説明

水中油型乳化毛髪化粧料

【課題】毛髪へのなじみや広がりがよく、使用時にたれ落ちがなく、しかも油性ヘアケア剤のようなリッチ感と高い補修効果を有しながら、透明または半透明でジェル状の美しい外観を有する水中油型乳化毛髪化粧料を提供する。
【解決手段】(a)ガム状もしくは粘度100万cs以上の高分子シリコーン、両末端ヒドロキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アンモニウム変性シリコーンおよびポリアルキレングリコール変性シリコーンから選ばれたシリコーン 0.1〜10質量%と、(b)粘度が100cs以下のジメチルポリシロキサン 0.5〜79質量%と、(c)多価アルコール 1〜25質量%と、(d)親水性界面活性剤 1〜10質量%とを配合し、油相の配合量が50〜80質量%であり、(a)と(b)の配合比率(質量比)が、(a):(b)=1:5〜1:100であるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水中油型乳化毛髪化粧料に関し、さらに詳しくは、トリートメントやコンディショナーとして用いられる使用感触のよい水中油型乳化毛髪化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりブラッシングやパーマなどによる毛先ダメージの改善や感触向上にはシリコーン油が有効であるとされ、高分子量シリコーンと低沸点油を組み合わせて用いることが広く用いられてきた(特許文献1)。
特に近年はヘアカラーの常態化によりヘアダメージが深刻化してきており、ダメージヘアの改善・修復のための毛髪化粧料が望まれている。
ヘアカラー処理を行った毛髪については、ヘアカラーに含まれる過酸化水素等の酸化剤の影響で毛髪表面の脂肪層が加水分解を起こし、システイン酸が生成することで親水化することが分かっており、このためこのようなヘアカラー処理毛髪表面は、今までのようなシリコーン油を配合した油性化粧料では、なじみや広がりが悪く油ぎしみしてしまうという問題があった。
【0003】
一方、毛髪へのなじみという観点では、乳化ヘアケア剤、特に水中油型(O/W型)乳化タイプの毛髪化粧料が優位である。しかしながら乳化ヘアケア剤は通常外観が濁ってしまう。このため外観上の美しさに劣り、またべたつきがあるという印象を与えてしまうという欠点がある。
【0004】
かかる欠点を回避して、透明性を付与した乳化化粧料が開発されている(特許文献2)。この乳化化粧料は、水相に脂肪酸ポリグリセリルを配合し、油相を30〜70質量%配合するというものであるが、増粘剤や多配合の油分のためにべたつくという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−183517号公報
【特許文献2】特開2005−220076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上述べたような従来の毛髪化粧料の問題点を解決して、外観が透明ないしは半透明で美観に優れ、しかも高い補修効果とリッチ感を有し、使用感触のよい水中油型乳化毛髪化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、乳化型で毛髪へのなじみがよく、しかも多量の油分を配合することができ、油性ヘアケア剤のようなリッチ感と高い補修効果を有しながら、透明または半透明の外観を有する水中油型乳化毛髪化粧料を新たに見出した。
【0008】
本発明は、次の(a)〜(d)を含み、(a)と(b)を含む油相の配合量が50〜80質量%であり、(a)と(b)の配合比率(質量比)が、(a):(b)=1:5〜1:100であることを特徴とする透明または半透明の水中油型乳化毛髪化粧料である。
(a)ガム状もしくは粘度100万cs以上である高分子シリコーン、両末端ヒドロキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アンモニウム変性シリコーンおよびポリアルキレングリコール変性シリコーンから選ばれた一種又は二種以上のシリコーン 0.1〜10質量%
(b)粘度が100cs以下のジメチルポリシロキサン 0.5〜79質量%
(c)多価アルコール 1〜25質量%
(d)親水性界面活性剤 1〜10質量%
【発明の効果】
【0009】
本発明の水中油型乳化毛髪化粧料は、毛髪へのなじみや広がりがよく、使用時にたれ落ちがなく、しかも油性ヘアケア剤のようなリッチ感と高い補修効果を有しながら、透明または半透明でジェル状の美しい外観を有するものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
((a)ガム状もしくは粘度100万cs以上である高分子シリコーン、両末端ヒドロキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アンモニウム変性シリコーンおよびポリアルキレングリコール変性シリコーンから選ばれた一種又は二種以上のシリコーン)
本発明で用いられる(a)成分は、いずれもガム状もしくは粘度100万cs以上のものである。
本発明の高分子シリコーンは、下記一般式(1)で表されるものである。
【0011】
【化1】

【0012】
(R1はメチル基または一部がフェニル基を表し、R2はメチル基または水酸基を表す。また、nは3,000〜20,000の整数を表す。)
【0013】
ガム状もしくは粘度100万cs以上である高分子シリコーンとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、BY11-040、BY11-003、FZ-3115、FZ-3132、BY11-007、BY11-014、BY11-026(以上、東レダウコーニング社製)、XF49-601、XF49-A3818、XF49-B7082、XF49-B7083、XF49-811、XF49-703、XF49-813、XF49-B1747、XF49-B8324(以上、モメンティブ社製)、KF-96H-100万cs(信越化学工業社製)が挙げられる。
【0014】
本発明の両末端ヒドロキシ変性シリコーンとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、XF49-C2499、XF49-C2520、XF49-C2497、XF49-C2070(以上、モメンティブ社製)、1501Fluid、1503Fluid(以上、東レ・ダウコーニング社製)が挙げられる。
【0015】
本発明のアミノ変性シリコーン、アンモニウム変性シリコーンは、下記一般式(2)で表されるものである。
【0016】
【化2】

【0017】
[式中、R1はメチル基または一部がフェニル基を表し、R2はR3と同一またはメチル基または水酸基を表す。R3は式R4Z{R4は3から6の炭素原子を有する2価のアルキレン基を表し、Zは−NR52、−N+53-、−NR5(CH2)aNR52、−NR5(CH2a+53-および−NR5(CH2aN(R5)C=O(R6)(R5は水素または1から4の炭素原子を有するアルキル基を表し、R6は1から4の炭素原子を有するアルキル基を表し、AはCl、BrまたはIを表し、aは2から6の整数である。)からなる群から選ばれる1価の基を表す。}で表されるアミノ基またはアンモニウム基を有する置換基を表し、mおよびnはそれぞれ正の整数でm+nは3,000〜20,000の整数を表し、n/mは1/500〜1/10,000である。]
【0018】
本発明のアミノ変性シリコーン、アンモニウム変性シリコーンは、一般のアミノ変性またはアンモニウム変性シリコーンと同じ製造法で作ることができる。例えばγ−アミノプロピルメチルジエトキシシランと環状ジメチルポリシロキサンとヘキサメチルジシロキサンとをアルカリ触媒下に重縮合反応させることによって作ることができる。
【0019】
本発明のポリアルキレングリコール変性シリコーンは、下記一般式(3)で表されるものである。
【0020】
【化3】

【0021】
〔ただし、式中Aはメチル基、フェニル基及び一般式:−C36O(C24O)a(C36O)bR'(式中、R'は水素原子、アシル基、および炭素数1〜4のアルキル基からなる群から選択される基であり、a、bはそれぞれ5〜50の整数である)で示されるポリオキシアルキレン基からなる群から選択される基(ただし1分子中に少なくとも一つはポリオキシアルキレン基を有する)であり、Rはメチル基またはフェニル基、mは50〜1000の整数、nは1〜40の整数である。〕
【0022】
本発明のポリアルキレングリコール変性シリコーンとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、FZ-2250、SILSTYLE 401(以上、東レダウコーニング社製)が挙げられる。
【0023】
(a)成分の配合量は、毛髪化粧料全量中、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。0.1質量%未満では、十分なしっとり感、なめらかさが得られなくなる。10質量%を超えて用いると皮膜感が出てべたつきやごわつきが生じ、重くハリのあるような感触になってしまう。
【0024】
((b)粘度が100cs以下のジメチルポリシロキサン)
本発明で用いられる(b)成分は、上記(a)成分を溶解するものであり、市販品として、例えば、TSF451-5A、TSF451-10A、TSF451-20A、TSF451-100A(以上、モメンティブ社製)、SH200 C Fluid 5cs、SH200 C Fluid 6cs、SH200 C Fluid 10cs、SH200 C Fluid 20cs、SH200 C Fluid 30cs、SH200 C Fluid 50cs、SH200 C Fluid 100cs(以上、東レダウコーニング社製)、KF-96L-0.65cs、KF-96L-1cs、KF-96L-1.5cs、KF-96L-2cs、KF-96L-5cs、KF-96A-6cs、KF-96-10cs KF-96-20cs KF-96-30cs KF-96-50cs、KF-96-100cs(以上、信越シリコーン社製)などが挙げられる。
【0025】
(b)成分の配合量は、毛髪化粧料全量中、0.5〜79質量%が好ましく、より好ましくは5〜70質量%である。0.5質量%未満では、(a)成分の溶解に不十分となる。79質量%を超えて用いると、油ぎしみ感が生じて仕上がりのなめらかさが良好でなくなる。
【0026】
上記(a)成分と(b)成分の配合割合(質量比)は、(a):(b)=1:5〜1:100であることが好ましく、より好ましくは(a):(b)=1:10〜1:50である。(a)成分が(b)成分の1/5を超えるとべたつきが生じ、重くハリのあるような感触になってしまう。(a)成分が(b)成分の1/100未満だと、油ぎしみ感が生じて十分なしっとり感、なめらかさが得られなくなる。
【0027】
(その他の油分)
本発明においては、油分として(a)成分と(b)成分を含むものである。本発明で配合される(a)成分、(b)成分以外の油分としては、つぎのような油を挙げることができる。
すなわち、常圧における沸点が60〜260℃の範囲にあるイソパラフィン系炭化水素を挙げることができ、例えば、エクソン社製のアイソパーA(登録商標)、同C、同D、同E、同G、同H、同K、同L、同M、シェル社のシェルゾール71(登録商標)、フィリップ社のソルトール100(登録商標)あるいは同130、同220、イソドデカン、イソヘキサデカンなどをあげることができる。
また、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状シリコーン類も挙げられる。
さらに、油分としては、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のロウ類、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素、脂肪酸油、アルコール油、オクタン酸セチル、ミリステン酸イソプロピルなどのエステル油など、化粧料で一般的に用いられる油分が挙げられる。
【0028】
上記(a)成分と(b)成分を含む全油分の配合量は、50〜80質量%であり、より好ましくは60〜80質量%である。油分の配合量が50質量%未満ではトリートメント効果が不十分になると共に、粘度発現がしにくく、エマルジョンが経時で分離してしまう。油分の配合量が80質量%を超えると、増粘しすぎるため均一なエマルジョンを調製することが難しく、場合によっては油中水型に転相してしまう。また、(a)+(b)の配合量は、全油分中、50質量%以上であることが好ましい。
【0029】
従来の水中油型毛髪化粧料においては、油分量は本発明よりも少なく、水相を水溶性の高分子で増粘することにより、ジェル状の粘度の高い製剤にすることが行われてきた。しかし本発明においては、高分子量のシリコーンを含む油分の配合量が50質量%以上と多いため乳化粒子数も多くなり、従来のように水溶性の増粘剤を配合しなくともジェル状態の高い粘度を保つことが可能となると共に、エマルジョンとしての安定性も良好なものとなる。また本発明の毛髪化粧料は上記のように油分配合量が多いため、ヘアトリートメント効果が大きいものである。
【0030】
((c)多価アルコール)
多価アルコールは、油相と水相の屈折率をほぼ同じにして系を透明〜半透明にするために必要とされる成分である。
本発明で用いられる(c)多価アルコールとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、マンニトール、イノシトールから選ばれる一種又は二種以上が挙げられる。
【0031】
(c)成分の配合量は、毛髪化粧料全量中、1〜25質量%が好ましく、より好ましくは5〜25質量%である。5質量%未満では、透明性を確保することが困難となる。25質量%を超えて用いると、べたつきが強くなり、仕上がりが重くなる。
油分が少ない場合には結果として屈折率の低い水が多くなるため、水相の屈折率を油相の屈折率に合わすためには屈折率の高い多価アルコールを多量に配合する必要がある。それに対し、本発明では油分の配合量が多いため、多価アルコール量を少なくしても透明性を保つことができる。
【0032】
((d)親水性界面活性剤)
本発明で用いられる(d)親水性界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤があり、それぞれ次のようなものが例示される。これらのうち、水中油型乳化の目的からHLB8以上のものが望ましい。
【0033】
・カチオン性界面活性剤
アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);第四級アンモニウム塩(アルキルアンモニウム塩等);アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE−アルキルアミン;アミン塩(アルキルアミン塩等);ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;脂肪酸アミドプロピル誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0034】
・アニオン性界面活性剤
ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシルサルコシン塩、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩等のN−アシル-N-アルキルタウリン塩等が挙げられる。
【0035】
・両性界面活性剤
ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアミドベタイン型、ラウリルアミドアルキレンジメチルアミノスルホベタイン等のアミドスルホベタイン型、ラウリル(ジメチル)ベタイン、ステアリル(ジメチル)ベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型、ラウリルスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩、ヤシ油アルキルN−カルボキシエチルN−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0036】
・ノニオン性界面活性剤
ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリン酸ジエチレングリコール、ラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール等のアルキレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE−ソルビットモノラウレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POE−グリセリンモノイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POE−オクチルドデシルエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類、プルロニック型類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油誘導体、糖エステル系、糖エーテル系、糖アミド系等の糖類、アルキルグリコシド等が挙げられる。
【0037】
(d)親水性界面活性剤の配合量は、1〜10質量%であり、好ましくは2〜5質量%である。親水性界面活性剤の配合量が1質量%未満では、乳化物の長期安定性を確保するのが難しくなる。配合量が10質量%を超えると、べたつきが強くなり、仕上がりが重くなる。
【0038】
(水溶性の高分子増粘剤)
本発明においては、水溶性の高分子増粘剤を配合しないか、配合しても0.5質量%以下であることが好ましい。0.5質量%を超えて配合すると、ハリ感、ごわつき感が強くなり感触を損なってしまう。
水溶性の高分子増粘剤としては、次のようなものが例示される。
【0039】
・多糖類系
アラビアガム、グルカン、サクシノグリカン、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、グアガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナンガム、キサンタンガム、デンプン、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カードラン、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]グアガム、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ローカストビーンガム、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムなどが挙げられる。
【0040】
・アクリルおよびビニル系
アニオン性であれば例えば、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体(プラスサイズL−53P、プラスサイズL−9909B、プラスサイズL−9948Bなど(いずれも互応化学工業株式会社製))、アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体(Dermacryl 79(アクゾノーベル株式会社製))、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール−25・ジメチコン・アクリレーツ共重合体(ルビフレックスSILK(BASF社製))、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体(ウルトラホールド8、ウルトラホールドStrong(BASF社製))、アクリル酸アルキル共重合体(アニセットNF−1000,アニセットHS−3000(大阪有機化学工業株式会社製))などが挙げられる。
両性であれば例えば、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピルプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER SH30、AMPHOMER LV-71(アクゾノーベル株式会社製))、メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(ユカフォーマーR205、ユカフォーマー301、ユカフォーマーSM、ユカフォーマー104Dなど(三菱化学株式会社製)、RAMレジン−1000、RAMレジン−2000、RAMレジン−3000、RAMレジン−4000(大阪有機化学工業株式会社製))、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(マーコート280、マーコート295(ナルコ社製))、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸共重合体(マーコートプラス3330、マーコートプラス3331(ナルコ社製))などが挙げられる。
カチオン性であれば例えば、ビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体ジエチル硫酸塩(H.C.ポリマー1S(M)、H.C.ポリマー2(大阪有機化学工業株式会社製)、ガフコート755N(ISP社製))、ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体(スタイリーゼW−20(ISP社製))、ビニルピロリドン・メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル・アクリル酸アルキル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体(コスカットGA467,コスカットGA468(大阪有機化学工業株式会社製)、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム(マーコート100(ナルコ社製))、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(マーコート550(ナルコ社製))、塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド・ジメチルアクリルアミド共重合体や特開2008−189582などが挙げられる。
ノニオン性であれば例えば、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK17、ルビスコールK30、ルビスコールK90(BASF社製)、PVP K(ISP社製))、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(PVP/VA S−630、PVP/VA E−735、PVP/VA E−335(以上ISP社製)、ルビスコールVA73W、ルビスコール37E(以上BASF社製)、PVA−6450(大阪有機化学工業株式会社製))、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体(ガントレッツA-425、ガントレッツES-225、ガントレッツES-335など(ISP社製))、ビニルピロリドン・メタクリルアミド・ビニルイミダゾール共重合体(ルビセットクリア(BASF社製))などが挙げられる。
・ウレタン系
ヨドゾールPUD(アクゾノーベル株式会社製)、ルビセットP.U.R.(BASF社製)、特開2006−213706のポリマー、アクリル−ウレタン系であれば、DynamX(アクゾノーベル株式会社製)などが挙げられる。
【0041】
本発明の毛髪化粧料には、本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、化粧料用乳化組成物に通常用いる上記以外の各種成分を目的に応じて配合することができる。それには、例えばヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩等の保湿剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤等がある。
【0042】
さらに、大豆タンパク、ゼラチン、コラーゲン、絹フィブロイン、エラスチン等のタンパクまたはタンパク加水分解物、エチルパラベン、ブチルパラベン等の防腐剤、各種アミノ酸、ビオチン、パントテン酸誘導体等の賦活剤、γ−オリザノール、デキストラン硫酸ナトリウム、ビタミンE等の抗脂漏剤、エタノール、イソプロパノール、テトラクロロジフルオロエタン等の希釈剤、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤、薬剤、香料、色剤等があり、それらは必要に応じて適宜配合することができる。
【0043】
本発明の毛髪化粧料は、外観が透明または半透明でありながら、水中油型の乳化タイプであり、しかもジェル状で油分が多い。そのため透明で外観の美しさがあるにもかかわらず、油性化粧料のようなベタツキもなくて毛髪へのなじみもよく、また使用時にたれ落ちがなく、塗布時のなじみ、広がりなどの使用性もよいものである。
なお、本発明において透明又は半透明とは、色差計(Spectro color meter SE2000;日本電飾社製)を用いて測定した時のL値が40以上であることを意味する。
【0044】
本発明の毛髪化粧料は、その製品形態としては、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアパック、ヘアクリーム、ヘアトリートメント等として用いることができ、使用形態としては、毛髪に塗布した後洗い流さないタイプ、毛髪に塗布した後洗い流すタイプのいずれにも用いることができるが、前者の方がより好ましい。
【実施例】
【0045】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%を示す。
実施例に先立ち、本発明で用いた評価方法及び評価基準を説明する。
【0046】
(1)外観(安定性・透明性)
作成した試料を透明ガラス容器(スクリュー管)に入れ、常温で1ヵ月静置したときの試料が均一かどうか調べた。均一なものについては、色差計(Spectro color meter SE2000;日本電飾社製)を用いL値を測定し、40以上を透明として評価した。
【0047】
<評価基準>
A:上記測定でのL値40以上
D:上記測定でのL値40未満
【0048】
(2)塗布時の伸びのよさ
試料を0.5g手のひらにとり、指で伸ばしていったときののびのよさについて、10名の女性専門パネラーによる官能試験にて評価を行った。評価は下記評価点基準により各人が点数をつけ、10人の点数を合計し、下記の評価基準で各テスト品の評価を行った。
【0049】
<評価点基準>
5点:のびがよい
4点:ややのびがよい
3点:普通
2点:ややのびがわるい
1点:のびがわるい
【0050】
<評価基準>
A:合計点が40点以上
B:合計点が30点以上40点未満
C:合計点が20点以上30点未満
D:合計点が20点未満
【0051】
(3)たれ落ちのなさ
試料を0.5g手のひらにとり、指で伸ばしていったときに指の間からのたれ落ちのなさについて、10名の女性専門パネラーによる官能試験にて評価を行った。評価は下記評価点基準により各人が点数をつけ、10人の点数を合計し、下記の評価基準で各テスト品の評価を行った。
【0052】
<評価点基準>
5点:たれ落ちがない
4点:ややたれ落ちがない
3点:普通
2点:ややたれ落ちがある
1点:たれ落ちがる
【0053】
<評価基準>
A:合計点が40点以上
B:合計点が30点以上40点未満
C:合計点が20点以上30点未満
D:合計点が20点未満
【0054】
(4)塗布時のなじみのよさ
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm,質量4g)に試料を0.5g塗布し、指でなじませていったときのなじみのよさについて、10名の女性専門パネラーによる官能試験にて評価した。評価基準は、以下の通りである。
【0055】
<評価点基準>
5点:なじみがよい
4点:ややなじみがよい
3点:普通
2点:ややなじみが悪い
1点:なじみが悪い
【0056】
<評価基準>
A:合計点が40点以上
B:合計点が30点以上40点未満
C:合計点が20点以上30点未満
D:合計点が20点未満
【0057】
(5)塗布時のべたつきのなさ
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm,質量4g)に試料を0.5g塗布し、指でなじませた後の毛髪のべたつきのなさについて、10名の女性専門パネラーによる官能試験にて評価した。評価基準は、以下の通りである。
【0058】
<評価点基準>
5点:べたつきがない
4点:ややべたつきがない
3点:普通(どちらともいえない。)
2点:ややべたつきがある
1点:べたつく
【0059】
<評価基準>
A:合計点が40点以上
B:合計点が30点以上40点未満
C:合計点が20点以上30点未満
D:合計点が20点未満
【0060】
(6)仕上がりのなめらかさ
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm,質量4g)に試料を0.5g塗布し、指でなじませ仕上げた後の毛髪表面のなめらかさについて、10名の女性専門パネラーによる官能試験にて評価した。評価基準は、以下の通りである。
【0061】
<評価点基準>
5点:非常になめらか
4点:なめらか
3点:普通(どちらともいえない。)
2点:ややなめらかでない。
1点:なめらかでない
【0062】
<評価基準>
A:合計点が40点以上
B:合計点が30点以上40点未満
C:合計点が20点以上30点未満
D:合計点が20点未満
【0063】
(7)仕上がりの指どおりのよさ
1束の黒色バージンヘア(長さ20cm,質量4g)に試料を0.5g塗布し、指でなじませ仕上げた後の毛髪の指どおりのよさについて、10名の女性専門パネラーによる官能試験にて評価した。評価基準は、以下の通りである。
【0064】
<評価点基準>
5点:非常に指どおりが良い
4点:指どおりが良い
3点:普通(どちらともいえない。)
2点:やや指どおりが良くない。
1点:指どおりが良くない
【0065】
<評価基準>
A:合計点が40点以上
B:合計点が30点以上40点未満
C:合計点が20点以上30点未満
D:合計点が20点未満
【0066】
実施例1〜11、比較例1〜4
下記表1、表2に示した各処方成分よりなる毛髪化粧料を後記の方法により調製した。得られた毛髪化粧料について、上記の基準で、外観、塗布時の伸びのよさ、たれ落ちのなさ、塗布時のなじみのよさ、塗布時のべたつきのなさ、仕上がりのなめらかさ、仕上がりの指どおりのよさを評価した。その結果を併せて表1、表2に示す。
本発明は、高分子シリコーンを含んだ油分を高配合量した水中油型乳化化粧料とすることにより、毛髪表面になじみやすさや広がりと、ヘアトリートメント効果の両方を達成することが可能となった。
【0067】
<製法>
(5)を加温融解させた後(4)に溶解させ、続いて(2)を(1)に入れ攪拌分散した水溶液をこれに添加し均一に混合させる。さらに(3)を入れこれを水相パーツとする。一方、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)を混合させたものを油相パーツとし、水相パーツに加えホモミキサーにて乳化し透明毛髪化粧料(洗い流さないヘアトリートメント)を得た。
【0068】
【表1】

【0069】
【表2】

【0070】
※1:ハイビスワコー105(和光純薬工業株式会社製)
※2:BY11−206(30%高重合シリコーン/70%低粘度シリコーン(20cs)(東レダウコーニング株式会社製)
※3:XF−C2520(20%両末端ヒドロキシ変性高重合シリコーン/80%シクロペンタシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
※4:下記一般式(4)で、R1=メチル基、R2=−(CH2)3N(CH3)(CH2)2N(CH3)2、m=5000、n=150のアミノ変性シリコーン(20%)/80%低粘度シリコーン(20cs)
【0071】
【化4】

【0072】
※5:前記一般式(2)で、R1=メチル基、R2=水酸基、R3=−(CH23+(CH33Cl-、m=18,000、n=2のアンモニウム変性高分子シリコ―ン(10%)/90%低粘度シリコーン(20cs)
【0073】
※6:FZ−2250(35%ポリアルキレングリコール変性高重合シリコーン/65%揮発性イソパラフィン)(東レダウコーニング株式会社製)
※7:KF−96A−6cs(信越化学工業株式会社製)
※8:KF−96A−100cs(信越化学工業株式会社製)
【0074】
以下に、本発明の水中油型乳化毛髪化粧料の処方例を挙げる。本発明はこの処方例によって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0075】
処方例1(洗い流さないヘアトリートメント)
成分 (質量%)
(1)イオン交換水 残余
(2)カチオン化セルロース 0.2
(ポリマーJR−400(ユニオン・カーバイドジャパン社製))
(3)グリセリン 5.0
(4)プロピレングリコール 20.0
(5)ポリオキシエチレン(40)硬化ひまし油 2.5
(6)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(25%水溶液) 1.0
(7)加水分解コムギタンパク液 0.5
(クロペプタイドW(クローダ社製))
(8)アミノ変性シリコーン 10.0
(前記一般式(4)で、R1=メチル基、R2=−(CH2)3N(CH3)2、m=5000、n=20のアミノ変性シリコーン(20%)/80%低粘度シリコーン(20cs))
(9)低粘度シリコーン 45.0
(KF-96-20cs(信越化学工業株式会社製))
(10)ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体 5.0
(FZ−2250(東レダウコーニング株式会社製))
(11)香料 適量
【0076】
<製法>
(5)を加温融解させた後(4)に溶解させ、続いて(2)を入れ均一に分散させた後、(11)(1)(3)(6)(7)の順に入れ混合したものを水相パーツとする。一方、(8)(9)(10)を混合させたものを油相パーツとし、水相パーツに加えホモミキサーにて乳化し透明毛髪化粧料(洗い流さないヘアトリートメント)を得た。
【0077】
処方例2(洗い流さないヘアトリートメント)
成分 (質量%)
(1)イオン交換水 0.5
(2)アクリル酸・アクリル酸アルキル(C10−30)共重合体 0.2
(PEMULEN TR-2(B.F.Goodrich Chemical Company社製))
(3)ポリオキシエチレン(10)メチルグルコシド 10.0
(グルカムE-10(日本ルーブリゾール株式会社製))
(4)プロピレングリコール 10.0
(5)ココアンホ酢酸ナトリウム 2.0
(6)イソステアリン酸 1.5
(7)大豆レシチン 0.5
(8)両末端ヒドロキシ変性シリコーン 20.0
(XF49−C2070(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製))
(9)低粘度シリコーン 10.0
(KF-96-100cs(信越化学工業株式会社製))
(10)イソドデカン 20.0
(11)香料 適量
(12)トリエタノールアミン 0.1
【0078】
<製法>
(2)(7)を(1)に均一分散後、(3)(5)(12)の順に添加し、均一攪拌後(11)を溶解させた(4)を加え水相パーツとする。一方、(6)(8)(9)(10)を混合させたものを油相パーツとし、水相パーツに加えホモミキサーにて乳化し透明毛髪化粧料(洗い流さないヘアトリートメント)を得た。
【0079】
処方例3(洗い流さないヘアトリートメント)
成分 (質量%)
(1)イオン交換水 残余
(2)ビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体ジエチル硫酸塩20%水溶液(ガフコート755N(ISP社製)) 2.0
(3)ソルビトール 4.0
(4)プロピレングリコール 10.0
(5)ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 3.0
(6)ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート 0.5
(DEHYQUART L80(コグニス・ジャパン社製)
(7)ヒドロキシエチル尿素 1.0
(8)アミノ変性シリコーン 14.0
(前記一般式(4)で、R1=メチル基、R2=−(CH2)3N(CH3)2、m=10000、n=10のアミノ変性シリコーン(20%)/80%低粘度シリコーン(20cs))
(9)低粘度シリコーン 55.0
(KF-96-6cs(信越化学工業株式会社製))
(10)シリコーンエラストマー 1.0
(DC9041 Silicone Elastomer Blend(東レダウコーニング株式会社製))
(11)香料 適量
(12)アミノ酸50%水溶液 0.5
(プロデュウ500(味の素株式会社製))
【0080】
<製法>
(5)を融解させた後(4)に添加し、続いて(11)を添加し均一攪拌後に(1)(3)(6)(7)(12)の順に加え混合したものを水相パーツとする。一方、(8)(9)(10)を混合させたものを油相パーツとし、水相パーツに加えホモミキサーにて乳化し透明毛髪化粧料(洗い流さないヘアトリートメント)を得た。
【0081】
処方例4(洗い流さないヘアトリートメント)
成分 (質量%)
(1)イオン交換水 残余
(2)ビニルピロリドン・メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル・アクリル酸アルキル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体 0.2
(コスカットGA467(大阪有機化学工業株式会社製))
(3)ジグリセリン 5.0
(4)プロピレングリコール 20.0
(5)ステアリン酸ポリエチレングリコール(5)グリセリル 2.5
(6)ポリオキシエチレン(10)メチルエーテルジメチコン 10.0
(SH−3749(東レダウコーニング株式会社製))
(7)L−メントール 0.2
(8)高重合シリコーン 10.0
(BY11−206(30%高重合シリコーン/70%低粘度シリコーン(20cs))
(9)低粘度シリコーン 38.0
(KF-96-6cs(信越化学工業株式会社製))
(10)メチルフェニルポリシロキサン 2.0
(KF-56(信越化学工業株式会社製))
(11)香料 適量
(12)乳酸 0.1
【0082】
<製法>
(5)を融解させた後(4)に添加し、続いて(11)を添加し均一攪拌後に(1)(3)(6)(7)(12)の順に加え混合したものを水相パーツとする。一方、(8)(9)(10)を混合させたものを油相パーツとし、水相パーツに加えホモミキサーにて乳化し透明毛髪化粧料(洗い流さないヘアトリートメント)を得た。
【0083】
処方例5(ヘアコンディショナー)
成分 (質量%)
(1)イオン交換水 残余
(2)ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル(20EO)・ヘキサメチレンジイソシアネート・ポリオキシエチレングリコール(240EG)共重合体 0.5
(3)ポリエチレングリコール(分子量400) 8.0
(4)ジプロピレングリコール 10.0
(5)ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 2.5
(6)ステアロキシヒドロキシプロピルアミン 2.0
(7)カチオン化オリゴ糖 0.5
(OLIGOQUAT M;株式会社GSIクレオス製)
(8)高重合シリコーン 20.0
(BY11−206(30%高重合シリコーン/70%低粘度シリコーン(20cs))
(9)低粘度シリコーン 50.0
(KF-96-6cs(信越化学工業株式会社製))
(10)ビスイソブチルPEG-14・アモジメチコン共重合体 0.5
(SILSTYLE 104(東レダウコーニング株式会社製))
(11)香料 適量
(12)L−グルタミン酸 0.6
【0084】
<製法>
加温させた(4)に融解させた(5)と(2)(6)(11)を添加し溶解後、続いて(1)(3)(7)(12)の順に加え混合したものを水相パーツとする。一方、(8)(9)(10)を混合させたものを油相パーツとし、水相パーツに加えホモミキサーにて乳化し透明毛髪化粧料(ヘアコンディショナー)を得た。
【0085】
処方例6(ヘアコンディショナー)
成分 (質量%)
(1)イオン交換水 残余
(2)カチオン化グアガム 0.2
(カチナールCG−100S(東邦化学工業株式会社製))
(3)ポリエチレングリコール(分子量400万) 0.1
(4)ジプロピレングリコール 17.0
(5)ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 2.5
(6)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2.0
(7)プロピルトリモニウムクロリドアクリルアミド(DMAPAAC)・ジメチルアクリルアミド(DMAA)共重合体 0.2
(DMAPAAC/DMAA=30/70(モル百分率)、重量平均分子量=430,000)
(8)高重合シリコーン 20.0
(BY11−206(30%高重合シリコーン/70%低粘度シリコーン(20cs))
(9)低粘度シリコーン 40.0
(KF-96-6cs(信越化学工業株式会社製))
(10)ビス(C13−15アルコキシ)PGアモジメチコン共重合体 1.0
(JP-8500 Conditioning Agent(東レダウコーニング株式会社製))
(11)香料 適量
(12)ワインエキス 0.5
【0086】
<製法>
(4)に融解させた(5)と(2)(6)を添加し均一攪拌後、(1)(3)(4)(7)(12)の順に加え混合したものを水相パーツとする。一方、(8)(9)(10)を混合させたものを油相パーツとし、水相パーツに加えホモミキサーにて乳化し透明毛髪化粧料(ヘアコンディショナー)を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の(a)〜(d)を含み、(a)と(b)を含む油相の配合量が50〜80質量%であり、(a)と(b)の配合比率(質量比)が、(a):(b)=1:5〜1:100であることを特徴とする透明または半透明の水中油型乳化毛髪化粧料。
(a)ガム状もしくは粘度100万cs以上である高分子シリコーン、両末端ヒドロキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アンモニウム変性シリコーンおよびポリアルキレングリコール変性シリコーンから選ばれた一種又は二種以上のシリコーン 0.1〜10質量%
(b)粘度が100cs以下のジメチルポリシロキサン 0.5〜79質量%
(c)多価アルコール 1〜25質量%
(d)親水性界面活性剤 1〜10質量%
【請求項2】
前記(a)と(b)を含む油相の配合量が60〜80質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化毛髪化粧料。
【請求項3】
水溶性の高分子増粘剤を配合しないか、配合しても0.5質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化毛髪化粧料。

【公開番号】特開2010−254632(P2010−254632A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107799(P2009−107799)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】