水冷式冷却器
【課題】冷却効率並びに冷却能力を改善した水冷式冷却器を提供する。
【解決手段】放熱板10の下部に放熱板10と一体に設けられて箱形の冷却器本体1Aを構成し、上面20aに上記凹陥部12の凹陥面(cc)に対応して上記凹陥面(cc)との間に放射状の水路(rf)となる間隙(d)を形成した半球状の突出部22を有し、突出部22に該突出部22の頂部に噴水用ノズル23を形成した噴水用給水管24を具備した噴水板20と、冷却器本体1Aの外部から上記噴水用ノズル23に冷却水(W)を供給する給水手段3Aと、流水路30に流出された冷却水(W)を排水管35を介して冷却器本体1Aの外部に排水する排水手段3Bとを具備する。
【解決手段】放熱板10の下部に放熱板10と一体に設けられて箱形の冷却器本体1Aを構成し、上面20aに上記凹陥部12の凹陥面(cc)に対応して上記凹陥面(cc)との間に放射状の水路(rf)となる間隙(d)を形成した半球状の突出部22を有し、突出部22に該突出部22の頂部に噴水用ノズル23を形成した噴水用給水管24を具備した噴水板20と、冷却器本体1Aの外部から上記噴水用ノズル23に冷却水(W)を供給する給水手段3Aと、流水路30に流出された冷却水(W)を排水管35を介して冷却器本体1Aの外部に排水する排水手段3Bとを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパワー半導体等の発熱体の放熱機構に適用して好適な水冷式冷却器に関する。
【背景技術】
【0002】
パワー半導体から発生する熱を水冷式放熱フィンにより放熱する水冷式の放熱機構を備えた機器において、従来では、放熱フィンに冷却管の貫通孔を設け、この貫通孔に冷却管(単管)を嵌挿して水冷式の放熱機構を構成していた。この放熱機構は、放熱フィンに内接して貫通した直状の冷却管内を、冷却水がそのまま直進して通過する構造であり、放熱フィンと冷却水との間での熱交換は、放熱フィンを貫通した冷却管の内壁とこの内壁面に触れる冷却水との間で行われることから、冷却水全体に効率よく熱伝達が行われずに冷却水が排水され、供給した冷却水の冷却能力が十分に活用されないという問題があった。
【0003】
この種、水冷式の放熱機構として、従来では、扁平な箱状のタンクを備えた水冷ヒートシンク(特許文献1参照)が存在した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−053348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来の水冷式放熱機構においては、供給した冷却水の冷却能力が十分に活用されておらず、冷却効率並びに冷却能力の面で問題があった。
【0006】
本発明の実施形態は、冷却効率並びに冷却能力を改善した水冷式冷却器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、冷却水を用いて発熱部品を冷却する水冷式冷却器であって、上面に前記発熱部品の部品実装面を有し、下面に半球状の凹陥部を有する放熱板と、前記放熱板の下部に前記放熱板と一体に設けられて箱形の冷却器本体を構成し、上面に前記凹陥部に対応して前記凹陥部との間に放射状の水路となる間隙を形成した半球状の突出部を有し、前記突出部の頂部に先端が開口した貫通孔が形成された噴水板と、前記貫通孔に嵌挿され、前記放射状の水路に前記冷却水を噴出する噴水用給水管と、前記放射状の水路に連通して前記放熱板の下面と前記噴水板の上面との間に形成された流水路と、前記噴水用給水管に冷却水を供給する給水手段と、前記流水路に流出された前記冷却水を排水する排水手段と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、冷却効率並びに冷却能力を改善した水冷式冷却器が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る水冷式冷却器の放熱板の上面側の構成を示す平面図。
【図2】上記実施形態に係る水冷式冷却器の構成を示す図1のA−A線に沿う側断面図。
【図3】上記実施形態に係る水冷式冷却器の放熱板の下面側の構成を示す斜視図。
【図4】上記実施形態に係る水冷式冷却器の噴水板の上面側の構成を示す斜視図。
【図5】図4に示す突出部の構成と冷却水の流水方向を示す斜視図。
【図6】上記実施形態に係る水冷式冷却器の噴水用ノズルの構成を示す斜視図。
【図7】上記実施形態に係る水冷式冷却器の給水構造と冷却水の流れを示す斜視図。
【図8】上記図7に示す給水構造と冷却水の流れを示す側面図。
【図9】上記実施形態に係る水冷式冷却器の排水構造と冷却水の流れを示す斜視図。
【図10】上記図9に示す排水構造と冷却水の流れを示す側面図。
【図11】上記実施形態に係る水冷式冷却器の配管構造と冷却水の流れを示す平面図。
【図12】上記実施形態に係る水冷式冷却器の放熱板上における配管構造を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0011】
本発明の実施形態に係る水冷式冷却器の放熱板の上面側の構成を図1に示し、図1のA−A線に沿う側断面構成を図2に示している。この実施形態に係る水冷式冷却器は、発熱源に近接した冷却水路を有する噴水型の冷却器を構成している。
【0012】
本発明の実施形態に係る水冷式冷却器は、図1および図2に示すように、上面10aに、回路基板40に回路接続された複数の発熱部品(パワー半導体素子)41の部品実装面11を有し、下面10bに半球状の凹陥部(半球状の凹陥面(cc)を形成した凹陥部)12を有する放熱板10と、この放熱板10の下部に上記放熱板10と一体に設けられて箱形の冷却器本体1Aを構成し、上面20aに上記凹陥部12の凹陥面(cc)に対応して上記凹陥面(cc)との間に放射状の水路(rf)となる間隙(d)を形成した半球状の突出部(半球状の凸出面(cv)を形成した突出部)22を有し、この突出部22の頂部に先端が開口した貫通孔26が形成された噴水板20と、上記貫通孔26に嵌挿され、上記放射状の水路(rf)に冷却水(W)を噴出する噴水用給水管24と、上記放射状の水路(rf)に連通して上記放熱板10の下面10bの平坦面(fa)と上記噴水板20の上面20aの平坦面(fb)との間に形成された流水路30と、上記冷却器本体1Aの外部から噴水用給水管24に給水管32を介して冷却水(W)を供給する給水手段3Aと、上記流水路30に流出された上記冷却水(W)を排水管35を介して冷却器本体1Aの外部に排水する排水手段3Bとを具備して構成されている。
【0013】
放熱板10の上面10aは部品実装面11を構成し、この部品実装面11に、この実施形態では、冷却対象の発熱部品となる複数のパワー半導体素子41を一定間隔で行列状に配置した回路基板40が螺子止め固定されている。この回路基板40は、パワー半導体素子41の取付位置に対応して素子本体を下面側に導出(露出)させるための開口40Hを有し、この開口40Hを介してパワー半導体素子41が部品実装面11に螺子止め固定されている。
【0014】
放熱板10は冷却器本体1Aの上部構体を構成し、噴水板20は同冷却器本体1Aの下部構体を構成している。放熱板10と噴水板20はその周側面を一体にした密閉箱形筐体を構成している。放熱板10と噴水板20は、それぞれ熱伝導率が良く加工が容易な中実の金属材料(実施形態はアルミニウム)を用いて構成されている。
【0015】
放熱板10の下面10bは、図2および図3に示すように、凹陥部12を構成する半球状の凹陥面(cc)と、凹陥面(cc)を形成しない平坦面(fa)とでなる冷却水(W)の流水面を構成している。半球状の凹陥面(cc)を形成した凹陥部12は、部品実装面11に実装されたパワー半導体素子41の実装位置(取付位置)に対応して、発熱源となる(冷却対象となる)パワー半導体素子41の取付位置直下に該素子に近接して設けられている。
【0016】
噴水板20の上面20aは、図2および図4に示すように、突出部22を構成する半球状の凸出面(cv)と、凸出面(cv)を形成しない平坦面(fb)とでなる冷却水(W)の流水面を構成している。上記平坦面(fb)で構成される流水面は、冷却器本体1Aに給水された冷却水(W)を冷却器本体1Aの外部に排水するための流水路30を構成している。この流水路30は、冷却器本体1Aの給水側となる一方端(一方の側面)1aを高位(上流端)とし前記一方端と反対側の排水側となる他方端(他方の側面)1bを低位(下流端)とした傾斜度θ(図2参照)を有する傾斜水路(si)を構成している。この傾斜水路(si)に対して同水路から直立する複数の突出部22の各頂部は、放熱板10と噴水板20の接合面に対して一様に揃えられている。すなわち突出部22の凸出面(cv)頂部に設けられた、冷却水(W)の噴水孔を形成する開口(開口から露出する噴水用ノズル23)の高さ位置は、放熱板10と噴水板20の接合面に対して一様に揃えられている。この実施形態では噴水板20の上面20aに突設された突出部22の基部となる円筒部分の高さを異ならせることで、突出部22の凸出面(cv)頂部を放熱板10と噴水板20の接合面に対して一様に揃えている。
【0017】
上記した放熱板10の下面10bと、噴水板20の上面20aとの間において、半球状の凹陥面(cc)を形成した凹陥部12と、この凹陥部12に対応して設けられた、半球状の凸出面(cv)を形成した突出部22との間隙(d)により、放射状の水路(rf)が形成され、凹陥部12が形成されない平坦面(fa)と突出部22が形成されない平坦面(fb)との間隙により冷却水(W)を上流(給水側)から下流(排水側)へ流す流水路30となる傾斜水路(si)が形成される。
【0018】
噴水板20の上面20aに突設された突出部22には、突出部22の頂部に先端が開口した貫通孔26が形成され、この貫通孔26に、上記開口から上記放射状の水路(rf)に向けて上記冷却水(W)を噴出する噴水用給水管24が嵌挿されている。この噴水用給水管24の先端部分(冷却水噴出部分)は、先端を小径にしたテーパー状の噴水用ノズル23を形成しており、この噴水用ノズル23の構成については図5および図6を参照して後述する。上記貫通孔26は、突出部22の頂部を先端(上端)として鉛直方向に穿設され、この貫通孔26に噴水用給水管24が断熱部材25を介して設けられている。
【0019】
半球状の凹陥面(cc)を形成した凹陥部12と、この凹陥部12に対応して設けられた、半球状の凸出面(cv)を形成した突出部22との間隙(d)により形成された放射状の水路(rf)における噴水用ノズル23から噴出された冷却水(W)の流れを図5に示している。
【0020】
この実施形態では、噴水用ノズル23から噴出された冷却水(W)が渦流となって放射状の水路(rf)を流れる。
この渦流を生起する噴水用ノズル23の構成を図6に拡大して示している。
突出部22の頂部に設けられた噴水用ノズル23は、図6に示すように、給水管32を介して供給された冷却水(W)を直上方向に噴出する中央噴出孔23aと、この中央噴出孔23aの周囲に設けられ、上記給水管32を介して供給された冷却水(W)に対して渦流を生起するために斜め上方向に噴出する、噴出方向を一様に傾斜した複数の渦流発生用噴出孔23bとを具備して構成されている。すなわち、突出部22の凸出面(cv)の頂部に設けられた噴水用ノズル23は、鉛直方向を軸心に穿設された中央噴出孔23aと、この中央噴出孔23aから噴出される冷却水(W)に対してその周囲を冷却水(W)が旋回しながら(螺旋を描きながら)上昇する方向を軸心に穿設された、中央噴出孔23aより小径の複数の渦流発生用噴出孔23bとを具備して構成されている。
【0021】
この複数の渦流発生用噴出孔23bから噴出した冷却水(W)により、中央噴出孔23aから噴出した冷却水(W)は、図5に示すように、複数の渦流発生用噴出孔23bから噴出した冷却水(W)の流れを受けて渦流化され、渦流となって螺旋を描きながら放射状の水路(rf)を流れる。
【0022】
突出部22の内部において、先端に噴水用ノズル23を形成した噴水用給水管24の周囲には、冷却水(W)を初期の(熱交換前の)温度状態で噴水用ノズル23に導くための断熱部材25が設けられている。突出部22に形成された貫通孔26は円筒形状の断熱部材25を収容する室を有し、この室に断熱部材25を収容している。この断熱部材25の孔に噴水用給水管24が嵌挿されることによって、噴水用給水管24が断熱部材25を介して突出部22に保持されている。
【0023】
冷却器本体1Aの一方の側面1aには、図2および図4に示すように、給水手段3Aから給水される冷却水(W)を傾斜水路(si)の上流端に給水する複数の給水口21が設けられ、冷却器本体1Aの他方の側面1bには、傾斜水路(si)の下流端に到達した冷却水(W)を冷却器本体1Aの外部に設けられた排水手段3Bに排水する矩形状に開口された排水口28が設けられている。
【0024】
排水用配管36の半径Reは、給水用配管31の半径Rsより大径として、排水がスムースに行える構造となっている。
【0025】
給水用配管31には、噴水用給水管24に連通した給水管32と、給水口21に連通した給水管33が継合され、排水用配管36には、排水口28に連通した排水管35が継合されている。給水管32,33の端面は円環形状であり、排水管35の端面は扁平(矩形若しくは長円)形状である。
【0026】
給水口21は、図7および図8に示すように、先端を小径としたノズル構造としている。すなわち、給水管33を介して供給された冷却水(W)を加圧して冷却器本体1A内部の傾斜水路(si)上流端に給水(噴射)するため、冷却器本体1Aの一方の側面1aに、冷却器本体1Aの外部に向かって拡径する漏斗状(円錐形状)の孔を穿設して給水管33に連通した給水口21を構成している。
【0027】
排水口28は、図9および図10に示すように、横方向に幅広の矩形構造としている。すなわち、傾斜水路(si)の下流端に到達した冷却水(W)を淀みなく迅速に冷却器本体1Aの外部に排水するため、傾斜水路(si)の他方の側面1bに、傾斜水路(si)の幅方向に拡がる幅広の矩形状の開口部を開口して排水管35に連通した排水口28を構成している。この排水口28は排水管35に連通され、この排水管35を介して排水用配管36に連通されている。
【0028】
排水管35は、図9に示すように、排水口28の開口面に合致する給水口と幅広の排水口とを有した幅広の扁平構造をなし、その幅広の排水口が排水用配管36に連通されている。
【0029】
上記した給水用配管31および給水管32,33と、排水管35および排水用配管36との継合構造を図11および図12に示している。
【0030】
この実施形態では、回路基板40に、冷却対象の発熱部品となる複数のパワー半導体素子41を一定間隔で行列状に配置し、このパワー半導体素子41の配置位置に対応して放射状の水路(rf)を形成する凹陥部12および突出部22を設けている。図12に示す配置構成例では、回路基板40の長手方向を行方向としたとき、4×4の行列状にパワー半導体素子41が配列され、この配列に対応して放射状水路(rf)を形成する凹陥面(cc)および凸出面(cv)が設けられている。
【0031】
給水管32は、給水用配管31から給水された冷却水(W)を列状に配置された複数(ここでは4つ)の放射状水路(rf)に分配して給水する列単位の分水路を構成している。
【0032】
排水管35は、給水管32および給水管33から給水され、図4に示す傾斜水路(si)の下流端に到達した冷却水(W)を淀みなく迅速に冷却器本体1Aの外部に排水するための、給水管32および給水管33に給水された冷却水(W)のすべてを集水して排水用配管36に排水する集排水路を構成している。
【0033】
上記図1乃至図12に示す構成の水冷式冷却器において、給水用配管31に供給された熱交換前の冷却水(W)は給水管32と給水管33を介して冷却器本体1Aに給水される。
【0034】
このうち、給水管32に給水された冷却水(W)は、複数の噴水用給水管24に分岐して給水される。噴水用給水管24に給水された冷却水(W)は噴水用ノズル23から放射状の水路(rf)に噴射される。この際、噴水用ノズル23は放射状の水路(rf)に冷却水(W)を渦流化して噴射する。すなわち図5および図6を参照して説明したように、噴水用ノズル23から噴出された冷却水(W)が渦流となって放射状の水路(rf)を流れる。この放射状の水路(rf)は、渦流化された冷却水(W)が同水路を満たした状態で上記凹陥面(cc)に斑なく接しながら傾斜水路(si)に向って流れ落ちるよう間隙(d)を例えばミリ単位の値で予め定めている。
【0035】
この放射状の水路(rf)を流れる冷却水(W)の渦流化により、噴水用給水管24に供給された冷却水(W)はその全体が遍く半球状の凹陥面(cc)に接して放射状の水路(rf)を流れることから、冷却水(W)が放射状の水路(rf)をそのまま流下する場合に比べ、放熱板10と冷却水(W)との熱交換をより効率よく行うことができる。
【0036】
一方、給水管33に給水された冷却水(W)は噴射ノズルを構成する給水口21により高圧化されノズルの先端から噴射されて、冷却水(W)を上流(給水側)から下流(排水側)へ流す流水路30を構成する傾斜水路(si)の上流端に給水される。この給水口21から噴射される冷却水(W)の噴流により、放射状の水路(rf)を渦を巻いて流れる、放熱板10との間で熱交換を行った冷却水(W)は傾斜水路(si)を構成する流水路30を下流に向かって押し流し、放射状の水路(rf)における熱交換の効率化を助長する流水作用をもたらす。これによって、冷却対象の発熱部品となる複数のパワー半導体素子41に接近して設けた冷却水路(rf)による熱交換効率の高い高速冷却を可能にした水冷式冷却器が提供できる。
【0037】
以上詳記したように、本発明の実施形態によれば、冷却効率並びに冷却能力を改善した水冷式冷却器が提供できる。なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【符号の説明】
【0038】
1A…冷却器本体、3A…給水手段、3B…排水手段、10…放熱板、11…部品実装面、12…凹陥部12、20…噴水板、21…給水口、22…突出部、23…噴水用ノズル、24…噴水用給水管、25…断熱部材、26…貫通孔、28…排水口、30…流水路、31…給水用配管、32,33…給水管、35…排水管、36…排水用配管、cc…半球状の凹陥面、cv…半球状の凸出面、rf…放射状の水路、si…傾斜水路、fa,fb…平坦面、W…冷却水。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパワー半導体等の発熱体の放熱機構に適用して好適な水冷式冷却器に関する。
【背景技術】
【0002】
パワー半導体から発生する熱を水冷式放熱フィンにより放熱する水冷式の放熱機構を備えた機器において、従来では、放熱フィンに冷却管の貫通孔を設け、この貫通孔に冷却管(単管)を嵌挿して水冷式の放熱機構を構成していた。この放熱機構は、放熱フィンに内接して貫通した直状の冷却管内を、冷却水がそのまま直進して通過する構造であり、放熱フィンと冷却水との間での熱交換は、放熱フィンを貫通した冷却管の内壁とこの内壁面に触れる冷却水との間で行われることから、冷却水全体に効率よく熱伝達が行われずに冷却水が排水され、供給した冷却水の冷却能力が十分に活用されないという問題があった。
【0003】
この種、水冷式の放熱機構として、従来では、扁平な箱状のタンクを備えた水冷ヒートシンク(特許文献1参照)が存在した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−053348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来の水冷式放熱機構においては、供給した冷却水の冷却能力が十分に活用されておらず、冷却効率並びに冷却能力の面で問題があった。
【0006】
本発明の実施形態は、冷却効率並びに冷却能力を改善した水冷式冷却器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、冷却水を用いて発熱部品を冷却する水冷式冷却器であって、上面に前記発熱部品の部品実装面を有し、下面に半球状の凹陥部を有する放熱板と、前記放熱板の下部に前記放熱板と一体に設けられて箱形の冷却器本体を構成し、上面に前記凹陥部に対応して前記凹陥部との間に放射状の水路となる間隙を形成した半球状の突出部を有し、前記突出部の頂部に先端が開口した貫通孔が形成された噴水板と、前記貫通孔に嵌挿され、前記放射状の水路に前記冷却水を噴出する噴水用給水管と、前記放射状の水路に連通して前記放熱板の下面と前記噴水板の上面との間に形成された流水路と、前記噴水用給水管に冷却水を供給する給水手段と、前記流水路に流出された前記冷却水を排水する排水手段と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、冷却効率並びに冷却能力を改善した水冷式冷却器が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る水冷式冷却器の放熱板の上面側の構成を示す平面図。
【図2】上記実施形態に係る水冷式冷却器の構成を示す図1のA−A線に沿う側断面図。
【図3】上記実施形態に係る水冷式冷却器の放熱板の下面側の構成を示す斜視図。
【図4】上記実施形態に係る水冷式冷却器の噴水板の上面側の構成を示す斜視図。
【図5】図4に示す突出部の構成と冷却水の流水方向を示す斜視図。
【図6】上記実施形態に係る水冷式冷却器の噴水用ノズルの構成を示す斜視図。
【図7】上記実施形態に係る水冷式冷却器の給水構造と冷却水の流れを示す斜視図。
【図8】上記図7に示す給水構造と冷却水の流れを示す側面図。
【図9】上記実施形態に係る水冷式冷却器の排水構造と冷却水の流れを示す斜視図。
【図10】上記図9に示す排水構造と冷却水の流れを示す側面図。
【図11】上記実施形態に係る水冷式冷却器の配管構造と冷却水の流れを示す平面図。
【図12】上記実施形態に係る水冷式冷却器の放熱板上における配管構造を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0011】
本発明の実施形態に係る水冷式冷却器の放熱板の上面側の構成を図1に示し、図1のA−A線に沿う側断面構成を図2に示している。この実施形態に係る水冷式冷却器は、発熱源に近接した冷却水路を有する噴水型の冷却器を構成している。
【0012】
本発明の実施形態に係る水冷式冷却器は、図1および図2に示すように、上面10aに、回路基板40に回路接続された複数の発熱部品(パワー半導体素子)41の部品実装面11を有し、下面10bに半球状の凹陥部(半球状の凹陥面(cc)を形成した凹陥部)12を有する放熱板10と、この放熱板10の下部に上記放熱板10と一体に設けられて箱形の冷却器本体1Aを構成し、上面20aに上記凹陥部12の凹陥面(cc)に対応して上記凹陥面(cc)との間に放射状の水路(rf)となる間隙(d)を形成した半球状の突出部(半球状の凸出面(cv)を形成した突出部)22を有し、この突出部22の頂部に先端が開口した貫通孔26が形成された噴水板20と、上記貫通孔26に嵌挿され、上記放射状の水路(rf)に冷却水(W)を噴出する噴水用給水管24と、上記放射状の水路(rf)に連通して上記放熱板10の下面10bの平坦面(fa)と上記噴水板20の上面20aの平坦面(fb)との間に形成された流水路30と、上記冷却器本体1Aの外部から噴水用給水管24に給水管32を介して冷却水(W)を供給する給水手段3Aと、上記流水路30に流出された上記冷却水(W)を排水管35を介して冷却器本体1Aの外部に排水する排水手段3Bとを具備して構成されている。
【0013】
放熱板10の上面10aは部品実装面11を構成し、この部品実装面11に、この実施形態では、冷却対象の発熱部品となる複数のパワー半導体素子41を一定間隔で行列状に配置した回路基板40が螺子止め固定されている。この回路基板40は、パワー半導体素子41の取付位置に対応して素子本体を下面側に導出(露出)させるための開口40Hを有し、この開口40Hを介してパワー半導体素子41が部品実装面11に螺子止め固定されている。
【0014】
放熱板10は冷却器本体1Aの上部構体を構成し、噴水板20は同冷却器本体1Aの下部構体を構成している。放熱板10と噴水板20はその周側面を一体にした密閉箱形筐体を構成している。放熱板10と噴水板20は、それぞれ熱伝導率が良く加工が容易な中実の金属材料(実施形態はアルミニウム)を用いて構成されている。
【0015】
放熱板10の下面10bは、図2および図3に示すように、凹陥部12を構成する半球状の凹陥面(cc)と、凹陥面(cc)を形成しない平坦面(fa)とでなる冷却水(W)の流水面を構成している。半球状の凹陥面(cc)を形成した凹陥部12は、部品実装面11に実装されたパワー半導体素子41の実装位置(取付位置)に対応して、発熱源となる(冷却対象となる)パワー半導体素子41の取付位置直下に該素子に近接して設けられている。
【0016】
噴水板20の上面20aは、図2および図4に示すように、突出部22を構成する半球状の凸出面(cv)と、凸出面(cv)を形成しない平坦面(fb)とでなる冷却水(W)の流水面を構成している。上記平坦面(fb)で構成される流水面は、冷却器本体1Aに給水された冷却水(W)を冷却器本体1Aの外部に排水するための流水路30を構成している。この流水路30は、冷却器本体1Aの給水側となる一方端(一方の側面)1aを高位(上流端)とし前記一方端と反対側の排水側となる他方端(他方の側面)1bを低位(下流端)とした傾斜度θ(図2参照)を有する傾斜水路(si)を構成している。この傾斜水路(si)に対して同水路から直立する複数の突出部22の各頂部は、放熱板10と噴水板20の接合面に対して一様に揃えられている。すなわち突出部22の凸出面(cv)頂部に設けられた、冷却水(W)の噴水孔を形成する開口(開口から露出する噴水用ノズル23)の高さ位置は、放熱板10と噴水板20の接合面に対して一様に揃えられている。この実施形態では噴水板20の上面20aに突設された突出部22の基部となる円筒部分の高さを異ならせることで、突出部22の凸出面(cv)頂部を放熱板10と噴水板20の接合面に対して一様に揃えている。
【0017】
上記した放熱板10の下面10bと、噴水板20の上面20aとの間において、半球状の凹陥面(cc)を形成した凹陥部12と、この凹陥部12に対応して設けられた、半球状の凸出面(cv)を形成した突出部22との間隙(d)により、放射状の水路(rf)が形成され、凹陥部12が形成されない平坦面(fa)と突出部22が形成されない平坦面(fb)との間隙により冷却水(W)を上流(給水側)から下流(排水側)へ流す流水路30となる傾斜水路(si)が形成される。
【0018】
噴水板20の上面20aに突設された突出部22には、突出部22の頂部に先端が開口した貫通孔26が形成され、この貫通孔26に、上記開口から上記放射状の水路(rf)に向けて上記冷却水(W)を噴出する噴水用給水管24が嵌挿されている。この噴水用給水管24の先端部分(冷却水噴出部分)は、先端を小径にしたテーパー状の噴水用ノズル23を形成しており、この噴水用ノズル23の構成については図5および図6を参照して後述する。上記貫通孔26は、突出部22の頂部を先端(上端)として鉛直方向に穿設され、この貫通孔26に噴水用給水管24が断熱部材25を介して設けられている。
【0019】
半球状の凹陥面(cc)を形成した凹陥部12と、この凹陥部12に対応して設けられた、半球状の凸出面(cv)を形成した突出部22との間隙(d)により形成された放射状の水路(rf)における噴水用ノズル23から噴出された冷却水(W)の流れを図5に示している。
【0020】
この実施形態では、噴水用ノズル23から噴出された冷却水(W)が渦流となって放射状の水路(rf)を流れる。
この渦流を生起する噴水用ノズル23の構成を図6に拡大して示している。
突出部22の頂部に設けられた噴水用ノズル23は、図6に示すように、給水管32を介して供給された冷却水(W)を直上方向に噴出する中央噴出孔23aと、この中央噴出孔23aの周囲に設けられ、上記給水管32を介して供給された冷却水(W)に対して渦流を生起するために斜め上方向に噴出する、噴出方向を一様に傾斜した複数の渦流発生用噴出孔23bとを具備して構成されている。すなわち、突出部22の凸出面(cv)の頂部に設けられた噴水用ノズル23は、鉛直方向を軸心に穿設された中央噴出孔23aと、この中央噴出孔23aから噴出される冷却水(W)に対してその周囲を冷却水(W)が旋回しながら(螺旋を描きながら)上昇する方向を軸心に穿設された、中央噴出孔23aより小径の複数の渦流発生用噴出孔23bとを具備して構成されている。
【0021】
この複数の渦流発生用噴出孔23bから噴出した冷却水(W)により、中央噴出孔23aから噴出した冷却水(W)は、図5に示すように、複数の渦流発生用噴出孔23bから噴出した冷却水(W)の流れを受けて渦流化され、渦流となって螺旋を描きながら放射状の水路(rf)を流れる。
【0022】
突出部22の内部において、先端に噴水用ノズル23を形成した噴水用給水管24の周囲には、冷却水(W)を初期の(熱交換前の)温度状態で噴水用ノズル23に導くための断熱部材25が設けられている。突出部22に形成された貫通孔26は円筒形状の断熱部材25を収容する室を有し、この室に断熱部材25を収容している。この断熱部材25の孔に噴水用給水管24が嵌挿されることによって、噴水用給水管24が断熱部材25を介して突出部22に保持されている。
【0023】
冷却器本体1Aの一方の側面1aには、図2および図4に示すように、給水手段3Aから給水される冷却水(W)を傾斜水路(si)の上流端に給水する複数の給水口21が設けられ、冷却器本体1Aの他方の側面1bには、傾斜水路(si)の下流端に到達した冷却水(W)を冷却器本体1Aの外部に設けられた排水手段3Bに排水する矩形状に開口された排水口28が設けられている。
【0024】
排水用配管36の半径Reは、給水用配管31の半径Rsより大径として、排水がスムースに行える構造となっている。
【0025】
給水用配管31には、噴水用給水管24に連通した給水管32と、給水口21に連通した給水管33が継合され、排水用配管36には、排水口28に連通した排水管35が継合されている。給水管32,33の端面は円環形状であり、排水管35の端面は扁平(矩形若しくは長円)形状である。
【0026】
給水口21は、図7および図8に示すように、先端を小径としたノズル構造としている。すなわち、給水管33を介して供給された冷却水(W)を加圧して冷却器本体1A内部の傾斜水路(si)上流端に給水(噴射)するため、冷却器本体1Aの一方の側面1aに、冷却器本体1Aの外部に向かって拡径する漏斗状(円錐形状)の孔を穿設して給水管33に連通した給水口21を構成している。
【0027】
排水口28は、図9および図10に示すように、横方向に幅広の矩形構造としている。すなわち、傾斜水路(si)の下流端に到達した冷却水(W)を淀みなく迅速に冷却器本体1Aの外部に排水するため、傾斜水路(si)の他方の側面1bに、傾斜水路(si)の幅方向に拡がる幅広の矩形状の開口部を開口して排水管35に連通した排水口28を構成している。この排水口28は排水管35に連通され、この排水管35を介して排水用配管36に連通されている。
【0028】
排水管35は、図9に示すように、排水口28の開口面に合致する給水口と幅広の排水口とを有した幅広の扁平構造をなし、その幅広の排水口が排水用配管36に連通されている。
【0029】
上記した給水用配管31および給水管32,33と、排水管35および排水用配管36との継合構造を図11および図12に示している。
【0030】
この実施形態では、回路基板40に、冷却対象の発熱部品となる複数のパワー半導体素子41を一定間隔で行列状に配置し、このパワー半導体素子41の配置位置に対応して放射状の水路(rf)を形成する凹陥部12および突出部22を設けている。図12に示す配置構成例では、回路基板40の長手方向を行方向としたとき、4×4の行列状にパワー半導体素子41が配列され、この配列に対応して放射状水路(rf)を形成する凹陥面(cc)および凸出面(cv)が設けられている。
【0031】
給水管32は、給水用配管31から給水された冷却水(W)を列状に配置された複数(ここでは4つ)の放射状水路(rf)に分配して給水する列単位の分水路を構成している。
【0032】
排水管35は、給水管32および給水管33から給水され、図4に示す傾斜水路(si)の下流端に到達した冷却水(W)を淀みなく迅速に冷却器本体1Aの外部に排水するための、給水管32および給水管33に給水された冷却水(W)のすべてを集水して排水用配管36に排水する集排水路を構成している。
【0033】
上記図1乃至図12に示す構成の水冷式冷却器において、給水用配管31に供給された熱交換前の冷却水(W)は給水管32と給水管33を介して冷却器本体1Aに給水される。
【0034】
このうち、給水管32に給水された冷却水(W)は、複数の噴水用給水管24に分岐して給水される。噴水用給水管24に給水された冷却水(W)は噴水用ノズル23から放射状の水路(rf)に噴射される。この際、噴水用ノズル23は放射状の水路(rf)に冷却水(W)を渦流化して噴射する。すなわち図5および図6を参照して説明したように、噴水用ノズル23から噴出された冷却水(W)が渦流となって放射状の水路(rf)を流れる。この放射状の水路(rf)は、渦流化された冷却水(W)が同水路を満たした状態で上記凹陥面(cc)に斑なく接しながら傾斜水路(si)に向って流れ落ちるよう間隙(d)を例えばミリ単位の値で予め定めている。
【0035】
この放射状の水路(rf)を流れる冷却水(W)の渦流化により、噴水用給水管24に供給された冷却水(W)はその全体が遍く半球状の凹陥面(cc)に接して放射状の水路(rf)を流れることから、冷却水(W)が放射状の水路(rf)をそのまま流下する場合に比べ、放熱板10と冷却水(W)との熱交換をより効率よく行うことができる。
【0036】
一方、給水管33に給水された冷却水(W)は噴射ノズルを構成する給水口21により高圧化されノズルの先端から噴射されて、冷却水(W)を上流(給水側)から下流(排水側)へ流す流水路30を構成する傾斜水路(si)の上流端に給水される。この給水口21から噴射される冷却水(W)の噴流により、放射状の水路(rf)を渦を巻いて流れる、放熱板10との間で熱交換を行った冷却水(W)は傾斜水路(si)を構成する流水路30を下流に向かって押し流し、放射状の水路(rf)における熱交換の効率化を助長する流水作用をもたらす。これによって、冷却対象の発熱部品となる複数のパワー半導体素子41に接近して設けた冷却水路(rf)による熱交換効率の高い高速冷却を可能にした水冷式冷却器が提供できる。
【0037】
以上詳記したように、本発明の実施形態によれば、冷却効率並びに冷却能力を改善した水冷式冷却器が提供できる。なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【符号の説明】
【0038】
1A…冷却器本体、3A…給水手段、3B…排水手段、10…放熱板、11…部品実装面、12…凹陥部12、20…噴水板、21…給水口、22…突出部、23…噴水用ノズル、24…噴水用給水管、25…断熱部材、26…貫通孔、28…排水口、30…流水路、31…給水用配管、32,33…給水管、35…排水管、36…排水用配管、cc…半球状の凹陥面、cv…半球状の凸出面、rf…放射状の水路、si…傾斜水路、fa,fb…平坦面、W…冷却水。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却水を用いて発熱部品を冷却する水冷式冷却器であって、
上面に前記発熱部品の部品実装面を有し、下面に半球状の凹陥部を有する放熱板と、
前記放熱板の下部に前記放熱板と一体に設けられて箱形の冷却器本体を構成し、上面に前記凹陥部に対応して前記凹陥部との間に放射状の水路となる間隙を形成した半球状の突出部を有し、前記突出部の頂部に先端が開口した貫通孔が形成された噴水板と、
前記貫通孔に嵌挿され、前記放射状の水路に前記冷却水を噴出する噴水用給水管と、
前記放射状の水路に連通して前記放熱板の下面と前記噴水板の上面との間に形成された流水路と、
前記噴水用給水管に冷却水を供給する給水手段と、
前記流水路に流出された前記冷却水を排水する排水手段と、
を具備したことを特徴とする水冷式冷却器。
【請求項2】
前記噴水用給水管は、先端を小径にしたテーパー状の噴水用ノズルを形成していることを特徴とする請求項1に記載の水冷式冷却器。
【請求項3】
前記流水路は前記冷却器本体の給水側となる一方端を高位とし前記一方端と反対側の排水側となる他方端を低位とした傾斜水路を構成し、
前記給水手段は前記冷却水を前記冷却器本体の外部から前記傾斜水路の一方端に供給する給水路を有し、
前記排水手段は前記傾斜水路の前記一方端側から前記他方端側に流れた冷却水を前記冷却器本体の外部へ排水する排水路を有していることを特徴とする請求項1に記載の水冷式冷却器。
【請求項4】
前記給水路は前記冷却器本体の外部から供給された冷却水を加圧して前記傾斜水路の一方端に供給する、前記冷却器本体の外部に向かって拡径する漏斗状の複数の噴水口を有して構成されていることを特徴とする請求項3に記載の水冷式冷却器。
【請求項5】
前記排水路は前記冷却器本体の他方端側の側面部に該側面部の幅方向に拡がる幅広の排水口を有して構成されていることを特徴とする請求項3に記載の水冷式冷却器。
【請求項6】
前記放熱板は前記部品実装面に実装される前記発熱部品の実装位置に対応して前記部品実装面の下面に前記凹陥部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の水冷式冷却器。
【請求項7】
前記噴水用ノズルは、前記給水手段から供給された冷却水を直上方向に噴出する中央噴出孔と、前記中央噴出孔の周辺に設けられ、前記貫通孔を介して供給された冷却水を斜め上方向に噴出する複数の渦流発生用噴出孔とを具備して構成されていることを特徴とする請求項2に記載の水冷式冷却器。
【請求項8】
前記噴水用給水管は断熱材を介して前記貫通孔に嵌挿されていることを特徴とする請求項1に記載の水冷式冷却器。
【請求項1】
冷却水を用いて発熱部品を冷却する水冷式冷却器であって、
上面に前記発熱部品の部品実装面を有し、下面に半球状の凹陥部を有する放熱板と、
前記放熱板の下部に前記放熱板と一体に設けられて箱形の冷却器本体を構成し、上面に前記凹陥部に対応して前記凹陥部との間に放射状の水路となる間隙を形成した半球状の突出部を有し、前記突出部の頂部に先端が開口した貫通孔が形成された噴水板と、
前記貫通孔に嵌挿され、前記放射状の水路に前記冷却水を噴出する噴水用給水管と、
前記放射状の水路に連通して前記放熱板の下面と前記噴水板の上面との間に形成された流水路と、
前記噴水用給水管に冷却水を供給する給水手段と、
前記流水路に流出された前記冷却水を排水する排水手段と、
を具備したことを特徴とする水冷式冷却器。
【請求項2】
前記噴水用給水管は、先端を小径にしたテーパー状の噴水用ノズルを形成していることを特徴とする請求項1に記載の水冷式冷却器。
【請求項3】
前記流水路は前記冷却器本体の給水側となる一方端を高位とし前記一方端と反対側の排水側となる他方端を低位とした傾斜水路を構成し、
前記給水手段は前記冷却水を前記冷却器本体の外部から前記傾斜水路の一方端に供給する給水路を有し、
前記排水手段は前記傾斜水路の前記一方端側から前記他方端側に流れた冷却水を前記冷却器本体の外部へ排水する排水路を有していることを特徴とする請求項1に記載の水冷式冷却器。
【請求項4】
前記給水路は前記冷却器本体の外部から供給された冷却水を加圧して前記傾斜水路の一方端に供給する、前記冷却器本体の外部に向かって拡径する漏斗状の複数の噴水口を有して構成されていることを特徴とする請求項3に記載の水冷式冷却器。
【請求項5】
前記排水路は前記冷却器本体の他方端側の側面部に該側面部の幅方向に拡がる幅広の排水口を有して構成されていることを特徴とする請求項3に記載の水冷式冷却器。
【請求項6】
前記放熱板は前記部品実装面に実装される前記発熱部品の実装位置に対応して前記部品実装面の下面に前記凹陥部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の水冷式冷却器。
【請求項7】
前記噴水用ノズルは、前記給水手段から供給された冷却水を直上方向に噴出する中央噴出孔と、前記中央噴出孔の周辺に設けられ、前記貫通孔を介して供給された冷却水を斜め上方向に噴出する複数の渦流発生用噴出孔とを具備して構成されていることを特徴とする請求項2に記載の水冷式冷却器。
【請求項8】
前記噴水用給水管は断熱材を介して前記貫通孔に嵌挿されていることを特徴とする請求項1に記載の水冷式冷却器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−109495(P2012−109495A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258827(P2010−258827)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000220620)東芝テリー株式会社 (116)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000220620)東芝テリー株式会社 (116)
【Fターム(参考)】
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