説明

歯の噛み合わせ測定装置

【課題】上下の歯の接触状態における移動距離に対する姿勢や軌跡を検出して表示して、歯の噛み合わせを正確に検出する。
【解決手段】歯の噛み合わせ測定装置は、下顎12の上顎11に対する相対位置と相対姿勢とを検出する位置検出センサ30と、この位置検出センサ30で検出される下顎12の上顎11に対する相対位置と相対姿勢から、上下の歯の接触状態における移動距離に対する相対姿勢を演算する演算回路31と、この演算回路31で演算される移動距離に対する相対姿勢を表示する表示モニタ32とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯の噛み合わせ状態を測定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、上顎に対する下顎の相対的な運動、すなわち顎運動を測定する装置を開発した(特許文献1参照)。
【0003】
この装置は、図1に示すように、上顎又は下顎のいずれかの顎の歯に剛体結合される励磁コイル91と、励磁コイル91を剛体結合している顎と反対側の顎の歯に剛体結合されるセンサコイル92と、励磁コイル91に交流電流を流す交流電源93と、交流で励起される励磁コイル91からセンサコイル92に誘導される信号を演算して、励磁コイル91に対するセンサコイル92の相対的な位置から上顎と下顎の相対位置を検出する演算回路94とを備える。励磁コイル91とセンサコイル92は、互いに離して配設している。励磁コイル91とセンサコイル92は、図2に示すように、互いに直交する方向に巻かれている3組のコイル91a、91b、91c(92a、92b、92c)を備える。この顎運動の測定装置は、励磁コイル91の各々のコイル91a、91b、91cに交流電源93を接続し、センサコイル92の各々のコイル92a、92b、92cに誘導される交流を演算回路94で演算して、下顎と上顎の相対位置を検出する。
【特許文献1】2004−229943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の顎運動の測定装置は、口を閉じた状態から、口を大きく開いて下顎を前後左右に移動する状態で、下顎の上顎に対する相対的に移動軌跡を演算して表示する。この顎運動の測定装置は、顎関節の動きを正確に判定できる。ただ、この顎運動の測定装置は、顎関節の状態を検出することはできるが、歯の噛み合わせ状態を検出することができない。このため、義歯の製作に有効に利用できない。
【0005】
義歯の製作においては、真っ直ぐ噛んだ唆頭嵌合位の噛み合わせのみでなく、上下の歯を接触させながら前後左右に移動させる噛み合わせの測定も大切である。それは、現実に歯で食物をかみ砕くときは、歯を上下にのみ移動させるのではなくて、接触状態で摺り合わすように移動させるからである。また、下顎を前方に移動する状態では、下顎が上顎に対して閉口方向へ回転することは望ましくないとされていることから、理想的な義歯の製作には、上下の歯を接触させる状態で前後左右に移動させて、歯が移動する状態を正確に検出することが大切である。
【0006】
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、上下の歯の接触状態における移動距離に対する姿勢や軌跡を検出して表示して、歯の噛み合わせを正確に検出できる歯の噛み合わせ測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1の歯の噛み合わせ測定装置は、下顎12の上顎11に対する相対位置と相対姿勢とを検出する位置検出センサ30と、この位置検出センサ30で検出される下顎12の上顎11に対する相対位置と相対姿勢から、上下の歯の接触状態における移動距離に対する相対姿勢を演算する演算回路31と、この演算回路31で演算される移動距離に対する相対姿勢を表示する表示モニタ32とを備える。
【0008】
本発明の請求項2の歯の噛み合わせ測定装置は、演算回路31が上下の歯の接触状態における移動距離に対する相対回転角を演算し、表示モニタ32が移動距離に対する相対回転角を表示している。
【0009】
本発明の請求項3の歯の噛み合わせ測定装置は、下顎12の上顎11に対する相対位置と相対姿勢とを検出する位置検出センサ30と、この測定装置で検出される下顎12の上顎11に対する相対位置と相対姿勢から、上下の歯の接触状態における移動距離に対する下顎咬合平面34の特定点の上顎11に対する移動軌跡を演算する演算回路31と、この演算回路31で演算される移動距離に対する下顎咬合平面34の特定点の移動軌跡を表示する表示モニタ32とを備える。
【0010】
本発明の請求項4の歯の噛み合わせ測定装置は、演算回路31が、唆頭嵌合位33からの移動軌跡を演算して、表示モニタ32が唆頭嵌合位33からの移動軌跡を表示している。
【0011】
本発明の請求項5の歯の噛み合わせ測定装置は、下顎12の上顎11に対する相対位置と相対姿勢とを検出する位置検出センサ30と、この位置検出センサ30で検出される下顎12の上顎11に対する相対位置と相対姿勢から、上下の歯の接触状態における移動距離に対する相対姿勢を演算すると共に、上下の歯の接触状態における移動距離に対する下顎咬合平面34の特定点の上顎11に対する移動軌跡を演算する演算回路31と、この演算回路31で演算される移動距離に対する相対姿勢と、移動距離に対する下顎咬合平面34の特定点の移動軌跡を表示する表示モニタ32とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の歯の噛み合わせ測定装置は、上下の歯の接触状態における移動距離に対する姿勢や軌跡を検出して表示して、歯の噛み合わせを正確に検出できる特徴がある。
本発明の請求項1の歯の噛み合わせ測定装置は、位置検出センサで検出される下顎の上顎に対する相対位置と相対姿勢から、上下の歯の接触状態における移動距離に対する相対姿勢を演算して表示するので、上下の歯を接触状態で移動して、下の歯が上の歯に対してどのような姿勢で移動するかが明確になる。とくに、本発明の請求項2の測定装置は、移動距離に対する相対回転角を演算して表示するので、上下の歯を接触状態で移動して、下の歯が上の歯に対してどのように傾斜しながら移動するかが明確になる。
【0013】
さらに、本発明の請求項3の歯の噛み合わせ測定装置は、位置検出センサで検出される下顎の上顎に対する相対位置と相対姿勢から、上下の歯の接触状態における移動距離に対する下顎咬合平面の特定点の上顎に対する移動軌跡を演算して表示するので、上下の歯を接触状態で移動して、下の歯の特定点がどのように移動するかが明確になる。とくに、本発明の請求項4の測定装置は、唆頭嵌合位からの移動軌跡を演算して表示するので、上下の歯を接触状態で移動して、下の歯が唆頭嵌合位に対してどのように移動するかが明確になる。
【0014】
さらにまた、本発明の請求項5の歯の噛み合わせ測定装置は、位置検出センサで検出される下顎の上顎に対する相対位置と相対姿勢から、上下の歯の接触状態における移動距離に対する相対姿勢と、上下の歯の接触状態における移動距離に対する下顎咬合平面の特定点の上顎に対する移動軌跡とを演算して表示するので、上下の歯を接触状態で移動して、下の歯が上の歯に対してどのような姿勢で、どのように移動するかが明確になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための歯の噛み合わせ測定装置を例示するものであって、本発明は、歯の噛み合わせ測定装置を以下のものに特定しない。
【0016】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0017】
図3に示す歯の噛み合わせ測定装置は、下顎の上顎に対する相対位置と相対姿勢とを検出する位置検出センサ30と、この位置検出センサ30で検出される下顎の上顎に対する相対位置と相対姿勢から、上下の歯の接触状態における移動距離に対する相対姿勢、または移動距離に対する下顎咬合平面34の特定点の上顎11に対する移動軌跡を演算する演算回路31と、この演算回路31で演算される移動距離に対する相対姿勢を表示する表示モニタ32とを備える。
本発明の歯の噛み合わせ測定装置は、位置検出センサで検出される下顎の上顎に対する相対位置と相対姿勢から、上下の歯の接触状態における移動距離に対する相対姿勢または下顎咬合平面の特定点の上顎に対する移動軌跡を演算して表示することを特徴としている。したがって、本発明は、下顎の上顎に対する相対位置と相対姿勢とを検出する位置検出センサを以下の構造に特定するものではない。この位置検出センサには、現在使用され、あるいは今後開発される位置検出センサであって、顎運動を測定できる全ての位置検出センサが使用できる。
【0018】
位置検出センサ30は、下顎12の上顎11に対する相対位置と相対姿勢とを検出する。位置検出センサ30は、唆頭嵌合位33を基準として、下顎12の上顎11に対する相対位置と相対姿勢とを検出する。位置検出センサ30は、この唆頭嵌合位33を基準点として、下顎12のX軸、Y軸、Z軸の移動距離と、X軸、Y軸、Z軸における回転角とを検出する。この位置検出センサ30は、図3ないし図9に示す構造とすることができる。これらの図に示す位置検出センサ30は、上下顎の歯に剛体結合される励磁コイル1及びセンサコイル2と、励磁コイル1に交流を流す交流電源3と、交流で励起される励磁コイル1からセンサコイル2に誘導される信号を演算して、励磁コイル1に対するセンサコイル2の相対的な位置から上顎11と下顎12の相対位置を検出する検出回路4とを備えている。図3の位置検出センサ30は、上顎11の歯に励磁コイル1を剛体結合し、下顎12の歯にセンサコイル2を剛体結合している。ただし、位置検出センサは、上顎の歯にセンサコイルを剛体結合して、下顎の歯に励磁コイルを剛体結合することもできる。励磁コイル1とセンサコイル2は、取付部材5、6を介して顎の歯に剛体結合している。ただ、励磁コイルとセンサコイルは、取付部材を介して歯茎に固定することもできる。なお、本明細書において、歯とは、義歯を含む広い意味で使用する。
【0019】
図4は、図3に示す位置検出センサ30を被験者に装着する状態を示している。この図に示す位置検出センサ30は、励磁コイル1を、上顎11の取付部材5を介して上顎11の前方に配設し、センサコイル2を、下顎12の取付部材6を介して頬の外側に配設している。ただし、位置検出センサは、励磁コイルを頬の外側に配設し、センサコイルを上顎の前方に配設することもできる。さらに、位置検出センサは、必ずしも励磁コイルとセンサコイルをこれらの位置に配置する必要はなく、上記の位置から多少ずれた位置に配置することも、あるいは、互いに対向する位置に配置することもできる。たとえば、位置検出センサ30は、図5に示すように、励磁コイル1とセンサコイル2の両方を口腔内に配置することもできる。口腔内に配置される励磁コイル1とセンサコイル2は、直接に歯に固定して上顎11や下顎12に剛体結合することができる。図5の励磁コイル1とセンサコイル2は、歯の表面に直接に接着して剛体結合している。とくに、口腔内に配置される励磁コイル1とセンサコイル2は、好ましくは、上下の顎の運動を測定しやすくするために、前歯の内側もしくは外側に配置される。図5に示す位置検出センサ30は、励磁コイル1を上顎11の前歯の外側に直接に剛体結合し、センサコイル2を下顎12の前歯の内側に直接に剛体結合している。図5の位置検出センサ30は、励磁コイル1とセンサコイル2の両方を口腔内に配置しているが、位置検出センサ30は、励磁コイルとセンサコイルのいずれか一方のみを口腔内に配置することもできる。
【0020】
さらに、図6に示すように、励磁コイル1を被験者の外側に配設して、センサコイル2を上顎11と下顎12の両方に剛体結合し、あるいは、図7に示すように、被験者を励磁コイル1に対して相対的に移動しないように固定して、下顎12にセンサコイル2を剛体結合して下顎12と上顎11との、X軸、Y軸、Z軸における相対位置を検出することもできる。図6の位置検出センサ30は、被験者の外側に励磁コイル1を固定する固定台20を備えており、センサコイル2を上顎11と下顎12の歯に剛体結合してなる被験者を固定台20の内部の定位置に配置して、固定台20に対する上顎11と下顎12の歯の相対位置を検出回路4で検出して、歯の位置を検出している。さらに、図7の位置検出センサ30は、固定台20が、被験者の頭部を定位置に固定する頭部固定機構21を備えている。この位置検出センサ30は、励磁コイル1を固定している固定台20の定位置に、頭部固定機構21を介して被験者の頭部を固定し、被験者の下顎12にセンサコイル2を剛体結合している。この位置検出センサ30は、被験者の頭部が固定される固定台20に対する下顎12の歯の相対位置を検出している。
【0021】
さらに、励磁コイル1は、図8と図9に示すように、被験者の外側であって、その中心軸がX軸、Y軸、Z軸に位置するように、互いに直交する姿勢で配置することもできる。これらの図の励磁コイル1は、円形の空芯コイルを、被験者の後方の面と、右側の面と、上方の面とに配置して、X軸コイル1aとY軸コイル1bとZ軸コイル1cとしている。図8の励磁コイル1は、X軸コイル1aとY軸コイル1bとZ軸コイル1cとを、固定台20である直方体のボックスの背面と側面と天井面とに固定して、その中心軸がX軸、Y軸、Z軸に位置するようにしている。また、図9の励磁コイル1は、X軸コイル1aとY軸コイル1bとZ軸コイル1cとを、固定台20である被験者の後方の壁面20Aと右側の壁面20Bと上方の天板20Cの表面に固定して、その中心軸がX軸、Y軸、Z軸に位置するようにしている。この構造は、励磁コイル1の巻き径を大きくして、インダクタンスを大きくし、励磁コイル1から発生する磁界の強度を強くできる特徴がある。図9の励磁コイル1は、被験者の後方と右側と上方とに3枚の固定プレートを互いに直交する姿勢で配置して固定台20としている。この励磁コイル1は、大きな固定台20を、固定プレートごとに分解、運搬して移動できる。ただ、励磁コイルは、測定する室内の壁面や天井を固定台として、その表面にX軸コイルとY軸コイルとZ軸コイルとを固定することもできる。
【0022】
図8と図9に示す位置検出センサ30は、センサコイル2を上顎11と下顎12の歯に剛体結合してなる被験者を固定台20の内部の定位置に配置して、固定台20に対する上顎11と下顎12の歯の相対位置を演算回路4で検出して歯の位置を検出している。ただ、位置検出センサは、下顎の歯にセンサコイルを剛体結合している被験者を固定台の内部の定位置に配置すると共に、頭部固定機構を介して被験者の頭部を固定台に固定して、固定台に対する下顎の歯の相対位置を検出することもできる。
【0023】
図6ないし図9に示す位置検出センサ30は、X軸コイル1aとY軸コイル1bとZ軸コイル1cとを、その中心軸が互いに直交する姿勢となるように励磁コイル1を配置している。ただ、位置検出センサは、励磁コイルのX軸コイルとY軸コイルとZ軸コイルの中心軸が、互いに直交する姿勢から多少ずれる姿勢であっても、被験者の顎運動を測定できる。また、図6ないし図9に示す位置検出センサ30は、X軸コイル1aとY軸コイル1bとZ軸コイル1cの中心軸が、1点で交差するように励磁コイル1を配置している。これらの位置検出センサ30は、励磁コイル1の中心軸の交差点の近傍にセンサコイル2が位置するように、固定台20の内部に被験者を配置して、最も理想的に顎運動を測定できる。ただ、位置検出センサは、被験者に固定されたセンサコイルの位置が、励磁コイルの中心軸の交差点から多少ずれる位置であっても、被験者の顎運動を測定できる。
【0024】
図3ないし図5に示す位置検出センサ30は、センサコイル2と励磁コイル1に同じものを使用している。これらの位置検出センサ30は、同じコイルを製作して励磁コイル1とセンサコイル2に使用できる。このため、能率よく安価に多量生産できる。また、センサコイルと励磁コイルは、線径や巻き数を変えることで最適化することもできる。たとえば、励磁コイルには、強い電流を流すために太い線材を使用し、センサコイルには、細い線材を使用して、巻き数を多くして感度を上げることもできる。これらのセンサコイル2と励磁コイル1は、図10と図11に示すように、互いに直交する方向に巻かれているX軸コイル2a、1aと、Y軸コイル2b、1bと、Z軸コイル2c、1cを備える。X軸コイル2a、1aと、Y軸コイル2b、1bと、Z軸コイル2c、1cは、巻線機で円形に巻かれたループコイル8からなり、このループコイル8をコアー材7の表面に固定して、センサコイル2と励磁コイル1としている。図6ないし図9に示すセンサコイル2も、図10と図11に示すセンサコイル2と同じ構造としている。ただ、位置検出センサは、励磁コイルやセンサコイルのX軸コイルとY軸コイルとZ軸コイルが、互いに直交する姿勢から多少ずれる姿勢であっても、被験者の顎運動を測定できる。ループコイル8は、表面を絶縁している導電線を円形に複数回巻いて接着剤で固定して製作される。ただし、ループコイルは、必ずしも円形に巻く必要はなく、たとえば、線材を多角形に複数回巻いて接着剤で固定することもできる。さらに、ループコイル8は、図12に示すように、磁性材からなるコア9の外周に巻いて製作することもできる。
【0025】
X軸コイル2a、1aと、Y軸コイル2b、1bと、Z軸コイル2c、1cは、ループコイル8の巻き数と巻き径でインダクタンスが特定される。X軸コイル2a、1aと、Y軸コイル2b、1bと、Z軸コイル2c、1cは、ループコイル8の巻き数を多く、また巻き径を大きくしてインダクタンスを大きくできる。励磁コイル1のループコイル8は、インダクタンスで発生させる磁界の強度を決定し、インダクタンスが大きくなるほど、X軸コイル1aと、Y軸コイル1bと、Z軸コイル1cから発生する磁界強度は強くなる。インダクタンスの大きい励磁コイル1は、磁界強度を強くして、センサコイル2に誘導される交流電圧を大きくする。センサコイル2のループコイル8は、インダクタンスを大きくしてX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流信号の電圧レベルを大きくする。センサコイル2に誘導される交流信号の電圧レベルが高くなると、センサコイル2の位置を検出する測定精度を高くできる。したがって、X軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cとなるループコイル8のインダクタンスを大きくすることは、測定精度を高くすることに有効である。
【0026】
ただ、ループコイルのインダクタンスを大きくすることは、ループコイルを大きく、重くする。センサコイルと励磁コイルは、小さくして軽いのが良い。患者に簡単に装着できると共に、装着した状態で、患者が自由に顎を運動できるからである。とくに、図5に示すように、被験者の口腔内で歯の表面に直接に接着して、上顎11や下顎12に剛体結合されるセンサコイル2や励磁コイル1は、とくに小さくすることが大切である。したがって、ループコイルのインダクタンス、すなわち巻き数と巻き径は、センサコイルと励磁コイルを剛体結合する位置、測定精度等を考慮して最適値に設定される。たとえば、ループコイル8は、口腔内に固定するセンサコイル2や励磁コイル1にあっては、たとえば巻き径を10mm以下、好ましくは5mm以下として、インダクタンスを約200μH以上、好ましくは500μH以上とする。
【0027】
コアー材7は、互いに直交する3つの平面を有し、3つの平面7Aにループコイル8を固定して、互いに直交するX軸コイル2a、1aと、Y軸コイル2b、1bと、Z軸コイル2c、1cを設けている。図10のコアー材7は直方体で、直方体の互いに直交する3つの平面7Aにループコイル8を固定している。ループコイル8を定位置に固定するために、コアー材7は、図11の断面図に示すように、平面にループコイル8を入れる凹部7Bを設けている。凹部7Bは、その内形をループコイル8の外形として、ループコイル8を嵌着して定位置に固定する。また、凹部の深さをループコイルの厚さよりも深くして、ループコイルを凹部に入れてループコイルがコアー材から突出しない構造とすることもできる。突出しないようにループコイルを凹部に入れているコアー材は、ループコイルを入れる状態で表面をコーティングしてループコイルを保護できる構造にできる。
【0028】
直方体のコアー材7にX軸コイル2a、1aと、Y軸コイル2b、1bと、Z軸コイル2c、1cとなるループコイル8を固定するセンサコイル2と励磁コイル1は、コアー材7を磁性材として、コアー材7でもってループコイル8のインダクタンスを大きくできる。ただし、コアー材は、必ずしも磁性材とする必要はなく、プラスチック等の非磁性材として、ループコイルを空芯コイルとして使用することもできる。
【0029】
また、図12に示すように、コア9に巻いているループコイル8は、平面に設ける凹部7Bの内形をコア9を嵌着できる形状として、ループコイル8を定位置に固定できる。
【0030】
さらに、図13に示すコアー材7は、互いに直交する平面7AをX軸方向に並べて、この平面にループコイル8を固定している。この図のコアー材7は、3枚の板材10を互いに直交するように連結している。このコアー材7は、図において左から右に向かって、Z軸コイル2c、1c、X軸コイル2a、1a、Y軸コイル2b、1bとなるループコイル8をコアー材7に固定している。このコアー材7も、ループコイル8を固定する部分に凹部7Bを設け、この凹部7Bにループコイル8を入れて定位置に固定できる。
【0031】
交流電源3は、励磁コイル1のX軸コイル1aと、Y軸コイル1bと、Z軸コイル1cを異なる周波数の交流で励磁する。交流電源3は、X軸コイル1aを角速度ω1、Y軸コイル1bをω2、Z軸コイル1cをω3の周波数で励起する発振手段を内蔵している。交流電源3は、複数の発振回路で周波数の異なる交流を発生させることもできるが、マイクロコンピュータとD/Aコンバータとを使用して、周波数が異なるサイン波を作ることもできる。この交流電源は、マイクロコンピュータでデジタル量のサイン波を作り、これをD/Aコンバータでアナログ量に変換する。
【0032】
検出回路4は、センサコイル2のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流から、励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置と相対姿勢、すなわち、励磁コイル1とセンサコイル2を剛体結合している上顎11と下顎12の相対位置と相対姿勢とを演算する。検出回路4は、センサコイル2のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流信号の振幅から、センサコイル2の励磁コイル1に対する距離と姿勢を演算する。センサコイル2が励磁コイル1から離れる程、センサコイル2のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流の振幅が小さくなり、センサコイル2の励磁コイル1に対する姿勢により、各々のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流の振幅の比率が変化するからである。したがって、検出回路4は、センサコイル2の各々のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流信号の振幅の大きさから、センサコイル2の励磁コイル1に対する相対位置と相対姿勢とを演算できる。
【0033】
検出回路4は、センサコイル2と励磁コイル1の相対位置と相対姿勢をキャリブレーションし、キャリブレーションした結果を記憶回路に記憶して、記憶されるキャリブレーションデーターから、センサコイル2と励磁コイル1の位置を演算する。この検出回路4は、センサコイル2を励磁コイル1から次第に離して相対位置を変更し、さらに各々の相対位置においてセンサコイル2の励磁コイル1に対する相対姿勢を変更して、各々の相対位置と相対姿勢において、センサコイル2の各々のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流の振幅を記憶回路にキャリブレーションデータとして記憶させる。このキャリブレーションデータに基づいて、センサコイル2の各々のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流信号の振幅から、センサコイル2と励磁コイル1の相対位置と相対姿勢とを演算する。さらに、検出回路4は、キャリブレーションデータに記憶されない交流の振幅が検出されるときは、記憶しているキャリブレーションデータを補間して、センサコイル2の励磁コイル1に対する相対位置と相対姿勢とを検出する。
【0034】
この検出回路4は、図示しないが、センサコイル2の各々のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流信号を一定の増幅率で増幅するアンプと、アンプから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータと、A/Dコンバータでデジタル値に変換された信号を演算する演算器と、キャリブレーションデーターを記憶している記憶回路とを備える。記憶回路は、励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置を変更し、さらに各々の相対位置における相対姿勢を変更して、X軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流の振幅を検出して、検出した結果をキャリブレーションデータとして記憶している。
【0035】
この検出回路4は、センサコイル2のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流を、アンプで所定の振幅に増幅し、増幅されたアナログ信号をA/Dコンバータでデジタル値に変換し、演算器が変換されたデジタル値を記憶回路に記憶しているキャリブレーションデータに比較して、最も近いキャリブレーションデータから励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置と相対姿勢を特定し、あるいはキャリブレーションデータを補間して、相対位置と相対姿勢を演算する。キャリブレーションデータを記憶回路に記憶して、キャリブレーションデータに基づいて励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置と相対姿勢とを演算する位置検出センサ30は、励磁コイル1とセンサコイル2による誤差を補正しながら、すなわち製造工程における励磁コイル1とセンサコイル2の寸法誤差、形状の誤差、位置の誤差等を補正して、励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置と相対姿勢、すなわち上顎11と下顎12の相対位置と相対姿勢を極めて高い精度で検出できる。
【0036】
ただし、検出回路4は、キャリブレーションデータによらず、センサコイル2のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流を、FFT等の数学的な手法を用いてフーリエ級数に展開し、フーリエ級数からセンサコイル2と励磁コイル1の相対位置と相対姿勢とを演算することもできる。この位置検出センサ30は、キャリブレーションしないで、励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置と相対姿勢を検出できる。さらに、キャリブレーションデータと数学的な手法の両方で励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置と相対姿勢を演算してより高い精度で相対位置と相対姿勢を検出することもできる。
【0037】
演算回路31は、位置検出センサ30で検出される相対位置と相対姿勢から、上下の歯の接触状態における移動距離に対する相対姿勢を演算する。たとえば、唆頭嵌合位33を基準として、上下の歯を接触状態として、下の歯を上の歯に対して前方に移動して移動距離に対する相対姿勢を演算し、あるいは下の歯を上の歯に対して左右に移動して移動距離に対する相対姿勢を演算する。たとえば、歯の前後方向をX軸方向とし、左右方向をY軸方向とし、歯の上下方向をZ軸方向として、下の歯の上の歯に対する移動距離を検出する。また、X軸、Y軸、Z軸を中心とする回転角として、移動距離に対するX軸、Y軸、Z軸を回転軸とする相対回転角を検出する。
【0038】
演算回路31は、下の歯を上の歯に対して前方、すなわちX軸方向に移動して、X軸方向の移動距離に対するX軸とY軸を回転軸とする相対回転角を検出する。図14は、X軸方向の移動距離に対するY軸を回転軸とする相対回転角を示している。演算回路31は、この図に示すように、移動距離に対する相対回転角を演算し、演算結果が表示モニタ32に表示される。図14は、下の歯を上の歯に接触状態として前方に移動して、下の歯が前後に傾斜する角度を示している。ところで、歯の噛み合わせにおいて、真っ直ぐ噛んだ唆頭嵌合位33から上下の歯を接触させながら前方や側方へ下顎12を動かしたとき、下顎12が閉口方向へ回転することは望ましくないとされているので、図14から好ましい噛み合わせかどうかが判定される。
【0039】
さらに、演算回路31は、下の歯を上の歯に対して左右、すなわちY軸方向に移動して、Y軸方向の移動距離に対するX軸とY軸を回転軸とする相対回転角も演算することができる。下の歯をY軸方向、すなわち左右に移動して、X軸を回転軸とする相対回転角を演算すると、下の歯を左右に移動して、下の歯が左右に傾斜する角度を演算することができる。
【0040】
さらに、演算回路31は、任意の方向への移動距離や任意の軸周りの相対回転角を検出して、移動距離に対する相対回転角を演算することもできる。たとえば、図15は、下の歯を上の歯に接触状態として、矢印Aで示す斜め前方に下顎12を移動させる状態を示している。演算回路31は、X軸方向とY軸方向への移動距離から矢印Aで示す方向への移動距離を演算すると共に、この移動距離に対するX軸とY軸とZ軸を回転軸とする相対回転角を検出して、移動距離に対する相対姿勢を演算する。また、演算回路31は、任意の軸、例えば、図の矢印Aで示す方向を回転軸とする相対回転角を演算することもできる。これにより、上下の歯の接触状態における、任意の方向へ移動距離に対する相対姿勢を検出し、好ましい歯の噛み合わせかどうかを判定する。
【0041】
さらに、演算回路31は、移動距離に対する相対姿勢に代わって、あるいは相対姿勢に加えて、上下の歯の接触状態における移動距離に対する下顎12の特定点の上顎11に対する移動軌跡を演算することもできる。たとえば、演算回路31は、下顎咬合平面34の前後左右の中央の点の移動距離に対する移動軌跡を演算することもできる。この演算回路31は、下の歯を上の歯に対して前方、すなわちX軸方向に移動して、X軸方向の移動距離に対する特定点の移動軌跡をY軸方向とZ軸方向の位置として演算する。Z軸方向の位置は、下の歯が上下に移動しながら前方に移動することを示している。図16は、X軸方向の移動距離に対するZ軸方向の相対位置を示している。演算回路31は、この図に示すようにX軸方向の移動距離に対するZ軸方向の位置を演算し、演算結果を表示モニタ32で表示する。図16は、下の歯を上の歯に接触状態として前方に移動して、下の歯が上下に移動する距離を示している。
【0042】
同じようにして、演算回路31は、下の歯を上の歯に対して左右方向、すなわちY軸方向に移動して、Y軸方向の移動距離に対する特定点のZ軸方向の位置を演算して、特定点の移動軌跡を演算することができる。この演算回路31は、左右方向の移動距離に対する上下の位置を演算して、左右の移動距離に対する上下の位置、すなわち移動軌跡を表示モニタ32で表示する。
【0043】
さらに、演算回路31は、任意の方向への移動距離に対する移動軌跡を演算することもできる。演算回路31は、たとえば、前述の図15に示すように、下の歯を上の歯に接触状態として、矢印Aで示す斜め前方に下顎12を移動させる状態で、X軸方向とY軸方向への移動距離から矢印Aで示す方向への移動距離を演算すると共に、この移動距離に対する特定点のZ軸方向の位置を演算して、特定点の移動軌跡を演算することができる。この演算回路31は、任意の方向への移動距離に対する上下の位置を演算して、この方向への移動距離に対する上下の位置、すなわち移動軌跡を表示モニタ32で表示する。
【0044】
移動距離に対する相対姿勢と移動軌跡の両方を検出する演算回路31を備える歯の噛み合わせ測定装置は、移動距離に対する相対姿勢と、移動距離に対する移動軌跡の両方を表示モニタ32に出力し、表示モニタ32で相対姿勢と移動軌跡の両方を表示モニタ32に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明者が先に開発した顎運動の測定装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す測定装置の励磁コイルの拡大斜視図である。
【図3】本発明の一実施例にかかる歯の噛み合わせ測定装置の概略構成図である。
【図4】図3に示す測定装置の位置検出センサを被験者に装着する状態を示す概略斜視図である。
【図5】位置検出センサの他の一例を示す概略構成図である。
【図6】位置検出センサの他の一例を示す概略構成図である。
【図7】位置検出センサの他の一例を示す概略構成図である。
【図8】位置検出センサの他の一例を示す概略構成図である。
【図9】位置検出センサの他の一例を示す概略構成図である。
【図10】センサコイルの一例を示す拡大斜視図である。
【図11】図10に示すセンサコイルのA−A線断面図である。
【図12】センサコイルの他の一例を示す断面図である。
【図13】センサコイルの他の一例を示す斜視図である。
【図14】演算回路で演算される移動距離に対する相対回転角の一例を示す図である。
【図15】下顎を上顎に対して任意の方向に移動させる状態を示す概略図である。
【図16】演算回路で演算される移動距離に対する移動軌跡の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1…励磁コイル 1a…X軸コイル
1b…Y軸コイル
1c…Z軸コイル
2…センサコイル 2a…X軸コイル
2b…Y軸コイル
2c…Z軸コイル
3…交流電源
4…検出回路
5…取付部材
6…取付部材
7…コアー材 7A…平面
7B…凹部
8…ループコイル
9…コア
10…板材
11…上顎
12…下顎
20…固定台 20A…壁面
20B…壁面
20C…天板
21…頭部固定機構
30…位置検出センサ
31…演算回路
32…表示モニタ
33…唆頭嵌合位
34…下顎咬合平面
91…励磁コイル 91a…コイル
91b…コイル
91c…コイル
92…センサコイル 92a…コイル
92b…コイル
92c…コイル
93…交流電源
94…演算回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下顎(12)の上顎(11)に対する相対位置と相対姿勢とを検出する位置検出センサ(30)と、この位置検出センサ(30)で検出される下顎(12)の上顎(11)に対する相対位置と相対姿勢から、上下の歯の接触状態における移動距離に対する相対姿勢を演算する演算回路(31)と、この演算回路(31)で演算される移動距離に対する相対姿勢を表示する表示モニタ(32)とを備える歯の噛み合わせ測定装置。
【請求項2】
前記演算回路(31)が上下の歯の接触状態における移動距離に対する相対回転角を演算し、前記表示モニタ(32)が移動距離に対する相対回転角を表示する請求項1に記載される歯の噛み合わせ測定装置。
【請求項3】
下顎(12)の上顎(11)に対する相対位置と相対姿勢とを検出する位置検出センサ(30)と、この位置検出センサ(30)で検出される下顎(12)の上顎(11)に対する相対位置と相対姿勢から、上下の歯の接触状態における移動距離に対する下顎咬合平面(34)の特定点の上顎(11)に対する移動軌跡を演算する演算回路(31)と、この演算回路(31)で演算される移動距離に対する下顎咬合平面(34)の特定点の移動軌跡を表示する表示モニタ(32)とを備える歯の噛み合わせ測定装置。
【請求項4】
前記演算回路(31)が、唆頭嵌合位(33)からの移動軌跡を演算して、表示モニタ(32)が唆頭嵌合位(33)からの移動軌跡を表示する請求項3に記載される歯の噛み合わせ測定装置。
【請求項5】
下顎(12)の上顎(11)に対する相対位置と相対姿勢とを検出する位置検出センサ(30)と、この位置検出センサ(30)で検出される下顎(12)の上顎(11)に対する相対位置と相対姿勢から、上下の歯の接触状態における移動距離に対する相対姿勢を演算すると共に、上下の歯の接触状態における移動距離に対する下顎咬合平面(34)の特定点の上顎(11)に対する移動軌跡を演算する演算回路(31)と、この演算回路(31)で演算される移動距離に対する相対姿勢と、移動距離に対する下顎咬合平面(34)の特定点の移動軌跡を表示する表示モニタ(32)とを備える歯の噛み合わせ測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−187710(P2010−187710A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−4891(P2008−4891)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人科学技術振興機構、「研究成果実用化検討(FS):日常の診療で簡便に使える6自由度顎運動診断装置の実用化研究」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(304020292)国立大学法人徳島大学 (307)
【Fターム(参考)】