説明

正孔輸送ポリマー

【課題】電子デバイスの作製に際して正孔輸送材料として有用な、新規なポリマー化合物を提供すること。
【解決手段】重合させた後のポリマー主鎖を構成する位置にあり、かつ芳香環どうしを結合する位置にあるチッ素を含む芳香族π共役系モノマーから選ばれた少なくとも1種、およびフルオレン系および/またはチッ素含有複素環を含む芳香族π共役系モノマーから選ばれた少なくとも1種からなり、ただし、これらモノマーの少なくとも1種が架橋性基を含有している、正孔輸送能力をもったポリマー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスの作製に際して正孔輸送材料として有用な、新規な化合物に関する。本発明はさらに、そのような正孔輸送化合物を含んだ少なくとも1つの活性層を有する電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(「OLED」)ディスプレイを構成するOLEDなどの有機光活性電子デバイスでは、有機活性層が、OLEDディスプレイの2つ電気接触層の間に挟まれている。OLEDでは、これらの電気接触層の両端に電圧をかけることにより、有機光活性層が、光を透過させる電気接触層内に光を放出する。
【0003】
有機エレクトロルミネセンス化合物を、発光ダイオードの活性成分として使用することは周知である。単純な有機分子、複合ポリマー、および有機金属錯体が使用されている。光活性材料を使用するデバイスは、光活性(例えば発光)層と接触層(正孔注入接触層)との間に配置された1つまたは複数の電荷輸送層をしばしば含む。デバイスは、2層以上の接触層を含有することができる。正孔輸送層は、光活性層と正孔注入接触層との間に配置することができる。正孔注入接触層は、アノードと呼ぶこともできる。電子輸送層は、光活性層と電子注入接触層との間に位置決めすることができる。電子注入接触層は、カソードと呼ぶこともできる。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5962631号明細書
【特許文献2】国際公開第00/53565号パンフレット
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/102577号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2004/127637号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2005/205860号明細書
【非特許文献1】CRC Handbook of Chemistry and Physics, 81st Edition (2000〜2001)
【非特許文献2】Yamamoto, Progress in Polymer Science, Vol. 17, p. 1153 (1992)
【非特許文献3】Colon et al., Journal of Polymer Science, Part A, Polymer chemistry Edition, Vol. 28, p. 367 (1990)
【非特許文献4】Kirk-Othmer Concise Encyclopedia of Chemical Technology, 4th edition, p. 1537 (1999)
【非特許文献5】"Flexible light-emitting diodes made from soluble conducting polymer," Nature vol. 357, pp. 477-479 (11 June 1992)
【非特許文献6】Y. Wang, Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, Fourth Edition, Vol. 18, p. 837-860, 1996
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子デバイスに使用する電荷輸送材料に対する要求が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
下記のA1からA5までから選択された少なくとも1種の第1のモノマー、
【0007】
【化1】

【0008】
【化2】

【0009】
および下記のB1からB6までまたは下記のC1からC6までから選択された少なくとも1種のモノマー
【0010】
【化3】

【0011】
【化4】

【0012】
【化5】

【0013】
から作製されたポリマーであって、ただし、これらモノマーの少なくとも1種が架橋性基を含有し、
式中、RおよびYは、独立に、H、
【0014】
【化6】

【0015】
D、アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、NR”2、R’からなる群から選択され、
R’は、架橋性基であり;
R”は、独立に、H、アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、およびR’からなる群から選択され;
Xは、それぞれの場合に同じまたは異なるものとすることができ、かつ脱離基であり;
Zは、C、Si、またはNであり;
Eは、それぞれの場合に同じまたは異なっており、かつ(ZR”nb、O、S、Se、またはTeであり;
Qは、それぞれの場合に同じまたは異なっており、かつ(ZR”nbであり;
aは、0から5までの整数であり;
bは、0から20までの整数であり;
cは、0から4までの整数であり;
qは、0から7までの整数であり;
nは、1から2までの整数である
ポリマーが提供される。
【0016】
また、このポリマーで作製された電子デバイスも提供される。
【0017】
前述の概略的な記述および下記の詳細な記述は、単なる例示的および説明的なものであり、添付の特許請求の範囲に定義されるような本発明を限定するものではない。
【0018】
本明細書に示される概念の理解を高めるために、実施形態を添付図に例示する。
【0019】
当業者なら、図中の対象は、簡略化および明確化のために示されており、必ずしも正しい縮尺で描かれていないことが理解されよう。例えば、図中の対象のいくつかの寸法は、実施形態の理解を高めるために、その他の対象よりも誇張されていることがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
多くの態様および実施形態が本明細書に開示され、これらは例示であり限定するものではない。この明細書を読んだ後、当業者なら、本発明の範囲から逸脱することなくその他の態様および実施形態が可能であることが理解されよう。
【0021】
実施形態のいずれか1つまたは複数の、その他の特徴および利益は、下記の詳細な記述から、および特許請求の範囲から明らかにされよう。詳細な記述は、まず用語の定義および解説について述べ、続いてポリマー、電子デバイス、最後に実施例について述べる。
【0022】
1.用語の定義および解説
以下に示す実施形態の詳細に取り組む前に、いくつかの用語について定義しまたは解説する。
【0023】
本明細書で使用する「アルキル」という用語は、分枝状および直鎖状両方の飽和脂肪族炭化水素基を含む。他に特に指示しない限り、この用語は環式基も含むものとする。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、secブチル、tertブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、およびイソヘキシルなどが含まれる。「アルキル」という用語はさらに、置換および非置換両方の炭化水素基を含む。いくつかの実施形態では、アルキル基は、一置換、二置換、および三置換されたものでもよい。置換アルキル基の一例は、トリフルオロメチルである。その他の置換アルキル基は、本明細書に記述される置換基の1つまたは複数から形成される。ある実施形態では、アルキル基は1から20個の炭素原子を有する。その他の実施形態では、この基は1から6個の炭素原子を有する。この用語は、ヘテロアルキル基を含むものとする。ヘテロアルキル基は、1〜20個の炭素原子を有することができる。
【0024】
「アリール」という用語は、単一の環(単環式)あるいは一緒に縮合されまたは共有結合された多数の環(二環式、最大で3つの環まで)でもよい、炭素原子が最大30個までの芳香族炭素環式部分を意味する。アリール部分の任意の適切な環の位置は、定義された化学構造に共有結合していてもよい。アリール部分の例には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、ビフェニル、アントリル、フェナントリル、フルオレニル、インダニル、ビフェニレニル、アセナフテニル、およびアセナフチレニルなどが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アリール基は、6から30個の炭素原子を有する。この用語は、ヘテロアリール基を含むものとする。ヘテロアリール基は、4〜30個の炭素原子を有することができる。
【0025】
「アルコキシ」という用語は、基−ORであってRがアルキルである基を意味するものとする。
【0026】
「アリールオキシ」という用語は、基−ORであってRがアリールである基を意味するものとする。
【0027】
他に特に指示しない限り、すべての基は置換または非置換とすることができる。
【0028】
アルキルやアリールなどであるがこれらに限定することのない、任意選択で置換された基は、同じでも異なってもよい1個または複数の置換基で置換されていてもよい。適切な置換基には、アルキル、アリール、ニトロ、シアノ、−N(R7)(R8)、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルコキシカルボニル、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、アリールアルキル、チオアルコキシ、−S(O)2−N(R’)(R”)、−C(=O)−N(R’)(R”)、(R’)(R”)N−アルキル、(R’)(R”)N−アルコキシアルキル、(R’)(R”)N−アルキルアリールオキシアルキル、−S(O)s−アリール(ただしs=0〜2)、または−S(O)s−ヘテロアリール(ただしs=0〜2)が含まれる。R’およびR”のそれぞれは独立に、任意選択で置換されたアルキル、シクロアルキル、またはアリール基である。R’およびR”は、これらが結合する窒素と一緒になって、ある実施形態における環系を形成することができる。
【0029】
「ヘテロ」という接頭語は、1個または複数の炭素原子が異なる原子で置き換えられていることを示す。いくつかの実施形態では、ヘテロ原子は、O、N、S、またはこれらの組合せである。
【0030】
「フルオロ」という接頭語は、基の中の1個または複数の水素がフッ素に置き換えられていることを示すものとする。
【0031】
「光活性」という用語は、エレクトロルミネセンスまたは感光性を示す任意の材料を意味するものとする。
【0032】
「ポリマー」という用語は、2つ以上の異なる反復単位を有するオリゴマー、ホモポリマー、およびコポリマーを含むものとする。モノマー「X−T−X」から得られた反復単位を有するポリマーは、反復単位−(T)−を有することになる。
【0033】
「架橋性基」という用語は、熱処理あるいはUVまたは可視放射への露光を介して架橋をもたらすことができる基を意味するものとする。
【0034】
「脱離基」という用語は、重合を促進させ、重合反応中に除去される基を意味するものとする。一実施形態では、脱離基は、ハライド、ボロン酸エステル、ボロン酸、またはトリフレートであり、トリフレートはトリフルオロメタンスルホネートである。
【0035】
「隣接した」という文言は、デバイスの層を指すのに使用する場合、1つの層が別の層のすぐ隣りにあることを必ずしも意味しない。他方、「隣接R基」という文言は、化学式中で互いに隣り合うR基(即ち、結合によって接合された原子上にあるR基)を指すのに使用される。
【0036】
「化合物」という用語は、さらに物理的手段によって分離することができない原子からなる分子で構成された、帯電していない物質を意味するものとする。
【0037】
本明細書で使用される「含む(comprises、comprising、includes、including)」、「有する(has、having)」、またはこれらの任意のその他の変形例は、非排他的な包含関係を包含するものとする。例えば、要素の一覧を含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの要素のみに限定されず、明確に列挙されておらずあるいはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有なその他の要素を含んでもよい。さらに、他に特に指示しない限り、「または(or)」は包含的なまたはを指し、排他的なまたはを指すものではない。例えば、条件AまたはBとは、下記の事項、即ち、Aは真であり(または存在し)Bは偽である(または存在しない)こと、Aは偽であり(または存在せず)Bは真である(または存在する)こと、ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)ことのいずれか1つによって満たされる。
【0038】
「a」または「an」の使用も、本明細書に記述される要素および構成成分について述べるのに用いられる。これは、単なる便宜のため、および本発明の範囲の全体的な意味を与えるために行われる。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、単数形は、複数形を含まないことを意味することが明らかではない限り、複数形も含む。
【0039】
元素の周期律表の列に対応する族の番号は非特許文献1に見られる「新表記」を使用し、この場合、族には左から右に1から18までの番号が付される。
【0040】
他に特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記述されるものと同様のまたは均等な方法および材料を、本発明の実施形態の実施または試験において使用することができるが、適切な方法および材料を以下に示す。本明細書で言及されるすべての出版物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、特定の文節が引用されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。矛盾がある場合は、定義を含めた本明細書を優先するものとする。さらに、材料、方法、および実施例は単なる例示であり、限定しようとするものではない。
【0041】
特定の材料、処理動作、および回路に関するいくつかの詳細は、従来通りであり、有機発光ダイオードディスプレイ、光検出器、光電池、および半導体部材の分野における教科書およびその他の出典に見出すことができ、したがって完全に可能な開示を本明細書に示す必要はない。
【0042】
2.ポリマー
ポリマーは、下記のA1からA5までから選択された、少なくとも1種の第1のモノマーを有する
【0043】
【化7】

【0044】
【化8】

【0045】
(式中、それぞれの基は、上記にて定義された通りである)。
【0046】
ポリマーは、下記のB1からB6までまたはC1からC6までから選択された、少なくとも1種の第2のモノマーを有する
【0047】
【化9】

【0048】
【化10】

【0049】
【化11】

【0050】
(式中、それぞれの基は、上記にて定義された通りである)。
【0051】
いくつかの実施形態では、ポリマーは、A1からA5までから選択された1種の第1のモノマー、B1からB6までから選択された1種の第2のモノマー、およびC1からC6までから選択された1種の第3のモノマーから作製される。
【0052】
モノマーの少なくとも1種は、架橋性基、R’を有し、したがってポリマーは架橋可能である。ポリマーは、被膜に形成され、次いで熱および/または放射線にさらすことによって架橋させ、その結果、より堅牢で可溶性の低い被膜を形成することができる。いくつかの実施形態では、非架橋ポリマーは、被膜形成のための溶媒に対して可溶性であり、架橋した被膜は可溶性ではなく、よって後の処理ステップで使用される溶媒の影響を受けない。堆積後に不溶性被膜に変換することができる可溶性層の付着によって、層溶解の問題がない多層溶液処理デバイスの製作を可能にすることができる。
【0053】
R’基の例には、ビニル、アクリレート、ペルフルオロビニルエーテル、1−ベンゾ−3,4−シクロブタン、シロキサン、およびメチルエステルが含まれるが、これらに限定するものではない。一実施形態では、R’がビニルである。
【0054】
本明細書に記述されるポリマーは、一般に、3つの既知の合成経路によって調製することができる。第1の合成方法では、非特許文献2に記載されているように、モノマー単位のジハロ誘導体を、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)などの化学量論量の0価のニッケル化合物と反応させる。第2の方法では、非特許文献3に記載されているように、モノマー単位のジハロ誘導体を、2価のニッケルイオンを0価のニッケルに還元することが可能な化学量論量の材料の存在下で触媒量のNi(II)化合物と反応させる。適切な材料には、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、およびリチウムが含まれる。第3の合成方法では、特許文献1および2に記載されているように、あるモノマー単位のジハロ誘導体を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)Pdなどの0価のパラジウム触媒の存在下、ボロン酸、ボロン酸エステル、およびボランから選択された2個の反応性基を有する別のモノマー単位の誘導体と反応させる。
【0055】
一実施形態では、ポリマーは、下記のP1からP32までから選択される。
【0056】
【化12】

【0057】
【化13】

【0058】
【化14】

【0059】
【化15】

【0060】
【化16】

【0061】
【化17】

【0062】
【化18】

【0063】
【化19】

【0064】
3.電子デバイス
本明細書に記載される少なくとも1種の化合物を含んだ1つまたは複数の層を有することから利益を得ることができる有機電子デバイスには、(1)電気エネルギーを放射線に変換するデバイス(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、またはダイオードレーザ)、(2)電子的プロセスによりシグナルを検出するデバイス(例えば、光検出器、光伝導セル、フォトレジスタ、光スイッチ、光トランジスタ、光電管、IR検出器)、(3)放射線を電気エネルギーに変換するデバイス(例えば、光起電力デバイスまたは太陽電池)、および(4)1つまたは複数の有機半導体層を含んだ1つまたは複数の電子構成要素を含むデバイス(例えば、トランジスタまたはダイオード)が含まれるが、これらに限定するものではない。本発明による組成物のその他の用途には、記憶装置、帯電防止フィルム、バイオセンサ、エレクトロクロミックデバイス、固体電解質キャパシタ、充電式バッテリなどのエネルギー貯蔵装置、および電磁遮蔽の適用例に用いられるコーティング材料が含まれる。
【0065】
有機電子デバイスの一例を、図1に示す。デバイス100は、アノード層110およびカソード層150と、これらの間にある光活性層130とを有する。アノードには、電荷輸送層、例えば正孔輸送材料を含む層120が隣接している。カソードには、電子輸送材料を含む電荷輸送層140が隣接していてもよい。選択肢として、デバイスは、アノード110の隣りに1つまたは複数の正孔注入または正孔輸送層(図示せず)を、かつ/あるいはカソード150の隣りに1つまたは複数の追加の電子注入または電子輸送層(図示せず)を使用してもよい。
【0066】
本明細書で使用する「光活性」という用語は、印加電圧によって活性化したときに発光する材料(発光ダイオードや発光電気化学セルなど)、または放射エネルギーに応答し、印加バイアス電圧によりまたは印加バイアス電圧なしでシグナルを発生させる材料(光検出器など)を指す。一実施形態では、光活性層がエミッタ層である。
【0067】
本明細書で使用する「電荷輸送」という用語は、層または材料を指す場合、そのような層または材料が、そのような層、材料、部材、または構造の厚さを経たそのような電荷の移行を比較的効率的にかつ少ない電荷損失で促進させることを意味するものとし、また、正孔輸送または電子輸送材料として働くことができる材料を含むようも十分広いことを意味するものとする。「電子輸送」という用語は、層または材料を指す場合、そのような層または材料を経て別の層、材料、または構造へと向かう電子の移行を促進させるような、層または材料、部材または構造を意味する。
【0068】
デバイス100の適用例に応じて、光活性層130を、印加電圧により活性化する発光層(発光ダイオードや発光電気化学セルなど)、放射エネルギーに応答しかつ印加バイアス電圧によりまたは印加バイアス電圧なしでシグナルを発生させる材料の層(光検出器など)にすることができる。光検出器の例には、光伝導セル、フォトレジスタ、光スイッチ、光トランジスタ、および光電管と、光起電力電池が含まれ、これらの用語は非特許文献4に参照されているものである。
【0069】
いくつかの実施形態では、正孔輸送層120は、本明細書に記載される少なくとも1種の新しいポリマーを含む。いくつかの実施形態では、デバイスはさらに、アノードと新しいポリマーを含む層との間に緩衝層を含む。「緩衝層」という用語は、導電性または半導性材料を含む層を意味するものとし、下にある層の平坦化、電荷輸送および/または電荷注入特性、酸素や金属イオンなどの不純物のスカベンジング、および有機電子デバイスの性能を促進させまたは改善するその他の態様を含むがこれらに限定することのない、有機電子デバイスにおける1つまたは複数の機能を有してもよい。緩衝材料は、ポリマー、オリゴマー、または小分子でもよく、溶液、分散液、懸濁液、エマルジョン、コロイド混合物、またはその他の組成物の形をとるものでもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、デバイスはさらに、光活性層と新しいポリマーを含む層との間に追加の正孔輸送層を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、光活性層は、少なくとも1種の光活性材料と、本明細書に記載される少なくとも1種の新しいポリマーとを含む。新しいポリマーは、光活性材料のホストとして機能する。
【0072】
デバイス内のその他の層は、そのような層で有用であることが知られている任意の材料で作製することができる。アノード110は、正電荷キャリアの注入の際に特に効率的な電極である。この電極は、例えば金属、混合金属、合金、金属酸化物、または混合金属酸化物を含有する材料で作製することができ、あるいは導電性ポリマー、およびこれらの混合物にすることができる。適切な金属には、第11族金属、第4、5、および6族の金属と、第8〜10族の遷移金属が含まれる。アノードが光透過性である場合、インジウムスズ酸化物などの第12、13、および14族金属の混合金属酸化物が、一般に使用される。アノード110は、非特許文献5に記載されているような、ポリアニリンなどの有機材料を含んでもよい。アノードおよびカソードの少なくとも一方は、発生した光を観察することができるように、少なくとも部分的に透明であるべきである。
【0073】
正孔輸送層、即ちこの層を経て電子デバイスの別の層に向かう負電荷の移行を促進させる層である正孔輸送層は、任意の数の材料を含むことができる。層120に関するその他の正孔輸送材料の例は、例えば、非特許文献6にまとめられている。正孔輸送分子およびポリマーの両方を使用することができる。一般に使用される正孔輸送分子には、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]−4,4’−ジアミン(ETPD)、テトラキス(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA)、a−フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン(TPS)、p−(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、トリフェニルアミン(TPA)、ビス[4(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン(MPMP)、1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPPまたはDEASP)、1,2−トランス−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)シクロブタン(DCZB)、N,N,N’N’テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス−(フェニル)ベンジジン(α−NPB)、およびポルフィリン化合物、例えば銅フタロシアニンなどが含まれるが、これらに限定するものではない。一般に使用される正孔輸送ポリマーには、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)ポリシラン、およびポリアニリンが含まれるが、これらに限定するものではない。上述のような正孔輸送分子を、ポリスチレンやポリカーボネートなどのポリマーにドープすることによって、正孔輸送ポリマーを得ることも可能である。緩衝層および/または正孔輸送層は、特許文献3、4、および5に記載されているように、チオフェン、アニリン、またはピロールと高分子フッ素化スルホン酸とのポリマーも含むことができる。
【0074】
任意の有機エレクトロルミネセンス(「EL」)材料を、層130中の光活性材料として使用することができる。そのような材料には、1種または複数の本発明の化合物、小有機蛍光化合物、蛍光および燐光金属錯体、複合ポリマー、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定するものではない。蛍光化合物の例には、ピレン、ペリレン、ルブレン、クマリン、これらの誘導体、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定するものではない。金属錯体の例には、トリス(8−ヒドロキシキノラート)アルミニウム(Alq3)などの金属キレートオキシノイド化合物、シクロメタル化イリジウムおよび白金エレクトロルミネセンス化合物、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定するものではない。複合ポリマーの例には、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリ(スピロビフルオレン)、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、これらのコポリマー、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定するものではない。これらの材料は、ホスト材料と混ぜ合わせて存在させてもよい。いくつかの実施形態では、ホスト材料が、正孔輸送材料または電子輸送材料である。
【0075】
電子輸送層140、および/または層140とカソードとの間の任意選択の層で使用することができる、電子輸送材料の例には、トリス(8−ヒドロキシキノラート)アルミニウム(Alq3)やテトラキス−(8−ヒドロキシキノラート)ジルコニウム(Zrq4)などの金属キレートオキシノイド化合物;および2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)や3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、1,3,5−トリ(フェニル−2−ベンズイミダゾール)ベンゼン(TPBI)などのアゾール化合物;2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリンなどのキノキサリン誘導体;4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DPA)や2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DDPA)などのフェナトロリン;およびこれらの混合物が含まれる。
【0076】
カソード150は、電子または負電荷キャリアを注入するのに特に効率的な電極である。カソードは、アノードよりも低い仕事関数を有する任意の金属または非金属にすることができる。カソード用の材料は、第1族のアルカリ金属(例えば、Li、Cs)第2族(アルカリ土類)の金属、第12族の金属、希土類元素およびランタニド、およびアクチニドを含めた金属から選択することができる。アルミニウムやインジウム、カルシウム、バリウム、サマリウム、およびマグネシウムなどの材料、ならびにこれらの組合せを使用することができる。Li含有有機金属化合物、LiF、およびLi2Oも、動作電圧を低下させるために、有機層とカソード層との間に堆積することができる。
【0077】
構成要素の層のそれぞれの材料に何を選択するかは、デバイスに高いデバイス効率を与えるという目標と、デバイスの稼働寿命とのバランスをとることによって、決定することが好ましい。
【0078】
デバイスは、適切な基板上に個々の層を順次堆積することを含む、様々な技法によって調製することができる。ガラスやポリマーフィルムなどの基板を使用することができる。熱蒸着や化学気相成長法など、従来の蒸着技法を使用することができる。あるいは、適切な溶媒を使用した液相成長法によって、有機層を付着させることができる。液体は、溶液、分散液、またはエマルジョンの形をとることができる。典型的な液相成長技法には、スピンコーティングやグラビアコーティング、カーテンコーティング、ディップコーティング、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、連続ノズルコーティングなどの連続堆積技法と、インクジェット印刷やグラビア印刷、スクリーン印刷などの不連続堆積技法、スピンコーティングやディップコーティング、ロールツーロール技法、インクジェット印刷、スクリーン印刷、およびグラビア印刷を含むがこれらに限定することのない任意の従来のコーティングまたは印刷技法が含まれるが、これらに限定するものではない。
【0079】
本明細書に記載される新しいポリマーは、液体組成物からの液相成長によって付着させることができる。「液体組成物」という用語は、材料が溶解して溶液を形成する液体媒体、材料が分散して分散液を形成する液体媒体、あるいは材料が懸濁して懸濁液またはエマルジョンを形成する液体媒体を意味するものとする。
【0080】
一実施形態では、種々の層は、下記の範囲の厚さを有する。即ち、アノード110が500〜5000Å、一実施形態では1000〜2000Åの厚さであり、正孔輸送層120は50〜2000Å、一実施形態では200〜1000Åの厚さであり、光活性層130は10〜2000Å、一実施形態では100〜1000Åの厚さであり、カソード150は200から10000Å、一実施形態では300〜5000Åの厚さを有する。電子−正孔再結合ゾーンの位置、したがってデバイスの発光スペクトルは、各層の相対的な厚さの影響を受ける可能性がある。したがって電子輸送層の厚さは、電子−正孔再結合ゾーンが発光層内にあるように選択すべきである。層の厚さの所望の比は、使用される材料の確かな性質に応じて異なることになる。
【0081】
一実施形態では、デバイスは、下記の構造、即ちアノード、緩衝層、正孔輸送層、光活性層、電子輸送層、電子注入層、カソードを、この順序で有する。一実施形態では、アノードは、インジウムスズ酸化物またはインジウム亜鉛酸化物で作製される。一実施形態では、緩衝層は、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、これらのコポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択された導電性ポリマーを含む。一実施形態では、緩衝層は、導電性ポリマーとコロイド形成高分子酸との複合体を含む。一実施形態では、緩衝層は、トリアリールアミンまたはトリアリールメタン基を有する化合物を含む。一実施形態では、緩衝層は、上記にて定義されたTPD、MPMP、NPB、CBP、およびこれらの混合物からなる群から選択された材料を含む。
【0082】
一実施形態では、正孔輸送層は、高分子正孔輸送材料を含む。一実施形態では、正孔輸送層は架橋可能である。一実施形態では、正孔輸送層は、トリアリールアミンまたはトリアリールメタン基を有する化合物を含む。一実施形態では、緩衝層は、上記にて定義されたTPD、MPMP、NPB、CBP、およびこれらの混合物からなる群から選択された材料を含む。
【0083】
一実施形態では、光活性層は、エレクトロルミネセンス材料およびホスト材料を含む。ホストは、電荷輸送材料にすることができる。一実施形態では、エレクトロルミネセンス材料は、少なくとも1重量%の量で存在する。一実施形態では、エレクトロルミネセンス材料が2〜20重量%である。一実施形態では、エレクトロルミネセンス材料が20〜50重量%である。一実施形態では、エレクトロルミネセンス材料が50〜80重量%である。一実施形態では、エレクトロルミネセンス材料が80〜99重量%である。一実施形態では、エレクトロルミネセンス材料が金属錯体である。一実施形態では、金属錯体は、イリジウム、白金、レニウム、またはオスミウムのシクロメタル化錯体である。一実施形態では、光活性層がさらに、第2のホスト材料を含む。第2のホスト材料は、電荷輸送材料にすることができる。一実施形態では、第2のホストは正孔輸送材料である。一実施形態では、第2のホストは電子輸送材料である。一実施形態では、第2のホスト材料は、ヒドロキシアリール−N−複素環の金属錯体である。一実施形態では、ヒドロキシアリール−N−複素環は、非置換のまたは置換された8−ヒドロキシキノリンである。一実施形態では、金属がアルミニウムである。一実施形態では、第2のホストは、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、テトラキス(8−ヒドロキシキノリナート)ジルコニウム、およびこれらの混合物からなる群から選択された材料である。第1のホストと第2のホストとの比を、1:100から100:1にすることができる。一実施形態では、この比が1:10から10:1である。一実施形態では、この比は1:10から1:5である。一実施形態では、この比は1:5から1:1である。一実施形態では、この比は1:1から5:1である。一実施形態では、この比は5:1から5:10である。
【0084】
一実施形態では、電子輸送層が、ヒドロキシアリール−N−複素環の金属錯体を含む。一実施形態では、ヒドロキシアリール−N−複素環は、非置換のまたは置換された8−ヒドロキシキノリンである。一実施形態では、金属はアルミニウムである。一実施形態では、電子輸送層は、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、テトラキス(8−ヒドロキシキノリナート)ジルコニウム、およびこれらの混合物からなる群から選択された材料を含む。一実施形態では、電子注入層は、LiFまたはLiO2である。一実施形態では、カソードはAlまたはBa/Alである。
【0085】
一実施形態では、デバイスを、緩衝層、正孔輸送層、および光活性層の液相成長によって、かつ電子輸送層、電子注入層、およびカソードの気相成長によって製作する。
【0086】
緩衝層は、この層が溶解しまたは分散しておりかつ被膜を形成することになる任意の液体媒体から、堆積することができる。一実施形態では、液体媒体は、本質的に1種または複数の有機溶媒からなる。一実施形態では、液体媒体は、本質的に水または水および有機溶媒からなる。一実施形態では、有機溶媒は、アルコール、ケトン、環状エーテル、およびポリオールからなる群から選択される。一実施形態では、有機液体は、ジメチルアセトアミド(「DMAc」)、N−メチルピロリドン(「NMP」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、エチレングリコール(「EG」)、脂肪族アルコール、およびこれらの混合物から選択される。緩衝材料は、0.5から10重量%の量で液体媒体中に存在させることができる。緩衝材料のその他の重量パーセンテージは、液体媒体に応じて使用してよい。緩衝層は、任意の連続または不連続液相成長技法によって付着させることができる。一実施形態では、緩衝層を、スピンコーティングによって付着させる。一実施形態では、緩衝層を、インクジェット印刷によって付着させる。液相成長の後、液体媒体を、空気中で、不活性雰囲気中で、または真空によって、室温でまたは加熱しながら除去することができる。一実施形態では、この層を、275℃未満の温度に加熱する。一実施形態では、加熱温度は100℃から275℃の間である。一実施形態では、加熱温度は100℃から120℃の間である。一実施形態では、加熱温度は120℃から140℃の間である。一実施形態では、加熱温度は140℃から160℃の間である。一実施形態では、加熱温度は160℃から180℃の間である。一実施形態では、加熱温度は180℃から200℃の間である。一実施形態では、加熱温度は200℃から220℃の間である。一実施形態では、加熱温度は190℃から220℃の間である。一実施形態では、加熱温度は220℃から240℃の間である。一実施形態では、加熱温度は240℃から260℃の間である。一実施形態では、加熱温度は260℃から275℃の間である。加熱時間は温度に依存し、一般に5から60分の間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは5から200nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは5から40nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは40から80nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは80から120nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは120から160nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは160から200nmの間である。
【0087】
正孔輸送層は、この層が溶解し分散されておりかつ被膜を形成することになる任意の液体媒体から、堆積することができる。一実施形態では、液体媒体は、本質的に1種または複数の有機溶媒からなる。一実施形態では、液体媒体は、本質的に水または水および有機溶媒からなる。一実施形態では、有機溶媒は芳香族溶媒である。一実施形態では、有機液体は、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、アニソール、およびこれらの混合物から選択される。正孔輸送材料は、0.2から2重量%の濃度で液体媒体中に存在させることができる。正孔輸送材料のその他の重量パーセンテージを、液体媒体に応じて使用してよい。正孔輸送層は、任意の連続または不連続液相成長技法によって付着させることができる。一実施形態では、正孔輸送層をスピンコーティングによって付着させる。一実施形態では、正孔輸送層をインクジェット印刷によって付着させる。液相成長の後、液体媒体を、空気中で、不活性雰囲気中で、または真空によって、室温でまたは加熱しながら除去することができる。一実施形態では、この層を、300℃以下の温度に加熱する。一実施形態では、加熱温度は170℃から275℃の間である。一実施形態では、加熱温度は170℃から200℃の間である。一実施形態では、加熱温度は190℃から220℃の間である。一実施形態では、加熱温度は210℃から240℃の間である。一実施形態では、加熱温度は230℃から270°の間である。加熱時間は温度に依存し、一般に5から60分の間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは5から50nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは5から15nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは15から25nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは25から35nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは35から50nmの間である。
【0088】
光活性層は、この層が溶解しまたは分散しておりかつ被膜を形成することになる液体媒体から、堆積することができる。一実施形態では、液体媒体は、本質的に1種または複数の有機溶媒からなる。一実施形態では、液体媒体は、本質的に水または水および有機溶媒からなる。一実施形態では、有機溶媒は芳香族溶媒である。一実施形態では、有機液体は、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、アニソール、およびこれらの混合物から選択される。光活性材料は、0.2から2重量%の濃度で液体媒体中に存在させることができる。光活性材料のその他の重量%を、液体媒体に応じて使用してよい。光活性層は、任意の連続または不連続液相成長技法によって付着させることができる。一実施形態では、光活性層をスピンコーティングによって付着させる。一実施形態では、光活性層をインクジェット印刷によって付着させる。液相成長後、液体媒体を、空気中で、不活性雰囲気中で、または真空によって、室温でまたは加熱しながら除去することができる。一実施形態では、堆積された層を、最も低いTgを有する材料のTg未満の温度に加熱する。一実施形態では、加熱温度は、最も低いTgよりも少なくとも10℃低い。一実施形態では、加熱温度は、最も低いTgよりも少なくとも20℃低い。一実施形態では、加熱温度は、最も低いTgよりも少なくとも30℃低い。一実施形態では、加熱温度は50℃から150℃の間である。一実施形態では、加熱温度は50℃から75℃の間である。一実施形態では、加熱温度は75℃から100℃の間である。一実施形態では、加熱温度は100℃から125℃の間である。一実施形態では、加熱温度は125℃から150℃の間である。加熱時間は温度に依存し、一般に5から60分の間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは25から100nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは25から40nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは40から65nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは65から80nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは80から100nmの間である。
【0089】
電子輸送層は、任意の気相成長法によって堆積することができる。一実施形態では、この層は、真空中で熱蒸着することによって堆積される。一実施形態では、最終的な層の厚さは1から100nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは1から15nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは15から30nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは30から45nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは45から60nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは60から75nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは75から90nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは90から100nmの間である。
【0090】
電子注入層は、任意の気相成長法により堆積することができる。一実施形態では、この層は、真空中での熱蒸着により堆積される。一実施形態では、真空は、10-6トル未満である。一実施形態では、真空は、10-7トル未満である。一実施形態では、真空は、10-8トル未満である。一実施形態では、材料を、100℃から400℃の範囲の温度に加熱し、150℃から350℃が好ましい。本明細書で示される気相成長速度は、秒当たりのオングストロームを単位とする。一実施形態では、材料を、0.5から10Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、0.5から1Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、1から2Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、2から3Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、3から4Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、4から5Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、5から6Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、6から7Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、7から8Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、8から9Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、9から10Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、最終的な層の厚さは0.1から3nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは0.1から1nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは1から2nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは2から3nmの間である。
【0091】
カソードは、任意の気相成長法により堆積することができる。一実施形態では、このカソードは、真空中での熱蒸着により堆積される。一実施形態では、真空は10-6トル未満である。一実施形態では、真空は10-7トル未満である。一実施形態では、真空は10-8トル未満である。一実施形態では、材料を、100℃から400℃の範囲の温度に加熱し、150℃から350℃が好ましい。一実施形態では、材料を、0.5から10Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、0.5から1Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、1から2Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、2から3Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、3から4Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、4から5Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、5から6Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、6から7Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、7から8Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、8から9Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、9から10Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、最終的な層の厚さは10から10000nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは10から1000nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは10から50nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは50から100nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは100から200nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは200から300nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは300から400nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは400から500nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは500から600nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは600から700nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは700から800nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは800から900nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは900から1000nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは1000から2000nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは2000から3000nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは3000から4000nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは4000から5000nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは5000から6000nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは6000から7000nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは7000から8000nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは8000から9000nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは9000から10000nmの間である。
【0092】
一実施形態では、デバイスを、緩衝層、正孔輸送層、および光活性層、電子輸送層、電子注入層、およびカソードの気相成長によって製作する。
【0093】
一実施形態では、緩衝層を気相成長によって付着させる。一実施形態では、この層は、真空中での熱蒸着によって堆積される。一実施形態では、真空は10-6トル未満である。一実施形態では、真空は10-7トル未満である。一実施形態では、真空は10-8トル未満である。一実施形態では、材料を、100℃から400℃の範囲の温度に加熱し、150℃から350℃が好ましい。一実施形態では、材料を0.5から10Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を0.5から1Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を1から2Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を2から3Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を3から4Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を4から5Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を5から6Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を6から7Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を7から8Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を8から9Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を9から10Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、最終的な層の厚さは5から200nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは5から30nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは30から60nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは60から90nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは90から120nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは120から150nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは150から280nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは180から200nmの間である。
【0094】
一実施形態では、正孔輸送層を気相成長によって付着させる。一実施形態では、この層は、真空中での熱蒸着によって堆積される。一実施形態では、真空は10-6トル未満である。一実施形態では、真空は10-7トル未満である。一実施形態では、真空は10-8トル未満である。一実施形態では、材料を100℃から400℃の範囲の温度に加熱し、150℃から350℃が好ましい。一実施形態では、材料を、0.5から10Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、0.5から1Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、1から2Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、2から3Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、3から4Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、4から5Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、5から6Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、6から7Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、7から8Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、8から9Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、9から10Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、最終的な層の厚さは5から200nmの間である。一実施形態では、最終的の層の厚さが5から30nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは30から60nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは60から90nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは90から120nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは120から150nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは150から280nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは180から200nmの間である。
【0095】
一実施形態では、光活性層は、気相成長によって付着される。一実施形態では、この層を、真空中での熱蒸着によって堆積する。一実施形態では、光活性層は本質的に、真空中での熱蒸着により堆積される単一のエレクトロルミネセンス化合物からなる。一実施形態では、真空は10-6トル未満である。一実施形態では、真空は10-7トル未満である。一実施形態では、真空は10-8トル未満である。一実施形態では、材料を100℃から400℃の範囲の温度に加熱し、150℃から350℃が好ましい。一実施形態では、材料を、0.5から10Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、0.5から1Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、1から2Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、2から3Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、3から4Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、4から5Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、5から6Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、6から7Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、7から8Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、8から9Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、9から10Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、最終的な層の厚さは5から200nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは5から30nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは30から60nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは60から90nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは90から120nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは120から150nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは150から280nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは180から200nmの間である。
【0096】
一実施形態では、光活性層は、それぞれが真空中での熱蒸着によって付着される2種のエレクトロルミネセンス材料を含む。上記にて列挙された真空条件および温度のいずれかを、使用することができる。上記にて列挙された堆積速度のいずれかを使用することができる。相対堆積速度は、50:1から50:1にすることができる。一実施形態では、相対堆積速度は1:1から1:3である。一実施形態では、相対堆積速度は1:3から1:5である。一実施形態では、相対堆積速度は1:5から1:8である。一実施形態では、相対堆積速度は1:8から1:10である。一実施形態では、相対堆積速度は1:10から1:20である。一実施形態では、相対堆積速度は1:20から1:30である。一実施形態では、相対堆積速度は1:30から1:50である。層全体の厚さは、単一成分光活性層に関する上述の値と同じにすることができる。
【0097】
一実施形態では、光活性層は、それぞれが真空中での熱蒸着によって付着される1種のエレクトロルミネセンス材料と少なくとも1種のホスト材料とを含む。上記にて列挙された真空条件および温度のいずれかを、使用することができる。上記にて列挙された堆積速度のいずれかを使用することができる。エレクトロルミネセンス材料とホストとの相対堆積速度は、1:1から1:99にすることができる。一実施形態では、相対堆積速度は1:1から1:3である。一実施形態では、相対堆積速度は1:3から1:5である。一実施形態では、相対堆積速度は1:5から1:8である。一実施形態では、相対堆積速度は1:8から1:10である。一実施形態では、相対堆積速度は1:10から1:20である。一実施形態では、相対堆積速度は1:20から1:30である。一実施形態では、相対堆積速度は1:30から1:40である。一実施形態では、相対堆積速度は1:40から1:50である。一実施形態では、相対堆積速度は1:50から1:60である。一実施形態では、相対堆積速度は1:60から1:70である。一実施形態では、相対堆積速度は1:70から1:80である。一実施形態では、相対堆積速度は1:80から1:90である。一実施形態では、相対堆積速度は1:90から1:99である。層全体の厚さは、単一成分光活性層に関する上述の値と同じにすることができる。
【0098】
一実施形態では、電子輸送層は、気相成長によって付着される。一実施形態では、この層を、真空中での熱蒸着によって堆積する。一実施形態では、真空は10-6トル未満である。一実施形態では、真空は10-7トル未満である。一実施形態では、真空は10-8トル未満である。一実施形態では、材料を100℃から400℃の範囲の温度に加熱し、150℃から350℃が好ましい。一実施形態では、材料を、0.5から10Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、0.5から1Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、1から2Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、2から3Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、3から4Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、4から5Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、5から6Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、6から7Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、7から8Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、8から9Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、材料を、9から10Å/秒の速度で堆積する。一実施形態では、最終的な層の厚さは5から200nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは5から30nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは30から60nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは60から90nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは90から120nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは120から150nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは150から280nmの間である。一実施形態では、最終的な層の厚さは180から200nmの間である。
【0099】
一実施形態では、電子注入層は、上述のように気相成長によって付着される。
【0100】
一実施形態では、カソードは、上述のように気相成長によって付着される。
【0101】
一実施形態では、デバイスは、有機層のいくつかを気相成長することによって、また有機層のいくつかを液相成長することによって製作する。一実施形態では、デバイスを、緩衝層の液相成長およびその他の層すべての気相成長によって製作する。
【0102】
本明細書で述べたものと同様のまたは均等な方法および材料を、本発明の実施または試験に際して使用することができるが、適切な方法および材料について以下に述べる。さらに、材料、方法、および実施例は、単なる例示であり、限定しようとするものではない。本明細書に示されるすべての出版物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、その全体を参照により組み込む。
【0103】
(実施例)
本明細書に記述される概念について、以下の実施例においてさらに記述するが、これらは、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0104】
実施例1は、ポリマーP12の調製を示す。
【0105】
【化20】

【0106】
ビス(1,5−シクロオクタジエン)−ニッケル−(0)(1.667g、6.06mmol)を、2,2’−ビピリジル(0.946g、6.06mmol)および1,5−シクロオクタジエン(0.656g、6.06mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(無水物、6mL)溶液に添加した。得られた混合物を、30分間60℃に加熱した。次いで、9,9−ジオクチル−2,7−ジブロモフルオレン(0.658g、1.20mmol)、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(0.776g、1.20mmol)、N,N’−ビス(4−クロロフェニル)−3−ビニルアニリン(0.204g、0.60mmol)のトルエン(無水物、25mL)溶液を、攪拌中の触媒混合物に素早く添加した。混合物を、60℃で10時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、この混合物を激しく攪拌しながら、500mLのメタノール中にゆっくりと注ぎ、一晩攪拌した。さらに濃HClを20mL添加し、1時間攪拌した。沈殿物を濾過し、次いでトルエン125mLに添加し、濃HClを25mL含有している1:1のメタノール:アセトン溶液1Lにゆっくり注いだ。得られた黄色の沈殿物を30分間攪拌し、次いで濾過によって分離した。固体を、クロマトグラフィー(シリカ、トルエン)によってさらに精製し、酢酸エチルから精製した。得られた材料を真空中で乾燥した後、薄黄色のポリマーが80%の収率(0.97g)で単離された。GPC(THF、室温):Mn=60616;Mw=365589;Mw/Mn=5.98。
【0107】
概略的な記述または実施例において既に述べた作用の必ずしもすべてを必要とするものではなく、特定の作用の一部しか必要としなくてもよく、1つまたは複数の別の作用を、記述された内容の他にも発揮できることに留意されたい。さらに、作用が列挙される順序は、必ずしもこれらの作用が発揮される順序である必要はない。
【0108】
前述の明細書では、その概念について、特定の実施形態を参照しながら述べてきた。しかし当業者なら、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることが理解されよう。したがって、明細書および図は、制限することを意味するのではなく例示を意味すると見なされ、そのような修正のすべては、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0109】
利益、その他の利点、および問題の解決策については、特定の実施形態に関して既に述べてきた。しかし、これらの利益、利点、問題の解決策と、任意の利益、利点、または解決策をもたらしあるいはより顕著なものにすることができる任意の特徴とは、いずれかまたはすべての特許請求の範囲の極めて重要な、必要とされる、または不可欠な特徴であると解釈すべきではない。
【0110】
明確にするために、本明細書の別々の実施形態の文脈に記述されているある特徴は、これらを組み合わせた状態で単一の実施形態に示すこともできると理解すべきである。逆に言えば、簡略化するために、単一の実施形態の文脈に記述されている様々な特徴は、別々にまたは任意の部分組合せの状態で示すこともできる。さらに、ある範囲ごとに示された値に言及する場合は、その範囲内のそれぞれの値およびすべての値が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】有機電子デバイスの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0112】
100 デバイス
110 アノード層
120 正孔輸送層
130 光活性層
140 電荷輸送層
150 カソード層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のA1からA5までから選択された少なくとも1種の第1のモノマー、
【化1】

【化2】

および下記のB1からB6まで、または下記のC1からC6までから選択された少なくとも1種のモノマー
【化3】

【化4】

【化5】

を含むポリマーであって、ただし、前記モノマーの少なくとも1種が架橋性基を含有する、ポリマー。
[式中、RおよびYは、独立に、H、
【化6】

D、アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、NR”2、R’からなる群から選択され、
R’は、架橋性基であり;
R”は、独立に、H、アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、およびR’からなる群から選択され;
Xは、それぞれの場合に、同じまたは異なるものとすることができ、かつ脱離基であり;
Zは、C、Si、またはNであり;
Eは、それぞれの場合に、同じまたは異なっており、かつ(ZR”nb、O、S、Se、またはTeであり;
Qは、それぞれの場合に、同じまたは異なっており、かつ(ZR”nbであり;
aは、0から5までの整数であり;
bは、0から20までの整数であり;
cは、0から4までの整数であり;
qは、0から7までの整数であり;
nは、1から2までの整数である。]
【請求項2】
請求項1に記載のポリマーであって、
A1からA5までから選択された少なくとも1種のモノマー、およびB1からB6までから選択された少なくとも1種のモノマーを含むことを特徴とするポリマー。
【請求項3】
請求項1に記載のポリマーであって、
A1からA5までから選択された少なくとも1種のモノマー、およびC1からC6までから選択された少なくとも1種のモノマーを含むことを特徴とするポリマー。
【請求項4】
請求項1に記載のポリマーであって、
A1からA5までから選択された少なくとも1種のモノマー、B1からB6までから選択された少なくとも1種のモノマー、およびC1からC6までから選択された少なくとも1種のモノマーを含むことを特徴とするポリマー。
【請求項5】
下記のP1からP32までから選択されたポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【請求項6】
請求項1に記載のポリマーであって、
各R’は、ビニル、アクリレート、ペルフルオロビニルエーテル、1−ベンゾ−3,4−シクロブタン、シロキサン、およびメチルエステルからなる群から選択されることを特徴とするポリマー。
【請求項7】
請求項1に記載の少なくとも1種のポリマーを含むことを特徴とする電子デバイス。
【請求項8】
請求項2、3、4、または5に記載の少なくとも1種のポリマーを含むことを特徴とする電子デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の少なくとも1種のポリマーを含むことを特徴とする半導体。
【請求項10】
請求項2、3、4、または5に記載の少なくとも1種のポリマーを含むことを特徴とする半導体。
【請求項11】
請求項7に記載のデバイスであって、
アノード、緩衝層、正孔輸送層、光活性層、電子輸送層、電子注入層、およびカソードを含むことを特徴とするデバイス。
【請求項12】
請求項11に記載のデバイスであって、
光活性層と、請求項1に記載のポリマーを含む正孔輸送層との間に、追加の正孔輸送層を含むことを特徴とするデバイス。
【請求項13】
請求項7に記載のデバイスであって、
少なくとも1種の光活性材料および請求項1に記載の少なくとも1種のポリマーを含む光活性層を含むことを特徴とするデバイス。
【請求項14】
請求項11に記載のデバイスであって、
緩衝層、正孔輸送層、および光活性層は、液相成長によって付着されていることを特徴とするデバイス。
【請求項15】
請求項11に記載のデバイスであって、
電子輸送層、電子注入層、およびカソードは、気相成長によって付着されていることを特徴とするデバイス。
【請求項16】
請求項11に記載のデバイスであって、
すべての層は、気相成長によって付着されていることを特徴とするデバイス。
【請求項17】
請求項11に記載のデバイスであって、
有機層は、液相成長によって付着されていることを特徴とするデバイス。
【請求項18】
請求項12に記載のデバイスであって、
緩衝層、正孔輸送層、および光活性層は、液相成長によって付着されていることを特徴とするデバイス。
【請求項19】
請求項12に記載のデバイスであって、
有機層は、液相成長によって付着されていることを特徴とするデバイス。

【図1】
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【公開番号】特開2008−169367(P2008−169367A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−218774(P2007−218774)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】