説明

水処理のためコケおよび装置を使用して微生物増殖を抑制する方法

本発明は、微生物増殖が起こりやすい物質を、微生物増殖を抑制するために効果的な量の非腐植コケに接触させる工程を含み、コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、微生物増殖を抑制する方法を提供する。本発明は、内部空洞および内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体を備え、コケは内部空洞に封入され、担体はその内部空洞内にコケを完全に封入している、水中で使用するための装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物増殖を抑制する方法、およびコケ、特にミズゴケを使用する水処理の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微生物増殖を制御するさまざまな生物的防除剤が、当業界では知られている。例えば、穀物が貯蔵されるときなどに食品中のカビ増殖を抑制すること、またニワトリ生肉などの包装された食品中の細菌増殖を抑制することが望ましい。包帯または生理用品などの他の流体吸収製品では、病原体が増殖しえないように抗菌剤を入れることが望ましい。
【0003】
水処理は、細菌増殖を制御または防止するために化学的処理、生物学的処理、および放射線処理が使用されてきたもう1つの分野である。水泳プールおよびアクアリウム向けの濾過および洗浄システムなど、水処理システムは多数ある。これらのシステムの多くは、水を濾過して、懸濁物質を除去し、水の濁りを低減する。水中の細菌増殖を防止し、水から汚染物質を除去することは、産業だけでなく、家庭にとっても重要な問題である。例えば、産業廃水は、浄化して有毒化合物を除去するとともに、細菌をも除去してから、湖川に捨てられなければならない。水泳プール、温水浴槽、アクアリウムなどの水を入れた容器は、水が濁ったり、および/または容器の壁がぬるぬるすることを防止するため、きれいな状態に保たれなければならない。水は、微粒子および細菌を除去するため濾過器などの能動的手段により処理することができ、また殺生剤を容器に入れ、水に浮かばせる受動的手段により処理することができる。
【0004】
化学的手段を使用して水をきれいに保ち、細菌増殖を低減することは普通に行われている。紫外線、塩素処理、臭素処理、銅および銀のイオンによる処理、さらにはオゾンによる処理は、水の処理および/殺菌に使用することができる。これらは、典型的な殺生剤である、つまり、生命体を破壊する物質またはエネルギーである。もちろん、使用者に有毒であるか、または使用者が被害を受ける可能性があるため、これらの方法は全て、気を付けなければならない。化学物質は、環境汚染だけでなく使用者の接触を避けるように慎重な取り扱いを要する。
【0005】
「ミズゴケ」は、ミズゴケの多い沼地内に共存するある範囲の植物種を示す総称表現である。「ピートモス」は、一般に、ミズゴケの腐植または堆肥となったものを指すことに留意されたい。ミズゴケは、通例、さまざまな製品で使用するために収穫される。コケは、茎ではなく、ペタル(花弁(petal))が収穫されるのが好ましい。典型的には、植物材料の大きな断片(根、小枝など)は取り除かれ、コケは、水性スラリーを形成して微細粒子を抽出することにより、収穫後さらに処理することができる。水は、スラリーから除去され、コケは、乾燥される。コケは、梱包または出荷に先立って圧縮することができる。コケの吸収特性または機械的特性を変えるために、さまざまな添加剤が使用可能である。ミズゴケは、入手しやすく、比較的安価なので、さまざまな製品において、主に流体の吸収のため、使用されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当業界では細菌、酵母菌、および藻類などの微生物の増殖を抑制する製品がかなり必要とされている。水泳プール、渦流浴、アクアリウムなどの水の透明度を、長期間にわたり、洗浄のためシステムを停止することなく、維持する手段を確保することが望ましいであろう。最も望ましいシステムは、メンテナンスをほんの少ししか必要とせず、比較的安価なものであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、微生物増殖が起こりやすい物質を、微生物増殖を抑制するために効果的な量の非腐植コケに接触させる工程を含み、コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム(sphagnum cristatum)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、微生物増殖を抑制する方法を提供する。
【0008】
本発明は、微生物増殖を抑制するために効果的な量の非腐植コケを担体に入れ、担体を微生物増殖が起こりやすい物質に接触させる工程を含み、コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、微生物増殖を抑制する方法を提供する。
【0009】
本発明は、微生物増殖を抑制する際に使用するコケを調製する方法を提供し、この方法は、(i)非腐植コケを乾燥させる工程と、(ii)コケを滅菌する工程とを含む。本発明は、細菌増殖を抑制する際に使用するコケを調製する方法を提供し、この方法は、(i)非腐植コケを酸性溶液に接触させる工程と、(ii)コケを乾燥させる工程とを含む。本発明は、滅菌された非腐食コケおよび担体を含むキットを提供する。
【0010】
本発明は、微生物増殖が起こりやすい水を、微生物増殖を抑制するために効果的な量の非腐植コケに接触させる工程であって、コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される工程と、定期的に適切な化学剤で水に衝撃を与える工程とを含む、微生物増殖を抑制する方法を提供する。
【0011】
本発明は、水から水素イオン以外の陽イオンを除去する効果のある量の非腐植コケに水を接触させる工程を含み、コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、水を処理する方法を提供する。本発明は、さらに、水から水素イオン以外の陽イオンを除去する効果のある量の非腐植コケを担体内に入れる工程と担体を水に接触させる工程とを含み、コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、水を処理する方法を提供する。
【0012】
本発明は、水中で使用するための装置を提供し、これは、(i)内部空洞および内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体と、(ii)内部空洞内に収められたコケを含み、担体は、コケを完全に封入している。
【0013】
本発明は、細菌増殖が起こりやすい水の中に、水中で微生物増殖を抑制するための装置を入れる工程を含む微生物増殖を抑制する方法を提供し、装置は、(i)内部空洞および内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体と、(ii)内部空洞内に収められたコケとを備え、担体は、コケを完全に封入し、装置は、水中で微生物増殖を抑制するのに有効なある量のコケを備える。
【0014】
本発明は、内部空洞および内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体を備え、内部空洞はコケを完全に封入している、滅菌された非腐食コケおよび水中で使用するための装置を備えるキットを提供する。
【0015】
本発明は、微生物増殖が起こりやすい水の中に、水中で微生物増殖を抑制するための装置を入れる工程を含む微生物増殖を抑制する方法を提供し、装置は、(i)内部空洞および内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体と、(ii)内部空洞内に収められたコケとを備え、担体は、コケを完全に封入し、装置は、水中で微生物増殖を抑制するのに有効なある量のコケを備え、定期的に適切な化学剤で水に衝撃を与える。
【0016】
本発明は、水の中に装置を入れる工程を含む水を処理する方法を提供し、装置は、(i)内部空洞および内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体と、(ii)内部空洞内に収められたコケとを備え、担体は、コケを完全に封入し、装置は、水から水素イオン以外の陽イオンを除去するのに有効なある量のコケを備える。
【0017】
前記の概要および以下の詳細な説明は両方とも、例であり、説明を目的としており、請求されているように本発明の詳細な説明を行う意図があることは理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
われわれは、微生物増殖を抑制するために使用することができるミズゴケのいくつかの種を発見した。コケは、水泳プール、温泉、アクアリウムなどの水中の微生物増殖を制御するために使用することができる。温泉は、ホワールプールまたは温水浴槽としても知られている。特定の種のコケは、細菌および他の微生物の増殖を抑制し、および/または防止するのに特に有効であると信じられている。
【0019】
本発明では、「静菌剤」は、細菌の増殖を抑制する物質を指す。普通の辞書では、「抗菌剤」という用語は、一般に、細菌増殖抑制剤を指す。用語は両方とも、接触後に細菌を殺す物質を指す「殺菌剤」と区別すべきである。
【0020】
本発明では、「水処理」は、水泳プール、アクアリウム、渦流浴、温水浴槽などで水をきれいに、透明に、よい香りに保つプロセスを指す。水を攪拌しても、泡立ちはあまり観察されない。コケは、細菌および他の微生物の増殖を抑制すると考えられており、また水透明度を下げる化合物および物質を吸収することもできる。
【0021】
本発明では、イボミズゴケ(S.papillosum)および/またはスファグナム・クリスタツム(S.cristatum)は、水処理装置内で使用することができる。好ましい実施形態では、コケは、水性環境内でコケが分解するのを防ぐ網目状物質で包むか、またはカプセル化する。したがって、コケは、プール、温水浴槽、渦流浴などの所望の場所に保持されうる。好ましい網目状物質としては、網目サイズが約0.1から1mmのナイロンまたはポリプロピレンなどの高分子化合物を含むものがある。高分子化合物は、安価で、劣化に耐性があるため、一般的に好ましい。
【0022】
本発明で使用するのに適しているのは、米国ミネソタ州北部の沼地から収穫できるイボミズゴケ、およびニュージーランド、ウェストランドのSutton’s Moss of Dobson社から圧縮ベール(俵)として市販されているスファグナム・クリスタツムである。これらの種のコケは、それだけで、または合わせて、本発明の装置およびシステム内で使用することができる。典型的に、また好ましくは、コケは、汚れなどの小さな粒子、および根および葉などの大きめの破片を取り除くために洗浄される。市販のコケは、種子を破壊するためにメーカーで梱包する前に薫蒸消毒されている場合がある。
【0023】
好ましい実施形態では、コケは、機械的手段により所望のサイズおよび形状に切断される。コケは、次いで、高圧蒸気殺菌法、エチレンオキシドに晒す工程、または当業者に知られている他の手段により滅菌される。滅菌は、コケ中の生命体を破壊し、それにより、本発明の装置が使用される環境に望ましくない、または外来種の細菌が持ち込まれるという問題を回避する。次いで、コケは、水処理システムまたは他の用途ですぐに使用できる状態にある。
【0024】
水を処理する便利で、簡単で、効果的で、安価な方法は、水をコケの周りに流し、コケの中に通すことができる浮遊装置内にイボミズゴケまたはスファグナム・クリスタツムの一部を入れることであることがわかった。これを使用する他の方法は、コケが水中で残るように網でカプセル化し、網におもしを付ける。コケと水との接触を維持する適当な手段は、使用に適している。次に、この装置は、水泳プール、ホワールプール、温水浴槽などに入れられ、水と接触しうる。処理は、細菌増殖を防ぎ、水をきれいで、透明度高く、無臭、泡立ちなしの状態に保つうえで著しく有効である。これは、水を強制的にコケ内に通す濾過システムと比較すると受動的なシステムであるため、なおいっそう顕著である。もちろん、能動的な濾過は、水を処理するために本発明の装置とともに実行可能であることは理解されるであろう。
【0025】
水泳プール、温水浴槽などで使用する場合、本明細書で説明されている水処理装置は、細菌を殺す物質とともに使用するのが好ましい。これは、これらの環境に大きな細菌負荷がさまざまな時期に持ち込まれてしまった可能性があるからである。したがって、標準的技法は、水を濾過し、水道から水を勢いよく流し、必要に応じて水を試験することである。pHは、市販の溶液を使用して調節することができる。本発明の水処理装置は、「無塩素ショック」と呼ばれる、一過硫酸カリウムなどの酸化剤と併用するのが最も望ましい。一過硫酸カリウムは、塩素精製生成物の効率を高めることが知られているが、われわれは、上述のミズゴケ装置とともに使用したときに特に効果的であることを見いだした。
【0026】
本発明のミズゴケは、微生物の抑制が望ましい任意の組成物、材料、装置、または方法で使用することができる。用途としては、微生物増殖の抑制、臭気の低減および/または防止、水処理、およびカビおよび菌の増殖の制御、および発酵の制御が挙げられる。このような装置および物質は、おむつ裏地、生理用品、包帯、および創傷被覆材などの吸収性製品を含む。このような製品では、コケは、異なる液体伝導特性の膜の間に封入していることができる。つまり、例えば、一方の膜は、流体に対し透過的であり、他方の膜は、蒸気に対し透過的であるとしてよい。コケは、高分子化合物の中に組み込み、フェイスマスクとして使用することができる。コケは、膜内にカプセル化し、液体および臭気を吸収する包装ラップおよび裏地などの食品保存製品中に使用することができる。コケは、貯蔵タンク、アクアリウム、水泳プール、渦流浴、温泉など、さらには水濾過装置内の水をきれいに保つために水処理製品において使用することができる。コケは、廃水および下水処理に使用することができる。コケは、例えば、円板またはペレット状に整形し、穀物および他の食品から水を吸収するために使用することができる。コケは、さらに、発酵制御に使用することもできる(液体または穀物の粒などで)。コケは、芝生および庭園における菌類または微生物疾患の制御に使用することができる。コケは、貯蔵容器または配管裏張りなどでの防カビ製品に使用することができる。
【0027】
本発明は、微生物増殖が起こりやすい物質を、微生物増殖を抑制するために効果的な量の非腐植コケに接触させる工程を含み、コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、微生物増殖を抑制する方法を提供する。コケは、圧縮することができ、細長片の形態にすることができる。コケは、高圧蒸気殺菌法で滅菌するか、または化学処理により滅菌するか、またはエチレンオキシドによる処理により滅菌することができる。コケは、酸性溶液、特に酢酸溶液で洗浄することができる。コケは、酸性溶液で洗浄し、次いで食塩水で洗浄することができる。
【0028】
微生物増殖が起こりやすい物質は、水とすることができる。水は、温泉、プール、またはアクアリウムに入れられる。微生物増殖が起こりやすい物質は、皮膚、外傷、体内空洞、または身体内部の損傷部位などの人体の一部とすることができる。微生物増殖が起こりやすい物質は、穀物とすることができる。
【0029】
本発明は、微生物増殖を抑制するために効果的な量の非腐植コケを担体に入れ、担体を微生物増殖が起こりやすい物質に接触させる工程を含み、コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、微生物増殖を抑制する方法を提供する。担体は、人体に埋め込まれる装置、ポリマーマトリクス、バイオマトリクス、または1つまたは複数の膜とすることができる。
【0030】
本発明は、微生物増殖を抑制する際に使用するコケを調製する方法を提供し、この方法は、(i)非腐植コケを乾燥させる工程と、(ii)コケを滅菌する工程とを含む。この方法は、さらに、コケを圧縮する工程、コケを圧縮して複数の細長片に切断する工程、高圧蒸気殺菌法によりコケを滅菌する工程、化学処理、またはエチレンオキシドによる処理を含みうる。コケは、ミズゴケとすることができる。コケは、イボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0031】
本発明は、細菌増殖を抑制する際に使用するコケを調製する方法を提供し、この方法は、(i)非腐植コケを酸性溶液に接触させる工程と、(ii)コケを乾燥させる工程とを含む。方法は、工程(i)の後に非腐植コケを食塩水に接触させる工程を含むことができる。一実施形態では、酸性溶液は、酢酸溶液である。コケは、ミズゴケとすることができる。コケは、イボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0032】
本発明は、滅菌された非腐食コケおよび担体を含むキットを提供する。コケは、圧縮することができ、細長片の形態にすることができる。
【0033】
本発明は、微生物増殖が起こりやすい水を、微生物増殖を抑制するために効果的な量の非腐植コケに接触させる工程であって、コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される工程と、定期的に適切な化学剤で水に衝撃を与える工程とを含む、微生物増殖を抑制する方法を提供する。化学剤は、一過硫酸カリウムとすることができる。
【0034】
本発明は、水から水素イオン以外の陽イオンを除去する効果のある量の非腐植コケに水を接触させる工程を含み、コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、水を処理する方法を提供する。陽イオンは、カルシウムまたは鉄イオンとすることができ、またカルシウムまたは鉄イオンの実質的に全てを水から除去することができる。コケは、圧縮することができ、細長片の形態にすることができる。コケは、高圧蒸気殺菌法で滅菌するか、または化学処理により滅菌するか、またはエチレンオキシドによる処理により滅菌することができる。コケは、酸性溶液、特に酢酸溶液で洗浄することができる。コケは、酸性溶液で洗浄し、次いで食塩水で洗浄することができる。水は、温泉、プール、またはアクアリウムに入れられる。
【0035】
本発明は、水から水素イオン以外の陽イオンを除去する効果のある量の非腐植コケを担体内に入れる工程と担体を水に接触させる工程とを含み、コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、水を処理する方法を提供する。
【0036】
本発明は、水中で使用するための装置を実現し、これは、(i)内部空洞および内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体と、(ii)内部空洞内に収められたコケを含み、担体は、コケを完全に封入している。担体は、浮きを含むことができる。担体は、浮きと当該浮きの下にある円柱状部分を備え、円柱状部分は内部空洞および内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する。コケは、網袋内に封入していることができる。担体は、1つまたは複数のおもしを備えることができる。
【0037】
コケは、非腐植コケとすることができる。コケは、ミズゴケとすることができる。コケは、イボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される。コケは、圧縮することができ、細長片の形態にすることができる。コケは、高圧蒸気殺菌法で滅菌するか、または化学処理により滅菌するか、またはエチレンオキシドによる処理により滅菌することができる。コケは、酸性溶液、特に酢酸溶液で洗浄することができる。コケは、酸性溶液で洗浄し、次いで食塩水で洗浄することができる。
【0038】
本発明は、微生物増殖が起こりやすい水の中に、水中で微生物増殖を抑制するための装置を入れる工程を含む微生物増殖を抑制する方法を提供し、装置は、(i)内部空洞および内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体と、(ii)内部空洞内に収められたコケとを備え、担体は、コケを完全に封入し、装置は、水中で微生物増殖を抑制するのに有効なある量のコケを備える。水は、温泉、プール、またはアクアリウムに入れられる。水は、ポンプで装置に通すことができる。
【0039】
本発明は、滅菌された非腐食コケと、内部空洞および内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体を備え、内部空洞はコケを完全に封入している、水中で使用するための装置を備えるキットを提供する。キットは、1つまたは複数のpHテスト細長片および/または一過硫酸カリウムを備えることができる。
【0040】
本発明は、微生物増殖が起こりやすい水の中に、水中で微生物増殖を抑制するための装置を入れる工程を含む微生物増殖を抑制する方法を提供し、装置は、(i)内部空洞および内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体と、(ii)内部空洞内に収められたコケとを備え、担体は、コケを完全に封入し、装置は、水中で微生物増殖を抑制するのに有効なある量のコケを備え、定期的に適切な化学剤で水に衝撃を与える。化学剤は、一過硫酸カリウムとすることができる。
【0041】
本発明は、水の中に装置を入れる工程を含む水を処理する方法を提供し、装置は、(i)内部空洞および内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体と、(ii)内部空洞内に収められたコケとを備え、担体は、コケを完全に封入し、装置は、水から水素イオン以外の陽イオンを除去するのに有効なある量のコケを備える。陽イオンは、カルシウムまたは鉄イオンとすることができ、またカルシウムまたは鉄イオンの実質的に全てを水から除去することができる。コケは、圧縮することができ、細長片の形態にすることができる。コケは、高圧蒸気殺菌法で滅菌するか、または化学処理により滅菌するか、またはエチレンオキシドによる処理により滅菌することができる。コケは、酸性溶液、特に酢酸溶液で洗浄することができる。コケは、酸性溶液で洗浄し、次いで食塩水で洗浄することができる。水は、温泉、プール、またはアクアリウムに入れられる。
【0042】
図1Aから図1Cは、本発明の適切な装置を例示している。図1Aは、水に浮かぶ装置10を示しており、図1Bおよび図1Cは、それぞれ、側面および断面図である。装置10は、所望の寸法に切断された圧縮ミズゴケ15の区分を受け入れるように適合される。コケは、図1Aおよび図1Bに透視図で示されている。装置10で使用されるコケに都合のよい寸法は、約15.2×0.63×0.63cm(6×1/4×1/4インチ)である。ここのサイズのコケの断片の重量は約5グラムである。コケ15は、ナイロン製の網16に封入され、サイズは圧縮コケが膨張できるサイズである。網のサイズは、コケのなおいっそう小さい粒子を保持し、それがバラバラになり、浮遊して離れて行くことのないようなサイズである。
【0043】
装置10は、耐衝撃性があり、水に溶解せず、所望の形に整形することができるプラスチック材料を含む。装置10は、カリフォルニア州ハンティントンビーチのMP Industries社から「浮き」として市販されている。このタイプの浮きは、普通、塩素を含むものなどの、プール洗浄剤のペレットまたは円板とともに使用される。装置10は、孔を加えて水が装置内を通りやすくして、ミズゴケと併用すべく適合される。
【0044】
装置10は、浮き部分20および貫流部分30を含む。浮き部分20は、円柱状であり、所望の寸法にすることができるが、典型的には、貫流部分30よりも直径が大きい。浮き部分の有用な寸法は、直径約12.7cm(5インチ)である。
【0045】
貫流部分30は、芯または中空部32を有する2部分構成の細長い円柱である。第1の部分33は、浮遊部分20に取り付けられ、第2の部分35が付くねじ山を備える。このようにして、貫流部分の長さを変更することができる。第2の部分35は、調節可能なカラー34を使って適切な位置に固定される。第2の部分35は、さらに、取り外し可能なキャップ37を有し、図1に例示されているように装置10が水に浮かぶような重量である。
【0046】
スロット38および孔39から水を円柱に通すことができる。スロットおよび孔は、所望の寸法とすることができ、望む通りに配置できる。貫流部分の有用な長さは、約17.8cm(7インチ)である。キャップ37は、ミズゴケの所望のサイズが部分30内に挿入できるように取り外し可能である。水に晒すと、圧縮コケは膨張する。膨張したコケは、水が貫流できるような密度となっている。装置10は、最大30日間、最大約1.32475キロリットル(350ガロン)の水(例えば、ホワールプールまたは温泉)を処理するのに十分なものである。
【0047】
図2Aは、水に浮かぶ装置50を例示している。装置50は、芯または中空部62を有する円柱部分60を備える。スロット64および孔66により、水が中空部に入るようにすることができる。図2Aに透視図で示されているコケ55は、図2Bに最も明確に示されているように、網52によりカプセル化される。コケは、水と接触すると膨張し、中空部62を満たす。円柱部分60は、他端にある取り外し可能キャップ57とともに、一方の端部で封止されるように示されている。キャップ57は、装置60の最大長さ部分が水と接触するような重さを持つ。
【0048】
図3は、水泳プール、アクアリウム、温水浴槽などの壁Wに取り付けられている装置70を示している。コケ75は、網72によりカプセル化され、網は取り付け用金具77に付けられる。網は、コケの粒子または断片が網内に留まる十分なサイズのものである。取り付け用金具は、壁から垂れ下がり、装置は、この位置に固定したままにできる。それとは別に、装置70は、プールまたは浴槽の底部に置くことが可能であろう。そこに付けるか、または重みで押し下げることが可能である。また、濾過器に沿って配置することも可能である。
【実施例1】
【0049】
イボミズゴケは、北ミネソタで収穫され、細菌抑制試験の準備がされた。コケ種は、ミネソタ大学により検証され、受け取った後、再度検証した。
【0050】
試料は全て、プラスチック袋に入れた。全ての生コケは、研究所職員が処理するまで4℃で保管された。事前乾燥された全ての屋外コケ試料は、処理されるまで室温で保管された。
【0051】
以下の機器が使用された。
a) ブレンダー、容積1.25L(Oster社からOsterizer(商標)として市販されている)
b) 蒸留水(Premium Water,Inc.社から市販されている)
c) 組織篩い、容積1カップ(E−C Apparatus Corp.社からCellector(商標)として市販されている)
d) 1Lのガラスビーカー(Pyrex(商標)として市販されている)
e) 殺菌ポリスチレンペトリ皿 100×15mm(Falconから市販されている)
f) 殺菌ポリスチレンペトリ皿 150×15mm(VWRから市販されている)
g) 高圧蒸気殺菌器(Market Forgeから市販されている)
h) メタル・ラボ・スクープ(16.5cm)/VWRからAdison Tissue Forcepsとして市販されている)
i) 層流フード(Baker社から市販されている)
手順:
1)生コケを手で袋から出し、目に見える根、葉、および破片をつまんで取り去り、コケをブレンダーに入れた。次いで、ブレンダーに、約1Lマークに到達するまでコケを詰め込んだ。
2)次に、ブレンダーに1Lの蒸留水を満たし、蓋をして手で30秒間振り、水を抜き、残っている汚れと破片を取り除いた。このプロセスは、さらに2回繰り返し、コケを徹底的に洗浄した。
3)次に、ブレンダーに蒸留水を再び満たし、設定4と5のパルスモードを使用してそれぞれ30秒間コケをブレンドし、コケが試料全体で均質化するようにした。
4)次いで、ブレンダーから水を抜いた。次に、残っている水を、組織篩いを使用してコケから手で絞り出した。次いで、絞ったコケは、きれいな1Lのビーカーに入れられた。工程1から4を繰り返し、1Lビーカーに処理済みコケを詰め込んだ。次に、液体設定を使用してビーカーを20分間、121℃、15psi(103.4MPa)で高圧蒸気殺菌し、室温で冷ました。
5)冷えたら、コケを層流フードに持ってきて、殺菌済み実験用スプーンと鉗子を使用し、ラボラベルを貼った予め重量を量ってあるペトリ皿に慎重に置いた。コケを汚染しないように特に注意し、それぞれの皿に均一にパックした。パックしたら、皿を少なくとも72時間の間カバーしないままにし、コケを乾燥させた。乾燥した皿をカバーし、使用するまで層流フード内に保管した。
【実施例2】
【0052】
スファグナム・クリスタツムは、カナダのSutton’s Moss社から入手したもの(ニュージーランドで収穫された)を細菌抑制試験用に調製した。受け取った後、コケ種を検証した。コケ試料の取り扱いは、上の実施例1で説明したのと同じであった。
【0053】
以下の機器が使用された。
a) 殺菌済み注射器、30ccまたは60ccで、個別にラップ(Becton Dickenson社から市販されている)
b) 殺菌済み注射器濾過器、0.45μm(マイクロメートル)および0.20μm(Pall Gellman社からAcrodiscとして市販されている)
c) Adison組織鉗子(VWRから市販されている)
d) 50ccのポリプロピレン目盛付き試験管、殺菌済みパック(Falconから市販されている)
e) ワックスフィルム(Parafilm(商標)、American National Canから市販されている)
f) 層流フード(Baker Company社から市販されている)
g) 殺菌済み目盛付きポリプロピレンチップ付きピペットマン、25mL(Becton Dickensonから市販されている)
h) 10MのHClおよび10MのNaOH
i) pH計(Beckman Omega 40から市販されている)
試薬および溶液調製:(処理に使用される液体に依存する)
a) Bacto(商標)Tryptic Soy Broth、30g/L(Becton Dickenson)/MEM−Alpha(Gibco)
b) リン酸緩衝生理食塩水(1×)、pH 7.1(Gibco(商標)から市販されている)
c) HPLCグレード水(J.T.Bakerから市販されている)
手順
a)処理に使用される液体は全て、このプロトコルで使用する前に、高圧蒸気殺菌処理されるか、または濾過殺菌され、適切な温度で保管された。全ての処理工程は、無菌法を使用して層流フード内で済まされた。使用する組織鉗子は、使用前に高圧蒸気殺菌された。
b)乾燥させたコケの重さを量った後、50mgの全ての乾燥コケに対し処理液1ミリリットルの濃度で処理液をピペットで取ってペトリ皿に入れた。50mg/mL以外の濃度が使用された場合、プロセスはそれに応じて変わった。
c)コケのペトリ皿は、ワックスフィルム(Parafilm(商標))で包み、1時間、4℃で冷凍した。
d)ペトリ皿を冷蔵庫から取り出して、コケを掬い取り、殺菌済み組織鉗子を使用して30ccまたは60ccの注射器に詰めた。注射器のプランジャーを再挿入し、液体を殺菌済み50mLポリプロピレン試験管内に、可能な全ての液体が抽出されるまで詰め込んだ。
e)0.45μmの注射器濾過器に通して抽出液を濾過し、次いで、0.2μmの注射器濾過器に通して濾過し、使用するまで4℃で保管した。
f)濾過された試料は、1.0MのHCl/NaOHを使用してpH調整し、0.2μmの注射器濾過器で滅菌濾過し、細菌抑制アッセイで使用されるまで4℃で再び保管した。
【実施例3】
【0054】
この実験では、阻害試験によりトリプシン大豆培養液(TSB)で細菌増殖の量を決定した。
【0055】
このアッセイで使用した全てのイボミズゴケおよびスファグナム・クリスタツム・コケ抽出物は、上述のように調製された。TSBも、調製され、使用前に、高圧蒸気殺菌され、4℃で保管された。
【0056】
以下の機器が使用された。
a) Beckman(商標)DU−64分光光度計
b) インキュベータオーブン(Boekel Instrumentsから市販されているModel #133000)
c) 5mLおよび50mLポリスチレン管(Falconから市販されている)
d) 10μLおよび1mLポリプロピレンチップ(Pipetmanから市販されている)
試薬および溶液:
a) Bacto(商標)Tryptic Soy Broth(TSB)、30g/L(Becton Dickensonから市販されている)
b) 最低でも3対数増殖期の間TSBで増殖させた大腸菌凍結培養物ストック(臨床分離株)
c) 最低でも3対数増殖期の間TSBで増殖させた黄色ブドウ球菌凍結培養物ストック(ATCC菌株#29213(バージニア州マナッサスのAmerican Type Culture Collection))
d) 蒸留水(Premium Water,Inc.社から市販されている)
e) イボミズゴケおよびニュージーランドゴケのTSB抽出物
手順:
1)30g/LのBacto(商標)Tryptic Soy Brothを蒸留水に加えてTSBブイヨンを調製した。全ての粉末が溶解するまで溶液を攪拌棒で攪拌し、20分間、121℃で高圧蒸気殺菌した。イボミズゴケ抽出物を、上のBで説明されているように調製した。1mLの溶液、TSBまたはコケ処理TSB試料をピペットで取って、3から5mLのポリスチレン試験管に入れた。
2)−20℃で保管されている大腸菌および黄色ブドウ球菌の凍結アリコートを室温になるまで解かした。解けたら、それぞれの細菌ストック100μLを、TSBの10mLアリコートに加えた。次いで、それぞれの管に栓をし、完全に混合させ、ラベルを貼り、37℃の培養器に入れた。
3)細菌ストック10μLをピペットで取って1mL溶液に入れ、管を所望の時間だけ37℃の温度で培養した。それぞれの試料および時点の1つの管は、ブランクとして使用されるため細菌を受け取っていなかった。
4)割り当てられた時点に、37℃のオーブンから溶液を取り出して、氷浴に浸けた。次いで直ちに試料を、分光光度計で550nmと読み取った。絶対OD値は、試料からブランクを引いた値であった。抑制は、OD値対適切なTSB対照試料の減少率として測定された。
【実施例4】
【0057】
以下のデータは、実施例3の手順によるさまざまなコケ種による細菌増殖培地(つまり、トリプシン大豆培養液)の処理の効果を例示している。非ミズゴケ種は、大腸菌増殖を阻止する能力に非常に劣る。以下で試験したコケのうち、大腸菌増殖を防ぐ最も有効なミズゴケは、イボミズゴケおよびスファグナム・クリスタツムであった。「N」は、試験回数を指し、「範囲」は、これらの試験について得られた最高数と最低数を表し、「平均」は、試験の平均値を指す。
【0058】
【表1】

【実施例5】
【0059】
TSBは、イボミズゴケで処理され、この溶液で細菌増殖を支援する能力は、実施例3により測定された。大腸菌(臨床分離株)および黄色ブドウ球菌(ATCC菌株#29213)の細菌増殖の抑制率が報告されている。TSB対照試料およびコケ処理TSB溶液(MT−TSB)が以下で報告されている。ブランク(B)のODを試料の測定済みOD(測定値)から引いて、報告された値を得る。
【0060】
【表2】

【実施例6】
【0061】
この実施例は、コケによる処理は細菌を殺さないが、その増殖を抑制することを実証している。オレゴン州ユージンのMolecular Probes社が市販しているKit No.L−7012の蛍光アッセイを使用して、細菌の生存度を調べた。このシステムでは、生菌および非生菌の細胞を貫通する異なる能力を有する緑色と赤色の蛍光核酸染色法を混ぜて使用する。500nmを放射する緑色蛍光菌株は、生菌および非生菌の両方に結合する。650nmを放射する赤色蛍光菌株は、非生菌のみに結合する。したがって、より高い割合の非生菌を含む細菌試料は、変化した染色比を有する。データから、大腸菌と黄色ブドウ球菌の両方について、生菌と非生菌との比は対照試料中と同じままである。
【0062】
手順:
1.媒体10mL(pH対照TSBおよびイボミズゴケ試料、実施例1および2でそれぞれ調製したもの)中で100μLを3時間、37℃で培養した。
2.この混合物を遠心分離機にかけて、細菌を濃縮し、次いで、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)10mLで再懸濁した。
3.再懸濁細菌3mLを3つのキュベットのそれぞれに加えた。
4.Styo−9染料40μLをプロピジウムヨウ化物染料40μLと混合した。これらの化合物は発癌性物質であると考えられているため注意を要する。
5.混合された染料溶液9μLをそれぞれのキュベットに加え、15分間、暗所に保管した。
6.染料なしで2つのPBSキュベットを用意し、染料をブランクとして使用して2つのPBSキュベットを用意した。
7.溶液を完全に混合した。蛍光強度は、500nm(480nmで吸収あり)と650nm(490nmで吸収あり)で測定される。これら2つの値の比は、細菌培養物の生存度に関係する。
【0063】
以下の表は、2つの異なる培地中の細菌試料に対する2つの波長における蛍光強度を報告したものである。650nmの蛍光の強度を超える500nmの蛍光の強度では、細菌培養物の生存度に関係する比が得られる。3つのTSBおよび3つのコケ処理TSB試料(MT−TSB)の平均が以下で報告される。それぞれの場合に、抑制の割合が対照試料と比較されている。
【0064】
【表3】

【0065】
【表4】

【0066】
データは、TSBとコケ処理TSBとの間の比に著しい変化がないことを示しており、コケの効果は殺菌性というよりはむしろ静菌性であることがわかる。
【実施例7】
【0067】
実施例3により、さまざまな細菌をイボミズゴケTSB(濃度50mg/mL)で処理した。細菌増殖の抑制率を報告する。TSB対照試料およびコケ処理TSB溶液(MT−TSB)は両方とも以下で報告されている。ブランク(B)の光学密度(OD)を試料の測定済みOD(測定)から引くことにより、「値」が得られる。
【0068】
2つの研究が行われ、これを以下の(1)および(2)として示した。
【0069】
【表5】

【0070】
【表6】

【0071】
【表7】

【0072】
【表8】

【0073】
【表9】

【0074】
【表10】

【実施例8】
【0075】
コケの酸処理の効果
スファグナム・クリスタツム・コケの圧縮スティック(カナダのSutton’s Moss社(ニュージーランドで収穫)から入手)を蒸留水中のコケ50mg/mlで4種類の増大する濃度のFe溶液(テキサス州アーリントンのRicca Chemicals社から入手できる濃塩酸0、0.5、5、50mg/LのFe標準)に浸けた。浸けたコケは、4℃で一晩保管された。Fe溶液は、注射器により抽出し、濾過し、Feについて誘導結合プラズマ原子発光分析法により測定した。この結果から、コケは、50mg/Lの試料中、かなりの量のFe、最大15mg/LまでのFeを結合することがわかった。この実験を蒸留水で洗浄したコケで実行したところ、類似の結果が得られた。しかし、Feスパイク試料のpHは低いことが指摘された。最適な結合はpH4から6で行われるため、次の実験では、4から7までの範囲でpHを調整した。Fe試料のpHを上げると、Feは、沈殿し始めた。コケは、試料(最大25mg/L)からFeの全てを除去した。次いで、使用前にコケに結合されたイオンは、陽イオン結合試験に影響を及ぼす可能性があり、またコケから陽イオンを除去する方法を調査しなければならないと判断された。
【0076】
ミズゴケを酸洗浄するための方法を提供する場合(腐植コケであるピートモスではない)、2つの異なる酸性水が使用された。1バッチ分のコケ(約5g)を、濃硝酸を使用しpHを1に調節した蒸留水3.5L中で常時攪拌した。他のバッチのコケについては、氷酢酸の2%溶液を使用した。洗浄液を1時間、攪拌し、次いで、上清を濾過し、新しい洗浄液をコケにかけた。これは、都合4回の酸洗浄について繰り返した。酸洗浄の後、蒸留水洗浄を同じ方法で4回実行した。蒸留水洗浄の終わりに、伝導性は蒸留水と似たものとなった。2つの酸で、類似の量のイオンを除去し、したがって、それ以降、コケを洗浄するのに酢酸を決まって使用した。
【0077】
中性pHで可溶性の金属が、結合能力を試験し、酸洗浄されているミズゴケと洗浄されていないコケの結合能力の改善について試験するのに適していると決定された。この目的のためにカルシウムが選択された。使用されたコケは、この実施例ですでに説明されているスファグナム・クリスタツム・コケであり、使用された酸は、氷酢酸の2%溶液であり、洗浄は、前の段落で説明されているように実行された。第1の試験から、予想したのと反対のことが示され、非洗浄コケが最も多くを結合し、酸洗浄コケは結合するのが最も少なかった。試料のpHをチェックしたところ、結合能力はpHと相関していることが発見された。酸洗浄コケは、溶液のpHを下げ、イオン結合に影響を及ぼした。この問題を解消するために、酸洗浄コケを高塩分食塩水で洗浄し、HイオンをNaで追い出した。高塩分食塩水は、1Mの酢酸ナトリウムであり、この酢酸ナトリウム溶液3.5L中のコケ約5gを1時間、常時攪拌し、次いで、洗浄を繰り返した。これら2回の酢酸ナトリウム洗浄の後に、蒸留水による4回の洗浄を行い、それぞれの洗浄は1時間かけ、それぞれ同じ方法で実行した。酸/塩洗浄コケを試験したところ、抽出物のpHは低下せず、以下の表(Caの濃度はppm単位)からわかるように、蒸留水および非洗浄コケを上回る結合能力の著しい改善を示した。
【0078】
【表11】

【0079】
抽出物のpHは、最大2pH単位で変化し、そのままでは酸洗浄の効果とpHの効果とを区別することが困難であった。したがって、コケを試料溶液に入れたまま、pHの調節を行えるコケの結合について試験する新しい方法が開発された。これは、マルチウェルプレート、小型の攪拌棒、および10mg/ml濃度のコケを使用して行った。約1時間半溶液をコケに接触させた後、溶液のpHは、全て6.5の0.25pH単位の範囲内に調整された。これにより、酸/塩洗浄コケおよび酸のみで洗浄したコケの試験を行うことができた。結果は以下に示されている。示されている平均は、2つの試料の平均である。
【0080】
【表12】

【0081】
pHを互いの0.5pH単位の範囲内に調整した場合、pH効果はなくなり、酸洗浄コケの結合能力が著しく改善されるのがわかる。酸/塩洗浄コケは、酸のみで洗浄したコケよりも結合性がわずかによく、蒸留水洗浄コケは、非洗浄コケよりも結合性がわずかによいが、有意とみなせるほど十分ではない。
【0082】
そのため、コケは、FeイオンとCaイオンの両方に結合することが示され、したがって、これらのイオンの一方または両方の除去が水処理の目標であるため水処理には有効である。
【0083】
上述の説明および図面は、本発明の実施形態を説明するために用意されたものであり、本発明の範囲をいかなる形でも制限することを意図していない。当業者にとっては、本発明の精神または範囲から逸脱することなくさまざまな修正および変更を加えられることは明白であろう。したがって、本発明は、添付の請求項およびその均等物の範囲内にある限り、本発明のいくつかの修正および変更形態を対象範囲とすることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1A】本発明で使用することができる装置の一実施形態の斜視図である。
【図1B】側面図である。
【図1C】図1Bの直線C−Cに沿って示されている断面図である。
【図2A】本発明で使用することができる装置の他の実施形態の斜視図である。
【図2B】図2Aに示されている装置内で使用されるコケの側面図である。
【図3】本発明で使用することができる装置の他の実施形態の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物増殖が起こりやすい物質を、微生物増殖を抑制するために効果的な量の非腐植コケに接触させる工程を含み、前記コケは、イボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、微生物増殖を抑制する方法。
【請求項2】
前記コケは、イボミズゴケである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コケは、イボミズゴケのみを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムのみを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記コケは、イボミズゴケおよびスファグナム・クリスタツムの混合物のみを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記コケは、圧縮される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コケは、細長片の形態である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コケは、殺菌されている請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記コケは、酸性溶液で洗浄されている請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記コケは、酢酸溶液で洗浄されている請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記コケは、酸性溶液で洗浄され、次いで、食塩水で洗浄されている請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記物質は、水である請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記物質は、温泉の水である請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記物質は、プールの水である請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記物質は、アクアリウムの水である請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記物質は、人体の一部である請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記人体の一部は、皮膚である請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記人体の一部は、外傷である請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記人体の一部は、内部体腔である請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記人体の一部は、身体の内部の損傷の部位である請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記物質は、穀物である請求項1に記載の方法。
【請求項23】
微生物増殖を抑制するために効果的な量の非腐植コケを担体に入れ、前記担体を微生物増殖が起こりやすい物質に接触させる工程を含み、前記コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、微生物増殖を抑制する方法。
【請求項24】
前記コケは、イボミズゴケである請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムである請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記コケは、イボミズゴケのみを含む請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムのみを含む請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記コケは、イボミズゴケおよびスファグナム・クリスタツムの混合物のみを含む請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記物質は、水である請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記物質は、温泉の水である請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記物質は、プールの水である請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記物質は、アクアリウムの水である請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記水は、ポンプで担体に通される請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記物質は、人体の一部である請求項23に記載の方法。
【請求項35】
前記人体の一部は、皮膚である請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記人体の一部は、外傷である請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記人体の一部は、内部体腔である請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記人体の一部は、身体の内部の損傷の部位である請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記物質は、穀物である請求項23に記載の方法。
【請求項40】
前記担体は、人体に埋め込まれる装置である請求項23に記載の方法。
【請求項41】
前記担体は、ポリマーマトリクスである請求項23に記載の方法。
【請求項42】
前記担体は、バイオマトリクスである請求項23に記載の方法。
【請求項43】
前記担体は、1つまたは複数の膜である請求項23に記載の方法。
【請求項44】
細菌増殖を抑制する際に使用するコケを調製する方法であって、
(i)非腐植コケを乾燥させる工程と、
(ii)前記コケを滅菌する工程とを含む方法。
【請求項45】
さらに、前記コケを圧縮する工程を含む請求項44に記載の方法。
【請求項46】
さらに、前記圧縮されたコケを複数の細長片に切断する工程を含む請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記コケは、高圧蒸気殺菌法により滅菌される請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記コケは、化学処理により滅菌される請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記コケは、エチレンオキシドを使った処理により滅菌される請求項44に記載の方法。
【請求項50】
細菌増殖を抑制する際に使用するコケを調製する方法であって、
(i)非腐植コケを酸性溶液に接触させる工程と、
(ii)前記コケを乾燥させる工程とを含む方法。
【請求項51】
前記非腐植コケは、工程(i)の後に食塩水に接触させる請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記酸性溶液は、酢酸溶液である請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記コケは、ミズゴケである請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記コケは、イボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記コケは、イボミズゴケである請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムである請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記コケは、イボミズゴケのみを含む請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムのみを含む請求項54に記載の方法。
【請求項59】
前記コケは、イボミズゴケおよびスファグナム・クリスタツムの混合物のみを含む請求項54に記載の方法。
【請求項60】
滅菌された非腐食コケおよび担体を含むキット。
【請求項61】
前記コケは、ミズゴケである請求項60に記載のキット。
【請求項62】
前記コケは、イボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項60に記載のキット。
【請求項63】
前記コケは、イボミズゴケである請求項62に記載のキット。
【請求項64】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムである請求項62に記載のキット。
【請求項65】
前記コケは、イボミズゴケのみを含む請求項62に記載のキット。
【請求項66】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムのみを含む請求項62に記載のキット。
【請求項67】
前記コケは、イボミズゴケおよびスファグナム・クリスタツムの混合物のみを含む請求項62に記載のキット。
【請求項68】
前記コケは、圧縮される請求項60に記載のキット。
【請求項69】
前記コケは、細長片の形態である請求項68に記載のキット。
【請求項70】
前記コケは、殺菌されている請求項60に記載のキット。
【請求項71】
前記コケは、酸性溶液で洗浄されている請求項60に記載のキット。
【請求項72】
前記コケは、酢酸溶液で洗浄されている請求項71に記載のキット。
【請求項73】
前記コケは、酸性溶液で洗浄され、次いで、食塩水で洗浄されている請求項71に記載のキット。
【請求項74】
細菌増殖が起こりやすい水を細菌増殖を抑制する効果のある量の非腐植コケに接触させる工程であって、前記コケがイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される工程と、定期的に適切な化学剤で水に衝撃を与える工程とを含む、細菌増殖を抑制する方法。
【請求項75】
前記化学剤は、一過硫酸カリウムである請求項74に記載の方法。
【請求項76】
水から水素イオン以外の陽イオンを除去する効果のある量の非腐植コケに水を接触させる工程を含み、前記コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、水を処理する方法。
【請求項77】
前記陽イオンは、カルシウムイオンである請求項76に記載の方法。
【請求項78】
実質的に全ての前記カルシウムイオンが、水から除去される請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記陽イオンは、鉄イオンである請求項76に記載の方法。
【請求項80】
実質的に全ての前記カルシウムイオンが、水から除去される請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記コケは、イボミズゴケである請求項76に記載の方法。
【請求項82】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムである請求項76に記載の方法。
【請求項83】
前記コケは、イボミズゴケのみを含む請求項76に記載の方法。
【請求項84】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムのみを含む請求項76に記載の方法。
【請求項85】
前記コケは、イボミズゴケおよびスファグナム・クリスタツムの混合物のみを含む請求項76に記載の方法。
【請求項86】
前記コケは、圧縮される請求項76に記載の方法。
【請求項87】
前記コケは、細長片の形態である請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記コケは、殺菌されている請求項76に記載の方法。
【請求項89】
前記コケは、酸性溶液で洗浄されている請求項76に記載の方法。
【請求項90】
前記コケは、酢酸溶液で洗浄されている請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記コケは、酸性溶液で洗浄され、次いで、食塩水で洗浄されている請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記物質は、温泉の水である請求項76に記載の方法。
【請求項93】
前記物質は、プールの水である請求項76に記載の方法。
【請求項94】
前記物質は、アクアリウムの水である請求項76に記載の方法。
【請求項95】
水から水素イオン以外の陽イオンを除去する効果のある量の非腐植コケを担体内に入れる工程と前記担体を水に接触させる工程とを含み、前記コケはイボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、水を処理する方法。
【請求項96】
水中で使用するための装置であって、
(i)内部空洞および前記内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体と、
(ii)前記内部空洞内に収められたコケとを含み、
前記担体は前記コケを完全に封入している、水中で使用するための装置。
【請求項97】
前記担体は、浮きを備える請求項96に記載の装置。
【請求項98】
前記担体は、浮きと前記浮きの下にある円柱状部分を備え、前記円柱状部分は内部空洞および前記内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する請求項96に記載の装置。
【請求項99】
前記コケは、網袋内に封入される請求項96に記載の装置。
【請求項100】
前記担体は、1つまたは複数のおもしを備える請求項96に記載の装置。
【請求項101】
前記コケは、非腐植コケである請求項96に記載の装置。
【請求項102】
前記コケは、ミズゴケである請求項101に記載の装置。
【請求項103】
前記コケは、イボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項101に記載の装置。
【請求項104】
前記コケは、イボミズゴケである請求項103に記載の装置。
【請求項105】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムである請求項103に記載の装置。
【請求項106】
前記コケは、イボミズゴケのみを含む請求項103に記載の装置。
【請求項107】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムのみを含む請求項103に記載の装置。
【請求項108】
前記コケは、イボミズゴケおよびスファグナム・クリスタツムの混合物のみを含む請求項103に記載の装置。
【請求項109】
前記コケは、圧縮される請求項101に記載の装置。
【請求項110】
前記コケは、細長片の形態である請求項109に記載の装置。
【請求項111】
前記コケは、殺菌されている請求項101に記載の装置。
【請求項112】
前記コケは、酸性溶液で洗浄済みである請求項101に記載の装置。
【請求項113】
前記コケは、酢酸溶液で洗浄済みである請求項101に記載の装置。
【請求項114】
前記コケは、酸性溶液で洗浄され、次いで、食塩水で洗浄されている請求項101に記載の装置。
【請求項115】
微生物増殖が起こりやすい水の中に、水中で微生物増殖を抑制するための装置を入れる工程を含む微生物増殖を抑制する方法であって、前記装置は、
(i)内部空洞および前記内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体と、
(ii)前記内部空洞内に収められたコケとを備え、前記担体は、前記コケを完全に封入しており、前記装置は、水中で微生物増殖を抑制するのに有効なある量の前記コケを備える方法。
【請求項116】
前記担体は、浮きを備える請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記担体は、浮きと前記浮きの下にある円柱状部分を備え、前記円柱状部分は内部空洞および前記内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する請求項115に記載の方法。
【請求項118】
前記担体は、1つまたは複数のおもしを備える請求項115に記載の方法。
【請求項119】
前記コケは、網袋内に封入される請求項115に記載の方法。
【請求項120】
前記コケは、非腐植コケである請求項115に記載の方法。
【請求項121】
前記コケは、ミズゴケである請求項115に記載の方法。
【請求項122】
前記コケは、イボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項120に記載の方法。
【請求項123】
前記コケは、イボミズゴケである請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムである請求項122に記載の方法。
【請求項125】
前記コケは、イボミズゴケのみを含む請求項122に記載の方法。
【請求項126】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムのみを含む請求項122に記載の方法。
【請求項127】
前記コケは、イボミズゴケおよびスファグナム・クリスタツムの混合物のみを含む請求項122に記載の方法。
【請求項128】
前記コケは、圧縮される請求項115に記載の方法。
【請求項129】
前記コケは、細長片の形態である請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記コケは、殺菌されている請求項120に記載の方法。
【請求項131】
前記コケは、酸性溶液で洗浄されている請求項120に記載の方法。
【請求項132】
前記コケは、酢酸溶液で洗浄されている請求項120に記載の方法。
【請求項133】
前記コケは、酸性溶液で洗浄され、次いで、食塩水で洗浄されている請求項120に記載の方法。
【請求項134】
前記水は、温泉の水である請求項120に記載の方法。
【請求項135】
前記水は、プールの水である請求項120に記載の方法。
【請求項136】
前記水は、アクアリウムの水である請求項120に記載の方法。
【請求項137】
前記水は、ポンプで装置に通される請求項120に記載の方法。
【請求項138】
滅菌された非腐食コケと、内部空洞および前記内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体を備え、前記内部空洞は前記コケを完全に封入していることができる水中で使用するための装置とを備えるキット。
【請求項139】
前記担体は、浮きを備える請求項138に記載のキット。
【請求項140】
前記担体は、浮きと前記浮きの下にある円柱状部分を備え、前記円柱状部分は内部空洞および前記内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する請求項138に記載のキット。
【請求項141】
前記担体は、1つまたは複数のおもしを備える請求項138に記載のキット。
【請求項142】
前記コケは、網袋内に封入される請求項138に記載のキット。
【請求項143】
前記コケは、ミズゴケである請求項138に記載のキット。
【請求項144】
前記コケは、イボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項138に記載のキット。
【請求項145】
前記コケは、イボミズゴケである請求項144に記載のキット。
【請求項146】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムである請求項144に記載のキット。
【請求項147】
前記コケは、イボミズゴケのみを含む請求項144に記載のキット。
【請求項148】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムのみを含む請求項144に記載のキット。
【請求項149】
前記コケは、イボミズゴケおよびスファグナム・クリスタツムの混合物のみを含む請求項144に記載のキット。
【請求項150】
前記コケは、圧縮される請求項138に記載のキット。
【請求項151】
前記コケは、細長片の形態である請求項150に記載のキット。
【請求項152】
前記コケは、殺菌されている請求項138に記載のキット。
【請求項153】
前記コケは、酸性溶液で洗浄されている請求項138に記載のキット。
【請求項154】
前記コケは、酢酸溶液で洗浄されている請求項138に記載のキット。
【請求項155】
前記コケは、酸性溶液で洗浄され、次いで、食塩水で洗浄されている請求項138に記載のキット。
【請求項156】
さらに、1つまたは複数のpHテスト細長片を備える請求項138に記載のキット。
【請求項157】
さらに、一過硫酸カリウムを含む請求項138に記載のキット。
【請求項158】
微生物増殖が起こりやすい水の中に、水中で微生物増殖を抑制するための装置を入れる工程を含む微生物増殖を抑制する方法であって、前記装置は、
(i)内部空洞および前記内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体と、
(ii)前記内部空洞内に収められたコケとを備え、前記担体は、前記コケを完全に封入し、前記装置は、水中で微生物増殖を抑制するのに有効なある量の前記コケを備え、
定期的に適切な化学剤で水に衝撃を与える方法。
【請求項159】
前記化学剤は、一過硫酸カリウムである請求項158に記載の方法。
【請求項160】
水の中に装置を入れる工程を含む水を処理する方法であって、前記装置は、
(i)内部空洞および前記内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する担体と、
(ii)前記内部空洞内に収められたコケとを備え、前記担体は、前記コケを完全に封入し、前記装置は、水から水素イオン以外の陽イオンを除去するのに有効なある量の前記コケを備える方法。
【請求項161】
前記陽イオンは、カルシウムイオンである請求項160に記載の方法。
【請求項162】
前記カルシウムイオンは、実質的に全てが水から除去される請求項161に記載の方法。
【請求項163】
前記陽イオンは、鉄イオンである請求項160に記載の方法。
【請求項164】
前記カルシウムイオンは、実質的に全てが水から除去される請求項163に記載の方法。
【請求項165】
前記担体は、浮きを備える請求項160に記載の方法。
【請求項166】
前記担体は、浮きと前記浮きの下にある円柱状部分を備え、前記円柱状部分は内部空洞および前記内部空洞を出入りするための1つまたは複数の開口部を有する請求項160に記載の方法。
【請求項167】
前記担体は、1つまたは複数のおもしを備える請求項160に記載の方法。
【請求項168】
前記コケは、網袋内に封入される請求項160に記載の方法。
【請求項169】
前記コケは、非腐植コケである請求項160に記載の方法。
【請求項170】
前記コケは、ミズゴケである請求項160に記載の方法。
【請求項171】
前記コケは、イボミズゴケ、スファグナム・クリスタツム、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項160に記載の方法。
【請求項172】
前記コケは、イボミズゴケである請求項171に記載の方法。
【請求項173】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムである請求項171に記載の方法。
【請求項174】
前記コケは、イボミズゴケのみを含む請求項171に記載の方法。
【請求項175】
前記コケは、スファグナム・クリスタツムのみを含む請求項171に記載の方法。
【請求項176】
前記コケは、イボミズゴケおよびスファグナム・クリスタツムの混合物のみを含む請求項171に記載の方法。
【請求項177】
前記コケは、圧縮される請求項160に記載の方法。
【請求項178】
前記コケは、細長片の形態である請求項177に記載の方法。
【請求項179】
前記コケは、殺菌されている請求項169に記載の方法。
【請求項180】
前記コケは、酸性溶液で洗浄されている請求項169に記載の方法。
【請求項181】
前記コケは、酢酸溶液で洗浄されている請求項169に記載の方法。
【請求項182】
前記コケは、酸性溶液で洗浄され、次いで、食塩水で洗浄されている請求項169に記載の方法。
【請求項183】
前記水は、温泉の水である請求項160に記載の方法。
【請求項184】
前記水は、プールの水である請求項160に記載の方法。
【請求項185】
前記水は、アクアリウムの水である請求項160に記載の方法。
【請求項186】
前記水は、ポンプで装置に通される請求項160に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−533378(P2007−533378A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508581(P2007−508581)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/012915
【国際公開番号】WO2005/102935
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(506344712)エムブロ・コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】