説明

汚泥流動層焼却プラント及び汚泥焼却方法

【課題】燃焼温度を高温として温室効果ガスの発生を抑制しつつ、炉内の熱風が汚泥の供給部分に流入してしまうことを確実に防止することが可能な汚泥流動層焼却プラント及び汚泥焼却方法を提供する。
【解決手段】汚泥流動層焼却プラント1は、内部を燃焼領域とする炉本体11と、炉本体11の内部に連通する搬送管22を有し炉本体11の内部に汚泥を投入する主搬送部21と、主搬送部21下流側で搬送管22の内部に汚泥として高含水率である高含水汚泥A1を充填させる高含水汚泥供給部31と、高含水汚泥供給部31が高含水汚泥A1を供給する位置よりも主搬送部21の上流側で汚泥として高含水汚泥A1よりも低含水率である低含水汚泥A2を供給する低含水汚泥供給部32とを備え、主搬送部21が下流側で供給される高含水汚泥A1に上流側から搬送される低含水汚泥A2を層状に混入させた不完全混合状態で搬送管22から炉本体11の内部に汚泥を投入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炉本体内下部に設けられた砂層を燃焼空気により流動化して流動層を形成して汚泥の焼却を行う汚泥流動層焼却プラント及び汚泥焼却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下水汚泥、し尿処理汚泥、各種排水処理汚泥などの高含水汚泥の焼却処理として、流動層焼却炉が広く用いられている。また、一般に、汚泥流動層焼却炉は、気泡型と循環型とに分類される。気泡型は、炉本体の最下部に、けい砂などによる砂層を設け、該砂層に燃焼空気を吹き付けることで舞い上がった砂を流動媒体とした流動層を形成する。そして、当該流動層に焼却対象となる汚泥を投入することで、投入した汚泥は、流動層内で燃焼し、さらに未燃ガスや微粒子などは流動層上方に形成されるフリーボード部に導かれて燃焼する。また、循環型は、砂層に吹き付ける燃焼空気である一次空気に加えて、流動層に二次空気を吹き込むことで、流動層内で飛散する流動媒体である砂と汚泥とをフリーボード部の上部まで同伴させて、フリーボード部で完全燃焼させる。また、二次空気に同伴してフリーボード部まで舞い上がった流動媒体である砂は、ホットサイクロンで捕集し、砂層へと返送させる。
【0003】
近年、上記のような汚泥流動層焼却プラントでは、温室効果ガス削減対策として、炉内温度の高温化が望まれている。具体的には、従来炉内温度としては800℃程度が一般的であったが、近年850℃程度とすることが望まれている。しかし、含水率が70%以上の高含水汚泥を燃焼するに際して、単純に炉内部の温度を850℃程度まで上昇させるためには補助燃料が必要となってしまう。このため、炉内高温化の方法として、高含水汚泥を造粒乾燥機で造粒乾燥させて含水率を10%以下とした乾燥汚泥粒を生成後、当該乾燥汚泥粒を別の高含水汚泥に混合することで、汚泥粒の含水率を50%〜70%に調整する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3774803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の方法では、炉内に投入される汚泥粒の含水率が50%〜70%と比較的低い値となるため、炉内の熱風が汚泥粒の間隙を抜けて搬送経路内に流入してしまうおそれがあった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、燃焼温度を高温として温室効果ガスの発生を抑制しつつ、炉内の熱風が汚泥の供給部分に流入してしまうことを確実に防止することが可能な汚泥流動層焼却プラント及び汚泥焼却方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の汚泥流動層焼却プラントは、内部を燃焼領域とする炉本体と、該炉本体の内部に連通する搬送管を有し、該炉本体の内部に汚泥を投入する主搬送部と、該主搬送部の下流側で、前記搬送管の内部に汚泥として高含水率である高含水汚泥を充填させる高含水汚泥供給部と、該高含水汚泥供給部が高含水汚泥を供給する位置よりも前記主搬送部の上流側で、汚泥として前記高含水汚泥よりも低含水率である低含水汚泥を供給する低含水汚泥供給部とを備え、前記主搬送部が、下流側で供給される前記高含水汚泥に、上流側から搬送される前記低含水汚泥を層状に混入させた不完全混合状態で前記搬送管から前記炉本体の内部に汚泥を投入することを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、主搬送部の上流側では、搬送管内部に低含水汚泥供給部から汚泥として低含水汚泥が供給される。次に、主搬送部の下流側では、搬送管内部に高含水汚泥供給部から汚泥として高含水汚泥が充填される。このため、上流側から搬送される低含水汚泥の流れは、下流側で充填されている高含水汚泥の内部に混入する。ここで、混入初期においては、低含水汚泥は、その流れの状態のまま層状に高含水汚泥に混入し、次第に攪拌されるとともに高含水汚泥から低含水汚泥へと水分が拡散することで、高含水汚泥と完全混合状態となる。しかしながら、主搬送部は、低含水汚泥を層状に混入させた不完全混合状態で、完全混合状態となる前に搬送管から炉本体の内部に汚泥を投入してしまう。このため、高含水汚泥は、その含水率を維持しているので、マテリアルシールとしての機能を発揮し、搬送管内へ炉本体内部の熱風が流入してしまうのを確実に防止することができる。その一方で、炉本体に供給される汚泥全体の見かけ上の含水率は、低含水汚泥により低下させることが可能なため、炉本体内部の温度を高温とすることができる。
【0009】
また、上記の汚泥流動層焼却プラントにおいて、前記主搬送部は、前記搬送管の内部に配設され軸回りに回転可能なスクリューを備え、前記高含水供給部によって充填された前記高含水汚泥に対して前記低含水汚泥が混入した状態の汚泥を、前記炉本体の内部に向けて圧送することを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、主搬送部がスクリューを備えて、当該スクリューの軸回りの回転により汚泥を圧送することができる。このため、搬送管内に充填された高含水汚泥に対して、上流側で供給された低含水汚泥を強制的に混入させつつ、高含水汚泥に対して低含水汚泥が混入した状態の汚泥を炉本体の内部に向けて効率的に圧送させることができる。
【0011】
また、上記の汚泥流動層焼却プラントにおいて、前記高含水汚泥を乾燥させて前記低含水汚泥を生成する乾燥機と、該乾燥機で生成された前記低含水汚泥を前記低含水汚泥供給部に搬送する低含水汚泥搬送部と、前記高含水汚泥を前記高含水汚泥供給部と前記乾燥機とにそれぞれ供給する高含水汚泥搬送部とを備えることを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、焼却対象となる高含水汚泥の一部を、高含水汚泥搬送部により乾燥機に搬送し、乾燥機にて乾燥させることで、低含水汚泥を生成することができる。そして、乾燥機で生成した低含水汚泥を低含水汚泥搬送部で低含水汚泥供給部に搬送することにより、主搬送部に低含水汚泥供給部から低含水汚泥を供給するとともに、高含水汚泥供給部から残りの高含水汚泥を供給することができる。
【0013】
また、上記の汚泥流動層焼却プラントにおいて、前記主搬送部によって前記炉本体の内部に投入される前記汚泥の内、前記高含水汚泥の部分は含水率が70%以上であり、前記低含水汚泥の部分は含水率が40%以下であることを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、高含水汚泥の部分の含水率が70%以上であることで、好適にマテリアルシールを発揮することができるとともに、低含水汚泥の部分の含水率が40%以下であることで、高含水汚泥と低含水汚泥とによる見かけ上の含水率を45%以上65%未満として炉本体内部の温度を確実に850℃以上に設定することができる。
【0015】
また、本発明は、汚泥流動層焼却炉で汚泥を焼却する汚泥焼却方法であって、炉本体の燃焼領域となる内部に連通する搬送管の内部に、低含水率の低含水汚泥を供給する低含水汚泥供給工程と、前記低含水汚泥が供給された前記搬送管の内部に前記低含水汚泥よりも高含水率の高含水汚泥を充填させることで、該高含水汚泥に対して前記低含水汚泥が層状に混入された状態とさせる高含水汚泥供給工程と、前記高含水汚泥に対して前記低含水汚泥が層状に混入された状態の汚泥を前記搬送管から前記炉本体の内部へ投入する汚泥投入工程と、前記炉本体の内部に投入された汚泥を前記炉本体の内部で燃焼させる燃焼工程とを備えることを特徴としている。
【0016】
この方法によれば、まず、低含水汚泥供給工程として、搬送管内部に汚泥として低含水汚泥を供給する。次に、高含水汚泥供給工程として、低含水汚泥が供給された搬送管内部に汚泥として高含水汚泥を充填することで、上流側から搬送される低含水汚泥の流れは、下流側で充填されている高含水汚泥の内部に層状に混入する。ここで、低含水汚泥は、次第に攪拌されるとともに高含水汚泥から低含水汚泥へと水分が拡散することで、搬送されるに従って高含水汚泥と完全混合状態となり得るが、汚泥投入工程では、低含水汚泥を高含水汚泥に層状に混入させた不完全混合状態で、完全混合状態となる前に炉本体の内部に汚泥を投入してしまう。このため、高含水汚泥は、その含水率を維持しているので、当該高含水汚泥がマテリアルシールとしての機能を発揮し、燃焼工程として炉本体内部で汚泥を燃焼しても、搬送管内へ炉本体内部の熱風が流入してしまうのを確実に防止することができる。その一方で、炉本体に供給される汚泥全体の見かけ上の含水率は、低含水汚泥により低下させることが可能なため、炉本体内部の温度を高温とすることができる。
【0017】
また、上記の汚泥焼却方法において、前記汚泥投入工程では、前記炉本体の内部に投入される前記汚泥の内、前記高含水汚泥の部分は含水率が70%以上であり、前記低含水汚泥の部分は40%以下であることを特徴としている。
【0018】
この方法によれば、高含水汚泥の部分の含水率が70%以上であることで、好適にマテリアルシールを発揮することができるとともに、低含水汚泥の部分の含水率が40%以下であることで、高含水汚泥と低含水汚泥とによる見かけ上の含水率を45%以上65%未満として炉本体内部の温度を確実に850℃以上に設定することができる。
【0019】
また、本発明の汚泥流動層焼却プラントは、内部に砂が充填された砂層部を有する炉本体と、前記砂層部の上方に高含水率の汚泥である高含水汚泥を供給する高含水汚泥供給部と、該高含水汚泥供給部よりも下方、かつ前記砂層部の上方となる位置で、低含水汚泥を圧縮空気に混合して吹き付ける低含水汚泥供給部とを備えることを特徴としている。
【0020】
この構成によれば、炉本体の内部において砂層部の上方で、低含水汚泥供給部によって低含水汚泥が圧縮空気に混合されて吹き付けられる。このため、圧縮空気に混合された低含水汚泥が炉本体の内部に拡散して燃焼することとなり、炉本体内部全体の温度を高温とすることができる。そして、この状態で高含水汚泥供給部によって高含水汚泥を上方から投入することで、高含水汚泥を、高含水汚泥のみで燃焼した場合と比較して高温で燃焼させることができる。ここで、高含水汚泥供給部は、高含水汚泥を、高含水率の状態を保ったまま炉本体内部に投入することで、汚泥によるマテリアルシールの機能を発揮させ、炉本体の内部の熱風が流入してしまうのを確実に防止することができる。また、低含水汚泥供給部は、低含水汚泥を圧縮空気に混合して吹き付けることで、炉本体の内部の熱風が流入してしまうのを確実に防止することができる。
【0021】
また、上記の汚泥流動層焼却プラントにおいて、前記炉本体は、円筒状に形成され、 前記低含水汚泥供給部は、断面円形となる前記炉本体の内部の接線方向に沿うようにして前記低含水汚泥が混合された圧縮空気を吹き付けることを特徴としている。
【0022】
この構成によれば、低含水汚泥供給部によって圧縮空気と混合された低含水汚泥は、断面円形となる炉本体の内部の接線方向に沿うように吹き付けられることで、炉本体内部で旋回しつつ上方へと流れることとなり、効率的に炉本体の内部全体に拡散されることとなる。
【0023】
また、本発明は、汚泥流動層焼却炉で汚泥を焼却する汚泥焼却方法であって、内部に砂が充填された砂層部を有する炉本体の砂層部上方に、低含水汚泥を圧縮空気に混合させて吹き付ける低含水汚泥供給工程と、前記低含水汚泥が混合された圧縮空気が吹き付けられる位置よりも上方で、高含水率の汚泥である高含水汚泥を炉本体の内部に投入する高含水汚泥供給工程と、圧縮空気に混合させて吹き付けられた前記低含水汚泥を燃焼しつつ、上方から投入された前記高含水汚泥を燃焼させる燃焼工程とを備えることを特徴としている。
【0024】
この方法によれば、低含水汚泥供給工程として、炉本体の内部において砂層部の上方で、低含水汚泥が圧縮空気に混合されて吹き付けられる。このため、圧縮空気に混合された低含水汚泥が炉本体の内部全体に拡散して燃焼することとなり、炉本体内部の温度を高温とすることができる。そして、この状態で高含水汚泥供給工程として、高含水汚泥を上方から投入することで、燃焼工程として、高含水汚泥を、高含水汚泥のみで燃焼した場合と比較して高温で燃焼させることができる。ここで、高含水汚泥供給工程では、高含水汚泥を、高含水率の状態を保ったまま炉本体内部に投入することで、汚泥によるマテリアルシールの機能を発揮させ、炉本体の内部の熱風が供給側へ流入してしまうのを確実に防止することができる。また、低含水汚泥供給工程では、低含水汚泥を圧縮空気に混合して吹き付けることで、炉本体の内部の熱風が供給側へ流入してしまうのを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の汚泥流動層焼却プラント及び汚泥焼却方法によれば、燃焼温度を高温として温室効果ガスの発生を抑制しつつ、炉本体の内部の熱風が汚泥の供給部分に流入してしまうことを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施形態の汚泥流動層焼却プラントの概要を示す全体図である。
【図2】図1に示すA部の詳細を示す断面図である。
【図3】図2の切断線B−Bにおける断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の汚泥焼却方法のフロー図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の変形例の汚泥流動層焼却プラントの概要を示す全体図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の汚泥流動層焼却プラントの概要を示す全体図である。
【図7】図6の切断線C−Cにおける断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の汚泥焼却方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
図1から図3は、本発明の第1の実施形態に係る汚泥流動層焼却プラントを示している。本実施形態の汚泥流動層焼却プラント1は、汚泥流動層焼却炉10により高含水汚泥A1を焼却処理するためのものである。高含水汚泥A1としては、具体的には下水汚泥、し尿処理汚泥、各種排水処理汚泥などであり、含水率が70%以上のものである。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の汚泥流動層焼却プラント1は、汚泥を内部で燃焼させる汚泥流動層焼却炉10と、汚泥流動層焼却炉10に汚泥を供給する汚泥供給系統20とを備える。汚泥流動層焼却炉10は、本実施形態では所謂流動型であり、内部を燃焼領域とする炉本体11と、炉本体11と上部及び下部で連通する還流部12とを有する。炉本体11は、断面略円形となる円筒状に形成され、その内部が、最下部に流動媒体となる砂が充填して形成された砂層部11aと、砂層部11a上方の空間であるフリーボード部11bとから構成される。砂層部11aを形成する砂としては、例えばけい砂が好適に用いられる。炉本体11には、砂層部11aに燃焼空気として一次空気を吹き付け、砂層部11a上方に流動層を形成させる一次空気供給部11cと、流動層が形成される範囲に二次空気を吹き付ける二次空気供給部11dと、砂層部11aに補助燃料を供給する補助燃料供給部11eとが設けられている。
【0029】
また、還流部12は、炉本体11の上部で連通し、炉本体11の内部で燃焼し生成された排ガス及び舞い上がった砂が流体として流入する排出管路12aと、上部で排出管路12aから流入した流体から砂を分離する分離器12bと、砂が分離された排ガスを排出するための排出口12cと、分離器12bで分離された砂を炉本体11の砂層部11aへと還流させるシールポット部12dとを有する。分離器12bは、例えばサイクロンであり、遠心分離により排ガスと砂とを分離し、分離した砂を下方へと排出する。分離器12bで分離された排ガスは、分離器12b上方に設けられた排出口12cから排出される。
【0030】
また、シールポット部12dは、分離器12bで分離された砂が落とし込まれ貯留される貯留部12eと、炉本体11の砂層部11aと連通するダクト12fと、貯留部12eとダクト12fとの間に設けられ貯留部12eに貯留された砂を順次ダクト12fへと排出する砂排出部12gとを有する。砂排出部12gは、貯留部12eと連通しており、貯留部12eに貯留された砂が順次供給される。砂排出部12gでは、図示しないブロワによって圧縮空気が供給されることにより貯留部12eから砂排出部12gへと供給された砂をダクト12fへ送り込むことが可能である。このため、分離器12bで分離された砂は、順次ダクト12fを介して炉本体11の砂層部11aへと戻されることとなる。
【0031】
汚泥供給系統20は、炉本体11に燃焼する汚泥を搬送する主搬送部21と、主搬送部21に汚泥を供給する汚泥供給部30と、汚泥供給部30に汚泥を搬送する汚泥搬送部40と、汚泥搬送部40に汚泥を供給する汚泥貯留部50と、汚泥貯留部50に貯留された汚泥の一部を乾燥させる乾燥機60とを備える。主搬送部21は、下流端が炉本体11の内部に連通する搬送管22と、搬送管22の内部に軸方向に沿って配設され、軸回りに回転可能なスクリュー23と、スクリュー23を回転させる駆動部24とを有する。
図2及び図3に示すように、本実施形態において主搬送部21は、搬送管22の内部に2つのスクリュー23を備えた2軸スクリュー方式を適用している。
【0032】
また、図1に示すように、汚泥貯留部50は、処理対象として搬入される高含水汚泥A1を投入可能な搬入用開口50aを上部に有するとともに、内部に貯留する高含水汚泥A1を排出可能な第一排出用開口50b及び第二排出用開口50cの二つの排出開口を下部に有する。このため、搬入用開口50aから投入された高含水汚泥A1の一部は、第一排出用開口50bから排出され、残りが第二排出用開口50cから排出される。
【0033】
乾燥機60は、乾燥対象となる汚泥を受け入れるホッパからなる入口部60aと、入口部60aで受け入れた汚泥を乾燥させる本体部60bと、本体部60bで乾燥された汚泥を排出する排出部60cとを有する。本体部60bは、図示しないがパドル付回転ドラムとして構成されており、パドルによって攪拌されつつパドル内部に供給する熱媒体によって加熱されることで、供給された汚泥を乾燥させる。パドル内部に供給する熱媒体としては、蒸気や油などが挙げられる。本体部60bで汚泥を加熱して降温した熱媒体は、図示しない加熱手段により加熱した上で再び汚泥の乾燥に用いられる。また、図示しない加熱手段としては、汚泥流動層焼却炉10から排出される排ガスと熱交換することにより加熱する方式がエネルギー効率上好適である。なお、乾燥機60の仕様としては、上記に限られず、高含水汚泥A1を所望の含水率の低含水汚泥A2まで乾燥させることが可能であれば、公知の様々な仕様の乾燥機が選択可能である。なお、本実施形態においては、含水率70%以上の高含水汚泥A1を、含水率40%未満の低含水汚泥A2となるまで乾燥可能な仕様であることが望ましい。
【0034】
また、汚泥搬送部40は、例えば、ベルトコンベアであり、汚泥貯留部50に貯留された高含水汚泥A1を搬送する高含水汚泥搬送部41と、乾燥機60で乾燥された低含水汚泥A2を搬送する低含水汚泥搬送部42とを有する。
【0035】
汚泥供給部30は、高含水汚泥A1を主搬送部21に供給する高含水汚泥供給部31と、低含水汚泥A2を主搬送部21に供給する低含水汚泥供給部32とを有する。低含水汚泥供給部32は、本実施形態ではホッパであり、上部に低含水汚泥搬送部42から搬送される低含水汚泥A2を受け入れ可能に開口する入口開口32aと、主搬送部21の搬送管22の上流側において上部に開口する排出開口32bとを有する。
【0036】
また、高含水汚泥供給部31は、高含水汚泥搬送部41によって搬送される高含水汚泥A1が供給される高含水汚泥受入ホッパ31aと、高含水汚泥受入ホッパ31aから供給される高含水汚泥A1を圧送する汚泥ポンプ31bと、搬送管22の内部に開口し汚泥ポンプ31bによって圧送される高含水汚泥A1が流通する接続管31cとを有する。接続管31cは、低含水汚泥供給部32によって低含水汚泥A2が供給される位置よりも下流側で搬送管22の内部に開口している。本実施形態では、搬送管22の下方となる位置から、搬送管22のスクリュー23を上方に望むようにして開口しており、特に対をなすスクリュー23の間となるようにして開口している。そして、高含水汚泥供給部31は、汚泥ポンプ31bにより接続管31cを介して高含水汚泥A1を搬送管22の下側から上側に向かって圧入し、汚泥ポンプ31bの流量調整により搬送管22内部に充填させることが可能となっている。
【0037】
次に、この実施形態の汚泥流動層焼却プラント1による汚泥焼却方法の詳細と作用について、図1から図3及び図4に示すフロー図に基づいて説明する。
図4において、まず高含水汚泥搬入工程S1として、例えば外部から処理対象となる高含水汚泥A1が搬入され、汚泥貯留部50の搬入用開口50aから汚泥が投入される。ここで、搬入される高含水汚泥A1としては、含水率が70%以上の汚泥である。
【0038】
次に、低含水汚泥生成工程S2として、低含水汚泥A2の生成が行われる。すなわち、汚泥貯留部50は、貯留する高含水汚泥A1の一部を乾燥機60の入口部60aに排出する。入口部60aに投入された高含水汚泥A1は、本体部60b内で乾燥され低含水汚泥A2として生成されて排出部60cから排出される。ここで、生成される低含水汚泥A2としては、含水率が40%未満の汚泥である。
【0039】
次に低含水汚泥搬送工程S3として、排出部60cから排出された低含水汚泥A2は、低含水汚泥搬送部42により低含水汚泥供給部32の入口開口32aまで搬送され、該入口開口32aから低含水汚泥供給部32に投入される。次に、低含水汚泥供給工程S4として、低含水汚泥供給部32に投入された低含水汚泥A2は、上流側において主搬送部21の搬送管22内に供給されることとなる。
【0040】
一方、低含水汚泥生成工程S2、低含水汚泥搬送工程S3及び低含水汚泥供給工程S4と並行して、高含水汚泥搬送工程S5を実施する。すなわち、汚泥貯留部50は、貯留する高含水汚泥A1の一部を高含水汚泥搬送部41に排出する。排出された高含水汚泥A1は、高含水汚泥搬送部41により高含水汚泥供給部31の高含水汚泥受入ホッパ31aまで搬送され、該高含水汚泥受入ホッパ31aに投入される。
【0041】
そして、高含水汚泥供給工程S6として、高含水汚泥受入ホッパ31aに投入された高含水汚泥A1は、汚泥ポンプ31bにより接続管31cを経由して主搬送部21の搬送管22の内部において、低含水汚泥A2が供給される位置よりも下流側で供給され、搬送管22内に充填される。
【0042】
このように、低含水汚泥供給工程S4及び高含水汚泥供給工程S6で主搬送部21に供給された低含水汚泥A2と高含水汚泥A1とは、次に汚泥投入工程S7として主搬送部21によって搬送され汚泥流動層焼却炉10の炉本体11の内部に投入される。汚泥投入工程S7は、低含水汚泥搬送ステップS7−1と、汚泥投入ステップS7−2とを有する。
【0043】
すなわち、まず低含水汚泥搬送ステップS7−1として、主搬送部21の上流側で供給された低含水汚泥A2を、搬送管22の内部で軸回りに回転するスクリュー23によって下流側に向かって搬送していく。そして、低含水汚泥A2の搬送中に、上記高含水汚泥供給工程S6として高含水汚泥A1が供給されて、汚泥投入ステップS7−2として、高含水汚泥A1と低含水汚泥A2とが汚泥流動層焼却炉10の炉本体11の内部に投入される。
【0044】
ここで、図2及び図3に示すように、高含水汚泥供給工程S6では、搬送管22の内部に高含水汚泥A1が充填される。このため、上流側から搬送される低含水汚泥A2は、スクリュー23によって高含水汚泥A1に対して押し込められるようにして混入させられる。従って、混入初期においては高含水汚泥A1に対して低含水汚泥A2が層状に混入し、そのままスクリュー23によって軸回りに螺旋状に攪拌されることで、低含水汚泥A2は、螺旋かつ層状に高含水汚泥A1に対して混入しながら、高含水汚泥A1と一体となって下流側へと搬送され、炉本体11の内部へ投入される。そして、燃焼工程S8として、投入された汚泥は燃焼されることとなる。
【0045】
ここで、低含水汚泥A2は、主搬送部21によって搬送されるに従って、次第に攪拌されるとともに高含水汚泥A1から低含水汚泥A2へと水分が拡散することで、高含水汚泥A1と完全混合状態となり得る。しかしながら、汚泥投入工程S7の汚泥投入ステップS7−2では、低含水汚泥A2を高含水汚泥A1に層状に混入させた不完全混合状態で、完全混合状態となる前に炉本体11の内部に汚泥を投入してしまう。このため、高含水汚泥A1は、その含水率を維持しているので、当該高含水汚泥A1がマテリアルシールとしての機能を発揮し、燃焼工程S8として炉本体11内部で汚泥を燃焼しても、搬送管22内へ炉本体11内部の熱風が流入してしまうのを確実に防止することができる。その一方で、炉本体11に供給される汚泥全体の見かけ上の含水率は、低含水汚泥A2により低下させることが可能なため、炉本体11の内部の温度を高温とすることができる。このため、汚泥流動層焼却炉10で発生する排ガスにおいて、効果的に温室ガス、特にNOの発生を抑制することができる。特に、高含水汚泥供給工程S6で主搬送部21に高含水汚泥A2を供給した後の搬送管22内部の汚泥の内、高含水汚泥A1の部分の含水率が70%以上であることで、好適にマテリアルシールを発揮することができる。また、低含水汚泥供給工程S4で供給される低含水汚泥A2の部分の含水率が40%以下であることで、高含水汚泥A1と低含水汚泥A2とによる見かけ上の含水率を45%以上65%未満として炉本体11内部の温度を確実に850℃以上に設定し、効果的に温室ガスの発生を抑制することができる。また、完全混合状態として含水率が45%以上65%未満となった場合には、汚泥の粘性が高くなって搬送性が低下してしまうが、本実施形態では完全混合状態とすることなく汚泥の見かけ上の含水率を45%以上65%未満にするだけであるので、搬送性が低下してしまうことも無い。
【0046】
なお、上記のように主搬送部21の搬送管22の内部において、高含水汚泥供給部31によって高含水汚泥A1が供給する位置よりも下流側では、高含水汚泥A1によりマテリアルシールを発揮する必要がある。このため、高含水汚泥供給部31によって高含水汚泥A1が供給する位置は、下流端までに搬送管22の内部に高含水汚泥A1を充填可能な搬送経路長を確保しつつ、高含水汚泥A1と低含水汚泥A2とが完全混合状態となってしまわないようにできるだけ下流側に設ける方が好ましい。
【0047】
また、上記においては、高含水汚泥供給部31を汚泥ポンプ31bで圧送する構成としたが、これに限るものではない。図5は、本実施形態の変形例を示している。図5に示すように、この変形例の汚泥流動層焼却プラント80では、高含水汚泥供給部81は、ホッパとして構成されている。高含水汚泥搬送部41は、当該高含水汚泥供給部81に高含水汚泥A1を搬送し、投入する。そして、高含水汚泥供給部81は、搬送管22上部に開口し、当該開口から搬送管22内へと高含水汚泥A1を供給する。このような変形例の汚泥流動層焼却プラント80としても、高含水汚泥供給部81によって主搬送部21の搬送管22に高含水汚泥A1が搬送され充填される構成であり、高含水汚泥A1と低含水汚泥A2とが不完全混合状態のまま炉本体11の内部に投入されるものであれば良い。但し、高含水汚泥供給部81は、高含水汚泥A1を圧送するものではなく、高含水汚泥A1の自重によって落下させて供給するものであるので、圧送する場合と比較して充填性能は低下してしまう。このため、当該変形例においては、高含水汚泥A1の供給位置をより上流側とし、搬送管22内で充填状態となるまでの搬送経路長を比較的長く確保する必要がある。
【0048】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6から図8は、本発明の第2の実施形態を示したものである。なお、この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0049】
図6に示すように、この実施形態の汚泥流動層焼却プラント100の汚泥供給系統101において、高含水汚泥供給部102は、高含水汚泥搬送部41によって搬送された高含水汚泥A1を受け入れる受入ホッパ102aと、炉本体11に接続され、高含水汚泥A1を供給するための高含水汚泥供給管102bと、高含水汚泥供給管102b内に配されて軸回りに回転して高含水汚泥供給管102b内の高含水汚泥A1を搬送するスクリュー102cと、スクリュー102cを回転させる駆動部102dとを有する。
【0050】
また、低含水汚泥供給部103は、炉本体11の内部に連通する低含水汚泥供給管103aと、低含水汚泥供給管103a内に低含水汚泥A2を供給可能な低含水汚泥受入ホッパ103bと、低含水汚泥供給管103a内において低含水汚泥受入ホッパ103bによる低含水汚泥A2の供給位置よりも上流側で圧縮空気を供給可能な圧縮空気供給部103cとを有する。圧縮空気供給部103cは、圧縮空気を生成する圧縮機103dと、圧縮機103dと低含水汚泥供給管103aとを接続する圧縮空気供給管103eと、圧縮空気供給管103eに設けられて流量の調整を行う圧縮空気調整バルブ103fとを有する。また、低含水汚泥受入ホッパ103bの排出側には汚泥調整バルブ103gが設けられていて、該汚泥調整バルブ103gにより低含水汚泥A2の供給量を調整可能である。また、低含水汚泥供給管103aの炉本体11への開口位置は、炉本体11の内部の砂層部11a表面より上側で高含水汚泥供給部102の高含水汚泥供給管102bの開口位置よりも下側に設けられており、炉本体11の内部の砂層部11a表面近傍に設けられていることがより好ましい。また、図7に示すように、本実施形態では、低含水汚泥供給管103aは、軸線方向L1が炉本体11の軸線L0に交差しておらず、平断面視して断面円形となる炉本体11の接線L2方向に沿うようにして設けられている。
【0051】
次に、この実施形態の汚泥流動層焼却プラント100による汚泥焼却方法の詳細と作用について、図6及び図7、並びに図8に示すフロー図に基づいて説明する。
図8に示すように、本実施形態では、高含水汚泥工程S10における高含水汚泥供給部102による炉本体11の内部への高含水汚泥A1の供給と、低含水汚泥供給工程S11における低含水汚泥供給部103による炉本体11の内部への低含水汚泥A2の供給とが別々に行われる。
【0052】
すなわち、高含水汚泥供給工程S10では、高含水汚泥搬送部41で搬送して受入ホッパ102aで受け入れた高含水汚泥A1を高含水汚泥供給管102bへ供給し、スクリュー102cの回転で圧送して炉本体11の内部に投入する。また、低含水汚泥供給工程S11は、低含水汚泥供給管103a内に低含水汚泥A2を供給する低含水汚泥供給ステップと、低含水汚泥供給管103a内に圧縮空気を吹き付けることで、低含水汚泥供給管103a内の低含水汚泥A2を混合させて混合流体A3として炉本体11の内部に吹き付ける圧縮空気供給ステップとを有する。
【0053】
以上のような、汚泥流動層プラントによる汚泥焼却方法では、炉本体11の内部において砂層部11aの上方で、低含水汚泥供給部103によって低含水汚泥A2が圧縮空気に混合されて、混合流体A3として吹き付けられる。このため、圧縮空気に混合された低含水汚泥A2が炉本体11の内部に拡散して燃焼することとなり、炉本体11内部全体の温度を高温とすることができる。特に、低含水汚泥供給部103によって圧縮空気と低含水汚泥A2とが混合した混合流体A3は、断面円形となる炉本体11の内部の接線L2方向に沿うように吹き付けられることで、炉本体11内部で旋回しつつ上方へと流れることとなる。このため、低含水汚泥A2を効率的に炉本体11の内部全体に拡散させて燃焼させることができ、炉本体11の内部全体をより均一な高温状態とすることができる。
【0054】
そして、この状態で高含水汚泥供給部102によって高含水汚泥A1を上方から投入することで、高含水汚泥A1を、高含水汚泥A1のみで燃焼した場合と比較して高温で燃焼させることができる。ここで、高含水汚泥供給部102は、高含水汚泥A1を、高含水率の状態を保ったまま炉本体11内部に投入することで、汚泥によるマテリアルシールの機能を発揮させ、炉本体11の内部の熱風が流入してしまうのを確実に防止することができる。また、低含水汚泥供給部103は、低含水汚泥A2を圧縮空気に混合して混合流体A3として吹き付けることで、炉本体11の内部の熱風が低含水汚泥供給管103a内部に流入してしまうのを確実に防止することができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0056】
なお、上記各実施形態及び変形例では、汚泥流動層焼却炉を流動型として説明したが、これに限るものではなく、気泡型としても良い。また、上記実施形態及び変形例では、乾燥機60を備え、低含水汚泥生成工程S2として高含水汚泥A1から低含水汚泥A2を生成するものとしたが、これに限るものではない。例えば、高含水汚泥A1と低含水汚泥A2とを別々に外部から搬入するものとしても良い。また、汚泥搬送部40によって汚泥を汚泥供給部30に供給するものとしたが、これに限るものではなく、外部から直接汚泥供給部30に高含水汚泥A1及び低含水汚泥A2を供給するものとしても良い。
【符号の説明】
【0057】
1、80、100 汚泥流動層焼却プラント
11 炉本体
21 主搬送部
22 搬送管
23 スクリュー
31、81、102 高含水汚泥供給部
32、103 低含水汚泥供給部
41 高含水汚泥搬送部
42 低含水汚泥搬送部
60 乾燥機
A1 高含水汚泥
A2 低含水汚泥
S4、S11 低含水汚泥供給工程
S6、S10 高含水汚泥供給工程
S7 汚泥投入工程
S8 焼却工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を燃焼領域とする炉本体と、
該炉本体の内部に連通する搬送管を有し、該炉本体の内部に汚泥を投入する主搬送部と、
該主搬送部の下流側で、前記搬送管の内部に汚泥として高含水率である高含水汚泥を充填させる高含水汚泥供給部と、
該高含水汚泥供給部が高含水汚泥を供給する位置よりも前記主搬送部の上流側で、汚泥として前記高含水汚泥よりも低含水率である低含水汚泥を供給する低含水汚泥供給部とを備え、
前記主搬送部が、下流側で供給される前記高含水汚泥に、上流側から搬送される前記低含水汚泥を層状に混入させた不完全混合状態で前記搬送管から前記炉本体の内部に汚泥を投入することを特徴とする汚泥流動層焼却プラント。
【請求項2】
請求項1に記載の汚泥流動層焼却プラントにおいて、
前記主搬送部は、前記搬送管の内部に配設され軸回りに回転可能なスクリューを備え、前記高含水供給部によって充填された前記高含水汚泥に対して前記低含水汚泥が混入した状態の汚泥を、前記炉本体の内部に向けて圧送することを特徴とする汚泥流動層焼却プラント。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の汚泥流動層焼却プラントにおいて、
前記高含水汚泥を乾燥させて前記低含水汚泥を生成する乾燥機と、
該乾燥機で生成された前記低含水汚泥を前記低含水汚泥供給部に搬送する低含水汚泥搬送部と、
前記高含水汚泥を前記高含水汚泥供給部と前記乾燥機とにそれぞれ供給する高含水汚泥搬送部とを備えることを特徴とする汚泥流動層焼却プラント。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の汚泥流動層焼却プラントにおいて、
前記主搬送部によって前記炉本体の内部に投入される前記汚泥の内、前記高含水汚泥の部分は含水率が70%以上であり、前記低含水汚泥の部分は含水率が40%以下であることを特徴とする汚泥流動層焼却プラント。
【請求項5】
汚泥流動層焼却炉で汚泥を焼却する汚泥焼却方法であって、
炉本体の燃焼領域となる内部に連通する搬送管の内部に、低含水率の低含水汚泥を供給する低含水汚泥供給工程と、
前記低含水汚泥が供給された前記搬送管の内部に前記低含水汚泥よりも高含水率の高含水汚泥を充填させることで、該高含水汚泥に対して前記低含水汚泥が層状に混入された状態とさせる高含水汚泥供給工程と、
前記高含水汚泥に対して前記低含水汚泥が層状に混入された状態の汚泥を前記搬送管から前記炉本体の内部へ投入する汚泥投入工程と、
前記炉本体の内部に投入された汚泥を前記炉本体の内部で燃焼させる燃焼工程とを備えることを特徴とする汚泥焼却方法。
【請求項6】
請求項5に記載の汚泥流動層焼却炉で汚泥を焼却する汚泥焼却方法であって、
前記汚泥投入工程では、前記炉本体の内部に投入される前記汚泥の内、前記高含水汚泥の部分は含水率が70%以上であり、前記低含水汚泥の部分は40%以下であることを特徴とする汚泥焼却方法。
【請求項7】
内部に砂が充填された砂層部を有する炉本体と、
前記砂層部の上方に高含水率の汚泥である高含水汚泥を供給する高含水汚泥供給部と、
該高含水汚泥供給部よりも下方、かつ前記砂層部の上方となる位置で、低含水汚泥を圧縮空気に混合して吹き付ける低含水汚泥供給部とを備えることを特徴とする汚泥流動層焼却プラント。
【請求項8】
請求項7に記載の汚泥流動層焼却プラントにおいて、
前記炉本体は、円筒状に形成され、
前記低含水汚泥供給部は、断面円形となる前記炉本体の内部の接線方向に沿うようにして前記低含水汚泥が混合された圧縮空気を吹き付けることを特徴とする汚泥流動層焼却プラント。
【請求項9】
汚泥流動層焼却炉で汚泥を焼却する汚泥焼却方法であって、
内部に砂が充填された砂層部を有する炉本体の砂層部上方に、低含水汚泥を圧縮空気に混合させて吹き付ける低含水汚泥供給工程と、
前記低含水汚泥が混合された圧縮空気が吹き付けられる位置よりも上方で、高含水率の汚泥である高含水汚泥を炉本体の内部に投入する高含水汚泥供給工程と、
圧縮空気に混合させて吹き付けられた前記低含水汚泥を燃焼しつつ、上方から投入された前記高含水汚泥を燃焼させる燃焼工程とを備えることを特徴とする汚泥焼却方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−102941(P2012−102941A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252225(P2010−252225)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(501370370)三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 (175)
【Fターム(参考)】