説明

段差乗越車輪及び車輪型ロボット

【課題】車輪全体を小型化することができ、段差の高さに応じた調整ができるようにする。
【解決手段】周方向所定間隔で備えられ径方向へ突出した複数の爪支持部17,19,21,23を有した回転支持体7と、各爪支持部17,19,21,23の先端部にそれぞれ回転可能に支持され径方向への閉じ回転位置でそれぞれが周方向に連携して転動周面Pを形成し前記爪支持部17,19,21,23に対する径方向への展開回転位置で端部が転動周面P外へ突出する転動爪体9と、各転動爪体9の展開回転位置を調整駆動する展開駆動部11とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凸状段差を乗り越え可能な段差乗越車輪及び車輪型ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の段差乗越車輪としては、例えば非特許文献1,2に記載された図10、図11に示すようなものがある。
【0003】
図10に示す段差乗越車輪301は、車輪支持体303に、4個の小さな小車輪305を支持させたものである。この段差乗越車輪301では、小車輪305の回転及び車輪支持体303の回転により階段Sを昇ることができる。
【0004】
しかし、小さな段差があると小車輪305の径が小さいことから抵抗が大きくなり、走行が困難になる恐れがある。また、車輪支持体303の回転半径方向において小車輪305間の距離は、階段Sを円滑に昇ることができるように少なくとも段差の倍程度は必要となる。このため、全体的に大型化するという問題があった。
【0005】
図11に示す段差乗越車輪401は、走行輪403に伸縮可能な突起405を設けたものである。この段差乗越車輪401は、階段Sの段差部分で突起405を伸ばし、段差を乗り越える。
【0006】
しかし、段差を円滑に乗り越えるために、走行輪403の大きさは、段差の倍程度必要となる。
【0007】
しかも、車輪支持体303、走行輪403の大きさは何れも固定であり、段差の高さ幅に応じて調整することが困難である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】http://www.webshiro.com/syouhinsetumei/m207dka.htm
【非特許文献2】http://www.crc.uec.ac.jp/japanese/taguchiHP/hoshi-sotsu.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、車輪全体が大きくなり、且つ段差の高さに応じた調整が困難であった点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、車輪全体を小型化することができ、段差の高さに応じた調整ができるようにするため、周方向所定間隔で備えられ回転中心部側から径方向へ突出した複数の爪支持部を有した回転支持体と、前記爪支持部の先端部にそれぞれ回転可能に支持され周方向への閉回転位置でそれぞれが周方向に連携して転動周面を形成し前記爪支持部に対する径方向への展開回転位置で端部が転動周面外へ突出する転動爪体と、前記各転動爪体の展開回転位置を調整駆動する展開駆動部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の段差乗越車輪は、周方向所定間隔で備えられ回転中心部側から径方向へ突出した複数の爪支持部を有した回転支持体と、前記爪支持部の先端部にそれぞれ回転可能に支持され周方向への閉回転位置でそれぞれが周方向に連携して転動周面を形成し前記爪支持部に対する径方向への展開回転位置で端部が転動周面外へ突出する転動爪体と、前記各転動爪体の展開回転位置を調整駆動する展開駆動部とを備えた。
【0012】
このため、転動爪体を閉回転位置として転動周面を形成するから、転動半径を小型化することができる。
【0013】
各転動爪体の展開回転位置を展開駆動部により調整駆動するから、段差の高さに応じた調整ができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】段差乗越車輪を備えた車輪型ロボットの要部平断面図である。(実施例1)
【図2】段差乗越車輪の閉状態の側面図である。(実施例1)
【図3】段差乗越車輪の全展開状態の側面図である。(実施例1)
【図4】段差乗越車輪の半展開状態の側面図であるである。(実施例1)
【図5】車輪型ロボットの車軸との関係を示す断面図である。(実施例1)
【図6】車輪型ロボットの全体側面図である。(実施例1)
【図7】車輪型ロボットの全体側面図である。(実施例1)
【図8】段差乗越車輪の側面図である。(実施例2)
【図9】段差乗越車輪を備えた車輪型ロボットの要部平断面図である。(実施例3)
【図10】段差乗越車輪の段差乗り越え状態を示す側面図である。(従来例)
【図11】段差乗越車輪の段差乗り越え状態を示す側面図である。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0015】
車輪全体を小型化することができ、段差の高さに応じた調整ができるようにするという目的を、転動爪体と展開駆動部とにより実現した。
【実施例1】
【0016】
[車輪型ロボットの要部及び段差乗越車輪]
図1は、本発明の実施例1に係る段差乗越車輪を備えた車輪型ロボットの要部平断面図、図2は、段差乗越車輪の閉状態の側面図、図3は、段差乗越車輪の全展開状態の側面図、図4は、段差乗越車輪の半展開状態の側面図である。
【0017】
図1は、車輪型ロボットの例えば前輪側を示すが、後輪側も同一構成とすることができる。但し、走行アクチュエータは、前後輪何れか一方にのみ設ける構成にすることができる。
【0018】
図1のように、車輪型ロボット1は、段差乗越車輪3,5を備えている。なお、段差乗越車輪3,5は、車輪型ロボット1の他に、例えば、台車、車椅子等の走行機械器具の車輪として広く用いることができる。
【0019】
前記段差乗越車輪3,5は、図1、図2のように、回転支持体7と転動爪体9と展開駆動部11とを備えている。
【0020】
前記回転支持体7は、回転軸方向一対の十字板部13で形成されている。十字板部13は、回転中心部側の各環状部15から径方向へ突出した複数、例えば各4本の爪支持部17,19,21,23が回転軸方向に対向して備えられている。この爪支持部17,19,21,23は、周方向所定間隔、例えば90°間隔で配置されている。
【0021】
前記各転動爪体9は、例えばスポンジ状のゴム等で成形され、断面コ状に形成されている。これらの転動爪体9は、転動周面Pの一部を構成する第1円弧壁部33及び該第1円弧壁部33と対称な第2円弧縁部35を有して対称形状に形成されている。
【0022】
この転動爪体9は、その中央が前記各爪支持部17,19,21,23の先端部にそれぞれピン25,27,29,31により回転可能に支持されている。各転動爪体9は、図2の周方向への閉回転位置でそれぞれが周方向に連携して転動周面Pを形成し前記爪支持部17,19,21,23に対する図3,図4の径方向への展開回転位置で端部が転動周面P外へ突出する。
【0023】
前記展開駆動部11は、各転動爪体9の展開回転位置を調整駆動するものであり、展開アクチュエータである展開電動モータ37により回転駆動される展開駆動軸39,41と、この展開駆動軸39,41及び前記各転動爪体9とを回転連動させる歯車機構43,45とを備えている。
【0024】
前記展開電動モータ37は、例えば図示しないコントローラにより制御されるものであり、車台フレーム47の枠組みされた中央フレーム部49に取り付けられている。中央フレーム部49の両側に車幅方向に延設された前後2部材からなるサイド・フレーム部51,53が取り付けられ、サイド・フレーム部51,53の中間に軸受部55,57が取り付けられている。サイド・フレーム部51,53の外端部には、サイド・ブラケット59,61が取り付けられている。
【0025】
展開電動モータ37のモータ出力軸63は、中央フレーム部49にボール・ベアリングを介して回転自在に支持され、ウォーム65を備えている。
【0026】
このモータ出力軸63に対して展開中間軸67が直交配置され、中央フレーム部49にボール・ベアリングを介して回転自在に支持されている。この展開中間軸67には、前記ウォーム65に噛み合うウォーム・ホイール69が備えられ、ウォーム65及びウォーム・ホイール69によりウォーム・ギヤ機構71を構成している。展開中間軸67の両端には、差動機構73,75の入力ギヤである入力ベベル・ギヤ77,79が設けられている。
【0027】
したがって、前記展開アクチュエータである展開電動モータ37及び前記差動機構73,75の入力ギヤである入力ベベル・ギヤ77,79間に、ウォーム・ギヤ機構71を介設した構成となっている。
【0028】
前記展開駆動軸39,41は、車軸軸心部に配置され、軸方向外端が回転支持体7の環状部15中心部にボール・ベアリングを介して結合され、軸方向内端に差動機構73,75の出力ギヤである出力ベベル・ギヤ81,83が設けられている。
【0029】
したがって、展開アクチュエータである展開電動モータ37及び展開駆動軸39,41間に差動機構73,75を介設してそれぞれを差動機構73,75の入出力ギヤである入出力ベベル・ギヤ77,81、79,83に結合した構成となっている。
【0030】
入出力ベベル・ギヤ77,79,81,83は、遊星ベベル・ギヤ85,87に噛み合い、遊星ベベル・ギヤ85,87は、ピニオン・シャフト89により回転自在に支持されている。ピニオン・シャフト89は、キャリヤ91,93に支持され、キャリヤ91,93は、展開駆動軸39,41の内端側にボール・ベアリングを介して相対回転可能に支持され、平歯車95,97に一体的に結合されている。
【0031】
平歯車95,97は、車軸である中空車軸99,101の内端部に相対回転可能に嵌合している。中空車軸99,101は、ボール・ベアリングを介して軸受部55,57及びサイド・ブラケット59,61に回転自在に支持されている。
【0032】
平歯車95,97には、歯数が1/2の平歯車103,105が噛み合い、平歯車103,105は、軸107,109の一端に取り付けられている。この軸107,109は、ボール・ベアリングを介して軸受部55,57に回転自在に支持されている。
【0033】
軸107,109の他端には、平歯車111,113が取り付けられ、この平歯車111,113に同歯数の平歯車115,117が噛み合っている。平歯車115,117は、中空車軸99,101に固定され、回転入力を受けるようになっている。
【0034】
したがって、平歯車115,111,軸107、平歯車103,平歯車95を介して遊星ベベル・ギヤ85を支持するキャリヤ91に、中空車軸99の回転数を1/2にして伝達することができる。平歯車117,113,軸109、平歯車105,平歯車97を介して遊星ベベル・ギヤ87を支持するキャリヤ91に、中空車軸101の回転数を1/2にして伝達することができる。
【0035】
すなわち、前記中空車軸99,101及び前記差動機構73,75の遊星ベベル・ギヤ85,87を支持するキャリヤ91間に、回転数を1/2にして伝達する歯車機構を介設した構成となっている。
【0036】
前記中空車軸99、101の軸方向外端は、ハブ119,121を介して回転支持体7の環状部15に結合されている。
【0037】
前記展開駆動軸39,41には、十字板部13間において平歯車123が固定され、外周側の4個の平歯車125に噛み合っている。平歯車125は、環状部15にボール・ベアリングを介して支持されたピン127に取り付けられている。
【0038】
各平歯車125は、ピン25,27,29,31にそれぞれ固定された4個の平歯車129に噛み合っている。
【0039】
したがって、展開駆動軸39,41の回転は、平歯車123,125,129を介して各転動爪体9に伝達することができ、展開駆動軸39,41及び前記各転動爪体9とを回転連動させる前記歯車機構43,45とを備えた構成となっている。
【0040】
前記サイド・ブラケット59,61には、走行アクチュエータである走行電動モータ1131,133が取り付けられている。走行電動モータ131,133の出力軸と前記中空車軸99,101とには、タイミング・プーリ135,137が取り付けられ、タイミング・プーリ135,137間にタイミング・ベルト139が掛け回されている。
【0041】
したがって、走行電動モータ131,133の駆動によりタイミング・プーリ135、タイミング・ベルト139、タイミング・プーリ137、中空車軸99,101、ハブ119,121を介して回転支持体7が回転駆動され、段差乗越車輪3,5を走行駆動することができる。
【0042】
すなわち、前記回転支持体7は、前記展開駆動軸39,41に外装されて車台フレーム47に回転自在に支持され走行アクチュエータである走行電動モータ131,133により回転駆動される中空車軸99,101に結合された構成となっている。また、車軸である中空車軸99,101を回転駆動する走行駆動部を設けた構成となっている。
[段差乗越車輪の展開動作]
展開電動モータ37を駆動させると、ウォーム・ギヤ65,ウォーム・ホイール69を介して展開中間軸67が回転し、差動機構73,75の入力ベベル・ギヤ77,79が回転する。この入力ベベル・ギヤ77,79の回転は、遊星ベベル・ギヤ85,87の自転を介して出力ベベル・ギヤ81,83に伝達され、展開駆動軸39,41が回転する。
【0043】
展開駆動軸39,41の回転により平歯車123,125,129、ピン25,27,29,31を介して転動爪体9が回転し、転動爪体9が径方向に沿った全展開(図3)、転動爪体9が径方向に対し傾斜した半展開(図4)等の展開回転位置を調整駆動することができる。
【0044】
転動爪体9の展開状態での閉じ方向の力は、ピン25,27,29,31、平歯車129,125,123、展開駆動軸39,41、出力ベベル・ギヤ81,83、遊星ベベル・ギヤ85,87、入力ベベル・ギヤ77,79を介し展開中間軸67へと伝達される。
【0045】
展開中間軸67へのこの逆転力は、ウォーム・ギヤ機構71の逆方向への伝達効率の低さによりモータ出力軸63へ伝達されず、段差乗り越え時等に転動爪体9に閉じ力が働いてもその展開状態を維持させることができる。
【0046】
転動爪体9の閉回転位置では、隣接する転動爪体9の先端部間が当接し、転動周面Pを確実に形成することができる。
[段差乗越車輪の展開動作と走行動作との関係]
走行電動モータ131,133を回転駆動すると、前記のように段差乗越車輪3,5が走行駆動される。
【0047】
同時に中空車軸99,101を介して平歯車115,117が回転する。
【0048】
平歯車115,117の回転は、平歯車111,103と平歯車113,105とを介し平歯車95,97へ回転数1/2で同方向への回転として伝達される。
【0049】
平歯車95,97の回転は、差動機構73,75のキャリヤ91を一体に回転させる。
【0050】
キャリヤ91の回転は、ピニオン・シャフト89を介して遊星べベル・ギヤ85,87を公転させる。
【0051】
このとき、既に転動爪体9の展開動作が完了し展開電動モータ37が停止していると、入力べベル・ギヤ77,79は静止しているため出力べベル・ギヤ81,83は、キャリヤ91の2倍の回転数でキャリヤ91と同方向へ回転する。
【0052】
各キャリヤ91の回転は、前記平歯車95,97と一体に中空車軸99,101の1/2の回転数で中空車軸99,101と同方向へ回転しているので、出力べベル・ギヤ81,83は、中空車軸99,101と同方向へ同回転数で回転する。
【0053】
このため、展開駆動軸39,41は、中空車軸99,101と同方向へ一体に回転し、転動爪体9の展開回転位置はそのまま維持される。
[車輪型ロボット]
図5は、車輪型ロボットの車軸との関係を示す断面図、図6,図7は、車輪型ロボットの全体側面図を示し、図6は、大きな段差を上る状態を示し、図7は、小さな段差を上る状態を示す。
【0054】
図5〜図7の車輪型ロボット1は、車台フレーム47に対し、連動ベベル・ギヤ203,205を備えた操向連動軸207と操向ベベル・ギヤ209,211を備えた前後輪操向軸213,215と上記段差乗越車輪3,5である前後輪217,219,221,223とを有している。したがって、前後輪217,219,221,223の展開構造、駆動構造は、図1の構造である。
【0055】
本実施例では、走行駆動部を構成する走行電動モータ131,133は、前輪217,219側にのみ設けている。走行電動モータ131,133を、後輪221,223側にのみ、或いは前後輪217,219,221,223双方に設けることもできる。前後輪217,219,221,223は、少なくとも駆動輪のみを段差乗越車輪3,5の構造としても良い。
【0056】
そして、前輪217,219側において、前記中央フレーム部49及びサイド・フレーム部51,53は、前横フレームを構成し、後輪221,223側において、前記中央フレーム部49及びサイド・フレーム部51,53は、後横フレームを構成する。
【0057】
前記車台フレーム47は、走行前後方向に延設され走行方向前後の前輪車台部229及び後輪車台部231を備えている。前輪車台部229及び後輪車台部231は、金属又は樹脂などの矩形板材により形成されている。
【0058】
前輪車台部229上には、回転軸心が走行前後方向の軸受部としてベアリングを内蔵したベアリング・ケース233と軸受メタルなどで形成された軸支持金具235,237とが設けられている。前輪車台部229の前端下部には、回転軸心が上下方向の軸受部としてベアリングを内蔵したベアリング・ケース239が設けられている。
【0059】
後輪車台部231上には、回転軸心が走行前後方向の軸受部としてベアリングを内蔵したベアリング・ケース241,243が設けられている。後輪車台部231の後端下部には、回転軸心が上下方向の軸受部としてベアリングを内蔵したベアリング・ケース245が設けられている。
【0060】
前記操向連動軸207は、金属製などによる回転軸であり、前記ベアリング・ケース233、軸支持金具235,237により前輪車台部229上に回転自在に支持され、前記ベアリング・ケース241,243により後輪車台部231上に回転自在に支持されている。
【0061】
この操向連動軸207は、車台フレーム47に前後に渡って延設され前後部に前記連動ベベル・ギヤ203,205を備えている。
【0062】
前記前後輪操向軸213,215は、ベアリング・ケース239,245にそれぞれ回転自在に支持されている。この前後輪操向軸213,215の上端には、前記操向ベベル・ギヤ209,211が同心状に各別に固定支持されている。操向ベベル・ギヤ209,211は、前記連動ベベル・ギヤ203,205にそれぞれ噛み合っている。前後輪操向軸213,215の下端は、前記中央フレーム部49側の部材49aに一体的に取り付けられている。
[車輪型ロボットの動作]
本発明実施例の車輪型ロボット1の動作は、遠隔操作による展開電動モータ37、走行電動モータ131,133の制御、各種センサ及びコントローラを備えることによる展開電動モータ37、走行電動モータ131,133の制御の何れによるものでもよい。
【0063】
(段差乗り越え)
展開電動モータ37の駆動により前輪217,219側の転動爪体9を図3のように全展開すると、転動爪体9が径方向に沿って突出し、回転半径が大きくなる。このため、図6のように大きな段差の階段S1等を上るのに適する。
【0064】
展開電動モータ37の駆動により前輪217,219側の転動爪体9を図4のように半展開すると、転動爪体9が径方向に突出すると共に周方向へ傾斜する。このため、図7のように比較的小さな段差の階段S2等を上るのに適する。
【0065】
図6,図7では、後輪221,223側をも同様に展開状態にすることができ、後輪221,223側をも同様に展開状態にすると、車台フレーム47の前後傾斜を小さくすることができる。
【0066】
前後輪217,219,221,223を展開させるとき、展開度合いを変えることもできる。
【0067】
車輪型ロボット1が後進する場合には、後輪221,223側を同様に展開させて階段等を後進で昇らせることもできる。
【0068】
(直進走行)
平地走行において、走行電動モータ131,133の双方を同回転速度で駆動すると、タイミング・プーリ135、タイミング・ベルト139、タイミング・プーリ137、中空車軸99,101、ハブ119,121を介して回転支持体7が回転駆動され、段差乗越車輪3,5を同速度で走行駆動することができる。
【0069】
したがって、車輪型ロボット1を、直進走行させることができる。
【0070】
(旋回走行)
走行電動モータ131,133の一方、例えば右の走行電動モータ133を左の走行電動モータ131よりも早く回転駆動し、或いは右の走行電動モータ133のみを回転駆動すると、右の前輪219が左の前輪217に対して先行回転する。
【0071】
この右の前輪219の先行回転により、中央フレーム部49及びサイド・フレーム部51,53を含めた前横フレームが前輪操向軸213を介し前輪車台部229側のベアリング・ケース239に対して操向回転する。
【0072】
この前輪操向軸213の回転により操向ベベル・ギヤ209が軸心回りに回転し、この回転が連動ベベル・ギヤ203、操向連動軸207、連動ベベル・ギヤ205、操向ベベル・ギヤ211を介して後輪操向軸215に伝達される。
【0073】
この回転伝達により後輪操向軸215がベアリング・ケース245に対して操向回転し、後輪側の中央フレーム部49及びサイド・フレーム部51,53を含めた後横フレームが前横フレームに対し逆方向へ旋回する。
【0074】
これら前後横フレームの操向回転により車輪型ロボット1の旋回中心を前後車軸間中央を横切る直線上に採ることができ、内輪差を無くして前後輪217,219,221,223を同一軌道上で旋回走行させることができて無駄のない動きを行わせることができる。
[実施例1の効果]
本発明実施例1では、周方向所定間隔で備えられ径方向へ突出した複数の爪支持部17,19,21,23を有した回転支持体7と、前記各爪支持部17,19,21,23の先端部にそれぞれ回転可能に支持され径方向への閉じ回転位置でそれぞれが周方向に連携して転動周面Pを形成し前記爪支持部17,19,21,23に対する径方向への展開回転位置で端部が転動周面P外へ突出する転動爪体9と、前記各転動爪体9の展開回転位置を調整駆動する展開駆動部11とを備えた。
【0075】
このため、転動爪体9を閉回転位置として転動周面Pを形成するから、転動半径を小型化することができる。また、小さな段差は、転動周面Pにより容易に乗り越えることができる。
【0076】
各転動爪体9の展開回転位置を展開駆動部11により調整駆動するから、階段S1,S2の段差の高さに応じた調整ができる。
【0077】
前記転動爪体9は、前記転動周面Pの一部を構成する第1円弧部33及び該第1円弧部33と対称の第2円弧部35を有する対称形状に形成され、前記転動爪体Pの中央が前記爪支持部17,19,21,23の先端部に支持された。
【0078】
このため、段差乗越車輪3,5の前進、後進の何れの場合でも各転動爪体9を適した方向へ転回調整し、段差を昇らせることができる。
【0079】
前記展開駆動部11は、前記回転支持体7の回転中心部に相対回転自在に結合され展開電動モータ37により回転駆動される展開駆動軸39,41と、この展開駆動軸39,41及び前記各転動爪体9とを回転連動させる歯車機構としての平歯車123,125,129とを備えた。
【0080】
このため、展開電動モータ37の駆動により展開駆動軸39,41及び平歯車123,125,129を介して転動爪体9を確実に展開調整することができる。
【0081】
前記回転支持体7を、車軸である中空車軸99,101に結合し、前記中空車軸99,101を回転駆動する走行駆動部として走行電動モータ131,133を設けた。
【0082】
このため、走行電動モータ131,133の駆動により中空車軸99,101を介し、回転支持体7を回転させ、段差乗越車輪3,5を走行駆動させることができる。
【0083】
前記回転支持体7は、前記展開駆動軸39,41に外装されて車台フレーム47に回転自在に支持され走行電動モータ131、133により回転駆動される中空車軸99,101に結合され、前記展開電動モータ37及び展開駆動軸39,41間に差動機構73,75を介設してそれぞれを差動機構73,75の入出力ベベル・ギヤ77,79、81,83に連動結合し、前記中空車軸99,101と前記差動機構73,75の遊星ベベル・ギヤ85,87を支持するキャリヤ91との間に、回転数を1/2にして伝達する歯車機構として平歯車115,117、111,113、103,105、95,97を介設した。
【0084】
このため、展開駆動軸39,41は、中空車軸99,101と同方向へ一体に回転し、転動爪体9の展開回転位置はそのまま維持され、単一の展開電動モータ37により左右の段差乗越車輪3,5の展開駆動を行わせることができる。
【0085】
前記展開電動モータ37と前記差動機構73,75の入力ベベル・ギヤ77,79との間に、ウォーム・ギヤ機構71を介設した。
【0086】
このため、転動爪体9が閉回転位置へ閉じようとするとき、展開駆動軸39,41等を介した展開中間軸67への逆転力は、ウォーム・ギヤ機構71の逆方向への伝達効率の低さによりモータ出力軸63へ伝達されず、段差乗り越え時等に転動爪体9に閉じ力が働いてもその展開状態は維持される。
【0087】
走行前後方向に延設され走行方向前後の前輪車台部229及び後輪車台部231からなる車台フレーム47と、前記前後輪車台部229,231のそれぞれに設けられ回転軸心が走行前後方向のベアリング・ケース233,241,243、軸支持金具235,237に回転自在に支持され前記車台フレーム47に前後に渡って延設され前後部に連動ベベル・ギヤ203,205を備えた操向連動軸207と、前記前後輪車台部229,231に各別に設けられ回転軸心が上下方向のベアリング・ケース239,245に回転自在に支持され下部に前後横フレームである各中央フレーム部49及びサイド・フレーム部51,53を各別に固定支持し前記前後部の連動ベベル・ギヤ203,205に各別に噛み合う操向ベベル・ギヤ209,211を各別に固定した前後輪操向軸213,215と、前記前後の各中央フレーム部49及びサイド・フレーム部51,53の左右側にそれぞれ回転自在に支持された左右の前後輪217,219,221,223と、前記前輪217,219を回転駆動する走行電動モータ131,133とを備え前記前後輪217,219,221,223が前記段差乗越車輪3,5である。
【0088】
このため、左右前後輪217,219,221,223の何れか、例えば前輪217が障害物を乗り越えるとき、乗り上げ車輪217側の前横フレーム(中央フレーム部49及びサイド・フレーム部51,53)が右下降傾斜し、この傾斜は前後輪車台部229,231が操向連動軸207を中心に相対回転することで許容される。
【0089】
この前横フレーム(中央フレーム部49及びサイド・フレーム部51,53)の傾斜が許容されることで障害物乗り越え時に4輪217,219,221,223を接地させ、安定した走行を行わせることができる。
【0090】
同時に、操向ベベル・ギヤ209及び連動ベベル・ギヤ203を介して後横フレーム(中央フレーム部49及びサイド・フレーム部51,53)が直進性を修正維持する方向へ連動して姿勢修正され、車輪型ロボット1の直進性を向上させることができる。
【0091】
平地操向での前横フレームの操向により操向ベベル・ギヤ209,211及び連動ベベル・ギヤ203,205を介して後横フレームが逆方向へ連動して操向されるから、旋回中心を、前後車軸間中央を横切る直線上に採ることができ、内輪差を無くして前後輪217,219,221,223を同一軌道上で旋回走行させることができ、無駄のない動きを行わせることができる。
【0092】
しかも、前輪217,219の一方が障害物を乗り越えるとき、前横フレームの傾斜により車台フレーム47が平面から見て直進方向に対し傾斜することになるが、操向ベベル・ギヤ209,211及び連動ベベル・ギヤ203,205を介して後横フレームが直進性を修正する方向へ連動して姿勢修正されるから後横フレームの直進方向に対する姿勢を概ね維持させ、車輪型ロボット1の直進性を向上させることができる。
【実施例2】
【0093】
図8は、本発明の実施例2に係り、段差乗越車輪の側面図である。
【0094】
なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一又は対応する構成部分には同符号又は同符号にAを添えて付し、重複した説明は省略する。
【0095】
本実施例の段差乗越車輪3A,5Aでは、転動爪体9Aの形状を変更した。
【0096】
前記転動爪体9Aは、前記転動周面Pの一部を構成する第1円弧部253及び該第1円弧部253と同方向へ湾曲した第2円弧部255を有して基端円形部257から先端部259へ漸次細くなる形状に形成されている。
【0097】
この転動爪体9Aは、その基端円形部257の中心部が前記図2で示す爪支持部17,19,21,23の先端部に支持されたものである。
【0098】
したがって、転動爪体9Aは、実線図示の閉じ回転位置と二点鎖線図示の展開回転位置との間で任意に展開回転位置を調整駆動することができる。
[実施例2の効果]
前記転動爪体9Aは、前記転動周面Pの一部を構成する第1円弧部253及び該第1円弧部253と同方向へ湾曲した第2円弧部255を有して基端円形部257から先端部259へ漸次細くなる形状に形成され、前記転動爪体9Aの基端円形部257が前記爪支持部17,19,21,23の先端部に支持された。
【0099】
このため、爪支持部17,19,21,23先端から転動爪体9Aをより大きく突出させることができ、より大きい段差にも対応することができる。また、段差乗越車輪3A,5Aの転動周面Pを小さくしながら、段差に対応することができる。
【0100】
転動爪体9Aの閉回転位置では、転動爪体9Aの先端部が隣接する転動爪体9Aの基端円形部257に当接し、転動周面Pを確実に形成することができる。
【実施例3】
【0101】
図9は、本発明の実施例3に係る段差乗越車輪を備えた車輪型ロボットの要部平断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一又は対応する構成部分には同符号又は同符号にBを添えて付し、重複した説明は省略する。
【0102】
本実施例の段差乗越車輪3,5(3A,5A)を備えた車輪型ロボット1Bでは、実施例1の差動機構73,75等を省き、左右の段差乗越車輪3,5(3A,5A)毎に展開電動モータ37Ba,37Bbを設けた。
【0103】
展開電動モータ37Ba,37Bbは、サイド・フレーム部51,53に沿って左右両側に配置され、サイド・フレーム部51,53に設けられた支持ブラケット261,263に取り付けられている。
【0104】
車軸である中空車軸99B,101Bは、サイド・ブラケット59,61及びこのサイド・ブラケット59,61に併設された軸受けブラケット265,267にボール・ベアリングを介して回転自在に支持されている。
【0105】
中空車軸99B,101Bを貫通する展開駆動軸39B,41Bは、軸受けブラケット265,267及び支持ブラケット261,263間でカップリング269,271によりモータ出力軸63Ba,63Bbに着脱自在に連動結合されている。
【0106】
展開電動モータ37Ba,37Bbを駆動させると展開駆動軸39B,41Bが回転する。
【0107】
展開駆動軸39B,41Bの回転により、実施例1同様に、平歯車123,125,129、ピン25,27,29,31を介して転動爪体9が回転し、転動爪体9が径方向に沿った全展開(図3)、転動爪体9が径方向に対し傾斜した半展開(図4)等の展開回転位置を調整駆動することができる。
【0108】
転動爪体9の展開状態での閉じ方向の力は、ピン25,27,29,31、平歯車129,125,123、展開駆動軸39B,41Bへと伝達される。
【0109】
展開駆動軸39B,41Bへのこの逆転力は、展開電動モータ37Ba,37Bbの駆動制御により受けさせ、展開状態を維持させることができる。
【0110】
展開駆動軸39B,41Bへの逆転力を適宜のブレーキ装置を設けるなどして支持ブラケット261,263等へ受けさせ、展開状態を維持させることもできる。
【0111】
逆転力を受けるための展開電動モータ37Ba,37Bbの駆動制御、或いはブレーキ装置の動作のON,0FFは、例えば展開駆動軸39B,41Bへの逆転力をセンサにより検出し、この検出に基づき行わせることができる。
【0112】
段差乗越車輪3,5(3A,5A)の展開動作は、展開電動モータ37Ba,37Bbのそれぞれの制御により展開状態を個別に設定することができ、接地環境に応じて左右展開状態を異ならせることができる。
【0113】
図9の構造は、本発明実施例の車輪型ロボット1として前後輪に適用することができ、4輪の展開状態を同時に又は各別に制御することができる。
[その他]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。従って、本発明は、実施例に対して構成の要素の付随した各種の変更が可能である。
【0114】
例えば、展開アクチュエータは、電動モータに限らず、回転支持体と転動爪体との間に結合する油圧又は空気圧シリンダ等で構成することも可能である。
【0115】
また、アクチュエータを省略して転動爪体を手動により展開させても良い。この場合は、転動爪体の展開状態を維持可能な係止手段を設けるのが好ましい。
【0116】
転動爪体を展開させる場合は、各転動爪体をリンクで結合し、全てを一括で展開させ、閉じるようにし、閉じ方向、或いは展開方向へ付勢するスプリング等の付勢部材を設けても良い。
【0117】
閉じ方向へ付勢する場合は、ハンドル操作などによりこの付勢力に抗し転動爪体をリンク結合により全てを一括で展開させ、展開状態でストッパなどにより展開状態を維持させる。ストッパを外すと付勢力により転動爪体が一括で閉じ状態となる。転動爪体を半展開状態とするには、例えばハンドルを半操作位置で係止させる。
【0118】
展開方向へ付勢する場合は、ハンドル操作などによりこの付勢力に抗し転動爪体をリンク結合により全てを一括で閉じ状態とし、この閉じ状態をストッパなどにより維持させる。ストッパを外すと付勢力により転動爪体が一括で展開状態となる。転動爪体を半展開状態とするには、例えばハンドルを半操作位置で係止させる。
【0119】
上記実施例では駆動源を有する走行機械器具に適用したが、例えば、人力によって走行する走行機械器具に適用することも可能である。
【0120】
走行駆動部は、ギヤ伝動などにより構成することもできる。
【0121】
上記実施例では、段差乗り越えようの車輪として説明したが、段差のみならず、スリップし易い泥地等において車輪を展開させ走行するようにしてスリップを防止することも可能である。
【符号の説明】
【0122】
1 車輪型ロボット
3,3A,5,5A 段差乗越車輪
7 回転支持体
9,9A 転動爪体
11 展開駆動部
17,19,21,23 爪支持部
37,37Ba,37Bb 展開電動モータ
39,39B,41,41B 展開駆動軸
43,45 歯車機構
47 車台フレーム
49,49B 中央フレーム部(前後横フレーム)
51,53 サイド・フレーム部(前後横フレーム)
71 ウォーム・ギヤ機構
73,75 差動機構
77,79 入力ベベル・ギヤ(入力ギヤ)
81,83 出力ベベル・ギヤ(出力ギヤ)
95,97,103,105,111,113,115,117 平歯車(歯車機構)
99,99b,101,101B 中空車軸(車軸)
131,133 走行電動モータ(走行アクチュエータ)
203,205 連動ベベル・ギヤ
207 操向連動軸
217,219 前輪(段差乗越車輪)
221,223 後輪(段差乗越車輪)
229 前輪車台部
231 後輪車台部
233,239,241,243,245 ベアリング・ケース(軸受部)
235,237 軸支持金具
241,243 ベアリング・ケース(軸受部)
P 転動周面
S1,S2 階段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向所定間隔で備えられ径方向へ突出した複数の爪支持部を有した回転支持体と、
前記各爪支持部の先端部にそれぞれ回転可能に支持され周方向への閉じ回転位置でそれぞれが周方向に連携して転動周面を形成し前記爪支持部に対する径方向への展開回転位置で端部が転動周面外へ突出する転動爪体と、
前記各転動爪体の展開回転位置を調整駆動する展開駆動部と、
を備えたことを特徴とする段差乗越車輪。
【請求項2】
請求項1記載の段差乗越車輪であって、
前記転動爪体は、前記転動周面の一部を構成する第1円弧部及び該第1円弧部と対称の第2円弧部を有する対称形状に形成され、
前記転動爪体の中央が前記爪支持部の先端部に支持された、
ことを特徴とする段差乗越車輪。
【請求項3】
請求項1記載の段差乗越車輪であって、
前記転動爪体は、前記転動周面の一部を構成する第1円弧部及び該第1円弧部と同方向へ湾曲した第2円弧部を有して基端円形部から先端部へ漸次細くなる形状に形成され、
前記転動爪体の基端円形部が前記爪支持部の先端部に支持された、
ことを特徴とする段差乗越車輪。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の段差乗越車輪であって、
前記展開駆動部は、前記回転支持体の回転中心部に相対回転自在に結合され展開アクチュエータにより回転駆動される展開駆動軸と、この展開駆動軸及び前記各転動爪体とを回転連動させる歯車機構とを備えた、
ことを特徴とする段差乗越車輪。
【請求項5】
請求項1〜3の何れかに記載の段差乗越車輪であって、
前記回転支持体を、車軸に結合し、
前記車軸を回転駆動する走行駆動部を設けた、
ことを特徴とする車輪型ロボット。
【請求項6】
請求項4記載の段差乗越車輪であって、
前記回転支持体は、前記展開駆動軸に外装されて車台フレームに回転自在に支持され走行アクチュエータにより回転駆動される中空車軸に結合され、
前記展開アクチュエータ及び展開駆動軸間に差動機構を介設してそれぞれを差動機構の入出力ギヤに連動結合し、
前記中空車軸と前記差動機構の遊星ギヤを支持するキャリヤとの間に、回転数を1/2にして伝達する歯車機構を介設した、
ことを特徴とする車輪型ロボット。
【請求項7】
請求項6記載の車輪型ロボットであって、
前記展開アクチュエータと前記差動機構の入力ギヤとの間に、ウォーム・ギヤ機構を介設した、
ことを特徴とする車輪型ロボット。
【請求項8】
請求項4記載の段差乗越車輪であって、
前記回転支持体は、前記展開駆動軸に外装されて車台フレームに回転自在に支持され走行アクチュエータにより回転駆動される中空車軸に結合され、
前記展開駆動軸に、前記車台フレーム側に支持された展開アクチュエータを直結した、
ことを特徴とする車輪型ロボット。
【請求項9】
請求項5〜8の何れかに記載の車輪型ロボットであって、
走行前後方向に延設され走行方向前後の前輪車台部及び後輪車台部からなる車台フレームと、
前記前後輪車台部のそれぞれに設けられ回転軸心が走行前後方向の軸受部に回転自在に支持され前記車台フレームに前後に渡って延設され前後部に連動ベベル・ギヤを備えた操向連動軸と、
前記前後輪車台部に各別に設けられ回転軸心が上下方向の軸受部に回転自在に支持され下部に前後横フレームを各別に固定支持し前記前後部の連動ベベル・ギヤに各別に噛み合う操向ベベル・ギヤを各別に固定した前後輪操向軸と、
前記前後横フレームの左右側にそれぞれ回転自在に支持された左右の前後輪と、
前記前後輪の少なくとも一方を回転駆動する駆動部と、
を備え前記前後輪が前記段差乗越車輪である、
ことを特徴とする車輪型ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−31796(P2011−31796A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181468(P2009−181468)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】