説明

毛髪化粧料

【課題】毛髪にハリを与え、仕上がったヘアスタイルを保持すると共に、ヘアスタイルを整える場合にも手櫛やブラシにより容易に整髪可能な毛髪化粧料の提供。
【解決手段】(A)第3級アミン化合物またはその塩、(B)式(1)で表される分岐脂肪酸またはその塩


(RはMe、Et基、nは8〜30)、(C)式(2)のアミノ変性オルガノポリシロキサン(R)SiO−(RSiO)−(RSiO)−Si(R)(2)(Rはアルキル基、Rは1価の炭化水素基、Rは3−アミノプロピル基、またはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、xは1〜2000、yは1〜100)、(D)式(3)のノニオン界面活性剤RO−(PO)m−R(3)(Rはアルキル基またはアルケニル基、POはプロピレンオキシ基、mは1〜5、RはH、Me基)及び水を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化学処理、ドライヤー乾燥、日々のヘアケア行動により、毛髪が損傷・疲労破壊し、毛髪キューティクルの乱れ、ぱさつき、ごわつきを生じている。その結果、湿潤時から乾燥後までの滑らかさや柔軟性などの感触が低下し、さらに仕上がった毛髪に対する不満が生じている。
【0003】
特許文献1〜3には、毛髪化粧料のコンディショニング効果を高めることが記載されている。
特許文献1では、カチオン性界面活性剤、特定の構造を有するアミノ変性シリコーンを組み合わせた毛髪化粧料が軽い滑り感と重くない感じのまとまり感を付与するとされている。
また、特許文献2では、エーテル型の第3級アミン化合物を有するコンディショニング剤が毛髪の湿潤時から乾燥後まで良好な柔軟性及びすべり性を付与することができ、湿潤時の油性感にも優れるとされている。
特許文献3では、エーテル型の第3級アミン化合物と芳香族アルコール、分岐脂肪酸を組み合わせた毛髪化粧料が毛髪の損傷・疲労破壊を修復又は抑止し、湿潤時から乾燥後まで良好な柔軟性としなやかな感触を付与するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−143859号公報
【特許文献2】特開2004−2261号公報
【特許文献3】特開2007−176923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献記載の技術は、以下の点で改善の余地を有していた。
特許文献1〜3のように、カチオン界面活性剤と他の成分を組み合わせることで、湿潤時から乾燥後の使用感を良好にする為、毛髪の柔軟性やすべり性を与えているが、ヘアスタイルを整える上で必要な乾燥後の仕上がった毛髪にハリを向上させる改質改善効果は得ることはできていない。また、これらの技術では、乾燥後の仕上がった毛髪に柔軟性が得られる反面、毛髪が頭皮にはりつき、毛束を生じる場合があり、なお改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、第3級アミン化合物またはその塩、特定の分岐脂肪酸、特定の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン、特定のノニオン界面活性剤、とを組み合わせた毛髪化粧料を用いることで、毛束になりにくい上に、毛髪にハリが付与され、毛髪が頭皮にはりつくことを抑制する。また、仕上がったヘアスタイルを保持すると共に、ヘアスタイルを整える場合にも手櫛やブラシにより容易に整髪可能であることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、
次の成分(A)〜(D):
(A)第3級アミン化合物またはその塩
(B)一般式(1)で表される分岐脂肪酸またはその塩
【0008】
【化1】

(式(1)中、Rはメチル基またはエチル基、nは8〜30の整数をそれぞれ示す。)
【0009】
(C)一般式(2)で表される両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン
(R)SiO−(RSiO)−(RSiO)−Si(R) (2)
(式(2)中、Rは炭素数12〜30の直鎖または分岐のアルキル基、Rは置換または非置換の炭素数1〜6の1価の炭化水素基、Rは3−アミノプロピル基、またはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基をそれぞれ示し、xは1〜2000、yは1〜100の整数である。)
(D)一般式(3)で表されるポリオキシプロピレンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤
O−(PO)m−R (3)
(式(3)中、Rは炭素数8〜12の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基、POはプロピレンオキシ基、mは1〜5の平均付加モル数、Rは水素原子またはメチル基をそれぞれ示す)
及び水を含有する毛髪化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、毛髪にハリを与え、仕上がったヘアスタイルを保持すると共に、ヘアスタイルを整える場合にも手櫛やブラシにより容易に整髪可能な毛髪化粧料が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の毛髪化粧料について説明する。
【0012】
(A)第3級アミン化合物またはその塩
成分(A)としては、下記一般式(11)で表される第3級アミン化合物が挙げられる。
【0013】
【化2】

【0014】
(式中、R11は総炭素数8〜35の−OCO−若しくは−COO−で表される官能基で分断又は−OHで置換されていてもよい直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、又は脂肪族アシルオキシ(ポリエトキシ)エチル基を示し、R12は炭素数1〜22のアルキル基、若しくはヒドロキシアルキル基、又は合計付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、2個のR12は同一でも異なってもよい。)
【0015】
一般式(11)で表される第3級アミン化合物としては、第3級アミンを有機酸及び/又は無機酸によって塩としたものを用いてもよいし、本発明の毛髪化粧料に酸を配合して、pH調整剤と共に組成物中で塩を形成させてもよい。かかる酸としては、例えば、アルキルリン酸、アルキルスルホン酸、アルキル硫酸等の短鎖アルキル基を有する酸;L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸等の酸性アミノ酸;ピログルタミン酸;安息香酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族酸;グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、パントテン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ酸;その他リン酸、塩酸、酢酸、コハク酸などが挙げられる。中でも毛髪に対する保湿及び柔軟化効果をもたらす点から、有機酸が好ましく、特に、酸性アミノ酸、ピログルタミン酸、ヒドロキシ酸が好ましく、ヒドロキシ酸がより好ましい。
【0016】
成分(A)のより具体的な例としては、例えば、以下の(i)〜(iii)の第3級アミン化合物(またはその塩)等の少なくともいずれか1つが挙げられる。
【0017】
(i)ヒドロキシエーテルアルキルアミン(またはその塩)
例えば下記一般式(12)で表される化合物及びその塩が挙げられる。
【0018】
【化3】

【0019】
(式中、R17は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R18及びR19は、同一又は相異なって炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)H(Aは炭素数2〜4のアルキレン基、fは1〜6の数を示し、f個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である)を示す。eは1〜5の数を示す。)
【0020】
具体的には、ヘキサデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンおよびその塩、オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンおよびその塩が挙げられる。
【0021】
(ii)エーテルアミン(またはその塩)
例えば下記一般式(13)で表される化合物またはその塩が挙げられる。
【0022】
【化4】

【0023】
(式中、R20は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R21及びR22は、同一又は相異なって炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)H(Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、gは1〜6の数を示し、g個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である)を示す。)
【0024】
具体的には、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミンおよびその塩、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンおよびその塩が挙げられる。
【0025】
(iii)アルキルアミドアミン(またはその塩)
例えば下記一般式(14)で表される化合物またはその塩が挙げられる。
【0026】
【化5】

【0027】
(式中、R23は炭素数11〜23の脂肪族炭化水素基を示し、R24は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは2〜4の数を示す。)
【0028】
具体的には、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミドおよびその塩、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアロアミドおよびその塩が挙げられる。
【0029】
上記の第3級アミン化合物から選ばれる好ましい成分(A)としては、塗布時、すすぎ時の滑らかさの観点から(ii)エーテルアミン(またはその塩)、(iii)アルキルアミドアミン(またはその塩)が好ましい。
【0030】
その中でも、(ii)エーテルアミン(またはその塩)がより好ましく、特にN,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミンまたはその塩、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンまたはその塩が好ましい。
【0031】
成分(A)は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよく、またその含有量は、塗布時からすすぎ時までの滑らかさ、指通りの良さ、ツヤの付与の観点から、本発明の毛髪化粧料中の0.1〜15質量%が好ましく、0.2〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい。
【0032】
(B)一般式(1)で表される分岐脂肪酸またはその塩
【0033】
【化6】

(式(1)中、Rはメチル基またはエチル基、nは8〜30の整数をそれぞれ示す。)
【0034】
成分(B)の分岐脂肪酸は、例えば、LIPIDS,vol.23,No.9,878〜881(1988)の記載に従い、毛髪等から分離、抽出することもできるが、特開平4−173719号公報、またはWO98/30532パンフレットに従って合成することもできる。
【0035】
成分(B)は、毛髪にべたつきを抑制する、毛髪が束にならない、髪がぱさつかず、良好なしっとり感と髪のまとまりに優れる観点から、式(1)中、総炭素数が12〜35、更には総炭素数が14〜22が好ましく、特に毛髪が束にならない、良好なしっとり感の観点で総炭素数が16〜22であるものが好ましく、具体的には、18−メチルエイコサン酸、14−メチルペンタデカン酸、14−メチルヘキサデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、16−メチルオクタデカン酸、17−メチルオクタデカン酸、17−メチルノナデカン酸、ラノリン脂肪酸が挙げられる。また、式(1)中、nは10〜18の整数が好ましく、12〜18の整数がより好ましい。
【0036】
また、この分岐脂肪酸の塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の有機アミン塩;リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。
【0037】
この中でも、べたつき感を抑制しつつ、しっとり感を得られる観点から、18−メチルエイコサン酸、ラノリン脂肪酸及びその塩が好ましい。
【0038】
抽出品としては、ラノリンからの抽出物、すなわちラノリン脂肪酸が挙げられる。ラノリン脂肪酸は、イソ脂肪酸、アンテイソ脂肪酸と呼ばれるメチル分岐長鎖脂肪酸を50重量%程度含有する。具体的には、クロダシッド18−MEA(クローダジャパン株式会社)、スクライロ(クローダジャパン株式会社)、FA−NH(日本精化株式会社)が挙げられる。
【0039】
成分(B)の分岐脂肪酸又はその塩は、2種以上を併用してもよい。また、合成品と抽出品を混合して使用してもよい。その含有量は、毛髪の損傷を回復又は抑制させる、べたつきを抑制する、毛髪が束にならない、良好なしっとり感が得られる観点から、本発明の毛髪化粧料中に0.01〜10重量%が好ましく、更には0.05〜5重量%が好ましい。
【0040】
(C)一般式(2)で表される両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン
(R)SiO−(RSiO)−(RSiO)−Si(R) (2)
(式(2)中、Rは炭素数12〜30の直鎖または分岐のアルキル基、Rは置換または非置換の炭素数1〜6の1価の炭化水素基、Rは3−アミノプロピル基、またはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基をそれぞれ示し、xは1〜2000、yは1〜100の整数である。)
【0041】
ここで、Rは炭素数12〜30のアルキル基であり、直鎖状でも分岐状でもよい。毛髪化粧料として、毛髪が濡れている状態での滑り、乾燥後の髪の柔らかさ、軽い滑り感、毛髪にべたつきを抑制する、良好なしっとり感に優れる観点を同時に付与できることから、これらの中でもRとしては炭素数16〜24のアルキル基が好ましい。特に、毛髪が束にならない、良好なしっとり感が得られる観点から、成分(C)は、25℃で液状(すなわち、25℃での粘度が、5〜100,000mPa・s)であることが好ましい。成分(C)を25℃にて液状とするためには、Rが直鎖の場合、炭素数16〜18のアルキル基が好ましく、Rが分岐の場合、炭素数16〜30アルキル基が好ましく、中でも炭素数16〜24の分岐のアルキル基が好ましい。これらの中では、特に直鎖の炭素数16〜18のアルキル基が好ましい。
【0042】
は、置換または非置換の炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、非置換の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基などの直鎖または分岐状のアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基のようなアルコキシ基、フェニル基、トリル基、ナフチル基などのアリール基、ベンジル基、β−フェニルエチル基、メチルベンジル基などのアラルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基などが挙げられる。また、置換炭化水素基としては、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのフルオロアルキル基などが挙げられる。これらの中でも、アルキル基、アリール基が好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
【0043】
は、3−アミノプロピル基またはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基である。
【0044】
成分(C)の式(2)において、複数のRは同じであっても異なっていてもよく、複数のRも同じであっても異なっていてもよい。さらに、複数のRがある場合にも、同じ基であっても異なる基であってもよい。ただし、製造性の観点からは、Rは同じ基であることが好ましい。
【0045】
xの値は、すすぎ時の指通り性、滑らか性、良好なしっとり感と髪のまとまりに優れる観点から、1以上が好ましく、毛髪が束にならない、べたつき感を抑制する観点から、2000以下が好ましい。より好ましくは、1〜1500の範囲である。yの値は、毛髪がしっとりする観点から、1以上が好ましく、毛髪の滑り性が重くならず、毛髪が束にならない観点から、100以下が好ましい。より好ましくは、1〜50の範囲である。
【0046】
さらに、毛髪への吸着性の観点から、xとyの比率は、y/x=0.003〜0.1の特定の範囲が好ましく、特に毛髪が束にならない、良好なしっとり感が得られる。特に、好ましくは、0.004〜0.05の範囲である。
【0047】
y/xを前述した特定の範囲とするためには原料となるアミノ基含有シランやアミノ基含有シリコーン化合物の量と、シリコーンモノマーの量を調整すればよい。
【0048】
成分(C)の窒素含有量は、特に毛髪が束にならない、良好なしっとり感の観点から0.31質量%以上が好ましい。また、濡れた状態や乾いた状態の毛髪の滑り感を軽く、特に毛髪が束にならない観点から、成分(C)の窒素含有量は、2質量%以下の範囲であることが好ましい。これらの中でも、0.4〜1.5質量%の範囲が好ましく、特に、0.4〜1質量%が好ましい。窒素含有量はアミノ基含有シランやアミノ基含有シリコーン化合物の量を調整することで所望の範囲とすることができる。
【0049】
成分(C)の窒素含有量は、以下のようにして算出される。
窒素含有量は、両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサンに含まれる窒素原子としての含有量であり、中和滴定により測定する。
【0050】
より具体的には、任意のサンプル量(0.5〜10g)を約10倍量のイソプロピルアルコールとトルエンの混合溶液(1:1[vol%])に溶解する。指示薬として、テトラブロムフェノールフタレインエチルエステルカリウムを添加し、過塩素酸水溶液にて中和滴定を行う。採取したサンプル量、過塩素酸水溶液の規定度および消費量より、両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物中の窒素原子としての含有量を算出する。
【0051】
また、成分(C)の25℃における粘度は、5〜100,000mPa・sであることが好ましく、なかでも、10〜50,000mPa・sが好ましい。100,000mPa・s以下とすることで、毛髪化粧料が毛髪表面に均一に広がりにくくなり、不均一な重い滑りとなってしまうことを抑制できる。一方、5mPa・s以上とすることで、毛髪に残留し、滑り性のある仕上がりを実感できる効果がある。特に、50〜9500mPa・s、さらには、500〜4000mPa・sが好ましい。
【0052】
成分(C)の粘度は、以下のようにして計測される。
両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物の粘度は、市販されている回転粘度計を使用して測定できる。市販の粘度計として、例えば、ブルックフィールド粘度計(米国ブルックフィールド社製)、ビスメトロン粘度計(芝浦システム株式会社製)が挙げられる。ここでは、ビスメトロン粘度計(芝浦システム株式会社製)を使用して、25℃における両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物の粘度を測定した。
【0053】
成分(C)が毛髪化粧料に配合される形態は、オイル、またはエマルジョンのどちらでもよい。
【0054】
成分(C)の含有量は、良好なしっとり感と髪のまとまりに優れる観点から、本発明の毛髪化粧料中で0.01質量%以上が好ましく、特に0.05質量以上%がより好ましい。毛髪に平滑性を与え、さらに毛髪にまとまりを与える観点から0.1質量%以上がさらに好ましい。また、成分(C)の含有量は、毛髪が束にならない、べたつき感を抑制する観点から、2質量%以下が好ましく、毛髪が束にならない観点から1質量%以下がより好ましく、特に0.8質量%以下がさらに好ましい。
【0055】
以上のような成分(C)は以下のようにして製造することができる。
成分(C)の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン化合物は、シリコーン化合物の一般的な製造法である平衡化反応により製造できる。すなわち、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状シロキサンをシリコーンモノマーとし、末端封鎖剤およびアミノ基含有シランまたはアミノ基含有シリコーン化合物とともに平衡化する方法である。これにより、成分(C)が製造できる。
【0056】
成分(C)の製造方法において、平衡化反応に使用される触媒は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ触媒、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム触媒、水酸化テトラブチルフォスホニウムなどの第4級フォスフォニウム触媒、および前記したこれら化合物のシラノレート類すべてが使用できる。また、平衡化反応における触媒の添加量は、0.1〜1000ppmの範囲で使用される。好ましくは、1〜500ppmである。0.1ppm未満では反応が十分に進行せず、また、1000ppmを超える量では、その量に見合った効果が得られない。
【0057】
成分(C)の製造方法において、平衡化反応における反応温度は、反応が進行する温度であれば差し支えないが、通常50〜200℃の範囲で行われ、使用する触媒に応じて、適宜反応温度が選択される。平衡化反応により、低分子量のシロキサンが生成するので、必要に応じて、減圧下あるいは常圧下で、これらシロキサン成分を留去すればよい。
【0058】
(D)一般式(3)で表されるポリオキシプロピレンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤
O−(PO)m−R (3)
(式(3)中、Rは炭素数8〜12の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基、POはプロピレンオキシ基、mは1〜5の平均付加モル数、Rは水素原子またはメチル基をそれぞれ示す)
【0059】
この中でも、毛髪にべたつきを抑制する、毛髪が束にならない、髪がぱさつかず、良好なしっとり感と髪のまとまりに優れる観点から、Rの炭素数は、好ましくは8〜10、より好ましくは8である。また、毛髪が束にならない、良好なしっとり感が得られる観点から、mは2〜4が好ましく、2.2〜3がより好ましい。
【0060】
成分(D)としては、より具体的には、ポリオキシプロピレン(3)モノオクチルエーテル(ソフケアGP−1、花王株式会社製)が挙げられる。
【0061】
成分(D)の含有量は、毛髪にハリを与え、仕上がったヘアスタイルを保持すると共に、ヘアスタイルを整える場合にも手櫛やブラシにより容易に整髪できる観点から、本発明の毛髪化粧料中で0.01質量%以上が好ましく、特に0.02質量%以上がより好ましい。仕上がったヘアスタイルを保持すると共に、ヘアスタイルを整える場合にも手櫛やブラシにより容易に整髪できる観点から0.05質量%以上がさらに好ましい。また、成分(C)の含有量は、毛髪にハリを与え、仕上がったヘアスタイルを保持すると共に、ヘアスタイルを整える場合にも手櫛やブラシにより容易に整髪できる観点から2質量%以下が好ましく、仕上がったヘアスタイルを保持する観点から1質量%以下がより好ましく、特に0.5質量%以下がさらに好ましい。
【0062】
しっとり感、油性感、保湿感と製造の観点から、成分(D)に含有されるPOの付加モル数1〜5の化合物に占める、PO付加モル数1の化合物の割合は10〜25モル%が好ましく、POの付加モル数2の化合物の割合は34〜40モル%が好ましく、PO付加モル数3の化合物の割合は20〜30モル%が好ましく、PO付加モル数4の場合の化合物の割合は9〜18モル%が好ましく、POの付加モル数5の割合は3〜9モル%が好ましい。
【0063】
POの付加モル数の分布は、後述するガスクロマトグラフィーにより求めることができる。
また、一般式(3)中に含まれる化合物として、式ROH(式中、Rは炭素数8〜12の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表わされる化合物、特に式ROH(式中、Rは炭素数8〜10の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表わされる化合物は、低臭化、保湿感、毛髪のまとまりの観点から、成分(D)中に3000ppm以下が好ましく、2000ppm以下、更に1500ppm以下、より更に1000ppm以下、特に500ppm以下が好ましい。
【0064】
本発明で用いられる成分(D)は、塩基性触媒を用い、式ROH(Rが炭素数8〜12、好ましくは8〜10の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表わされる原料アルコールに、プロピレンオキシド、又はプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを反応させた後、該原料アルコールを蒸留留去することにより得ることができ、反応時の付加させるプロピレンオキシドやエチレンオキシドの平均付加モル数は、前述の値が好ましい。
従って、成分(D)に含まれる式ROHで表わされる化合物は、原料アルコール由来のものであり、成分(D)の式ROH中のRの炭素数も8〜10となる。
【0065】
塩基性触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、ナトリウムアルコシキド等が用いられ、式ROHで表わされる原料アルコールの0.1〜5モル%が好ましく、0.1〜2モル%がより好ましい。反応温度は好ましくは80〜200℃、より好ましくは110〜160℃であり、反応圧力は0.1〜0.8MPa、より好ましくは0.1〜0.6Mpaである。
【0066】
反応物はそのまま蒸留に付すこともできるが、塩基性触媒を中和剤もしくは吸着剤等で除去してから蒸留留去に付することもできる。原料アルコールの蒸留留去とは、原料アルコールを蒸留もしくは水蒸気処理により留去するか、又は蒸留と水蒸気処理を組み合わせて留去することを意味する。水蒸気処理とは、反応組成物に水蒸気を吹き込み、水蒸気と共に原料アルコールを系外へ留去することを意味する。好ましい留去条件は次の通りである。
【0067】
温度:0〜200℃、好ましくは80〜150℃。
圧力:27kPa(200torr)以下、好ましくは6kPa(45torr)以下。
水蒸気量:反応組成物100重量部に対して0〜50重量部。
【0068】
本発明の毛髪化粧料において、毛髪にハリを与え、仕上がったヘアスタイルを保持すると共に、ヘアスタイルを整える場合にも手櫛やブラシにより容易に整髪できる観点から、成分(C)と成分(D)との質量割合(C)/(D)は、0.1〜50であることが好ましく、0.2〜30がより好ましく、仕上がったヘアスタイルを保持する観点から、0.5〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。
【0069】
本発明の毛髪化粧料は、水を含む。水は、精製水を使用することが好ましい。水の含有量は、特に限定されず、使用する目的に応じて、適宜調整して用いることができる。
【0070】
本発明の毛髪化粧料は、これら成分(A)〜(D)のうち、例えば、以下のように組み合わせることで、本発明の効果をより効果的に得られる。成分(A)がエーテルアミン、またはアミドアミン、成分(B)が18−メチルエイコサン酸、成分(C)が式(2)のRが炭素数16〜18の直鎖状両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン、成分(D)のRが炭素数8のポリオキシプロピレンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤を組み合わせたものが挙げられる。
【0071】
本発明の毛髪化粧料は、上述した、特定のノニオン界面活性剤、特定の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサンとを組み合わせた毛髪化粧料を用いることで、過剰な油剤を使用しないので、べたつきを低減しつつ、毛髪の良好なしっとり感が得られる。さらに、従来技術では、油剤を過剰に配合することにより、毛髪に荷重が加わり、思い通りのヘアスタイルが作れない場合があった。また、毛髪に残留した油剤が手や顔に付着し、不快感を引き起こすこともあった。
【0072】
これに対し、本発明の毛髪化粧料は、過剰な油剤を用いないため、このような残留油剤による問題は生じない。また、上述した、特定のノニオン界面活性剤、特定の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサンとを組み合わせた毛髪化粧料を用いることで、仕上がった毛髪にハリを与え、さらに、毛髪が束になりにくく、毛髪1本1本にばらけやすいため、ヘアスタイルづくりが容易で、素早く思い通りのヘアスタイルを作ることができる。また、特に熱処理や化学処理によって毛髪がダメージを受ける機会が多くなり、これにより毛髪のキューティクルが乱れ、ぱさつき、ごわつきが生じているという問題に対し、本発明の毛髪化粧料は、このようなダメージを受けた毛髪においても、ぱさつきのない毛髪に改善することができる。
【0073】
本発明の毛髪化粧料は、上記以外に必要に応じて、他の成分を含んでもよい。
【0074】
(その他)
本発明の毛髪化粧料には、更に洗浄性能を向上させるため、上記以外の非イオン界面活性剤、及びカチオン界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤、またはカチオン化ポリマーを含有させてもよい。
【0075】
さらに、本発明の毛髪化粧料は、上記以外のシリコーン類、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールジ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノアルキルエーテル又はエチレングリコールジアルキルエーテルを含むパール化剤を含有していてもよい。
【0076】
また、本発明の毛髪化粧料には、他のコンディショニング剤として、油剤を含有することができる。
【0077】
本発明の毛髪化粧料には、粘度調整剤を含有させてもよい。粘度調整剤は2種以上を併用してもよい。
【0078】
本発明の毛髪化粧料には、上記成分のほか、通常の毛髪化粧料に用いられる成分を目的に応じて適宜配合できる。このような成分としては、例えば抗フケ剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;保湿剤;染料、顔料等の着色剤;酸化チタン等のパール化剤;香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤等が挙げられる。
【0079】
本発明の毛髪化粧料は、毛髪のツヤ、まとまり、ハリを向上する観点より、毛髪に適用する際のpH(水で20質量倍希釈、25℃)が2〜6であるのが好ましく、更にはpH3〜5、特にpH3.5〜4.5であるのが好ましい。pH調整剤としては、有機酸、特にα−ヒドロキシ酸を用いることが好ましく、具体的にはリンゴ酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸が好ましい。これら有機酸は2種以上を併用してもよく、またその使用量は、泡質、洗髪時の毛髪柔軟性の向上の点から、本発明の毛髪化粧料中0.01〜5質量%が好ましく、更には0.1〜3質量%、特に0.3〜2質量%が好ましい。また、他のpH調整剤として、これら有機酸と合わせ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化アンモニウム等の塩基を用いてもよい。
【0080】
本発明の毛髪化粧料は、水溶液、エタノール溶液、エマルジョン、サスペンション、ゲル、液晶、固形、エアゾール等の所望の剤型にすることができ、溶剤として水又は低級アルコール、特に水を用いた液状のものが好ましい。より具体的には、例えば、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアクリーム、コンディショニングムース、ヘアムース、ヘアスプレー、シャンプー、リーブオントリートメント等に適用できる。特にシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメントなどの洗い流して使用する剤型として好適である。
【0081】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【実施例】
【0082】
以下の実施例および比較例で用いた、下記一般式(2)で表される両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(c1)〜(c2)におけるR、R、R、x、y、窒素含有量(質量%)、粘度をまとめて表1に示した。これらの両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(c1)〜(c2)の製造方法は、以下の通りである。
【0083】
(R)SiO−(RSiO)−(RSiO)−Si(R) (2)
【0084】
(式(2)中、Rは炭素数12〜30の直鎖または分岐のアルキル基、Rは置換または非置換の炭素数1〜6の1価の炭化水素基、Rは3−アミノプロピル基、またはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基をそれぞれ示し、xは1〜2000、yは1〜100の整数である。)
【0085】
(両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(直鎖タイプ)(c1)の合成)
まず、下記一般式(6)で表されるアルキル変性ポリオルガノシロキサンを合成した。
【0086】
(CH−SiO−((CHSiO)20−Si(CH (6)
(式(6)中、Rは炭素数16〜18の直鎖アルキル基である。)
【0087】
具体的には、1−ヘキサデセンと1−オクタデセンの混合物(出光興産社製リニアレン168)100部および1%塩化白金酸イソプロパノール溶液0.2部を攪拌しながら70℃まで昇温した。次いで、下記一般式(7)で表される両末端ハイドロジェンポリオルガノシロキサン300部を70〜80℃で滴下した。滴下終了後、80℃で1時間攪拌を行い、赤外吸収スペクトルでSi−Hのピークが消失したことを確認して反応を終了した。
【0088】
H(CH−SiO−((CHSiO)20−Si(CHH (7)
【0089】
このようにして、粘度0.030Pa・s(No.1ローター、60rpmで測定)の、一般式(6)で表されるアルキル変性ポリオルガノシロキサンを得た。
【0090】
上記のようにして得られた、一般式(6)で表されるアルキル変性ポリオルガノシロキサン74部、オクタメチルシクロテトラシロキサン651部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン25部を、攪拌を行いながら90℃まで昇温した。次いで、27%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を有効成分で90ppm添加し、90℃で3時間平衡化反応を行った。最後に、減圧下で低分子量のシロキサンを留去して、窒素含有量0.49質量%、粘度1,200mPa・s(No.3ローター、30rpmで測定)の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(c1)を得た。
【0091】
下記構造式(x)で表される2−オクチル−1−ドデセン100部および1%塩化白金酸イソプロパノール溶液0.2部を攪拌しながら70℃まで昇温した。次いで、一般式(7)で表される両末端ハイドロジェンポリオルガノシロキサン272部を70〜80℃で滴下した。滴下終了後、80℃で1時間攪拌を行い、赤外吸収スペクトルでSi−Hのピークが消失したことを確認して反応を終了した。
【0092】
【化7】

【0093】
(両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(分岐タイプ)(c2)の合成)
一般式(8)で表されるアルキル変性ポリオルガノシロキサンを46部、オクタメチルシクロテトラシロキサンを631部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランを74部に変更した以外は、(c1)の製造法と同様にして、窒素含有量0.91質量%、粘度1,300mPa・s(No.3ローター、60rpmで測定)の両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン(c2)を得た。
【0094】
(CH−SiO−((CHSiO)20−Si(CH (8)
(式(8)中、Rは下記構造式(9)で示されるアルキル基である。)
【0095】
【化8】

【0096】
【表1】

【0097】
(実施例及び比較例)
表2に示す毛髪化粧料を、常法により調製し、以下の評価方法により評価した。その結果を表2に示す。なお、pHは各組成物を水で20質量倍希釈し、25℃で測定した値である。
【0098】
<評価方法>
ストレートパーマ1回、ブリーチ2回処理を施した日本人女性の毛髪をダメージ毛髪とし、それぞれ30g(長さ20cm、平均直径80μm)の毛髪束を、パネラー5名が次の方法で処理しながら官能評価を行った。
【0099】
下記の処方の標準シャンプー3gを用いて洗浄した毛髪束に、表1に示すコンディショナーを3gを塗布し、毛髪全体に十分に馴染ませた後、およそ30秒間約40℃の流水下で濯ぎ、ついで、タオルドライを行い、ドライヤーで十分に乾燥させた後に乾燥後の評価を行った。評価は5人で行い、その積算値を求めた。
【0100】
・標準シャンプーの処方(pH7.0)
25%ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩 62.0%
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.3%
エデト酸二ナトリウム 0.15%
安息香酸ナトリウム 0.5%
塩化ナトリウム 0.8%
75%リン酸 適量
香料、メチルパラベン 適量
精製水 残量
【0101】
(1)乾燥後の髪のぱさつき
乾燥した後の髪のぱさつきのなさを以下の5段階基準で官能評価した。評価は5人で行い、その積算値を求めた。
5:髪がぱさつかない
4:あまり髪がぱさつかない
3:普通と感じる
2:やや髪がぱさつく
1:髪がぱさつく
【0102】
(2)乾燥後のしっとり感
乾燥した後の髪のしっとり感を以下の5段階基準で官能評価した。評価は5人で行い、その積算値を求めた。
5:髪がしっとりする
4:やや髪がしっとりする
3:普通と感じる
2:あまり髪がしっとりしない
1:しっとりしない
【0103】
(3)乾燥後のべたつきのなさ
乾燥した後の髪のべたつきのなさを以下の5段階基準で官能評価した。評価は5人で行い、その積算値を求めた。
5:髪がべたつかない
4:あまり髪がべたつかない
3:普通と感じる
2:やや髪がべたつく
1:髪がべたつく
【0104】
(4)乾燥後、毛髪が束にならない
乾燥した後の髪が束にならないことを以下の5段階基準で官能評価した。評価は5人で行い、その積算値を求めた。
5:髪が束にならない
4:あまり髪が束にならない
3:普通と感じる
2:やや髪が束になる
1:髪が束になる
【0105】
(5)仕上がった髪のハリ感
乾燥した後のハリ感を以下の5段階基準で官能評価した。評価は5人で行い、その積算値を求めた。
5:髪がハリ感を感じる
4:やや髪にハリを感じる
3:普通と感じる
2:あまりハリ感を感じない
1:髪にハリを感じない
【0106】
(6)ヘアスタイルを整える場合に手櫛やブラシにより容易に整髪できる
乾燥した後のヘアスタイルの整え易さを以下の5段階基準で官能評価した。評価は5人で行い、その積算値を求めた。
5:ヘアスタイルを整え易い
4:ややヘアスタイルを整え易い
3:普通と感じる
2:ややヘアスタイルを整えにくい
1:ヘアスタイルを整えにくい
【0107】
(7)仕上がったヘアスタイルを保持する
乾燥した後のヘアスタイルの保持性を以下の5段階基準で官能評価した。評価は5人で行い、その積算値を求めた。
5:ヘアスタイルを保持する
4:ややヘアスタイルを保持する
3:普通に保持する
2:ヘアスタイルをあまり保持しない
1:ヘアスタイルを保持しない
【0108】
【表2】

【0109】
なお、表2中の各成分の原料名、及び製造元はそれぞれ下記の通りである。
・N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン
(原料名)ファーミンDM E−80 (製造元)花王株式会社
・ステアラミドプロピルジメチルアミン
(原料名)NIKOLL アミドアミン MPS (製造元)日光ケミカルズ株式会社
・N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド
(原料名)AMIDET APA−22 (製造元)花王株式会社
・18−メチルエイコサン酸
(原料名)18MEA (製造元)Croda Europe Ltd.
・ポリオキシプロピレン(3)オクチルエーテル
(原料名)ソフケア GP−1 (製造元)花王株式会社
・乳酸
(原料名)ムサシノ乳酸(90%) (製造元)ムサシノ化学株式会社
・(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ペンタエリスリチル
(原料名)コスモール168AR (製造元)日清オイリオグループ化学株式会社

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(D):
(A)第3級アミン化合物またはその塩
(B)一般式(1)で表される分岐脂肪酸またはその塩

(式(1)中、Rはメチル基またはエチル基、nは8〜30の整数をそれぞれ示す。)
(C)一般式(2)で表される両末端長鎖アルキル・側鎖アミノ変性オルガノポリシロキサン
(R)SiO−(RSiO)−(RSiO)−Si(R) (2)
(式(2)中、Rは炭素数12〜30の直鎖または分岐のアルキル基、Rは置換または非置換の炭素数1〜6の1価の炭化水素基、Rは3−アミノプロピル基、またはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基をそれぞれ示し、xは1〜2000、yは1〜100の整数である。)
(D)一般式(3)で表されるポリオキシプロピレンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤
O−(PO)m−R (3)
(式(3)中、Rは炭素数8〜12の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基、POはプロピレンオキシ基、mは1〜5の平均付加モル数、Rは水素原子またはメチル基をそれぞれ示す)
及び水を含有する毛髪化粧料。
【請求項2】
成分(C)の含有量が0.01〜2質量%である請求項1記載の毛髪化粧料。
【請求項3】
成分(C)と成分(D)との質量割合が(C)/(D)=0.1〜50である請求項1または2記載の毛髪化粧料。
【請求項4】
成分(C)は、窒素含有量が0.31〜2質量%である請求項1乃至3いずれか一項に記載の毛髪化粧料。

【公開番号】特開2012−106959(P2012−106959A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258242(P2010−258242)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【出願人】(000221111)モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 (257)
【Fターム(参考)】