機器監視システム
【課題】 通信端末機が時刻データを喪失した場合であってもサーバとのデータ通信を行わずに、あるいは最小限のサーバとのデータ通信により通信端末機の時刻データを復帰させる。
【解決手段】被監視機器と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記被監視機器の運転データを受信する通信端末子機と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記通信端末子機から受信した前記運転データを予め定めたアップロード時刻に公衆通信網を介してサーバに送信する通信端末親機とを有する機器監視システムにおいて、前記通信端末子機、通信端末親機のいずれか一方は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、他方が保持する時刻データを取得し保持するので、サーバとの通信を行うことなく時刻データを復帰できる。
【解決手段】被監視機器と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記被監視機器の運転データを受信する通信端末子機と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記通信端末子機から受信した前記運転データを予め定めたアップロード時刻に公衆通信網を介してサーバに送信する通信端末親機とを有する機器監視システムにおいて、前記通信端末子機、通信端末親機のいずれか一方は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、他方が保持する時刻データを取得し保持するので、サーバとの通信を行うことなく時刻データを復帰できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部供給電力により時刻データを保持するとともに被監視機器の運転データを予め定めたアップロード時刻に公衆通信網を介してサーバに送信する通信端末機を有する機器監視システムに関し、特に、通信端末機の時刻データが喪失されたときにこれを復帰させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、喘息、肺気腫症、慢性気管支炎等の呼吸器系器官の疾患に苦しむ患者が増加する傾向にあるが、その治療法として最も効果的なもののひとつに酸素吸入療法がある。酸素吸入療法とは、酸素ガスあるいは酸素富化空気を患者に吸入させるものである。酸素ガスあるいは酸素富化空気の供給源として、酸素濃縮機、液体酸素、酸素ガスボンベ等が知られているが、使用時の便利さや保守管理の容易さから、在宅酸素療法には医療用酸素濃縮機(以下、単に酸素濃縮機という)が主流で用いられている。
【0003】
この酸素濃縮機は病院のみならず在宅療法として広く家庭において使用される。在宅酸素療法では、酸素濃縮機が病院内で医師や看護師の監視下で使用される場合とは異なり、酸素濃縮機の状態を把握することができず、患者が医師から処方されたとおりに正しい設定で使用しているか、取扱説明書に記載されたとおりの正しい使用方法を実行しているかを確認する事は困難である。
【0004】
この課題に対し、従来種々の方法が提案されており、次のような例があげられる。すなわち、患者宅における酸素濃縮機にその運転データを収集する機能を付加し、それとともに患者宅に電話回線などの公衆通信網に接続可能な通信端末機を設置する。また一方では、遠隔のサービスセンタに酸素濃縮機の設置情報や患者情報を格納するデータベースと酸素濃縮機の運転状態を一括管理するサーバを設置する。そして、各患者宅の酸素濃縮機の運転データを公衆通信網を介してサーバに収集することにより、医師の処方どおりに使用されているかの確認や、酸素濃縮機の運転動作の異常や患者の容態悪化の早期発見を行う。特許文献1〜3には、かかる方法を実施する医療機器監視システムの例が記載されている。
【特許文献1】特開平3−143451号公報
【特許文献2】特開平6−54910号公報
【特許文献3】特開2005−245735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような医療機器監視システムでは一般的に、酸素濃縮機の運転動作の異常や患者の容態の悪化を示すような運転状態が検出されたときなどの緊急時を除き、酸素濃縮機の定常的な運転データは、通信端末機に予め設定されるアップロード時刻にサーバに送信される。かかるアップロード時刻は、例えば深夜の時間帯に設定される。これは、患者宅からサーバへのデータ送信は公衆通信網、特に電話回線を介して行われることから、患者が電話回線を使用する可能性が大きい日中の時間帯を避け、電話回線の使用を妨げないようにするためである。
【0006】
そして、サーバには多数の患者宅からの運転データが送信されるので、回線の混雑を避け円滑なデータ受信が行えるように、各患者宅の通信端末機には個別のアップロード時刻が割り当てられる。
【0007】
こうしたことから、予め定めたアップロード時刻に運転データを送信するために、通信端末機は外部供給電力により動作する内部時計を備え、これにより常時時刻データを保持している。しかしながら、突発的な停電、起動スイッチの誤操作やコンセント抜けなどにより外部供給電力が遮断されると、内部時計が停止して時刻データを喪失してしまう。すると、外部供給電力が復帰したとしても時刻データに狂いが生じ、アップロード時刻に運転データが送信できなくなるという問題が生じる。
【0008】
この点、サーバは耐障害性の高い電源を用いて常時時刻データを保持可能に構成されるので、サーバから時刻データを取得することも可能である。しかし、例えば日中の時間帯にかかるデータ通信のために電話回線を使用すると、患者の電話回線使用を妨げるおそれがある。また、通信端末機にバッテリを設け、外部供給電力の予期せぬ遮断に備えることも可能であるが、部品点数の増加やそのメンテナンスにかかるコスト増を招くことになり、好ましくない。
【0009】
そこで、上記に鑑みてなされた本発明の目的は、通信端末機が時刻データを喪失した場合であってもサーバとのデータ通信を行わずに、あるいは最小限のサーバとのデータ通信により通信端末機の時刻データを復帰させ、予め定めたアップロード時刻に被監視機器の運転データをサーバに送信することが可能な機器監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面によれば、被監視機器と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記被監視機器の運転データを受信する通信端末子機と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記通信端末子機から受信した前記運転データを予め定めたアップロード時刻に公衆通信網を介してサーバに送信する通信端末親機とを有する機器監視システムにおいて、前記通信端末子機、通信端末親機のいずれか一方は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、他方が保持する時刻データを取得し保持することを特徴とする。
【0011】
上記第1の側面の好ましい態様によれば、前記被監視機器はバックアップバッテリを有するとともに当該バックアップバッテリの供給電力により時刻データを保持し、前記通信端末子機は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、さらに前記被監視機器が保持する時刻データを取得し保持することを特徴とする。
【0012】
上記第1の側面のさらに好ましい態様によれば、前記通信端末親機は、前記通信端末子機から時刻データを取得できないときには、前記公衆通信網を介して前記サーバが保持する標準時刻データを取得し、前記通信端末子機は前記通信端末親機から前記標準時刻データをさらに取得することを特徴とする。
【0013】
上記第1の側面の別の好ましい態様によれば、前記通信端末親機は、前記アップロード時刻に前記運転データを前記サーバに送信するときに、当該サーバが保持する標準時刻データを取得して自らの時刻データとして保持し、前記通信端末子機及び前記被監視機器は、前記サーバから取得された標準時刻データを自らの時刻データとして保持することを特徴とする。
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明の第2の側面によれば、バックアップバッテリを有するとともに当該バックアップバッテリの供給電力により時刻データを保持する被監視機器と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記被監視機器の運転データを予め定められたアップロード時刻に公衆通信網を介してサーバに送信する通信端末機とを有する機器監視システムにおいて、前記通信端末機は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、前記被監視機器が保持する時刻データを取得し保持することを特徴とする。
【0015】
上記第2の側面の好ましい態様によれば、前記通信端末機は、前記被監視機器から時刻データを取得できないときには、前記公衆通信網を介して前記サーバが保持する標準時刻データを取得することを特徴とする。
【0016】
上記第2の側面の別の好ましい態様によれば、前記通信端末機は、前記アップロード時刻に前記運転データを前記サーバに送信するときに、当該サーバが保持する標準時刻データを取得して自らの時刻データとして保持し、前記被監視機器は、前記サーバから取得された標準時刻データを自らの時刻データとして保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、通信端末機は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した場合でも、サーバとの通信を行うことなく時刻データを復帰でき、予め定めたアップロード時刻に運転データをサーバに送信できる。さらに、サーバが保持する標準時刻データを取得して自らの時刻データとして保持することで、より正確にアップロード時刻に運転データをサーバに送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【0019】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態における機器監視システムが医療機器監視システムに適用された場合の構成を説明する図である。患者宅1には、「被監視機器」としての酸素濃縮機2、通信端末機親機4、通信端末機子機6が設置され、酸素濃縮機2の運転データを収集するサーバ81は遠隔のサービスセンタ80に設置される。酸素濃縮機2、通信端末子機6とはケーブルによりデータ通信可能に接続される。また、通信端末子機6と通信端末親機4は無線通信によってデータ通信可能に接続される。そして、通信端末親機4はモジュラージャックにより電話回線などの公衆通信網10に接続され、公衆通信網10を介して遠隔のデータセンター内にあるサーバ81とデータ通信可能に接続される。
【0020】
この構成は、例えば、患者の居室とモジュラージャックとがある程度離れている場合に、酸素濃縮機2と通信端末子機6を居室に、通信端末機4をモジュラージャック付近に設置して、通信端末機4と通信端末機6との間で無線通信を行うような場合に好適である。また、患者個人の患者宅のほかに、老人ホームや児童福祉施設、あるいは医療機関などで患者が自ら酸素濃縮機2を使用して治療を受ける場合にもこの構成は適用できる。よって、患者宅、老人ホーム、児童福祉施設、あるいは医療機関などが「サイト」に対応する。
【0021】
酸素濃縮機2は、時刻データを保持する内部時計26、通信端末子機6との通信を制御する通信回路22、および予め設定されたプログラムに従って酸素濃縮機2全体の運転動作を制御するCPU(Central Processing Unit)で構成される制御部24を有する。これら各部は、患者宅1内の給電コンセントからの外部供給電力により動作するよう構成される。ただし、酸素濃縮機2は、さらに内部時計26に常時電力供給可能なバックアップバッテリ28を有する。よって、内部時計26は常時時刻データを保持可能に構成される。
【0022】
かかる構成の酸素濃縮機2は、定常時には、時刻データに基づき予め設定されたアップロード時刻前に、その運転データを内部の記憶装置にログとして格納するとともに、運転データを通信端末子機6に送信する。酸素濃縮機2の運転データには、患者に供給する酸素濃度、酸素流量、酸素供給時間などが含まれる。この運転データはサーバ81にて集計され、定期的に医療機関に転送されて医師による患者の処方履歴確認のために用いられる。
【0023】
通信端末子機6は、時刻データを保持する内部時計66、酸素濃縮機2および通信端末親機4との通信を制御する通信回路62、及び通信端末子機6全体の動作を予め定めたプログラムに従って制御するCPUで構成される制御部64を有する。通信端末子機6は、酸素濃縮機2から運転データが送信されると、これを通信端末親機4に送信する。
【0024】
通信端末親機4は、時刻データを保持する内部時計46、通信端末子機6およびサーバ81との通信を制御する通信回路42、及び通信端末親機4全体の動作を予め定めたプログラムに従って制御するCPUで構成される制御部44を有する。また通信端末親機4は、通信端末子機6から送信された酸素濃縮機2の運転データを内部の記憶装置に格納するとともに、時刻データに基づき予め設定されたアップロード時刻に運転データをサーバ81に送信する。
【0025】
通信端末子機6、通信端末親機4は、いずれも患者宅1の給電コンセントから外部供給電力を取得し、外部供給電力により動作する。よって、通信端末子機6、通信端末親機4は、外部供給電力が供給される間は、時刻データを保持する。このように通信端末子機6、通信端末親機4は、バックアップバッテリを内蔵しない構成とすることで、部品点数削減と低コスト化を可能とする。
【0026】
サーバ81は、公衆通信網10とのデータ通信を制御する通信回路82と、酸素濃縮機2の設置情報や患者情報を格納するデータベースと酸素濃縮機2の運転状態を一括管理する、公知のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置で構成される制御部84と、時刻データを保持する内部時計86を有する。サーバ81は、サービスセンタ80内における耐障害性の高い電源から常時電源供給を受け、内部時計86を含む各部は常時動作可能に構成される。よって、サーバ81は常時時刻データを保持できる。このため、この医療機器監視システムでは、サーバ81の時刻データが標準の時刻データ(「標準時刻データ」)として用いられる。
【0027】
このような医療機器監視システムでは、上述したような定常的な運転データ送信のほかに、運転データに酸素濃縮機2の運転動作の異常を示すデータや患者の容態悪化を示すデータが含まれる緊急時には、緊急事態の発生を示す緊急データを即時かつ確実にサーバ81に送信し、速やかな対応をすることが求められる。よって通信端末子機6と酸素濃縮機2の間、及び通信端末機子機6と通信端末親機4の間では、かかる状態に備え相互に通信可能状態(以下、ステータスという)確認のためのデータ通信が頻繁に行われる。
【0028】
例えば、酸素濃縮機2と通信端末子機6の間では数十秒に1回の頻度(以下の説明では30秒に1回とする)でステータス確認が行われる。このとき、通信端末子機6は酸素濃縮機2にステータス要求を示すデータを送信し(以下、かかるデータ送信をステータス要求という)、酸素濃縮機2はこれに応答して自らのステータスを示すデータを通信端末子機6に送信する(以下、かかるデータ送信をステータス応答という)。
【0029】
また、通信端末子機6と通信端末親機4の間では数秒に1回の頻度(以下の説明では2秒に1回とする)でステータス確認が行われる。このとき、通信端末親機4は通信端末子機6にステータス要求し、通信端末子機6はこれに対しステータス応答する。
【0030】
ここで、酸素濃縮機2と通信端末子機6はケーブルで接続されており、したがってデータ通信の信頼性は通信端末機4と通信端末機6の無線通信より高いことを考慮し、通信端末機6と酸素濃縮機2とのステータス確認の頻度は通信端末機4と通信端末機6とのステータス確認の頻度より低い頻度(ただし、通信端末機4からサーバ81への定常的な運転データ送信の頻度より高い頻度)に設定される。
【0031】
ここで、通信端末親機4と通信端末子機6、及び通信端末子機6と酸素濃縮機2との間で行われるステータス確認で送受信されるステータス要求データとステータスデータの概略的な構成例を図2に示す。図示するように、ステータス要求データ及びステータスデータには、送信側が保持する時刻データを含むヘッダが付加される。これは、通信端末親機4、通信端末子機6、及び酸素濃縮機2は任意に設定可能な一定期間のステータス要求データまたはステータスデータをログとして格納し、動作異常などを解析する際に発生時刻を特定するためである。また、ヘッダには時刻データの状態及び種別を示すフラグデータF1、F2が付加される。フラグデータF1、F2の利用方法については後に詳述する。
【0032】
図1に戻り、通信端末親機4からサーバ81への運転データの送信は、例えば数時間〜数十時間に1回の比較的低い頻度で行われる。これは、酸素濃縮機2の定常的な運転データは、医師により患者の処方履歴を確認するために用いられるが、酸素濃縮機2の運転動作の異常や患者の容態悪化などに比べると対処の緊急度が低く、そのために電話回線を頻繁に占有すると患者の電話回線使用を妨げるおそれがあるからである。よって、通信端末親機4からサーバ81への運転データの送信の頻度は、酸素濃縮機2と通信端末子機6の間でのステータス確認頻度より低くかつ患者の電話回線使用を妨げない頻度を下限とし、患者の処方履歴確認を効果的に行うために必要とされる運転データの収集頻度を上限とする範囲内で適宜に定めることが可能である。よって、以下の説明では24時間に1回とする。
【0033】
さらに、患者の電話回線使用を妨げないようなアップロード時刻として、深夜の時間帯が用いられる。そして、サーバ81に各患者宅からのデータ通信が集中して回線の混雑が生じると、円滑なデータ通信が妨げられるおそれがあるので、各患者宅に設置される通信端末親機4は、それぞれ異なるアップロード時刻が割り当てられる。
【0034】
図3は、第1の実施形態における医療機器監視システムの定常時の動作手順を説明するシーケンス図である。通信端末親機4は2秒ごとに、通信端末子機6にステータス要求し(S2)、通信端末子機6はこれに対しステータス応答する(S4)。また、通信端末子機6は30秒ごとにステータス要求し(S6)、酸素濃縮機2はこれに応答してステータス応答する(S8)。
【0035】
酸素濃縮機2は、自らの時刻データに基づきアップロード時刻前(適宜に設定可能な一定時間早いタイミング)になると(S10)、運転データを通信端末子機6に送信する(S12)。すると、これを受信した通信端末子機6は、運転データを親機4に送信する(S14)。そして、通信端末親機4は、自らの時刻データに基づいてアップロード時刻になると(S16)、運転データをサーバ81に送信する(S18)。
【0036】
ところで、通信端末親機4は、突発的な停電、起動スイッチの誤操作やコンセント抜けなどにより外部供給電力が遮断されると、内部時計46が停止して時刻データを喪失してしまう。かかる場合に、第1の実施形態における通信端末親機4は、外部供給電力が復帰し再起動した後、通信端末子機6からその時刻データを取得して、自らの時刻データとして保持する。このように、通信端末親機4は、通信端末子機6をいわばバックアップ手段として用いることで、通信端末親機4は自らの時刻データを復帰させることができ、予め定めたアップロード時刻にサーバ81に運転データを送信することができる。
【0037】
一方、通信端末子機6においても、突発的な停電、起動スイッチの誤操作やコンセント抜けなどにより外部供給電力が遮断されると、内部時計66が停止して時刻データを喪失してしまう場合がある。かかる場合において、通信端末子機6は、外部供給電力が復帰し再起動した後、通信端末親機4からその時刻データを取得して、自らの時刻データとして保持する。そうすることで、通信端末子機6は自らの時刻データを復帰させることができ、通信端末親機4のバックアップ機能を回復できる。
【0038】
さらに好適な態様としては、通信端末子機6は、外部供給電力が復帰し再起動した後、通信端末親機4に加え酸素濃縮機2からその時刻データを取得して、自らの時刻データとして保持することもできる。酸素濃縮機2はバックアップバッテリ28の供給電力により時刻データを常時保持しているので、酸素濃縮機2が運転中であればその時刻データを取得できる。よって、仮に通信端末親機4から時刻データを取得できない場合であっても、通信端末子機6は自らの時刻データを復帰させ、通信端末親機4のバックアップとしての機能を回復できる。
【0039】
図4は、第1の実施形態において通信端末親機4が時刻データを復帰させる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。通信端末親機4の外部供給電力が遮断され(S40)、その後外部供給電力が復帰すると(S42)、通信端末親機4は予め設定された初期化処理を実行する(S44)。
【0040】
初期化処理では、その詳細な手順は後述するが、通信端末親機4は、2秒ごとに通信端末子機6にステータス要求すると(S444)、通信端末子機6が定常動作としてステータス応答する(S4)。ここで、図2に示したように、ステータスデータには、送信側である通信端末子機6が保持する時刻データが付加されている。よって、通信端末親機4はステータスデータに付加された時刻データを読み出して自らの時刻データとして保持する(S450)。このような手順により、通信端末親機4は自らの時刻データを復帰させることができ、予め定めたアップロード時刻にサーバ81に運転データを送信することができる。
【0041】
図5は、第1の実施形態において通信端末子機6が時刻データを復帰させる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。通信端末子機6の外部供給電力が遮断され(S50)、その後外部供給電力が復帰すると(S52)、通信端末子機6は予め設定された初期化処理を実行する(S54)。この初期化処理では、その詳細な手順は後述するが、通信端末子機6は、通信端末親機4が定常動作として実行する2秒ごとのステータス要求を受信すると(S2)、通信端末親機4にステータス応答する(S547)。ここで、図2に示したように、ステータス要求データには、送信側である通信端末親機4が保持する時刻データが付加されている。よって、通信端末子機6はステータス要求データに付加された時刻データを読み出して自らの時刻データとして保持する(S550)。
【0042】
しかし、例えばこのとき通信端末親機4の外部供給電力が遮断されており通信端末親機4が動作しておらず、したがって通信端末親機4からのステータス要求がない場合には、通信端末子機6は時刻データを取得できない。その場合には、通信端末子機6は初期化処理で30秒ごとに酸素濃縮機2にステータス要求し(S556)、酸素濃縮機2が定常動作としてステータス応答する(S8)。ここで、図2に示したように、ステータスデータには、送信側である酸素濃縮機2が保持する時刻データが付加されている。よって、通信端末子機6はステータスデータに付加された時刻データを読み出して自らの時刻データとして保持する(S562)。そうすることで、通信端末親機4の外部供給電力が復帰して通信端末親機4からステータス要求された場合に、時刻データを付加してステータス応答することができる。
【0043】
このような手順により、通信端末子機6は通信端末親機4あるいは酸素濃縮機2のいずれかから時刻データを取得するので、確度良く時刻データを復帰させることができる。よって、通信端末親機4が時刻データを必要とする場合のバックアップとしての機能を回復することができ、医療機器監視システム全体としての信頼性が向上する。
【0044】
なお、上記の手順では、通信端末親機4の外部供給電力が遮断されて時刻データを喪失し、その後外部供給電力が復帰した場合において、通信端末機4が通信端末子機6に2秒ごとにステータス要求したときに通信端子機6の外部供給電力が遮断されていると、通信端末子機6はステータス応答できず、したがって通信端末親機4は時刻データを取得できない。さらにその場合において、通信端末子機6の外部供給電力が復帰し、通信端末子機6が酸素濃縮機2に30秒ごとにステータス要求したときに酸素濃縮機2が運転していないと、酸素濃縮機2の内部では時刻データが保持されていても通信端末子機6に対しステータス応答できず、したがって通信端末子機4は時刻データを取得できない。すると、通信端末子機6が再起動後に通信端末機4からの2秒ごとのステータス要求に応答したとしても、時刻データを喪失したままであるので、通信端末親機4は時刻データを取得できない。
【0045】
このような場合には、通信端末親機4は時刻データを復帰できないので、内部の記憶装置に送信すべき運転データが格納されていたとしても、これをアップロード時刻にサーバ81に送信できない。そこで、第1の実施形態では、かかる場合には通信端末親機4はサーバ81から標準時刻データを取得することで、時刻データを復帰させる。
【0046】
図6は、かかる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。この場合、通信端末親機4は、外部供給電力が遮断(S40)された後に復帰すると(S42)、初期化処理を実行する(S44)。そして、通信端末子機6にステータス要求するが(S444)、このとき通信端末子機6が外部供給電力が遮断された(S50)状態だと、通信端末親機4は、通信端末子機6からステータス応答が得られず時刻データを取得できない。
【0047】
そして、通信端末子機6の外部供給電力が復帰すると(S52)、初期化処理を実行する(S54)。そして、酸素濃縮機2にステータス要求するが(S556)、このとき酸素濃縮機60は運転停止(S60)された状態だと、通信端末子機6は酸素濃縮機2からステータス応答が得られず時刻データを取得できない。
【0048】
この場合、通信端末親機4が、再度通信端末子機6にステータス要求すると(S444)、通信端末子機6はステータス応答するが(S547)、通信端末子機6の時刻データは喪失したままなので、通信端末親機4は通信端末子機6から時刻データを取得できない。よって、通信端末親機4は、再起動後一定時間(例えば24時間)経過後に、サーバ81に接続して時刻データを要求して(S456)、サーバ81が標準時刻データを送信する(S457)。よって、通信端末親機4は、これを自らの時刻データとして保持する(S460)。
【0049】
このようにすることで、通信端末親機4は、最長でも24時間後には時刻データを復帰させることができる。よって、医療機器監視システムとしての信頼性が保たれる。なおこの場合、サーバ81とのデータ通信は、標準時刻データの取得を目的としてアップロード時刻以外であっても実行される。よって、このとき運転データの送信を行わないようにすることで、例えば患者が電話回線を使用する可能性が大きい日中の時間帯であったとしても電話回線の使用時間を短縮し、患者の電話回線使用を妨げないようにすることができる。
【0050】
次に、上述した手順における通信端末親機4、通信端末子機6の初期化手順について詳述する。
【0051】
図7は、通信端末親機4の初期化処理(図4、図6の手順S44)を詳述するフローチャート図である。この初期化処理は、外部供給電力を得て通信端末親機4が起動した直後に定常的に実行される。
【0052】
通信端末親機4は、外部供給電力が遮断されたときに時刻データを喪失しているので、まず自らの制御プログラム内の変数として、時刻データの保持を示す時刻データフラグの値を初期化する(S440)。すると、自らの時刻データフラグの値から時刻データ喪失を判断して(S442のYES)、通信端末子機6に2秒ごとにステータス要求する(S444)。通信端末子機6からステータス応答され(図4のS4、または図5のS547)、ステータス応答を確認すると(S446のYES)、通信端末親機4はステータスデータから通信端末子機6が付加した時刻データと時刻データフラグを読み出す(S448)。ここでは、図2に示した、ステータスデータに時刻データとともに付加されるフラグデータF1が、送信側である通信端末子機6の時刻データフラグに対応する。
【0053】
そして、時刻データフラグが保持を示す値であることを確認すると(S449のYES)、通信端末子機6が送信した時刻データを自らの時刻データとして保持し、自らの時刻データフラグの値を保持を示す値に変更する(S450)。
【0054】
ただし、例えば通信端末子機6の外部供給電力が遮断されており通信端末子機6が動作していないときには、通信端末親機4は2秒ごとのステータス要求(S444)を繰り返し実行しても通信端末子機6からステータス応答が得られない(S446のNO)。あるいは、通信端末子機6の外部供給電力が通信端末親機4より遅れて復帰した場合であって酸素濃縮機2が運転状態でない場合に、通信端端末子機6の側では時刻データを喪失したままであるので、かかる場合には、2秒ごとのステータス要求(S444)に対し通信端末子機6からステータス応答が得られたことを確認しても(S446のYES)、そのステータスデータには時刻データが付加されておらず、時刻データフラグは喪失を示す値であって保持を示す値ではない(S449のNO)。
【0055】
そこで、かかる状態のまま24時間経過したときには(S452のYES)、通信端末親機4はサーバ81に接続して(S454)サーバ81の時刻データ送信を要求する(S456)。そして、サーバ81がこの要求に応答して標準時刻データを送信して(S456)通信端末親機4が受信を確認すると(S458のYES)、通信端末親機4は標準時刻データを自らの時刻データとして保持して自らの時刻データフラグの値を保持を示す値に変更し(S460)、サーバとの接続を切断してデータ通信を終了する(S462)。なお、通信端末親機4がサーバ81からの時刻データ受信を確認できないときには(S458のNO)、通信端末親機4は一旦サーバ81との接続を切断してデータ通信を終了し(S463)、手順S442に戻り上述の処理を再度実行する。
【0056】
図8は、通信端末子機6の初期化処理(図5、図6の手順S54)を詳述するフローチャート図である。この初期化処理は、外部供給電力を得て通信端末子機6が起動した直後に定常的に実行される。
【0057】
通信端末子機6は、外部供給電力が遮断されたときに時刻データを喪失しているので、まず自らの制御プログラム内の変数として、時刻データの保持を示す時刻データフラグの値を初期化する(S540)。そして、自らの時刻データフラグの値から時刻データ喪失を判断して(S542のYES)、通信端末親機4からのステータス要求があると(図5のS2または図6のS444)、ステータス要求されたことを確認し(S546のYES)、通信端末親機4にステータス応答する(S547)。そして、通信端末子機6はステータス要求データから通信端末親機4が付加した時刻データと時刻データフラグを読み出す(S548)。ここでは、図2に示した、ステータス要求データに時刻データとともに付加されるフラグデータF1が、送信側である通信端末親機4の時刻データフラグに対応する。
【0058】
そして、時刻データフラグが保持を示す値であることを確認すると(S549のYES)、通信端末親機4が送信した時刻データを自らの時刻データとして保持し、自らの時刻データフラグの値を保持を示す値に変更する(S550)。
【0059】
ただし、例えば通信端末親機4の外部供給電力が遮断されており通信端末親機4が動作していないときには、通信端末子機6は通信端末親機4からステータス要求されない(S546のNO)。あるいは、通信端末親機4の外部供給電力が通信端末子機6より遅れて復帰した場合には、通信端端末親機4の側では時刻データを喪失したままであるので、かかる場合には通信端末親機4からステータス要求されたことを確認しても(S546のYES)、そのステータスデータには時刻データが付加されておらず、時刻データフラグは喪失を示す値であって保持を示す値ではない(S549のNO)。
【0060】
そこで、かかる状態のまま30秒経過したときには(S552のYES)、通信端末子機6は酸素濃縮機2にステータス要求する(S556)。そして、酸素濃縮機2がステータス応答して(図5のS8)、通信端末子機6がステータス応答されたことを確認すると(S558のYES)、通信端末子機6はステータスデータから酸素濃縮機2が付加した時刻データと時刻データフラグを読み出す(S559)。ここでは、図2に示した、ステータスデータに時刻データとともに付加されるフラグデータF1が、送信側である酸素濃縮機2の時刻データフラグに対応する。
【0061】
そして、時刻データフラグが保持を示す値であることを確認すると(S560のYES)、酸素濃縮機2が送信した時刻データを自らの時刻データとして保持し、自らの時刻データフラグの値を保持を示す値に変更する(S562)。そして、次に定常動作として通信端末親機4がステータス要求するときには、通信端末子機6は保持している時刻データを付加してステータス応答することができる。
【0062】
上記手順を実行することにより、通信端末親機4、通信端末子機6のいずれかが時刻データを喪失した場合でもこれを復帰させることができる。このとき、定常的に実行するステータス要求・ステータス応答の際に送受信される時刻データを用いることで、時刻データ復帰のための追加的なデータ通信を実行することなく、時刻データを復帰できる。よって、通信端末親機4、通信端末子機6、及び酸素濃縮機2の処理負荷を最小限とすることができる。
【0063】
そして、最長でも24時間後にはサーバ81から標準時刻データを取得して、通信端末親4の時刻データを復帰させることができる。よって、サーバ81へのデータ通信を最小限の頻度に抑えることで在宅患者の電話回線使用を妨げないようにするとともに、定常的な運転データの送信の遅れを最小限に抑えることができる。よって、医療機器監視システムとしての信頼性が保たれる。
【0064】
[第1の実施形態における変形例]
次に、第1の実施形態における変形例について説明する。この変形例では、アップロード時刻に通信端末親機4がサーバ81に運転データを送信するときにサーバ81から標準時刻データを受信し、通信端末親機4、通信端末子機6、または酸素濃縮機2のいずれかまたはすべてが標準時刻データをそれぞれの時刻データとして保持する。そうすることで、これらの内部時計の精度がサーバ81の内部時計86の精度より低い場合であっても、24時間ごとにそれぞれの時刻データを標準時刻データに同期させることができる。よって、通信端末親機4、あるいは酸素濃縮機2は、より正確にアップロード時刻に運転データを送信することができる。また、通信端末子機6は、通信端末親機4のバックアップとして精度よい時刻データを保持することができる。よって、医療機器監視システム全体として、標準時刻に対しより正確な動作が可能となる。
【0065】
図9は、かかる変形例における医療機器監視システムの動作手順を説明するシーケンス図である。図9の手順は、通信端末親機4が運転データをサーバ81に送信した際に実行される。一部、図3の手順と重複する手順には、図3と同じ符号が付してある。
【0066】
通信端末親機4は、アップロード時刻になると(S16)、サーバ81に運転データを送信し(S18)、時刻データを要求する(S20)。サーバ81は、これに応答して標準時刻データを送信する(S22)。そして、通信端末親機4は、標準時刻データを自らの時刻データとして保持する(S24)。
【0067】
そして、通信端末親機4は、通信端末子機6にステータス要求する際、標準時刻データを付加してステータス要求する(S26)。このとき、例えば、図2に示したフラグデータF2を標準時刻データに保持したことを示す値に設定する。そうすることで、通信端末子機6はフラグデータF2の値から送信要求データに付加された時刻データは標準時刻データであることを判断し、標準時刻データを自らの時刻データとして保持する(S28)。そして、通信端末親機4にステータス応答する(S30)。
【0068】
さらに、通信端末子機6は、酸素濃縮機2に30秒ごとにステータス要求する際、標準時刻データとこれを示すフラグデータF2を付加してステータス要求する(S32)。そして、酸素濃縮機2はフラグデータF2の値からステータス要求データに付加された時刻データは標準時刻データであることを判断し、標準時刻データを自らの時刻データとして保持する(S34)。そして、通信端末子機6にステータス応答する(S36)。
【0069】
このような手順を実行することで、通信端末子機6、または酸素濃縮機2の内部時計の精度がサーバ81の内部時計86の精度より低い場合であっても、24時間ごとにそれぞれの時刻データを標準時刻データに同期させることができ、医療機器監視システム全体として、標準時刻に対しより正確な動作が可能となる。
【0070】
なお、上述の説明では、1対の通信端末親機と通信端末子機の場合を例としたが、1つの通信端末親機に対し、複数の通信端末子機とそれぞれの通信端末子機と通信を行う酸素濃縮機が設けられる構成であっても、第1の実施形態は適用できる。さらに、3つ以上の通信端末親機が連続して接続されデータ通信を行う場合にも、第1の実施形態は適用できる。その場合、データ通信経路の隣接する通信端末機間で酸素濃縮機側を通信端末子機、サーバ側を通信端末親機として上述した手順を実行する。そうすることで、サーバ81に対するデータ通信頻度を最小限にしつつ、喪失した時刻データを通信端末機相互間で復帰させて保持することができる。よって、予め定めたアップロード時刻にサーバ81に運転データを送信することができる。
【0071】
[第2の実施形態]
図10は、第2の実施形態における医療機器監視システムの構成を説明する図である。第2の実施形態では、通信端末親機4と通信端末子機6を設ける代わりに、通信端末機5が設けられる。通信端末機5は、第1の実施形態における通信端末親機4、通信端末子機6と同等の構成を有し、通信回路52、制御部54、内部時計56を有する。通信端末機5は、外部供給電力により動作可能に構成され、外部供給電力により内部時計56は時刻データを保持する。
【0072】
酸素濃縮機2は、通信端末機5ケーブルにより接続されデータ通信可能に構成される。その他は、第1の実施形態における構成と同じである。
【0073】
この構成は、酸素濃縮機2をモジュラージャック付近に設置可能な場合に、酸素濃縮機2と通信端末機5をケーブルで接続してデータ通信の信頼性を向上させるのに好適な構成として用いられる。また、通信端末機の個数を減らすことで煩雑な構成となることを防止できる。その場合、無線通信の場合よりデータ通信の信頼性が高いことを考慮し、両者間では例えば30秒ごとにステータス確認が実行される。
【0074】
以下では、酸素濃縮機2と通信端末機5がケーブル接続される場合を例として説明するが、酸素濃縮機2の通信回路22と通信端末機5の通信回路52を無線通信により接続される構成とする場合も、第2の実施形態に含まれる。その場合、ケーブル接続の場合よりデータ通信の信頼性が低下することを考慮し、両者間では、例えば2秒ごとにステータス確認が実行される。
【0075】
そして、通信端末機5からサーバ81へは、24時間ごとに酸素濃縮機2の運転データが送信される。
【0076】
図11は、第2の実施形態における医療機器監視システムの定常時の動作手順を説明するシーケンス図である。通信端末機5は30秒ごとにステータス要求し(S102)、酸素濃縮機2はこれに対してステータス応答する(S104)。そして、酸素濃縮機2は、その内部時計26が保持する時刻データに基づきアップロード時刻前に(S106)、運転データを通信端末機5に送信する(S108)。そして、通信端末機5は、その内部時計46が保持する時刻データに基づいてアップロード時刻になると(S110)運転データをサーバ81に送信する(S112)。
【0077】
第2の実施形態では、通信端末機5は、突発的な停電、起動スイッチの誤操作やコンセント抜けなどにより外部供給電力が遮断され時刻データを喪失した場合に、外部供給電力が復帰して再起動した後、酸素濃縮機2からその時刻データを取得して、自らの時刻データとして保持する。ここで、酸素濃縮機2の内部時計26はバックアップバッテリ28により常時運転可能であり、時刻データが喪失されることはない。よって、通信端末機5は、酸素濃縮機2が運転状態であれば確実に、時刻データを復帰させることができる。このように、酸素濃縮機2をいわばバックアップ手段として用いることで通信端末機5は時刻データを復帰させることができ、予め定めたアップロード時刻にサーバ81に運転データを送信することができる。
【0078】
図12は、第2の実施形態において通信端末機5が時刻データを復帰させる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。通信端末機5の外部供給電力が遮断され(S140)、その後外部供給電力が復帰すると(S142)、初期化処理を実行する(S144)。この初期化処理では、通信端末機5は、酸素濃縮機2にステータス要求して(S1444)酸素濃縮機2が定常動作としてステータス応答すると(S104)、通信端末機5はステータスデータに酸素濃縮機2が付加した時刻データを読み出して自らの時刻データとして保持する(S1450)。
【0079】
このような手順により、通信端末機5はサーバ81とのデータ通信を行わなくても時刻データを復帰させることができる。このとき、定常的に実行するステータス要求・ステータス応答の際に送受信される時刻データを用いることで、時刻データ復帰のための追加的なデータ通信を実行することなく、時刻データを復帰できる。よって、通信端末機5、及び酸素濃縮機2の処理負荷を最小限とすることができる。そして、予め定めたアップロード時刻にサーバ81に酸素濃縮機2の運転データを送信することができる。
【0080】
ただし酸素濃縮機2が運転状態でないときには、通信端末機5は酸素濃縮機2からステータス応答が得られず、したがって時刻データを取得できない。
【0081】
この場合の手順を、図13に示す。図13では、図12と重複する手順には同じ符号が付してある。
【0082】
酸素濃縮機2が運転停止しており(S162)運転状態でないときには、通信端末機5は酸素濃縮機2にステータス要求しても(S1444)ステータス応答が得られず、したがって時刻データを取得できない。その場合、通信端末機5は、再起動から例えば24時間経過後にサーバ81に時刻データを要求し(S1456)、サーバ81が標準時刻データを送信する(S1457)。そして、通信端末機5は、これを自らの時刻データとして保持する(S1460)。
【0083】
このような手順により、最長でも24時間後にはサーバ81から標準時刻データを取得して、通信端末機5の時刻データを復帰させることができる。よって、サーバ81へのデータ通信を最小限の頻度に抑えることで在宅患者の電話回線使用を妨げないようにするとともに、定常的な運転データの送信の遅れを最小限に抑えることができる。よって、医療機器監視システムとしての信頼性が保たれる。
【0084】
図14は、第2の実施例における通信端末機5の初期化処理を詳述するフローチャート図である。この初期化処理は、外部供給電力を得て通信端末機5が起動した直後に定常的に実行される。
【0085】
通信端末機5は、外部供給電力が遮断されたときに時刻データを喪失しているので、まず自らの制御プログラム内の変数として、時刻データの保持を示す時刻データフラグの値を初期化する(S1440)。すると、自らの時刻データフラグの値から時刻データ喪失を判断して(S1442のYES)、酸素濃縮機2に30秒ごとにステータス要求する(S1444)。酸素濃縮機2が定常動作としてステータス応答し(図12のS104)、ステータス応答されたことを確認すると(S1446のYES)、通信端末機5はステータスデータから酸素濃縮機2が付加した時刻データと時刻データフラグ(図2に示したフラグF1)を読み出す(S1448)。そして、時刻データフラグが保持を示す値であることを確認する。なお、この場合、酸素濃縮機2ではバックアップバッテリ28の電力により常時時刻データが保持されるので、時刻データフラグの値は保持を示すことが確認される(S1449のYES)。すると、酸素濃縮機2が送信した時刻データを自らの時刻データとして保持し、自らの時刻データフラグの値を保持を示す値に変更する(S1450)。
【0086】
ただし、例えば酸素濃縮機2が運転状態でないときには、通信端末機5は30秒ごとのステータス要求(S1444)を繰り返し実行しても酸素濃縮機2からステータス応答が得られない(S1446のNO)。あるいは、酸素濃縮機2が運転状態であるときであっても、バックアップバッテリ28の消耗や故障などにより時刻データが喪失されている場合には、時刻データフラグが保持を示す値ではない(S1449のNO)。このような場合には、通信端末機5は酸素濃縮機2から時刻データを取得できない。
【0087】
そこで、かかる状態のまま24時間経過したときには(S1452のYES)、通信端末機5はサーバ81に接続して(S1454)サーバ81の時刻データ送信を要求する(S1456)。そして、サーバ81がこの要求に応答して標準時刻データを送信して(S1457)通信端末機5がこれを受信したことを確認すると(S1458のYES)、通信端末機5は標準時刻データを自らの時刻データとして保持して自らの時刻データフラグの値を保持を示す値に変更し(S1460)、サーバとの接続を切断してデータ通信を終了する(S1462)。なお、通信端末機5がサーバ81からの時刻データ受信を確認できないときには(S1458のNO)、通信端末機5は一旦サーバ81との接続を切断してデータ通信を終了し(S1463)、手順S1442に戻り上述の処理を再度実行する。
【0088】
上記手順を実行することにより、通信端末機5が時刻データを喪失した場合でもこれを復帰させることができる。このとき、酸素濃縮機2との間で定常的に実行するステータス要求・ステータス応答の際に送受信される時刻データを用いることで、時刻データ復帰のための追加的なデータ通信を実行することなく、時刻データを復帰できる。よって、通信端末機5の処理負荷を最小限とすることができる。
【0089】
そして、最長でも24時間後にはサーバ81から標準時刻データを取得して、通信端末機5の時刻データを復帰させることができる。よって、サーバ81へのデータ通信を最小限の頻度に抑えることで在宅患者の電話回線使用を妨げないようにするとともに、定常的な運転データの送信の遅れを最小限に抑えることができる。よって、医療機器監視システムとしての信頼性が保たれる。
【0090】
[第2の実施形態における変形例]
第2の実施形態においても、通信端末機5の時刻データ、及び酸素濃縮機2の時刻データをサーバ81から取得した標準時刻データに保持する変形例が可能である。
【0091】
図15は、かかる変形例を説明するシーケンス図である。すなわち、通信端末機5は、アップロード時刻になると(S110)、サーバ81に運転データを送信し(S112)、標準時刻データを要求する(S120)。サーバ81は、これに応答して標準時刻データを送信する(S122)。そして、通信端末機5は、標準時刻データを自らの時刻データとして保持する(S124)。
【0092】
そして、通信端末機5は、酸素濃縮機2に30秒ごとにステータス要求する際、標準時刻データを付加してステータス要求する(S126)。このとき、例えば、標準時刻データに保持したことを示すフラグデータをステータス要求データに付加する。そうすることで、酸素濃縮機2はそのフラグデータの値から送信要求データに付加された時刻データは標準時刻データであることを判断し、標準時刻データを自らの時刻データとして保持する(S128)。そして、通信端末機5にステータス応答する(S130)。
【0093】
このような手順を実行することで、通信端末機5、または酸素濃縮機2の内部時計の精度がサーバ81の内部時計86の精度より低い場合であっても、24時間ごとにそれぞれの時刻データを標準時刻データに同期させることができ、医療機器監視システム全体として、標準時刻に対しより正確な動作が可能となる。
【0094】
上述の説明では、公衆通信網10として電話回線を例としたが、酸素濃縮機2と通信端末機とが設置される患者宅や診療所に設置される電話機その他の通信機器(ファクシミリ、インターネットに接続されるパーソナルコンピュータなど)と共有される公衆通信網(たとえば有線通信手段あるいは無線通信手段を用いて実現されるインターネット、携帯電話通信網、またはPHS通信網などを含む公衆通信網)であれば、第1、第2の実施形態が適用できる。すなわち、第1、第2の実施形態によれば、かかる公衆通信網を介してサーバ81とデータ通信を行う頻度を最小限とすることで、公衆通信網を共用する通信機器の使用を妨げることなく、通信端末機の時刻データを復帰できる。
【0095】
また、上述の説明では、酸素濃縮機を被監視機器とする医療機器監視システムを例とした。しかしながら、酸素濃縮機以外の医療機器、例えば超音波治療器や成人用人工呼吸器など、在宅患者が家庭内で自ら使用する医療機器であって、その運転データを定常的に収集することが望まれる医療機器には、第1、第2の実施形態が適用できる。さらには、医療機器のほかにも、ガスメータなど、保安上の観点からその運転データを定常的に収集することが望まれる一般機器を被監視機器として、第1、第2の実施形態が適用できる。
【0096】
以上説明したとおり、本発明によれば、機器監視システムにおいて通信端末機が時刻データを喪失した場合であっても通信端末機の時刻データを復帰させ、予め定めたアップロード時刻に運転データをサーバに送信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第1の実施形態における機器監視システムが医療機器監視システムに適用された場合の構成を説明する図である。
【図2】ステータス確認時に送受信されるデータの構成を概略的に示す図である。
【図3】第1の実施形態における医療機器監視システムの定常時の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図4】第1の実施形態において通信端末親機4が時刻データを復帰させる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図5】第1の実施形態において通信端末子機6が時刻データを復帰させる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図6】通信端末親機4がサーバ81から時刻データを取得する場合の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図7】通信端末親機4の初期化処理(図4、図6の手順S44)を詳述するフローチャート図である。
【図8】通信端末子機6の初期化処理(図5、図6の手順S54)を詳述するフローチャート図である。
【図9】第1の実施形態の変形例における医療機器監視システムの動作手順を説明するシーケンス図である。
【図10】第2の実施形態における医療機器監視システムの構成を説明する図である。
【図11】第2の実施形態における医療機器監視システムの定常時の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図12】、第2の実施形態において通信端末機5が時刻データを復帰させる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図13】通信端末機5がサーバ81から時刻データを取得する場合の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図14】第2の実施例における通信端末機5の初期化処理を詳述するフローチャート図である。
【図15】第1の実施形態の変形例における医療機器監視システムの動作手順を説明するシーケンス図である。
【符号の説明】
【0098】
1:患者宅、2:酸素濃縮機、4:通信端末親機、5:通信端末機、6:通信端末子機、10:公衆通信網、81:サーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部供給電力により時刻データを保持するとともに被監視機器の運転データを予め定めたアップロード時刻に公衆通信網を介してサーバに送信する通信端末機を有する機器監視システムに関し、特に、通信端末機の時刻データが喪失されたときにこれを復帰させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、喘息、肺気腫症、慢性気管支炎等の呼吸器系器官の疾患に苦しむ患者が増加する傾向にあるが、その治療法として最も効果的なもののひとつに酸素吸入療法がある。酸素吸入療法とは、酸素ガスあるいは酸素富化空気を患者に吸入させるものである。酸素ガスあるいは酸素富化空気の供給源として、酸素濃縮機、液体酸素、酸素ガスボンベ等が知られているが、使用時の便利さや保守管理の容易さから、在宅酸素療法には医療用酸素濃縮機(以下、単に酸素濃縮機という)が主流で用いられている。
【0003】
この酸素濃縮機は病院のみならず在宅療法として広く家庭において使用される。在宅酸素療法では、酸素濃縮機が病院内で医師や看護師の監視下で使用される場合とは異なり、酸素濃縮機の状態を把握することができず、患者が医師から処方されたとおりに正しい設定で使用しているか、取扱説明書に記載されたとおりの正しい使用方法を実行しているかを確認する事は困難である。
【0004】
この課題に対し、従来種々の方法が提案されており、次のような例があげられる。すなわち、患者宅における酸素濃縮機にその運転データを収集する機能を付加し、それとともに患者宅に電話回線などの公衆通信網に接続可能な通信端末機を設置する。また一方では、遠隔のサービスセンタに酸素濃縮機の設置情報や患者情報を格納するデータベースと酸素濃縮機の運転状態を一括管理するサーバを設置する。そして、各患者宅の酸素濃縮機の運転データを公衆通信網を介してサーバに収集することにより、医師の処方どおりに使用されているかの確認や、酸素濃縮機の運転動作の異常や患者の容態悪化の早期発見を行う。特許文献1〜3には、かかる方法を実施する医療機器監視システムの例が記載されている。
【特許文献1】特開平3−143451号公報
【特許文献2】特開平6−54910号公報
【特許文献3】特開2005−245735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような医療機器監視システムでは一般的に、酸素濃縮機の運転動作の異常や患者の容態の悪化を示すような運転状態が検出されたときなどの緊急時を除き、酸素濃縮機の定常的な運転データは、通信端末機に予め設定されるアップロード時刻にサーバに送信される。かかるアップロード時刻は、例えば深夜の時間帯に設定される。これは、患者宅からサーバへのデータ送信は公衆通信網、特に電話回線を介して行われることから、患者が電話回線を使用する可能性が大きい日中の時間帯を避け、電話回線の使用を妨げないようにするためである。
【0006】
そして、サーバには多数の患者宅からの運転データが送信されるので、回線の混雑を避け円滑なデータ受信が行えるように、各患者宅の通信端末機には個別のアップロード時刻が割り当てられる。
【0007】
こうしたことから、予め定めたアップロード時刻に運転データを送信するために、通信端末機は外部供給電力により動作する内部時計を備え、これにより常時時刻データを保持している。しかしながら、突発的な停電、起動スイッチの誤操作やコンセント抜けなどにより外部供給電力が遮断されると、内部時計が停止して時刻データを喪失してしまう。すると、外部供給電力が復帰したとしても時刻データに狂いが生じ、アップロード時刻に運転データが送信できなくなるという問題が生じる。
【0008】
この点、サーバは耐障害性の高い電源を用いて常時時刻データを保持可能に構成されるので、サーバから時刻データを取得することも可能である。しかし、例えば日中の時間帯にかかるデータ通信のために電話回線を使用すると、患者の電話回線使用を妨げるおそれがある。また、通信端末機にバッテリを設け、外部供給電力の予期せぬ遮断に備えることも可能であるが、部品点数の増加やそのメンテナンスにかかるコスト増を招くことになり、好ましくない。
【0009】
そこで、上記に鑑みてなされた本発明の目的は、通信端末機が時刻データを喪失した場合であってもサーバとのデータ通信を行わずに、あるいは最小限のサーバとのデータ通信により通信端末機の時刻データを復帰させ、予め定めたアップロード時刻に被監視機器の運転データをサーバに送信することが可能な機器監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面によれば、被監視機器と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記被監視機器の運転データを受信する通信端末子機と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記通信端末子機から受信した前記運転データを予め定めたアップロード時刻に公衆通信網を介してサーバに送信する通信端末親機とを有する機器監視システムにおいて、前記通信端末子機、通信端末親機のいずれか一方は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、他方が保持する時刻データを取得し保持することを特徴とする。
【0011】
上記第1の側面の好ましい態様によれば、前記被監視機器はバックアップバッテリを有するとともに当該バックアップバッテリの供給電力により時刻データを保持し、前記通信端末子機は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、さらに前記被監視機器が保持する時刻データを取得し保持することを特徴とする。
【0012】
上記第1の側面のさらに好ましい態様によれば、前記通信端末親機は、前記通信端末子機から時刻データを取得できないときには、前記公衆通信網を介して前記サーバが保持する標準時刻データを取得し、前記通信端末子機は前記通信端末親機から前記標準時刻データをさらに取得することを特徴とする。
【0013】
上記第1の側面の別の好ましい態様によれば、前記通信端末親機は、前記アップロード時刻に前記運転データを前記サーバに送信するときに、当該サーバが保持する標準時刻データを取得して自らの時刻データとして保持し、前記通信端末子機及び前記被監視機器は、前記サーバから取得された標準時刻データを自らの時刻データとして保持することを特徴とする。
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明の第2の側面によれば、バックアップバッテリを有するとともに当該バックアップバッテリの供給電力により時刻データを保持する被監視機器と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記被監視機器の運転データを予め定められたアップロード時刻に公衆通信網を介してサーバに送信する通信端末機とを有する機器監視システムにおいて、前記通信端末機は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、前記被監視機器が保持する時刻データを取得し保持することを特徴とする。
【0015】
上記第2の側面の好ましい態様によれば、前記通信端末機は、前記被監視機器から時刻データを取得できないときには、前記公衆通信網を介して前記サーバが保持する標準時刻データを取得することを特徴とする。
【0016】
上記第2の側面の別の好ましい態様によれば、前記通信端末機は、前記アップロード時刻に前記運転データを前記サーバに送信するときに、当該サーバが保持する標準時刻データを取得して自らの時刻データとして保持し、前記被監視機器は、前記サーバから取得された標準時刻データを自らの時刻データとして保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、通信端末機は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した場合でも、サーバとの通信を行うことなく時刻データを復帰でき、予め定めたアップロード時刻に運転データをサーバに送信できる。さらに、サーバが保持する標準時刻データを取得して自らの時刻データとして保持することで、より正確にアップロード時刻に運転データをサーバに送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【0019】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態における機器監視システムが医療機器監視システムに適用された場合の構成を説明する図である。患者宅1には、「被監視機器」としての酸素濃縮機2、通信端末機親機4、通信端末機子機6が設置され、酸素濃縮機2の運転データを収集するサーバ81は遠隔のサービスセンタ80に設置される。酸素濃縮機2、通信端末子機6とはケーブルによりデータ通信可能に接続される。また、通信端末子機6と通信端末親機4は無線通信によってデータ通信可能に接続される。そして、通信端末親機4はモジュラージャックにより電話回線などの公衆通信網10に接続され、公衆通信網10を介して遠隔のデータセンター内にあるサーバ81とデータ通信可能に接続される。
【0020】
この構成は、例えば、患者の居室とモジュラージャックとがある程度離れている場合に、酸素濃縮機2と通信端末子機6を居室に、通信端末機4をモジュラージャック付近に設置して、通信端末機4と通信端末機6との間で無線通信を行うような場合に好適である。また、患者個人の患者宅のほかに、老人ホームや児童福祉施設、あるいは医療機関などで患者が自ら酸素濃縮機2を使用して治療を受ける場合にもこの構成は適用できる。よって、患者宅、老人ホーム、児童福祉施設、あるいは医療機関などが「サイト」に対応する。
【0021】
酸素濃縮機2は、時刻データを保持する内部時計26、通信端末子機6との通信を制御する通信回路22、および予め設定されたプログラムに従って酸素濃縮機2全体の運転動作を制御するCPU(Central Processing Unit)で構成される制御部24を有する。これら各部は、患者宅1内の給電コンセントからの外部供給電力により動作するよう構成される。ただし、酸素濃縮機2は、さらに内部時計26に常時電力供給可能なバックアップバッテリ28を有する。よって、内部時計26は常時時刻データを保持可能に構成される。
【0022】
かかる構成の酸素濃縮機2は、定常時には、時刻データに基づき予め設定されたアップロード時刻前に、その運転データを内部の記憶装置にログとして格納するとともに、運転データを通信端末子機6に送信する。酸素濃縮機2の運転データには、患者に供給する酸素濃度、酸素流量、酸素供給時間などが含まれる。この運転データはサーバ81にて集計され、定期的に医療機関に転送されて医師による患者の処方履歴確認のために用いられる。
【0023】
通信端末子機6は、時刻データを保持する内部時計66、酸素濃縮機2および通信端末親機4との通信を制御する通信回路62、及び通信端末子機6全体の動作を予め定めたプログラムに従って制御するCPUで構成される制御部64を有する。通信端末子機6は、酸素濃縮機2から運転データが送信されると、これを通信端末親機4に送信する。
【0024】
通信端末親機4は、時刻データを保持する内部時計46、通信端末子機6およびサーバ81との通信を制御する通信回路42、及び通信端末親機4全体の動作を予め定めたプログラムに従って制御するCPUで構成される制御部44を有する。また通信端末親機4は、通信端末子機6から送信された酸素濃縮機2の運転データを内部の記憶装置に格納するとともに、時刻データに基づき予め設定されたアップロード時刻に運転データをサーバ81に送信する。
【0025】
通信端末子機6、通信端末親機4は、いずれも患者宅1の給電コンセントから外部供給電力を取得し、外部供給電力により動作する。よって、通信端末子機6、通信端末親機4は、外部供給電力が供給される間は、時刻データを保持する。このように通信端末子機6、通信端末親機4は、バックアップバッテリを内蔵しない構成とすることで、部品点数削減と低コスト化を可能とする。
【0026】
サーバ81は、公衆通信網10とのデータ通信を制御する通信回路82と、酸素濃縮機2の設置情報や患者情報を格納するデータベースと酸素濃縮機2の運転状態を一括管理する、公知のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置で構成される制御部84と、時刻データを保持する内部時計86を有する。サーバ81は、サービスセンタ80内における耐障害性の高い電源から常時電源供給を受け、内部時計86を含む各部は常時動作可能に構成される。よって、サーバ81は常時時刻データを保持できる。このため、この医療機器監視システムでは、サーバ81の時刻データが標準の時刻データ(「標準時刻データ」)として用いられる。
【0027】
このような医療機器監視システムでは、上述したような定常的な運転データ送信のほかに、運転データに酸素濃縮機2の運転動作の異常を示すデータや患者の容態悪化を示すデータが含まれる緊急時には、緊急事態の発生を示す緊急データを即時かつ確実にサーバ81に送信し、速やかな対応をすることが求められる。よって通信端末子機6と酸素濃縮機2の間、及び通信端末機子機6と通信端末親機4の間では、かかる状態に備え相互に通信可能状態(以下、ステータスという)確認のためのデータ通信が頻繁に行われる。
【0028】
例えば、酸素濃縮機2と通信端末子機6の間では数十秒に1回の頻度(以下の説明では30秒に1回とする)でステータス確認が行われる。このとき、通信端末子機6は酸素濃縮機2にステータス要求を示すデータを送信し(以下、かかるデータ送信をステータス要求という)、酸素濃縮機2はこれに応答して自らのステータスを示すデータを通信端末子機6に送信する(以下、かかるデータ送信をステータス応答という)。
【0029】
また、通信端末子機6と通信端末親機4の間では数秒に1回の頻度(以下の説明では2秒に1回とする)でステータス確認が行われる。このとき、通信端末親機4は通信端末子機6にステータス要求し、通信端末子機6はこれに対しステータス応答する。
【0030】
ここで、酸素濃縮機2と通信端末子機6はケーブルで接続されており、したがってデータ通信の信頼性は通信端末機4と通信端末機6の無線通信より高いことを考慮し、通信端末機6と酸素濃縮機2とのステータス確認の頻度は通信端末機4と通信端末機6とのステータス確認の頻度より低い頻度(ただし、通信端末機4からサーバ81への定常的な運転データ送信の頻度より高い頻度)に設定される。
【0031】
ここで、通信端末親機4と通信端末子機6、及び通信端末子機6と酸素濃縮機2との間で行われるステータス確認で送受信されるステータス要求データとステータスデータの概略的な構成例を図2に示す。図示するように、ステータス要求データ及びステータスデータには、送信側が保持する時刻データを含むヘッダが付加される。これは、通信端末親機4、通信端末子機6、及び酸素濃縮機2は任意に設定可能な一定期間のステータス要求データまたはステータスデータをログとして格納し、動作異常などを解析する際に発生時刻を特定するためである。また、ヘッダには時刻データの状態及び種別を示すフラグデータF1、F2が付加される。フラグデータF1、F2の利用方法については後に詳述する。
【0032】
図1に戻り、通信端末親機4からサーバ81への運転データの送信は、例えば数時間〜数十時間に1回の比較的低い頻度で行われる。これは、酸素濃縮機2の定常的な運転データは、医師により患者の処方履歴を確認するために用いられるが、酸素濃縮機2の運転動作の異常や患者の容態悪化などに比べると対処の緊急度が低く、そのために電話回線を頻繁に占有すると患者の電話回線使用を妨げるおそれがあるからである。よって、通信端末親機4からサーバ81への運転データの送信の頻度は、酸素濃縮機2と通信端末子機6の間でのステータス確認頻度より低くかつ患者の電話回線使用を妨げない頻度を下限とし、患者の処方履歴確認を効果的に行うために必要とされる運転データの収集頻度を上限とする範囲内で適宜に定めることが可能である。よって、以下の説明では24時間に1回とする。
【0033】
さらに、患者の電話回線使用を妨げないようなアップロード時刻として、深夜の時間帯が用いられる。そして、サーバ81に各患者宅からのデータ通信が集中して回線の混雑が生じると、円滑なデータ通信が妨げられるおそれがあるので、各患者宅に設置される通信端末親機4は、それぞれ異なるアップロード時刻が割り当てられる。
【0034】
図3は、第1の実施形態における医療機器監視システムの定常時の動作手順を説明するシーケンス図である。通信端末親機4は2秒ごとに、通信端末子機6にステータス要求し(S2)、通信端末子機6はこれに対しステータス応答する(S4)。また、通信端末子機6は30秒ごとにステータス要求し(S6)、酸素濃縮機2はこれに応答してステータス応答する(S8)。
【0035】
酸素濃縮機2は、自らの時刻データに基づきアップロード時刻前(適宜に設定可能な一定時間早いタイミング)になると(S10)、運転データを通信端末子機6に送信する(S12)。すると、これを受信した通信端末子機6は、運転データを親機4に送信する(S14)。そして、通信端末親機4は、自らの時刻データに基づいてアップロード時刻になると(S16)、運転データをサーバ81に送信する(S18)。
【0036】
ところで、通信端末親機4は、突発的な停電、起動スイッチの誤操作やコンセント抜けなどにより外部供給電力が遮断されると、内部時計46が停止して時刻データを喪失してしまう。かかる場合に、第1の実施形態における通信端末親機4は、外部供給電力が復帰し再起動した後、通信端末子機6からその時刻データを取得して、自らの時刻データとして保持する。このように、通信端末親機4は、通信端末子機6をいわばバックアップ手段として用いることで、通信端末親機4は自らの時刻データを復帰させることができ、予め定めたアップロード時刻にサーバ81に運転データを送信することができる。
【0037】
一方、通信端末子機6においても、突発的な停電、起動スイッチの誤操作やコンセント抜けなどにより外部供給電力が遮断されると、内部時計66が停止して時刻データを喪失してしまう場合がある。かかる場合において、通信端末子機6は、外部供給電力が復帰し再起動した後、通信端末親機4からその時刻データを取得して、自らの時刻データとして保持する。そうすることで、通信端末子機6は自らの時刻データを復帰させることができ、通信端末親機4のバックアップ機能を回復できる。
【0038】
さらに好適な態様としては、通信端末子機6は、外部供給電力が復帰し再起動した後、通信端末親機4に加え酸素濃縮機2からその時刻データを取得して、自らの時刻データとして保持することもできる。酸素濃縮機2はバックアップバッテリ28の供給電力により時刻データを常時保持しているので、酸素濃縮機2が運転中であればその時刻データを取得できる。よって、仮に通信端末親機4から時刻データを取得できない場合であっても、通信端末子機6は自らの時刻データを復帰させ、通信端末親機4のバックアップとしての機能を回復できる。
【0039】
図4は、第1の実施形態において通信端末親機4が時刻データを復帰させる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。通信端末親機4の外部供給電力が遮断され(S40)、その後外部供給電力が復帰すると(S42)、通信端末親機4は予め設定された初期化処理を実行する(S44)。
【0040】
初期化処理では、その詳細な手順は後述するが、通信端末親機4は、2秒ごとに通信端末子機6にステータス要求すると(S444)、通信端末子機6が定常動作としてステータス応答する(S4)。ここで、図2に示したように、ステータスデータには、送信側である通信端末子機6が保持する時刻データが付加されている。よって、通信端末親機4はステータスデータに付加された時刻データを読み出して自らの時刻データとして保持する(S450)。このような手順により、通信端末親機4は自らの時刻データを復帰させることができ、予め定めたアップロード時刻にサーバ81に運転データを送信することができる。
【0041】
図5は、第1の実施形態において通信端末子機6が時刻データを復帰させる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。通信端末子機6の外部供給電力が遮断され(S50)、その後外部供給電力が復帰すると(S52)、通信端末子機6は予め設定された初期化処理を実行する(S54)。この初期化処理では、その詳細な手順は後述するが、通信端末子機6は、通信端末親機4が定常動作として実行する2秒ごとのステータス要求を受信すると(S2)、通信端末親機4にステータス応答する(S547)。ここで、図2に示したように、ステータス要求データには、送信側である通信端末親機4が保持する時刻データが付加されている。よって、通信端末子機6はステータス要求データに付加された時刻データを読み出して自らの時刻データとして保持する(S550)。
【0042】
しかし、例えばこのとき通信端末親機4の外部供給電力が遮断されており通信端末親機4が動作しておらず、したがって通信端末親機4からのステータス要求がない場合には、通信端末子機6は時刻データを取得できない。その場合には、通信端末子機6は初期化処理で30秒ごとに酸素濃縮機2にステータス要求し(S556)、酸素濃縮機2が定常動作としてステータス応答する(S8)。ここで、図2に示したように、ステータスデータには、送信側である酸素濃縮機2が保持する時刻データが付加されている。よって、通信端末子機6はステータスデータに付加された時刻データを読み出して自らの時刻データとして保持する(S562)。そうすることで、通信端末親機4の外部供給電力が復帰して通信端末親機4からステータス要求された場合に、時刻データを付加してステータス応答することができる。
【0043】
このような手順により、通信端末子機6は通信端末親機4あるいは酸素濃縮機2のいずれかから時刻データを取得するので、確度良く時刻データを復帰させることができる。よって、通信端末親機4が時刻データを必要とする場合のバックアップとしての機能を回復することができ、医療機器監視システム全体としての信頼性が向上する。
【0044】
なお、上記の手順では、通信端末親機4の外部供給電力が遮断されて時刻データを喪失し、その後外部供給電力が復帰した場合において、通信端末機4が通信端末子機6に2秒ごとにステータス要求したときに通信端子機6の外部供給電力が遮断されていると、通信端末子機6はステータス応答できず、したがって通信端末親機4は時刻データを取得できない。さらにその場合において、通信端末子機6の外部供給電力が復帰し、通信端末子機6が酸素濃縮機2に30秒ごとにステータス要求したときに酸素濃縮機2が運転していないと、酸素濃縮機2の内部では時刻データが保持されていても通信端末子機6に対しステータス応答できず、したがって通信端末子機4は時刻データを取得できない。すると、通信端末子機6が再起動後に通信端末機4からの2秒ごとのステータス要求に応答したとしても、時刻データを喪失したままであるので、通信端末親機4は時刻データを取得できない。
【0045】
このような場合には、通信端末親機4は時刻データを復帰できないので、内部の記憶装置に送信すべき運転データが格納されていたとしても、これをアップロード時刻にサーバ81に送信できない。そこで、第1の実施形態では、かかる場合には通信端末親機4はサーバ81から標準時刻データを取得することで、時刻データを復帰させる。
【0046】
図6は、かかる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。この場合、通信端末親機4は、外部供給電力が遮断(S40)された後に復帰すると(S42)、初期化処理を実行する(S44)。そして、通信端末子機6にステータス要求するが(S444)、このとき通信端末子機6が外部供給電力が遮断された(S50)状態だと、通信端末親機4は、通信端末子機6からステータス応答が得られず時刻データを取得できない。
【0047】
そして、通信端末子機6の外部供給電力が復帰すると(S52)、初期化処理を実行する(S54)。そして、酸素濃縮機2にステータス要求するが(S556)、このとき酸素濃縮機60は運転停止(S60)された状態だと、通信端末子機6は酸素濃縮機2からステータス応答が得られず時刻データを取得できない。
【0048】
この場合、通信端末親機4が、再度通信端末子機6にステータス要求すると(S444)、通信端末子機6はステータス応答するが(S547)、通信端末子機6の時刻データは喪失したままなので、通信端末親機4は通信端末子機6から時刻データを取得できない。よって、通信端末親機4は、再起動後一定時間(例えば24時間)経過後に、サーバ81に接続して時刻データを要求して(S456)、サーバ81が標準時刻データを送信する(S457)。よって、通信端末親機4は、これを自らの時刻データとして保持する(S460)。
【0049】
このようにすることで、通信端末親機4は、最長でも24時間後には時刻データを復帰させることができる。よって、医療機器監視システムとしての信頼性が保たれる。なおこの場合、サーバ81とのデータ通信は、標準時刻データの取得を目的としてアップロード時刻以外であっても実行される。よって、このとき運転データの送信を行わないようにすることで、例えば患者が電話回線を使用する可能性が大きい日中の時間帯であったとしても電話回線の使用時間を短縮し、患者の電話回線使用を妨げないようにすることができる。
【0050】
次に、上述した手順における通信端末親機4、通信端末子機6の初期化手順について詳述する。
【0051】
図7は、通信端末親機4の初期化処理(図4、図6の手順S44)を詳述するフローチャート図である。この初期化処理は、外部供給電力を得て通信端末親機4が起動した直後に定常的に実行される。
【0052】
通信端末親機4は、外部供給電力が遮断されたときに時刻データを喪失しているので、まず自らの制御プログラム内の変数として、時刻データの保持を示す時刻データフラグの値を初期化する(S440)。すると、自らの時刻データフラグの値から時刻データ喪失を判断して(S442のYES)、通信端末子機6に2秒ごとにステータス要求する(S444)。通信端末子機6からステータス応答され(図4のS4、または図5のS547)、ステータス応答を確認すると(S446のYES)、通信端末親機4はステータスデータから通信端末子機6が付加した時刻データと時刻データフラグを読み出す(S448)。ここでは、図2に示した、ステータスデータに時刻データとともに付加されるフラグデータF1が、送信側である通信端末子機6の時刻データフラグに対応する。
【0053】
そして、時刻データフラグが保持を示す値であることを確認すると(S449のYES)、通信端末子機6が送信した時刻データを自らの時刻データとして保持し、自らの時刻データフラグの値を保持を示す値に変更する(S450)。
【0054】
ただし、例えば通信端末子機6の外部供給電力が遮断されており通信端末子機6が動作していないときには、通信端末親機4は2秒ごとのステータス要求(S444)を繰り返し実行しても通信端末子機6からステータス応答が得られない(S446のNO)。あるいは、通信端末子機6の外部供給電力が通信端末親機4より遅れて復帰した場合であって酸素濃縮機2が運転状態でない場合に、通信端端末子機6の側では時刻データを喪失したままであるので、かかる場合には、2秒ごとのステータス要求(S444)に対し通信端末子機6からステータス応答が得られたことを確認しても(S446のYES)、そのステータスデータには時刻データが付加されておらず、時刻データフラグは喪失を示す値であって保持を示す値ではない(S449のNO)。
【0055】
そこで、かかる状態のまま24時間経過したときには(S452のYES)、通信端末親機4はサーバ81に接続して(S454)サーバ81の時刻データ送信を要求する(S456)。そして、サーバ81がこの要求に応答して標準時刻データを送信して(S456)通信端末親機4が受信を確認すると(S458のYES)、通信端末親機4は標準時刻データを自らの時刻データとして保持して自らの時刻データフラグの値を保持を示す値に変更し(S460)、サーバとの接続を切断してデータ通信を終了する(S462)。なお、通信端末親機4がサーバ81からの時刻データ受信を確認できないときには(S458のNO)、通信端末親機4は一旦サーバ81との接続を切断してデータ通信を終了し(S463)、手順S442に戻り上述の処理を再度実行する。
【0056】
図8は、通信端末子機6の初期化処理(図5、図6の手順S54)を詳述するフローチャート図である。この初期化処理は、外部供給電力を得て通信端末子機6が起動した直後に定常的に実行される。
【0057】
通信端末子機6は、外部供給電力が遮断されたときに時刻データを喪失しているので、まず自らの制御プログラム内の変数として、時刻データの保持を示す時刻データフラグの値を初期化する(S540)。そして、自らの時刻データフラグの値から時刻データ喪失を判断して(S542のYES)、通信端末親機4からのステータス要求があると(図5のS2または図6のS444)、ステータス要求されたことを確認し(S546のYES)、通信端末親機4にステータス応答する(S547)。そして、通信端末子機6はステータス要求データから通信端末親機4が付加した時刻データと時刻データフラグを読み出す(S548)。ここでは、図2に示した、ステータス要求データに時刻データとともに付加されるフラグデータF1が、送信側である通信端末親機4の時刻データフラグに対応する。
【0058】
そして、時刻データフラグが保持を示す値であることを確認すると(S549のYES)、通信端末親機4が送信した時刻データを自らの時刻データとして保持し、自らの時刻データフラグの値を保持を示す値に変更する(S550)。
【0059】
ただし、例えば通信端末親機4の外部供給電力が遮断されており通信端末親機4が動作していないときには、通信端末子機6は通信端末親機4からステータス要求されない(S546のNO)。あるいは、通信端末親機4の外部供給電力が通信端末子機6より遅れて復帰した場合には、通信端端末親機4の側では時刻データを喪失したままであるので、かかる場合には通信端末親機4からステータス要求されたことを確認しても(S546のYES)、そのステータスデータには時刻データが付加されておらず、時刻データフラグは喪失を示す値であって保持を示す値ではない(S549のNO)。
【0060】
そこで、かかる状態のまま30秒経過したときには(S552のYES)、通信端末子機6は酸素濃縮機2にステータス要求する(S556)。そして、酸素濃縮機2がステータス応答して(図5のS8)、通信端末子機6がステータス応答されたことを確認すると(S558のYES)、通信端末子機6はステータスデータから酸素濃縮機2が付加した時刻データと時刻データフラグを読み出す(S559)。ここでは、図2に示した、ステータスデータに時刻データとともに付加されるフラグデータF1が、送信側である酸素濃縮機2の時刻データフラグに対応する。
【0061】
そして、時刻データフラグが保持を示す値であることを確認すると(S560のYES)、酸素濃縮機2が送信した時刻データを自らの時刻データとして保持し、自らの時刻データフラグの値を保持を示す値に変更する(S562)。そして、次に定常動作として通信端末親機4がステータス要求するときには、通信端末子機6は保持している時刻データを付加してステータス応答することができる。
【0062】
上記手順を実行することにより、通信端末親機4、通信端末子機6のいずれかが時刻データを喪失した場合でもこれを復帰させることができる。このとき、定常的に実行するステータス要求・ステータス応答の際に送受信される時刻データを用いることで、時刻データ復帰のための追加的なデータ通信を実行することなく、時刻データを復帰できる。よって、通信端末親機4、通信端末子機6、及び酸素濃縮機2の処理負荷を最小限とすることができる。
【0063】
そして、最長でも24時間後にはサーバ81から標準時刻データを取得して、通信端末親4の時刻データを復帰させることができる。よって、サーバ81へのデータ通信を最小限の頻度に抑えることで在宅患者の電話回線使用を妨げないようにするとともに、定常的な運転データの送信の遅れを最小限に抑えることができる。よって、医療機器監視システムとしての信頼性が保たれる。
【0064】
[第1の実施形態における変形例]
次に、第1の実施形態における変形例について説明する。この変形例では、アップロード時刻に通信端末親機4がサーバ81に運転データを送信するときにサーバ81から標準時刻データを受信し、通信端末親機4、通信端末子機6、または酸素濃縮機2のいずれかまたはすべてが標準時刻データをそれぞれの時刻データとして保持する。そうすることで、これらの内部時計の精度がサーバ81の内部時計86の精度より低い場合であっても、24時間ごとにそれぞれの時刻データを標準時刻データに同期させることができる。よって、通信端末親機4、あるいは酸素濃縮機2は、より正確にアップロード時刻に運転データを送信することができる。また、通信端末子機6は、通信端末親機4のバックアップとして精度よい時刻データを保持することができる。よって、医療機器監視システム全体として、標準時刻に対しより正確な動作が可能となる。
【0065】
図9は、かかる変形例における医療機器監視システムの動作手順を説明するシーケンス図である。図9の手順は、通信端末親機4が運転データをサーバ81に送信した際に実行される。一部、図3の手順と重複する手順には、図3と同じ符号が付してある。
【0066】
通信端末親機4は、アップロード時刻になると(S16)、サーバ81に運転データを送信し(S18)、時刻データを要求する(S20)。サーバ81は、これに応答して標準時刻データを送信する(S22)。そして、通信端末親機4は、標準時刻データを自らの時刻データとして保持する(S24)。
【0067】
そして、通信端末親機4は、通信端末子機6にステータス要求する際、標準時刻データを付加してステータス要求する(S26)。このとき、例えば、図2に示したフラグデータF2を標準時刻データに保持したことを示す値に設定する。そうすることで、通信端末子機6はフラグデータF2の値から送信要求データに付加された時刻データは標準時刻データであることを判断し、標準時刻データを自らの時刻データとして保持する(S28)。そして、通信端末親機4にステータス応答する(S30)。
【0068】
さらに、通信端末子機6は、酸素濃縮機2に30秒ごとにステータス要求する際、標準時刻データとこれを示すフラグデータF2を付加してステータス要求する(S32)。そして、酸素濃縮機2はフラグデータF2の値からステータス要求データに付加された時刻データは標準時刻データであることを判断し、標準時刻データを自らの時刻データとして保持する(S34)。そして、通信端末子機6にステータス応答する(S36)。
【0069】
このような手順を実行することで、通信端末子機6、または酸素濃縮機2の内部時計の精度がサーバ81の内部時計86の精度より低い場合であっても、24時間ごとにそれぞれの時刻データを標準時刻データに同期させることができ、医療機器監視システム全体として、標準時刻に対しより正確な動作が可能となる。
【0070】
なお、上述の説明では、1対の通信端末親機と通信端末子機の場合を例としたが、1つの通信端末親機に対し、複数の通信端末子機とそれぞれの通信端末子機と通信を行う酸素濃縮機が設けられる構成であっても、第1の実施形態は適用できる。さらに、3つ以上の通信端末親機が連続して接続されデータ通信を行う場合にも、第1の実施形態は適用できる。その場合、データ通信経路の隣接する通信端末機間で酸素濃縮機側を通信端末子機、サーバ側を通信端末親機として上述した手順を実行する。そうすることで、サーバ81に対するデータ通信頻度を最小限にしつつ、喪失した時刻データを通信端末機相互間で復帰させて保持することができる。よって、予め定めたアップロード時刻にサーバ81に運転データを送信することができる。
【0071】
[第2の実施形態]
図10は、第2の実施形態における医療機器監視システムの構成を説明する図である。第2の実施形態では、通信端末親機4と通信端末子機6を設ける代わりに、通信端末機5が設けられる。通信端末機5は、第1の実施形態における通信端末親機4、通信端末子機6と同等の構成を有し、通信回路52、制御部54、内部時計56を有する。通信端末機5は、外部供給電力により動作可能に構成され、外部供給電力により内部時計56は時刻データを保持する。
【0072】
酸素濃縮機2は、通信端末機5ケーブルにより接続されデータ通信可能に構成される。その他は、第1の実施形態における構成と同じである。
【0073】
この構成は、酸素濃縮機2をモジュラージャック付近に設置可能な場合に、酸素濃縮機2と通信端末機5をケーブルで接続してデータ通信の信頼性を向上させるのに好適な構成として用いられる。また、通信端末機の個数を減らすことで煩雑な構成となることを防止できる。その場合、無線通信の場合よりデータ通信の信頼性が高いことを考慮し、両者間では例えば30秒ごとにステータス確認が実行される。
【0074】
以下では、酸素濃縮機2と通信端末機5がケーブル接続される場合を例として説明するが、酸素濃縮機2の通信回路22と通信端末機5の通信回路52を無線通信により接続される構成とする場合も、第2の実施形態に含まれる。その場合、ケーブル接続の場合よりデータ通信の信頼性が低下することを考慮し、両者間では、例えば2秒ごとにステータス確認が実行される。
【0075】
そして、通信端末機5からサーバ81へは、24時間ごとに酸素濃縮機2の運転データが送信される。
【0076】
図11は、第2の実施形態における医療機器監視システムの定常時の動作手順を説明するシーケンス図である。通信端末機5は30秒ごとにステータス要求し(S102)、酸素濃縮機2はこれに対してステータス応答する(S104)。そして、酸素濃縮機2は、その内部時計26が保持する時刻データに基づきアップロード時刻前に(S106)、運転データを通信端末機5に送信する(S108)。そして、通信端末機5は、その内部時計46が保持する時刻データに基づいてアップロード時刻になると(S110)運転データをサーバ81に送信する(S112)。
【0077】
第2の実施形態では、通信端末機5は、突発的な停電、起動スイッチの誤操作やコンセント抜けなどにより外部供給電力が遮断され時刻データを喪失した場合に、外部供給電力が復帰して再起動した後、酸素濃縮機2からその時刻データを取得して、自らの時刻データとして保持する。ここで、酸素濃縮機2の内部時計26はバックアップバッテリ28により常時運転可能であり、時刻データが喪失されることはない。よって、通信端末機5は、酸素濃縮機2が運転状態であれば確実に、時刻データを復帰させることができる。このように、酸素濃縮機2をいわばバックアップ手段として用いることで通信端末機5は時刻データを復帰させることができ、予め定めたアップロード時刻にサーバ81に運転データを送信することができる。
【0078】
図12は、第2の実施形態において通信端末機5が時刻データを復帰させる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。通信端末機5の外部供給電力が遮断され(S140)、その後外部供給電力が復帰すると(S142)、初期化処理を実行する(S144)。この初期化処理では、通信端末機5は、酸素濃縮機2にステータス要求して(S1444)酸素濃縮機2が定常動作としてステータス応答すると(S104)、通信端末機5はステータスデータに酸素濃縮機2が付加した時刻データを読み出して自らの時刻データとして保持する(S1450)。
【0079】
このような手順により、通信端末機5はサーバ81とのデータ通信を行わなくても時刻データを復帰させることができる。このとき、定常的に実行するステータス要求・ステータス応答の際に送受信される時刻データを用いることで、時刻データ復帰のための追加的なデータ通信を実行することなく、時刻データを復帰できる。よって、通信端末機5、及び酸素濃縮機2の処理負荷を最小限とすることができる。そして、予め定めたアップロード時刻にサーバ81に酸素濃縮機2の運転データを送信することができる。
【0080】
ただし酸素濃縮機2が運転状態でないときには、通信端末機5は酸素濃縮機2からステータス応答が得られず、したがって時刻データを取得できない。
【0081】
この場合の手順を、図13に示す。図13では、図12と重複する手順には同じ符号が付してある。
【0082】
酸素濃縮機2が運転停止しており(S162)運転状態でないときには、通信端末機5は酸素濃縮機2にステータス要求しても(S1444)ステータス応答が得られず、したがって時刻データを取得できない。その場合、通信端末機5は、再起動から例えば24時間経過後にサーバ81に時刻データを要求し(S1456)、サーバ81が標準時刻データを送信する(S1457)。そして、通信端末機5は、これを自らの時刻データとして保持する(S1460)。
【0083】
このような手順により、最長でも24時間後にはサーバ81から標準時刻データを取得して、通信端末機5の時刻データを復帰させることができる。よって、サーバ81へのデータ通信を最小限の頻度に抑えることで在宅患者の電話回線使用を妨げないようにするとともに、定常的な運転データの送信の遅れを最小限に抑えることができる。よって、医療機器監視システムとしての信頼性が保たれる。
【0084】
図14は、第2の実施例における通信端末機5の初期化処理を詳述するフローチャート図である。この初期化処理は、外部供給電力を得て通信端末機5が起動した直後に定常的に実行される。
【0085】
通信端末機5は、外部供給電力が遮断されたときに時刻データを喪失しているので、まず自らの制御プログラム内の変数として、時刻データの保持を示す時刻データフラグの値を初期化する(S1440)。すると、自らの時刻データフラグの値から時刻データ喪失を判断して(S1442のYES)、酸素濃縮機2に30秒ごとにステータス要求する(S1444)。酸素濃縮機2が定常動作としてステータス応答し(図12のS104)、ステータス応答されたことを確認すると(S1446のYES)、通信端末機5はステータスデータから酸素濃縮機2が付加した時刻データと時刻データフラグ(図2に示したフラグF1)を読み出す(S1448)。そして、時刻データフラグが保持を示す値であることを確認する。なお、この場合、酸素濃縮機2ではバックアップバッテリ28の電力により常時時刻データが保持されるので、時刻データフラグの値は保持を示すことが確認される(S1449のYES)。すると、酸素濃縮機2が送信した時刻データを自らの時刻データとして保持し、自らの時刻データフラグの値を保持を示す値に変更する(S1450)。
【0086】
ただし、例えば酸素濃縮機2が運転状態でないときには、通信端末機5は30秒ごとのステータス要求(S1444)を繰り返し実行しても酸素濃縮機2からステータス応答が得られない(S1446のNO)。あるいは、酸素濃縮機2が運転状態であるときであっても、バックアップバッテリ28の消耗や故障などにより時刻データが喪失されている場合には、時刻データフラグが保持を示す値ではない(S1449のNO)。このような場合には、通信端末機5は酸素濃縮機2から時刻データを取得できない。
【0087】
そこで、かかる状態のまま24時間経過したときには(S1452のYES)、通信端末機5はサーバ81に接続して(S1454)サーバ81の時刻データ送信を要求する(S1456)。そして、サーバ81がこの要求に応答して標準時刻データを送信して(S1457)通信端末機5がこれを受信したことを確認すると(S1458のYES)、通信端末機5は標準時刻データを自らの時刻データとして保持して自らの時刻データフラグの値を保持を示す値に変更し(S1460)、サーバとの接続を切断してデータ通信を終了する(S1462)。なお、通信端末機5がサーバ81からの時刻データ受信を確認できないときには(S1458のNO)、通信端末機5は一旦サーバ81との接続を切断してデータ通信を終了し(S1463)、手順S1442に戻り上述の処理を再度実行する。
【0088】
上記手順を実行することにより、通信端末機5が時刻データを喪失した場合でもこれを復帰させることができる。このとき、酸素濃縮機2との間で定常的に実行するステータス要求・ステータス応答の際に送受信される時刻データを用いることで、時刻データ復帰のための追加的なデータ通信を実行することなく、時刻データを復帰できる。よって、通信端末機5の処理負荷を最小限とすることができる。
【0089】
そして、最長でも24時間後にはサーバ81から標準時刻データを取得して、通信端末機5の時刻データを復帰させることができる。よって、サーバ81へのデータ通信を最小限の頻度に抑えることで在宅患者の電話回線使用を妨げないようにするとともに、定常的な運転データの送信の遅れを最小限に抑えることができる。よって、医療機器監視システムとしての信頼性が保たれる。
【0090】
[第2の実施形態における変形例]
第2の実施形態においても、通信端末機5の時刻データ、及び酸素濃縮機2の時刻データをサーバ81から取得した標準時刻データに保持する変形例が可能である。
【0091】
図15は、かかる変形例を説明するシーケンス図である。すなわち、通信端末機5は、アップロード時刻になると(S110)、サーバ81に運転データを送信し(S112)、標準時刻データを要求する(S120)。サーバ81は、これに応答して標準時刻データを送信する(S122)。そして、通信端末機5は、標準時刻データを自らの時刻データとして保持する(S124)。
【0092】
そして、通信端末機5は、酸素濃縮機2に30秒ごとにステータス要求する際、標準時刻データを付加してステータス要求する(S126)。このとき、例えば、標準時刻データに保持したことを示すフラグデータをステータス要求データに付加する。そうすることで、酸素濃縮機2はそのフラグデータの値から送信要求データに付加された時刻データは標準時刻データであることを判断し、標準時刻データを自らの時刻データとして保持する(S128)。そして、通信端末機5にステータス応答する(S130)。
【0093】
このような手順を実行することで、通信端末機5、または酸素濃縮機2の内部時計の精度がサーバ81の内部時計86の精度より低い場合であっても、24時間ごとにそれぞれの時刻データを標準時刻データに同期させることができ、医療機器監視システム全体として、標準時刻に対しより正確な動作が可能となる。
【0094】
上述の説明では、公衆通信網10として電話回線を例としたが、酸素濃縮機2と通信端末機とが設置される患者宅や診療所に設置される電話機その他の通信機器(ファクシミリ、インターネットに接続されるパーソナルコンピュータなど)と共有される公衆通信網(たとえば有線通信手段あるいは無線通信手段を用いて実現されるインターネット、携帯電話通信網、またはPHS通信網などを含む公衆通信網)であれば、第1、第2の実施形態が適用できる。すなわち、第1、第2の実施形態によれば、かかる公衆通信網を介してサーバ81とデータ通信を行う頻度を最小限とすることで、公衆通信網を共用する通信機器の使用を妨げることなく、通信端末機の時刻データを復帰できる。
【0095】
また、上述の説明では、酸素濃縮機を被監視機器とする医療機器監視システムを例とした。しかしながら、酸素濃縮機以外の医療機器、例えば超音波治療器や成人用人工呼吸器など、在宅患者が家庭内で自ら使用する医療機器であって、その運転データを定常的に収集することが望まれる医療機器には、第1、第2の実施形態が適用できる。さらには、医療機器のほかにも、ガスメータなど、保安上の観点からその運転データを定常的に収集することが望まれる一般機器を被監視機器として、第1、第2の実施形態が適用できる。
【0096】
以上説明したとおり、本発明によれば、機器監視システムにおいて通信端末機が時刻データを喪失した場合であっても通信端末機の時刻データを復帰させ、予め定めたアップロード時刻に運転データをサーバに送信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第1の実施形態における機器監視システムが医療機器監視システムに適用された場合の構成を説明する図である。
【図2】ステータス確認時に送受信されるデータの構成を概略的に示す図である。
【図3】第1の実施形態における医療機器監視システムの定常時の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図4】第1の実施形態において通信端末親機4が時刻データを復帰させる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図5】第1の実施形態において通信端末子機6が時刻データを復帰させる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図6】通信端末親機4がサーバ81から時刻データを取得する場合の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図7】通信端末親機4の初期化処理(図4、図6の手順S44)を詳述するフローチャート図である。
【図8】通信端末子機6の初期化処理(図5、図6の手順S54)を詳述するフローチャート図である。
【図9】第1の実施形態の変形例における医療機器監視システムの動作手順を説明するシーケンス図である。
【図10】第2の実施形態における医療機器監視システムの構成を説明する図である。
【図11】第2の実施形態における医療機器監視システムの定常時の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図12】、第2の実施形態において通信端末機5が時刻データを復帰させる場合の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図13】通信端末機5がサーバ81から時刻データを取得する場合の動作手順を説明するシーケンス図である。
【図14】第2の実施例における通信端末機5の初期化処理を詳述するフローチャート図である。
【図15】第1の実施形態の変形例における医療機器監視システムの動作手順を説明するシーケンス図である。
【符号の説明】
【0098】
1:患者宅、2:酸素濃縮機、4:通信端末親機、5:通信端末機、6:通信端末子機、10:公衆通信網、81:サーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被監視機器と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記被監視機器の運転データを受信する通信端末子機と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記通信端末子機から受信した前記運転データを予め定めたアップロード時刻に公衆通信網を介してサーバに送信する通信端末親機とを有する機器監視システムにおいて、
前記通信端末子機、通信端末親機のいずれか一方は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、他方が保持する時刻データを取得し保持することを特徴とする機器監視システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記被監視機器はバックアップバッテリを有するとともに当該バックアップバッテリの供給電力により時刻データを保持し、
前記通信端末子機は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、さらに前記被監視機器が保持する時刻データを取得し保持することを特徴とする機器監視システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記通信端末親機は、前記通信端末子機から時刻データを取得できないときには、前記公衆通信網を介して前記サーバが保持する標準時刻データを取得し、
前記通信端末子機は前記通信端末親機から前記標準時刻データをさらに取得することを特徴とする機器監視システム。
【請求項4】
請求項2において、
前記通信端末親機は、前記アップロード時刻に前記運転データを前記サーバに送信するときに、当該サーバが保持する標準時刻データを取得して自らの時刻データとして保持し、
前記通信端末子機及び前記被監視機器は、前記サーバから取得された標準時刻データを自らの時刻データとして保持することを特徴とする機器監視システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記通信端末親機及び前記通信端末子機は前記被監視機器が設置されるサイトに設けられ、
前記公衆通信網は、前記通信端末親機と前記サイトに設けられる他の通信機器とが共用することを特徴とする機器監視システム。
【請求項6】
請求項5において、
前記被監視機器と前記通信端末子機間、及び/または前記通信端末子機と前記通信端末親機間では、前記通信端末親機による前記サーバへの前記運転データの送信頻度より高い頻度で相互の通信可能状態確認が行われるときに、時刻データの送受信が行われることを特徴とする機器監視システム。
【請求項7】
バックアップバッテリを有するとともに当該バックアップバッテリの供給電力により時刻データを保持する被監視機器と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記被監視機器の運転データを予め定められたアップロード時刻に公衆通信網を介してサーバに送信する通信端末機とを有する機器監視システムにおいて、
前記通信端末機は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、前記被監視機器が保持する時刻データを取得し保持することを特徴とする機器監視システム。
【請求項8】
請求項7において、
前記通信端末機は、前記被監視機器から時刻データを取得できないときには、前記公衆通信網を介して前記サーバが保持する標準時刻データを取得することを特徴とする機器監視システム。
【請求項9】
請求項7において、
前記通信端末機は、前記アップロード時刻に前記運転データを前記サーバに送信するときに、当該サーバが保持する標準時刻データを取得して自らの時刻データとして保持し、
前記被監視機器は、前記サーバから取得された標準時刻データを自らの時刻データとして保持することを特徴とする機器監視システム。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれかにおいて、
前記通信端末機は前記被監視機器が設置されるサイトに設けられ、
前記公衆通信網は、前記通信端末機と前記サイトに設けられる他の通信機器とに共用されることを特徴とする機器監視システム。
【請求項11】
請求項10において、
前記被監視機器と前記通信端機間では、前記通信端末機による前記サーバへの前記運転データの送信頻度より高い頻度で相互の通信可能状態確認が行われるときに、時刻データの送受信が行われることを特徴とする機器監視システム。
【請求項1】
被監視機器と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記被監視機器の運転データを受信する通信端末子機と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記通信端末子機から受信した前記運転データを予め定めたアップロード時刻に公衆通信網を介してサーバに送信する通信端末親機とを有する機器監視システムにおいて、
前記通信端末子機、通信端末親機のいずれか一方は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、他方が保持する時刻データを取得し保持することを特徴とする機器監視システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記被監視機器はバックアップバッテリを有するとともに当該バックアップバッテリの供給電力により時刻データを保持し、
前記通信端末子機は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、さらに前記被監視機器が保持する時刻データを取得し保持することを特徴とする機器監視システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記通信端末親機は、前記通信端末子機から時刻データを取得できないときには、前記公衆通信網を介して前記サーバが保持する標準時刻データを取得し、
前記通信端末子機は前記通信端末親機から前記標準時刻データをさらに取得することを特徴とする機器監視システム。
【請求項4】
請求項2において、
前記通信端末親機は、前記アップロード時刻に前記運転データを前記サーバに送信するときに、当該サーバが保持する標準時刻データを取得して自らの時刻データとして保持し、
前記通信端末子機及び前記被監視機器は、前記サーバから取得された標準時刻データを自らの時刻データとして保持することを特徴とする機器監視システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記通信端末親機及び前記通信端末子機は前記被監視機器が設置されるサイトに設けられ、
前記公衆通信網は、前記通信端末親機と前記サイトに設けられる他の通信機器とが共用することを特徴とする機器監視システム。
【請求項6】
請求項5において、
前記被監視機器と前記通信端末子機間、及び/または前記通信端末子機と前記通信端末親機間では、前記通信端末親機による前記サーバへの前記運転データの送信頻度より高い頻度で相互の通信可能状態確認が行われるときに、時刻データの送受信が行われることを特徴とする機器監視システム。
【請求項7】
バックアップバッテリを有するとともに当該バックアップバッテリの供給電力により時刻データを保持する被監視機器と、外部供給電力により時刻データを保持するとともに前記被監視機器の運転データを予め定められたアップロード時刻に公衆通信網を介してサーバに送信する通信端末機とを有する機器監視システムにおいて、
前記通信端末機は、外部供給電力が遮断されて自らの時刻データを喪失した後に外部供給電力が復帰したときには、前記被監視機器が保持する時刻データを取得し保持することを特徴とする機器監視システム。
【請求項8】
請求項7において、
前記通信端末機は、前記被監視機器から時刻データを取得できないときには、前記公衆通信網を介して前記サーバが保持する標準時刻データを取得することを特徴とする機器監視システム。
【請求項9】
請求項7において、
前記通信端末機は、前記アップロード時刻に前記運転データを前記サーバに送信するときに、当該サーバが保持する標準時刻データを取得して自らの時刻データとして保持し、
前記被監視機器は、前記サーバから取得された標準時刻データを自らの時刻データとして保持することを特徴とする機器監視システム。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれかにおいて、
前記通信端末機は前記被監視機器が設置されるサイトに設けられ、
前記公衆通信網は、前記通信端末機と前記サイトに設けられる他の通信機器とに共用されることを特徴とする機器監視システム。
【請求項11】
請求項10において、
前記被監視機器と前記通信端機間では、前記通信端末機による前記サーバへの前記運転データの送信頻度より高い頻度で相互の通信可能状態確認が行われるときに、時刻データの送受信が行われることを特徴とする機器監視システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−86054(P2010−86054A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251451(P2008−251451)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(503369495)帝人ファーマ株式会社 (159)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(503369495)帝人ファーマ株式会社 (159)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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