説明

水性オリゴ−及びポリエステル調剤

50〜90重量%のソイルリリースポリエステル及び0.1〜40重量%のホスホン酸若しくはホスホン酸塩を含むソイルリリースポリマー水性調合物である。ホスホン酸若しくはホスホン酸塩の添加により、安定で低粘性であるソイルリリースポリエステルの調合物の調製が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリゴ−及びポリエステルの水性調合物、並びに洗剤(Waschmittel)もしくは洗浄剤(Reinigungsmittel)、繊維産業及び化粧品でのこれらの調合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
水溶性若しくは水分散性のポリエステルは、長きに渡り知られてきた。これらは、親水化のため、水分移動性の改善のため、疎水性の汚れ(油脂)の洗浄力の改善のため、及びポリエステル布の帯電防止性を改善するための繊維仕上げ(Finishing)に使用される。繊維製品用の洗剤及び洗浄剤中にいわゆるソイルリリースポリマー(Soil Release Polymere)として使用することも知られている。ここでは、これらは、合成繊維、特にポリエステル布及びポリエステル混布からの汚れの脱着を改善する役目をする。さらに、スキンクリームやシャワーゲルなどの化粧料中で、ある種の水溶性オリゴ−若しくはポリエステルを使用することが知られている。例えば、ここで、これらは、肌の感じの改善に役立つ(スキンコンディショナー)。
【0003】
これらの水溶性又は水分散性ポリエステルは、ジカルボン酸及び2又は3以上の水酸基を有する出発物質をベースとする重縮合物である。ジカルボン酸としては、通常、テレフタル酸が使用される。これらの他に、更に別の二塩基性カルボン酸、例えば、イソフタル酸が含まれていても良い。さらに、(架橋剤として)トリカルボン酸が使用されても良い。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、それらのダイマー、トリマー、オリゴマー若しくはポリマーなどの複数の水酸基を有する出発物質(ポリオール)として使用される。又、3又は4以上の水酸基を有する成分、例えば、グリセロール又はペンタエリトリトールが含まれることもできる。ポリエステルの分子量を制御するためのエンドキャップとしてメチルポリエチレングリコールなどの単官能基の出発物質が使用される。
【0004】
液体洗剤及び洗浄剤中でソイルリリースポリマーとしてポリエステルを使用するために、これらは、非希釈形態で、すなわちペースト状もしくはワックス様製品として、又は水性調剤の形態で提供される。
【0005】
非希釈の製品は、液体状で、注ぐことが可能か若しくはポンプ供給可能な液状の形で、液体洗剤又は洗浄剤調合物に計量添加できるように最初に溶融する必要がある点で欠点を有する。しかし、そのために、わずかな技術的な浪費とは言えない加熱可能な貯蔵容器とパイプラインが必要になる。
【0006】
次に、商業的に入手可能な水性調剤は、比較的少ない活性物質含有量でしか製造できないという欠点を有する。すべての水性ポリエステル調剤の更に別の欠点は、非常に限られた物理的貯蔵安定性しか有していない点である。透明な洗剤と洗浄剤を製造するのに必ず必要な透明な調剤は、夏や、南方の地域における比較的高い温度下に短時間後に既に曇ってしまい、多量の見栄えの悪い沈殿物が分離してしまう。従って、顧客に輸送している間又はそれ以前に使用不能になる場合がある。この場合、濾過により沈殿を分離することができるが、これは一時的な解決策にしかならない。なぜならば、その後再びこのような沈殿物が生じ得るからである。従って、沈殿物の形成はどのような状況でも回避する必要がある。他方、水性分散体は層分離を起こす傾向があり、その際、水中に分散したポリマー粒子はゆっくりと沈降する。
【0007】
PCT出願第2005/006344号明細書(特許文献1)には、オリゴ−及びポリエステル調合物の安定化のためのポリカルボン酸の使用が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許協力条約出願第2005/006344号明細書
【特許文献2】米国特許第3,712,873号明細書
【特許文献3】米国特許第3,959,230号明細書
【特許文献4】米国特許第4,116,885号明細書
【特許文献5】欧州特許第0442101号明細書
【特許文献6】独国特許発明第4403866号明細書
【特許文献7】欧州特許第253567号明細書
【特許文献8】欧州特許第357280号明細書
【特許文献9】独国特許発明第19522431号明細書
【特許文献10】米国特許第4,427,557号明細書
【特許文献11】米国特許第4,721,580号明細書
【特許文献12】米国特許第5,691,298号明細書
【特許文献13】米国特許第5,700,386号明細書
【特許文献14】米国特許第5,843,878号明細書
【特許文献15】国際公開第96/18715号
【特許文献16】国際公開第95/02028号
【特許文献17】国際公開第95/02029号
【特許文献18】欧州特許第707627号
【特許文献19】米国特許第3,128,287号明細書
【特許文献20】米国特許第3,635,830号明細書
【特許文献21】米国特許第4,663,071号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】“The Journal of the American Oil Chemists Society” 52 (1975)の323〜329ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、本発明の課題は、なお一層良好な物理的安定性を有し、それゆえ、比較的高温下での長期の貯蔵でも濁らず、粘度が低く、従って、使用者にとって貯蔵、加工がしやすいオリゴ−及びポリエステルの水性調合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
驚くべきことに、ホスホン酸若しくはその塩を添加することでこの目的を達成できることが見出された。
【0012】
本発明の対象は、25〜90重量%のソイルリリースポリエステル、及び0.1〜40重量%のホスホン酸若しくはその塩を本質的に含むオリゴ−及びポリエステル水性調合物である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記水性調合物の調製のためのオリゴ−若しくはポリエステルは、水溶性又は水分散性で、非イオン性若しくはアニオン性であることができる。これらのポリエステルのモル質量は20000かそれより小さいことが好ましく、より好ましくは10000かそれより小さく、特に好ましくは5000かそれより小さい。
【0014】
非イオン性オリゴ−及びポリエステルとしては、例えば、特許文献2〜9に記載されている。以下に示したモノマーをベースとして構成することができる:
【0015】
二価アルコール(グリコール)、例えば、エチレングリコール; 1,2−プロピレングリコール; 1,3−プロピレングリコール; 1,2−ブチレングリコール; 2,3−ブチレングリコール; 1,4−ブチレングリコール; ペンタンジオール; ヘキサンジオール、3−メトキシ−1,2−プロピレングリコール。
【0016】
多価アルコール、例えば、グリセリン、ペンタエリトリトール、オリゴグリセリン、及びこれらのアルコキシ化二次生成物。
【0017】
例えばエチレンジグリコール、プロピレンジグリコールなどの前記の二個価アルコールを1モルに対して、好ましくは1〜5モルのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加した付加生成物、1モルのグリセリンに対して好ましくは1〜3モルのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加した付加生成物、ペンタエリトリトールに対して好ましくは1〜4モルのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加した付加生成物。
【0018】
ポリアルキレングリコール。これは、好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、n−ブチレンオキシド又はブチレンオキシドから誘導される。その際、これらは、前記アルキレンオキシドのホモポリマー、コポリマー又はターポリマーとすることができる。コポリマーは、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー又は交互コポリマーであることができる。好ましくは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はこれらのブロックコポリマーが使用される。これらのポリアルキレングリコールは、好ましくは4000g/モル以下のモル質量を有している。
【0019】
アルキルポリアルキレングリコール、特に、1モルのC−〜C24−アルコール、C−〜C18−アルキルフェノール又はC−〜C24−アルキルアミンに対して好ましくは5〜80molの一種またはそれ以上のアルキレンオキシドを付加した水溶性の付加生成物である。好ましいアルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及びこれらの混合物である。
【0020】
芳香族ジカルボン酸、特に、テレフタル酸、イソフタル酸。ポリエステルは、60質量%までの、好ましくは50質量%までのテレフタル酸を含むことが好ましい。
【0021】
−C−アルキルポリアルキレングリコール、ここで、それのベースとなるポリアルキレングリコールは、好ましくは4000g/モルまでのモル質量を有する。ここで、好ましいものとしては、90単位まで、好ましくは50単位まで、特に好ましくは20単位までのエチレンオキシドを含むメチルポリエチレングリコールが挙げられる。
ものが好ましい。
【0022】
脂肪族ジカルボン酸。適切な脂肪族ジカルボン酸は、例えば、2〜10個の炭素原子を含む。それらの例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸である。これらは、単独でまたは混合物として使用することができる。
【0023】
モノヒドロキシモノカルボン酸、特に、グリコール酸、乳酸、ω−ヒドロキシ−ステアリン酸及びω−ヒドロキシカプロン酸。
【0024】
モノカルボン酸、例えば、安息香酸などを、分子量を制御するための単官能性出発物質として使用することができる。
【0025】
エステル及び無水物。前記のカルボン酸は、それらのエステルとして又は、もし可能ならそれらの無水物として使用することもできる。これらの例は、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、シュウ酸ジエチルエステル、アジピン酸ジメチルエステル、フタル酸無水物、マレイン酸無水物、コハク酸無水物である。
【0026】
アニオン性オリゴ−及びポリエステルは、例えば、特許文献10〜18に記載されている。
【0027】
アニオン性オリゴ−及びポリエステルを製造するためには、非イオン性ポリエステルを製造するために使用される上記の成分の他に、さらに、例えばヒドロキシエタンスルホン酸、ヒドロキシプロパンスルホン酸、これらとアルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとの反応生成物、グリセリンスルホ−エチルエーテル、グリセリンスルホプロピルエーテル、スルホイソフタル酸、及びスルホ安息香酸が縮合導入される。
【0028】
本発明で使用できるオリゴ−及びポリエステルは以下の構造(1)を有していることが好ましい:
【化1】

ここで、
及びRは、直鎖若しくは分岐C−C18アルキル、
、R、Rは、互いに独立して、アルキレン、好ましくは、エチレン、プロピレン、ブチレン及び/又はシクロアルキレン、例えば1,4−シクロヘキシレン又は1,4−ジメチレン−シクロヘキシレン、並びにこれらの混合物、
及びRは、アリーレン又はアルカリーレン、例えば1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、1,8−ナフチレン、1,4−ナフチレン、2,2’−ビフェニレン、4,4’−ビフェニレン; アルキレン又はアルケニレン、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン;シクロアルキレン、例えばシクロヘキシレン、
a、b及びdは、1〜400の数
cは、1〜20の数、である。
【0029】
好ましいものは、式(1)中、
及びRは、メチル及び/又はエチル、
、R、Rは、エチレン、1,2−プロピレン又はこれらの混合物
及びRは、1,4−フェニレン及び1,3−フェニレン、
並びに、
a、b及びdは、1〜100の数
cは、1〜10の数である、
オリゴ−及びポリエステルである、
【0030】
また以下の式(2)のものも好ましいオリゴ−若しくはポリエステルである。
【化2】

ここで、
及びRは、直鎖若しくは分岐C−C18アルキル、
及びRは、エチレン、
は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、
は、エチレン、
は、エチレン、1,2−プロピレン、又はこれらの両者の任意の組成のランダムな混合物、
x及びyは、互いに独立して、1〜500の数、
zは、10〜140の数、
aは、1〜12の数、
bは、7〜40の数、を意味する。
【0031】
好ましくは、化学式(2)中では、互いに独立して、
及びRは、直鎖若しくは分岐C−C18アルキル、
x及びyは、3〜45の数、
zは、18〜70の数、
aは、2〜5の数、
bは、8〜12の数、
a+bは、12〜35の数、を意味する。
【0032】
本発明の水性調合物は、オリゴ−及びポリエステルに加え、安定化のためのホスホン酸又はその塩を含む。
【0033】
ホスホン酸又はその塩としては、好ましくは、有機ホスホン酸若しくはその塩、好ましくは、そのモル質量が20000g/モルまでのものが挙げられる。
【0034】
ホスホン酸としては、例えば次の化合物が挙げられる: (ポリ)ホスホン酸、アミノ−トリメチレンホスホン酸(ATMP)、エチレンジアミン−テトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミン−テトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−ペンタメチレンホスホン酸、ポリアミノメチレンホスホン酸、ヘキサメチレントリアミン−ペンタメチレンホスホン酸、及びヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、及び(ポリ)ビニルホスホン酸。好ましいホスホン酸は、ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(1)である。
【化3】

【0035】
塩は、好ましくは、上記ホスホン酸のナトリウム−、カリウム−、リチウム−、アンモニウム−又は置換アンモニウムの塩である。
【0036】
本発明の調合物は、25〜90重量%、好ましくは50〜85重量%、より好ましくは60〜80重量%、特に好ましくは70〜80重量%のオリゴ−若しくはポリエステルを含む。本発明の調合物中、ホスホン酸又はホスホン酸塩の含有量は、0.1〜40重量%、好ましくは0.15〜25重量%、より好ましくは0.2〜10重量%、特に好ましくは0.25〜5重量%であることができる。
【0037】
本発明の水性オリゴ−及びポリエステル調剤は、一般的に5重量%未満、好ましくは3重量%未満、特に好ましくは0.5〜1重量%の濃度で洗浄及び洗浄剤中に使用される(濃度は調剤中のポリエステルの割合を基準としている)。
【0038】
本発明の水性オリゴ−及びポリエステル調合物を使用することができる洗剤及び洗浄剤は、好ましくは、液体洗剤、ゲル状洗剤及び洗濯のり、並びに柔軟剤。又はすすぎ作業の後に繊維を処理するための液体ランドリーコンディショナーなどである。上記のポリエステル調剤は、攪拌器などの機械的な均質化装置を使用して、容易にこれらの液体調合物中に配合することができる。さらに、水性ポリエステル調剤は、例えば、しみ溶解剤、しみ抜きスプレーなどの特殊なランドリー処理剤や、洗濯ブースター中で使用することもできる。該水性オリゴ−及びポリエステル調剤を含む液体調合物は、貯蔵中に保護機能を有するか計量を補助するためにフィルム中に包装することができる。フィルムとしては水溶性のものが良い。
【0039】
本発明の水性オリゴ−若しくはポリエステル調剤を含む洗剤、洗浄剤及びランドリー処理剤は、さらに、慣用の成分も含んでいて良い。それらを以下に列挙する:
【0040】
アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤としては、サルフェート 、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。適切なカチオンは、例えばナトリウム若しくはカリウムなどのアルカリ金属、又は例えばカルシウム若しくはマグネシウムなどのアルカリ土類金属、並びにアンモニウム、モノ−、ジ−若しくはトリエタノールアンモニウムカチオンを含む置換アンモニウム化合物、及びこれらの混合物である。
【0041】
以下のタイプのアニオン性界面活性剤が特に好ましい: アルキルエステルスルホン酸塩、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩及び石鹸であり、これらは以下に示すようなものである。
【0042】
アルキルエステルスルホン酸塩としては、特に、“The Journal of the American Oil Chemists Society” 52 (1975)の323〜329ページに記載されているようにガス状のSOによりスルホン化したC−C20−カルボン酸(すなわち、脂肪酸)の直鎖エステルである。
【0043】
適切な出発材料は、獣脂、ココナッツオイル 及びパームオイル などの天然脂肪であるが、合成したもの でも良い。
【0044】
好ましいアルキルエステルスルホン酸塩は、特に洗剤用途に好ましいものとしては、下記の化学式に示される化合物である。
【化4】

ここで、Rは、C−C20−炭化水素基、好ましくはアルキルであり、Rは、C−C炭化水素基、好ましくはアルキルである。Mは、アルキルエステルスルホネート と共に水溶性塩を形成するカチオンを表す。好適なカチオンは、ナトリウム、カリウム、リチウム、又はアンモニウムカチオン、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンである。好ましくは、Rは、C10−C16−アルキルを意味し、Rはメチル、エチル又はイソプロピルを意味する。特に好ましいものは、RがC10−C16−アルキルであるメチルエステルスルホン酸塩である。
【0045】
ここで、アルキルサルフェートは、式ROSOMの水溶性の塩又は酸であり、Rは、C10−C24−炭化水素基、好ましくはC10−C20−アルキル要素を有するアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基、特に好ましくはC12−C18アルキル基若しくはヒドロキシアルキル基である。Mは水素又はカチオンであり、例えば、アルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム)、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム、例えばメチル−、ジメチル−若しくはトリメチル−アンモニウムカチオン、並びにテトラメチルアンモニウム−及びジメチルピペリジニウムカチオンなどの4級アンモニウムカチオン、及びエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン及びそれらの混合物などのアルキルアミン由来の4級アンモニウムカチオンである。C12−C16のアルキル鎖は低い洗浄温度(例えば約50℃より低い温度)に好ましく、C16−C18のアルキル鎖は高い洗浄温度(例えば約50℃より高い温度)に好ましい。
【0046】
アルキルエーテルサルフェートは、化学式RO(A)SOMの水溶性の塩又は酸であり、Rは、非置換のC10−C24−アルキル基若しくはヒドロキシアルキル基であり、好ましくはC12−C20−アルキル基若しくはヒドロキシアルキル基、特に好ましくはC12−C18−アルキル基若しくはヒドロキシアルキル基である。
【0047】
Aは、エトキシ単位又はプロポキシ単位であり、mは0より大きい数であり、好ましくは約0.5〜約6であり、特に好ましくは約0.5〜約3であり、Mは、水素又はカチオンであり、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、又は置換アンモニウムカチオンである。置換アンモニウムカチオンの特定の例は、メチル−、ジメチル−、トリメチルアンモニウム−、及び4級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン及びそれらの混合物などのアルキルアミン由来のカチオンである。例としては、脂肪アルコールエーテルサルフェート1モル当たりEOを1モル、2モル、2.5モル、3モル若しくは4モル含み、そしてMがナトリウム又はカリウムであるC12−〜C18−脂肪アルコールエーテルサルフェートが挙げられる。
【0048】
2級アルカンスルホン酸塩において、アルキル基は、飽和又は不飽和で、分岐鎖又は直鎖であることができ、場合により水酸基で置換されていることができる。スルホ基は炭素鎖の任意の位置に存在することができ、1級メチル基は、鎖の開始部分と末端部分にスルホン酸基を有さない。好ましい2級アルカンスルホン酸塩は、約9〜25個の炭素原子、好ましくは約10〜約20個の炭素原子、特に好ましくは約13〜約17個の炭素原子を有する直鎖アルキル鎖を含む。カチオンは、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−、ジ−、若しくはトリエタノールアンモニウム、カルシウム又はマグネシウム、及びこれらの混合物である。カチオンとしてはナトリウムが好ましい。
【0049】
さらに好適なアニオン性界面活性剤は、アルケニル−及びアルキルベンゼンスルホン酸塩である。アルケニル基及びアルキル基は、分岐鎖又は直鎖であることができ、場合により水酸基で置換されていることができる。好ましいアルキルベンゼンスルホン酸塩は、約9〜25個の炭素原子、好ましくは約10〜約13個の炭素原子を有する直鎖アルキル鎖を含み、カチオンは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−、ジ−、若しくはトリエタノールアンモニウム、カルシウム又はマグネシウム、及びこれらの混合物である。
【0050】
温和な界面活性剤システムは、カチオンとしてマグネシウムが好ましく、標準的な洗浄用途には、ナトリウムが好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸塩の場合も同じである。
【0051】
アニオン性界面活性剤の概念には、三酸化硫黄によるC−C24−、好ましくはC14−C16−α−オレフィンのスルホン化と、それに続く中和により得られるオレフィンスルホン酸塩も含まれる。製造プロセスに由来して、これらのオレフィンスルホン酸塩は、比較的少量のヒドロキシアルカンスルホン酸塩及びアルカンジスルホン酸塩を含み得る。
【0052】
さら別の好ましいアニオン性界面活性剤はカルボン酸塩であり、例えば、脂肪酸石鹸及びそれに相当する界面活性剤である。石鹸は飽和又は不飽和であることができ、水酸基及びα−スルホン酸基などの種々の置換基を含むことができる。好ましいものは、疎水性部分として炭素原子数約6〜約30、好ましくは約10〜約18の直鎖飽和若しくは不飽和炭化水素基である。
【0053】
さらに別のアニオン性界面活性剤としては、アシルアミノカルボン酸の塩、アルカリ媒体中でサルコシン酸ナトリウムと塩化脂肪酸を反応させて形成されるアシルサルコシネート;オリゴペプチドと塩化脂肪酸を反応させて得られる脂肪酸−タンパク質−縮合生成物;アルキルスルファミドカルボン酸の塩;アルキル−及びアルキルアリールエーテルカルボン酸の塩;アルキル−及びアルケニルグリセリンサルフェート、例えば、オレイルグリセリン−サルフェート、アルキルフェノールエーテルサルフェート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、イセチオネート、例えばアシルイセチオネート、N−アシルタウライド、アルキルスクシネート、スルホスクシネート、スルホスクシネートのモノエステル(特に、飽和及び不飽和C12−C18−モノエステル)、及び、スルホスクシネートのジエステル(特に、飽和及び不飽和C12−C18−ジエステル)、アシルサルコシネート、アルキルポリサッカリドのサルフェート、例えばアルキルポリ−グリコシドのサルフェート、分岐1級アルキルサルフェート、及びアルキルポリエトキシカルボン酸塩、例えば化学式RO(CHCHCHCOO(ここで、RはC〜C22−アルキル、kは1〜10の数字、Mはカチオンである)で表されるものなどが挙げられる。
【0054】
非イオン性界面活性剤
約1〜約25モルのエチレンオキシドとの脂肪族アルコールの縮合生成物。
脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は分岐鎖で、1級又は2級であることができ、一般的に約8〜約22個の炭素原子を含むことができる。特に好ましいものは、1モルのアルコールに対して約2〜約18モルのエチレンオキシドとのC10−C20−アルコールの縮合生成物である。アルキル鎖は、直鎖又は、分岐鎖で良い。アルコールエトキシレートは、狭い及び広いエトキシレートの同族体分布を有することができる(「狭い範囲のエトキシレート」及び「広い範囲のエトキシレート」)。このタイプの商業的に入手可能な非イオン性界面活性剤の例としては、Tergitol(登録商標)5−S−9(9モルのエチレンオキシドとの直鎖2級C11−C15−アルコールの縮合生成物)、Tergitol(登録商標)24−L−NMW(6molのエチレンオキシドとの直鎖1級C12−C14−アルコールの縮合生成物で狭い分子量分布)である。クラリアント(Clariant GmbH)のGenapol(登録商標)ブランドもこれらの部類の製品に含まれる。
【0055】
プロピレングリコールとのプロピレンオキシドの縮合によって形成された疎水性ベースとのエチレンオキシドの縮合生成物。
これらの化合物の疎水性部分は、好ましくは、分子量約1500〜約1800である。この疎水性部分へのエチレンオキシドの付加によって、水溶性が改善される。生成物は、約40モル以下のエチレンオキシドとの縮合に相当する、縮合生成物全体の重量の約50重量%のポリオキシエチレン含有率まで液体である。この部類の製品の商業的に入手可能な例としては、BASFのPluronic(登録商標)ブランド、及び、クラリアント(Clariant GmbH)のGenapol PF(登録商標)ブランドである。
【0056】
プロピレンオキシドとエチレンジアミンの反応生成物とのエチレンオキシドの縮合生成物。
これらの化合物の疎水性単位は、過剰のプロピレンオキシドとのエチレンジアミンの反応生成物から成り、一般的に、分子量約2500〜3000である。この疎水性単位に対し、約40〜約80重量%のポリオキシエチレン含有率及び約5000〜11000の分子量までエチレンオキシドが付加される。この部類の製品の商業的に入手可能な例としては、BASFのTetronic(登録商標)ブランド、及び、クラリアント(Clariant GmbH)のGenapol PN(登録商標)ブランドがある。
【0057】
半極性非イオン性界面活性剤
非イオン性化合物のこのカテゴリーには、水溶性アミンオキシド、水溶性ホスフィンオキシド、及び、水溶性スルホキシドが含まれ、それぞれ、約10〜約18個の炭素原子を有したアルキル基を有している。半極性非イオン性界面活性剤は、又、以下の化学式のアミンオキシドでもある。
【化5】

ここで、
Rは、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、又は、アルキルフェノール基であり、鎖の長さは炭素原子数約8〜約22個であり、
は、炭素原子数が約2〜約3個のアルキレン−若しくはヒドロキシアルキレン基又はこれらの混合物であり、
基は、それぞれ、炭素原子数が約1〜約3個のアルキル−若しくはヒドロキシ−アルキル基、又は、約1〜約3個のエチレンオキシドユニットを有したポリエチレンオキシドであり、Xは0〜10の数字である。
基は、酸素−若しくは窒素原子と一緒に結合することができ、それにより環状構造を形成することができる。このタイプのアミノオキシドとしては、特に、C10−C18−アルキルジメチルアミンオキシド、及び、C−C12−アルコキシエチル−ジヒドロキシエチルアミンオキシドである。
【0058】
脂肪酸アミド
脂肪酸アミドは以下の化学式で示され、
【化6】

Rは炭素原子数約7〜約21個、好ましくは約9〜約17個のアルキル基であり、R基は、それぞれ、水素、C−C−アルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、又は、(CO)Hを意味し、ここでxは約1〜約3と変化する。好ましくは、C−C20−アミド、−モノエタノールアミド、−ジエタノールアミド及び−イソプロパノールアミドが挙げられる。
【0059】
さらに別の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルキル−及びアルケニルオリゴグリコシド、並びにそれぞれ脂肪アルキル基中に8〜20個、好ましくは12〜18個のC原子を有している脂肪酸ポリグリコールエステル若しくは脂肪アミンポリグリコールエステル、アルコキシ化トリグリカミド、混合エーテル又は混合ホルミル、アルキルオリゴグリコシド、アルケニルオリゴグリコシド、脂肪酸−N−アルキルグルカミド、ホスフィンオキシド、ジアルキルスルホキシド、並びに、タンパク質加水分解物である。
【0060】
アルキルフェノールのポリエチレン−、ポリプロピレン−及びポリブチレンオキシド縮合生成物。
これらの化合物は、直鎖又は分岐状であることができるC−C20−アルキル基を有するアルキルフェノールとアルキレンオキシドとの縮合生成物を含む。好ましいものは、アルキルフェノール1モル当たり約5〜25モルのアルケンオキシドを含んだ化合物が挙げられる。これらのタイプの界面活性剤で商業的に入手できるものとしては、例えば、Igepal(登録商標)CO−630、Triton(登録商標)X−45、X−114、X−100及びX102、並びにクラリアント(Clariant GmbH)のArkopal(登録商標)のN−グレードである。これらの界面活性剤は、アルキルフェノールアルコキシレート、例えばアルキルフェノールエトキシレートと称される。
【0061】
両性イオン界面活性剤
両性若しくは両性イオン界面活性剤の典型的な例としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、又は、下記の式の両性イミダゾリニウム化合物である。
【化7】

ここで、RはC−C22−アルキル−又は−アルケニルであり、Rは、水素、又は、CHCOMであり、Rは、CHCHOH又はCHCHOCHCHCOMであり、Rは、水素、CHCHOH又はCHCHCOOMであり、Zは、COM又はCHCOMであり、nは、2又は3、好ましくは2であり、Mは、水素又は、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム若しくはアルカノールアンモニウムなどのカチオンを意味する。
【0062】
上記式の好ましい両性界面活性剤としては、モノカルボン酸塩及びジカルボン酸塩である。これらの例としては、ココアムホ(cocoampho)カルボキシプロピオネート、ココアミド(cocoamido)カルボキシプロピオン酸、ココアムホカルボキシグリシネート(ココアムホジアセテートとも呼ばれる)、及びココアムホアセテートである。
【0063】
さらに別の好ましい両性界面活性剤としては、アルキルジメチルベタイン((登録商標)GenagenLAB/クラリアント)、及び直鎖又は分岐鎖であることができるアルキル基が約8〜約22個の炭素原子、好ましくは8〜18個の炭素原子、特に好ましくは約12〜約18個の炭素原子を有しする アルキルジポリエトキシベタインである。
【0064】
カチオン性界面活性剤
好適なカチオン性界面活性剤としては、RN(CH、RN(CH、RN(CH、又は、Rタイプの置換又は非置換で直鎖又は分岐鎖状である第四級アンモニウム塩である。R、R、R及びR基は、好ましくは、互いに独立して、鎖の長さがC原子8〜24個、特にC原子10〜18個である非置換のアルキル、約1〜約4の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、フェニル、C−C18−アルケニル、C−C24−アラルキル、(CO)H(ここで、xは約1〜約3を意味する)、1若しくは2以上のエステル基を含むアルキル基、又は環状四級アンモニウム塩であることができる。Xは、適切なアニオンである。
【0065】
ビルダー
ビルダーは、約5重量%〜約60重量%の割合で洗剤及び洗浄剤組成物中に含まれることができる。無機ビルダーとしては、例えば、ポリリン酸のアルカリ−、アンモニウム−、及び、アルカノールアンモニウム塩であり、例えば、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、及びオルトリン酸ナトリウム; 珪酸塩;重炭酸塩及びセスキ炭酸塩も包含する炭酸塩; サルフェート及びアルミノ珪酸塩などがある。珪酸塩ビルダーの例としては、アルカリ金属珪酸塩、特にSiO:NaOが1.6:1〜3.2:1のアルカリ金属珪酸塩である。さらに、アルミノ珪酸塩ビルダーは式Na[(AlO(SiO]・xHOのゼオライトであり、z及びyは、少なくとも6の整数を意味し、zのyに対する比は1.0〜約0.5であり、xは、約15〜約264の整数である。アルミノ珪酸塩は、結晶構造又はアモルファス構造で良く、天然に生ずるもの又は合成してし得造したものであることができる。合成結晶性アルミノ珪酸塩をベースとした好ましいイオン交換体は、ゼオライトA、ゼオライトP(B)及びゼオライトXの名称で入手可能である。
【0066】
重要な有機ビルダー(共ビルダー)は、ポリカルボン酸塩、例えば、アクリル酸及びマレイン酸ベースのもの(Sokalan CP−ブランド/BASF); クエン酸塩ベースのビルダー、例えば、クエン酸及びその可溶性の塩、特に、クエン酸ナトリウム; ホスホン酸塩、例えば、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホネート、及び冒頭に述べた他のホスホン酸塩などである。
【0067】
これらのホスホン酸塩は、洗剤及び洗浄剤中において、ある種の汚れに対する主洗浄力を改善する機能を有する。漂白剤を含む洗剤においては、これらは、重金属の結合によって漂白剤の貯蔵安定性を改善する。しかしながら、従来技術に該当するこの課題は、曇りと沈殿を阻止するための、水性オリゴ−及びポリエステル調剤中での本発明のホスホン酸塩の使用とは関連しない。
【0068】
さらに別の好適な有機ビルダーとしては、ポリカルボキシ化合物、例えば、エーテルポリカルボン酸塩及びオキシジスクシネート(例えば、特許文献19及び20に記載されている); 「TMS/TDS」−ビルダー(特許文献21参照); エーテルヒドロキシポリカルボキシレート; エチレン若しくはビニルメチルエーテルとの無水マレイン酸のコポリマー; ポリ酢酸のアルカリ−、アンモニウム−及び置換アンモニウム塩、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸及びニトリロトリ酢酸である。
【0069】
水性オリゴ−及びポリエステル調合物を含む洗剤及び洗浄剤並びにランドリー処理剤は、洗浄効果を増強し、洗う繊維のケアに役立ち若しくは洗剤組成物の使用特性を変化させる慣用の補助剤をさらに含むことができる。適切な補助剤としては、例えば、酵素、特に、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、マンナナーゼ、グリコシダーゼ; 酵素安定剤; 発泡促進剤; 消泡剤; 色あせ及び/又は腐食防止剤; 分散剤; 黒ずみ防止剤(Vergrauungsinhibitoren); 色素; 色移り防止剤; フィラー; 蛍光増白剤; 殺菌剤; アルカリ; ハイドロトロープ化合物 ; 酸化防止剤; 香料; 溶媒; 可溶化剤; 加工助剤; 柔軟剤及び帯電防止剤である。
【0070】
さらに、水性オリゴ−及びポリエステル調合物が使用される洗剤は、又、1又は2以上の慣用の漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒及び好適な安定剤も含むことができる。液体洗剤には、十分な貯蔵安定性を保証できるように、二室の瓶が使用される。一般に、使用される漂白剤は洗浄剤と相溶性であることを保証する必要がある。原則として、ペルオキシ酸を遊離ペルオキシ酸として使用できるか、又はa、例えば、過ホウ酸ナトリウム若しくは過炭酸ナトリウムなどの無機過酸塩からなるコンビネーション、又はb、有機ペルオキシ酸−前駆体(漂白活性化剤)と過酸化水素のコンビネーションを使用できる。ペルオキシ酸の例としては、ペルオキシドデカン二酸(DPDA)、ペルオキシコハク酸のノニルアミド(NAPSA)、ペルオキシアジピン酸のノニルアミド(NAPAA)、及びデシルジペルオキシコハク酸(DDPSA)、ノナノイル−アミドカプロイル−オキシ−ベンゼンスルホン酸、及びアルカノイルオキシベンゼン−スルホン酸、例えば、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸(NOBS)、及びラウロイルオキシ−ベンゼンスルホン酸(LOBS)、並びにフタルイミドペルオキシカプロン酸(PAP)が含まれる。二室の瓶における液体洗剤及び液体ランドリー処理剤中での該オリゴ−及びポリエステル調合物の使用に特に好ましいものは、過酸化水素及び漂白活性化剤であるテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)をベースとした漂白システムである。
【0071】
さらに、本発明のオリゴ−及びポリエステル調合物のさらなる適用分野としては、繊維工業における、合成繊維、特にポリエステル繊維の、又は合成繊維、特にポリエステル繊維を含む布の処理(例えば、仕上げ処理)である。さらに、本発明のオリゴ−及びポリエステル調合物は、シャワーゲル、シャンプー、石鹸、及び皮膚洗浄組成物などの化粧品料、例えばスキンケア組成物中で使用することもできる。
【実施例】
【0072】
1. 0.5重量%(活性成分)のホスホン酸Dequest(登録商標)2010を添加したポリエステルTexCare(登録商標)SRN−100の70%濃度の水性調剤を製造した。そのために、ポリエステルを溶融し、そして、前もって溶解したホスホン酸を含んだ水を、この溶融物に混入した。その後、この混合物を15分間、後攪拌し、さらに、攪拌しながら室温まで冷却した。熱貯蔵安定性を調べるために、このポリエステル調剤を40℃で貯蔵し、6ヶ月の間、視覚評価した。比較のために、ホスホン酸の添加がなしの又はSokalan(登録商標)CP 12 Sを添加したポリエステル調剤を製造し、評価した。
【0073】
【表1】

【0074】
2. 0.5重量%(活性成分)のホスホン酸Dequest(登録商標)2010を添加したポリエステルTexCare(登録商標)SRN−100の80%濃度の水性調剤を製造した。そのために、ポリエステルを溶融し、そして、前もって溶解したホスホン酸を含んだ水をこの溶融物に混入した。その後、この混合物を1時間、後攪拌し、さらに、攪拌しながら室温まで冷却した。熱貯蔵安定性を調べるために、上記ポリエステル調剤を40℃で貯蔵し、6ヶ月の間、視覚評価した。比較のために、ホスホン酸の添加がなしの又はSokalan(登録商標)CP 12 Sを添加したポリエステル調剤を製造し、評価した。
【0075】
【表2】

【0076】
使用した商標名のリスト
TexCare(登録商標)SRN−100 (Clariant) 非イオン性ソイルリリースポリエステル、100%濃度
Sokalan(登録商標) CP 12 S (BASF)
アクリル酸−マレイン酸−コポリマー MM=3000g/モル、50%濃度
Dequest(登録商標) 2010 (Dequest)
ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、60%濃度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
25〜90重量%のオリゴ−及びポリエステル及び0.1〜40重量%のホスホン酸若しくはその塩を本質的に含む高度に濃縮されたオリゴ−及びポリエステル水性調合物。
【請求項2】
オリゴ−及びポリエステルが水溶性又は水分散性ポリエステルである、請求項1に記載の調合物。
【請求項3】
オリゴ−及びポリエステルが、モル質量が20,000未満、好ましくは10,000未満、特に非常に好ましくは5,000未満の水溶性又は水分散性ポリエステルである、請求項1に記載の調合物。
【請求項4】
オリゴ−及びポリエステルが、アルキルポリアルキレングリコールにより末端でキャップされた水溶性又は水分散性ポリエステルである、請求項1に記載の調合物。
【請求項5】
オリゴ−及びポリエステルが、メチルポリエチレングリコールにより末端でキャップされた水溶性又は水分散性ポリエステルであり、この際、エチレングリコール単位の数が≦90、好ましくは≦50、特に好ましくは≦20である、請求項1に記載の調合物。
【請求項6】
オリゴ−及びポリエステルが、エステル化されたテレフタル酸単位を≦60質量%、特に好ましくは≦50質量%有する水溶性又は水分散性ポリエステルである、請求項1に記載の調合物。
【請求項7】
オリゴ−及びポリエステルが、エチレングリコール−又はポリエチレングリコール単位を含む水溶性又は水分散性ポリエステルである、請求項1に記載の調合物。
【請求項8】
オリゴ−及びポリエステルが、プロピレングリコール−又はポリプロピレングリコール単位を含む水溶性又は水分散性ポリエステルである、請求項1に記載の調合物。
【請求項9】
オリゴ−及びポリエステルが、エチレングリコール若しくはポリエチレングリコールと、さらに、プロピレングリコール−若しくはポリプロピレングリコール単位も含む水溶性又は水分散性ポリエステルである、請求項1に記載の調合物。
【請求項10】
オリゴ−及びポリエステルが、縮合導入されたスルホイソフタル酸単位及び/又はグリセリンスルホエチルエーテル単位及び/又はグリセリンスルホプロピルエーテル単位によりアニオン性に変性された水溶性又は水分散性ポリエステルである、請求項1に記載の調合物。
【請求項11】
オリゴ−及びポリエステルが、ヒドロキシエタンスルホン酸、ヒドロキシプロパンスルホン酸、又はこれらとエチレンオキシド若しくはエチレングリコール若しくはこれらのオリゴマー及び/又はプロピレンオキシド若しくはプロピレングリコール若しくはこれらのオリゴマーとの反応生成物により末端でキャップされた水溶性又は水分散性ポリエステルである、請求項1に記載の調合物。
【請求項12】
(ポリ)ホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸(ATMP)、エチレンジアミン−テトラ−メチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミン−テトラ−メチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−ペンタ−メチレンホスホン酸、ポリアミノメチレンホスホン酸、ヘキサメチレントリアミン−ペンタ−メチレンホスホン酸、(ポリ)ビニルホスホン酸、若しくは1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、又は、これらのLi−、Na−、K−、アンモニウム−若しくは置換アンモニウム塩を含む、請求項1に記載の調合物。
【請求項13】
25〜90重量%、好ましくは50〜85重量%、特に好ましくは60〜80重量%、特に非常に好ましくは70〜80重量%のオリゴ−及び/又はポリエステルを含む、請求項1に記載の調合物。
【請求項14】
0.1〜40重量%、好ましくは0.15〜25重量%、特に好ましくは0.2〜10重量%、特に非常に好ましくは0.25〜5重量%のホスホン酸又はその塩を含む、請求項1に記載の調合物。
【請求項15】
請求項1に記載の調合物を含む、洗剤及び洗浄剤。
【請求項16】
請求項1に記載の調合物を含む、化粧料。
【請求項17】
請求項1に記載の調合物を含む、合成繊維、特にポリエステル繊維の処理のための、又は合成繊維、特にポリエステル繊を含む繊維布の処理のためのテキスタイル補助剤。

【公表番号】特表2010−518186(P2010−518186A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547584(P2009−547584)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/000647
【国際公開番号】WO2008/095626
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)
【Fターム(参考)】