説明

毛髪化粧料

【課題】ダメージを受けた毛髪であっても、塗布時やすすぎ時の軽やかな滑り、乾燥後の軽い滑り、柔らかさ、まとまり、髪が束にならない、べたつきのなさを付与することができる毛髪化粧料を提供する。
【解決手段】(A)両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン0.01〜15質量%と、(B)3級アミン化合物から選ばれる1種または2種以上のカチオン界面活性剤0.1〜15質量%と、(C)炭素数12〜28であり、水酸基が1である高級アルコール0.1〜20質量%と、(D)ポリジメチルシロキサン0.01〜15質量%と(E)水とを含有し、両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサンの窒素含有量が0.31〜2質量%である毛髪化粧料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪化粧料には、従来から、毛髪に滑らかさ、しっとり感、撥水性、光沢などを付与するための基材としてシリコーン化合物が用いられてきた。中でもアミノ変性シリコーンは、分子内にアミノ基を有することにより、毛髪表面に対する吸着性が良好で、特に毛髪への柔軟性付与効果にも優れていることが知られている(特許文献1、2及び3等)。しかし、前記アミノ変性シリコーンは、乾燥後の指通りが良くないなど、コンディショニング効果が不十分であった。また近年、アミノ変性シリコーンの風合いが好まれなくなりつつあり、最近では、より軽い滑り感、まとまり感、べたつきのなさが求められるようになってきた。
【0003】
また、軽い滑り感を付与する目的で、各種シリコーンワックスが提案されているが(例えば、特許文献4)、毛髪への吸着性に劣り毛髪に残りにくい為、効果が充分とは言えず、使用されていないのが現状である。
【0004】
上記課題を解決するため、アミノ基とアルキル基を組み合わせた特定の変性シリコーンが提案されており、毛髪が濡れた状態から乾いた状態までの滑らかな滑りや、仕上がりの軽い滑り感やまとまり感を付与することができるとされている(特許文献5、6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−110653号公報
【特許文献2】特開平01−190619号公報
【特許文献3】特開平08−217643号公報
【特許文献4】特開平03−264510号公報
【特許文献5】特開2008−143858号公報
【特許文献6】特開2008−143859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献5,6に開示された毛髪化粧料では、ダメージ毛にとっては効果が弱い。そのため、ダメージ毛でも健常毛同様のコンディショニング効果や仕上がりを発揮する技術が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、特定の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサンと、カチオン活性剤、高級アルコール、ポリジメチルシロキサンを併用することにより、上記目的に極めて有効な毛髪化粧料が得られることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(D):
(A)下記一般式(1)で表される両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン
(R)SiO−(RSiO)−(RSiO)−Si(R) (1)
〔上記一般式(1)中,Rは炭素数12〜50の直鎖または分岐のアルキル基、Rは置換または非置換の炭素数1〜6の1価の炭化水素基、Rは3−アミノプロピル基または、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基を表し、xは1〜2000、yは1〜100の整数である。〕 0.01〜15質量%
(B)3級アミン塩から選ばれる1種または2種以上のカチオン界面活性剤 0.1〜15質量%
(C)炭素数12〜28であり、水酸基が1である高級アルコール 0.1〜20質量%
(D)ポリジメチルシロキサン 0.01〜15質量%、及び
(E)水
を含有し、両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサンの窒素含有量が0.31〜2質量%である毛髪化粧料を提供するものである。
【0009】
本発明によれば、ダメージを受けた毛髪であっても、塗布時やすすぎ時の軽やかな滑り、乾燥後の軽い滑り、柔らかさ、まとまり、髪が束にならない、べたつきのなさを付与することができる毛髪化粧料が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
はじめに、本発明の概要について説明する。
本発明の毛髪化粧料は、
(A)下記一般式(1)で表される両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン
(R)SiO−(RSiO)−(RSiO)−Si(R) (1)
〔上記一般式(1)中,Rは炭素数12〜50の直鎖または分岐のアルキル基、Rは置換または非置換の炭素数1〜6の1価の炭化水素基、Rは3−アミノプロピル基または、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基を表し、xは1〜2000、yは1〜100の整数である。〕 0.01〜15質量%
(B)3級アミン塩から選ばれる1種または2種以上のカチオン界面活性剤を合計で 0.1〜15質量%
(C)炭素数12〜28であり、水酸基が1である高級アルコール 0.1〜20質量%
(D)ポリジメチルシロキサン 0.01〜15質量%、及び
(E)水
を含有し、両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサンの窒素含有量が0.31〜2質量%である毛髪化粧料である。
【0011】
(成分(A))
本発明で使用する成分(A)両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物は、
一般式(1):(R)SiO−(RSiO)−(RSiO)−Si(R
で表される。
ここで、Rは炭素数12〜50のアルキル基であり、直鎖状でも分岐状でも良い。乾燥後、毛髪が束になることを抑える観点からは、直鎖状のアルキル基が好ましい。また、塗布時、すすぎ時の即効的な柔軟性や即時的なツルツルした滑りの良さの観点からは、分岐状のアルキル基が好ましい。Rとしては炭素数14〜40のアルキル基が好ましく、特に、14〜30のアルキル基が好ましい。Rが直鎖状のアルキル基の場合、炭素数16〜18のアルキル基が好ましい。Rが分岐状のアルキル基の場合、炭素数16〜30のアルキル基が好ましく、特に炭素数16〜24のアルキル基が好ましく、中でも、18〜24のアルキル基が好ましい。
また、乾燥後の柔らかさ、軽い滑り感を同時に付与する観点から、(A)両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサンは、25℃で液状(すなわち、5〜100,000mPa・s)であることが好ましい。
は置換または非置換の炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、非置換の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基などの直鎖または分岐状のアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基のようなアルコキシ基、フェニル基、トリル基、ナフチル基などのアリール基、ベンジル基、β―フェニルエチル基、メチルベンジル基などのアラルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基などが挙げられる。また、置換炭化水素基としては、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのフルオロアルキル基などが挙げられる。これらの中でも、アルキル基、アリール基が好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
は3−アミノプロピル基またはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基である。
成分(A)の式(1)において、複数のRは同じ基であっても異なる基であってもよく、複数のRも同じ基であっても異なる基であってもよい。さらに、複数のRがある場合にも、同じ基であっても異なる基であってもよい。ただし、製造性の観点からは、Rは同じ基であることが好ましい。
【0012】
xの値はすすぎ時のすべり性、乾燥後のすべり性の観点から、1以上であり、乾燥後の仕上がりの観点から、2000以下であり、好ましくは1〜1500、より好ましくは150〜700である。また、xの値は、一般式(1)中Rが直鎖状のアルキル基の場合、乾燥後の柔軟性の観点から200〜400が好ましく、一般式(1)中Rが分岐状のアルキル基の場合、塗布、すすぎ時のツルツルした滑り、乾燥後の柔軟性の観点から100〜300が好ましい。
yの値は毛髪への吸着性の観点から、1以上であり、毛髪の滑り性が重くならず、軽い滑り性の仕上がりを出す観点から、100以下であり、好ましくは1〜50である。また、一般式(1)中Rが直鎖状のアルキル基の場合、yの値は乾燥後の柔軟性の観点から2〜16が好ましく、特に2〜8が好ましく、中でも3〜7が好ましい。一般式(1)中Rが分岐状のアルキル基の場合、yの値は塗布、すすぎ時のツルツルした滑り、乾燥後の柔軟性の観点から1〜16が好ましく、特に1〜8が好ましく、中でも1〜3が好ましい。
一般式(1)中Rが直鎖状のアルキル基の場合、乾燥後の柔軟性の観点から、xの値は200〜400であり、yの値が3〜7を組み合わせた組成が好ましい。
一般式(1)中Rが分岐状のアルキル基の場合、塗布、すすぎ時のツルツルした滑り、乾燥後の柔軟性の観点から、xの値は100〜300であり、yの値が1〜3を組み合わせた組成が好ましい。
【0013】
さらに、毛髪への吸着性の観点から、xとyの比率は、y/x=0.003〜0.1の特定の範囲が好ましく、乾燥後の毛髪が軽い滑りをもち、ツヤがあり、まとまり、髪が束にならない、べたつきのなさが得られる。特に、このましくは、0.004〜0.05の範囲である。
y/xを前述した特定の範囲とするためには原料となるアミノ基含有シランやアミノ基含有シリコーン化合物の量と、シリコーンモノマーの量を調整すればよい。
【0014】
成分(A)の窒素含有量は、ダメージ毛髪への滑り性付与などのコンディショニング効果を確実に発揮させる観点から0.31質量%以上が好ましい。また、濡れた状態や乾いた状態の毛髪の滑り感を軽くする観点から、成分(A)の窒素含有量は、2質量%以下の範囲であることが好ましく、0.4〜1.5質量%の範囲がより好ましい。一般式(1)中Rが直鎖状のアルキル基の場合、乾燥後の柔軟性の観点から0.4〜1質量%の範囲が特に好ましく、一般式(1)中Rが分岐状のアルキル基の場合、塗布、すすぎ時のツルツルした滑り、乾燥後の柔軟性の観点から0.4〜0.8質量%の範囲が特に好ましい。
窒素含有量はアミノ基含有シランやアミノ基含有シリコーン化合物の量を調整することで所望の範囲とすることができる。
【0015】
成分(A)の窒素含有量は、以下のようにして算出される。
窒素含有量は、両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサンに含まれる窒素原子としての含有量であり、中和滴定により測定する。
任意のサンプル量(0.5〜10g)を約10倍量のイソプロピルアルコールとトルエンの混合溶液(1:1[vol%])に溶解する。指示薬として、テトラブロムフェノールフタレインエチルエステルカリウムを添加し、過塩素酸水溶液にて中和滴定を行う。採取したサンプル量、過塩素酸水溶液の規定度および消費量より、両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物中の窒素原子としての含有量を算出した。
なお、特許文献6では、両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物が開示されているが、窒素含有量が0.3質量%を超えると、すべり感が重くなるとの記載がある。これに対し、本発明では、特性の成分(A)〜(E)を使用する際に、両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物の窒素含有量が0.31質量%以上である場合に、ダメージを受けた毛髪であっても、塗布時やすすぎ時、すなわち、毛髪が濡れた状態での軽やかな滑り、ツルツルした滑り、乾燥後の軽い滑り感、柔らかさ、まとまり、髪が束にならない、べたつきのなさ、ツヤを付与することができることを見出したものである。
【0016】
また、成分(A)の25℃における粘度は、5〜100,000mPa・sであることが好ましく、なかでも、10〜50,000mPa・sが好ましい。100,000mPa・s以下とすることで、毛髪化粧料が毛髪表面に均一に広がりにくくなり、不均一な重い滑りとなってしまうことを抑制できる。一方、5mPa・s以上とすることで、毛髪に残留し、滑り性のある仕上がりを実感できる効果がある。特に、50〜9500mPa・s、さらには、500〜4000mPa・sが好ましい。
【0017】
成分(A)の粘度は、以下のようにして計測される。
両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物の粘度は、市販されている回転粘度計を使用して測定できる。市販の粘度計として、例えば、ブルックフィールド粘度計(米国ブルックフィールド社)、ビスメトロン粘度計(芝浦システム(株)製)が挙げられる。ここでは、ビスメトロン粘度計(芝浦システム(株)製)を使用して、25℃における両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物の粘度を測定した。
【0018】
成分(A)が毛髪化粧料に配合される形態は、オイル、またはエマルションのどちらでも良い。
【0019】
毛髪化粧料中の成分(A)の含有量は、良好なコンディショニング効果を得る観点から、本発明の毛髪化粧料中0.01質量%(以下、単に%で示すこともある)以上であることが好ましく、柔軟性の観点から15質量%以下であることが好ましい。さらには、0.1〜10質量%がより好ましく、特に0.1〜5質量%が更に好ましい。べたつきのない仕上がりの観点から0.1〜2質量%が好ましい。特に0.1〜0.8質量%が好ましい。
【0020】
以上のような成分(A)は以下のようにして製造することができる。
成分(A)の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物は、シリコーン化合物の一般的な製造法である平衡化反応により製造できる。すなわち、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状シロキサンをシリコーンモノマーとし、末端封鎖剤およびアミノ基含有シランまたはアミノ基含有シリコーン化合物とともに平衡化する方法である。
平衡化反応に使用される触媒は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ触媒、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム触媒、水酸化テトラブチルフォスホニウムなどの第4級フォスフォニウム触媒、および前記したこれら化合物のシラノレート類すべてが使用できる。
平衡化反応における触媒の添加量は、0.1〜1000ppmの範囲で使用される。好ましくは、1〜500ppmである。0.1ppm未満では反応が十分に進行せず、また、1000ppmを超える量では、その量に見合った効果が得られない。
平衡化反応における反応温度は、反応が進行する温度であれば差し支えないが、通常50〜200℃の範囲で行われ、使用する触媒に応じて、適宜反応温度が選択される。
平衡化反応により、低分子量のシロキサンが生成するので、必要に応じて、減圧下あるいは常圧下で、これらシロキサン成分を留去すれば良い。
このようにして、(A)の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物が製造できる。
【0021】
(成分(B))
成分(B)のカチオン界面活性剤としては、一般式(8)で表される3級アミン化合物が挙げられる。
【0022】
【化1】

【0023】
〔上記一般式(8)中、R11は総炭素数8〜35の−OCO−若しくは−COO−で表される官能基で分断又は−OHで置換されていてもよい直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、又は脂肪族アシルオキシ(ポリエトキシ)エチル基を示し、R12は炭素数1〜22のアルキル基、若しくはヒドロキシアルキル基、又は合計付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、2個のR12は同一でも異なってもよい。〕
【0024】
一般式(8)で表される3級アミン化合物としては、3級アミンを有機酸及び/又は無機酸によって塩としたものを用いてもよいし、本発明の毛髪化粧料に酸を配合して、pH調整と共に組成物中で塩を形成させてもよい。かかる酸としては、例えば、アルキルリン酸、アルキルスルホン酸、アルキル硫酸等の短鎖アルキル基を有する酸;L-グルタミン酸、L-アスパラギン酸等の酸性アミノ酸;ピログルタミン酸;安息香酸、p-トルエンスルホン酸等の芳香族酸;グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、パントテン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ酸;その他リン酸、塩酸、酢酸、コハク酸などが挙げられる。中でも毛髪に対する保湿及び柔軟化効果をもたらす点から、有機酸が好ましく、特に、酸性アミノ酸、ピログルタミン酸、ヒドロキシ酸が好ましく、ヒドロキシ酸がより好ましい。
【0025】
成分(B)のカチオン界面活性剤のより具体的な例としては、例えば、以下の(i)〜(iii)の3級アミン化合物(またはその塩)等の少なくともいずれか1つが挙げられる。
【0026】
(i)ヒドロキシエーテルアルキルアミン(またはその塩)
例えば下記一般式(12)で表される化合物及びその塩が挙げられる。
【0027】
【化2】

【0028】
〔一般式(12)中、R17は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R18及びR19は、同一又は相異なって炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)H(Aは炭素数2〜4のアルキレン基、fは1〜6の数を示し、f個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である)を示す。eは1〜5の数を示す。〕
具体的には、ヘキサデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンおよびその塩、オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンおよびその塩が挙げられる。
【0029】
(ii)エーテルアミン(またはその塩)
例えば下記一般式(13)で表される化合物またはその塩が挙げられる。
【0030】
【化3】

【0031】
〔上記一般式(13)中、R20は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R21及びR22は、同一又は相異なって炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)H(Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、gは1〜6の数を示し、g個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である)を示す。〕
具体的には、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミンおよびその塩、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンおよびその塩が挙げられる。
【0032】
(iii)アルキルアミドアミン(またはその塩)
例えば下記一般式(14)で表される化合物またはその塩が挙げられる。
【0033】
【化4】

【0034】
〔上記一般式(14)中、R23は炭素数11〜23の脂肪族炭化水素基を示し、R24は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは2〜4の数を示す。〕
具体的には、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミドおよびその塩、N−(3−ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミドおよびその塩が挙げられる。
【0035】
上記の3級アミン化合物から選ばれる好ましいカチオン界面活性剤としては、塗布時、すすぎ時の滑らかさの観点から(ii)エーテルアミン(またはその塩)または(iii)アルキルアミドアミン(またはその塩)が好ましい。
【0036】
その中でも特に、(ii)エーテルアミン(またはその塩)が好ましく、特にN,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミンまたはその塩、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンまたはその塩が好ましい。
【0037】
成分(B)の3級アミンから選ばれるカチオン界面活性剤は、1種または2種以上を併用しても良い。塗布時からすすぎ時までの滑らかさ、指通りの良さ、ツヤの付与の点から、成分(B)の含有量は、本発明の毛髪化粧料の0.1〜15質量%が好ましい。更には0.2〜10質量%、特に0.5〜5質量%が好ましい。
【0038】
(成分(C))
成分(C)の水酸基が1である高級アルコールとしては、炭素数12〜28のアルキル基を有するものが好ましく、更には炭素数16〜24、特に18〜22のアルキル基を有するものが好ましく、またこのアルキル基は直鎖アルキル基であるのが好ましい。具体的には、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられ、特にステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが好ましい。
高級アルコールは、水酸基を1つ含むものであり、水酸基を2以上含まない。
【0039】
成分(C)の水酸基が1である高級アルコールは、1種または2種以上を併用してもよく、またその含有量は、本発明の毛髪化粧料の0.1〜20質量%が好ましく、滑らかさ、使いやすさ、安定性等の向上の点から、0.5〜15質量%以下、特に1〜10質量%が好ましい。
【0040】
(成分(D))
成分(D)のポリジメチルシロキサンは、一般式(I)で表されるものが好ましい。
(CHSiO−[(CHSiO]−Si(CH (I)
〔一般式(I)中、Rはメチル基又はヒドロキシル基を示し、aは10〜20000の数を示す。〕Rがメチル基である場合は、aは500〜10000、特に1000〜5000が好ましい。
【0041】
各種のポリジメチルシロキサンが使用できるが、市販品としては、DOW CORNING TORAY BY11−026、BY22−060(東レ・ダウコーニング製)、KF−9008、KF−9013(信越化学工業社製)等が挙げられる。
具体的には、以下の式で示されるものである。
(CHSiO−[(CHSiO]−Si(CH (aは100〜20000の数を示す。)
ポリジメチルシロキサンは、液状油(例えば、低重合ポリジメチルシロキサンオイル、環状シリコーン等の液状シリコーンオイル、またイソパラフィン等の液状炭化水素油)に溶解又は分散したものを使用することができる。
【0042】
成分(D)のポリジメチルシロキサンの含有量は、毛髪に滑りを与える観点から、本発明の毛髪化粧料の0.01質量%以上、15質量%以下が好ましい。中でも、良好なコンディショニング効果、安定性等の向上の点から、0.05〜15質量%、特に0.1〜10質量%が好ましい。なかでも0.1〜0.8質量%が好ましい。
【0043】
成分(A)と成分(D)との質量割合は、(A)/(D)=0.01〜2であることが好ましい。中でも、0.02〜1であることが好ましい。特にべたつきの観点から0.05〜0.3であることが好ましい。成分(D)のポリジメチルシロキサンに対し、成分(A)を少量含有させることにより、ダメージを受けた毛髪であっても、塗布時やすすぎ時の軽やかな滑り、乾燥後のツルツルした滑り、柔らかさ、まとまりを付与することができ、また、髪が束になることやべたつきを抑制することができる。成分(A)と成分(D)との質量割合を上記範囲とすることは、一般式(1)で表される成分(A)のRが直鎖状のアルキル基の場合、乾燥後の柔らかさの点で好ましく、一般式(1)で表される成分(A)のRが分岐状のアルキル基の場合、塗布、すすぎ時のツルツルした滑り、乾燥後の柔らかさの点から好ましい。
【0044】
本発明の毛髪化粧料は、成分(A)と(C)とを含み、他の配合成分、及び水を含む組成物に、成分(B)と(D)とを別々に添加する製造方法、又は、あらかじめ成分(B)と(D)とを互いに溶解させたシリコーン相を添加する製造方法のどちらでも良いが、特に、あらかじめ成分(B)と(D)とを互いに溶解させたシリコーン相を添加する製造方法が好ましい。これにより、塗布時やすすぎ時の軽やかな滑り、乾燥後の軽い滑り、柔らかさ、べたつきのなさを付与することができる。
【0045】
成分(E)水の含有量は、本発明の毛髪化粧料の35質量%以上、99質量%以下が好ましい。中でも、45質量%以上、95質量%以下が好ましい。
【0046】
さらに、本発明の毛髪化粧料には、特定の有機溶剤(F)を含むことができる。特定の有機溶剤として、具体的には、次の(f1)〜(f6)から選ばれる1以上の有機溶剤が用いられる。
(f1):下記一般式(2)で表される化合物
【0047】
【化5】

【0048】
〔上記一般式(2)中、Rは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または基R26−Ph−R27(R26:水素原子、メチル基またはメトキシ基、R27:結合手または炭素数1〜3の飽和もしくは不飽和の二価の炭化水素基、Ph:フェニレン基)を示し、YおよびZは、それぞれ独立して、水素原子または水酸基を示し、p、qおよびrは、それぞれ独立して、0〜5の整数を示す。ただし、p=q=0であるときは、Rは水素原子および基R26−Ph−R27のいずれでもなく、Zは水酸基である。〕
ただし、(f1)は、成分(C)(炭素数12〜28であり、水酸基が1である高級アルコール)は含まない。
(f2):窒素原子に炭素数1〜18のアルキル基が結合したN−アルキルピロリドン
(f3):炭素数2〜4のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート
(f4):分子量100〜5000のポリプロピレングリコール
(f5):下記一般式(3)、(4)または(5)で表されるラクトンまたは環状ケトン
【0049】
【化6】

【0050】
〔上記一般式(3)〜(5)中、Xは、メチレン基または酸素原子を示し、RおよびRは、相異なる置換基を示し、aおよびbは、それぞれ独立して、0または1を示す。〕
【0051】
(f6):下記一般式(6)で表されるジオール類
【0052】
【化7】

【0053】
〔上記一般式(6)中、sおよびtはそれぞれ独立して0〜6の整数を示す。ただし、s=0の場合、tは1以上であり、t=0の場合sは1以上である。〕
【0054】
本発明において、成分(F)である有機溶剤のうち、(f1)としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p−アニシルアルコール、p−メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン等が挙げられる。
【0055】
(f2)としては、N−メチルピロリドン、N−オクチルピロリドン、N−ラウリルピロリドン等が挙げられる。
【0056】
(f3)としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
【0057】
(f4)のポリプロピレングリコールとしては、毛髪に塗布した後にすすぐ時の滑らか感と柔軟性の観点で、分子量100〜1000のものが好ましい。
【0058】
(f5)において、上記一般式(3)〜(5)中のRおよびRとしては、直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシ基、フェニル基、スルホアルキル基、リン酸アルキル基、カルボキシアルキル基等が好ましく、中でも、γ−ラクトンの場合にはγ位、δ−ラクトンの場合にはδ位(すなわちヘテロ酸素原子の隣接メチレン)に置換した、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が好ましい。
【0059】
また、上記一般式(3)〜(5)に示した化合物の水溶性を増大させたい場合には、RまたはRとして、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシ基等の酸性基やこれらが置換したアルキル基を有するのが好ましい。
【0060】
(f5)のうち、ラクトンとしては、γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、δ−ヘプタノラクトン等が挙げられるが、ラクトンの安定性の点から、γ−ラクトン、特にγ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトンが好ましい。
【0061】
(f5)のうち、環状ケトンとしては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、4−メチルシクロヘプタノン等が挙げられる。
【0062】
(f6)としては、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール等が好ましい。
【0063】
中でも成分(F)として、ツヤやまとまりといった仕上がりの観点からベンジルアルコール、2−ベンジルオキシエタノール、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよび1,3−ブタンジオールが好ましい。
【0064】
成分(F)は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、本発明の毛髪化粧料中の0.01質量%以上、ツヤやまとまりといった仕上がりの観点から50質量%以下が好ましく、さらには0.1〜35質量%、特に0.5〜10質量%が好ましい。
【0065】
さらに、本発明の毛髪化粧料には、特定の有機酸(G)を含むことができる。
かかる有機酸としては、炭素数10以下の有機酸が好ましく、アルキルリン酸、アルキルスルホン酸、アルキル硫酸等の炭素数10以下の短鎖アルキル基を有する酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族酸、ヒドロキシ酸、ジカルボン酸等が挙げられる。
【0066】
このうち、ヒドロキシ酸の具体例としては、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、パントテン酸等のヒドロキシモノカルボン酸、リンゴ酸、酒石酸等のヒドロキシジカルボン酸、クエン酸等のヒドロキシトリカルボン酸が挙げられる。
【0067】
ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸等が挙げられる。
【0068】
毛髪に対する保湿および柔軟化効果をもたらすという点から、ヒドロキシモノカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸、ジカルボン酸、酸性アミノ酸が好ましい。中でも、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸が好ましい。さらに好ましくは、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、グルタミン酸が好ましい。リンゴ酸、乳酸、グルタミン酸およびグリコール酸からなる群から選択される一種以上の有機酸を含むことがより一層好ましい。なお、本発明において、グルタミン酸は、ピロリドンカルボン酸中の不純物として、毛髪化粧料中に配合されてもよい。
【0069】
これら成分(G)は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。成分(G)の含有量は、ツヤやまとまりといった毛髪の仕上がり感向上の観点から、本発明の毛髪化粧料中に0.1〜5質量%が好ましい。更には0.2〜3質量%、特に0.5〜2質量%が好ましい。
【0070】
本発明の毛髪化粧料は、毛髪にツヤ、柔軟性、まとまり、しなやかさを付与する観点より、毛髪に適用する際のpH(水で20質量倍に希釈時、25℃)が2以上、5以下であるのが好ましく、さらにpH2.5〜4、特にpH3〜4であるのが好ましい。
【0071】
本発明の毛髪化粧料には、毛髪に与える感触を更に向上させるため、成分(A)、(D)以外のシリコーン類及び油剤から選ばれるコンディショニング剤を含むことができる。
【0072】
成分(A)、(D)以外のシリコーン類としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
【0073】
(シリコーン類-1)アミノ変性シリコーン
各種のアミノ変性シリコーンが使用できるが、特に平均分子量が約3000〜100000の、アモジメチコーン(Amodimethicone)の名称でCTFA辞典(米国,Cosmetic Ingredient Dictionary)第3版中に記載されているものが好ましい。このアミノ変性シリコーンは水性乳濁液として用いるのが好ましく、市販品としては、SM8704C〔東レ・ダウコーニング(株)〕、DC 929〔ダウ・コーニング社〕等が挙げられる。
【0074】
その他のアミノ変性シリコーンとしては、例えば一般式(15)で表されるような化合物が挙げられ、市販品としては、ダウ・コーニング社の「8500 Conditioning Agent」(CAS No.237753−63−8)が挙げられる。
【0075】
【化8】

【0076】
〔上記一般式(15)中、R25は炭素数13〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、Xのうち75%は基−CHCH(OH)CHOHを、25%は水素原子を示す。〕
【0077】
アミノ変性ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体の好ましい例としては、下記一般式(16)で表されるものが挙げられる。
【0078】
【化9】

【0079】
〔上記一般式(16)中、bは2以上の整数を示し、cは1以上の整数を示し、dは4以上の整数を示し、eは0〜30の整数を示し、fは2以上の整数を示す。〕
【0080】
上記一般式(16)において、好ましくは、bは2〜1,000の数、cは1〜50の数、dは4〜200の数、fは2〜100の数を示す。また、−O(CO)(CO)−はブロック共重合体及びランダム共重合体のいずれであってもよい。市販品としては、東レ・ダウコーニング(株)のFZ−3789、シリコーンSS−3588を挙げることができる。
【0081】
(シリコーン類-2)その他のシリコーン類
上記以外に、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
【0082】
これらシリコーン類は、2種以上を併用することもでき、またその含有量は、髪の滑らかさ、指通りの良さ、ツヤの付与の点から、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜5質量%が好ましく、更には0.05〜1質量%、特に0.1〜0.5質量%が好ましい。
【0083】
油剤とは、シリコーン類を除く油性物質をいい、例えば、スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素類;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2−エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル類;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸類、その他イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどが挙げられる。これらのうち、エステル類が好ましく、特に2−エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル等が好ましい。これら油剤は、2種以上を併用することもでき、その含有量は、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜15質量%が好ましく、更には0.05〜10質量%、特に0.1〜7質量%が好ましい。
【0084】
本発明の毛髪化粧料には、上記成分のほか、通常の毛髪化粧料に用いられる成分を目的に応じて適宜配合できる。このような成分としては、例えばソルビトール、パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、粘土鉱物等の粘度調整剤;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、クエン酸等のpH調整剤:植物エキス類;パール化剤;香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ〔ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS)〕に記載されている成分等が挙げられる。
【0085】
本発明の毛髪化粧料は、水溶液、エタノール溶液、エマルション、サスペンション、ゲル、液晶、固形、エアゾール等の所望の形態にすることができ、たとえばヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアクリーム、コンディショニングムース、ヘアムース、ヘアスプレー、リーブオントリートメント等に適用できる。特にヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント等の洗い流して使用する剤形として好適である。
【0086】
本発明の毛髪化粧料によれば、健常毛だけでなく、ダメージを受けた毛髪であっても、毛髪が濡れた状態での軽やかな滑り、ツルツルした滑り、乾燥後、軽い滑り感、まとまり感、髪が束にならない、べたつきのなさ、ツヤを付与することができる。
【実施例】
【0087】
以下、例中の%は、特記しない限り質量%である。
以下の実施例および比較例で用いた(A)両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(成分(a1〜a4)、一般式(1))
(R)SiO−(RSiO)−(RSiO)−Si(R) (1)
〔上記一般式(1)中,Rは炭素数12〜50の直鎖または分岐のアルキル基、Rは置換または非置換の炭素数1〜6の1価の炭化水素基、Rは3−アミノプロピル基または、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基を表し、xは1〜2000、yは1〜100の整数である。〕
におけるR、R、R、x、y、窒素含有量(質量%)、粘度をまとめて表1、表2に示す。
両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a1)〜(a4)は、Rがいずれも直鎖、また、(a5)、(a6)は、Rが分岐状である。
【0088】
これらの両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサンの製造方法は以下の様である。
(両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a1))
まず、一般式:R(CH−SiO−((CHSiO)20−Si(CH (17)
〔上記一般式(17)中,Rは炭素数16〜18の直鎖アルキル基である。〕
で表されるアルキル変性ポリオルガノシロキサンを合成した。
具体的には、1−ヘキサデセンと1−オクタデセンの混合物(出光興産社製リニアレン168)100部および1%塩化白金酸イソプロパノール溶液0.2部を攪拌しながら70℃まで昇温した。次いで、下記一般式(II)で表される両末端ハイドロジェンポリオルガノシロキサン300部を70〜80℃で滴下した。滴下終了後、80℃で1時間攪拌を行い、赤外吸収スペクトルでSi−Hのピークが消失したことを確認して反応を終了した。
一般式(II):H(CH−SiO−((CHSiO)20−Si(CH
このようにして、粘度0.030Pa・s(No.1ローター、60rpmで測定)のアルキル変性ポリオルガノシロキサンを得た。
得られたアルキル変性ポリオルガノシロキサン71部、オクタメチルシクロテトラシロキサン633部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン46部を、攪拌を行いながら90℃まで昇温した。次いで、27%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を有効成分で90ppm添加し、90℃で3時間平衡化反応を行った。最後に、減圧下で低分子量のシロキサンを留去して、窒素含有量0.96%、粘度2,100mPa・s(No.4ローター、60rpmで測定)の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a1)を得た。
【0089】
(両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a2))
一般式(17)で表されるアルキル変性ポリオルガノシロキサンを50部、オクタメチルシクロテトラシロキサンを669部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランを32部に変更した以外は、(a1)の製造法と同様にして窒素含有量0.62%、粘度3,500mPa・s(No.4ローター、60rpmで測定)の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a2)を得た。
【0090】
(両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a3))
一般式(17)で表されるアルキル変性ポリオルガノシロキサンを32部、オクタメチルシクロテトラシロキサンを707部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランを11部に変更した以外は、(a1)の製造法と同様にして窒素含有量0.22%、粘度19,000mPa・s(No.4ローター、6rpmで測定)の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a3)を得た。
【0091】
(両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a7))
一般式(17)で表されるアルキル変性ポリオルガノシロキサンを74部、オクタメチルシクロテトラシロキサンを651部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランを25部に変更した以外は、(a1)の製造法と同様にして窒素含有量0.49%、粘度1,200mPa・s(No.3ローター、30rpmで測定)の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a7)を得た。
【0092】
(両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a4))
一般式:R(CH−SiO−((CHSiO)20−Si(CH (18)
(式中,Rは炭素数20〜28の直鎖アルキル基である。)
で表されるアルキル変性ポリオルガノシロキサンを35部、オクタメチルシクロテトラシロキサンを705部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランを11部に変更した以外は、(a1)の製造法と同様にして窒素含有量0.20%、粘度10,000mPa・s(No.3ローター、60rpmで測定)の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a4)を得た。
【0093】
(両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a5))
一般式:R(CH−SiO−((CHSiO)20−Si(CH (19)
(式中,Rは下記構造(式(20))で示されるアルキル基である。)
で表されるアルキル変性ポリオルガノシロキサンを102部、オクタメチルシクロテトラシロキサンを628部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランを19部に変更した以外は、(a1)の製造法と同様にして窒素含有量0.40%、粘度700mPa・s(No.3ローター、60rpmで測定)の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a5)を得た。
【0094】
【化10】

【0095】
(両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a6))
一般式(19)で表されるアルキル変性ポリオルガノシロキサンを46部、オクタメチルシクロテトラシロキサンを631部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランを74部に変更した以外は、(a1)の製造法と同様にして窒素含有量0.91%、粘度1,300mPa・s(No.3ローター、60rpmで測定)の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(a6)を得た。
【0096】
【表1】

【0097】
【表2】

【0098】
表1、2中の、粘度、窒素含有量は、前記実施形態で述べた方法で測定したものである。
すなわち、窒素含有量は、両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物に含まれる窒素原子としての含有量であり、中和滴定により測定した。
任意のサンプル量(0.5〜10g)を約10倍量のイソプロピルアルコールとトルエンの混合溶液(1:1[vol%])に溶解する。指示薬として、テトラブロムフェノールフタレインエチルエステルカリウムを添加し、過塩素酸水溶液にて中和滴定を行う。採取したサンプル量、過塩素酸水溶液の規定度および消費量より、両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物中の窒素原子としての含有量を算出した。
また、粘度は、ビスメトロン粘度計(芝浦システム(株)製)を使用して、25℃における両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物の粘度を測定した。
また、x、yは製造時の仕込み量から算出したものである。
【0099】
(実施例1〜18、比較例1〜11)
両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(成分(A))として(a1)〜(a6)のいずれか一つ、成分(B)としてN,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン、オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミドの少なくともいずれか一つ、成分(C)としてステアリルアルコール、ベヘニルアルコールの少なくともいずれか一つ、成分(D)としてポリジメチルシロキサン、成分(E)として水、成分(F)として、ベンジルアルコールおよびジプロピレングリコールのうち少なくともいずれか一つ、成分(G)として乳酸を用い、表3、表4に示す組成のヘアコンディショナー剤を常法により調製した。これらのヘアコンディショナー剤について、下記の方法によりダメージ毛髪への塗布時、濯ぎ時および乾燥後の性能を評価した。結果を表3、表4に示す。
なお、表3,4の各成分の配合量は、質量%である。
【0100】
<評価方法>
ストレートパーマ1回、ブリーチ2回処理を施した日本人女性の毛髪をダメージ毛髪とし、それぞれ20g(長さ20cm、平均直径80μm)の毛髪束を、パネラー5名が次の方法で処理しながら官能評価を行った。
下記の組成の標準シャンプー3gを用いて洗浄した毛髪束に、表3、表4に示すヘアコンディショナーを2g塗付し、毛髪全体に十分に馴染ませた後、およそ30秒間約40℃の流水下ですすぎ時の評価を行った。ついで、タオルドライを行い、ドライヤーで乾燥させた後に乾燥後の評価を行った。塗布時の滑らかさ、すすぎ時の滑らかさ、すすぎ時の柔らかさ、および乾燥後の軽い滑り、柔らかさ、まとまり、髪が束にならない、べたつきのなさについて官能評価し、場合によっては、塗布時のツルツルした滑り、すすぎ時のツルツルした滑り、ツヤの有無についても追加で官能評価し、下記の基準で判定した。
・標準シャンプーの処方(pH7.0)
25%ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩 62.0%
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.3%
エデト酸二ナトリウム 0.15%
安息香酸ナトリウム 0.5%
塩化ナトリウム 0.8%
75%リン酸 適量
香料、メチルパラベン 適量
精製水 残量
・評価基準
5:5人が効果あると回答
4:4人が効果あると回答
3:3人が効果あると回答
2:2人が効果あると回答
1:1人が効果あると回答
0:効果あると回答したのは0人
【0101】
【表3】

【0102】
【表4】

【0103】
(実施例19)
下記組成のヘアコンディショナーを製造した。このヘアコンディショナーを使用した場合には、ダメージを受けた毛髪であっても、塗布時やすすぎ時の軽やかな滑り、乾燥後の軽い滑り、柔らかさ、まとまり、髪が束にならない、べたつきのなさがあるものとなった。
【0104】
<組成>
(a1) 0.20%
N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン 1.50%
乳酸 1.00%
リンゴ酸 0.20%
ステアリルアルコール 5.50%
ベンジルアルコール 0.50%
ジプロピレングリコール 2.50%
イソステアリン酸コレステリル 0.10%
ヒドロキシエチルセルロース*2 0.10%
ジメチルポリシロキサン(ポリジメチルシロキサン)*3 2.00%
ジメチルポリシロキサン(ポリジメチルシロキサン)*4 2.00%
アミノ変性シリコーン*5 0.50%
香料 適量
48質量%水酸化カリウム水溶液 適量
精製水 残量
(pH3.3)
*2 ダイセル化学工業(株)製 HECダイセル SE850K
*3 東レ・ダウコーニング(株)製 BY11−040
*4 東レ・ダウコーニング(株)製 BY11−026
*5 東レ・ダウコーニング(株)製 SM8904 COSMETIC EMULSION
【0105】
(実施例20)
下記組成の抗フケ効果のあるヘアコンディショナーを製造した。このヘアコンディショナーを使用した場合には、ダメージを受けた毛髪であっても、塗布時やすすぎ時の軽やかな滑り、乾燥後の軽い滑り、柔らかさ、まとまり、髪が束にならない、べたつきのなさがあるものとなった。さらに、抗フケ効果も確認できた。
【0106】
<組成>
(a1) 0.20%
N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン 1.50%
乳酸 1.00%
リンゴ酸 0.50%
セチルアルコール 4.00%
グリチルリチン酸ジカリウム*2 0.10%
ベンジルオキシエタノール 1.00%
パルミチン酸イソプロピル 0.50%
ハイブリッドヒマワリ油 0.50%
ヒドロキシエチルセルロース*3 0.30%
ジメチルポリシロキサン(ポリジメチルシロキサン)*4 3.00%
アミノ変性シリコーン*5 0.20%
香料 適量
48質量%水酸化カリウム水溶液 適量
精製水 残量
(pH3.7)
*2 (株)常盤植物化学研究所製 グリチノンK2
*3 ダイセル化学工業(株)製 HECダイセル SE850K
*4 東レ・ダウコーニング(株)製 BY11−040
*5 東レ・ダウコーニング(株)製 SM8904 COSMETIC EMULSION
【0107】
(実施例21)
下記組成のヘアトリートメント剤を製造した。このヘアトリートメント剤を使用した場合には、ダメージを受けた毛髪であっても、塗布時やすすぎ時の軽やかな滑り、乾燥後の軽い滑り、柔らかさ、まとまり、髪が束にならない、べたつきがないものとなった。
【0108】
<組成>
(a2) 0.50%
N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン 2.50%
乳酸 1.20%
リンゴ酸 0.20%
ステアリルアルコール 8.00%
ベンジルアルコール 1.00%
ジプロピレングリコール 5.00%
18−メチルエイコサン酸*2 0.10%
ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 0.30%
ポリプロピレングリコール*3 0.20%
ジメチルポリシロキサン(ポリジメチルシロキサン)*4 3.00%
ジメチルポリシロキサン(ポリジメチルシロキサン)*5 2.00%
アミノ変性シリコーン*6 0.50%
(ビスイソブチルPEG−15/アモジメチコン)コポリマー*7 0.20%
香料 適量
48質量%水酸化カリウム水溶液 適量
精製水 残量
(pH3.3)
*2 クローダジャパン(株)製 クロダシッド18MEA
*3 ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製 ポリオックスWSR N−60K
*4 東レ・ダウコーニング(株)製 BY11−040
*5 東レ・ダウコーニング(株)製 BY11−026
*6 東レ・ダウコーニング(株)製 SM8904 COSMETIC EMULSION
*7 東レ・ダウコーニング(株)製 DOW CORNING TORAY SS−3588
【0109】
(実施例22)
下記組成のヘアトリートメント剤を製造した。このヘアトリートメント剤を使用した場合には、ダメージを受けた毛髪であっても、塗布時やすすぎ時の軽やかな滑り、ツルツルした滑り、乾燥後の軽い滑り、柔らかさ、まとまり、髪が束にならない、べたつきのなさがあり、ツヤがあるものとなった。さらに、髪のべたつきのなさも確認できた。
【0110】
<組成>
(a6) 0.50%
N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン 2.50%
乳酸 1.20%
リンゴ酸 0.20%
ステアリルアルコール 8.00%
ベンジルアルコール 1.00%
ジプロピレングリコール 5.00%
18−メチルエイコサン酸*2 0.10%
ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 0.30%
ポリプロピレングリコール*3 0.20%
ジメチルポリシロキサン(ポリジメチルシロキサン)*4 3.00%
ジメチルポリシロキサン(ポリジメチルシロキサン)*5 2.00%
アミノ変性シリコーン*6 0.50%
(ビスイソブチルPEG−15/アモジメチコン)コポリマー*7 0.20%
香料 適量
48質量%水酸化カリウム水溶液 適量
精製水 残量
(pH3.3)
*2 クローダジャパン(株)製 クロダシッド18MEA
*3 ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製 ポリオックスWSR N−60K
*4 東レ・ダウコーニング(株)製 BY11−040
*5 東レ・ダウコーニング(株)製 BY11−026
*6 東レ・ダウコーニング(株)製 SM8904 COSMETIC EMULSION
*7 東レ・ダウコーニング(株)製 DOW CORNING TORAY SS−3588

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(D):
(A)下記一般式(1)で表される両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン
(R)SiO−(RSiO)−(RSiO)−Si(R) (1)
〔上記一般式(1)中,Rは炭素数12〜50の直鎖または分岐のアルキル基、Rは置換または非置換の炭素数1〜6の1価の炭化水素基、Rは3−アミノプロピル基または、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基を表し、xは1〜2000、yは1〜100の整数である。〕 0.01〜15質量%
(B)3級アミン化合物から選ばれる1種または2種以上のカチオン界面活性剤 0.1〜15質量%
(C)炭素数12〜28であり、水酸基が1である高級アルコール 0.1〜20質量%
(D)ポリジメチルシロキサン 0.01〜15質量%、及び
(E)水
を含有し、両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサンの窒素含有量が0.31〜2質量%である毛髪化粧料。
【請求項2】
前記成分(A)と前記成分(D)との質量割合が(A)/(D)=0.01〜2である請求項1記載の毛髪化粧料。
【請求項3】
前記成分(A)の前記一般式(1)中、xとyの比率が、y/x=0.003〜0.1である請求項1または2記載の毛髪化粧料。
【請求項4】
前記成分(A)の前記一般式(1)中、Rが炭素数12〜50の直鎖状のアルキル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
【請求項5】
前記成分(A)の前記一般式(1)中、Rが炭素数12〜50の分岐状のアルキル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
【請求項6】
前記成分(B)がヒドロキシエーテルアルキルアミンおよびその塩、エーテルアミンおよびその塩、アルキルアミドアミン及びその塩のうち少なくともいずれか一つである請求項1〜5のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
【請求項7】
さらに、下記成分(F)を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
(F):次の(f1)〜(f6)から選ばれる有機溶剤
(f1):下記一般式(2)で表される化合物
【化1】

〔上記一般式(2)中、Rは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または基R26−Ph−R27(R26:水素原子、メチル基またはメトキシ基、R27:結合手または炭素数1〜3の飽和もしくは不飽和の二価の炭化水素基、Ph:フェニレン基)を示し、YおよびZは、それぞれ独立して、水素原子または水酸基を示し、p、qおよびrは、それぞれ独立して、0〜5の整数を示す。ただし、p=q=0であるときは、Rは水素原子および基R26−Ph−R27のいずれでもなく、Zは水酸基である。〕
(f2):窒素原子に炭素数1〜18のアルキル基が結合したN−アルキルピロリドン
(f3):炭素数2〜4のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート
(f4):分子量100〜5000のポリプロピレングリコール
(f5):下記一般式(3)、(4)または(5)で表されるラクトンまたは環状ケトン
【化2】

〔上記一般式(3)〜(5)中、Xは、メチレン基または酸素原子を示し、RおよびRは、相異なる置換基を示し、aおよびbは、それぞれ独立して、0または1を示す。〕
(f6):下記一般式(6)で表されるジオール類
【化3】

〔上記一般式(6)中、sおよびtはそれぞれ独立して0〜6の整数を示す。ただし、s=0の場合、tは1以上であり、t=0の場合sは1以上である。〕
【請求項8】
更に、(G)有機酸を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
【請求項9】
水で20質量倍に希釈した時のpHが2〜5である請求項1〜8のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。

【公開番号】特開2011−132217(P2011−132217A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255556(P2010−255556)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【出願人】(000221111)モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 (257)
【Fターム(参考)】