説明

油中水乳化型メイクアップ化粧料

【課題】 塗布直後と塗布5分後の色変化が小さく、つけたての色をそのまま長時間維持することのできる油中水乳化型メイクアップ化粧料を提供する。
【解決手段】 油中水乳化型メイクアップ化粧料において、(A)金属石けん処理金属酸化物と、(B)エステル油と、(C)シリコーン油と、(D)水を必須成分として含有し、かつ白色顔料と着色顔料の総量の50質量%以上が(A)であることを特徴とする。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄等の粉体を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布直後の塗布色の変化が少なく、自然な仕上がりが得られる油中水乳化型メイクアップ化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
メイクアップ化粧料の中でもファンデーションはメイクアップの最初に使用され、その後アイメイク、リップメイク等のポイントメイクを施すのが一般的である。このファンデーションの中でも、化粧持ち、使用時の伸びのよさ等の点から、揮発性のシリコーン油を用いた油中水乳化型ファンデーションが広く上市されている。しかしながら、揮発性のシリコーン油は、使用直後から5分ぐらいで揮発してしまうため、配合した白色顔料、着色顔料の濡れ状態が変化し、外観色と塗布色が異なるという問題点があった。かかる色の変化を小さくするために、シリコーン油と樹枝状酸化チタンと金属石けん処理酸化鉄を併用して用いることが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−051550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の方法では、酸化鉄を金属石けん処理することにより、外観色と塗布色のギャップは小さくなったが、塗布直後と塗布5分後の色が変化するという問題点があった。そこで本発明においては、塗布直後と塗布5分後の色変化が小さく、つけたての色をそのまま長時間維持することのできる油中水乳化型メイクアップ化粧料を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の第1の発明は、(A)金属石けん処理金属酸化物と、(B)エステル油と、(C)シリコーン油と、(D)水を必須成分として含有し、かつ白色顔料と着色顔料の総量の50質量%以上が(A)であることを特徴とする、油中水乳化型メイクアップ化粧料に関する。
【0006】
本願の第2の発明は、第1の発明の油中水乳化型さらにトリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーン系グラフト共重合体から選択される1種又は2種を含有する油中水乳化型メイクアップ化粧料に関する。
【0007】
本願の第3の発明は、(B)のエステル油が、ネオペンタン酸イソデシル、オクタン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソデシル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−オクチルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリルおよびエルカ酸2−オクチルドデシル、ならびにこれらの混合物から選択されることを特徴とする第1の発明若しくは第2の発明に記載の油中水乳化型メイクアップ化粧料に関する。
【0008】
本願の第4の発明は、(C)シリコーン油が揮発性シリコーン油であることを特徴とする第1〜第3の一の発明に記載の油中水乳化型メイクアップ化粧料に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧料は、塗布直後からの色変化が小さく、しかも化粧持ちが良好であるという効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧料は、(A)金属石けん処理金属酸化物と、(B)エステル油と、(C)シリコーン油と、(D)水を必須成分とし、さらにトリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーン系グラフト共重合体から選択される1種又は2種を含有し得る。
【0011】
成分(A)の金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄等の粉体を用いる。これらの金属酸化物の表面に脂肪酸の多価金属塩である金属石けんを被覆したものを用いる。金属石けんとしては、特に脂肪酸の炭素数が12〜18のものが好ましく、またそれらの塩としては、例えばカルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等が挙げられ、特にアルミニウム塩が好ましい。従って金属石けんの好ましいものとしては、ステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、パルミチン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム,ミリスチン酸アルミニウム,ジミリチン酸アルミニウム等が例示される。金属酸化物の表面に金属石けんを被覆する方法としては、特に限定されず、金属石けんをイソパラフィン,イソプロピルアルコールなどの揮発性溶媒に溶解し、金属酸化物と混合した後、揮発性溶媒を揮散させることによって調製することができる。また単に金属酸化物と金属石鹸を混合するだけでも、被覆することができる。金属酸化物表面への金属石けんの被覆量は、金属酸化物100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。
【0012】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧料には、金属石けんで処理していない未処理の若しくは親水化処理、疎水化処理を施した白色顔料、着色顔料も配合することができるが、白色顔料、着色顔料の総量の50質量%以上が、金属石けん処理金属酸化物であることが好ましい。
【0013】
成分(B)エステル油としては、化粧料に配合し得るエステル油であれば、特に限定されないが、シリコーン油との相溶性等の点からネオペンタン酸イソデシル、オクタン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソデシル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−オクチルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリルおよびエルカ酸2−オクチルドデシルから選択される1種又は2種以上を用いることが好ましい。さらに、本願発明の塗布直後の色変化の少なさの点からエルカ酸2−オクチルドデシルを用いることが最も好ましい。
【0014】
成分(B)の配合量は、油中水乳化型メイクアップ化粧料全量に対して、0.5〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは1.0〜15質量%である。20質量%を超えて配合すると、塗布後にべたついたり、化粧持ち悪化の原因となりうる。
【0015】
成分(C)のシリコーン油は、油剤としての機能と感触的なさっぱり感を肌に付与することを主な目的として配合されるものであり、シリコーン油を配合しない場合には、使用中ののびが重くなったり油っぽくなるなど、良好な使用感が得られない。シリコーン油の構造は特に限定されず、直鎖状、環状、架橋型等のいずれを用いても良い。具体的に例示すると、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・メチルフェニルポリシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度のシリコーン油、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状シリコーン油、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられ、これらの一種又は二種を適宜選択して使用することができる。
【0016】
これらのなかでも、さっぱりとした感触を容易に得られ、化粧持ち向上効果が得られるという観点から、揮発性シリコーン油を用いることが好ましい。揮発性シリコーン油としては、具体的には、粘度値が5×10−6/s以下のジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンが挙げられる。これらの中でも、皮膚への安全性、乳化化粧料の被乳化性の観点から、環状のシリコーンが特に好ましい。
【0017】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧料には、成分(B)のエステル油、成分(C)のシリコーン油以外の油剤を配合することもできる。かかる油剤としては、化粧品一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、親油性界面活性剤類、油溶性紫外線吸収剤類等を配合することができる。
【0018】
具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、モクロウ等の油脂類、ミツロウ、ラノリン、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ、ホホバ油等のロウ類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸等の高級脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン・ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、アミノ安息香酸エチル、メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等の油溶性紫外線吸収剤類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
トリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーン系グラフト共重合体から選択される1種又は2種は、化粧持ち向上を目的として配合する。トリメチルシロキシケイ酸は、シロキサン構造を主骨格とした架橋構造を持つ化合物で、[(CH33SiO1/2X[SiO2Yで表されるもの(Xは1〜3、Yは0.5〜8)が好ましく、市販品としては、予め溶剤に溶解させたKF−7312F、KF−7312J、KF−7312K(以上、信越化学工業(株))を好ましく使用することができる。アクリル−シリコーン系グラフト共重合体は、分子中にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と、これ以外のラジカル重合性モノマーの1種又は2種以上とを共重合して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体であり、化粧持続性を向上できるものであれば、いずれのものも使用することができる。具体的には、特開平2−25411号公報、特開平2−132141号公報等に記載されているものや、特開平3−162442号公報、特開2003−104825号公報等に記載のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を使用することができる。また市販品であるKP−541(イソプロパノール溶液)、KP−543(酢酸ブチル溶液)、KP−545(デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、KP−548(デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、KP−561、KP−562、KP−571(以上、信越化学工業(株))等のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体の混合物を使用することもできる。トリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーン系グラフト共重合体の配合量は、油中水乳化型メイクアップ化粧料全量に対し、0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。この範囲であれば、更にべたつきのなさといった使用感に優れ、また耐水性も良好なものとなる。
【0020】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧料は、乳化剤を用いて油相と水相を乳化することによって得られる。係る乳化剤としては、POE・メチルポリシロキサン共重合体、シリコーン鎖分岐型POE・メチルポリシロキサン共重合体、架橋型POE・メチルポリシロキサン共重合体、アルキル・POE共変性メチルポリシロキサン共重合体、シリコーン鎖分岐型アルキル・POE共変性メチルポリシロキサン共重合体、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン等が例示される。本発明では長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(ABIL EM90TM;ゴールドシュミット社製)、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(KF6017、KF6026;信越化学工業社製)等のHLB値6以下のシリコーン系乳化剤が好ましく用いられる。
【0021】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧料においては、乳化安定性を高めるため、無機塩、有機変性粘土鉱物、粘土鉱物、油ゲル化剤、多糖類等をさらに配合することができる。
【0022】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧料においては、紫外線防御能をさらに向上させる目的で紫外線吸収剤を配合することもできる。かかる紫外線吸収剤としては、例えば、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、メトキシケイ皮酸イソプロピル、メトキシケイ皮酸イソアミルなどの桂皮酸誘導体;パラ−アミノ安息香酸(以下、「PABA」と略記)、エチルPABA、エチル−ジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシル−ジメチルPABA、グリセリルPABA等のPABA誘導体;ホモサラート(homosalate)、エチルヘキシルサリチラート、ジプロピレングリコールサリチラート、TEAサリチラート等のサリチル酸誘導体;ベンゾフェノン−1、ベンゾフェノン−2、ベンゾフェノン−3またはオキシベンゾン、ベンゾフェノン−4、ベンゾフェノン−5、ベンゾフェノン−6、ベンゾフェノン−8、ベンゾフェノン−9、ベンゾフェノン−12等のベンゾフェノン誘導体;3−ベンジリデンショウノウ、4−メチルベンジリデンショウノウ、ベンジリデンショウノウスルホン酸、メト硫酸ショウノウベンザルコニウム、テレフタリリデンジショウノウスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ等のベンジリデンショウノウ誘導体;アニソトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6−トリス(ジイソブチル−4’−アミノベンザルマロナート)−s−トリアジン等のトリアジン誘導体;フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム等のフェニルベンゾイミダゾール誘導体;ドロメトリゾール(Drometrizole)トリシロキサン、メチレンビス(ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)等のフェニルベンゾトリアゾール誘導体;アントラニル酸メンチル等のアントラニル誘導体;エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオナート等のイミダゾリン誘導体;ベンザルマロナート官能基を有するポリオルガノシロキサン等のベンザルマロナート誘導体;1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン等の4,4−ジアリールブタジエン誘導体;オクトクリレンなどが例示される。
【0023】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧料には、上記成分の他に、本発明の目的・効果を損なわない限りにおいて、通常化粧品に用いられる他の成分を必要に応じて適宜配合することができる。このような成分としては、粉末成分、水溶性高分子、油溶性高分子、高分子粉末、L−アスコルビン酸およびその誘導体の塩、グリチルリチン酸ジカリルム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸およびその誘導体、グリチルレチン酸ステアリルなどのグリチルレチン酸およびその誘導体、アラントイン、トラネキサム酸およびその誘導体の塩、アルコキシサリチル酸およびその誘導体の塩、グルタチオンおよびその誘導体の塩、アラントイン、アズレンなどの薬剤等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0024】
本発明の油中水乳化型メイクアップ化粧料は、ファンデーション、化粧下地、アイカラー、チークカラーなどの用途に用いられるが、本発明の効果の点から、ファンデーションとして用いることが最も好ましい。
【実施例】
【0025】
本発明の油中水型メイクアップ化粧料の実施例を次に示す。なお処方中の量目は特に指定しない限り質量%で示した。
【0026】
本発明の油中水型メイクアップ化粧料としてファンデーションを表1に示す組成にて調製し、実施例1とした。なお実施例1は、混合、均一化した油相に粉体を均一に分散させた後、水相を添加して乳化することにより調製した。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
実施例1を用いて、塗布色の経時変化を測定した。なお、比較のため、シリコーン処理金属酸化物を含有し、金属石けん処理顔料を含有しないファンデーションの例として、表2に示した処方で、実施例1と同様の方法にてファンデーションを調製し、比較例1として塗布色の経時変化を測定した。
【0030】
塗布色の経時変化は、前腕内側部に、実施例1若しくは比較例1を0.2mL滴下し、5×5cmの範囲に指で素早く塗布し、塗布直後、1分後、5分後、3時間後の塗布色を測色計にて測色することにより評価した。具体的には、塗布1分後、5分後、3時間後の測色値と、塗布直後の測色値の差を算出しΔL*、Δa*、Δb*とし、色差ΔE*を算出した。結果を表3並びに図1に示す。
【0031】
【表3】

【0032】
表3並びに図1に示した通り、金属石けん処理金属酸化物を含有する実施例1は、金属石けん処理金属酸化物を含有しない比較例と比較して、塗布直後から塗布5分後までの色変化が非常に小さく、塗布直後と塗布5分後の色のギャップが小さいことが示された。また塗布3時間後でも色調の変化は小さく、化粧持ちが良好であることが示された。
【0033】
【表4】

【0034】
表4に示した処方にて、ファンデーションを調製し、塗布直後の色変化並びに化粧持ちの評価を行った。その結果、エステル油と金属石けん処理金属酸化物を併用した実施例2、実施例3は、エステル油のかわりに炭化水素油を配合した比較例2、金属石けん処理金属酸化物の一部をシリコーン処理酸化チタンに代替した比較例3と比較して、塗布直後の色変化が小さく、化粧持ちも良好であったことが示された。
【0035】
本発明のほかの実施例を示す
【0036】

【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例1及び比較例1の塗布色の経時変化を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)金属石けん処理金属酸化物と、(B)エステル油と、(C)シリコーン油と、(D)水を必須成分として含有し、かつ白色顔料と着色顔料の総量の50質量%以上が(A)であることを特徴とする、油中水乳化型メイクアップ化粧料。
【請求項2】
さらにトリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーン系グラフト共重合体から選択される1種又は2種を含有する請求項1に記載の油中水乳化型メイクアップ化粧料。
【請求項3】
(B)エステル油が、ネオペンタン酸イソデシル、オクタン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソデシル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−オクチルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸2−オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリルおよびエルカ酸2−オクチルドデシル、ならびにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1若しくは請求項2に記載の油中水乳化型メイクアップ化粧料。
【請求項4】
(C)シリコーン油が揮発性シリコーン油であることを特徴とする、請求項1〜請求項3の1項に記載の油中水乳化型メイクアップ化粧料。

【図1】
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【公開番号】特開2009−269881(P2009−269881A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−123516(P2008−123516)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】