説明

水中探知装置

【課題】
尾引き信号に影響されることなく水面近くの魚群を探知でき、かつ、海底からのエコーや、尾引き信号の影響を受けてない水面から離れた深度範囲に分布している魚群からのエコーを、本来の信号強度に対応した色で表示することができる水中探知装置を提供すること。
【解決手段】
尾引き信号除去処理を行う深度範囲を最適に制御する尾引き信号除去範囲制御部12を設け、尾引き信号除去部6における尾引き信号除去処理を、尾引き信号の影響を受ける深度範囲に限定して行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶に搭載される魚群探知機や音響測深機などの超音波を利用した水中探知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水中探知装置は、船体に取り付けられた送受波器から水中へ超音波を発射し、この超音波が魚群や水底等で反射して帰来するエコーを受波して水中の情報を表示する超音波機器である。たとえば魚群探知機の場合、水中からのエコーが信号強度に応じて色で区別して表示部に表示される。一例として、反射強度の大きな魚群や水底から帰ってくる強いエコーは赤茶色で表示され、反射強度の小さな魚群から帰ってくる弱いエコーは青色や緑色などで表示される。
【0003】
このような水中探知装置においては、1つの送受波器で送信と受信の両動作が行われるため、超音波を送信した直後にリンギングのような不要な信号が現れる。この信号を、以下では「尾引き信号」という。図7は、尾引き信号を説明する図である。図7(a)は、送受波器から送信される超音波の信号波形であって、実線で示す送信信号の後に、破線で示す尾引き信号が続いている。この尾引き信号は、送受波器内での送信信号の反射、および素子の帯域制限された周波数特性などが原因で発生する。図7(b)は、送受波器で受信された信号波形である。送受波器での送信/受信は、送受切替部により切り替えられるが、送信信号の電力が非常に大きいために、送信信号は送受切替部から受信回路へ漏洩する。このため、受信信号には、図7(b)で一点鎖線で示したように、送信信号と同じ波形の信号が現れる。破線は上述した送信直後の尾引き信号、実線は水中の標的で反射したエコー信号である。
【0004】
上記のような尾引き信号が発生すると、図8に示したように、表示部の画面8aに尾引き信号の映像24が現れる。20a,20bは魚群映像、21は水底映像、22は水深目盛、23は超音波の送信位置を示す発振線である。ここでは、尾引き信号の映像24は、上から順に例えば赤茶色、黄色、青色の3層からなるストライプ状のカラー映像となっている。このため、水面近くにいる表層魚群の映像20bが尾引き信号の映像24で覆われて見にくくなり、場合によっては表層魚群の映像20bが完全に隠れて視認できなくなる場合がある。
【0005】
この対策として、本出願人は、特許文献1(特開2006−170926号)において、尾引き信号に影響されることなく、水面近くの魚群を探知できる水中探知装置を提案した。
【0006】
特許文献1の水中探知装置は、尾引き信号とエコー信号とを含む受信信号から尾引き信号を除去する尾引き信号除去部を設けて、水面に近い魚群を探知できるようにしたものである。特許文献1の水中探知装置の尾引き信号除去部は、図2のように、複数回の送受信周期について同一のサンプリング点Snの受信信号を時系列的に並べた場合に、魚群からのエコーについては図2(b)のa1、a2、a3、a4のようにサンプリング値が送信毎にランダムに変動するが、尾引き信号については図2(a)のkのようにサンプリング値が送信毎にあまり変動せず定常とみなせることに着目し、ローパスフィルタやハイパスフィルタによって尾引き信号を除去するように構成されている。(図2のΔtは、サンプリング間隔を示す。)
【0007】
【特許文献1】特開2006−170926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の水中探知装置には、尾引き信号を除去して水面近くの魚群を探知できるという優れた効果がある反面、以下のような問題点がある。
【0009】
第一に、海底の映像(図8の21)が通常とは異なる色で表示されるという問題がある。海底からのエコーは、ある程度の定常成分を含んでいるため、尾引き信号除去部が海底からのエコーの定常成分を除去してしまうことにより、結果的に海底からのエコーの信号強度が弱められてしまい、海底が通常とは異なる色で表示される。漁師は、水中探知装置の海底の映像をもとに海底の底質(例えば、海底が岩であるか砂であるか)などを判断し、利用しているが、特許文献1の水中探知装置では本来なら強いエコーに対応した色で表示されるはずの海底の映像が弱いエコーに対応した色で表示されてしまうようなことになり、漁師が海底の底質についての判断を誤る恐れがある。
【0010】
第二に、魚群からのエコーもある程度の定常成分を含んでいるため、特許文献1に記載の水中探知装置では、水面から離れた深度範囲に分布していて尾引き信号の影響を受けていない魚群(図8の20b)からのエコーの信号強度が尾引き信号除去部の作用で定常成分が除去されることにより弱められてしまうという問題がある。漁師は、水中の各魚群からのエコーの信号強度、すなわち魚群の表示色をその魚群の魚量の判断に活用しているが、特許文献1に記載の水中探知装置では、当該魚群からのエコーが強いエコーであったとしても、より弱い信号に対応した色で表示されることになり、漁師が当該魚群の魚量についての判断を誤る恐れがある。また、魚群からのエコーがもともと弱い場合には、映像として表示されなくなり、その魚群を見逃してしまう恐れもある。
【0011】
本発明は、先行技術の持つ上記のような問題点を克服するためになされたものであり、尾引き信号に影響されることなく水面近くの魚群を探知でき、かつ、海底からのエコーや、尾引き信号の影響を受けてない水面から離れた深度範囲に分布している魚群からのエコーを、本来の信号強度に対応した色で表示することができる水中探知装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の水中探知装置は、送信信号を出力する送信部と、この送信部から与えられる送信信号に基づき水中へ超音波を発射するとともに、水中で反射したエコーを受波して電気信号に変換する送受波器と、この送受波器で変換された電気信号を処理して、所定周波数帯域の受信信号を取り出す受信部と、この受信部で取り出された受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、所定の情報に基づいて尾引き信号除去処理を行う処理範囲を決定し、該処理範囲に関する制御信号を出力する尾引き信号除去範囲制御部と、A/D変換部でデジタル変換された受信信号に対し、尾引き信号除去範囲制御部が出力する制御信号に基づいて尾引き信号除去処理を実行して出力する尾引き信号除去部と、この尾引き信号除去部から出力される信号に対して検波処理を行う検波部と、この検波部から出力される信号に基づいて表示用信号を生成する表示処理部と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
本発明の実施形態において、上記の尾引き信号除去範囲制御部における尾引き信号処理を行うべき処理範囲を決定するための情報は、送信信号のパルス長、周波数の両方あるいはいずれか一方に関する情報を含むことが望ましい。
【0014】
また、本発明の実施形態において、上記の尾引き信号除去範囲制御部における尾引き信号処理を行うべき処理範囲を決定するための情報は、送受波器の種類に関する情報を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、尾引き信号に影響されることなく水面近くの魚群を探知でき、かつ、海底からのエコーや、尾引き信号の影響を受けていない水面から離れた深度範囲に分布している魚群からのエコーを、本来の信号強度に対応した色で表示することができる水中探知装置が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明に係る水中探知装置の一実施形態である魚群探知機100のブロック図である。1は水中へ超音波を発射するとともに、水中で反射したエコーを受波して電気信号に変換する送受波器、2は送受波器1の動作を送信と受信とに切り替える送受切替部、3は所定周波数、所定パルス長の送信信号を送受波器1へ出力する送信回路(送信部)、4は送受波器1で変換された電気信号を受信して、所定周波数帯域の受信信号を取り出す受信回路(受信部)である。5は受信回路4で取り出された受信信号を所定の時間間隔でサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変換器(A/D変換部)、12は送信周波数や送信パルス長等に基づいて尾引き信号除去処理を行うべき深度範囲(処理範囲)を決定する尾引き信号除去範囲制御部、6は尾引き信号除去範囲制御部12が決定した深度範囲について受信信号に含まれる尾引き信号を除去し、それ以外の深度範囲について受信信号をそのまま出力する尾引き信号除去部、7は尾引き信号除去部6から出力されるエコー信号に対して検波処理を行う検波回路(検波部)、8は検波回路7の出力信号に基づいて表示用信号を生成して水中情報の表示等を行う表示部(表示処理部)である。なお、表示部8は、魚群探知機100の本体と一体に設けられていてもよいし、別体に設けられたものであってもよい。後者の場合は、表示部8は魚群探知機100の本体とLANなどのネットワークを介して接続される。
【0017】
尾引き信号除去範囲制御部12は、送信信号の送信周波数、送信パルス長等に基づいて尾引き信号除去処理を行うべき深度範囲(処理範囲)を決定し、尾引き信号除去部6に対して、当該深度範囲については尾引き信号除去処理を行い、その他の深度範囲については尾引き信号除去処理を行わず、A/D変換器5からの入力をそのまま出力するように制御信号を出力する。
【0018】
一般に尾引き信号の範囲については、次のようなことが言える。まず、尾引き信号の開始位置については、送信パルスが終了する位置にあたり、送信パルス長が長くなるほど尾引き信号の開始が遅れる。また、尾引き信号の長さ(継続時間)は、送受波器を構成する振動子とシステム(送受信回路)の特性によって決まり、装備する送受波器の種類や送信周波数に依存する。
【0019】
送信周波数、送信パルス長と処理範囲との関係はあらかじめ実験的に求めて尾引き信号除去範囲制御部12内のメモリ13に記憶させておく。尾引き信号除去範囲制御部12は、不図示の設定部においてユーザーが設定する探知レンジに応じた送信信号の送信パルス長や、送信周波数についての情報を取得して、メモリ13に記憶されている送信パルス長、送信周波数と処理範囲との関係に基づいて尾引き信号除去処理を行う処理範囲を決定する。
【0020】
メモリ13に記憶させておく処理範囲決定の為のデータは、送信パルス長、送信周波数に対応したものの他、送受波器の種類(送受波器の固有ID番号)に対応したものであっても良い。このようにすれば、尾引き信号除去範囲制御部12は手入力や公知の送受波器の自動識別機能等、所定の手段で取得する送受波器1に関する情報をもとに、それぞれの送受波器に応じた処理範囲を設定することができ、送受波器を取り替えた場合でも尾引き信号除去処理を適切に実行することができるようになる。
【0021】
また、送受波器1の設置状況により、船底での反射に基因する尾引き信号が生じる場合は、メモリ13に記憶させる処理範囲を、例えば、送信周波数、送信パルス長に関係なく近距離の固定的な範囲に設定しておけばよい。また、尾引き信号の除去範囲の設定は、設定部によりユーザーが直接適宜調節できるようにしても良い。
【0022】
なお、送信信号が受信部に漏れこんでいる期間(図7(b)の一点鎖線の部分)は信号が飽和してしまうことが多く、尾引き信号除去処理を行っても、魚群からのエコー信号を取り出すことは困難である。この部分を尾引き信号処理範囲に含めるかどうかは任意だが、この部分を尾引き信号除去の処理範囲から除けば尾引き信号除去部6の回路規模を小さくすることができてコスト的に有利である。
【0023】
尾引き信号除去部6は、本実施形態ではローパスフィルタ9と差分演算器10とから構成されている。ローパスフィルタ9は、FIRフィルタやIIRフィルタからなり、尾引き信号除去範囲制御部12から与えられる尾引き信号除去処理を行う深度範囲に属する受信信号に対しては、A/D変換器5から出力される受信信号に含まれる尾引き信号およびエコー信号が重畳した信号から、尾引き信号のみを取り出す処理を行って信号を出力し、尾引き除去処理を行わない深度範囲については動作を停止するか、信号強度が0の信号を出力する。そして、差分演算器10は、A/D変換器5の出力とローパスフィルタ9の出力との差分を演算して出力する。
【0024】
次に、図1の魚群探知機100の動作について説明する。送信回路3から出力される所定パルス長、所定周波数の送信信号が、送受切替部2を介して送受波器1に与えられると、送受波器1の振動子(図示省略)が駆動され、超音波が水中へ発射される。発射された超音波は、水中の魚群等の標的や水底で反射し、エコーとして送受波器1で受波される。送受波器1は受波したエコーを電気信号に変換し、送受切替部2を介して受信回路4へ出力する。受信回路4は、入力された信号を増幅するとともに、所定周波数帯域の信号を取り出す。受信回路4から出力される受信信号は、A/D変換器5へ与えられる。
【0025】
A/D変換器5は、受信回路4の出力信号を、送信信号と同期して所定時間間隔でサンプリングし、デジタル信号に変換(量子化)する。A/D変換器5でデジタル変換された受信信号は、尾引き信号除去部6へ入力される。尾引き信号除去部6では、以下のような処理が行われる。
【0026】
尾引き信号除去部6に入力された受信信号は、ローパスフィルタ9に入力される一方、差分演算器10にも入力される。ローパスフィルタ9は、尾引き信号除去範囲制御部12の指示に基づいて、尾引き信号処理をする深度範囲に属する、複数回の送受信にわたる等深度のサンプリング点ごとに、独立してローパスフィルタ処理を行い、尾引き信号除去処理しない深度範囲に属するサンプリング点に対しては処理を行わずに動作を停止するか、信号強度0に相当する信号を出力する。
【0027】
図3は、ローパスフィルタ9の具体的な構成例を示している。30は各サンプリング点に対応して設けられるフィルタ素子、31は複数のフィルタ素子30の1つを選択するための選択回路、32は複数のフィルタ素子30のいずれかまたは信号強度0の信号が格納されているメモリ33から、1つを選択するための選択回路である。尾引き信号除去処理を行う深度範囲に属するサンプリングデータについては、選択回路31で各サンプリング点に対応するフィルタ素子30のいずれかへ入力され、ローパスフィルタ処理(例えば移動平均処理等)された後、選択回路32から出力される。これにより、尾引き信号除去処理を行うべき深度範囲のデータについては尾引き信号成分の抽出が行われる。また、尾引き信号除去範囲に属さないサンプリング点のデータが入力された際には選択回路32はメモリ33を選択し、ローパスフィルタ9からは信号強度0に相当するデータが出力される。
【0028】
なお、フィルタ素子30は、全サンプリング点について設ける必要は無く、尾引き信号除去処理に必要な数だけ設ければよい。こうすることで、尾引き信号除去部6の回路規模を小さくすることが可能となり、製品コストを低減することができる。
【0029】
尾引き信号除去部6から出力される信号は、検波回路7へ与えられる。検波回路7では、公知の検波処理によってエコー信号の包絡線データが取り出される。この検波回路7の出力は表示部8へ送られる。表示部8では表示用信号が生成され、エコー信号に基づく魚群映像等の水中情報が信号強度に応じた色で表示画面に表示される。
【0030】
図4は、表示部8の画面8aに表示される水中情報の例を示している。20a,20bは魚群で反射したエコーに基づく魚群映像、21は水底で反射したエコーに基づく水底映像、22は水深目盛、23は超音波の送信位置を示す発振線である。本発明では尾引き信号処理を行う深度範囲については尾引き信号除去部6において尾引き信号が除去されるので、図4には図8における尾引き信号の映像24が現れない。このため、水面付近にいる表層魚群の映像20bが明瞭に表示される。また、海底21や水面から離れた魚群20aについては、本来の信号強度に対応する色で表示され、海底底質の判断、魚量の判断に活用される。
【0031】
図5は、本発明の他の実施形態による魚群探知機200のブロック図である。図において、図1と同一部分には同一符号を付してある。本実施形態では、尾引き信号除去部6を、図1のローパスフィルタ9および差分演算器10に代えて、ハイパスフィルタ11で構成している。それ以外の構成は図1と同じである。ハイパスフィルタ11は、FIRフィルタやIIRフィルタからなり、尾引き信号除去範囲制御部12から与えられる制御信号に基づいて、尾引き信号除去処理を行う深度範囲に属する受信信号に対しては、A/D変換器5から出力される、尾引き信号およびエコー信号が重畳した受信信号から、尾引き信号を除去してエコー信号のみを出力する処理を行い、尾引き除去処理を行わない深度範囲については受信信号をそのまま出力する。
【0032】
図6は、ハイパスフィルタ11の具体的な構成例を示している。40は各サンプリング点に対応して設けられるフィルタ素子、41、42は複数のフィルタ素子40の1つ、または受信信号をそのまま通過させる経路43を選択するための選択回路である。尾引き信号除去処理を行う深度範囲のサンプリングデータについては、選択回路41で各サンプリング点に対応するフィルタ素子40のいずれかへ入力され、ハイパスフィルタ処理された後、選択回路42から出力される。これにより、尾引き信号除去処理を行うべき深度範囲のデータについては尾引き信号の除去が行われる。また、尾引き信号除去範囲に属さないサンプリング点のデータが入力された際には選択回路41、42は受信信号をそのまま通過させる経路43を選択し、ハイパスフィルタ11からは受信信号がそのまま出力される。
【0033】
なお、フィルタ素子40は、全深度のサンプリング点について設ける必要は無く、尾引き信号除去処理に必要な数だけ設ければよい。こうすることで、尾引き信号除去部6の回路規模を小さくすることが可能となり、製品コストを低減することができる。
【0034】
以上の実施形態では、本発明を魚群探知機に適用した場合を例に挙げたが、本発明は魚群探知機以外に、音響測深機、PPIソナー、スキャニングソナー、潮流計、ドップラログ、ドップラソナー、ネットレコーダなどの各種水中探知装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態である魚群探知機のブロック図である。
【図2】受信回路へ入力される信号の波形を示した図である。
【図3】ローパスフィルタの具体的な構成を示した図である。
【図4】表示部に表示される水中情報の例である。
【図5】本発明の他の実施形態による魚群探知機のブロック図である。
【図6】ハイパスフィルタの具体的な構成を示した図である。
【図7】尾引き信号を説明する図である。
【図8】従来の魚群探知機の表示部に表示される水中情報の例である。
【符号の説明】
【0036】
1 送受波器
2 送受切替部
3 送信回路
4 受信回路
5 A/D変換器
6 尾引き信号除去部
7 検波回路
8 表示部
9 ローパスフィルタ
10 差分演算器
11 ハイパスフィルタ
12 尾引き信号除去範囲制御部
30,40 フィルタ素子
31,32,41,42 選択回路
100,200 魚群探知機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号を出力する送信部と、
前記送信部から与えられる送信信号に基づき水中へ超音波を発射するとともに、水中で反射したエコーを受波して電気信号に変換する送受波器と、
前記送受波器で変換された電気信号を処理して、所定周波数帯域の受信信号を取り出す受信部と、
前記受信部で取り出された受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、
所定の情報に基づいて尾引き信号除去処理を行う処理範囲を決定し、該処理範囲に関する制御信号を出力する尾引き信号除去範囲制御部と、
前記A/D変換部でデジタル変換された受信信号に対し、前記尾引き信号除去範囲制御部が出力する制御信号に基づいて尾引き信号除去処理を実行して出力する尾引き信号除去部と、
前記尾引き信号除去部から出力される信号に対して検波処理を行う検波部と、
前記検波部から出力される信号に基づいて表示用信号を生成する表示処理部と、を備えたことを特徴とする水中探知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水中探知装置において、
前記所定の情報は、前記送信信号のパルス長、周波数の両方あるいはいずれか一方に関する情報を含むことを特徴とする水中探知装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の水中探知装置において、
前記所定の情報は、前記送受波器の種類に関する情報を含むことを特徴とする水中探知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−204508(P2009−204508A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48102(P2008−48102)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】