説明

機器交換管理プログラム、方法、および装置

【課題】複数のハードウェア機器などを複数のラックに設置して構築したITシステムを運用管理するシステムにおいて、運用中に発生する機器の交換作業に対し対象機器を効率よく同定することを可能とした機器交換管理プログラムを提供する。
【解決手段】機器が設置される位置を特定する位置識別子、該機器を特定する機器識別子、該機器識別子毎の業務名を有するハードウェア情報、及び該業務名と該業務に係るソフトウェアの設定に必要なパラメータとを有するソフトウェア情報を記憶し、交換後の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索して見つけた機器識別子の、前記記憶部中のハードウェア情報の対応する業務名を取得し、前記交換後の機器の業務名を取得した業務名に更新し、前記交換後の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索して見つけた機器識別子を、前記交換後の機器の機器識別子に更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のハードウェア機器などを複数のラックに設置して構築したITシステムを運用管理する技術に関し、特に、運用中に発生する機器の交換作業などの機器の位置関係が変化する可能性がある作業に対し、対象機器を効率よく同定することを可能とした機器交換管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カスタマーエンジニア(CEということがある)は、多数のラックに対し、機器の設置、機器同士の結線、機器の代替機との交換、機器の点検、機器の撤去などの物理作業を行なう。システムエンジニア(SEということがある)は、CEによる作業結果の検査、BIOS設定、システムのインストール、故障に対する対応、アップグレードなどの論理作業を行なう。
そして、複数のハードウェア機器などを複数のラックに設置して構築したITシステムを運用管理する場合、これらCEとSEとが連携して作業を行なう必要がある。
【0003】
このようなシステムにおいては、CEが行なうラックでの作業の管理データベースへの反映漏れが発生しやすく、システム内の機器の台数が増加するにしたがって、対象機器の同定にコストがかかる、という問題がある。
【0004】
一方、ブレードサーバにおいては、個々のブレードのハードウェア構成は管理ブレードを通じて自動掌握される。しかし、特殊なハードウェアを使用しており、コスト高の原因となっている。
【0005】
また、従来技術として、銀行に設置される自動現金入出金装置、デパートに設置される取引処理装置、駅に設置される券売機、改札機等の端末装置と、それら端末装置とデータ通信ラインを介して接続される集線装置と、その集線装置と公衆回線網を介して接続されるリモートメンテナンス装置と、によって構成されるリモートメンテナンスシステムがある。リモートメンテナンス装置は、集線装置を通して端末装置毎に状態の監視および制御を行っている。
【特許文献1】特開平7−210729号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数のハードウェア機器などを複数のラックに設置して構築したITシステムを運用管理するシステムにおいて、運用中に発生する機器の交換作業に対し対象機器を効率よく同定することを可能とした機器交換管理プログラム、方法、および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
提案する機器交換管理プログラムは、機器が設置される位置を特定する位置識別子と該機器を特定する機器識別子とを記憶し、該機器識別子毎の業務名を有するハードウェア情報を記憶し、該業務名と該業務に係るソフトウェアの設定に必要なパラメータとを有するソフトウェア情報を記憶する、記憶部にアクセスして必要な処理を実行する。
【0008】
交換予定機器確認部は、交換予定の機器の位置識別子と機器識別子とを入力として受け取り、入力された交換予定の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索し、見つけた機器識別子が入力された機器識別子に一致するかどうかの照合結果を出力する。
【0009】
交換機器登録部は、交換後の機器の位置識別子と機器識別子とを入力として受け取り、該交換後の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索して見つけた機器識別子の、前記記憶部中のハードウェア情報の対応する業務名を取得し、前記記憶部中の前記交換後の機器の機器識別子を有するハードウェア情報の業務名を取得した業務名に更新し、前記交換後の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索して見つけた機器識別子を、前記交換後の機器の機器識別子に更新する。
【0010】
パラメータ受渡し部は、入力された業務名をキーに、前記交換後の機器に対応する、前記記憶部を検索して見つけたパラメータを、該業務に係るソフトウェアをインストールする処理部に渡す。
【発明の効果】
【0011】
提案する機器交換管理プログラムは、機器の交換作業などの機器の位置関係が変化する可能性がある作業に対し、対象機器を効率よく同定することが可能である。

【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細を説明する。
本実施形態では、機器(パーソナルコンピュータ、スイッチ、ネットワーク・アタッチド・ストレージ、等)がラックの一方の側からラックに挿入されて、その後、ネジによりラックの所定位置に固定される場合を想定している。ラックの他方の側には、複数のケーブルが露出され、それらのケーブルによって機器同士が接続されている。
【0013】
図1には、上下方向に5つのユニット(機器)が設置可能なラック1が3台分示されている。
図1に示すように、ラック1の上下方向の5つの位置には、そのラック1内の各位置を識別する位置IDが印字されたラベル2が貼り付けられている。
【0014】
そして、ラック1に挿入される機器についても、設置時にラック1の位置IDのラベルに近い位置になるような機器上の位置に、その機器を識別する機器IDが印刷されたラベル3が貼り付けられている。
【0015】
図1には3ラックしか示されていない。しかし、本実施形態では、より大きな規模の機器群を管理対象とする。例えば、ラック10台により1列が形成され、複数列が1かたまりとなって目印となる柱の前に形成され、複数の柱によって貫通された複数フロアによって1つの建物(倉庫)が形成され、そのような建物の複数によって1つのデータセンターが形成される。そして、そのデータセンター内に設置された機器群が管理対象となる。
【0016】
図2は、位置ID採番の例を示す図である。
図2に示すように、位置IDは、データセンターを識別するセンター番号、建屋番号、階数、柱番号、ラック列、ラック番号、ラック(内)ユニット(番号)、の項目を有する。
【0017】
管理対象となる機器群には、実際には複数のシステムが含まれている。そのようなシステムの1つとして、図3には、複数のスイッチ11と、ロードバランサ12と、ApacheがインストールされたWebサーバ13と、アプリケーション(図3では、J2EEおよびPetStore)がインストールされたアプリケーションサーバ14−1、14−2と、データベースサーバ(DBサーバ)15とによって構成された、クライアント17からの要求を受け付けて処理を行なう両系運用のシステムがある。このシステムは、管
理対象システムの1つである。
【0018】
管理対象システムの各ノードは、管理ネットワーク16を通して、管理サーバ18に接続されている。
管理サーバ18は、本実施形態の機器交換管理処理部(図3では不図示)を有する装置である。管理サーバ18から管理ネットワーク16を通して、TCP/IP経由で管理対象機器に対する電源制御、OSインストール、OSとアプリケーションの設定が可能である。既存の技術として、IPMI(Intelligent Platform Management Interface)、SSH(Secure Shell、暗号化シェル)などを使う。
【0019】
なお、本実施形態では、機器交換管理処理部はソフトウェアとして実現される。すなわち、機器交換管理処理部は管理サーバ18がアクセス可能な、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクなどのメモリにプログラムとして記憶され、そのメモリからRAM(Random Access Memory)に読み出されて、CPU(Central Processing Unit)によって実行される。
【0020】
機器交換管理処理部が処理実行時にアクセスするID基盤管理データベース(ID基盤管理DBともいう)19には、管理対象となる各機器についての情報が記憶される。図4は、ID基盤管理DBの詳細な構成を示す図である。
【0021】
図4において、ラック搭載表21は、そのラックを識別するラックID(表上では、“Rack12列_32番”、“Rack12列_33番”、“Rack12列_34番”、・・・と表記されている)を有する。そして、そのラック内での各位置(表上では、ラックの上下方向の上から順に“Unit_0”、“Unit_1”、・・・と表記されている)を識別するラック内位置IDと、そのラック内の各位置に設置される機器を識別する機器IDとが対応付けられている。機器IDが“空き”になっているラック内の各位置には、機器が設置されていない。一例としては、コンピュータは機器IDが“PG_”で始まり、スイッチは機器IDが“SW_”で始まり、ネットワーク・アタッチド・ストレージは機器IDが“NAS_”で始まるようにして区別する。また、図2を参照することで明らかなように、実際には、ラック搭載表のさらに上位側に、センター番号、建屋番号、階数、柱番号、を管理する表が設けられているが、図4では省略されている。
【0022】
スイッチ管理表22は、管理対象の機器群に含まれるスイッチについての情報(そのスイッチを識別する機器ID等)が設定される表である。
マシンハード管理表23は、管理対象の機器群に含まれるコンピュータのハードウェアに関する情報(そのコンピュータを識別する機器ID等)が設定される表である。
【0023】
マシンソフト管理表24は、管理対象の機器群に含まれるコンピュータにインストールされている、または、インストールされうる、ソフトウェアに関する情報(そのソフトウェアのシステム内での役割を識別する業務マシン名等)が設定される表である。なお、マシンハード管理表中にも、「業務マシン名」の項目があり、マシンハード管理表23とマシンソフト管理表24は、「業務マシン名」の項目に設定された値を通してリンクされる。
【0024】
なお、図4中には、各表間に矢印が表記されている。例えば、ラック搭載表“Rack12列_34番”の機器ID“PG_432”が機器ID “PG_432”のマシンハード管理表をポイントしているが、これは、ラック搭載表上に設定された機器IDの値と、同じ機器IDの値を持つマシンハード管理表があるはずである、という意味での概念的なリンクを示している。
【0025】
なお、上記したように、故障などにより機器の交換が必要となったときに、その機器が
設置された建物内の場所に移動して、例えば故障機器の代替機への交換を行なうCEと、CEの作業結果を受けて、代替機に対して元の機器と同様のシステム(ソフトウェア構成)のインストールを遠隔操作により行なうSEとが分担して作業を行っている。上記の図3は、その意味で、SEから見たシステム構成図と言うことができ、以下に説明する図5はCEから見たシステム構成図と言うことができる。
【0026】
CEは、例えば図5に示すように、「ラック“***”の“Unit_4”に設置されている機器(アプリケーションサーバ)を代替機で交換してください」という指示を受けて、その指示を実行するために、後述の携帯型パーソナルコンピュータと代替機を持参して、建物内のその故障機器の設置場所に向かう。そのため、CEにとっては、図5に示すように、各ラックの各位置にどのような機器が設置されているかということがシステム構成となる。
【0027】
図6は、図3に示す管理対象システムにおいて、2台のアプリケーションサーバのうちの1台が故障した場合の、故障の検出から正常動作に至るまでの一連の処理を示すフローチャートである。
【0028】
図6のステップS1において、2台のアプリケーションサーバのうちの1台に故障が発生する(ここでは故障を擬似的に発生させるために、故意にネットワークケーブルを抜く)。続く、ステップS2では、ネットワークがつながっていることを確認するために送出されるPingに対する無反応が検出されて、ステップS3で、ロードバランサ12が、故障していない方のアプリケーションサーバだけを利用するように片系運用が開始され、続くステップS4で、その一方のアプリケーションサーバに故障が発生したことが、その故障したアプリケーションサーバの位置IDとともに、CEの端末に通知される。また、SEに対しても、その故障したアプリケーションサーバの機器IDが通知される。
【0029】
この通知を端末上で確認したCEは、ラップトップなどの携帯型のパーソナルコンピュータ(以下、「携帯型PC」という)と代替機を持参して、通知された位置IDを参照しつつ、その故障が発生した機器(この場合、アプリケーションサーバ)が設置された建物内の場所に向かう。
【0030】
そして、ステップS5で、CEは故障ノード(故障した機器)の特定・確認を行なう。これは、データベースの登録内容と、現場の機器配置が一致しているかどうかのチェックであるが、その詳細は、図7および図8で後述する。
【0031】
チェック結果が不整合の場合、図6のフローチャートには示されていないが、その旨が管理サーバ18側に把握される。チェック結果が整合した場合、ステップS6で、CEがラックのネジを外すなどして、その故障したアプリケーションサーバがその設置位置より抜き取られ、代替機が代わりにその設置位置に挿入されて、ネジ止めされ設置される。
【0032】
そして、ステップS7で、CEにより、交換ノード(代替機)の登録が行われる。その詳細は、図7および図9で後述する。
ステップS8では、ステップS7の代替機の登録までが済んだことが、CEの端末からSEに通知され、SEによって、管理サーバ18に対して、入替論理作業が指示される。
【0033】
この入替論理作業指示の結果として、ステップS9において、遠隔でリモートにその代替機の電源が投入され、ステップS10で、OSが管理ネットワークを通して、その代替機にインストールされ、ステップS11で、ユーザ登録が自動的に行われるとともに、その登録されたユーザが対象サーバ(代替機)に公開鍵を使った認証ができるようにssh公開鍵がコピーされる。
【0034】
ステップS12では、対象マシン(代替機)に最寄りのスイッチに対し、テストパケットを送出して、そのスイッチがテストパケットを受信したかどうかを確認することで、ネットワークの結線のチェックが行われる。
【0035】
ステップS13では、対象マシン(代替機)のミドルウェア・アプリケーションの配備・設定・起動が行われる。ステップS14で、片系で運用されているロードバランサが、両系運用に変わる。すなわち、ロードバランサの両系運用が開始され、一連の処理が終了する。
【0036】
続いて、図7〜図12を参照して図6のステップS5,S7及びS8の処理を詳細に説明する。
上述したように、機器交換の通知を受けたCEは、代替機と携帯型PCを持参して故障機器の設置現場に向かう。
【0037】
CEは、故障機器の設置現場で、携帯型PCに必要な情報(コマンド、そのオペランド)を入力して実行すると、そのコマンドおよびオペランドが無線LAN(不図示)を通して管理サーバ18に受信されて、その管理サーバ18において、図6のステップS5の故障ノードの特定・確認処理、ステップS7の故障ノードの登録処理が行なわれる。
【0038】
また、SEは、CEの作業結果を受けて、管理サーバ18に接続された端末(不図示)から、図6のステップS8の入力論理作業に必要な情報(コマンド、そのオペランド)を指示すると、そのコマンドおよびオペランドが無線LAN(不図示)を通して管理サーバ18に受信されて、その管理サーバ18において、図6のステップS8の入力論理作業指示が実行される。
【0039】
図7は、図6のステップS5、S7、S8で実行されるコマンドが示された画面例を示す図である。
図7において、符号31で示される行には、「rack_check」コマンドが指定される。この「rack_check」コマンドは、交換予定機器確認コマンドと呼ばれ、現場における交換等の対象の機器の配置が、ID基盤管理DB19内のラック搭載表の内容に一致するかどうかを確認するためのコマンドである。このコマンドは、第1オペランドに位置ID“rack0_4”を有し、第2オペランドに交換対象の機器ID“ST452A00054”を有する。ここにいう位置IDとは、ラックID+ラック内位置IDのことである。なお、ラックIDより上位側の位置を識別するためのIDは予め指定されているものとする。
【0040】
図7において、符号32で示される行には、「server_register」コマンドが指定される。この「server_register」コマンドは、交換機器登録コマンドと呼ばれ、交換後の機器についての情報を、ID基盤管理DB19内のラック搭載表に登録し、マシンハード管理表とマシンソフト管理表を対応付けるためのコマンドである。このコマンドは、第1オペランドに位置ID“rack0_4”を有し、第2オペランドに交換機器(代替機)の機器ID“ST452A00136”を有する。
【0041】
図7において、符号33で示される行には、「setup_alt_server」コマンドが指定される。この「setup_alt_server」コマンドは、インストール処理部へのパラメータ受渡しコマンド(または、入替指示コマンド)と呼ばれ、交換後の機器から受けた問い合わせに対応して、その交換後の機器の、ソフトウェアをインストールする処理部にパラメータを渡すためのコマンドである。このコマンドは、オペランドとして業務マシン名“apl02”のみを有する。
【0042】
図8は、機器交換管理処理部の構成を示すブロック図である。
上記したように、機器交換管理処理部は、管理サーバ18にインストールされたプログラムである。ID基盤管理DB19は、管理サーバ18からアクセス可能な記憶部である。
【0043】
機器交換管理処理部41の制御部42の交換予定機器確認部47は、無線LANや通信インターフェイス部43を通して、管理サーバ18がCEの携帯型PC44から受け取ったコマンド名から特定されるプログラムを、受け取ったオペランドの組(位置ID、機器ID)を引数として実行する。
【0044】
交換予定機器確認部47は、受け取った位置IDをキーとして、ラック搭載表を検索し、検索結果として、ラック搭載表上で、その位置IDに対応する機器IDを見つけ、その対応する機器IDが受け取った機器IDに等しいかどうかを判定する。等しい場合は「OK」を、等しくない場合は「NG」を判定結果として、通信インターフェイス部43、無線LANを通して、CEの携帯型PC44に送信する。交換予定機器確認部によれば、記憶部の登録内容と、現場の機器配置との照合を自動で行なうことができる。
【0045】
また、機器交換管理処理部41の制御部42の交換機器登録部48は、無線LANや通信インターフェイス部43を通して、管理サーバ18がCEの携帯型PC44から受け取ったコマンド名から特定されるプログラムを、受け取ったオペランドの組(位置ID、(交換後の機器の)機器ID)を引数として実行する。
【0046】
交換機器登録部48は、受け取った位置IDをキーとして、ラック搭載表を検索し、検索結果として、ラック搭載表上で、その位置IDに対応する交換前の機器の機器IDを見つける。そして、その交換前の機器の機器IDをキーとして、マシンハード管理表を検索し、検索結果として、その交換前の機器の機器IDを有するマシンハード管理表を見つけ、そのマシンハード管理表上の業務マシン名(これは、そのマシンにインストールされる、OS、ミドルウェア、アプリケーション等の組み合わせを識別する情報である)を取得する。
【0047】
また、交換機器登録部48は、受け取った交換後の機器(代替機)の機器IDをキーとして、マシンハード管理表を検索し、検索結果として、その交換後の機器の機器IDを有するマシンハード管理表を見つける。そして、その見つけたマシンハード管理表の業務マシン名の項目の値を、交換前の機器の機器IDに対応する(取得した)業務マシン名の値に変更する。そして、交換機器登録部48は、ラック搭載表上で、受け取った位置IDに対応する機器IDの値を、交換後の機器のものに変更する。交換機器登録部によれば、交換後の機器にインストールするソフトウェアを、該交換後の機器と対応付ける業務名を、前記ハードウェア情報中に自動で設定でき、後続のネットワークを通した、交換後の機器へのソフトウェアの自動インストールのための下準備までが自動で実行される。
【0048】
また、機器交換管理処理部41の制御部42のパラメータ受渡し部49は、通信インターフェイス部43を通して、管理サーバ18がSEの端末から受け取ったコマンド名から特定されるプログラムを、受け取ったオペランド(業務マシン名)を引数として実行する。
【0049】
パラメータ受渡し部49は、受け取った業務マシン名をキーとして、マシンソフト管理表を検索し、検索結果として、その業務マシン名を有するマシンソフト管理表を見つける。そして、(マシンソフト管理表とマシンハード管理表が1対1に対応付けられている場合には、)そのマシンソフト管理表に対応するマシンハード管理表のMACアドレスを参
照する。そして、パラメータ受渡し部49は、機器起動部51を起動して、そのMACアドレスを有する起動パケットを交換後の機器52に、通信インターフェイス部43、管理ネットワーク16を通して送付する。
【0050】
これにより、起動した交換後の機器52上で実行される、OS自動インストールツール(不図示)から、起動パラメータの問い合わせを、管理ネットワーク16、通信インターフェイス部43を通してパラメータ受渡し部49は受信する。パラメータ受渡し部49はこの問い合わせを受けて、見つけたマシンソフト管理表の内容に基づいて、渡すパラメータを生成し、交換後の機器52に送信する。パラメータを受信した交換後の機器52のOS自動インストールツールは、このパラメータに基づいてOS等の各種プログラムのインストールを実行する。パラメータ受渡し部によれば、交換後の機器の処理部に対し、正しいソフトウェアをインストールするのに必要な情報を自動で送信できる。
【0051】
図9は、交換予定機器確認コマンドを受けて管理サーバが実行する処理を含むフローチャートである。
このフローチャートの前段において、ある機器に故障が発生し、その旨が、図9のステップS21において、CEの端末(データセンター全体状態表示部)に状態表示される。そして、ステップS22で、作業対象機器の位置IDを含んだ作業指示書がメール、FAXなどでCEに送付される。
【0052】
ステップS22に続くステップS23では、CEがその指示に基づいて、建物内を目的の場所まで移動し、作業対象の故障した機器を発見する。続くステップS24では、CEは持参した携帯型PC44に、上述の「rack_check」コマンド(交換予定機器確認コマンド)と、そのオペランドの組(指示された位置ID、その位置IDの場所に設置されている機器ID(発見機器ID))とを入力し、無線LANを通して、その「rack_check」コマンドと、オペランドの組とを管理サーバ18に送信することで、CEによる交換予定機器確認コマンドの投入が行われる。
【0053】
ステップS25では、管理サーバ18内の機器交換管理処理部41の制御部42の交換予定機器確認部47は、無線LANや通信インターフェイス部43を通して、管理サーバ18がCEの携帯型PC44から受け取ったコマンド名(「rack_check」)から特定されるプログラムを、受け取ったオペランドの組(位置ID、機器ID)を引数として実行する。交換予定機器確認部47は、受け取った位置IDをキーとして、ラック搭載表を検索し、検索結果として、ラック搭載表上で、その位置IDに対応する機器IDを見つけ、ステップS26において、その対応する機器IDが受け取った機器IDに等しいかどうかを比較する。
【0054】
等しい場合は「OK」を、等しくない場合は「NG」が判定結果として、通信インターフェイス部43、無線LANを通して、CEの携帯型PC44に通知される。
「NG」が通知された場合、CEはステップS27において、それを、「異常通報」と判断し、ステップS28で作業を中断する。
【0055】
図10は、交換機器登録コマンドを受けて管理サーバが実行する処理を含むフローチャートである。
図10のステップS31で、CEは、コンピュータ本体(マシンハードウェア)の入れ替えが行われる。すなわち、ラック上の、故障機器が設置されていた場所から、故障機器が取り外されて、その場所に代替機(「交換機器」、「交換後の機器」ともいう)を設置する。
【0056】
続く、ステップS32では、CEは持参した携帯型PC44に、上述の「server
_register」コマンド(交換機器登録コマンド)と、そのオペランドの組(位置ID、交換後の機器の機器ID)とを入力し、無線LANを通して、その「server_register」コマンドと、オペランドの組とを管理サーバ18に送信することで、CEによる交換機器登録コマンドの投入が行われる。
【0057】
管理サーバ18内の機器交換管理処理部41の制御部42の交換機器登録部48は、無線LANや通信インターフェイス部43を通して、管理サーバ18がCEの携帯型PC44から受け取ったコマンド名から特定されるプログラムを、受け取ったオペランドの組(位置ID、(交換後の機器の)機器ID)を引数として実行する。
【0058】
すなわち、続くステップS33で、交換機器登録部48は、受け取った位置IDをキーとして、ラック搭載表を検索し、検索結果として、ラック搭載表上で、その位置IDに対応する交換前の機器の機器IDを見つける。ステップS34で、その交換前の機器の機器IDをキーとして、マシンハード管理表を検索し、検索結果として、その交換前の機器の機器IDを有するマシンハード管理表を見つける。そして、ステップS35で、その見つけたマシンハード管理表の業務マシン名(これは、そのマシンにインストールされる、OS、ミドルウェア、アプリケーション等の組み合わせを識別する情報である)を取得する。
【0059】
また、交換機器登録部48は、ステップS36で、受け取った交換後の機器(代替機)の機器IDをキーとして、マシンハード管理表を検索し、検索結果として、その交換後の機器の機器IDを有するマシンハード管理表を見つける。そして、ステップS37で、その見つけたマシンハード管理表の業務マシン名の項目の値を、交換前の機器の機器IDに対応する業務マシン名の値に変更する。そして、ステップS38で、交換機器登録部48は、ラック搭載表上で、受け取った位置IDに対応する機器IDの値を、交換後の機器のものに変更し、一連の処理を終了する。
【0060】
図11は、入替指示コマンドを受けて管理サーバが実行する処理を含むフローチャートである。なお、代替機(交換後の機器)の機器IDと、業務マシン名(マシン(代替機)にインストールするOS、ミドルウェア等のソフトウェアの組を識別する情報)とはSEに既知である。
【0061】
CEから交換作業が正常に終了したことを受けたSEは、図11のステップS41で、管理サーバ18に接続された端末から、上述した「setup_alt_server」コマンド(入替指示コマンド)を、業務マシン名を引数として投入する。これにより、入力されたコマンド名(「setup_alt_server」)に対応するプログラム(パラメータ受渡し部)が実行される。
【0062】
すなわち、続くステップS42において、パラメータ受渡し部49は、受け取った業務マシン名をキーとして、マシンソフト管理表を検索する。、ステップS43において、検索結果として、その業務マシン名を有するマシンソフト管理表を見つける。(マシンソフト管理表とマシンハード管理表が1対1に対応付けられている場合には、)ステップS44において、そのマシンソフト管理表に対応するマシンハード管理表のMACアドレスを参照する。そして、ステップS45において、パラメータ受渡し部49は、機器起動部51を起動して、そのMACアドレスを有する起動パケットを交換後の機器52に送付する。
【0063】
これにより、起動した交換後の機器52上で実行される、OS自動インストールツールから、ステップS46において、起動パラメータの問い合わせを、パラメータ受渡し部49は受信する。パラメータ受渡し部49はこの問い合わせを受けて、ステップS47にお
いて、見つけたマシンソフト管理表の内容に基づいて、渡すパラメータを生成し、交換後の機器52に送信し、一連の処理を終了する。
【0064】
なお、パラメータを受信した交換後の機器52のOS自動インストールツールは、このパラメータに基づいてOS等の各種プログラムのインストールを実行する。
図12は、OS自動インストールツールに渡るパラメータ例を示す図である。
【0065】
なお、上記したように、この図に示される一連のパラメータは、ある業務マシン名を持つマシンソフト管理表の内容から自動生成されたものである。しかし、図4のマシンソフト管理表24はすべての項目を含まず簡略化して記載されている。
【0066】
1行目の「install http://iso-image.example.jp/RHLE5」では、URLを指定して、インストールするOSのDVDイメージを取得している。なお、1行目の“RHLE5”は、“RHLE(OS名)”と“5(シリアル)”を示している。この行は、図4のマシンソフト管理表24の「OS」の項目の内容から生成される。
【0067】
2行目の「lang en_US.UTF-8」は使用言語を指定し、3行目の「keyboard us」はキーボードの種類を指定している。
4行目の「network -device eth0 ・・・」で始まる行では、ネットワークI/Fの設定が行われている。
【0068】
5行目の「rootpw -iscrypted ・・・」で始まる行から8行目の「selinux --enforcing」の行の間の4行には、セキュリティ設定、初期パスワードが記述される。
9行目の「bootloader・・・」で始まる行には、起動プログラムへの引数が記述される。
【0069】
10行目の「clearpart・・・」で始まる行から15行目の「logvol / --fstype・・・」で始まる行の間の6行には、ローカルディスクの領域区画情報が記述される。
それ以降の「%packages」で始まる複数行には、OSと同時にインストールするライブラリ等の基礎的ソフトウェアが記述される。なお、このうち、最終行の「@web-server」は、例えば、図4のマシンソフト管理表24の「搭載AP」の項目に「YY」として設定される。
【0070】
続いて、本実施形態の変形例について説明する。
本変形例では、ラックに機器の移動検出センサを付加し、移動が行われた可能性がある場合には、マシンハード管理表に属性を記憶する。そして、移動が行われた可能性がある機器群に対して再登録を促す。
【0071】
上記移動検出センサとしては、図13に示すようなラック1の扉53に取り付けられた開閉センサ(鍵、ハンドル、蝶番など)(図13では不図示、以下、「ラック扉センサ」という)、ラックのユニットごとに取り付けられたセンサ(取り付けネジ受け、等)(図13では不図示、以下、「ユニットネジセンサ」という)がある。
【0072】
なお、本変形例のラックには、設置機器が外れないように、ユニットごとに機器のネジ止めを可能とするためにラック側にメスのネジ穴が開いている。上記「取り付けネジ受け」は、このメスのネジ穴に取り付けられ、ネジの挿抜を検出する。これにより、ラックのユニットごとに機器が設置されたり、外されたりすることを物理的に検出でき、CEの申請ベースでの誤り混入を防止できる。
【0073】
また、図14に示すように、本変形例では、マシンハード管理表56は、「要再登録フ
ラグ」の属性をさらに有する。この「要再登録フラグ」の値は、“False”に初期化されている。
【0074】
上記ラック扉センサや上記ユニットネジセンサの開閉反応が検出されたときに、「要再登録フラグ」の値が“False”から“True”に変更される。また、交換機器登録部による機器の交換によって、ID基盤管理DB19から削除される交換前の機器については、マシンハード管理表56上の「要再登録フラグ」の値は“False” に初期化される。
【0075】
「要再登録フラグ」の値が“True”である機器については、管理サーバからCEの端末、携帯型PC、等に異常通報がなされる。
図15は、要再登録フラグの設定処理のフローチャートである。
【0076】
図15のフローチャートの前段では、例えば、CEが故障機器の交換作業のため、現場でラック扉53を開けて、該当するユニットの機器を固定したネジを外すことが想定されている。この場合、ステップS51→S52→S53→S57を進む第1ルートと、ステップS54→S55→S56→S57を進む第2ルートとがある。
【0077】
第1ルートでは、ステップS51で、ラック扉センサによりラックの扉が開いたことが検出され、ステップS52で、そのラックのラックIDをキーとしてラック搭載表が検索され、検索結果として、そのラックIDを有するラック搭載表が得られる。続く、ステップS53では、ステップS52で得られたラック搭載表が参照され、続くステップS57で、そのラック搭載表の各機器IDに対し、対応する各マシンハード管理表の要再登録フラグが“True”に変更される。
【0078】
第2ルートでは、ステップS54で、ユニットネジセンサによりラックの、該当するユニットの機器を固定していたネジが外されたことが検出され、ステップS55で、そのラック搭載表のラックIDをキーとして、ラック搭載表が検索され、検索結果として、そのラックIDを有するラック搭載表が得られる。そして、ステップS56において、そのラック搭載表においてネジが外されたユニットのラック内位置IDが参照され、ステップS57で、そのユニットのラック内位置IDに対応する機器IDをキーとしてマシンハード管理表が検索され、検索結果として、そのユニットの機器の機器IDを有するマシンハード管理表が得られる。続く、ステップS57では、そのマシンハード管理表の要再登録フラグが“True”に変更される。
【0079】
ステップS57から制御を渡されたステップS58では、上述したCEによる交換予定機器確認コマンドの投入が行われ、一連の処理を終了する。
図16は、要再登録フラグの初期化処理のフローチャートである。
【0080】
図16のフローチャートは、交換機器登録部による登録処理における、交換前機器の機器ID書き換え前の時点で実行される。
図16のステップS61では、交換機器登録部の引数の1つである位置IDをキーとして、ラック搭載表が検索され、検索結果として、その位置IDを有するラック搭載表が得られる。続く、ステップS62では、ステップS61で得られたラック搭載表中の検索時のキーとした位置IDに対応する機器ID(これは、交換前機器の機器IDである)をキーとして、マシンハード管理表が検索され、検索結果として、その交換前機器の機器IDを有するマシンハード管理表が得られる。続く、ステップS63では、得られたマシンハード管理表の要再登録フラグが“False”に初期化(変更)され、一連の処理を終了する。
【0081】
図17は、要再登録フラグに基づく異常通報処理のフローチャート(その1)である。
図17のフローチャートは、パラメータ受渡し部によるパラメータ受渡し処理に先立って実行される。
【0082】
図17のステップS65では、入替指示コマンドのオペランドである業務マシン名をキーとして、マシンソフト管理表が検索され、検索結果として、その業務マシン名を有するマシンソフト管理表が得られる。(マシンソフト管理表とマシンハード管理表が1対1に対応付けられている場合には、)続く、ステップS66で、ステップS65で得られたマシンソフト管理表に対応するマシンハード管理表が得られる。そして、ステップS67で、ステップS66で得られたマシンハード管理表の要再登録フラグの値が判定される。要再登録フラグの値が“False”である場合は、パラメータ受渡し部による処理が続行される。一方、要再登録フラグの値が“True”である場合は、ステップS68で、管理サーバ18からCEの端末、携帯型PC、等に異常通報がなされ、ステップS69で、作業が中断され、一連の処理を終了する。
【0083】
図18は、要再登録フラグに基づく異常通報処理のフローチャート(その2)である。
図18のフローチャートは、指定された周期(例:1日1回)で実行される。
すべてのマシンハード管理表について、図18のステップS71で現在のマシンハード管理表が参照され、ステップS72で、その現在のマシンハード管理表中の、要再登録フラグの値が参照される。このような処理がすべてのマシンハード管理表について終了し、それぞれのマシンハード管理表の要再登録フラグの値が機器IDの値と対応付けて出力されると、その出力結果を基に、ステップS73において、要再登録フラグ=“True”のマシンがあるかどうかが判定される。
【0084】
要再登録フラグ=“True”のマシンがある場合、ステップS74で、管理サーバ18からCEの端末、携帯型PC、等に異常通報がなされ、ステップS75で、棚卸しを行う旨の指示が出され、一連の処理を終了する。一方、要再登録フラグ=“True”のマシンがない場合、直ちに、一連の処理を終了する。
【0085】
以上で、本実施形態およびその変形例の説明を終了する。
以上の説明では、例えば、図6のステップS5で、現場の機器配置とID基盤管理DB19内のラック搭載表の登録内容との照合を行なう際に、CEは、機器上に貼られたラベルに印刷された機器ID、および、ラックの、その機器が設置されたユニットに貼られたラベルに印刷された位置IDを手入力している。この場合、IDの入力間違い、上下のユニットとの誤認による読み違いにより、作業効率・品質が低下するという問題がある。
【0086】
以下のようにすれば、IDの入力間違い、機器ID・位置IDの読みずれを防止でき、作業効率・品質を向上できる。
ラック設置工事時に、すべてのラックにID(QRコード等)を添付する。または、予めIDが印字されたラベルがユニット毎に貼り付けられたラックを商品として生産し、ラック設置工事時に、そのIDとセンター内でのラック設置位置との対応関係をID基盤管理DB19に登録する。また、機器にも同様に、機器IDが印字されたラベルを貼り付けて出荷する。
【0087】
CEは、コマンド入力の代わりに、携帯型PC44に接続された読取機(不図示)により、位置IDおよび機器IDを読み取る。
位置IDのラベルと、機器IDのラベルが隣接するようにラックのユニット端に両者を貼り付け、上記読取機で一括して読み取る。または、ラック全体の画像を取得し、ユニット毎の位置ID・機器IDの隣接度から、機器配備状況を一括取得する。
【0088】
また、近隣の技術として、ブレードサーバがある。ブレードサーバにおいては、個々のブレードのハードウェア構成は管理ブレードが自動掌握している。しかし、本実施形態のラック搭載機器では、このような高価なシステム構成ではなく、システム構成管理の効率が悪化し品質も劣化している。
【0089】
機器IDを貼り付ける機器のスペック情報を、出荷時に同梱し、ラックへの設置時に、ID読取りと同時に、ID管理基盤DB19に登録することで、システム構成管理の設置後初期時点での入力工数が削減され、管理品質を向上できる。また、管理されるハードウェア情報は、システム運用処理の自動化基盤としても活用可能である(Power on etherによる指定機器IDの電源制御等)。
【0090】
すなわち、ハードメーカー出荷時のハードウェア構成情報をファイルに書き出す。このファイルは、機器に媒体として付属してもよいし、顧客にネットワーク経由(メール、Web等)で送付されてもよい。そして、機器の設置作業前に、ID基盤管理DB19に上記ファイルを読み込んでおく。そして、機器の設置時に、登録のための機器ID入力を契機に、ラック搭載表上での位置ID・機器IDの対応関係を構築する。
【0091】
図19は、機器のID管理基盤DBへの登録処理のフローチャートである。
図19のステップS81で、ハードメーカー出荷時に、機器のハードウェア構成情報をファイルに書き出す。続く、ステップS82では、SEがそのファイルの情報を、未搭載機器に関する情報としてマシンハード管理表に登録する。
【0092】
ステップS82に続く、ステップS83では、CEが例えば、その機器を交換作業の代替機として作業現場に持参し、代替機登録のために、その代替機の機器IDが位置IDとともに、CEにより交換機器登録コマンドのオペランドとして入力される。
【0093】
ステップS83での入力を受けて、交換機器登録部が起動される。交換機器登録部は、ステップS84で、交換機器登録コマンドのオペランドとして指定された位置IDをキーとして、ラック搭載表を検索し、ステップS85で、その位置IDを有するラック搭載表の、その位置IDに対応する機器IDの値を、交換機器登録コマンドのオペランドとして指定された機器IDの値で書き換える。また、続く、ステップS86で、交換機器登録コマンドのオペランドとして指定された機器IDをキーとして、マシンハード管理表を検索し、その機器IDを有するマシンハード管理表が発見されるかどうかをチェックしている。その機器IDを有するマシンハード管理表が発見されない場合、ステップS85での書き換えは行わない。
【0094】
図20は、記憶媒体例を示す図である。
本実施形態の処理のためのプログラムやデータは、コンピュータ60の記憶装置61からコンピュータ60のメモリにロードして実行することも、可搬型記憶媒体63からコンピュータ60のメモリにロードして実行することも、また、外部記憶装置64からネットワーク65を介してコンピュータ60のメモリにロードして実行することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】ラックの概観を示す図(その1)である。
【図2】位置ID採番の例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る管理サーバと管理対象システムとを示した図である。
【図4】ID基盤管理DBの詳細な構成を示す図である。
【図5】CEから見たシステム構成図である。
【図6】図3に示す管理対象システムにおいて、2台のアプリケーションサーバのうちの1台が故障した場合の、故障の検出から正常動作に至るまでの一連の処理を示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS5、S7、S8で実行されるコマンドが示された画面例を示す図である。
【図8】機器交換管理処理部の構成を示すブロック図である。
【図9】交換予定機器確認コマンドを受けて管理サーバが実行する処理を含むフローチャートである。
【図10】交換機器登録コマンドを受けて管理サーバが実行する処理を含むフローチャートである。
【図11】入替指示コマンドを受けて管理サーバが実行する処理を含むフローチャートである。
【図12】OS自動インストールツールに渡るパラメータ例を示す図である。
【図13】ラックの概観を示す図(その2)である。
【図14】本実施形態の変形例に係るID基盤管理DBの詳細な構成を示す図である。
【図15】本実施形態の変形例に係る要再登録フラグの設定処理のフローチャートである。
【図16】本実施形態の変形例に係る要再登録フラグの初期化処理のフローチャートである。
【図17】本実施形態の変形例に係る要再登録フラグに基づく異常通報処理のフローチャート(その1)である。
【図18】本実施形態の変形例に係る要再登録フラグに基づく異常通報処理のフローチャート(その2)である。
【図19】機器のID管理基盤DBへの登録処理のフローチャートである。
【図20】記憶媒体例を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
1 ラック
2、3 ラベル
11 スイッチ
12 ロードバランサ
13 Webサーバ
14 アプリケーションサーバ
15 DBサーバ
16 管理ネットワーク
18 管理サーバ
19 ID基盤管理DB
21 ラック搭載表
22 スイッチ管理表
23、56 マシンハード管理表
24 マシンソフト管理表
31、32、33 行
41 機器交換管理処理部
42 制御部
43 通信インターフェイス部
44 携帯型PC
47 交換予定機器確認部
48 交換機器登録部
49 パラメータ受渡し部
51 機器起動部
52 交換後の機器
53 扉
60 コンピュータ
61 記憶装置
63 可搬型記憶媒体
64 外部記憶装置
65 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器が設置される位置を特定する位置識別子と該機器を特定する機器識別子とを記憶し、該機器識別子毎の業務名を有するハードウェア情報を記憶し、該業務名と該業務に係るソフトウェアの設定に必要なパラメータとを有するソフトウェア情報を記憶する、記憶部を有するコンピュータを、
交換予定の機器の位置識別子と機器識別子とが入力されて、該交換予定の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索し、見つけた機器識別子が入力された機器識別子に一致するかどうかの照合結果を出力する交換予定機器確認部、
交換後の機器の位置識別子と機器識別子とが入力されて、該交換後の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索して見つけた機器識別子の、前記記憶部中のハードウェア情報の対応する業務名を取得し、
前記記憶部中の前記交換後の機器の機器識別子を有するハードウェア情報の業務名を取得した業務名に更新し、
前記交換後の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索して見つけた機器識別子を、前記交換後の機器の機器識別子に更新する交換機器登録部、
入力された業務名をキーに、前記交換後の機器に対応する、前記記憶部を検索して見つけたパラメータを、該業務に係るソフトウェアをインストールする処理部に渡すパラメータ受渡し部、
として機能させるための機器交換管理プログラム。
【請求項2】
前記ハードウェア情報はMACアドレスを有し、
前記コンピュータを、
前記記憶部から前記交換後の機器である機器識別子に対応するMACアドレスを検索し、見つけたMACアドレスを有する起動パケットを送付する機器起動部、
として更に機能させるための請求項1記載の機器交換管理プログラム。
【請求項3】
前記ハードウェア情報は要再登録情報を有し、
前記コンピュータを、
ラック扉センサ又はユニットねじセンサの開閉を検出すると、該各センサの位置識別子に対応する機器識別子に対応するハードウェア情報の前記要再登録情報に要再登録マークを記録する要再登録部、として更に機能させ、
前記交換機器登録部は、前記要再登録情報の要再登録マークを消去し、
前記パラメータ受渡し部は、前記要再登録情報が要再登録マークであれば、エラーを出力する、
請求項1または2記載の機器交換管理プログラム。
【請求項4】
前記要再登録部は、所定の間隔で前記要再登録情報を調べ、該要再登録情報が要再登録マークであれば、エラーを出力する、
請求項3記載の機器交換管理プログラム。
【請求項5】
機器が設置される位置を特定する位置識別子と該機器を特定する機器識別子とを対応付けて記憶し、該機器識別子毎の業務名を有するハードウェア情報を記憶し、該業務名と該業務に係るソフトウェアの設定に必要なパラメータとを有するソフトウェア情報を記憶する、記憶部と、
交換予定の機器の位置識別子と機器識別子とが入力されて、該交換予定の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索し、見つけた機器識別子が入力された機器識別子に一致するかどうかの照合結果を出力する交換予定機器確認部と、
交換後の機器の位置識別子と機器識別子とが入力されて、該交換後の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索して見つけた機器識別子の、前記記憶部中のハードウェア情報
の対応する業務名を取得し、
前記記憶部中の前記交換後の機器の機器識別子を有するハードウェア情報の業務名を取得した業務名に更新し、
前記交換後の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索して見つけた機器識別子を、前記交換後の機器の機器識別子に更新する交換機器登録部と、
入力された業務名をキーに、前記交換後の機器に対応する、前記記憶部を検索して見つけたパラメータを、該業務に係るソフトウェアをインストールする処理部に渡すパラメータ受渡し部と、を備える機器交換管理装置。
【請求項6】
機器が設置される位置を特定する位置識別子と該機器を特定する機器識別子とを記憶し、該機器識別子毎の業務名を有するハードウェア情報を記憶し、該業務名と該業務に係るソフトウェアの設定に必要なパラメータとを有するソフトウェア情報を記憶する、記憶部を有するコンピュータが、
交換予定の機器の位置識別子と機器識別子とが入力されて、該交換予定の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索し、見つけた機器識別子が入力された機器識別子に一致するかどうかの照合結果を出力する交換予定機器確認ステップ、
交換後の機器の位置識別子と機器識別子とが入力されて、該交換後の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索して見つけた機器識別子の、前記記憶部中のハードウェア情報の対応する業務名を取得し、
前記記憶部中の前記交換後の機器の機器識別子を有するハードウェア情報の業務名を取得した業務名に更新し、
前記交換後の機器の位置識別子をキーに前記記憶部を検索して見つけた機器識別子を、前記交換後の機器の機器識別子に更新する交換機器登録ステップ、
入力された業務名をキーに、前記交換後の機器に対応する、前記記憶部を検索して見つけたパラメータを、該業務に係るソフトウェアをインストールする処理部に渡すパラメータ受渡しステップ、を実行する機器交換管理方法。

【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−211631(P2009−211631A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56378(P2008−56378)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】