説明

水道水配管の洗浄方法および装置

【課題】比較的大きな口径、例えば、75mm〜150mmの水道水配管に対し、十分な洗浄効果を得ることができる水道水配管の洗浄方法および装置を提供する。
【解決手段】水道水が流れている水道水配管1内に、炭酸ガスの注入と炭酸ガスの注入停止とを繰り返す炭酸ガスの間欠的な注入を行い、水道水配管1内に炭酸ガスの注入により炭酸ガス空間S1,S2を形成し、炭酸ガス空間S1,S2によって炭酸ガスの注入停止時に形成した水塊(Wmass)を挟むサンドイッチ構造を形成し、水塊(Wmass)が水道水配管1内を流れる際に配管の内壁面に付着および堆積した付着・堆積物に衝突して衝撃力を与え付着・堆積物を除去するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道水配管(水道管)の内面に付着・堆積している汚れを洗浄除去するための水道水配管の洗浄方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水道水配管(水道管)は、鋳鉄管、モルタルライニング管および硬質塩化ビニル管などがある。これらの管は、長期にわたる使用で管内壁に水垢や沈殿物が堆積するために洗浄の必要性がある。従来、水道管の内面に付着・堆積している汚れを除去する方法としては、消火栓からの放水により管内流速を上げて付着堆積物を排出する方法、管内に洗浄ブラシを挿入して洗浄ブラシで管内壁面を機械的に擦り配管内面を洗浄する方法、管内にピグと呼ばれる弾性体を挿入してピグの外周面を管内壁面に接触させて配管内面を洗浄する方法等が行われていた。しかし、いずれの方法も洗浄対象長さの問題、洗浄ブラシを管路内に挿入するための管路の部分的な解体および再組立などの配管工事が必要になるという問題(具体的には、洗浄ブラシ、ピグを挿入するためには、消火栓とその下に取付けてある補修弁を取外す必要がある)、管内に挿入された弾性体の詰まり等の問題、また、洗浄ブラシの場合は、高圧ホースを引きずりながら配管内に挿入するため、曲がりの多い配管には対応できないという問題があり、洗浄方法としては必ずしも十分なものではなかった。
【0003】
また、水道水配管(水道管)の洗浄方法としては、特許文献1に記載されているように、管内に炭酸ガスを間欠的にまたは連続的に打ち込んで、管内の水中に溶存した炭酸ガスの発泡作用により該管内を洗浄する方法もある。この方法では、管内に水を流通させることにより、前記溶存した炭酸ガスを気化させ、気化した炭酸ガスの作用により管内を洗浄することも行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3501795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した炭酸ガスを配管内に打ち込んで管内の水中に溶存した炭酸ガスの発泡作用により管内の付着物を除去するには、アパートやマンション等の各戸別に配管されている配管口径15mm〜25mmの範囲の小口径の配管に対しては有効であるが、地中埋設の水道水配管(水道管)のように、配管口径が75mm〜150mmと大きく、また、複雑な分岐を多数有する配管に対しては、単に水中に溶存した炭酸ガスの発泡作用のみで付着堆積物を除去することは困難であった。また、前記配管内の水を流動させ、前記溶存した炭酸ガスを気化させ、その気化した炭酸ガスの作用により付着物を除去することも困難であり、たとえ、発泡作用により付着物が除去されたとしても、除去された付着物を配管内から系外に排出するのに長時間要するという問題もあった。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、比較的大きな口径、例えば、75mm〜150mmの水道水配管に対し、十分な洗浄効果を得ることができる水道水配管の洗浄方法および装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明者らは、種々の研究を重ねた結果、圧縮性流体を用いた気液二相流を管内付着物の除去に利用することを着想し、更に、圧縮性流体として人体に対し無害である炭酸ガスを利用することを試みたものである。
【0008】
次に、本発明の水道水配管の洗浄方法の基本概念を図1および図2を参照して説明する。
図1(a)に示すように、水道水配管1が設置されており、水道水配管1内には水道水が充満して左側から右側に向かって流れるようになっている。ここで、水道水配管1の断面積をA、配管内を流れる水道水の流量をQとすると、水道水配管1の管内の平均流速はV=Q/Aと表せる。水道水配管1の上流側には、水道水配管1内に炭酸ガスを注入するための炭酸ガス注入口2が設けられている。また、水道水配管1の下流側には、水道水配管1内を流れる液体を排出する排出口3が設けられている。水道水配管1の下流端は閉止板4により閉塞されている。
【0009】
次に、流量Qで水道水を流しつつ、図1(b)に示すように、水道水配管1内に炭酸ガスを所定の流量で所定時間注入する。ここで、炭酸ガスの流量はQである。このように、水道水配管1内に炭酸ガスを流量Qで所定時間注入すると、管内平均流速はVL+G=(Q+Q)/Aとなり、管内流速は炭酸ガスを注入した容積分だけ増速される。炭酸ガスを注入することにより水道水配管1の管内には炭酸ガスが充満した炭酸ガス空間S1が形成される。
【0010】
次に、図1(c)に示すように、炭酸ガスの注入を所定時間停止する。このときの管内平均流速はV=Q/Aとなる。その後、図1(d)に示すように、炭酸ガスを流量Qで所定時間注入することにより管内平均流速はVL+G=(Q+Q)/Aとなり、管内流速は炭酸ガスを注入した容積分だけ増速される。炭酸ガスを注入することにより水道水配管1の管内には炭酸ガスが充満した炭酸ガス空間S2が形成される。そのため、炭酸ガスの注入を停止していた時に形成された水塊(Wmass)が炭酸ガス空間S1と炭酸ガス空間S2とに挟まれたサンドイッチ構造が形成される。炭酸ガス空間S1および炭酸ガス空間S2は所定量の炭酸ガスが注入されて圧力が高い空間になっているため、水塊(Wmass)は重力で崩れてしまうようなことはなく、管路の内壁面の全周に接触している。すなわち、水塊(Wmass)は水道水配管1の断面積と同等の断面積を有している。炭酸ガス空間S1,S2は、管路の断面積の全面を占めている必要はなく、一部に水道水があってもよい。
【0011】
次に、図1(e)に示すように、炭酸ガスの注入を所定時間停止する。このように、水道水が充満して流れている水道水配管1に炭酸ガスを所定時間注入した後に、炭酸ガスの注入を所定時間停止し、その後、炭酸ガスを所定時間注入する炭酸ガスの間欠注入の手順を順次繰返すことにより、炭酸ガス空間S1と炭酸ガス空間S2に挟まれた水塊(Wmass)のサンドイッチ構造が順次形成され、水塊(Wmass)は前述したように加速された管内流速VL+Gで管内を移動し、また、炭酸ガスが圧縮性の流体であることから、管内を流れる水道水の管内相当流速、炭酸ガスの管内相当流速、炭酸ガスの注入時間や注入停止時間を適正な数値に設定することにより、水塊(Wmass)が2つの炭酸ガス空間S1,S2でサンドイッチされた良好な気液二相流を形成することが出来る。ここで、管内相当流速とは、流量を対象配管の断面積で除した値を云う。
【0012】
次に、炭酸ガス空間S1と炭酸ガス空間S2に挟まれた水塊(Wmass)が管内を移動する際に管路壁面に付着・堆積している付着・堆積物(汚れ)を除去するメカニズムについて説明する。
図2は、図1(d)の要部拡大図であり、水道水配管の半断面図である。図2に示すように、水塊(Wmass)は、管内流速VL+Gで管内を移動する。そして、水塊(Wmass)は、移動中に水道水配管1の内壁面の付着・堆積物Mに衝突して衝撃力を与える。ここで、水塊(Wmass)のごく一部が付着・堆積物Mに衝突するが、この衝突する部分の微小な体積流量をQとし、水塊(Wmass)の密度をρとすると、付着・堆積物Mに加わる衝撃力Fは以下の式で表せる。この場合、付着・堆積物Mに衝突する微小な体積流量Qは、水道水の流れに対して付着・堆積物Mの直角な投影面積に衝突する体積流量に相当する。
F=ρ×Q×VL+G・・・・・(1)
ここで、水塊(Wmass)にはごく少量の炭酸ガスが溶け込んでいるが、ほとんどの成分は水道水であるため、ρ≒1である。
したがって、F≒Q×VL+Gと表せる。
すなわち、水道水配管1の内壁面にある付着・堆積物Mには、付着・堆積物Mに衝突する微小な体積流量Qと水塊(Wmass)の管内流速VL+Gとを乗じた衝撃力が加わることになる。この付着・堆積物Mに加わる衝撃力は、次々に発生する水塊(Wmass)により繰り返されるため、管内壁から付着・堆積物Mを確実に除去することができる。水塊(Wmass)の流速は、炭酸ガスの注入により増速された管内平均流速VL+Gであるため、付着・堆積物Mに加わる衝撃力を大きくすることができる。そして、繰り返し発生する水塊(Wmass)により、配管の内壁面の全体の付着・堆積物(汚れ)をかき取るように物理的な力(剪断力)が作用し、管内を洗浄することができる。
【0013】
上述した基本概念から明らかなように、本発明の水道水配管の洗浄方法は、水道水が流れている水道水配管内に、炭酸ガスの注入と炭酸ガスの注入停止とを繰り返す炭酸ガスの間欠的な注入を行い、前記水道水配管内に炭酸ガスの注入により炭酸ガス空間を形成し、該炭酸ガス空間によって炭酸ガスの注入停止時に形成した水塊(Wmass)挟むサンドイッチ構造を形成し、前記水塊(Wmass)が前記水道水配管内を流れる際に配管の内壁面に付着および堆積した付着・堆積物に衝突して衝撃力を与え前記付着・堆積物を除去するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の好ましい態様は、前記水塊(Wmass)は、前記水道水配管の内壁面の全周に接触していることを特徴とするものである。
本発明によれば、水塊(Wmass)が水道水配管の内壁面の全周に接触しているため、水塊(Wmass)の高速流によって、配管の内壁面の全周の汚れをかき取ることができる。
【0015】
本発明の好ましい態様は、前記水道水配管の断面積をA、前記水道水配管内を流れている水道水の流量をQ、前記水道水配管内に注入される炭酸ガスの流量をQとすると、炭酸ガスの注入停止時の管内平均流速は、V=Q/Aであり、炭酸ガスを注入することにより管内平均流速は、VL+G=(Q+Q)/Aに増速されることを特徴とする。
本発明によれば、炭酸ガスを注入しない場合には、管内平均流速は、V=Q/Aであるのに対し、炭酸ガスを注入することにより管内平均流速は、VL+G=(Q+Q)/Aとなり、炭酸ガスの注入により管内平均流速を増速することができる。したがって、水塊(Wmass)から管内壁面の付着・堆積物に与える衝撃力を大きくすることができる。
【0016】
さらに発明者らは、所定範囲の炭酸ガスの供給流速、所定範囲の水道水の流速、および炭酸ガスを所定の注入頻度で管内に供給して洗浄を行うことにより、効果的に管内の付着・堆積物を除去することができるという知見を得るに至った。すなわち、本発明者らは、管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3m/sec以上に、かつ炭酸ガスの管内相当流速を3m/sec以上に、かつ炭酸ガスの間欠注入を、注入4〜5秒に、停止を1〜2秒に設定することにより、水塊(Wmass)が2つの炭酸ガス空間によりサンドイッチされた高速の気液二相流を効率的に発生させ、この気液二相流が管路の内壁面に対して衝撃力を与えることによって管内壁面の付着・堆積物を除去することが可能であるという知見を得た。
【0017】
本発明の好ましい態様は、このような知見に基づいてなされたものであって、前記水道水配管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3m/sec以上に、かつ炭酸ガスの管内相当流速を3m/sec以上に、かつ炭酸ガスの間欠注入を、注入4〜5秒に、停止を1〜2秒に設定することを特徴とするものである。
【0018】
なお、上記管路の洗浄をより効率的に行うには、管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3〜0.7m/secに、かつ炭酸ガスの管内相当流速を3〜8m/secに、かつ炭酸ガスの間欠注入を、注入4秒に、停止を2秒に設定することが望ましい。
【0019】
さらに、本発明者らは、炭酸ガスは通水中の水道水配管に間欠的に注入されるため、通水中の水道水の炭酸ガスの溶解量に濃淡の差がでるため、水塊(Wmass)が2つの炭酸ガス空間でサンドイッチされた気液二相流をより安定させ、さらに高速の気液二相流を得るため、水道水配管に飽和炭酸水を連続的に注入し、水道水の炭酸ガス溶解濃度を均一に保つことが必要であるという知見を得るに至った。
本発明の好ましい態様は、このような知見に基づいてなされたもので、前記水道水配管内に炭酸水を連続的に供給することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明者らは、前記水塊(Wmass)が2つの炭酸ガス空間でサンドイッチされた気液二相流をより安定させ、さらに高速の気液二相流を得るため、水道水配管の排水口から該配管内を負圧で吸引することにより、より高速の安定した気液二相流を得ることができるという知見を得た。
本発明の好ましい態様は、このような知見に基づいてなされたもので、前記水道水配管の排水口から前記水道水配管内を負圧で吸引することを特徴とするものである。
【0021】
本発明者らは、水道水配管内への炭酸ガスの間欠注入に加えて、水道水配管内への炭酸水の供給および水道水配管内を負圧で吸引する実験を繰返し行うことにより、所定範囲の飽和炭酸水の供給流量、所定範囲の炭酸ガスの供給流速、所定範囲の水道水の流速、および炭酸ガスを所定の注入頻度で管内に供給して洗浄を行うことにより、効果的に管内の付着・堆積物を除去することができるという知見を得るに至った。すなわち、本発明者らは、管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3m/sec以上に、かつ連続的に供給する飽和炭酸水の供給量を管内相当流速が0.05m/sec以上になるように、かつ炭酸ガスの管内相当流速を3m/sec以上に、かつ炭酸ガスの間欠注入を、注入4〜5秒に、停止を1〜2秒に、かつ配管内を吸引する吸引流量を管内相当流速が5m/sec以上になるように設定することにより、水塊(Wmass)が2つの炭酸ガス空間によりサンドイッチされた高速の気液二相流を効率的に発生させ、この気液二相流が管路の内壁面に対して衝撃力を与えることによって管内壁面の付着・堆積物を除去することが可能であるという知見を得た。
【0022】
本発明の好ましい態様は、このような知見に基づいてなされたものであって、前記水道水配管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3m/sec以上に、かつ炭酸ガスの管内相当流速を3m/sec以上に、かつ炭酸ガスの間欠注入を、注入4〜5秒に、停止を1〜2秒に設定し、さらに、飽和炭酸水を連続的に加え、その供給量を管内相当流速が0.05m/sec以上となるように、さらに、配管内を吸引する吸引流量を管内相当流速が5m/sec以上となるように設定することを特徴とするものである。
【0023】
なお、上記管路の洗浄をより効率的に行うには、管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3〜0.7m/secに、かつ連続的に供給する飽和炭酸水の管内相当流速を0.05m/sec〜0.25m/sec、かつ炭酸ガスの管内相当流速を3〜8m/secに、かつ炭酸ガスの間欠注入を、注入4秒に、停止を2秒、かつ配管内を吸引する吸引流量を管内相当流速が5m/sec〜12m/secになるように設定することが望ましい。
【0024】
本発明の水道水配管の洗浄装置は、水道水が流れている水道水配管内に、炭酸ガスの注入と炭酸ガスの注入停止とを繰り返す炭酸ガスの間欠的な注入を行う炭酸ガス注入装置を設け、前記炭酸ガス注入装置を前記水道水配管に接続し、前記水道水配管内に炭酸ガスの注入により炭酸ガス空間を形成し、該炭酸ガス空間によって炭酸ガスの注入停止時に形成した水塊(Wmass)を挟むサンドイッチ構造を形成し、前記水塊(Wmass)が前記水道水配管内を流れる際に配管の内壁面に付着および堆積した付着・堆積物に衝突して衝撃力を与え前記付着・堆積物を除去するようにしたことを特徴とするものである。
本発明の好ましい態様は、前記水道水配管内に炭酸水を連続的に供給する炭酸水製造装置を備えたことを特徴とするものである。
本発明の好ましい態様は、前記水道水配管の排出口から前記水道水配管内を負圧で吸引する真空発生装置を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、通水中の水道水配管内に間欠的に炭酸ガスを注入することにより、水塊(Wmass)が2つの炭酸ガス空間によりサンドイッチされた高速の気液二相流を効率的に発生させ、この気液二相流が管路の内壁面に対して衝撃力を与えることによって管内壁面の付着・堆積物を除去することができる。したがって、強力な洗浄効果が得られるとともに洗浄時間の短縮が図れ、洗浄効率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、水道水配管内に炭酸ガスを間欠的に注入する場合の配管内の流体の流れ状態を示す模式図である。
【図2】図2は、図1(d)の要部拡大図であり、水道水配管の半断面図である。
【図3】図3は、本発明に係る水道水配管の洗浄方法および装置の第1の実施形態を示す概略図である。
【図4】図4は、水道水配管内に炭酸ガスを間欠的に注入することにより、水塊(Wmass)が2つの炭酸ガス空間によりサンドイッチされた高速の気液二相流が形成された状態を示す模式図である。
【図5】図5は、本発明に係る水道水配管の洗浄方法および装置の第2の実施形態を示す概略図である。
【図6】図6は、水道水配管内に炭酸ガスを間欠的に注入することにより、水塊(Wmass)が2つの炭酸ガス空間によりサンドイッチされた高速の気液二相流が形成された状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る水道水配管の洗浄方法および装置の実施形態について図3乃至図6を参照して説明する。なお、図3乃至図6において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図3は、本発明に係る水道水配管の洗浄方法および装置の第1の実施形態を示す概略図である。図3において、洗浄対象配管10は、実際の水道水配管(水道管)を模擬したもので、口径100mmの配管11と、口径150mmの配管12と、配管内の流体の流れの状態を確認するための透明アクリル製の口径100mmの配管13および口径150mmの配管14と、炭酸ガス注入の為の消火栓を模擬した炭酸ガス注入座15と、洗浄排水排出口として使用する消火栓を模擬した排出口16と、水道水配管の洗浄対象範囲を仕切る仕切弁を模擬した閉止板17とから構成されている。
【0028】
洗浄対象配管10内に、炭酸ガスを間欠的に注入するための炭酸ガス注入装置20は、炭酸ガスボンベ21と、炭酸ガスボンベ21から供給された炭酸ガスを気化させる気化器22と、気化器22において気化された炭酸ガスを洗浄対象配管10に間欠的に注入するための電磁弁23と、電磁弁23を開閉するためのタイマ24とから構成されている。炭酸ガス注入装置20と洗浄対象配管10の炭酸ガス注入座15とは、ホース26により接続されており、ホース26には炭酸ガス注入装置20から供給される炭酸ガスの供給流量を測定する流量計27が設置されている。洗浄対象配管10内に注入される炭酸ガスは、安全面、衛生面から食品用炭酸ガスを使用する。また、水道水配管の複雑な分岐管、枝管等の理由から構造上エアポケットとなり、洗浄後の水道水使用に際し問題となるエアバーストを防止するためにも水道水に容易に溶解する炭酸ガスを使用する。
【0029】
洗浄対象配管10に水道水を供給する模擬の設備は、給水タンク30と、給水タンク30に貯水された水道水を圧送する給水ポンプ31と、給水ポンプ31から吐出された水道水の流量を調節する流量調節弁32と、流量調節弁32により調節された後の水道水の流量を測定する流量計33と、これらの各機器と洗浄対象配管10の入口端とを接続するホース34とから構成されている。
【0030】
また、洗浄対象配管10の排出口16から排出された洗浄排水を処理するための排水処理装置40は、洗浄排水を受入れ炭酸ガスを分離するための排水受けタンク41と、洗浄排水中の除去異物を回収するためのフィルタ42と、洗浄排水を中和処理するための中和タンク43と、洗浄排水を排水受けタンク41から中和タンク43に移送するための水中ポンプ44およびホース45と、中和タンク43内の中和後の洗浄排水を外部に移送するための水中ポンプ46およびホース47とから構成されている。
【0031】
図3に示すように構成された洗浄装置を用いて、炭酸ガス注入装置20から洗浄対象配管10内に炭酸ガスを間欠的に注入することにより、図4に示すように、炭酸ガス空間S1と炭酸ガス空間S2に挟まれた水塊(Wmass)のサンドイッチ構造が順次形成される。図4に示す流体の状態は、透明アクリル製配管13,14において確認することができる。そして、炭酸ガスの容積増により加速された水塊(Wmass)の内壁面に与える衝撃力によって管内の付着・堆積物の剥離除去が促進される。炭酸ガス空間S1と炭酸ガス空間S2に挟まれた水塊(Wmass)が管内を移動する際に管内壁面に付着・堆積している付着・堆積物(汚れ)を除去するメカニズムは、図2に示した通りである。
【0032】
図3に示すように構成された洗浄装置を用い、水道水の管内相当流速、炭酸ガスの管内相当流速、および炭酸ガスの間欠注入頻度をパラメータとして試験を行い、洗浄対象配管10の中に組込まれた透明アクリル製配管13,14にて配管内面の付着・堆積物除去に必要な衝撃力を与える高速の気液二相流を発生させる諸条件について検討した。その結果、管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3m/sec以上に、かつ炭酸ガスの管内相当流速を3m/sec以上に、かつ炭酸ガスの間欠注入を、注入4〜5秒に、停止を1〜2秒に設定することにより、水塊(Wmass)が2つの炭酸ガス空間S1,S2でサンドイッチされた高速の気液二相流を効率的に発生させることができ、高速の気液二相流が管路の内壁面に対して衝撃力を与えることによって管内壁面の付着・堆積物を除去することが可能であることを検証することができた。
【0033】
ここで、上記気液二相流における水道水の管内相当流速が0.3m/secを下回ったり、炭酸ガスの管内相当流速が3m/secを下回ったり、炭酸ガスの間欠注入が、注入4〜5秒、停止1〜2秒の範囲を逸脱すると、配管内面の付着物を除去するのに十分な高速の気液二相流を発生させることが困難となり、十分な管内洗浄が出来なくなることも判明した。また、上記水道水の管内相当流速を極端に高めても洗浄効果の著しい向上は見られず、例えば、上記水道水の管内相当流速を0.7m/secよりも大きな範囲に設定したり、あるいは炭酸ガスの管内相当流速を8m/secよりも大きな範囲に設定しても著しい気液二相流の向上は見られず、逆に水道水および炭酸ガスの無駄な消費の増大に繋がりコストアップになる恐れがある。また、単に上記水道水の管内相当流速を0.7m/secよりも大きな範囲に設定したりすると炭酸ガスの水への溶解量が増大し良好な気液二相流が発生しなかった。これらの実験結果から洗浄条件としては、管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3〜0.7m/secに、かつ炭酸ガスの管内相当流速を3〜8m/secに、かつ炭酸ガスの間欠注入頻度を、注入4秒、停止を2秒に設定することが望ましい。
【0034】
次に、水道水の管内相当流速、炭酸ガスの管内相当流速、および炭酸ガスの間欠注入頻度をパラメータとして試験を行った結果を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
図5は、本発明に係る水道水配管の洗浄方法および装置の第2の実施形態を示す概略図である。図5に示す第2の実施形態の洗浄装置は図3に示す第1の実施形態の洗浄装置に炭酸水製造装置50および真空発生装置60等を追加した構成を有している。すなわち、炭酸ガス注入装置20の気化器22の出口から分岐した配管28は、炭酸水製造装置50に接続されている。炭酸水製造装置50は、炭酸水製造用水タンク51、炭酸水製造用ポンプ52、炭酸水流量計53、炭酸水製造ユニット54とから構成されている。炭酸水製造装置50は、炭酸ガス注入装置20の気化器22から供給される炭酸ガスを水道水に溶解させて飽和炭酸水を製造するようになっている。炭酸水製造装置50の炭酸水製造ユニット54は、ホース29によって炭酸ガス注入座15に接続されており、洗浄対象配管10に飽和炭酸水が連続的に供給できるようになっている。
【0037】
また、図5に示す第2の実施形態の洗浄装置においては、洗浄対象配管10の排出口16から排出された洗浄排水を処理するための排水処理装置40は、負圧タンク37を備えている。洗浄対象配管10の排出口16は耐圧ホース38を介して負圧タンク37に接続されている。また、負圧タンク37は吸引ホース39を介して真空発生装置60に接続されており、真空発生装置60によって負圧タンク37を負圧することで、耐圧ホース38を介して洗浄対象配管10の洗浄排水、炭酸ガス等を吸引できるようにしている。また、排水処理装置40は、洗浄排水を受入れ炭酸ガスを分離するための前記負圧タンク37と、洗浄排水中の除去異物を回収するためのフィルタ42と、洗浄排水を中和処理するための中和タンク43と、洗浄排水を負圧タンク37から中和タンク43に移送するための水中ポンプ44およびホース45と、中和タンク43内の中和後の洗浄排水を外部に移送するための水中ポンプ46およびホース47とから構成されている。
【0038】
図5に示すように構成された洗浄装置を用いて、炭酸ガス注入装置20から洗浄対象配管10内に炭酸ガスを間欠的に注入することにより、図6に示すように、炭酸ガス空間S1と炭酸ガス空間S2に挟まれた水塊(Wmass)のサンドイッチ構造が順次形成される。図6に示す流体の状態は、透明アクリル製配管13,14において確認することができる。そして、炭酸ガスの容積増により加速された水塊(Wmass)の内壁面に与える衝撃力によって管内の付着・堆積物の剥離除去が促進される。炭酸ガス空間S1と炭酸ガス空間S2に挟まれた水塊(Wmass)が管内を移動する際に管内壁面に付着・堆積している付着・堆積物(汚れ)を除去するメカニズムは、図2に示した通りである。
【0039】
炭酸ガスは通水中の水道水配管に間欠的に注入されるため、通水中の水道水の炭酸ガスの溶解量に濃淡の差がでるため、水塊(Wmass)が2つの炭酸ガス空間S1,S2でサンドイッチされた高速の気液二相流を安定して得るために飽和炭酸水を連続して供給する。これにより、間欠的に炭酸ガスが供給される水道水の炭酸ガス濃度はほぼ均一となり、安定した高速の気液二相流を得ることができ、管内に付着・堆積した付着・堆積物を剥離・除去する洗浄作用を促進することができる。
【0040】
また、洗浄対象配管10の排出口16に接続された負圧タンク37に真空発生装置60を連結することにより、洗浄対象配管10の配管内を負圧で吸引することができ、配管内の系統圧力差が増大し、高速の気液二相流が飛躍的に増大し、管内の付着・堆積物を剥離・除去する洗浄作用を促進することができる。
【0041】
図5に示すように構成された洗浄装置を用い、水道水の管内相当流速、飽和炭酸水の管内相当流速、炭酸ガスの管内相当流速、および炭酸ガスの間欠注入頻度をパラメータとして試験を行い、洗浄対象配管10の中に組込まれた透明アクリル製配管13,14にて配管内面の付着・堆積物除去に必要な衝撃力を与える高速の気液二相流を発生させる諸条件について検討した。その結果、管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3m/sec以上に、かつ連続的に供給する飽和炭酸水の供給量を管内相当流速が0.05m/sec以上になるように、かつ炭酸ガスの管内相当流速を3m/sec以上に、かつ炭酸ガスの間欠注入を、注入4〜5秒に、停止を1〜2秒に設定することにより、水塊(Wmass)が2つの炭酸ガス空間S1,S2でサンドイッチされた高速の気液二相流を効率的に発生させることができ、高速の気液二相流が管路の内壁面に対して衝撃力を与えることによって管内壁面の付着・堆積物を除去することが可能であることを検証することができた。
【0042】
ここで、上記気液二相流における水道水の管内相当流速が0.3m/secを下回ったり、炭酸ガスの管内相当流速が3m/secを下回ったり、炭酸ガスの間欠注入が、注入4〜5秒、停止1〜2秒の範囲を逸脱すると、配管内面の付着物を除去するのに十分な高速の気液二相流を発生させることが困難となり、十分な管内洗浄が出来なくなることも判明した。また、上記水道水の管内相当流速を極端に高めても洗浄効果の著しい向上は見られず、例えば、上記水道水の管内相当流速を0.7m/secよりも大きな範囲に設定したり、あるいは炭酸ガスの管内相当流速を8m/secよりも大きな範囲に設定しても著しい気液二相流の向上は見られず、逆に水道水および炭酸ガスの無駄な消費の増大に繋がりコストアップになる恐れがある。また、連続的に供給する飽和炭酸水の供給量を管内相当流速が0.25m/sec以上になるようにし、配管内を吸引する吸引流量を管内相当流速が12m/sec以上になるようにしても、供給設備が過大となり効果的ではなかった。また、単に上記水道水の管内相当流速を0.7m/secよりも大きな範囲に設定したりすると炭酸ガスの水への溶解量が増大し良好な気液二相流が発生しなかった。これらの実験結果から洗浄条件としては、管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3〜0.7m/secに、かつ連続的に供給する飽和炭酸水の供給量を管内相当流速が0.05m/sec〜0.25m/secになるように、かつ炭酸ガスの管内相当流速を3〜8m/secに、かつ炭酸ガスの間欠注入頻度を、注入4秒、停止を2秒に、かつ配管内を吸引する吸引流量を管内相当流速が5m/sec〜12m/secになるように設定することが望ましい。
【0043】
次に、水道水の管内相当流速、飽和炭酸水の管内相当流速、炭酸ガスの管内相当流速、負圧による吸引時の管内相当流速、および炭酸ガスの間欠注入頻度をパラメータとして試験を行った結果を表2に示す。
【0044】
【表2】

【0045】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0046】
1 水道水配管
2 炭酸ガス注入口
3 排出口
4 閉止板
10 洗浄対象配管
11〜14 配管
15 炭酸ガス注入座
16 排出口
17 閉止板
20 炭酸ガス注入装置
21 炭酸ガスボンベ
22 気化器
23 電磁弁
24 タイマ
26 ホース
27 流量計
28 配管
29 ホース
30 給水タンク
31 給水ポンプ
32 流量調節弁
33 流量計
34 ホース
37 負圧タンク
38 耐圧ホース
39 吸引ホース
40 排水処理装置
41 排水受けタンク
42 フィルタ
43 中和タンク
44 水中ポンプ
45 ホース
46 水中ポンプ
47 ホース
50 炭酸水製造装置
51 炭酸水製造用タンク
52 炭酸水製造用ポンプ
53 炭酸水流量計
54 炭酸水製造ユニット
60 真空発生装置
S1,S2 炭酸ガス空間
Wmass 水塊

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道水が流れている水道水配管内に、炭酸ガスの注入と炭酸ガスの注入停止とを繰り返す炭酸ガスの間欠的な注入を行い、
前記水道水配管内に炭酸ガスの注入により炭酸ガス空間を形成し、該炭酸ガス空間によって炭酸ガスの注入停止時に形成した水塊を挟むサンドイッチ構造を形成し、
前記水塊が前記水道水配管内を流れる際に配管の内壁面に付着および堆積した付着・堆積物に衝突して衝撃力を与え前記付着・堆積物を除去するようにしたことを特徴とする水道水配管の洗浄方法。
【請求項2】
前記水塊は、前記水道水配管の内壁面の全周に接触していることを特徴とする請求項1記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項3】
前記水道水配管の断面積をA、前記水道水配管内を流れている水道水の流量をQ、前記水道水配管内に注入される炭酸ガスの流量をQとすると、炭酸ガスの注入停止時の管内平均流速は、V=Q/Aであり、炭酸ガスを注入することにより管内平均流速は、VL+G=(Q+Q)/Aに増速されることを特徴とする請求項1または2記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項4】
前記水道水配管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3m/sec以上に、かつ炭酸ガスの管内相当流速を3m/sec以上に、かつ炭酸ガスの間欠注入を、注入4〜5秒に、停止を1〜2秒に設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項5】
前記水道水配管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3〜0.7m/secに設定することを特徴とする請求項4記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項6】
前記水道水配管内を流れる炭酸ガスの管内相当流速を3〜8m/secに設定することを特徴とする請求項4または請求項5記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項7】
前記水道水配管内に注入する炭酸ガスの間欠注入時間を、注入4秒に、停止を2秒に設定することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項8】
前記水道水配管内に炭酸水を連続的に供給することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項9】
前記水道水配管の排出口から前記水道水配管内を負圧で吸引することを特徴とする請求項8記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項10】
前記水道水配管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3m/sec以上に、かつ、連続的に注入する飽和炭酸水の管内相当流速を0.05m/sec以上に、かつ炭酸ガスの管内相当流速を3m/sec以上に、かつ炭酸ガスの間欠注入頻度を、注入4〜5秒に、停止を1〜2秒に、かつ水道水配管内を吸引する吸引流量を管内相当流速が5m/sec以上になるように設定することを特徴とする請求項9記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項11】
前記水道水配管内を流れる水道水の管内相当流速を0.3〜0.7m/secに設定することを特徴とする請求項10記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項12】
前記水道水配管内を流れる炭酸ガスの管内相当流速を3〜8m/secに設定することを特徴とする請求項10または11記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項13】
前記水道水配管内に注入する炭酸ガスの間欠注入時間を、注入4秒に、停止を2秒に設定することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項14】
前記水道水配管内を流れる飽和炭酸水の管内相当流速を0.05〜0.25m/secに設定することを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項15】
前記水道水配管内を吸引する吸引流量を管内相当流速が5〜12m/secになるように設定することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の水道水配管の洗浄方法。
【請求項16】
水道水が流れている水道水配管内に、炭酸ガスの注入と炭酸ガスの注入停止とを繰り返す炭酸ガスの間欠的な注入を行う炭酸ガス注入装置を設け、
前記炭酸ガス注入装置を前記水道水配管に接続し、前記水道水配管内に炭酸ガスの注入により炭酸ガス空間を形成し、該炭酸ガス空間によって炭酸ガスの注入停止時に形成した水塊を挟むサンドイッチ構造を形成し、
前記水塊が前記水道水配管内を流れる際に配管の内壁面に付着および堆積した付着・堆積物に衝突して衝撃力を与え前記付着・堆積物を除去するようにしたことを特徴とする水道水配管の洗浄装置。
【請求項17】
前記水道水配管内に炭酸水を連続的に供給する炭酸水製造装置を備えたことを特徴とする請求項16記載の水道水配管の洗浄装置。
【請求項18】
前記水道水配管の排出口から前記水道水配管内を負圧で吸引する真空発生装置を備えたことを特徴とする請求項16または17記載の水道水配管の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−55845(P2012−55845A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202739(P2010−202739)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(591172663)荏原工業洗浄株式会社 (17)
【Fターム(参考)】