欠陥低減表面を有する微細複製物品
欠陥低減およびウェットアウト低減特徴を含む微細複製物品およびそれを製造する方法が開示されている。微細複製物品は第1および第2の対向表面を有する可撓性基板と、第1の表面上の第1の塗布微細複製パターンと、第2の表面上の第2の塗布微細複製パターンとを含む。第1の塗布微細複製パターンと第2の塗布微細複製パターンとが10マイクロメートル以内に位置合わせされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ウェブ上への材料の連続成形に関し、特に、欠陥低減表面とウェブの両辺に成形されたパターン間に高い位置合わせ度とを有する物品の成形に関する。
【背景技術】
【0002】
新聞の印刷から高機能の電子および光学デバイスの作製まで多くの物品の作製において、少なくとも一時的に液体の形状のある材料を基板の両辺に塗布することが必要である。多くの場合、基板に塗布される材料は所定のパターンで塗布され、例えば、印刷の場合、インクは文字および絵のパターンで塗布される。このような場合、基板の両辺のパターン間での位置合わせのために少なくとも最低要件があることが一般的である。
【0003】
基板が回路基板などの個々の物品である場合、パターンのアプリケータは通常位置合わせの達成を助けるためにエッジに依存する。しかし、基板がウェブであるとともに位置合わせを維持する際に周期的に参照するために基板のエッジに依存することが不可能である場合、問題はやや難しくなる。なお、ウェブの場合でも位置合わせの要件が厳格でない、例えば、100マイクロメートルを超えるという、完璧な位置合わせからのずれが容認される場合、材料塗布をその程度まで制御するための機械的手段は既知である。印刷技術はそのような基準を満たすことが可能な装置が充実している。
【0004】
しかし、基板の両辺にパターンを有するある製品では、はるかに正確なパターン間の位置合わせが必要とされる。そのような場合ウェブが連続移動されてない場合には、材料をそのような基準に塗布することができる装置は知られている。そして、ウェブが連続移動中である場合には、例えば、あるタイプのフレキシブル回路の場合のように、パターンニングロールの1回転当たり一度の完璧な位置合わせという、100マイクロメートルあるいは5マイクロメートル内にパターンニングロールをリセットすることが容認可能である場合には、当該技術はなお前進方法に関するガイドラインを与える。
【0005】
しかし、例えば、輝度上昇フィルムなどの光学物品において、基板の両辺に塗布された光学的に透明な高分子内のパターンが、ツール回転内の任意の点で位置合わせ外れが極僅かな許容範囲以下であることが必要とされる。これまで当該技術は、パターンが間歇的ではなく連続的に100マイクロメートル以内に位置合わせされた状態で維持されるように、連続移動されているウェブの両辺にパターン化表面を成形する方法について言及していない。
【0006】
ディスプレイ内でのフィルムの使用に付随する問題は、コンピュータディスプレイなどの近接視認を目的とするディスプレイの外見的な要件が非常に高いということである。これはこのようなディスプレイが長時間にわたり近接視認されるからであり、そのため僅かな欠陥でも裸眼で検出されて視認者の気を散らす。このような欠陥の解消は検査時間と材料の両方に関してコストがかかる恐れがある。
【0007】
欠陥はいくつかの異なる方法で明らかになる。微塵、綿埃、擦過傷、内包物等などの物理的欠陥があるとともに、光学的現象である欠陥もある。最も一般的な光学的現象の中には「ウェットアウト」がある。ウェットアウトは2つの表面が互いに光学的に接触する際に発生して、1つのフィルムから次へ伝播する光の屈折率の変化を事実上解消する。これは光学的効果を得るために構造化表面を用いるフィルムにとって特に問題であるが、それは構造化表面の屈折特性が無効になるからである。「ウェットアウト」の影響は画面に対してまだら状且つ変化する外見を生成することである。
【0008】
ディスプレイアセンブリ内の欠陥の問題を克服するいくつかの手法を次に挙げた。1つは単に従来の製造プロセスにより作製される許容可能なディスプレイアセンブリの低歩留まりを容認することである。これは競争の激しい市場では明らかに受け入れられない。第2の手法は非常に清浄且つ綿密な製造手順を採用するとともに厳しい品質制御基準を課すことである。これは歩留まりを改善し得るが、洗浄設備および検査のコストをカバーする作製のコストが上昇する。欠陥を減少させる他の手法はディスプレイに拡散板、表面拡散板またはバルク拡散板のいずれかを導入することである。このような拡散板は多くの欠陥を隠すとともに、低追加コストで製造歩留まりを向上させる。しかし、拡散板は光を散乱するとともに視認者が知覚する光の軸上輝度を低減するため性能を低下させる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、欠陥低減表面を有する微細複製物品に関する。微細複製物品は第1および第2の対向表面を有する可撓性基板と、第1の表面上の第1の塗布微細複製パターンと、第2の表面上の第2の塗布微細複製パターンとを含む。第1の塗布微細複製パターンと第2の塗布微細複製パターンとは10マイクロメートル以内に位置合わせされている。
【0010】
欠陥低減またはウェットアウト低減表面は、第1の塗布微細複製パターンまたは第2の塗布微細複製パターンの少なくとも選択されたパターン要素の長さに沿った変動高さを含む。変動高さは少なくとも選択されたパターン要素の長さに沿って位置する複数の局所高さ最大値と局所高さ最小値とを含む。変動高さは第1の値未満の局所高さ最大値と局所高さ最小値との間の高さの差の平均値を有する。ある実施形態において、第1の値は0.5〜5マイクロメートルの範囲である。欠陥低減またはウェットアウト低減特徴は、50〜100マイクロメートルの範囲の、変動高さ長さに沿った局所高さ最大値間の平均間隔を含む。
【0011】
欠陥低減表面を有する微細複製物品を作製する方法が開示されている。方法は第1および第2の対向表面を有する、ウェブ形状の基板を設けるステップと、基板をロールツーロール成形装置を通過させて、第1の表面上に第1の塗布微細複製パターンと第2の表面上に第2の塗布微細複製パターンとを形成するステップとを含む。第1の塗布微細複製パターンと第2の塗布微細複製パターンとは10マイクロメートル以内に位置合わせされている。
【0012】
定義
本開示の状況において、「位置合わせ」は、同じウェブの反対側の他の構造に対して規定関係にあるウェブの一表面上の構造の位置決めを意味する。
【0013】
本開示の状況において、「ウェブ」は、一方向の一定寸法と直交する方向の所定または不定の長さとを有する材料シートを意味する。
【0014】
本開示の状況において、「連続位置合わせ」は、第1および第2のパターン化ロールの回転中、常にロール上の構造間の位置合わせ度が指定限界より良好であることを意味する。
【0015】
本開示の状況において、「微細複製された」または「微細複製」は、構造化表面特徴の変化が製品毎に約100マイクロメートル以下である、製造中の個々の特徴忠実性を保持するプロセスによる微細構造化表面の作製を意味する。
【0016】
添付の図面にいくつかにおいて、同様な部分は同様な参照番号を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
一般に、本開示は、各側に微細複製パターン化構造が塗布された可撓性基板に関する。微細複製物品は互いに対して高精度に位置合わせされている。両側の構造が協働して必要に応じた物品光学品質をすることが好適であり、特に、構造はウェットアウトまたは欠陥低減特徴を含む複数のレンズである。
【0018】
図1は例示的ディスプレイ1の概略断面図を図示する。図示の実施形態において、ディスプレイ1は、光学フィルム14に光を供給する1つまたは複数の光源10a、10bを含む。ディスプレイ1は必要に応じて1つまたは複数の追加の光学要素を含むことができる。追加の光学要素には、例えば、1つまたは複数の光源10a、10b間に配置された導光体12、および光学フィルム14、および光学フィルム14に隣接配置された液晶セル16がある。ある実施形態において、光学フィルム14は、光学フィルム14と光学フィルム14に隣接する追加の光学要素との間の「ウェットアウト」の発生を低減する特徴(以下に説明する)を有する。ある実施形態において、光学フィルム14は、光学フィルム14欠陥の視認性を低減する特徴(以下に説明する)を有する。本明細書に説明する光学フィルム14を必要に応じて多様な用途で用いることができる。
【0019】
ある実施形態において、光学フィルム14を立体液晶ディスプレイで用いることができる。1つの例示的立体液晶ディスプレイは笹川(Sasagawa)ら著「立体LCD用二方向バックライト(Dual Directional Backlight for Stereoscopic LCD)」、1〜3、SID03ダイジェスト、2000年に記載されている。図1に示すように、ディスプレイ1は右目用光源10aと左目用光源10bとを含む。図示の実施形態において、光源10a、10bは120Hzのフィールドレートおよび60Hzのフレームレートで動作するため、視差画像は右目用光源10aが照明された場合に右目におよび左目用光源10bが照明された場合に左目に別々に表示され、それにより知覚イメージは3次元に見える。
【0020】
図2は本開示による例示的微細複製光学フィルム14の概略断面図を図示する。光学フィルム14は第1の表面22と対向する第2の表面24とを有するウェブ基板20を含む。第1の塗布微細複製パターンまたは構造25は基板20の第1の表面22上に配置されている。第2の塗布微細複製パターンまたは構造35は基板20の第2の表面24上に配置されている。図示の実施形態において、第1の塗布微細複製パターンまたは構造25は複数の湾曲または円柱レンズを備えるとともに、第2の塗布微細複製パターンまたは構造35は複数のプリズムレンズを備える。
【0021】
光学フィルム14は任意の有用な寸法を有することができる。ある実施形態において、光学フィルム14は、50〜500マイクロメートル、または75〜400マイクロメートル、または100〜200マイクロメートルの高さTを有する。第1の塗布微細複製パターン25および第2の微細複製パターン35は、同じ繰り返しピッチまたは周期Pを有することができる。ある実施形態において、繰り返しピッチまたは周期Pは必要に応じて25〜200マイクロメートル、または50〜150マイクロメートルであり得る。繰り返しピッチまたは周期Pは複数のレンズ要素を形成することができる。各レンズ要素は隣接のレンズ要素を第1の接合点26および第2の接合点36で接合することができる。ある実施形態において、第1の接合点26および第2の接合点36は、基板20に隣接するとともに位置合わせされている。他の実施形態において、第1の接合点26および第2の接合点36は、互いにウェブ20を隔てて(z方向)隣接しない規定幾何学的関係で位置合わせされている。基板20は例えば10〜150マイクロメートルまたは25〜125マイクロメートルなどの任意の有用な厚さT1を有することができる。第1の微細複製パターン25は例えば10〜50マイクロメートルなどの任意の厚さT6と、5〜50マイクロメートルの特徴または構造厚さT3とを有することができる。第2の微細複製パターン35は例えば25〜200マイクロメートルなどの任意の厚さT5と、10〜150マイクロメートルの特徴または構造厚さT2とを有することができる。接合点厚さT4は例えば10〜200マイクロメートルなどの任意の有用な量であり得る。湾曲レンズは例えば25〜150マイクロメートル、または40〜70マイクロメートルなどの任意の有用な半径Rを有することができる。
【0022】
図示の例示的実施形態において、対向微細複製特徴25、35は協働して複数のレンズ特徴を形成する。各レンズ要素の性能は各レンズ要素を形成する対向特徴25、35のアラインメントの関数であるため、レンズ特徴の精密なアラインメントまたは位置合わせが好ましい。
【0023】
一般的に、本開示の光学フィルム14を以下に開示する、約10マイクロメートルより良好、または5マイクロメートルより良好、または3マイクロメートルより良好、または1マイクロメートルより良好な位置合わせで、両面微細複製構造を作製するシステムおよび方法により作製することができる。システムは一般にロールツーロール成形アセンブリを含むとともに、第1のパターニングアセンブリと第2のパターニングアセンブリとを含む。各それぞれのアセンブリは第1および第2の表面を有するウェブのそれぞれの表面上に微細複製パターンを作製する。第1のパターンをウェブの第1の側に作製するとともに、第2のパターンをウェブの第2の表面上に作製する。欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴を第1および/または第2の微細複製パターンと共に含むことができる。
【0024】
図3は本開示による例示的微細複製フィルム14の斜視図を図示する。第1の微細複製パターンまたは構造25および第2の微細複製パターンまたは構造35はウェブ基板20の対向側に配置されている。欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴は、第2の微細複製パターンまたは構造35内に示されている。図示の実施形態において欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴は、光学フィルム14のy軸に沿ったパターン要素変動高さT5を含む。ある実施形態において、パターン要素は実質的にy軸と平行である。
【0025】
図4は線4−4に沿った図3の例示的微細複製フィルム14の概略的断面図を図示する。図示の実施形態は第1の微細複製パターン25および第2の微細複製パターン35の両方内の欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴を示す。第2の微細複製パターン35は、少なくとも選択されたパターン要素の長さ(y軸)に沿って位置する複数の局所高さ最大値27と局所高さ最小値28とを備えるとともに、変動高さは所定の値未満の局所高さ最大値27と局所高さ最小値28との間の高さの差の平均値を有する。この所定の値は、必要に応じて、例えば0.5〜5マイクロメートル、または1〜2マイクロメートルの範囲などの任意の有用な距離であり得る。第2の微細複製パターン35は、例えば20〜400マイクロメートル、または50〜250マイクロメートル、または50〜100マイクロメートルなどの任意の有用な距離の、局所高さ最大値27または局所高さ最小値28間の周期P1(公称)を有する。第1の微細複製パターン25は、代替的にまたは追加的に、例えば20〜400マイクロメートル、または50〜250マイクロメートル、または50〜100マイクロメートルなどのP1と同じまたは異なり得る、任意の有用な距離の、局所高さ最大値または局所高さ最小値間の周期P2(公称)を有する。
【0026】
欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴は、以下に説明するロールツーロール成形装置および方法により形成することができる規則的またはランダムパターンであり得る。欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴を任意の方法により以下に説明するマスターロール上に形成することができる。一実施形態において、欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴は既知のダイアモンド旋削技術でマスターロール上に形成される。
【0027】
本明細書に記載するロールツーロール成形光学フィルムを製造するために用いられるツール(ロール)用原型は、既知のダイアモンド旋削技術により作製し得る。通例ツールはロールとして既知の円筒ブランク上にダイアモンド旋削により作製される。ロールの表面は通例硬銅であるが他の材料も用い得る。微細複製構造はロールの外周の周囲に連続パターン状に形成される。作製される構造が一定のピッチを有する場合には、ツールは一定の速度で移動する。典型的なダイアモンド旋盤は、ツールがロールを貫通する深さ、ツールがロールに対してなす水平および垂直角度、およびツールの横断速度の独立制御を提供する。開示の欠陥低減および「ウェットアウト」低減微細複製構造を作製するために、高速ツールサーボアクチュエータを、ダイアモンド旋盤に追加することができる。
【0028】
例示的高速ツールサーボアクチュエータは米国特許第6,354,709号明細書に記載されている。この参考文献は圧電スタックにより支持されるダイアモンド工具を記載している。圧電スタックが変動電気信号により刺激されると、ケースから延びる距離が変化するようにダイアモンド工具が移動される。圧電スタックが一定のまたはプログラムされた周波数の信号により刺激されることが可能であるが、一般にランダムまたは擬似ランダム周波数を用いることが好ましい。本明細書で用いられるように、用語ランダムは擬似ランダムを含むと理解される。そしてそのように作製された原型ツール(ロール)を以下に説明するロールツーロール成形および硬化プロセスで用いて、本明細書で説明する光学フィルムを作製する。
【0029】
上述した欠陥低減光学フィルム14は、ウェブの対向面上に精密に位置合わせされた微細複製構造を作製する装置および方法を用いて作製することができ、その装置および方法を以下に詳細に説明する。一実施形態において、ウェブまたは基板は0.0049インチ厚さのポリエチレンテレフタレート(PET)から作製される。他の実施形態において他の材料、例えばポリカーボネートを用いることができる。
【0030】
硬化性液体をウェブの第1の側上に成形および硬化させることにより、第1の微細複製構造を第1のパターン化ロール上に作製することができる。一実施形態において、第1の硬化性液体は、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati,Ohio)のコグニス・コーポレーション(Cognis Corp.)から入手可能なフォトマー(Photomer)6010、共にペンシルバニア州エクストン(Exton,Pennsylvania)のサートマー・カンパニー(Sartomer Co.)から入手可能なSR385テトラヒドロフルフリル・アクリレートおよびSR238(70/15/15%)1,6−ヘキサンジオール・ジアクリレート、コネチカット州ストラトフォード(Stratford,Conneticut)のハンフォード・リサーチ・インコーポレーテッド(Hanford Research Inc.)から入手可能なカンファーキノン(Camphorquinone)、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee,Winconsin)のアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.)から入手可能なエチル1−4−ジメチルアミノ・ベンゾアート(0.75/0.5%)などの任意の光硬化性アクリレート樹脂溶液であり得る。光硬化性液体をウェブの第2の側上に成形および硬化させることにより、第2の微細複製構造を第2のパターン化ロール上に作製することができる。第2の硬化性液体は、第1の硬化性液体と同じであり得る。
【0031】
各それぞれの構造がパターンに成形された後、各それぞれのパターンは紫外光源を始めとする硬化光源を用いて硬化される。その後、剥離ロールを用いて第2のパターン化ロールから微細複製物品を取り外すことができる。任意に、剥離剤またはコーティングを用いてパターン化ツールからのパターン化構造の取り外しを助けることができる。
【0032】
上記の物品を作製するために用いた図示のプロセス設定は以下の通りである。約2ポンド力の成形装置内外のウェブ張力で約1.0フィート/分のウェブ速度。ウェブを第2のパターン化ツールから引っ張るため約5%の剥離ロール延伸比。約4ポンド力のニップ圧力。約0.010インチの第1および第2のパターン化ロール間の間隙。滴下塗布装置を用いてウェブの第1の表面に樹脂を供給することができるとともに、シリンジポンプを用いて約1.35ml/分の速度で第2の表面に樹脂を供給することができる。
【0033】
第1の微細複製構造の硬化は、すべての構成要素が連続載置された状態で、最大出力のオリエル(Oriel)200−500Wの水銀灯および最大出力のフォステック(Fostec)DCRIIで達成することができる。第2の微細複製構造の硬化は、スペクトラル・エネルギーUVライト・ソース(Spectgral Energy UV Light Source)、最大出力のフォステック(Fostec)DCRII、RSLIインコーポレーテッド(Inc.)、ライト・ポンプ(Light Pump)150MHSで、すべての構成要素が連続載置された状態で達成することができる。
【0034】
第1のパターン化ロールは75マイクロメートルピッチを有する円筒レンズを形成する一連のネガ画像を含むことができる。第2のパターン化ロールは75マイクロメートルピッチで複数の対称プリズムを形成する一連のネガ画像を含んでいた。
【0035】
各パターンニングアセンブリは、コーティングを塗布する手段と、パターンニング部材と、硬化部材とを含む。通例パターンニングアセンブリは、パターン化ロールと、各ロールを保持するとともに駆動する支持構造とを含む。第1のパターンニングアセンブリの塗布手段は、第1の硬化性コーティング材料をウェブの第1の表面上に分注する。第2のパターンニングアセンブリの塗布手段は、第2の硬化性コーティング材料をウェブの第2の表面上に分注し、第2の表面は第1の表面の反対側にある。通例第1および第2のコーティング材料は同じ組成である。
【0036】
第1のコーティング材料がウェブ上に配置された後、ウェブは第1のパターン化部材上を通過し、第1のコーティング材料内にパターンが作製される。その後、第1のコーティング材料を硬化または冷却して第1のパターンを形成する。続いて、第2のコーティング材料がウェブ上に配置された後、ウェブは第2のパターン化部材上を通過し、第2のコーティング材料内にパターンが作製される。その後、第2のコーティング材料を硬化させて第2のパターンを形成する。通例、各パターン化部材は微細複製ツールであるとともに、各ツールは通例材料を硬化させる専用の硬化部材を有する。しかし、第1および第2のパターン化材料の両方を硬化させる単一の硬化部材を有することが可能である。また、コーティングをパターン化ツール上に配置することが可能である。
【0037】
システムはウェブが連続移動されつつパターンがウェブの両側に転写されるように、第1および第2のパターン化ロールを回転させる手段も含み、パターンはウェブの両側に約10マイクロメートルより良好に連続位置合わせされた状態に維持される。
【0038】
本開示の利点は、両側の微細複製構造を互いに概して10マイクロメートル以内に、または5マイクロメートル以内に、または3マイクロメートル以内に、または1マイクロメートル以内に位置合わせされた状態に保持しつつ、連続形成された微細複製構造をウェブの各側に有することにより、ウェブの各対向面上に微細複製構造を有するウェブを製造することができるということである。
【0039】
図5〜6を参照すると、ロールツーロール成形装置120を含むシステム110の例示的実施形態が図示されている。図示の成形装置120において、ウェブ122が主巻出スプール(図示せず)から成形装置120に提供される。ウェブ122の本質は作製される製品によって大きく異なり得る。しかし、成形装置120が光学物品の作製に用いられる場合、ウェブ122を介する硬化を可能にするために通常ウェブ122は半透明または透明である。ウェブ122は様々なローラ126を回って成形装置120内に向けられる。
【0040】
ウェブ122の正確な張力制御は最適な結果を達成するのに有利であるため、ウェブ122を張力検知装置(図示せず)上に方向付けてもよい。ライナウェブを用いてウェブ122を保護ことが望ましい場合には、ライナウェブは通例巻出スプールにおいて分離されるとともにライナウェブ巻取スプール(図示せず)上に方向付けられる。ウェブ122をアイドラーロールを介してダンサーロールに方向付けて精密な張力制御を行うことができる。アイドラーローラはウェブ122をニップローラ154と第1のコーティングヘッド156との間の位置に向けることができる。
【0041】
様々な塗布方法を採用し得る。図示の実施形態において、第1のコーティングヘッド156はダイコーティングヘッドである。その後、ウェブ122はニップロール154と第1のパターン化ロール160との間を通過する。第1のパターン化ロール160はパターン化表面162を有するとともに、ウェブ122がニップローラ154と第1のパターン化ロール160との間を通過する際、第1のコーティングヘッド156によってウェブ122に分注された材料がパターン化表面162のネガの形状に形作られる。
【0042】
ウェブ122が第1のパターン化ロール160と接している間、材料が第2のコーティングヘッド164からウェブ122の他方の表面上に分注される。第1のコーティングヘッド156に対して上記した説明と平行して、第2のコーティングヘッド164も第2の押出機(図示せず)と第2のコーティングダイ(図示せず)とを含むダイコーティング装置である。ある実施形態において、第1のコーティングヘッド156によって分注された材料は高分子前駆体を含むとともに、例えば紫外線などの硬化エネルギーの印加で固体高分子に硬化しようとする組成物である。
【0043】
第2のコーティングヘッド164によってウェブ122上に分注された材料はその後、第2のパターン化表面176を有する第2のパターン化ロール174と接触する。上記の説明と平行してある実施形態において、第2のコーティングヘッド164によって分注された材料は高分子前駆体を含むとともに、例えば、紫外線などの硬化エネルギーの印加で固体高分子に硬化しようとする組成物である。
【0044】
この時点でウェブ122は両面に貼付されたパターンを有している。剥離ロール182は第2のパターン化ロール174からのウェブ122の除去を助けるために存在し得る。ある例では、ロールツーロール成形装置内外へのウェブ張力はほぼ一定である。
【0045】
両面微細複製パターンを有するウェブ122はその後、様々なアイドラーロールを介して巻取スプール(図示せず)に向けられる。介在フィルムがウェブ122を保護することが望ましい場合には、介在フィルムが第2の巻出スプール(図示せず)から提供され得るとともに、ウェブと介在フィルムとが適当な張力で巻取スプール上に一緒に巻き取られる。
【0046】
図5〜7を参照すると、第1および第2のパターン化ロールが、それぞれ第1および第2のモータアセンブリ210、220に結合されている。モータアセンブリ210、220の支持は、直接または間接的にアセンブリを枠230に載置することにより達成される。モータアセンブリ210、220は精密載置装置を用いて枠に結合される。図示の例示的実施形態において、第1のモータアセンブリ210は枠230に固定的に載置されている。ウェブ122が成形装置120中に通される際の位置に配置された第2のモータアセンブリ220は、横方向および流れ方向の両方に繰り返し位置決めされる必要があり、そのため移動可能であり得る。移動可能なモータ装置220は直線スライド222に結合されて、例えばロール上のパターン間で切り替える場合に繰り返し正確な位置決めを助け得る。第2のモータ装置220は枠230の後側に、第2のパターン化ロール174を第1のパターン化ロール160に対して並んで位置決めする第2の載置装置225も含む。ある場合には、第2の載置装置225は横方向の正確な位置決めを可能にする直線スライド223を含む。
【0047】
図8を参照すると、対向面上に位置合わせされた微細複製構造を有する両面ウェブ422を作製する成形装置420の例示的実施形態が図示されている。アセンブリは第1および第2の塗布手段456、464と、ニップローラ454と、第1および第2のパターン化ロール460、474とを含む。ウェブ422は第1の塗布手段456、この例では第1の押出ダイ456に提示される。第1のダイ456は第1の硬化性液体層コーティング470をウェブ422上に分注する。第1のコーティング470はニップローラ454、通例、ゴム被覆ローラにより第1のパターン化ローラ460内に押し込まれる。第1のパターン化ロール460上にある間に、コーティングは例えば紫外光源などの適当な波長光の硬化源480、例えば、ランプを用いて硬化される。
【0048】
第2の硬化性液体層481は第2の側押出ダイ464を用いてウェブ422の反対側に塗布される。第2の層481は第2のパターン化ツールローラ474内に押し込まれるとともに、硬化プロセスが第2のコーティング層481に対して繰り返される。以下に説明するように、ツールローラ460、474を互いに精密な角度関係に維持することにより、2つのコーティングパターンの位置合わせが達成される。
【0049】
図9を参照すると、第1および第2のパターン化ロール560、574の一部の近接図が図示されている。第1のパターン化ロール560は微細複製表面を形成する第1のパターン562を有する。第2のパターン化ロール574は第2の微細複製パターン576を有する。図示の例示的実施形態において、第1および第2のパターン562、576は同じパターンであるが、パターンは異なっていてもよい。図示の実施形態において、第1のパターン562および第2のパターン576はプリズム構造として示されているが、任意の単一または多数の有用な構造が第1のパターン562および第2のパターン576を形成することができる。図示の実施形態において、第1のパターン562は円柱レンズ構造であり得るとともに、第2のパターン576はプリズムレンズ構造であり得る、またはその反対であり得る。
【0050】
ウェブ522が第1のロール560上を通過する際、第1の表面524上の第1の硬化性液体(図示せず)は、第1のパターンロール560上の第1の領域526付近で、硬化光源525により硬化される。第1の微細複製パターン化構造590が、液体が硬化されるとウェブ522の第1の側524に形成される。第1のパターン化構造590は、第1のパターン化ロール560上のパターン562のネガである。第1のパターン化構造590が形成された後、第2の硬化性液体581がウェブ522の第2の表面527上に分注される。第2の液体581が早期に硬化されないようにするために第2の液体581は、第2の液体581に当たらないように第1の硬化光525を配置することによって、第1の硬化光525から隔離することができる。代替的には、遮蔽手段592を第1の硬化光525と第2の液体581との間に配置することができる。また、ウェブを介して硬化することが実用的ではないまたは困難である場合、硬化源をそれぞれのパターン化ロール内に配置することができる。
【0051】
第1のパターン化構造590が形成された後、ウェブ522は第1と第2のパターン化ロール560、574間の間隙領域575に進入するまで第1のロール560に沿って続く。そして、第2の液体581が第2のパターン化ロール上の第2のパターン576と係合するとともに第2の微細複製構造に形作られ、その後、第2の硬化光535により硬化される。ウェブ522が第1と第2のパターン化ロール560、574間の間隙575に入ると、このときまでに実質的に硬化されるとともにウェブ522に接着された第1のパターン化構造590は、ウェブ522が間隙575内および第2のパターン化ローラ574の周囲で移動し始める間、ウェブ522が滑らないようにする。これによりウェブ上に形成された第1および第2のパターン化構造間の位置合わせエラーの原因としてのウェブ伸張および滑りを除去する。
【0052】
第2の液体581が第2のパターン化ロール574と接する間ウェブ522を第1のパターンロール560上に支持することにより、ウェブ522の両側524、527上に形成された第1と第2の微細複製構造590、593間の位置合わせ度は、第1と第2のパターン化ロール560、574の表面間の位置関係を制御する関数になる。第1および第2のパターン化ロール560、574の周囲およびロールにより形成される間隙575間のウェブのS巻き(S−wrap)は、張力、ウェブ歪み変化、温度、ウェブを挟む機構により生じる微細滑り、および横方向位置制御の影響を最小限にする。通例、S巻きはウェブ522を180度の巻き角にわたって各ロールに接するように維持するが、巻き角は特定の要件に応じてより大きくてもより小さくてもよい。
【0053】
ウェブの対向面上に形成されたパターン間の位置合わせ度を増すために、各ロールの平均直径ほどの低周波数ピッチ変化を有することが好ましい。通例、パターン化ロールは同じ平均直径であるがこれは必須ではない。任意の特定の用途に対して適当なロールを選択することは当業者の技術および知識の範囲内である。
【0054】
図10を参照すると、モータ載置装置が図示されている。ツールまたはパターン化ロール662を駆動するモータ633が、機枠650に載置されるとともに、結合器640を介してパターン化ローラ662の回転シャフト601に接続されている。モータ633は主エンコーダ630に結合されている。副エンコーダ651は、パターン化ロール662の精密な角度位置合わせ制御を提供するようにツールに結合されている。主630および副651エンコーダは協働してパターン化ロール662の制御を提供し、以下にさらに説明するように、パターン化ロール662を第2のパターン化ロールと位置合わせした状態に保つ。
【0055】
シャフト共振の低減または解消は重要であるが、それはこれが指定限界内のパターン位置制御を許す位置合わせエラーの原因になるからである。モータ633と指定する一般的なサイジング計画より大きいシャフト650との間で結合器640を使用すると、より柔軟性のある結合器によって生じるシャフト共振も低減することができる。軸受けアセンブリ660は様々な箇所に配置されてモータ装置に対する回転支持を提供する。
【0056】
図示の例示的実施形態において、ツールローラ662の直径はそのモータ633の直径より小さくてもよい。この装置を収容するためにツールローラを対で鏡像状に配置し得る。図11において、2つのツールローラアセンブリ610および710は、2つのツールローラ662および762を1つにすることができるように鏡像として装着されている。図3も参照すると、第1のモータ装置は通例枠に固定的に取り付けられているとともに、第2のモータ装置は移動可能な光学的品質直線スライドを用いて位置決めされる。
【0057】
ツールローラアセンブリ710はツールローラアセンブリ610と非常に類似しているとともに、ツールまたはパターン化ロール762を駆動するモータ733を含み、モータ733は機枠750に載置されているとともに結合器740を介してパターン化ローラ762の回転シャフト701に接続されている。モータ733は主エンコーダ730に結合されている。副エンコーダ751は、パターン化ロール762の正確な角度位置合わせ制御を提供するようにツールに結合されている。主730および副751エンコーダは協働してパターン化ロール762の制御を提供し、以下にさらに説明するようにパターン化ロール762を第2のパターン化ロールと位置合わせした状態に保つ。
【0058】
シャフト共振の低減または解消は重要であるが、それはこれが指定限界内のパターン位置制御を許す位置合わせエラーの原因になるからである。モータ733と指定する一般的なサイジング計画より大きいシャフト750との間で結合器740を使用すると、より柔軟性のある結合器によって生じるシャフト共振も低減することができる。軸受けアセンブリ760は様々な箇所に配置されてモータ装置に対する回転支持を提供する。
【0059】
ウェブの両面上の微細複製構造上の特徴サイズは互いに微細な位置合わせにあることが望ましいため、パターン化ロールを高精度で制御しなければならない。本明細書に記載された限度内の横方向位置合わせを、以下に説明するように流れ方向位置合わせを制御する際に用いられる技術を適用することにより達成することができる。例えば、10インチ外周パターン化ローラ上に約10マイクロメートルの終端間特徴配置を達成するためには、各ローラを±32秒角/回転の回転精度内に維持しなければならない。ウェブがシステム中を進行する速度が増すにつれて位置合わせの制御はより困難になる。
【0060】
出願人は、ウェブの対向面に2.5マイクロメートル以内に位置合わせされたパターン化特徴を有するウェブを作製できる、10インチ円形パターン化ロールを有するシステムを構築するとともに例示した。この開示を読むとともに本明細書に教示する原理を適用すれば、当業者には他の微細複製表面に対する位置合わせ度を達成する方法が理解できよう。
【0061】
図12を参照すると、モータ装置800の概略が図示されている。モータ装置800は主エンコーダ830と駆動シャフト820とを含むモータ810を含む。駆動シャフト820は結合器825を介してパターン化ロール860の駆動シャフト840に結合されている。副または負荷エンコーダ850は駆動シャフト840に結合されている。2つのエンコーダを上記したモータ装置内で用いることにより、測定装置(エンコーダ)850をパターン化ロール860付近に配置することによってパターン化ロールの位置をより正確に測定することができるため、モータ装置800が動作している際のトルク外乱の影響を低減または解消することができる。
【0062】
図13を参照すると、制御部品に取り付けられているように図12のモータ装置の概略が図示されている。図5〜7に示された例示的装置において、同様な構成は各モータ装置210および220を制御する。したがって、モータ装置900は主エンコーダ930と駆動シャフト920とを含むモータ910を含む。駆動シャフト920は結合器930を介してパターン化ロール960の駆動シャフト940に結合されている。副または負荷エンコーダ950は駆動シャフト940に結合されている。
【0063】
モータ装置900は制御装置965と通信することにより、パターン化ロール960の正確な制御を可能にする。制御装置965は駆動モジュール966とプログラムモジュール975とを含む。プログラムモジュール975はライン977、例えばサーコス(SERCOS)ファイバネットワークを介して駆動モジュール966と通信する。プログラムモジュール975を用いて設定点などのパラメータを駆動モジュール966に入力する。駆動モジュール966は入力480ボルト、3相電力915を受け取り、それを直流に整流して、それを電力接続973を介して配電し、モータ910を制御する。モータエンコーダ912は位置信号を制御モジュール966に供給する。パターン化ロール960上の副エンコーダ950も位置信号をライン971を介して駆動モジュール966に戻すように供給する。駆動モジュール966はエンコーダ信号を用いてパターン化ロール960を正確に位置決めする。位置合わせ度を達成するための制御設計を以下に詳細に説明する。
【0064】
図示の例示的実施形態において、各パターン化ロールは専用の制御装置により制御される。専用の制御装置は協働して第1と第2のパターン化ロール間の位置合わせを制御する。各駆動モジュールはそのそれぞれのモータアセンブリと通信するとともに制御する。
【0065】
出願人により構築されるとともに例示されたシステム内の制御装置を以下に説明する。パターン化ロールの各々を駆動するために、高分解能正弦エンコーダフィードバック(512正弦周期×4096駆動補間>>200万部/回転)を有する高性能、低コギングトルクモータ、ボッシュ・レックスロス(Bosch−Rexroth)(インドラマット(Indramat))から入手可能なモデルMHD090B−035−NG0−UNを用いた。また、システムは同期モータ、ボッシュ・レックスロス(Bosch−Rexroth)(インドラマット(Indramat))から入手可能なモデルMHD090B−035−NG0−UNを含んでいたが、誘導モータなどの他のタイプを用いることもできる。
【0066】
各モータを非常に剛性なベロー結合器、R/Wコーポレーション(R/W Corporation)から入手可能なモデルBK5−300を介して直接結合した(変速機または機械的減速なしに)。代替的結合器設計を用いることもできるが、ベロー式は概して高回転精度を提供しつつ剛性を兼ね備える。各結合器を代表的な製造業者の仕様が推奨するものより大幅に大きい結合器が選択されるような大きさに形成した。
【0067】
さらに、結合器とシャフトとの間のゼロ緩みコレットまたは圧縮式係止ハブが好ましい。各ローラシャフトを中空シャフト負荷側エンコーダ、イリノイ州ショウンバーグ(Schaumburg,IL)のハイデンハイン・コーポレーション(Heidenhain Corp.)から入手可能なモデルRON255Cを介してエンコーダに取り付けた。エンコーダ選択は、通例、32秒角精度より大きい可能な最高精度および分解能を有さなければならない。出願人の設計、18000正弦周期/回転を採用したが、これは4096ビット分解能駆動補間と併せて、精度より大幅に高い分解能を与える5000万部/回転の分解能を超えた。負荷側エンコーダは±2秒角の精度を有し、伝達単位の最大偏移は±1秒角未満であった。
【0068】
ある例では、各シャフトを可能な限り直径が大きく且つ可能な限り短くなるように設計して剛性を最大にすることにより、可能な最高共振周波数を得る。すべての回転要素の精密アラインメントはこの位置合わせエラーという原因による最小位置合わせエラーを保証することが望ましい。
【0069】
図14を参照すると、出願人のシステムにおいて同一の位置参照コマンドが、2ミリ秒更新速度でサーコス(SERCOS)ファイバネットワークを介して各軸に同時に提示された。各軸は250マイクロ秒間隔の位置ループ更新速度で、三次スプラインで位置参照を補間する。一定速度は単純な一定時間間隔経路を生じるため、補間方法は決定的なものではない。分解能はいかなる丸めまたは数値化誤差も解消するために重要なものである。軸転倒も対処されなければならない。ある場合には、各軸の制御周期が電流ループ実行速度(62マイクロ秒間隔)で同期していることが重要である。
【0070】
上部経路1151は制御のフィードフォワード部である。制御ストラテジーは位置ループ1110と、速度ループ1120と、電流ループ1130とを含む。位置参照1111は微分されて、一度速度フィードフォワード項1152を生成して2度目に加速度フィードフォワード項1155を生成する。フィードフォワード経路1151はライン速度変更および動的補正時の動作を助ける。
【0071】
位置コマンド1111は現在位置1114から減算されてエラー信号1116を生成する。エラー1116は比例コントローラ1115に印加されて、速度コマンド参照1117を生成する。速度フィードバック1167はコマンド1117から減算されて速度エラー信号1123を生成し、それはその後PIDコントローラに印加される。速度フィードバック1167はモータエンコーダ位置信号1126を微分することにより生成される。微分および数値分解能限界により、ローパスバターワースフィルタ1124が適用されて、エラー信号1123から高周波ノイズ成分を除去する。狭いストップバンド(ノッチ)フィルタ1129がモータ−ローラ共振周波数の中心で適用される。これにより大幅に高い利得を速度コントローラ1120に適用することができる。モータエンコーダの分解能の上昇は性能も改善する。制御図内のフィルタの厳密な場所は決定的なものではなく、順方向または逆方向経路が許容可能であるが、同調パラメータは場所に依存する。
【0072】
PIDコントローラを位置ループ内で用いることもできるが、積分器のさらなる位相ずれは安定化をより困難にする。電流ループは従来のPIコントローラであり、利得はモータパラメータによって確立される。可能な最高帯域電流ループは最適性能を可能にする。また、最小トルクリップルが望ましい。
【0073】
外乱の最小限化は最大位置合わせを得るために重要である。これは前述したようにモータ構成および電流ループ通信を含むが、機械的外乱を最小限にすることも重要である。例には、ウェブスパンを入るおよび出る際の非常に平滑な張力制御、均一な軸受けおよびシール抗力、ローラからのウェブ剥離による張力混乱の最小化、均一ゴムニップローラがある。現在の設計において、ツールロールに噛合した第3の軸がプルロールとして設けられて、硬化構造をツールから取り外す際に助ける。
【0074】
ウェブ材料はその上に微細複製パターン化構造を作製することができる上記したような任意の適当な材料であればよい。ウェブ材料の例はポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、またはポリカーボネートである。ウェブを多層化することもできる。液体は通例パターン化構造が作製される側と反対側の硬化源によって硬化されるため、ウェブ材料は使用される硬化源に対して少なくとも部分的に透明でなければならない。硬化エネルギー源の例は赤外線、紫外線、可視光線、マイクロ波、またはeビームである。当業者には、他の硬化源を用いることができるとともに、特定のウェブ材料/硬化源の組み合わせの選択が、作製される特定の物品(位置合わせされた微細複製構造を有する)に依存することは理解できよう。
【0075】
ウェブを介して液体を硬化させる代替例は、金属ウェブまたは金属層を有するウェブなどを介する硬化が困難であるウェブに有用である、二液反応型硬化、例えばエポキシを用いることであろう。硬化は成分のインライン混合またはパターン化ロールの一部上に触媒を噴霧することによっても達成可能であり、コーティングおよび触媒が接触すると液体を硬化させて微細複製構造を形成する。
【0076】
微細複製構造が作製される液体は、UV光により硬化可能なアクリレート類などの硬化性光重合性材料であればよい。当業者には、他のコーティング材料を用いることができるとともに、材料の選択が微細複製構造に望ましい特定の特性に依存することは理解できよう。同様に採用される特定の硬化方法は、当業者の技術および知識の範囲内である。硬化方法の例は反応硬化、熱硬化、または放射線硬化である。
【0077】
液体をウェブへ送達および制御するために有用な塗布手段の例は、例えばシリンジまたは蠕動ポンプなどの任意の適当なポンプと結合されたダイまたはナイフコーティングである。当業者には、他の塗布手段を用いることができるとともに、特定の手段の選択がウェブに送達される液体の特定の特性に依存することは理解できよう。
【0078】
当業者には、本開示の範囲と趣旨とから逸脱することなく本開示の様々な変更例および代替例が明らかであるとともに、この開示が本明細書に記載された図示の実施形態に限定されないことは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】例示的ディスプレイの概略断面図を図示する。
【図2】本開示による微細複製フィルムの概略断面図を図示する。
【図3】本開示による例示的微細複製フィルムの斜視図を図示する。
【図4】線4−4に沿った図3の例示的微細複製フィルムの概略的断面図を図示する。
【図5】本開示によるシステムを含むシステムの例示的実施形態の斜視図を図示する。
【図6】本開示による図5のシステムの一部の近接図を図示する。
【図7】本開示による図5のシステムの他の斜視図を図示する。
【図8】本開示による成形装置の例示的実施形態の概略図を図示する。
【図9】本開示による図8の成形装置の一部の近接図を図示する。
【図10】本開示によるロール載置装置の例示的実施形態の概略図を図示する。
【図11】本開示による1対のパターン化ロールの載置装置の例示的実施形態の概略図を図示する。
【図12】本開示によるモータおよびロール装置の例示的実施形態の概略図を図示する。
【図13】本開示によるロール間の位置合わせを制御する手段の例示的実施形態の概略図を図示する。
【図14】本開示による位置合わせを制御する方法および装置の例示的実施形態のブロック図を図示する。
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ウェブ上への材料の連続成形に関し、特に、欠陥低減表面とウェブの両辺に成形されたパターン間に高い位置合わせ度とを有する物品の成形に関する。
【背景技術】
【0002】
新聞の印刷から高機能の電子および光学デバイスの作製まで多くの物品の作製において、少なくとも一時的に液体の形状のある材料を基板の両辺に塗布することが必要である。多くの場合、基板に塗布される材料は所定のパターンで塗布され、例えば、印刷の場合、インクは文字および絵のパターンで塗布される。このような場合、基板の両辺のパターン間での位置合わせのために少なくとも最低要件があることが一般的である。
【0003】
基板が回路基板などの個々の物品である場合、パターンのアプリケータは通常位置合わせの達成を助けるためにエッジに依存する。しかし、基板がウェブであるとともに位置合わせを維持する際に周期的に参照するために基板のエッジに依存することが不可能である場合、問題はやや難しくなる。なお、ウェブの場合でも位置合わせの要件が厳格でない、例えば、100マイクロメートルを超えるという、完璧な位置合わせからのずれが容認される場合、材料塗布をその程度まで制御するための機械的手段は既知である。印刷技術はそのような基準を満たすことが可能な装置が充実している。
【0004】
しかし、基板の両辺にパターンを有するある製品では、はるかに正確なパターン間の位置合わせが必要とされる。そのような場合ウェブが連続移動されてない場合には、材料をそのような基準に塗布することができる装置は知られている。そして、ウェブが連続移動中である場合には、例えば、あるタイプのフレキシブル回路の場合のように、パターンニングロールの1回転当たり一度の完璧な位置合わせという、100マイクロメートルあるいは5マイクロメートル内にパターンニングロールをリセットすることが容認可能である場合には、当該技術はなお前進方法に関するガイドラインを与える。
【0005】
しかし、例えば、輝度上昇フィルムなどの光学物品において、基板の両辺に塗布された光学的に透明な高分子内のパターンが、ツール回転内の任意の点で位置合わせ外れが極僅かな許容範囲以下であることが必要とされる。これまで当該技術は、パターンが間歇的ではなく連続的に100マイクロメートル以内に位置合わせされた状態で維持されるように、連続移動されているウェブの両辺にパターン化表面を成形する方法について言及していない。
【0006】
ディスプレイ内でのフィルムの使用に付随する問題は、コンピュータディスプレイなどの近接視認を目的とするディスプレイの外見的な要件が非常に高いということである。これはこのようなディスプレイが長時間にわたり近接視認されるからであり、そのため僅かな欠陥でも裸眼で検出されて視認者の気を散らす。このような欠陥の解消は検査時間と材料の両方に関してコストがかかる恐れがある。
【0007】
欠陥はいくつかの異なる方法で明らかになる。微塵、綿埃、擦過傷、内包物等などの物理的欠陥があるとともに、光学的現象である欠陥もある。最も一般的な光学的現象の中には「ウェットアウト」がある。ウェットアウトは2つの表面が互いに光学的に接触する際に発生して、1つのフィルムから次へ伝播する光の屈折率の変化を事実上解消する。これは光学的効果を得るために構造化表面を用いるフィルムにとって特に問題であるが、それは構造化表面の屈折特性が無効になるからである。「ウェットアウト」の影響は画面に対してまだら状且つ変化する外見を生成することである。
【0008】
ディスプレイアセンブリ内の欠陥の問題を克服するいくつかの手法を次に挙げた。1つは単に従来の製造プロセスにより作製される許容可能なディスプレイアセンブリの低歩留まりを容認することである。これは競争の激しい市場では明らかに受け入れられない。第2の手法は非常に清浄且つ綿密な製造手順を採用するとともに厳しい品質制御基準を課すことである。これは歩留まりを改善し得るが、洗浄設備および検査のコストをカバーする作製のコストが上昇する。欠陥を減少させる他の手法はディスプレイに拡散板、表面拡散板またはバルク拡散板のいずれかを導入することである。このような拡散板は多くの欠陥を隠すとともに、低追加コストで製造歩留まりを向上させる。しかし、拡散板は光を散乱するとともに視認者が知覚する光の軸上輝度を低減するため性能を低下させる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、欠陥低減表面を有する微細複製物品に関する。微細複製物品は第1および第2の対向表面を有する可撓性基板と、第1の表面上の第1の塗布微細複製パターンと、第2の表面上の第2の塗布微細複製パターンとを含む。第1の塗布微細複製パターンと第2の塗布微細複製パターンとは10マイクロメートル以内に位置合わせされている。
【0010】
欠陥低減またはウェットアウト低減表面は、第1の塗布微細複製パターンまたは第2の塗布微細複製パターンの少なくとも選択されたパターン要素の長さに沿った変動高さを含む。変動高さは少なくとも選択されたパターン要素の長さに沿って位置する複数の局所高さ最大値と局所高さ最小値とを含む。変動高さは第1の値未満の局所高さ最大値と局所高さ最小値との間の高さの差の平均値を有する。ある実施形態において、第1の値は0.5〜5マイクロメートルの範囲である。欠陥低減またはウェットアウト低減特徴は、50〜100マイクロメートルの範囲の、変動高さ長さに沿った局所高さ最大値間の平均間隔を含む。
【0011】
欠陥低減表面を有する微細複製物品を作製する方法が開示されている。方法は第1および第2の対向表面を有する、ウェブ形状の基板を設けるステップと、基板をロールツーロール成形装置を通過させて、第1の表面上に第1の塗布微細複製パターンと第2の表面上に第2の塗布微細複製パターンとを形成するステップとを含む。第1の塗布微細複製パターンと第2の塗布微細複製パターンとは10マイクロメートル以内に位置合わせされている。
【0012】
定義
本開示の状況において、「位置合わせ」は、同じウェブの反対側の他の構造に対して規定関係にあるウェブの一表面上の構造の位置決めを意味する。
【0013】
本開示の状況において、「ウェブ」は、一方向の一定寸法と直交する方向の所定または不定の長さとを有する材料シートを意味する。
【0014】
本開示の状況において、「連続位置合わせ」は、第1および第2のパターン化ロールの回転中、常にロール上の構造間の位置合わせ度が指定限界より良好であることを意味する。
【0015】
本開示の状況において、「微細複製された」または「微細複製」は、構造化表面特徴の変化が製品毎に約100マイクロメートル以下である、製造中の個々の特徴忠実性を保持するプロセスによる微細構造化表面の作製を意味する。
【0016】
添付の図面にいくつかにおいて、同様な部分は同様な参照番号を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
一般に、本開示は、各側に微細複製パターン化構造が塗布された可撓性基板に関する。微細複製物品は互いに対して高精度に位置合わせされている。両側の構造が協働して必要に応じた物品光学品質をすることが好適であり、特に、構造はウェットアウトまたは欠陥低減特徴を含む複数のレンズである。
【0018】
図1は例示的ディスプレイ1の概略断面図を図示する。図示の実施形態において、ディスプレイ1は、光学フィルム14に光を供給する1つまたは複数の光源10a、10bを含む。ディスプレイ1は必要に応じて1つまたは複数の追加の光学要素を含むことができる。追加の光学要素には、例えば、1つまたは複数の光源10a、10b間に配置された導光体12、および光学フィルム14、および光学フィルム14に隣接配置された液晶セル16がある。ある実施形態において、光学フィルム14は、光学フィルム14と光学フィルム14に隣接する追加の光学要素との間の「ウェットアウト」の発生を低減する特徴(以下に説明する)を有する。ある実施形態において、光学フィルム14は、光学フィルム14欠陥の視認性を低減する特徴(以下に説明する)を有する。本明細書に説明する光学フィルム14を必要に応じて多様な用途で用いることができる。
【0019】
ある実施形態において、光学フィルム14を立体液晶ディスプレイで用いることができる。1つの例示的立体液晶ディスプレイは笹川(Sasagawa)ら著「立体LCD用二方向バックライト(Dual Directional Backlight for Stereoscopic LCD)」、1〜3、SID03ダイジェスト、2000年に記載されている。図1に示すように、ディスプレイ1は右目用光源10aと左目用光源10bとを含む。図示の実施形態において、光源10a、10bは120Hzのフィールドレートおよび60Hzのフレームレートで動作するため、視差画像は右目用光源10aが照明された場合に右目におよび左目用光源10bが照明された場合に左目に別々に表示され、それにより知覚イメージは3次元に見える。
【0020】
図2は本開示による例示的微細複製光学フィルム14の概略断面図を図示する。光学フィルム14は第1の表面22と対向する第2の表面24とを有するウェブ基板20を含む。第1の塗布微細複製パターンまたは構造25は基板20の第1の表面22上に配置されている。第2の塗布微細複製パターンまたは構造35は基板20の第2の表面24上に配置されている。図示の実施形態において、第1の塗布微細複製パターンまたは構造25は複数の湾曲または円柱レンズを備えるとともに、第2の塗布微細複製パターンまたは構造35は複数のプリズムレンズを備える。
【0021】
光学フィルム14は任意の有用な寸法を有することができる。ある実施形態において、光学フィルム14は、50〜500マイクロメートル、または75〜400マイクロメートル、または100〜200マイクロメートルの高さTを有する。第1の塗布微細複製パターン25および第2の微細複製パターン35は、同じ繰り返しピッチまたは周期Pを有することができる。ある実施形態において、繰り返しピッチまたは周期Pは必要に応じて25〜200マイクロメートル、または50〜150マイクロメートルであり得る。繰り返しピッチまたは周期Pは複数のレンズ要素を形成することができる。各レンズ要素は隣接のレンズ要素を第1の接合点26および第2の接合点36で接合することができる。ある実施形態において、第1の接合点26および第2の接合点36は、基板20に隣接するとともに位置合わせされている。他の実施形態において、第1の接合点26および第2の接合点36は、互いにウェブ20を隔てて(z方向)隣接しない規定幾何学的関係で位置合わせされている。基板20は例えば10〜150マイクロメートルまたは25〜125マイクロメートルなどの任意の有用な厚さT1を有することができる。第1の微細複製パターン25は例えば10〜50マイクロメートルなどの任意の厚さT6と、5〜50マイクロメートルの特徴または構造厚さT3とを有することができる。第2の微細複製パターン35は例えば25〜200マイクロメートルなどの任意の厚さT5と、10〜150マイクロメートルの特徴または構造厚さT2とを有することができる。接合点厚さT4は例えば10〜200マイクロメートルなどの任意の有用な量であり得る。湾曲レンズは例えば25〜150マイクロメートル、または40〜70マイクロメートルなどの任意の有用な半径Rを有することができる。
【0022】
図示の例示的実施形態において、対向微細複製特徴25、35は協働して複数のレンズ特徴を形成する。各レンズ要素の性能は各レンズ要素を形成する対向特徴25、35のアラインメントの関数であるため、レンズ特徴の精密なアラインメントまたは位置合わせが好ましい。
【0023】
一般的に、本開示の光学フィルム14を以下に開示する、約10マイクロメートルより良好、または5マイクロメートルより良好、または3マイクロメートルより良好、または1マイクロメートルより良好な位置合わせで、両面微細複製構造を作製するシステムおよび方法により作製することができる。システムは一般にロールツーロール成形アセンブリを含むとともに、第1のパターニングアセンブリと第2のパターニングアセンブリとを含む。各それぞれのアセンブリは第1および第2の表面を有するウェブのそれぞれの表面上に微細複製パターンを作製する。第1のパターンをウェブの第1の側に作製するとともに、第2のパターンをウェブの第2の表面上に作製する。欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴を第1および/または第2の微細複製パターンと共に含むことができる。
【0024】
図3は本開示による例示的微細複製フィルム14の斜視図を図示する。第1の微細複製パターンまたは構造25および第2の微細複製パターンまたは構造35はウェブ基板20の対向側に配置されている。欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴は、第2の微細複製パターンまたは構造35内に示されている。図示の実施形態において欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴は、光学フィルム14のy軸に沿ったパターン要素変動高さT5を含む。ある実施形態において、パターン要素は実質的にy軸と平行である。
【0025】
図4は線4−4に沿った図3の例示的微細複製フィルム14の概略的断面図を図示する。図示の実施形態は第1の微細複製パターン25および第2の微細複製パターン35の両方内の欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴を示す。第2の微細複製パターン35は、少なくとも選択されたパターン要素の長さ(y軸)に沿って位置する複数の局所高さ最大値27と局所高さ最小値28とを備えるとともに、変動高さは所定の値未満の局所高さ最大値27と局所高さ最小値28との間の高さの差の平均値を有する。この所定の値は、必要に応じて、例えば0.5〜5マイクロメートル、または1〜2マイクロメートルの範囲などの任意の有用な距離であり得る。第2の微細複製パターン35は、例えば20〜400マイクロメートル、または50〜250マイクロメートル、または50〜100マイクロメートルなどの任意の有用な距離の、局所高さ最大値27または局所高さ最小値28間の周期P1(公称)を有する。第1の微細複製パターン25は、代替的にまたは追加的に、例えば20〜400マイクロメートル、または50〜250マイクロメートル、または50〜100マイクロメートルなどのP1と同じまたは異なり得る、任意の有用な距離の、局所高さ最大値または局所高さ最小値間の周期P2(公称)を有する。
【0026】
欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴は、以下に説明するロールツーロール成形装置および方法により形成することができる規則的またはランダムパターンであり得る。欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴を任意の方法により以下に説明するマスターロール上に形成することができる。一実施形態において、欠陥低減または「ウェットアウト」低減特徴は既知のダイアモンド旋削技術でマスターロール上に形成される。
【0027】
本明細書に記載するロールツーロール成形光学フィルムを製造するために用いられるツール(ロール)用原型は、既知のダイアモンド旋削技術により作製し得る。通例ツールはロールとして既知の円筒ブランク上にダイアモンド旋削により作製される。ロールの表面は通例硬銅であるが他の材料も用い得る。微細複製構造はロールの外周の周囲に連続パターン状に形成される。作製される構造が一定のピッチを有する場合には、ツールは一定の速度で移動する。典型的なダイアモンド旋盤は、ツールがロールを貫通する深さ、ツールがロールに対してなす水平および垂直角度、およびツールの横断速度の独立制御を提供する。開示の欠陥低減および「ウェットアウト」低減微細複製構造を作製するために、高速ツールサーボアクチュエータを、ダイアモンド旋盤に追加することができる。
【0028】
例示的高速ツールサーボアクチュエータは米国特許第6,354,709号明細書に記載されている。この参考文献は圧電スタックにより支持されるダイアモンド工具を記載している。圧電スタックが変動電気信号により刺激されると、ケースから延びる距離が変化するようにダイアモンド工具が移動される。圧電スタックが一定のまたはプログラムされた周波数の信号により刺激されることが可能であるが、一般にランダムまたは擬似ランダム周波数を用いることが好ましい。本明細書で用いられるように、用語ランダムは擬似ランダムを含むと理解される。そしてそのように作製された原型ツール(ロール)を以下に説明するロールツーロール成形および硬化プロセスで用いて、本明細書で説明する光学フィルムを作製する。
【0029】
上述した欠陥低減光学フィルム14は、ウェブの対向面上に精密に位置合わせされた微細複製構造を作製する装置および方法を用いて作製することができ、その装置および方法を以下に詳細に説明する。一実施形態において、ウェブまたは基板は0.0049インチ厚さのポリエチレンテレフタレート(PET)から作製される。他の実施形態において他の材料、例えばポリカーボネートを用いることができる。
【0030】
硬化性液体をウェブの第1の側上に成形および硬化させることにより、第1の微細複製構造を第1のパターン化ロール上に作製することができる。一実施形態において、第1の硬化性液体は、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati,Ohio)のコグニス・コーポレーション(Cognis Corp.)から入手可能なフォトマー(Photomer)6010、共にペンシルバニア州エクストン(Exton,Pennsylvania)のサートマー・カンパニー(Sartomer Co.)から入手可能なSR385テトラヒドロフルフリル・アクリレートおよびSR238(70/15/15%)1,6−ヘキサンジオール・ジアクリレート、コネチカット州ストラトフォード(Stratford,Conneticut)のハンフォード・リサーチ・インコーポレーテッド(Hanford Research Inc.)から入手可能なカンファーキノン(Camphorquinone)、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee,Winconsin)のアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.)から入手可能なエチル1−4−ジメチルアミノ・ベンゾアート(0.75/0.5%)などの任意の光硬化性アクリレート樹脂溶液であり得る。光硬化性液体をウェブの第2の側上に成形および硬化させることにより、第2の微細複製構造を第2のパターン化ロール上に作製することができる。第2の硬化性液体は、第1の硬化性液体と同じであり得る。
【0031】
各それぞれの構造がパターンに成形された後、各それぞれのパターンは紫外光源を始めとする硬化光源を用いて硬化される。その後、剥離ロールを用いて第2のパターン化ロールから微細複製物品を取り外すことができる。任意に、剥離剤またはコーティングを用いてパターン化ツールからのパターン化構造の取り外しを助けることができる。
【0032】
上記の物品を作製するために用いた図示のプロセス設定は以下の通りである。約2ポンド力の成形装置内外のウェブ張力で約1.0フィート/分のウェブ速度。ウェブを第2のパターン化ツールから引っ張るため約5%の剥離ロール延伸比。約4ポンド力のニップ圧力。約0.010インチの第1および第2のパターン化ロール間の間隙。滴下塗布装置を用いてウェブの第1の表面に樹脂を供給することができるとともに、シリンジポンプを用いて約1.35ml/分の速度で第2の表面に樹脂を供給することができる。
【0033】
第1の微細複製構造の硬化は、すべての構成要素が連続載置された状態で、最大出力のオリエル(Oriel)200−500Wの水銀灯および最大出力のフォステック(Fostec)DCRIIで達成することができる。第2の微細複製構造の硬化は、スペクトラル・エネルギーUVライト・ソース(Spectgral Energy UV Light Source)、最大出力のフォステック(Fostec)DCRII、RSLIインコーポレーテッド(Inc.)、ライト・ポンプ(Light Pump)150MHSで、すべての構成要素が連続載置された状態で達成することができる。
【0034】
第1のパターン化ロールは75マイクロメートルピッチを有する円筒レンズを形成する一連のネガ画像を含むことができる。第2のパターン化ロールは75マイクロメートルピッチで複数の対称プリズムを形成する一連のネガ画像を含んでいた。
【0035】
各パターンニングアセンブリは、コーティングを塗布する手段と、パターンニング部材と、硬化部材とを含む。通例パターンニングアセンブリは、パターン化ロールと、各ロールを保持するとともに駆動する支持構造とを含む。第1のパターンニングアセンブリの塗布手段は、第1の硬化性コーティング材料をウェブの第1の表面上に分注する。第2のパターンニングアセンブリの塗布手段は、第2の硬化性コーティング材料をウェブの第2の表面上に分注し、第2の表面は第1の表面の反対側にある。通例第1および第2のコーティング材料は同じ組成である。
【0036】
第1のコーティング材料がウェブ上に配置された後、ウェブは第1のパターン化部材上を通過し、第1のコーティング材料内にパターンが作製される。その後、第1のコーティング材料を硬化または冷却して第1のパターンを形成する。続いて、第2のコーティング材料がウェブ上に配置された後、ウェブは第2のパターン化部材上を通過し、第2のコーティング材料内にパターンが作製される。その後、第2のコーティング材料を硬化させて第2のパターンを形成する。通例、各パターン化部材は微細複製ツールであるとともに、各ツールは通例材料を硬化させる専用の硬化部材を有する。しかし、第1および第2のパターン化材料の両方を硬化させる単一の硬化部材を有することが可能である。また、コーティングをパターン化ツール上に配置することが可能である。
【0037】
システムはウェブが連続移動されつつパターンがウェブの両側に転写されるように、第1および第2のパターン化ロールを回転させる手段も含み、パターンはウェブの両側に約10マイクロメートルより良好に連続位置合わせされた状態に維持される。
【0038】
本開示の利点は、両側の微細複製構造を互いに概して10マイクロメートル以内に、または5マイクロメートル以内に、または3マイクロメートル以内に、または1マイクロメートル以内に位置合わせされた状態に保持しつつ、連続形成された微細複製構造をウェブの各側に有することにより、ウェブの各対向面上に微細複製構造を有するウェブを製造することができるということである。
【0039】
図5〜6を参照すると、ロールツーロール成形装置120を含むシステム110の例示的実施形態が図示されている。図示の成形装置120において、ウェブ122が主巻出スプール(図示せず)から成形装置120に提供される。ウェブ122の本質は作製される製品によって大きく異なり得る。しかし、成形装置120が光学物品の作製に用いられる場合、ウェブ122を介する硬化を可能にするために通常ウェブ122は半透明または透明である。ウェブ122は様々なローラ126を回って成形装置120内に向けられる。
【0040】
ウェブ122の正確な張力制御は最適な結果を達成するのに有利であるため、ウェブ122を張力検知装置(図示せず)上に方向付けてもよい。ライナウェブを用いてウェブ122を保護ことが望ましい場合には、ライナウェブは通例巻出スプールにおいて分離されるとともにライナウェブ巻取スプール(図示せず)上に方向付けられる。ウェブ122をアイドラーロールを介してダンサーロールに方向付けて精密な張力制御を行うことができる。アイドラーローラはウェブ122をニップローラ154と第1のコーティングヘッド156との間の位置に向けることができる。
【0041】
様々な塗布方法を採用し得る。図示の実施形態において、第1のコーティングヘッド156はダイコーティングヘッドである。その後、ウェブ122はニップロール154と第1のパターン化ロール160との間を通過する。第1のパターン化ロール160はパターン化表面162を有するとともに、ウェブ122がニップローラ154と第1のパターン化ロール160との間を通過する際、第1のコーティングヘッド156によってウェブ122に分注された材料がパターン化表面162のネガの形状に形作られる。
【0042】
ウェブ122が第1のパターン化ロール160と接している間、材料が第2のコーティングヘッド164からウェブ122の他方の表面上に分注される。第1のコーティングヘッド156に対して上記した説明と平行して、第2のコーティングヘッド164も第2の押出機(図示せず)と第2のコーティングダイ(図示せず)とを含むダイコーティング装置である。ある実施形態において、第1のコーティングヘッド156によって分注された材料は高分子前駆体を含むとともに、例えば紫外線などの硬化エネルギーの印加で固体高分子に硬化しようとする組成物である。
【0043】
第2のコーティングヘッド164によってウェブ122上に分注された材料はその後、第2のパターン化表面176を有する第2のパターン化ロール174と接触する。上記の説明と平行してある実施形態において、第2のコーティングヘッド164によって分注された材料は高分子前駆体を含むとともに、例えば、紫外線などの硬化エネルギーの印加で固体高分子に硬化しようとする組成物である。
【0044】
この時点でウェブ122は両面に貼付されたパターンを有している。剥離ロール182は第2のパターン化ロール174からのウェブ122の除去を助けるために存在し得る。ある例では、ロールツーロール成形装置内外へのウェブ張力はほぼ一定である。
【0045】
両面微細複製パターンを有するウェブ122はその後、様々なアイドラーロールを介して巻取スプール(図示せず)に向けられる。介在フィルムがウェブ122を保護することが望ましい場合には、介在フィルムが第2の巻出スプール(図示せず)から提供され得るとともに、ウェブと介在フィルムとが適当な張力で巻取スプール上に一緒に巻き取られる。
【0046】
図5〜7を参照すると、第1および第2のパターン化ロールが、それぞれ第1および第2のモータアセンブリ210、220に結合されている。モータアセンブリ210、220の支持は、直接または間接的にアセンブリを枠230に載置することにより達成される。モータアセンブリ210、220は精密載置装置を用いて枠に結合される。図示の例示的実施形態において、第1のモータアセンブリ210は枠230に固定的に載置されている。ウェブ122が成形装置120中に通される際の位置に配置された第2のモータアセンブリ220は、横方向および流れ方向の両方に繰り返し位置決めされる必要があり、そのため移動可能であり得る。移動可能なモータ装置220は直線スライド222に結合されて、例えばロール上のパターン間で切り替える場合に繰り返し正確な位置決めを助け得る。第2のモータ装置220は枠230の後側に、第2のパターン化ロール174を第1のパターン化ロール160に対して並んで位置決めする第2の載置装置225も含む。ある場合には、第2の載置装置225は横方向の正確な位置決めを可能にする直線スライド223を含む。
【0047】
図8を参照すると、対向面上に位置合わせされた微細複製構造を有する両面ウェブ422を作製する成形装置420の例示的実施形態が図示されている。アセンブリは第1および第2の塗布手段456、464と、ニップローラ454と、第1および第2のパターン化ロール460、474とを含む。ウェブ422は第1の塗布手段456、この例では第1の押出ダイ456に提示される。第1のダイ456は第1の硬化性液体層コーティング470をウェブ422上に分注する。第1のコーティング470はニップローラ454、通例、ゴム被覆ローラにより第1のパターン化ローラ460内に押し込まれる。第1のパターン化ロール460上にある間に、コーティングは例えば紫外光源などの適当な波長光の硬化源480、例えば、ランプを用いて硬化される。
【0048】
第2の硬化性液体層481は第2の側押出ダイ464を用いてウェブ422の反対側に塗布される。第2の層481は第2のパターン化ツールローラ474内に押し込まれるとともに、硬化プロセスが第2のコーティング層481に対して繰り返される。以下に説明するように、ツールローラ460、474を互いに精密な角度関係に維持することにより、2つのコーティングパターンの位置合わせが達成される。
【0049】
図9を参照すると、第1および第2のパターン化ロール560、574の一部の近接図が図示されている。第1のパターン化ロール560は微細複製表面を形成する第1のパターン562を有する。第2のパターン化ロール574は第2の微細複製パターン576を有する。図示の例示的実施形態において、第1および第2のパターン562、576は同じパターンであるが、パターンは異なっていてもよい。図示の実施形態において、第1のパターン562および第2のパターン576はプリズム構造として示されているが、任意の単一または多数の有用な構造が第1のパターン562および第2のパターン576を形成することができる。図示の実施形態において、第1のパターン562は円柱レンズ構造であり得るとともに、第2のパターン576はプリズムレンズ構造であり得る、またはその反対であり得る。
【0050】
ウェブ522が第1のロール560上を通過する際、第1の表面524上の第1の硬化性液体(図示せず)は、第1のパターンロール560上の第1の領域526付近で、硬化光源525により硬化される。第1の微細複製パターン化構造590が、液体が硬化されるとウェブ522の第1の側524に形成される。第1のパターン化構造590は、第1のパターン化ロール560上のパターン562のネガである。第1のパターン化構造590が形成された後、第2の硬化性液体581がウェブ522の第2の表面527上に分注される。第2の液体581が早期に硬化されないようにするために第2の液体581は、第2の液体581に当たらないように第1の硬化光525を配置することによって、第1の硬化光525から隔離することができる。代替的には、遮蔽手段592を第1の硬化光525と第2の液体581との間に配置することができる。また、ウェブを介して硬化することが実用的ではないまたは困難である場合、硬化源をそれぞれのパターン化ロール内に配置することができる。
【0051】
第1のパターン化構造590が形成された後、ウェブ522は第1と第2のパターン化ロール560、574間の間隙領域575に進入するまで第1のロール560に沿って続く。そして、第2の液体581が第2のパターン化ロール上の第2のパターン576と係合するとともに第2の微細複製構造に形作られ、その後、第2の硬化光535により硬化される。ウェブ522が第1と第2のパターン化ロール560、574間の間隙575に入ると、このときまでに実質的に硬化されるとともにウェブ522に接着された第1のパターン化構造590は、ウェブ522が間隙575内および第2のパターン化ローラ574の周囲で移動し始める間、ウェブ522が滑らないようにする。これによりウェブ上に形成された第1および第2のパターン化構造間の位置合わせエラーの原因としてのウェブ伸張および滑りを除去する。
【0052】
第2の液体581が第2のパターン化ロール574と接する間ウェブ522を第1のパターンロール560上に支持することにより、ウェブ522の両側524、527上に形成された第1と第2の微細複製構造590、593間の位置合わせ度は、第1と第2のパターン化ロール560、574の表面間の位置関係を制御する関数になる。第1および第2のパターン化ロール560、574の周囲およびロールにより形成される間隙575間のウェブのS巻き(S−wrap)は、張力、ウェブ歪み変化、温度、ウェブを挟む機構により生じる微細滑り、および横方向位置制御の影響を最小限にする。通例、S巻きはウェブ522を180度の巻き角にわたって各ロールに接するように維持するが、巻き角は特定の要件に応じてより大きくてもより小さくてもよい。
【0053】
ウェブの対向面上に形成されたパターン間の位置合わせ度を増すために、各ロールの平均直径ほどの低周波数ピッチ変化を有することが好ましい。通例、パターン化ロールは同じ平均直径であるがこれは必須ではない。任意の特定の用途に対して適当なロールを選択することは当業者の技術および知識の範囲内である。
【0054】
図10を参照すると、モータ載置装置が図示されている。ツールまたはパターン化ロール662を駆動するモータ633が、機枠650に載置されるとともに、結合器640を介してパターン化ローラ662の回転シャフト601に接続されている。モータ633は主エンコーダ630に結合されている。副エンコーダ651は、パターン化ロール662の精密な角度位置合わせ制御を提供するようにツールに結合されている。主630および副651エンコーダは協働してパターン化ロール662の制御を提供し、以下にさらに説明するように、パターン化ロール662を第2のパターン化ロールと位置合わせした状態に保つ。
【0055】
シャフト共振の低減または解消は重要であるが、それはこれが指定限界内のパターン位置制御を許す位置合わせエラーの原因になるからである。モータ633と指定する一般的なサイジング計画より大きいシャフト650との間で結合器640を使用すると、より柔軟性のある結合器によって生じるシャフト共振も低減することができる。軸受けアセンブリ660は様々な箇所に配置されてモータ装置に対する回転支持を提供する。
【0056】
図示の例示的実施形態において、ツールローラ662の直径はそのモータ633の直径より小さくてもよい。この装置を収容するためにツールローラを対で鏡像状に配置し得る。図11において、2つのツールローラアセンブリ610および710は、2つのツールローラ662および762を1つにすることができるように鏡像として装着されている。図3も参照すると、第1のモータ装置は通例枠に固定的に取り付けられているとともに、第2のモータ装置は移動可能な光学的品質直線スライドを用いて位置決めされる。
【0057】
ツールローラアセンブリ710はツールローラアセンブリ610と非常に類似しているとともに、ツールまたはパターン化ロール762を駆動するモータ733を含み、モータ733は機枠750に載置されているとともに結合器740を介してパターン化ローラ762の回転シャフト701に接続されている。モータ733は主エンコーダ730に結合されている。副エンコーダ751は、パターン化ロール762の正確な角度位置合わせ制御を提供するようにツールに結合されている。主730および副751エンコーダは協働してパターン化ロール762の制御を提供し、以下にさらに説明するようにパターン化ロール762を第2のパターン化ロールと位置合わせした状態に保つ。
【0058】
シャフト共振の低減または解消は重要であるが、それはこれが指定限界内のパターン位置制御を許す位置合わせエラーの原因になるからである。モータ733と指定する一般的なサイジング計画より大きいシャフト750との間で結合器740を使用すると、より柔軟性のある結合器によって生じるシャフト共振も低減することができる。軸受けアセンブリ760は様々な箇所に配置されてモータ装置に対する回転支持を提供する。
【0059】
ウェブの両面上の微細複製構造上の特徴サイズは互いに微細な位置合わせにあることが望ましいため、パターン化ロールを高精度で制御しなければならない。本明細書に記載された限度内の横方向位置合わせを、以下に説明するように流れ方向位置合わせを制御する際に用いられる技術を適用することにより達成することができる。例えば、10インチ外周パターン化ローラ上に約10マイクロメートルの終端間特徴配置を達成するためには、各ローラを±32秒角/回転の回転精度内に維持しなければならない。ウェブがシステム中を進行する速度が増すにつれて位置合わせの制御はより困難になる。
【0060】
出願人は、ウェブの対向面に2.5マイクロメートル以内に位置合わせされたパターン化特徴を有するウェブを作製できる、10インチ円形パターン化ロールを有するシステムを構築するとともに例示した。この開示を読むとともに本明細書に教示する原理を適用すれば、当業者には他の微細複製表面に対する位置合わせ度を達成する方法が理解できよう。
【0061】
図12を参照すると、モータ装置800の概略が図示されている。モータ装置800は主エンコーダ830と駆動シャフト820とを含むモータ810を含む。駆動シャフト820は結合器825を介してパターン化ロール860の駆動シャフト840に結合されている。副または負荷エンコーダ850は駆動シャフト840に結合されている。2つのエンコーダを上記したモータ装置内で用いることにより、測定装置(エンコーダ)850をパターン化ロール860付近に配置することによってパターン化ロールの位置をより正確に測定することができるため、モータ装置800が動作している際のトルク外乱の影響を低減または解消することができる。
【0062】
図13を参照すると、制御部品に取り付けられているように図12のモータ装置の概略が図示されている。図5〜7に示された例示的装置において、同様な構成は各モータ装置210および220を制御する。したがって、モータ装置900は主エンコーダ930と駆動シャフト920とを含むモータ910を含む。駆動シャフト920は結合器930を介してパターン化ロール960の駆動シャフト940に結合されている。副または負荷エンコーダ950は駆動シャフト940に結合されている。
【0063】
モータ装置900は制御装置965と通信することにより、パターン化ロール960の正確な制御を可能にする。制御装置965は駆動モジュール966とプログラムモジュール975とを含む。プログラムモジュール975はライン977、例えばサーコス(SERCOS)ファイバネットワークを介して駆動モジュール966と通信する。プログラムモジュール975を用いて設定点などのパラメータを駆動モジュール966に入力する。駆動モジュール966は入力480ボルト、3相電力915を受け取り、それを直流に整流して、それを電力接続973を介して配電し、モータ910を制御する。モータエンコーダ912は位置信号を制御モジュール966に供給する。パターン化ロール960上の副エンコーダ950も位置信号をライン971を介して駆動モジュール966に戻すように供給する。駆動モジュール966はエンコーダ信号を用いてパターン化ロール960を正確に位置決めする。位置合わせ度を達成するための制御設計を以下に詳細に説明する。
【0064】
図示の例示的実施形態において、各パターン化ロールは専用の制御装置により制御される。専用の制御装置は協働して第1と第2のパターン化ロール間の位置合わせを制御する。各駆動モジュールはそのそれぞれのモータアセンブリと通信するとともに制御する。
【0065】
出願人により構築されるとともに例示されたシステム内の制御装置を以下に説明する。パターン化ロールの各々を駆動するために、高分解能正弦エンコーダフィードバック(512正弦周期×4096駆動補間>>200万部/回転)を有する高性能、低コギングトルクモータ、ボッシュ・レックスロス(Bosch−Rexroth)(インドラマット(Indramat))から入手可能なモデルMHD090B−035−NG0−UNを用いた。また、システムは同期モータ、ボッシュ・レックスロス(Bosch−Rexroth)(インドラマット(Indramat))から入手可能なモデルMHD090B−035−NG0−UNを含んでいたが、誘導モータなどの他のタイプを用いることもできる。
【0066】
各モータを非常に剛性なベロー結合器、R/Wコーポレーション(R/W Corporation)から入手可能なモデルBK5−300を介して直接結合した(変速機または機械的減速なしに)。代替的結合器設計を用いることもできるが、ベロー式は概して高回転精度を提供しつつ剛性を兼ね備える。各結合器を代表的な製造業者の仕様が推奨するものより大幅に大きい結合器が選択されるような大きさに形成した。
【0067】
さらに、結合器とシャフトとの間のゼロ緩みコレットまたは圧縮式係止ハブが好ましい。各ローラシャフトを中空シャフト負荷側エンコーダ、イリノイ州ショウンバーグ(Schaumburg,IL)のハイデンハイン・コーポレーション(Heidenhain Corp.)から入手可能なモデルRON255Cを介してエンコーダに取り付けた。エンコーダ選択は、通例、32秒角精度より大きい可能な最高精度および分解能を有さなければならない。出願人の設計、18000正弦周期/回転を採用したが、これは4096ビット分解能駆動補間と併せて、精度より大幅に高い分解能を与える5000万部/回転の分解能を超えた。負荷側エンコーダは±2秒角の精度を有し、伝達単位の最大偏移は±1秒角未満であった。
【0068】
ある例では、各シャフトを可能な限り直径が大きく且つ可能な限り短くなるように設計して剛性を最大にすることにより、可能な最高共振周波数を得る。すべての回転要素の精密アラインメントはこの位置合わせエラーという原因による最小位置合わせエラーを保証することが望ましい。
【0069】
図14を参照すると、出願人のシステムにおいて同一の位置参照コマンドが、2ミリ秒更新速度でサーコス(SERCOS)ファイバネットワークを介して各軸に同時に提示された。各軸は250マイクロ秒間隔の位置ループ更新速度で、三次スプラインで位置参照を補間する。一定速度は単純な一定時間間隔経路を生じるため、補間方法は決定的なものではない。分解能はいかなる丸めまたは数値化誤差も解消するために重要なものである。軸転倒も対処されなければならない。ある場合には、各軸の制御周期が電流ループ実行速度(62マイクロ秒間隔)で同期していることが重要である。
【0070】
上部経路1151は制御のフィードフォワード部である。制御ストラテジーは位置ループ1110と、速度ループ1120と、電流ループ1130とを含む。位置参照1111は微分されて、一度速度フィードフォワード項1152を生成して2度目に加速度フィードフォワード項1155を生成する。フィードフォワード経路1151はライン速度変更および動的補正時の動作を助ける。
【0071】
位置コマンド1111は現在位置1114から減算されてエラー信号1116を生成する。エラー1116は比例コントローラ1115に印加されて、速度コマンド参照1117を生成する。速度フィードバック1167はコマンド1117から減算されて速度エラー信号1123を生成し、それはその後PIDコントローラに印加される。速度フィードバック1167はモータエンコーダ位置信号1126を微分することにより生成される。微分および数値分解能限界により、ローパスバターワースフィルタ1124が適用されて、エラー信号1123から高周波ノイズ成分を除去する。狭いストップバンド(ノッチ)フィルタ1129がモータ−ローラ共振周波数の中心で適用される。これにより大幅に高い利得を速度コントローラ1120に適用することができる。モータエンコーダの分解能の上昇は性能も改善する。制御図内のフィルタの厳密な場所は決定的なものではなく、順方向または逆方向経路が許容可能であるが、同調パラメータは場所に依存する。
【0072】
PIDコントローラを位置ループ内で用いることもできるが、積分器のさらなる位相ずれは安定化をより困難にする。電流ループは従来のPIコントローラであり、利得はモータパラメータによって確立される。可能な最高帯域電流ループは最適性能を可能にする。また、最小トルクリップルが望ましい。
【0073】
外乱の最小限化は最大位置合わせを得るために重要である。これは前述したようにモータ構成および電流ループ通信を含むが、機械的外乱を最小限にすることも重要である。例には、ウェブスパンを入るおよび出る際の非常に平滑な張力制御、均一な軸受けおよびシール抗力、ローラからのウェブ剥離による張力混乱の最小化、均一ゴムニップローラがある。現在の設計において、ツールロールに噛合した第3の軸がプルロールとして設けられて、硬化構造をツールから取り外す際に助ける。
【0074】
ウェブ材料はその上に微細複製パターン化構造を作製することができる上記したような任意の適当な材料であればよい。ウェブ材料の例はポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、またはポリカーボネートである。ウェブを多層化することもできる。液体は通例パターン化構造が作製される側と反対側の硬化源によって硬化されるため、ウェブ材料は使用される硬化源に対して少なくとも部分的に透明でなければならない。硬化エネルギー源の例は赤外線、紫外線、可視光線、マイクロ波、またはeビームである。当業者には、他の硬化源を用いることができるとともに、特定のウェブ材料/硬化源の組み合わせの選択が、作製される特定の物品(位置合わせされた微細複製構造を有する)に依存することは理解できよう。
【0075】
ウェブを介して液体を硬化させる代替例は、金属ウェブまたは金属層を有するウェブなどを介する硬化が困難であるウェブに有用である、二液反応型硬化、例えばエポキシを用いることであろう。硬化は成分のインライン混合またはパターン化ロールの一部上に触媒を噴霧することによっても達成可能であり、コーティングおよび触媒が接触すると液体を硬化させて微細複製構造を形成する。
【0076】
微細複製構造が作製される液体は、UV光により硬化可能なアクリレート類などの硬化性光重合性材料であればよい。当業者には、他のコーティング材料を用いることができるとともに、材料の選択が微細複製構造に望ましい特定の特性に依存することは理解できよう。同様に採用される特定の硬化方法は、当業者の技術および知識の範囲内である。硬化方法の例は反応硬化、熱硬化、または放射線硬化である。
【0077】
液体をウェブへ送達および制御するために有用な塗布手段の例は、例えばシリンジまたは蠕動ポンプなどの任意の適当なポンプと結合されたダイまたはナイフコーティングである。当業者には、他の塗布手段を用いることができるとともに、特定の手段の選択がウェブに送達される液体の特定の特性に依存することは理解できよう。
【0078】
当業者には、本開示の範囲と趣旨とから逸脱することなく本開示の様々な変更例および代替例が明らかであるとともに、この開示が本明細書に記載された図示の実施形態に限定されないことは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】例示的ディスプレイの概略断面図を図示する。
【図2】本開示による微細複製フィルムの概略断面図を図示する。
【図3】本開示による例示的微細複製フィルムの斜視図を図示する。
【図4】線4−4に沿った図3の例示的微細複製フィルムの概略的断面図を図示する。
【図5】本開示によるシステムを含むシステムの例示的実施形態の斜視図を図示する。
【図6】本開示による図5のシステムの一部の近接図を図示する。
【図7】本開示による図5のシステムの他の斜視図を図示する。
【図8】本開示による成形装置の例示的実施形態の概略図を図示する。
【図9】本開示による図8の成形装置の一部の近接図を図示する。
【図10】本開示によるロール載置装置の例示的実施形態の概略図を図示する。
【図11】本開示による1対のパターン化ロールの載置装置の例示的実施形態の概略図を図示する。
【図12】本開示によるモータおよびロール装置の例示的実施形態の概略図を図示する。
【図13】本開示によるロール間の位置合わせを制御する手段の例示的実施形態の概略図を図示する。
【図14】本開示による位置合わせを制御する方法および装置の例示的実施形態のブロック図を図示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対して反対側の第1および第2の対向表面を有する可撓性基板と、
前記第1の対向表面上の第1の塗布微細複製パターンと、
前記第2の対向表面上の第2の塗布微細複製パターンと、を備え、
前記第1の塗布微細複製パターンと第2の塗布微細複製パターンとが10マイクロメートル以内に位置合わせされているとともに、前記第1の塗布微細複製パターンまたは第2の塗布微細複製パターンが欠陥低減またはウェットアウト低減形状を備える微細複製物品。
【請求項2】
前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減形状が、前記第1の塗布微細複製パターンまたは前記第2の塗布微細複製パターンの少なくとも選択されたパターン要素の長さに沿った変動高さを備え、前記変動高さが前記少なくとも選択されたパターン要素の前記長さに沿って位置する複数の局所高さ最大値と局所高さ最小値とを備えるとともに、前記変動高さが第1の値未満の前記局所高さ最大値と局所高さ最小値との間の高さの差の平均値を有する、請求項1に記載の微細複製物品。
【請求項3】
前記第1の値が0.5〜5マイクロメートルの範囲である、請求項2に記載の微細複製物品。
【請求項4】
前記第1の値が1〜2マイクロメートルの範囲である、請求項2に記載の微細複製物品。
【請求項5】
前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減特徴が、50〜100マイクロメートルの範囲の、前記変動高さ長さに沿った局所高さ最大値間の平均間隔を備える、請求項2〜4のいずれか1項に記載の微細複製物品。
【請求項6】
前記第1の塗布微細複製パターンが複数のプリズムを備えるとともに、前記第2の塗布微細複製パターンが複数の円柱レンズを備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微細複製物品。
【請求項7】
前記微細複製物品が75〜400マイクロメートルの範囲の全高を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の微細複製物品。
【請求項8】
前記第1の塗布微細複製パターンと前記第2の塗布微細複製パターンとが、50〜150マイクロメートルの範囲の繰り返し周期を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微細複製物品。
【請求項9】
前記第1および第2のパターンがウェブ横断方向に5マイクロメートル以内に位置合わせされている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の微細複製物品。
【請求項10】
前記欠陥低減および前記ウェットアウト低減特徴が、前記第1の塗布微細複製パターンの少なくとも選択されたパターン要素の長さに沿った第1の変動高さと、前記第2の塗布微細複製パターンの少なくとも選択されたパターン要素の長さに沿った第2の変動高さとを備え、前記第1の変動高さが前記第1の塗布微細複製パターンの前記少なくとも選択されたパターン要素の前記長さに沿って位置する第1の複数の局所高さ最大値と局所高さ最小値とを備えるとともに、前記第1の変動高さが第1の値未満の前記第1の塗布微細複製パターンの前記少なくとも選択されたパターン要素の前記長さに沿って位置する前記局所高さ最大値と局所高さ最小値との間の第1の高さの差の平均値を有し、前記第2の変動高さが前記第2の塗布微細複製パターンの前記少なくとも選択されたパターン要素の前記長さに沿って位置する第2の複数の局所高さ最大値と局所高さ最小値とを備えるとともに、前記第2の変動高さが第2の値未満の前記第2の塗布微細複製パターンの前記少なくとも選択されたパターン要素の前記長さに沿って位置する前記局所高さ最大値と局所高さ最小値との間の第2の高さの差の平均値を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の微細複製物品。
【請求項11】
互いに対して反対側の第1および第2の対向表面を有する、ウェブ形状の基板を設けるステップと、
前記第1の対向表面上に第1の塗布微細複製パターンと前記第2の対向表面上に第2の塗布微細複製パターンとを形成するために、
前記基板をロールツーロール成形装置を通過させるステップとを含み、
前記第1の塗布微細複製パターンと前記第2の塗布微細複製パターンとが10マイクロメートル以内に位置合わせされているとともに、前記第1の塗布微細複製パターンと第2の塗布微細複製パターンとが複数のレンズ要素を形成し、前記レンズ要素が欠陥低減またはウェットアウト低減特徴を備える、複数の微細複製レンズ要素を含む微細複製物品を作製する方法。
【請求項12】
前記通過させるステップが、前記基板をロールツーロール成形装置を通過させて複数のレンズ要素を形成するステップを含み、前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減特徴が、前記第1の塗布微細複製パターンまたは第2の塗布微細複製パターンの少なくとも選択されたレンズ要素の長さに沿った変動高さを備え、前記変動高さが前記少なくとも選択されたレンズ要素の前記長さに沿って位置する複数の局所高さ最大値と局所高さ最小値とを備えるとともに、前記変動高さが0.5〜5マイクロメートルの範囲の前記局所高さ最大値と局所高さ最小値との間の高さの差の平均値を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記通過させるステップが、前記基板をロールツーロール成形装置を通過させて複数のレンズ要素を形成するステップを含み、前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減特徴が、50〜100マイクロメートルの範囲の局所高さ最大値間の平均間隔を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記通過させるステップが、前記基板をロールツーロール成形装置を通過させて複数のレンズ要素を形成するステップを含み、前記第1の塗布微細複製パターンが複数のプリズムを備えるとともに、前記第2の塗布微細複製パターンが複数の円柱レンズを備える、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記通過させるステップが、前記基板をロールツーロール成形装置を通過させて複数のレンズ要素を形成するステップを含み、前記レンズ要素が50〜150マイクロメートルの範囲の繰り返し周期を有する、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
光源と、
光学フィルムであって、
互いに対して反対側の第1および第2の対向表面を有する可撓性基板と、
前記第1の対向表面上の第1の塗布微細複製パターンと、
前記第2の対向表面上の第2の塗布微細複製パターンとを備え、前記第1および前記第2のパターンが10マイクロメートル以内に位置合わせされているとともに、前記第1の塗布微細複製パターンまたは第2の塗布微細複製パターンが欠陥低減またはウェットアウト低減特徴を備える、
光学フィルムと、
前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減特徴と対向する表面を有する光学要素と、を備え、前記光源からの光が前記光学フィルムと第2の光学要素とを通過する光ディスプレイ。
【請求項17】
前記光学フィルムまたは前記光学要素から光を受けるように配置された液晶ディスプレイセルをさらに備える、請求項16に記載の光ディスプレイ。
【請求項18】
前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減特徴が、前記第1の塗布微細複製パターンまたは前記第2の塗布微細複製パターンの少なくとも選択されたパターン要素の長さに沿った変動高さを備え、前記変動高さが前記少なくとも選択されたパターン要素の前記長さに沿って位置する複数の局所高さ最大値と局所高さ最小値とを備えるとともに、前記変動高さが0.5〜5マイクロメートルの前記局所高さ最大値と局所高さ最小値との間の高さの差の平均値を有する、請求項16または17に記載の光ディスプレイ。
【請求項19】
前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減特徴が、50〜100マイクロメートルの範囲の、前記変動高さ長さに沿った局所高さ最大値間の平均間隔を備える、請求項18に記載の光ディスプレイ。
【請求項20】
前記第1の塗布微細複製パターンが複数のプリズムを備えるとともに、前記第2の塗布微細複製パターンが複数の円柱レンズを備える、請求項16〜19のいずれか1項に記載の光ディスプレイ。
【請求項21】
前記微細複製物品が75〜400マイクロメートルの範囲の全高を有する、請求項16〜20のいずれか1項に記載の光ディスプレイ。
【請求項22】
前記第1の塗布微細複製パターンと前記第2の塗布微細複製パターンとが、50〜150マイクロメートルの範囲の繰り返し周期を有する、請求項16〜21のいずれか1項に記載の光ディスプレイ。
【請求項1】
互いに対して反対側の第1および第2の対向表面を有する可撓性基板と、
前記第1の対向表面上の第1の塗布微細複製パターンと、
前記第2の対向表面上の第2の塗布微細複製パターンと、を備え、
前記第1の塗布微細複製パターンと第2の塗布微細複製パターンとが10マイクロメートル以内に位置合わせされているとともに、前記第1の塗布微細複製パターンまたは第2の塗布微細複製パターンが欠陥低減またはウェットアウト低減形状を備える微細複製物品。
【請求項2】
前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減形状が、前記第1の塗布微細複製パターンまたは前記第2の塗布微細複製パターンの少なくとも選択されたパターン要素の長さに沿った変動高さを備え、前記変動高さが前記少なくとも選択されたパターン要素の前記長さに沿って位置する複数の局所高さ最大値と局所高さ最小値とを備えるとともに、前記変動高さが第1の値未満の前記局所高さ最大値と局所高さ最小値との間の高さの差の平均値を有する、請求項1に記載の微細複製物品。
【請求項3】
前記第1の値が0.5〜5マイクロメートルの範囲である、請求項2に記載の微細複製物品。
【請求項4】
前記第1の値が1〜2マイクロメートルの範囲である、請求項2に記載の微細複製物品。
【請求項5】
前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減特徴が、50〜100マイクロメートルの範囲の、前記変動高さ長さに沿った局所高さ最大値間の平均間隔を備える、請求項2〜4のいずれか1項に記載の微細複製物品。
【請求項6】
前記第1の塗布微細複製パターンが複数のプリズムを備えるとともに、前記第2の塗布微細複製パターンが複数の円柱レンズを備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微細複製物品。
【請求項7】
前記微細複製物品が75〜400マイクロメートルの範囲の全高を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の微細複製物品。
【請求項8】
前記第1の塗布微細複製パターンと前記第2の塗布微細複製パターンとが、50〜150マイクロメートルの範囲の繰り返し周期を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微細複製物品。
【請求項9】
前記第1および第2のパターンがウェブ横断方向に5マイクロメートル以内に位置合わせされている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の微細複製物品。
【請求項10】
前記欠陥低減および前記ウェットアウト低減特徴が、前記第1の塗布微細複製パターンの少なくとも選択されたパターン要素の長さに沿った第1の変動高さと、前記第2の塗布微細複製パターンの少なくとも選択されたパターン要素の長さに沿った第2の変動高さとを備え、前記第1の変動高さが前記第1の塗布微細複製パターンの前記少なくとも選択されたパターン要素の前記長さに沿って位置する第1の複数の局所高さ最大値と局所高さ最小値とを備えるとともに、前記第1の変動高さが第1の値未満の前記第1の塗布微細複製パターンの前記少なくとも選択されたパターン要素の前記長さに沿って位置する前記局所高さ最大値と局所高さ最小値との間の第1の高さの差の平均値を有し、前記第2の変動高さが前記第2の塗布微細複製パターンの前記少なくとも選択されたパターン要素の前記長さに沿って位置する第2の複数の局所高さ最大値と局所高さ最小値とを備えるとともに、前記第2の変動高さが第2の値未満の前記第2の塗布微細複製パターンの前記少なくとも選択されたパターン要素の前記長さに沿って位置する前記局所高さ最大値と局所高さ最小値との間の第2の高さの差の平均値を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の微細複製物品。
【請求項11】
互いに対して反対側の第1および第2の対向表面を有する、ウェブ形状の基板を設けるステップと、
前記第1の対向表面上に第1の塗布微細複製パターンと前記第2の対向表面上に第2の塗布微細複製パターンとを形成するために、
前記基板をロールツーロール成形装置を通過させるステップとを含み、
前記第1の塗布微細複製パターンと前記第2の塗布微細複製パターンとが10マイクロメートル以内に位置合わせされているとともに、前記第1の塗布微細複製パターンと第2の塗布微細複製パターンとが複数のレンズ要素を形成し、前記レンズ要素が欠陥低減またはウェットアウト低減特徴を備える、複数の微細複製レンズ要素を含む微細複製物品を作製する方法。
【請求項12】
前記通過させるステップが、前記基板をロールツーロール成形装置を通過させて複数のレンズ要素を形成するステップを含み、前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減特徴が、前記第1の塗布微細複製パターンまたは第2の塗布微細複製パターンの少なくとも選択されたレンズ要素の長さに沿った変動高さを備え、前記変動高さが前記少なくとも選択されたレンズ要素の前記長さに沿って位置する複数の局所高さ最大値と局所高さ最小値とを備えるとともに、前記変動高さが0.5〜5マイクロメートルの範囲の前記局所高さ最大値と局所高さ最小値との間の高さの差の平均値を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記通過させるステップが、前記基板をロールツーロール成形装置を通過させて複数のレンズ要素を形成するステップを含み、前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減特徴が、50〜100マイクロメートルの範囲の局所高さ最大値間の平均間隔を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記通過させるステップが、前記基板をロールツーロール成形装置を通過させて複数のレンズ要素を形成するステップを含み、前記第1の塗布微細複製パターンが複数のプリズムを備えるとともに、前記第2の塗布微細複製パターンが複数の円柱レンズを備える、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記通過させるステップが、前記基板をロールツーロール成形装置を通過させて複数のレンズ要素を形成するステップを含み、前記レンズ要素が50〜150マイクロメートルの範囲の繰り返し周期を有する、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
光源と、
光学フィルムであって、
互いに対して反対側の第1および第2の対向表面を有する可撓性基板と、
前記第1の対向表面上の第1の塗布微細複製パターンと、
前記第2の対向表面上の第2の塗布微細複製パターンとを備え、前記第1および前記第2のパターンが10マイクロメートル以内に位置合わせされているとともに、前記第1の塗布微細複製パターンまたは第2の塗布微細複製パターンが欠陥低減またはウェットアウト低減特徴を備える、
光学フィルムと、
前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減特徴と対向する表面を有する光学要素と、を備え、前記光源からの光が前記光学フィルムと第2の光学要素とを通過する光ディスプレイ。
【請求項17】
前記光学フィルムまたは前記光学要素から光を受けるように配置された液晶ディスプレイセルをさらに備える、請求項16に記載の光ディスプレイ。
【請求項18】
前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減特徴が、前記第1の塗布微細複製パターンまたは前記第2の塗布微細複製パターンの少なくとも選択されたパターン要素の長さに沿った変動高さを備え、前記変動高さが前記少なくとも選択されたパターン要素の前記長さに沿って位置する複数の局所高さ最大値と局所高さ最小値とを備えるとともに、前記変動高さが0.5〜5マイクロメートルの前記局所高さ最大値と局所高さ最小値との間の高さの差の平均値を有する、請求項16または17に記載の光ディスプレイ。
【請求項19】
前記欠陥低減または前記ウェットアウト低減特徴が、50〜100マイクロメートルの範囲の、前記変動高さ長さに沿った局所高さ最大値間の平均間隔を備える、請求項18に記載の光ディスプレイ。
【請求項20】
前記第1の塗布微細複製パターンが複数のプリズムを備えるとともに、前記第2の塗布微細複製パターンが複数の円柱レンズを備える、請求項16〜19のいずれか1項に記載の光ディスプレイ。
【請求項21】
前記微細複製物品が75〜400マイクロメートルの範囲の全高を有する、請求項16〜20のいずれか1項に記載の光ディスプレイ。
【請求項22】
前記第1の塗布微細複製パターンと前記第2の塗布微細複製パターンとが、50〜150マイクロメートルの範囲の繰り返し周期を有する、請求項16〜21のいずれか1項に記載の光ディスプレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2008−532807(P2008−532807A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500847(P2008−500847)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/008127
【国際公開番号】WO2006/098958
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/008127
【国際公開番号】WO2006/098958
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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