説明

段取り方法、部品実装方法および部品実装システム

【課題】実装機が複数台基板の搬送路に沿って並設される部品実装システムに適した部品供給手段の配置を可能とする段取り技術を提供する。
【解決手段】標準基板データを作成することにより各実装機A〜Cのサイクルタイムを平準化しており、部品実装システムにおいて合理的な部品実装を行うことが可能となっている。また、単独実装部品と同種の部品を収納するフィーダー551bを特定実装機B以外の実装機A、Cに装着するように段取り目標と変更している。したがって、特定実装機Bでトラブルが発生したとしても、他の実装機A、Cに装着されるフィーダー551bに同種の部品が存在し、単独実装部品の代替実装を行うことが可能となっている。このようにフィーダー551の配置を適正化することによって、部品実装システムの生産性を向上させることが可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、実装機が複数台基板の搬送路に沿って並設される部品実装システムにおいて、各実装機への部品供給手段の適正配置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品実装システムとして、例えば基台上に実装機が1台搭載された装置を複数台並設したもの、基台上に実装機が複数搭載された装置を1台設けたもの、あるいはこれら2種の装置を混ぜて設けたものが知られている。このように構成された部品実装システムでは、複数台の実装機が搬送路に沿って並設されており、各実装機が搬送路に沿って搬送される基板に対して順次IC(Integrated Circuit)等の電子部品を実装する。このような部品実装システムにおいて、複数の実装機のうちの1台で部品切れやマシントラブル等(以下、これらを総称して単に「トラブル」と称する)が発生して当該実装機のサイクルタイムが長くなってしまい、これがボルトネックとなってシステム全体のスループットが低下してしまうことがある。そこで、例えば特許文献1に記載の部品実装システムでは、サイクルタイムが長くなってしまう実装機で実装する部品を他の実装機に代替して実装させ、これによって部品実装システム全体として生産性の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−267799号公報(図7)
【特許文献2】特開平10−209681号公報
【特許文献3】特開平8−137828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように他の実装機による部品の代替実装を行うためには、当該部品あるいは当該部品と代替可能な部品、つまり当該部品と同種の部品を収納したテープフィーダー等の部品供給手段が他の実装機に装着されている必要があるが、その点について十分に考慮されておらず、他の実装機に当該部品供給手段が装着されていない場合には、代替実装を行うことができない。
【0005】
また、複数台の実装機を用いる場合、ラインバランスを最適化することで、各実装機において部品実装に要する処理時間を平準化して処理効率を高めることができる。そこで、複数の実装機を有する部品実装システムでは、例えば特許文献2や特許文献3などに記載された演算手法等を用いてラインバランスの最適化が図られている。このため、部品の種類によっては複数の実装機のうちの一の実装機でのみ部品実装が行われることがある(この明細書では、このように一の実装機でのみ実装される部品を「単独実装部品」と称する)。この場合、単独実装部品を収納する部品供給手段が装着された一の実装機でトラブルが発生したとしても、他の実装機に当該単独実装部品あるいは当該単独実装部品と代替可能な部品は存在しないため、単独実装部品の代替実装を行うことができない。
【0006】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、実装機が複数台基板の搬送路に沿って並設される部品実装システムに適した部品供給手段の配置を可能とする段取り技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかる段取り方法は、部品を収納する部品供給手段が装着されて部品供給手段から部品を取り出して基板に実装する実装機が複数台基板の搬送路に沿って並設されて基板データにしたがって各実装機で搬送路に沿って搬送される基板に部品を実装する部品実装システムに対し、各実装機に装着する部品供給手段を決定する段取り方法であって、上記目的を達成するため、基板データにしたがって各実装機に装備させる部品供給手段を決定する第1工程と、第1工程での決定にしたがって各実装機に部品供給手段を装着するとき、基板に実装される部品の中に一の実装機でのみ基板に実装される単独実装部品が存在するか否かを判断する第2工程と、第2工程で単独実装部品が存在すると判断されるとき、一の実装機以外の実装機のうちの少なくとも1台に単独実装部品あるいは単独実装部品と代替可能な部品を収納する部品供給手段を装着するように決定する第3工程とを備えることを特徴としている。
【0008】
また、この発明にかかる部品実装方法は、部品を収納する部品供給手段が装着されて部品供給手段から部品を取り出して基板に実装する実装機が複数台基板の搬送路に沿って並設されて基板データにしたがって各実装機で搬送路に沿って搬送される基板に部品を実装する部品実装方法であって、上記目的を達成するため、基板データにしたがって各実装機により部品を基板に実装する前に、基板データにしたがって各実装機に装備させる部品供給手段を決定する第1工程と、第1工程での決定にしたがって各実装機に部品供給手段を装着するとき、基板に実装される部品の中に一の実装機でのみ基板に実装される単独実装部品が存在するか否かを判断する第2工程と、第2工程で単独実装部品が存在すると判断されるとき、一の実装機以外の実装機のうちの少なくとも1台に単独実装部品あるいは単独実装部品と代替可能な部品を収納する部品供給手段を装着するように決定する第3工程と、第1工程および第3工程での決定にしたがって各実装機に部品供給手段を装着する第4工程とを実行し、基板データにしたがって各実装機により部品を基板に実装している間に、一の実装機の基板1枚当りの作業時間が一の実装機以外の実装機の基板1枚当りの作業時間よりも長くなると、基板に実装する部品のうち単独実装部品の基板への実装を、一の実装機に代えて単独実装部品あるいは単独実装部品と代替可能な部品を収納する部品供給手段が装着された他の実装機で行うことを特徴としている。
【0009】
さらに、この発明にかかる部品実装システムは、部品を収納する部品供給手段が装着されて部品供給手段から部品を取り出して基板に実装する実装機が基台上に1ないし複数搭載された部品実装装置を、1台以上基板の搬送路に沿って並設されることで、複数台の実装機が基板の搬送路に沿って並設されて基板データにしたがって各実装機で搬送路に沿って搬送される基板に部品を実装する部品実装システムであって、上記目的を達成するため、複数の実装機はそれぞれ基板データに応じた部品を収納する標準部品供給手段を有し、複数の実装機のうち一の実装機に装着される標準部品供給手段の1つは、基板に実装される部品の中に一の実装機でのみ基板に実装される単独実装部品を収納し、一の実装機以外の実装機の少なくとも1つは単独実装部品あるいは単独実装部品と代替可能な部品を収納する代替部品供給手段を有することを特徴としている。
【0010】
このように構成された発明(段取り方法、部品実装方法および部品実装システム)では、基板データにしたがって各実装機に装備させる部品供給手段が決定されるが、基板に実装される部品の中に一の実装機でのみ基板に実装される単独実装部品が存在することがある。そこで、単独実装部品あるいは当該単独実装部品と代替可能な部品を収納する(代替)部品供給部を一の実装機以外の実装機のうちの少なくとも1台に装着するように決定する。これにより、一の実装機で部品切れやマシントラブルなどが発生したとしても、他の実装機に単独実装部品あるいは当該単独実装部品と代替可能な部品が存在し、単独実装部品の代替実装を行うことが可能となる。
【0011】
ここで、基板データにしたがって部品実装システムを稼働した際に予想される各実装機の作業時間を予測する第4工程を備え、第3工程での決定を、第4工程で予想された一の実装機の予想作業時間が一の実装機以外の実装機の予想作業時間よりも長いときのみ行うように構成してもよい。これによって、より効率的な代替実装を行うことが可能となる。なお、第4工程での作業時間の予測については、複数の実装機の稼働履歴に基づいて行ってもよい。なお、予想作業時間については、基板1枚当りのものとしてもよい。
【0012】
さらに、実装機を3台以上並設する場合、一の実装機以外の実装機の2台以上に単独実装部品あるいは単独実装部品と代替可能な部品を収納する部品供給手段を装着するように決定してもよい。これにより一の実装機がトラブルにより停止したとしても、単独実装部品あるいは単独実装部品と代替可能な部品を収納する部品供給手段が装着された複数台の実装機により当該部品の代替実装を平準化することができ、スループットの低下を効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、単独実装部品あるいは単独実装部品と代替可能な部品を収納する部品供給手段を一の実装機以外の実装機に装着するように段取り目標と変更しているので、一の実装機でトラブルが発生したとしても、他の実装機に単独実装部品あるいは単独実装部品と代替可能な部品が存在し、単独実装部品の代替実装を行うことが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかる段取り方法の一実施形態が適用される部品実装システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1の部品実装システムに装備される実装機の概略構成を示す平面図である。
【図3】図1に示す部品実装システムの動作の一部を示すフローチャートである。
【図4】図3中の段取り処理を示すフローチャートである。
【図5】標準基板データおよび代替基板データの一例を示す図である。
【図6】本発明にかかる段取り方法の一実施形態を模式的に示す図である。
【図7】本発明にかかる段取り方法の一実施形態を模式的に示す図である。
【図8】本発明にかかる段取り方法の他の実施形態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明にかかる段取り方法の一実施形態が適用される部品実装システムの概略構成を示す図である。この部品実装システム1では、同図に示すように、基板を搬送する搬送路2に沿って基板搬送方向Xの上流側(同図の右手側)から下流側(同図の左手側)にかけて、基板搬入機3、印刷機4、複数の実装機5、検査機6、リフロー炉7および基板搬出機8等が並設されている。これらのライン構成装置のうち基板搬入機3は、多数の未処理基板を収容する基板収容部を有しており、この基板収容部から基板を印刷機4に順次搬入する。また、印刷機4は、搬入された基板の処理領域にクリーム半田を印刷により塗布する。
【0016】
半田が印刷された基板に対して基板データにしたがって部品を実装するために、複数(本実施形態では3台)の実装機5が搬送路2に沿って一列に並設されている。この明細書では、これら3台の実装機を区別して説明するために、基板搬送方向Xの最上流側に位置する実装機5を「実装機A」と称し、中間に位置する実装機5を「実装機B」と称し、最下流側に位置する実装機5を「実装機C」と称する一方、これらを区別しない場合には、単に「実装機5」と称する。なお、上記基板データの説明、並びに各実装機5の説明については、後で図面を参照しつつ詳述する。
【0017】
3台の実装機5により部品が実装された基板は検査機6に搬送され、この検査機6により基板に実装される電子部品の実装状態が検査される。また、検査機6により良品であると検査が示された基板はリフロー炉7に搬送され、リフロー炉7がクリーム半田をリフローして基板と部品とを半田接合する。そして、リフロー炉7から搬出される基板は基板搬出機8の収容部に順次収容される。
【0018】
このように構成されたシステム各部(これら基板搬入機3、印刷機4、複数の実装機5、検査機6、リフロー炉7および基板搬出機8)はローカルエリアネットワークLANに接続されている。また、このローカルエリアネットワークLANには、実装システム全体を制御する制御装置(サーバーPC)9が接続されている。そして、制御装置9とシステム各部の間で種々のデータがローカルエリアネットワークLANを介して通信可能となっている。また、部品実装システム1から離れた位置には、各実装機5に対して装着可能に準備されるテープフィーダーを多数収容したフィーダー保管場所10が設けられるとともに、図1の下段に示すように、ローカルエリアネットワークLANを介して制御装置9と接続されている。
【0019】
図1中の符号12はプログラム作成装置(プログラム作成PC)であり、装置各部で実行するプログラムを作成し、制御装置9を介して装置各部のコントローラ(図示省略)にプログラムを与える。これらのうち実装機5を制御するためのプログラムには、実装する部品の種類や基板上における実装座標位置に関するデータ等の他、各実装作業を行うための部品を供給する部品供給手段を各実装機5のどこに取り付けるかという部品供給手段の配置に関するデータも含まれている。これらのデータを総称して本明細書では「基板データ」と称する。そして、プログラム作成装置12は、後述するように公知の最適化手法によって求めた基板データ(以下、「標準基板データ」という)を作成するだけでなく、単独実装部品の代替実装に適した独自の基板データ(以下、「代替基板データ」という)を作成するとともに、それに適した段取り処理を実行する。なお、これら段取り処理(図4)、標準基板データおよび代替基板データ(図5)などについては、後で詳述する。
【0020】
図2は、図1の部品実装システムに装備される実装機の概略構成を示す平面図である。実装機5では、基台511上に基板搬送機構520が配置されており、基板PBを基板搬送方向Xに搬送可能となっている。より詳しくは、基板搬送機構520は、基台511上において基板PBを図2の右側から左側へ搬送する一対のコンベア521、521を有している。これらのコンベア521、521は実装機5全体を制御する実装機コントローラ(図示省略)により制御されて基板PBをコンベア521、521による搬送路に沿って搬送する。すなわち、コンベア521、521は実装機コントローラからの駆動指令に応じて作動し、搬入されてきた基板PBを所定の実装作業位置(図2に示す基板PBの位置)で停止させる。また、当該基板PBは図略の保持装置により固定保持される。そして、この基板PBに対して部品収容部550から供給される電子部品(図示省略)がヘッドユニット560に複数搭載された吸着ノズル561により移載される。このようにヘッドユニット560が部品収容部550の上方と基板PBの上方の間を複数回往復して基板PBに実装すべき部品の全部について実装処理が完了すると、基板搬送機構520は実装機コントローラからの駆動指令に応じて基板PBを搬出する。以上から分かる通り、実装機5は基台511を含み基台551上に1台搭載されて部品実装装置を構成している。
【0021】
基板搬送機構520の両側には、上記した部品収容部550が配置されており、これらの部品収容部550に対して1または複数のテープフィーダー(部品供給手段)551を装着可能に構成されている。また、部品収容部550では、各フィーダー551に対応して電子部品を一定ピッチで収納・保持したテープを巻回したリール(図示省略)が配置されており、各フィーダー551による電子部品の供給が可能となっている。なお、この実施形態では、部品収容部550は、コンベア521,521に対してフロント(+Y)側とリア(−Y)側のそれぞれ上流部と下流部の合計4箇所に設けられており、各部品収容部550では、後述する段取り処理に応じて適切なフィーダー551が装着される。この点についても、後で詳述する。
【0022】
また、実装機5では、基板搬送機構520の他に、ヘッド駆動機構570が設けられている。このヘッド駆動機構570はヘッドユニット560を基台511の所定範囲にわたりX軸方向及びY軸方向(X軸及びZ軸方向と直交する方向)に移動するための機構であり、X軸方向及びY軸方向への移動に、それぞれX軸モータ570A及びY軸モータ570Bが使用される。そして、ヘッドユニット560の移動により吸着ノズル561で吸着された電子部品が部品収容部550の上方位置から基板PBの上方位置に搬送される。すなわち、このヘッドユニット560では、鉛直方向Zに延設された不図示の実装用ヘッドが8本、X軸方向(基板搬送機構520による基板PBの搬送方向)に等間隔で列状配置されている。また、実装用ヘッドのそれぞれの先端部には、吸着ノズル561が装着されている。そして、ヘッド駆動機構570によってヘッドユニット560が部品収容部550の上方に移動し、吸着ノズル561が吸着対象部品を搭載するフィーダー551の部品吸着位置上方に位置されるとともに、吸着ノズル561が下降して部品収容部550から供給される電子部品に対して吸着ノズル561の先端部が接して吸着保持し、吸着ノズル561が上昇する。こうして吸着ノズル561で電子部品を吸着保持したままヘッドユニット560が基板PBの上方に搬送され、所定位置において所定方向に向けて電子部品を基板PBに移載する。なお、搬送の途中において、搬送路の側方の2つの部品収容部550のX方向中間に配置されるカメラ580の上方をヘッドユニット560が通過し、カメラ580が各吸着ノズル561に吸着された電子部品を下方から撮像することで、各吸着ノズル561における吸着ずれが検知され、各電子部品を基板PBに移載する際に吸着ずれに見合った位置補正がされる。
【0023】
次に、複数台の実装機5を装備する部品実装システム1における段取り処理および実装動作について、図3ないし図7を参照しつつ説明する。
【0024】
図3は図1に示す部品実装システムの動作の一部を示すフローチャートであり、図4は図3中の段取り処理を示すフローチャートである。この部品実装システム1においては、図3に示すように、基板PBへの部品実装を行う前に、プログラム作成装置12は図4に示す段取り処理を実行する(ステップS1)。この段取り処理は、図4に示すように、標準基板データを作成し、また単独実装部品が存在する場合には、さらに代替基板データも作成する。また、標準基板データや代替基板データに基づいて基板データに対応した段取り目標を作成した上で当該段取り目標に基づく段取り内容を液晶ディスプレイなどの表示部(図示省略)に表示することで、ユーザーよる段取りに実行させる。
【0025】
このように標準基板データを作成する理由は、複数台の実装機5によって電子部品を実装する場合、生産対象の各基板PBに対する部品の実装作業を複数台の実装機5で分担することで、各実装機5において部品実装に要する処理時間を平準化して効率的に基板PBの生産を行うことが可能となるからである。本実施形態では、図4に示す段取り処理において例えば、特許文献2や特許文献3などに記載された演算手法等を用いて各実装作業をどの実装機5に割り当てるかを示す基板データ、つまり標準基板データを作成し、それをプログラム作成装置12のメモリ(図示省略)に記憶する(ステップS101)。この標準基板データには、例えば図5(a)に示すように、部品の実装順序を示すナンバー(「NO」)、各ナンバーで部品を基板PBに搭載する座標情報(「X座標」、「Y座標」)、各ナンバーで部品を実装するか否かを特定した実装要否情報(「実行/スキップ」)、各ナンバーの部品実装に用いる実装用ヘッドユニット560における実装用ヘッドを示す情報(「ヘッド番号」)(各ナンバーの部品実装に用いる吸着ノズル561を示す情報であるノズル番号と置き換えることも可能)および各ナンバーの部品の品種に関する情報(「部品ID」)等が含まれたデータが実装機A〜C毎にリスト形式で設定されている。なお、これらの情報は後で説明する代替基板データにおいても全く同一である。
【0026】
そして、ステップS101に続いて、標準基板データに基づいて各実装機5に装着すべきフィーダー551を段取り目標(以下、標準基板データに基づく段取り目標を「標準段取り目標」という)として作成する(ステップS102)。ここで、例えば図5(a)に示す標準基板データに基づき標準段取り目標を作成した場合、部品ID「5」の部品は実装機Bによって実装される部品、つまり単独実装部品となり、それを収納・保持するフィーダー(本発明の「標準部品供給手段」に相当)551aおよび同部品の代替部品を収納・保持するフィーダー(本発明の「代替部品供給手段」に相当)551bが例えば図6(a)に示すように実装機Bに装着される。したがって、この場合、上記「発明が解決しようとする課題」で説明したように、実装機Bのトラブルなどにより他の実装機A,Cによる同部品の代替実装を実行しようとしても、他の実装機A、Cには単独実装部品を収納・保持するフィーダー551aも、同部品の代替部品を収納・保持するフィーダー551bも装着されていないため、代替実装を円滑に行うことができない。そこで、本実施形態では、実装機A〜Cの想定停止時間を計算し、それらの想定停止時間を含めた各実装機A〜Cのサイクルタイム(予想作業時間)に応じて代替基板データの必要性や段取り目標の更新などを行う(ステップS103〜S110)。
【0027】
ステップS103では、次式にしたがって各実装機A〜Cの想定停止時間yを計算する。
【数1】

【0028】
同式において、F1、F2、…、Fnは実装機5に装着しているn個のフィーダー551の各々の故障率であり、不使用のフィーダー551については故障率をゼロに設定する。また、H1、H2、…、Hmは実装機5に装着しているm個のヘッドユニット560の各々の故障率であり、不使用のヘッドユニット560については故障率をゼロに設定する。さらに、符号kは故障している割合を時間に換算する調整パラメータであり、例えば過去履歴を最小二乗法により算出することができる。このように数1に示す式を用いていることで、部品実装システム1により基板PBへの部品実装を行っている間に、各実装機A〜Cが停止すると想定される時間に基づく、基板PB1枚の当りの想定停止時間を比較的高い精度で求めることができる。
【0029】
次のステップS104では、標準基板データに基づいて単独実装部品を抽出し、当該単独実装部品を有する実装機をリスト化する。例えば図5(a)に示すように、部品ID「5」の部品は実装機Bでのみ基板PBに実装されるため、実装機Bがリストに加えられる。また、図6に示すように単独実装部品を収納・保持するフィーダー551aが実装機Bに装着される以外に、図7(a)に示すように別の単独実装部品を収納・保持するフィーダー(本発明の「標準部品供給手段」に相当)551cが実装機Aに装着される場合には、実装機A、Bがリストに加えられる。一方、単独実装部品が存在しない場合には、リスト登録数はゼロとする。
【0030】
このようなリスト化処理が完了すると、ステップS105でリスト登録数がゼロであるか否かを判別し、ゼロでない、つまり単独実装部品を有する実装機が存在する間、当該実装機ごとに代替基板データの作成・更新や段取り目標の更新などを検討する(ステップS106〜S110)。すなわち、リストに含まれる実装機中の1つを対象実装機とし、各実装機A〜Cのサイクルタイムを演算する(ステップS106)。例えば図6(a)に示すように、標準基板データを作成することにより各実装機A〜Cのサイクルタイムは平準化され、部品実装システム1において合理的な部品実装を行うことが可能となっているが、その標準基板データに基づいて段取り処理および部品実装を行うとしても、各実装機A〜Cにおいて、フィーダー551やヘッドユニット560に故障が発生し、メンテナンスのため停止せざるを得ない状況の発生があり得る。このため、ステップS103で求まっている各実装機A〜Cの基板PB1枚の当りの想定停止時間を加味すると、例えば同図(b)に示すように、各実装機A〜Cのサイクルタイムは変動し、実装機Bのサイクルタイムが他の実装機A、Cよりも長くなることがある。この場合、実装機Bのサイクルタイムに合わせ他の実装機A、Cに遊びが発生することになり、部品実装システム1全体のスループットが低下してしまう。
【0031】
そこで、本実施形態では、ステップS107で対象実装機のサイクルタイムが最大であるか否かを判別し、このステップS107で「NO」と判別すると、ステップS108、109を行うことなく、直ちにステップS110に進む。一方、「YES」と判別すると、代替基板データが存在していないときには代替基板データを新たに作成する一方、既に代替基板データが存在するときには代替基板データを更新する(ステップS108)。例えば図5(a)に示すように、標準基板データに従えば単独実装部品である部品ID「5」の部品を実装機Bで実装することになっているが、同図(b)に示すように、標準基板データの一部を以下のように書き替えたデータを代替基板データとして新規作成する。
・実装機Aについて実装順序「9」の追加
実装順序「9」の内容:実装機Bで行う予定の実装順序「1」の実行
・実装機Bについて実装順序「1」、「5」の変更
実装順序「1」の内容:実行からスキップへの変更
実装順序「5」の内容:実行からスキップへの変更
・実装機Cについて実装順序「9」の追加
実装順序「9」の内容:実装機Bで行う予定の実装順序「5」の実行
なお、既に代替基板データが作成済であるときには、代替基板データの一部を変更する。
【0032】
そして、こうして新規作成あるいは更新された代替基板データに基づいて段取り目標を更新する(ステップS109)。上記のように標準基板データにより実装機Bで行う予定の部品実装を代替基板データに基づき実装機A、Cで振り分ける場合には、単独実装部品であるフィーダー551aに収納・保持された部品の代替部品を収納・保持するフィーダー551bを実装機Bから実装機A、Cに振り分ける。これによって実装機Bおいてフィーダー551aに収納・保持された部品を使って部品実装が可能であるとともに、実装機Bにおいてトラブルが発生したとしても、実装機Aや実装機Cによるフィーダー551bに収納・保持された代替部品を使った部品実装に振り替えることが可能となる。また、この具体例では、フィーダー551bの振り分け先を一方の実装機(AまたはC)に絞っていないため、図6(c)に示すように、振替部品実装を行う実装機A、Cのサイクルタイムが平準化され、部品実装システム1全体のスループットが低下するのをより効果的に防止することができる。
【0033】
ステップS110では対象実装機となっている実装機をリストから削除する。そして、それに続いて、ステップS105に戻り、リスト登録数がゼロでない、つまり単独実装部品を有する実装機の全部について上記した一連の処理を実行されていない間、ステップS106に進んで必要に応じて代替基板データの新規作成・更新および段取り目標の更新などを行う。例えば図7に示すように実装機Aでのみ実装を行う単独実装部品を収納・保持するフィーダー551cおよび同部品の代替部品を収納・保持するフィーダー(本発明の「代替部品供給手段」に相当)551dが存在し、しかも基板PB1枚の当りの想定停止時間を考慮した際に実装機Aのサイクルタイムが最大となる場合、フィーダー551dを実装機Bおよび実装機Cに振り替えることでサイクルタイムの平準化を図ることができる。
【0034】
一方、リスト登録数がゼロになると、ステップS111に進み、段取り目標を表示部に表示させてユーザーやオペレータなどに段取り目標に基づく段取りを実行させる。段取り動作については既に公知であるため、ここでは段取り動作についての説明は省略する。
【0035】
図3に戻って説明を続ける。こうして、段取りが完了する(ステップS2でYES)と、実装準備が完了し、標準基板データに基づいて実装作業を開始する(ステップS3)。すると、半田が印刷された基板PBが実装機A、B、Cの順に搬送されながら基板データにしたがって部品実装が実行される。その部品実装中に、実装機5でトラブルが発生したことが検知されることがあるが、本実施形態では、トラブルが発生した実装機が、単独実装部品を実装する特定実装機(例えば図5(a)の標準基板データで部品実装するときには実装機Bが特定実装機に相当し、これが本発明の「一の実装機」に相当する)であるか否かを判別し(ステップS4)、その判別結果に応じた部品実装を実行する。すなわち、トラブルが発生しない間はもちろんのこと、特定実装機以外の実装機5においてトラブルが発生した場合であっても、標準基板データに基づいて部品実装を行う(ステップS5)。
【0036】
一方、特定実装機5においてトラブルが発生した場合、代替基板データに基づいて部品実装を行う(ステップS6)。例えば図5(a)の標準基板データに基づいて部品実装を行う実装機Bでトラブルが発生した場合には、図5(b)に示す代替基板データに基づく部品実装に切り替えられる。このため、標準基板データに基づく部品実装時には単独実装部品であった部品ID「5」の部品については、実装機A、Cによる基板PBへの部品実装が行われる。
【0037】
なお、このような基板データの切替えは、ステップS7で全基板PBに対する部品実装が完了すると判別されるまで継続して行われる。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、標準基板データを作成することにより各実装機A〜Cのサイクルタイムを平準化しており、部品実装システム1において合理的な部品実装を行うことが可能となっているだけでなく、単独実装部品と同種の部品を収納するフィーダー551b、551dを特定実装機以外の実装機5に装着するように段取り目標と変更しているので、特定実装機でトラブルが発生したとしても、他の実装機に同種の部品、つまり単独実装部品あるいは単独実装部品と代替可能な部品が存在し、単独実装部品の代替実装を行うことが可能となっている。このようにフィーダー551の配置を適正化することによって、部品実装システム1の生産性を向上させることが可能となっている。ここで、単独実装部品と同種の部品を収納するフィーダーを装着すべき、特定実装機以外の実装機5の選定については任意であり、少なくとも1台に当該フィーダーを装着すればよいのであるが、部品実装システム1に装備される実装機5の数が「3」以上である場合には、図5〜図7に示すように、複数の実装機5に装着するように段取り目標を設定するのが望ましい。
【0039】
また、本実施形態では、部品実装を行う前に、標準基板データのみならず、特定実装機でトラブルが発生した場合に対応する代替基板データをも作成し、両基板データを記憶している。そして、通常動作時には上記したように標準基板データに基づいて部品実装を行う一方、特定実装機でトラブルが発生した場合には、標準基板データから代替基板データに切り替えられる。このため、単独実装部品の基板PBへの実装が長時間にわたって中止されて部品実装システム1全体のスループットが低下するのを効果的に防止することができる。
【0040】
また、上記実施形態では、各実装機A〜Cでの基板PB1枚の当りの想定停止時間を計算する(ステップS103)とともに、それらの基板PB1枚の当りの想定停止時間を含めた各実装機A〜Cのサイクルタイムを予測し、それらに基づいて代替基板データを作成しているので、部品の代替実装を的確に切り替えることができる。特に、対象実装機のサイクルタイムが最大である場合(ステップS107でYES)のみ部品の代替実装を行うことで、より効率的な部品の代替実装を行うことができる。また、本実施形態では、上記したように基板PB1枚の当りの想定停止時間を各実装機A〜Cに装備されるヘッドユニット560やフィーダー551の過去の故障率、つまり各実装機A〜Cの稼働履歴に基づいて予測し、それを含めて各実装機A〜Cのサイクルタイム(本発明の「予想作業時間」に相当)を求めているため、より効率的な部品の代替実装を的確に判断することができる。なお、各実装機A〜Cの稼働履歴としては、上記した故障率に限定されるものではなく、稼働時間や稼働率などの情報を用いてもよい。また、部品実装システム1の状態を管理する管理者やユーザーなどが制御装置9(あるいはプログラム作成装置12)に直接各実装機A〜Cの稼働履歴を入力するように構成してもよい。
【0041】
ところで、代替部品を収納・保持するフィーダーを特定実装機以外の実装機に配置することは次のような作用効果を奏する。以下、図8を参照しながら本発明の他の実施形態について説明する。
【0042】
図8は、本発明にかかる段取り方法の他の実施形態による作用効果を示す図であり、同図中の上段欄には従来技術にかかる部品実装システムの概略構成が示されるとともに、下段欄には本発明にかかる段取り方法の適用を受けた部品実装システムの概略構成を示す図である。これらの部品実装システム1では、2台の実装機A、Bが、同図に示すように、基板を搬送する搬送路2に沿って配置されており、実装機Aが基板搬送方向Xの上流側(同図の右手側)に配置される一方、実装機Bが下流側(同図の左手側)に配置されている。
【0043】
従来の段取り方法では、例えば特許文献2や特許文献3などに記載された演算手法等を用いて各実装作業をどの実装機5に割り当てるかを示す基板データを作成した後、当該基板データに基づいて段取り目標を作成して段取りを行うため、同図(a)に示すように単独実装部品を収納・保持するフィーダー551aのみならず、同単独実装部品に代替可能な部品を収納・保持するフィーダー551bについても単独実装部品の基板PBへの実装を行う特定実装機Bに予め装着しておくことが一般的に行われている。このように、従来装置では、フィーダー551bを予備的に特定実装機Bに配備しており、特定実装機Bではフィーダー551bの配置を考慮した上でヘッドユニット560を移動させる必要がある。例えば同図(a)に示すフィーダーレイアウトでは、フィーダー551bの配備によってフィーダー551eが基板PBから遠ざかる方向に配置され、フィーダー551eへのヘッドユニット560のアクセス時間が増大する等の問題が生じることがある。
【0044】
これに対し、本発明の段取り方法を採用した場合、段取り段階でフィーダー551bは同図(b)中の実線矢印で示すように特定実装機Bではなく実装機Aに装備される。つまりフィーダー551bの配設位置は実装機Bから実装機Aに移動させられ、従来装置においてフィーダー551bの配設位置はブランクとなり、同図(b)中の実線矢印で示すようにフィーダー551eおよび同フィーダー551eの反基板側(同図の右手側)に隣接するフィーダーを基板PB側に近接させることが可能となり、これらのフィーダー551e等へのヘッドユニット560のアクセス時間を従来装置よりも短縮することが可能となる。このように本発明にかかる段取り技術を採用することで、タクトタイムの短縮に有利となるフィーダーレイアウトを採用することが可能となる。
【0045】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、例えば図6〜図8に示すように、単独実装部品に代替可能な部品を収納・保持するフィーダー(代替部品供給手段)551b、551dを特定実装機から他の実装機に移動させているが、同フィーダー551b、551dをフィーダー保管場所10から取り出し、特定実装機以外の実装機の少なくとも1台に装着してもよい。
すなわち、新規作成あるいは更新された代替基板データに基づく段取り目標の更新(ステップS109)において、特定実装機に単独実装部品を収納・保持するフィーダー551aが必要数より多く装着あるいは割付されていれば、その余分のフィーダー551aを特定実装機以外の実装機の少なくとも1台に代替部品供給手段として振り分ける。また、特定実装機にフィーダー551a、単独実装部品に代替可能な部品を収納・保持するフィーダー551b、551dのいずれもが装着あるいは割付されていない場合にあっても、必要数のフィーダー551a、フィーダー551b、551d等を、特定実装機以外の実装機の少なくとも1台に割り当てるようにし、段取り目標に基づく段取りの実行(ステップS111)において、フィーダー保管場所10から取り出して、特定実装機以外の実装機の少なくとも1台に装着させるようにする。
【0046】
また、上記実施形態では、テープに部品を収納・保持する、いわゆるテープフィーダー551を本発明の「部品供給手段」としているが、部品供給手段の構成はこれに限定されるものではなく、部品実装時に使用される種々のタイプ、例えばトレイタイプの部品供給手段を用いる場合にも本発明を適用することができる。
【0047】
また、上記実施形態では、図5に示すように標準基板データ以外に、標準基板データと同一構成の代替基板データを本発明の「代替データ」として作成し、標準基板データから代替基板データに切り替えることで部品の代替実装を行っているが、特定実装機でトラブルが発生したときに標準基板データを変更する部分の変更データのみを本発明の「代替データ」として記憶しておき、トラブル発生時における単独実装部品の基板PBへの実装については変更データに基づいて行うように構成してもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、実装機5においてトラブルが発生したことをトリガー条件として単独実装部品の代替部品を特定実装機以外の実装機5で基板PBに代替実装しているが、その他のトリガー条件、例えばトラブルによる停止時間が一定のしきい値を超えることを条件として代替実装を行ってもよい。
【0049】
さらに、上記実施形態では、部品実装を独立して実行する実装機5を複数台設けた部品実装システム1に本発明を適用しているが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば特開2009−188052号公報に記載された部品実装装置では、基台上において搬送路に沿って複数の実装ユニットが配置されており、1台の装置であるものの、各実装ユニットが独立して基板に部品を実装し、実質的に本発明の「実装機」として機能する。したがって、この部品実装装置を上記3台の実装機5に代えて装備する部品実装システムに対しても本発明を適用することができる。また、このような部品実装装置および実装機5をともに装備する部品実装システムに対しても本発明を適用することは可能である。
【符号の説明】
【0050】
1…部品実装システム
2…搬送路、
5、A〜C…実装機、
9…制御装置(制御部)、
12…プログラム作成装置(制御部)、
551…テープフィーダー(部品供給手段)、
560…ヘッドユニット、
PB…基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収納する部品供給手段が装着されて前記部品供給手段から部品を取り出して基板に実装する実装機が複数台基板の搬送路に沿って並設されて基板データにしたがって各実装機で前記搬送路に沿って搬送される基板に部品を実装する部品実装システムに対し、各実装機に装着する部品供給手段を決定する段取り方法であって、
前記基板データにしたがって各実装機に装備させる部品供給手段を決定する第1工程と、
前記第1工程での決定にしたがって各実装機に部品供給手段を装着するとき、前記基板に実装される部品の中に一の実装機でのみ前記基板に実装される単独実装部品が存在するか否かを判断する第2工程と、
前記第2工程で前記単独実装部品が存在すると判断されるとき、前記一の実装機以外の実装機のうちの少なくとも1台に前記単独実装部品あるいは前記単独実装部品と代替可能な部品を収納する部品供給手段を装着するように決定する第3工程と
を備えることを特徴とする段取り方法。
【請求項2】
前記基板データにしたがって前記部品実装システムを稼働した際に予想される各実装機の作業時間を予測する第4工程を備え、
前記第3工程での決定は、前記第4工程で予想された前記一の実装機の予想作業時間が前記一の実装機以外の実装機の予想作業時間よりも長いときのみ行われる請求項1に記載の段取り方法。
【請求項3】
前記第4工程での作業時間の予測は、前記複数の実装機の稼働履歴に基づいて行われる請求項2に記載の段取り方法。
【請求項4】
前記実装機が3台以上並設される請求項2または3に記載の段取り方法であって、
前記予想作業時間が基板1枚当りのものであることを特徴とする段取り方法。
【請求項5】
前記実装機が3台以上並設される請求項2ないし4のいずれか一項に記載の段取り方法であって、
前記第3工程では、前記一の実装機以外の実装機のうち2台以上に前記単独実装部品あるいは前記単独実装部品と代替可能な部品を収納する部品供給手段を装着するように決定する段取り方法。
【請求項6】
前記実装機が3台以上並設される請求項1ないし5のいずれか一項に記載の段取り方法であって、
基台上に前記実装機を1ないし複数搭載する部品実装装置を、1台以上基板の搬送路に沿って並設された部品実装システムに対するものであることを特徴とする段取り方法。
【請求項7】
部品を収納する部品供給手段が装着されて前記部品供給手段から部品を取り出して基板に実装する実装機が複数台基板の搬送路に沿って並設されて基板データにしたがって各実装機で前記搬送路に沿って搬送される基板に部品を実装する部品実装方法であって、
前記基板データにしたがって各実装機により部品を基板に実装する前に、前記基板データにしたがって各実装機に装備させる部品供給手段を決定する第1工程と、前記第1工程での決定にしたがって各実装機に部品供給手段を装着するとき、前記基板に実装される部品の中に一の実装機でのみ前記基板に実装される単独実装部品が存在するか否かを判断する第2工程と、前記第2工程で前記単独実装部品が存在すると判断されるとき、前記一の実装機以外の実装機のうちの少なくとも1台に前記単独実装部品あるいは前記単独実装部品と代替可能な部品を収納する部品供給手段を装着するように決定する第3工程と、前記第1工程および前記第3工程での決定にしたがって各実装機に部品供給手段を装着する第4工程とを実行し、
前記基板データにしたがって各実装機により部品を前記基板に実装している間に、前記一の実装機の基板1枚当りの作業時間が前記一の実装機以外の実装機の基板1枚当りの作業時間よりも長くなると、前記基板に実装する部品のうち前記単独実装部品の前記基板への実装を、前記一の実装機に代えて前記単独実装部品あるいは前記単独実装部品と代替可能な部品を収納する部品供給手段が装着された他の実装機で行う
ことを特徴とする部品実装方法。
【請求項8】
前記基板に実装する部品のうち前記単独実装部品の前記基板への実装を、前記一の実装機に代えて前記単独実装部品あるいは前記単独実装部品と代替可能な部品を収納する部品供給手段が装着された他の実装機で行うための代替データを作成して記憶し、
前記一の実装機の基板1枚当りの作業時間が前記一の実装機以外の実装機の基板1枚当りの作業時間よりも長くなると、前記基板データの代わりに前記代替データにしたがって部品の実装を行う
請求項7に記載の部品実装方法。
【請求項9】
部品を収納する部品供給手段が装着されて前記部品供給手段から部品を取り出して基板に実装する実装機が基台上に1ないし複数搭載された部品実装装置を、1台以上基板の搬送路に沿って並設されることで、複数台の前記実装機が基板の搬送路に沿って並設されて基板データにしたがって各実装機で前記搬送路に沿って搬送される基板に部品を実装する部品実装システムであって、
前記複数の実装機はそれぞれ前記基板データに応じた部品を収納する標準部品供給手段を有し、
前記複数の実装機のうち一の実装機に装着される標準部品供給手段の1つは、前記基板に実装される部品の中に前記一の実装機でのみ前記基板に実装される単独実装部品を収納し、
前記一の実装機以外の実装機の少なくとも1つは前記単独実装部品あるいは前記単独実装部品と代替可能な部品を収納する代替部品供給手段を有する
ことを特徴とする部品実装システム。
【請求項10】
前記複数の実装機を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記基板データにしたがって前記標準部品供給手段から部品を取り出して前記基板に実装させている間に、前記一の実装機の基板1枚当りの作業時間が前記一の実装機以外の実装機の基板1枚当りの作業時間よりも長くなると、前記基板に実装する部品のうち前記単独実装部品の前記基板への実装を、前記一の実装機に代えて前記代替部品供給手段が装着された実装機で行う請求項9に記載の部品実装システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−4596(P2013−4596A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131841(P2011−131841)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】