説明

機能システムのための冷却デバイス

本発明は、特に自動車両のための、特に燃料電池システム(12)のための、機能システムのための冷却デバイス(10)に関する。冷却デバイス(10)は、冷却のための機能システム(12)に連結される、冷却液のためのラインシステム(14,22)を含む。冷却液のための冷却デバイス(10)のタンク(20)がラインシステム(14,22)に流体的に連結される。冷却液を調製するための調製ユニット、特にイオン交換器(24)がラインシステム(14,22)に流体的に連結される。タンク(20)は、タンク(20)内に立つように配置される調製ユニット(24)および/またはイオン交換器(24)のための差し込み口を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却のために機能システムと連結される冷却液のための導管システムを含み、導管システムと流体的に連結される、冷却液のための容器を含み、導管システムと流体的に連結される、冷却液体を処理するための処理ユニット、特にイオン交換器を含む、機能システム、特に燃料電池システム、特に自動車両の冷却デバイスに関する。
【0002】
さらに、本発明は、冷却液のための冷却デバイスの導管システムならびに導管システムと流体的に連結される冷却液のための容器と流体的に連結可能な、特に燃料電池システム、特に自動車両の機能システムの冷却デバイスの冷却液を処理するための処理ユニット、特にイオン交換器に関する。
【0003】
本発明は、さらに、冷却のために機能システムと連結される冷却液のための導管システムと流体的に連結可能な、機能システム、特に燃料電池システム、特に自動車両の冷却デバイスの冷却液容器、特に冷却液補償容器に関し、導管システムは冷却液を処理するための処理ユニット、特にイオン交換器と流体的に連結される。
【0004】
さらに、本発明は、カートリッジカバーと粒状イオン交換媒体とを含む、流体、特に冷却液を処理するためのイオン交換器カートリッジに関する。
【背景技術】
【0005】
市場では、移動式または定置式の用途において熱を発生させる燃料電池システム、内燃機関および他の機能システムに、それらを最適な温度範囲に保つための冷却回路を備え付け、それらの機能を保護することが公知である。冷却回路では、好ましくは液体冷却媒体(すなわち冷却液)、特に、冷却水または冷却水とグリコールの混合物が循環される。冷却回路内には、液体冷却媒体のための補償容器がある。冷却回路および機能システムの全構成要素の最適な冷却および有効寿命を保証するために、冷却回路内の冷却媒体を適切な追加処理ユニットを用いて処理することは公知である。冷却媒体回路内に、それにより動作時の冷却媒体が浄化されるかまたは望ましくないイオンが除去されうるフィルタおよび/またはイオン交換器を用いることは公知である。特に、燃料電池システムでは、冷却液が脱塩されることが必要であるが、その理由は、そうしなければ冷却液の導電率による短絡の危険性があるからである。
【0006】
しかしながら、処理ユニットは、特にそれらが点検目的のため容易にアクセス可能とされるべきであるため、冷却デバイスに要するスペースを増加させる。これらの状況は、特に、限られた取り付けスペースのみが利用可能な自動車両内での使用の場合には容易に満足されない。特開2004−311347号公報では、冷却液補償容器の下端部にイオン交換器の形態の処理ユニットが配置される燃料電池システムのための冷却システムが開示されている。
【0007】
本発明の目的は、簡単かつ信頼性の高い手法で流体の処理を可能にし、流体の機能に最適であり、特に流体の温度および組成を最適化し、可能な限り省スペースの手法で組み立てられる、上述の種類の冷却デバイス、処理ユニット、冷却液容器およびイオン交換器カートリッジを設計することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、容器が処理ユニットのための差し込み口を有する本発明により解決される。
【0009】
本発明によれば、処理ユニットは、したがって、容器と処理ユニットが共に密閉された構成要素を形成するように省スペースの手法で容器に一体化される。容器の形状は利用可能な取り付けスペースに簡単な手法で合わせることができる。処理ユニットを備えた容器は、容器および処理ユニットが、特に点検目的のため、容易にアクセス可能なように、容易にアクセス可能な位置に取り付けられうる。処理ユニットの流体コネクタは、コネクタの総数を削減できるように容器に一体化され、これが取り付けを簡略化する。先行技術の冷却デバイスの場合に慣例的であるような、処理ユニットから導管システムへの独立したラインは省略されうる。容器の外側に配置されるコネクタおよび導管を削減することにより、漏液の危険性も低下する。容器および処理ユニットは、冷却デバイスの低温側、特に機能システムの前の、冷却液の流れ方向に配置されうるか、または冷却デバイスの高温側、特に機能システムの後の、流れ方向に配置されうるか、またはバイパス導管内に配置されうる。有利には、冷却デバイスは、機能システムが配置される冷却液回路を有しうる。処理ユニットがラジエータに一体化されるように、容器はラジエータ、特に回収器の一部とすることもできる。
【0010】
有利な実施形態では、容器は補償容器とすることができる。いずれの場合においても、冷却媒体回路として形成される冷却デバイス内に度々存在する補償容器が、冷却デバイスの低温側に配置されうるため、処理ユニットの温度抵抗に関する要件を低減できる。処理ユニットは、したがって、より簡単かつより安価な手法で設計されうる。
【0011】
さらに有利な実施形態では、容器は、特に空間的に上部に、処理ユニットが特に交換可能となるようにそこを通って容器の内部に挿入されうる閉鎖可能な開口部を有しうる。このようにして、処理ユニットの交換可能な部品または処理ユニット全体の、点検に好都合な交換が上方から可能である。これは特に、限られた取り付けスペースのため、当該技術分野において公知である冷却デバイスについてはこれまで処理ユニットの交換可能な部品の交換は下からのみ可能であった自動車両内に使用される場合に大きな利点となる。このため、自動車両を持ち上げなければならないか、またはピットの上方に配置しなければならないとともに、交換可能な部品にアクセスするために底部カバーを取り外さなければならない。
【0012】
さらに有利な実施形態では、処理ユニットは、イオン交換器、特にイオン交換器カートリッジを有しうる。好ましくは塩複分解、部分脱塩または完全脱塩による、簡単かつ効率的な手法のイオン交換器によって、特に燃料電池システムの場合に必要とされる特に水性コイリング流体の導電率を低減することができる。また、冷却デバイス内のカルシウム堆積物を削減するかまたは完全に防止するために水性冷却液を軟化するのに適したイオン交換器が使用されうる。イオン交換器カートリッジは簡単に交換されうる。
【0013】
有利には、イオン交換器は、粒状イオン交換器媒体を圧縮するための押圧デバイスを有しうる。押圧動作の結果、冷却液がイオン交換器を通過する際に、イオン交換器媒体の不均一な装填および有効寿命の短縮につながりうる優先流路(preferred flow passages)を形成することが防止される。押圧デバイスは、好ましくは、予張力がかけられたばねにより装填される圧力ディスクを含みうる。ばねは、腐食またはばねの材料との他のタイプの化学反応が防止されるように、好ましくは、それが冷却液に接しないように配置されうる。
【0014】
さらに、有利には、容器および/または処理ユニットは、少なくとも1つの構成要素、特に処理ユニットを通過する冷却液の流れを決定する処理ユニットのためのジャケットを有しうる。このようにして、冷却液が処理ユニットを通過し、かつ適切に処理されることが保証される。
【0015】
容器の運動の際に冷却液が前後にはねることを防ぐために、有利には、冷却液のためのバッフルデバイスまたはスプラッシュガードデバイス、特にバッフルプレートまたはバッフルリブが容器内に設けられうる。これは特に容器が移動時に動作する自動車両における使用の場合に大きな利点となる。
【0016】
容器、特に補償容器は、燃料電池システムの冷却のために主要導管システムと流体的に連結されるバイパス導管内に配置されうる。バイパス導管および補償容器を通過する冷却液の流れを制御するため、サーモバルブが主要導管システム内に配置されうる。
【0017】
処理ユニットが、それが容器の適切な差し込み口内に配置されるように設計される本発明により目的はさらに解決される。冷却デバイスの上記の利点は同様に処理ユニットに適用される。
【0018】
有利な実施形態では、処理ユニットは、イオン交換器、特に、粒状イオン交換媒体を圧縮するための押圧デバイスを含むイオン交換器カートリッジを含みうる。
【0019】
目的は、また、冷却液容器、特に冷却液補償容器が、容器内に直立して配置される処理ユニットおよび/またはイオン交換器の一体化のための差し込み口を有する本発明により解決される。冷却デバイスの上述の利点は、同様に冷却液容器に適用される。
【0020】
これに関連して、自動車両の燃料電池システムまたは燃料電池デバイスのための冷却液補償容器は、燃料電池デバイスの冷却のために設けられる、それを通る冷却媒体の流れのために設計されうる。冷却媒体補償容器は、容器内に直立して配置されるイオン交換器の形態の処理ユニットを含みうる。
【0021】
容器内におけるイオン交換器のこの特定の位置により、燃料電池システム内、したがってまた車両内における冷却媒体補償容器の設置について近接性および操作性の向上が達成されうる。これは特に取り付け目的、試験目的等において特に有利である。
【0022】
さらに、イオン交換器ユニットまたはイオン交換器の直立の位置により、イオン交換材料またはイオン交換媒体の効率に関するその機能性も向上しうる。漏れを引き起こすおそれのある、イオン交換器インサートまたはイオン交換器カートリッジと冷却媒体回路の間の多くの脆弱な連結位置は、この点において危険度が低下するよう設計されうる。さらに、取り付けスペースに関して最小化されたコンパクトな構成が達成されうる。特に、イオン交換器の直立配置は、冷却媒体からの金属イオンの除去に関して冷却媒体の浄化の向上も可能にする。
【0023】
燃料電池システムの液体冷却媒体は、PEM燃料電池のPEM(陽イオン交換膜)および/または触媒層の作用を損なわせるおそれがあるため、主として金属イオンに関して、通常、可能な限り純粋でなければならない。このため、通常、イオン交換器カートリッジが冷却媒体回路に一体化される。イオン交換材料のイオン交換容量は、しかしながら、経時的に減少するため、イオン交換器カートリッジは定期的に交換されなければならない。このため、それは可能な限り容易にアクセス可能な位置に配置されるべきである。イオン交換器を容器に一体化することにより、およびさらに特定の位置配向により、イオン交換材料の効率は向上しうる。
【0024】
本発明による構造により、有利にはイオン交換器カートリッジ内における液体冷却媒体のより長い滞留時間が達成されうる。このようにして、冷却媒体とイオン交換器媒体の接触時間が延長されるため、イオン交換の効率が向上する。浄化効果が向上し、それによりしたがって冷却媒体はさらにより純粋になる。さらに、イオン交換器カートリッジの交換性は大幅に向上する。いかなる冷却媒体も排出されてはならず、イオン交換器カートリッジは簡単な手法で取り外されうるため、有害な汚染物質の冷却回路内への導入という問題は回避されうる。本発明によるイオン交換器ユニットまたはイオンの特定の位置を有する冷却媒体補償容器の構造により、このユニットは、交換器が冷却媒体を排出することなく快適にかつ効率的に取り外すおよび取り替えることができ、また冷却回路内への汚染物質の導入を少なくとも削減するか、またはさらには可能な限り回避することができる。
【0025】
一体化、およびしたがって、インターフェースの排除により、より簡単およびより信頼性の高い取り付け工程が提供されるため、冷却システム内の漏れが防止される。イオン交換器の案内された鎖錠動作がさらに摺動のおそれを防ぐとともに、完全な機能性を保証する。特にこのタイプの、鎖錠動作の形態の、特定の非破壊の着脱可能な連結は、冷却媒体補償容器からのイオン交換器の簡単な分離をなお提供する一方で、位置安定性のある取り付けを可能にする。
【0026】
この文脈においては、容器内におけるイオン交換器の直立連結は、イオン交換器の長手方向の軸が冷却媒体補償容器の長手方向の軸に対して最大45度の角度で配置されるような位置と理解される。特に、および特に好適な配置において、イオン交換器は冷却媒体補償容器内において垂直方向に配置されるように、冷却媒体補償容器の長手方向の軸とイオン交換器の長手方向の軸が平行または同軸に配置されるようになっている。上述の利点は、したがって、特別な手法で達成されうる。さらに、イオン交換器のこの直立した、特に垂直な配置により、イオン交換材料が押し流されることが回避され、このようにしてイオン交換器の効率は向上しうる。特に、イオン交換器の垂直位置およびイオン交換器を、好ましくは底部から上部であるが、任意選択で同様に上部から底部に通過する冷却媒体の流れにより、滞留時間およびしたがって、冷却媒体からイオン交換材料へのイオンの交換が向上する。インターフェースの削減、および2つの構成要素の、1つの構成要素への一体化により、取り付け、点検および保守作業に関する利点ならびに重量の利点が提供される。イオン交換器カートリッジの鎖錠動作のため、それは、緩まるかまたは摺動することなく迅速にかつさらなる固定手段なしで取り付けられ、車両に典型的な振動(震動)にさえも問題なく耐える。
【0027】
インサートまたはカートリッジを補償容器内の定められたインターフェースに鎖錠することにより、さらなるねじおよびホースクランプなどの取り付け部品はもはや必要ない。
【0028】
これまで、公知の構成では、イオン交換器インサートまたはカートリッジは車両内に水平に配置されており、それがカートリッジのイオン交換材料のチャネル形成、押し流しおよび破壊の原因となっている。これは、冷却媒体がカートリッジを通る最も低い抵抗の経路を探し、イオンの交換なくイオン交換器を通過してイオン交換材料内に流れるという結果を有する。本発明によるイオン交換器の直立、特に垂直配置により、この重力効果は顕著でない。好ましくは、補償容器は、ベンチング機能を確実にするための物理的理由のために常に車両内の上部に可能な限り離して配置される。簡単にアクセスできることにより、イオン交換器の形態の点検部品も上方から快適にアクセス可能となり、かつ他の構成要素が取り外されることなく交換できることが可能となる。
【0029】
一実施形態では、冷却液容器は、その上端部に(上部側方に)回収チャンバから冷却液を排出するための出口開口部を有する。
【0030】
さらなる実施形態では、冷却液容器は、イオン交換器の除去および設置のためのカバーを有し、カバーは、イオン交換器の上壁に作用するためのばねを有する。このようにして、イオン交換器は、震動等による摺動に対してさらによりしっかりとそれを安定させるためにさらに固定されうる。
【0031】
イオン交換器の除去および設置のためのカバーのばねは、イオン交換媒体の圧縮というさらなる機能も満たしうる。
【0032】
一実施形態では、冷却液容器は、冷却液を補充するための補充ソケットを有する。補充ソケットは圧力補償システムが設けられるねじクロージャにより閉鎖可能となりうる。
【0033】
一実施形態では、補充ソケットを閉鎖するためのねじクロージャは、例えば、ねじクロージャがイオン交換器カートリッジを交換することにより後者とともに交換されるような手法でイオン交換器カートリッジと一体的に連結されうる。
【0034】
さらなる実施形態では、冷却液容器は、好ましくはフロートに設けられる充填レベルセンサを有する。充填レベルセンサのコネクタは、外部から補償容器の底部にアクセス可能となるように配置されうる。
【0035】
目的は最終的に本発明によればイオン交換媒体を圧縮するための押圧デバイスを備えたイオン交換器カートリッジにより解決される。これは、イオン交換媒体が均等に圧縮され、優先流路の形成が防止されるという利点を有する。イオン交換媒体は処理されることになる流体により均等に通過して流れ、これがイオン交換効率および有効寿命を増加させる。このようにして、イオン交換器カートリッジは、コンパクトかつ省スペースになるよう構成されうる。
【0036】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、本発明の実施形態が図面の支援によってより詳細に説明される以下の説明により理解されうる。当業者は、図面、説明および請求項と組み合わせて開示される特徴を、便宜的に、また個別に考慮し、またそれらを適切なさらなる組み合わせと組み合わせる。それは以下に示される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】イオン交換器カートリッジが一体化された補償容器を備えた自動車両の燃料電池システムの冷却回路を概略的に示す。
【図2】図1の冷却回路内で使用されるようなイオン交換器カートリッジを備えた補償容器の第1の実施形態の第1の側面図を概略的に示す。
【図3】図2の補償容器の第2の側面図を概略的に示す。
【図4】図2の補償容器の図を斜め上方から概略的に示す。
【図5】図2の補償容器をその中に示される線V−Vに沿って切った長手方向断面図を概略的に示す。
【図6】図2の補償容器をその中に示される線VI−VIに沿って切った断面図を概略的に示す。
【図7】図1の冷却回路と関連して使用されるようなイオン交換器カートリッジを備えた補償容器の第2の実施形態の詳細の長手方向断面図を概略的に示す。
【図8】図1の冷却回路内で使用されるようなイオン交換器カートリッジを備えた補償容器の第3の実施形態の詳細の長手方向断面図を概略的に示す。
【図9】図8のイオン交換器カートリッジに類似するイオン交換器カートリッジの等角図を概略的に示す。
【図10】図9のイオン交換器カートリッジのカートリッジカバーを概略的に示す。
【図11】図9および10のカートリッジカバーの断面図を概略的に示す。
【図12】イオン交換器カートリッジが配置される回収器を有するラジエータの分解図を概略的に示す。
【図13】冷却媒体補償容器の実施形態の断面図である。
【図14】冷却媒体補償容器のさらなる実施形態である。
【図15】冷却媒体補償容器のさらなる実施形態によるばねによるイオン交換器のさらなる固定。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図では、同じ構成要素には同じ参照符号が付与される。
【0039】
図1では、自動車両の燃料電池システム12の冷却回路10が示される。燃料電池システム12は1つまたはいくつかの燃料電池を含んでもよい。
【0040】
冷却回路10は、冷却水または水性冷却液混合物を含む冷却液のための主要導管システム14を含む。主要導管システム14は、冷却のために燃料電池システム12と連結される。主要導管システム14内には、さらに冷却液のためのポンプ16およびラジエータの形態の熱交換器18がある。
【0041】
冷却回路10は、図2から6に詳細に示されている冷却液のための補償容器20をさらに含む。補償容器20は、主要導管システム14と流体的に連結されるバイパス導管22内に配置される。補償容器20内には、冷却液を処理するためのイオン交換器カートリッジ24が一体化される。イオン交換器カートリッジ24により冷却液の導電率は低下する。主要導管システム14内にはサーモバルブ26が配置される。サーモバルブ26によって、バイパス導管22および補償容器20を通過する冷却液の流れはこの文脈においては重要ではない手法で制御される。
【0042】
図5に断面図で示される補償容器20は、カバー部分32により密閉的に閉じられる基礎部分30を含む。カバー部分32は基礎部分30に溶接される。
【0043】
補償容器20内には、補償容器20を、図6に示すように、6つのチャンバ36に分離する冷却液のためのバッフルプレート34が配置される。バッフルプレート34は、補償容器20が動く際に冷却液が前後にはねることを防ぐ。バッフルプレート34は、下部領域内に貫通開口部38を有し、貫通開口部38を通って冷却液がチャンバ36間に流れうる。上部領域内に、バッフルプレート34は、補償開口部40を有し、補償開口部40を通って、特に圧力補償のためにチャンバ36間に空気が流れうる。
【0044】
補償容器20の差し込み口チャンバ42内に、イオン交換器カートリッジ24が配置される。差し込み口チャンバ42はイオン交換器カートリッジ24が挿入される内部シリンダ44により境界が定められる。内部シリンダ44は、図5に示されるように、補償容器20の底部と周方向に密閉的に連結される。補償容器24の底部は、差し込み口チャンバ42のチャンバ底部46も形成する。ここで内部シリンダ44に隣接する補償容器20のチャンバ36への連結開口部48が実現されるように内部シリンダ44の上部リムは自由である。全体として漏斗形状の階段状のチャンバ底部46は、中に入口ソケット52が開口する流入スペース50の境界を定める。入口ソケット52は、補償容器20内への冷却液の供給のためのバイパスライン22に連結される。イオン交換器カートリッジ24に面するチャンバ底部46の内側の、内部カートリッジ24が軸方向に支持される位置に内部シリンダ44と同軸の支持リングが一体的に形成される。
【0045】
バッフルプレート34、内部シリンダ44および基礎部分30は、好ましくはプラスチック材料で、好ましくは一体的に形成される。
【0046】
イオン交換器カートリッジ24は、流入スペース50および入口ソケット52によってバイパスライン22と流体的に連結される。
【0047】
補償容器20の底部の差し込み口チャンバ42に隣接して、図6に示され、かつ補償容器20の外側において図2および3に示される出口ソケット56により囲まれる出口開口部54が配置される。出口ソケット56は補償容器20から冷却液を排出するためのバイパス導管22に連結される。
【0048】
補償容器20は、カバー部分32の空間的に上部に差し込み口チャンバ42の内部シリンダ44と同軸の差し込み口開口部60を備えた差し込み口ソケット58を有する。差し込み口開口部60を通り、イオン交換器カートリッジ24は補償容器20の差し込み口チャンバ42内に導入されうるとともに容易に交換されうる。差し込み口ソケット58は、差し込み口開口部60を閉じるために、その中に、外部ねじ山を備えたカップ形状の差し込み口ソケット62がねじ込まれる内部ねじ山を有する。差し込み口カバー62は、差し込み口ソケット58に対して差し込み口カバー62を密閉する環状のシール66を備えた周方向の密閉溝64を有する。差し込み口カバー62の開口端面は補償容器20の内部に面する。差し込み口カバー62の内部には、軸方向に延在する中空のプッシュシリンダ68が、好ましくは差し込み口カバー62と一体的に取り付けられ、その自由リムは、差し込み口カバー62を内部シリンダ44に対して軸方向にねじ止めする際にイオン交換器カートリッジ24の圧力ディスク70を押す。
【0049】
カバー部分32上の差し込み口ソケット58に隣接して、冷却液を補充するための補充ソケット72が配置される。補充ソケット72は図1から6では図示されないねじクロージャにより閉鎖可能であり、またこの文脈においては関心事ではない圧力補償手段を含む。
【0050】
イオン交換器カートリッジ24には、図5に概略的に示されるのみであり、その機能はこの文脈においてこれ以上説明されないイオン交換顆粒73が充填される。イオン交換器カートリッジ24は、上部領域内に冷却液のための出口開口部76を有するジャケット74を有する。出口開口部76は内部シリンダ44のコネクタ48と整列される。イオン交換器カートリッジ24のカートリッジ底部78は、図6に示される入口開口部80を有し、入口開口部80を通って冷却液が流入スペース50からイオン交換器カートリッジ24の内部に流れ出うる。
【0051】
冷却液は、イオン交換顆粒73を底部から上部へ矢印81の方向に通過して流れなければならず、またその中で処理される。それは出口開口部76を通過してイオン交換器カートリッジ24からのみ出ることができる。このようにして、イオン交換器カートリッジ24を通過する冷却液の流れはあらかじめ定められている。出口開口部76から、処理された冷却液は連結開口部48を通過してチャンバ36内に流れる。ここから、冷却液は出口開口部54および出口ソケット56を通過してバイパス導管22b内に流れる。
【0052】
内部シリンダ44は、さらにイオン交換器カートリッジ24を囲む。図示されない、例えば、流体透過性の格子のようなジャケットを備えた、代替的なイオン交換器カートリッジを使用する場合、内部シリンダ44は、すでにイオン交換器カートリッジ24の下部領域内にある冷却液がイオン交換顆粒73のすべてを通過することなくジャケットを通ってそこから出る可能性を防ぐことから、イオン交換器カートリッジを通過する冷却液の流れを決定する。
【0053】
カートリッジ底部78の領域では、ジャケット74は階段状であり、チャンバ底部46の形状に合致する。ジャケット74は、環状のシール84を備えた周方向の密閉溝82を有する。環状のシール84は、ジャケット74をチャンバ底部46に軸方向に延在する領域に対して半径方向に密閉する。
【0054】
その上端面において、イオン交換器カートリッジ24は、イオン交換器カートリッジ24のジャケット74内において軸方向に摺動可能な圧力ディスク70によって閉じられる。ねじクロージャ62のねじ込みの際、圧力ディスク70はプッシュシリンダ68により軸方向に押し込まれ、イオン交換顆粒73に与圧する。このようにして、冷却液がイオン交換顆粒73内において優先流路を形成することを防止する。
【0055】
補償容器20は、図5および6に示されるフロート88を備えた充填レベルセンサ86をさらに含む。図2、3および5に示される充填レベルセンサ86のコネクタ90が外部からアクセス可能となるように補償容器20の底部に配置される。
【0056】
図7に示される第2の実施形態では、図1から6に示される第1の実施形態のものに類似する要素には同じ参照符号が付与されるため、それら説明については第1の実施形態に関する説明を参照されたい。この実施形態は、イオン交換器カートリッジ24のジャケット74上にスナップ連結部112によって固定的に差し込まれるカートリッジカバー110が設けられる点において第1のものとは異なる。
【0057】
スナップ連結部112は、対で相互に作用するロッキングノーズ(locking noses)およびロッキングアイ(locking eyes)を含む。ロッキングノーズ(locking noses)は、ジャケット74の半径方向外側周方向側部に位置する。ロッキングアイ(locking eyes)は、カートリッジカバー110のリム領域上に配置される。軸方向のねじクロージャ62のプッシュシリンダ68は第1の実施形態におけるものよりも短い。プッシュシリンダ68の自由リムは、カートリッジカバー110と係合し、このようにしてイオン交換器カートリッジ24全体を差し込み口チャンバ42内に軸方向に押し込む。
【0058】
イオン交換器カートリッジ24の内部に面するカートリッジカバー110の内側に、圧力ディスク70が、弾性のある、ほぼ中空の円筒状の折りたたまれたベローズ114によって取り付けられる。折りたたまれたベローズ114はジャケット74と同軸である。ジャケット74内における圧力ディスク70の軸方向移動を可能にする。圧力ディスク70と折りたたまれたベローズ114は一体構造とすることができる、またはいくつかの構成要素を組み合わせることができる。
【0059】
折りたたまれたベローズ114の自由リムは、カートリッジカバー110の溝に取り付けられ、カートリッジカバー110とジャケット74の自由リムの間に密閉的にクランプされる。カートリッジカバー110、折りたたまれたベローズ114および圧力ディスク70は、ばねチャンバ116の境界を定める。ばねチャンバ116は、冷却液がばねチャンバ116内に入れないようにイオン交換器カートリッジ24の内部に対して密閉的に閉じられる。カートリッジカバー110は、プッシュシリンダ68の内部に圧力補償開口部118を有する。差し込み口カバー62は、カートリッジカバー110を開閉するための特殊な工具により係合されうる係合シリンダ120を含む。このようにして、カートリッジカバー110の無用の開口が困難になる。ばねチャンバ116内にはジャケット74と同軸の螺旋状の圧力ばね122が配置される。螺旋状の圧力ばね122は、一端をカートリッジカバー110の内側に、および他端をカートリッジカバー110に面する圧力ディスク70の側部に支持される。螺旋状の圧力ばね122のセンタリングのため、環状のガイドカラー124および126が、それぞれカートリッジカバー110の内側におよび圧力ディスク70の対応する側に配置される。
【0060】
カートリッジカバー110を備えた押圧デバイス、圧力ディスク70および螺旋状の圧力ばね122は、例えば、イオン交換顆粒73が沈下するとすぐに圧縮が自動的に再調節されるという効果を有する。
【0061】
図7において、補充ソケット72はねじクロージャ128で閉じられた状態で示される。ねじクロージャ128は圧力補償システム130を有する。
【0062】
図8に示される第3の実施形態では、図7に示される第2の実施形態のものに類似する要素には同じ参照符号が付与されるため、それら説明については第2の実施形態の説明を参照されたい。この実施形態は、差し込み口ソケット58が外部ねじ山を有するとともに差し込み口カバー62が内部ねじ山を有し、差し込み口カバー62が差し込み口ソケット58上にねじ止めされるという点において第2のものとは異なる。
【0063】
カートリッジカバー110は、螺旋状の圧力ばね122が一端においてカートリッジカバー110の底部のくぼみ内に支持されるカップ形状の構成である。圧力ディスク70は、ばねチャンバ116に対して半円形状の外形に曲げられる外側の可動可能なリム領域132を含む。可動可能なリム領域132は、その半径方向の外側リムがカートリッジカバー110のリムの端面の溝内にあり、かつジャケット74の端面リムとカートリッジカバー110の端面リムとの間に密閉的にクランプされたままで取り付けられる。可動可能なリム領域132は、第2の実施形態の折りたたまれたベローズ114と類似し、圧力ディスク70の、イオン交換器カートリッジ24に対する軸方向の可動性を可能にし、ばねチャンバ116はイオン交換器カートリッジ24の内部に対して密閉的に閉じられる。
【0064】
図9から11では、図8の第3の実施形態のイオン交換器カートリッジ24に類似する、カートリッジカバー110を備えたイオン交換器カートリッジ24が示される。図9から11のカートリッジカバー110では、そのリムの端面上に可動可能なリム領域132の外側リムのための溝は設けられない。
【0065】
図12では、そうでなければ図示されない、図1のものに類似する冷却回路のラジエータ218が、分解図において示される。図12のラジエータ218は上部に冷却液のための流入ソケットを備えた分散器222を含む。図12では、冷却液のための排出ソケット256を含むラジエータ218の回収器220が底部に示される。分散器222と回収器220の間に冷却部材223が配置される。回収器220は、本発明の意味においては容器である。回収器220内には、両端面において開口する内部シリンダ244が配置される。内部シリンダ244は、イオン交換器カートリッジ24のための差し込み口242としての役割を果たし、この実施形態におけるそのジャケットは連続的な格子形状のものである。回収器220は、一方の側に閉鎖可能な開口部260を有し、それを通ってイオン交換器カートリッジ24が内部シリンダ244内に押されうる。
【0066】
回収器220の代わりに、イオン交換器カートリッジ24のための差し込み口を提供するのに適したラジエータの他のあらゆる領域もまた本発明の意味においては容器と考慮されうる。
【0067】
図13は、補償容器301が自動車両の燃料電池システム内に配置されるさらなる実施形態を示す。補償容器301は、この燃料電池システムの冷却媒体回路内に配置され、燃料電池システムの燃料電池の冷却のために使用される(液体)冷却媒体または冷却液がこの冷却媒体補償容器を通過して流れる。冷却媒体が通過する際に、金属イオンなどの汚染物質が(液体)冷却媒体から除去される。
【0068】
このため、冷却媒体補償容器301は、容器301に一体化されるならびに着脱可能な非破壊手法で容器301内におよび容器301から挿入可能および取り外し可能なイオン交換器302またはイオン交換器ユニットを含む。特に、このためにイオン交換器302の機械的な鎖錠のための手段が提供される。
【0069】
鎖錠動作は、簡単な鎖錠フックまたは鎖錠クリップにより提供されうる。また、鎖錠突起が設けられ、かつイオン交換器302のまわりに周方向に半径方向に延在するストリップが設けられうる。
【0070】
容器301は、ほぼ中心に、イオン交換器302がその中に導入されうる差し込み口チャンバ303が形成される長手方向の軸Aを有する。イオン交換器302は、細長いシリンダ形状のインサートまたはカートリッジとして形成され、イオン交換器302内に収容されるイオン交換材料304(例えば、適切なイオン交換樹脂)を含む。イオン交換材料は、イオン交換器302内に遊離したバルク材料(loose bulk material)として提供されうる。バルク材料は、次いで、重力の作用のみによりイオン交換器302の底部に固定され、したがって、その重量のためイオン交換器302から流れ出る冷却媒体による望ましくない押し流しに耐える。この実施形態は、技術的に特に簡単であり、さらに安価である。必要ならば、バルク材料は、例えば、スクリーン、フリット、ファイバーグラスパッド等によっても保持されうる。示される実施形態では、イオン交換器302は容器301内において垂直方向に配置され、これは、軸Aがイオン交換器302の長手方向の軸に一致し、したがって、イオン交換器302の軸と容器302の軸の同軸配置が提供されることを意味する。
【0071】
垂直壁305により側方に境界が定められる差し込み口チャンバ303に隣接して、容器301は、浄化された冷却媒体が回収され、冷却回路内に戻される回収チャンバ306も有する。回収チャンバ306は、したがって、差し込み口チャンバ303を環状の形状で囲む。差し込み口チャンバ303の底部307は、同時にまた、容器301の底部も形成する。底部307は冷却媒体回路に連結される入口開口部309を有する。入口開口部309を通過して、冷却媒体は差し込み口303内に流れる。冷却媒体としては、例えば、超純水が適切である。さらに、冷却媒体として、超純水とエチレングリコールの混合物(例えば、BASF社のGlysantin)、いわゆる冷却媒体混合物も適切である。示される矢印により、したがって冷却媒体がイオン交換器302を通過して底部から上部へ流れる流れ方向が示される。冷却媒体または冷却液は、したがって、冷却媒体導管および入口開口部309によって容器301内に底部から供給され、次いで、差し込み口スペース303内において、流体透過性のファイバーグラスパッドによるバルク材料の表面全体にわたる冷却媒体の分散が達成される。特に、イオン交換器302の底部は、底部307の内側に対して離間するように差し込み口スペース303内に配置される。
【0072】
冷却媒体は、次いで、イオン交換材料304を底部から上部に通過して流れる。イオン交換材料304から出る際、左および右に向く矢印によれば、次いでそれはイオン交換器302から回収チャンバ306内に渡されるように、イオン交換器302の壁内にならびに壁305内に形成される複数の開口部308を通過してイオン交換器302の上部領域内に導入される。開口部308は、したがって、容器301の上部領域内に、および同様に、回収チャンバ306の上部領域内に、または回収チャンバ306の境界を定める壁に形成される。シャフトのような差し込み口303は、したがって、容器301内の中間の中心に形成される。上端部において、イオン交換器302および差し込み口チャンバ303はカバー(不図示)により被覆されうる。
【0073】
上部の側方に、出口開口部310が、回収チャンバ306から離れて延在し、かつ冷却回路に結合され、冷却媒体を回収チャンバ306から冷却回路内に排出するために形成される。
【0074】
図14は、本発明による冷却媒体補償容器301の変形物を示す。図13と対照的に、出口開口部310は、冷却媒体補償容器301の底部に配置される。このようにして、回収チャンバ306内に流れる冷却媒体の混練の改善および冷却回路のより安全なベンチングが保証されうる。示される冷却媒体補償容器301は、イオン交換器302の除去および設置または交換のための第1のカバー311および冷却媒体または冷却液の補充または交換の可能性のための第2のカバー312の、さらに2つのカバーを有する。
【0075】
カバー312は、図15に示すように、イオン交換器302の上壁上に作用するばね313を有しうる。このようにして、イオン交換器302は、鎖錠のための機械的な手段により固定されるのに加えて、震動等による摺動に対してそれをさらによりしっかりと取り付けるために固定されうる。
【0076】
冷却回路10の、補償容器20,301の、イオン交換器カートリッジ24,302の、およびラジエータ218の上記の実施形態のすべてにおいてとりわけ以下の変更が可能である。
【0077】
本発明は、自動車両の燃料電池システム12の回路10に限定されるものではない。それはまた、定置型の燃料電池システム内もしくは他のタイプの機能システム、例えば内燃機関または空調デバイスの冷却デバイス内に使用されうる。
【0078】
イオン交換器カートリッジ24,302の代わりに、異なるイオン交換器または異なる処理ユニット、例えば、冷却液のためのフィルタも補償容器20,301またはラジエータ218に一体化されうる。
【0079】
イオン交換器カートリッジ24,302は、交換可能な代わりに、補償容器20,301内に固定的にも配置されうる。例えば、交換してはならない自己再生処理ユニットも設けられうる。
【0080】
イオン交換器カートリッジ24,302のための差し込み口開口部64は、上部に配置される代わりに、補償容器20,301内の側方または底部にも配置されうる。
【0081】
イオン交換器カートリッジ24,302または他のタイプの処理ユニットは、補償容器20,301の代わりに冷却液のための他のタイプの容器に一体化されうる。
【0082】
貫通開口部46を備えて上部のみに設けられるイオン交換器カートリッジ24,302のジャケット74を備えた内部シリンダ44の代わりに、イオン交換器カートリッジ24,302を通過する冷却液の流れをあらかじめ設定する他のタイプの構成要素も設けられうる。上部のみ開口するイオン交換器カートリッジ24,301の内部シリンダ44またはジャケット74のいずれかを提供することもまた可能である。内部シリンダ44を使用する場合、それらの高さ全体にわたる流体透過性のジャケットを有するイオン交換器カートリッジも使用されうる。
【0083】
バッフルプレート24の代わりに、他のタイプのバッフルデバイスまたはスプラッシュガードデバイス、例えば、冷却液のためのスプラッシュリブ(splash rib)も補償容器20内に配置されうる。
【0084】
冷却回路10は、異なる手法でも構成されうる。例えば、補償容器20,301は、バイパス導管22内の代わりに、同様に主要導管システム14内の異なる位置に配置されうる。イオン交換器カートリッジ24,302を備えた補償容器20,301は、冷却回路10の高温側にも配置されうる。
【0085】
溶接される代わりに、カバー部品32は、また、補償容器20,301の基礎部分30と異なる手法で密閉的に連結されうる、例えば、ねじ止めされる。
【0086】
イオン交換器カートリッジ24,302は、冷却デバイス内の代わりに種々の流体を処理するための他のタイプのデバイスにも使用されうる。
【0087】
補償容器20,301を通過する冷却液の流れは、逆方向にも実現されうる。入口ソケット52の機能および出口ソケット56の機能は、したがって、切り換えられる。イオン交換器カートリッジ24,302は、したがって、上部から底部へ通過して流される。補償容器内への冷却液の供給は、上方からも実現されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能システム、特に燃料電池システム(12)、特に自動車両の冷却デバイス(10)であって、冷却のために前記機能システム(12)に連結される冷却液のための導管システム(14,22)と、前記導管システム(14,22)に流体的に連結される前記冷却液のための容器(20;220;301)と、前記導管システム(14,22)に流体的に連結される前記冷却液を処理するための処理ユニット、特にイオン交換器(24,302)と、を含む、冷却デバイス(10)において、前記容器(20;220;301)は、前記処理ユニット(24)のための差し込み口(42;242;303)を含むことを特徴とする、冷却デバイス(10)。
【請求項2】
前記容器は補償容器(20;301)であることを特徴とする、請求項1に記載の冷却デバイス。
【請求項3】
前記容器(20;220;301)は、特に空間的に上部に、閉鎖可能な開口部(60;260)を有し、前記開口部(60;260)を通して、前記処理ユニット(24,302)を、前記容器(20;220;301)の内部に、特に交換可能に導入しうることを特徴とする、請求項1または2に記載の冷却デバイス。
【請求項4】
前記処理ユニットは、特にイオン交換器カートリッジ(24;302)であるイオン交換器を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の冷却デバイス。
【請求項5】
前記イオン交換器(24)は、粒状イオン交換媒体(73)を圧縮するための押圧デバイス(70;110,122)を含むことを特徴とする、請求項4に記載の冷却デバイス。
【請求項6】
容器(20;220)および/または前記処理ユニット(24)は、少なくとも1つの構成要素、特に前記処理ユニット(24)を通過する前記冷却液の流れをあらかじめ設定する、前記処理ユニット(24)のためのジャケット(44;74;244)を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の冷却デバイス。
【請求項7】
前記容器(20)内に前記冷却液のためのバッフルデバイスまたはスプラッシュガードデバイス、特にバッフルプレート(34)および/またはバッフルリブが配置されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の冷却デバイス。
【請求項8】
前記容器(20)は、前記燃料電池システム(12)の冷却のために主要導管システム(14)と流体的に連結されるバイパス導管(22)内に位置することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の冷却デバイス。
【請求項9】
冷却液のための冷却デバイス(10)の導管システム(14,22)および前記導管システム(14,22)と流体的に連結可能な前記冷却液のための容器(20;220;301)と連結される、機能システム、特に燃料電池システム(12)、特に自動車両の冷却デバイス(10)の冷却液を処理するための処理ユニット、特にイオン交換器(24,302)であって、前記処理ユニット(24,302)は、前記容器(20;220,301)の適切な差し込み口(42;242;303)内に配置されうるように設計されることを特徴とする、処理ユニット。
【請求項10】
イオン交換器、特に、粒状イオン交換媒体(73)を圧縮するための押圧デバイス(70;110,122)を含むイオン交換器カートリッジ(24)を含むことを特徴とする、請求項9に記載の処理ユニット。
【請求項11】
機能システム、特に燃料電池システム(12)、特に自動車両の冷却デバイス(10)の冷却液容器、特に冷却液補償容器(20,301)であって、冷却のために前記機能システム(12)に連結される冷却液のための導管システム(14,42)と流体的に連結可能であり、前記導管システム(14,42)は、処理ユニット、特に前記冷却液を処理するためのイオン交換器(24,302)と流体的に連結される、冷却液容器において、前記冷却液容器(20,301)は、前記冷却液容器(20,301)内に直立して配置される前記処理ユニット(24,302)および/またはイオン交換器(24,302)の一体化のための差し込み口(42,303)を有することを特徴とする、冷却液容器。
【請求項12】
前記イオン交換器(24,302)は、前記冷却液容器(20,301)内において前記冷却液容器(20,301)の長手方向の軸(A)と前記イオン交換器(24,301)の長手方向の軸(A)が平行または同軸に配向されるように配置されることを特徴とする、請求項11に記載の冷却液容器。
【請求項13】
前記イオン交換器(24,302)は、前記冷却液容器(20,301)内において冷却液が前記イオン交換器(24,302)を通過して底部から上部に、または上部から底部に流れるように配置されることを特徴とする、請求項11または12に記載の冷却液容器。
【請求項14】
前記イオン交換器(24,302)は、前記冷却液容器(20,301)内に、着脱可能に、好ましくは鎖錠されて配置されることを特徴とする、請求項11から13のいずれか1項に記載の冷却液容器。
【請求項15】
前記差し込み口は、前記冷却液のための回収チャンバ(36,306)から側壁(44,305)により分離される、前記イオン交換器(24,302)のためのシャフトのような差し込み口スペース(42,303)として形成され、前記壁(44,305)の前記上部領域内に、前記イオン交換器(24,302)を通過して前記回収チャンバ(36,306)に入る前記冷却液の通路のための少なくとも1つの開口部(48,308)が形成され、前記回収チャンバ(36,306)は、好ましくは前記差し込み口スペース(42,303)を環状に囲むことを特徴とする、請求項11から14のいずれか1項に記載の冷却液容器。
【請求項16】
前記シャフトのような差し込み口スペース(42,303)の底部(46,307)は前記冷却液容器(20,301)の底部であり、前記冷却液のための、前記差し込み口スペース(42,303)に入る少なくとも1つの入口開口部(52,309)は前記底部(46,307)に形成されることを特徴とする、請求項15に記載の冷却液容器。
【請求項17】
前記冷却液容器(301)は、その上端部に、前記回収チャンバ(306)から前記冷却液を排出するための出口開口部(310)を有することを特徴とする、請求項15または16に記載の冷却液容器。
【請求項18】
前記イオン交換器(302)の前記上壁上に作用するためのばね(313)を含む前記イオン交換器(302)の除去および設置のためのカバー(311)を特徴とする、請求項11から17のいずれか1項に記載の冷却液容器。
【請求項19】
冷却液を補充するための補充ソケット(72)を特徴とする、請求項11から18のいずれか1項に記載の冷却液容器。
【請求項20】
好ましくはフロート(88)を備える充填レベルセンサ(86)を特徴とする、請求項11から19のいずれか1項に記載の冷却液容器。
【請求項21】
カートリッジカバー(110)と、その中に配置される粒状イオン交換媒体(73)とを含む、流体、特に冷却液を処理するためのイオン交換器カートリッジ(24)であって、前記イオン交換媒体(73)を圧縮するための押圧デバイス(70,110,122)を特徴とする、イオン交換器カートリッジ(24)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−502031(P2013−502031A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524238(P2012−524238)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061808
【国際公開番号】WO2011/018508
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(505229863)マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (86)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】