説明

機能増強剤を含む液体洗濯洗剤組成物

アニオン性界面活性剤、布地ケア剤、カチオン性付着補助剤及び機能増強剤を含む液体洗濯洗剤組成物が開示される。機能増強剤は、それがカチオン性付着補助剤又は布地ケア剤と反応して、コアセルベートを形成しないように、及び/又は、溶液から沈殿しないように、選択される。このような機能増強剤は、カチオン性付着補助剤と相互作用するアニオン性界面活性剤及び/又は布地ケア剤の洗浄有効性の低下を補うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アニオン性界面活性剤、布地ケア剤、カチオン性付着補助剤及び機能増強剤を含む液体洗濯洗剤組成物に関する。機能増強剤は、それがカチオン性付着補助剤又は布地ケア剤と反応して、コアセルベートを形成しないように、及び/又は、溶液から沈殿しないように、選択される。このような機能増強剤は、カチオン性付着補助剤と相互作用するアニオン性界面活性剤及び/又は布地ケア剤の、洗浄有効性の低下を補うことができる。
【背景技術】
【0002】
布地を洗濯すると、シミ、匂い及び汚れなどを取り除くことができる。残念なことに、洗濯プロセスはまた布地に機械的及び/又は化学的損傷を付与することがあり、これが今度は望ましくない副作用(しわ、色落ち、転染、毛玉/毛羽立ち、布地の磨耗、繊維の劣化、及び硬化などが挙げられるがこれらに限定されない)をもたらすことがある。したがって、洗剤、布地コンディショナー、並びに他の洗浄、すすぎ、及び乾燥機添加製品などの多くの洗濯製品は典型的には、1種以上の布地ケア剤を含む。布地ケア剤は、望ましくない副作用を削減若しくは防止するための、及び/又は、例えば、外見及び感触などの布地の特性を向上させるための試行において、洗濯製品に添加される。
【0003】
布地ケア剤は、多くの場合、洗濯/洗浄プロセス中の布地上への貧弱な送達効率により、限られた利益しか提供しない。理論に束縛されるものではないが、貧弱な送達効率は、自然引力の欠如による布地ケア剤と布地との間の限られた親和性の結果であると考えられている。典型的には、布地ケア剤は、効果的な洗浄を提供するように洗濯製品に存在することがあるアニオン性界面活性剤との相互作用を回避するために、アニオン性又は非イオン性である。綿、ウール、絹、及びナイロンなどのような多くの布地繊維は洗浄液中でわずかにアニオン性電荷を帯びているため、引力の代わりに反発力が布地ケア剤と布地繊維との間に存在することがあり、これにより、布地に対する剤の貧弱な送達効率が生じる。
【0004】
洗浄プロセスにおいて活性物質の付着を増進するために、カチオン性付着補助剤が洗濯製品に使用されることがある。カチオン性付着補助剤は高分子量ポリマーであり、洗浄液中でアニオン性界面活性剤とコアセルベートを形成することがある。理論に束縛されるものではないが、コアセルベートは洗浄プロセス中に布地上に付着して、布地ケア剤を運ぶと考えられている。しかしながら、この相互作用はアニオン性界面活性剤の洗浄効率を低減すると考えられている。更に、カチオン性付着補助剤は、負電荷を含む布地ケア剤と相互作用して、溶液から沈殿し、これによりこれらの効率をなお削減することがあると考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえに、カチオン性付着補助剤と又は負電荷を含む布地ケア剤と相互作用して、コアセルベートを形成しない及び/又は溶液から沈殿しない機能増強剤を液体洗剤組成物中に組み込むことが望ましい。このような機能増強剤は、カチオン性付着補助剤と相互作用するアニオン性界面活性剤及び/又は布地ケア剤のあらゆる洗浄有効性の低下を補うことができる。改善された外見、芳香及びレオロジーが挙げられるがこれらに限定されない、好ましい美的な利益を液体洗濯洗剤組成物に与える成分を組み込むことも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は液体洗濯洗剤組成物に関し、液体洗濯洗剤組成物は前記組成物の重量パーセントで、約1重量%〜約80重量%のアニオン性界面活性剤;約0.1重量%〜約10重量%の布地ケア剤;約0.01重量%〜約2重量%の付着補助剤;並びに、酵素、アニオン性ポリマー及び光沢剤から選択される約0.05重量%〜約10重量%の機能増強剤を含む。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態では、本組成物で有用であるアニオン性界面活性剤は、C〜C22脂肪酸又はその塩;C11〜C18アルキルベンゼンスルホン酸塩;C10〜C20分枝鎖及びランダムアルキル硫酸塩;C10〜C18アルキルアルコキシ硫酸塩(式中、xは1〜30である);中鎖分枝状アルキル硫酸塩;中鎖分枝状アルキルアルコキシ硫酸塩;1〜5エトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボン酸塩;変性アルキルベンゼンスルホン酸塩;C12〜C20メチルエステルスルホン酸塩;C10〜C18α−オレフィンスルホン酸塩;C〜C20スルホコハク酸塩;及びこれらの組み合わせの群から選択される。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態では、液体洗濯洗剤組成物は真珠光沢剤を更に含む。有用である真珠光沢剤には、以下の群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない:雲母;オキシ塩化ビスマス;魚鱗;次式のアルキレングリコールのモノ若しくはジエステル:
【化1】

(式中、
a.Rは直鎖又は分枝鎖C12〜C22アルキル基であり、
b.Rは直鎖又は分枝鎖C2〜C4アルキレン基であり、
c.Pは、H、C1〜C4アルキル、又は−CORの群から選択され、並びに、
d.n=1〜3である。)
【0009】
本発明はまた、布地の洗濯方法にも関する。本方法は、洗濯される布地を、本発明の液体洗濯洗剤組成物と接触させる工程を含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
「布地」、「生地」、「衣類」は本明細書では互換的に使用されて、天然繊維、合成繊維及びこれらの組み合わせの機織り、縮絨、メリヤス編み、かぎ針編み、並びにこれらの組み合わせなどが挙げられるがこれらに限定されないあらゆる好適な手段を使用して製造される加工品を指す。不織布もまたこれらの用語により包含されることを意図されている。
【0011】
本明細書で使用する時、「機能増強剤」とは、カチオン性付着補助剤及び/又は布地ケア剤と「負に相互作用する」ことがない、洗浄を増進するための液体洗濯洗剤組成物に有用なあらゆる物質を指す。本明細書で使用する時、「負に相互作用する」とは、液体洗濯洗剤組成物それ自体の中に、及び/又は液体洗濯洗剤組成物が洗浄液中に存在する時に、コアセルベートを形成すること及び/又は溶液から沈殿することを指す。このような「負の相互作用」は、液体洗濯洗剤組成物の洗浄効率を低減することがある。
【0012】
「洗浄」は本明細書では最も広い意味で使用され、布地から不必要な物質を取り除くことを意味する。「洗浄」には、布地からの汚れの除去及び布地上への汚れの再付着の防止が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
本明細書で使用する時、「液体洗剤組成物」とは、「注ぐことが可能な液体」、「ゲル」、「クリーム」、及びこれらの組み合わせの群から選択される形態である組成物を指す。
【0014】
本明細書で定義する時、「注ぐことが可能な液体」とは、25℃、及び20秒−の剪断速度で約2000mPas未満の粘度を有する液体を指す。いくつかの実施形態では、注ぐことが可能な液体の粘度は、25℃、20秒−の剪断速度で約200〜約1000mPasの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態では、注ぐことが可能な液体の粘度は、25℃、20秒−の剪断速度で約200〜約500mPasの範囲にあってもよい。
【0015】
本明細書で定義する時、「ゲル」とは、25℃で及び20秒−の剪断速度で約2000mPasを超える粘度を有する透明な又は半透明な液体を指す。いくつかの実施形態では、ゲルの粘度は、25℃、20秒−の剪断速度で約3000〜約1万mPasの範囲にあってもよく、25℃、0.1秒−の剪断速度で約5000mPasを超えてもよい。
【0016】
「クリーム」及び「ペースト」は互換的に使用され、本明細書で定義する時、これらは、25℃で及び20秒−の剪断速度で約2000mPasを超える粘度を有する不透明な液体組成物を指す。いくつかの実施形態では、クリームの粘度は、25℃、20秒−の剪断速度で約3000〜約1万mPasの範囲にあってもよく、又は、25℃、0.1秒−の剪断速度で約5000mPasを超えてもよい。
【0017】
本明細書で使用する時、「含む」という用語は、本発明を実施する際に多様な構成成分、成分、又は工程を組み合わせて使用できることを意味する。したがって、「含む」という用語は、より制限された用語「から本質的になる」及び「からなる」を包含する。本組成物は、本明細書で開示されるいかなる必須要素及び任意要素も含むことができ、これらから本質的になることができ、又はこれらからなることができる。
【0018】
本明細書で使用する時、冠詞「a」、「an」及び「the」は、特に指示がない限り、「1つ以上」を指す。
【0019】
本明細書で使用する時、マーカッシュ言語は、特に指示がない限り、マーカッシュ群の個々の要素の組み合わせを包含する。
【0020】
本明細書で使用される全てのパーセント、比率及び割合は、特に規定がない限り、組成物の重量パーセントによる。全ての平均値は、特に明確に指示がない限り、組成物又はその構成成分の「重量により」計算される。
【0021】
本明細書で開示された全ての数値域は、範囲内の各個々の数を包含し、開示された範囲の上限値及び下限値のあらゆる組み合わせを包含することを意味する。
【0022】
本明細書で開示された寸法及び値は、列挙された厳密な数値に狭義に限定されるものとして解釈されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図されたものである。
【0023】
本液体洗濯洗剤組成物は、負電荷を含む特定の機能増強剤及びカチオン性付着補助剤の選択を介して上述の問題に対処して、これらが組成物の洗浄効率を低減するように「負に相互作用する」ことがないようにする。本液体洗濯洗剤組成物は、(I)アニオン性界面活性剤;(II)布地ケア剤;(III)カチオン性付着補助剤;及び(IV)機能増強剤を含む。いくつかの実施形態では、液体洗濯洗剤組成物は、(V)洗濯補助剤を更に含む。これらの構成成分並びにこのような組成物の調製方法及び使用方法は、以下に詳細に記載される。
【0024】
I.アニオン性界面活性剤
本発明の液体洗濯洗剤製品は、約1重量%〜約80重量%、又は約5重量%〜約50重量%のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。本発明で有用であるアニオン性界面活性剤は、J.ファルベ(J. Falbe)編「消費者製品における界面活性剤(Surfactants in Consumer Products)」(シュプリンガー・フェアラーク(Springer Verlag)(ベルリン(Berlin))出版、1986年)に記載されている。
【0025】
有用なアニオン性界面活性剤は、それら自体が、いくつか異なる種類の界面活性剤であることができる。例えば、高級脂肪酸の水溶性塩、すなわち「石鹸」は、本組成物において有用なアニオン性界面活性剤である。非限定例には、約8〜約24個の炭素原子又は約12〜約18個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルキロールアンモニウム塩などの、アルカリ金属石鹸が挙げられる。石鹸は、脂肪及び油の直接鹸化によって、又は遊離脂肪酸の中和によって製造することができる。いくつかの実施形態では、ココヤシ油及び獣脂から誘導される脂肪酸の混合物のナトリウム塩及びカリウム塩、すなわち、ナトリウム又はカリウム獣脂及びココヤシ石鹸、が使用される。
【0026】
本明細書に用いるのに好適な、非石鹸の更なるアニオン性界面活性剤には、その分子構造内に約10〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基とスルホン酸又は硫酸エステル基とを有する有機イオウ反応生成物のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩など水溶性塩が挙げられる。(用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる。)この群の合成界面活性剤の非限定例には、a)アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキル硫酸アンモニウム、特に、獣脂又はココヤシ油のグリセリドの還元によって製造されるものなどの高級アルコール(C〜C18炭素原子)を硫酸化することによって得られるもの;b)アルキルポリエトキシレート硫酸ナトリウム、アルキルポリエトキシレート硫酸カリウム、及びアルキルポリエトキシレート硫酸アンモニウム、特に、アルキル基が10〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有し、かつ、ポリエトキシレート鎖が1〜15個、好ましくは1〜6個のエトキシレート部分を含有するもの;並びに、c)アルキル基が直鎖若しくは分枝鎖構成で約9〜約15個の炭素原子を含有する、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びアルキルベンゼンスルホン酸カリウム、例えば、米国特許第2,220,099号及び同第2,477,383号に記載されている種類のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルキル基の平均炭素原子数が約11〜13個である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(C11〜C13LASと略される)が使用される。
【0027】
有用である更なるアニオン性界面活性剤には、アルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸エステルスルホネート、特にメチルエステルスルホネート、アルキルホスホン酸塩、アルキルエーテルホスホン酸塩、サルコシン酸塩、タウリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸イソチオネート、及びスルホコハク酸塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
いくつかの実施形態では、アニオン性界面活性剤には、C〜C22アルキル硫酸塩、C〜C22アルキルアルコキシ硫酸塩、C〜C22中鎖アルキル硫酸塩、C11〜C13アルキルベンゼンスルホン酸塩、C12〜C20メチルエステルスルホネート、C12〜C18脂肪酸石鹸及びこれらの組み合わせを挙げてもよい。
【0029】
II.布地ケア剤
本明細書で使用する時、「布地ケア剤」とは布地ケア利益を提供することができるあらゆる物質を指す。布地ケア利益の非限定例には、布地の柔軟化、色保護、色回復、毛玉/毛羽立ち削減、抗摩擦、抗しわが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、布地ケア利益は、綿及び綿に富む衣類に付与される。布地ケア剤の非限定例には、シリコーン誘導体、油性糖誘導体、分散性ポリオレフィン、ポリマーラテックス、カチオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0030】
a.シリコーン誘導体
本発明の目的に関して、シリコーン誘導体には、布地ケア利益を供給することができるあらゆるシリコーン物質を挙げてもよい。シリコーン誘導体は、洗濯製品の配合前に好適な界面活性剤と併用して、エマルション、ラテックス、分散体、及び懸濁体などとして液体洗濯洗剤組成物に組み込んでもよい。洗濯製品に直接乳化又は分散させることができるあらゆる純シリコーン誘導体もまた本発明に包含されることを意図されるが、これは洗濯製品が、典型的には、乳化剤、分散剤、懸濁剤などと同様に作用して水不溶性シリコーン誘導体の乳化、分散、及び/又は懸濁を助けることのできる多種多様な界面活性剤を含有するからである。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態では、有用なシリコーン誘導体は、ポリジアルキルシロキサン、有機官能性シリコーン、環状シリコーン、カチオン性シリコーン、アミノシリコーン、シリコーンエラストマー、樹脂、及びこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、本発明に有用なシリコーンは、小野義昭(Yoshiaki Ono)「シリコーン−応用分野及び技術動向(Silicones-Fields of Application and Technology Trends)」(信越シリコーン社(Shin-Etsu Silicones Ltd.)、日本)及びM.D.バーシオウム(M.D. Berthiaume)「化粧品及びパーソナルケアにおけるポリマー科学の原理と技術(Principles of Polymer Science and Technology in Cosmetics and Personal Care)」(1999)に記載されているものである。
【0032】
いくつかの実施形態では、好適なシリコーンには、ポリジメチルシロキサン及び環状シリコーンを含むがこれらに限定されないポリ(ジ)アルキルシロキサンなどのシリコーン流体が挙げられる。ポリ(ジ)アルキルシロキサンは、分枝状であるか、部分的に架橋されているか、又は直鎖であってもよい。代表的なポリ(ジ)アルキルシロキサンは、次の一般式のうちの1つ(I又はII)を有する:
【化2】

式中、各構造について、
(a)Rは、C〜Cアルキル又はアリール基、水素、C〜Cアルコキシ又はこれらの組み合わせから選択される基であり、並びに
(b)wは約3〜約10であり、kは約2〜約1万である。
【0033】
いくつかの実施形態では、有機官能性シリコーンが挙げられるがこれらに限定されないポリジメチルシロキサン誘導体が有用である。いくつかの実施形態では、有機官能性シリコーンは、米国特許第6,903,061号、同第6,833,344号、及び国際公開第02/018528号に記載されている「ABn型」シリコーンである。これらのシリコーンの市販の例は、ワロ(Waro)(商標)及びシルソフト(Silsoft)(商標)843であり、どちらもGEシリコーンズ(GE Silicones)(コネチカット州ウィルトン(Wilton))から入手可能である。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態では、有用な官能化シリコーンは一般式(III)を有する:
【化3】

式中、
(a)各R”はR及び−X−Qから独立して選択され、
(i)Rは、C〜Cアルキル又はアリール基、水素、C〜Cアルコキシ又はこれらの組み合わせから選択される基であり、
(b)Xは、アルキレン基−(CH−又は
−CH−CH(OH)−CH−から選択される連結基であり、式中、
(i)pは2〜6であり、
(c)Qは−(O−CHR−CH−Zであり、式中、qは平均して約2〜約20であり、更に式中、
(i)Rは、H、C〜Cアルキルから選択される基であり、
(ii)Zは、−OR、−OC(O)R、−CO−R−COOH、−SO、−PO(OH)
【化4】

から選択される基であり、
式中、
1.Rは、H、C〜C26アルキル又は置換アルキル、C〜C26アリール又は置換アリール、C〜C26アルキルアリール又は置換アルキルアリールから選択される基であり、
2.Rは−CH−又は−CHCH−から選択される基であり、
3.Rは、H、C〜Cアルキル、
−(CH−NH、及び−X(−O−CHR−CH−Zから独立して選択される基であり、式中、
a.pは平均して約2〜約6であり、並びに
b.sは平均して約1〜約10であり、
(d)kは平均して約1〜約25,000又は約3〜約12,000であり、並びに
(e)mは平均して約4〜約5万又は約10〜約2万である。
【0035】
一般式IIIを有する市販のシリコーンは、どちらもGEシリコーンズ(GE Silicones)(コネチカット州ウィルトン(Wilton))から入手可能であるSM2125及びシルウェット(Silwet)(登録商標)7622;全てダウ・コーニング(Dow Corning)(ミシガン州ミッドランド(Midland))から市販されているDC8822、PP−5495及びDC−5562;どちらも信越シリコーン(オハイオ州アクロン(Akron))から入手可能であるKF−888及びKF−889;全てノべオン社(Noveon Inc.)(オハイオ州クリーブランド(Cleveland))から入手可能であるウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)SW−12、ウルトラシル(登録商標)DW−18、ウルトラシル(登録商標)DW−AV、ウルトラシル(登録商標)Q−プラス(Plus)、ウルトラシル(登録商標)Ca−1、ウルトラシル(登録商標)CA−2、ウルトラシル(登録商標)SA−1及びウルトラシル(登録商標)PE−100;全てフェニックスケミカル社(Phoenix Chemical Inc.)(ニュージャージー州サマービル(Somerville))から入手可能であるペコシル(Pecosil)(登録商標)CA−20、ペコシル(登録商標)SM−40及びペコシル(登録商標)PAN−150;並びにこれらの組み合わせから選択することができる。更に有用な市販のシリコーン誘導体は、ワッカー・シリコーンズ(ミシガン州エイドリアン(Adrian))から市販されているSLM 21−200である。
【0036】
b.油性糖誘導体
本発明の目的に関して、油性糖誘導体には、布地ケア利益を供給できるものが挙げられる。有用な油性糖誘導体には、国際公開第98/16538号に開示されている一般型が挙げられるが、これらに限定されない。油性糖誘導体の2つの一般型は、環状ポリオール(以後、「CEP」)又は還元糖(RSE)の液体又は柔らかい固体の誘導体であり、結果的にCEP又はRSE中のヒドロキシル基の35%〜100%がエステル化及び/又はエーテル化される。得られた誘導体CPE又はRSEは、少なくとも2個又はそれ以上のそのエステル又はエーテル基が独立してC〜C22アルキル又はアルケニル鎖に結合している。典型的にはCPE及びRSEは、3個以上のエステル又はエーテル基又はこれらの混合物を有する。
【0037】
いくつかの実施形態では、CPE又はRSEの2個以上のエステル又はエーテル基が、C〜C22アルキル又はアルケニル鎖に独立して結合していてもよい。C〜C22アルキル又はアルケニル鎖は、直鎖又は分枝鎖であることができる。いくつかの実施形態では、約40%〜約100%のヒドロキシル基がエステル化又はエーテル化される。いくつかの実施形態では、約50%〜約100%のヒドロキシル基がエステル化又はエーテル化される。
【0038】
本発明に関連した場合、用語「環状ポリオール」は糖の全ての形態を包含する。いくつかの実施形態では、CPE及びRSEは単糖及び二糖から誘導される。有用な単糖の非限定例には、キシロース、アラビノース、ガラクトース、フルクトース及びグルコースが挙げられる。有用な糖の非限定例はソルビタンである。有用な二糖の非限定例には、スクロース、ラクトース、マルトース及びセロビオースが挙げられる。
【0039】
いくつかの実施形態では、CPE又はRSEは4個以上のエステル又はエーテル基を有する。環状CPEが二糖である場合には、二糖は3個以上のエステル又はエーテル基を有してもよい。いくつかの実施形態では、4個以上のエステル基を有するスクロースエステルが有用であり、これらはプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter and Gamble Company)(オハイオ州シンシナティ(Cincinnati))から商標名オリーン(Olean)(商標)として市販されている。環状ポリオールが還元糖である場合には、CPEの環が1個のエーテル基を好ましくはC1位に有し、残りのヒドロキシル基がアルキル基によりエステル化されることが有利であることができる。
【0040】
c.分散性ポリオレフィン
本発明の目的に関して、分散性ポリオレフィンには、布地ケア利益を供給できるものが挙げられる。有用な分散性ポリオレフィンは、ワックス、エマルション、分散体、懸濁体及びこれらの組み合わせから選択される形態であってもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、分散性ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びこれらの組み合わせから選択される。ポリオレフィンは、カルボキシル、アルキルアミド、スルホン酸又はアミド基が挙げられるがこれらに限定されない種々の官能基を含有するように、少なくとも部分的に変性されてもよい。いくつかの実施形態では、本発明で採用されるポリオレフィンは、少なくとも部分的にカルボキシル変性されており、すなわち、換言すれば、酸化されている。いくつかの実施形態では、酸化又はカルボキシル変性ポリエチレンが、本発明の組成物において使用される。
【0042】
配合の容易さのために、分散性ポリオレフィンは懸濁体として又は乳化剤の使用を介して分散されたポリオレフィンのエマルションとして、液体洗濯洗剤組成物中に導入してもよい。ポリオレフィン懸濁体又はエマルションは、約1重量%〜約60重量%、約10重量%〜約55重量%、又は約20重量%〜約50重量%のポリオレフィンを含んでもよい。ポリオレフィンは、約20℃〜約170℃、又は約50℃〜約140℃のワックス滴点(ASTM D3954−94、15.04巻−「ワックスの滴点に関する標準試験方法(Standard Test Method for Dropping Point of Waxes)」を参照されたい)を有してもよい。好適なポリエチレンワックスは、ハネウェル(Honeywell)(ニュージャージー州モリスタウン(Morristown))からのA−Cポリエチレン、クラリアント(Clariant)(ノースカロライナ州マウントホリー(Mount Holly))からのベラストロール(Velustrol)(商標)エマルション、及びBASF(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン(Ludwigshafen))からのルワックス(LUWAX)(商標)が挙げられるがこれらに限定されない供給元から市販されている。
【0043】
エマルションが採用される時、乳化剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されないあらゆる好適な乳化剤であってもよい。分散性ポリオレフィンは、約1:100〜約1:2、又は約1:50〜約1:5の比率で乳化剤又は懸濁化剤を使用することにより、分散される。
【0044】
d.ポリマーラテックス
本発明の目的に関して、ポリマーラテックスには、布地ケア利益を供給できるものが挙げられる。ポリマーラテックスは、典型的には、1種以上のモノマー、1種以上の乳化剤、反応開始剤、及び当業者にはよく知られている他の構成成分を含むエマルション重合プロセスによって製造される。布地ケア利益を提供する全てのポリマーラテックスは、本発明の布地ケア剤として使用することができる。好適なポリマーラテックスの非限定例には、国際公開第02/018451号に開示されているものが挙げられる。更なる非限定例には、以下のモノマーから製造されるこれらのもののようなポリマーラテックスが挙げられる:
1)100%ブチルアクリレート、
2)少なくとも約20%(重量モノマー比)のブチルアクリレートを有する、ブチルアクリレートとブタジエンの組み合わせ、
3)ブチルアクリレートと、約20%(重量モノマー比)のブタジエンを除く他のモノマー、
4)C6以上のアルキル炭素鎖を有するアルキルアクリレート、
5)C6以上のアルキル炭素鎖を有するアルキルアクリレートと、50%(重量モノマー比)未満の他のモノマー、
6)(1)〜(5)のモノマー系に添加される第3のモノマー(重量モノマー比で約20%未満)。
【0045】
本発明で好適な布地ケア剤であるポリマーラテックスには、ガラス転移温度が約−120℃〜約120℃、又は約−80℃〜約60℃のものが挙げられる。好適な乳化剤には、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤が挙げられる。好適な反応開始剤には、ポリマーラテックスのエマルション重合に好適な全ての反応開始剤が含まれる。ポリマーラテックスの粒径は、約1ナノメートル(nm)〜10マイクロメートル(μm)又は約10ナノメートル(nm)〜約1マイクロメートル(μm)であることができる。
【0046】
e.カチオン性界面活性剤
本発明の目的に関して、カチオン性界面活性剤には、布地ケア利益を供給できるものが挙げられる。有用なカチオン性界面活性剤の非限定例には、脂肪族アミン、第四級アンモニウム界面活性剤及びイミダゾリン第四級アンモニウム化合物物質が挙げられる。
【0047】
いくつかの実施形態では、有用なカチオン性界面活性剤には、米国特許出願公開第2005/0164905 A1号に記載されているもの及び一般式(IV)を有するものが挙げられる:
【化5】

式中、
(a)R及びRはそれぞれ独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ベンジル、−−(C2nO)Hの群から選択され、式中、
i.xは約2〜約5の価数を有し、
ii.nは約1〜4の価数を有し、
(b)R及びRはそれぞれ、
i.C〜C22アルキルであり、又は
ii.RはC〜C22アルキルであり、RはC〜C10アルキル、C〜C10ヒドロキシアルキル、ベンジル、−−(C2nO)Hの群から選択され、式中、
1.xは2〜5の価数を有し、
2.nは1〜4の価数を有し、
(c)Xはアニオンである。
【0048】
いくつかの実施形態では、有用なカチオン性界面活性剤には、一般式(V)を有するイミダゾリン誘導体が挙げられるがこれらに限定されない:
【化6】

式中、
(a)R10はC〜C22アルキル又はアルキルアリール基であり、
(b)R11及びR12は、H又はC〜C22アルキルから独立して選択され、並びに
(c)Lは、
【化7】

ウレタンラジカル、及び尿素ラジカルから選択され、
(d)Xはアニオンである。
【0049】
III.カチオン性付着補助剤
本明細書で使用する時、「カチオン性付着補助剤」とは、洗濯中の布地上への布地ケア剤の付着を強化するあらゆるカチオン性ポリマー、又はカチオン性ポリマーの組み合わせを指す。理論に束縛されるものではないが、ほとんどの布地は水性環境でわずかに負電荷を有する布地繊維からなるので、布地上に布地ケア剤を推進するために、布地ケア剤と布地の間の斥力に打ち勝つための付着補助剤の正味電荷は正であると考えられている。水中でわずかに負の電荷を呈する繊維の例には、綿、レーヨン、絹、及びウールなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0050】
有効な付着補助剤は典型的には、ファンデルワールス力などの物理力、水素結合などの非共有化学結合、及び/又はイオン結合を介しての本布地ケア剤との強い結合能力により特徴付けられる。いくつかの実施形態では、付着補助剤はまた、例えば、綿繊維などの天然布地繊維に対して強い親和性を有する。
【0051】
本カチオン性付着補助剤は水溶性であり、布地ケア剤粒子の表面と会合することができるか又は複数の粒子を一緒に保持することができるように、可撓性分子構造を有する。それゆえに、付着強化剤は、典型的には架橋されておらず、典型的には網状組織構造を有さないが、それはこれらの特性の両方が分子可撓性の欠損につながることがあるからである。
【0052】
有用な付着補助剤の非限定例には、カチオン性又は両性ポリマーが挙げられる。本発明の両性ポリマーは、カチオン正味電荷を有してもよく、すなわち、両性ポリマーのカチオン総電荷が、アニオン総電荷を上回る。本カチオン性付着補助剤のカチオン電荷密度はまたポリマーの約0.05ミリ当量/g〜約12ミリ当量/gの範囲であってもよい。電荷密度は、繰り返し単位当たりの正味電荷数を、繰り返し単位の分子量で除することにより計算される。1つの実施形態では、電荷密度は、約0.1ミリ当量/g〜約3ミリ当量/gで変化する。正電荷は、ポリマーの主鎖上及び/又はポリマーの側鎖上に配置してもよい。
【0053】
付着増強剤の非限定例は、カチオン性多糖、キトサン及びその誘導体、並びに合成カチオン性ポリマーである。
【0054】
a.カチオン性多糖
本発明で有用であるカチオン性多糖には、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性グアーガム誘導体、キトサン及び誘導体、並びにカチオンデンプンが挙げられるが、これらに限定されない。有用なカチオン性多糖は、約8.3E−20g(5万ダルトン(Da))〜約3.3E−18g(200万Da)、又は約1.7E−19g(10万Da)〜約1.7E−18g(100万Da)の重量平均分子量を有してもよい。有用なカチオン性セルロースは、約3.3E−19g(20万)〜約1.3E−18g(80万)の分子量を有してもよく、カチオン性グアーは約8.3E−19g(50万)〜2.5E−18g(150万)の分子量を有してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、有用なカチオン性多糖は、米国特許第6,833,347号及び同第7,056,880号に記載されているものである。いくつかの実施形態では、有用なカチオンデンプンには、D.B.ソラレック(Solarek)「変性デンプン、特性及び使用(Modified Starches, Properties and Uses)」(CRCプレス(CRC Press)、1986年)に開示されているものが挙げられる。有用であるカチオンデンプンの非限定例には、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル・カンパニー(National Starch and Chemical Company)(オハイオ州ブルックフィールド(Brookfield))から市販されているカトー(Cato)(商標)カチオンデンプンが挙げられる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態では、有用であるカチオン性多糖は、以下の一般式(VI)を有するカチオン性グアー誘導体であってもよい:
【化8】

式中、
(a)Gはガラクトマンナン(the glactaomanan)主鎖であり、
(b)R13は、CH、CHCH、フェニル基、C8〜24アルキル基(直鎖又は分枝鎖)、及びこれらの組み合わせから選択される基であり、
(c)R14及びR15は、CH、CHCH、フェニル、及びこれらの組み合わせから独立して選択される基であり、並びに
(d)Zは好適なアニオンである。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態では、グアー誘導体には、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。カチオン性グアーの例は、ローディア社(Rhodia, Incorporated)(ニュージャージー州クランベリー(Cranburry))から入手可能なジャガー(Jaguar)(商標)C13及びジャガー(商標)エクセル(Excel)である。
【0058】
b.合成カチオン性ポリマー
一般にカチオン性ポリマー及びその製造方法は、文献において知られている。例えば、カチオン性ポリマーの詳細な説明は、「ジャーナル・オブ・マクロモルキュラー・サイエンス−ケミストリー(Journal of Macromolecular Science-Chemistry)」A4巻6号、1327〜1417頁、1970年10月発行、のM.フレッド・フーバー(M. Fred Hoover)による記事に見ることができる。他の好適な合成カチオン性ポリマーは、製紙において歩留まり向上剤として使用されているものであって、ジェイムズ・ケイシー(James Casey)編「パルプ及び紙、化学及び化学工業第III巻(Pulp and Paper, Chemistry and Chemical Technology Volume III)」(1981年)に記載されている。これらのポリマーの重量平均分子量は、約2,000〜約500万の範囲にあってもよい。
【0059】
b−i).有用なカチオン性ポリマーの1つの群には、好適な反応開始剤又は触媒を使用して、エチレン系不飽和モノマーの重合により製造されるものが挙げられる。これらは、国際公開第00/56849号及び米国特許第6,642,200号に開示されている。いくつかの実施形態では、カチオン性合成ポリマーは、
1)N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、これらの四級化誘導体、ビニルアミン及びその誘導体、アリルアミン及びその誘導体、ビニルイミダゾール、四級化ビニルイミダゾール及び四級化ジアリルジアルキルアンモニウム及びその誘導体の群から選択される1つ以上のカチオン性モノマー、並びに、
2)アクリルアミド(AM)、N,N−ジアルキルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、C1〜C12アルキルアクリレート、C1〜C12ヒドロキシアルキルアクリレート、C1〜C12ヒドロキシエーテルアルキルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12ヒドロキシアルキルメタクリレート、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルアルキルエーテル、ビニルブチレート及び誘導体の群から選択される1つ以上の中性モノマー、を共重合することにより製造されるポリマーである。
【0060】
有用なカチオン性モノマーの非限定例には、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAM)、[2−(メタクリロイルアミノ)エチル]トリ−メチルアンモニウムクロライド(QDMAM)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPA)、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(MAPTAC)、四級化ビニルイミダゾール及びジアリルジメチルアンモニウムクロライド並びにこれらの誘導体が挙げられる。有用である中性モノマーには、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、C1〜C4アルキルアクリレート、C1〜C4ヒドロキシアルキルアクリレート、ビニルホルムアミド、酢酸ビニル、及びビニルアルコールが挙げられる。最も好ましい非イオン性モノマーは、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート及びこれらの誘導体である。
【0061】
ポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドプロピルメタンスルホン酸(AMPS)及びこれらの塩が挙げられるがこれらに限定されないアニオン性モノマーを所望により含んでもよい。ポリマーは所望により、分枝及び架橋モノマーを使用することにより、分枝状であってもよく、又は架橋されていてもよい。分枝及び架橋モノマーには、エチレングリコールジアクリレートジビニルベンゼン(ethylene glycoldiacrylatate divinylbenzene)、及びブタジエンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
いくつかの実施形態では、有用であるポリマーには、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−コ−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド−コ−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート−コ−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート−コ−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート−コ−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0063】
b−ii)有用な合成カチオン性ポリマーの別の群は、ポリエチレンイミン及びその誘導体である。これらはBASF社(BASF AG)(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン(Ludwigshafen))から商標名ルパゾール(Lupasol)として市販されている。
【0064】
b−iii)有用な合成カチオン性ポリマーの第3群は、ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン(PAE)樹脂であり、これはポリアルキレンポリアミンとポリカルボン酸との縮合生成物である。最も一般的なPAE樹脂は、エピクロロヒドリンと後続反応する、ジエチレントリアミンとアジピン酸の縮合生成物である。これらは、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington)のハーキュレス社(Hercules Inc)から商標名キメン(Kymene)(商標)として、又はBSF社(BASF AG)(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン(Ludwigshafen))から商標名ルレジン(Luresin)として、入手可能である。これらのポリマーは、L.L.チャン(Chan)編「湿潤強度向上樹脂及びその用途(Wet Strength resins and their applications)」(タッピ・プレス(TAPPI Press)、1994年)に記載されている。
【0065】
付着ポリマーが本組成物に配合可能(formulable)及び安定であるように、モノマーがポリマーに組み込まれてコポリマーを形成することが重要である。このことは、広範に異なる反応性比を有するモノマーが使用される時、特に当てはまることができる。市販のコポリマーと異なって、本明細書の付着ポリマーは、モノマーの10重量%未満の遊離モノマー含量を有し、好ましくは5重量%未満である。
【0066】
付着支援ポリマーはランダム型、ブロック型、グラフト型で可能である。それらは直鎖又は分枝鎖であることができる。付着支援ポリマーは約1〜約60モル%又は約1〜約40モル%のカチオン性モノマー繰り返し単位、及び、約98〜約40モル%、約60〜約95モル%の非イオン性モノマー繰り返し単位を含む。
【0067】
付着支援ポリマーは、乾燥ポリマーの約0.01〜約12.0ミリ当量/g(meq/g)の電荷当量、好ましくは約0.2〜約3meq/gを有してもよく、これは、ポリマーそれ自体の電荷密度を指し、多くの場合、モノマー原料とは異なる。例えば、モノマー仕込み比が70:30でのアクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロライドのコポリマーに対して、仕込みモノマーの電荷密度は約3.05meq/gである。しかし、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの50%だけが重合した場合、ポリマーの電荷密度は約1.6meq/gだけである。ポリマー電荷密度は、透析膜によるポリマーの透析又はNMRによって測定される。アミンモノマーを用いたポリマーでは、電荷密度はキャリアのpHに依存する。これらのポリマーでは、電荷密度はpH7で測定される。
【0068】
通常、ポリマーの重量平均分子量は、RI検出器を用いて、ポリエチレンオキシド標準に相対的にサイズ排除クロマトグラフィーによって計測されるように、1万〜500万、好ましくは10万〜20万、及び更に好ましくは20万〜150万になるとされる。移動相は、0.4モルMEA、0.1モルNaNO、3%酢酸の20%メタノール溶液であり、ウオーターズ・リニア・ウルトラヒドロゲル(Waters Linear Ultrahdyrogel)カラムを2本直列に接続して用いる。カラムと検出器は40℃に保持した。流量設定は0.5mL/分である。
【0069】
IV.機能増強剤
以下に述べるように、本明細書で使用する時、「機能増強剤」とは、カチオン性付着補助剤及び/又は布地ケア剤と「負に相互作用する」ことがない、洗浄を増進するための液体洗濯洗剤組成物に有用なあらゆる物質を指す。機能増強剤は、シミの除去、白さの維持、シミの放出、及びこれらの組み合わせの非限定的な群から選択される利益を提供することができる。本発明の機能増強剤は、アニオン性分散剤、光沢剤、酵素、及びこれらの組み合わせから選択することができる。
【0070】
a.アニオン性分散剤
好適なアニオン性ポリマーには、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。このようなポリマーは、典型的には第1の部分及び第2の部分を約100:1〜約1:5の比で含む。好適な第1の部分には、少なくとも1つのカルボン酸基を含むモノエチレン系不飽和C〜Cモノマーから、このようなモノマーの塩から、及びこれらの組み合わせから、誘導される部分が挙げられる。好適なモノマーの非限定例には、アクリル酸、メタクリル酸、β−アクリルオキシプロピオン酸、ビニル酢酸、ビニルプロピオン酸、クロトン酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、α−シアノアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、メチレンマロン酸、これらの塩、及びこれらの組み合わせの群から選択される、モノエチレン系不飽和C〜Cモノカルボン酸及びC〜Cジカルボン酸が挙げられる。本発明のいくつかの実施形態では、好適な第1の部分は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及びこれらの組み合わせの群から全て選択されるモノマーを含む。
【0071】
好適な第2の部分には、
1.)式R−Y−L及びR−Zを有する変性不飽和モノマーから誘導される部分が挙げられ、
式中、
a.)Rは構造C(X)H=C(R)−を有し、式中、
(i)RはH又はC〜Cアルキルであり、
(ii)Xは、H、COH、又はCOであり、式中、Rは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムとアミン塩基、飽和C〜C20アルキル、C〜C12アリール、及びC〜C20アルキルアリールの群から選択され、
b.)Yは、−CH−、−CO−、−OCO−、及び−CON(R)−、−CHOCO−の群から選択され、式中、RはH又はC〜Cアルキルであり、
c.)Lは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムとアミン塩基、飽和C〜C20アルキル、C〜C12アリール、及びC〜C20アルキルアリールの群から選択され、並びに、
d.)Zは、C〜C12アリール及びC〜C12アリールアルキルの群から選択される。
【0072】
このような第1及び第2の部分を含む好適なアニオン性ポリマーは、典型的には、重量平均分子量が約1.7E−21g(1000Da)〜約1.7E−19g(10万Da)である。このようなポリマーの例には、アルコ・ケミカル(Alco Chemical)(テネシー州チャタヌーガ(Chattanooga))から入手可能なアルコスパース(Alcosperse)(登録商標)725及びアルコスパース(登録商標)747、並びに、ローム&ハース社(Rohm & Haas Co.)(ペンシルバニア州スプリングハウス(Spring House))からのアキュゾール(Acusol)(登録商標)480Nが挙げられる。
【0073】
好適な第2の部分の別の部類には、C〜Cの炭素のアルコキシド及びこれらの組み合わせの群から選択される、約1〜約100の繰り返し単位を含有するエチレン系不飽和モノマーから誘導される部分が挙げられる。このような不飽和モノマーの例は、式J−G−Dにより表され、式中、
1.)JはC(X)H=C(R)−の群から選択され、式中、
a.)RはH又はC〜Cアルキルであり、
b.)Xは、H、COH、又はCOであり、式中、Rは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムとアミン塩基、飽和C〜C20アルキル、C〜C12アリール、C〜C20アルキルアリールであり、
2.)Gは、C〜Cアルキル、−O−、−CHO−、−CO−の群から選択される。
3.)Dは、
a.)−CHCH(OH)CHO(RO)
b.)−CHCH[O(RO)]CHOH、
c.)−CHCH(OH)CHNR(RO)
d.)−CHCH[NR(RO)]CHOH、及びこれらの組み合わせ、の群から選択され、式中、
は、エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,2−ブチレン、1,4−ブチレン、及びこれらの組み合わせの群から選択され、
は、H、C〜Cアルキル、C〜C12アリール及びC〜C20アルキルアリールの群から選択される末端保護単位であり、
は、H、C〜Cアルキル、C〜C12アリール及びC〜C20アルキルアリールの群から選択され、並びに、
下付き添字dは1〜100の整数である。
【0074】
本出願人の発明の別の態様では、
1.)Jは、C(X)H=C(R)−の群から選択され、式中、
a.)RはH又はC〜Cアルキルであり、
b.)XはH又はCOHであり、
2.)Gは、−O−、−CHO−、−CO−の群から選択される。
3.)Dは、
a.)−CHCH(OH)CHO(RO)
b.)−CHCH[O(RO)]CHOH、及びこれらの組み合わせの群から選択され、式中、
はエチレンであり、
はH及びC〜Cアルキルの群から選択される末端保護単位であり、並びに、
dは1〜100の整数である。
【0075】
本出願人の発明の更に別の態様では、可変部分J、D、R及びdは直前に記載した通りであり、可変部分R及びXはHであり、Gは−CO−であり、並びに、RはC〜Cアルキルである。
【0076】
このような第1及び第2の部分を含む好適なアニオン性ポリマーは、典型的には、重量平均分子量が約3.3E−21g(2000Da)〜約1.7E−19g(10万Da)である。このようなポリマーの例には、日本触媒(Nippon Shokubai Co., Ltd)(日本、大阪)により供給されるIMSポリマー・シリーズが挙げられる。
【0077】
他の好適なアニオン性ポリマーには、本明細書で前述した第1の部分を含み、典型的には重量平均分子量が約1.7E−21g(1000Da)〜約8.3E−20g(5万Da)である、グラフトコポリマーが挙げられる。このようなポリマーでは、前述した第1の部分は典型的にC〜Cの炭素のポリアルキレンオキシド上でグラフトされている。このようなポリマーの例には、日本触媒(Nippon Shokubai Co., Ltd)(日本、大阪)からのPLSシリーズが挙げられる。
【0078】
他の好適なアニオン性ポリマーには、ソカラン(Sokalan)(登録商標)ES 8305、ソカラン(登録商標)HP 25、及びデンソタン(Densotan)(登録商標)が挙げられ、これらは全てBASF社(BASF Corporation)(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン(Ludwigshafen))により供給される。
【0079】
b.光沢剤
「光沢剤」(「光学的光沢剤」とも呼ばれる)は、本明細書では最も広い意味で使用され、紫外線を吸収して「青い」可視光線として再発光する化合物などの、蛍光を呈するあらゆる化合物を含む。
【0080】
好適な光沢剤には蛍光増白剤が挙げられ、次の文献に、より完全に記載されている:(1)「ウルマンの産業化学百科事典(Ullman's Encyclopedia of Industrial Chemistry)」(第5版、A18巻、153〜176頁)、(2)「カーク−オスマー工業化学百科事典(Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology)」11巻、第4版、及び(3)「蛍光増白剤(Fluorescent Whitening Agents)」(ゲスト編者R.アンライカー(R. Anliker)及びG.ミューラー(G. Muller)、ゲオルク・ティーメ出版(Georg Thieme Publishers)、シュトゥットガルト(Stuttgart)、1975年)。本発明のいくつかの実施形態では、光沢剤はまた低色又は無色であり、スペクトルの可視部分を物質的に吸収しない。いくつかの実施形態では、光沢剤はまた耐光性であり、すなわち太陽光下でも実質的に劣化しない。
【0081】
本発明での使用に好適な光沢剤は、約275nm〜約400nmのスペクトルの紫外線部分で光を吸収し、約400nm〜約500nmの紫から青紫の範囲のスペクトルで発光する。いくつかの実施形態では、光沢剤は、共役二重結合の非中断鎖を含有する。有用な光沢剤の非限定例には、スチルベンの誘導体又は4,4’−ジアミノスチルベン、ビフェニル、5員複素環(例えば、トリアゾール、オキサゾール、イミダゾールなど)、又は6員複素環(クマリン、ナフタルアミド、s−トリアジンなど)が挙げられる。カチオン性、アニオン性、非イオン性、両性及び双極性イオン光沢剤が使用できる。カチオン性光沢剤が使用されるが、それはこれらがカチオン性布地柔軟化活性物質と有効に競合して布地表面に配分できるからである。カチオン性及び非イオン性光沢剤の両方が利用され、これにより、これらはカチオン性布地コンディショニング組成物中の他の成分と負に相互作用しない。例えば、アニオン性光沢剤は、非常に有用でもあり、良好な白色化利益を提供できる一方で、布地コンディショニング組成物中のカチオン性構成成分、例えばカチオン置換されたデンプン又はその他のカチオン性ポリマーと相互作用することがある。この効果により、アニオン性光沢剤がカチオンデンプン又はその他のカチオン性ポリマーによって提供される柔軟化効果の一部又は全てを打ち消すことがある。
【0082】
光沢剤はまた染料転移抑止作用を提供することができ、本発明で有用である光沢剤には、以下の一般構造式を有するものが挙げられるが、これらに限定されない:
【化9】

式中、Rは、アニリノ、N−2−ビス−ヒドロキシエチル及びNH−2−ヒドロキシエチルから選択され;Rは、N−2−ビス−ヒドロキシエチル、N−2−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ、モルフィリノ、クロロ及びアミノから選択され;並びにMは、ナトリウム又はカリウムのような塩を形成するカチオンである。
【0083】
上式において、Rがアニリノであり、RがN−2−ビス−ヒドロキシエチルであり、並びにMがナトリウムのようなカチオンである場合、光沢剤は4,4’−ビス[(4−アニリノ−6−(N−2−ビス−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン−2−イル)アミノ]−2,2’−スチルベンジスルホン酸及び二ナトリウム塩である。この特定の光沢剤種は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corporation)(ノースカロライナ州ハイポイント(High Point))により商標名チノパール(Tinopal)−UNPA−GX(登録商標)として市販されている。
【0084】
上式において、Rがアニリノであり、RがN−2−ヒドロキシエチル−N−2−メチルアミノであり、並びにMがナトリウムのようなカチオンである場合、光沢剤は4,4’−ビス[(4−アニリノ−6−(N−2−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ)−s−トリアジン−2−イル)アミノ]2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム塩である。この特定の光沢剤種は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corporation)(ノースカロライナ州ハイポイント(High Point))により商標名チノパール(Tinopal)5BM−GX(登録商標)として市販されている。
【0085】
上式において、Rがアニリノであり、Rがモルフィリノであり、並びにMがナトリウムのようなカチオンである場合、光沢剤は4,4’−ビス[(4−アニリノ−6−モルフィリノ−s−トリアジン−2−イル)アミノ]2,2’−スチルベンジスルホン酸のナトリウム塩である。この特定の光沢剤種は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corporation)(ノースカロライナ州ハイポイント(High Point))により商標名チノパール(Tinopal)AMS−GX(登録商標)として市販されている。
【0086】
光沢剤は、布地コンディショニング組成物に容易に組み込むためにある程度の水溶性を有するべきである。例えば、光沢剤の水溶性(脱イオン水)は、25℃で少なくとも約0.5重量%、又は少なくとも約2重量%であるべきである。蛍光増白剤は、一般にその低い水溶性のために、液体布地コンディショニング組成物に組み込むのが困難である。最終ベース製品に光沢剤を後添加するのが有利な場合が多い。これを行うのに簡便な方法の1つは、光沢剤プレミックスを製造することである。
【0087】
驚くべきことに、エトキシ化モノアルキル四級界面活性剤は、アニオン性光沢剤、例えばチノパール(Tinopal)(商標)CBS−Xを水に溶解させるための特に良好な溶媒であることが見出されている。これらの界面活性剤はまた、驚くべきことに、色相染料を有する布地コンディショニング組成物に組み込まれる場合に布地のシミ付きを低減するのに有効であることを再確認されたい。特に有効であるのは、アクゾ・ノーベル(Akzo Nobel)からのエトクァッド(Ethoquad)(商標)C/25(ココメチルエトキシ化[15]アンモニウムクロライド)である。その一般構造は既述である(「シミ低減剤としての界面活性剤(Surfactants as Stain-Reducing Agents)」という表題の部分)。
【0088】
本発明で有用である蛍光増白剤は、4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)ビフェニル二ナトリウム(チバ(Ciba)(商標)スペシャルティ・ケミカルズ(Specialty Chemicals)(ノースカロライナ州ハイポイント(High Point))によりチノパール(Tinopal)(商標)CBS−Xとして市販);ベンゼンスルホン酸;2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[4−[(2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩(チバ(商標)スペシャルティ・ケミカルズ(ノースカロライナ州ハイポイント)によりチノパール(商標)DCSとして市販);4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−s−トリアジン−2イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(チバ(商標)スペシャルティ・ケミカルズ(ノースカロライナ州ハイポイント)によりチノパール(商標)UNPA−GXとして市販);4,4’−ビス[(4−アニリノ−6−(N−2−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ)−s−トリアジン−2−イル)アミノ]2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(チバ(商標)スペシャルティ・ケミカルズ(ノースカロライナ州ハイポイント)によりチノパール(商標)5BM−GXとして市販);4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−メチルアミノ−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(バイエル社(Bayer AG)(ドイツ、レバークーゼン(Leverkusen))によりブランコホル(Blankophor)HRSとして市販);4,4”−ビス[4,6−ジ−アニリノ−s−トリアジン−2−イル]−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(チバ(商標)スペシャルティ・ケミカルズ(ノースカロライナ州ハイポイント)によりチノパール(商標)TASとして市販);4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−モルホリノ−s−トリアジン−2−イル}−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(チバ(商標)スペシャルティ・ケミカルズ(ノースカロライナ州ハイポイント)によりチノパール(商標)AMS−GXとして市販);及びこれらの組み合わせから選択してもよいが、これらに限定されない。
【0089】
いくつかの実施形態では、チノパール(Tinopal)(商標)CBS−X光沢剤が、25℃で約2.5重量パーセントの水溶性、生分解性布地コンディショニング組成物の酸性製品マトリックス(例えば、pHが約3〜約4である)中での化学安定性の維持が挙げられるがこれらに限定されない、これが提供する利点のために、利用される。
【0090】
c.洗浄性酵素
酵素は、タンパク質系、炭水化物系、若しくはトリグリセリド系のシミの除去、及び/又は布地の回復が挙げられるがこれらに限定されない種々多様な布地洗濯の目的のために本組成物中に含むことができる。好適な酵素の例には、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ及び既知のアミラーゼ、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。他の種類の酵素も包含されてもよい。酵素は、植物、動物、細菌、真菌及び酵母起源のようなあらゆる好適な起源であってもよい。しかしながら、それらの選択は、pH活性及び/又は安定性の最適条件、熱安定性、活性洗剤やビルダーなどに対する安定性のようないくつかの要因によって決定される。いくつかの実施形態では、酵素の組み合わせは、アミラーゼと併用して、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼのような従来の洗浄性酵素の反応混液を含む。洗浄性酵素は、米国特許第6,579,839号でより詳細に記載されている。いくつかの実施形態では、本明細書における組成物は、約0.05重量%〜約2重量%の洗浄性酵素を含有する。
【0091】
酵素は、組成物1g当たり、通常、重量で約5mg以下、より一般的には、0.01mg〜3mgの活性酵素を提供するのに十分な濃度で組み込まれる。換言すると、本明細書における組成物は、典型的には約0.001重量%〜約5重量%、又は約0.01重量%〜1重量%の市販酵素製剤を含むことになる。プロテアーゼ酵素は、通常、そのような市販製剤中に、組成物1g当たり0.005〜0.1アンソン単位(AU)の活性をもたらすのに十分な濃度で存在する。
【0092】
本明細書で有用なプロテアーゼには、バシラス[例えば、サブティリス、レンタス(lentus)、リケニホルミス、アミロリケファシエンス(BPN、BPN’)、アルカロフィラス(alcalophilus)]からのサブチリシンのようなもの、例えばエスペラーゼ(Esperase)(登録商標)、アルカレーゼ(Alcalase)(登録商標)、エヴァレーゼ(Everlase)(登録商標)、及びサヴィナーゼ(Savinase)(登録商標)(ノボザイムズ(Novozymes))、BLAP及び変異型[ヘンケル(Henkel)]が挙げられる。プロテアーゼについては、欧州特許第130756号、国際公開第91/06637号、同第95/10591号、及び同第99/20276号に更に記載されている。
【0093】
アミラーゼ(α及び/又はβ)は、国際公開第94/02597号及び同第96/23873号に記載されている。市販例は、ピュラフェクトOx Am(Purafect Ox Am)(登録商標)[ジェネンコア(Genencor)]、並びにターマミル(Termamyl)(登録商標)、ナタラーゼ(Natalase)(登録商標)、バン(Ban)(登録商標)、フンガミル(Fungamyl)(登録商標)及びデュラミル(Duramyl)(登録商標)[全てノボザイムズ(Novozymes)より]である。アミラーゼにはまた、例えば、英国特許出願公開第1,296,839号(British Patent Specification No. 1,296,839)(ノボ(Novo))に記載されているα−アミラーゼ、インターナショナル・バイオ−シンセティクス社(International Bio-Synthetics, Inc.)のラピダーゼ(RAPIDASE)が挙げられる。
【0094】
好適なリパーゼには、シュードモナス(Pseudomonas)及びクロモバクター(Chromobacter)群によって産生されるものが挙げられる。フミコーラ・ラヌギノーサ(Humicola lanuginosa)から誘導される、ノボ(Novo)から市販のリポラーゼ(LIPOLASE)酵素(EPO 41,947も参照)は、本明細書に用いるのに好ましいリパーゼである。例えば、ノボザイムズ(Novozymes)からのリポラーゼ・ウルトラ(Lipolase Ultra)、リポプライム(Lipoprime)及びリペックス(Lipex)もまた好ましい。クチナーゼ[EC 3.1.1.50]及びエステラーゼも好適である。1978年2月24日に公開されている、特願昭53−20487(Japanese Patent Application 53,20487)におけるリパーゼもまた参照されたい。このリパーゼは、天野製薬(Areario Pharmaceutical Co. Ltd.)(日本、名古屋)から、商品名リパーゼ(Lipase)P「アマノ(Amano)」として入手可能であり、以降では「アマノ−P」と呼ぶ。他の好適な市販のリパーゼには、アマノ−CES、クロモバクター・ビスコスム(Chromobacter viscosum)由来のリパーゼ、例えば東洋醸造(Toyo Jozo Co.)(日本、田方)から市販されているクロモバクター・ビスコスム(Chromobacter viscosum)変種リポリティカムNRRLB 3673及び更に、米国のUSバイオケミカル社(U.S. Biochemical Corp.)及びオランダのジオシンス社(Diosynth Co.)からのクロモバクター・ビスコスム・リパーゼ、並びにシュードモナス・グラディオリ由来のリパーゼが挙げられる。
【0095】
本明細書で有用なカルボヒドラーゼとしては、例えば、マンナナーゼ(例えば、米国特許第6,060,299号に開示されているもの)、ペクテートリアーゼ(例えば、国際公開第99/27083号に開示されているもの)、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ(例えば、国際公開第96/33267号)に開示されているもの、キシログルカナーゼ(例えば、国際公開第99/02663号に開示されているもの)が挙げられる。
【0096】
本明細書で使用できるセルラーゼには、細菌型及び真菌型の両方が含まれ、典型的には5〜10の最適pHを有する。米国特許第4,435,307号(バーベスゴード(Barbesgoard)ら、1984年3月6日)は、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)すなわちフミコラ菌株DSM1800からの又はアエロモナス(Aeromonas)属に属するセルラーゼ212産生真菌からの好適な真菌セルラーゼ、及び、海洋軟体動物であるタツナミガイ・ソランダー(Dolabella Auricula Solander)の肝膵臓から抽出されるセルラーゼを開示している。好適なセルラーゼは、英国特許出願公開第2075028(A)号(GB-A-2.075.028)、同第2095275号(GB-A-2.095.275)、及びドイツ特許第2247832号(DE-OS-2.247.832)にも開示されている。ケアザイム(CAREZYME)(登録商標)エンドラーゼ(ENDOLASE)及びセルザイム(CELLUZYME)(登録商標)(ノボザイムズ(Novozymes)、デンマーク、コペンハーゲン(Copanhagen))は特に有用である。国際公開第9117243号(ノボザイムズ(Novozymes))も参照されたい。好適なセルラーゼはまた、トリコデルマ・ロンギプラチアタム(Trichoderma longibrachiatum)由来のEGIIIセルラーゼである。
【0097】
エンハンサーを伴って本明細書で有用な漂白酵素には、例えば、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、オキシゲナーゼ、(例えば、カテコール1,2ジオキシゲナーゼ、リポキシゲナーゼ(例えば、国際公開第95/26393号)に開示されるもの、(非ヘム)ハロペルオキシダーゼが挙げられる。
【0098】
酵素安定剤
酵素又は酵素類が本発明の組成物中に含まれる場合、組成物は、酵素安定剤も含有してもよい。酵素は、カルシウム及び/又はマグネシウム化合物、ホウ素化合物類及び置換ホウ酸、芳香族ホウ酸エステル、ペプチド及びペプチド誘導体、ポリオール、低分子量カルボキシレート、比較的疎水性の有機化合物[例えば、特定のエステル、ジアルキル(diakyl)グリコールエーテル、アルコール又はアルコールアルコキシレート]、カルシウムイオン源に添加したアルキルエーテルカルボキシレート、ベンズアミジン次亜塩素酸塩、低級脂肪族アルコール及びカルボン酸、N,N−ビス(カルボキシメチル)セリン塩;(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステルコポリマー及びPEG、リグニン化合物、ポリアミドオリゴマー、グリコール酸又はその塩、ポリヘキサメチレンビグアニド又はN,N−ビス−3−アミノ−プロピル−ドデシルアミン若しくは塩、並びにこれらの組み合わせのようなあらゆる既知の安定剤系を使用して安定化できる。
【0099】
種々の他の開示されている安定剤、特に米国特許第4,537,706号に開示されているようなホウ酸塩の存在により、更なる安定性を提供することができる。一般的な洗剤、特に液体は、最終組成物1リットル当たり、約1〜約30、約2〜約20、約5〜約15、又は約8〜約12ミリモルのカルシウムイオンを含む。これは、存在する酵素の量及びそれのカルシウム又はマグネシウムイオンへの感応性に依存して幾分変化する可能性がある。これらに限定されないが、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、水酸化カルシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、及び対応するマグネシウム塩を含む、任意の水溶性カルシウム又はマグネシウム塩を、カルシウム又はマグネシウムイオン源として使用できる。多くの場合、酵素スラリー及び処方水中のカルシウムに起因する少量の、一般には1リットル当たり約0.05〜約0.4mmolのカルシウムイオンもまた、組成物中に存在する。固体洗剤組成物では、製剤は洗濯液中にそのような量を提供するのに十分な量の水溶性カルシウムイオン源を含んでもよい。あるいは、天然水の硬度で十分である場合もある。
【0100】
カルシウム及び/又はマグネシウムイオンの前述の濃度は、酵素の安定性を提供するのに十分であるということを理解すべきである。グリース除去性能に対する追加の基準(measure)を与えるために、より多くのカルシウム及び/又はマグネシウムイオンを組成物に加えることができる。したがって、一般的な提案として、本明細書の組成物は一般に、約0.05重量%〜約2重量%のカルシウム若しくはマグネシウムイオンの水溶性源、又はその両方を含む。もちろん、その量は組成物中で使用される酵素の量及び種類によって変えることができる。
【0101】
液体組成物において、第二酵素のタンパク質分解酵素による分解は、プロテアーゼ可逆性阻害物質、[例えば、ペプチド又はタンパク質型、特にVI族の変性されたサブチリシン阻害物質及びプラスミノストレピン(plasminostrepin);ロイペプチン、ペプチドトリフルオロメチルケトン、ペプチドアルデヒド]により回避できる。
【0102】
V.洗濯補助剤
本発明で有用である洗濯補助剤は、外見、芳香、及びレオロジーに関するがこれらに限定されない喜ばしい美的な利益を液体洗濯洗剤組成物に提供することができる。有用な洗濯補助剤には、真珠光沢剤、界面活性剤(アニオン性界面活性剤を除く)、ビルダー、ポリマー汚れ放出剤、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
a.真珠光沢剤
本発明による真珠光沢剤は、真珠光沢効果を生じるために光を屈折することができる結晶性又はガラス状固体、透明又は半透明化合物であることができる。典型的には、真珠光沢剤は、それらが組み込まれる組成物に不溶な結晶性粒子である。いくつかの実施形態では、真珠光沢剤は薄板又は球体の形状を有する。本発明による球体は一般的な球形と解釈される。粒径は、球体の最大直径を横切って測定される。板様粒子は、粒子の2つの寸法(長さ及び幅)が、3つ目の寸法(深さ又は厚さ)の少なくとも5倍である。立方体又は針又は他の結晶形状のような他の結晶形状は、典型的には、真珠光沢効果を示さない。雲母のような多くの真珠光沢剤は、単斜晶結晶を有する天然鉱物である。形状は、剤の安定性に影響を及ぼすように見える。球形状の剤、更により好ましくは板様の剤は、最もうまく安定する。
【0104】
真珠光沢剤は、文献で知られているが、一般にシャンプー、コンディショナー、又はパーソナルクレンジング用途において使用される。それらは、組成物に真珠層の外観を与える材料として記載される。真珠光沢の機構は、R.L.クロンビー(Crombie)により、「インターナショナル・ジャーナル・オブ・コスメティック・サイエンス(International Journal of Cosmetic Science)」19巻、205〜214頁に記載されている。理論に束縛されるものではないが、真珠光沢は、下図に示すような光の正反射によって生じると考えられている。真珠小板又は球体から反射した光は、組成物中の異なる水準において、互いに本質的に平行に位置するので、深さと艶の感覚を引き起こす。いくらかの光が、真珠光沢剤から反射され、残りは、剤を通過する。真珠光沢剤を通過する光は、直接通過する可能性があり、又は屈折する可能性がある。反射した、屈折した光は、異なる色、白色度及び艶を生じる。本出願人は、最善の艶、白色度、及び色強度が30マイクロメートル未満のDO.99を有する真珠光沢剤により生じることを発見した。いくつかの実施形態では、真珠光沢剤は10〜20マイクロメートルの平均の粒子の長さ(最大寸法)を有する。より小さな板状晶ほど滑らかな絹糸光沢を付与し、より大きなものほどきらめき及び輝きを与える。
(図1)

真珠光沢剤は、有機又は無機であってもよい。真珠光沢剤は、60μm未満のD0.99体積粒径を有することができる。いくつかの実施形態では、真珠光沢剤は、50μm未満、40μm未満、又は30μm未満のD0.99を有する。いくつかの実施形態では、真珠光沢剤は、約0.1μm〜50μm、約0.5μm〜25μm、又は約1μm〜20μmの粒径分布を有する。D0.99は、粒径分布に関する粒径の尺度であり、粒子の99%が60μm未満の体積粒径を有することを意味する。体積粒径及び粒径分布は、マルバーン・インスツルメント社(Malvern Instruments Ltd.)から入手可能なヒドロ(Hydro)2000G装置を使用して測定される。粒径は、剤の安定化の役割を有する。粒径及び分布が小さいほど、より容易に懸濁する。
【0105】
真珠光沢剤は、約1.41を超える、約1.8を超える、又は約2.0を超える屈折率を有する。いくつかの実施形態では、真珠光沢剤と、次に真珠光沢剤が添加される組成物又は媒質との間の屈折率の差は、少なくとも約0.02である。いくつかの実施形態では、真珠光沢剤と、組成物との間の屈折率の差は、少なくとも約0.2又は少なくとも約0.6である。
【0106】
本発明の液体組成物は、組成物の約0.01重量%〜15.0重量%の100%活性真珠光沢剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、液体組成物は、組成物の約0.01重量%〜5重量%、約0.01重量%〜3.0重量%、又は約0.01重量%〜0.5重量%の100%活性真珠光沢剤を含み、最も好ましくは組成物の約0.02重量%〜0.2重量%である。
【0107】
有機真珠光沢剤:
好適な真珠光沢剤には、下式を有するアルキレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルが挙げられる:
【化10】

(式中、
a.R1は直鎖又は分枝鎖C12〜C22アルキル基であり、
b.Rは直鎖又は分枝鎖C2〜C4アルキレン基であり、
c.Pは、H、C1〜C4アルキル、又は−CORの群から選択され、並びに、
d.n=1〜3である。)
本発明の1つの実施形態では、長鎖脂肪酸エステルは上記の一般構造を有し、式中、Rは直鎖又は分枝鎖C16〜C22アルキル基であり、Rは−CH−CH−であり、PはH又は−CORから選択され、式中、RはC4〜C22アルキル、好ましくはC12〜C22アルキルである。
【0108】
典型的な例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール又はテトラエチレングリコールと、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸、及びこれらの混合物のような約6〜約22、好ましくは約12〜約18の炭素原子を含有する脂肪酸との、モノエステル及び/又はジエステルである。
【0109】
1つの実施形態では、エチレングリコールモノステアレート(EGMS)及び/又はエチレングリコールジステアレート(EGDS)及び/又はポリエチレングリコールモノステアレート(PGMS)及び/又はポリエチレングリコールジステアレート(PGDS)は、本組成物において使用される真珠光沢剤である。これらの材料には、いくつかの商業的供給源が存在する。例えば、PEG6000MS(登録商標)は、ステパン(Stepan)から入手可能であり、エンピラン(Empilan)EGDS/A(登録商標)は、アルブライト&ウィルソン(Albright & Wilson)から入手可能である。
【0110】
無機真珠光沢剤:
無機真珠光沢剤には、雲母、金属酸化物被覆雲母、シリカ被覆雲母、オキシ塩化ビスマス被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、ミリスチルミリステート、グアニン、グリッター(glitter)(ポリエステル又は金属)及びこれらの混合物の群から選択されるものが挙げられる。
【0111】
好適な雲母としては、白雲母又はカリウムアルミニウム水酸化フッ化物が挙げられる。雲母の小板は、金属酸化物の薄層でコーティングされることが好ましい。好ましい金属酸化物は、ルチル、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸化スズ、アルミナ及びこれらの混合物の群から選択される。結晶性真珠光沢層は、金属酸化物でコーティングされた雲母を約732℃にて焼成することにより、形成される。熱は、樹脂に不溶性で、安定した色を有し、以降の加工の熱応力に耐える、不活性顔料を作る。
【0112】
より好ましくは、無機真珠光沢剤は、雲母及びオキシ塩化ビスマス及びこれらの混合物の群から選択される。最も好ましくは、無機真珠光沢剤は雲母である。市販の好適な無機真珠光沢剤は、メルク(Merck)から、商品名イリオジン(Iriodin)、ビロン(Biron)、キシロナ(Xirona)、チミロン・コロロナ(Timiron Colorona)、ジクロナ(Dichrona)、キャンデュリン(Candurin)、及びロナスター(Ronastar)として入手可能である。他の市販の無機真珠光沢剤は、BASF(エンゲルハルド、ミール(Engelhard,Mearl))から商品名ビジュ(Biju)、ビライト(Bi-Lite)、クロマライト(Chroma-Lite)、パールグロ(Pearl-Glo)、マーライト(Mearlite)として、並びにエッカート(Eckart)から商品名プレステージ・ソフト・シルバー(Prestige Soft Silver)及びプレステージ・シルク・シルバースター(Prestige Silk Silver Star)として入手可能である。
【0113】
b.界面活性剤
本発明の洗濯製品は、約1重量%〜約50重量%の、非イオン性、双極性イオン性、又は両性の界面活性剤を含んでもよい。本明細書で有用な洗浄性界面活性剤は、米国特許第3,664,961号(1972年5月23日発行、ノリス(Norris))、米国特許第3,919,678号(1975年12月30日発行、ラフリン(Laughlin)ら)、米国特許第4,222,905号(1980年9月16日発行、コックレル(Cockrell))、及び米国特許第4,239,659号(1980年12月16日発行、マーフィー(Murphy))に記載されている。
【0114】
有用な非イオン性界面活性剤には、いわゆる狭いピークを有するアルキルエトキシレートなどのC12〜C18アルキルエトキシレート(「AE」)及びC〜C12アルキルフェノールアルコキシレート(特にエトキシレート及び混合されたエトキシ/プロポキシ)、C〜C12アルキルフェノールのブロックアルキレンオキシド縮合体、C〜C22アルカノールのアルキレンオキシド縮合体及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー(プルロニック(Pluronic)(商標)−BASF社(BASF Corp.))が挙げられるが、これらに限定されず、並びに、半極性の非イオン性物質(例えば、アミンオキシド及びホスフィンオキシド)を本組成物に使用することができる。これらの種の界面活性剤の広範囲の開示が、米国特許第3,929,678号(ローリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)に見出される。
【0115】
米国特許第4,565,647号(レナドー(Llenado))に開示されているようなアルキル多糖もまた本発明の組成物で有用な非イオン性界面活性剤である。
【0116】
アルキルポリグルコシド界面活性剤もまた好適である。
【0117】
いくつかの実施形態では、有用である非イオン性界面活性剤には、式R(OCOHのものが挙げられ、式中、RはC10〜C16アルキル基又はC〜C12アルキルフェニル基であり、nは3〜約80である。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、アルコール1モル当たり約5〜約20モルのエチレンオキシドでのC12〜C15アルコールの縮合生成物であってもよく、例えば、アルコール1モル当たり約6.5モルのエチレンオキシドで縮合されたC12〜C13アルコールである。
【0118】
更なる好適な非イオン性界面活性剤には、下式のポリヒドロキシ脂肪酸アミドが挙げられる。
【化11】

式中、RはC9〜17アルキル又はアルケニルであり、Rはメチル基であり、Zは還元糖から又はそのアルコキシル化誘導体から誘導されるグリシジルである。例は、N−メチルN−1−デオキシグリシチルココアミド及びN−メチルN−1−デオキシグリシチルオレアミドである。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの製造プロセスは既知であり、米国特許第2,965,576号(ウィルソン(Wilson))及び同第2,703,798号(シュワルツ(Schwartz))に見出すことができる。
【0119】
c.ビルダー
本発明の液体洗濯洗剤組成物はまた、約0.1重量%〜80重量%のビルダーを含んでもよい。液体形態のこのような組成物は、約1重量%〜約10重量%のビルダー構成成分を含む。ゲル形態のこのような組成物は、約0.5〜約30重量%のビルダーを含んでもよい。洗剤ビルダーは、例えば、ホスフェート塩、並びに、種々の有機及び無機の無リンビルダーを含んでもよい。
【0120】
本明細書で有用な水溶性無リン有機ビルダーには、様々なアルカリ金属、アンモニウム、並びに置換アンモニウムのポリアセテート、カルボン酸塩、ポリカルボン酸塩、及びポリヒドロキシスルホン酸塩が挙げられる。ポリアセテートビルダー及びポリカルボン酸塩ビルダーの例は、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、オキシジコハク酸、メリト酸、ベンゼンポリカルボン酸、及びクエン酸の、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、及び置換アンモニウム塩である。本明細書に用いる他の好適なポリカルボン酸塩は、米国特許第4,144,226号及び同第4,246,495号に記載されているポリアセタールカルボキシレートである。いくつかの実施形態では、ポリカルボン酸塩ビルダーは、オキシジスクシネート、及び米国特許第4,663,071号に記載されているタータラートモノスクシネートとタータラートジスクシネートとの組み合わせを含むエーテルカルボキシレートビルダー組成物である。
【0121】
好適な無リン無機ビルダーの非限定例には、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウ酸塩、及び炭酸塩が挙げられる。いくつかの実施形態では、無機ビルダーは、ナトリウム及びカリウムの炭酸塩、炭酸水素塩、セスキ炭酸塩、テトラホウ酸十水和物、及びSiOとアルカリ金属酸化物の重量比が約0.5〜約4.0、好ましくは約1.0〜約2.4のケイ酸塩から選択される。ゼオライトなどのアルミノケイ酸塩もまた好ましい。このような物質、及び、洗剤ビルダーとしてのこれらの使用は、米国特許第4,605,509号により詳細に説明されている。また、米国特許第4,605,509号で説明されているものなどの結晶性層状ケイ酸塩は、本発明の液体洗濯洗剤組成物での使用に好適である。
【0122】
d.ポリマー汚れ放出剤
既知のポリマー汚れ放出剤(以降「SRA」)は、所望により、本液体洗濯洗剤組成物に採用することができる。使用される場合、SRAは、一般に本組成物の約0.01重量%〜約10.0重量%、約0.1重量%〜約5重量%、又は約0.2重量%〜約3.0重量%を構成する。
【0123】
いくつかの実施形態では、SRAは、ポリエステル及びナイロンなどの疎水性繊維の表面を親水化するための親水性部分と、疎水性繊維上に付着して、洗浄及びすすぎサイクルの完了までその上に密着し続けて、親水性部分のためのアンカーとして働く疎水性部分とを有することができる。これによって、後の洗浄手順で、SRAでの処置の後に浮かび上がるシミをより容易に落とすことができるようになる。
【0124】
SRAは、種々の荷電性の、例えば、アニオン性又は更にはカチオン性(米国特許第4,956,447号を参照されたい)、並びに、非荷電性の、モノマー単位を含むことができ、構造は直鎖、分枝鎖、又は更には星状であってもよい。これらは、分子量を制御すること、又は物理的特性若しくは界面活性の特性を変化させることに特に有効である末端保護部分を含んでもよい。構造及び電荷分布は、異なる繊維又は生地の種類への適用に合わせて、及び、様々な洗剤又は洗剤添加製品に向けて、調整することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、SRAは、典型的には少なくとも1つのエステル交換/オリゴマー化を伴い、多くの場合はチタン(IV)アルコキシドなどの金属触媒によるプロセスから調製されるオリゴマー性テレフタル酸エステルを含む。このようなエステルは、高密度で架橋された全体構造を当然形成することなく、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の位置を介してエステル構造に組み込まれることができる更なるモノマーを使用して、製造してもよい。
【0126】
好適なSRAには、例えば、米国特許第4,968,451号に記載されているような、テレフタロイル及びオキシアルキレンオキシ繰り返し単位のオリゴマーエステル主鎖とこの主鎖に共有結合しているアリル由来のスルホン化末端部分とからなる実質的に直鎖のエステルオリゴマーのスルホン化生成物が挙げられる;このようなエステルオリゴマーは、(a)アリルアルコールをエトキシ化すること、(b)2段階のエステル交換/オリゴマー化処理で(a)の生成物をテレフタル酸ジメチル(「DMT」)及び1,2−プロピレングリコール(「PG」)と反応させること、並びに(c)水中で(b)の生成物をメタ重亜硫酸ナトリウムと反応させること、により調製することができる;米国特許第4,711,730号の非イオン性末端で末端保護された1,2−プロピレン/ポリオキシエチレンテレフタレートポリエステル、例えば、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル、DMT、PG及びポリ(エチレングリコール)(「PEG」)のエステル交換/オリゴマー化処理により製造されるもの;エチレングリコール(「EG」)、PG、DMT及びNa−3,6−ジオキサ−8−ヒドロキシオクタンスルホネートからのオリゴマーなどの、米国特許第4,721,580号の、部分的に及び完全にアニオン性末端で末端保護されたオリゴマーエステル;例えば、DMT、Me末端保護PEG及びEG及び/又はPGから、あるいはDMT、EG及び/又はPG、Me末端保護PEG及びNa−ジメチル−5−スルホイソフタレートの組み合わせから製造される、米国特許第4,702,857号の非イオン性に末端保護されたブロックポリエステルオリゴマー性化合物;並びに、米国特許第4,877,896号の、アニオン性の、特にスルホアロイルの、末端保護されたテレフタル酸エステル(後者は洗濯及び布地コンディショニング製品の両方で有用なSRAの典型であり、例は、m−スルホ安息香酸一ナトリウム塩、PG及びDMTから製造されるが、所望によりしかし好ましくは付加PEG、例えばPEG 3400、を更に含む、エステル組成物である)。
【0127】
SRAにはまた、テレフタル酸エチレン又はテレフタル酸プロピレンと、ポリエチレンオキシド又はテレフタル酸ポリプロピレンオキシドとの単純なコポリマーブロック(米国特許第3,959,230号を参照されたい);ダウ(Dow)からメトセル(METHOCEL)として入手可能であるヒドロキシエーテルセルロース系ポリマーなどのセルロース系誘導体;並びにC〜Cアルキルセルロース及びCヒドロキシアルキルセルロースも挙げられる(米国特許第4,000,093号を参照されたい)。ポリ(ビニルエステル)疎水性部分により特徴付けられる好適なSRAには、ポリ(ビニルエステル)のグラフトコポリマーが挙げられ、例えば、ポリアルキレンオキシド主鎖上にグラフトされたC〜Cビニルエステル、好ましくはポリ(酢酸ビニル)である。欧州特許第0 219 048号を参照されたい。市販の例には、BASF(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン(Ludwigshafen))から入手可能なソカラン(SOKALAN)HP−22などのソカランSRAが挙げられる。他のSRAは、平均分子量300〜5,000のポリオキシエチレングリコールから誘導される約90重量%〜約80重量%のテレフタル酸ポリオキシエチレンと共に、約10重量%〜約15重量%のテレフタル酸エチレンを含有する繰り返し単位を有するポリエステルである。商業的な例には、デュポン(Dupont)(デラウェア州ウィルミントン(Wilmington))からのゼルコン(ZELCON)(商標)5126及びICI(ニュージャージー州ブリッジウォーター(Bridgewater))からのミリーズ(MILEASE)(商標)Tが挙げられる。
【0128】
別の有用なSRAは、実験式(CAP)(EG/PG)(T)(SIP)を有するオリゴマーであり、この実験式はテレフタロイル(T)、スルホイソフタロイル(SIP)、オキシエチレンオキシ及びオキシ−1,2−プロピレン(EG/PG)単位を含み、並びに、この実験式は末端キャップ(CAP)、好ましくは変性イセチオネートで終端してもよく、これは1スルホイソフタロイル単位、5テレフタロイル単位、典型的には約0.5:1〜約10:1の定義された比率でのオキシエチレンオキシ及びオキシ−1,2−プロピレン単位、及び、2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エタンスルホン酸ナトリウムから誘導される2末端キャップ単位を含むような場合についてである。前記SRAは更に、オリゴマーの約0.5重量%〜約20重量%の結晶化度低減安定剤を含み、例えば、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムあるいはキシレン、クメン、及びトルエンのスルホン酸塩又はこれらの混合物から選択される要素などのアニオン性界面活性剤であり、これらの安定剤又は変性剤は合成ポットの中に添加されるが、これらは全て米国特許第5,415,807号に教示されている通りである。上述のSRAに好適なモノマーには、2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エタンスルホン酸Na、DMT、Na−ジメチル5−スルホイソフタレート、EG及びPGが挙げられる。
【0129】
有用なSRAの更に別の群は、(1)(a)ジヒドロキシスルホネートと、ポリヒドロキシスルホネートと、少なくとも三官能性である単位であってこれによりエステル結合が形成されて分枝状オリゴマー骨格を生じる単位と、これらの組み合わせとの群から選択される1つの単位;(b)テレフタロイル部分である少なくとも1つの単位;及び(c)1,2−オキシアルキレンオキシ部分である少なくとも1つの非スルホン化単位、を含む骨格;並びに(2)非イオン性末端保護単位、アニオン性末端保護単位(例えば、アルコキシル化、好ましくはエトキシ化、イセチオネート、アルコキシル化プロパンスルホネート、アルコキシル化プロパンジスルホネート、アルコキシル化フェノールスルホネート、スルホアロイル誘導体)及びこれらの混合物から選択される1つ以上の末端保護単位、を含むオリゴマーエステルである。このようなエステルのうちで好ましいものは、次の実験式のものである:
{(CAP)x(EG/PG)y’(DEG)’’(PEG)y’’’(T)z(SIP)Z’(SEG)q(B)m}
式中、CAP、EG/PG、PEG、T及びSIPは上述の定義の通りであり、(DEG)はジ(オキシエチレン)オキシ単位を表し、(SEG)はグリセリン及び関連部分単位のスルホエチルエーテルから誘導される単位を表し、(B)は少なくとも三官能性である分枝単位であってこれによりエステル結合が形成されて分枝状オリゴマー骨格を生じる分枝単位を表し、xは約1〜約12であり、y’は約0.5〜約25であり、y’’は0〜約12であり、y’’’は0〜約10であり、y’+y’’+y’’’は約0.5〜約25となり、zは約1.5〜約25であり、z’は0〜約12であり、z+z’は約1.5〜約25となり、qは約0.05〜約12であり、mは約0.01〜約10であり、並びに、x、y’、y’’、y’’’、z、z’、q及びmは前記エステルの1モル当たりの対応する単位の平均モル数を表し、並びに、前記エステルは約500〜約5,000の範囲のモル重量を有する。
【0130】
いくつかの実施形態では、上記エステルについてのSEG及びCAPモノマーには、Na−2−(2−,3−ジヒドロキシプロポキシ)エタンスルホネート(「SEG」)、Na−2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エタンスルホネート(「SE3」)とその同族体及びこれらの混合物並びにアリルアルコールのエトキシ化及びスルホン化生成物が挙げられる。この部類のSRAエステルには、2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エタンスルホン酸ナトリウム及び/又は2−[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エトキシ]エタンスルホン酸ナトリウム、DMT、2−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)エタンスルホン酸ナトリウム、EG、並びに適切なTi(IV)触媒を使用するPGが挙げられ、これらは(CAP)2(T)5(EG/PG)1.4(SEG)2.5(B)0.13と示すことができ、式中、CAPは(Na+S[CHCHO]3.5)−であり、Bはグリセリンからの単位であり、加水分解完了後に従来のガスクロマトグラフィーにより測定する時にモル比EG/PGは約1.7:1である。
【0131】
SRAの更なる部類には、(I)ジイソシアネート結合剤を使用してポリマーエステル構造に連結する非イオン性テレフタレート(米国特許第4,201,824号及び同第4,240,918号を参照されたい);(II)トリメリット酸無水物を既知のSRAに添加して末端ヒドロキシル基をトリメリット酸エステルに転換させることにより製造されるカルボン酸末端基を有するSRA。触媒の適切な選択により、トリメリット酸無水物は、無水結合の開裂よりもむしろ、トリメリット酸無水物の孤立したカルボン酸のエステルを介してポリマーの末端部に結合を形成する。エステル化することができるヒドロキシル末端基を有するものに限り、非イオン性又はアニオン性のSRAのいずれかを出発物質として使用することができる。米国特許第4,525,524号を参照されたい;(III)ウレタン結合種のアニオン性テレフタレート系SRA(米国特許第4,201,824号を参照されたい);(IV)ポリ(ビニルカプロラクタム)、並びに、非イオン性及びカチオン性ポリマーの両方を含む、ビニルピロリドン及び/又はジメチルアミノエチルメタクリレートなどのモノマーを有する関連コポリマー(米国特許第4,579,681号を参照されたい);(V)BASF(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン(Ludwigshafen))からのソカラン(Sokalan)(商標)型に加えて、スルホン化ポリエステル上にアクリルモノマーをグラフトすることにより製造されるグラフトコポリマー(これらのSRAは既知のセルロースエーテルと同様に汚れ放出及び抗再付着活性を有すると言われている:欧州特許第279,134(A)号、1988年を参照されたい);(VI)カゼインなどのタンパク質上へのアクリル酸及び酢酸ビニルなどのビニルモノマーのグラフト(欧州特許第457,205号を参照されたい);(VII)特にポリアミド布地を処理するための、アジピン酸、カプロラクタム、及びポリエチレングリコールを縮合することにより調製されるポリエステル−ポリアミドSRA(ドイツ特許第2,335,044号(DE 2,335,044)を参照されたい)が挙げられる。他の有用なSRAは、米国特許第4,240,918号、同第4,787,989号、同第4,525,524号及び同第4,877,896号に記載されている。
【0132】
洗濯製品
本発明の任意構成成分の非限定リストには、洗濯洗剤、布地コンディショナー、並びに、他の洗浄、すすぎ、及び乾燥機添加製品が挙げられる。洗濯製品は約0.1%〜約20%、好ましくは約0.2%〜約10%の布地ケア剤を含んでもよい。洗濯製品はまた、約0.01%〜約5%、好ましくは約0.02%〜約2%の送達強化剤を含んでもよい。布地コンディショナーの従来の構成成分には、界面活性剤及びこれに類するものが挙げられるがこれらに限定されない。洗剤組成物の従来の構成成分には、界面活性剤、漂白剤及び漂白活性化剤、酵素及び酵素安定剤、泡増強剤又は泡抑制剤、曇り防止及び腐食防止剤、非ビルダーアルカリ性供給源、キレート化剤、有機及び無機充填剤、溶媒、向水性物質、光学的光沢剤、染料、芳香剤、並びに変性セルロースエーテル布地処理剤が挙げられるがこれらに限定されない。本発明の布地ケア剤又は送達増強剤は、洗剤組成物又は布地コンディショナーの構成成分であってもよく、あるいはこれらに添加してもよい。洗剤組成物は顆粒、液体、又はタブレットの形態であってもよい。本発明の洗剤組成物は、米国特許第6,274,540号及び同第6,306,817号、2001年3月8日公開のWIPO公開(WIPO Publication)国際公開第01/16237、並びに2001年3月8日公開の国際公開01/16263に従って製造してもよい。
【0133】
使用方法
本発明は更に、布地を洗濯する方法に関し、前記方法は、洗浄する必要のある布地を本発明による液体洗剤組成物に接触させる工程を含む。本発明の目的に関し、用語「接触」は、「本発明の液体洗剤組成物を含む組成物の水溶液との布地の密接な接触」として定義され、前記組成物は少なくとも10ppm、又は少なくとも100ppmの量で存在する。接触は、典型的には、組成物を布地上へ、浸透させ、洗浄し、すすぎ、噴霧することにより生じるが、布地との、基材の接触、とりわけ組成物が吸収されている材料の接触を挙げることができる。いくつかの実施形態では、洗濯はプロセスである。洗濯のための温度は種々の温度で実施することができるが、洗濯は、典型的には約30℃未満、好ましくは約5℃〜約250℃で行われる。
【0134】
液体洗濯洗剤組成物
好ましくは、本明細書の洗濯製品組成物は液体洗濯洗剤組成物として配合される。液体洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物の好ましくは約3重量%〜約98重量%、好ましくは約15重量%〜約95重量%の水性液体キャリアを含み、この水性液体キャリアは好ましくは水である。本発明による液体洗濯洗剤組成物は、本発明の液体洗濯洗剤組成物による好ましいシミ除去性能を維持するために、好ましくは約6〜約10、より好ましくは約7〜約9の洗浄溶液pHを提供すべきである。必要に応じて、洗浄組成物は、アルカリ化剤、pH調整剤及び/又は緩衝剤を含有してもよい。
【0135】
本明細書の洗濯洗剤組成物の密度は、20℃で測定される組成物について、好ましくは約400〜約1200g/リットル、より好ましくは約500〜約1100g/リットルの範囲である。
【実施例】
【0136】
以下の実施例の洗濯製品配合物は、当業者に既知の従来の方法及び手段により製造することができる。本発明のカチオン性付着補助剤及び布地ケア剤は、洗濯製品への配合に、添加に、又は併用しての使用に先立って、混合してもよい。更に又はあるいは、この2つの構成成分は別々の工程で洗濯製品に配合してもよい。機能増強剤は、布地ケア剤の添加の又はカチオン性付着補助剤と布地ケア剤との混合物の添加の前あるいは後に、液体洗濯洗剤組成物に添加してもよい。いくつかの実施形態では、布地ケア剤及びカチオン性付着補助剤は、機能増強剤の添加後に添加される。
【0137】
例示の目的のみのためであって、制限するものと解釈されるべきではないが、以下の本発明の液体洗濯洗剤組成物の実施例が下記に適用される。実施例1〜28は注ぐことが可能な液体洗濯洗剤組成物のための配合を例示し、実施例29〜40はゲル状洗濯洗剤組成物のための配合を例示する。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

シェル・ケミカルズ(Shell Chemicals)(テキサス州ヒューストン(Houston))により供給されるC10〜C18アルキルエトキシ硫酸塩
ハンツマン社(Huntsman Corp)(ユタ州ソルトレイクシティ(Salt lake City))により供給されるC〜C15直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩
シェル・ケミカルズ(Shell Chemicals)(テキサス州ヒューストン(Houston))により供給される
イリノイ州シカゴのアクゾ(Akzo)ケミカル社により供給される
ノボザイムズ(Novozymes)(デンマーク、コペンハーゲン(Copanhagen))により供給される
チバスペシャリティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)(ノースカロライナ州ハイポイント(High Point))により供給される
米国特許第4,597,898号に記載されている
米国特許第5,565,145号に記載されている
BASF(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン(Ludwigshafen))から商標名ルテンジット(LUTENSIT)(登録商標)として入手可能であり、例えば、国際公開第01/05874号に記載されているもの
10 ダウ・コーニング社(Dow Corning Corporation)(ミシガン州ミッドランド(Midland))により供給される
11 信越シリコーン社(Shin-Etsu Silicones)(オハイオ州アクロン(Akron))により供給される
12 ナルコ・ケミカルズ(Nalco Chemicals)(イリノイ州ナパービル(Naperville))により供給される
13 エクハード・アメリカ(Ekhard America)(ケンタッキー州ルイビル(Louisville))により供給される
14 デグッサ社(Degussa Corporation)(バージニア州ホープウエル(Hopewell))により供給される
15 ローディア・シミー(Rhodia Chemie)(フランス、オーベルヴィリエ(Aubervilliers))により供給される
16 アルドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals)(ウィスコンシン州グリーンベイ(Greenbay))により供給される
17 ダウ・ケミカルズ(Dow Chemicals)(ニュージャージー州エッジウオーター(Edgewater))により供給される
18 シェル・ケミカルズ(Shell Chemicals)(テキサス州ヒューストン(Houston))により供給される
19 ステパン・ケミカルズ(Stepan Chemicals)(イリノイ州ノースフィールド(Northfield))により供給される
【表6】

【表7】

(1)BASFから入手される酢酸でアミド化されたポリエチレンイミンポリマー
(2)ダウ・コーニング(Dow Corning)から市販されているシリコーンポリエーテル
(3)ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能なポリジメチルシロキサンエマルション
(4)チクシン(Thixcin)(商標)として販売されている
【0138】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0139】
以上、本発明の特定の実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行うことが可能である点は当業者には自明であろう。したがって本発明の範囲に含まれる全てのこうした変更及び改変を付属の特許請求の範囲において網羅するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗濯洗剤組成物であって、前記組成物の重量パーセントで
a.1重量%〜80重量%のアニオン性界面活性剤、
b.0.1重量%〜10重量%の布地ケア剤、
c.0.01重量%〜2重量%の付着補助剤、並びに、
d.酵素、アニオン性ポリマー、及び光沢剤から選択される0.05重量%〜約10重量%の機能増強剤、
を含む液体洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記アニオン性界面活性剤が、C〜C22脂肪酸又はその塩;C11〜C18アルキルベンゼンスルホン酸塩;C10〜C20分枝鎖及びランダムアルキル硫酸塩;C10〜C18アルキルアルコキシ硫酸塩(式中、xは1〜30である);中鎖分枝状アルキル硫酸塩;中鎖分枝状アルキルアルコキシ硫酸塩;1〜5エトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボン酸塩;変性アルキルベンゼンスルホン酸塩;C12〜C20メチルエステルスルホン酸塩;C10〜C18α−オレフィンスルホン酸塩;C〜C20スルホコハク酸塩;及びこれらの組み合わせの群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記布地ケア剤が、布地の柔軟化、色保護、色回復、毛玉/毛羽立ち削減、抗摩擦、抗しわ、及びこれらの組み合わせの群から選択される布地ケア利益を提供する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記布地ケア剤が、シリコーン誘導体、油性糖誘導体、分散性ポリオレフィン、ポリマーラテックス、カチオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせの群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、カルボヒドラーゼ、キシログルカナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、及びこれらの組み合わせの群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記機能増強剤が好ましくは、4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)ビフェニル二ナトリウム;ベンゼンスルホン酸;2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[4−[(2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル(y)]アミノ]−,二ナトリウム塩;4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−s−トリアジン−2イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム;4,4’−ビス[(4−アニリノ−6−(N−2−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ)−s−トリアジン−2−イル)アミノ]2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム;4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−メチルアミノ−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム;4,4”−ビス[4,6−ジ−アニリノ−s−トリアジン−2−イル]−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム;4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−モルホリノ−s−トリアジン−2−イル}−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホン酸二ナトリウム;及びこれらの組み合わせの群から選択される光沢剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記機能増強剤がアニオン性分散剤ポリマーである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
雲母;オキシ塩化ビスマス;魚鱗;次式のアルキレングリコールのモノ若しくはジエステル:
【化1】

(式中、
a.Rは直鎖又は分枝鎖C12〜C22アルキル基であり、
b.Rは直鎖又は分枝鎖C2〜C4アルキレン基であり、
c.Pは、H、C1〜C4アルキル、又は−CORの群から選択され、並びに、
d.n=1〜3である)の群から好ましくは選択される真珠光沢剤を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記真珠光沢剤が、雲母、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールモノステアレート、オキシ塩化ビスマス、及びこれらの組み合わせの群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
非イオン性界面活性剤、ビルダー、ポリマー汚れ放出剤、及びこれらの組み合わせの群から選択される洗濯補助剤を更に含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。

【公表番号】特表2010−520350(P2010−520350A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552320(P2009−552320)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050906
【国際公開番号】WO2008/114171
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】