説明

殺菌洗剤組成物

【課題】殺菌洗剤組成物の提供。
【解決手段】硬質表面及び織物繊維材料の殺菌処理のための、式(1)


(式中、R1は、水素原子又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)で表わされる化合物の使用を開示する。式(1)で表わされる化合物は、洗浄された織物材料に抗菌性を付与する。着ている間に織物材料上に付着した細菌を破壊する。所望によりハロゲン化されたヒドロキシ−ジフェニルエーテル殺生剤と組み合わせた、式(1)で表わされる化合物を含む洗剤組成物も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌洗剤組成物、及び、硬質表面及び織物繊維材料の殺菌処理のための、該組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多湿条件下及び温暖下では、菌類が、織物に湿気及び不快な臭気を生じさせる。ケタマカビ等のいくつかの菌種は、カビ臭、独特な‘土のような’臭気を有する揮発性有機化合物を生じさせることが知られている。
【0003】
有色の胞子の塊が形成されるために、ある程度の変色が起こり得る。着色織物における変化は酸及び菌類によってもたらされる他の物質によって生じる。
【0004】
カビの生えた領域は、緑色ないし褐色及び濃い黒色に変色する。織物におけるカビの発生に関連する非常に一般的な菌類であるケタマカビは、織物にねずみ色がかった緑色のしみをもたらす。色素形成はまた、織物上に存在するセルロース、汚れ及び他の食品物に対するカビの作用により生じる酸によってももたらされる。
【0005】
菌類によってもたらされる酵素は、織物の劣化及び腐食をもたらし得る。いくつかの種が、ケタマカビのようにセルロース腐食物として知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故、殺菌有効成分、例えば、手洗及び食器洗浄機用配合物、硬質表面のための洗浄及び殺菌配合物及び液状及び固体織物用洗浄配合物を含む洗浄及び殺菌組成物が、より一層広く普及されている。殺菌作用及びダニチリの成育調節は、ますます、このような配合物において必要とされる要求となっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
今や驚くべきことに、殺菌活性として、式(1)
【化1】

(式中、R1は、水素原子又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)で表される化合物を含む洗剤組成物が硬質表面及び織物用材料において強い殺菌効果を示すことが発見された。
【0008】
それ故、本発明は、硬質表面及び織物繊維材料の殺菌処理のための、式(1)で表わされる化合物の使用を言及する。
【0009】
好ましくは、式(1)において、R1は水素原子を表わす(1H−ベンズイミダゾール,2−(4−チアゾリル)−;チアベンダゾール)。
【0010】
従って、本発明は
(a)0.01ないし90質量%の式(1)で表わされる化合物、
(b)1ないし80質量%の1種以上の合成洗剤又は石鹸又は合成洗剤と石鹸の組み合わせ、
(c)0ないし75質量%のビルダー、
(d)0ないし30質量%のペルオキシド、
(e)0ないし10質量%の漂白剤活性剤、
(f)0ないし50質量%の1種以上のヒドロトロープ剤、
(g)0ないし50質量%のアルコール、
(h)0ないし80質量%の繊維柔軟成分、及び、
(i)100質量%になるまでの量の水道水又は脱イオン水
を含む洗剤組成物に関する。
【0011】
従って、好ましくは、本発明は、
(a)0.01ないし10質量%の式(1)で表わされる化合物、
(b)5ないし70質量%の1種以上の合成洗剤又は石鹸又は合成洗剤と石鹸の組み合わせ、及び/又は、飽和及び/又は不飽和の炭素原子数8ないし22の脂肪酸の塩、
(f)0ないし50質量%の1種以上のヒドロトロープ剤、
(g)0ないし50質量%のアルコール、
(h)0ないし80質量%の繊維柔軟成分、及び、所望により、
(i)100質量%になるまでの量の水道水又は脱イオン水
を含む洗剤組成物に関する。
【0012】
成分(b)として、アニオン性、非イオン性又は両性イオン性の及び両性の合成洗剤が適当である。
【0013】
適当なアニオン性洗剤は、以下のものである。
−スルフェート、例えば脂肪アルコールスルフェート(そのアルキル鎖は8ないし18個の炭素原子を有する。)、例えばスルフェート化されたラウリルアルコール。
−脂肪アルコールエーテルスルフェート、例えば2ないし30モルのエチレンオキシドと1モルの炭素原子数8ないし22の脂肪アルコールの重付加生成物の酸エステル又はその塩。
−石鹸として言及される、炭素原子数8ないし20の脂肪酸、例えばココナッツ脂肪酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩。
−アルキルアミドスルフェート。
−アルキルアミンスルフェート、例えばモノエタノールアミンラウリルスルフェート。
−アルキルアミドエーテルスルフェート。
−アルキルアリールポリエーテルスルフェート。
−モノグリセリドスルフェート。
−アルカンスルホネート(そのアルキル鎖は8ないし20個の炭素原子を含む。)、例えばドデシルスルホネート。
−アルキルアミドスルホネート。
−アルキルアリールスルホネート。
−α−オレフィンスルホネート。
−スルホ琥珀酸誘導体、例えばアルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート又はアルキルスルホスクシンアミド誘導体。
−式
【化2】

(式中、
Xは、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又は−COO-+を表わし、
Yは、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
Zは、−(CH2m1-1−を表わし、
m1は、1ないし5を表わし、
nは、6ないし18の整数を表わし、及び、
Mは、アルカリ金属カチオン又はアミンカチオンを表わす。)で表わされるN−[アルキルアミドアルキル]アミノ酸。
−式(13)CH3−X−Y−A
(式中、
Xは、式−(CH25-19−O−、
【化3】

で表わされる基を表わし、
Rは、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
Yは、−(CHCHO)1-50−を表わし、
Aは、(CH2m2-1−COO-+又は
【化4】

を表わし、
m2は、1ないし6を表わし、及び、
Mは、アルカリ金属カチオン又はアミンカチオンを表わす。)で表されるアルキル及びアルキルアリールエーテルカルボキシレート。
【0014】
脂肪酸メチルタウリド、アルキルイソチオネート、脂肪酸ポリペプチド縮合生成物及び脂肪アルコールリン酸エステルもまた、アニオン性界面活性剤として使用される。これらの化合物中に発生するアルキル基は、好ましくは8ないし24個の炭素原子を有する。
【0015】
アニオン性界面活性剤は、一般的に、アルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩等の水溶性塩の形態である。このような塩の例は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩及びトリエタノールアミン塩を含む。特に、ナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム[NR123(式中、R1、R2及びR3は、各々互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基を表わす。)]塩が使用される。
【0016】
本発明に従った組成物において特に好ましいアニオン性界面活性剤は、モノエタノール
アミンラウリルスルフェート又は脂肪アルコールスルフェートのアルカリ金属塩、特にラウリル硫酸ナトリウム及び2ないし4モルのエチレンオキシドとラウリルエーテル硫酸ナトリウムの反応生成物である。
【0017】
適当な両性イオン性及び両性界面活性剤は、炭素原子数8ないし18のベタイン、炭素原子数8ないし18のスルホベタイン、炭素原子数8ないし24のアルキルアミド−炭素原子数1ないし4のアルキレンベタイン、イミダゾリンカルボキシレート、アルキルアンフォカルボキシカルボン酸、アルキルアンフォカルボン酸(例えば、ラウロアンフォグリシネート)及びN−アルキル−β−アミノプロピオネート又は−イミノジプロピオネートを含み、好ましくは、炭素原子数10ないし20のアルキルアミド−炭素原子数1ないし4のアルキレンベタイン、及び特にはココナッツ脂肪酸アミドプロピルベタインである。
【0018】
言及され得る非イオン性界面活性剤は、例えば1000ないし15000の分子量を有するプロピレンオキシド/エチレンオキシドの付加物の誘導体、脂肪アルコールエトキシレート(1−50EO)、アルキルフェノールポリグリコールエーテル(1−50EO)、ポリグルコシド、エトキシ化炭化水素、脂肪酸グリコール部分エステル、例えばジエチレングリコールモノステアレート、脂肪酸アルカノールアミド及びジアルカノールアミド、脂肪酸アルカノールアミドエトキシレート及び脂肪アミンオキシドを含む。
【0019】
成分(b)として、飽和及び不飽和の炭素原子数8ないし22の脂肪酸の塩もまた、単独で又は他のものとの混合物の形態で又は成分(b)として言及した他の洗剤との混合物の形態で使用され得る。このような脂肪酸の例は、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、カプロレン酸(caproleic acid)、ドデセン酸、テトラデセン酸、オクタデセン酸、オレイン酸、エイコセン酸及びエルカ酸、及び例えばココナッツ脂肪酸等のこのような酸の市販混合物を含む。このような酸は塩の形態で存在し、カチオンとしては、アルカリ金属カチオン、例えばナトリウムカチオン及びカリウムカチオン、金属原子、例えば亜鉛原子及びアルミニウム原子、及び十分アルカリ性の窒素含有有機化合物、例えばアミン及びエトキシ化アミンが考慮される。このような塩はまた要時調製され得る。
【0020】
ビルダー成分(c)は、アルカリ金属ホスフェート、特にトリポリホスフェート、炭酸塩又は重炭酸塩、特にそのナトリウム塩、ケイ酸塩又は二ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ポリカルボキシレート、ポリカルボン酸、有機ホスホネート又はアミノアルキレンポリ(アルキレンホスホネート)、又はこれらの混合物であり得る。好ましいケイ酸塩は、式NaHSim2m+1・pH2O又はNa2Sim2m+1・pH2O(式中、mは1.9ないし4の数を表わし、pは0ないし20を表わす。)で表わされる結晶性の積層ケイ酸ナトリウムである。好ましいアルミノケイ酸塩は、ゼオライトA、B、X及びHSとして指定される市販で入手可能な合成物質、又はこれらの混合物である。ゼオライトAが好ましい。好ましいポリカルボキシレートは、ヒドロキシポリカルボキシレート、特にシトレート、ポリアクリレート及び無水マレイン酸とのそれらのコポリマーを含む。好ましいポリカルボン酸は、ニトリロトリ酢酸及びエチレンジアミンテトラ−酢酸を含む。
【0021】
好ましい有機ホスホネート又はアミノアルキレンポリ(アルキレンホスホネート)は、アルカリ金属エタン1−ヒドロキシジホスホネート、ニトリロトリメチレンホスホネート、エチレンジアミンテトラメチレンホスホネート及びジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネートである。
【0022】
ビルダーの量は、好ましくは5ないし70質量%、好ましくは5ないし60質量%及びより好ましくは10ないし60質量%である。ビルダーに関しては、下限が15質量%、特に20質量%であることが好ましい。
【0023】
適当なペルオキシド成分(d)は、例えば、文献において既知でありかつ市販で入手可能な慣用の洗浄温度、例えば5ないし95℃において織物材料を漂白する有機及び無機ペルオキシド(例えば、ペルオキシドナトリウム)を含む。特に、有機ペルオキシドは、例えば、少なくとも3個の、好ましくは6ないし20個の炭素原子のアルキル鎖を有するモノペルオキシド又はポリペルオキシド、特に6ないし12個の炭素原子を有するジペルオキシジカルボキシレート、例えばジペルオキシペルアゼレート、ジペルオキシペルセバケート、ジペルオキシフタレート及び/又はジペルオキシドデカンジオエートであり、特にそれらの対応する遊離酸が興味深い。しかしながら、ペルスルフェート、ペルボレート及び/又はペルカルボネート等の非常に活性な無機ペルオキシドを使用することも好ましい。もちろん、有機ペルオキシド及び/又は無機ペルオキシドの混合物を使用することもできる。
【0024】
ペルオキシドの量は、好ましくは0.5ないし30質量%、好ましくは1ないし20質量%、より好ましくは1ないし15質量%である。ペルオキシドが使用される場合、その下限は、好ましくは2質量%、特に5質量%である。
【0025】
ペルオキシド、特に無機ペルオキシドは、好ましくは、漂白剤活性剤(成分(e))の含有によって活性化される。好ましいものは、過加水分解条件下で、1ないし10個の炭素原子、特に2ないし4個の炭素原子を有する未置換の又は置換されたペルベンゾ−及び/又はペルオキソ−カルボン酸をもたらすような化合物である。適当な化合物は、前記数の炭素原子及び/又は未置換の又は置換されたベンゾイル基を有するO−及び/又はN−アシル基を有するものを含む。好ましいものは、ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化グリコルリル、特にテトラアセチルグリコルリル(TAGU)、N,N−ジアセチル−N,N−ジメチル−ウレア(DDU)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)、式
【化5】

(式中、Rはスルホネート基、カルボン酸基又はカルボキシレート基を表わし、R’は、直鎖の又は枝分かれした(炭素原子数7ないし15)アルキル基を表わす。)で表わされる化合物、又はSNOBS、SLOBS、NOBS及びDOBAという略称で知られる活性剤、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテート及び2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフラン、及び、アセチル化ソルビトール及びマンニトール、及びアシル化糖誘導体、特にペンタアセチルグルコース(PAG)、スクロースポリアセテート(SUPA)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロース及びオクタアセチルラクトース、及びアシル化され、任意にN−アルキル化されたグルカミン及びグルコノラクトンである。独国特許出願公開第4443177号明細書に開示される慣用の漂白剤活性剤の組み合わせもまた使用され得る。ペルオキシドとペルオキシイミド酸を形成するニトリル化合物もまた漂白剤活性剤として適当である。好ましいものは、テトラアセチルエチレンジアミン及びノニルオキシベンゼンスルホネートである。
【0026】
漂白剤活性剤の量は、好ましくは0ないし10質量%、好ましくは0ないし8質量%である。漂白剤活性剤が使用される場合、その下限は、好ましくは0.5質量%、特に1質量%である。
【0027】
添加され得る漂白触媒は、例えば酵素的なペルオキシド前駆体及び/又は金属錯体を含む。好ましい金属錯体は、マンガン又は鉄フタロシアニン又は欧州特許出願公開第0509787号明細書に記載される錯体等のマンガン、コバルト又は鉄錯体である。漂白触媒が使用される場合、その量は、好ましくは0.005ないし2質量%、より好ましくは0.01ないし2質量%、特には0.05ないし2質量%である。非常に好ましいのは、0.1ないし2質量%の量である。
【0028】
漂白触媒の例としては以下のものが言及される。
−国際出願公開第95/30681号パンフレット(即ち、式(I)及び1頁、第7行ないし第30行に記載される定義、特に式(I)及び2頁、第29行ないし11頁、第11行に記載される定義参照。)。好ましい配位子は13頁、第12行ないし26頁、第11行に記載されるものである。
−国際出願公開第01/09276号パンフレット(即ち、式(1)、(2)及び(3)及び2頁及び3頁に記載される定義参照。)。
−国際出願公開第01/05925号パンフレット(即ち、式(1)及び1頁、最終段落ないし2頁最初の段落に記載される定義参照。好ましいものは金属錯体において記載されるものであり、特に3頁の式(2)で表わされるもの及び4頁の式(3)で表わされるもの参照。)。
−国際出願公開第02/088289号パンフレット(即ち、式(1)及び2頁に記載される定義参照。好ましいものは金属錯体において記載されるものであり、特に式(3)で表わされる配位子を参照、及びまた、好ましいものは3頁、第4段落ないし4頁、第7段落に記載される。)。
【0029】
成分(f)としては、以下の化合物が適当である。
−テルペノイドの、又は、単核又は二核の芳香族化合物のスルホネート、例えば、カンファー、トルエン、キシレン、クメンの又はナフトールのスルホネート。
−飽和又は不飽和の炭素原子数3ないし12のジ−又はポリ−カルボン酸、例えばマロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸、ウンデカン−及びドデカン−ジオン酸(dioic acid)、フマル酸、マレイン酸、酒石酸及びリンゴ酸、及び、クエン酸及びアコニット酸。
−アミノカルボン酸、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミンテトラ酢酸及びニトリロトリ酢酸。
−脂環式カルボン酸、例えばショウノウ酸。
−芳香族カルボン酸、例えば安息香酸、フェニル酢酸、フェノキシ酢酸及び桂皮酸、2−、3−及び4−ヒドロキシ安息香酸、アニリン酸、及び、o−、m−及びp−クロロフェニル酢酸、及び、o−、m−及びp−クロロフェノキシ酢酸。
−イセチオン酸。
−タンニン酸。
−式
【化6】

[式中、
1は、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし、
2及びR3は、各々互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、炭素原子数2ないし12のヒドロキシアルケニル基、炭素原子数2ないし12のヒドロキシアルキル基又は1ないし30個の−CH2−CH2−O−基又は−CHY1−CHY2−O−基(式中、基Y1及びY2の1つは水素原
子を表わし、他方はN−メチルアセトアミド基等のメチル基を表わす。)を有するポリグリコールエーテル鎖を表わす。]で表わされる酸アミド。
−式
【化7】

(式中、R1、R2、R3及びR4は、各々互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数2ないし8のアルケニル基、炭素原子数1ないし8のヒドロキシアルキル基又は炭素原子数2ないし8のヒドロキシアルケニル基を表わす。)で表わされるウレア誘導体。
【0030】
(f)において言及された全ての有機酸はまた、アルカリ金属塩等の水溶性塩、特にナトリウム塩又はカリウム塩、又はアミン[NR123(式中、R1、R2及びR3は、各々互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数2ないし8のアルケニル基、炭素原子数1ないし8のヒドロキシアルキル基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基又はポリアルキレンオキシ−炭素原子数1ないし18のアルキル基を表わすか、又は、R1、R2及びR3は、それらが結合されるところの窒素原子と一緒になって、未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたモルホリノ基を表わす。)]塩の形態でもあり得る。
【0031】
成分(f)は、単一の化合物又は多数の異なる化合物からなり得る。
【0032】
非常に特に好ましいものは、クメンスルホネートとクエン酸一水和物の組み合わせである。
【0033】
成分(g)としては、二価アルコール、特にアルキレン部位に2ないし6個の炭素原子を有する化合物、例えばエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロパンジオール、1,3−、1,4−又は2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールが考慮される。
【0034】
好ましいものは、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)である。
【0035】
好ましい一価アルコールは、エタノール、n−プロパノール及びイソプロパノール及びこれらのアルコールの混合物である。
【0036】
特に、織物繊維材料の殺菌処理に有用な、本発明に従った好ましい洗剤組成物は、
(a)0.01ないし5質量%の式(1)で表わされる化合物、
(b)1ないし70質量%のアニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤、
(c)0ないし75質量%のビルダー、
(d)0ないし30質量%のペルオキシド、及び、
(e)0ないし10質量%のペルオキシド活性剤
を含み、最も好ましくは、
(a)0.01ないし5質量%の式(1)で表わされる化合物、
(b)5ないし70質量%のアニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤、
(c)5ないし70質量%のビルダー、
(d)0.5ないし30質量%のペルオキシド、及び、
(e)0.5ないし10質量%のペルオキシド活性剤及び/又は0.1ないし2質量%の漂白触媒
を含む。
【0037】
更に、洗剤は所望により酵素を含む。酵素は、しみの除去のために洗剤へ添加され得る。酵素は、通常、タンパク質又は澱粉に基づくしみ、例えば血液、牛乳、草又はフルーツジュースによってもたらされるしみに対する性能を改善する。好ましい酵素は、セルラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ及びリパーゼである。好ましい酵素は、セルラーゼ及びプロテアーゼ、特にプロテアーゼである。セルラーゼは、セルロース及びその誘導体に作用し、それらをグルコース、セロビオース、セロオリゴ糖に加水分解する酵素である。セルラーゼは汚れを除去し、かつ粗さないし手触りを和らげる効果を有する。使用される酵素の例は、以下のものを含むが、これらに制限されない。
−米国特許第6,242,405号明細書、14欄、第21行ないし第32行に記載のプロテアーゼ。
−米国特許第6,242,405号明細書、14欄、第33行ないし第46行に記載のリパーゼ。
−米国特許第6,242,405号明細書、14欄、第47行ないし第56行に記載のアミラーゼ。
−米国特許第6,242,405号明細書、14欄、第57行ないし第64行に記載のセルラーゼ。
【0038】
酵素は所望により洗剤中に存在し得る。使用される場合、酵素は、通常、洗剤の総質量に基づき、0.01ないし5質量%、好ましくは0.05ないし5質量%、より好ましくは0.1ないし4質量%の量で存在する。
【0039】
本発明に従った組成物は、更に、
(k)式(2)
【化8】

(式中、
Yは、塩素原子又は臭素原子を表わし、
Zは、SO2H、NO2又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
rは、0ないし3を表わし、
oは、0ないし3を表わし、
pは、0、1又は2を表わし、
mは、1又は2を表わし、及び、
nは、0又は1を表わす。)で表される2−ヒドロキシ−ジフェニルエーテルから選択される抗菌剤、より特には、式(3)
【化9】

(式中、Yは塩素原子を表わし、rは1又は2を表わす。)で表わされる化合物を含み得る。
【0040】
非常に特に好ましいものは、式
【化10】

で表わされる化合物である。
【0041】
それ故、本発明は、好ましくは硬質表面の殺菌処理のための、
(a)0.01ないし90質量%の請求項1に記載の式(1)で表わされる化合物、
(b)1ないし80質量%の1種以上の合成洗剤又は石鹸又は合成洗剤と石鹸の組み合わせ、
(f)0ないし50質量%の1種以上のヒドロトロープ剤、
(g)0ないし50質量%のアルコール、
(k)0ないし50質量%の式(2)で表わされる2−ヒドロキシ−ジフェニルエーテルから選択される抗菌剤、及び、
(i)100質量%になるまでの量の水道水又は脱イオン水
を含む洗剤組成物に関する。
【0042】
式(1)で表わされる化合物は、好ましくは、洗剤組成物中の殺菌剤として使用される。
【0043】
それ故、本発明は、織物繊維材料を家庭において洗浄する及び抗菌処理する方法であって、前記織物繊維材料が式(1)で表わされる化合物を含む洗剤組成物の水性溶液と接触されるところの方法に関する。
【0044】
好ましくは、洗剤組成物は、セルラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ及びリパーゼからなる群から選択される少なくとも1種の酵素を含み、かつ、方法の間中、水性溶液の温度は5℃ないし40℃、好ましくは5℃ないし30℃である。
【0045】
本発明に従った洗剤における更に好ましい添加剤は、織物の洗浄中、洗浄条件下において、織物から放出される洗浄液中の染料によってもたらされる染色を抑制するポリマーである(染料固定剤、染料移動抑制剤)。このようなポリマーは、好ましくは、アニオン性又はカチオン性の置換基の配合によって変性され得たポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール又はポリビニルピリジンN−オキシド、特に5000ないし60000の範囲の、より特には10000ないし50000の範囲の分子量を有するものである。このようなポリマーは、通常、洗剤の総質量に基づき、0.01ないし5質量%、好ましくは0.05ないし5質量%、特には0.1ないし2質量%の量で使用される。好ましいポリマーは、国際公開第02/02865号パンフレット(特に、1頁、最終段落及び2頁、最初の段落参照。)に記載されるものである。
【0046】
使用される洗剤は、通常、汚れ懸濁剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、pHを調整するための塩、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属シリケート、発泡調節剤、例えば石鹸、噴霧乾燥性及び粒状性を調整するための塩、例えば硫酸ナトリウム、香料、及びまた、適当ならば、帯電防止剤及び柔軟剤、スメクタイトクレー等、光漂白剤、顔料、及び/又は陰影剤(shading agent)等の助剤を1種以上含み得る。もちろん、これらの成分は、使用されるあらゆる漂白系に安定であるべきである。このような助剤は、洗剤の総質量に基づき、例えば0.1ないし20質量、好ましくは0.5ないし10質量%、特に0.5ないし5質量%の量で存在し得る。
【0047】
洗剤組成物は、粉末形態、粒状形態、タブレット形態及び液体形態を含む様々な物理形態をとり得る。その例は、慣用の粉末状強力洗剤、圧縮及び超圧縮強力洗剤及びタブレット、例えば超強力洗剤タブレットである。1つの重要な物理形態は、いわゆる、洗浄機に添加するために適合された濃縮粒状形態である。
【0048】
重要なものはまた、いわゆる、圧縮(又は超圧縮)洗剤である。洗剤製造分野における最近の傾向は、増量の活性物質を含む圧縮洗剤の製造にある。洗浄工程中のエネルギー消費を最小にするために、圧縮洗剤は、40℃程度の低い温度において、又は室温、例えば25℃においてでさえも、効果的に作用することが要求される。このような洗剤は、通常、充填剤又は加工助剤、例えば硫酸ナトリウム又は塩化ナトリウムを少量しか含まない。このような充填剤の量は、通常、洗剤の総質量に基づき、0ないし10質量%、好ましくは0ないし5質量%、特に0ないし1質量%である。このような洗剤は、通常、650ないし1000g/L、好ましくは700ないし1000g/L、特には750ないし1000g/Lの嵩密度を有する。
【0049】
洗剤はまた、タブレットの形態で存在し得る。タブレットの関連特性は、分散の容易さ及び取り扱いの便利さにある。タブレットは、固体洗剤の最も小型な配送物であり、例えば0.9ないし1.3kg/Lの嵩密度を有する。速い分解を可能にするために、洗濯洗剤タブレットは、一般的に、以下のような特別な錠剤分解物質を含む。
−炭酸塩/炭化水素塩/クエン酸等の発泡剤。
−セルロース、カルボキシメチルセルロース、架橋結合されたポリ(N−ビニルピロリドン)等の膨張剤。
−酢酸ナトリウム(又はカリウム)又はクエン酸ナトリウム(又はカリウム)等の速やかに溶解する物質。
−ジカルボキシ酸等の急速に溶解する水溶性硬質コーティング。
【0050】
タブレットはまた、上記の錠剤分解物質のあらゆる組み合わせも含み得る。
【0051】
洗剤はまた、5ないし50質量%、好ましくは10ないし35質量%の水を含む水性液状洗剤として、又は、多くて5質量%の、好ましくは0ないし1質量%の水を含む非水性液状洗剤としても調製され得る。非水性液状洗剤組成物は、キャリヤーとして他の溶媒を含み得る。メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノール等で例示される低分子量の第一級又は第二級アルコールが適当である。一価アルコールが界面活性剤を可溶化するために好ましいが、2ないし約6個の炭素原子及び2ないし約6個のヒドロキシ基を含むポリオール(例えば、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン及び1,2−プロパンジオール)もまた使用され得る。組成物は、このようなキャリヤーを5ないし90質量%、典型的には10ないし50質量%含み得る。洗剤はまた、いわゆる‘‘一回分の液体投与(unit liquid dose)’’形態としても存在し得る。
【0052】
織物の洗剤処理は、通常の洗浄機中での家庭における処理と同様に行われ得る。
【0053】
本発明の方法によって処理される織物用繊維は、天然又は合成繊維、又はその混合物であり得る。天然繊維の例は、綿、ビスコース、麻、レーヨン又はリンネル等の植物繊維、好ましくは綿及び羊毛、モヘア、カシミヤ、アンゴラ及び絹等の動物繊維、好ましくは羊毛を含む。合成繊維は、ポリエステル、ポリアミド及びポリアクリロニトリル繊維を含む。好ましい織物用繊維は、綿、ポリアミド及び羊毛繊維、特に綿繊維である。好ましくは、本発明の方法に従って処理される織物用繊維は200g/m2未満の密度を有する。
【0054】
本発明の方法に従って、式(1)で表わされる化合物は、通常、織物繊維材料の質量に
基づき、0.01ないし3.0質量%、特に0.05ないし3.0質量%の量で使用される。
【0055】
本発明の方法は、通常、5ないし100℃、特に5ないし60℃の温度範囲で行われる。好ましいのは、5ないし40℃、特に5ないし35℃、より好ましくは5ないし30℃の温度範囲である。
【0056】
洗剤組成物は、好ましくは、水性洗浄操作において使用する間、洗浄水が約6.5ないし11、好ましくは約7.5ないし11のpHを有し得るように、配合され得る。洗濯用製品は、典型的にはpH9ないし11である。望ましい使用レベルにpHを調節する技術は、緩衝液、アルカリ、酸等の使用を含み、当業者によく知られている。
【0057】
機械による洗濯方法は、典型的には、洗濯機中で、汚れた洗濯物を本発明に従った洗濯機用洗剤組成物の有効量が溶解又はその中へ投与された洗濯機中の水性洗浄溶液で処理することを含む。洗剤組成物の有効量は、慣用の機械による洗濯方法で通常使用される典型的な製品投与量及び洗浄溶液量と同様であり、例えば、5ないし85Lの洗浄溶液量中に20ないし300gの生成物が溶解又は分散されることを意味する。
例は以下の通りである。
−トップローディング、垂直軸の米国製自動洗浄機において、洗浄槽中に約45ないし83Lの水、約10ないし約14分の洗浄サイクル及び約10ないし約50℃の洗浄水温度を使用。
−フロントローディング、水平軸の欧州製自動洗浄機において、洗浄槽中に約8ないし15Lの水、約10ないし約60分の洗浄サイクル及び約30ないし約95℃の洗浄水温度を使用。
−トップローディング、垂直軸の日本製自動洗浄機において、洗浄槽中に約26ないし52Lの水、約8ないし約15分の洗浄サイクル及び約5ないし約25℃の洗浄水温度を使用。
【0058】
液比は、好ましくは1:4ないし1:40、特に1:4ないし1:15である。非常に好ましいのは、1:4ないし1:10、特に1:5ないし1:9の液比である。
【0059】
本発明に従った組成物を使用することにより、洗浄手順間に、希釈液中で洗浄物質上に存在する菌類を破壊することができる。同時に、抗菌性が洗浄した織物材料に付与され、言い換えれば、着ている間に織物材料上に付着した細菌は破壊される。
【0060】
本発明に従った配合物は、強力な殺菌活性を示す。
【0061】
本発明に従った組成物はまた、固形石鹸、食器洗浄配合物又は多目的洗浄剤として使用される。
【0062】
洗剤は、例えば以下の組成を有する。
0.01ないし5質量%の式(1)で表わされる化合物、
3.0質量%のオクタノール 4EO、
1.3質量%の脂肪アルコール炭素原子数8ないし10のポリグリコシド、
3.0質量%のイソプロパノール、及び、
100質量%になるまでの量の水。
【0063】
本発明の洗剤組成物は、洗濯物に、カビ及び菌類から繊維を保護する静真菌性及び防カビ性を与える。それらは、繊維上でカビ及び菌類が成長するのを防止し、カビ臭い臭気から衣類を保護し、繊維の抵抗性を損なわせかつ菌類によってもたらされる黒く着色される
しみの形成を避ける。それらは、湿気のある暖かい条件下における保管中でさえ、繊維に対して長期間の抗菌効果を与える。それ故、衣類は新しさを非常に長期間保ち得る。更に、式(1)で表わされる化合物はまた、チリダニ類に対する活性剤として有用である。
【0064】
以下の実施例で本発明を説明する。%及び部は、それぞれ、質量%及び質量部を表わす。
【実施例】
【0065】
実施例1:液状洗浄配合物(1)−(5)の製造。
以下の組成を有する液状配合物を製造した。
【表1】

【0066】
実施例2:式(101)で表わされる化合物を含む液状洗剤を用いて洗浄した繊維の抗菌効果の決定。
試験配合物/液状洗剤:
プラシーボ、0.2%及び0.3%の式(101)で表わされる化合物を用いたもの。
試験開始前、洗剤を25℃の水に溶解させた。
液状洗剤を用いた洗濯に対する染色堅牢度の試験(Linitest):
液比 : 1:20
繊維 : 15gの綿トリコット
温度 : 25℃
継続時間: 10分
すすぎ : 30秒間で2回(それぞれ1Lの水)
乾燥 : 室温において全体的に乾くまで
濃度:
1.トリコットを液状洗剤プラシーボで処理した:
洗剤0.40g/水道水300mL。
2.綿トリコットを液状洗剤+0.2%の式(101)で表わされる化合物で処理した:
洗剤0.40g/水道水300mL(=0.2%)。
3.綿トリコットを液状洗剤+0.2%の式(101)で表わされる化合物で処理した:
洗剤0.60g/水道水300mL(=0.3%)。
試験菌株:
ケタマカビ ATCC 6105(洗浄した寒天斜面)
無菌の0.85%食塩水+50%サブロー−2%グルコース培養液中に1:10に希釈した。
各サンプル(4cmディスク)に、菌懸濁液0.5mLを接種し(=サンプル上の最終濃度:〜105の胞子)、デシケーター(>90%の湿度)中に置き、28℃において培養した。
試験時間:
1、2、3及び4週間後に視覚評価をした。
1.1.1.1.1.1原則
1.1.1.1.1.2 洗浄した繊維から直径4cmのディスクを切り取り、上記で調製した菌懸濁液0.5mLを接種し、殺菌したペトリ皿に入れ、28℃、湿度90%ないし95%のデシケーター中に置いた。
1、2、3及び4週間後、全てのサンプルについて、サンプル上の成長(‘‘黒いしみ’’)を視覚により観察した。観察結果を以下の表に示す。
結果(視覚による観察結果)
【表2】

−=視覚による成長なし。(+)=‘‘一つのしみ’’。++=強い成長。+++=非常に強い成長。
【0067】
実施例3:式(101)で表わされる化合物を含む洗剤バーを用いて洗浄した繊維の抗菌効果の決定。
試験サンプル:(天然石鹸ベース)
1.式(101)で表わされる化合物なしのプラシーボ洗剤。
2.式(101)で表わされる化合物を0.1%含む洗剤バー石鹸。
3.式(101)で表わされる化合物を0.05%含む洗剤バー石鹸。
洗剤バー石鹸を用いた手洗い試験:
織物材料:10gの綿トリコット。
洗浄手順:
1分間、湿潤繊維の各面に洗剤バーを5回手でこすりつけた。その後、10分間、繊維サンプルを浸し、手でもみ、水道水で1分間すすいだ。室温で全体的に乾くまで乾燥させた。
試験菌株:
ケタマカビ ATCC 6105*
洗浄した寒天斜面を無菌の0.85%食塩水+0.05%サブロー−2%グルコース培養液中に1:10に希釈した。
各サンプル(4cmディスク)に、菌懸濁液0.5mLを接種し(=サンプル上の最終濃度:〜105cfu(コロニー形成単位))、デシケーター(>90%の湿度)中に置いた。
試験時間:
1、2、3及び4週間後に視覚評価をした。
2.1.1.1.1.1原則
洗浄した繊維から直径4cmのディスクを切り取り、上記で調製した菌懸濁液0.5mLを接種し、殺菌したペトリ皿に入れ、28℃、湿度90%ないし95%のデシケーター中に置いた。
1、2、3及び4週間後、全てのサンプルについて、サンプル上の成長(‘‘黒いしみ’’)を視覚により観察した。観察結果を以下の表に示す。
【表3】

−=視覚による成長なし。(+)=‘‘一つのしみ’’。++=強い成長。+++=非常に強い成長。
【0068】
実施例4:式(101)で表わされる化合物を含むECE粉末洗剤を用いて洗浄した繊維の抗菌効果の決定。
試験サンプル:
1.プラシーボ=ECE洗剤粉末(染色堅牢性洗剤77)。
2.式(101)で表わされる化合物を0.2%含むECE洗剤粉末(*)。
*)ECE染色堅牢性試験において、0.2%の式(101)で表わされる化合物をスラリーとして配合。
洗剤粉末を用いた洗濯に対する染色堅牢度の試験:
洗剤濃度: 0.4g/水道水300mL
液比 : 1:20
繊維 : 15gの綿トリコット
温度 : 25℃
継続時間: 10分
すすぎ : 30秒間で2回(それぞれ1Lの水中で)
乾燥 : 室温において全体的に乾くまで
試験菌株:
ケタマカビ ATCC 6105
洗浄した寒天斜面を無菌の0.85%食塩水+0.05%サブロー−2%グルコース培養液中に1:5に希釈した。
各サンプル(直径4cmのディスク)に、細菌混合液又は菌懸濁液0.5mLを接種し(=サンプル上の最終濃度:〜105cfu)、デシケーター(>90%の湿度)中に置いた。
器具:
殺菌したペトリ皿(φ55mm)
多湿のチャンバ
殺菌したプラスチック製ストマッカーバッグ
殺菌したピンセット
インキュベーター 28℃+/−1℃
接触時間:
28℃における培養直後、培養1週間後、2週間後、3週間後及び4週間後。
原則
洗浄した繊維から直径4cmのディスクを切り取り、上記で調製した菌懸濁液0.5mLを接種し、殺菌したペトリ皿に入れ、28℃、湿度90%ないし95%のデシケーター中に置いた。
1、2、3及び4週間後、全てのサンプルについて、サンプル上の成長(‘‘黒いしみ’’)を視覚により観察した。観察結果を以下の表に示す。
4.1.1.1.1.1.1.1
【表4】

−=視覚による成長なし。(+)=‘‘一つのしみ’’。++=強い成長。+++=非常に強い成長。
【0069】
実施例5:式(101)で表わされる化合物を含む繊維コンディショナーを用いて処理した繊維の抗菌効果の決定。
ケタマカビの成長、‘‘しみ’’の原因は、抑制され、時間と共になくなりさえした。元来の繊維コンディショナーですすいだ綿繊維では、菌類の成長が深刻であった。
試験配合物:
式(101)で表わされる化合物0.1%を繊維コンディショナー中に懸濁させた。市販の繊維コンディショナーを対照として試験した。
処理:
濃度 : 繊維コンディショナー0.75g/水道水180mL
液比 : 1:6
繊維 : 30gの綿トリコット
温度 : 20℃
継続時間: 5分
乾燥 : 室温において全体的に乾くまで
【0070】
AATCC試験法100−1998に従った殺菌活性の決定(織物材料に対する抗菌仕上げの評価)
サンプル:
1)繊維コンディショナー(プラシーボ)で処理された綿トリコット。
2)繊維コンディショナー+0.1%の式(101)で表わされる化合物で処理された綿トリコット。
試験菌株:
ケタマカビ ATCC 6105(洗浄した寒天斜面)
希釈:
無菌の0.85%食塩水+0.05%サブロー−2%グルコース培養液中に1:5。
各サンプルに、菌懸濁液0.3mLを接種し(=サンプル上の最終濃度:〜105cfu)、デシケーター(>90%の湿度)中に置いた。
器具:
殺菌したペトリ皿(直径55mm及び90mm)
直径4cmのディスク
多湿のチャンバ
殺菌したプラスチック製バッグ
ストマッカー80
殺菌したピンセット
中和剤:
ツィーン80(Tween 80)1%及びレシチン0.3%を含む無菌のリン酸塩緩衝液0.07モル(20mL/ストマッカーバッグ)。
希釈媒体:
無菌の脱イオン水、pH7.4。
培地:
菌番号(ケタマカビ)のためのマイコロジカル寒天
接触時間:
28℃、>90%の湿度における培養直後、培養1週間後、2週間後及び4週間後。
プレートのインキュベーション:
28℃において〜4−5日間。
原則:
直径4cmのディスクを製造し、殺菌したペトリ皿(55mm)中に置いた。その後、試験サンプルに希釈した菌懸濁液0.30mLを接種し(約〜105cfu/各サンプル上の最終濃度。)、デシケーター中に置き、28℃において培養した。28℃における培養直後、培養1週間後、2週間後及び4週間後に、サンプルを、ツィーン80 1%及びレシチン0.3%を含むリン酸塩緩衝液(0.07モル、pH7.4)20mLを含む無菌バッグ(ストマッカーバッグ80)中に入れ、ストマッカー中で1分間処理した。振盪した後、無菌脱イオン水中で10-3となるまで、1:10に希釈した。未希釈のもの及び希釈したものから、0.1mLのサンプルを、スパイラルプレーターを用いてマイコロジカル寒天プレートを含む18mLに与えた。全てのプレートを、28℃のインキュベーター中に約4ないし5日間置いた。培養した後、生存コロニーを計算し、以下の表にcfu/サンプルとして示す。
【表5】

ケタマカビ ATCC 6205:4.7×106/mL
結論
ケタマカビに対する強い抗菌活性が、式(101)で表わされる化合物を0.1%含む市販の繊維コンディショナーで処理した綿サンプルにおいて、接触時間2及び4週間後に観察され得た。
【0071】
実施例6:更なる液状洗浄配合物の製造
【表6】

【表7】

【0072】
実施例7:様々な配合物の製造
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質表面及び織物繊維材料の殺菌処理のための、式(1)
【化1】

(式中、
1は、水素原子又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)で表される化合物の使用。
【請求項2】
式中、R1が水素原子を表わす請求項1に記載の使用。
【請求項3】
(a)0.01ないし90質量%の請求項1に記載の式(1)で表わされる化合物、
(b)1ないし80質量%の1種以上の合成洗剤又は石鹸又は合成洗剤と石鹸の組み合わせ、
(c)0ないし75質量%のビルダー、
(d)0ないし30質量%のペルオキシド、
(e)0ないし10質量%の漂白剤活性剤、
(f)0ないし50質量%の1種以上のヒドロトロープ剤、
(g)0ないし50質量%のアルコール、
(h)0ないし80質量%の繊維柔軟成分、及び、
(i)100質量%になるまでの量の水道水又は脱イオン水
を含む洗剤組成物。
【請求項4】
(a)0.01ないし10質量%の請求項1に記載の式(1)で表わされる化合物、
(b)5ないし70質量%の1種以上の合成洗剤又は石鹸又は合成洗剤と石鹸の組み合わせ、及び/又は、飽和及び/又は不飽和の炭素原子数8ないし22の脂肪酸の塩、
(f)0ないし50質量%の1種以上のヒドロトロープ剤、
(g)0ないし50質量%のアルコール、
(h)0ないし80質量%の繊維柔軟成分、及び、
(i)100質量%になるまでの量の水道水又は脱イオン水
を含む請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
成分(b)として、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、カプロレン酸(caproleic acid)、ドデセン酸、テトラデセン酸、オクタデセン酸、オレイン酸、エイコセン酸又はエルカ酸の塩が使用される請求項2又は4に記載の組成物。
【請求項6】
(a)0.01ないし5質量%の式(1)で表わされる化合物、
(b)1ないし70質量%のアニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤、
(c)0ないし75質量%のビルダー、
(d)0ないし30質量%のペルオキシド、及び、
(e)0ないし10質量%の漂白剤活性剤
を含む請求項2ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
(a)0.01ないし5質量%の式(1)で表わされる化合物、
(b)5ないし70質量%のアニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤、
(c)5ないし70質量%のビルダー、
(d)0.5ないし30質量%のペルオキシド、及び、
(e)0.5ないし10質量%の漂白剤活性剤及び/又は0.1ないし2質量%の漂白触媒
を含む請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記洗剤組成物が、更に、セルラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ及びリパーゼからなる群から選択される少なくとも1種の酵素、好ましくはプロテアーゼを含む請求項3ないし7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
更に、(k)式(2)
【化2】

(式中、
Yは、塩素原子又は臭素原子を表わし、
Zは、SO2H、NO2又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、
rは、0ないし3を表わし、
oは、0ないし3を表わし、
pは、0、1又は2を表わし、
mは、1又は2を表わし、及び、
nは、0又は1を表わす。)で表される2−ヒドロキシ−ジフェニルエーテルから選択される抗菌剤が使用される請求項3ないし8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
成分(k)として、
【化3】

で表される2−ヒドロキシ−ジフェニルエーテルが使用される請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
(a)0.01ないし90質量%の請求項1に記載の式(1)で表わされる化合物、
(b)1ないし80質量%の1種以上の合成洗剤又は石鹸又は合成洗剤と石鹸の組み合わせ、
(f)0ないし50質量%の1種以上のヒドロトロープ剤、
(g)0ないし50質量%のアルコール、
(k)0ないし50質量%の式(2)で表わされる2−ヒドロキシ−ジフェニルエーテルから選択される抗菌剤、及び、
(i)100質量%になるまでの量の水道水又は脱イオン水
を含む請求項2ないし6、9及び10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
織物繊維材料を家庭において洗浄する及び抗菌処理する方法であって、前記織物繊維材料が請求項1に記載の式(1)で表わされる化合物を含む洗剤組成物の水性溶液と接触されるところの方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記洗剤組成物が、セルラーゼ、プロテアーゼ、ア
ミラーゼ及びリパーゼからなる群から選択される少なくとも1種の酵素を含み、かつ、該方法の間中、水性溶液の温度が5℃ないし40℃、好ましくは5℃ないし30℃である方法。
【請求項14】
前記織物繊維材料が、ポリアミド、羊毛又は綿である請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、粉末洗浄配合物、洗浄ペースト、液状洗浄配合物、織物柔軟剤又は固形石鹸において使用される請求項12ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
硬質表面の抗菌処理のための、請求項3ないし12のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項17】
前記組成物が食器洗浄配合物において使用される請求項16に記載の使用。
【請求項18】
前記組成物が多目的洗浄剤(all−purpose cleaner)において使用される請求項16に記載の使用。
【請求項19】
チリダニ類に対する活性剤としての、式(1)で表わされる化合物の使用。


【公表番号】特表2007−530499(P2007−530499A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504399(P2007−504399)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051133
【国際公開番号】WO2005/089552
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】