説明

欠陥検出装置、欠陥検出方法、欠陥検出プログラム、及び、記録媒体

【課題】検出精度を犠牲にすることなく、検査時間の短縮を図った欠陥検出装置、及び、欠陥検出方法を実現する。
【解決手段】
欠陥検出装置100は、評価対象物200を撮像して得られた複数の撮像画像を参照して高解像度化画像を生成する高解像度化処理部123と、高解像度化画像を参照して評価対象物200における欠陥を検出する欠陥検出処理部124とに加え、記録部121に記録された欠陥形状情報に基づいて、高解像度化画像を生成するために高解像度化処理部123が参照する撮像画像の枚数を設定する光学系制御部122を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価対象物を撮像して得られた画像に基づいて当該評価対象物における欠陥を検出する欠陥検出装置、欠陥検出方法、及び、欠陥検出プログラムに関する。また、そのような欠陥検出プログラムが記録されている記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビやモニタなどの表示装置の薄型化および大型化が進み、その需要が増加している。これに伴って、表示装置には今まで以上に高い表示品質が求められている。そして、表示装置の製造に際しては、輝点や黒点などの欠陥を精度良く検出することが重要になっている。
【0003】
表示装置における輝点や黒点などの欠陥を検出する手法として、従来、調査員が目視により検出する手法がとられていた。しかし、目視による検出では、調査員の疲労による見落としや、調査員による評価のばらつきなどの問題を生じる。そこで、表示装置を撮像して得られた撮像画像を用いて欠陥を自動的に検出する手法が導入されている。
【0004】
撮像画像を用いて欠陥を精度良く検出するためには、高解像度の撮像画像を用いることが好ましい。しかし、高解像度の撮像画像を得るためには、普通、大型で高価な高解像度カメラを用いて表示装置を撮像する必要があり、スペースの問題やコストの問題などを生じる。そこで、撮像画像より高解像度な高解像度化画像を、複数の撮像画像から生成することによって、高解像度カメラを用いることなく欠陥を精度良く検出することが考えられる。
【0005】
複数の撮像画像から高解像度化画像を生成する高解像度化処理の一例として、画素ずらし法を挙げることができる。画素ずらし法とは、例えば、ある被写体を撮像して得られた第1の撮像画像と、その被写体を2分の1画素ピッチ分ずらして撮像して得られた第2の撮像画像とを合成することによって、高解像度化画像を生成する処理である。
【0006】
このような高解像度化処理を効率化するための技術としては、例えば、特許文献1〜2に記載のものなどが知られている。特許文献1には、画像を帯域で分離することにより、各画像間の位置ずれ量の算出や高解像度化処理を効率化する技術が記載されている。また、特許文献2には、画素ずらし機構の性能変化等による画素ずらし撮影の失敗撮影を防止するための技術が記載されている。
【特許文献1】特開2005−352720号公報(2005年12月22日公開)
【特許文献2】特開2002−218328号公報(2002年 8月 2日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
画素ずらし法などの高解像度化処理を欠陥検出に適用する場合、高解像度カメラの使用に伴うスペースの問題やコストの問題などを回避することはできるものの、評価対象物を複数回撮像するのに要する撮像時間、及び、複数の撮像画像を合成するのに要する処理時間に起因して検査時間が増大するという問題があった。とくに、特許文献1〜2に記載の技術を用いることにより、高解像度化処理の効率化を図ったとしても、評価対象物を複数回撮像するのに要する撮像時間を削減することは困難であった。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、検出精度を犠牲にすることなく、検査時間の短縮を図った欠陥検出装置、及び、欠陥検出方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る欠陥検出装置は、評価対象物を撮像して得られた複数の撮像画像を参照し、該撮像画像の解像度より高解像度の高解像度化画像を生成する生成手段と、上記生成手段により生成された高解像度化画像を参照し、上記評価対象物における欠陥を検出する検出手段と、検出すべき欠陥の形状を示す欠陥形状情報に基づいて、上記高解像度化画像を生成するために上記生成手段が参照する上記撮像画像の枚数を設定する設定手段と、を備えていることを特徴としている。
【0010】
複数の撮像画像を参照して高解像度化画像を生成する高解像度化処理においては、検出しようとする欠陥の形状によって、所定の検出精度で欠陥を検出するために要求される撮像画像の枚数が異なる。
【0011】
上記の構成によれば、検出すべき欠陥の形状を示す欠陥形状情報に基づいて、高解像度化画像を生成するために参照する撮像画像の枚数を設定することができる。したがって、所定の検出精度を保ちつつ、高解像度化画像を生成するために参照する撮像画像の枚数を削減することができる。このため、所定の検出精度を維持しつつ、検査時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0012】
本発明に係る欠陥検出装置において、上記生成手段は、画素ずらし法により上記高解像度化画像を生成するものである、ことが好ましい。
【0013】
画素ずらし法によれば、検出しようとする欠陥の短軸方向に上記評価対象物をずらして撮像することで得られた2枚の撮像画像を参照することによって、短軸方向及び/又は長軸方向に上記評価対象物をずらして撮像することで得られた4枚の撮像画像を参照した場合と同等の検出精度で欠陥を検出可能な高解像度化画像が生成される。
【0014】
このため、上記の構成によれば、所定の検出精度を維持しつつ、検査時間を短縮することができる。
【0015】
本発明に係る欠陥検出装置は、予め推定された欠陥の形状を示す欠陥形状情報を記録する記録部を更に備えており、上記設定手段は、上記記録部に記録された上記欠陥形状情報に基づいて、上記高解像度化画像を生成するために上記生成手段が参照する上記撮像画像の枚数を設定するものである、ことが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、検出すべき欠陥の形状を予め推定することができる評価対象物に対して、所定の検出精度を維持しつつ、検査時間を短縮することができる。
【0017】
本発明に係る欠陥検出装置は、上記欠陥検出手段により検出された欠陥の形状を示す欠陥形状情報を記録する記録部を更に備えており、上記設定手段は、上記記録部に記録された上記欠陥形状情報に基づいて、上記高解像度化画像を生成するために上記生成手段が参照する上記撮像画像の枚数を設定するものである、ことが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、検出すべき欠陥の形状を予め推定不可能な評価対象物に対しても、同一の又は同種の評価対象物における欠陥を繰り返し検出することにより、所定の検出精度を維持しつつ、検査時間を短縮することができる。
【0019】
本発明に係る欠陥検出装置において、上記設定手段は、上記評価対象物を何れの方向にずらして撮像することにより得られた撮像画像を参照して高解像度化画像を生成するかを、検出すべき欠陥のアスペクト比に基づいて設定するものである、ことが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、上記評価対象物を何れの方向にずらして撮像することにより得られた撮像画像を参照して高解像度化画像を生成するかを、検出しようとする欠陥が何れの方向に延伸した欠陥であるかに応じて設定することができる。
【0021】
本発明に係る欠陥検出装置において、上記設定手段は、上記評価対象物を第1の方向にずらして撮像することにより得られた2枚の撮像画像、上記評価対象物を該第1の方向に垂直な第2の方向にずらして撮像することにより得られた2枚の撮像画像、又は、上記評価対象物を該第1の方向及び/又は該第2の方向にずらして撮像することにより得られた4枚の撮像画像の何れを参照して上記高解像度化画像を生成するかを設定するものである、ことが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、第1の方向を短軸とする欠陥である場合には、評価対象物を第1の方向にずらして撮像することにより得られた2枚の撮像画像を参照して高解像度化画像を生成することができる。また、第2の方向を短軸とする欠陥である場合には、第2の方向にずらして評価対象物を撮像することにより得られた2枚の撮像画像を参照して高解像度化画像を生成することができる。また、いずれでもない場合には、第1の方向、及び/又は、第2の方向にずらして評価対象物を撮像することにより得られた2枚の撮像画像を参照して高解像度化画像を生成することができる。これにより、何れの場合であっても、4枚の撮像画像を参照した場合と同等の検出精度で欠陥を検出することができる。
【0023】
本発明に係る欠陥検出装置において、上記検出手段は、上記高解像度化画像を構成する各画素のコントラストを算出するとともに、算出されたコントラストが予め定められた閾値を上回る画素の集合を欠陥像として特定するものである、ことが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、評価対象物が単色の一様な平面である場合、評価対象物中に存在する異色部分を欠陥として検出することができる。
【0025】
本発明に係る欠陥検出装置において、上記検出手段は、上記高解像度化画像を構成する各画素のコントラストを、当該画素の画素値と、上記評価対象物のパターンに応じて定められた参照画素であって、欠陥が存在しないときに当該画素と同一の画素値を有すると推定される参照画素の平均画素値との差の絶対値をとることにより算出するものである、ことが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、周期的なパターンを持つ多色の評価対象物に対しても、欠陥を検出することができる。例えば、評価対象物がRGBの3色をもつ画素からなる液晶表示パネルである場合、ある画素のR色部分における欠陥の有無を、その画素の上下左右に隣接する各画素のR色部分に対応する高解像度化画像中の画素を参照画像とするコントラストにより正確に判定することができる。
【0027】
本発明に係る欠陥検出装置において、上記検出手段は、上記欠陥像を構成する各画素のコントラストを積算することによって、欠陥の強度を算出するものである、ことが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、検出した欠陥の強度を容易に算出することができる。
【0029】
上記課題を解決するために、本発明に係る欠陥検出方法は、撮像装置により評価対象物を撮像して得られた複数の撮像画像を参照し、該撮像装置の解像度より高解像度の高解像度化画像を生成する生成工程と、上記生成工程にて生成された高解像度化画像を参照し、上記評価対象物における欠陥を検出する検出工程と、検出すべき欠陥の形状を示す欠陥形状情報に基づいて、上記高解像度化画像を生成するために上記生成工程にて参照される上記撮像画像の枚数を設定する設定工程と、を含んでいることを特徴としている。
【0030】
複数の撮像画像を参照して高解像度化画像を生成する高解像度化処理においては、検出しようとする欠陥の形状によって、所定の検出精度で欠陥を検出するために要求される撮像画像の枚数が異なる。
【0031】
上記の構成によれば、検出すべき欠陥の形状を示す欠陥形状情報に基づいて、高解像度化画像を生成するために参照する撮像画像の枚数を設定することができる。したがって、所定の検出精度を保ちつつ、高解像度化画像を生成するために参照する撮像画像の枚数を削減することができる。このため、所定の検出精度を維持しつつ、検査時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0032】
なお、本発明に係る欠陥検出装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記各手段として動作させることにより、上記欠陥検出装置をコンピュータにおいて実現する欠陥検出プログラム、および、その欠陥検出プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る欠陥検出装置は、評価対象物を撮像して得られた複数の撮像画像を参照し、該撮像画像の解像度より高解像度の高解像度化画像を生成する生成手段と、上記生成手段により生成された高解像度化画像を参照し、上記評価対象物における欠陥を検出する検出手段と、検出すべき欠陥の形状を示す欠陥形状情報に基づいて、上記高解像度化画像を生成するために上記生成手段が参照する上記撮像画像の枚数を設定する設定手段と、を備えている。
【0034】
また、本発明に係る欠陥検出方法は、撮像装置により評価対象物を撮像して得られた複数の撮像画像を参照し、該撮像装置の解像度より高解像度の高解像度化画像を生成する生成工程と、上記生成工程にて生成された高解像度化画像を参照し、上記評価対象物における欠陥を検出する検出工程と、検出すべき欠陥の形状を示す欠陥形状情報に基づいて、上記高解像度化画像を生成するために上記生成工程にて参照される上記撮像画像の枚数を設定する設定工程と、を含んでいる。
【0035】
したがって、所定の検出精度を保ちつつ、高解像度化画像を生成するために参照する撮像画像の枚数を削減することができる。このため、所定の検出精度を維持しつつ、検査時間を短縮することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本実施形態に係る欠陥検出装置について図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0037】
(欠陥検出装置の構成)
まず、本実施形態に係る欠陥検出装置100について、図1を参照して説明する。図1は、欠陥検出装置100の要部構成を示すブロック図である。
【0038】
図1に示したように、欠陥検出装置100は、評価対象物200における欠陥を検出する装置であり、光学系110と、PC120とを備えている。評価対象物200としては、液晶表示パネルなどの表示装置を想定する。
【0039】
光学系110は、カメラ111と、カメラ駆動装置112と、ステージ113と、ステージ駆動装置114とを含んでいる。ステージ駆動装置114によって評価対象物200が載置されたステージ113を移動した後、カメラ駆動装置112によってカメラ111のシャッターを切ることで、評価対象物200をどの位置からでも撮像することができるように構成されている。ここでは、評価対象物200が載置されたステージ113を移動することによって、評価対象物200とカメラ111との相対位置を移動するようにしているが、カメラ111を移動することによって、評価対象物200とカメラ111との相対位置を移動するようにしてもよい。
【0040】
なお、ステージ駆動装置114は、ステージ113を第1の移動方向、及び、第1の移動方向に垂直な第2の移動方向に移動することができる。評価対象物200が液晶表示パネルである場合、第1の方向は、液晶表示パネルの長辺方向に一致するように選ばれ、第2の方向は、液晶表示パネルの短辺方向に一致するように選ばれる。以下の説明における「縦」又は「縦方向」とは第1の方向のことを指し、「横」又は「横方向」とは第2の方向のことを指す。
【0041】
PC120は、記録部121と、光学系制御部122と、高解像度化処理部123と、欠陥検出処理部124とを含んでいる。光学系制御部122は、撮像位置設定処理を行う。すなわち、記録部121に記録された欠陥情報に基づいて評価対象物200をどの位置から撮像するのかを設定するとともに、評価対象物200をその位置から撮像するために必要な指示をカメラ駆動装置112とステージ駆動装置114とに与える。光学系制御部122により実行される撮像位置設定処理については、参照する図面を代えて後で詳しく説明する。
【0042】
高解像度化処理部123は、高解像度化処理を実行する。すなわち、カメラ111にて撮像された画像から高解像度化画像を生成する。欠陥検出処理部124は、欠陥検出処理を実行する。すなわち、高解像度化処理部123にて生成された高解像度化画像から欠陥を検出する。高解像度化処理部123により実行される高解像度化処理、および、欠陥検出部124により実行される欠陥検出処理については、参照する図面を代えて後で詳しく説明する。
【0043】
(欠陥検出装置の動作)
次に、欠陥検出装置100の動作、すなわち、欠陥検出装置100を用いた欠陥検出方法について、図2および図3を参照して説明する。
【0044】
図2は、検出すべき欠陥のサイズおよび形状が既知である場合に好適な第1の欠陥検出方法を示すフローチャートである。この欠陥検出方法においては、既知の欠陥サイズおよび欠陥形状を示す欠陥情報を記録部121に記録しておき、この欠陥情報を参照することによって、評価対象物200における欠陥を効率的に検出する。なお、欠陥形状を示す欠陥情報としては、例えば、アスペクト比を利用することができる。
【0045】
図2に示した第1の欠陥検出方法に含まれる各工程の概略について説明すれば以下のとおりである。
【0046】
すなわち、工程S11においては、光学系制御部122が、記録部121から読み出した欠陥情報に基づいて、評価対象物200をどの位置から撮像するのかを設定し、その位置から検査対象物200を撮像するために必要な指示をカメラ駆動装置112とステージ駆動装置114とに与える。
【0047】
工程S12においては、カメラ駆動部112およびステージ駆動部114が、光学系制御部122からの指示に基づいてカメラ111およびステージ113を駆動することによって、工程S11にて設定された位置から評価対象物200を撮像する。
【0048】
なお、欠陥サイズが予め設定された閾値より大きいときには、工程S12において1回の撮像が行われ、1枚の画像が得られる。そうでないときは、工程S12において2回または4回の撮像が行われ、2枚または4枚の画像が得られる。
【0049】
工程S13においては、高解像度化処理部123が、高解像度化処理を実行することにより、工程S12にて得られた画像から高解像度化画像を得る。ただし、欠陥サイズが予め設定された閾値より大きいときには、高解像度化処理を行わない。
【0050】
工程S14においては、欠陥検出処理部124が、欠陥検出処理を実行することにより、工程S13にて得られた高解像度化画像から評価対象物200における欠陥を検出する。ただし、欠陥サイズが予め設定された閾値より大きいときには、工程S12において得られた撮像画像そのものから欠陥を検出する。
【0051】
なお、検出すべき欠陥のサイズおよび形状が予め分かっている場合としては、例えば、液晶表示パネルにおける黒点欠陥、又は輝点欠陥を検出する場合などが挙げられる。この場合、評価対象物である液晶表示パネルの機種情報などから液晶表示パネルの画素サイズおよび画素形状を特定することによって、検出すべき欠陥のサイズや形状を事前に予測することができる。したがって、検出すべき欠陥のサイズや形状を示す欠陥情報を、記録部121に予め記録しておくことができる。
【0052】
図3は、検出すべき欠陥のサイズ及び形状が未知の場合に好適な第2の欠陥検出方法を示すフローチャートである。この欠陥検出方法においては、欠陥検出処理部124によって検出された欠陥サイズおよび欠陥形状を示す欠陥情報を記録部121に記録しておき、この欠陥情報を参照することによって評価対象物200における欠陥を効率的に検出する。なお、欠陥形状を示す欠陥情報としては、第1の欠陥検出方法と同様、アスペクト比などを利用することができる。
【0053】
図3に示した第2の欠陥検出方法に含まれる各工程の概略について説明すれば以下のとおりである。
【0054】
すなわち、工程S21においては、光学系制御部122が、記録部121から読み出した欠陥情報に基づいて、評価対象物200をどの位置から撮像するのかを設定し、その位置から評価対象物200を撮像するために必要な指示をカメラ駆動装置112とステージ駆動装置114とに与える。ただし、最初に工程S21を実行する際には、未だ欠陥情報が記録部121に記録されていないので、高解像度化処理によってある程度の高解像度化画像が得られるように適当な撮像位置を設定する。
【0055】
工程S22においては、カメラ駆動部112およびステージ駆動部114が、光学系制御部122からの指示に基づいてカメラ111およびステージ113を駆動することによって、工程S21にて設定された位置から評価対象物200を撮像する。
【0056】
なお、欠陥サイズが予め設定された閾値より大きいときには、工程S12において1回の撮像が行われ、1枚の画像が得られる。そうでないときは、工程S12において2回または4回の撮像が行われ、2枚または4枚の画像が得られる。
【0057】
工程S23においては、高解像度化処理部123が、高解像度化処理を実行することにより、工程S22にて画像から高解像度化画像を得る。ただし、欠陥サイズが予め設定された閾値より大きいときには、高解像度化処理を行わない。
【0058】
工程S24においては、欠陥検出処理部124が、欠陥検出処理を実行することにより、工程S23にて得られた高解像度化画像から評価対象物200における欠陥を検出するとともに、検出した欠陥のサイズおよび形状を示す欠陥情報を記録部121に書き込む。欠陥サイズが予め設定された閾値より大きいときには、工程S22において得られた撮像画像そのものから欠陥を検出し、検出した欠陥のサイズおよび形状を示す欠陥情報を記録部121に書き込む。以後、工程S24にて記録部121に書き込まれた欠陥情報が工程S21にて参照されることになる。
【0059】
図3に示した第2の欠陥検出方法によれば、検出すべき欠陥のサイズおよび形状を示す欠陥情報を、同一の又は同種の評価対象物において先に検出された欠陥のサイズおよび形状に基づいて定めることができる。このため、高解像度化処理により得られる高解像度化画像の解像度を必要最小限の値に抑えることができる。換言すれば、高解像度化処理に用いる画像の枚数を必要最低限の枚数に抑えることができる。したがって、検査時間の不要な増加を回避することができる。
【0060】
また、後述するように、欠陥のサイズのみならず、欠陥の形状(例えばアスペクト比)を参照して評価対象物200をどの位置から撮像するのかを決めているため、横長の欠陥に対しては縦方向の解像度のみを高く、縦長の欠陥に対しては横方向の解像度のみを高くすることができる。すなわち、欠陥の短軸方向の解像度のみを高く設定することで、欠陥検出処理において必要な解像度を確保しつつ、高解像度化処理に用いる画像の枚数を削減することができる。
【0061】
(撮像位置設定処理)
次に、上述した工程S11およびS21において光学系制御部122により実行される撮像位置設定処理について、図4を参照して説明する。図4は、撮像位置設定処理の一例を示したフローチャートである。
【0062】
光学系制御部122は、まず、欠陥情報により示された欠陥サイズLを予め定められた閾値Th0と比較する(S31)。欠陥サイズLが閾値Th0よりも大きいとき、光学系制御部122は、評価対象物200を撮像するために予め定められた基準位置のみを撮像位置として設定する(S32)。この場合、工程S12およびS22においては、1回の撮像により1枚の画像が得られることになる。
【0063】
欠陥サイズLが閾値Th0よりも小さいとき、光学系制御部122は、欠陥情報により示されたアスペクト比R(欠陥の縦幅/欠陥の横幅)を予め定められた閾値Th1およびTh2(Th1>1>Th2)と比較する(S33)。
【0064】
アスペクト比Rが閾値Th1より大きいとき、すなわち欠陥が縦長のとき、光学系制御部122は、基準位置の他に、基準位置に対して横に2分の1画素ピッチだけずれた位置を撮像位置として設定する(S34)。このとき、被写体の位置が横に2分の1画素ピッチ分ずれた2枚の画像が、工程S12およびS22において得られることになる。
【0065】
アスペクト比Rが閾値Th2より小さいとき、すなわち欠陥が横長のとき、光学系制御部122は、基準位置の他に、基準位置に対して縦に2分の1画素ピッチだけずれた位置を撮像位置と決める(S35)。このとき、被写体の位置が縦に2分の1画素ピッチ分ずれた2枚の画像が、工程S12およびS22において得られることになる。
【0066】
アスペクト比Rが閾値Th2以上、かつ、閾値Th1以下のとき、光学系制御部122は、基準位置の他に、基準位置に対して横に2分の1画素ピッチだけずれた位置、基準位置に対して縦に2分の1画素ピッチだけずれた位置、および、基準位置に対して横と縦とにそれぞれ2分の1画素ピッチだけずれた位置を撮像位置として設定する(S36)。このとき、画像における評価対象物200の像の位置が縦と横とに2分の1画素ピッチ分ずれた4枚の画像が、工程S12およびS22において得られることになる。
【0067】
なお、図4に示した撮像位置設定処理は、可能な撮像位置設定処理の一例を示すものに過ぎず、各種変形が可能である。
【0068】
(高解像度化処理)
次に、上述した工程S13およびS23において高解像度化処理部123により実行される高解像度化処理について、図5〜図6を参照して説明する。高解像度化処理部123は、2×1画素ずらし法、1×2画素ずらし法、及び、2×2画素ずらし法の何れかを用いて高解像度化画像を生成する。
【0069】
図5は、2×1画素ずらし法を用いた高解像度化処理の概要を示した説明図である。
【0070】
図5(a)に示したように、2×1画素ずらし法とは、基準位置より評価対象物200を撮像して得られる画像501と、基準位置から横に2分の1画素ピッチ(各画像の各マス目が画素に対応する)だけ移動した位置より評価対象物200を撮像して得られる画像502とを合成することによって、2倍の横解像度を有する高解像度化画像503を生成する方法である。
【0071】
なお、図5(a)は、どの位置から撮像して得られた画像を高解像度化処理に用いるのかを概念的に示したものであり、実際の画像501および画像502は、図5(b)に示されているようになる。画像501と画像502との合成は、例えば、画素値の平均値を算出することにより実現することができる。
【0072】
1×2画素ずらし法は、基準位置より評価対象物200を撮像して得られる画像と、該基準位置から縦に2分の1画素ピッチだけ移動した位置より評価対象物200を撮像して得られる画像とを合成することによって、2倍の縦解像度を有する高解像度化画像を生成する方法である。
【0073】
図6は、2×2画素ずらし法を用いた高解像度化処理の概要を示した説明図である。なお、図5(a)と同様、図6は、どの位置から撮像して得られた画像を高解像度化処理に用いるのかを概念的に示したものであり、実際の画像を示すものではない。
【0074】
2×2画素ずらし法とは、図6に示したように、基準位置より評価対象物200を撮像して得られる画像601と、基準位置から横に2分の1画素ピッチだけ移動した位置より評価対象物200を撮像して得られる画像602と、基準位置から縦に2分の1画素ピッチだけ移動した位置より評価対象物200を撮像して得られる画像603と、基準位置から横および縦にそれぞれ2分の1画素ピッチだけ移動した位置より評価対象物200を撮像して得られる画像604とを合成することによって、縦横に2倍の解像度を有する高解像度化画像605を生成する方法である。
【0075】
(欠陥検出処理)
次に、上述した工程S14およびS24において欠陥検出処理部124により実行される欠陥検出処理について、図7および図8を参照して説明する。
【0076】
欠陥検出処理は、例えば、高解像度化画像を構成する各画素のコントラストを算出するとともに、算出したコントラストが所定の閾値を上回る画素の集合を欠陥像として特定することによって実現される。さらに、欠陥像に含まれる画素のコントラストを積算することで算出されるコントラスト体積を用いることによって、その欠陥の強度を評価するようにしてもよい。
【0077】
図7は、欠陥のサイズが高解像度化画像の1画素に相当する場合に好適なコントラスト算出方法を説明する説明図である。
【0078】
図7(a)に示したように、画素「a」のコントラストCは、画素「a」の画素値と、画素「a」に隣接する4つの画素「b」「c」「d」「e」の平均画素値との差の絶対値をとることにより算出できる:
コントラストC=|a−(b+c+d+e)/4|・・・(1)。
【0079】
また、図7(b)に示したように、画素「a」の画素値と、画素「a」の周辺に位置する8画素「b」「c」「d」「e」「f」「g」「h」「i」の画素値の平均値との差の絶対値をとることにより算出してもよい:
コントラストC=|a−(b+c+d+e+f+g+h+i)/8|・・・(2)。
【0080】
なお、評価対象物200が高解像度化画像の1画素に相当する周期のパターンをもっている場合、図7(a)〜図7(b)に示したように隣接画素、及び/又は周辺画素を参照してコントラストを算出すると、欠陥がなくても注目画素と参照画素との画素値が異なってしまうため、正しく欠陥を検出することができない。
【0081】
このような場合には、欠陥がなければ画素「a」と同一の画素値を有することが推定される画素を参照画素として、コントラストを算出するようにすればよい。例えば、図7(c)に示したように、評価対象物200のパターン周期が高解像度化画像の3画素に相当する場合には、図7(d)に示したように、2画素を挟んで画素「a」の各辺と対向する画素「b」「c」「d」「e」、及び/又は2画素を挟んで画素「a」と対角線を共有する画素「f」「g」「h」「i」を参照画素として画素「a」のコントラストを算出するようにすればよい。
【0082】
図8は、欠陥のサイズが高解像度化画像の数画素分に相当する場合に好適なコントラスト算出方法を説明する説明図である。ここでは、評価対象物200が、高解像度化画像の24画素に相当する周期のパターンをもつものと仮定している。
【0083】
高解像化画像を構成する画素901のコントラストCは、欠陥がなければ画素901と同一の画素値を有することが推定される画素を参照画素として、コントラストを算出するようにすればよい。より具体的には、図8(a)に示したように、23画素を挟んで画素901の各辺に対向する4画素(図8(a)においては、画素901の左辺に対向する参照画素902のみを図示)、及び/又は、23画素を挟んで画素901と対角線を共有する4画素を参照画素として(1)式、又は(2)式に従って算出すればよい。これにより、図8(b)に示したように、欠陥に対応する部分でのみ値が大きくなるコントラストの分布が得られる(図8(b)においては、コントラストが高い画素を黒で、コントラストが低い画素を白で示している)。
【0084】
(2×1画素ずらし法、及び、1×2画素ずらし法の有効性)
最後に、2×1画素ずらし法、及び、1×2画素ずらし法の有効性について、図9および図10を参照して説明する。ここでは、縦長の欠陥を考え、(a)撮像画像そのもの、(b)2×2画素ずらし法により得られた高解像度化画像、(c)1×2画素ずらし法により得られた高解像度化画像、および、(d)2×1画素ずらし法により得られた高解像度化画像の各々に基づく欠陥検出の再現性(安定性)比較する。再現性の尺度としては、基準撮像位置の微小移動により引き起こされる、欠陥の検出サイズの変動を用いる。
【0085】
図9(a)の左上段に示す位置から評価対象物200を撮像して得られた画像を2値化(欠陥の占める面積が半分以上になる画素に1を割り当て、そうでない画素に0を割り当てることに相当)すると、図9(a)の左下段に示す2値化画像が得られる。この2値化画像に基づいて欠陥サイズをカウントすると、検出サイズは3画素となる。一方、図9(a)の右上段に示す位置から評価対象物200を撮像して得られた画像を2値化すると、図9(a)の右下段に示す2値化画像が得られる。この2値化画像に基づいて欠陥サイズをカウントすると、検出サイズは2画素となる。このように、撮像画像そのものを用いて欠陥を検出する場合、撮像位置の移動により検出サイズが大きく変化し再現性が低い。
【0086】
図9(b)は、2×2画素ずらし法により得られた高解像度化画像を2値化することにより得られた2値化画像を示す。2×2画素ずらし法により得られた高解像度化画像を用いた場合、実効画素サイズは元の画素サイズの4分の1(面積比)になる。このため、2値化画像に基づいてカウントした欠陥サイズは、移動の前後で不変(何れも9実効画素)である。つまり、撮像画像そのものを用いて欠陥を検出する場合と比べて再現性が高くなる。
【0087】
しかしながら、2×2画素ずらし法により高解像度化画像を生成するためには、4枚の画像が必要になり、その撮像に要する時間、および、高解像度化処理に要する時間が問題になる。そこで、1×2画素ずらし法、または2×1画素ずらし法の利用が有効になる。
【0088】
図9(c)は、1×2画素ずらし法により得られた高解像度化画像を2値化することにより得られた2値化画像を示す。図9(d)は、2×1画素ずらし法により得られた高解像度化画像を2値化することにより得られた2値化画像を示す。
【0089】
縦長の欠陥を検出するために、1×2画素ずらし法により得られた高解像度化画像を用いた場合、図9(c)に示すように、2値化画像に基づいてカウントした欠陥サイズは、移動の前後で変化する(1実行画素分小さくなる)。一方、2×1画素ずらし法により得られた高解像度化画像を用いた場合、図9(d)に示すように、2値化画像に基づいてカウントした欠陥サイズは、移動の前後で不変(何れも4実効画素)である。つまり、縦長の欠陥を検出する場合には、横解像度を向上させる2×1画素ずらし法が、欠陥検出の再現性を向上させるうえで有効である。同様に、横長の欠陥を検出する場合には、縦解像度を向上させる1×2画素ずらし法が、欠陥検出の再現性を向上させるうえで有効である。
【0090】
図10は、(a)撮像画像そのもの、(b)2×2画素ずらし法により得られた高解像度化画像、(c)1×2画素ずらし法により得られた高解像度化画像、および、(d)2×1画素ずらし法により得られた高解像度化画像の各々に基づいて算出された欠陥強度のバラつきを示すグラフである。各プロット点は、縦長の欠陥を有する液晶表示パネルを、基準撮像位置を微小に変動させながらそれぞれの場合に必要となる画像を撮像することにより得られたものである。欠陥強度の評価には、上述したコントラスト体積を用いた。
【0091】
撮像画像そのもの、及び1×2の画素ずらし法により得られた高解像度化画像を用いた場合には、欠陥の欠陥強度のバラつきが大きいのに対して、2×1、又は2×2の画素ずらし法により得られた高解像度化画像を用いた場合には、欠陥強度のバラつきが小さくなっている。この結果は、縦長の欠陥に対しては、2×1の画素ずらし法を用いて横解像度を向上させることが有効であるという図9に示した結果と一致している。
【0092】
以上のように、欠陥の短軸方向に撮像位置をずらして撮像した2枚の画像を用いて高解像度化処理を行えば、4枚の画像を用いて高解像度化処理を行う場合に得られる再現性とほぼ同程度の再現性を得ることができるうえに、高解像度化処理に持ちる画像の枚数を半減することが可能となる。
【0093】
(プログラム及び記録媒体)
最後に、PC120に含まれる各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0094】
すなわち、PC120は、各機能を実現する欠陥検出プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである欠陥検出プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体をPC120に供給し、PC120がその記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても達成可能である。
【0095】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0096】
また、PC120を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介してPC120に供給するようにしてもよい。この通信ネットワークとしては、とくに限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、とくに限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0097】
(付記事項)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0098】
例えば、上述した実施形態においては高解像度化処理として画素ずらし法を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、画素ずらし法以外の高解像度化処理、例えば、超解像処理を用いてもよい。
【0099】
超解像処理の一例として、ML(Maximum-likelihood)法、MAP(Maximum A Posterior)法、またはPOCS(Projection On to Convex Sets)法などを用いた再構成型の超解像処理について、その要点を説明すれば以下のとおりである。
【0100】
すなわち、再構成型の超解像処理においては、撮像モデルに応じた複数の低解像度画像を、仮定した高解像度画像から推定する。低解像度画像の推定には、例えば、撮像モデルにより定まる点広がり関数(PSF関数)を用いる。そして、推定した低解像度画像と実際の撮像画像との差が小さくなるように高解像度画像を仮定し直す。これを、推定した低解像度画像と実際の撮像画像との差が収束するまで繰り返すことによって高解像度画像を得る。このような超解像処理において参照される撮像画像の枚数を、検出すべき欠陥の形状を示す欠陥情報に基づいて設定するようにしても、本発明の目的を達成できることは明らかである。
【0101】
また、例えば、本発明は、以下のように表現することもできる。
【0102】
1.評価対象を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像タイミングを制御する撮像タイミング制御手段と、前記撮像手段の運動を制御する運動制御手段と、前記撮像手段にて撮像された複数の撮像画像から高解像度画像を生成する高解像処理手段と、対象となる欠陥の欠陥形状情報を保持する欠陥形状情報保持部と、前記欠陥形状情報保持部に応じて高解像処理に用いる画像枚数を変動させる高解像処理選択手段と、高解像化された欠陥画像に対して検査を行う欠陥検出手段と、を備えることを特徴とする欠陥検査装置。
【0103】
2.前記高解像処理手段として、画素ずらし法を用いることを特徴とした1に記載の欠陥検査装置。
【0104】
3.前記欠陥形状情報保持部において、評価対象の欠陥出現傾向情報が事前に入手、入力されることを特徴とした1に記載の欠陥検査装置。
【0105】
4.前記欠陥形状情報保持部において、評価対象の欠陥出現傾向情報が、検査結果により逐次更新されることを特徴とした1に記載の欠陥検査装置。
【0106】
5.前記高解像処理選択手段において、欠陥のアスペクト比に応じて、高解像処理に用いる画像位置/枚数を変動させる事を特徴とした1に記載の欠陥検査装置。
【0107】
6.前記高解像処理選択手段において、欠陥のアスペクト比に基づいて、1×1の高解像化処理無しの場合と、1×2、2×1、2×2の画素ずらし手法を用いる場合を選択し、高解像化を行うことを特徴とした1に記載の欠陥検査装置。
【0108】
7.前記欠陥検出手段に関して、欠陥画像の注目画素に対して、周辺画素の輝度値との差からコントラストを算出し、コントラストがある閾値以上の場合に欠陥として検出することを特徴とした1に記載の欠陥検査装置。
【0109】
8.前記欠陥検出手段において、評価対象が周期的なパターンを持つ場合、注目画素のパターンと同一のパターンを持つ近傍画素との差からコントラストを算出し、コントラストがある閾値以上の場合に欠陥として検出することを特徴とした1に記載の欠陥検査装置。
【0110】
9.前記欠陥検出手段において、欠陥部のコントラストを積算したコントラスト体積を算出し、欠陥の強度を評価することを特徴とした1に記載の欠陥検査装置。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、各種評価対象物における各種欠陥を検出するために利用することができる。欠陥の種類は、撮像画像に像として捉え得るものであればよく、評価対象物の種類は、そのような欠陥を含み得るものであれば何でもよい。特に、液晶表示パネルなどの表示装置における黒点欠陥や輝点欠陥などの欠陥の検出にとりわけ好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を示すものであり、欠陥検出装置の動作例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態を示すものであり、欠陥検出装置の他の動作例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態を示すものであり、撮像位置設定処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態を示すものであり、2×1画素ずらし法を用いた高解像度化処理の概要を示した説明図である。
【図6】本発明の実施形態を示すものであり、2×2画素ずらし法を用いた高解像度化処理の概要を示した説明図である。
【図7】本発明の実施形態を示すものであり、欠陥のサイズが高解像度化画像の1画素に相当する場合に好適なコントラスト算出方法を説明する説明図である。
【図8】本発明の実施形態を示すものであり、欠陥のサイズが高解像度化画像の数画素分に相当する場合に好適なコントラスト算出方法を説明する説明図である。
【図9】本発明の実施形態を示すものであり、2×1画素ずらし法、及び、1×2画素ずらし法の有効性について示した図である。
【図10】本発明の実施形態を示すものであり、各画素ずらし法による欠陥検出精度の再現性を比較したグラフである。
【符号の説明】
【0113】
100 欠陥検出装置
110 光学系
111 カメラ
112 カメラ駆動装置
113 ステージ
114 ステージ駆動装置
120 PC
121 記録部
122 光学系制御部
123 高解像度化処理部
124 欠陥検出処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価対象物を撮像して得られた複数の撮像画像を参照し、該撮像画像の解像度より高解像度の高解像度化画像を生成する生成手段と、
上記生成手段により生成された高解像度化画像を参照し、上記評価対象物における欠陥を検出する検出手段と、
検出すべき欠陥の形状を示す欠陥形状情報に基づいて、上記高解像度化画像を生成するために上記生成手段が参照する上記撮像画像の枚数を設定する設定手段と、
を備えていることを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項2】
上記生成手段は、画素ずらし法により上記高解像度化画像を生成するものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥検出装置。
【請求項3】
予め推定された欠陥の形状を示す欠陥形状情報を記録する記録部を更に備えており、
上記設定手段は、上記記録部に記録された上記欠陥形状情報に基づいて、上記高解像度化画像を生成するために上記生成手段が参照する上記撮像画像の枚数を設定するものである、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の欠陥検出装置。
【請求項4】
上記欠陥検出手段により検出された欠陥の形状を示す欠陥形状情報を記録する記録部を更に備えており、
上記設定手段は、上記記録部に記録された上記欠陥形状情報に基づいて、上記高解像度化画像を生成するために上記生成手段が参照する上記撮像画像の枚数を設定するものである、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の欠陥検出装置。
【請求項5】
上記設定手段は、上記評価対象物を何れの方向にずらして撮像することにより得られた撮像画像を参照して高解像度化画像を生成するかを、検出すべき欠陥のアスペクト比に基づいて設定するものである、
ことを特徴とする請求項2に記載の欠陥検出装置。
【請求項6】
上記設定手段は、上記評価対象物を第1の方向にずらして撮像することにより得られた2枚の撮像画像、上記評価対象物を該第1の方向に垂直な第2の方向にずらして撮像することにより得られた2枚の撮像画像、又は、上記評価対象物を該第1の方向及び/又は該第2の方向にずらして撮像することにより得られた4枚の撮像画像の何れを参照して上記高解像度化画像を生成するかを設定するものである、
ことを特徴とする請求項5に記載の欠陥検出装置。
【請求項7】
上記検出手段は、上記高解像度化画像を構成する各画素のコントラストを算出するとともに、算出されたコントラストが予め定められた閾値を上回る画素の集合を欠陥像として特定するものである、
ことを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載の欠陥検出装置。
【請求項8】
上記検出手段は、上記高解像度化画像を構成する各画素のコントラストを、当該画素の画素値と、上記評価対象物のパターンに応じて定められた参照画素であって、欠陥がなければ当該画素と同一の画素値を有すると推定される参照画素の平均画素値との差の絶対値をとることにより算出するものである、
ことを特徴とする請求項7に記載の欠陥検出装置。
【請求項9】
上記検出手段は、上記欠陥像を構成する各画素のコントラストを積算することによって、欠陥の強度を算出するものである、
ことを特徴とする請求項7または8に記載の欠陥検出装置。
【請求項10】
撮像装置により評価対象物を撮像して得られた複数の撮像画像を参照し、該撮像装置の解像度より高解像度の高解像度化画像を生成する生成工程と、
上記生成工程にて生成された高解像度化画像を参照し、上記評価対象物における欠陥を検出する検出工程と、
検出すべき欠陥の形状を示す欠陥形状情報に基づいて、上記高解像度化画像を生成するために上記生成工程にて参照される上記撮像画像の枚数を設定する設定工程と、を含んでいることを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項11】
コンピュータを請求項1から9に記載の欠陥検出装置として動作させるための欠陥検出プログラムであって、上記コンピュータを上記欠陥検出装置が備えている上記各手段として機能させるプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の欠陥検出プログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−294170(P2009−294170A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150536(P2008−150536)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】