説明

機器取付具

【課題】壁板に対する取り付けが容易な機器取付具を提供すること。
【解決手段】壁穴を有する壁板を挟んで配置される取付板及び挟込板を備え、取付板は、壁板の一方面側に配置される取付板本体と、取付板本体に突出形成され壁穴に挿入される突起とを有し、突起は、壁板の一方面側で取付板が壁穴に保持される被保持部と、壁板の他方面側で挟込板を保持する保持部を有している機器取付具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器を壁板に取り付けるために用いられる機器取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開口を有する機器取付壁の一方面側に配置される額縁と、機器取付壁の他方面側に配置される挟着部材と、額縁および挟着部材を締結する締結手段とを備える開口枠が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開番号WO2008/143321
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に示す従来の開口枠では、機器取付壁に対する開口枠の取り付け時に、挟着部材を作業者の手で保持した状態で、額縁および挟着部材のボルト挿通孔にボルトを通す必要があるため、挟着部材の保持により片手を塞がれてしまい、ボルト締結作業の難度が高く、また、作業中に挟着部材を落としてしまう恐れがあるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、従来の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、壁板に対する取り付けが容易な機器取付具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の機器取付具は、壁穴を有した壁板を挟んで配置される取付板及び挟込板を備え、前記取付板は、前記壁板の一方面側に配置される取付板本体と、該取付板本体に突出形成され前記壁穴に挿入される突起とを有し、前記突起は、前記壁板の一方面側で前記取付板が前記壁穴に保持される被保持部と、前記壁板の他方面側で前記挟込板を保持する保持部を有していることにより、前述した課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、取付板が挟込板を保持する保持部を有していることにより、壁板に対する機器取付具の取り付け時において、取付板に対して挟込板を仮置きすることができるため、機器取付具の取り付けを簡便に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施例である機器取付具を示す分解斜視図である。
【図2】第1実施例における取付板を示す斜視図である。
【図3】第1実施例における挟込板を示す斜視図である。
【図4】第1実施例における壁板を示す斜視図である。
【図5】壁板に取付板を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】図5の状態から更に挟込板を仮置きした状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施例である機器取付具を示す分解斜視図である。
【図8】第2実施例における取付板を示す斜視図である。
【図9】第2実施例における挟込板を示す斜視図である。
【図10】第2実施例における壁板を示す斜視図である。
【図11】壁板に取付板を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図12】図11の状態から更に挟込板を仮置きした状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の第3実施例である機器取付具を示す分解斜視図である。
【図14】第3実施例における取付板を示す斜視図である。
【図15】第3実施例における挟込板を示す斜視図である。
【図16】第3実施例における壁板を示す斜視図である。
【図17】壁板に取付板を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図18】図17の状態から更に挟込板を仮置きした状態を示す斜視図である。
【図19】本発明の第4実施例である機器取付具を示す分解斜視図である。
【図20】第4実施例における取付板を示す斜視図である。
【図21】第4実施例における挟込板を示す斜視図である。
【図22】第4実施例における壁板を示す斜視図である。
【図23】壁板に取付板を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図24】図23の状態から更に挟込板を仮置きした状態を示す斜視図である。
【図25】本発明の第5実施例である機器取付具を示す分解斜視図である。
【図26】第5実施例における取付板を示す斜視図である。
【図27】第5実施例における挟込板を示す斜視図である。
【図28】第5実施例における壁板を示す斜視図である。
【図29】壁板に取付板を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図30】図29の状態から更に挟込板を仮置きした状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の機器取付具の複数の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
以下に、本発明の第1実施例である機器取付具100を図1乃至図6に基づいて説明する。
【0011】
機器取付具100は、壁穴W1を形成された壁板Wに取り付けられ、電気機器等の機器(図示しない)を壁板Wに取り付けるために用いられるものである。
【0012】
機器取付具100は、図1に示すように、壁板Wの前面側に配置される金属製の取付板110と、壁板Wの後面側に配置される金属製の挟込板120と、壁板Wを挟んだ状態で取付板110および挟込板120を締結する締結手段130とを備えている。なお、取付板110および挟込板120の素材は、金属に限定されることなく、例えば、樹脂から成形してもよい。
【0013】
取付板110は、図2に示すように、上辺部および下辺部および一対の側辺部から構成され全体形状をロ字状に形成された取付板本体111と、取付板本体111の上辺部から後方に向けて突出形成された上辺突起112と、取付板本体111の下辺部から後方に向けて突出形成された下辺突起113と、取付板本体111の側辺部から後方に向けてそれぞれ突出形成された一対の側辺突起114と、取付板本体111の各側辺部の上下2箇所にそれぞれ形成された合計4つのネジ用切欠部115とを有している。取付板110は、例えば、板状の母材を所定形状に打抜き、成形後に突起112、113、114およびフック部分112cになる予定の該当箇所を折り曲げ加工することにより成形される。一部を溶接することによって形成してもよい。
【0014】
上辺突起112の前後方向における寸法は、壁板Wの厚みより大きい。上辺突起112は、壁板Wに取付板110を取り付けた状態で、壁穴W1の領域内に位置する第1部分112aと、第1部分112aの後方側に連続形成され壁穴W1の領域を超えて壁板Wの後面側に延出する第2部分112bと、第2部分112bの後方先端に形成され上方に向けてフック状に曲折したフック部分112cとから構成されている。第1部分112aの横方向における寸法は、第2部分112bおよびフック部分112cの横方向における寸法より大きい。
【0015】
下辺突起113の前後方向における寸法は、壁板Wの厚みより小さく、下辺突起113は、壁板Wに取付板110を取り付けた状態で、壁穴W1の領域内に収まるようになっている。
【0016】
各側辺突起114の前後方向における寸法は、壁板Wの厚みより大きい。各側辺突起114は、壁板Wに取付板110を取り付けた状態で、壁穴W1の領域内に位置する第1部分114aと、第1部分114aの後方側に連続形成され壁穴W1の領域を超えて壁板Wの後面側に延出する第2部分114bとから構成されている。
【0017】
挟込板120は、図3に示すように、上辺部および一対の側辺部から構成され全体形状をコ字状に形成された挟込板本体121と、挟込板本体121の上辺部の下側面に形成された上辺凹部122と、挟込板本体121の右側の側辺部の左側面、および、左側の側辺部の右側面にそれぞれ形成された一対の側辺凹部124と、挟込板本体121の各側辺部の上下2箇所にそれぞれ形成された合計4つのネジ孔125とを有している。挟込板120は、例えば、板状の母材を所定形状に打抜くことで成形される。
【0018】
締結手段130は、図1に示すように、複数のネジ131から構成され、ネジ131は、取付板110のネジ用切欠部115および壁板Wのネジ用切欠部W2を通して挟込板120のネジ孔125に挿入され、壁板Wを挟んだ状態で取付板110および挟込板120を締結する。なお、締結手段130の具体的態様は、上記のネジ131に限定されない。
【0019】
壁板Wは、図4に示すように、矩形状の壁穴W1と、壁穴W1の左右側面にそれぞれ2箇所ずつ形成された合計4つのネジ用切欠部W2とを有している。
【0020】
取付板110に形成されたネジ用切欠部115と、挟込板120に形成されたネジ孔125と、壁板Wに形成されたネジ用切欠部W2とは、壁板Wに機器取付具100を取り付けた状態で、上下方向および横方向に相互に対応する位置に形成されている。
【0021】
次に、壁板Wに対する機器取付具100の取付方法に関して、図5および図6に基づいて説明する。
【0022】
まず、図5に示すように、壁板Wの前面側から、壁板Wに対して取付板110を取り付ける。
【0023】
この際、壁穴W1の左側面が、左側の側辺突起114の第1部分114aの左側面に対向し、また、壁穴W1の右側面が、右側の側辺突起114の第1部分114aの右側面に対向する。そのため、壁穴W1の左右側面が、取付板110を横方向に位置規制する横方向用の規制部A1として機能し、また、左側の側辺突起114の第1部分114aの左側面と、右側の側辺突起114の第1部分114aの右側面とが、壁板Wにより横方向に位置規制される横方向用の被規制部A2として機能する。また、左側の側辺突起114の第1部分114aの左側面と右側の側辺突起114の第1部分114aの右側面との間の寸法は、壁穴W1の左側面と右側面との間の寸法より僅かに小さく、壁板Wに取付板110を取り付けた状態で、左側の側辺突起114の第1部分114aの左側面と壁穴W1の左側面との間、及び/又は、右側の側辺突起114の第1部分114aの右側面と壁穴W1の右側面との間には、間隙が形成される。
【0024】
また、壁穴W1の下側面が、下辺突起113の下側面に面接触する。そのため、壁穴W1の下側面が、取付板110を上下方向に位置規制する上下方向用の規制部B1として機能し、下辺突起113の下側面が、壁板Wにより上下方向に位置規制される上下方向用の被規制部B2として機能する。換言すると、上記の規制部B1は、取付板110を保持する保持部としても機能し、また、上記の被規制部B2は、壁板Wにより保持される被保持部としても機能している。また、上辺突起112の上側面と下辺突起113の下側面との間の寸法は、壁穴W1の上下方向における寸法より小さく、壁板Wに取付板110を取り付けた状態で、上辺突起112の上側面と壁穴W1の上側面との間には、間隙が形成される。
【0025】
つぎに、図6に示すように、壁板Wの後面側から、取付板110に対して挟込板120を仮置きする。
【0026】
この際、左側の側辺突起114の第2部分114bの左側面が、左側の側辺凹部124の底面に対向し、また、右側の側辺突起114の第2部分114bの右側面が、右側の側辺凹部124の底面に対向する。そのため、左側の側辺突起114の第2部分114bの左側面と、右側の側辺突起114の第2部分114bの右側面とが、挟込板120を横方向に位置規制する横方向用の規制部C1として機能し、また、左側の側辺凹部124の底面と右側の側辺凹部124の底面とが、取付板110により横方向に位置規制される横方向用の被規制部C2として機能する。また、左側の側辺突起114の第2部分114bの左側面と右側の側辺突起114の第2部分114bの右側面との間の寸法は、左側の側辺凹部124の底面と右側の側辺凹部124の底面との間の寸法より僅かに小さく、取付板110に挟込板120を取り付けた状態で、左側の側辺突起114の第2部分114bの左側面と左側の側辺凹部124の底面との間、及び/又は、右側の側辺突起114の第2部分114bの右側面と右側の側辺凹部124の底面との間には、間隙が形成される。
【0027】
また、上辺突起112の第2部分112bの上側面が、上辺凹部122の底面に面接触する。そのため、上辺突起112の第2部分112bの上側面が、挟込板120を保持する保持部D1として機能し、また、上辺凹部122の底面が、取付板110により保持される被保持部D2として機能する。換言すると、上記の保持部D1は、挟込板120を上下方向に位置規制する規制部としても機能し、また、上記の被保持部D2は、取付板110により上下方向に位置規制される被規制部としても機能している。
【0028】
また、上辺突起112のフック部分112cの前側面が、挟込板120の上辺部の後側面に対向する。そのため、上辺突起112のフック部分112cの前側面が、挟込板120の後方側への移動を規制し挟込板120の脱落を阻止する前後方向用の規制部E1として機能し、また、挟込板120の上辺部の後側面が、取付板110により後方側への移動を規制される前後方向用の被規制部E2として機能する。
【0029】
また、側辺突起114の上下方向における寸法は、側辺凹部124の上下方向における寸法より小さく、取付板110に挟込板120を取り付けた状態で、側辺突起114の第1部分114aの上側面と側辺凹部124の上側面との間には、間隙が形成され、また、側辺突起114の第1部分114aの下側面と側辺凹部124の下側面との間には、間隙が形成される。
【0030】
また、上辺突起112の第2部分112bの左右方向における寸法は、上辺凹部122の左右方向における寸法より小さく、取付板110に挟込板120を取り付けた状態で、上辺突起112の第2部分112bの左右側面と上辺凹部122の左右側面とは相互に接触することがない。
【0031】
そして、最後に、締結手段130としてのネジ131により、壁板Wを挟んだ状態で取付板110および挟込板120を締結する。
【0032】
このようにして得られた本実施例の機器取付具100では、取付板110が、挟込板120を保持する保持部D1を有していることにより、壁板Wに対する機器取付具100の取り付け時において、取付板110に対して挟込板120を仮置きすることができるため、機器取付具100の取り付けを簡便に達成できる。
【0033】
また、取付板110が、壁板Wにより横方向に位置規制される横方向用の被規制部A2と、壁板Wにより上下方向に位置規制される上下方向用の被規制部B2とを有していることにより、壁板Wに対する取付板110の仮固定を実現できる。
【0034】
また、取付板110が、保持部D1と被規制部A2と被規制部B2とに加えて、挟込板120を横方向に位置規制する横方向用の規制部C1を有していることにより、取付板110と挟込板120とを壁板Wに対して仮置きした状態で、取付板110と挟込板120と壁板Wとが上下方向および横方向に位置合わせされるため、ネジ用切欠部115とネジ孔125とネジ用切欠部W2とが相互に位置合わせされ、ネジ131を用いたネジ締め作業を簡便に達成できる。
【0035】
また、取付板110が、挟込板120の後方側への移動を規制する前後方向用の規制部E1としてのフック部分112cを有していることにより、取付板110に対して挟込板120を仮置きした際に、取付板110から挟込板120が脱落することを防止できる。
【0036】
なお、上述した第1実施例では、取付板110が一対の側辺突起114を有し、挟込板120が一対の側辺凹部124を有するものとして説明したが、これら側辺突起114および側辺凹部124を設けなくてもよい。
【実施例2】
【0037】
次に、本発明の第2実施例である機器取付具200を図7乃至図12に基づいて説明する。ここで、第2実施例である機器取付具200における取付板210および挟込板220以外の構成は前述した第1実施例の内容と全く同じであるため、第1実施例の機器取付具100に関する明細書に示す100番台の符号を200番台の符号に読み替えることによって、取付板210および挟込板220以外の説明を省略する。
【0038】
まず、第2実施例における取付板210は、図8に示すように、上辺部および下辺部および一対の側辺部から構成され全体形状をロ字状に形成された取付板本体211と、取付板本体211の上辺部から後方に向けて突出形成された上辺突起212と、取付板本体211の下辺部から後方に向けて突出形成された下辺突起213と、取付板本体211の各側辺部の上下2箇所にそれぞれ形成された合計4つのネジ用切欠部215とを有している。取付板210は、例えば、板状の母材を所定形状に打抜き、成形後に突起212、213およびフック部分212cになる予定の該当箇所を折り曲げ加工することにより成形される。一部を溶接することによって形成してもよい。
【0039】
上辺突起212の前後方向における寸法は、壁板Wの厚みより大きい。上辺突起212は、壁板Wに取付板210を取り付けた状態で、壁穴W1の領域内に位置する第1部分212aと、第1部分212aの後方側に連続形成され壁穴W1の領域を超えて壁板Wの後面側に延出する第2部分212bと、第2部分212bの後方先端に形成され上方に向けてフック状に曲折したフック部分212cとから構成されている。第1部分212aの横方向における寸法は、第2部分212bおよびフック部分212cの横方向における寸法より大きい。
【0040】
下辺突起213の前後方向における寸法は、壁板Wの厚みより小さく、下辺突起213は、壁板Wに取付板210を取り付けた状態で、壁穴W1の領域内に収まるようになっている。
【0041】
挟込板220は、図9に示すように、上辺部および一対の側辺部から構成され全体形状をコ字状に形成された挟込板本体221と、挟込板本体221の上辺部の下側面に形成された上辺凹部222と、挟込板本体221の各側辺部の上下2箇所にそれぞれ形成された合計4つのネジ孔225とを有している。挟込板220は、例えば、板状の母材を所定形状に打抜くことで成形される。
【0042】
次に、壁板Wに対する機器取付具200の取付方法に関して、図11および図12に基づいて説明する。
【0043】
まず、図11に示すように、壁板Wの前面側から、壁板Wに対して取付板210を取り付ける。
【0044】
この際、壁穴W1の左側面が上辺突起212の第1部分212aおよび下辺突起213の左側面にそれぞれ対向し、また、壁穴W1の右側面が上辺突起212の第1部分212aおよび下辺突起213の右側面にそれぞれ対向する。そのため、壁穴W1の左右側面が、取付板210を横方向に位置規制する横方向用の規制部A1として機能し、また、上辺突起212の第1部分212aおよび下辺突起213の左右側面が、壁板Wにより横方向に位置規制される横方向用の被規制部A2として機能する。また、上辺突起212の第1部分212aおよび下辺突起213の横方向における寸法は、壁穴W1の横方向における寸法より僅かに小さく、壁板Wに対して取付板210を取り付けた状態で、上辺突起212の第1部分212aおよび下辺突起213と壁穴W1との間には間隙が形成される。
【0045】
また、壁穴W1の下側面が、下辺突起213の下側面に面接触する。そのため、壁穴W1の下側面が、取付板210を上下方向に位置規制する上下方向用の規制部B1として機能し、下辺突起213の下側面が、壁板Wにより上下方向に位置規制される上下方向用の被規制部B2として機能する。換言すると、上記の規制部B1は、取付板210を保持する保持部としても機能し、また、上記の被規制部B2は、壁板Wにより保持される被保持部としても機能している。また、上辺突起212の第1部分212aの上側面と下辺突起213の下側面との間の寸法は、壁穴W1の上下方向における寸法より小さく、壁板Wに取付板210を取り付けた状態で、上辺突起212の第1部分212aの上側面と壁穴W1の上側面との間には、間隙が形成される。
【0046】
つぎに、図12に示すように、壁板Wの後面側から、取付板210に対して挟込板220を仮置きする。
【0047】
この際、上辺突起212の第2部分212bの左右側面が、上辺凹部222の左右側面にそれぞれ対向する。そのため、上辺突起212の第2部分212bの左右側面が、挟込板220を横方向に位置規制する横方向用の規制部C1として機能し、また、上辺凹部222の左右側面が、取付板210により横方向に位置規制される横方向用の被規制部C2として機能する。また、上辺突起212の第2部分212bの横方向における寸法は、上辺凹部222の横方向における寸法より僅かに小さく、取付板210に挟込板220を取り付けた状態で、上辺突起212の第2部分212bと上辺凹部222との間には間隙が形成される。
【0048】
また、上辺突起212の第2部分212bの上側面が、上辺凹部222の底面に面接触する。そのため、上辺突起212の第2部分212bの上側面が、挟込板220を保持する保持部D1として機能し、また、上辺凹部222の底面が、取付板210により保持される被保持部D2として機能する。換言すると、上記の保持部D1は、挟込板220を上下方向に位置規制する規制部としても機能し、また、上記の被保持部D2は、取付板210により上下方向に位置規制される被規制部としても機能している。
【0049】
また、上辺突起212のフック部分212cの前側面が、挟込板220の上辺部の後側面に対向する。そのため、上辺突起212のフック部分212cの前側面が、挟込板220の後方側への移動を規制し挟込板220の脱落を阻止する前後方向用の規制部E1として機能し、また、挟込板220の上辺部の後側面が、取付板210により後方側への移動を規制される前後方向用の被規制部E2として機能する。
【0050】
そして、最後に、締結手段230としてのネジ231により、壁板Wを挟んだ状態で取付板210および挟込板220を締結する。
【0051】
このようにして得られた本実施例の機器取付具200では、取付板210が保持部D1を有していることにより、機器取付具200の取り付け時において、取付板210に対して挟込板220を仮置きすることができる。
【0052】
また、取付板210が、被規制部A2と被規制部B2とを有していることにより、壁板Wに対する取付板210の仮固定を実現できる。
【0053】
また、取付板210が、保持部D1と被規制部A2と被規制部B2と規制部C1とを有していることにより、ネジ用切欠部215とネジ孔225とネジ用切欠部W2とが相互に位置合わせされ、ネジ231を用いたネジ締め作業を簡便に達成できる。
【0054】
また、取付板210が、規制部E1としてのフック部分212cを有していることにより、取付板210から挟込板220が脱落することを防止できる。
【0055】
上述した第2実施例では、上辺突起212の第1部分212aおよび下辺突起213の左右側面が壁板Wにより横方向に位置規制される横方向用の被規制部A2として機能するものとして説明したが、両者の横方向における寸法を異ならせ、いずれか一方が被規制部A2として機能するように構成してもよい。
【実施例3】
【0056】
次に、本発明の第3実施例である機器取付具300を図13乃至図18に基づいて説明する。ここで、第3実施例である機器取付具300における取付板310および挟込板320以外の構成は前述した第1実施例の内容と全く同じであるため、第1実施例の機器取付具100に関する明細書に示す100番台の符号を300番台の符号に読み替えることによって、取付板310および挟込板320以外の説明を省略する。
【0057】
まず、第3実施例における取付板310は、図14に示すように、上辺部および下辺部および一対の側辺部から構成され全体形状をロ字状に形成された取付板本体311と、取付板本体311の上辺部から後方に向けて突出形成された上辺突起312と、取付板本体311の下辺部から後方に向けて突出形成された下辺突起313と、取付板本体311の各側辺部の上下2箇所にそれぞれ形成された合計4つのネジ用切欠部315とを有している。取付板310は、例えば、板状の母材を所定形状に打抜き、成形後に突起312、313およびフック部分312cになる予定の該当箇所を折り曲げ加工することにより成形される。一部を溶接することによって形成してもよい。
【0058】
上辺突起312の前後方向における寸法は、壁板Wの厚みより大きい。上辺突起312は、壁板Wに取付板310を取り付けた状態で、壁穴W1の領域内に位置する第1部分312aと、第1部分312aの後方側に連続形成され壁穴W1の領域を超えて壁板Wの後面側に延出する第2部分312bと、第2部分312bの後方先端に形成され上方に向けてフック状に曲折したフック部分312cとから構成されている。本実施例における第1部分312aの横方向における寸法は、第2部分312b横方向における寸法と等しく、また、フック部分312cの横方向における寸法より大きい。
【0059】
下辺突起313の前後方向における寸法は、壁板Wの厚みに略等しく、下辺突起313の大部分は、壁板Wに取付板310を取り付けた状態で、壁穴W1の領域内に収まるようになっている。
【0060】
挟込板320は、図15に示すように、上辺部および一対の側辺部から構成され全体形状をコ字状に形成された挟込板本体321と、挟込板本体321の各側辺部の上下2箇所にそれぞれ形成された合計4つのネジ孔325とを有している。挟込板320は、例えば、板状の母材を所定形状に打抜くことで成形される。
【0061】
次に、壁板Wに対する機器取付具300の取付方法に関して、図17および図18に基づいて説明する。
【0062】
まず、図17に示すように、壁板Wの前面側から、壁板Wに対して取付板310を取り付ける。
【0063】
この際、壁穴W1の左側面が、上辺突起312の第1部分312aの左側面および下辺突起313の左側面に対向し、また、壁穴W1の右側面が、上辺突起312の第1部分312aの右側面および下辺突起313の右側面に対向する。そのため、壁穴W1の左右側面が、取付板310を横方向に位置規制する横方向用の規制部A1として機能し、また、上辺突起312の第1部分312aの左右側面と、下辺突起313の左右側面とが、壁板Wにより横方向に位置規制される横方向用の被規制部A2として機能する。また、上辺突起312の第1部分312aおよび下辺突起313の横方向における寸法は、壁穴W1の横方向における寸法より僅かに小さく、壁板Wに取付板310を取り付けた状態で、上辺突起312の第1部分312aおよび下辺突起313と壁穴W1との間には、間隙が形成される。
【0064】
また、壁穴W1の下側面が、下辺突起313の下側面に面接触する。そのため、壁穴W1の下側面が、取付板310を上下方向に位置規制する上下方向用の規制部B1として機能し、下辺突起313の下側面が、壁板Wにより上下方向に位置規制される上下方向用の被規制部B2として機能する。換言すると、上記の規制部B1は、取付板310を保持する保持部としても機能し、また、上記の被規制部B2は、壁板Wにより保持される被保持部としても機能している。また、上辺突起312の上側面と下辺突起313の下側面との間の寸法は、壁穴W1の上下方向における寸法より小さく、壁板Wに取付板310を取り付けた状態で、上辺突起312の上側面と壁穴W1の上側面との間には、間隙が形成される。
【0065】
つぎに、図18に示すように、壁板Wの後面側から、取付板310に対して挟込板320を仮置きする。
【0066】
この際、上辺突起312の第2部分312bの左右側面が、挟込板320の左側の側辺部の右側面および挟込板320の右側の側辺部の左側面にそれぞれ対向する。そのため、上辺突起312の第2部分312bの左右側面が、挟込板320を横方向に位置規制する横方向用の規制部C1として機能し、また、挟込板320の左側の側辺部の右側面および挟込板320の右側の側辺部の左側面が、取付板310により横方向に位置規制される横方向用の被規制部C2として機能する。また、上辺突起312の第2部分312bの横方向における寸法は、挟込板320の左側の側辺部の右側面および挟込板320の右側の側辺部の左側面の間の寸法より僅かに小さく、取付板310に挟込板320を取り付けた状態で、上辺突起312の第2部分312bと挟込板320の側辺部との間には間隙が形成される。
【0067】
また、上辺突起312の第2部分312bの上側面が、挟込板320の上辺部の下側面に面接触する。そのため、上辺突起312の第2部分312bの上側面が、挟込板320を保持する保持部D1として機能し、また、挟込板320の上辺部の下側面が、取付板310により保持される被保持部D2として機能する。換言すると、上記の保持部D1は、挟込板320を上下方向に位置規制する規制部としても機能し、また、上記の被保持部D2は、取付板310により上下方向に位置規制される被規制部としても機能している。
【0068】
また、上辺突起312のフック部分312cの前側面が、挟込板320の上辺部の後側面に対向する。そのため、上辺突起312のフック部分312cの前側面が、挟込板320の後方側への移動を規制し挟込板320の脱落を阻止する前後方向用の規制部E1として機能し、また、挟込板320の上辺部の後側面が、取付板310により後方側への移動を規制される前後方向用の被規制部E2として機能する。
【0069】
そして、最後に、締結手段330としてのネジ331により、壁板Wを挟んだ状態で取付板310および挟込板320を締結する。
【0070】
このようにして得られた本実施例の機器取付具300では、取付板310が保持部D1を有していることにより、機器取付具300の取り付け時において、取付板310に対して挟込板320を仮置きすることができる。
【0071】
また、取付板310が、被規制部A2と被規制部B2とを有していることにより、壁板Wに対する取付板310の仮固定を実現できる。
【0072】
また、取付板310が、保持部D1と被規制部A2と被規制部B2と規制部C1とを有していることにより、ネジ用切欠部315とネジ孔325とネジ用切欠部W2とが相互に位置合わせされ、ネジ331を用いたネジ締め作業を簡便に達成できる。
【0073】
また、取付板310が、規制部E1としてのフック部分312cを有していることにより、取付板310から挟込板320が脱落することを防止できる。
【0074】
上述した第3実施例では、上辺突起312の第1部分312aおよび下辺突起313の左右側面が壁板Wにより横方向に位置規制される横方向用の被規制部A2として機能するものとして説明したが、両者の横方向における寸法を異ならせ、いずれか一方が被規制部A2として機能するように構成してもよい。
【実施例4】
【0075】
次に、本発明の第4実施例である機器取付具400を図19乃至図24に基づいて説明する。ここで、第4実施例である機器取付具400における取付板410および挟込板420以外の構成は前述した第1実施例の内容と全く同じであるため、第1実施例の機器取付具100に関する明細書に示す100番台の符号を400番台の符号に読み替えることによって、取付板410および挟込板420以外の説明を省略する。
【0076】
まず、第4実施例における取付板410は、図20に示すように、上辺部および下辺部および一対の側辺部から構成され全体形状をロ字状に形成された取付板本体411と、取付板本体411の下辺部から後方に向けて突出形成された下辺突起413と、取付板本体411の側辺部から後方に向けてそれぞれ突出形成された一対の側辺突起414と、取付板本体411の各側辺部の上下2箇所にそれぞれ形成された合計4つのネジ用切欠部415とを有している。取付板410は、例えば、板状の母材を所定形状に打抜き、成形後に突起413、414になる予定の該当箇所を折り曲げ加工することにより成形される。一部を溶接することによって形成してもよい。
【0077】
各側辺突起414の前後方向における寸法は、壁板Wの厚みより大きい。各側辺突起414は、壁板Wに取付板410を取り付けた状態で、壁穴W1の領域内に位置する第1部分414aと、第1部分414aの後方側に連続形成され壁穴W1の領域を超えて壁板Wの後面側に延出する第2部分414bとから構成されている。第1部分414aの上下方向における寸法は、第2部分414bの上下方向における寸法に等しい。
【0078】
下辺突起413の前後方向における寸法は、壁板Wの厚みに略等しく、下辺突起413の大部分は、壁板Wに取付板410を取り付けた状態で、壁穴W1の領域内に収まるようになっている。
【0079】
挟込板420は、図21に示すように、上辺部および一対の側辺部から構成され全体形状をコ字状に形成された挟込板本体421と、挟込板本体421の右側の側辺部の左側面、および、左側の側辺部の右側面にそれぞれ形成された一対の側辺凹部424と、挟込板本体421の各側辺部の上下2箇所にそれぞれ形成された合計4つのネジ孔425とを有している。挟込板420は、例えば、板状の母材を所定形状に打抜くことで成形される。
【0080】
次に、壁板Wに対する機器取付具400の取付方法に関して、図23および図24に基づいて説明する。
【0081】
まず、図23に示すように、壁板Wの前面側から、壁板Wに対して取付板410を取り付ける。
【0082】
この際、壁穴W1の左側面が、左側の側辺突起414の第1部分414aの左側面および下辺突起413の左側面に対向し、また、壁穴W1の右側面が、右側の側辺突起414の第1部分414aの右側面および下辺突起413の右側面に対向する。そのため、壁穴W1の左右側面が、取付板410を横方向に位置規制する横方向用の規制部A1として機能し、また、左側の側辺突起414の第1部分414aの左側面と、右側の側辺突起414の第1部分414aの右側面と、下辺突起413の左右側面とが、壁板Wにより横方向に位置規制される横方向用の被規制部A2として機能する。また、左側の側辺突起414の第1部分414aの左側面と右側の側辺突起414の第1部分414aの右側面との間の寸法、および、下辺突起413の横方向における寸法は、壁穴W1の横方向における寸法より僅かに小さく、壁板Wに取付板410を取り付けた状態で、左側の側辺突起414の第1部分414aの左側面と壁穴W1の左側面との間、及び/又は、右側の側辺突起414の第1部分414aの右側面と壁穴W1の右側面との間には、間隙が形成され、また、壁穴W1と下辺突起413との間には間隙が形成される。
【0083】
また、壁穴W1の下側面が、下辺突起413の下側面に面接触する。そのため、壁穴W1の下側面が、取付板410を上下方向に位置規制する上下方向用の規制部B1として機能し、下辺突起413の下側面が、壁板Wにより上下方向に位置規制される上下方向用の被規制部B2として機能する。換言すると、上記の規制部B1は、取付板410を保持する保持部としても機能し、また、上記の被規制部B2は、壁板Wにより保持される被保持部としても機能している。
【0084】
つぎに、図24に示すように、壁板Wの後面側から、取付板410に対して挟込板420を仮置きする。
【0085】
この際、左側の側辺突起414の第2部分414bの左側面が、左側の側辺凹部424の底面に対向し、また、右側の側辺突起414の第2部分414bの右側面が、右側の側辺凹部424の底面に対向する。そのため、左側の側辺突起414の第2部分414bの左側面と、右側の側辺突起414の第2部分414bの右側面とが、挟込板420を横方向に位置規制する横方向用の規制部C1として機能し、また、左側の側辺凹部424の底面と右側の側辺凹部424の底面とが、取付板410により横方向に位置規制される横方向用の被規制部C2として機能する。また、左側の側辺突起414の第2部分414bの左側面と右側の側辺突起414の第2部分414bの右側面との間の寸法は、左側の側辺凹部424の底面と右側の側辺凹部424の底面との間の寸法より小さく、取付板410に挟込板420を取り付けた状態で、左側の側辺突起414の第2部分414bの左側面と左側の側辺凹部424の底面との間、及び/又は、右側の側辺突起414の第2部分414bの右側面と右側の側辺凹部424の底面との間には、間隙が形成される。
【0086】
また、左右の側辺突起414の第2部分414bの上側面が、左右の側辺凹部424の上側面に面接触する。そのため、左右の側辺突起414の第2部分414bの上側面が、挟込板420を保持する保持部D1として機能し、また、左右の側辺凹部424の上側面が、取付板410により保持される被保持部D2として機能する。換言すると、上記の保持部D1は、挟込板420を上下方向に位置規制する規制部としても機能し、また、上記の被保持部D2は、取付板410により上下方向に位置規制される被規制部としても機能している。
【0087】
また、側辺突起414の上下方向における寸法は、側辺凹部424の上下方向における寸法より僅かに小さく、取付板410に挟込板420を取り付けた状態で、側辺突起414の第2部分414bの下側面と側辺凹部424の下側面との間には、間隙が形成される。
【0088】
そして、最後に、締結手段430としてのネジ431により、壁板Wを挟んだ状態で取付板410および挟込板420を締結する。
【0089】
このようにして得られた本実施例の機器取付具400では、取付板410が保持部D1を有していることにより、機器取付具400の取り付け時において、取付板410に対して挟込板420を仮置きすることができる。
【0090】
また、取付板410が、被規制部A2と被規制部B2とを有していることにより、壁板Wに対する取付板410の仮固定を実現できる。
【0091】
また、取付板410が、保持部D1と被規制部A2と被規制部B2と規制部C1とを有していることにより、ネジ用切欠部415とネジ孔425とネジ用切欠部W2とが相互に位置合わせされ、ネジ431を用いたネジ締め作業を簡便に達成できる。
【0092】
上述した第4実施例では、左側の側辺突起414の第1部分414aの左側面と、右側の側辺突起414の第1部分414aの右側面と、下辺突起413の左右側面とが、壁板Wにより横方向に位置規制される横方向用の被規制部A2として機能するものとして説明したが、左側の側辺突起414の第1部分414aの左側面と右側の側辺突起414の第1部分414aの右側面との間の寸法と、下辺突起413の横方向における寸法とを異ならせ、いずれか一方が被規制部A2として機能するように構成してもよい。
【実施例5】
【0093】
次に、本発明の第5実施例である機器取付具500を図25乃至図30に基づいて説明する。ここで、第5実施例である機器取付具500における取付板510および挟込板520以外の構成は前述した第1実施例の内容と全く同じであるため、第1実施例の機器取付具100に関する明細書に示す100番台の符号を500番台の符号に読み替えることによって、取付板510および挟込板520以外の説明を省略する。
【0094】
まず、第5実施例における取付板510は、図26に示すように、上辺部および下辺部および一対の側辺部から構成され全体形状をロ字状に形成された取付板本体511と、取付板本体511の各側辺部の上下2箇所から後方に向けてそれぞれ突出形成された合計4つの側辺突起514と、取付板本体511の各側辺部の上下2箇所にそれぞれ形成された合計4つのネジ用切欠部515とを有している。取付板510は、例えば、板状の母材を所定形状に打抜き、成形後に側辺突起514になる予定の該当箇所を折り曲げ加工することにより成形される。一部を溶接することによって形成してもよい。
【0095】
左上および右上の各側辺突起514の前後方向における寸法は、壁板Wの厚みより大きい。左上および右上の各側辺突起514は、壁板Wに取付板510を取り付けた状態で、壁穴W1の領域内に位置する第1部分514aと、第1部分514aの後方側に連続形成され壁穴W1の領域を超えて壁板Wの後面側に延出する第2部分514bとから構成されている。
【0096】
左下および右下の各側辺突起514の前後方向における寸法は、壁板Wの厚みに略等しく、左下および右下の各側辺突起514の大部分は、壁板Wに取付板510を取り付けた状態で、壁穴W1の領域内に収まるようになっている。
【0097】
挟込板520は、図27に示すように、上辺部および一対の側辺部から構成され全体形状をコ字状に形成された挟込板本体521と、挟込板本体521の各側辺部の上下2箇所にそれぞれ形成された合計4つのネジ孔525とを有している。挟込板520は、例えば、板状の母材を所定形状に打抜くことで成形される。
【0098】
次に、壁板Wに対する機器取付具500の取付方法に関して、図29および図30に基づいて説明する。
【0099】
まず、図29に示すように、壁板Wの前面側から、壁板Wに対して取付板510を取り付ける。
【0100】
この際、壁穴W1の左側面が、左上の側辺突起514の第1部分514aの左側面と左下の側辺突起514の左側面とに対向し、また、壁穴W1の右側面が、右上の側辺突起514の第1部分514aの右側面と右下の側辺突起514の右側面とに対向する。そのため、壁穴W1の左右側面が、取付板510を横方向に位置規制する横方向用の規制部A1として機能し、また、左上の側辺突起514の第1部分514aの左側面と左下の側辺突起514の左側面と右上の側辺突起514の第1部分514aの右側面と右下の側辺突起514の右側面とが、壁板Wにより横方向に位置規制される横方向用の被規制部A2として機能する。また、左上の側辺突起514の第1部分514aの左側面と右上の側辺突起514の第1部分514aの右側面との間の寸法、および、左下の側辺突起514の左側面と右下の側辺突起514の右側面との間の寸法は、壁穴W1の横方向における寸法より僅かに小さく、壁板Wに取付板510を取り付けた状態で、左上および左下の側辺突起514の左側面と壁穴W1の左側面との間、及び/又は、右上および右下の側辺突起514の右側面と壁穴W1の右側面との間には、間隙が形成される。
【0101】
また、壁穴W1の下側面が、左下および右下の側辺突起514の下側面にそれぞれ面接触する。そのため、壁穴W1の下側面が、取付板510を上下方向に位置規制する上下方向用の規制部B1として機能し、左下および右下の側辺突起514の下側面が、壁板Wにより上下方向に位置規制される上下方向用の被規制部B2として機能する。換言すると、上記の規制部B1は、取付板510を保持する保持部としても機能し、また、上記の被規制部B2は、壁板Wにより保持される被保持部としても機能している。また、壁板Wに取付板510を取り付けた状態で、左上および右上の側辺突起514の上側面と壁穴W1の上側面との間には、間隙が形成される。
【0102】
つぎに、図30に示すように、壁板Wの後面側から、取付板510に対して挟込板520を仮置きする。
【0103】
この際、左上の側辺突起514の第2部分514bの左側面が、挟込板520の左側の側辺部の右側面に対向し、また、右上の側辺突起514の第2部分514bの右側面が、挟込板520の右側の側辺部の左側面に対向する。そのため、左上の側辺突起514の第2部分514bの左側面と、右上の側辺突起514の第2部分514bの右側面とが、挟込板520を横方向に位置規制する横方向用の規制部C1として機能し、また、挟込板520の左側の側辺部の右側面と、挟込板520の右側の側辺部の左側面とが、取付板510により横方向に位置規制される横方向用の被規制部C2として機能する。また、左上の側辺突起514の第2部分514bの左側面と右上の側辺突起514の第2部分514bの右側面との間の寸法は、挟込板520の左側の側辺部の右側面と挟込板520の右側の側辺部の左側面との間の寸法より僅かに小さく、取付板510に挟込板520を取り付けた状態で、左上の側辺突起514の第2部分514bの左側面と挟込板520の左側の側辺部の右側面との間、及び/又は、右上の側辺突起514の第2部分514bの右側面と挟込板520の右側の側辺部の左側面との間には、間隙が形成される。
【0104】
また、左上および右上の側辺突起514の第2部分514bの上側面が、挟込板520の上辺部の下側面にそれぞれ面接触する。そのため、左上および右上の側辺突起514の第2部分514bの上側面が、挟込板520を保持する保持部D1として機能し、また、挟込板520の上辺部の下側面が、取付板510により保持される被保持部D2として機能する。換言すると、上記の保持部D1は、挟込板520を上下方向に位置規制する規制部としても機能し、また、上記の被保持部D2は、取付板510により上下方向に位置規制される被規制部としても機能している。
【0105】
そして、最後に、締結手段530としてのネジ531により、壁板Wを挟んだ状態で取付板510および挟込板520を締結する。
【0106】
このようにして得られた本実施例の機器取付具500では、取付板510が保持部D1を有していることにより、機器取付具500の取り付け時において、取付板510に対して挟込板520を仮置きすることができる。
【0107】
また、取付板510が、被規制部A2と被規制部B2とを有していることにより、壁板Wに対する取付板510の仮固定を実現できる。
【0108】
また、取付板510が、保持部D1と被規制部A2と被規制部B2と規制部C1とを有していることにより、ネジ用切欠部515とネジ孔525とネジ用切欠部W2とが相互に位置合わせされ、ネジ531を用いたネジ締め作業を簡便に達成できる。
【0109】
なお、上述した第5実施例では、取付板510の左右の側辺部に、上下に分離した側辺突起514がそれぞれ形成されているものとして説明したが、これら上下に分離した側辺突起514を、上下に分離させることなく連続的に形成してもよく、この場合、ネジ用切欠部515は、孔状に形成される。
【符号の説明】
【0110】
100 、200 、300 、400 、500 ・・・ 機器取付具
110 、210 、310 、410 、510 ・・・ 取付板
111 、211 、311 、411 、511 ・・・ 取付板本体
112 、212 、312 ・・・ 上辺突起
112a、212a、312a ・・・ 第1部分
112b、212b、312b ・・・ 第2部分
112c、212c、312c ・・・ フック部分
113 、213 、313 、413 ・・・ 下辺突起
114 、 414 、514 ・・・ 側辺突起
114a、 414a、514a ・・・ 第1部分
114b、 414b、514b ・・・ 第2部分
115 、215 、315 、415 、515 ・・・ ネジ用切欠部
120 、220 、320 、420 、520 ・・・ 挟込板
121 、221 、321 、421 、521 ・・・ 挟込板本体
122 、222 ・・・ 上辺凹部
124 、 424 ・・・ 側辺凹部
125 、225 、325 、425 、525 ・・・ ネジ孔
130 、230 、330 、430 、530 ・・・ 締結手段
131 、231 、331 、431 、531 ・・・ ネジ
A1 ・・・ 横方向用の規制部
A2 ・・・ 横方向用の被規制部
B1 ・・・ 上下方向用の規制部(保持部)
B2 ・・・ 上下方向用の被規制部(被保持部)
C1 ・・・ 横方向用の規制部
C2 ・・・ 横方向用の被規制部
D1 ・・・ 保持部(規制部)
D2 ・・・ 被保持部(被規制部)
E1 ・・・ 前後方向用の規制部
E2 ・・・ 前後方向用の被規制部
W ・・・ 壁板
W1 ・・・ 壁穴
W2 ・・・ ネジ用切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁穴を有した壁板を挟んで配置される取付板及び挟込板を備え、
前記取付板は、前記壁板の一方面側に配置される取付板本体と、該取付板本体に突出形成され前記壁穴に挿入される突起とを有し、
前記突起は、前記壁板の一方面側で前記取付板が前記壁穴に保持される被保持部と、前記壁板の他方面側で前記挟込板を保持する保持部を有していることを特徴とする機器取付具。
【請求項2】
前記突起は、前記挟込板の横方向における位置を規制する規制部を有していることを特徴とする請求項1に記載の機器取付具。
【請求項3】
前記突起は、前記壁穴の内周縁により上下方向における位置を規制される上下方向用の被規制部を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器取付具。
【請求項4】
前記突起は、前記壁穴の内周縁により横方向における位置を規制される横方向用の被規制部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の機器取付具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−129268(P2012−129268A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277707(P2010−277707)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】