説明

機密印刷システム、その方法、プリンタサーバ、認証サーバ、および、それらのプログラム

【課題】機密文書の電子ファイルを配布することなく、配布先ユーザの希望するプリンタによる機密文書の印刷を可能とする。
【解決手段】要求端末100は、配布先ユーザIDと印刷データとを、プリンタサーバ200に送信する。プリンタサーバ200は、受信した配布先ユーザIDと印刷データとに新規に印刷要求番号を割振り、この印刷要求番号と受信した配布先ユーザIDとを認証サーバ300に送信する。配布先ユーザが近づくと、リーダライタ450aは、配布先ユーザのICタグ701から受信したユーザIDを認証サーバ300に送信する。認証サーバ300は、受信したユーザIDに対応する印刷要求番号とリーダライタ450aに対応するプリンタ400aのプリンタIDとをプリンタサーバ200に送信する。プリンタサーバ200は、受信した印刷要求番号に対応した印刷データの印刷指示を、受信したプリンタIDのプリンタ400aに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機密印刷システム、その方法、プリンタサーバ、認証サーバ、および、これらのプログラムにかかわり、特に配布元ユーザが指定した配布先ユーザにより指定されたプリンタにて印刷することができる機密印刷システム、その方法、プリンタサーバ、認証サーバ、および、それらのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の機密印刷装置は、ユーザが印刷を指示する際に設定したパスワードを印刷データとともに受信し、これらを機密印刷装置が備えるハードディスクに保存する。機密印刷装置は、ユーザにより入力されたパスワードが、保存したパスワードと一致したときは、該パスワードとともにハードディスクに保存された印刷データを印刷している(例えば、特許文献1参照)。
また、機密印刷装置内に、ユーザIDとパスワードとを対応付けて記憶しておき、印刷を指示したユーザのユーザIDを印刷データとともに、機密印刷装置が備えるハードディスクに保存する。ユーザにより入力されたパスワードが、保存したユーザIDに対応するパスワードと一致したときは、該ユーザIDとともにハードディスクに保存された印刷データを印刷しているものもある。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−326556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の機密印刷装置にあっては、配布元ユーザが、離れた場所にいる配布先ユーザに機密文書を配布するときは、該機密文書の電子ファイルをメールなどに添付して送信し、該機密文書の電子ファイルを受け取った配布先ユーザが、機密印刷装置を用いて印刷する。これにより、印刷された機密文書を他のユーザが持っていくことの防止は可能だが、該機密文書の電子ファイルが配布されてしまうため、セキュリティの観点から好ましくないという問題がある。また、該機密文書の電子ファイルを配布しないように、配布元ユーザが指定して該機密文書の電子ファイルを印刷すると、配布先ユーザにとって設置場所などが不便なプリンタにて印刷されることがあるという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、機密文書の電子ファイルを配布することなく、配布先ユーザの希望するプリンタによる機密文書の印刷を可能とする機密印刷システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の機密印刷システムは、要求端末と、複数のプリンタと、各々が前記プリンタのいずれかに対応付けられた複数の識別情報取得装置と、プリンタサーバと、認証サーバとを有する機密印刷システムにおいて、前記要求端末は、ユーザ操作により指定された配布先ユーザのユーザ識別情報と印刷データとを、前記プリンタサーバに送信し、前記プリンタサーバは、印刷要求識別情報とユーザ識別情報と印刷データとを関連付けて記憶する印刷要求記憶部と、前記要求端末からユーザ識別情報と印刷データとを受信し、該受信したユーザ識別情報と印刷データと新規に割振った印刷要求識別情報とを関連付けて前記印刷要求記憶部に格納する印刷要求受付処理部と、前記印刷要求受付処理部が前記印刷要求記憶部に関連付けて格納した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを、前記認証サーバに送信する認証要求処理部と、前記認証サーバから印刷要求識別情報とプリンタ識別情報とを受信し、該受信した印刷要求識別情報に関連付けて前記印刷要求記憶部に格納された印刷データを、前記受信したプリンタ識別情報のプリンタに送信するプリンタ印刷要求処理部とを備え、前記認証サーバは、プリンタ識別情報と識別情報取得装置の識別情報とを関連付けて記憶するプリンタ情報記憶部と、印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを関連付けて記憶する認証要求記憶部と、前記プリンタサーバの認証要求処理部から印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを受信し、前記認証要求記憶部に格納する認証要求登録処理部と、前記識別情報取得装置からユーザ識別情報を受信し、該受信したユーザ識別情報と関連付けて前記認証要求記憶部に格納された印刷要求識別情報と前記ユーザ識別情報の送信元の識別情報取得装置の識別情報に関連付けられて前記プリンタ情報記憶部に格納されたプリンタ識別情報とを、前記プリンタサーバに送信する認証処理部とを備え、前記識別情報取得装置は、ユーザ操作により入力されたユーザ識別情報を、前記認証サーバに送信し、前記プリンタは、前記プリンタサーバの印刷要求処理部から受信した印刷データに従い、印刷することを特徴とする。
【0006】
また、本発明の機密印刷システムは、上述の機密印刷システムであって、前記プリンタサーバは、ユーザ識別情報を記憶するユーザ設定記憶部と、前記要求端末からの要求を受信し、前記ユーザ設定記憶部が記憶するユーザ識別情報を前記要求末に送信するユーザリスト送信処理部とを備え、前記要求端末は、前記プリンタサーバにユーザ識別情報を要求し、該要求の返信として受信したユーザ識別情報を表示させ、該表示させたユーザ識別情報の中からユーザ操作により指定されたユーザ識別情報を配布先ユーザのユーザ識別情報として、印刷データとともに前記プリンタサーバに送信することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の機密印刷システムは、上述のいずれかの機密印刷システムであって、前記プリンタサーバから受信した情報を表示するユーザ端末を備え、前記プリンタサーバは、前記要求端末から受信したユーザ識別情報のユーザが所有するユーザ端末に、該ユーザ宛の印刷要求があった旨の情報を送信するユーザ通知処理部を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の機密印刷方法は、複数のプリンタと、各々が前記プリンタのいずれかに対応付けられた複数の識別情報取得装置と、プリンタサーバと、認証サーバとを有する機密印刷システムにおける機密印刷方法において、前記要求端末が、ユーザ操作により指定された配布先ユーザのユーザ識別情報と印刷データとを、前記プリンタサーバに送信する第1の過程と、前記プリンタサーバが、前記要求端末からユーザ識別情報と印刷データとを受信し、該受信したユーザ識別情報と印刷データと新規に割振った印刷要求識別情報とを関連付けて前記印刷要求記憶部に格納する第2の過程と、前記プリンタサーバが、前記第2の過程にて前記印刷要求記憶部に関連付けて格納した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを、前記認証サーバに送信する第3の過程と、前記認証サーバが、前記プリンタサーバから印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを受信し、受信した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを関連付けて前記認証要求記憶部に格納する第4の過程と、前記識別情報取得装置が、ユーザ操作により入力されたユーザ識別情報を、前記認証サーバに送信する第5の過程と、前記認証サーバが、前記識別情報取得装置からユーザ識別情報を受信し、該受信したユーザ識別情報と関連付けて前記認証要求記憶部に格納された印刷要求識別情報と前記ユーザ識別情報の送信元の識別情報取得装置の識別情報に関連付けられてプリンタ情報記憶部に格納されているプリンタ識別情報とを、前記プリンタサーバに送信する第6の過程と、前記プリンタサーバが、前記認証サーバから印刷要求識別情報とプリンタ識別情報とを受信し、該受信した印刷要求識別情報に関連付けて前記印刷要求記憶部に格納された印刷データを、前記受信したプリンタ識別情報のプリンタに送信する第7の過程と、前記プリンタが、前記プリンタサーバから受信した印刷データに従い、印刷する第8の過程とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のプリンタサーバは、要求端末と、認証サーバと、プリンタとが接続されるプリンタサーバにおいて、印刷要求識別情報とユーザ識別情報と印刷データとを関連付けて記憶する印刷要求記憶部と、前記要求端末からユーザ識別情報と印刷データとを受信し、該受信したユーザ識別情報と印刷データと新規に割振った印刷要求識別情報とを関連付けて前記印刷要求記憶部に格納する印刷要求受付処理部と、前記印刷要求受付処理部が前記印刷要求記憶部に関連付けて格納した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを、前記認証サーバに送信する認証要求処理部と、前記認証サーバから印刷要求識別情報とプリンタ識別情報とを受信し、該受信した印刷要求識別情報に関連付けて前記印刷要求記憶部に格納された印刷データを、前記受信したプリンタ識別情報のプリンタに送信するプリンタ印刷要求処理部とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のプログラムは、要求端末と、認証サーバと、プリンタとが接続されるコンピュータを、前記要求端末からユーザ識別情報と印刷データとを受信し、該受信したユーザ識別情報と印刷データと新規に割振った印刷要求識別情報とを関連付けて印刷要求記憶部に格納する印刷要求受付処理部、前記印刷要求受付処理部が前記印刷要求記憶部に関連付けて格納した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを、前記認証サーバに送信する認証要求処理部、前記認証サーバから印刷要求識別情報とプリンタ識別情報とを受信し、該受信した印刷要求識別情報に関連付けて前記印刷要求記憶部に格納された印刷データを、前記受信したプリンタ識別情報のプリンタに送信するプリンタ印刷要求処理部として機能させる。
【0011】
また、本発明のプリンタサーバは、要求端末と認証サーバとプリンタとが通信網により接続されるプリンタサーバにおいて、印刷要求識別情報とユーザ識別情報と印刷データとを関連付けて記憶する印刷要求記憶部と、前記要求端末からユーザ識別情報と印刷データとを受信し、該受信したユーザ識別情報と印刷データと新規に割振った印刷要求識別情報とを関連付けて前記印刷要求記憶部に格納する印刷要求受付処理部と、前記印刷要求受付処理部が前記印刷要求記憶部に関連付けて格納した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを、前記認証サーバに送信する認証要求処理部と、前記認証サーバから印刷要求識別情報を受信し、該受信した印刷要求識別情報に関連付けて前記印刷要求記憶部に格納された印刷データの印刷指示を、前記プリンタに送信するプリンタ印刷要求処理部とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の認証サーバは、プリンタサーバと、識別情報取得装置とが接続される認証サーバにおいて、前記プリンタサーバから印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを受信し、該受信した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを関連付けて認証要求記憶部に格納する認証要求登録処理部と、前記識別情報取得装置からユーザ識別情報を受信し、該受信したユーザ識別情報と関連付けて前記認証要求記憶部に格納された印刷要求識別情報と前記ユーザ識別情報の送信元の識別情報取得装置の識別情報に関連付けられてプリンタ情報記憶部に格納されたプリンタ識別情報とを、前記プリンタサーバに送信する認証処理部とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のプログラムは、プリンタサーバと、識別情報取得装置とが接続されるコンピュータを、前記プリンタサーバから印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを受信し、該受信した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを関連付けて認証要求記憶部に格納する認証要求登録処理部、前記識別情報取得装置からユーザ識別情報を受信し、該受信したユーザ識別情報と関連付けて前記認証要求記憶部に格納された印刷要求識別情報と前記ユーザ識別情報の送信元の識別情報取得装置の識別情報に関連付けられてプリンタ情報記憶部に格納されたプリンタ識別情報とを、前記プリンタサーバに送信する認証処理部として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、要求端末に対して、機密文書の電子ファイルと配布先ユーザとを指定し、識別情報取得装置に対して、配布先ユーザのユーザ識別情報を入力し、配布先ユーザは印刷を希望するプリンタに対応した識別情報取得装置にユーザ識別情報を入力することで、機密文書の電子ファイルを配布することなく、配布先ユーザの希望するプリンタにて機密文書を印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本実施形態の機密印刷システムは、配布元ユーザが、自身が所有する機密文書などの電子ファイルを、配布先ユーザを指定して印刷指示をすると、配布先ユーザが希望するプリンタに対応するリーダライタにて認証してから、該プリンタにて該電子ファイルを印刷することで、該電子ファイルを配布先ユーザに配布せずに、かつ、他のユーザに該電子ファイルの印刷結果を渡さないようにして、配布先ユーザが希望するプリンタにて印刷することで、該電子ファイルの印刷結果を配布する。
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態による機密印刷システムの構成を示す概略ブロック図である。
100は、配布元ユーザが本機密印刷システムに対する指示を入力する要求端末である。要求端末100は、ある電子ファイルを機密印刷により配布することをユーザ操作により指定されると、プリンタサーバ200もしくは自装置の記憶部からユーザIDおよびユーザ名のリストを取得して表示させる。要求端末100は、この表示させたリストの中からユーザ操作により指定されたユーザIDもしくはユーザ操作により文字入力されたユーザIDを配布先ユーザIDとして、指定された電子ファイルを印刷ファイルとして、自ユーザIDを配布元ユーザIDとして、現在日時を要求日時として、プリンタサーバ200に送信する。
なお、要求端末100は、使用可能なユーザのユーザID(例えば、ここでは配布元ユーザであるユーザAの「001001」)を予め記憶しており、リーダライタ150が受信したユーザIDが、予め記憶していたユーザIDと一致したときのみ、ユーザの入力操作を受け付ける。
【0017】
リーダライタ150は、要求端末100の近傍に設置されており、起動コマンドを無線送信し、該起動コマンドを受信したICタグ700、701が無線送信するユーザIDを受信する。
ICタグ700、701は、ユーザIDを格納しており、起動コマンドを受信すると、該ユーザIDを無線送信する。ここでは、例として、ICタグ700は、ユーザAのユーザID「001001」を格納しており、ICタグ701は、ユーザBのユーザID「001002」を格納している。
【0018】
プリンタサーバ200は、要求端末100から機密印刷の要求を受け付け、認証サーバにて配布先ユーザが認証されると、認証サーバに指定されたプリンタに印刷を指示する。このプリンタサーバ200は、図2(a)のプリンタサーバ200の概略構成を示すブロック図のように、印刷要求記憶部201と、ユーザ設定記憶部202と、ユーザリスト送信処理部210と、印刷要求受付処理部211と、ユーザ通知処理部212と、認証要求処理部213と、印刷要求処理部214とを備える。
【0019】
印刷要求記憶部201は、図3(a)の記憶内容例に示すように、印刷要求番号と、配布先ユーザIDと、配布元ユーザIDと、印刷ファイルファイル名と、要求日時とを関連付けて記憶する。また、印刷ファイルファイル名にて指定されたファイル名のファイルについても記憶する。
【0020】
ユーザ設定記憶部202は、図3(b)の記憶内容例に示すように、ユーザIDと、ユーザ名と、メールアドレスとを関連付けて記憶する。このユーザ設定記憶部202には、配布先ユーザとなるユーザのユーザIDとユーザ名とメールアドレスとを、予め登録しておく。
【0021】
ユーザリスト送信処理部210は、要求端末100からリストの要求を受信し、ユーザ設定記憶部202からユーザIDとユーザ名とを読み出してリストを生成し、このリストを要求端末100に送信する。
【0022】
印刷要求受付処理部211は、要求端末100から配布先ユーザIDと印刷ファイルと配布元ユーザIDと要求日時とを受信し、これらと新規に割振った印刷要求番号とを関連付けて印刷要求記憶部201に格納する。
【0023】
ユーザ通知処理部212は、要求端末100から受信した配布先ユーザIDに関連付けられたメールアドレスを、ユーザ設定記憶部202から取得し、このメールアドレスを宛先とする電子メールであり、機密印刷によるファイルの配布と該電子メールの確認通知用のURL(Uniform Resource Locator)を通知する電子メールを、メールサーバ500に送信する。
【0024】
認証要求処理部213は、印刷要求受付処理部211が、印刷要求記憶部201に格納した印刷要求番号と配布先ユーザIDとを取得し、これらの印刷要求番号と配布先ユーザIDとを認証要求として認証サーバ300に送信する。
【0025】
印刷要求処理部214は、認証サーバ300から印刷要求番号とプリンタIDを受信して、この受信した印刷要求番号と関連付けて印刷要求記憶部201に格納された印刷ファイルを、受信したプリンタIDのプリンタ用のキューデータに変換して、該プリンタIDのプリンタに、該キューデータの印刷指示を送信する。キューデータは、各機種のプリンタ独自のフォーマットの印刷用のデータであり、各プリンタは、該データに基づき、文書を印刷する。
【0026】
認証サーバ300は、プリンタサーバ200からの認証要求を受けて、配布先ユーザの認証を行なう。この認証サーバ300は、図2(b)の認証サーバ300の概略構成を示すブロック図のように、プリンタ情報記憶部301と、認証要求記憶部302と、認証要求登録処理部310と、認証処理部311とを備える。
【0027】
プリンタ情報記憶部301は、図4(a)の記憶内容例に示すように、プリンタIDと、該プリンタIDの近傍に設置されたリーダライタ450a、450b・・・のIPアドレスであるリーダライタアドレスとを関連付けて記憶する。このプリンタ情報記憶部301には、本機密印刷システムが備える全てのプリンタについて、プリンタIDと対応するリーダライタのリーダライタアドレスを、予め登録しておく。
【0028】
認証要求記憶部302は、図4(b)の記憶内容例に示すように、監視番号と、印刷要求番号と、配布先ユーザIDと、リーダライタアドレスと、ステータスとを記憶する。
【0029】
認証要求登録処理部310は、認証要求として、印刷要求番号と配布先ユーザIDとを受信し、プリンタ情報記憶部301に格納されている全てのリーダライタアドレスを取得して、新規に割振った監視番号と、受信した印刷要求番号と、受信した配布先ユーザIDと、取得したリーダライタアドレスと、ステータスとして「監視中」とを関連付けて、認証要求記憶部302に格納する。さらに、認証要求登録処理部310は、取得した全てのリーダライタアドレスに宛てて、ICタグへの起動コマンド送信を指示する。
【0030】
認証処理部311は、リーダライタ450aまたはリーダライタ450bからユーザIDを受信し、次に、送信元のリーダライタのリーダライタアドレスに関連付けてプリンタ情報記憶部301に格納されているプリンタIDを取得する。さらに、認証処理部311は、受信したユーザIDに関連付けて認証要求記憶部302に格納された印刷要求番号を読み出し、該読み出した印刷要求番号と取得したプリンタIDとをプリンタサーバ200に送信する。
【0031】
プリンタ400a、400b、400c(図示せず)は、それぞれにプリンタID「0007」、「0002」、「0001」が割振られており、プリンタサーバ200から受信したキューデータに基づき、印刷する。
リーダライタ(識別情報取得装置)450a、450b、450c(図示せず)は、それぞれプリンタ400a、400b、400cの近傍に設置されており、起動コマンド送信を指示されると起動コマンドを無線送信し、該起動コマンドを受信したICタグ700、701が無線送信するユーザIDを受信する。
【0032】
メールサーバ500は、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)にてメールを配送するサーバであり、自装置に登録されているユーザ宛のメールについては、配送せずに自装置内に格納する。メールサーバ500は、ユーザ端末600からの問い合わせを受信すると、自装置内に格納している該当ユーザ宛のメールを返信する。
【0033】
ユーザ端末600は、メールサーバ500に格納されているメールを問い合わせて、取得したメールを表示させる。なお、ユーザ端末600は、使用可能なユーザのユーザID(例えば、ここでは配布先ユーザであるユーザBの「001002」)を予め記憶しており、リーダライタ650が受信したユーザIDが、予め記憶していたユーザIDと一致したときのみ、ユーザの入力操作を受け付ける。
【0034】
650は、起動コマンドを無線送信し、該起動コマンドを受信したICタグ700、701が無線送信するユーザIDを受信するリーダライタである。
【0035】
800は、要求端末100、リーダライタ150、プリンタサーバ200、認証サーバ300、プリンタ400a、400b・・・、リーダライタ450a、450b・・・、メールサーバ500、ユーザ端末600、リーダライタ650を、相互に通信可能なように接続するネットワークである。ネットワーク800には、プロトコルとしてIP(Internet Protocol)を用いる。
【0036】
なお、要求端末100およびユーザ端末600には、周辺機器として入力装置、表示装置等(いずれも図示せず)が接続されるものとする。ここで、入力装置とはキーボード、マウス等の入力デバイスのことをいう。表示装置とはCRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等のことをいう。
【0037】
また、本実施形態では、識別情報取得装置としてリーダライタ450a、450b、450c・・・を、識別情報取得装置の識別情報としてリーダライタ450a、450b、450c・・・のIPアドレスを、印刷データとして印刷ファイルおよびキューデータを、ユーザ識別情報としてユーザIDを、印刷要求識別情報として印刷要求番号を、プリンタ識別情報としてプリンタIDを用いる。
【0038】
図5は、本実施形態における機密印刷システムの動作例を示したシーケンス図である。
次に、この機密印刷システムの動作を、図5を参照して説明する。
ここでは、ユーザAが、ユーザBに機密文書を配布する場合を例にして説明する。なお、ユーザAは、ユーザID「001001」のICタグ700を所持しており、ユーザBは、ユーザID「001002」のICタグ701を所持している。
【0039】
まず、ユーザAが、要求端末100へのログイン操作をすると、要求端末100は、その近傍に設置されているリーダライタ150に対して、ICタグへの起動コマンドの発行を指示する。リーダライタ150は、この指示を受けると、起動コマンドを無線送信する。ユーザAが所持するICタグ700は、この起動コマンドを受信すると、自装置内に格納しているユーザID「001001」を、無線送信する。リーダライタ150は、無線送信されたユーザID「001001」を受信すると、これを要求端末100に送信する。要求端末100は、このユーザID「001001」を受信すると、自装置内に格納しているユーザIDと比較する。ここでは、格納しているユーザIDに「001001」があり、比較の結果が一致したとする。要求端末100は、比較の結果が一致すると、ユーザAのログインを許可する。
【0040】
次に、ユーザAが、要求端末100を操作して、機密文書の電子ファイル「ファイルB」をフレキシブルディスクなどの媒体からの読み込みを指示すると、要求端末100は、これを読み込み、自装置内に記憶する。さらに、ユーザAが、要求端末100を操作して、この電子ファイル「ファイルB」の配布先指定を要求すると、要求端末100は、プリンタサーバ200にユーザリストを要求する(S1)。
【0041】
プリンタサーバ200のユーザリスト送信処理部210は、ユーザリストの要求を受けると、ユーザ設定記憶部202に格納されているユーザIDとユーザ名とを読み出して、これらの一覧であるユーザリストを生成して、このユーザリストを要求端末100に送信する(S2)。
【0042】
要求端末100は、ユーザリストを受信すると、これを表示させる。ユーザAが、要求端末100を操作して、表示されているユーザリストの中からユーザBを配布先として指定すると、要求端末100は、先に記憶した電子ファイルを印刷ファイル、ユーザBのユーザID「001002」を配布先ユーザID、ユーザAのユーザID「001001」を配布元ユーザID、現在日時を要求日時とした印刷要求をプリンタサーバ200に送信する(S3)。
【0043】
プリンタサーバ200の印刷要求受付処理部211は、印刷要求を受信すると、これに新規に印刷要求番号を割振り、割振った印刷要求番号と印刷要求の各項目とを関連付けて印刷要求記憶部201に格納する。ここでは、例えば、印刷要求番号として「00002」を割振り、図3(a)に示すように印刷要求記憶部201に格納する。
【0044】
次に、ユーザ通知処理部212は、印刷要求受付処理部211が印刷要求記憶部201に新規に格納した配布先ユーザID「001002」を読み出し、ユーザ設定記憶部202を参照して、読み出した配布先ユーザID「001002」と一致するユーザIDに関連付けられているメールアドレス「B@xx.co.jp」を取得する(ここでは、ユーザ設定記憶部202の記憶内容が、図3(b)に示す例であったとする)。ユーザ通知処理部212は、このメールアドレス「B@xx.co.jp」を宛先とする電子メールであり、機密印刷による「ファイルB」配布の通知と該電子メールを受けたことの確認通知用のURLの通知とが記述された電子メールを、メールサーバ500に送信する(S4)。このURLは、該URLにアクセスすることで、プリンタサーバ200の認証要求処理部213に、配布通知を配布先ユーザが受け取ったことを通知するようになっており、該当する印刷要求番号「00002」を併せて認証要求処理部213に通知する。
【0045】
次に、ユーザBが、ユーザ端末600へのログイン操作をすると、ユーザ端末600は、その近傍に設置されているリーダライタ650に対して、ICタグへの起動コマンドの発行を指示する。リーダライタ650は、この指示を受けると、起動コマンドを無線送信する。ユーザBが所持するICタグ701は、この起動コマンドを検出すると、自装置内に格納しているユーザID「001002」を、無線送信する。リーダライタ650は、無線送信されたユーザID「001002」を受信すると、これをユーザ端末600に送信する。ユーザ端末600は、このユーザID「001002」を受信すると、自装置内に格納しているユーザIDと比較する。ここでは、格納しているユーザIDに「001002」があり、比較の結果が一致したとする。ユーザ端末600は、比較の結果が一致すると、ユーザBのログインを許可する。
【0046】
ユーザBが、ユーザ端末600を操作して、ユーザB宛の電子メールの取得を指示すると、ユーザ端末600は、メールサーバ500にメールを問い合わせる。ここでは、先にシーケンスS4にて、プリンタサーバ200が送信した電子メールがメールサーバ500には格納されているので、メールサーバ500は、この電子メールをユーザ端末600に送信する(S5)。
【0047】
ユーザ端末600は、電子メールを受信すると、その内容である機密印刷による「ファイルB」配布の通知と該メールを受けたことの確認通知用のURLとを表示させる。ユーザBが、表示されたURLを選択すると、ユーザ端末600は、このURLへ確認通知を送信する(S6)。
【0048】
このURLの宛先となっているプリンタサーバ200の認証要求処理部213は、確認通知を受けると、この確認通知から印刷要求番号「00002」を取得する。次に、認証要求処理部213は、印刷要求記憶部201を参照して、取得した印刷要求番号「00002」に関連付けられた配布先ユーザID「001002」を、取得する。認証要求処理部213は、先に取得した印刷要求番号「00002」と配信先ユーザID「001002」とを、認証要求として、認証サーバ300に送信する(S7)。
【0049】
認証サーバ300の認証要求登録処理部310は、認証要求処理部213から認証要求を受信すると、認証要求から印刷要求番号「00002」と配信先ユーザID「001002」とを取得する。次に、認証要求登録処理部310は、プリンタ情報記憶部301を参照して、格納されている全てのリーダライタアドレスを取得する。ここでは、プリンタ情報記憶部301の記憶内容が、図4(a)に示す内容例であったとして、リーダライタアドレス「xx.xx.xx.xx」「yy.yy.yy.yy」〜「zz.zz.zz.zz」を取得する。認証要求登録処理部310は、認証要求から取得した印刷要求番号「00002」と配信先ユーザID「001002」と、プリンタ情報記憶部301から取得したリーダライタアドレス「xx.xx.xx.xx」「yy.yy.yy.yy」〜「zz.zz.zz.zz」とに加えて、新規に割振った監視番号(例えば、「0414」)とステータスとして「監視中」とを関連付けて、認証要求記憶部302に格納する。さらに、認証要求登録処理部310は、プリンタ情報記憶部301から取得したリーダライタアドレス「xx.xx.xx.xx」「yy.yy.yy.yy」〜「zz.zz.zz.zz」それぞれに宛てて、ICタグへの起動コマンド送信を指示する(S8a、S8b)。
【0050】
ここで、リーダライタ450a、450b、450cのIPアドレスは、それぞれ「zz.zz.zz.zz」、「yy.yy.yy.yy」、「xx.xx.xx.xx」であるとする。
IPアドレスが、リーダライタアドレス「xx.xx.xx.xx」「yy.yy.yy.yy」〜「zz.zz.zz.zz」であるリーダライタ450a、450b、450c・・・は、各々が認証要求登録処理部310から起動コマンド送信の指示を受信すると、各々が定期的な起動コマンドの無線送信を開始する(S9a、S9b)。
【0051】
先に、ユーザ端末600にて、機密印刷による「ファイルB」配布の通知を見たユーザBが、「ファイルB」の印刷結果を受け取るためにプリンタ400aの近傍まで来ると、プリンタ400aの近傍に設置されたリーダライタ450aが無線送信した起動コマンドをユーザBが所持するICタグ701が受信する。ICタグ701は、起動コマンドを受信すると、自装置内に格納しているユーザID「001002」を無線送信する(S10a)。
【0052】
リーダライタ450aは、ICタグ701からユーザID「001002」を受信すると、このユーザIDを認証サーバ300に送信する(S11)。
【0053】
認証サーバ300の認証処理部311は、リーダライタ450aからユーザID「001002」を受信すると、認証要求記憶部302を参照して、受信したユーザID「001002」と一致する配布先ユーザIDに関連付けて格納されている印刷要求番号を取得する。ここでは、先に認証要求登録処理部310が登録したユーザIDが一致するので、その際に関連付けて格納した印刷要求番号「00002」を取得する。さらに、認証処理部311は、プリンタ情報記憶部301を参照して、受信したユーザIDの送信元であるリーダライタ450aのIPアドレス「zz.zz.zz.zz」と一致するリーダライタアドレスに関連付けて格納されているプリンタIDを取得する。ここでは、リーダライタ450aに対応するプリンタ400aのプリンタID「0007」を取得する。
認証処理部311は、この印刷要求番号「00002」とプリンタID「0007」を認証通知として、プリンタサーバ200に送信するとともに(S12)、認証要求記憶部302に、この印刷要求番号「00002」と関連付けて格納したステータスを「認証済み」に更新する。
【0054】
なお、このとき、認証処理部322は、該印刷要求番号「00002」で配布先ユーザID「001002」の印刷要求が「認証済み」となった旨の電子メールを生成し、該電子メールを配布元ユーザ宛にしてメールサーバ500に送信してもよい。このとき、該電子メールの宛先となる該印刷要求番号の配布元ユーザのメールアドレスは、プリンタサーバ200の印刷要求記憶部201とユーザ設定記憶部202とを参照することにより得られるので、認証処理部322がプリンタサーバ200に要求してもよいし、認証要求時に認証要求処理部213が認証サーバ300に送信するようにしてもよい。また、電子メールを送信することに代えて、配布元ユーザからの要求に応じて、印刷要求と関連付けて認証要求記憶部302に格納されているステータスを要求端末100に送信するようにしてもよい。
【0055】
プリンタサーバ200の印刷要求処理部214は、認証サーバ300から認証通知を受信すると、この認証通知から印刷要求番号「00002」とプリンタID「0007」とを取得する。次に、印刷要求処理部214は、印刷要求記憶部201を参照して、印刷要求番号「00002」と関連付けて格納されている印刷ファイル「ファイルB」を取得する。印刷要求処理部214は、この印刷ファイル「ファイルB」を、先に認証通知から取得したプリンタID「0007」のプリンタ用のキューデータに変換する。印刷要求処理部214は、プリンタIDが「0007」であるプリンタ400aに、先に変換したキューデータの印刷を指示する(S13)。プリンタ400aは、印刷要求処理部214からキューデータを受信すると、このキューデータに基づき、印刷する。なお、印刷が終了した後に、印刷要求処理部214は、該印刷要求番号の配布元ユーザに印刷終了した旨を認証処理部311と同様に電子メールあるいは配布元ユーザの要求に応じて通知するようにしてもよい。
【0056】
これにより、ユーザAが、配布先として指定したユーザBの所持するICタグ701がリーダライタ450aと通信可能な範囲にあるときにのみ、ユーザAが配布を指示した電子ファイルが印刷されるので、配布先として指定したユーザB以外の人に印刷された書類を持っていかれることを防ぐことができ、さらに、ユーザBは、希望したプリンタ400aに印刷させることができる。
【0057】
なお、本実施形態において、ユーザ通知処理部212が配布先ユーザ宛の電子メールを送信し、該電子メールに対する確認通知をユーザ端末600から受けてから、認証要求処理部213は、認証サーバ300に認証要求を送信するとしたが、認証要求処理部213は、確認通知を待たずに、認証サーバ300に認証要求を送信してもよい。または、認証要求処理部213が、認証サーバ300に認証要求を送信してから、ユーザ通知処理部212が配布先ユーザ宛の電子メールを送信してもよい。
【0058】
また、本実施形態において、プリンタ400aの近傍に設置したリーダライタ450aがICタグ701からのユーザIDを受信するとして説明したが、リーダライタ450aがプリンタ400aに内蔵されていてもよい。また、リーダライタ450aに替えて、指紋認証装置、虹彩認証装置やパスワード入力用のキーボードであってもよい。この場合、これらの装置が取得するユーザ識別情報はユーザIDではなく、各ユーザの認証情報であり、認証要求記憶部302は、ユーザIDに替えて認証情報を記憶する、もしくは、ユーザIDと認証情報とを記憶する。この認証情報は、ユーザ設定記憶部202に記憶しておき、認証要求処理部213が、認証要求時に認証サーバ300に送信してもよいし、認証サーバ300がユーザIDに関連付けて記憶していてもよい。
【0059】
また、本実施形態において、プリンタ400aの近傍に設置したリーダライタ450aは、ICタグからユーザIDを受信するとして説明したが、ICタグに替えて接触型あるいは非接触型のICカードや磁気カードであってもよい。
【0060】
また、本実施形態において、プリンタ400a、400b、400cはプロトコルにIPを用いたネットワーク800に接続されたプリンタであるとして説明したが、公衆電話回線網などのネットワークに接続されたファックスであってもよい。この場合、プリンタサーバ200は、ネットワーク800と、ファックスが接続された公衆電話回線網などのネットワークとに接続する。
【0061】
また、プリンタサーバ200と認証サーバ300とは別々の装置であり、ネットワーク800により接続されるとして説明したが、プリンタサーバ200と認証サーバ300とに代えて、プリンタサーバ200の機能と認証サーバ300の機能とを備えた装置をネットワーク800に接続するようにしてもよい。
【0062】
また、図2(a)におけるユーザリスト送信処理部210、印刷要求受付処理部211、ユーザ通知処理部212、認証要求処理部213、印刷要求処理部214、および、図2(b)における認証要求登録処理部310、認証処理部311の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、これらの処理部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0063】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0064】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、建物内、構内などの通信網を利用し、配布元ユーザが指定した電子ファイルを、配布元ユーザが指定した配布先ユーザにより指定されたプリンタにて印刷することができる機密印刷システムに用いて好適であるが、これに限られるものではない。要求端末の設置場所とプリンタの設置場所とは、別建物、別構内であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】この発明の一実施形態による機密印刷システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態におけるプリンタサーバ200と認証サーバ300の概略構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態における(a)印刷要求記憶部201、(b)ユーザ設定記憶部の記憶内容例を示す図である。
【図4】同実施形態における(a)プリンタ情報記憶部301、(b)認証要求記憶部302の記憶内容例を示す図である。
【図5】同実施形態における機密印刷システムの動作を説明するシーケンス図である。
【符号の説明】
【0067】
100…要求端末
150、650…リーダライタ
200…プリンタサーバ
201…印刷要求記憶部
202…ユーザ設定記憶部
210…ユーザリスト送信処理部
211…印刷要求受付処理部
212…ユーザ通知処理部
213…認証要求処理部
214…印刷要求処理部
300…認証サーバ
301…プリンタ情報記憶部
302…認証要求記憶部
310…認証要求登録処理部
311…認証処理部
400a、400b…プリンタ
450a、450b…リーダライタ
500…メールサーバ
600…ユーザ端末
700、701…ICタグ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
要求端末と、複数のプリンタと、各々が前記プリンタのいずれかに対応付けられた複数の識別情報取得装置と、プリンタサーバと、認証サーバとを有する機密印刷システムにおいて、
前記要求端末は、ユーザ操作により指定された配布先ユーザのユーザ識別情報と印刷データとを、前記プリンタサーバに送信し、
前記プリンタサーバは、
印刷要求識別情報とユーザ識別情報と印刷データとを関連付けて記憶する印刷要求記憶部と、
前記要求端末からユーザ識別情報と印刷データとを受信し、該受信したユーザ識別情報と印刷データと新規に割振った印刷要求識別情報とを関連付けて前記印刷要求記憶部に格納する印刷要求受付処理部と、
前記印刷要求受付処理部が前記印刷要求記憶部に関連付けて格納した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを、前記認証サーバに送信する認証要求処理部と、
前記認証サーバから印刷要求識別情報とプリンタ識別情報とを受信し、該受信した印刷要求識別情報に関連付けて前記印刷要求記憶部に格納された印刷データを、前記受信したプリンタ識別情報のプリンタに送信するプリンタ印刷要求処理部と
を備え、
前記認証サーバは、
プリンタ識別情報と識別情報取得装置の識別情報とを関連付けて記憶するプリンタ情報記憶部と、
印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを関連付けて記憶する認証要求記憶部と、
前記プリンタサーバの認証要求処理部から印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを受信し、前記認証要求記憶部に格納する認証要求登録処理部と、
前記識別情報取得装置からユーザ識別情報を受信し、該受信したユーザ識別情報と関連付けて前記認証要求記憶部に格納された印刷要求識別情報と前記ユーザ識別情報の送信元の識別情報取得装置の識別情報に関連付けられて前記プリンタ情報記憶部に格納されたプリンタ識別情報とを、前記プリンタサーバに送信する認証処理部と
を備え、
前記識別情報取得装置は、ユーザ操作により入力されたユーザ識別情報を、前記認証サーバに送信し、
前記プリンタは、前記プリンタサーバの印刷要求処理部から受信した印刷データに従い、印刷すること
を特徴とする機密印刷システム。
【請求項2】
前記プリンタサーバは、
ユーザ識別情報を記憶するユーザ設定記憶部と、
前記要求端末からの要求を受信し、前記ユーザ設定記憶部が記憶するユーザ識別情報を前記要求端末に送信するユーザリスト送信処理部と
を備え、
前記要求端末は、前記プリンタサーバにユーザ識別情報を要求し、該要求の返信として受信したユーザ識別情報を表示させ、該表示させたユーザ識別情報の中からユーザ操作により指定されたユーザ識別情報を配布先ユーザのユーザ識別情報として、印刷データとともに前記プリンタサーバに送信すること
を特徴とする請求項1に記載の機密印刷システム。
【請求項3】
前記プリンタサーバから受信した情報を表示するユーザ端末を備え、
前記プリンタサーバは、
前記要求端末から受信したユーザ識別情報のユーザが所有するユーザ端末に、該ユーザ宛の印刷要求があった旨の情報を送信するユーザ通知処理部を備えること
を特徴とする請求項1から請求項2のいずれかの項に記載の機密印刷システム。
【請求項4】
要求端末と、複数のプリンタと、各々が前記プリンタのいずれかに対応付けられた複数の識別情報取得装置と、プリンタサーバと、認証サーバとを有する機密印刷システムにおける機密印刷方法において、
前記要求端末が、ユーザ操作により指定された配布先ユーザのユーザ識別情報と印刷データとを、前記プリンタサーバに送信する第1の過程と、
前記プリンタサーバが、前記要求端末からユーザ識別情報と印刷データとを受信し、該受信したユーザ識別情報と印刷データと新規に割振った印刷要求識別情報とを関連付けて前記印刷要求記憶部に格納する第2の過程と、
前記プリンタサーバが、前記第2の過程にて前記印刷要求記憶部に関連付けて格納した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを、前記認証サーバに送信する第3の過程と、
前記認証サーバが、前記プリンタサーバから印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを受信し、受信した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを関連付けて前記認証要求記憶部に格納する第4の過程と、
前記識別情報取得装置が、ユーザ操作により入力されたユーザ識別情報を、前記認証サーバに送信する第5の過程と、
前記認証サーバが、前記識別情報取得装置からユーザ識別情報を受信し、該受信したユーザ識別情報と関連付けて前記認証要求記憶部に格納された印刷要求識別情報と前記ユーザ識別情報の送信元の識別情報取得装置の識別情報に関連付けられてプリンタ情報記憶部に格納されているプリンタ識別情報とを、前記プリンタサーバに送信する第6の過程と、
前記プリンタサーバが、前記認証サーバから印刷要求識別情報とプリンタ識別情報とを受信し、該受信した印刷要求識別情報に関連付けて前記印刷要求記憶部に格納された印刷データを、前記受信したプリンタ識別情報のプリンタに送信する第7の過程と、
前記プリンタが、前記プリンタサーバから受信した印刷データに従い、印刷する第8の過程と
を備えることを特徴とする機密印刷方法。
【請求項5】
要求端末と、認証サーバと、プリンタとが接続されるプリンタサーバにおいて、
印刷要求識別情報とユーザ識別情報と印刷データとを関連付けて記憶する印刷要求記憶部と、
前記要求端末からユーザ識別情報と印刷データとを受信し、該受信したユーザ識別情報と印刷データと新規に割振った印刷要求識別情報とを関連付けて前記印刷要求記憶部に格納する印刷要求受付処理部と、
前記印刷要求受付処理部が前記印刷要求記憶部に関連付けて格納した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを、前記認証サーバに送信する認証要求処理部と、
前記認証サーバから印刷要求識別情報とプリンタ識別情報とを受信し、該受信した印刷要求識別情報に関連付けて前記印刷要求記憶部に格納された印刷データを、前記受信したプリンタ識別情報のプリンタに送信するプリンタ印刷要求処理部と
を備えることを特徴とするプリンタサーバ。
【請求項6】
要求端末と、認証サーバと、プリンタとが接続されるコンピュータを、
前記要求端末からユーザ識別情報と印刷データとを受信し、該受信したユーザ識別情報と印刷データと新規に割振った印刷要求識別情報とを関連付けて印刷要求記憶部に格納する印刷要求受付処理部、
前記印刷要求受付処理部が前記印刷要求記憶部に関連付けて格納した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを、前記認証サーバに送信する認証要求処理部、
前記認証サーバから印刷要求識別情報とプリンタ識別情報とを受信し、該受信した印刷要求識別情報に関連付けて前記印刷要求記憶部に格納された印刷データを、前記受信したプリンタ識別情報のプリンタに送信するプリンタ印刷要求処理部
として機能させるプログラム。
【請求項7】
プリンタサーバと、識別情報取得装置とが接続される認証サーバにおいて、
前記プリンタサーバから印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを受信し、該受信した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを関連付けて認証要求記憶部に格納する認証要求登録処理部と、
前記識別情報取得装置からユーザ識別情報を受信し、該受信したユーザ識別情報と関連付けて前記認証要求記憶部に格納された印刷要求識別情報と前記ユーザ識別情報の送信元の識別情報取得装置の識別情報に関連付けられてプリンタ情報記憶部に格納されたプリンタ識別情報とを、前記プリンタサーバに送信する認証処理部と
を備えることを特徴とする認証サーバ。
【請求項8】
プリンタサーバと、識別情報取得装置とが接続されるコンピュータを、
前記プリンタサーバから印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを受信し、該受信した印刷要求識別情報とユーザ識別情報とを関連付けて認証要求記憶部に格納する認証要求登録処理部、
前記識別情報取得装置からユーザ識別情報を受信し、該受信したユーザ識別情報と関連付けて前記認証要求記憶部に格納された印刷要求識別情報と前記ユーザ識別情報の送信元の識別情報取得装置の識別情報に関連付けられてプリンタ情報記憶部に格納されたプリンタ識別情報とを、前記プリンタサーバに送信する認証処理部
として機能させるプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−21150(P2008−21150A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−192761(P2006−192761)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】