説明

水素化形態の縮合パラチノース

本発明は水素化形態の縮合パラチノースの製造方法、こうして製造された水素化縮合パラチノース、その使用並びに水素化縮合パラチノースを含む食品及び薬剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水素化縮合パラチノース、その製造方法、その使用並びに水素化縮合パラチノースを含む食品及び薬剤に関する。
【0002】
遊離ラジカルは不対電子を有する不安定かつ高反応性の原子、分子又は残基であり、体内で酸素の存在下、生化学的酸化還元反応により、また食細胞、環境毒との接触、電離線、紫外線又は激しい身体負荷により連続的に生成される。遊離ラジカルは極度の反応性により健康な細胞又はその成分にとって潜在的な脅威である。特に被害を受ける細胞成分は、細胞膜のタンパク質、核酸及び多不飽和脂肪酸である。
【0003】
遊離ラジカルの作用に対して、細胞は主として、ラジカル捕集剤の働きをする抗酸化剤によって保護される。十分な量の抗酸化剤が存在しなければ、遊離ラジカルに対して細胞が十分に保護されない。例えば癌、糖尿病、高血圧、男性不育症、リウマチ性疾患及び慢性炎症性疾患のような疾病で、抗酸化剤の量の減少が観察される。また人が居住区域又は作業場所での室内負荷もしくは誤った食事により接触する体内異物の解毒と分解でも、抗酸化剤は大きな役割を果たす。周知の一次的体内抗酸化剤は、例えばスパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)、グルタチオン、カタラーゼ、フェリチン及びコエルロプラスミンである。
【0004】
グルタチオン(GSH)はシステインを含むトリペプチドであって、哺乳動物細胞で最も多いチオール化合物である。GSHは体内異物化合物の解毒並びに反応性酸素分子及び遊離ラジカルの酸化阻止のための反応を触媒する酵素、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ及びGSHペルオキシダーゼの基質である。グルタチオン−S−トランスフェラーゼの基質としてグルタチオンは、可逆的酸化により対応する二硫化物GSSGに移行する。グルタチオンはこうして細胞の酸化還元状態に対する緩衝系をなす。グルタチオンはさらにシステイン輸送、ロイコトリエン及びプロスタグランジン代謝、デオキシリボヌクレオチド合成、免疫機能及び細胞増殖に関与する(Bray及びTaylor, Canadian J. Phsiol. Pharma-col., 71(1995), 746-751)。特に腸管にとってのグルタチオンの意義は、例えばGSH合成阻害物質ブチオニンスルホキシミンによる治療の後のGSH欠乏で観察される腸粘膜の激しい損傷で明らかである(Martenssonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87(1990), 1715-1719)。GSHの組織濃度は種々の因子によって調節される。栄養状態及び食物自体もその1つである。このように組織GSH濃度、栄養及び酸化的ストレスの間には密接な関連がある。
【0005】
グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)は特に細胞分裂の第II期で細胞の最も重要な解毒系をなす。例えば発癌物質の代謝時に発生する求電子性成分へのグルタチオンの転移によって、解毒が行われる。GSTが触媒する求電子性基質に対するグルタチオンの求核的作用によって、細胞高分子に関する基質の反応性が著しく減少する。GSTはこうして一連の化学的発癌物質の効果を大幅に減少することができる。従ってGSTは酸化的ストレス及びそれに付随する疾患、特に癌疾患に対する防護で重要な生理的役割を果たす。すべての真核生物は幾つかの細胞質ゾル及び膜結合グルタチオン−S−トランスフェラーゼを有する(Hayes及びPulford, Critical Reviews in Biochemistry and Mol- ecular Biology., 30(1995), 445-600)。GST発現は組織特異的に行われる。αクラスのグルタチオン−S−トランスフェラーゼは、例えば肝臓、腎臓及び睾丸で発現されるが、肺では発現されない。腸ではπクラスの形のGSTが発現される。
【0006】
可溶性GSTは二量体タンパク質である。各サブユニットが1つの活性中心を有する。活性中心は2つの機能領域、即ち基質グルタチオンを結合する親水性Gドメイン及び種々の求電子性基質を結合する隣接の疎水性Hドメインからなる(Armstrong, Chem. Res. Toxiol., 10(1997), 2-18)。GSTは様々なタイプの反応、例えばエポキシド環の開環、求核性芳香族置換反応、α、β不飽和アルデヒド及びケトンへの可逆的マイケル付加、異性化および部分的にペルオキシダーゼ反応を触媒する。GST基質として多数の化学物質種、例えば抗生物質、農薬、殺虫剤、発癌物質及び薬物が知られている。
【0007】
多環式芳香族炭化水素、フェノール系抗酸化剤、反応性酸素分子、イソチオシアナート、3価ヒ素化合物、バルビツール酸塩及び合成グルココルチコイドのような化合物はGST活性を誘導することができ、その場合GST酵素をコードする遺伝子が活性化される(Hayes及びPulford, 1995)。GST誘導は主として種々の転写機構によって行われる。GSTコーディング遺伝子の調節領域は、上記の物質を結合し、遺伝子転写を誘導することができる要素を含む。周知の要素は、例えばグルココルチコイド、体内異物及び抗酸化剤反応要素(ARE)である(Eaton及びBammler, Toxicological Sciences, 49(1999), 156-164)。
【0008】
食物成分、例えば植物化学的物質もGST活性を誘導することができ、その場合特にπクラスの形のGSTが腸領域で誘導される。食物成分による腸管でのGST誘導は、腸癌疾患の予防のための機構として論議される(Peters及びRoelofs, Cancer Res., 52(1992), 1886-1890)。アブラナ科植物に属する野菜種、例えばブロッコリ、レタス及びメキャベツに現れるグルコシノレートから代謝産物として出てくるイソチオシアナートは、極めて強力なGST誘導物質である(Vosら、Biochem. Pharmacol., 37(6)(1987), 1077)。グリカンは直接的又は間接的に、即ち腸内微生物による代謝の後に初めて作用する。
【0009】
GST誘導にとって特に重要なのは、消化しにくい又は不消化の食物成分、即ち食物繊維又はヒト酵素による消化に耐える繊維質である。幾つかの炭水化物、例えばペクチン、グアーガム及び耐性デンプンがこれに属する。これらは腸管で初めて大腸の細菌フローラによって発酵され、短鎖脂肪酸(SCFA)、特に酢酸、プロピオン酸及び酪酸を生じる(Bartramら、Cancer Res., 53(1993), 3283-3288)。Treptow van Lishautらの研究(Eur. J. Nutr.,38(1999), 76-83)が示したところでは、老化したアミラーゼ耐性デンプンで飼養したラットは、分解可能なデンプンで飼養したラットより高いGST量を有し、特に腸内のGST量が増加した。Steinら(Eur. J. Clin. Invest., 26(1996), 84-87)は、SCFA特に酪酸(ブチレート)がとりわけグルタチオン−S−トランスフェラーゼπの生成を誘導し、ヒト大腸癌細胞系Caco−2に対して抗増殖作用を示し、細胞の分化を増加することを示すことができた。使用した短鎖脂肪酸濃度が大腸腔内で通常認められる濃度より低いことから、研究で観察された効果は生理的に重要である。さらにブチレートは抗腫瘍作用があり、pHの低下をもたらし、腸機能を改善し、炎症を予防することができる(Hickman, Clin. Tech. Small Animal Pract., 13(1998), 211-216)。
【0010】
食物中の食物繊維又は繊維質の割合は多くの要因、例えば食品の種類及びその調理法に関係する。たいていの食物は繊維質が乏しい。これに対して野菜、ある種の果物、堅果、種子及びとりわけ未精製の穀物製品は繊維質に富む。繊維質の含有量に対する食物の調理の意義は、耐性デンプンの例で明らかである。耐性デンプンとは、小腸で消化されないで未消化のまま大腸に到達するデンプン部分である。調理したてのジャガイモのデンプンは胃腸管で大変良く分解され、摂取されたデンプンの約3%が小腸を未消化で通過して大腸に到達するに過ぎない。ジャガイモを調理の後に冷却すれば、その耐性デンプンの割合が2〜4倍に増加する。加熱とその後の冷却を繰返せば、この効果が強められる。
【0011】
食品加工によって生じる繊維質不足又は繊維質に乏しい食事を補償し、癌疾患を食品供給により予防する方策は、食物繊維又は食物繊維と同様に小腸をほとんど変化せずに通過し、大腸で初めて腸内細菌によって発酵される物質を食品に豊富に含ませることである。ところが食品の富化のために従来使用された繊維質の多くは一連の決定的な欠点があり、又は特に大腸領域の癌疾患の防止に関して負わされた期待に応えていない。
【0012】
米国国立癌研究所とアリゾナ大学の2つの長期的研究で認められたところでは、例えばミュースリ製品を含む高繊維質食による多年の給食が大腸癌の頻度に影響しないことは明白であった(http://www.just-another-site.de/ 2000年4月20日)。いわゆる“Nurse Health”研究も、飲食した繊維質の量が結腸癌の危険に影響しないことを研究に参加した90000人の看護婦で明らかにした(Schweinsberg, Int. Conference on Dietary Factors, ERNO 2(1) (2001), 72-73)。ところがこれらの研究では、大腸領域で腸内細菌によって発酵されない繊維質しか採用していなかった。
【0013】
低繊維質食の添加物として、コムギふすまがしばしば使用される。ラットでの大腸の腫瘍発生に関する研究が示したところでは、コムギふすま治療は癌予防にほとんど適さない。コムギふすまはセルロースと同様に大腸細菌によってほとんど発酵されない。またコムギふすまを豊富に含む食品では、望ましくない副作用、例えば鼓腸や痙攣様の疼痛が起こる(http://www.pharmazeutische-zeitung.de)。コムギふすまに現れるフィチン酸は穀物、マメ科植物及びセイヨウアブラナに広く行きわたる蓄積物質であって、鉱物質代謝を大いに阻害し、カルシウム、マグネシウム、鉄及び亜鉛の吸収を妨げることも確認された。25gのコムギふすまがすでにカルシウム吸収を大幅に低減する(Knoxら、Am. J. Clin. Nutr., 53(1991), 1480-1492)。従って高齢者や骨粗しょう症の危険が大きい人の場合は、コムギふすまを豊富にした食事は問題がないわけでない。
【0014】
原則として発酵可能な耐性デンプンにも一連の欠点がある。即ち市販の耐性デンプンの一部は発酵不能であり、それは明らかに製造方法に関連している。特殊な押出法を使用して製造した耐性デンプンだけが酪酸原性を有し、即ち酪酸の生成をもたらす。ところがポリマー保護押出条件で製造した耐性デンプンはしばしば不安定である(http://www.igv-gmbh.de/e/tagung/geb-hardt.htm)。
【発明の開示】
【0015】
本発明の根底にあるのは、癌疾患、特に大腸癌の予防に適し、先行技術で周知の欠点がない製剤及びその製造方法を提供するという技術問題である。その場合この製剤は従来使用された製剤と比較して簡単かつ安価に製造し、繊維質として使用することができる。
【0016】
本発明は水素化縮合パラチノースの製造方法及びこうして製造された水素化縮合パラチノースを提供することによってこの技術問題を解決する。水素化縮合パラチノースの本発明に基づく製造方法は、縮合パラチノースを含む溶液の接触水素化と、場合によっては重合度(DP)4〜10の水素化縮合パラチノースの反応混合物からの分離からなる。こうして製造された本発明の水素化縮合パラチノースは、特に、重合度4〜10の、水素化パラチノース二量体、パラチノース三量体及びパラチノース四量体の混合物である。
【0017】
本発明に基づき提供される水素化縮合パラチノースは胃のpH条件のもとでも、小腸粘膜の酵素によってもあまり分解されない。本発明に基づく水素化縮合パラチノースは意外なことにヒトの糞便の微生物によって初めて発酵され、高い割合の酪酸を含む短鎖脂肪酸となる。その場合他の発酵可能な繊維質、例えば耐性デンプンと比較して、はるかに多くの酪酸が生成される。
【0018】
本発明に基づく水素化縮合パラチノースは、飲食したときにほとんど変化せずに盲腸及び大腸に到達し、そこで初めてヒト腸内細菌によって発酵されるから、繊維質としてはなはだ好適である。本発明に基づく水素化縮合パラチノースは溶解しやすいから、可溶性繊維質として特に適しており、優れた可溶性に基づき大腸領域で完全又はほぼ完全に発酵される。しばしば使用される繊維質、例えばコムギ又はオートムギふすまに比して、さらに本発明の水素化縮合パラチノースは望ましくない副作用をもたらす物質を含まない利点がある。
【0019】
本発明に基づく水素化縮合パラチノースは、酸化的ストレスに関連する疾病の予防及び/又は治療のための効果の高い製剤として適している。In vitro研究に基づき確認されたところでは、水素化縮合パラチノースの発酵で得られる発酵生成物、特にブチレートはグルタチオン−S−トランスフェラーゼの発現を増大するとともに、高い細胞グルタチオン濃度をもたらす。グルタチオン及びグルタチオン−S−トランスフェラーゼは求電子性異物の解毒に関与し、その際細胞高分子に関する異物の反応性が著しく減少される。従って2つの物質は特に腫瘍発生に対して重要な細胞解毒及び保護機能を有する。またブチレートについては、結腸癌細胞に対して抗増殖作用を示すことが知られている。本発明に基づく水素化縮合パラチノース、特にその発酵生成物は、発酵時にはるかに多量の酪酸が生じるため、他の繊維質特に縮合パラチノース及び耐性デンプンに比して大幅に強化された抗酸化及び抗癌作用を有する。
【0020】
また本発明の水素化縮合パラチノースが発酵して短鎖脂肪酸、特にブチレートを生じることにより、大腸領域でpH値の酸性領域への明瞭な低下が起こる。それによって一方では病原性腸内微生物、例えばクロストリジウムにとって生活条件が悪化し、他方では好酸性微生物、例えばビフィズス菌及び乳酸菌にとって生活条件が改善される。こうして本発明に基づく水素化縮合パラチノースは、縮合パラチノース及び耐性デンプンに比して、酪酸生成物が大幅に増加することから、大幅に強化された前生物的(prebiotic)効果を有する。
【0021】
また本発明に基づく水素化縮合パラチノースは、大腸領域で一方では生成される発酵生成物に基づき病原菌の成長を抑制し、他方でははるかに高い利用可能度に基づきヒト又は動物上皮細胞への病原菌の付着を阻止又は減少することにより、他の周知の繊維質と比較して感染症の発生をはるかによく防止できるのが特徴である。このような条件のもとで、本発明の水素化縮合パラチノースは免疫防御をより強化し、一般感染症及び炎症性疾病、特に慢性大腸炎を予防し又はこれを制御することができる。
【0022】
本発明に基づく水素化縮合パラチノースは消化管での分解が少ないため、食品、食物及び嗜好品の血糖特性を特に効果的に調節する。
【0023】
本発明に基づく水素化縮合パラチノースは縮合パラチノースから極めて簡単かつ安価に製造され、縮合パラチノース自体はパラチノースから安価に製造することができる。またパラチノース(6−0−α−D−グルコピラノシルフルクトース)はDE 4414185 C1に基づき、例えばProtaminobacter rubrum、Erwinia rhapontici及びSerratia plymuthica種の固定化細菌細胞又はこれから単離されたスクロース異性化酵素を使用して、簡単な酵素転移によって大規模に製造することができる。
【0024】
本発明の水素化縮合パラチノースは、本発明に基づき第1段階でまず縮合パラチノースを含む溶液を接触水素化することによって製造される。
【0025】
本発明に関連して「縮合パラチノース」とは、特にパラチノースとその縮合生成物の混合物を意味する。物質の縮合とは、場合によっては触媒の影響のもとで起こり、少なくとも2個の分子が単純な分子を出してより大きな分子に統合される化学反応である。従って「縮合パラチノース」の概念は特に未縮合パラチノース、パラチノース二量体、パラチノース三量体、パラチノース四量体、パラチノース五量体及び三糖の混合物を包含する。三糖は加水分解したパラチノースの単糖とパラチノース二糖の縮合生成物からなる。
【0026】
パラチノースから縮合パラチノースを製造するための幾つかの方法が先行技術により周知である。例えばパラチノースの酸性化水溶液を温度100℃〜170℃で熱処理することによって縮合パラチノースを製造することができる。その場合水、有機酸及びパラチノースの出発混合物の含水量は、使用するパラチノース基準で通常約33%である。DE 3818884 A1ではこの方法を使用して下記の組成、即ち約54%の未縮合パラチノース、約29.8%のパラチノース二量体、約11.5%のパラチノース三量体及び約5%のパラチノース四量体を有する縮合パラチノースが得られる。同様な方法でクエン酸を含むパラチノース水溶液から約52.4%の未縮合パラチノース、約26%のパラチノース二量体、約12%のパラチノース三量体及び約5.7%のパラチノース四量体の組成の縮合パラチノースが得られる(Mutsuoら、J. Carbohydr. Chem., 12(1993), 49-61)。またパラチノースから縮合パラチノースを製造する方法において、パラチノースと無水フッ化水素酸(HF)を反応させて、実質的に種々のパラチノース二量体からなる混合物を生じる方法も知られている。この方法では、無水媒質中でとりわけ0〜20℃で反応が行われる。その場合得られる縮合パラチノースは約94%のパラチノース二量体と約2%の未縮合パラチノースを含む(FR 2680789 A1)。別の刊行物ではHFによる上記の無水縮合により、パラチノース二量体の含量が73%以上の縮合パラチノースが得られる(Defayeら、Carbohydrate Research, 251(1994), 1-15)。
【0027】
本発明の好ましい実施形態では、pH値3.2〜5.8のパラチノース水溶液を大気圧又は減圧下温度100℃〜170℃で熱処理することによって、水素化のための縮合パラチノースを調製する。その場合縮合されるパラチノースの水溶液は、パラチノースを特に105℃の温度の水に溶解することによって調製する。本発明に基づきパラチノース水溶液に酸性触媒を加える。酸性触媒は、H型強酸性陽イオン交換体、有機酸、ホウ酸、リン酸とリン酸二水素カリウムとの組合せ又は硫酸アンモニウムであることが好ましい。有機酸はクエン酸、リンゴ酸、コハク酸及び酒石酸からなる群から選ぶことが好ましい。
【0028】
本発明の特に有利な実施態様では、水素化する縮合パラチノースは、パラチノース基準で0.02重量%のクエン酸の存在下、減圧で温度135℃でパラチノース水溶液を熱処理することによって得られる。こうして調製された縮合パラチノースは、好ましくは約48%の未縮合パラチノース、約28%のパラチノース二量体、約12%のパラチノース三量体、約5%のパラチノース四量体、約5%のパラチノース五量体及び約2%の加水分解生成物を含む混合物からなる。
【0029】
本発明の別の好ましい実施形態では、水素化する縮合パラチノースは温度0℃〜20℃で無水フッ化水素酸との反応によって得られる。その場合得られた反応混合物は好ましくは約73%〜94%のパラチノース二量体を含む。
【0030】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、水素化する縮合パラチノースがパラチノース溶融物から調製される。パラチノース溶融物は、触媒として働く酸性物質の水溶液にパラチノースを加え、混合物を130℃〜160℃の温度で熱することによって得られる。溶融物の調製のために使用されるパラチノース、酸性物質及び水の混合物は、水の割合が12重量%より十分に低いのが特徴である。本発明に基づき特にパラチノース混合物は4重量%〜12重量%の水及び0.05重量%〜0.5重量%の酸性物質を含む。酸性物質はH型強酸性陽イオン交換体、有機酸、ホウ酸、リン酸とリン酸二水素カリウムの組合せ又は硫酸アンモニウムである。好ましくは有機酸は揮発性の乏しい有機酸、特に好ましくはクエン酸である。
【0031】
上記の方法の好ましい実施形態ではパラチノースを加える前及び/又は加える時に、有機酸の水溶液を55℃〜95℃、特に好ましくは約75℃の温度に熱する。有機酸の水溶液へのパラチノースの添加は、攪拌しつつ行うことが好ましい。パラチノース溶融物の調製のために使用されるパラチノース、有機酸及び水の混合物を次に140℃〜155℃、特に好ましくは約145℃の反応温度に溶融するまで熱し、その際混合物を絶えず攪拌する。約20〜100分後、好ましくは30〜60分後に溶融物から縮合パラチノースが得られる。この期間中に溶融物の温度を130℃〜160℃、好ましくは140℃〜155℃、特に好ましくは145℃に保つ。
上記の方法の別の好ましい実施形態では、こうして得た溶融物を反応の終了後、水で冷却する。その際縮合パラチノースを含むシロップが得られる。溶融物の冷却のために使用する水は好ましくは溶融物/水10:1〜1:2、特に好ましくは5:1〜1:1の重量比で加える。パラチノース溶融物から得た縮合パラチノースは好ましくは約15重量%〜45重量%の未縮合パラチノース、35重量%〜60重量%のパラチノース二量体、10重量%未満のパラチノース三量体並びに5重量%未満のパラチノース四量体及びパラチノース五量体を含む。
本発明の好ましい実施形態では上記の方法の1つで得た縮合パラチノースを接触水素化の前に、補助処理段階でその未縮合パラチノース含量を減損する。縮合パラチノースにおける未縮合パラチノースの減損は、得られた縮合パラチノースから未縮合パラチノースをクロマトグラフィーで分離して行うことが好ましい。この実施形態の好ましい態様では、クロマトグラフィー分離法のために特にカルシウムイオンを負荷した陽イオン交換体を使用する。上記の分離及び減損方法によって、パラチノース水溶液から直接得る縮合パラチノースに比して、約100%増加したパラチノース二量体含量(DP=4)及び約75%減少した未縮合パラチノース含量(DP=2)を有する縮合パラチノースが得られる。
【0032】
本発明に基づき上記で得た縮合パラチノースを水溶液にして、接触水素化を行う。その場合縮合パラチノースを含む溶液の接触水素化は、本発明に基づき水素の存在下で触媒を使用して高温高圧で行う。
【0033】
本発明に関連して「水素化」とは、通常触媒のもとで進行する有機化合物への水素の導入、即ちこの化合物の還元を意味する。還元又は水素化過程の特徴は、還元される化合物が電子を受け取ることである。本発明に関連して「縮合パラチノースの水素化」とは、非置換フルクトースのアノマー中心の還元を意味する。「接触水素化」とは、触媒、即ち水素化の進行のための活性化エネルギーを引き下げ、それによって水素化の反応速度を増加するが、水素化反応の最終生成物に現れない物質の存在下での水素化を意味する。
【0034】
本発明に基づき縮合パラチノースを水性媒質、とりわけ水に20重量%〜40重量%、好ましくは30重量%の濃度で溶解することによって、水素化のための縮合パラチノースを調製する。本発明に基づき適当な薬品を使用して、水溶液のpH値をpH値6〜8に調製する。発明の好ましい実施形態では、水素化する縮合パラチノースの溶液のpH値を水酸化ナトリウム水溶液の添加により7.8に調整する。
【0035】
縮合パラチノースを含む溶液の水素化は、本発明に基づき40℃〜140℃、特に60℃〜80℃、好ましくは70℃の温度で行う。縮合パラチノースを含む溶液の接触水素化は本発明に基づき水素の存在下で行い、本発明の方法の好ましい実施形態では使用する水素が150〜230バール、特に100〜200バール、好ましくは150バールの圧力を有するものとする。
【0036】
縮合パラチノースを含む溶液の水素化は、本発明に基づき触媒を使用して行う。発明の好ましい実施形態では純ラネーメタルとラネーメタル合金の混合物を触媒として使用し、その場合ラネーメタルは好ましくはニッケル、銅、コバルト又は鉄である。ラネーメタル合金は好ましくはニッケル、銅、コバルト又は鉄とアルミニウム、スズ又はケイ素の合金である。発明の別の好ましい実施形態では、水素化に使用される触媒は担体上の周期表VIII族の単数又は複数の金属を活性成分として含む。活性成分として好ましくは白金、ルテニウム、パラジウム及び/又はロジウムを使用する。触媒担体は好ましくは活性炭、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム及び/又は二酸化チタンである。
【0037】
水素化の際に、縮合パラチノースを含む溶液を絶えず攪拌することが好ましい。本発明に基づき水素化を少なくとも2時間〜5時間、とりわけ少なくとも4時間の期間にわたって行う。
【0038】
本発明に基づき縮合パラチノースの水素化を連続的、半回分的又は回分的に行う。本発明に基づく水素化は固定床法でも懸濁法でも行うことができる。
【0039】
本発明によれば縮合パラチノースの水素化の後に、25重量%〜36重量%の重合度4の水素化縮合パラチノース、9重量%〜15重量%の重合度6の水素化縮合パラチノース、3重量%〜7重量%の重合度8の水素化縮合パラチノース、3重量%〜7重量%の重合度10の水素化縮合パラチノース、3重量%〜7重量%の未水素化縮合パラチノース及び40重量%〜55重量%の水素化未縮合パラチノースを含む生成物混合物が得られる。
【0040】
本発明の好ましい実施形態では、縮合パラチノースの水素化の後に得られる重合度4〜10の水素化縮合パラチノース生成物を反応混合物から分離及び単離する。本発明に基づきこの反応生成物の分離及び単離のために、所望の重合度の反応生成物の分離を可能にする任意の物理的及び/又は化学的分離方法を使用することができる。
【0041】
重合度4〜10の水素化縮合パラチノース生成物の分離のために、クロマトグラフィー法を使用することが好ましい。本発明に関連して「クロマトグラフィー法」とは、固定相と移動相に分配することによって物質分離を行うあらゆる物理的方法を意味する。その場合分離機構として吸着等温式、分配等温式、逆相マトリックス、イオン対系、イオン交換、イオン排除及びゲル浸透に基づくことができる。
【0042】
本発明の好ましい実施形態では、排除クロマトグラフィー法、モレキュラーシーブクロマトグラフィー法又はゲルろ過クロマトグラフィー法とも呼ばれるゲル浸透法を使用して水素化縮合パラチノースの分離を行う。「ゲル浸透」とは、多孔構造を持つゲル基質を通って分子が移動することにより、ふるい効果に基づき分子の大きさに従って分配が行われる過程を意味する。発明の特に好ましい実施形態では水素化縮合パラチノースを反応混合物から分離するために、ポリデキストラン、パリアクリルアミド、アガロース等の物質をゲル基質として使用する。
【0043】
本発明の好ましい実施形態では重合度4〜10の水素化縮合パラチノースを反応混合物から分離するために、Fractogel HW40Sを有する分離カラムを使用する。その場合流速は600ml/hであることが好ましい。こうして得た水素化縮合パラチノース画分を慣用の方法を使用してさらに濃縮した後、凍結乾燥し、再処理する。
【0044】
反応混合物から分離した後、水素化縮合パラチノースは30重量%〜55重量%の重合度4の水素化縮合パラチノース、20重量%〜30重量%の重合度6の水素化縮合パラチノース、7重量%〜13重量%の重合度8の水素化縮合パラチノース及び2重量%〜6重量%の重合度10の水素化縮合パラチノースを有する。
【0045】
本発明のもう一つの主題は、上記の本発明の方法によって得られる水素化縮合パラチノースに関するものである。本発明に基づき得られる水素化縮合パラチノースは種々の水素化縮合パラチノースの混合物であり、少なくとも重合度4の水素化縮合パラチノース、重合度6の水素化縮合パラチノース、重合度8の水素化縮合パラチノース及び重合度10の水素化縮合パラチノースを含む。
【0046】
本発明に基づく水素化縮合パラチノースは、
α−2→1−結合ジパラチノース、但しn=0(DP=4):
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−フルクトフラノシル−(2→1)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−ソルビトール
及び
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−フルクトフラノシル−(2→1)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−マンニトール
から得られる式(1)
【化1】

【0047】
の少なくとも1つの化合物;
β−2→1−結合ジパラチノース、但しn=0(DP4):
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−β−D−フルクトフラノシル−(2→1)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−ソルビトール
及び
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−β−D−フルクトフラノシル−(2→1)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−マンニトール
から得られる式(2)
【化2】

【0048】
の少なくとも1つの化合物;
α−2→3−結合ジパラチノース:
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−フルクトフラノシル−(2→3)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−ソルビトール
及び
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−フルクトフラノシル−(2→4)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→1)]−D−マンニトール
から得られる式(3)
【化3】

【0049】
の少なくとも1つの化合物;
α−2→4−結合ジパラチノース:
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−フルクトフラノシル−(2→4)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−ソルビトール
及び
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−フルクトフラノシル−(2→3)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→1)]−D−マンニトール
から得られる式(4)
【化4】

【0050】
の少なくとも1つの化合物;
β−2→3−結合ジパラチノース:
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−β−D−フルクトフラノシル−(2→3)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−ソルビトール
及び
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−β−D−フルクトフラノシル−(2→4)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→1)]−D−マンニトール
から得られる式(5)
【化5】

【0051】
の少なくとも1つの化合物並びに
β−2→4−結合ジパラチノース:
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−β−D−フルクトフラノシル−(2→4)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−ソルビトール
及び
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−β−D−フルクトフラノシル−(2→3)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→1)]−D−マンニトール
から得られる式(6)
【化6】

【0052】
の少なくとも1つの化合物を含む。
【0053】
とりわけ本発明に基づく水素化縮合パラチノースは30重量%〜55重量%の重合度4の水素化縮合パラチノース、20重量%〜30重量%の重合度6の水素化縮合パラチノース、7重量%〜13重量%の重合度8の水素化縮合パラチノース及び2重量%〜6重量%の重合度10の水素化縮合パラチノースを有する。重合度4の水素化縮合パラチノースの割合は35重量%〜50重量%であることが好ましい。重合度6の水素化縮合パラチノースの割合は22重量%〜28重量%であることが好ましい。重合度8の水素化縮合パラチノースの割合は8重量%〜12重量%であることが好ましい。重合度10の水素化縮合パラチノースの割合は3重量%〜5重量%であることが好ましい。本発明に基づく水素化縮合パラチノースはさらに6〜12重量%の重合度4の未水素化縮合パラチノースを含むことが好ましい。
【0054】
本発明に基づく水素化縮合パラチノースは補助成分、例えばグルコース、フルクトース、ソルビトール又はマンニトールのような重合度1の化合物、イソマルツロース又はイソマルトのような重合度2の化合物、詳しく示さないが三糖のような重合度3の化合物及びジパラチノース二無水物のような重合度4の化合物を含むことが可能である。
【0055】
本発明に基づき明らかにされたところでは、本発明の水素化縮合パラチノースは哺乳動物の胃内の分解及び/又は哺乳動物消化管の酵素による分解に耐性であるか、又は実質的に耐性であるという利点がある。
【0056】
本発明に基づき調製された水素化縮合パラチノースはpH値2.0の塩酸溶液中で、即ち哺乳動物の胃に見られるのと同等の条件のもとで、意外なことに全く又は限定的にしか加水分解されないことがin vitro研究により示された。さらなるin vitro研究により、水素化縮合パラチノースは膵臓酵素、例えば加水分解酵素、特に炭水化物分解酵素、例えばα−1,4−グルカン(デンプン、グリコーゲン)をマルトースとマルトオリゴ糖に分解するα−アミラーゼによって分解されないことが明らかとなった。本発明に基づく水素化縮合パラチノースは小腸内の粘膜に存在する酵素複合体サッカラーゼ/イソマルターゼ及びグルコアミラーゼ/マルターゼによっても全く又は限られた程度にしか分解されない。これらの酵素複合体は通常、小腸に到達した二糖マルトース及びスクロース、また部分的にはマルトオリゴ糖も単糖に分解し、そのまま腸壁を経て血液循環に到達させる。本発明に基づく水素化縮合パラチノースはこのように胃のpH条件によって加水分解されないし、消化管のヒト又は動物酵素によってもほとんど分解されない。
【0057】
本発明に基づく水素化縮合パラチノースはin vitroでヒトの糞便の微生物、即ち腸内フローラの微生物によって発酵されることを、本発明に基づき検証することができた。その場合発酵上清に短鎖脂肪酸、特に酪酸が生成され、生成される短鎖脂肪酸の量、特に生成されるブチレート量は、他の発酵可能な繊維質の場合より著しく高い。本発明の水素化縮合パラチノースの発酵で生じるブチレート量は、例えば耐性デンプンの発酵で得られるブチレート量より明らかに高い。腸内細菌によって生成されるこの代謝産物は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ即ち発癌物質や酸化剤から細胞を保護する酵素の誘導を担うものである。
【0058】
本発明に基づく水素化縮合パラチノースの発酵産物によるグルタチオン−S−トランスフェラーゼの誘導が別のin vitro試験で検証された。腸内細菌による水素化縮合パラチノースの発酵で生成された上清は、ヒト大腸細胞系HT29でグルタチオン−S−トランスフェラーゼ活性を著しく増大させた。水素化縮合パラチノースの発酵産物によって誘導されたGST活性は、炭水化物なしの対照、水素化してない縮合パラチノースによる対照及び耐性デンプンによる対照の場合より明らかに高い。同様に細胞内グルタチオン含量も水素化縮合パラチノースによって、対照に比して60%の大幅な増加を生じた。周知のように、グルタチオンもグルタチオン−S−トランスフェラーゼも発癌物質や酸化剤に対する細胞の保護を高める。
【0059】
要約すれば、行なった研究の結果は、本発明の方法を使用して調製した水素化縮合パラチノースが消化管で耐性デンプン又は消化しにくい食物繊維と同様に振舞うことを示している。即ち大腸領域で初めて、そこにある腸内細菌によって発酵されるとともに、短鎖脂肪酸を生成するのである。水素化縮合パラチノースの発酵産物、特に生成される酪酸は、比較可能な消化しにくい食物繊維又は耐性デンプンの発酵産物のように、細胞内でグルタチオン含量又はグルタチオン反応を触媒するグルタチオン−S−トランスフェラーゼの含量を増加する。その場合2つの成分の細胞内含量は、耐性デンプンと比較して著しく高かった。
【0060】
そこで発明の特に好ましい実施形態は、酸化的ストレスに関連する疾病の治療及び/又は予防、特に癌疾患、とりわけ大腸領域の癌疾患の治療及び/又は予防のための薬剤又は作用物質としての本発明の水素化縮合パラチノースの使用に関する。
【0061】
先行技術で周知であり、かつ本発明で確証された水素化縮合パラチノースの発酵産物、即ち短鎖脂肪酸の効果、特に抗酸化剤グルタチオン及びグルタチオン−S−トランスフェラーゼの細胞内合成に対する誘導作用、癌細胞に対する抗増殖作用、抗腫瘍作用及び細胞分化を高める能力に基づき、本願に基づく水素化縮合パラチノース生成物は上記の疾病の治療及び/又は予防薬としてはなはだ好適である。
【0062】
本発明に関連して「疾病」又は「疾患」とは、主観的に感知され及び/又は客観的に確認される身体的異変を伴う器官の生活過程の障害又は欠乏状態を意味する。「酸化的ストレス」は、身体もしくは特定の器官又は組織に遊離ラジカルの生成と分解の不均衡が存在する状態であり、「遊離ラジカル」は単独の不対電子を特徴とし、従って極めて反応性が高い分子又はその断片及び原子である。「酸化的ストレスによって引き起こされ、又はこれに関連する疾病」とは、本発明に基づき癌疾患、I型及びII型糖尿病、高血圧、卒中、男性不育症、リウマチ性疾患、冠動脈疾患、急性心不全及び特に腸領域の慢性炎症性疾患のような疾病を意味する。
【0063】
「疾病の治療薬」とは、体内で直接的に作用物質として細胞高分子に作用し、それによって一連の機能変化を誘導し、即ち生物学的効果を喚起し、もしくはその分解又は発酵産物が体内で作用物質として機能する物質である。
【0064】
本発明の別の好ましい実施形態は、一般感染症に対する免疫防御を強化するための薬剤又は作用物質としての、本発明に基づき調製された水素化縮合パラチノースの使用に関する。
【0065】
別の実施形態は、本発明に基づく水素化縮合パラチノースの、便秘の治療及び/又は予防のための作用物質、及び消化管の健全な微生物フローラの回復と保全のための作用物質としての使用に関する。
【0066】
別の実施形態は、本発明に基づく水素化縮合パラチノースの、動物又はヒトの消化管での食物成分、特にミネラル、例えばカルシウムの吸収を改善、特に栄養不足の徴候を防止及び/又は抑制するための作用物質としての使用に関する。
【0067】
本発明の別の実施形態は下痢疾患、特にたいていの腸微生物感染(=細菌性又はウイルス性腸炎)で起こるイオン分泌の亢進及び/又はイオン吸収の不足によって引き起こされる下痢疾患(分泌性下痢)、腸病原体、例えば毒素原性大腸菌株並びにその他の腸病原菌及び寄生虫によって引き起こされる急性下痢、さらにはアメーバ赤痢の予防及び/又は治療のための作用物質としての本発明の水素化縮合パラチノースの使用に関する。
【0068】
本発明の別の主題は感染症の予防、腸疾患の予防、大腸癌の予防、炎症性疾患の予防及び/又は骨粗しょう症の予防のための作用物質としての本発明縮合パラチノースの使用である。
【0069】
本発明に基づき、例えば酸化的ストレスに起因する疾病の状態又は感染症の状態を治癒し又は特にこれを予防し、このような疾病の進行を停止し及び/又は症状を緩和するのに十分な用量で水素化縮合パラチノースを投与する。本発明に基づく水素化縮合パラチノースは、胃腸管を経て大腸に到達するように、経口的に投与することが好ましい。その場合水素化縮合パラチノースの用量の決定は、とりわけ投薬形態、治療される生体、特に治療されるヒト又は動物の年齢、性別及び体重並びに疾病の重度に依存する。
【0070】
本発明の好ましい実施形態では、酸化的ストレスに関連する疾病又は感染症を治療及び/又は予防するために、本発明の水素化縮合パラチノースを医薬組成物の形で投与する。
【0071】
本発明に関連して「医薬組成物」又は「薬剤」とは、治療効果を喚起する天然の又は合成的に作られた少なくとも1つの作用物質を含み、診断、治療及び/又は予防目的のために使用される、即ちヒト又は動物の身体の健康を促進する混合物を意味する。医薬組成物は固形及び液状の混合物である。例えば作用物質を含む医薬組成物は単数又は複数の薬理的に適合する賦形剤を含むことができる。さらに医薬組成物は当業界で常用される添加物、例えば安定化剤、製造用助剤、即ち離型剤、崩壊剤、滑沢剤、着色料、芳香剤、味覚剤、乳化剤又は医薬組成物の製造のために常用されるその他の物質を含むことができる。
【0072】
本発明に基づき水素化縮合パラチノースを含む医薬組成物は、特に経口的に投与される医薬組成物形態、特に懸濁剤、錠剤、丸薬、カプセル剤、顆粒剤、散剤の形態又は同様に適当な投薬形態を有する。本発明に基づき使用される水素化縮合パラチノースは胃酸に対して不感であるが、耐胃液性被覆を有する剤形に水素化縮合パラチノースを含ませることができる。このような剤形では、医薬組成物に含まれる作用物質が胃を支障なく通過し、とりわけ腸の上部又は中間部分で初めて放出される。耐胃液性被覆の組成及びこのような耐胃液性被覆の製造方法は当業界で周知である。発明の特に好ましい実施形態では、酸化的ストレスによって引き起こされる疾病の長期的治療を可能にするために、緩慢な作用物質放出機構を持つ剤形が使用される。緩慢な作用物質放出を有するこのような剤形の構造と組成も同じく当業界で周知である。
【0073】
本発明の特に好ましい実施形態では、水素化縮合パラチノースを含む医薬組成物が、例えば酸化的ストレスによって引き起こされる疾病の治療、特に予防のための合併治療の一部として使用される。そこで本発明に基づき作用物質としての水素化縮合パラチノースのほかに、同時に少なくとも1つの別の作用物質又は少なくとも1つの別の薬剤を同じ適応症のために投与する。水素化縮合パラチノースと少なくとも1つの補助作用物質又は薬剤の併用は、治療又は予防効果の強化を目標とすることができるが、生体内の別の生物学的系に作用して全体的効果を強化することもできる。水素化縮合パラチノースと少なくとも1つの補助薬剤は別個に、又は固定的組合せの形で投与することができる。
【0074】
補助薬剤又は作用物質の選択は主として具体的に治療される疾病及びその重度に依存する。疾患が、例えば顕性大腸癌のように酸化的ストレスに関連する疾患であれば、場合によっては医師が指示し、例えば5−フルオロウラシルを適用する基礎化学療法を、水素化縮合パラチノースの同時投与によって支援することができる。疾患が顕性糖尿病であれば、血小板凝固阻害剤を使用する糖尿病患者の大血管病の薬物治療を、本発明の水素化縮合パラチノースの同時投与によって支援することができる。
【0075】
本発明の別の好ましい実施形態では、例えば酸化的ストレスによって引き起こされる疾病又は感染症の予防及び/又は治療のための水素化縮合パラチノースの使用は、水素化縮合パラチノースを動物飼料又は飲料水の添加物として投与することによって行われる。こうして水素化縮合パラチノースは摂取された食物とともに動物の消化管に到達し、次いで大腸領域で腸内細菌によって発酵される。本発明に基づき使用される水素化縮合パラチノースの食物による供給は、例えば酸化的ストレスに起因する疾病又は感染症の予防に特に適している。水素化縮合パラチノースを含む動物飼料を定期的に給餌すれば、このような疾患の長期的予防が可能である。
【0076】
本発明に関連して「飼料」又は「動物飼料」とは、そのままの状態もしくは調理、処理又は加工した状態で動物に給餌するためのあらゆる物質又は物質混合物を意味する。動物飼料は固体状でも液体状でもよい。従って「飼料」及び「動物飼料」の概念は動物用飲料水も包含する。飼料は単独飼料であてもよいし、混合飼料であってもよい。本発明に基づく作用物質は溶解した形でも固形物の形でも動物飼料に混入することができる。有用動物、例えばブタへの投与のために、例えば粉末状の本発明の作用物質を動物の食糧に使用されるミネラル混合物に混入することができる。
【0077】
本発明に基づき使用される水素化縮合パラチノースは、本発明に基づき動物用飲料水に添加することができる。本発明に基づき使用される物質がとりわけ急速に溶解するように、例えば粉末状又は顆粒状の水素化縮合パラチノースを飲料水に加えることによって、飲料水への水素化縮合パラチノースの添加を、使用の直前に行うことが好ましい。
【0078】
本発明の別の好ましい実施形態では、水素化縮合パラチノースを食品、食餌療法用食品又はヒトの消費のための飲料水への添加物として使用することによって、例えば酸化的ストレスによって引き起こされる疾病又は感染症の予防及び/又は治療のために水素化縮合パラチノースが使用される。こうして水素化縮合パラチノースは摂取された食物とともにヒトの消化管に到達し、次いで大腸領域で腸内細菌により発酵される。本発明に基づき使用される水素化縮合パラチノースの食物による供給は、例えば酸化的ストレスに起因する疾病又は感染症の予防のために特に適している。水素化縮合パラチノースを含む食品を定期的に飲食すれば、このような疾患の長期的予防が可能である。
【0079】
本発明に関連して食品とは、そのままの状態もしくは調理又は加工した状態でヒトによって飲食される物質を意味する。食品はその天然成分のほかに、天然又は合成由来であって、意図的に又は意図せずに食品に入り込むその他の物質を含むことができる。食品は固体状でも、液体状でもよい。従って「食品」の概念は、ヒトの消費のための飲料水を含むあらゆる種類の飲料を包含する。本発明に基づき使用される水素化縮合パラチノースは溶解した形でも固体状態でも食品に混入することができる。
【0080】
本発明に関連して「食餌療法用食品」とは、所定の数量比又は所定の性状の特定の栄養素又はその他の栄養生理学的効果物質を供給するという栄養目的に使用するための食品を意味する。食餌療法用食品はその組成と性質によって、類似の種類の食品と決定的に区別される。食餌療法用食品は疾病、機能障害又は個々の食品又はその含有物に対するアレルギー反応に基づき特定の栄養条件を満たさねばならない場合に、使用することができる。食餌療法用食品は固体状でも液体状でもよい。
【0081】
本発明の別の実施形態では、本発明に基づく水素化縮合パラチノースが医薬組成物の薬剤担体として使用される。
【0082】
また本発明は酸化的ストレスによって引き起こされる疾病を治療及び/又は予防する医薬組成物の製造のための、本発明に基づき調製された水素化縮合パラチノースの使用に関する。
【0083】
別の好ましい実施形態は、一般感染症に対する免疫防御を強化するための医薬組成物の製造における、本発明に基づく水素化縮合パラチノースの使用に関する。
【0084】
本発明の好ましい実施形態は、ヒトの消費のための食品及び飲料の添加物としての、本発明に基づく水素化縮合パラチノースの使用に関する。
【0085】
そこで本発明の好ましい実施形態では、本発明に基づき調製された水素化縮合パラチノースが繊維質、特に可溶性繊維質として食品に使用される。本発明に関連して「繊維質」とは、ヒト又は動物の酵素に対して不消化であるが、大腸細菌によって少なくとも部分的に発酵され、こうして僅かながらヒト又は動物の身体のためにエネルギー的に利用可能である食物成分を意味する。「可溶性繊維質」は溶液、特に水溶液に溶解可能である。繊維質として使用すれば、本発明に基づく水素化縮合パラチノースは、主栄養素の画分基づき生じるエネルギー密度を調節し、小腸内の移動時間と吸収に関して消化過程を調節する。本発明に基づく水素化縮合パラチノースは極めて良好な水溶性に基づき大腸領域で溶解した形で存在し、このため腸内フローラによって完全又はほぼ完全に発酵されるから、特に可溶性繊維質として適している。また本発明に基づく水素化縮合パラチノースは、しばしば使用される他の繊維質、例えばコムギ又はオートムギふすまと比較して、繊維質として使用した場合に望ましくない副作用をもたらす物質を含まないという利点がある。
【0086】
本発明の別の実施形態は本発明に基づく水素化縮合パラチノースの前生物的繊維質としての使用に関する。本発明に基づく水素化縮合パラチノースが発酵して多量の短鎖脂肪酸、特にブチレートを生じることから、本発明の水素化縮合パラチノースを使用すれば、大腸領域でpHの酸性領域への著しい低下が起こる。大腸領域でのpH値の低下に基づき病原性腸内微生物にとって生活条件が悪化し、同時に好酸性微生物にとって生活条件が改善される。こうして本発明の縮合パラチノースは、本発明に基づき特に食物繊維源として機能する。
【0087】
好ましい実施形態では、本発明の水素化縮合パラチノースが他の可溶性又は不溶性、発酵可能又は発酵不能な繊維質と組み合わせて使用される。この実施形態の好ましい変型では、本発明に基づく水素化縮合パラチノースが可溶性繊維質、例えば短鎖フルクトオリゴ糖、長鎖フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、加水分解グアーガム、例えば“Sunfiber”又は“Benefiber”、ラクツロース、キシロオリゴ糖、ラクトスクロース、マルトオリゴ糖、例えばMatsutaniの“Fibersol-2”、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、グルコシルスクロース、例えばHayashibaraの“Coupling Suger”、大豆オリゴ糖、キトオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、並びに不溶性繊維質、例えば耐性デンプン、オートムギ繊維、コムギ繊維、例えばエンドウマメ、トマトの野菜繊維、例えばリンゴ、イチゴ類、イナゴマメの実の果実繊維、例えばNutrinovaの“Caromax”、セルロース及びテンサイ繊維、例えばDaniscoの“Fibrex”からなる繊維質群から選ばれた少なくとも1つの別の繊維質と組み合わせて使用される。
本発明に基づく水素化縮合パラチノースと上記の繊維質の少なくとも1つとの混合物のほかに、単独の又は上記の繊維質の少なくとも1つと組み合わせた本発明の水素化縮合パラチノースと、共生(probiotic)乳酸菌、ビフィズス菌、いわゆる「共生菌(Synbiotica)」の培養物との混合物も本発明において好ましい。加えられる共生ビフィズス菌培養物は、用途と投薬形態に従って生きた培養物又は乾燥培養物又は保存用培養物として調製される。
【0088】
本発明の水素化縮合パラチノースは単独で又は上記の繊維質の少なくとも1つ及び/又は共生ビフィズス菌の培養物と組み合わせて、本発明に基づき食物繊維源として便秘の治療及び/又は予防、消化管内の健全な微生物フローラの回復及び保全、動物又はヒトの消化管内の食物成分、例えばミネラルの利用可能度と吸収の改善、一般に健康の促進と回復、特に病気からの回復のために利用され、前述のように大腸腫瘍及び炎症性腸疾患の発生を防止する。本発明に基づき、動物及びヒトの身体の免疫系の調節と支援のために本発明の水素化縮合パラチノースを利用することが好ましい。
【0089】
本発明の別の好ましい実施形態は、食品又は甘味品の血糖特性の調節、特に特別食、幼児食又はグルコース/インスリン代謝障害を持つ人の食事のための本発明の水素化縮合パラチノースの使用に関する。血糖反応とは、消化しやすい炭水化物を摂取した後の血糖レベルの変化を意味する。経口的摂取の後に唾液、膵臓又は小腸の酵素によって急速にグルコースが放出され、吸収されるような炭水化物は、極めて強い血糖反応を引き起こす。健康な生体では血糖の上昇はインスリン分泌を生じさせ、その際インスリンは末梢組織、例えば骨格筋によるグルコースの吸収を刺激するから、血糖値が再び基準値に低下する。本発明の水素化縮合パラチノースは食物、食品及び嗜好品の血糖指数を引下げることができ、従って糖尿病(II型)及びその他の代謝疾患の予防及び/又は治療のために、とりわけ食餌療法用食品及び嗜好品の成分として使用することができる。
【0090】
本発明の別の好ましい実施形態では、本発明に基づく水素化縮合パラチノースが甘味料として使用される。本発明の水素化縮合パラチノースはスクロース(100%)に比して約34%の甘味力を有する。従って本発明の水素化縮合パラチノースは上記の肯定的性質を有する可溶性繊維質としてだけでなく、特に食餌療法用製品の砂糖代用品及び/又は甘味料としても使用することができる。本発明の水素化縮合パラチノースはヒトの口腔フローラによって分解されないから、有利なう蝕防止性を有する。従って水素化縮合パラチノースを含む甘味料は、う蝕防止性において有利に区別される。そこで本発明の縮合パラチノースを含む甘味料もまた発明により提供される。
【0091】
本発明の別の好ましい実施形態は、本発明の水素化縮合パラチノースの食品、甘味品及び動物飼料の製造のための使用に関する。pH値2〜5、特に2〜4の酸性食品の製造のための本発明の水素化縮合パラチノースの使用に関する。このような酸性食品によって本発明の水素化縮合パラチノースの前生物的効果が助長される。特に本発明の水素化縮合パラチノースを果汁又は果汁調理品の製造のために使用することが好ましい。
【0092】
また本発明は、本発明の水素化縮合パラチノースを単独で又は少なくとも1つの別の繊維質及び/又は共生ビフィズス菌の培養物との組合せとして含む食物、食品及び嗜好品に関する。本発明によれば少なくとも1つの別の繊維質は、可溶性繊維質、例えば短鎖フルクトオリゴ糖、長鎖フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、加水分解グアーガム、例えば“Sunfiber”又は“Benefiber”、ラクツロース、キシロオリゴ糖、ラクトスクロース、マルトオリゴ糖、例えばMatsutaniの“Fibersol-2”、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、グルコシルスクロース、例えばHayashibaraの“Coupling Suger”、大豆オリゴ糖、キトオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、並びに不溶性の繊維質、例えば耐性デンプン、オートムギ繊維、コムギ繊維、例えばエンドウマメ、トマトの野菜繊維、例えばリンゴ、イチゴ類、イナゴマメの実の果実繊維、例えばNutrinovaの“Caromax”、セルロース及びテンサイ繊維、例えばDaniscoの“Fibrex”からなる繊維質群から選ばれたものである。
【0093】
本発明に基づく水素化縮合パラチノースは胃のpH条件のもとでも、小腸粘膜の酵素によっても分解されにくいことから、本発明の水素化縮合パラチノースを含む本発明の食物、食品及び嗜好品は、有利には減カロリー食品又は嗜好品である。
【0094】
本発明の好ましい実施形態では、本発明に基づく食品は乳製品及びミルク製品、例えばチーズ、バター、ヨーグルト、ケフィル酒、凝乳、発酵乳、脱脂乳、クリーム、コンデンスミルク、ドライミルク、乳清、乳糖、乳タンパク質、牛乳混合物、半乳脂、乳清混合物及び乳脂製品である。発明の別の実施形態では、本発明に基づく食品は、パン菓子、特に小型練り粉菓子を含むパン及びビスケットを含むケーキ類である。発明の別の実施形態では本発明に基づく食品はパンの塗り物、マーガリン製品、パン焼き用油脂、インスタント製品及びブイヨン製品である。発明の別の実施形態では、本発明に基づく食品は、果物製品、特に砂糖漬、マーマレード、ゼリー、果物缶詰、ジャム、フルーツピューレ、果汁、濃縮果汁、フルーツネクター及び果実粉末である。また本発明の水素化縮合パラチノースを含む食品は、本発明に基づき野菜製品、特に野菜缶詰、野菜ジュース及び野菜ピューレである。発明の別の実施態様では、水素化縮合パラチノースを含む食品は非アルコール飲料、飲料原料及び飲料粉末である。
【0095】
本発明の別の好ましい実施形態は、本発明の水素化縮合パラチノースを含む甘味品に関する。本発明に基づく水素化縮合パラチノースはスクロース(100%)と比較して約34%の甘味力を有するから、甘味品、特に食餌療法用製品で砂糖代用品及び/又は甘味料として使用することが特に好ましい。本発明に基づく甘味品はう蝕防止性という有利な特徴を有する。本発明に基づく甘味品は特にチョコレート製品、硬質カラメル、軟質カラメル、フォンダン製品、ゼリー製品、甘草エキス、発泡砂糖製品、ココナッツフレーク、ボンボン、圧縮製品、砂糖漬果物、クロカン、ヌガー製品、アイスケーキ、マルチパン、チューインガム、ミュースリバー及びアイスクリームもしくはアルコール又は非アルコール甘味飲料である。
【0096】
本発明の別の好ましい実施形態は、本発明の水素化縮合パラチノースを作用物質として含む医薬組成物又は薬剤に関する。水素化縮合パラチノースを含む薬剤は、本発明に基づき酸化的ストレスに関連する疾病の治療及び/又は予防のために使用することができる。
【0097】
本発明のその他の有利な実施態様は従属請求項で明らかである。
【0098】
下記の実施例に基づき発明を詳述する。
【実施例】
【0099】
(実施例1)縮合パラチノースの調製
300gの結晶パラチノースをスチール容器内で90gの水を加えた後、攪拌しつつ105℃で溶解し、続いてクエン酸(パラチノースに対して0.02%)を加えて減圧下で最終温度135℃に至るまで縮合した。135℃に達した後、この温度を30分間保持した。次に冷却し、反応生成物を完全脱塩水で溶解した。得た溶液をH型陽イオン交換体及びOH型陰イオン交換体でオン交換により精製した。ゲル浸透クロマトグラフィーにより次の組成が決定された。
【0100】
重合度1領域 2%
重合度2領域 48%
重合度4領域 28%
重合度6領域 12%
重合度8領域 5%
重合度10領域 5%
重合度2領域は実質的にイソマルツロースに相当する。
【0101】
重合度領域は、対照としてRaftilose(登録商標) L40又はRaftiline(登録商標) St.を使用して決定した。
【0102】
(実施例2)
a)縮合パラチノースの水素化
50%の縮合パラチノース、2%の単糖及び40%のイソマルツロースを含む実施例1で得た30%反応溶液500mlを、1NのNaOHを攪拌しつつ加えてpH値7.8に整えた。水素(150バール)の存在下、ニッケル触媒(湿重量200g)により70℃で水素化した。
【0103】
試料を0、1、2、3及び4時間後に取って、イソマルツロース並びに1,6−GPS及び1,1−GPMの含量を調べた。遊離イソマルツロースが1,1−GPM及び1,6−GPSに定量的に転化した後に水素化を終了した。
【表1】

【0104】
4時間の反応時間の後に縮合パラチノース溶液に含まれるイソマルツロース(実施例1を参照)は完全に1,6−GPS及び1,1−GPMに水素化された。触媒を分離した後に得た溶液をH型陽イオン交換体及びOH型陰イオン交換体でイオン交換により精製した。
イソマルツロース、1,6−GPS及び1,1−GPMの合計は反応時間中に事実上変化しなかった。即ち縮合糖の含量は一定であった。
【0105】
b)水素化縮合パラチノースの単離
15の水素化縮合パラチノースを含む溶液200mlをゲル浸透クロマトグラフィー(Fractogel HW40S、分離カラム3本、各々長さ120cm、直径10cm)により55℃及び流速600ml/hでクロマトグラフィーにかけた。重合度4〜10の水素化縮合パラチノースを含む画分を合わせて濃縮し、凍結乾燥した。
【表2】

【0106】
得られた凍結乾燥物を特性決定し、これを消化性及びヒト糞便による発酵性に関するin vitro分析に使用した。
【0107】
(実施例3)水素化縮合パラチノースの特性決定
実施例2で単離された水素化縮合パラチノース生成物の部分的HCl加水分解を次のように行った。
【0108】
1%の水素化縮合パラチノースを含む溶液0.9mlを0.1mlの1M HClと混合し、次に47℃で最大8時間インキュベートした。0、1、2、3、6、8時間後に試料採取を行った。HPAEC[高圧活性酵素遠心分離]により分析を行った。
【表3】

【0109】
入念な加水分解の結果、縮合パラチノース分子のフルクトシド結合の所期の分解が生じたが、二糖、イソマルツロース、1,6−GPS及び1,1−GPMの加水分解は起こらなかった。
【0110】
縮合パラチノース分子のすべての還元末端は1,6−GPS又は1,1−GPMに加水分解された。
【0111】
イソマルツロースと2つの物質1,6−GPS及び1,1−GPMの比は、加水分解期間中一定であり、2:1であった。
【0112】
(実施例4)加水分解した縮合パラチノースの胃及び小腸での安定性
胃での安定性
対照としてスクロース及び1−ケストースを使用して、pH値2.0で加水分解率を決定することによって、胃通過時の物質の安定性を確かめることができる。
【0113】
このために1%の水素化縮合パラチノースを含む溶液をpH値2.0(0.01M HCl)、37℃で3時間インキュベートした。反応混合物から60、120及び180分後に試料を採取した。これをHPAEC法で分析した。
【表4】

【0114】
表で明らかなように、水素化縮合パラチノースは胃内のpH条件で限定的にしか分解されなかった。
【0115】
膵臓酵素に対する安定性
膵臓分泌液は多数の加水分解酵素、とりわけα−1,4−グルカン(デンプン、グリコーゲン)を優先的に分解してマルトース及びマルトオリゴ糖を作る炭水化物分解酵素を含んでいる。
【0116】
膵臓酵素に対する糖類の安定性の試験を次のように行った。
【0117】
必要な溶液:
−20mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0+6mMのNaCl(溶液1)
−溶液1中の1%デンプン溶液(Zulkowskiの可溶性デンプン)
−溶液1中の1%水素化縮合パラチノース溶液
−溶液1中の0.2%パンクレアチン(Sigma社)
【表5】

【0118】
サーモミキサー(間欠振とう)で37℃で210分インキュベートした後、95℃に15分加熱して反応を終了した。次に試料をHPAECで分析した。なおデンプンを含む試料は、あらかじめ1MのHCl中で95℃で3時間加熱して完全に加水分解した。
【表6】

【0119】
水素化縮合パラチノースは膵臓酵素によって分解されなかったことが明らかである。
【0120】
小腸α−グルコシダーゼによる分解性
小腸内の粘膜に存在する酵素複合体、サッカラーゼ/イソマルターゼ及びグルコアミラーゼ/マルターゼはin vivoで、小腸に到達した二糖、マルトース及びスクロース、さらにある程度のマルトオリゴ糖も単糖に分解し、そのまま腸壁を経て血液循環に到達させる。
【0121】
これらの酵素に対する水素化縮合パラチノースの安定性の試験を次のように行った。
【0122】
酵素の単離:
ブタの小腸からH.Heymannの方法(学位請求論文、ハノーファー、1991年)により酵素複合体サッカラーゼ/イソマルターゼ(SI複合体)及びグルコアミラーゼ/マルターゼ(GM複合体)を単離した。
【0123】
本発明に基づく糖の小腸α−グルコシダーゼによる分解性を次のように決定した。
【0124】
必要な溶液:
−トリエタノールアミン(TRA)緩衝液、0.1M、pH7.0
−糖、TRA緩衝液中の1%溶液
−対照物質としてのマルトース又はスクロース、TRA緩衝液中の1%溶液
−TRA緩衝液に溶解した粘膜酵素
反応調合物:
37℃に温度調整した炭水化物溶液1.2mlに0.7Uの酵素複合体サッカラーゼ/イソマルターゼ又はグルコアミラーゼ/マルターゼをt=0に加えた。混合した後、37℃でインキュベートした。2時間後に95℃に15分間熱して反応を停止した。生成した単糖及び使用した試験物質をHPAECでアッセイした。
【表7】

【0125】
結果が示すところでは、SI酵素複合体の場合はスクロース又はマルトースが、GM酵素複合体の場合はマルトースがほぼ完全に加水分解される所定の条件のもとで、水素化縮合パラチノースはいずれの酵素複合体でも事実上全く又はごく僅かしか分解されなかった。
【0126】
(実施例5)微生物(ヒトの糞便)による水素化縮合パラチノースの代謝
炭水化物をヒトの糞便とともにインキュベートすれば、細菌集団による代謝について、また大腸細胞の基質として重要であり、大腸癌に対して予防効果があるとされるブチレートの生成の速度について述べることができる。
比較のために、水素化縮合パラチノースのほかに、急速に発酵される炭水化物としてRaftilose(登録商標)、緩慢に発酵される炭水化物として耐性デンプンを使用した。
【0127】
使用した耐性デンプンはNovelose(登録商標)(National Starch社)である。α−アミラーゼ/アミログルコシダーゼで酵素処理し、不溶分を回収することによって、耐性デンプンの割合を耐性デンプン83%に高めた。
【0128】
水素化縮合パラチノース(実施例2)の場合は、水素化された単糖及び二糖をゲル浸透クロマトグラフィーにより分離した。こうして小腸ですでに完全に又は部分的に消化された単糖又は二糖がもはや代謝のために利用されず、in vitro発酵の結果を歪めないことが保証された。
【0129】
1.In vitro発酵培地
In vitro発酵実験のために次の培地を使用した。
【0130】
トリプトン 1.5g
酵母抽出物 1.0g
KHPO 0.24g
NaHPO 0.24g
(NHSO 1.24g
NaCl 0.48g
MgSO×7HO 0.10g
CaCl×2HO 0.06g
FeSO×7HO 2mg
レゾアズリン 1mg
システイン/HCl 0.5g
ビタミン溶液(DSM141による) 0.5ml
微量元素溶液(DSM141による) 9.0ml
NaHCO 2.0g
蒸留水 1000mlまで、pH7.0
2.被検オリゴ糖による腸内細菌の培養
9mlの上記の嫌気性培地に0.5%(w/v)の被検オリゴ糖を混合し、続いて還元剤として0.5g/lのシステイン/HClを加えた嫌気性50mMリン酸緩衝液(pH7.0)中の糞便懸濁液(2人の被験者の混合糞便)1mlを接種した。試験管をオリゴ糖に応じて37℃で14〜48時間振とうしつつインキュベートした。所定の時期に試料を採取し、残留オリゴ糖、短鎖脂肪酸及び乳酸の含量並びにpH値について試料を調べた。
【表8】

【0131】
フルクトオリゴ糖(Raftilose(登録商標) P95)はすでに7時間後に完全に代謝された。水素化縮合パラチノースは単糖/二糖の分離後28時間以内に98%とほぼ完全に発酵された。ブチレート含量は、耐性デンプンでも水素化縮合パラチノースでも12.8〜17.8mMol/lと同等程度であった。Raftilose(登録商標) P95の場合だけ著しく小さなブチレート含量が検出された。
【0132】
(実施例6)大腸細胞系HT29のGST活性及びグルタチオン含量に対する発酵上清の影響
水素化縮合パラチノースで得た発酵調合物(実施例5を参照)を発酵上清の調製のために次のように処理した。
【0133】
(1)4℃で10000×gで20分間遠心分離。(2)0.22μmフィルタにより無菌ろ過。溶液を使用まで−18℃で保管した。
【0134】
HT29細胞を48時間予備インキュベートした。次に発酵上清(10容積%)又は10容積%の媒質(対照)を加えた。続いてHAT29細胞と発酵上清をさらに72時間インキュベートした。
【0135】
グルタチオン−S−トランスフェラーゼ活性及びグルタチオン含量を測定する前に、HAT細胞を次のように処理した。即ち処理したインキュベートバッチ(約6×106細胞/2.5mlバッチ)の細胞を抽出緩衝液(20mM トリス−HCl、250mMスクロース、1mMジチオトレイトール、1mM PMSF、1mM EDTA、pH7.4)に懸濁させ、Ultra-Turraxで1分間処理した。
【0136】
グルタチオン総活性の決定は、Habigらの方法(J. Biol. Chem. 249, 7130-7139, 1974)により1−クロロ−2,4−ジニトロベンゾール(1mM)を用いて行った。
【0137】
グルタチオン(1mM)の存在下で30℃、pH6.5で反応が行われた。生成されたコンジュゲートを340nmで分光測光法で検出し、活性の計算のために利用した。毎分コンジュゲート1μMolが1活性単位に相当する。細胞内グルタチオンを比色計テスト(グルタチオン・アッセイキット、Calbiochem-Novabiochem社)により測定した。
【表9】

【0138】
結果は、水素化縮合パラチノースの場合は細胞内グルタチオン−S−トランスフェラーゼ活性もグルタチオン含量も対照に比して70%又は60%高いことを示している。比較のために使用した非水素化縮合パラチノースはこの顕著な増加がない。このことは耐性デンプンにも当てはまる。
【0139】
(実施例7)水素化縮合パラチノースの甘味力の測定
水素化縮合パラチノースの甘味力の測定のために、水素化縮合パラチノースを飲料水でそれぞれ18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%及び28%溶液に希釈し、続いてこれをそれぞれ0.45μmメンブランフィルターに通す。比較標準として8%スクロース水溶液を作る。
【0140】
最初の試飲では試料を上記の順序で渡す。9人の検査員がまず比較標準を、続いてそれぞれ試料の1つを試飲し、砂糖標準と試料のいずれが甘いか、又は差が全く認められないかを述べる。試飲の間に中和するために、飲料水を使用する。
【0141】
最初の試飲の結果に基づき、2回目の試飲のための被検試料の数を減少することができる。最高の濃度から始まって27%から20%までの水素化縮合パラチノース水溶液を上記の条件のもとで、比較標準と対比して、8人の検査員が試飲する。
【0142】
甘味力の計算:
=「標準のほうが甘い」から「甘味力に差が認められない」へ、又は「甘味力に差が認められない」から「標準のほうが甘い」への変化が起こる転換点。
【0143】
u=「甘味力に差が認められない」から「試料のほうが甘い」へ、又は「試料のほうが甘い」から「甘味力に差が認められない」への変化が起こる転換点。
【0144】
下限:L1=ΣXl/N
上限:Lu=ΣXu/N
等価刺激=(Lu+Ll)/2
不確定範囲=Lu−Ll
甘味力=(砂糖濃度/等価刺激)・100%
結果:
2回の試飲の結果、本発明に基づく水素化縮合パラチノースの甘味力は約34%±2%と測定された。
【0145】
(応用例1)甘味品
【表10】

【0146】
ゼラチンを水で軟化又は溶解する。砂糖、グルコースシロップ及び水素化縮合パラチノースを上記の温度に煮て、幾らか冷やす。ゼラチン、フルーツ酸及びグリセリンを加える。生地を注型し、保温室に入れ、散粉し、塗油する。
【0147】
アラビアガムを水に一晩溶かし、毛編フルイに通す。砂糖、グルコースシロップ及び水素化縮合パラチノースを上記の温度に煮て、幾らか冷やす。ガム溶液、グリセリン及びフルーツ酸を加える。生地を注型し、保温室に入れ、散粉し、塗油する。
【0148】
ゼリーフルーツ
25kg 砂糖
25kg 水素化縮合パラチノース
0.8kg 寒天
30kg 水
11kg リンゴピューレ
0.5kg 酒石酸
0.06kg 香料、エッセンス又は着色料
寒天を水で軟化し、溶解し、砂糖及びその他の添加物を加え、105℃で煮る。生地を適当な型に流し込む。
【表11】

【0149】
配合表1:
水素化縮合パラチノースと水を160℃に煮て、減圧処理する(−0.9バール)。120℃に冷却の後、あらかじめ溶解したDL−リンゴ酸、香料及び着色料を入れてかき混ぜる。溶融物を型押し又は注型する。
【0150】
配合表2:
スクロース、グルコースシロップ、水素化縮合パラチノース及び水を135℃に煮てから排気する。120℃に冷却した後、あらかじめ溶解したDL−リンゴ酸、香料及び着色料を入れてかき混ぜる。溶融物を型押し又は注型する。
【表12】

【0151】
水素化縮合パラチノース、リカシン(Lycasin)、甘味料及び水を溶解し、120℃でToffix、レシチン及びMonomulsを入れてかき混ぜ、125℃でゼラチン、炭酸カルシウム及び香料を入れてかき混ぜ、成形する。
【0152】
(応用例2)ドッグフード
ドッグビスケット
150g 凝乳
90g 牛乳
90g 食用油
1個 卵黄
75g 水素化縮合パラチノース
200g ドッグフレーク
添加物を混合し、小さな玉を成形し、200℃で20分焼く。
【0153】
クッキー
150g 全粒小麦粉
200g 全粒オートムギフレーク
30g 蜂蜜
50g 水素化縮合パラチノース
5g 粒状の固形ブイヨン
100g 全卵
150g 牛乳
添加物を混合し、玉を成形し、220℃で15分焼く。
【0154】
(応用例3)ミュースリ
ミュースリバー
200g オートムギフレーク
100g コーンフレーク
100g ハシバミの実
50g ヒマワリの種
30g ココナッツフレーク
75g 黒砂糖
75g 蜂蜜
100g 水素化縮合パラチノース
50g バター
半個 レモン
砂糖、蜂蜜、水素化縮合パラチノース、バター及び半個のレモンのジュースをカラメルにする。オートムギフレーク、コーンフレーク、ハシバミの実、ヒマワリの種、しココナッツフレークを混合して、それに加える。生地をよく混合し、オーブンの熱板に載せる。バーを切取り、乾燥貯蔵する。
ビルヒャー風ウインターミュースリ
4EL オートムギフレーク
2EL キビフレーク
1EL コムギ麦芽フレーク
レモン1個のジュース
150g ヨーグルト
1EL ヒッポフェア
50g ひき割りナッツ
10g 干しぶどう
400g リンゴ
200g ナシ
300g オレンジ
150g バナナ
80g 水素化縮合パラチノース
(EL=大さじに僅かに山盛り)
フレーク、ヨーグルト及びヒッポフェアを混合し、ナッツを加える。リンゴを粗くすりおろし、その他の果物を細かくさいの目にし、レモンジュースをリンゴにかけ、水素化縮合パラチノースを加える。
【0155】
サマーミュースリ
150g さいの目にしたアンズ
150g 低脂肪ヨーグルト
40g 水素化縮合パラチノース
30g コーンフレーク
朝食用オートミール
69.3g 小麦粉、405型
15g オートムギ粉
1g 麦芽、白色
2.1g 麦芽、黒色
0.6g 塩
10g 水
12g 水素化縮合パラチノース
小麦粉、オートムギ粉、白色及び黒色麦芽、水素化縮合パラチノース及び塩を混合する。押出機で水を加える。練り粉がそこで混合され、せん断され、調理され、塑性化され、リングダイを経て押し出される。続いてリングを乾燥し、冷却する。
【0156】
(応用例4)飲料
パワードリンク
3個 オレンジ
2EL コムギ麦芽
35g 水素化縮合パラチノース
200g ヨーグルト
(EL=大さじに僅かに山盛り)
オレンジを絞り、コムギ麦芽及び水素化縮合パラチノースとともに泡だて器にかけ、ヨーグルトを入れてかき混ぜる。
【0157】
ホビーテークドリンク
150ml オレンジジュース
50ml ミネラルウオーター
1つまみ マルチビタミンパウダーHT
1TL マルチミネラルパウダーHT
5g リンゴ・コムギ繊維HT
7.5g 水素化縮合パラチノース
(TL=小さじに僅かに山盛り)
ドライバー1
200ml 野ばらの実の茶
100ml グレープジュース
5g リンゴ・コムギ繊維HT
1TL 蜂蜜
5g 水素化縮合パラチノース
(TL=小さじに僅かに山盛り)
ドライバー2
300ml 野ばらの実の茶
5g リンゴ・コムギ繊維HT
1EL 凝乳
100ml グレープジュース
10g 水素化縮合パラチノース
(EL=大さじに僅かに山盛り)
アロニアアップル繊維飲料
200ml ミネラルウオーター
1.5TL アロニアフルーツシロップ
1TL アップルフルーツシロップ
2TL リンゴ繊維HT
10g 水素化縮合パラチノース
(TL=小さじに僅かに山盛り)
スポーツカクテル
2個 トマト
半個 サラダ用キュウリ
250g ニンジン
250g リンゴ
4EL クリーム
パセリ
50g 水素化縮合パラチノース
(EL=大さじに僅かに山盛り)
トマト、キュウリ、ニンジン及びリンゴの汁を絞り、クリーム、パセリ及び縮合パラチノースを加える。
【0158】
トマトカクテル
6個 トマト
4EL クリーム
オレンジ1個のジュース
1つまみ 塩
7.5g 水素化縮合パラチノース
1つまみ パプリカ
2つまみ タバスコ
(EL=約12ml)
トマトをピューレにし、残りの添加物とかき混ぜる。
【0159】
果実含有量50%のオレンジネクター
120kg オレンジネクター原料50:11
果汁含量400%;抽出物含量50%
48kg 砂糖シロップ65%TS
60kg 水素化縮合パラチノース
820g 飲料水
レモナード
4.5kg レモナード原料3:100
抽出物含量40%
60kg 砂糖シロップ65%TS
75kg 水素化縮合パラチノース
888.5g 飲料水
8kg CO2
(応用例5)果実調理品
果汁入りプディング
330g 酸果サクランボ
150g コケモモ
300g ラズベリー
300g イチゴ
60g デンプン
1リットル 果汁
60g 砂糖
50g 水素化縮合パラチノース
デンプンとやや冷たい果汁を混ぜ合わせ、沸騰している果汁に入れてかき混ぜる。5分間沸騰させる。果実、砂糖及び水素化縮合パラチノースを加える。
【0160】
ダイオウ冷製スープ
750g ダイオウ
0.5リットル 水
レモン半個のジュース
120g 砂糖
75g 水素化縮合パラチノース
0.2リットル 白ワイン
ダイオウを洗浄し、切断し、水及びレモンジュースで軟らかく蒸す。まだ暖かいうちに砂糖及び水素化縮合パラチノースを入れてかき混ぜ、冷やして、白ワインを入れてかき混ぜる。
【0161】
フルーツピューレ
750g 果実
30g 果汁
50g 水素化縮合パラチノース
3ml ラム酒
添加物をミキサーでピューレにする。
【0162】
イチゴクリーム
375g イチゴ
50g 水素化縮合パラチノース
1包 バニラシュガー
2枚 白ゼラチン
2枚 赤ゼラチン
250ml クリーム
イチゴをピューレにし、水素化縮合パラチノースとバニラシュガーを加え、溶解したゼラチンを加え、冷やす。クリームを固まるまで泡立て、加える。
【0163】
アンズクリーム
100g アンズ
375ml 水
30g 砂糖
50g 水素化縮合パラチノース
1包 バニラシュガー
4枚 白ゼラチン
1枚 赤ゼラチン
250ml クリーム
アンズ、水、砂糖、水素化縮合パラチノース及びバニラシュガーを30分煮る。ゼラチンをアンズの砂糖煮に溶解し、生地をピューレにし、冷やす。クリームを固まるまで泡立て、加える。
【0164】
(応用例6)ヨーグルト
ヨーグルト・レモンシェーク
600g 低脂肪ヨーグルト
レモン4個のジュース
4TL 蜂蜜
30g 水素化縮合パラチノース
4個 卵黄
添加物を混合する。
【0165】
レモンヨーグルトクリーム
4個 卵
40g 砂糖
40g 水素化縮合パラチノース
25ml レモンジュース
300g ヨーグルト
6g ゼラチン粉末
ゼラチンを軟化する。卵黄を卵白から分離する。ヨーグルト、卵黄、砂糖、水素化縮合パラチノース及びレモンジュースを混合する。ゼラチンを溶解して加える。卵白を泡雪にして、加える。
【0166】
(応用例7)ジャム
【表13】

【0167】
アマレット及びバニラ入り酸果サクランボジャム
1kg 酸果サクランボ
3本 バニラバー
500g ゼリーシュガー2:1
40ml アマレット(アーモンドリキュール)
酸果サクランボの半分をミキサーでよく粉砕する。フルーツピューレを残りのサクランボ、バニラの実のピューレ及びゼリーシュガーと混合し、攪拌しながら煮込む。4分間沸騰させる。アマレットを加える。ジャムを熱いうちに瓶に詰め、直ちに密閉する。
【0168】
ダイオウ・イチゴジャム
750g ダイオウ
250g イチゴ
1000g ゼリーシュガー1:1
3包 バニラシュガー
1EL 細かく刻んだレモンバーム
ダイオウとイチゴをぶつ切りにする。果物とゼリーシュガー及びバニラシュガーを混合し、蓋をして3〜4時間よくなじませる。次に攪拌しながら煮込み、4分間沸騰させる。レモンバームを入れてかき混ぜる。ジャムを熱いうちに瓶に詰め、直ちに密閉する。
【0169】
カボチャゼリー
1.5kg カボチャ
1.2リットル 水
1kg ゼリーシュガー1:1
レモン2個のジュース
1TL 刻んだハッカ
カボチャをさいの目に切り、水で20〜30分間軟らかく煮る。ジュースを布で濾す。750mlの冷たいジュースをゼリーシュガー及びレモンジュースと混合し、攪拌しながら煮込む。4分間沸騰させる。ハッカを入れてかき混ぜる。ゼリーを熱いうちに瓶に詰め、直ちに密封する。
グランマルニエ入りイチゴジャム
1kg イチゴ
1kg ゼリーシュガー
1個 未処理のオレンジ
65g グランマルニエ(オレンジリキュール)
イチゴを押しつぶし、ゼリーシュガーとすりおろしたオレンジの皮を加え、全体をよく混合する。攪拌しながら煮込み、4分間沸騰させる。グランマルニエを入れてかき混ぜる。熱いうちに瓶に詰め、直ちに密閉する。
【0170】
(応用例8)パン菓子
記載した配合表では酵母が製パン用膨張剤として使用される。本発明に基づく水素化縮合パラチノースは製パン用膨張剤の基質として限定的にしか利用できない。そこで砂糖の一部だけを水素化縮合パラチノースと置き換える。
【表14】

【0171】
酵母、温かいクリーム、1つまみの塩及び1つまみの小麦粉をかき混ぜる。10分間静置する。その他の添加物とこね混ぜて、20分静置する。練り粉をよくこね、ロールで延ばす。15個の三角形を切取り、巻いてクロワッサンにする。短時間膨張させ、200℃で10分間焼く。
【表15】

【0172】
酵母と砂糖を温かい牛乳にかき混ぜ、10分間静置する。その他の添加物とこね混ぜて、20分静置する。パン焼き型に入れて、175℃で45分焼く。
【表16】

【表17】

【0173】
すべての添加物をこね器でごくおおまかに短時間混合し、次により高度によくこね混ぜる。焼く前に練り粉を冷やす。
【表18】

【0174】
すべての添加物を泡だて器でまず少々、次に最大限かき混ぜる。こうして調製した2つのスポンジ生地は、砂糖入りスポンジ生地より濃い焼け色を呈し、甘味が少ない。それ故上記の2つのスポンジ生地は必要ならば甘味料で甘味をつけることが望ましい。
【表19】

【0175】
卵黄、水、砂糖、水素化縮合パラチノース及び塩を泡だて器で泡立てる。ごく固くなるまで泡立てた卵白を卵黄生地に加える。小麦粉、食用デンプン及びベーキングパウダーを混合し、フルイを通して泡雪にかけ、入念に混ぜ込む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縮合パラチノースを含む溶液を接触水素化する事を含む水素化縮合パラチノースの調製方法。
【請求項2】
pH値3〜6のパラチノース水溶液を温度100℃〜170℃及び大気圧又は減圧下で熱処理して得た縮合パラチノースを水素化することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
パラチノースを水に溶解することによって、縮合のためのパラチノース水溶液を調製する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
パラチノース水溶液に酸性触媒を加える請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
酸性触媒としてH型強酸性陽イオン交換体、有機酸、ホウ酸、リン酸とリン酸二水素カリウムの組合せ又は硫酸アンモニウムを加える請求項4に記載の方法。
【請求項6】
有機酸がクエン酸、リンゴ酸、コハク酸及び酒石酸からなる群から選ばれる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
パラチノースに対して0.02重量%のクエン酸の存在下、減圧下で温度135℃でパラチノース水溶液を熱処理することによって縮合パラチノースを得る請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
縮合パラチノースが約48%の未縮合パラチノース、約28%のパラチノース二量体、約12%のパラチノース三量体、約5%のパラチノース四量体、約5%パラチノース五量体及び約2%の加水分解生成物を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
パラチノースと無水フッ化水素酸を温度0℃〜20℃で反応させて得た縮合パラチノースを水素化することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
縮合パラチノースが約73%〜94%のパラチノース二量体を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
触媒として働く酸性物質の水溶液にパラチノースを加え、混合物を130℃〜160℃の温度で加熱することにより、パラチノース溶融物から得た縮合パラチノースを水素化することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
混合物が4重量%〜12重量%の水と0.05重量%〜0.5重量%の酸性物質を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
酸性物質がH型強酸性陽イオン交換体、有機酸、ホウ酸、リン酸とリン酸二水素カリウムとの組合せ又は硫酸アンモニウムである請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
有機酸がクエン酸である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
縮合パラチノースが15重量%〜45重量%の未縮合パラチノース、35重量%〜60重量%のパラチノース二量体、10重量%未満のパラチノース三量体並びに5重量%未満のパラチノース四量体及びパラチノース五量体を含む請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
水素化する縮合パラチノース中の未縮合パラチノースの割合を減損処理により減少する請求項2〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
縮合パラチノースから未縮合パラチノースをクロマトグラフィーで分離することにより未縮合パラチノースを減損する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
縮合パラチノースを含む溶液の接触水素化を水素の存在下、触媒を使用して高温高圧で行う請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
縮合パラチノースを含む溶液を水素化の前にpH値6〜8に調整する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
縮合パラチノースを含む溶液のpH値を水酸化ナトリウム水溶液の添加により7.8に調整する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
水素化を40℃〜140℃の温度で行う請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
水素化を60℃〜80℃の温度で行う請求項21に記載の方法。
【請求項23】
水素化を70℃の温度で行う請求項22に記載の方法。
【請求項24】
水素化を50〜230バールの圧力で行う請求項18〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
水素化を100〜200バールの圧力で行う請求項24に記載の方法。
【請求項26】
圧力が150バールである請求項25に記載の方法。
【請求項27】
触媒が純ラネーメタルとラネ−メタル合金の混合物を含む請求項18〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
ラネーメタルがニッケル、銅、コバルト又は鉄である請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ラネーメタル合金がニッケル、銅、コバルト又は鉄とアルミニウム、スズ又はケイ素の合金である請求項27に記載の方法。
【請求項30】
触媒が作用成分として、担体上の周期表VIII遷移族の単数又は複数の金属を含む請求項18〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
作用成分がルテニウム、パラジウム及び/又はロジウムを含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
触媒担体が活性炭、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム及び/又は二酸化チタンを含む請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
攪拌しつつ水素化を行う請求項18〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも2〜5時間の期間にわたって水素化を行う請求項18〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも4時間の期間にわたって水素化を行う請求項34に記載の方法。
【請求項36】
水素化を連続的、半回分的又は回分的に行う請求項18〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
水素化を固定床法又は懸濁法で行う請求項18〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
縮合パラチノースを含む溶液の水素化の後に、25重量%〜36重量%の重合度4の水素化縮合パラチノース、9重量%〜15重量%の重合度6の水素化縮合パラチノース、3重量%〜7重量%の重合度8の水素化縮合パラチノース、3重量%〜7重量%の重合度10の水素化縮合パラチノース、3〜7重量%の未水素化縮合パラチノース及び40重量%〜55重量%の水素化未縮合パラチノースを含む生成物混合物が得られる請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
水素化の後に重合度4〜10の水素化縮合パラチノースを反応混合物から分離する請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
重合度4〜10の水素化縮合パラチノースをクロマトグラフィーにより反応混合物から分離する請求項39に記載の方法。
【請求項41】
反応混合物から分離した後の水素化縮合パラチノースが30重量%〜55重量%の重合度4の水素化縮合パラチノース、20重量%〜30重量%の重合度6の水素化縮合パラチノース、7重量%〜13重量%の重合度8の水素化縮合パラチノース及び2重量%〜6重量%の重合度10の水素化縮合パラチノースを含む請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
請求項1〜39のいずれか1項に記載の縮合パラチノースの水素化によって得られ、少なくとも重合度4の水素化縮合パラチノース、重合度6の水素化縮合パラチノース、重合度8の水素化縮合パラチノース及び重合度10の水素化縮合パラチノースを含む、水素化縮合パラチノース。
【請求項43】
α−2→1−結合ジパラチノース、但しn=0(DP[重合度]=4):
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−フルクトフラノシル−(2→1)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−ソルビトール
及び
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−フルクトフラノシル−(2→1)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−マンニトール
から得られる式(1)
【化1】

の少なくとも1つの化合物;
β−2→1−結合ジパラチノース、但しn=0(DP=4):
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−β−D−フルクトフラノシル−(2→1)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−ソルビトール
及び
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−β−D−フルクトフラノシル−(2→1)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−マンニトール
から得られる式(2)
【化2】

の少なくとも1つの化合物;
α−2→3−結合ジパラチノース:
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−フルクトフラノシル−(2→3)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−ソルビトール
及び
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−フルクトフラノシル−(2→4)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→1)]−D−マンニトール
から得られる式(3)
【化3】

の少なくとも1つの化合物;
α−2→4−結合ジパラチノース:
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−フルクトフラノシル−(2→4)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−ソルビトール
及び
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−フルクトフラノシル−(2→3)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→1)]−D−マンニトール
から得られる式(4)
【化4】

の少なくとも1つの化合物;
β−2→3−結合ジパラチノース:
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−β−D−フルクトフラノシル−(2→3)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−ソルビトール
及び
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−β−D−フルクトフラノシル−(2→4)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→1)]−D−マンニトール
から得られる式(5)
【化5】

の少なくとも1つの化合物、並びに
β−2→4−結合ジパラチノース:
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−β−D−フルクトフラノシル−(2→4)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−D−ソルビトール
及び
0−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−β−D−フルクトフラノシル−(2→3)−0−[α−D−グルコピラノシル−(1→1)]−D−マンニトール
から得られる式(6)
【化6】

の少なくとも1つの化合物を含む、請求項42に記載の水素化縮合パラチノース。
【請求項44】
重合度4の水素化縮合パラチノースの割合が30重量%〜55重量%、重合度6の水素化縮合パラチノースの割合が20重量%〜30重量%、重合度8の水素化縮合パラチノースの割合が7重量%〜13重量%、重合度10の水素化縮合パラチノースの割合が2重量%〜6重量%である請求項42又は43に記載の水素化縮合パラチノース。
【請求項45】
重合度4の水素化縮合パラチノースの割合が35重量%〜55重量%である請求項42〜44のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノース。
【請求項46】
重合度6の水素化縮合パラチノースの割合が22重量%〜28重量%である請求項42〜45のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノース。
【請求項47】
重合度8の水素化縮合パラチノースの割合が8重量%〜12重量%である請求項42〜46のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノース。
【請求項48】
重合度10の水素化縮合パラチノースの割合が3重量%〜5重量%である請求項42〜47のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノース。
【請求項49】
さらに6〜12重量%の重合度4の未水素化縮合パラチノースを含む請求項42〜48のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノース。
【請求項50】
哺乳動物の胃内での及び/又は哺乳動物の消化管の酵素による分解に耐性であるか、又は実質的に耐性である請求項42〜49のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノース。
【請求項51】
酸化的ストレスによって引き起こされる疾病の予防及び/又は治療のための作用物質としての請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースの使用。
【請求項52】
疾病が癌疾患、I型及びII型糖尿病、高血圧、卒中、男性不育症、リウマチ性疾患、冠動脈疾患、急性心不全及び慢性炎症性疾病である請求項51に記載の使用。
【請求項53】
一般感染症に対する免疫防御の強化のための作用物質としての請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースの使用。
【請求項54】
酸化的ストレスによって引き起こされる疾病又は感染症の状態を治癒し又はこれを予防し、疾病の進行を停止し及び/又は疾病の症状を緩和するのに十分な用量で水素化縮合パラチノースを投与する請求項51〜53のいずれか1項に記載の使用。
【請求項55】
水素化縮合パラチノースを医薬組成物として、特に懸濁剤、シロップ剤、錠剤、丸薬、カプセル剤、顆粒剤又は散剤として投与する請求項51〜54のいずれか1項に記載の使用。
【請求項56】
請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースの、医薬組成物における薬剤担体としての使用。
【請求項57】
酸化的ストレスにより引き起こされる疾病の予防及び/又は治療用の医薬組成物の製造のための請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースの使用。
【請求項58】
一般感染症に対する免疫防御を強化する医薬組成物の製造のための請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースの使用。
【請求項59】
ヒトの消費のための食品又は飲料の添加物としての請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースの使用。
【請求項60】
食品又は飲料中の可溶性繊維質、特に前生物的繊維質としての請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースの使用。
【請求項61】
食品又は甘味品の血糖特性の調節のため、特に特別食、幼児食、糖/インスリン代謝障害がある人の食事のための請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースの使用。
【請求項62】
甘味料としての請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースの使用。
【請求項63】
食品、甘味品及び動物飼料の製造のための請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースの使用。
【請求項64】
pH値2〜5、特に2〜4の酸性食品の製造のために水素化縮合パラチノースを使用する請求項63に記載の使用。
【請求項65】
果汁又は果実調理品の製造のために水素化縮合パラチノースを使用する請求項63又は64に記載の使用。
【請求項66】
請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノース及びビフィズス菌の培養物を含む組成物。
【請求項67】
請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースと、短鎖フルクトオリゴ糖、長鎖フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、加水分解グアーガム、ラクトース、キシロオリゴ糖、ラクトスクロース、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、グルコシルスクロース、大豆オリゴ糖、キトオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、耐性デンプン、オートムギ繊維、コムギ繊維、野菜繊維、果実繊維、セルロース及びテンサイ繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つのその他の繊維質とを含む組成物。
【請求項68】
請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースを含む栄養物、食品又は嗜好品。
【請求項69】
乳製品及びミルク製品である請求項68に記載の食品。
【請求項70】
乳製品及びミルク製品がチーズ、バター、ヨーグルト、ケフィル酒、凝乳、発酵乳、脱脂乳、クリーム、コンデンスミルク、ドライミルク、乳清、乳糖、乳タンパク質、牛乳混合物、半脂乳、乳清混合物及び乳脂製品である請求項69に記載の食品。
【請求項71】
パン菓子である請求項68に記載の食品。
【請求項72】
パン菓子がビスケット類を含むパン及びクッキーを含むケーキ類である請求項71に記載の食品。
【請求項73】
パンの塗り物である請求項68に記載の食品。
【請求項74】
マーガリン製品及びパン焼き用油脂である請求項68に記載の食品。
【請求項75】
インスタント製品及びブイヨン製品である請求項68に記載の食品。
【請求項76】
果物製品である請求項68に記載の食品。
【請求項77】
ジャム、マーマレード、ゼリー、果物缶詰、果肉、果実ピューレ、果汁、濃縮果汁、果実ネクター及び果実粉末である請求項76に記載の食品。
【請求項78】
野菜製品である請求項68に記載の食品。
【請求項79】
野菜缶詰、野菜ジュース及び野菜ピューレである請求項78に記載の食品。
【請求項80】
スパイス混合物である請求項68に記載の食品。
【請求項81】
非アルコール飲料、飲料原料及び飲料粉末である請求項68に記載の食品。
【請求項82】
減カロリー食品である請求項68〜81のいずれか1項に記載の食品。
【請求項83】
請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースを含む甘味品。
【請求項84】
チョコレート、硬質カラメル、軟質カラメル、フォンダン製品、ゼリー製品、甘草エキス、発泡砂糖製品、ココナッツフレーク、ボンボン、圧縮製品、砂糖漬果物、クロカン、ヌガー製品、アイスキャンデー、マルチパン、チューンガム、ミュースリバー、アイスクリーム又はアルコール及び非アルコール甘味飲料である請求項83に記載の甘味品。
【請求項85】
減カロリー甘味品である請求項83又は84に記載の甘味品。
【請求項86】
請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースを含む、特にグルコース不耐性を有する人の食事のための食餌療法特別食。
【請求項87】
請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースを含む幼児食。
【請求項88】
請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースを含む甘味料。
【請求項89】
請求項42〜50のいずれか1項に記載の水素化縮合パラチノースを含む医薬組成物。
【請求項90】
作用物質として水素化縮合パラチノースを含む請求項89に記載の医薬組成物。
【請求項91】
薬剤担体として水素化縮合パラチノースを含む請求項89に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2006−512298(P2006−512298A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540575(P2004−540575)
【出願日】平成15年9月2日(2003.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2003/009725
【国際公開番号】WO2004/031202
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(500175772)ズートツッカー アクチェンゲゼルシャフト マンハイム/オクセンフルト (47)
【Fターム(参考)】