汚泥掻き寄せ機のスプロケット及び汚泥掻き寄せ機
【課題】簡単に軸部材を側板から取り外しできるようにするスプロケット及びそのスプロケットを設けた汚泥掻き寄せ機を提供する。
【解決手段】一対の側板9夫々に周方向に間隔を隔てた複数箇所で、側板9の周縁部から延出する切欠き部Dを設け、一対の側板9間に亘る無端チェーン係合用の軸部材30を、切欠き部Dを通して側板9の面に着脱自在に取り付けてある。
【解決手段】一対の側板9夫々に周方向に間隔を隔てた複数箇所で、側板9の周縁部から延出する切欠き部Dを設け、一対の側板9間に亘る無端チェーン係合用の軸部材30を、切欠き部Dを通して側板9の面に着脱自在に取り付けてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一対の側板間に亘る無端チェーン係合用の軸部材を、一対の側板夫々に周方向に間隔を隔てた複数箇所に取り付けてある汚泥掻き寄せ機のスプロケット、及び、そのスプロケットと汚泥掻き寄せ具を回動方向に間隔を隔てて取り付けてある無端チェーンとを設けてある汚泥掻き寄せ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記汚泥掻き寄せ機のスプロケットは、前記軸部材を取り付ける取り付け部が、前記側板の周縁部から回転中心寄りの位置に丸孔が形成されているだけであって、前記軸部材を、一対の側板夫々の丸孔に端部から軸心方向に差し込んで、両端にナットを取り付けて側板に固定してあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3589162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のスプロケット及びそのスプロケットを設けた汚泥掻き寄せ機は、磨耗に伴う軸部材の交換の必要性が生じた時は、軸部材の両端部に取り付けたナットを外して、側板に形成した丸孔から、軸部材をその軸心方向に完全に抜き取らなければ外すことはできず、交換作業に多くの手間が掛かり、しかも、汚泥掻き寄せ機の駆動に伴う振動でナットが緩むのを防止すべく、緩み止め機能の付いたナットを使用している場合は、なおさら交換作業性が悪い。
また、一般的には汚泥掻き寄せ機のスプロケットは、高所に設置されていることが多く、より作業性の悪いものであった。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、簡単に軸部材を側板から取り外しできるようにするスプロケット及びそのスプロケットを設けた汚泥掻き寄せ機を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスプロケットの第1の特徴構成は一対の側板夫々に周方向に間隔を隔てた複数箇所で、前記側板の周縁部に切欠き部を設け、一対の側板間に亘る無端チェーン係合用の軸部材を、前記切欠き部を通して前記側板の面に着脱自在に取り付けてあるところにある。
【0007】
本発明の第1の特徴構成によれば、軸部材の交換が必要な時には、従来のように、ナットを外して一対の側板の丸孔から軸部材をその軸心方向に抜き取らなくとも、側板に対する軸部材の固定を少し緩めて、一対の側板夫々に形成した切欠き部を通して軸部材を側板の面に沿って移動させるだけで、取り外すことができる。
従って、高所作業であっても手間が少なく簡単に交換作業が可能となる。
【0008】
本発明の第2の特徴構成は、前記切欠き部からの前記軸部材の抜け出しを阻止する抜け止め部材を設けてあるところにある。
【0009】
本発明の第2の特徴構成によれば、本発明の第1の特徴構成による上述の作用効果を叶えることができるのに加えて、汚泥掻き寄せ機の駆動に伴う振動で、例え軸部材の固定が緩んでも、抜け止め部材により軸部材が切欠き部を通して抜けてしまうことが防止できる。
従って、長期に亘って安定して汚泥掻き寄せ機を使用できる。
【0010】
本発明の第3の特徴構成は、前記切欠き部夫々の切欠き方向を、前記側板の回転中心から放射状に形成し、前記抜け止め部材は、前記側板に取付けた複数の前記軸部材夫々を係止する係止部を設けて夫々の前記切欠き部からの前記軸部材の抜け出しを阻止する一括抜け止め部材となるように形成してあるところにある。
【0011】
本発明の第3の特徴構成によれば、前記切欠き部夫々の切欠き方向を、前記側板の回転中心から放射状に形成してあるために、各切欠き部を通して取り付けてある軸部材は、側板から取り外す際には夫々異なった方向に抜け出す。そこで、前記側板に取付けた複数の前記軸部材夫々を係止する係止部を前記抜け止め部材に設けてあることによって、複数の軸部材が不測に緩んで切欠き部から抜け出そうとしても、各軸部材を係止している前記抜け止め部材の係止部が、夫々異なった方向に引っ張られ、互いに軸部材の抜け出しを阻止する。
従って、軸部材が側板から脱落するのを、簡単な構造で防止でき、抜け止め部材は一括抜け止め部材としての機能を発揮できる。
【0012】
本発明の第4の特徴構成は、前記抜け止め部材は、前記側板に取り付けた複数の前記軸部材に対し、夫々の切欠き部からの抜け出しを阻止する一括抜け止め部材からなり、その一括抜け止め部材をボルトを介して前記側板に着脱自在に取り付けてあるところにある。
【0013】
本発明の第4の特徴構成によれば、一括抜け止め部材により複数の軸部材を切欠き部から抜け出すのを一度に阻止できると共に、ボルトを外して一括抜け止め部材を側板から取り外せば、複数の軸部材を同時に簡単に取り外すことができ、軸部材交換作業がより楽になる。
【0014】
本発明の第5の特徴構成は、前記一括抜け止め部材には、前記軸部材を係止すると共に前記側板の面に沿って移動させることにより前記軸部材との係止状態を解除する切欠き溝を、複数の軸部材夫々に対応させて設け、前記切欠き部と前記軸部材を係止する前記切欠き溝との切欠き方向を異ならせてあるところにある。
【0015】
本発明の第5の特徴構成によれば、前記一括抜け止め部材に設けた切欠き溝により、複数の軸部材夫々を係止することにより、複数の軸部材の抜け出しを一度により安定して阻止でき、しかも、切欠き部と軸部材を係止する切欠き溝との切欠き方向を異ならせることにより、軸部材が切欠き部から抜け出そうとしても、その抜け出し方向に障害物としての切欠き溝の内面に阻まれて、軸部材の抜け出しが確実に阻止できる。
【0016】
本発明の第6の特徴構成における汚泥掻き寄せ機は、汚泥掻き寄せ具を回動方向に間隔を隔てて取り付けてある無端チェーンを設け、一対の側板夫々に周方向に間隔を隔てた複数箇所で、前記側板の周縁部に切欠き部を設け、一対の側板間に亘る無端チェーン係合用の軸部材を、前記切欠き部を通して前記側板の面に沿って着脱自在に設けてあるスプロケットを設け、前記無端チェーンは、回動方向で隣り合うリンクプレートどうしの夫々を、前記スプロケットの径方向に沿う姿勢で相対揺動自在に連結してあると共に、前記リンクプレートの夫々の前記スプロケット側の側縁部に、前記軸部材が係合するノッチを形成し、前記ノッチに前記軸部材を係合させた状態で前記スプロケットを回転させて、前記無端チェーンを駆動回動させるように構成してあるところにある。
【0017】
本発明の第6の特徴構成によれば、前述のようにスプロケットにおける軸部材の交換作業が簡単にできるばかりか、軸部材を簡単に取り外して無端チェーンを緩めることにより、その無端チェーンの長さを短くし、チェーンの伸びを解消するメンテナンスも容易になった。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】掻き寄せ機を備えた汚水処理設備の全体縦断面図である。
【図2】スプロケットの一部切欠き正面図である。
【図3】スプロケットの横断平面図である。
【図4】スプロケットの斜視図である。
【図5】スプロケットの分解斜視図である。
【図6】スプロケットの要部正面図である。
【図7】スプロケットの要部の作用説明図である。
【図8】スプロケットの要部分解作用図である。
【図9】スプロケットの要部分解作用図である。
【図10】軸部材を第1切欠き部に取付けた状態の要部正面図である。
【図11】軸部材を第2切欠き部に取付けた状態の要部正面図である。
【図12】別実施形態の要部正面図である。
【図13】別実施形態の要部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、汚水処理設備における沈澱池Aの縦断面を示し、汚泥掻き寄せ機BとスカムスキマCとが設置され、汚泥掻き寄せ機Bには、本発明による無端チェーン2の駆動構造が設けられている。
【0020】
前記汚泥掻き寄せ機Bは、汚泥掻き寄せ具1を回動方向に間隔を隔てて取り付けてある無端回動体としての左右一対の無端チェーン2の夫々が、横軸心(回転中心)X周りで回転する駆動回転体としての駆動用スプロケット3と、従動回転体としての第1〜第3従動用スプロケット4(4a,4b,4c)とに亘って回動自在に巻き掛けられ、駆動用スプロケット3を駆動回転させる駆動装置5を設けてある。
【0021】
前記駆動用スプロケット3は、沈澱池Aの長手方向端部における水面WL近くに支持され、第1従動用スプロケット4aは、沈澱池Aの長手方向略中央における水面WL近くに支持され、第2,第3従動用スプロケット4b,4cは、沈澱池Aの長手方向両端側における底面6近くに支持されている。
【0022】
前記駆動用スプロケット3は、図2に示すように、回転軸部材7を挿通するボス8の外周側に、二枚の円板状の側板9を互いに平行に同心状に設けて、その二枚の側板9に亘って、係合ボルト10にプラスチックボス16を外嵌させた状態の複数の円柱状軸部材30を、周方向に等間隔を隔てて横軸心Xに沿う姿勢で固定してある。
【0023】
前記無端チェーン2は、図2に示すように、回動方向で隣り合うリンクプレート12どうしの夫々を、板面が駆動用スプロケット3の径方向に沿う姿勢で、連結ピン41で相対揺動自在に連結してある合成樹脂製ノッチチェーンで構成され、リンクプレート12の夫々の駆動用スプロケット3側の側縁部13に、軸部材30を係合させるノッチ14がそのリンクプレート12の汚泥掻き寄せ用回動方向(正転方向)上手側に片寄せて形成されている。
【0024】
そして、ノッチチェーン2を駆動用スプロケット3における二枚の側板9の間に入り込ませてノッチ14に軸部材30を係合させた状態で、駆動装置5による駆動用スプロケット3の駆動回転で、左右一対のノッチチェーン2を駆動回動させて、各汚泥掻き寄せ具1を、駆動用スプロケット3,第1従動用スプロケット4a,第2従動用スプロケット4b,第3従動用スプロケット4cの順に経由するように循環移動させ、駆動用スプロケット3側から第1従動用スプロケット4a側に向けた移動で、沈澱池Aの水面WL近くに浮いているスカムをスカムスキマC側に掻き寄せ、第2従動用スプロケット4b側から第3従動用スプロケット4c側に向けた移動で、沈澱池Aの底面6近くに沈澱している汚泥を沈澱池Aの底部に設けてある排出溝15に掻き寄せることができるように構成してある。
【0025】
図2〜図11に示すように、前記駆動用スプロケット3は、係合ボルト10を、一対の側板9夫々に周方向に間隔を隔てて複数設けてある取り付け部17に、横軸心Xに沿う姿勢で着脱自在にナット21の締付けによって取り付けて、取り付け部17夫々に側板9の周縁部から繋がる切欠き部Dを形成して、切欠き部Dを通して側板9の面に沿って軸部材30を挿脱自在に構成してある。
前記側板9には、切欠き部Dを通しての軸部材30の抜け出しを阻止するプレートPから成る抜け止め部材18を、側板9にボルト19、ナット20を介して着脱可能に取り付けてある。
【0026】
前記プレートPには、軸部材30を係止すると共に、側板9の面に沿って移動させることにより軸部材30との係止状態を解除可能にする係止部としての切欠き溝Eを、複数の軸部材30夫々に対応させて設けて一括抜け止め部材となるように形成してある。
切欠き部Dと切欠き溝Eとの切欠き方向を異ならせ、切欠き部D及び切欠き溝Eに対する軸部材30の相対的抜け出し方向を異ならせることにより、軸部材30が切欠き部Dから抜け出そうとしても、その抜け出し方向に障害物としての切欠き溝Eの内面に阻まれて、軸部材30の抜け出しが確実に阻止され、軸部材30が外れにくくなるように構成してある。
取り付け部17に繋がって一連一体型に形成された切欠き部Dは、図5〜図9に示すように、側板9の横軸心Xを通る法線上に沿った放射状にU字状の切欠きを形成し、開口部が径方向の外側を向けられている。
【0027】
また、前記切欠き溝Eは、側板9に取付けた複数の軸部材30夫々を係止する係止部を構成し、その係止部を設けた抜け止め部材18は、夫々の切欠き部Dからの各軸部材30の抜け出しを阻止する一括抜け止め部材としての機能を発揮する。
つまり、切欠き部D夫々の切欠き方向を、側板9の横軸心Xから放射状に形成してあるために、各切欠き部Dを通して取り付けてある軸部材30は、側板9から取り外す際には夫々異なった方向に抜け出す。そこで、側板9に取付けた複数の軸部材30夫々を係止する係止部を抜け止め部材18に設けてあることによって、複数の軸部材30が不測に緩んで切欠き部から抜け出そうとしても、各軸部材30を係止している抜け止め部材18の係止部が、夫々異なった方向に引っ張られ、複数の軸部材30の抜け出しを互いに阻止する。
【0028】
前記プレートPは、側板9の外周部に沿った円弧状に形成してあると共に、切欠き溝Eを、側板9の周方向に沿った横長溝部22と、側板9の横軸心X側に切り欠いた開放溝部23とが繋がったカギ形を成し、複数の切欠き溝E夫々の開放溝部23は、平行にしてある。従って、ボルト19を外してプレートPを複数の軸部材30から取り外す際には、横長溝部22内を軸部材30が相対的に移動するように、図6を図7に変更するように、プレートPを周方向にスライドさせ、その後、図8に示すように、同時に複数の軸部材30が切欠き溝Eから抜け出せるように構成してある。即ち、軸部材30の側板9からの取り外しは、プレートPを外した後、図9に示すように、側板9の径方向外方側に移動させることになる。
【0029】
前記切欠き部Dは、図2、図10、図11に示すように、切欠き深さの大きい複数の第1切欠き部D1を、同一の第1円周S1上で側板9の周方向に定間隔に形成してあるばかりか、深さの少し浅い複数の第2切欠き部D2を、同一の第2円周S2(第1円周S1よりは大径)上で第1切欠き部D1に対して前記周方向に位置ずれさせた箇所に夫々形成してある。
これは、初期段階で第1切欠き部D1に軸部材30を取り付けて第1円周S1上に配置し(図2、図10)、無端チェーン2を第1円周S1上の軸部材30に巻きかけて使用し、使用に伴って無端チェーン2が伸びてくると、軸部材30を第2切欠き部D2に移し変えて第2円周S2上に配置することで(図2、図11)、隣接する軸部材30間の離間距離L1からL2に変更して無端チェーン2の弛みをなくせるようにしてある。また、第1切欠き部D1と第2切欠き部D2に対応して、前記切欠き溝Eも、夫々異なった円周上に溝の底部を配置した第1切欠き溝E1と第2切欠き溝E2とを設けてある。
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0030】
〈1〉 前記第1切欠き部D1と第2切欠き部D2のように切欠き深さの異なった切欠きDは、2種類に限らず3種類以上形成してあっても良い。
〈2〉 前記側板9に形成した切欠き部Dは、U字状の切欠き形状に代えて、図12、図13に示すように、折れ曲がったカギ形に形成してあっても良い。
〈3〉 前記側板9に放射状に形成した切欠き部Dに対し、軸部材30を複数同時に抜け止めして一括抜け止め部材となるようにするには、抜け止め部材18に設ける切欠き溝Eに代えて、軸部材30を取付できる孔であってもよく、それらを係止部と総称する。尚、この場合、抜け止め部材18は、必ずしも側板9にボルト19とナット20で取り付けてなくても良い。
〈4〉 前記抜け止め部材18をボルト19で側板9に取り付けてある場合、前記軸部材30を通す切欠き部Dは、その切欠き方向を側板9に放射状に形成するのに限らず、互いに平行であっても良い。
〈5〉 前記抜け止め部材18に設けた複数の切欠き溝Eは、側板9に形成する切欠き部Dとその切欠き方向を異ならせてあれば良いために、カギ形に形成してあるものに限らず、切欠き部Dの切欠き方向とは異なった直線状に形成してあっても良い。
〈6〉 前記プレートPには、図12に示すように、切欠き溝Eを設けることなく、夫々の軸部材30の切欠き部Dからの抜け出しを阻止する当て付け部24を形成してあっても良い。
〈7〉 前記抜け止め部材18は、複数の軸部材30を同時に抜け止め阻止するもの以外に、図13に示すように、各軸部材30に個別に抜け止めする阻止板部材25をボルト19で側板9に固定してあっても良い。
〈8〉 プレートPを側板9に固定するボルト19は、軸部材30よりも短く、ボルト19を側板9に固定するのに、切欠き部D及び切欠き溝Eを兼用使用する以外に、図12や図13に示すように、専用の挿通孔を側板9とプレートPとの夫々に、設けても良い。
【0031】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0032】
1 汚泥掻き寄せ具
2 無端チェーン
3 スプロケット
9 側板
12 リンクプレート
13 側縁部
14 ノッチ
D 切欠き部
18 抜け止め部材
E 切欠き溝(係止部)
30 軸部材
【技術分野】
【0001】
一対の側板間に亘る無端チェーン係合用の軸部材を、一対の側板夫々に周方向に間隔を隔てた複数箇所に取り付けてある汚泥掻き寄せ機のスプロケット、及び、そのスプロケットと汚泥掻き寄せ具を回動方向に間隔を隔てて取り付けてある無端チェーンとを設けてある汚泥掻き寄せ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記汚泥掻き寄せ機のスプロケットは、前記軸部材を取り付ける取り付け部が、前記側板の周縁部から回転中心寄りの位置に丸孔が形成されているだけであって、前記軸部材を、一対の側板夫々の丸孔に端部から軸心方向に差し込んで、両端にナットを取り付けて側板に固定してあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3589162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のスプロケット及びそのスプロケットを設けた汚泥掻き寄せ機は、磨耗に伴う軸部材の交換の必要性が生じた時は、軸部材の両端部に取り付けたナットを外して、側板に形成した丸孔から、軸部材をその軸心方向に完全に抜き取らなければ外すことはできず、交換作業に多くの手間が掛かり、しかも、汚泥掻き寄せ機の駆動に伴う振動でナットが緩むのを防止すべく、緩み止め機能の付いたナットを使用している場合は、なおさら交換作業性が悪い。
また、一般的には汚泥掻き寄せ機のスプロケットは、高所に設置されていることが多く、より作業性の悪いものであった。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、簡単に軸部材を側板から取り外しできるようにするスプロケット及びそのスプロケットを設けた汚泥掻き寄せ機を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスプロケットの第1の特徴構成は一対の側板夫々に周方向に間隔を隔てた複数箇所で、前記側板の周縁部に切欠き部を設け、一対の側板間に亘る無端チェーン係合用の軸部材を、前記切欠き部を通して前記側板の面に着脱自在に取り付けてあるところにある。
【0007】
本発明の第1の特徴構成によれば、軸部材の交換が必要な時には、従来のように、ナットを外して一対の側板の丸孔から軸部材をその軸心方向に抜き取らなくとも、側板に対する軸部材の固定を少し緩めて、一対の側板夫々に形成した切欠き部を通して軸部材を側板の面に沿って移動させるだけで、取り外すことができる。
従って、高所作業であっても手間が少なく簡単に交換作業が可能となる。
【0008】
本発明の第2の特徴構成は、前記切欠き部からの前記軸部材の抜け出しを阻止する抜け止め部材を設けてあるところにある。
【0009】
本発明の第2の特徴構成によれば、本発明の第1の特徴構成による上述の作用効果を叶えることができるのに加えて、汚泥掻き寄せ機の駆動に伴う振動で、例え軸部材の固定が緩んでも、抜け止め部材により軸部材が切欠き部を通して抜けてしまうことが防止できる。
従って、長期に亘って安定して汚泥掻き寄せ機を使用できる。
【0010】
本発明の第3の特徴構成は、前記切欠き部夫々の切欠き方向を、前記側板の回転中心から放射状に形成し、前記抜け止め部材は、前記側板に取付けた複数の前記軸部材夫々を係止する係止部を設けて夫々の前記切欠き部からの前記軸部材の抜け出しを阻止する一括抜け止め部材となるように形成してあるところにある。
【0011】
本発明の第3の特徴構成によれば、前記切欠き部夫々の切欠き方向を、前記側板の回転中心から放射状に形成してあるために、各切欠き部を通して取り付けてある軸部材は、側板から取り外す際には夫々異なった方向に抜け出す。そこで、前記側板に取付けた複数の前記軸部材夫々を係止する係止部を前記抜け止め部材に設けてあることによって、複数の軸部材が不測に緩んで切欠き部から抜け出そうとしても、各軸部材を係止している前記抜け止め部材の係止部が、夫々異なった方向に引っ張られ、互いに軸部材の抜け出しを阻止する。
従って、軸部材が側板から脱落するのを、簡単な構造で防止でき、抜け止め部材は一括抜け止め部材としての機能を発揮できる。
【0012】
本発明の第4の特徴構成は、前記抜け止め部材は、前記側板に取り付けた複数の前記軸部材に対し、夫々の切欠き部からの抜け出しを阻止する一括抜け止め部材からなり、その一括抜け止め部材をボルトを介して前記側板に着脱自在に取り付けてあるところにある。
【0013】
本発明の第4の特徴構成によれば、一括抜け止め部材により複数の軸部材を切欠き部から抜け出すのを一度に阻止できると共に、ボルトを外して一括抜け止め部材を側板から取り外せば、複数の軸部材を同時に簡単に取り外すことができ、軸部材交換作業がより楽になる。
【0014】
本発明の第5の特徴構成は、前記一括抜け止め部材には、前記軸部材を係止すると共に前記側板の面に沿って移動させることにより前記軸部材との係止状態を解除する切欠き溝を、複数の軸部材夫々に対応させて設け、前記切欠き部と前記軸部材を係止する前記切欠き溝との切欠き方向を異ならせてあるところにある。
【0015】
本発明の第5の特徴構成によれば、前記一括抜け止め部材に設けた切欠き溝により、複数の軸部材夫々を係止することにより、複数の軸部材の抜け出しを一度により安定して阻止でき、しかも、切欠き部と軸部材を係止する切欠き溝との切欠き方向を異ならせることにより、軸部材が切欠き部から抜け出そうとしても、その抜け出し方向に障害物としての切欠き溝の内面に阻まれて、軸部材の抜け出しが確実に阻止できる。
【0016】
本発明の第6の特徴構成における汚泥掻き寄せ機は、汚泥掻き寄せ具を回動方向に間隔を隔てて取り付けてある無端チェーンを設け、一対の側板夫々に周方向に間隔を隔てた複数箇所で、前記側板の周縁部に切欠き部を設け、一対の側板間に亘る無端チェーン係合用の軸部材を、前記切欠き部を通して前記側板の面に沿って着脱自在に設けてあるスプロケットを設け、前記無端チェーンは、回動方向で隣り合うリンクプレートどうしの夫々を、前記スプロケットの径方向に沿う姿勢で相対揺動自在に連結してあると共に、前記リンクプレートの夫々の前記スプロケット側の側縁部に、前記軸部材が係合するノッチを形成し、前記ノッチに前記軸部材を係合させた状態で前記スプロケットを回転させて、前記無端チェーンを駆動回動させるように構成してあるところにある。
【0017】
本発明の第6の特徴構成によれば、前述のようにスプロケットにおける軸部材の交換作業が簡単にできるばかりか、軸部材を簡単に取り外して無端チェーンを緩めることにより、その無端チェーンの長さを短くし、チェーンの伸びを解消するメンテナンスも容易になった。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】掻き寄せ機を備えた汚水処理設備の全体縦断面図である。
【図2】スプロケットの一部切欠き正面図である。
【図3】スプロケットの横断平面図である。
【図4】スプロケットの斜視図である。
【図5】スプロケットの分解斜視図である。
【図6】スプロケットの要部正面図である。
【図7】スプロケットの要部の作用説明図である。
【図8】スプロケットの要部分解作用図である。
【図9】スプロケットの要部分解作用図である。
【図10】軸部材を第1切欠き部に取付けた状態の要部正面図である。
【図11】軸部材を第2切欠き部に取付けた状態の要部正面図である。
【図12】別実施形態の要部正面図である。
【図13】別実施形態の要部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、汚水処理設備における沈澱池Aの縦断面を示し、汚泥掻き寄せ機BとスカムスキマCとが設置され、汚泥掻き寄せ機Bには、本発明による無端チェーン2の駆動構造が設けられている。
【0020】
前記汚泥掻き寄せ機Bは、汚泥掻き寄せ具1を回動方向に間隔を隔てて取り付けてある無端回動体としての左右一対の無端チェーン2の夫々が、横軸心(回転中心)X周りで回転する駆動回転体としての駆動用スプロケット3と、従動回転体としての第1〜第3従動用スプロケット4(4a,4b,4c)とに亘って回動自在に巻き掛けられ、駆動用スプロケット3を駆動回転させる駆動装置5を設けてある。
【0021】
前記駆動用スプロケット3は、沈澱池Aの長手方向端部における水面WL近くに支持され、第1従動用スプロケット4aは、沈澱池Aの長手方向略中央における水面WL近くに支持され、第2,第3従動用スプロケット4b,4cは、沈澱池Aの長手方向両端側における底面6近くに支持されている。
【0022】
前記駆動用スプロケット3は、図2に示すように、回転軸部材7を挿通するボス8の外周側に、二枚の円板状の側板9を互いに平行に同心状に設けて、その二枚の側板9に亘って、係合ボルト10にプラスチックボス16を外嵌させた状態の複数の円柱状軸部材30を、周方向に等間隔を隔てて横軸心Xに沿う姿勢で固定してある。
【0023】
前記無端チェーン2は、図2に示すように、回動方向で隣り合うリンクプレート12どうしの夫々を、板面が駆動用スプロケット3の径方向に沿う姿勢で、連結ピン41で相対揺動自在に連結してある合成樹脂製ノッチチェーンで構成され、リンクプレート12の夫々の駆動用スプロケット3側の側縁部13に、軸部材30を係合させるノッチ14がそのリンクプレート12の汚泥掻き寄せ用回動方向(正転方向)上手側に片寄せて形成されている。
【0024】
そして、ノッチチェーン2を駆動用スプロケット3における二枚の側板9の間に入り込ませてノッチ14に軸部材30を係合させた状態で、駆動装置5による駆動用スプロケット3の駆動回転で、左右一対のノッチチェーン2を駆動回動させて、各汚泥掻き寄せ具1を、駆動用スプロケット3,第1従動用スプロケット4a,第2従動用スプロケット4b,第3従動用スプロケット4cの順に経由するように循環移動させ、駆動用スプロケット3側から第1従動用スプロケット4a側に向けた移動で、沈澱池Aの水面WL近くに浮いているスカムをスカムスキマC側に掻き寄せ、第2従動用スプロケット4b側から第3従動用スプロケット4c側に向けた移動で、沈澱池Aの底面6近くに沈澱している汚泥を沈澱池Aの底部に設けてある排出溝15に掻き寄せることができるように構成してある。
【0025】
図2〜図11に示すように、前記駆動用スプロケット3は、係合ボルト10を、一対の側板9夫々に周方向に間隔を隔てて複数設けてある取り付け部17に、横軸心Xに沿う姿勢で着脱自在にナット21の締付けによって取り付けて、取り付け部17夫々に側板9の周縁部から繋がる切欠き部Dを形成して、切欠き部Dを通して側板9の面に沿って軸部材30を挿脱自在に構成してある。
前記側板9には、切欠き部Dを通しての軸部材30の抜け出しを阻止するプレートPから成る抜け止め部材18を、側板9にボルト19、ナット20を介して着脱可能に取り付けてある。
【0026】
前記プレートPには、軸部材30を係止すると共に、側板9の面に沿って移動させることにより軸部材30との係止状態を解除可能にする係止部としての切欠き溝Eを、複数の軸部材30夫々に対応させて設けて一括抜け止め部材となるように形成してある。
切欠き部Dと切欠き溝Eとの切欠き方向を異ならせ、切欠き部D及び切欠き溝Eに対する軸部材30の相対的抜け出し方向を異ならせることにより、軸部材30が切欠き部Dから抜け出そうとしても、その抜け出し方向に障害物としての切欠き溝Eの内面に阻まれて、軸部材30の抜け出しが確実に阻止され、軸部材30が外れにくくなるように構成してある。
取り付け部17に繋がって一連一体型に形成された切欠き部Dは、図5〜図9に示すように、側板9の横軸心Xを通る法線上に沿った放射状にU字状の切欠きを形成し、開口部が径方向の外側を向けられている。
【0027】
また、前記切欠き溝Eは、側板9に取付けた複数の軸部材30夫々を係止する係止部を構成し、その係止部を設けた抜け止め部材18は、夫々の切欠き部Dからの各軸部材30の抜け出しを阻止する一括抜け止め部材としての機能を発揮する。
つまり、切欠き部D夫々の切欠き方向を、側板9の横軸心Xから放射状に形成してあるために、各切欠き部Dを通して取り付けてある軸部材30は、側板9から取り外す際には夫々異なった方向に抜け出す。そこで、側板9に取付けた複数の軸部材30夫々を係止する係止部を抜け止め部材18に設けてあることによって、複数の軸部材30が不測に緩んで切欠き部から抜け出そうとしても、各軸部材30を係止している抜け止め部材18の係止部が、夫々異なった方向に引っ張られ、複数の軸部材30の抜け出しを互いに阻止する。
【0028】
前記プレートPは、側板9の外周部に沿った円弧状に形成してあると共に、切欠き溝Eを、側板9の周方向に沿った横長溝部22と、側板9の横軸心X側に切り欠いた開放溝部23とが繋がったカギ形を成し、複数の切欠き溝E夫々の開放溝部23は、平行にしてある。従って、ボルト19を外してプレートPを複数の軸部材30から取り外す際には、横長溝部22内を軸部材30が相対的に移動するように、図6を図7に変更するように、プレートPを周方向にスライドさせ、その後、図8に示すように、同時に複数の軸部材30が切欠き溝Eから抜け出せるように構成してある。即ち、軸部材30の側板9からの取り外しは、プレートPを外した後、図9に示すように、側板9の径方向外方側に移動させることになる。
【0029】
前記切欠き部Dは、図2、図10、図11に示すように、切欠き深さの大きい複数の第1切欠き部D1を、同一の第1円周S1上で側板9の周方向に定間隔に形成してあるばかりか、深さの少し浅い複数の第2切欠き部D2を、同一の第2円周S2(第1円周S1よりは大径)上で第1切欠き部D1に対して前記周方向に位置ずれさせた箇所に夫々形成してある。
これは、初期段階で第1切欠き部D1に軸部材30を取り付けて第1円周S1上に配置し(図2、図10)、無端チェーン2を第1円周S1上の軸部材30に巻きかけて使用し、使用に伴って無端チェーン2が伸びてくると、軸部材30を第2切欠き部D2に移し変えて第2円周S2上に配置することで(図2、図11)、隣接する軸部材30間の離間距離L1からL2に変更して無端チェーン2の弛みをなくせるようにしてある。また、第1切欠き部D1と第2切欠き部D2に対応して、前記切欠き溝Eも、夫々異なった円周上に溝の底部を配置した第1切欠き溝E1と第2切欠き溝E2とを設けてある。
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0030】
〈1〉 前記第1切欠き部D1と第2切欠き部D2のように切欠き深さの異なった切欠きDは、2種類に限らず3種類以上形成してあっても良い。
〈2〉 前記側板9に形成した切欠き部Dは、U字状の切欠き形状に代えて、図12、図13に示すように、折れ曲がったカギ形に形成してあっても良い。
〈3〉 前記側板9に放射状に形成した切欠き部Dに対し、軸部材30を複数同時に抜け止めして一括抜け止め部材となるようにするには、抜け止め部材18に設ける切欠き溝Eに代えて、軸部材30を取付できる孔であってもよく、それらを係止部と総称する。尚、この場合、抜け止め部材18は、必ずしも側板9にボルト19とナット20で取り付けてなくても良い。
〈4〉 前記抜け止め部材18をボルト19で側板9に取り付けてある場合、前記軸部材30を通す切欠き部Dは、その切欠き方向を側板9に放射状に形成するのに限らず、互いに平行であっても良い。
〈5〉 前記抜け止め部材18に設けた複数の切欠き溝Eは、側板9に形成する切欠き部Dとその切欠き方向を異ならせてあれば良いために、カギ形に形成してあるものに限らず、切欠き部Dの切欠き方向とは異なった直線状に形成してあっても良い。
〈6〉 前記プレートPには、図12に示すように、切欠き溝Eを設けることなく、夫々の軸部材30の切欠き部Dからの抜け出しを阻止する当て付け部24を形成してあっても良い。
〈7〉 前記抜け止め部材18は、複数の軸部材30を同時に抜け止め阻止するもの以外に、図13に示すように、各軸部材30に個別に抜け止めする阻止板部材25をボルト19で側板9に固定してあっても良い。
〈8〉 プレートPを側板9に固定するボルト19は、軸部材30よりも短く、ボルト19を側板9に固定するのに、切欠き部D及び切欠き溝Eを兼用使用する以外に、図12や図13に示すように、専用の挿通孔を側板9とプレートPとの夫々に、設けても良い。
【0031】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0032】
1 汚泥掻き寄せ具
2 無端チェーン
3 スプロケット
9 側板
12 リンクプレート
13 側縁部
14 ノッチ
D 切欠き部
18 抜け止め部材
E 切欠き溝(係止部)
30 軸部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の側板夫々に周方向に間隔を隔てた複数箇所で、前記側板の周縁部に切欠き部を設け、一対の側板間に亘る無端チェーン係合用の軸部材を、前記切欠き部を通して前記側板の面に着脱自在に取り付けてある汚泥掻き寄せ機のスプロケット。
【請求項2】
前記切欠き部からの前記軸部材の抜け出しを阻止する抜け止め部材を設けてある請求項1に記載の汚泥掻き寄せ機のスプロケット。
【請求項3】
前記切欠き部夫々の切欠き方向を、前記側板の回転中心から放射状に形成し、前記抜け止め部材は、前記側板に取付けた複数の前記軸部材夫々を係止する係止部を設けて夫々の前記切欠き部からの前記軸部材の抜け出しを阻止する一括抜け止め部材となるように形成してある請求項2に記載の汚泥掻き寄せ機のスプロケット。
【請求項4】
前記抜け止め部材は、前記側板に取り付けた複数の前記軸部材に対し、夫々の切欠き部からの抜け出しを阻止する一括抜け止め部材からなり、その一括抜け止め部材をボルトを介して前記側板に着脱自在に取り付けてある請求項2に記載の汚泥掻き寄せ機のスプロケット。
【請求項5】
前記一括抜け止め部材には、前記軸部材を係止すると共に前記側板の面に沿って移動させることにより前記軸部材との係止状態を解除する切欠き溝を、複数の軸部材夫々に対応させて設け、前記切欠き部と前記軸部材を係止する前記切欠き溝との切欠き方向を異ならせてある請求項4に記載の汚泥掻き寄せ機のスプロケット。
【請求項6】
汚泥掻き寄せ具を回動方向に間隔を隔てて取り付けてある無端チェーンを設け、
一対の側板夫々に周方向に間隔を隔てた複数箇所で、前記側板の周縁部に切欠き部を設け、一対の側板間に亘る無端チェーン係合用の軸部材を、前記切欠き部を通して前記側板の面に着脱自在に取り付けてあるスプロケットを設け、
前記無端チェーンは、回動方向で隣り合うリンクプレートどうしの夫々を、前記スプロケットの径方向に沿う姿勢で相対揺動自在に連結してあると共に、
前記リンクプレートの夫々の前記スプロケット側の側縁部に、前記軸部材が係合するノッチを形成し、
前記ノッチに前記軸部材を係合させた状態で前記スプロケットを回転させて、前記無端チェーンを駆動回動させるように構成してある汚泥掻き寄せ機。
【請求項1】
一対の側板夫々に周方向に間隔を隔てた複数箇所で、前記側板の周縁部に切欠き部を設け、一対の側板間に亘る無端チェーン係合用の軸部材を、前記切欠き部を通して前記側板の面に着脱自在に取り付けてある汚泥掻き寄せ機のスプロケット。
【請求項2】
前記切欠き部からの前記軸部材の抜け出しを阻止する抜け止め部材を設けてある請求項1に記載の汚泥掻き寄せ機のスプロケット。
【請求項3】
前記切欠き部夫々の切欠き方向を、前記側板の回転中心から放射状に形成し、前記抜け止め部材は、前記側板に取付けた複数の前記軸部材夫々を係止する係止部を設けて夫々の前記切欠き部からの前記軸部材の抜け出しを阻止する一括抜け止め部材となるように形成してある請求項2に記載の汚泥掻き寄せ機のスプロケット。
【請求項4】
前記抜け止め部材は、前記側板に取り付けた複数の前記軸部材に対し、夫々の切欠き部からの抜け出しを阻止する一括抜け止め部材からなり、その一括抜け止め部材をボルトを介して前記側板に着脱自在に取り付けてある請求項2に記載の汚泥掻き寄せ機のスプロケット。
【請求項5】
前記一括抜け止め部材には、前記軸部材を係止すると共に前記側板の面に沿って移動させることにより前記軸部材との係止状態を解除する切欠き溝を、複数の軸部材夫々に対応させて設け、前記切欠き部と前記軸部材を係止する前記切欠き溝との切欠き方向を異ならせてある請求項4に記載の汚泥掻き寄せ機のスプロケット。
【請求項6】
汚泥掻き寄せ具を回動方向に間隔を隔てて取り付けてある無端チェーンを設け、
一対の側板夫々に周方向に間隔を隔てた複数箇所で、前記側板の周縁部に切欠き部を設け、一対の側板間に亘る無端チェーン係合用の軸部材を、前記切欠き部を通して前記側板の面に着脱自在に取り付けてあるスプロケットを設け、
前記無端チェーンは、回動方向で隣り合うリンクプレートどうしの夫々を、前記スプロケットの径方向に沿う姿勢で相対揺動自在に連結してあると共に、
前記リンクプレートの夫々の前記スプロケット側の側縁部に、前記軸部材が係合するノッチを形成し、
前記ノッチに前記軸部材を係合させた状態で前記スプロケットを回転させて、前記無端チェーンを駆動回動させるように構成してある汚泥掻き寄せ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−94698(P2011−94698A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248960(P2009−248960)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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