説明

気体パルス吐出装置および微小液滴生成装置

【課題】ピーク圧力とパルス幅とが精密に制御された気体パルスを吐出することができる気体パルス吐出装置を提供する。
【解決手段】気体供給源11と、吐出口12と、気体供給源11および吐出口12に接続されたピーク圧力生成部13とを有する気体パルス吐出装置10であって、ピーク圧力生成部13は、第1の圧力調整手段13aと第1の圧力調整手段13aの吐出口12側に接続された第1の開閉弁13bとを具備し、第1の開閉弁13bを開放したときに第1の圧力調整手段13a側の気体を吐出口12に放出するものであり、第1の圧力調整手段13aが、第1の減圧機構と、第1の減圧機構の吐出口12側に接続され、第1の減圧機構の吐出口12側における圧力が圧力Pを上回った際に第1の減圧機構の吐出口12側の気体を大気に放出する第1の圧力開放機構とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体パルスを吐出する気体パルス吐出装置に関する。また、微小な液滴を生成する微小液滴生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の科学技術の発達により、印刷物や各種デバイスの高精細化が進み、微小の液滴を取り扱う技術が増えている。そのような技術としては、例えば、銀塩写真に匹敵する高精細写真を印画するプリンター、エッチングを適用しない電子回路作製プロセス、3次元樹脂造形システムなどが知られ、実用化されている。
上記のような微小の液滴を取り扱う技術においては、より一層の性能向上が求められている。
【0003】
微小液滴を取り扱う技術の性能向上を図るためには、微小な液滴の挙動を調べる必要があり、そのためには微小液滴を生成させることが求められる。
微小液滴を生成する方法としては、ピエゾ素子の変形によって生じる圧力や、液体流路の加熱により生じた気泡によって、微小液滴を吐出させるいわゆるインクジェット法が知られている。このインクジェット法では、微小液滴を連続して吐出させることができる。
また、シリンジ等に充填した液体に空気の圧力を短時間印加することにより一定量の液体を吐出させる装置も考案されている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1,2に記載の装置では、液体を充填したシリンジ内の圧力変化を検出し、その圧力変化に基づいて開閉弁をフィードバック制御して微小液滴を生成させている。この方法によれば、液体の粘度や残存量に依存せずに液体を一定量吐出することができる。
【特許文献1】特開昭63−97259号公報
【特許文献2】特公平8−32315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インクジェット法では、吐出される液量が微小であるのに対して吐出部の機構(ヘッド)が大型になる傾向にあるため、垂直方向や水平方向からの視野が限られ、微小液滴が被着体に着地するところを観察できないという問題があった。また、インクジェット法では、吐出部の機構における高速吐出の安定性が重視されているため、吐出エネルギーが高めに設定されている。その結果、一回の吐出で主液滴の前後にサテライトと呼ばれる小さな液滴を生じることが多く、厳密に単一の液滴を生じさせて、それを観察することが目的の場合にはインクジェット法は適していなかった。
【0005】
これに対して、特許文献1,2に記載の装置では、吐出部を細くできるため、吐出された液体を容易に観察できる。しかしながら、特許文献1,2に記載の装置は、液体を数マイクロリットル(以下、「マイクロリットル」を「μL」と表記する。)吐出させることを目的に開発されているため、液体に気体を印加する時間をより短くして、液体の吐出量を極微量、例えば、50ナノリットル(以下、「ナノリットル」を「nL」と表記する。)以下にした場合には、安定な吐出を実現できなかった。
【0006】
微小な液滴を生成させるためは、液体に印加する気体のエネルギーと液滴生成に必要なエネルギーとを略同等にする必要があり、そのためには、気体パルスのピーク圧力とピーク圧力が継続するパルス幅とを精密に制御して気体パルスのエネルギーを正確に制御する必要がある。しかしながら、特許文献1,2では、ピーク圧力とパルス幅とが精密に制御された気体パルスを吐出できないと考えられる。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、ピーク圧力とパルス幅とが精密に制御された気体パルスを吐出することができる気体パルス吐出装置を提供することを目的とする。また、単一の微小液滴を安定に形成できる微小液滴生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の構成を含むものである。
(1) 圧力Pの気体を供給する気体供給源と、吐出口と、気体供給源および吐出口に接続されたピーク圧力生成部とを有する気体パルス吐出装置であって、
ピーク圧力生成部は、第1の圧力調整手段と第1の圧力調整手段の吐出口側に接続された第1の開閉弁とを具備し、第1の開閉弁を開放したときに第1の圧力調整手段側の気体を吐出口に放出するものであり、
第1の圧力調整手段が、気体供給源から供給された気体の圧力Pを圧力Pに減少させる第1の減圧機構と、第1の減圧機構の吐出口側に接続され、第1の減圧機構の吐出口側における圧力が圧力Pを上回った際に第1の減圧機構の吐出口側の気体を大気に放出する第1の圧力開放機構とを備えることを特徴とする気体パルス吐出装置。
(2)ピーク圧力生成部と並列に、気体供給源および吐出口に接続されたベース圧力生成部をさらに有し、
ベース圧力生成部が、第2の圧力調整手段を具備し、第2の圧力調整手段が、気体供給源から供給された気体の圧力Pを圧力P(P<P)に減少させる第2の減圧機構と、第2の減圧機構の吐出口側に接続され、第2の減圧機構の吐出口側における圧力が圧力Pを上回った際に第2の減圧機構の吐出口側の気体を大気に放出する第2の圧力開放機構とを備える(1)に記載の気体パルス吐出装置。
(3)ピーク圧力生成部の吐出口側に接続され、出口側が大気または減圧雰囲気に連通する第2の開閉弁を具備する排気部をさらに有する(1)または(2)に記載の気体パルス吐出装置。
(4)液体に気体パルスを印加して微小液滴を生成させる微小液滴生成装置であって、
(1)〜(3)のいずれかに記載の気体パルス吐出装置と、気体パルス吐出装置の吐出口に接続され、先端側の口径が0.5〜100μmである液体充填用細管とを備えた微小液滴生成装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明の気体パルス吐出装置は、ピーク圧力とパルス幅とが精密に制御された気体パルスを吐出することができる。
本発明の微小液滴生成装置は、単一の微小液滴を安定に形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(気体パルス吐出装置)
本発明の気体パルス吐出装置の一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態の気体パルス吐出装置を示す。この気体パルス吐出装置10は、気体供給源11と、吐出口12と、気体供給源11および吐出口12に接続されたピーク圧力生成部13およびベース圧力生成部14とを有するものである。気体供給源11からピーク圧力生成部13までは第1の配管15aにより接続され、ピーク圧力生成部13から吐出口12までは第2の配管15bにより接続されている。また、ベース圧力生成部14は、第1の配管15aから分岐した第3の配管15cによって気体供給源11に接続され、第2の配管15bに合流する第4の配管15dによって吐出口12に接続されている。これにより、ピーク圧力生成部13とベース圧力生成部14とは並列に気体供給源11と吐出口12に接続されている。
また、第2の配管15bの第4の配管15dが合流している箇所の下流側には、排気部16が接続されている。
さらに、第1の配管15aの第3の配管15cが分岐している箇所より上流側には、気体を浄化するためのミストセパレーター17およびフィルタ18が、気体供給源11側から順に設置されている。
【0010】
気体供給源11は、大気圧より高い圧力Pの気体を供給するものであり、例えば、コンプレッサ、ボンベなどが挙げられる。
吐出口12は第2の配管15bと気体パルス吐出装置10の外部とを連通するものである。吐出口12としては特に制限されないが、他の配管と接続可能になっていることが好ましい。
【0011】
ピーク圧力生成部13は、第1の圧力調整手段である第1の圧力調整弁13aと、第1の圧力調整弁13aの吐出口12側に設けられた第1の開閉弁13bと、第1の圧力調整弁13aおよび第1の開閉弁13bの間の第5の配管15eに接続された第1の圧力計13cを具備し、気体パルスのピーク圧力Pを生成するものである。
第1の圧力調整弁13aは、気体供給源11から供給された気体の圧力PをP(P<P)に減じる第1の減圧機構と、第1の減圧機構の吐出口側に接続された第1の圧力開放機構とを、一つの筐体内に備えたものである。ここで、第1の圧力開放機構は、第1の減圧機構の吐出口12側における圧力が圧力P(P>大気圧)を上回った際に第1の減圧機構の吐出口12側の気体を大気に放出するものである。
このような第1の圧力調整弁13aとしては、例えば、特開平10−198433号公報に記載されているようなノズルフラッパ型圧力調整弁が挙げられる。ノズルフラッパ型圧力調整弁は、周知の減圧弁と同じ機能を有する上に、ノズルフラッパによって圧力開放機能も有している。
【0012】
第1の圧力調整弁13aの調整圧力感度は0.0001〜0.01MPaであることが好ましい。気体パルスのピーク圧力Pは0.01MPa程度とすることが多いため、第1の圧力調整弁の調整圧力感度が0.01MPaを超える(感度が悪い)と気体パルスのピーク圧力Pの変動幅が大きくなる傾向にある。第1の圧力調整弁13aの調整圧力感度が0.0001MPa未満であると、使用圧力/感度比が大きくなりすぎるため、作製が困難になる傾向にある。
ここで、調整圧力感度とは、減圧機構が作動する所定の圧力と、吐出口側の実際の圧力との差の最小値のことであり、圧力制御精度の指標となる値である。
【0013】
第1の圧力調整弁13aの圧力定格(フルスケール圧力)としては、供給される気体の圧力P以上であって、所望の気体パルスのピーク圧力Pに対して0.01〜1MPa高いことが好ましい。第1の圧力調整弁13aの圧力定格が所望の気体パルスのピーク圧力Pに対して0.01MPa未満であると、気体パルスの発生が困難になり、1MPaを超えると、前記調整圧力感度を満たすのが困難になる。
【0014】
ピーク圧力生成部13に具備される第1の開閉弁13bは、電気信号に応じて開閉する電磁弁である。第1の開閉弁13bの中でも、気体パルスのパルス幅を短くできることから、応答時間がそれぞれ15ミリ秒以下である電磁弁が好ましく、10ミリ秒以下である電磁弁がより好ましい。ただし、1ミリ秒未満の応答時間を実現するには非常に高速に弁体を駆動しなければならず、弁の耐久性に問題が生じることから、第1の開閉弁13bの応答時間は、1ミリ秒以上であることが好ましい。
ここで、応答時間とは、電気信号を受けてから弁が全開または全閉するまでの時間のことである。なお、全開に要する応答時間と全閉に要する応答時間とは必ずしも同じである必要はない。
上記応答時間を満たす電磁弁の形式としては、例えば、直動式小型電磁弁が挙げられ、その弁体構造としては、例えば、スプール弁、ポペット弁等を採用できるが、漏洩が少ないことや、応答が速いことからポペット弁が好ましい。
【0015】
第1の開閉弁13bとしては2方弁が好ましいが、3方弁等に盲栓をして2方弁の代用としても支障ない。
第1の開閉弁13bは常時閉弁(NC)でも、常時開弁(NO)でも気体パルスを発生させることができるが、消費電力の点から常時閉弁が好ましい。
第1の開閉弁13bの定格圧力としては、発生させる気体パルスのピーク圧力P以上であることが好ましい。
第1の開閉弁13bの気体に接する部分の材質としては特に限定されず通常の電磁弁に使われる材料を用いることができる。
【0016】
第1の開閉弁13bの最大流量(サイズ)としては特に限定されないが、小さすぎると電磁弁の圧力損失により、気体パルスの圧力の立ち上がりが急激ではなくなる傾向にあり、大きすぎると電磁弁の応答時間が長くなり、やはり圧力の立ち上がりが急激ではなくなる傾向にある。したがって、気体パルスの発生に適した流量のものを選択することが好ましい。
【0017】
第1の開閉弁13bには、第1の開閉弁13bの開閉時に発生する電気的なノイズによる障害を防止するために、サージキラー等を設置することが好ましい。
【0018】
本実施形態における第1の開閉弁13bは、駆動制御装置19によって開閉が制御される。駆動制御装置19としては、第1の開閉弁13bの定格電圧、電流を制御できれば特に制限されず、第1の開閉弁13bの開放時間や駆動タイミング等を制御する装置を備えた公知の駆動回路を適用できる。例えば、電子リレー、トランジスタ、ソリッドステートリレー(SSR)、トライアック等の電子素子、リレー等の機械式デバイスを適用できる。
駆動制御装置19にはノイズによる誤作動と電源側へのノイズの流出を防ぐためにラインフィルターが挿入されていることが好ましい。
【0019】
開放時間や駆動タイミング等を制御する装置としては、例えば、各種電子タイマー、タイマーリレー、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:通称シーケンサー)、パルス発生装置、発振器、ファンクションジェネレーター、タイマーICを用いた半導体回路、パーソナルコンピューターの入出力端子等が挙げられる。ただし、第1の開閉弁13bを正確なタイミングで制御するためには、10ミリ秒単位の精度を有する装置が好ましく、1ミリ秒単位の精度を有する装置が好ましく、サブミリ秒単位の精度を有する装置が好ましい。
【0020】
第1の開閉弁13bは、上記開放時間や駆動タイミング等を制御する装置によって直接駆動してもよいし、トランジスタやリレー等を介して間接的に駆動してもよい。
なお、第1の開閉弁13bと開放時間や駆動タイミング等を制御する装置とは電気的に接続されていてもよいし、リレー等で電気的に絶縁されていてもよい。
【0021】
第1の開閉弁13bの駆動電圧は、低すぎると高速応答に必要な駆動トルクが得られにくく、高すぎると駆動時にノイズを発生したり、制御回路に負担を生じたりするため、6〜60Vであることが好ましい。
駆動電流は、直流でも交流でもよいが、通常のトランジスタ式回路で制御できることから直流が好ましい。電磁弁の定格駆動電力は、必要な応答時間を満たす限りにおいて小さい方が消費電力の点で好ましい。
【0022】
ピーク圧力生成部13に具備される第1の圧力計13cとしては、気体パルス吐出装置10の使用圧力に対応した圧力範囲のものを使用すればよいが、応答の速さと内部体積が少ないことから電子式の圧力計が好ましい。
【0023】
ベース圧力生成部14は、第2の圧力調整手段である第2の圧力調整弁14aと、第2の圧力調整弁14aの吐出口12側に設けられた逆流防止弁14bと、第2の圧力調整弁14aおよび逆流防止弁14bとの間の第6の配管15fに接続された第2の圧力計14cとを具備して、気体パルスのベース圧力Pを生成するものである。
第2の圧力調整弁14aは、気体供給源11から供給された気体の圧力PをP(大気圧<P<P<P)に減じる第1の第2の減圧機構と、第2の減圧機構の吐出口側に接続された第2の圧力開放機構とを、一つの筐体内に備えている。ここで、第2の圧力開放機構は、第2の減圧機構の吐出口12側における圧力が圧力Pを上回った際に第2の減圧機構の吐出口12側の気体を大気に放出するものである。
第2の圧力調整弁14aとしては、第1の圧力調整弁13aと同じものを使用することができる。
【0024】
気体パルス吐出装置10で使用される配管15a〜15fとしては特に限定されず、通常の空圧機器と同様のものを使用することができる。具体的には、ステンレス管、銅管等の金属配管、プラスチックチューブなどを使用することができる。中でも、簡便であることから、ナイロンやポリウレタン製の可撓性配管をクイックコネクタ(継手)で接続する方法が好ましい。
【0025】
配管15a〜15fの内径としては特に限定されないが、太すぎると配管内体積が大きくなって圧力変化が伝播しにくくなり、細すぎると圧力損失が大きくなって圧力の伝播にロスが生じる。これらのことから、配管15a〜15fの内径としては、0.5〜6mmが好ましい。
配管15a〜15fの肉厚としては気体パルスのピーク圧力Pに耐える厚さであればよいが、厚すぎると所望の形状に折曲することができず、薄すぎると気体パルス発生時に振動を生じるおそれがある。
【0026】
排気部16は、第2の配管15b内の圧力Pをより速やかに下げて第2の配管15b内に圧力が蓄積することをより防止するものである。本実施形態の排気部16は、出口側が大気または減圧雰囲気に連通する第2の開閉弁16aを具備するものである。第2の開閉弁16aの出口側は、通常、大気に連通させるが、高速に排気する場合には減圧雰囲気に連通することが好ましい。
排気部16に具備される第2の開閉弁16aを駆動する駆動制御装置19としては、ピーク圧力生成部13と同様のものを使用できる。ただし、排気部16に具備される第2の開閉弁16aは、全開に要する応答時間が15ミリ秒以下であればよく、全閉に要する応答時間は特に限定されない。
排気部16には、排気の際の排気音を低減させるために排気部16出口にサイレンサー(消音器)等を設置してもよい。
【0027】
気体パルス吐出装置10に適用される気体の種類としては特に限定されず、例えば、空気、窒素、アルゴン、ヘリウム等などが挙げられる。また、腐食性気体、可燃性気体、助燃性気体を使用することもできるが、その場合には、それらの気体の種類に応じて気体パルス吐出装置10の各流路の材質および器材を選択することが好ましい。
【0028】
上記気体パルス吐出装置10を用いた気体パルス吐出方法の一例について説明する。なお、この例は、気体パルスを一定周期で吐出する例である。また、この例における第1の開閉弁13bおよび第2の開閉弁16aとしては、電気信号を受けたときのみに弁が開放する常時閉弁が用いられている。
【0029】
この気体パルス吐出方法では、まず、駆動制御装置19においてピーク圧力Pを継続させる時間(ピーク幅)とパルス周期(ピーク圧力Pとベース圧力Pの各継続時間の合計)を設定する。その設定に基づき、まず、第1の開閉弁13bおよび第2の開閉弁16aに電気信号を送らずに、ピーク圧力生成部13の第1の開閉弁13bを閉止し、かつ、排気部16の第2の開閉弁16aを閉止する。これにより、気体供給源11から圧力Pの気体をベース圧力生成部14に供給し、ベース圧力生成部14の第2の圧力調整弁14aにて気体の圧力をPに減少させてベース圧力Pを生成し、ベース圧力Pの気体を吐出口12に供給する。これを一定時間(ベース圧力Pの継続時間)継続する。
その後、駆動制御装置19から第1の開閉弁13bにパルス電気信号を送って、第1の開閉弁13bを所定の時間(ピーク圧力Pの継続時間)だけ開放する。これにより、第1の圧力調整弁13aにより圧力をピーク圧力Pに調整した気体を、第1の開閉弁13bの吐出口12側に放出する。そして、ピーク圧力Pの気体を第2の配管15bを介して吐出口12に向けて伝播し、吐出口12から吐出する。このようにして、急激な圧力変化を生じさせ、ピーク圧力Pの気体パルスを発生させる。
次いで、第1の開閉弁13bが閉止したと同時に、駆動制御装置19から第2の開閉弁16aにパルス電気信号を送って、第2の開閉弁16aを所定の時間だけ開放して、第2の配管15b内の気体を大気に放出して圧力を速やかに下げる。その後、再び、第1の開閉弁13bおよび第2の開閉弁16aを閉じて、ベース圧力生成部14を介して気体を吐出口12に供給する。この操作を繰り返すことにより、気体パルスを一定周期で繰り返し吐出する。
【0030】
気体パルス吐出方法において、気体供給源11から供給する気体の圧力Pは、安定した圧力制御を実現させるために、発生させる気体パルスのピーク圧力Pに対して0.01〜1MPaの範囲で高いことが好ましい。気体供給源11から供給する気体の圧力Pが0.01MPa未満であると、第1の圧力調整弁13aが作動するのに充分な背圧が得られないことがあり、1MPaを超えると、第1の圧力調整弁13aが作動したときの圧力変動が大きくなり、第1の圧力調整弁13aから吐出口12までの圧力が不安定になる傾向にある。
【0031】
気体パルス吐出装置10により発生させる気体パルスのパルス幅としては、1〜100ミリ秒であることが好ましい。気体パルスのパルス幅は、ピーク圧力生成部13の第1の開閉弁13bの開放時間と応答時間によって適宜決めることができる。
【0032】
また、第2の開閉弁16aの開放時間は、第2の配管15b内の圧力を充分に下げるために、1〜200ミリ秒程度であることが好ましい。第2の開閉弁16aの開放時間が1ミリ秒未満であると、第2の配管15b内の圧力を充分に下げることができず、200ミリ秒を超えると、吐出口12から気体が逆流することがあり、また、気体の消費量が増える傾向にある。
【0033】
なお、上記の例では、排気部16の第2の開閉弁16aが、ピーク圧力生成部13の第1の開閉弁13bが閉じるのと同時に開放されたが、ピーク圧力生成後に、より速やかに圧力を下げる必要がある場合には、第1の開閉弁13bが閉じ始める前に開放し始めてもよい。逆に、気体パルスの圧力の降下を緩やかにしたい場合は、第2の開閉弁16aの開放のタイミングを遅らせてもよい。
【0034】
上述した気体パルス吐出装置10では、ピーク圧力生成部13の第1の圧力調整弁13aが第1の圧力開放機構を備えているため、第1の減圧機構より吐出口12側が所定圧力Pを超えたときに第1の減圧機構より吐出口12側の気体を大気に放出して、第2の配管15b内の圧力を速やかに低下させることができる。その結果、第2の配管15b内の圧力が安定して、ピーク圧力とパルス幅とが精密に制御された気体パルスを吐出することができる。
また、気体パルス吐出装置10がベース圧力生成部14を有しているため、ピーク圧力Pを印加する前にベース圧力Pを印加しておくことができ、気体パルスを発生させた際の圧力変化量を小さくすることができる。さらに、ベース圧力生成部14が逆流防止弁14bを備えるため、ピーク圧力生成部13にて発生した気体パルスがベース圧力生成部14の第2の圧力調整弁14aに流入することを抑制し、第2の圧力調整弁14aの誤作動を防止できる。
【0035】
上記気体パルス吐出装置10は、後述する微小液滴を発生する装置に適用できるだけでなく、微小部を冷却したり、微小な異物を吹き飛ばしたり、半導体チップを裏返したりする用途にも好適である。
【0036】
なお、本発明の気体パルス吐出装置は、上述した実施形態に限定されない。
例えば、上述した実施形態では、第1の圧力調整手段および第2の圧力調整手段が、減圧機構と圧力開放機構とを共に筐体内に備えたものであったが、減圧弁と、安全弁のような所定の圧力になった際に開放する弁とを別々に備えたものであってもよい。
上述した実施形態では、ベース圧力生成部14が逆流防止弁14bを備えていたが、逆流防止弁14bの代わりに、2方電磁弁あるいは3方電磁弁を備えて、ピーク圧力印加時にベース圧力生成部14の第2の圧力調整弁14aをピーク圧力生成部13から切り離してもよい。
また、気体パルス吐出装置10が、ベース圧力生成部14および/または排気部16を有していなくてもよい。
上述した実施形態では、気体パルスを一定周期で吐出したが、一定でない周期で吐出してもよい。また、気体パルスを繰り返し吐出せずに、一発の気体パルスを吐出するものであってもよい。
【0037】
(微小液滴生成装置)
本発明の微小液滴装置の一実施形態について説明する。
図2に、本実施形態の微小液滴装置を示す。本実施形態の微小液滴装置1は、上述した気体パルス吐出装置10と、気体パルス吐出装置10の吐出口12(図1参照)に、接続管21を介して接続された液体充填用細管20(以下、細管20と略す。)とを備えるものである。
【0038】
細管20は、液体22が充填され、先端23側の口径が0.5〜100μmの管である。ここで、細管20の先端とは、液体22が吐出する側の端部のことである。細管20の先端23側の口径が100μmを超えると、50nL以下の微小液滴を生成できない上に、ピーク圧力を印加していない時にも液体22が吐出されてしまう。細管20の先端23側の口径が0.5μm未満であると、液体22を吐出させるために気体パルスのピーク圧力Pを高くしなければならない。ピーク圧力Pの高い気体パルスで液体22を吐出させた場合には、液滴の生成が不安定になり、液量が安定しないばかりか、液体22が飛び散るように吐出し、単一の液滴を形成できない。
また、細管20の先端23側の口径は、使用液体22の粘度、表面張力によっても異なるが、生成させる液滴の直径の1/5〜1/2が好ましい。細管20の先端23側の口径が生成させる液滴の直径の1/5未満であると、所望の液滴径に到達する前に液滴が落下してしまうことがあり、1/2を超えると、所望の液滴径が得られないことがある。
細管20の長さは特に限定されないが、取り扱いのしやすさから1〜10cmが好ましい。
【0039】
細管20の材質としては、充填する液体22に適したものが好ましいが、堅牢性や取り扱いやすさからは金属であることが好ましい。液体22の視認性の点からは、ガラスであることが好ましい。また、ポリ四フッ化エチレン、ポリエチレン、アクリル樹脂、ポリスチレン等のプラスチック、アルミナ、ジルコニア等のセラミックであってもよい。
【0040】
細管20の形状としては、先端23側の口径が上記範囲であれば特に限定されないが、細管20全体が内径100μm以下であると流路抵抗が大きくなりすぎて、微小液滴の吐出に高い圧力が必要になるため、細管20の先端23は、テーパー状に細くなっていることが好ましい。また、細管20は図示例のように直管であってもよいし、途中で屈曲した屈曲管であってもよい。
テーパー部分以外の細管20の外径としては特に限定されないが、0.3〜5mmであることが好ましく、内径としては外径の5〜90%であることが好ましい。
【0041】
細管20の先端23側の開口面は、液滴が容易に生成することから、先端23側の細管20の中心軸に対して垂直であることが好ましい。細管20の先端23側の開口面が先端23側の細管20の中心軸に対して垂直でない場合には、液滴が生成しにくくなる傾向にある。
また、細管20の先端23側の開口部に細かい傷や凹凸があると液滴生成を阻害するおそれがあるため、正確に切断あるいは研磨してあることが好ましい。また、熱処理あるいは薬品処理により滑らかに加工されていてもよいし、充填する液体22に応じた耐蝕処理、耐磨耗処理、撥水処理、撥油処理等が施されていてもよい。さらに、静電気防止処理あるいは液滴に電荷を与えるために導電処理が施されていてもよい。
【0042】
接続管21は、できるだけ短いほうが好ましい。接続管21が長くなると、気体パルスの伝達に時間がかかるだけでなく、圧力の上昇、降下に鈍感になる傾向にある。
接続管21の内径は0.2〜5mmであることが好ましい。接続管21の内径が0.2mm未満であると、圧力損失が増大する傾向にあり、5mmを超えると、気体パルスの伝達に時間がかかるだけでなく、圧力の上昇、降下に鈍感になる傾向にある。
接続管21の材質としては、例えば、金属、プラスチック類、ゴム類等を用いることができる。
【0043】
細管20と接続管21とは、フェラルやOリング、パッキング等を用いて接続してもよいし、接着、溶接、半田付け等で直接固定して接続してもよい。接続管21がシリコーンゴム等の柔軟性を有するチューブである場合には、細管20をチューブに差し込むことにより接続できる。
【0044】
上記微小液滴生成装置を用いた微小液滴の生成方法の一例について説明する。
まず、細管20内に液体22を充填する。細管20内への液体22の充填方法としては特に限定されず、例えば、細管20をシリンジに接続し、液体を圧入する方法、細管20への配管の途中に3方弁を設け、その3方弁の一方から液体22を圧入して充填する方法などが挙げられる。細管20への配管の途中に3方弁を設けた場合には、細管20を気体パルス吐出装置10に接続したまま液体22を圧入できる。
【0045】
次いで、気体パルス吐出装置10に細管20を、接続管21を介して接続し、また、細管20の先端23の延長上に、液滴を受容する物体(シート等)を配置する。そして、気体パルス吐出装置10から気体パルスを吐出させ、その気体パルスを接続管21を介して細管20に供給して、細管20内に充填された液体22を押し出して、細管20の先端23側より吐出させる。ここで、気体パルスのパルス幅は短時間であるから、吐出する液滴の量は微量(例えば、50nL以下)である。
そして、細管20の先端に生成した液滴を、液滴を受容する物体に接触させたり、静電気、圧縮空気、振動等により細管20から分離して、液滴を受容する物体の表面に移行させたりする。
【0046】
この微小液滴生成装置1において、所望の液滴を生成させるための、細管20に供給する気体パルスのピーク圧力Pおよびパルス幅は、細管20の形状、流路損失、周囲温度などによって異なるため、一義的に決めることは困難である。また、液滴生成に必要なエネルギーは小さく、その必要エネルギー量は流路抵抗、液体22の粘度や温度の影響を受けやすいため、理論的に求めるのは困難であるから、細管20に供給する気体パルスのピーク圧力Pおよびパルス幅は実験的に決定することが好ましい。
気体パルスのピーク圧力Pおよびパルス幅の一例としては、「JIS粘度標準液2.5cps(日本グリース社製)」を用いて、開口径5μmの細管20から、10pLの液滴を生成させる場合には、気体パルスのピーク圧力Pが0.03MPa、パルス幅が30ミリ秒程度である。
【0047】
上述した微小液滴生成装置1では、上記気体パルス吐出装置10を用いているから、気体パルスのピーク圧力Pおよびパルス幅が精密に制御された気体パルスを細管20に送ることができる。その結果、液滴生成に必要なエネルギーと略同等のエネルギーを持つ気体を細管20に送ることができ、微小の液滴を安定に生成させることができる。
また、この微小液滴生成装置1では、細管20から液滴を吐出できるため、顕微鏡等の任意の方法で液滴を観察することができる。しかも、屈曲した細管を使用すれば、鉛直水平両方向から液滴を観察することができる。
また、上述した微小液滴生成装置1では、気体パルス吐出装置10がベース圧力生成部14を有しているため、細管20内の液体22にピーク圧力Pを印加させていないときにベース圧力Pを印加することができる。そのため、微小液滴に印加する気体パルスの圧力が小さくても、微小液滴を生成することができる。しかも気体パルス発生の際の圧力変動を小さくすることができるため、安定に液滴を吐出させることができる。
【実施例】
【0048】
以下に、本発明の実施例を示す。
(実施例1)
本実施例の微小液滴生成装置は、図2に示すものであり、図1に示す気体パルス吐出装置10に、接続管21を介して細管20が接続されたものである。
また、気体パルス吐出装置10のピーク圧力生成部13の第1の圧力調整弁13aは、圧力感度が0.001MPaであり、減圧機構と圧力開放機構とを備えるノズルフラッパ型圧力調整弁である。第1の開閉弁13bは、開閉応答時間がそれぞれ10ミリ秒の電磁弁(NC型直動ミニチュアポペット弁、定格24V)である。
ベース圧力生成部14の第2の圧力調整弁14a、圧力感度が0.001MPaであり、減圧機構と圧力開放機構とを備えるノズルフラッパ型圧力調整弁である。
配管15a〜15fは、内径2mm、外径4mmの硬質ポリウレタンチューブであり、各弁や部材にクイックコネクタを用いて接続されている。
排気部16の第2の開閉弁16aは、開閉応答時間がそれぞれ10ミリ秒の電磁弁(NC型直動ミニチュアポペット弁、定格24V)である。
第1の開閉弁13bおよび第2の開閉弁16aは、プログラムタイミング装置により電子リレーを介して直流24Vで駆動されている。プログラムタイミング装置にはヒューレットパッカード社製マルチファンクションジェネレーター8116Aを使用した。
【0049】
細管20は、先端23側がテーパー状に細くなって外径7μm、内径5μm、長さ1mmの毛細管が形成された、外径1mm、内径0.5mm、長さ4cmのガラス製のものである。細管の先端23は鉛直方向の下方に向けて固定した。また、細管20の先端部は水平方向から顕微鏡で観察できるようになっている。
接続管21は、外径1mm、内径0.5mm、長さ40cmのポリプロピレンチューブである。
細管20と接続管21とは、ポリプロピレン製継ぎ手を用いて接続した。
【0050】
まず、細管20内に「JIS粘度標準液2.5cps(日本グリース社製)」を注射器から圧入した。また、気体パルス吐出装置10の第1の圧力調整弁13aにより、気体供給源11より供給された気体の圧力を0.3MPaから0.050MPaに減少させ、その0.050MPaの気体を第1の開閉弁13bに供給した。
それと共に、第2の圧力調整弁14aにより、気体供給源11より供給された気体の圧力を0.3MPaから0.020MPaに減少させ、そのベース圧力0.020MPaの気体を吐出口12に向けて流通させた。これを500ミリ秒間継続した。
その後、第1の開閉弁13bに直流24Vのパルス電気信号を送って(図3(a)参照)、第1の開閉弁13bを30ミリ秒間開放した。第1の開閉弁13bを開放することにより、ピーク圧力Pの気体を吐出口12から接続管21を通って細管20に伝播させた。次いで、第1の開閉弁13bが閉止するのと同時に、排気部16の第2の開閉弁16aに直流24Vのパルス電気信号を送って(図3(b)参照)、第2の開閉弁16aを開放して、第2の配管15b内の圧力を速やかに降下させた。このように操作し、気体パルス吐出装置の吐出口の圧力変化を測定した結果、図3(c)に示すように、ベース圧力Pとピーク圧力Pとの圧力差が0.03MPa、パルス幅30ミリ秒の気体パルスが高精度に発生したことを確認した。
上記の気体パルスによって、細管20の先端23側の開口部から10pLの液滴が生成した。発生した液滴を圧縮空気で吹き飛ばしたところ、500ミリ秒後に10pLの液滴が再度生成し、再現性を有していた。
【0051】
(比較例1)
第1の開閉弁13bおよび第2の開閉弁16aとして、圧力調整感度0.001MPaのノズルフラッパ型圧力調整弁に代えて、圧力開放機構を備えない圧力調整感度0.02MPaのダイヤフラム型圧力調整弁を用いた以外は実施例1と同様にして気体パルス吐出装置および微小液滴生成装置を作製した。そして、実施例1と同様にして気体パルスを吐出させた。この例の気体パルス吐出装置出口における圧力変化を測定したところ、ピーク圧力生成直後および第2の開閉弁開放直後に圧力変動(ハンチング)を生じた上に、ベース圧力生成時にも圧力の変動を生じた(図4参照)。
また、例1と同様にして、液体を充填した細管に気体パルスを印加したところ、ピーク圧力Pを印加していない時にも液滴を生じ、しかもピーク圧力印加時に生じた液滴の液量が一定しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の気体パルス吐出装置により、ピーク圧力とパルス幅が精密に制御され、かつ、00ミリ秒以下の極めて短時間のパルス幅の気体パルスを安定に吐出することができるため、精密工業分野に幅広く応用できる。
また、本発明の微小液滴生成装置は、各種液体の特性解析、各種素材の液体吸収挙動の解析、微小部位の接触角測定、精密印刷、電子回路作製、微小化学反応、微小生化学反応、酵素反応、エッチング、微小成形等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の気体パルス吐出装置の一実施形態を模式的に示す図である。
【図2】本発明の微小液滴生成装置の一実施形態を模式的に示す図である。
【図3】(a)は、実施例1における第1の開閉弁を駆動させる信号のタイミングチャート図であり、(b)は、実施例1における第2の開閉弁を駆動させる信号のタイミングチャート図であり、(c)は、実施例1における気体パルス吐出装置の吐出口での圧力変化図である。
【図4】実施例1における気体パルス吐出装置の吐出口での圧力変化図である。
【符号の説明】
【0054】
1 微小液滴生成装置
10 気体パルス吐出装置
11 気体供給源
12 吐出口
13 ピーク圧力生成部
13a 第1の圧力調整弁
13b 第1の開閉弁
13c 圧力計
14 ベース圧力生成部
14a 第2の圧力調整弁
14b 逆流防止弁
14c 圧力計
15a 第1の配管
15b 第2の配管
15c 第3の配管
15d 第4の配管
15e 第5の配管
15f 第6の配管
16 排気部
16a 第2の開閉弁
17 ミストセパレーター
18 フィルタ
19 駆動制御装置
20 細管
21 接続管
22 液体
23 先端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力Pの気体を供給する気体供給源と、吐出口と、気体供給源および吐出口に接続されたピーク圧力生成部とを有する気体パルス吐出装置であって、
ピーク圧力生成部は、第1の圧力調整手段と第1の圧力調整手段の吐出口側に接続された第1の開閉弁とを具備し、第1の開閉弁を開放したときに第1の圧力調整手段側の気体を吐出口に放出するものであり、
第1の圧力調整手段が、気体供給源から供給された気体の圧力Pを圧力Pに減少させる第1の減圧機構と、第1の減圧機構の吐出口側に接続され、第1の減圧機構の吐出口側における圧力が圧力Pを上回った際に第1の減圧機構の吐出口側の気体を大気に放出する第1の圧力開放機構とを備えることを特徴とする気体パルス吐出装置。
【請求項2】
ピーク圧力生成部と並列に、気体供給源および吐出口に接続されたベース圧力生成部をさらに有し、
ベース圧力生成部が、第2の圧力調整手段を具備し、第2の圧力調整手段が、気体供給源から供給された気体の圧力Pを圧力P(P<P)に減少させる第2の減圧機構と、第2の減圧機構の吐出口側に接続され、第2の減圧機構の吐出口側における圧力が圧力Pを上回った際に第2の減圧機構の吐出口側の気体を大気に放出する第2の圧力開放機構とを備える請求項1に記載の気体パルス吐出装置。
【請求項3】
ピーク圧力生成部の吐出口側に接続され、出口側が大気または減圧雰囲気に連通する第2の開閉弁を具備する排気部をさらに有する請求項1または2に記載の気体パルス吐出装置。
【請求項4】
液体に気体パルスを印加して微小液滴を生成させる微小液滴生成装置であって、
請求項1〜3のいずれかに記載の気体パルス吐出装置と、気体パルス吐出装置の吐出口に接続され、先端側の口径が0.5〜100μmである液体充填用細管とを備えた微小液滴生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−152165(P2007−152165A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347495(P2005−347495)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】