詰品34が搬送方向下流側に無理に引っ張られることはなく、シール皺の発生等シール不良の発生を抑制して良好にシールを施すことが可能となる。また、シール時に搬送方向下流側へ無理な引張力が作用するのを防止できるから、シール体24,24が前記袋詰品34の袋口を挟持して加熱シールする前に袋口を内側へ折り込んでガセット形成する場合では、フィルムの折込量や折込形状のバラツキを抑制でき、良好なガセットを形成し得る。更に、シール前に袋口を押えてエアを抜く処理を施すような場合においても、袋詰品34が搬送方向下流側に引っ張られないようにして良好な処理が可能である。
【0039】
そして、前記一対のシール体24,24が袋詰品34の袋口の挟持を解放するタイミングに合わせて、前記排出コンベヤ22による袋詰品34の搬送速度が前記搬送コンベヤ20の搬送速度(第1速度V1)と同じ速度まで加速するよう設定される。このように、シール体24,24が袋口の挟持を解放したタイミングに合わせて排出コンベヤ22の搬送速度を搬送コンベヤ20の搬送速度と同じ速度に設定することで搬送コンベヤ20の搬送速度との間の範囲での比較的小さい変速範囲として、排出コンベヤ22の変速を滑らかに行なうことができる。この際の速度は、前記参考例と同様に、前記搬送コンベヤ20の搬送速度より高速に設定された速度(第3速度V3)とすることもできる。この場合に、シール時に搬送コンベヤ20の搬送速度より低速で搬送されることでの搬送遅れで搬送間隔が短くなった袋詰包装体42の搬出間隔を広げることが求められる際にも、排出コンベヤ22の搬送方向下流側に加速コンベヤを設置する等の対処をすることなくシールされて得られる袋詰包装体42を所定間隔を維持して搬出することができる。
【0040】
更に、袋詰品34の袋口を挟持してその搬送方向下流側へ移動するシール体24,24の移動速度は、前記搬送コンベヤ20の搬送速度(第1速度V1)より低速(第2速度V2)に設定されているので、搬送コンベヤ20の搬送速度より低速の角速度で夫々のシール体24,24のシール面が当接することになり、シール体24,24の噛合時の衝撃を和らげ、シール体24,24を滑らかに旋回させることにより、シール体24,24やシール機構あるいはシール体24,24を駆動する可変速モータ56等の耐用期間の向上やシール装置の運転時における振動の減少を図り得る。
【0041】
参考例または実施例において、前記排出コンベヤ22の搬送速度の速度制御に関して、筒状フィルム10または包装袋30からなる包装材10,30内の物品40が排出コンベヤ22へ送り込まれるのに合わせて、排出コンベヤ22への搬送速度を包装材10,30の搬送速度と同じ速度とする時期については、排出コンベヤ22が減速されて物品40の長さの略半分が排出コンベヤ22へ送り込まれた後の所定時間後までにおいて同じ速度となるように、可変速モータ54が駆動制御されるように設定されていればよい。また、シール体24,24で包装材10,30を挟持するのに合わせて、前記排出コンベヤ22の搬送速度をシール体24,24が包装材10,30の搬送方向下流側へ移動する移動速度と同じ速度まで減速する時期については、シール体24,24による包装材10,30の挟持後から所定時間後までの間に当該一対のシール体24,24の移動速度と同じ速度となるように、可変速モータ54が所定時期に減速駆動制御されるものであればよい。また、シール体24,24が包装材10,30の挟持を解放するのに合わせて、排出コンベヤ22の搬送速度を包装材10,30の搬送速度より高速に設定する時期については、一対のシール体24,24が包装材10,30の挟持を解放した後の所定時間後までの間に包装材10,30の搬送速度より高速となるように、可変速モータ54が所定時期に加速駆動制御されるようになっていればよい。
【0042】
〔変更例〕
なお、本発明に係る横シール装置としては、前述した実施例のものに限られるものではなく、種々の変更が可能である。
1.実施例では、シール体24,24を筒状フィルム10や包装袋30の搬送路を挟む上下に対向して配設する構成を示したが、該搬送路を挟む左右に対向するようシール体24,24を配設することもできる。
2.シール体24,24が包装袋30の袋口を挟持してその搬送方向下流側に移動する際の速度(第2速度V2)は定速に限らず、必要に応じて一定幅の変速域が設けられるようにしてもよい。すなわち、包装袋30の袋口を挟持して搬送方向下流側に移動する際のシール体24,24の移動速度(第2速度V2)は、包装袋30の搬送速度(第1速度V1)より低速となる条件下で変速するよう設定可能である。なお、その際には排出コンベヤ22の搬送速度も該シール体24,24の移動速度に合わせて変速すればよい。
3.実施例では搬送コンベヤ20、排出コンベヤ22は包装袋30内に収容された物品40を載置して搬送するコンベヤとしたが、そのような構成に特定されるものではない。例えば、物品40の両側部から包装袋30と共に挟み込んで搬送し得るコンベヤや、搬送路の上方から包装袋30内に収容された物品40を押えて搬送する方式、あるいはエア吸引によって包装袋30を保持して走行するベルトコンベヤ、その他の種々の搬送コンベヤを適宜採用できる。
4.実施例では、シール体24,24を駆動する可変速モータ56は1つでシール体旋回動作を与えるものとして例示したが、これに限らず、例えば、特開2004−352251号や特開2006−168823号に開示された如く、シール体24,24を水平動と垂直動とに別々に動作させる2つのモータで駆動する構成や、特許第3780450号に開示された如く、駆動モータとシリンダの組み合わせで前記水平動と垂直動とを行なう方式であってもよい。
【符号の説明】
【0043】
20 搬送コンベヤ,22 排出コンベヤ,24 シール体,30 包装袋
32 押送体,40 物品,42 袋詰包装体,54 可変速モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋口が後方へ向く姿勢で開口し物品(40)を収容した包装袋(30)を受け入れて搬送すると共に、前記袋口を一対のシール体(24)で挟持して包装袋(30)の搬送方向へ移動しつつ該袋口に横シールを施し、得られた袋詰包装体(42)を搬出するよう構成した横シール装置において、
袋詰機の押送体(32)で押送される前記包装袋(30)を受け入れ、該包装袋(30)を前記押送体(32)の押送速度に応じた速度(V1)で搬送する搬送コンベヤ(20)と、
該搬送コンベヤ(20)の下流側に前記シール体(24)を挟んで配設され、前記袋詰包装体(42)を搬出する排出コンベヤ(22)と、
該排出コンベヤ(22)を駆動する可変速モータ(54)とを備え、
前記シール体(24)は、前記搬送コンベヤ(20)と排出コンベヤ(22)との対向端部間で前記袋口を挟持して包装袋(30)の搬送方向下流側へ移動するまでの所定期間の速度が、前記搬送コンベヤ(20)の搬送速度(V1)より低速に設定され、
前記包装袋(30)が搬送コンベヤ(20)から排出コンベヤ(22)に送り込まれるのに合わせて前記排出コンベヤ(22)を前記搬送コンベヤ(20)の搬送速度(V1)と同じ搬送速度とし、前記シール体(24)で前記袋口を挟持するのに合わせて排出コンベヤ(22)を減速すると共に該排出コンベヤ(22)を前記シール体(24)が包装袋(30)の搬送方向下流側へ移動する移動速度(V2)と同じ搬送速度に設定するよう前記可変速モータ(54)を駆動制御する構成とした
ことを特徴とする横シール装置。
【請求項2】
前記排出コンベヤ(22)の搬送速度は、包装袋(30)内に収容された物品(40)の長さの略半分が排出コンベヤ(22)に送り込まれるまでに前記包装袋(30)を搬送する搬送速度(V1)まで減速するよう前記可変速モータ(54)を駆動制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の横シール装置。
【請求項3】
搬送される包装袋(30)を検出する検出センサを設け、該検出センサの検出信号に応じて、前記シール体(24)および排出コンベヤ(22)の作動を制御するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の横シール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−20791(P2012−20791A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209737(P2011−209737)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【分割の表示】特願2007−187554(P2007−187554)の分割
【原出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】