汚泥乾燥装置
【課題】 汚泥を効率よく乾燥することができる汚泥乾燥装置を提供すること。
【解決手段】 円筒型容器20内で汚泥をスクリュー30で攪拌して乾燥させる汚泥乾燥装置10において、スクリュー30の回転軸31が横向きであり、スクリュー30の螺旋状羽根32の間隔が乾燥汚泥の排出口23側にて狭くなること。さらに、汚泥投入口22に、汚泥投入口22を複数の部分に区分する補助部材が取付けられていること。さらに、螺旋状羽根32の軸方向に伸びた、汚泥加熱用流体を通すパイプを螺旋状羽根32の周縁部に固定したこと。さらに、前記パイプの前記回転軸の周りの回転方向の側面側に鋸歯状の造粒板を配設したこと。
【解決手段】 円筒型容器20内で汚泥をスクリュー30で攪拌して乾燥させる汚泥乾燥装置10において、スクリュー30の回転軸31が横向きであり、スクリュー30の螺旋状羽根32の間隔が乾燥汚泥の排出口23側にて狭くなること。さらに、汚泥投入口22に、汚泥投入口22を複数の部分に区分する補助部材が取付けられていること。さらに、螺旋状羽根32の軸方向に伸びた、汚泥加熱用流体を通すパイプを螺旋状羽根32の周縁部に固定したこと。さらに、前記パイプの前記回転軸の周りの回転方向の側面側に鋸歯状の造粒板を配設したこと。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状容器内で汚泥を乾燥する汚泥乾燥装置に関し、特に汚泥を効率よく乾燥することができる汚泥乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、汚泥を筒型容器内で乾燥させる横型汚泥乾燥装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この場合、スチームジャケットを備えたケーシング内にスクリュー羽根を設けた回転軸を配設し、ジャケットと回転軸とスクリュー羽根に加熱蒸気を供給して、ケーシング内に投入された汚泥を加熱し、乾燥させている。
【特許文献1】特開平8−206698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述の従来例では、汚泥が乾燥するにしたがって、その水分が蒸発して体積が減少するにもかかわらず、スクリューの螺旋状羽根の回転軸方向の間隔(ピッチ)がケーシング内において等間隔であるので、汚泥が乾燥するほど前記螺旋状羽根の間に存在する汚泥の密度が低下して、汚泥の乾燥効率が低下するという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、汚泥を効率よく乾燥できる汚泥乾燥装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、筒型容器内で汚泥をスクリューで攪拌して乾燥させる汚泥乾燥装置において、前記スクリューの回転軸が横向きであり、前記スクリューの螺旋状羽根の間隔が汚泥排出側にて狭くなることを特徴とする汚泥乾燥装置である。
これにより、筒型容器内で汚泥をスクリューで攪拌して乾燥させる汚泥乾燥装置において、前記スクリューの回転軸が横向きであり、前記スクリューの回転により送られる乾燥途中の汚泥の水分が蒸発することにより、汚泥の体積が減少し粉状になるが、前記スクリューの螺旋状羽根の間隔が汚泥排出側にて狭くなるので、前記スクリューの螺旋状羽根間に存在する汚泥の密度の変化を少なくすることができる。
【0005】
さらに、請求項2記載の発明は、請求項1に記載した汚泥乾燥装置であって、前記汚泥の投入口に、この投入口を複数の部分に区分する補助部材が取付けられていることを特徴とする汚泥乾燥装置である。
これにより、汚泥の投入口が補助部材により複数の部分に区分されているので、汚泥の投入口から筒型容器内に投入される汚泥を細分することができる。
【0006】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載した汚泥乾燥装置であって、前記螺旋状羽根の軸方向に伸びた、汚泥加熱用流体を通すパイプを前記螺旋状羽根の周縁部に固定したことを特徴とする汚泥乾燥装置である。
これにより、前記螺旋状羽根の軸方向に伸びた、汚泥加熱用流体を通すパイプを前記螺旋状羽根の周縁部に固定したことにより、汚泥を加熱することが容易になる。
【0007】
さらに、請求項4記載の発明は、請求項3に記載した汚泥乾燥装置であって、前記パイプの前記回転軸の周りの回転方向の側面側に鋸歯状の造粒板を配設したことを特徴とする汚泥乾燥装置である。
これにより、鋸歯状の造粒板により汚泥を粉砕しつつ汚泥をパイプ内の汚泥乾燥用流体の熱で乾燥することができる。
【0008】
さらに、請求項5記載の発明は、請求項1から4までのいずれかに記載した汚泥乾燥装置であって、前記汚泥乾燥装置内にて汚泥の乾燥により発生した蒸気を冷却する冷却装置を備え、前記冷却装置は前記冷却装置内にて前記蒸気が冷却されて発生する水の中に含まれる粉塵のうち前記冷却装置内に付着した粉塵を、前記発生した水を循環させて洗浄することを特徴とする汚泥乾燥装置である。
これにより、前記汚泥乾燥装置内にて汚泥の乾燥により発生した蒸気を冷却する冷却装置を備え、前記冷却装置は前記冷却装置内にて前記蒸気が冷却されて発生する水の中に含まれる粉塵のうち前記冷却装置内に付着した粉塵を、前記発生した水を循環させて洗浄するので、冷却装置の粉塵による詰まりを防ぎつつ前記蒸気を冷却することができる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、汚泥の乾燥を効率よく行うことができる。
さらに、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果とともに、汚泥を一層効率よく乾燥することができる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果とともに、汚泥の加熱、乾燥が容易になる。
さらに、請求項4記載の発明によれば、請求項1から3までのいずれかに記載の発明の効果とともに、汚泥を粉砕して加熱することが容易になる。
さらに、請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果とともに、特別な線浄水を使わないで冷却装置の洗浄ができ、この冷却装置により汚泥乾燥装置から排出される汚泥乾燥による蒸気の冷却が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る汚泥乾燥装置の概略を示し、図2は前記汚泥乾燥装置において発生する蒸気を冷却する冷却装置を示し、図3は図1の汚泥乾燥装置の外観の正面を示し、図4は図3のA−A断面を示し、図5は図1の汚泥乾燥装置の内部構造を示す。さらに、図6は図1の汚泥乾燥装置の投入口に取り付ける補助部材を示し、(a)は平面を示し、(b)は正面を示す。図7は汚泥乾燥装置内の加熱流体用パイプ等を示し、図8は図7の一部分を拡大して示し、図9は図8の造粒板を示す。さらに、図10は図2の冷却装置の一部分を示し、図11は図10のB−B断面を示す。
【0011】
図1に示すように、汚泥乾燥装置10は、横向きの円筒型容器20を備えている。円筒型容器20の側壁21の図示左端部の側面に汚泥投入口22(図4参照)が形成され、側壁21の図示右端部の下面に乾燥した粉状の汚泥を排出する排出口23(図4参照)が形成され、側壁21の図示右端部の上面に蒸気排出口24(図4参照)が形成されている。
汚泥投入口22に、図6に示す補助部材25が取付けられている。補助部材25は、図6(b)に示すように中心軸25a、中心軸25aから放射状に延びる複数のプレート25bおよび各プレート25bの先端部を連結するリング状の取付部25cを備えている。図6(a)に示すように、取付部25cの複数の孔25dのそれぞれを汚泥投入口22の縁にボルト25eにより取り付けると、補助部材25の各プレート25bにより汚泥投入口22を複数の部分に区分することができる。
なお、図3に示すように、円筒型容器20は、脚27a、27b、27cにより地面60上に固定されている。なお、円筒型容器20の中心軸方向は汚泥投入口22側よりも排出口23側が若干上になるように傾斜している。
【0012】
円筒型容器20の外側を取り巻くように円筒型のジャケット26が配設されている。ジャケット26の蒸気入口26a、26bはパイプ11aにより電磁弁12を介して図示しない蒸気源に接続されている。また、ジャケット26の蒸気出口26cはパイプ11bにより電磁弁13を介して蒸気ドレインに接続されている。ジャケット26内の蒸気により円筒型容器20内の汚泥を加熱することができる。
【0013】
図1に示すように、円筒型容器20内にスクリュー30が配置されている(図7参照)。スクリュ−30は汚泥を攪拌して乾燥させるものである。スクリュー30の回転軸31は横向きであり、スクリュー30の回転軸31の方向は円筒型容器20の中心軸方向と同じである。スクリュー30の螺旋状羽根32の間隔Lは排出口23側になるほど狭くなっている。
スクリュー30を回転させる動力となるモータ35が配設されている。モータ35は例えばインバータで回転数を制御されるものである。そして、モータ35により回転するスクリュー30の螺旋状羽根32は円筒型容器20内の汚泥を汚泥投入口22側から排出口23側に搬送する。
【0014】
図5に示すように、螺旋状羽根32の回転軸31方向に伸びた、汚泥加熱用流体の一例としての蒸気を通す20本のパイプ33(図7参照)を螺旋状羽根32の周縁部32aに取付部材33a(図7参照)を介して固定している。各パイプ33は回転軸31の中空部に接続され、図1に示すように、回転軸31の中空部は回転軸31の図示左端部においてパイプ11aに接続されている。このため、各パイプ33にパイプ11aを介して汚泥加熱用の蒸気が供給されている。なお、各パイプ33と側壁21との間隔は約3〜8mmである。
そして、各パイプ33の排出口23側端部は回転軸31内の中空部を通る図示しない排出用パイプに接続され、この排出用パイプは回転軸31の図示左端部にてパイプ11cおよび電磁弁14を経由して蒸気ドレインに接続されている。
さらに、図7および図8に示すように、各パイプ33の回転軸31の周りの回転方向31aの側面側に造粒板34を配設している。図9に示すように、造粒板34の側壁21側の端部は鋸歯状34aに形成されている。
【0015】
図2に示すように、汚泥乾燥装置10内にて汚泥の乾燥により発生した蒸気(乾燥蒸気)が蒸気排出口24から前記蒸気を冷却する冷却装置40に送られる。冷却装置40は冷却装置40内にて前記蒸気が冷却されて発生する水の中に含まれる粉塵のうち冷却装置40内に付着した粉塵を、前記発生した水を循環させて洗浄する。
具体的には、以下のようになる。すなわち、冷却装置40のケーシング41の上部の内面に蒸気入口42が下から上に突出している。この蒸気入口42は円筒型容器20の蒸気排出口24に接続されている。そして、蒸気は矢印42a(図11参照)で示すように、蒸気入口42からケーシング41内に流れ込む。ケーシング41内の下部に冷却部43が設けられ、さらに冷却部43の下側にタンク44が配設されている。ケーシング41内の前記蒸気は冷却部43にて冷却されて水となり、この水はタンク44に溜まる。
【0016】
タンク44内の水を吸引する洗浄水ポンプ45が配設され、この洗浄水ポンプ45がタンク44内の水を汲み上げてノズル46、47から噴出させてケーシング41内の洗浄に使用する。ここで、図10に示すように、ノズル46はノズル46a、46bの2つのノズルからなり、ノズル46a、46bはそれぞれ矢印46x、46yで示す方向(粉塵をケーシング41内の左方に流して、冷却部43の方に落下させる方向)に水を噴出して、蒸気入口42の近傍のケーシング41内を洗浄する。また、図2に示すようにノズル47は矢印47xで示す方向(下方)に水を噴出し、ケーシング41内の冷却部43を洗浄する。この洗浄により、蒸気入口42からケーシング41内に流れ込む蒸気に含まれている粉塵がケーシング41内に付着することを防ぐことができる。
なお、クーリングタワー50は冷媒を冷却し、冷却された冷媒は循環用ポンプ51により冷却部43に送られ、前記蒸気の冷却に使用されて温度が上がり、その後、クーリングタワー50に送られて冷却される。
【0017】
上記構成の汚泥乾燥装置10は以下の動作をする。
円筒型容器20内で汚泥をスクリュー30で攪拌して乾燥させる汚泥乾燥装置10において、スクリュー30の回転軸31が横向きであり、スクリュー30の回転により送られる乾燥途中の汚泥の水分が蒸発することにより、汚泥の体積が減少し粉状になるが、スクリュー30の螺旋状羽根32の間隔Lが汚泥排出側にて狭くなるので、スクリュー30の螺旋状羽根32間に存在する汚泥の密度の変化を少なくすることができる。このため、円筒型容器20内の汚泥に対する伝熱係数が高くなり、汚泥の乾燥を効率よく行うことができる。
【0018】
さらに、汚泥投入口22が補助部材25により複数の部分に区分されているので、汚泥投入口22から円筒型容器20内に投入される汚泥が細分化されて、その表面積が増加するので、汚泥に対する伝熱が良好となり、汚泥を効率よく乾燥することができる。図1に示すように、乾燥した粉粒状の汚泥は排出口23から排出されて収納袋61に収納される。この場合、乾燥した粉粒状の汚泥の径は約0.1〜1.5mmである。
さらに、螺旋状羽根32の回転軸31方向に伸びた、汚泥加熱用流体を通すパイプ33を螺旋状羽根32の周縁部32aに固定したことにより、汚泥を乾燥することが容易になる。
さらに、造粒板34の鋸歯34aにより汚泥を粉砕しつつ汚泥をパイプ33内の汚泥乾燥用流体の熱で乾燥することができる。
【0019】
さらに、汚泥乾燥装置10内にて汚泥の乾燥により発生した蒸気を冷却する冷却装置40を備え、冷却装置40は冷却装置40内にて前記蒸気が冷却されて発生する水の中に含まれる粉塵のうち冷却装置40内に付着した粉塵を、前記発生した水を循環させて洗浄するので、冷却装置40の粉塵による詰まりを防ぎつつ前記蒸気を冷却することができる。
【0020】
なお、上記実施の形態において、冷却装置40が使用されているが、冷却装置40はなくてもよい。
また、円筒型容器20の中心軸方向は水平方向でもよい。
また、円筒型容器20が使用されているが、これに限定されず、筒型容器内にスクリュー30が配設可能であれば、円筒型容器20以外の筒型容器でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係る汚泥乾燥装置の概略を示す説明図である。
【図2】前記汚泥乾燥装置において発生する蒸気を冷却する冷却装置を示す説明図である。
【図3】図3は図1の汚泥乾燥装置の外観の正面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図1の汚泥乾燥装置の内部構造を示す正面図である。
【図6】図1の汚泥乾燥装置の汚泥投入口に取り付ける補助部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。
【図7】汚泥乾燥装置内の加熱流体用パイプ等を示す部分図である。
【図8】図7の一部分を拡大して示す部分図である。
【図9】図8の造粒板を示す部分図である。
【図10】図2の冷却装置の一部分を示す部分図である。
【図11】図10のB−B断面図である。
【符号の説明】
【0022】
10 汚泥乾燥装置
20 円筒型容器(筒型容器)
21 側壁
22 汚泥投入口
25 補助部材
30 スクリュー
31 回転軸
31a 回転方向
32 螺旋状羽根
32a 周縁部
33 パイプ
34 造粒板
34a 鋸歯
40 冷却装置
L 間隔
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状容器内で汚泥を乾燥する汚泥乾燥装置に関し、特に汚泥を効率よく乾燥することができる汚泥乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、汚泥を筒型容器内で乾燥させる横型汚泥乾燥装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この場合、スチームジャケットを備えたケーシング内にスクリュー羽根を設けた回転軸を配設し、ジャケットと回転軸とスクリュー羽根に加熱蒸気を供給して、ケーシング内に投入された汚泥を加熱し、乾燥させている。
【特許文献1】特開平8−206698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述の従来例では、汚泥が乾燥するにしたがって、その水分が蒸発して体積が減少するにもかかわらず、スクリューの螺旋状羽根の回転軸方向の間隔(ピッチ)がケーシング内において等間隔であるので、汚泥が乾燥するほど前記螺旋状羽根の間に存在する汚泥の密度が低下して、汚泥の乾燥効率が低下するという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、汚泥を効率よく乾燥できる汚泥乾燥装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、筒型容器内で汚泥をスクリューで攪拌して乾燥させる汚泥乾燥装置において、前記スクリューの回転軸が横向きであり、前記スクリューの螺旋状羽根の間隔が汚泥排出側にて狭くなることを特徴とする汚泥乾燥装置である。
これにより、筒型容器内で汚泥をスクリューで攪拌して乾燥させる汚泥乾燥装置において、前記スクリューの回転軸が横向きであり、前記スクリューの回転により送られる乾燥途中の汚泥の水分が蒸発することにより、汚泥の体積が減少し粉状になるが、前記スクリューの螺旋状羽根の間隔が汚泥排出側にて狭くなるので、前記スクリューの螺旋状羽根間に存在する汚泥の密度の変化を少なくすることができる。
【0005】
さらに、請求項2記載の発明は、請求項1に記載した汚泥乾燥装置であって、前記汚泥の投入口に、この投入口を複数の部分に区分する補助部材が取付けられていることを特徴とする汚泥乾燥装置である。
これにより、汚泥の投入口が補助部材により複数の部分に区分されているので、汚泥の投入口から筒型容器内に投入される汚泥を細分することができる。
【0006】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載した汚泥乾燥装置であって、前記螺旋状羽根の軸方向に伸びた、汚泥加熱用流体を通すパイプを前記螺旋状羽根の周縁部に固定したことを特徴とする汚泥乾燥装置である。
これにより、前記螺旋状羽根の軸方向に伸びた、汚泥加熱用流体を通すパイプを前記螺旋状羽根の周縁部に固定したことにより、汚泥を加熱することが容易になる。
【0007】
さらに、請求項4記載の発明は、請求項3に記載した汚泥乾燥装置であって、前記パイプの前記回転軸の周りの回転方向の側面側に鋸歯状の造粒板を配設したことを特徴とする汚泥乾燥装置である。
これにより、鋸歯状の造粒板により汚泥を粉砕しつつ汚泥をパイプ内の汚泥乾燥用流体の熱で乾燥することができる。
【0008】
さらに、請求項5記載の発明は、請求項1から4までのいずれかに記載した汚泥乾燥装置であって、前記汚泥乾燥装置内にて汚泥の乾燥により発生した蒸気を冷却する冷却装置を備え、前記冷却装置は前記冷却装置内にて前記蒸気が冷却されて発生する水の中に含まれる粉塵のうち前記冷却装置内に付着した粉塵を、前記発生した水を循環させて洗浄することを特徴とする汚泥乾燥装置である。
これにより、前記汚泥乾燥装置内にて汚泥の乾燥により発生した蒸気を冷却する冷却装置を備え、前記冷却装置は前記冷却装置内にて前記蒸気が冷却されて発生する水の中に含まれる粉塵のうち前記冷却装置内に付着した粉塵を、前記発生した水を循環させて洗浄するので、冷却装置の粉塵による詰まりを防ぎつつ前記蒸気を冷却することができる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、汚泥の乾燥を効率よく行うことができる。
さらに、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果とともに、汚泥を一層効率よく乾燥することができる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果とともに、汚泥の加熱、乾燥が容易になる。
さらに、請求項4記載の発明によれば、請求項1から3までのいずれかに記載の発明の効果とともに、汚泥を粉砕して加熱することが容易になる。
さらに、請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果とともに、特別な線浄水を使わないで冷却装置の洗浄ができ、この冷却装置により汚泥乾燥装置から排出される汚泥乾燥による蒸気の冷却が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る汚泥乾燥装置の概略を示し、図2は前記汚泥乾燥装置において発生する蒸気を冷却する冷却装置を示し、図3は図1の汚泥乾燥装置の外観の正面を示し、図4は図3のA−A断面を示し、図5は図1の汚泥乾燥装置の内部構造を示す。さらに、図6は図1の汚泥乾燥装置の投入口に取り付ける補助部材を示し、(a)は平面を示し、(b)は正面を示す。図7は汚泥乾燥装置内の加熱流体用パイプ等を示し、図8は図7の一部分を拡大して示し、図9は図8の造粒板を示す。さらに、図10は図2の冷却装置の一部分を示し、図11は図10のB−B断面を示す。
【0011】
図1に示すように、汚泥乾燥装置10は、横向きの円筒型容器20を備えている。円筒型容器20の側壁21の図示左端部の側面に汚泥投入口22(図4参照)が形成され、側壁21の図示右端部の下面に乾燥した粉状の汚泥を排出する排出口23(図4参照)が形成され、側壁21の図示右端部の上面に蒸気排出口24(図4参照)が形成されている。
汚泥投入口22に、図6に示す補助部材25が取付けられている。補助部材25は、図6(b)に示すように中心軸25a、中心軸25aから放射状に延びる複数のプレート25bおよび各プレート25bの先端部を連結するリング状の取付部25cを備えている。図6(a)に示すように、取付部25cの複数の孔25dのそれぞれを汚泥投入口22の縁にボルト25eにより取り付けると、補助部材25の各プレート25bにより汚泥投入口22を複数の部分に区分することができる。
なお、図3に示すように、円筒型容器20は、脚27a、27b、27cにより地面60上に固定されている。なお、円筒型容器20の中心軸方向は汚泥投入口22側よりも排出口23側が若干上になるように傾斜している。
【0012】
円筒型容器20の外側を取り巻くように円筒型のジャケット26が配設されている。ジャケット26の蒸気入口26a、26bはパイプ11aにより電磁弁12を介して図示しない蒸気源に接続されている。また、ジャケット26の蒸気出口26cはパイプ11bにより電磁弁13を介して蒸気ドレインに接続されている。ジャケット26内の蒸気により円筒型容器20内の汚泥を加熱することができる。
【0013】
図1に示すように、円筒型容器20内にスクリュー30が配置されている(図7参照)。スクリュ−30は汚泥を攪拌して乾燥させるものである。スクリュー30の回転軸31は横向きであり、スクリュー30の回転軸31の方向は円筒型容器20の中心軸方向と同じである。スクリュー30の螺旋状羽根32の間隔Lは排出口23側になるほど狭くなっている。
スクリュー30を回転させる動力となるモータ35が配設されている。モータ35は例えばインバータで回転数を制御されるものである。そして、モータ35により回転するスクリュー30の螺旋状羽根32は円筒型容器20内の汚泥を汚泥投入口22側から排出口23側に搬送する。
【0014】
図5に示すように、螺旋状羽根32の回転軸31方向に伸びた、汚泥加熱用流体の一例としての蒸気を通す20本のパイプ33(図7参照)を螺旋状羽根32の周縁部32aに取付部材33a(図7参照)を介して固定している。各パイプ33は回転軸31の中空部に接続され、図1に示すように、回転軸31の中空部は回転軸31の図示左端部においてパイプ11aに接続されている。このため、各パイプ33にパイプ11aを介して汚泥加熱用の蒸気が供給されている。なお、各パイプ33と側壁21との間隔は約3〜8mmである。
そして、各パイプ33の排出口23側端部は回転軸31内の中空部を通る図示しない排出用パイプに接続され、この排出用パイプは回転軸31の図示左端部にてパイプ11cおよび電磁弁14を経由して蒸気ドレインに接続されている。
さらに、図7および図8に示すように、各パイプ33の回転軸31の周りの回転方向31aの側面側に造粒板34を配設している。図9に示すように、造粒板34の側壁21側の端部は鋸歯状34aに形成されている。
【0015】
図2に示すように、汚泥乾燥装置10内にて汚泥の乾燥により発生した蒸気(乾燥蒸気)が蒸気排出口24から前記蒸気を冷却する冷却装置40に送られる。冷却装置40は冷却装置40内にて前記蒸気が冷却されて発生する水の中に含まれる粉塵のうち冷却装置40内に付着した粉塵を、前記発生した水を循環させて洗浄する。
具体的には、以下のようになる。すなわち、冷却装置40のケーシング41の上部の内面に蒸気入口42が下から上に突出している。この蒸気入口42は円筒型容器20の蒸気排出口24に接続されている。そして、蒸気は矢印42a(図11参照)で示すように、蒸気入口42からケーシング41内に流れ込む。ケーシング41内の下部に冷却部43が設けられ、さらに冷却部43の下側にタンク44が配設されている。ケーシング41内の前記蒸気は冷却部43にて冷却されて水となり、この水はタンク44に溜まる。
【0016】
タンク44内の水を吸引する洗浄水ポンプ45が配設され、この洗浄水ポンプ45がタンク44内の水を汲み上げてノズル46、47から噴出させてケーシング41内の洗浄に使用する。ここで、図10に示すように、ノズル46はノズル46a、46bの2つのノズルからなり、ノズル46a、46bはそれぞれ矢印46x、46yで示す方向(粉塵をケーシング41内の左方に流して、冷却部43の方に落下させる方向)に水を噴出して、蒸気入口42の近傍のケーシング41内を洗浄する。また、図2に示すようにノズル47は矢印47xで示す方向(下方)に水を噴出し、ケーシング41内の冷却部43を洗浄する。この洗浄により、蒸気入口42からケーシング41内に流れ込む蒸気に含まれている粉塵がケーシング41内に付着することを防ぐことができる。
なお、クーリングタワー50は冷媒を冷却し、冷却された冷媒は循環用ポンプ51により冷却部43に送られ、前記蒸気の冷却に使用されて温度が上がり、その後、クーリングタワー50に送られて冷却される。
【0017】
上記構成の汚泥乾燥装置10は以下の動作をする。
円筒型容器20内で汚泥をスクリュー30で攪拌して乾燥させる汚泥乾燥装置10において、スクリュー30の回転軸31が横向きであり、スクリュー30の回転により送られる乾燥途中の汚泥の水分が蒸発することにより、汚泥の体積が減少し粉状になるが、スクリュー30の螺旋状羽根32の間隔Lが汚泥排出側にて狭くなるので、スクリュー30の螺旋状羽根32間に存在する汚泥の密度の変化を少なくすることができる。このため、円筒型容器20内の汚泥に対する伝熱係数が高くなり、汚泥の乾燥を効率よく行うことができる。
【0018】
さらに、汚泥投入口22が補助部材25により複数の部分に区分されているので、汚泥投入口22から円筒型容器20内に投入される汚泥が細分化されて、その表面積が増加するので、汚泥に対する伝熱が良好となり、汚泥を効率よく乾燥することができる。図1に示すように、乾燥した粉粒状の汚泥は排出口23から排出されて収納袋61に収納される。この場合、乾燥した粉粒状の汚泥の径は約0.1〜1.5mmである。
さらに、螺旋状羽根32の回転軸31方向に伸びた、汚泥加熱用流体を通すパイプ33を螺旋状羽根32の周縁部32aに固定したことにより、汚泥を乾燥することが容易になる。
さらに、造粒板34の鋸歯34aにより汚泥を粉砕しつつ汚泥をパイプ33内の汚泥乾燥用流体の熱で乾燥することができる。
【0019】
さらに、汚泥乾燥装置10内にて汚泥の乾燥により発生した蒸気を冷却する冷却装置40を備え、冷却装置40は冷却装置40内にて前記蒸気が冷却されて発生する水の中に含まれる粉塵のうち冷却装置40内に付着した粉塵を、前記発生した水を循環させて洗浄するので、冷却装置40の粉塵による詰まりを防ぎつつ前記蒸気を冷却することができる。
【0020】
なお、上記実施の形態において、冷却装置40が使用されているが、冷却装置40はなくてもよい。
また、円筒型容器20の中心軸方向は水平方向でもよい。
また、円筒型容器20が使用されているが、これに限定されず、筒型容器内にスクリュー30が配設可能であれば、円筒型容器20以外の筒型容器でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係る汚泥乾燥装置の概略を示す説明図である。
【図2】前記汚泥乾燥装置において発生する蒸気を冷却する冷却装置を示す説明図である。
【図3】図3は図1の汚泥乾燥装置の外観の正面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図1の汚泥乾燥装置の内部構造を示す正面図である。
【図6】図1の汚泥乾燥装置の汚泥投入口に取り付ける補助部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。
【図7】汚泥乾燥装置内の加熱流体用パイプ等を示す部分図である。
【図8】図7の一部分を拡大して示す部分図である。
【図9】図8の造粒板を示す部分図である。
【図10】図2の冷却装置の一部分を示す部分図である。
【図11】図10のB−B断面図である。
【符号の説明】
【0022】
10 汚泥乾燥装置
20 円筒型容器(筒型容器)
21 側壁
22 汚泥投入口
25 補助部材
30 スクリュー
31 回転軸
31a 回転方向
32 螺旋状羽根
32a 周縁部
33 パイプ
34 造粒板
34a 鋸歯
40 冷却装置
L 間隔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒型容器内で汚泥をスクリューで攪拌して乾燥させる汚泥乾燥装置において、
前記スクリューの回転軸が横向きであり、
前記スクリューの螺旋状羽根の間隔が汚泥排出側にて狭くなることを特徴とする汚泥乾燥装置。
【請求項2】
請求項1に記載した汚泥乾燥装置であって、
前記汚泥の投入口に、この投入口を複数の部分に区分する補助部材が取付けられていることを特徴とする汚泥乾燥装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した汚泥乾燥装置であって、
前記螺旋状羽根の軸方向に伸びた、汚泥加熱用流体を通すパイプを前記螺旋状羽根の周縁部に固定したことを特徴とする汚泥乾燥装置。
【請求項4】
請求項3に記載した汚泥乾燥装置であって、
前記パイプの前記回転軸の周りの回転方向の側面側に鋸歯状の造粒板を配設したことを特徴とする汚泥乾燥装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれかに記載した汚泥乾燥装置であって、
前記汚泥乾燥装置内にて汚泥の乾燥により発生した蒸気を冷却する冷却装置を備え、
前記冷却装置は前記冷却装置内にて前記蒸気が冷却されて発生する水の中に含まれる粉塵のうち前記冷却装置内に付着した粉塵を、前記発生した水を循環させて洗浄することを特徴とする汚泥乾燥装置。
【請求項1】
筒型容器内で汚泥をスクリューで攪拌して乾燥させる汚泥乾燥装置において、
前記スクリューの回転軸が横向きであり、
前記スクリューの螺旋状羽根の間隔が汚泥排出側にて狭くなることを特徴とする汚泥乾燥装置。
【請求項2】
請求項1に記載した汚泥乾燥装置であって、
前記汚泥の投入口に、この投入口を複数の部分に区分する補助部材が取付けられていることを特徴とする汚泥乾燥装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した汚泥乾燥装置であって、
前記螺旋状羽根の軸方向に伸びた、汚泥加熱用流体を通すパイプを前記螺旋状羽根の周縁部に固定したことを特徴とする汚泥乾燥装置。
【請求項4】
請求項3に記載した汚泥乾燥装置であって、
前記パイプの前記回転軸の周りの回転方向の側面側に鋸歯状の造粒板を配設したことを特徴とする汚泥乾燥装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれかに記載した汚泥乾燥装置であって、
前記汚泥乾燥装置内にて汚泥の乾燥により発生した蒸気を冷却する冷却装置を備え、
前記冷却装置は前記冷却装置内にて前記蒸気が冷却されて発生する水の中に含まれる粉塵のうち前記冷却装置内に付着した粉塵を、前記発生した水を循環させて洗浄することを特徴とする汚泥乾燥装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−111652(P2007−111652A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−307203(P2005−307203)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(305048554)有限会社東亜ドライヤー (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(305048554)有限会社東亜ドライヤー (2)
【Fターム(参考)】
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