説明

水性電着のための有機溶媒を含まない顔料分散剤

顔料分散性樹脂を用いる顔料分散液、電着性塗料組成物に加えて、電着性塗料組成物を被着させる方法が開示されている。顔料分散性樹脂は、アミノ化ビスフェノールエポキシ樹脂のカルボン酸塩およびアルコキシル化スチレン化フェノールから本質的になる。分散性樹脂から作られた顔料分散液は、低揮発性または零揮発性の有機分電着浴を形成するために特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国仮特許出願第61/007,691号明細書(2007年12月14日出願)からの優先権を主張する。この特許出願の開示は、完全に記載されたかのようにすべての目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、アミノ化ビスフェノールエポキシ樹脂のカルボン酸塩およびアルコキシル化スチレン化フェノールならびに特に陽極電着組成物のための低揮発性または零揮発性の有機溶媒分(VOC)を有する顔料分散性樹脂としてのそれらの用途に関する。顔料分散性樹脂を含有する顔料分散液および電着性塗料組成物も本明細書において開示される。
【背景技術】
【0003】
電着による導電性基材の被覆は周知であり、典型的には低いVOCを有する重要な工業プロセスである。このプロセスにおいて、導電性物品は、フィルム形成性ポリマーの水性乳化液から作られた電着浴内に1つの電極として浸漬される。電着浴は、主乳化液と呼ばれることもあるフィルム形成性ポリマーと、顔料ペーストと、水と、場合により他の成分とを含む。物品上に所望の被膜が生じるまで、電流は、水性乳化液に電気接触している物品と対電極との間に通される。被着された被膜の厚さは、浴特性、浸漬時間、印加電圧などの関数である。
【0004】
顔料分散剤および顔料分散液は電着浴の非常に重要な部分である。顔料分散プロセスは、主顔料粒子の凝集物または集合体からの主顔料粒子の分離、閉じ込められた空気および吸収された水の排除および分散性樹脂による顔料表面の湿潤化および被覆を含む。理想的には、分散中に機械的に分離された各顔料粒子も、凝集に対して分散性樹脂によって安定化される。顔料粒子が適切に安定化されていない場合、顔料は電着浴から沈降する場合があり、それは、被覆された基材への腐蝕保護の喪失をもたらし得る。更に、被着された被膜の表面特性および電着浴運転状態は、不適切な顔料の分散によって悪影響を受け得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの顔料分散剤は、樹脂と揮発性有機溶媒との混合物である。現在の商用顔料分散剤は30〜40%の有機溶媒を含有する。有機溶媒は、電着浴の揮発性有機分(VOC)の主要因の1つである。厳しさを増している環境規制は、すべての塗料組成物中のVOCの削減を要求している。本開示の目的は、電着浴中で用いるために必要な特性のすべてをなお維持する、電着浴のための低VOCまたは零VOCの顔料分散性樹脂を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本開示は、
A)式(I)
【化1】

(式中、Jはビスフェノールエポキシ樹脂の残基であり、R1、R2、R3およびR4の各々は、独立して、H、C1〜C4アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、炭素環含有部分または複素環含有部分からなる群から選択され、R1およびR2またはR3およびR4は一緒になって環式構造を形成してもよく、アミン基はカルボン酸により80%〜100%中和されている)のアミノ化エポキシ樹脂;
B)アルコキシル化スチレン化フェノール;および
C)水
から本質的になり、揮発性有機溶媒を本質的に含まない顔料分散剤に関する。
【0007】
別の態様において、本開示は、
A)式(I)
【化2】

(式中、Jはビスフェノールエポキシ樹脂の残基であり、R1、R2、R3およびR4の各々は、独立して、H、C1〜C4アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、炭素環含有部分または複素環含有部分からなる群から選択され、R1およびR2またはR3およびR4は一緒になって環式構造を形成してもよく、アミン基はカルボン酸により80%〜100%中和されている)のアミノ化エポキシ樹脂;
B)アルコキシル化スチレン化フェノール
から本質的になり、揮発性有機溶媒を本質的に含まない顔料分散性樹脂に関する。
【0008】
第3の態様において、本開示は、
電着性結合剤組成物と顔料分散剤と顔料とを含む陽極電着組成物であって、前記顔料分散剤が、
A)式(I)
【化3】

(式中、Jはビスフェノールエポキシ樹脂の残基であり、R1、R2、R3およびR4の各々は、独立して、H、C1〜C4アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、炭素環含有部分または複素環含有部分からなる群から選択され、R1およびR2またはR3およびR4は一緒になって環式構造を形成してもよく、アミン基はカルボン酸により80%〜100%中和されている)のアミノ化エポキシ樹脂;
B)アルコキシル化スチレン化フェノール;および
C)水
から本質的になり、前記顔料分散剤が揮発性有機溶媒を本質的に含まない陽極電着組成物に関する。
【0009】
陽極電着組成物を用いて基材上に被膜を形成する方法も本明細書において開示される。
【0010】
本開示の特徴および利点は、以下の詳細な説明を読むことから当業者によってより容易に理解されるであろう。別々の実施形態の文脈において分かりやすくするために記載されている本開示の特定の特徴を単一の実施形態における組み合わせでも提供してよいことは認められるべきである。逆に、単一の実施形態の文脈において簡潔のために記載されている本開示の種々の特徴を別々に、またはあらゆる下位組み合わせにおいても提供してよい。更に、文脈により明確に別段に指定がないかぎり、単数における言及は複数も含んでよい(例えば、「a」および「an」は、1または1以上を意味してもよい)。
【0011】
本明細書において用いられる「本質的に含まない」という用語は、揮発性有機溶媒が実質的に存在しないことを意味し、その目的は前記溶媒の存在および/または作用を最少化することである。定量的には、本願の趣旨では、これは、混合物または組成物が揮発性有機溶媒5重量%以下を含むことを意味するものとするが、5重量%未満が好ましい。
【0012】
本願において規定された種々の範囲内の数値の使用は、明示的に別段に指示がないかぎり、指定された範囲内の最低値および最高値の前に「約」という単語があるかのように近似値として言及される。この要領で、指定された範囲の上下の僅かな違いを用いて、範囲内の値と同じ結果を実質的に達成することが可能である。また、これらの範囲の開示は、最低値と最高値との間のあらゆる値を含む連続範囲として意図されている。
【0013】
一実施形態において、本開示は顔料分散性樹脂組成物に関する。顔料分散性樹脂は、2種の成分A)アミノ化ビスフェノールエポキシ樹脂のカルボン酸塩およびB)アルコキシル化スチレン化フェノールから本質的になる。
【0014】
顔料分散性樹脂は、40重量%〜90重量%の範囲内のアミノ化ビスフェノールエポキシ樹脂のカルボン酸塩と10重量%〜60重量%の範囲内のアルコキシル化スチレン化フェノールとを含む。好ましくは、顔料分散性樹脂は、50重量%〜85重量%の範囲内のアミノ化ビスフェノールエポキシ樹脂のカルボン酸塩と15重量%〜50重量%の範囲内のアルコキシル化スチレン化フェノールとを含む。最も好ましくは、顔料分散性樹脂は、55重量%〜80重量%の範囲内のアミノ化ビスフェノールエポキシ樹脂のカルボン酸塩と20重量%〜45重量%の範囲内のアルコキシル化スチレン化フェノールとを含む。すべての重量%は、アミノ化ビスフェノールエポキシ樹脂のカルボン酸塩およびアルコキシル化スチレン化フェノールの合計重量100%を基準にしている。
【0015】
遊離アミン形態を取った(すなわち、カルボン酸塩を形成する前)顔料分散剤の成分Aは、式(I)による構造を有する。
【化4】

式中、Jはビスフェノールエポキシ樹脂の残基であり、R1、R2、R3およびR4の各々は、独立して、H、C1〜C4アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、炭素環含有部分または複素環含有部分からなる群から選択され、R1およびR2またはR3およびR4は一緒になって環式構造を形成してもよい。本開示の成分Aのアミン基はカルボン酸により80%〜100%中和される。
【0016】
一実施形態において、Jは式(II)による構造を有する。
【化5】

式中、R5、R6、R7およびR8の各々は、独立して、HおよびC1〜C4アルキルからなる群から選択され、nは0〜5の整数である。
【0017】
既知のビスフェノールエポキシ樹脂のどれも用いることが可能である。本明細書において用いられる「ビスフェノールエポキシ樹脂」は、フェノール化合物のポリエポキシドエーテルを意味するために用いられる用語である。好ましくは、ビスフェノールエポキシ樹脂は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルである。有用な他のビスフェノールエポキシ樹脂には、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニルのジグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンのジグリシジルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンのジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0018】
ビスフェノールエポキシ樹脂は幾つかの方法で製造することが可能である。ビスフェノールは、苛性アルカリの存在下でエピクロロヒドリンと反応してビスフェノールジグリシジルエーテルを生成することが可能である。ビスフェノールとエピクロロヒドリンの化学量論比を制御することにより、生成した生成物は100%ジグリシジルエーテルであることが可能であるか、またはビスフェノールジグリシジルエーテルとビスフェノールのより高い分子量の縮合生成物であることが可能である。エポキシ当量の広い範囲を用いることが可能である。電着組成物のために適する好ましい実施形態において、化学量論量は、生成した生成物が300超〜500未満の範囲内のエポキシ当量を有するジグリシジルエーテルであるような方法で制御される。好ましくは、エポキシ当量は350〜475の範囲内であり、最も好ましくは、エポキシ当量は375〜450の範囲内である。300未満または500超のエポキシ当量を有するビスフェノールエポキシ樹脂から製造された顔料分散性樹脂は、電着組成物中で典型的に用いられる顔料を容易に分散させないので電着プロセスのためにより好ましくない。
【0019】
所望のビスフェノールエポキシ樹脂を製造するための別の方法は、例えば、苛性アルカリの存在下でビスフェノールAのジグリシジルエーテルをビスフェノールAと反応させることである。ビスフェノールAのジグリシジルエーテルは、EPON(登録商標)828エポキシ樹脂としてHexion Specialty Chemicals(Houston,Texas)から市販されている。
【0020】
式(I)の化合物は、アミン官能性化合物をビスフェノールエポキシ樹脂と反応させることにより製造することが可能である。エポキシ基のすべてがアミン官能性化合物と反応することが好ましい。一実施形態において、適するアミン官能性化合物には、アンモニア、N−メチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N−モノメタノールアミン、N,N−ジエタノールアミン、モルホリン、ピペリジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾリジン、環式アルキレンウレアアミンまたはそれらの組み合わせが挙げられる。別の実施形態において、アミン官能性化合物はN,N−ジアルカノールアミンであり、好ましくは、N,N−ジアルカノールアミンはN,N−ジエタノールアミンである。炭素環部分または複素環部分を含有するアミンの例は、例えば、アミノエチルシクロキセキサン、アミノメチルフランまたは構造
【化6】

のアミンである。
【0021】
式(I)のアミンを中和するために適するカルボン酸には、例えば、C2〜C6アルキルカルボン酸、酢酸、蟻酸が挙げられる。好ましくは、カルボン酸は、ヒドロキシ官能性アルキルカルボン酸であり、より好ましくは、カルボン酸は乳酸である。乳酸は、その純鏡像異性体の形態、すなわち、d−乳酸またはl−乳酸の一方であることが可能である。乳酸はラセミ混合物であることが可能であるか、またはd−形態またはl−形態の一方が、より高い%で存在することが可能である。適する他のヒドロキシ官能性アルキルカルボン酸には、例えば、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、アルファ−ヒドロキシイソバレリアン酸、トリメチロールプロピオン酸またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0022】
顔料分散剤の成分Bは、例えば、式(III)のアルコキシル化スチレン化フェノールである。
【化7】

式中、YはC1〜C4アルキルであり、R9はHまたはCH3であり、ZはC1〜C4アルキルまたは芳香族基であり、R10はC1〜C4アルキルであり、xは平均で1〜3を表し、aは0〜2であり、bは0〜2であり、cは1〜30である。R10は、例えば、−CH2−CH2−、−CH2CH(CH3)−、−(CH23−、−(CH24−またはそれらの組み合わせであることが可能である。
【0023】
アルコキシル化スチレン化フェノールは、例えば、1〜3モルのスチレンと1モルのフェノールの反応によって製造することが可能である。その後、生成物はアルキル化される。スチレンは、好ましくは、式(IV)の化合物である。
【化8】

式中、Y、R9およびaは上の通り定義される。式(IV)の例には、スチレン、ビニルトルエンおよびアルファ−メチルスチレンが挙げられる。好ましいフェノールは式(V)の化合物である。
【化9】

式中、Zおよびbは上の通り定義される。式(II)の例には、フェノール、異性体クレゾール、キシレノールおよびヒドロキシジフェニルが挙げられる。
【0024】
スチレン化フェノールは、既知の方法、例えば、例えば硫酸、パラトルエンスルホン酸または塩化亜鉛などの触媒の存在下で1〜3モルのスチレンと1モルのフェノールを反応させることにより製造される。例えば、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドなどのアルキルオキシド1〜30モルにより、付加生成物をアルコキシル化することが可能である。他のアルコキシル化方法を必要ならば用いることが可能である。例えば、1,3−プロパンジオールを既知の方法によりアルコキシル化部分として用いることが可能である。
【0025】
好ましい1種のスチレン化アルコキシル化フェノールは、SYNFAC(登録商標)8834としてMilliken Chemical Corporation(Spartanburg,Sauth Carolina)から市販されている。
【0026】
別の実施形態において、本開示は顔料分散剤組成物に関する。本明細書において用いられる顔料分散剤組成物は、(a)顔料分散性樹脂および(b)水から本質的になる混合物である。顔料分散剤は揮発性有機溶媒を本質的に含まない。
【0027】
顔料分散剤は、25重量%〜75重量%の範囲内の顔料分散性樹脂と75重量%〜25重量%の範囲内の水とを含む。好ましくは、顔料分散剤は、35重量%〜70重量%の範囲内の顔料分散性樹脂と65重量%〜30重量%の範囲内の水とを含む。より好ましくは、顔料分散剤は、40重量%〜60重量%の範囲内の顔料分散性樹脂と60重量%〜40重量%の範囲内の水とを含む。
【0028】
顔料分散剤は、例えば、(1:2)モル比でビスフェノールAエポキシ樹脂とN,N−ジエタノールアミンを反応させてビスフェノールAエポキシ樹脂を末端封止することにより得ることが可能である。この反応をアルコキシル化スチレン化フェノールの存在下で行うことが可能であり、生成物をカルボン酸の水溶液と混合して、アミン基を中和することが可能である。好ましくは、カルボン酸は乳酸である。場合により、水を添加して、所望濃度の顔料分散剤を得ることが可能である。
【0029】
なお別の実施形態において、本開示は、顔料分散剤と分散した顔料とを含む混合物である「顔料ペースト」と当該技術分野において代わりに呼ばれる顔料分散液に関する。
【0030】
顔料分散剤に顔料を分散させるために、顔料分散剤と所望の顔料の混合物は、例えば、湿潤剤、界面活性剤、有機金属触媒、脱泡剤またはそれらの組み合わせなどの任意のあらゆる添加剤と一緒に、適する混合装置、好ましくはミルに入れられる。混合物を粉砕して顔料ペーストを生成させる。適する混合装置には、例えば、水平ミル、ロールミル、ボールミルまたはペブルミル、サンドミルまたは磨砕機が挙げられる。Eiger Machinery,Inc.(Bensenville,Illinois)によって製造された種類のような水平ミルは、顔料ペーストを製造するために非常に効率的である。粉砕後、顔料の粒度は実際的なかぎり小さいのがよく、Herman粉砕ゲージを用いて測定したときに一般に6〜8であるべきである。
【0031】
顔料対顔料分散剤の比は、1:50〜約10:1の範囲内で変わり得る。好ましくは、顔料対顔料分散剤の比は、1:10〜約8:1の範囲内で変わり、より好ましくは、顔料対顔料分散剤の比は、1:5〜約5:1の範囲内で変わり得る。
【0032】
本開示の実施において使用できる顔料は周知である。適する顔料には、例えば、二酸化チタン、塩基性ケイ酸鉛、塩基性硫酸鉛、ケイ酸アルミニウム、カーボンブラック、クロム酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、ジブチル錫オキシド、三酸化ビスマス、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、乳酸ビスマスまたは他のビスマス塩、シリカ、クレー、カオリン、タルク、マイカ、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0033】
開示された顔料分散剤を含む陽極電着組成物が、先行技術の顔料分散剤を含む被膜より厚い被膜を電極から離れた所定の距離で提供することが見出された。すなわち、本開示による顔料分散液を含む電着組成物は、従来の顔料分散液(すなわち、揮発性有機化合物を用いる顔料分散液)を含む陽極電着組成物より大幅に良好なウェッジをもたらす。当業者は、「ウェッジ」が対電極からの距離に応じた電着塗料の層の厚さの変化を表す用語であることを知っているであろう。基材が電極に近いほど、被着された被膜の層は厚い。
【0034】
顔料分散剤は、当業者に知られている陽極電着組成物の中で用いることが可能である。適する陽極電着組成物は、水溶性製品を形成するために酸で中和された架橋剤とブレンドされたエポキシアミン付加体の水性乳化液を含む電着性結合剤を含む。電着性結合剤は、典型的には、エポキシアミン付加体と遮断ポリイソシアネート架橋剤のブレンドである。顔料分散剤が多様な異なる陽極電着樹脂と共に潜在的に使用可能である一方で、エポキシアミン付加体樹脂は特に好ましい。これらの樹脂は、一般に、米国特許第4,419,467号明細書において開示されている。エポキシアミン付加体樹脂の有用な他の例は、DuPont(Wilmington,Delaware)から入手できるCORMAX(登録商標)またはEC−3000AM(登録商標)電着およびPPG(Pittsburgh,Pennsylvania)から入手できるPOWERCRON(登録商標)電着において見ることが可能である。
【0035】
エポキシアミン付加体樹脂のために好ましい架橋剤も当該技術分野において周知である。これらは、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネートおよび芳香族イソシアネートである。これらのイソシアネートは、イソシアネート官能基、すなわち、架橋性官能基を遮断する例えば、オキシム、アルコール、カプロラクタムまたはそれらの組み合わせなどの遮断剤と予め反応させている。加熱すると、遮断剤は分離し、それによって反応性イソシアネート基を提供し、架橋が起きる。イソシアネート架橋剤および遮断剤は先行技術において周知であり、前述した米国特許第4,419,467号明細書においても開示されている。
【0036】
エポキシアミン付加体および遮断イソシアネートの陽極結合剤は、電着組成物中の主たる樹脂成分であり、通常は組成物の固体の約30〜50重量%の量で存在する。電着浴を形成するために、主たる樹脂成分は、一般に水性媒体により還元される。腐蝕防止剤、架橋触媒、界面活性剤、脱泡剤、クレータ防止添加剤またはそれらの組み合わせなどの当該技術分野において周知であるような添加剤も存在することが可能である。
【0037】
開示された電着浴は、電着浴の1〜15重量%の範囲内の顔料分散液を含む。好ましくは、電着浴は、電着浴の2〜12重量%の範囲内の顔料分散液を含み、より好ましくは、電着浴の3〜10重量%の範囲内の顔料分散液を含む。すべての重量%は、電着浴のすべての成分の全重量を基準にしている。顔料分散液を含む電着組成物は、揮発性有機溶媒を本質的に含まない。
【0038】
被覆されるべき基材は、導電性物品、例えば、スチール、アルミニウムまたは銅などの特に金属である。物品は電着浴に接触して置かれ、電流は物品に通される。浴に接触している一方で、接着フィルムは陽極として作用する物品上に沈着する。電着が起きる条件は広く変わり得る。印加電圧は、典型的には、50ボルト〜500ボルトの範囲内で変わり得る。電流密度は1アンペア/平方メートル〜150アンペア/平方メートルの範囲内で変わり得る。被膜が沈着した後、被覆された基材は浴から取り出され、場合によりリンスすることが可能であり、その後、被膜は、例えば、ベーキングオーブン内で、赤外線ランプの列による、またはそれらの組み合わせなどの既知の手段のいずれかによって高温で硬化される。
【実施例】
【0039】
本開示の時点で、すべての成分は、付記された製造業者から入手できた。製造業者が記載されていない場合、成分は、Ardrich Chemical Company(Milwaukee,Wisconsin)から入手できる。
【0040】
EPON(登録商標)828およびEPON(登録商標)829は、Hexion Specialty Chemicals(Houston,Texas)から入手できる。
【0041】
SYNFAC(登録商標)8334は、Milliken Chemical Corporation(Spartanburg,South Carolina)から入手できる。
【0042】
BUTYL CELLOSOLVE(登録商標)は、Dow Chemical(Midland,Michigan)から入手できる。
【0043】
三リン酸アルミニウムはテイカ株式会社(日本国大阪市)から入手できる。
【0044】
【表1】

【0045】
エポキシ当量187のEPON(登録商標)828、ジエタノールアミンおよびSYNFAC(登録商標)8334(エトキシル化スチレン化フェノール)を反応容器に投入し、窒素シールしつつ66℃に加熱して、約120℃のピーク温度を有する発熱反応を開始した。エポキシ当量が零に近づくまで反応混合物を94℃〜120℃の間で保持した。アミン当量を測定したところ487であって。中和プロセスのために予め投入された乳酸および水を含有していた薄肉タンクにバッチを移送した。バッチを20分にわたり混合した。樹脂溶液は70%の固体およびU〜Vの泡粘度を有する。
【0046】
【表2】

【0047】
エポキシ当量187のEPON(登録商標)828、ビスフェノールAおよびエチルトリフェニルホスホニウムヨージドを反応容器に投入し、窒素シールしつつ144℃に加熱して、約200℃のピーク温度を有する発熱反応を開始した。300のエポキシ当量が得られるまで反応混合物を180℃で保持した。180℃でSYNFAC(登録商標)8334を投入した。その後、バッチを100℃に冷却し、ジエタノールアミンを反応器にゆっくり滴下した。バッチを放置して121℃に発熱させ、エポキシ当量が零に近づくまで(1時間)121℃で保持した。アミン当量を測定したところ734であって。中和プロセスのために予め投入された乳酸および水を含有していた薄肉タンクにバッチを移送した。バッチを20分にわたり混合した。樹脂溶液は50%の固体およびU〜Vの泡粘度を有する。
【0048】
【表3】

【0049】
エポキシ当量187のEPON(登録商標)828、ビスフェノールAおよびエチルトリフェニルホスホニウムヨージドを反応容器に投入し、窒素シールしつつ144℃に加熱して、約200℃のピーク温度を有する発熱反応を開始した。400のエポキシ当量が得られるまで反応混合物を180℃で保持した。180℃でSYNFAC(登録商標)8334を投入した。その後、バッチを100℃に冷却し、ジエタノールアミンを反応器にゆっくり滴下した。バッチを放置して121℃に発熱させ、エポキシ当量が零に近づくまで(1時間)121℃で保持した。アミン当量を測定したところ842であった。中和プロセスのために予め投入された乳酸および水を含有していた薄肉タンクにバッチを移送した。バッチを20分にわたり混合した。樹脂溶液は50%の固体およびZ〜Z1の泡粘度を有する。
【0050】
【表4】

【0051】
エポキシ当量187のEPON(登録商標)828、ビスフェノールAおよびエチルトリフェニルホスホニウムヨージドを反応容器に投入し、窒素シールしつつ144℃に加熱して、約200℃のピーク温度を有する発熱反応を開始した。500のエポキシ当量が得られるまで反応混合物を180℃で保持した。180℃でSYNFAC(登録商標)8334を投入した。その後、バッチを100℃に冷却し、ジエタノールアミンを反応器にゆっくり滴下した。バッチを放置して121℃に発熱させ、エポキシ当量が零に近づくまで(1時間)121℃で保持した。アミン当量を測定したところ1052であった。中和プロセスのために予め投入された乳酸および水を含有していた薄肉タンクにバッチを移送した。バッチを20分にわたり混合した。樹脂溶液は50%の固体およびZ6〜Z7の泡粘度を有する。
【0052】
樹脂粘度に及ぼす種々のエポキシ当量の影響をまとめている。
【0053】
【表5】

【0054】
【表6】

【0055】
エポキシ当量187のEPON(登録商標)828、ビスフェノールAおよびエチルトリフェニルホスホニウムヨージドを反応容器に投入し、窒素シールしつつ144℃に加熱して、約200℃のピーク温度を有する発熱反応を開始した。835のエポキシ当量が得られるまで反応混合物を180℃で保持した。バッチを132℃に冷却後、1/2末端封止TDI(トルエンジイソシアネート)を反応器に投入した。零のNCO値を達成するまでバッチを124℃で保持した。一旦零のNCOを達成すると、ブチルセロソルブおよび第三級アミン塩を反応器に投入した。1未満の酸価が得られるまで(6時間)反応混合物を90℃で維持した。樹脂溶液は、58%の固体、39%のButyl CELLOSPLVE(登録商標)、3%の水を有し、Z2〜Z4の泡粘度を有していた。
【0056】
ジブチル錫オキシド中間体ペーストの調製
顔料分散性樹脂5を用いる中間体ジブチル錫オキシド顔料ペーストを以下の成分から調製した。
【0057】
【表7】

【0058】
ジルコニア媒体を用いるEigerミル内で上の成分をHegman No.6〜6.5に粉砕した。得られたペーストは、44.3%の固体含有率、8.5%のButyl CELLOSPLVE(登録商標)および47.2%の脱イオン水を有していた。このペーストの顔料対結合剤の比は2.5:1である。
【0059】
【表8】

【0060】
ジルコニア媒体を用いるEigerミル内で上の成分をHegman No.7〜7.5に粉砕した。得られたペーストの各々は、50%の固体含有率および3.25/1の顔料対結合剤の比を有していた。
【0061】
顔料分散性、熱安定性および保存性に及ぼす上の顔料ペーストの影響を評価し、以下にまとめた。
【0062】
【表9】

【0063】
上のこの選別試験において示したように、顔料分散性樹脂3により作られた顔料ペースト3は好ましい顔料ペースト配合であった。
【0064】
【表10】

【0065】
ジルコニア媒体を用いるEigerミル内で上の成分をHegman No.7〜7.5に粉砕した。得られたペーストは、50%の固体含有率および3.25/1の顔料対結合剤の比を有していた。
【0066】
【表11】

【0067】
EPON(登録商標)829、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加体(1/7モル比)およびキシレンを反応容器に投入し、窒素シール下で210℃に加熱した。還流しつつ反応を200℃〜215℃で保持して、存在する一切の水を除去した。その後、成分を150℃に冷却し、ビスフェノールAおよびN,N−ジメチルベンジルアミン(0.26部)を添加した。反応混合物を150℃に加熱し、150℃〜190℃の間で30分にわたり保持し、その後、130℃に冷却した。N,N−ジメチルベンジルアミンの残りの部分を添加し、Kの低いGardner−Holdt粘度が得られるまで反応を130℃で約2.5時間にわたり保持した。その後、架橋剤1、ジケチミン1およびN−メチルエタノールアミンを添加し、反応の温度を110℃にし、この温度で1時間にわたり保持した。1−フェノキシ−2−プロパノールを添加した。その後、反応混合物を酢酸、界面活性剤および脱イオン水の混合物に分散させた。その後、有機溶媒を真空蒸溜によって除去した。
【0068】
【表12】

【0069】
脱イオン水を陽極電着樹脂1に添加し、その後、顔料ペースト3を添加した。電着塗料を20%固体および0.17/1.0の顔料対結合剤の比で配合した。得られた浴は5.9〜6.2のpHを有していた。
【0070】
リン酸亜鉛含有スチールパネルを異なる電圧で135秒にわたりこの浴内で32℃の電着浴温度で電着した。湿潤フィルムを180℃(金属温度)で10分にわたり焼付けて、15〜35マイクロメートルの範囲のフィルム厚さを有する乾燥平滑フィルムを産出した。硬化したフィルムは、200回のメチルエチルケトン(MEK)往復摩擦に耐えた。
【0071】
【表13】

【0072】
脱イオン水を陽極電着樹脂1に添加し、その後、顔料ペースト5を添加した。電着塗料を20%固体および0.17/1.0の顔料対結合剤の比で配合した。得られた浴は5.9〜6.2のpHを有していた。
【0073】
リン酸亜鉛含有スチールパネルを異なる電圧で135秒にわたりこの浴内で32℃の電着浴温度で電着した。湿潤フィルムを180℃(金属温度)で10分にわたり焼付けて、15〜35マイクロメートルの範囲のフィルム厚さを有する乾燥平滑フィルムを産出した。硬化したフィルムは、200回のメチルエチルケトン(MEK)往復摩擦に耐えた。
【0074】
電着浴特性
以下の表は、電着塗料の実施例1と電着塗料の比較例2の浴特性を比較している。表において示された通り、本発明の電着塗料実施例1は、電着塗料の比較例2と比較したときに優れたウェッジを与えた。自動車用途における電着プロセスの重要な特徴は、例えば、複雑な車体のような窪んだ部分にフィルム厚さを広げる電着プロセスの能力である。このプロセスは均一電着性と呼ばれる。非常に窪んだ部分を被覆する能力を有するシステムは、高い均一電着性を有すると言われる。
【0075】
【表14】

【0076】
均一電着性およびウェッジは、Europe Laboratory Test Method−MJBI20−2CのFordの手順に準拠して決定した。
【0077】
電着腐蝕性能
長期腐蝕性能(20サイクル衝撃剥離および40サイクル促進)を試験した。腐蝕性能を10分金属温度によって165℃、180℃および200℃で試験した。以下の表は、電着塗料の実施例1を電着塗料の比較例2と比較している。性能を比較するために、本出願人らは、3つの焼付け温度にわたるクリーページデータを平均した。(以下の)結果から、試験粉砕樹脂の性能は、対照に等しいことが判明した。
【0078】
【表15】

【0079】
General Motors試験方法GM9511P、20サイクル衝撃剥離およびGM9540P、40サイクル促進に準拠して腐蝕試験を実施した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)式(I)
【化1】

(式中、Jはビスフェノールエポキシ樹脂の残基であり、R1、R2、R3およびR4の各々は、独立して、H、C1〜C4アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、炭素環含有部分または複素環含有部分からなる群から選択され、R1およびR2またはR3およびR4は一緒になって環式構造を形成してもよく、アミン基はカルボン酸により80%〜100%中和されている)のアミノ化エポキシ樹脂;
B)アルコキシル化スチレン化フェノール;および
C)水
から本質的になり、揮発性有機溶媒を本質的に含まない顔料分散剤。
【請求項2】
前記アルコキシル化スチレン化フェノールが
式(III)
【化2】

(式中、YはC1〜C4アルキルであり、R9はHまたはCH3であり、ZはC1〜C4アルキルまたは芳香族基であり、R10はC1〜C4アルキルであり、xは平均で1〜3を表し、aは0〜2であり、bは0〜2であり、cは2〜30である)による化合物である請求項1に記載の顔料分散剤。
【請求項3】
A)式(I)
【化3】

(式中、Jはビスフェノールエポキシ樹脂の残基であり、R1、R2、R3およびR4の各々は、独立して、H、C1〜C4アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、炭素環含有部分または複素環含有部分からなる群から選択され、R1およびR2またはR3およびR4は一緒になって環式構造を形成してもよく、アミン基はカルボン酸により80%〜100%中和されている)のアミノ化エポキシ樹脂;
B)アルコキシル化スチレン化フェノール
から本質的になり、揮発性有機溶媒を本質的に含まない顔料分散性樹脂。
【請求項4】
前記アルコキシル化スチレン化フェノールが
式(III)
【化4】

(式中、YはC1〜C4アルキルであり、R9はHまたはCH3であり、ZはC1〜C4アルキルまたは芳香族基であり、R10はC1〜C4アルキルであり、xは平均で1〜3を表し、aは0〜2であり、bは0〜2であり、cは2〜30である)による化合物である請求項3に記載の顔料分散性樹脂。
【請求項5】
電着性結合剤組成物と顔料分散剤と顔料とを含む陽極電着組成物であって、前記顔料分散剤が、
A)式(I)
【化5】

(式中、Jはビスフェノールエポキシ樹脂の残基であり、R1、R2、R3およびR4の各々は、独立して、H、C1〜C4アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、炭素環含有部分または複素環含有部分からなる群から選択され、R1およびR2またはR3およびR4は一緒になって環式構造を形成してもよく、アミン基はカルボン酸により80%〜100%中和されている)のアミノ化エポキシ樹脂;
B)アルコキシル化スチレン化フェノール;および
C)水
から本質的になり、前記顔料分散剤が揮発性有機溶媒を本質的に含まない陽極電着組成物。
【請求項6】
前記電着性結合剤組成物の重量を基準にして1〜15重量%の前記顔料分散剤を含む請求項5に記載の陽極電着組成物。
【請求項7】
前記アルコキシル化スチレン化フェノールが
式(III)
【化6】

(式中、YはC1〜C4アルキルであり、R9はHまたはCH3であり、ZはC1〜C4アルキルまたは芳香族基であり、R10はC1〜C4アルキルであり、xは平均で1〜3を表し、aは0〜2であり、bは0〜2であり、cは2〜30である)による化合物である請求項5に記載の陽極電着組成物。
【請求項8】
1、R2、R3およびR4の各々が−CH2−CH2OHである請求項5に記載の陽極電着組成物。
【請求項9】
前記ビスフェノールエポキシ樹脂が、アミノ化される前に、300超から500未満のエポキシ当量を有する請求項5に記載の陽極電着組成物。
【請求項10】
前記カルボン酸が乳酸である請求項5に記載の陽極電着組成物。
【請求項11】
顔料対顔料分散剤の比が5:1以上である請求項5に記載の陽極電着組成物。
【請求項12】
基材上に被膜を形成する方法であって、導電性基材上に電着性塗料組成物を沈着させる工程と前記沈着した電着性塗料組成物を硬化させる工程とを含み、前記電着性塗料組成物が顔料分散剤と顔料とを含み、前記顔料分散剤が、
A)式(I)
【化7】

(式中、Jはビスフェノールエポキシ樹脂の残基であり、R1、R2、R3およびR4の各々は、独立して、H、C1〜C4アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、アミン基はカルボン酸により80%〜100%中和されている)のアミノ化エポキシ樹脂;
B)アルコキシル化スチレン化フェノール
から本質的になり、前記顔料分散剤が揮発性有機溶媒を本質的に含まない方法。
【請求項13】
前記顔料分散剤が請求項1に記載のものであり、アミノ化される前に前記ビスフェノールエポキシ樹脂が300超〜500未満のエポキシ当量を有する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記顔料分散剤が請求項1に記載のものであり、前記カルボン酸が乳酸である請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記顔料分散剤が請求項1に記載のものであり、R1、R2、R3およびR4の各々が−CH2−CH2OHである請求項12に記載の方法。
【請求項16】
顔料対顔料分散剤の比が5:1以上である請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記アルコキシル化スチレン化フェノールが
式(III)
【化8】

(式中、YはC1〜C4アルキルであり、R9はHまたはCH3であり、ZはC1〜C4アルキルまたは芳香族基であり、R10はC1〜C4アルキルであり、xは平均で1〜3を表し、aは0〜2であり、bは0〜2であり、cは2〜30である)による化合物である請求項12に記載の方法。

【公表番号】特表2011−508660(P2011−508660A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538195(P2010−538195)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/086635
【国際公開番号】WO2009/079387
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】