説明

樹脂用充填材組成物及びそれを含む樹脂成形体の製造方法

【課題】糖化処理残渣を有効利用できる技術を確立する。
【解決手段】樹脂用充填材組成物は、(A)木質系バイオマスの糖化処理残渣と、(B)乳酸重合体とを含む。(A)糖化処理残渣と(B)乳酸重合体との割合(A/B)は、質量比で、例えば、40/60〜80/20である。(B)乳酸重合体の重量平均分子量は、好ましくは2000以下である。本発明の充填材組成物は、さらに(C)グリセリンを含んでいてもよい。(A)糖化処理残渣、(B)乳酸重合体、(C)グリセリンの合計を100質量%としたとき、(C)グリセリンの量は、例えば、30質量%以下(特に3質量%以上)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂充填材に関するものであり、好ましくは全組成物がバイオマスから構成される新規樹脂充填材(特に増量材)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の問題が注目されるなど、環境意識が高まりつつあり、森林などの木質系バイオマスを石油代替エネルギーとして有効利用する研究が盛んになってきている。特に、食糧の代わりに木質バイオマス中の多糖類(セルロース、ヘミセルロースなど)を糖化した後、得られた糖を醗酵でエタノールに変換する方法が注力的に研究されている。
【0003】
しかし、木質系バイオマスは、リグニンなどの糖化できない成分を含んでおり、これらは糖化処理後又はエタノール醗酵後に残渣として分離回収される。一般に、木質系バイオマス原料100質量%に対して、残渣は約60〜80質量%になると言われており、その有効利用が望まれる。
【0004】
平成14年10月に開かれた第3回バイオテクノロジー戦略会議(通称BT戦略会議;日本国内閣総理大臣開催)では、既存汎用プラスチックの20%程度を再生可能資源から製造することを政策目標として掲げている。日本バイオマスプラスチック協会(JBPA)では、バイオマスプラスチック組成中のバイオマス由来成分を25重量%以上含む場合をバイオマスプラスチック製品として見なしており、積極的な普及を提唱している。欧州においても、プラスチックを再生可能な生物由来の有機性資源からなる材料に代替すべく検討が始まっている。特許文献1には、繊維材料と、水結合性バイオポリマーと、熱可塑性又は熱硬化性プラスチックを含む成形体が開示されており、前記水結合性バイオポリマーとしてリグニンが例示されている。
【特許文献1】特公表2005−506413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、本発明者らの検討によれば、糖化処理残渣を樹脂に入れると、樹脂の溶融粘度が増大してメルトマスフローレート(MFR)が低下し、成形性が著しく悪化することが判った。
【0006】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、糖化処理残渣を有効利用できる技術を確立することにある。
本発明の他の目的は、成形性を悪化させることなく、糖化処理残渣を樹脂用充填材として使用できる技術を確立することにある。
本発明のさらに他の目的は、糖化処理残渣を配合した樹脂の成形性を、生物由来の材料(バイオマス)を使用することで改善できる技術を確立すること、特に好ましくは、全組成物がバイオマスから構成される新規樹脂充填材(特に増量材)を提供することにある。
本発明の別の目的は、前記生物由来の材料として副生成分を使用することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、木質系バイオマスの糖化残渣を乳酸重合成分(ポリ乳酸、乳酸オリゴマーなど)と組み合わせて樹脂に添加すると、成形性の低下を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明に係る樹脂用充填材組成物は、(A)木質系バイオマスの糖化処理残渣と、(B)乳酸重合体とを含む点に特徴がある。(A)糖化処理残渣と(B)乳酸重合体との割合(A/B)は、質量比で、例えば、40/60〜80/20である。(B)乳酸重合体の重量平均分子量は、好ましくは2000以下である。本発明の充填材組成物は、さらに(C)グリセリンを含んでいてもよい。(A)糖化処理残渣、(B)乳酸重合体、(C)グリセリンの合計を100質量%としたとき、(C)グリセリンの量は、例えば、30質量%以下(特に3質量%以上)である。
【0009】
本発明の樹脂用充填材組成物を樹脂と加熱混練した後、成形することで樹脂成形体を製造できる。この場合、樹脂用充填材組成物を予め加熱脱水処理した後、樹脂と加熱混練し、成形してもよい。樹脂用充填材組成物と樹脂の割合(樹脂用充填材組成物/樹脂)は、質量比で、例えば5/95〜45/55である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、木質系バイオマスの糖化残渣を乳酸重合成分(ポリ乳酸、乳酸オリゴマーなど)と組み合わせて樹脂用充填材を構成しているため、樹脂成形体の成形性の低下を抑制できる。糖化残渣は、バイオマスの変換過程における副生物(とりわけエタノール変換過程で大量に発生する副生物)であり、低分子量乳酸オリゴマーはポリ乳酸製造過程で発生する副生物であり、グリセリンはバイオディーゼル燃料(BDF)製造過程で発生する副生物であることから、これらを用いて充填材を構成する好ましい態様においては、これら副生物を有効利用できかつその付加価値を高めることができる。またバイオマス由来充填材をかなりの割合で各種樹脂に充填する好ましい態様においては、マテリアルの面からも石油など化石資源への依存度を軽減させ、地球温暖化防止に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の充填材組成物は樹脂(特に熱可塑性樹脂)の添加材として使用されるものであり、(A)木質系バイオマスの糖化処理残渣と、(B)乳酸重合体を含み、必要に応じて、さらに(C)グリセリンを含有する。(B)乳酸重合体を配合することによって、(A)糖化処理残渣を使用したときの成形性低下現象を緩和できる。(C)グリセリンを配合すると、成形性をさらに改善することができる。これら乳酸重合体やグリセリンによって、糖化処理残渣を使用したときの成形性低下現象を緩和できるのは、乳酸重合体やグリセリンが糖化処理残渣と脱水結合して、糖化処理残渣を樹脂化することによって樹脂との相溶性と分散性を向上できるためである。
【0012】
(A)木質系バイオマスは、酵素と作用させ、木質細胞内のセルロースやヘミセルロースを構成単位にまで加水分解(糖化)した後、糖を醗酵することでエタノールに変換されている。本発明でいう木質系バイオマスの糖化処理残渣とは、前記糖化処理の際に糖に加水分解されずに固形成分として残った成分をいう。加水分解後、固形分(糖化処理残渣)を濾過してから、濾液をエタノール醗酵してもよく、加水分解後、固形分(糖化処理残渣)を含んだままエタノール醗酵してから、固形分(糖化処理残渣)を濾過してもよい。これら濾過された固形分は、いずれも本発明でいう糖化処理残渣に該当する。糖化処理残渣は、乾燥しておくのが望ましく、必要に応じて適当に粉砕してもよい。
【0013】
木質系バイオマスとしては、植物(特に木材)由来の原料であればいずれも使用可能であるが、針葉樹と広葉樹とを網羅した間伐材、林地残材、製材残材、建築廃材、剪定枝葉、切り株、樹皮などの木質系廃材が廃棄物の有効利用の観点から望ましい。
【0014】
木質系バイオマスは、加水分解処理前に、通常、湿式又は乾式で粉砕される。木質系バイオマスの粒径が小さくなるほど、セルロースの加水分解が容易になり、よりリグニンリッチな固形分(糖化処理残渣)を分離・回収することが可能になる。また糖化処理ではセロース成分の低分子化が進行するため、糖化処理後の残渣は原料の木粉に比べてさらに微粒子化(又はナノ粒子化)される。微粒子化(又はナノ粒子化)された糖化処理残渣は、通常の木粉に比べて樹脂に添加した場合の分散性が向上するが、まだ相当量の未完全分解のセルロースが残留するので、後述するように乳酸重合体と加熱処理して樹脂への分散性をさらに高めることが必要である。
【0015】
(B)乳酸重合体とは、ポリ乳酸及び乳酸オリゴマーを意味する。(B)乳酸重合体の由来は特に限定されず、種々の由来の乳酸重合体を使用できるが、好ましくは植物原料から製造された乳酸を重合したものを使用する。例えば、葡萄糖(グルコース)、砂糖(スクロース)などの糖類に乳酸菌を作用させると、その発酵作用により乳酸が得られる。原料となる糖類はジャガイモやトウモロコシなどから得られる澱粉に酵素(アミラーゼなど)を作用させることにより、あるいはサトウキビなどから抽出することにより大量に得られる。また、最近ではスーパー、コンビニ、給食センターなどからの食品廃棄物や各種セルロース分解物の乳酸発酵などによる乳酸製造法も開発されている。乳酸の重合方法は特に限定されず、例えば、ラクチドを経由する方法や直接重合する方法などにより、様々な分子量の乳酸重合体を製造できる。
【0016】
本発明の(B)乳酸重合体は、好ましくは、低分子量ポリ乳酸又は乳酸オリゴマー(例えば、重量平均分子量が2000以下、好ましくは1000〜2000程度)である。分子量が相対的に小さいほうが、末端のヒドロキシル基(−OH基)とカルボキシル基(−COOH基)の含量が多くなり、糖化処理残渣やグリセリンとの脱水反応部位が多くなる為、脱水縮合反応(樹脂化)が進みやすくなる。なお、低分子量のポリ乳酸は弱酸性を示すため、残留セルロースの加水分解触媒として機能することができる。残留セルロースの加水分解に必要な水には、糖化処理残渣、ポリ乳酸、及びグリセリンなどの間での脱水縮合反応で生成する水が利用される。これらの脱水縮合反応とセルロースの加水分解はいずれもほぼ同じ温度域で可能であり、反応温度の上昇または反応時間の増加により、残留セルロースの分解と充填材の脱水縮合反応(樹脂化)を同時に促進できる。残留セルロースの分解は、樹脂への充填材の分散性向上に役立ち、脱水縮合反応は充填材と樹脂からなる樹脂成形体の物性向上に役立つ。また、脱水縮合反応が進行するほど、低分子量ポリ乳酸由来の酸性官能基(−COOH)がヒドロキシル基(−OH)との分子間脱水により中和されると共に余分に生成した水は高温混練過程で系外へ排除される為、遊離酸の残留や生成水に由来する気泡発生も抑制できる。
【0017】
低分子量ポリ乳酸又は乳酸オリゴマーは、主成分として乳酸から直接重合したものであってもよいが、ポリ乳酸を製造する際の副生成分であってもよい。副生成分を有効利用することで、さらに環境に対する負荷を軽減できる。
【0018】
(C)グリセリンとしては、特に限定されず、種々の由来のグリセリンを使用できるが、好ましくはバイオディーゼル燃料(BDF)製造時の副生グリセリンを使用する。下記式に示す様に、BDFは、油脂(ナタネ油、ヒマワリ油、大豆油等の植物油)をメタノールでエステル交換して生成される脂肪酸メチルエステルを意味し、軽油代替燃料として、ディーゼル自動車やトラクター、ボイラー等の燃料に利用されている。現在日本国内のBDFの殆どは、廃食油 (廃てんぷら油)を回収して原料とするが、熱帯、亜熱帯地方ではパーム油を基本原料としたBDFの開発が進められている。グリセリンは、BDF(メチルエステル)を生成した後の油脂残基として副生する。
【0019】
【化1】

【0020】
本発明の樹脂用充填材に用いるグリセリン原料は、NaOH、KOHなどの塩基触媒を用いるエステル交換反応によって得られるものであってもよいが、固定床触媒を用いるエステル交換反応によって得られるものが望ましい。固定床触媒によって得られるグリセリンは、塩基が残留せず、高純度であり、低コストで製造できる。
【0021】
なお樹脂用充填材の原料組成比において、(C)グリセリンの量が多くなると、樹脂成形体の表面が粘着質になる。従って(C)グリセリンの量は、(A)糖化処理残渣、(B)乳酸重合体、(C)グリセリンの合計を100質量%としたとき、例えば、30質量%以下、好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下にすることが推奨される。(C)グリセリンの量の下限は特に限定されないが、成形性を著しく改善する観点から、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上にすることが推奨される。
【0022】
前記充填材組成物は、樹脂に配合する前、又は樹脂に配合した後、加熱脱水処理する。この処理によって、(A)糖化処理残渣中のリグニンなど、(B)乳酸重合体、及び(C)グリセリンなどが相互に結合して樹脂化し、(A)糖化処理残渣単独で樹脂に添加した場合の悪影響を低減できる。加熱温度は、脱水反応が進行する限り特に限定されず、例えば、100〜250℃程度の範囲で適宜設定できる。樹脂を成形するための溶融混練時に、前記加熱脱水処理も兼ねて樹脂組成物を加熱するのが簡便である。
【0023】
樹脂用充填材組成物と樹脂の割合(樹脂用充填材組成物/樹脂)は、質量比で、例えば、5/95〜45/55程度、好ましくは10/90〜40/60程度、さらに好ましくは15/85〜35/65程度である。
【実施例】
【0024】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0025】
なお、下記実験例で使用した糖化処理残渣、乳酸重合体、及びグリセリンは、以下のものを使用した。
1)糖化処理残渣
杉の切り株と枝葉からなる直径5〜100cm程度の未利用木質系バイオマスを破砕機により3〜5cm角のチップに破砕した後、含水率が約20質量%になるまで自然乾燥した。さらに粉砕して、平均粒径約20μm、含水率約3質量%の粉末にした。この木粉100質量部に、アクレモニュウムセルラーゼ(明治製菓製、商品名:アクレモニュウムエンザイム)5質量部と水500質量部を加え、温度55℃で40時間糖化処理(糖化率は原料中のセルロース100質量%に対して35質量%)した後、濾過して液体成分(a)と固形分とに分離した。固形分はさらに水で洗浄し、洗浄液(b)と前記液体成分(a)を合わせてエタノール発酵に供した。固形分(糖化処理残渣)は自然乾燥してから粉状に砕いた後、さらに温度105℃で一夜乾燥して、樹脂用充填材の原料となる糖化残渣を得た。糖化残渣の量は、原料木粉の乾燥質量100質量%に対して82質量%であった。
【0026】
2)乳酸重合体
水溶状DL−乳酸(総乳酸含量90.6質量%、シグマアルドリッチジャパン株式会社製)612gを、内容積1000mlの三つ口フラスコに投入し、速度600rpmで撹拌しつつ、温度134±1℃に加熱して重合反応(脱水反応)を開始した。生成した水は、三つ口フラスコの一方から導入する窒素ガス(流速200ml/min)と共に系外に排出し、排出した窒素ガスを水冷式冷却管で冷却することによって生成水を回収した。生成水の回収量が146gになった時点で重合反応を終了し、466gの乳酸重合体を得た。
【0027】
得られた乳酸重合体の重量平均分子量(Mw)を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法を用い、下記測定条件で測定した。重量平均分子量(Mw)は1600であった。
試料調製:乳酸重合体をクロロホルムで溶解した後、テトラヒドロフラン(THF)で希する。
カラム:第1カラム(東ソー(株)製「TSKgel G2000HHR」、φ7.8mm×300mm)2本、及び第2カラム(東ソー(株)製「TSKgel G1000HHR」、φ7.8mm×300mm)2本の合計4本をこの順で直列につないだ。
溶離液:THF
検出器:RI(Refractive Index)
カラム温度:40℃
換算:ポリスチレン換算
【0028】
3)グリセリン
試薬特級、純度99.0%、ナカライテスク株式会社製
【0029】
実験例1〜12及び14
表1に示す組成の充填材とポリプロピレン樹脂(商品名:ノバテックPP、グレード:MA3、日本ポリプロ(株)製)を表1に示す比率で混練機(ラボプラストミル、Model 30C150、東洋精機製作所製)に投入し、回転速度45rpmに設定し、表1に示す混練条件で混練した。冷えて固まる前に混練物を回収し、物性測定の為に、混練物をホットプレス成型機で厚さ1mmのシートに成型した。
【0030】
実験例13
表1に示す組成の充填材を混練機(ラボプラストミル、Model 30C150、東洋精機製作所製)に投入し、回転速度45rpmに設定し、表1に示す前処理条件で混練した。さらにポリプロピレン樹脂をこの混練機に投入し、回転速度45rpmのまま、表1に示す混練条件で混練した。冷えて固まる前に混練物を回収し、物性測定の為に、混練物をホットプレス成型機で厚さ1mmのシートに成型した。
【0031】
実験例1〜14で得られたシートの物性を以下のようにして評価した。
1)粘度(η)、MFR
上記シートを2〜3mm角の小片に切断して測定用サンプルとし、島津製フローテスター(CFT-500C)を用い、JIS K7210:1999に準拠して、試験条件F(190℃−10kg)にて粘度(η)とMFRを測定した。
【0032】
2)成形時の気泡の発生
上記シートを肉眼で観察し、気泡の有無を確認した。
結果を表1に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
表1に示すように、糖化処理残渣を単独で樹脂に充填した場合には(実験例2〜5)、無添加(実験例1)に比べ、成型時の溶融粘度が極めて高くなり、MFRが大きく低下する。これに対して、糖化処理残渣に乳酸重合体を加えた例(実験例6〜14)では、成型時の溶融粘度が低減され、MFRが向上する。特にグリセリンを追加すると、溶融粘度の低減とMFRの向上がさらに進み(実験例6)、グリセリンの添加量が所定量になると溶融粘度の低減効果とMFRの向上効果が最も良くなる(実験例7〜13)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)木質系バイオマスの糖化処理残渣と、(B)乳酸重合体とを含む樹脂用充填材組成物。
【請求項2】
(A)糖化処理残渣と(B)乳酸重合体との割合(A/B)が、質量比で、40/60〜80/20である請求項1に記載の樹脂用充填材組成物。
【請求項3】
さらに(C)グリセリンを含む請求項1又は2に記載の樹脂用充填材組成物。
【請求項4】
(A)糖化処理残渣、(B)乳酸重合体、(C)グリセリンの合計を100質量%としたとき、(C)グリセリンが30質量%以下である請求項3に記載の樹脂用充填材組成物。
【請求項5】
(C)グリセリンが3質量%以上である請求項4に記載の樹脂用充填材組成物。
【請求項6】
(B)乳酸重合体の重量平均分子量が、2000以下である請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂用充填材組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂用充填材組成物を樹脂と加熱混練した後、成形する樹脂成形体の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂用充填材組成物を予め加熱脱水処理した後、樹脂と加熱混練し、成形する樹脂成形体の製造方法。
【請求項9】
樹脂用充填材組成物と樹脂の割合(樹脂用充填材組成物/樹脂)が、質量比で、5/95〜45/55である請求項7又は8に記載の樹脂成形体の製造方法。

【公開番号】特開2010−121039(P2010−121039A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295955(P2008−295955)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(598112453)株式会社ジュオン (11)
【Fターム(参考)】